プログラム可能なマイクロミラー動作制御システム
マイクロミラー構造を持ち上げる(支持する)ために、ステッパープレートにおける複数の支柱を用いている、マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御方法を提供する。当該制御システムは、(1)マイクロミラーの多数の動作を生成できる、(2)マイクロミラーを低駆動電圧で制御できる、(3)デジタル制御によって簡素な動作制御にできる、(4)マイクロミラーの動作の自由度をステッパープレートの数によって選択できる、(5)マイクロミラーを単一の信号電圧で駆動できる、という有利な点を有する。このような有利な点とともに、上記マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御方法は、マイクロミラー動作制御における問題点を克服するための解決策を提供する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の参照〕
本願は、2004年6月18日出願の米国特許第10/872,241号明細書、2004年7月16日出願の米国特許第10/893,039号明細書、2005年3月4日出願の米国特許第11/072,597号明細書、および、2006年2月4日出願の米国特許第11/347,590号明細書の一部継続出願であり、これらの出願の優先権を主張するものである。これら全てを参照することにより本願に援用する。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、概してマイクロミラーに関し、より詳細にマイクロミラーの制御および動作生成に関する。
【0003】
〔発明の背景〕
様々な光学アプリケーションにおいて、従来の光電子デバイスの代わりに、またはこれに追加的に、マイクロミラーが用いられている。マイクロミラーは、微調整を行いながら、回転および並進によって移動可能であることが望ましい。
【0004】
微小電気機械システム(MEMS)が開発されたことにより、MEMS内の多くのアプリケーションが開発されて用いられている。マイクロミラーデバイスは、MEMSの大規模な開発分野のうちの1つである。マイクロミラーを用いたデバイスおよびアプリケーションが開発されると共に、光通信および光ディスプレイといった様々な分野で用いられている。マイクロミラーのアプリケーションが急速に発展するにつれて、マイクロミラーデバイスの制御に関する需要も増大して来た。自由度が多く、且つ、簡素な駆動方法で、マイクロミラーの動作制御を行うことが望ましい。
【0005】
位相適応光学アプリケーションには、位相限定ピストンスタイル(phase-only piston-style)マイクロミラーが用いられており、光を偏光させるために、回転マイクロミラーが用いられている。これらマイクロミラーの多くは、静電力と弾力との間の平衡点において決定される連続変位を有するように制御されている。アナログ制御は、デジタル制御または個別制御よりも複雑で、MOS、CMOS等といった既知の半導体電子工学技術とは両立し得ない。さらに、静電力によって動作される連続変位を有するマイクロミラーに、電気力が機械構造の弾力を超える場合に起こる従来のスナップダウン現象が生じる。このスナップダウン現象は、マイクロミラーの並進および回転範囲を制限する。
【0006】
駆動電圧が高いことは、静電力によって動作される連続変位を有するマイクロミラーを制御する際の別の欠点となる。IC部材と両立可能であるには、マイクロミラーが、回路動作電圧または回路制御電圧と両立し得る低電圧で動作されることが望ましい。
【0007】
例えば、米国特許第4,566,939号明細書、米国特許第5,083,857号明細書、および、米国特許第6,232,936号明細書のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のような従来技術のマイクロミラーアレイでは、各マイクロミラーは、電圧をデジタル制御することによって動作されている。上記各マイクロミラーは、大きく回転し低駆動電圧を有すると共に、既知の半導体電子工学技術と両立し得るが、1つの自由度しか有していない。つまり、単軸の周りを回転しており、2つのレベル位置しか有していない。
【0008】
従って、マイクロミラーを用いるために、マイクロミラーのより自由度の多い簡素な制御に対する需要が増大している。本発明は、多数の動作、複数の自由度、低駆動電圧、および、簡素な起動を有する方法を提供することを意図するものである。この制御システムは、1つの回転自由度の動作と、1つの並進自由度の動作と、1つの自由度の動作および1つの並進自由度の動作と、2つの回転自由度の動作と、2つの回転自由度の動作および1つの並進自由度の動作とを有することが可能である。
【0009】
〔発明の概要〕
本発明は、マイクロミラー動作を制御するための従来術の欠点を解消することを目的としている。本発明は、改良された、個別制御されるマイクロミラー(DCM)システムの方法を提供する。DCMシステムのための方法は、2004年6月18日出願の米国特許第10/872,241号明細書、2004年7月16日出願の米国特許第10/893,039号明細書、2005年3月4日出願の米国特許第11/072,587号明細書、および、2006年2月4日出願の米国特許第11/347,590号明細書に記載されている。DCMシステムは、マイクロミラーを制御するための多くの利点を有している。これらは、DCMが簡素な駆動方法を用いている点、マイクロミラー構造を動作させるために単電圧または個別に分離された電圧を用いている点、および、ステッパープレートの数および支柱の数によって自由度を増大させることが可能な点、および、1つの構造に多数の動作が組み込まれている点などである。
【0010】
本発明は、マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御方法を提供する。マイクロミラーの多数の動作を生成するために、多数の支柱を有するステッパープレートが導入されている。このステッパープレートは、電極と該ステッパープレートとの間の静電力によって傾いている。ステッパープレートが所定のステップのために選択された方向に傾いた場合、予めプログラムされた位置にある支柱がマイクロミラーを持ち上げて(支持して)、マイクロミラーの所望の動作を形成する。ステッパープレート内の各支柱は、マイクロミラーを共に支える同じプレート内の他の一支柱または他の複数の支柱と共に、予めプログラムされたマイクロミラー動作を生じさせる。マイクロミラーの所望の動作はまた、ステッパープレートの上の支柱の位置ではなく、マイクロミラーの下の支柱の位置によって得られる。上記システムには、ステッパープレートの上の支柱、および、マイクロミラーの下の支柱も全て一緒に用いることが可能である。マイクロミラーの動作を支柱の位置によって制御することに加えて、該動作は、各ステップのステッパープレートの回転角の量が異なることによって選択され得る。この制御システムは、ステッパープレートと電極との間の静電力によって動作される。上記システムには、電磁力および熱電力も印加される。
【0011】
ステッパープレートの形は、支柱の数と、ステップの数と、マイクロミラー、電極、および、ステッパープレートの形状とによって、三角形、四角形、六角形、八角形、円形、または、他の形を有するように変動させてもよい。1つのステッパープレート内のステップの数は、ステッパープレートの形、該ステッパープレートの下の電極、動作を生成する所望の自由度、および、マイクロミラーに必要とされる数の動作ステップによって決定され得る。ステッパープレートが8つの電極を有しているならば、ステッパープレートは、8つまでの異なるステップを有することが可能である。マイクロミラーが3つの自由度の8つのステップ動作を有する必要があるならば、支柱の数は、少なくとも24である(各3つのステッパープレート内に8つの支柱)。
【0012】
ステッパープレートが支柱の位置によって規定され得る多数の動作を有しているので、マイクロミラーは、ボリュームの小さな多数のステップを有することが可能である。この動作のステップの密度は、1つの支柱を有する多数のステッパープレートの場合と比べると極めて高い。マイクロミラーが小型であるため、マイクロミラーの制御には高密度の動作が強く望まれる。
【0013】
制御システムは、電極が多数の用途に用いられるため、マイクロミラーの制御には低電圧を必要とする。1つのステップを規定することは、傾いたステッパープレートの方向および支柱の位置によって決定されるだけであるため、1つのステッパープレートにおける1つのステップは隣接する電極を共有して、隣接する電極による静電力がステッパープレートに必要とされる回転を妨げない程度のより強い静電力を有することが可能である。静電力を形成する有効面積が増大されるため、複合電極を一緒に用いることによって、駆動電圧を低減することが可能である。隣接する電極に加えてステップ上の電極に駆動電圧を印加することによって、電極の面積を2倍または3倍にさせて、静電力を増大させることが可能である。複合電極に一緒に電圧を印加することによって、複数の支柱を有するステッパープレートは、完全に回復する弾力でマイクロミラーを持ち上げるか、または、駆動電圧を低減することが可能である。各ステップは、対応する1つの電極または複数の電極によって制御される。共通の電圧源によって、複数のマイクロミラーを制御することも可能である。
【0014】
本発明の他の一利点は、ステッパープレートをデジタルで制御する点と、ステッパープレートが各ステップに付き簡素な2つの状態を有している点とである。マイクロミラー動作の全ステップを制御するために、この装置は、マイクロミラーによって必要とされる動作ステップの数と同一の数の制御チャネルだけを必要とする。ステッパー内へのマイクロミラー構造および支柱の形状を製造する工程中に既に所望の動作がプログラムされているので、電圧を所望の電極に印加するだけで、所望の動作がアクティブにされる。本発明は、多数のステップを有するマイクロミラーを制御する簡素な方法を提供する。プログラム可能なマイクロミラー制御システムはCMOS構造上に形成され、該システムをCMOS回路によって制御することが可能である。
【0015】
さらなる他の一利点は、制御システムが動作制御において多くの自由度を有している点である。自由度はステッパープレートの数によって制約される。より多くのステッパープレートを加えることによって自由度を変動させて、マイクロミラー内の所望の動作を得ることが可能である。ステッパープレートが傾くと、ステッパープレート上の支柱が上昇し、マイクロミラーを上に持ち上げる。マイクロミラーが3つの自由度の動作を必要とするならば、異なる3つのステッパープレートが適用され、3つの支柱が所望の動作を規定する。動作内の自由度は、1つのステップ内の支柱の数またはステッパープレートの数によって制約される。動作制御システムは、1つの回転自由度、1つの並進自由度、1つの並進自由度および1つの回転自由度、2つの回転自由度および1つの並進自由度、2つの回転自由度などを有してよい。この制御システムは、動作制御において複数の自由度を有している。
