説明

プロセスカートリッジ、画像形成装置

【課題】画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの取り付け位置を改良する。
【解決手段】プロセスカートリッジ50は、画像形成装置としてのプリンタ20に対し、矢印30の方向から挿入される。そこで、RFID58を、この挿入方向の手前側の端面52付近に設けた。これにより、プリンタのアンテナ26からだけでなく、外部のリーダライタ等をからもRFIDに容易にアクセスできる。また、RFIDは、プロセスカートリッジの上面に取り付けられている。この位置は、感光体のクリーニング部よりも高く、清掃によるトナーの付着を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置において用いられるプロセスカートリッジに対し、RFID(Radio Frequency IDentification)を取り付けて利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの画像形成装置においては、一般に、画像形成工程の一部は装置に装着されるプロセスカートリッジを用いて実施される。プロセスカートリッジにRFIDを取り付けた場合、プロセスカートリッジの情報を、流通段階や画像形成段階でRFIDから取得することが可能となり、流通管理や画像管理等に有効となる。下記特許文献1には、画像形成装置の上面から挿入されるプロセスカートリッジにおいて、RFIDを挿入方向の奥側に取り付ける態様が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−72823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に装着されたプロセスカートリッジのRFIDに対し、画像形成装置とは異なる外部装置からアクセスしたいような場合がある。この場合、RFIDが装置内の深い場所に装着されていたのでは通信障害が発生する虞がある。また、RFIDには、磁性体等の汚れの付着により誤作動を起こす虞もある。
【0005】
本発明の目的は、プロセスカートリッジに取り付けられたRFIDとの通信において、障害発生を防止することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、外部装置からのアクセスが容易となるように、プロセスカートリッジにRFIDを取り付けることにある。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、プロセスカートリッジが備える画像形成工程の処理機構によってRFIDへ汚れが付着することを防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置内に着脱可能に装着されるための被装着機構であって、画像形成装置に挿入されて画像形成装置に支持される被装着機構と、装着された画像形成装置において画像形成工程に用いられる工程処理機構と、メモリとアンテナを備えたRFIDであって、挿入方向の手前側の端部付近に取り付けられ、手前側から無線アクセス可能に設定されたRFIDと、を備える。
【0009】
画像形成装置は、用紙(紙や樹脂シート等を指す)に電子データに基づいて画像を形成する装置である。具体的にはプリンタや、プリンタ機能を備えた機器としての複写機、ファクシミリ等がこれに相当する。プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着される。プロセスカートリッジが備える工程処理機構は、一連の画像形成工程のうちの一部を実施するための部品群、すなわち、画像形成に寄与するまとまった構成単位である。また、RFID(Radio Frequency IDentification)は、アンテナと集積回路(IC)等により構成され、電波により外部装置と通信可能に構成された小型装置である。この装置内には、メモリ(記憶装置)が含まれており、情報が記憶される。RFIDは、ICタグなどとも呼ばれることもある。このRFIDはプロセスカートリッジの挿入方向の手前側端部付近に取り付けられる。この端部付近とは、例えば、手前側の外形を形成する外表面、あるいはその外表面よりも若干(例えば5cm以内程度、望ましくは2,3cm以内)奥よりに位置する側面や内部領域をいう。
【0010】
この構成によれば、RFIDに対しては、画像形成装置に設けられた通信手段からアクセスできる他、外部の通信手段からも容易にアクセスすることができる。つまり、装置の内部にRFIDが位置している場合に比べ、アンテナ間距離を短くすることが可能であり、また、画像形成装置やプロセスカートリッジの金属部品による通信障害の発生も防止される。この結果、例えば、保守点検時に、点検者が携帯する通信手段としてのリーダライタからRFIDにアクセスすることが容易となる。また、この構成は、特別な機器等を導入することなく実施できるため、省スペース化や低コスト化を実現する上でも優れている。
【0011】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、工程処理機構は、感光体、感光体を帯電させる帯電器、感光体上の静電潜像を現像しトナー像を形成する現像装置、トナー像を感光体から中間転写体へ又は中間転写体から用紙へ転写する転写装置、又は、感光体を清掃するクリーニング部、用紙を搬送する搬送装置の少なくとも一つの機構を含む。