【0016】
本発明のマルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御方法は、次の利点を有している。(1)多数の動作をマイクロミラーに適用可能である。(2)高密度の動作をマイクロミラーに適用可能である。(3)低駆動電圧でマイクロミラーを制御可能である。(4)簡素な動作制御をデジタル制御によって適用可能である。(5)ステッパープレートの数によってマイクロミラーの動作の自由度を選択可能である。(6)マイクロミラー動作の駆動に単電圧だけを必要とする。(7)マイクロミラーが段階的に制御される。
【0017】
本発明について簡単にまとめたが、本発明は、以下の図面、発明の詳細な説明、および、添付の特許請求の範囲によって完全に理解可能であろう。
【0018】
〔図面の説明〕
本発明のこれらの特徴および他の特徴、形態、および、利点は、添付の図面を参照することによってよりよく理解されるであろう。
【0019】
図1は、従来技術のマイクロミラーの制御方法を示す概略的な図である。
【0020】
図2は、実施形態の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【0021】
図3A〜図3Cは、システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【0022】
図4は、多数の動作(4つの異なる動作)を生成するための、4つの支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【0023】
図5は、多数の動作(8つの異なる動作)を生成するための、多数の支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【0024】
図6は、バネ無しヒンジ構造を示す概略的な図である。
【0025】
図7は、3つのマルチ支柱アクチュエータが、3つの自由度(2つの回転自由度および1つの並進自由度)を有するマイクロミラー動作を制御する様子を示す概略的な図である。
【0026】
図8は、マルチ支柱アクチュエータを有する多数のマイクロミラーが、マルチステップの光スイッチとして機能する様子を示す概略的な図である。
【0027】
図9は、マルチ支柱アクチュエータを有するマイクロミラーが、マルチステップのマイクロマイクロミラーアレイレンズとして機能する様子を示す概略的な図である。
【0028】
〔発明の詳細な説明〕
図1は、従来技術のマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。マイクロミラー11は、持続回転15または持続並進16を有するように制御される。これは、電極13およびマイクロミラー11構造からの静電力と、並進バネ14および回転バネ17の弾力との間の平衡点によって決定される。マイクロミラー11は、支持構造によって支えられるヒンジに沿って回転する。静電気と弾力との静的平衡によって動作が決定されるので、動作の微調整を行うには、アクティブなフィードバックを有する複雑なアナログ制御が求められる。
【0029】
他方、個別に制御するマイクロミラー(DCM)方法は、簡素な制御システムを有している。一旦マイクロミラー構造内で動作が規定されてプログラムされると、制御は、所望の動作に関する所望のチャネルにオン/オフ電圧を印加するだけである。フィードバックは必要でなく、動作は、環境に関係なく再生可能である。
【0030】
マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御システムは、マイクロミラー構造を持ち上げるために回転するように構成された少なくとも1つのステッパープレートと、該ステッパープレートを制御するために少なくとも1つの電極を有するように構成された低層と、該ステッパープレートに結合されたマイクロミラーとを有している。上記ステッパープレートは少なくとも2つの接触点を有し、これら2つの接触点は異なる高さを有しており、該ステッパープレートを回転動作させる。上記マイクロミラーは、支柱の位置またはステッパープレートの回転角によってプログラムされた多数の動作を有している。
【0031】
図2は、本発明の実施形態に係る、マイクロミラー(DCM)を個別に制御するためのマイクロミラー制御システムを示す図である。このマイクロミラー制御システムは、多数の支柱23A、23Bを有するステッパープレート22と、ステッパープレート22を制御するために複合電極を有するように構成された低層と、ステッパープレート22に結合されたマイクロミラー21とを含む。ステッパープレート22は、上記低層に結合されていると共にマイクロミラー構造21を持ち上げるために回転するように構成されている。このマイクロミラー制御システムはまた、マイクロミラー動作を制御するために、様々なタイプの停止具24A、24B、24Cを用いてもよい。マイクロミラー21は、支柱23A、23Bの位置、または、ステッパープレート22の回転角によってプログラムされた多数の動作を有している。これら支柱によってマイクロミラー動作が規定される。このマイクロミラー動作は、該制御システムの製造工程中に、ステッパープレートおよび支柱の形状内にプログラムされる。上記支柱は、上記ステッパープレートの上、または、マイクロミラー21の下に配置される。
【0032】
ステッパー22の構造は、電極25Aによって上記低層に結合される。各電極25Aは、マイクロミラー21の望ましい所定の動作のためにアクティブにされる。上記ステッパープレートの上の支柱23Aは、マイクロミラー動作を規定するために配置されている。ステッパープレートが回転すると、支柱23Aの高さが支柱の面内位置によって変動する。マイクロミラーの下の支柱23Bも、ステッパープレート22bとマイクロミラーの下の支柱23Bとの相対位置によって、マイクロミラー動作を規定するために配置されている。マイクロミラー21の動作は、ステッパープレート22が回転した後の支柱23A、23Bの接触位置によって規定される。マイクロミラーが安定した動作を有するには、マイクロミラー21の構造を持ち上げる支柱23A、23Bによる少なくとも3つの接触点が必要である。ステッパープレート22の底部では、停止具24A、24B、24Cが、ステッパープレート22の設置位置を形成する。停止具24A、24B、24Cは単独で用いてもよく、または、停止具24A、24B、24Cを組み合わせて用いても良い。ステッパープレート22の下の停止具24A、24B、24Cは、その位置および/またはその高さによって、回転角の量を調整する。低層における停止具24Bはまた、その位置および/またはその高さによって、回転角の量を調整する。電極25Aは、ステッパープレートが停止具24A、24B、24Cの上に載るまでステッパープレート22を引っ張る。異なる高さを有するこれらの停止具は、ステッパープレートを回転させる。その後、マイクロミラーが、ステッパープレートの上の支柱23Aによって、または、ステッパープレート22によって持ち上げられるか、または、マイクロミラーの下の支柱がステッパープレートによって持ち上げられる。マイクロミラー21の動作は、ステッパープレート23Aの上の支柱の位置またはマイクロミラーの下の支柱23Bの位置、または、ステッパープレートの下の停止具24A、24B、24Cによって制限される回転角によって規定される。マイクロミラーおよびステッパープレートは、弾性のあるバネ26A、26Bによる復元力のためにもとに戻る。マイクロミラーは、マイクロミラー電極25Bによっても引っ張られることが可能であり、これによって、マイクロミラー21は1つのステップで支柱23A、23Bに確実に接触する。ステッパープレートは、マイクロミラーに結合された少なくとも1つの支柱を有するか、または、マイクロミラーは、ステッパープレートに結合された少なくとも1つの支柱を有する。この支柱は、ステッパープレートの上、および/または、マイクロミラーの下に配置され得る。
【0033】
図3Aには、ステッパープレート32A、32Bの上の支柱33A、33Bによって規定される動作が示されている。これらステッパープレート32A、32Bの上の支柱33A、33Bは、マイクロミラーの所望の動作を有するようにマイクロミラー31を押す。対辺の電極35A、35Bは、駆動電圧が印加される。マイクロミラーの動作は、ステッパープレートの上の支柱の位置によって規定される。
【0034】
図3Bは、マイクロミラー31の下の支柱36A、36Bによって規定される動作を示す図である。マイクロミラー31の下の支柱36A、36Bは、ステッパープレート32A、32Bによって持ち上げられ、マイクロミラー31は、マイクロミラーおよびステッパープレートの下の支柱36A、36Bの接触点によって規定される動作を有する。電極35A、35Bに駆動電圧が印加されると、ステッパープレート32A、32Bは、予めプログラムされた角度で傾斜する。回転されたステッパープレート32A、32Bは、マイクロミラーの下の支柱36A、36Bをマイクロミラー動作が起こる位置まで押す。マイクロミラー電極38は、該支柱をステッパー32A、32Bの上に載せるために用いられる。マイクロミラーの動作は、マイクロミラーの下の支柱の位置によって規定される。
【0035】
図3Cは、ステッパープレート32Aの下の停止具39Aによって得られる動作を示す図である。上記システムには、ステッパープレートの回転角の量を決定するための機械的な停止具が用いられる。この図では、1つのステッパープレートは、ステッパープレート32Aの下の停止具39Aを有している。他のステッパープレートは、ステッパープレート32Bの下の停止具を有していない。回転角の量は、停止具の位置または停止具の高さに応じて異なり、または、さらにステッパープレートの下の停止具の存在に応じても異なる。ステッパープレートの回転量は上記停止具によって決定される。低層の停止具39Bもまた、ステッパー32Bの回転角、従ってマイクロミラー31の動作を規定することが可能である。上記ステッパーの回転量が規定される間に、内部停止具39Cは、ステッパープレート32の平面を規定する接触点としての役割を担う。ステッパープレート32は、マイクロミラーを持ち上げる。マイクロミラーの動作は、ス停止具39A,39B、39Cの高さおよび/または位置によって決定される、テッパープレート32の回転量によって規定される。マイクロミラーの動作は、ステッパープレートの下の停止具および/または低層の停止具の位置および高さによって制約されるステッパープレートの回転量によって規定される。マイクロミラーは、ステッパープレートの回転量によってプログラムされた少なくとも1つの動作を有している。ステッパープレートは低層に結合された少なくとも1つの停止具を有しているか、または、低層がステッパープレートに結合された少なくとも1つの停止具を有している。マイクロミラーは、ステッパープレートの回転量と支柱の位置とによってプログラムされた、少なくとも1つの動作を有している。マイクロミラーの動作は、ステッパープレートが回転した後の、ステッパープレートの上の支柱またはマイクロミラーの下の支柱の接触位置によって規定される。マイクロミラーの動作は、停止具によって制限される回転角によって規定される。ステッパープレートの回転量は、停止具によって決定され、ここでは、マイクロミラーの動作は、支柱と停止具との種類を混ぜることによって規定される。図3A、図3B、および、図3Cは全ての可能性を示して訳ではないが、支柱と停止具との任意の組み合わせが可能である。例えば、マイクロミラーの動作は、ステッパープレートの回転量および支柱の位置によって、または、ステッパープレートが回転した後のステッパープレートの上の支柱とマイクロミラーの下の支柱との接触位置によって、規定され得る。
【0036】
図4は、異なる4つの回転方向を生成するための、ステッパープレート43上の4つの支柱42と電極41とを有するステッパープレート43を示す図である。各方向の回転角の量は、同一であり得、マイクロミラーの各動作は、支柱の位置によって制御される。また、各方向の回転角の量は、停止具(図示していな)を用いることによって制御可能である。マイクロミラーの多数の動作は、支柱42によって、ステッパープレートの傾斜方向に関して得られる。マイクロミラーは、支柱の位置によってプログラムされた少なくとも1つの動作を有している。電極41のうちのいずれか1つの電極に電圧が印加されるならば、ステッパープレート43は傾き、電圧が印加された電極41の方向に向かってスナップダウンされる。その後、このステッパープレート43の傾きによって、反対側の支柱42が回転すると共にその先端位置を上昇させる。上昇した支柱42は、マイクロミラーを所望の位置まで持ち上げる。電極が4つあるので、ステッパープレート43は電極41の対応する方向に傾く。各傾斜方向で、マイクロミラーの所望の動作を生成するための支柱42の位置が決定される。予めプログラムされる動作を有するように、支柱42の位置および高さが決定されて、マイクロミラーシステムを製造するプロセスを行う間に、支柱42の位置および高さが形成される。より大きい静電力またはより低い駆動電圧を有するために、電気バイアスを、2つまたは3つの電極に同時にかけることが可能である。電極の面積が2倍または3倍になるので、静電力は、電極が1つの場合よりも大きくなる。マイクロミラーの各動作は、各方向の回転量および支柱の位置を用いて制御可能である。
【0037】
図5は、個別に制御されるマイクロミラー方法による、ステッパープレート53の他の一実施例を示す図である。8つの支柱52および電極51は、動作を生成する8つの異なる高さを生成するためのものである。これら8つの電極51のうちのいずれか1つの電極に電圧が印加されるならば、ステッパープレート53は傾き、電圧が印加された電極51の方向にスナップダウンされる。その後、このステッパープレート52の傾きによって、反対側の支柱52が上昇する。上昇した支柱52は、マイクロミラーを所望の位置まで持ち上げる。電極が8つあるので、ステッパープレートは、電極の対応する方向まで傾く。各傾斜方向で、マイクロミラーの所望の動作を生成するための支柱52の位置が決定される。また、ステッパープレートの各方向の回転は、電極を共通することによって複合電極によって制御され、より大きな静電力またはより低い駆動電圧を同時に有する。電極51の面積が増大するため、静電力は、電極が1つの場合よりも大きくなる。このシステムは、ステッパープレート53内の支柱の数によって制約される多数の動作を有している。ステッパープレートが低層構造と接触しているので、ステッパープレート全体が接地されていたとしても、表面力によって、静摩擦の問題が生じ得る。生じ得る静摩擦の問題を低減するために、ステッパープレートは、ステッパープレートの接触面積を低減させる先端54の構造を有している。接触構造はまた、静摩擦の問題を回避するために同一の電位を有している。
【0038】
図6は、バネ無しヒンジの構造を示す概略的な図である。ステッパープレート61は、弾性を有するバネに取り付けられており、この弾性を有するバネは図2の固定構造に取り付けられている。しかしながら、このバネは、図6のヒンジ構造を用いることによって省略することが可能である。ステッパープレート62は、ヒンジ構造63内に収容されているが、ステッパープレート62は、傾度を有する動作を有している。
【0039】
図7には、3つの自由度95、96を有する構成が示されている。この動作は、2つの回転自由度95と1つの並進自由度96とを有している。3つの自由度の動作を示すために、異なるステッパープレート92からの少なくとも3つの支柱94が必要である。3つのステッパープレート92からの各支柱94の面内位置および/または高さが、3次元空間内の特定の動作を規定する。支柱94によるこれら3つの点によって、マイクロミラー動作を示すマイクロミラー用平面91が形成される。各動作は、1つのステップとして特定され得る。1つのステップにおいて、異なるステッパープレート92からの3つの支柱94が、マイクロミラー用平面を規定する。同様に、他の3つの支柱による他の3つの位置が、別のマイクロミラー用平面91を規定する。1つのステッパープレート92内の支柱の数と同じ数の平面が、3つのステッパープレート92によって規定され得る。
【0040】
光変調の一例を図8に示す。図8のマイクロミラー102は、1つ、または、2つ、または、3つのステッパープレートからの支柱によって規定される、異なる4つの動作103を有している。この動作は、ステッパープレートの下の対応する電極に電圧を印加することによって制御可能である。各動作は、入射光線101を反射させるための特定のマイクロミラーの角度103を示す。このマイクロミラーは、動作が変化するたびに回転し、最終的に、マイクロミラーからの反射された光の経路を変動させる。この反射された光は、スクリーン104内の異なる位置105に進む。多数の支柱のステッパープレートを有するマイクロミラーを用いることによって、該マイクロミラーは、入射光線を多数の方向105内に反射させるためのマルチチャネル光スイッチとして機能することが可能である。このマルチチャネル光学スイッチは、1つのマイクロミラーまたは複数のマイクロミラーを回転させることによって、入射光線を所望の方向に反射させる。マイクロミラー動作が1次元の動作に制限されていないので、マイクロミラーは、マイクロミラーの並進動作による時間遅延を有している場合であっても、回転動作による多数の軸変動によって、平面内で入射光線を反射させることが可能である。
【0041】
図9は、マイクロミラーアレイレンズ112による空間光変調の一例を示す図である。複数のマイクロミラー112が、共通の電圧電極によって制御されている。マイクロミラーアレイレンズは、多数のマイクロミラー113を有しており、これらは、光学的に結合されてレンズを形成し、様々な焦点距離を示すステップを有するように制御されている。動作の各ステップでは、各マイクロミラーが、レンズに特定の焦点力を与える、異なる焦点距離のレンズ表面を形成している。図に示すように、各ステップは、マイクロミラーアレイレンズ112の異なる焦点距離でスクリーン114に焦点を定める入射ビーム111を形成する。動作の各ステップによって焦点を定められた光のパターン115が、スクリーン114内に示されている。マイクロミラーアレイレンズは、回転自由と並進自由とを共に有するように制御される必要があるので、マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御は焦点距離の偏差を有するために、良好な解決方法である。マイクロミラーアレイレンズの焦点距離も、マイクロミラーの製造工程中にプログラム可能であり、焦点距離の変動も、対応する電極に駆動電圧を容易に印加することによって、得ることが可能である。
【0042】
本発明の様々な実施形態を参照しながら、本発明について図示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の原理および範囲から逸脱することなく、形態、詳細、組み合わせ、および、動作における変形例も想定可能であることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来技術のマイクロミラーの制御方法を示す概略的な図である。
【図2】実施形態の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図3A】システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図3B】システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図3C】システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図4】多数の動作(4つの異なる動作)を生成するための、4つの支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【図5】多数の動作(8つの異なる動作)を生成するための、多数の支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【図6】バネ無しヒンジ構造を示す概略的な図である。
【図7】3つのマルチ支柱アクチュエータが、3つの自由度(2つの回転自由度および1つの並進自由度)を有するマイクロミラー動作を制御する様子を示す概略的な図である。
【図8】マルチ支柱アクチュエータを有する多数のマイクロミラーが、マルチステップの光スイッチとして機能する様子を示す概略的な図である。
【図9】マルチ支柱アクチュエータを有するマイクロミラーが、マルチステップのマイクロマイクロミラーアレイレンズとして機能する様子を示す概略的な図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の参照〕
本願は、2004年6月18日出願の米国特許第10/872,241号明細書、2004年7月16日出願の米国特許第10/893,039号明細書、2005年3月4日出願の米国特許第11/072,597号明細書、および、2006年2月4日出願の米国特許第11/347,590号明細書の一部継続出願であり、これらの出願の優先権を主張するものである。これら全てを参照することにより本願に援用する。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、概してマイクロミラーに関し、より詳細にマイクロミラーの制御および動作生成に関する。