【0012】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、RFIDは、被装着時に当該プロセスカートリッジの上面に取り付けられる。これにより、画像形成に伴う汚れ、特にRFIDの動作に不具合を来す磁性体の汚れが付着しにくくなり、通信状態の悪化が防止される。
【0013】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、工程処理機構は、感光体と感光体を清掃するクリーニング部を含み、RFIDは、被装着時にクリーニング部よりも上側となる位置に取り付けられる。クリーニング部は、ブラシやブレードにより感光体の汚れを取り除く箇所であり、その周囲には汚れの降りかかることが予想される。そこで、クリーニング部よりも高い位置にRFIDを取り付けることとした。
【0014】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、工程処理機構は、感光体と感光体を清掃するクリーニング部を含み、RFIDは、感光体を挟んでクリーニング部とは反対側となる位置に取り付けられる。反対側とは、感光体の周方向に少なくとも90度回転した位置を意味している。これにより、感光体を挟んで、クリーニング部とRFIDとが隔離されることになる。特に望ましくは、正反対(180度)の近傍に取り付けられる。
【0015】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、画像形成装置は、用紙搬送路を備え、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、工程処理機構は、感光体を含み、RFIDは、被装着時に感光体を挟んで用紙搬送路とは反対側となる位置に取り付けられる。用紙搬送路付近は、用紙の搬送に伴う静電気が発生するからである。
【0016】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、工程処理機構は感光体を含み、RFIDは、感光体に静電潜像を形成する光ビームが照射される側に取り付けられる。光ビームは、照射手段(露光器)から的確に感光体に照射される必要があり、汚れを発生させる機器は一般にその付近から遠ざけて設置されている。したがって、この付近は、RFIDの汚れ対策にも適した位置であると言える。なお、照射される側とは、感光体の周方向への回転角度が照射位置から90度以内の位置を意味している。特に望ましくは、同じ角度(0度)の近傍に取り付けられる。
【0017】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、RFIDは、ユーザ用の把手部以外の位置に取り付けられる。ユーザ用の把手部とは、装着時にユーザがプロセスカートリッジを持つために設けられた形状的構造である。把手部は、一般に挿入方向の手前側にあるが、把手部にRFIDを取り付けた場合、プロセスカートリッジの取り付けの際にユーザによって力を加えられ、RFIDが破壊されてしまう虞がある。そこで、把手部以外の位置にRFIDを取り付けることとした。なお、把手がプロセスカートリッジの最も手前側に位置している場合には、この把手を除いた部分をプロセスカートリッジの端部とみなすべきである。
【0018】
望ましくは、本発明のプロセスカートリッジにおいて、挿入方向の奥側の端部付近に取り付けられたメモリと、このメモリに接続された通信用配線であって被装着時に画像形成装置の奥側のコネクタとも接続されてメモリとの通信経路を形成する通信用配線と、を備える。有線接続されるメモリを備える場合には、画像形成装置との通信用のハーネスやコネクタの配設が必要となる。こうした設備は、画像形成装置の奥側に設けた方が、プロセスカートリッジを抜き差しする際の障害となりにくい。
【0019】
本発明の画像形成装置は、前記プロセスカートリッジを装着した画像形成装置であって、RFIDにアクセスする機構を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本実施の形態に係るプリンタシステム10を模式的に示す図である。図においては、実施の形態に係る主要な構成のみを概略的に示している。プリンタシステム10は、画像形成装置としてのプリンタ20と、これに装着されたプロセスカートリッジ50とを含んでいる。プリンタ20は、本体部22とフロントカバー40とからなる。図において、右手側はプリンタ20の前面(フロント)、左手側が後面(リア)であり、フロントカバー40はプリンタ20の前面に開閉可能に設けられている。
【0021】
本体部22は、筐体を有しており、その内部には、モータを含む駆動源24、RFIDと通信するためのアンテナ26の他、図示していない制御部、露光部、用紙搬送装置などが設けられている。用紙28は、この用紙搬送路により運ばれている。
【0022】