【0003】
〔発明の背景〕
様々な光学アプリケーションにおいて、従来の光電子デバイスの代わりに、またはこれに追加的に、マイクロミラーが用いられている。マイクロミラーは、微調整を行いながら、回転および並進によって移動可能であることが望ましい。
【0004】
微小電気機械システム(MEMS)が開発されたことにより、MEMS内の多くのアプリケーションが開発されて用いられている。マイクロミラーデバイスは、MEMSの大規模な開発分野のうちの1つである。マイクロミラーを用いたデバイスおよびアプリケーションが開発されると共に、光通信および光ディスプレイといった様々な分野で用いられている。マイクロミラーのアプリケーションが急速に発展するにつれて、マイクロミラーデバイスの制御に関する需要も増大して来た。自由度が多く、且つ、簡素な駆動方法で、マイクロミラーの動作制御を行うことが望ましい。
【0005】
位相適応光学アプリケーションには、位相限定ピストンスタイル(phase-only piston-style)マイクロミラーが用いられており、光を偏光させるために、回転マイクロミラーが用いられている。これらマイクロミラーの多くは、静電力と弾力との間の平衡点において決定される連続変位を有するように制御されている。アナログ制御は、デジタル制御または個別制御よりも複雑で、MOS、CMOS等といった既知の半導体電子工学技術とは両立し得ない。さらに、静電力によって動作される連続変位を有するマイクロミラーに、電気力が機械構造の弾力を超える場合に起こる従来のスナップダウン現象が生じる。このスナップダウン現象は、マイクロミラーの並進および回転範囲を制限する。
【0006】
駆動電圧が高いことは、静電力によって動作される連続変位を有するマイクロミラーを制御する際の別の欠点となる。IC部材と両立可能であるには、マイクロミラーが、回路動作電圧または回路制御電圧と両立し得る低電圧で動作されることが望ましい。
【0007】
例えば、米国特許第4,566,939号明細書、米国特許第5,083,857号明細書、および、米国特許第6,232,936号明細書のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のような従来技術のマイクロミラーアレイでは、各マイクロミラーは、電圧をデジタル制御することによって動作されている。上記各マイクロミラーは、大きく回転し低駆動電圧を有すると共に、既知の半導体電子工学技術と両立し得るが、1つの自由度しか有していない。つまり、単軸の周りを回転しており、2つのレベル位置しか有していない。
【0008】
従って、マイクロミラーを用いるために、マイクロミラーのより自由度の多い簡素な制御に対する需要が増大している。本発明は、多数の動作、複数の自由度、低駆動電圧、および、簡素な起動を有する方法を提供することを意図するものである。この制御システムは、1つの回転自由度の動作と、1つの並進自由度の動作と、1つの自由度の動作および1つの並進自由度の動作と、2つの回転自由度の動作と、2つの回転自由度の動作および1つの並進自由度の動作とを有することが可能である。
【0009】
〔発明の概要〕
本発明は、マイクロミラー動作を制御するための従来術の欠点を解消することを目的としている。本発明は、改良された、個別制御されるマイクロミラー(DCM)システムの方法を提供する。DCMシステムのための方法は、2004年6月18日出願の米国特許第10/872,241号明細書、2004年7月16日出願の米国特許第10/893,039号明細書、2005年3月4日出願の米国特許第11/072,587号明細書、および、2006年2月4日出願の米国特許第11/347,590号明細書に記載されている。DCMシステムは、マイクロミラーを制御するための多くの利点を有している。これらは、DCMが簡素な駆動方法を用いている点、マイクロミラー構造を動作させるために単電圧または個別に分離された電圧を用いている点、および、ステッパープレートの数および支柱の数によって自由度を増大させることが可能な点、および、1つの構造に多数の動作が組み込まれている点などである。
【0010】
本発明は、マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御方法を提供する。マイクロミラーの多数の動作を生成するために、多数の支柱を有するステッパープレートが導入されている。このステッパープレートは、電極と該ステッパープレートとの間の静電力によって傾いている。ステッパープレートが所定のステップのために選択された方向に傾いた場合、予めプログラムされた位置にある支柱がマイクロミラーを持ち上げて(支持して)、マイクロミラーの所望の動作を形成する。ステッパープレート内の各支柱は、マイクロミラーを共に支える同じプレート内の他の一支柱または他の複数の支柱と共に、予めプログラムされたマイクロミラー動作を生じさせる。マイクロミラーの所望の動作はまた、ステッパープレートの上の支柱の位置ではなく、マイクロミラーの下の支柱の位置によって得られる。上記システムには、ステッパープレートの上の支柱、および、マイクロミラーの下の支柱も全て一緒に用いることが可能である。マイクロミラーの動作を支柱の位置によって制御することに加えて、該動作は、各ステップのステッパープレートの回転角の量が異なることによって選択され得る。この制御システムは、ステッパープレートと電極との間の静電力によって動作される。上記システムには、電磁力および熱電力も印加される。
【0011】
ステッパープレートの形は、支柱の数と、ステップの数と、マイクロミラー、電極、および、ステッパープレートの形状とによって、三角形、四角形、六角形、八角形、円形、または、他の形を有するように変動させてもよい。1つのステッパープレート内のステップの数は、ステッパープレートの形、該ステッパープレートの下の電極、動作を生成する所望の自由度、および、マイクロミラーに必要とされる数の動作ステップによって決定され得る。ステッパープレートが8つの電極を有しているならば、ステッパープレートは、8つまでの異なるステップを有することが可能である。マイクロミラーが3つの自由度の8つのステップ動作を有する必要があるならば、支柱の数は、少なくとも24である(各3つのステッパープレート内に8つの支柱)。
【0012】
ステッパープレートが支柱の位置によって規定され得る多数の動作を有しているので、マイクロミラーは、ボリュームの小さな多数のステップを有することが可能である。この動作のステップの密度は、1つの支柱を有する多数のステッパープレートの場合と比べると極めて高い。マイクロミラーが小型であるため、マイクロミラーの制御には高密度の動作が強く望まれる。
【0013】
制御システムは、電極が多数の用途に用いられるため、マイクロミラーの制御には低電圧を必要とする。1つのステップを規定することは、傾いたステッパープレートの方向および支柱の位置によって決定されるだけであるため、1つのステッパープレートにおける1つのステップは隣接する電極を共有して、隣接する電極による静電力がステッパープレートに必要とされる回転を妨げない程度のより強い静電力を有することが可能である。静電力を形成する有効面積が増大されるため、複合電極を一緒に用いることによって、駆動電圧を低減することが可能である。隣接する電極に加えてステップ上の電極に駆動電圧を印加することによって、電極の面積を2倍または3倍にさせて、静電力を増大させることが可能である。複合電極に一緒に電圧を印加することによって、複数の支柱を有するステッパープレートは、完全に回復する弾力でマイクロミラーを持ち上げるか、または、駆動電圧を低減することが可能である。各ステップは、対応する1つの電極または複数の電極によって制御される。共通の電圧源によって、複数のマイクロミラーを制御することも可能である。
【0014】
本発明の他の一利点は、ステッパープレートをデジタルで制御する点と、ステッパープレートが各ステップに付き簡素な2つの状態を有している点とである。マイクロミラー動作の全ステップを制御するために、この装置は、マイクロミラーによって必要とされる動作ステップの数と同一の数の制御チャネルだけを必要とする。ステッパー内へのマイクロミラー構造および支柱の形状を製造する工程中に既に所望の動作がプログラムされているので、電圧を所望の電極に印加するだけで、所望の動作がアクティブにされる。本発明は、多数のステップを有するマイクロミラーを制御する簡素な方法を提供する。プログラム可能なマイクロミラー制御システムはCMOS構造上に形成され、該システムをCMOS回路によって制御することが可能である。
【0015】
さらなる他の一利点は、制御システムが動作制御において多くの自由度を有している点である。自由度はステッパープレートの数によって制約される。より多くのステッパープレートを加えることによって自由度を変動させて、マイクロミラー内の所望の動作を得ることが可能である。ステッパープレートが傾くと、ステッパープレート上の支柱が上昇し、マイクロミラーを上に持ち上げる。マイクロミラーが3つの自由度の動作を必要とするならば、異なる3つのステッパープレートが適用され、3つの支柱が所望の動作を規定する。動作内の自由度は、1つのステップ内の支柱の数またはステッパープレートの数によって制約される。動作制御システムは、1つの回転自由度、1つの並進自由度、1つの並進自由度および1つの回転自由度、2つの回転自由度および1つの並進自由度、2つの回転自由度などを有してよい。この制御システムは、動作制御において複数の自由度を有している。
【0016】
本発明のマルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御方法は、次の利点を有している。(1)多数の動作をマイクロミラーに適用可能である。(2)高密度の動作をマイクロミラーに適用可能である。(3)低駆動電圧でマイクロミラーを制御可能である。(4)簡素な動作制御をデジタル制御によって適用可能である。(5)ステッパープレートの数によってマイクロミラーの動作の自由度を選択可能である。(6)マイクロミラー動作の駆動に単電圧だけを必要とする。(7)マイクロミラーが段階的に制御される。
【0017】
本発明について簡単にまとめたが、本発明は、以下の図面、発明の詳細な説明、および、添付の特許請求の範囲によって完全に理解可能であろう。
【0018】
〔図面の説明〕
本発明のこれらの特徴および他の特徴、形態、および、利点は、添付の図面を参照することによってよりよく理解されるであろう。
【0019】
図1は、従来技術のマイクロミラーの制御方法を示す概略的な図である。
【0020】
図2は、実施形態の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【0021】
図3A〜図3Cは、システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【0022】
図4は、多数の動作(4つの異なる動作)を生成するための、4つの支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【0023】
図5は、多数の動作(8つの異なる動作)を生成するための、多数の支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【0024】
図6は、バネ無しヒンジ構造を示す概略的な図である。
【0025】
図7は、3つのマルチ支柱アクチュエータが、3つの自由度(2つの回転自由度および1つの並進自由度)を有するマイクロミラー動作を制御する様子を示す概略的な図である。
【0026】
図8は、マルチ支柱アクチュエータを有する多数のマイクロミラーが、マルチステップの光スイッチとして機能する様子を示す概略的な図である。
【0027】
図9は、マルチ支柱アクチュエータを有するマイクロミラーが、マルチステップのマイクロマイクロミラーアレイレンズとして機能する様子を示す概略的な図である。
【0028】
〔発明の詳細な説明〕
図1は、従来技術のマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。マイクロミラー11は、持続回転15または持続並進16を有するように制御される。これは、電極13およびマイクロミラー11構造からの静電力と、並進バネ14および回転バネ17の弾力との間の平衡点によって決定される。マイクロミラー11は、支持構造によって支えられるヒンジに沿って回転する。静電気と弾力との静的平衡によって動作が決定されるので、動作の微調整を行うには、アクティブなフィードバックを有する複雑なアナログ制御が求められる。
【0029】
他方、個別に制御するマイクロミラー(DCM)方法は、簡素な制御システムを有している。一旦マイクロミラー構造内で動作が規定されてプログラムされると、制御は、所望の動作に関する所望のチャネルにオン/オフ電圧を印加するだけである。フィードバックは必要でなく、動作は、環境に関係なく再生可能である。
【0030】
マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御システムは、マイクロミラー構造を持ち上げるために回転するように構成された少なくとも1つのステッパープレートと、該ステッパープレートを制御するために少なくとも1つの電極を有するように構成された低層と、該ステッパープレートに結合されたマイクロミラーとを有している。上記ステッパープレートは少なくとも2つの接触点を有し、これら2つの接触点は異なる高さを有しており、該ステッパープレートを回転動作させる。上記マイクロミラーは、支柱の位置またはステッパープレートの回転角によってプログラムされた多数の動作を有している。
【0031】
図2は、本発明の実施形態に係る、マイクロミラー(DCM)を個別に制御するためのマイクロミラー制御システムを示す図である。このマイクロミラー制御システムは、多数の支柱23A、23Bを有するステッパープレート22と、ステッパープレート22を制御するために複合電極を有するように構成された低層と、ステッパープレート22に結合されたマイクロミラー21とを含む。ステッパープレート22は、上記低層に結合されていると共にマイクロミラー構造21を持ち上げるために回転するように構成されている。このマイクロミラー制御システムはまた、マイクロミラー動作を制御するために、様々なタイプの停止具24A、24B、24Cを用いてもよい。マイクロミラー21は、支柱23A、23Bの位置、または、ステッパープレート22の回転角によってプログラムされた多数の動作を有している。これら支柱によってマイクロミラー動作が規定される。このマイクロミラー動作は、該制御システムの製造工程中に、ステッパープレートおよび支柱の形状内にプログラムされる。上記支柱は、上記ステッパープレートの上、または、マイクロミラー21の下に配置される。
【0032】
ステッパー22の構造は、電極25Aによって上記低層に結合される。各電極25Aは、マイクロミラー21の望ましい所定の動作のためにアクティブにされる。上記ステッパープレートの上の支柱23Aは、マイクロミラー動作を規定するために配置されている。ステッパープレートが回転すると、支柱23Aの高さが支柱の面内位置によって変動する。マイクロミラーの下の支柱23Bも、ステッパープレート22bとマイクロミラーの下の支柱23Bとの相対位置によって、マイクロミラー動作を規定するために配置されている。マイクロミラー21の動作は、ステッパープレート22が回転した後の支柱23A、23Bの接触位置によって規定される。マイクロミラーが安定した動作を有するには、マイクロミラー21の構造を持ち上げる支柱23A、23Bによる少なくとも3つの接触点が必要である。ステッパープレート22の底部では、停止具24A、24B、24Cが、ステッパープレート22の設置位置を形成する。停止具24A、24B、24Cは単独で用いてもよく、または、停止具24A、24B、24Cを組み合わせて用いても良い。ステッパープレート22の下の停止具24A、24B、24Cは、その位置および/またはその高さによって、回転角の量を調整する。低層における停止具24Bはまた、その位置および/またはその高さによって、回転角の量を調整する。電極25Aは、ステッパープレートが停止具24A、24B、24Cの上に載るまでステッパープレート22を引っ張る。異なる高さを有するこれらの停止具は、ステッパープレートを回転させる。その後、マイクロミラーが、ステッパープレートの上の支柱23Aによって、または、ステッパープレート22によって持ち上げられるか、または、マイクロミラーの下の支柱がステッパープレートによって持ち上げられる。マイクロミラー21の動作は、ステッパープレート23Aの上の支柱の位置またはマイクロミラーの下の支柱23Bの位置、または、ステッパープレートの下の停止具24A、24B、24Cによって制限される回転角によって規定される。マイクロミラーおよびステッパープレートは、弾性のあるバネ26A、26Bによる復元力のためにもとに戻る。マイクロミラーは、マイクロミラー電極25Bによっても引っ張られることが可能であり、これによって、マイクロミラー21は1つのステップで支柱23A、23Bに確実に接触する。ステッパープレートは、マイクロミラーに結合された少なくとも1つの支柱を有するか、または、マイクロミラーは、ステッパープレートに結合された少なくとも1つの支柱を有する。この支柱は、ステッパープレートの上、および/または、マイクロミラーの下に配置され得る。
【0033】
図3Aには、ステッパープレート32A、32Bの上の支柱33A、33Bによって規定される動作が示されている。これらステッパープレート32A、32Bの上の支柱33A、33Bは、マイクロミラーの所望の動作を有するようにマイクロミラー31を押す。対辺の電極35A、35Bは、駆動電圧が印加される。マイクロミラーの動作は、ステッパープレートの上の支柱の位置によって規定される。
【0034】
図3Bは、マイクロミラー31の下の支柱36A、36Bによって規定される動作を示す図である。マイクロミラー31の下の支柱36A、36Bは、ステッパープレート32A、32Bによって持ち上げられ、マイクロミラー31は、マイクロミラーおよびステッパープレートの下の支柱36A、36Bの接触点によって規定される動作を有する。電極35A、35Bに駆動電圧が印加されると、ステッパープレート32A、32Bは、予めプログラムされた角度で傾斜する。回転されたステッパープレート32A、32Bは、マイクロミラーの下の支柱36A、36Bをマイクロミラー動作が起こる位置まで押す。マイクロミラー電極38は、該支柱をステッパー32A、32Bの上に載せるために用いられる。マイクロミラーの動作は、マイクロミラーの下の支柱の位置によって規定される。
【0035】
図3Cは、ステッパープレート32Aの下の停止具39Aによって得られる動作を示す図である。上記システムには、ステッパープレートの回転角の量を決定するための機械的な停止具が用いられる。この図では、1つのステッパープレートは、ステッパープレート32Aの下の停止具39Aを有している。他のステッパープレートは、ステッパープレート32Bの下の停止具を有していない。回転角の量は、停止具の位置または停止具の高さに応じて異なり、または、さらにステッパープレートの下の停止具の存在に応じても異なる。ステッパープレートの回転量は上記停止具によって決定される。低層の停止具39Bもまた、ステッパー32Bの回転角、従ってマイクロミラー31の動作を規定することが可能である。上記ステッパーの回転量が規定される間に、内部停止具39Cは、ステッパープレート32の平面を規定する接触点としての役割を担う。ステッパープレート32は、マイクロミラーを持ち上げる。マイクロミラーの動作は、ス停止具39A,39B、39Cの高さおよび/または位置によって決定される、テッパープレート32の回転量によって規定される。マイクロミラーの動作は、ステッパープレートの下の停止具および/または低層の停止具の位置および高さによって制約されるステッパープレートの回転量によって規定される。マイクロミラーは、ステッパープレートの回転量によってプログラムされた少なくとも1つの動作を有している。ステッパープレートは低層に結合された少なくとも1つの停止具を有しているか、または、低層がステッパープレートに結合された少なくとも1つの停止具を有している。マイクロミラーは、ステッパープレートの回転量と支柱の位置とによってプログラムされた、少なくとも1つの動作を有している。マイクロミラーの動作は、ステッパープレートが回転した後の、ステッパープレートの上の支柱またはマイクロミラーの下の支柱の接触位置によって規定される。マイクロミラーの動作は、停止具によって制限される回転角によって規定される。ステッパープレートの回転量は、停止具によって決定され、ここでは、マイクロミラーの動作は、支柱と停止具との種類を混ぜることによって規定される。図3A、図3B、および、図3Cは全ての可能性を示して訳ではないが、支柱と停止具との任意の組み合わせが可能である。例えば、マイクロミラーの動作は、ステッパープレートの回転量および支柱の位置によって、または、ステッパープレートが回転した後のステッパープレートの上の支柱とマイクロミラーの下の支柱との接触位置によって、規定され得る。
【0036】