プロセスカートリッジ50は、画像形成工程の一部を実施するための装置である。その形状は図の左右に伸びる細長形状であり、フロントカバー40を開くと現れる本体部22の前面からリア側に向けてほぼ水平に挿入して装着される。図の矢印30は、この挿入方向を示している。装着されたプロセスカートリッジ50は、駆動源24から動力を受けて動作する。このプロセスカートリッジ50のフロント側(挿入方向における手前側)の端面52の上部には、プロセスカートリッジ50を挿入する際にユーザが持つための把手54が取り付けられている。また、プロセスカートリッジ50の側面56の上部であって端面52の縁の近傍には、RFID58が取り付けられている。このRFID58の取り付け位置は、把手54をもつユーザがRFID58を破壊しないよう配慮して把手54以外の場所としている。
【0023】
図2は、プロセスカートリッジ50を模式的に示した斜視図である。その視点は、図1の右上かつ紙面奥にある。図1と同じ構成には同じ番号を付している。ただし、簡単のため、図1に示した把手54は省略している。この模式図においては、プロセスカートリッジ50は、円筒形部60と平板部62とにより構成されている。円筒形部60は、感光体ドラムの形状を反映したものであり、平板部62は感光体ドラムを清掃するためのクリーニングブレードを反映したものである。感光体ドラムは、プリンタ20に装着された場合、駆動源24により回転駆動され、その表面に接しているクリーニングブレードによって清掃される。
【0024】
RFID58は、円筒形部60の最上部であって、装着時におけるフロント側の端面52の近くに設置されている。今の想定では、この位置はプロセスカートリッジ50の筐体上にあり、感光体ドラムとともに回転することはない。平板部62が示すクリーニングブレードは、円筒形部60の周方向に90度以上の角αだけ回転した位置に取り付けられている。つまり、RFID58からみて周方向に90度以内の位置を表側、90度以上の位置を裏側とすると、クリーニングブラシは裏側に位置していることになる。
【0025】
プリンタ20は、プロセスカートリッジ50を利用して、用紙に画像を形成する。この画像形成は、制御部の制御の下で次のように行われる。
【0026】
画像形成の中心として使用される処理機構は、感光体である。感光体は 駆動源24により回転駆動されている。この感光体に対しては、まず、図示していない帯電器が帯電処理を行う。これにより、感光体の表面は電荷を与えられ、均一に帯電させられる。
【0027】
帯電した感光体に対しては、図示していない露光手段によって露光処理が行われる。露光手段は、電子データに基づく光ビームを感光体に照射して、電荷量を変化させることで、感光体の表面に静電潜像を形成する。電子データは、外部装置から入力してもよいし、光学的読取装置(スキャナ)を設けて原画像から作成してもよい。読取装置が含まれる場合には、プリンタシステム10は、複写機としての機能をもつことになる。
【0028】
感光体の静電潜像は、図示していない現像部によって現像される。現像部は、電磁石(マグネットロール)を内蔵した現像ロールを備えており、磁性体の小粉からなるトナーを吸引して感光体の側に運び、静電潜像を現像する。
【0029】
現像されてできたトナー画像は、図示していない転写装置において、ベルト状の中間転写体に転写され、さらに中間転写体から用紙へ転写される。この用紙は、用紙搬送装置によって用紙搬送路を運ばれて転写位置に到達し、さらに、定着装置へと運ばれる。定着装置では、熱源により加熱された定着ロールによって用紙上のトナー像が溶融され、この結果、用紙に画像が定着する。
【0030】
なお、中間転写体への転写を終えた感光体では、クリーニング部において表面の清掃が行われる。このため、クリーニング部には、クリーニングブラシや、クリーニングブレードが備えられる。清掃が終わった感光体では、次の画像形成のための工程が繰り返される。
【0031】
図2に示したプロセスカートリッジ50では、この各工程を実施する工程処理機構として、感光体及びクリーニングブレードが備えられている。しかし、どのような工程処理機構を備えるかは、利便性やコスト等を考慮して適宜定めればよく、例えば、感光体、帯電器、現像装置、転写装置、クリーニング部、用紙搬送装置の少なくとも一つを含めればよい。
【0032】
プリンタ20では、最初の使用時にプロセスカートリッジ50が装着される他、その寿命が来た場合に、取り外し及び新たなプロセスカートリッジ50の装着が行われる。装着は、図1に示したフロントカバー40を開き、プロセスカートリッジ50をリア側に向かって挿入することで行われる。このため、プロセスカートリッジ50とプリンタ20には、互いに対応した挿入ガイド機構、つまり、最終装着位置までプロセスカートリッジ50を導くための機構が設けられている。この例としては、溝構造と突起構造のペアを挙げることができる。また、プロセスカートリッジ50とプリンタ20には、最終装着位置にまで挿入されたプロセスカートリッジ50がプリンタ20内の所定位置で支持されるための互いに対応した支持機構が設けられる。支持機構としては、例えば互いに嵌合する構造を挙げることができ、これは挿入ガイドを兼ねるものであってもよい。挿入ガイド機構及び支持機構は、全体としてプロセスカートリッジ50をプリンタ20に装着するための装着機構機構(プロセスカートリッジ50からみれば装着されるための被装着機構である)をなしている。
【0033】