図4は、異なる4つの回転方向を生成するための、ステッパープレート43上の4つの支柱42と電極41とを有するステッパープレート43を示す図である。各方向の回転角の量は、同一であり得、マイクロミラーの各動作は、支柱の位置によって制御される。また、各方向の回転角の量は、停止具(図示していな)を用いることによって制御可能である。マイクロミラーの多数の動作は、支柱42によって、ステッパープレートの傾斜方向に関して得られる。マイクロミラーは、支柱の位置によってプログラムされた少なくとも1つの動作を有している。電極41のうちのいずれか1つの電極に電圧が印加されるならば、ステッパープレート43は傾き、電圧が印加された電極41の方向に向かってスナップダウンされる。その後、このステッパープレート43の傾きによって、反対側の支柱42が回転すると共にその先端位置を上昇させる。上昇した支柱42は、マイクロミラーを所望の位置まで持ち上げる。電極が4つあるので、ステッパープレート43は電極41の対応する方向に傾く。各傾斜方向で、マイクロミラーの所望の動作を生成するための支柱42の位置が決定される。予めプログラムされる動作を有するように、支柱42の位置および高さが決定されて、マイクロミラーシステムを製造するプロセスを行う間に、支柱42の位置および高さが形成される。より大きい静電力またはより低い駆動電圧を有するために、電気バイアスを、2つまたは3つの電極に同時にかけることが可能である。電極の面積が2倍または3倍になるので、静電力は、電極が1つの場合よりも大きくなる。マイクロミラーの各動作は、各方向の回転量および支柱の位置を用いて制御可能である。
【0037】
図5は、個別に制御されるマイクロミラー方法による、ステッパープレート53の他の一実施例を示す図である。8つの支柱52および電極51は、動作を生成する8つの異なる高さを生成するためのものである。これら8つの電極51のうちのいずれか1つの電極に電圧が印加されるならば、ステッパープレート53は傾き、電圧が印加された電極51の方向にスナップダウンされる。その後、このステッパープレート52の傾きによって、反対側の支柱52が上昇する。上昇した支柱52は、マイクロミラーを所望の位置まで持ち上げる。電極が8つあるので、ステッパープレートは、電極の対応する方向まで傾く。各傾斜方向で、マイクロミラーの所望の動作を生成するための支柱52の位置が決定される。また、ステッパープレートの各方向の回転は、電極を共通することによって複合電極によって制御され、より大きな静電力またはより低い駆動電圧を同時に有する。電極51の面積が増大するため、静電力は、電極が1つの場合よりも大きくなる。このシステムは、ステッパープレート53内の支柱の数によって制約される多数の動作を有している。ステッパープレートが低層構造と接触しているので、ステッパープレート全体が接地されていたとしても、表面力によって、静摩擦の問題が生じ得る。生じ得る静摩擦の問題を低減するために、ステッパープレートは、ステッパープレートの接触面積を低減させる先端54の構造を有している。接触構造はまた、静摩擦の問題を回避するために同一の電位を有している。
【0038】
図6は、バネ無しヒンジの構造を示す概略的な図である。ステッパープレート61は、弾性を有するバネに取り付けられており、この弾性を有するバネは図2の固定構造に取り付けられている。しかしながら、このバネは、図6のヒンジ構造を用いることによって省略することが可能である。ステッパープレート62は、ヒンジ構造63内に収容されているが、ステッパープレート62は、傾度を有する動作を有している。
【0039】
図7には、3つの自由度95、96を有する構成が示されている。この動作は、2つの回転自由度95と1つの並進自由度96とを有している。3つの自由度の動作を示すために、異なるステッパープレート92からの少なくとも3つの支柱94が必要である。3つのステッパープレート92からの各支柱94の面内位置および/または高さが、3次元空間内の特定の動作を規定する。支柱94によるこれら3つの点によって、マイクロミラー動作を示すマイクロミラー用平面91が形成される。各動作は、1つのステップとして特定され得る。1つのステップにおいて、異なるステッパープレート92からの3つの支柱94が、マイクロミラー用平面を規定する。同様に、他の3つの支柱による他の3つの位置が、別のマイクロミラー用平面91を規定する。1つのステッパープレート92内の支柱の数と同じ数の平面が、3つのステッパープレート92によって規定され得る。
【0040】
光変調の一例を図8に示す。図8のマイクロミラー102は、1つ、または、2つ、または、3つのステッパープレートからの支柱によって規定される、異なる4つの動作103を有している。この動作は、ステッパープレートの下の対応する電極に電圧を印加することによって制御可能である。各動作は、入射光線101を反射させるための特定のマイクロミラーの角度103を示す。このマイクロミラーは、動作が変化するたびに回転し、最終的に、マイクロミラーからの反射された光の経路を変動させる。この反射された光は、スクリーン104内の異なる位置105に進む。多数の支柱のステッパープレートを有するマイクロミラーを用いることによって、該マイクロミラーは、入射光線を多数の方向105内に反射させるためのマルチチャネル光スイッチとして機能することが可能である。このマルチチャネル光学スイッチは、1つのマイクロミラーまたは複数のマイクロミラーを回転させることによって、入射光線を所望の方向に反射させる。マイクロミラー動作が1次元の動作に制限されていないので、マイクロミラーは、マイクロミラーの並進動作による時間遅延を有している場合であっても、回転動作による多数の軸変動によって、平面内で入射光線を反射させることが可能である。
【0041】
図9は、マイクロミラーアレイレンズ112による空間光変調の一例を示す図である。複数のマイクロミラー112が、共通の電圧電極によって制御されている。マイクロミラーアレイレンズは、多数のマイクロミラー113を有しており、これらは、光学的に結合されてレンズを形成し、様々な焦点距離を示すステップを有するように制御されている。動作の各ステップでは、各マイクロミラーが、レンズに特定の焦点力を与える、異なる焦点距離のレンズ表面を形成している。図に示すように、各ステップは、マイクロミラーアレイレンズ112の異なる焦点距離でスクリーン114に焦点を定める入射ビーム111を形成する。動作の各ステップによって焦点を定められた光のパターン115が、スクリーン114内に示されている。マイクロミラーアレイレンズは、回転自由と並進自由とを共に有するように制御される必要があるので、マルチ動作をプログラム可能なマイクロミラー制御は焦点距離の偏差を有するために、良好な解決方法である。マイクロミラーアレイレンズの焦点距離も、マイクロミラーの製造工程中にプログラム可能であり、焦点距離の変動も、対応する電極に駆動電圧を容易に印加することによって、得ることが可能である。
【0042】
本発明の様々な実施形態を参照しながら、本発明について図示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の原理および範囲から逸脱することなく、形態、詳細、組み合わせ、および、動作における変形例も想定可能であることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来技術のマイクロミラーの制御方法を示す概略的な図である。
【図2】実施形態の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図3A】システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図3B】システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図3C】システムが動作している時の、個別に制御されるマイクロミラー制御システムを示す概略的な図である。
【図4】多数の動作(4つの異なる動作)を生成するための、4つの支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【図5】多数の動作(8つの異なる動作)を生成するための、多数の支柱と電極とを有するステッパープレートを示す図である。
【図6】バネ無しヒンジ構造を示す概略的な図である。
【図7】3つのマルチ支柱アクチュエータが、3つの自由度(2つの回転自由度および1つの並進自由度)を有するマイクロミラー動作を制御する様子を示す概略的な図である。
【図8】マルチ支柱アクチュエータを有する多数のマイクロミラーが、マルチステップの光スイッチとして機能する様子を示す概略的な図である。
【図9】マルチ支柱アクチュエータを有するマイクロミラーが、マルチステップのマイクロマイクロミラーアレイレンズとして機能する様子を示す概略的な図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロミラー構造を支持するために回転するように構成され、かつ、当該回転動作のために異なる高さの少なくとも2つの接触点を有する、少なくとも1つのステッパープレートと、
上記ステッププレートを制御するために少なくとも1つの電極を有するように構成されている低層と、
マイクロミラーとを備えているプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項2】
上記ステッパーは、静電力によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項3】
接触構造は、スティクションを防ぐために同じ位置である請求項2に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項4】
上記ステッパープレートは、上記マイクロミラーに結合されている、少なくとも1つの支柱を有しており、または、
上記マイクロミラーは、上記ステッパープレートに結合されている、少なくとも1つの支柱を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項5】
上記マイクロミラーは、上記ステッパープレートの回転の量によってプログラムされている、少なくとも1つの動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項6】
上記ステッパープレートの回転の量は、停止具によって定められる請求項5に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項7】
上記ステッパープレートは、上記低層に結合されている、少なくとも1つの停止具を有しており、または、
上記低層は、上記ステッパープレートに結合されている、少なくとも1つの停止具を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項8】
上記マイクロミラーは、支柱の位置によってプログラムされている、少なくとも1つの動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項9】
上記マイクロミラーは、上記ステッパープレートの回転の量および支柱の位置によってプログラムされている、少なくとも1つの動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項10】