プロセスカートリッジ50に取り付けられたRFID58は、製造、流通、画質管理、点検、リサイクルなどの様々な目的で使用することができる。RFID58は、例えば、メモリ及び通信制御部を備えたICチップと、これに接続されたアンテナとからなる。電源は内蔵(アクティブ型)していてもよいが、小型化を図るためには内蔵されていない(パッシブ型)ことが望ましい。また、メモリは、書き換え不可能なタイプであってもよいが、多様な使用方法を可能にする観点からは書き換え可能であることが望ましい。
【0034】
メモリに格納される情報の例としては、プロセスカートリッジ50の型番、製造番号、製造年月日などの属性情報、販売ルート等の流通情報、性能試験結果等の特性情報、交換が必要となる使用限界回数等の寿命情報など様々な情報を挙げることができる。これらの情報は、プロセスカートリッジ50がプリンタ20に装着されていない段階では、リーダライタを用いて読み出され、あるいは、書き込まれる。また、プリンタ20に装着された段階では、通常、プリンタ20内のアンテナ26を通じてRFID58へのアクセスが行われる。
【0035】
プロセスカートリッジ50がプリンタ20に装着されている段階で、外部装置からRFID58にアクセスすることも可能である。これは、例えば、プリンタシステム10の保守点検を行うサービスマン等が、携帯するリーダライタにより直接RFID58にアクセスし、情報の読み書きを行うことを想定している。RFID58が、プリンタ20のフロント側の端面52付近に設けられているのは、この理由による。つまり、RFID58がプロセスカートリッジ50の挿入方向における中央付近や奥側に設けられていたのでは、リーダライタとの距離が離れ、また周囲の金属(導体)に影響されることにより、電波障害の発生する虞がある。これに対し、RFID58をフロント側の端面52付近に設けた場合には、フロントカバー40を開けることで、あるいはフロントカバー40が非金属の時には閉じたままでも、プリンタ20の前面からRFID58に容易にアクセスすることができる。ただし、RFID58は、図1に示したユーザ用の把手54を避けて取り付けられている。これは、ユーザによってRFID58が押圧され、破壊されるのを防ぐためである。
【0036】
プリンタ20のアンテナ26と外部のリーダライタの両方から、RFID58に対し確実にアクセスするために、RFID58のアンテナの角度を調整することは有効である。一般にRFID58のアンテナには、指向性がある。そこで、アンテナ26及びフロント側のリーダライタがともに電波状態が良好な角度範囲に入るようにRFID58の設置角度を設定する。一例として、リーダライタが当てられるであろうフロント側とアンテナ26側との中間方向にRFID58のアンテナ面を向ける態様を挙げることができる。また、アンテナ26の設置位置をフロント側に近づけることも有効である。これにより、RFID58からみて、アンテナ26の方向とフロント側の方向とが接近するからである。
【0037】
プロセスカートリッジ50がプリンタ20内に装着されている場合に、外部のリーダライタからRFID58にアクセスして情報を書き換えると、設定によっては、プリンタ20の制御部等が管理する情報との整合性に支障をきたすことになる。そこで、プロセスカートリッジ50がプリンタ20に装着された段階で、プリンタ20は、アンテナ26以外からのデータの書き込みを受け付けないように指令を出すことができる。つまり、RFID58の側で、アンテナ26からの信号以外の信号によっては、データの書き込みを行わないようにすることで問題が解決される。あるいは、外部のリーダライタからRFID58に対して書き込みが行われた場合、次にアンテナ26からのアクセスがあった際に、RFID58が自発的にあるいは問い合わせへの回答としてその書き込みがあったことを伝達するように設定してもよい。
【0038】
RFID58をプロセスカートリッジ50に取り付ける位置は、汚れの付着防止の観点からも工夫されている。プロセスカートリッジ50における工程処理機構、あるいは、プリンタ20に直接設けられた工程処理機構の中には、汚れの発生源となるものがある。例えば、クリーニング部は、感光体の汚れを掻き落とすものであり、その周囲やその下部は他よりも汚れやすい環境にある。特に、クリーニング部付近の汚れは、磁性体を含むトナー片が主であり、RFIDの回路やアンテナの動作に支障をきたす虞がある。したがって、RFID58は、クリーニング部よりも上側に設けられることが望ましい。また、RFID58は、クリーニング部とは隔てられた空間に設けられることが望ましい。
【0039】
そこで、図2に示したように、プロセスカートリッジ50におけるRFID58の取り付け位置は、プロセスカートリッジ50の上面に設定されている。この位置は、クリーニング部としてのクリーニングブレードに対応した平板部62よりも上側である。また、RFID58は、感光体及び周囲に設けられる他の工程処理機構よりも高い位置であり、クリーニング部のみならずこれらの工程処理機構が発する汚れも降りかかりにくくなっている。さらに、感光体に対応した円筒形部60とのなす角αは、90度以上に設定されている。ゆえに、RFID58はクリーニング部からみて感光体の裏側に設置され、感光体によりクリーニング部とは隔てられているといえる。
【0040】