上記制御システムは、動作制御において複数の自由度を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項11】
上記自由度は、上記ステッパープレートの数によって制限される請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項12】
動作における上記自由度は、ステップにおける支柱の数によって制限される請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項13】
上記制御システムは、1つの回転自由度の動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項14】
上記制御システムは、1つの並進自由度の動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項15】
上記制御システムは、1つの自由度および1つの並進自由度の動作を有している請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項16】
上記制御システムは、2つの回転自由度の動作を有している請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項17】
上記制御システムは、2つの回転自由度の動作および1つの並進自由度の動作を有している請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項18】
上記マイクロミラーの動作は、上記支柱によって規定される請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項19】
上記マイクロミラーの動作は、上記制御システムの製造時に、上記支柱および上記ステッパープレートから幾何学的にプログラムされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項20】
上記支柱は、上記ステッパープレート上部で位置付けされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項21】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート回転後、上記支柱および上記マイクロミラーの接触位置によって規定される請求項20に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項22】
上記支柱は、上記マイクロミラー下部で位置付けされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項23】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート回転後、上記支柱および上記ステッパープレートの接触位置によって規定される請求項22に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項24】
上記支柱は、上記ステッパープレート上部、上記マイクロミラー下部、もしくはその双方で位置付けされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項25】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート回転後、上記ステッパープレート上部の上記支柱および上記マイクロミラー下部の上記支柱の接触位置によって規定される請求項24に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項26】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート下部の上記停止具の位置および高さによって制限される、上記ステッパープレートの回転の量によって規定される請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項27】
上記マイクロミラーの動作は、上記低層における上記停止具の位置および高さによって制限される、上記ステッパープレートの回転の量によって規定される請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項28】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート上部の上記支柱の位置および上記マイクロミラー下部の上記支柱の位置によって規定される請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項29】
上記マイクロミラーの動作は、上記停止具によって制限される上記ステッパープレートの回転角によって規定される請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項30】
上記ステッパープレートの回転の量は、上記停止具によって規定され、上記マイクロミラーの動作は、上記支柱によって規定され請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項31】
上記ステッパープレートは、少なくとも3つの方向の回転を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項32】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、上記マイクロミラーのそれぞれの動作となる請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項33】
上記それぞれの方向の回転角の量は、同一であり、上記マイクロミラーのそれぞれの動作は、支柱の位置によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項34】
上記マイクロミラーのそれぞれの動作は、上記それぞれの方向の異なる回転角の量によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項35】
上記マイクロミラーのそれぞれの動作は、上記それぞれの方向の回転角の量および支柱の位置が制御されることによって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項36】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、対応する少なくとも1つの電極によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項37】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、共有電極による複数の電極によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項38】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、共有電極による複数の電極によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項39】
上記ステッパープレートは、バネ無しヒンジ構造である請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項40】
複数の上記マイクロミラーは、共通電圧源によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項41】
上記マイクロミラー制御システムは、マルチチャネル光学スイッチを用いている請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項42】
上記マルチチャネル光学スイッチは、少なくとも1つの上記マイクロミラーを回転させることによって所望の方向へ入射光をそらす請求項41に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項43】
マイクロミラーアレイレンズは、上記制御システムによって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項44】
上記マイクロミラーアレイレンズは、様々な焦点レンズに相当するステップを有するように制御される請求項43に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項45】
上記プログラム可能なマイクロミラー動作制御システムは、CMOS構造によって形成でき、当該システムは、上記CMOS回路によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項1】
マイクロミラー構造を支持するために回転するように構成され、かつ、当該回転動作のために異なる高さの少なくとも2つの接触点を有する、少なくとも1つのステッパープレートと、
上記ステッププレートを制御するために少なくとも1つの電極を有するように構成されている低層と、
マイクロミラーとを備えているプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項2】
上記ステッパーは、静電力によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項3】
接触構造は、スティクションを防ぐために同じ位置である請求項2に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項4】
上記ステッパープレートは、上記マイクロミラーに結合されている、少なくとも1つの支柱を有しており、または、
上記マイクロミラーは、上記ステッパープレートに結合されている、少なくとも1つの支柱を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項5】
上記マイクロミラーは、上記ステッパープレートの回転の量によってプログラムされている、少なくとも1つの動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項6】
上記ステッパープレートの回転の量は、停止具によって定められる請求項5に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項7】
上記ステッパープレートは、上記低層に結合されている、少なくとも1つの停止具を有しており、または、
上記低層は、上記ステッパープレートに結合されている、少なくとも1つの停止具を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項8】