また、RFID58の取り付け位置は、露光手段の側とすることが望ましい。これは、汚れの存在下での露光手段による光ビームの照射は画質不良の原因となるため、一般に露光手段のある付近は汚れにくい構造に設計されているからである。
【0041】
なお、RFID58は、静電気によっても動作不良を起こす虞がある。用紙搬送路を流れる用紙には、摩擦のためにしばしば大きな静電気が蓄えられる。そこで、用紙搬送路から遠ざけた位置にRFID58を設置することが望ましい。図1においては、用紙28はプロセスカートリッジ50の下側を流れ、RFID58はプロセスカートリッジ50の上側に設置されている。
【0042】
以上の説明においては、プリンタ20を例に挙げて説明したが、複写機等の他の画像形成装置であっても同様に実施可能である。また、プロセスカートリッジ50の挿入は、図1の矢印30で示したようにプリンタ20の前面から行われてもよいが、他の側面や上面から行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】プリンタシステムの概略構成を示す模式図である。
【図2】プロセスカートリッジの概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0044】
10 プリンタシステム、20 プリンタ、22 本体部、24 駆動源、26 アンテナ、28 用紙、30 矢印、40 フロントカバー、50 プロセスカートリッジ、52 端面、54 把手、56 側面、58 RFID、60 円筒形部、62 平板部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置内に着脱可能に装着されるための被装着機構であって、画像形成装置に挿入されて画像形成装置に支持される被装着機構と、
装着された画像形成装置において画像形成工程に用いられる工程処理機構と、
メモリとアンテナを備えたRFIDであって、挿入方向の手前側の端部付近に取り付けられ、手前側から無線アクセス可能に設定されたRFIDと、
を備える、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、
工程処理機構は、感光体、感光体を帯電させる帯電器、感光体上の静電潜像を現像しトナー像を形成する現像装置、トナー像を感光体から中間転写体へ又は中間転写体から用紙へ転写する転写装置、又は、感光体を清掃するクリーニング部、用紙を搬送する搬送装置の少なくとも一つの機構を含む、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
RFIDは、被装着時に当該プロセスカートリッジの上面に取り付けられる、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、
工程処理機構は、感光体を清掃するクリーニング部を含み、
RFIDは、被装着時にクリーニング部よりも上側となる位置に取り付けられる、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、
工程処理機構は、感光体と感光体を清掃するクリーニング部を含み、
RFIDは、感光体を挟んでクリーニング部とは反対側となる位置に取り付けられる、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
画像形成装置は、用紙搬送路を備え、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、
工程処理機構は、感光体を含み、
RFIDは、被装着時に感光体を挟んで用紙搬送路とは反対側となる位置に取り付けられる、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
画像形成装置は、電子写真方式に基づく画像形成工程により用紙に画像を形成する装置であり、
工程処理機構は感光体を含み、
RFIDは、感光体に静電潜像を形成する光ビームが照射される側に取り付けられる、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
RFIDは、ユーザ用の把手部以外の位置に取り付けられる、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1に記載のプロセスカートリッジであって、
挿入方向の奥側の端部付近に取り付けられたメモリと、
このメモリに接続された通信用配線であって被装着時に画像形成装置の奥側のコネクタとも接続されてメモリとの通信経路を形成する通信用配線と、
を備える、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスカートリッジを装着した画像形成装置であって、
RFIDにアクセスする機構を備える、ことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−84984(P2006−84984A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271687(P2004−271687)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】