上記マイクロミラーは、支柱の位置によってプログラムされている、少なくとも1つの動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項9】
上記マイクロミラーは、上記ステッパープレートの回転の量および支柱の位置によってプログラムされている、少なくとも1つの動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項10】
上記制御システムは、動作制御において複数の自由度を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項11】
上記自由度は、上記ステッパープレートの数によって制限される請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項12】
動作における上記自由度は、ステップにおける支柱の数によって制限される請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項13】
上記制御システムは、1つの回転自由度の動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項14】
上記制御システムは、1つの並進自由度の動作を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項15】
上記制御システムは、1つの自由度および1つの並進自由度の動作を有している請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項16】
上記制御システムは、2つの回転自由度の動作を有している請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項17】
上記制御システムは、2つの回転自由度の動作および1つの並進自由度の動作を有している請求項10に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項18】
上記マイクロミラーの動作は、上記支柱によって規定される請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項19】
上記マイクロミラーの動作は、上記制御システムの製造時に、上記支柱および上記ステッパープレートから幾何学的にプログラムされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項20】
上記支柱は、上記ステッパープレート上部で位置付けされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項21】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート回転後、上記支柱および上記マイクロミラーの接触位置によって規定される請求項20に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項22】
上記支柱は、上記マイクロミラー下部で位置付けされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項23】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート回転後、上記支柱および上記ステッパープレートの接触位置によって規定される請求項22に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項24】
上記支柱は、上記ステッパープレート上部、上記マイクロミラー下部、もしくはその双方で位置付けされる請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項25】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート回転後、上記ステッパープレート上部の上記支柱および上記マイクロミラー下部の上記支柱の接触位置によって規定される請求項24に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項26】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート下部の上記停止具の位置および高さによって制限される、上記ステッパープレートの回転の量によって規定される請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項27】
上記マイクロミラーの動作は、上記低層における上記停止具の位置および高さによって制限される、上記ステッパープレートの回転の量によって規定される請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項28】
上記マイクロミラーの動作は、上記ステッパープレート上部の上記支柱の位置および上記マイクロミラー下部の上記支柱の位置によって規定される請求項4に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項29】
上記マイクロミラーの動作は、上記停止具によって制限される上記ステッパープレートの回転角によって規定される請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項30】
上記ステッパープレートの回転の量は、上記停止具によって規定され、上記マイクロミラーの動作は、上記支柱によって規定され請求項6に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項31】
上記ステッパープレートは、少なくとも3つの方向の回転を有している請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項32】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、上記マイクロミラーのそれぞれの動作となる請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項33】
上記それぞれの方向の回転角の量は、同一であり、上記マイクロミラーのそれぞれの動作は、支柱の位置によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項34】
上記マイクロミラーのそれぞれの動作は、上記それぞれの方向の異なる回転角の量によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項35】
上記マイクロミラーのそれぞれの動作は、上記それぞれの方向の回転角の量および支柱の位置が制御されることによって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項36】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、対応する少なくとも1つの電極によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項37】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、共有電極による複数の電極によって制御される請求項31に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項38】
上記ステッパープレートのそれぞれの方向の回転は、共有電極による複数の電極によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項39】
上記ステッパープレートは、バネ無しヒンジ構造である請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項40】
複数の上記マイクロミラーは、共通電圧源によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項41】
上記マイクロミラー制御システムは、マルチチャネル光学スイッチを用いている請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項42】
上記マルチチャネル光学スイッチは、少なくとも1つの上記マイクロミラーを回転させることによって所望の方向へ入射光をそらす請求項41に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項43】
マイクロミラーアレイレンズは、上記制御システムによって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項44】
上記マイクロミラーアレイレンズは、様々な焦点レンズに相当するステップを有するように制御される請求項43に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【請求項45】
上記プログラム可能なマイクロミラー動作制御システムは、CMOS構造によって形成でき、当該システムは、上記CMOS回路によって制御される請求項1に記載のプログラム可能なマイクロミラー動作制御システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2009−529157(P2009−529157A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558492(P2008−558492)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/063331
【国際公開番号】WO2007/117793
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(506277258)ステレオ ディスプレイ,インコーポレイテッド (13)
【出願人】(506278004)アングストローム,インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/063331
【国際公開番号】WO2007/117793
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(506277258)ステレオ ディスプレイ,インコーポレイテッド (13)
【出願人】(506278004)アングストローム,インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
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