説明

プロセスカートリッジを用いた画像形成装置

【課題】現像ユニットの駆動軸と現像ローラを正確かつ簡易に結合可能とした画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の側板を挟んでプロセスカートリッジの反対側に設置され現像ユニットを回転駆動する駆動部を備え、駆動部が、現像ユニットを回転駆動する駆動力を発生する駆動力発生部と、駆動力発生部を支持する駆動部基板と、駆動力発生部の発生した駆動力を現像ユニットに伝達する駆動軸と、側板と駆動部の間に設置されるブラケットと、駆動部基板に設置され駆動軸をラジアル方向およびスラスト方向に支持する基板軸受けと、を備え、ブラケットは、駆動軸を中心とする円筒形状の軸受け座と、軸受け座の内側に嵌装され駆動軸をスラスト方向に支持するブラケット軸受けと、軸受け座とブラケット軸受けの間に配置され駆動軸のラジアル方向の移動を許容する弾性部材と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジを使用するプリンタ、複写機、ファクシミリのような画像形成装置に係り、特にプロセスカートリッジの装着性を損なうことなく現像ユニット駆動出力軸と現像ローラを正確かつ簡易に結合可能としたプロセスカートリッジを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感光体ドラムに形成された潜像を現像ユニットから供給されるトナーにより現像し、記録紙等の記録媒体に記録する画像形成装置は公知である。
また、このような画像形成装置において、現像ユニットと感光体ドラムとをプロセスカートリッジとして一体化し、画像形成装置本体に対して着脱自在とすることも公知である。
【0003】
しかし、プロセスカートリッジを用いる場合にもプロセスカートリッジに搭載されている感光体ドラムおよび現像ユニットの駆動源は画像形成装置本体側に搭載されているため、プロセスカートリッジを画像生成装置に正確に搭載できる構造とすることが、画像の濃度ムラやバンディングを抑制する上で重要となる。
【0004】
そこで、画像形成装置本体側の駆動源の駆動出力軸とプロセスカートリッジ側の被駆動軸とを正確に結合するための機構を本出願人もすでに提案している(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。
【0005】
特許文献1には、本体側に設置される現像ユニット駆動出力軸をカートリッジ側軸受けおよび反カートリッジ側軸受けで支持し、反カートリッジ側軸受けをラジアル方向に自由度を有する仮保持手段とすることにより、現像ユニット駆動出力軸とプロセスカートリッジ内の現像ユニットの現像ユニット被駆動軸の間のズレを吸収するようにした画像形成装置を開示している。
【0006】
また、特許文献2には、現像ユニット駆動出力軸の反カートリッジ側軸受けをラジアル方向に自由度を有する仮保持手段とするとともに現像ユニット駆動出力軸と現像ユニット被駆動軸を結合するカップリングに等速ジョイントを適用する画像形成装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された機構には、以下の課題があった。
【0008】
すなわち、特許文献1に開示された画像形成装置にあっては、現像ユニット駆動出力軸と現像ユニット被駆動軸を結合するカップリングに滑りが発生するおそれがあり、画像の濃度ムラやバンディングが発生することを回避できない。
また、特許文献2に開示された画像形成装置にあっては、仮保持手段と等速ジョイントを適用する必要があり、組立工数増加およびコスト上昇を回避できない。
【0009】
本発明は上記課題を解決することを目的とするものであって、画像の濃度ムラやバンディングの発生を抑制しつつ現像ユニット駆動出力軸と被駆動軸である現像ローラを正確かつ簡易に結合可能としたプロセスカートリッジを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、感光ドラムおよび現像ユニットを含むプロセスカートリッジを本体に着脱可能であり、前記本体側に設置され前記現像ユニットを回転駆動する現像ユニット駆動部が、駆動部基板と、前記駆動部基板に対して前記プロセスカートリッジ側に前記駆動部基板と間隔を隔てて固定される樹脂製の駆動部補助ブラケットと、現像ユニット駆動力を発生する駆動力発生部と、前記現像ユニット駆動力を前記現像ユニットに伝達する現像ユニット駆動出力軸と、前記現像ユニット駆動出力軸を前記駆動部補助ブラケットでスラスト方向に支持する補助ブラケット軸受けと、前記現像ユニット駆動出力軸を前記駆動部基板でラジアル方向およびスラスト方向に支持する駆動部基板軸受けと、を含み、前記駆動部補助ブラケットが、前記駆動部基板側に張り出す前記現像ユニット駆動出力軸を中心とする円筒形状の補助ブラケット軸受けリブを有し、前記補助ブラケット軸受けが、前記現像ユニット駆動軸のラジアル方向の移動を許容する柔軟部材を介して前記補助ブラケット軸受けリブ内に嵌装される構成を有する。
【0011】
本発明は、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸とを正確かつ簡易に結合するための部品点数、コストおよび組み立て工数を削減することを目的として、駆動部補助ブラケットを樹脂製とし、補助ブラケットに補助ブラケット軸受けリブを設け、補助ブラケット軸受けリブ内に柔軟部材を貼付する構成とした。
本発明によれば、駆動部補助ブラケットを樹脂製とし、駆動部補助ブラケットと一体に形成した補助ブラケット軸受リブに柔軟部材および補助ブラケット軸受を嵌装することにより、簡易な構成で現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸とを正確に結合することが可能となる。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、前記補助ブラケットが、前記プロセスカートリッジ側に張り出す前記現像ユニット駆動出力軸を中心とする円筒形状の本体側板位置決めリブを有する構成を有する。
【0013】
本発明は、現像ユニット駆動部を本体に正確に取り付けることにより、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸との偏角を抑制し、駆動力伝達ムラを低減することを目的として、補助ブラケットに本体側板位置決めリブを設け、本体側板位置決めリブを本体側板の取り付け穴に挿入する構成とした。
本発明によれば、補助ブラケットに本体側板位置決めリブを本体側板の取り付け穴に挿入することにより、現像ユニット駆動部を本体に正確に取り付けることが可能となり、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸との偏角を抑制し、駆動力伝達ムラを低減することが可能となる。
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、前記本体側板位置決めリブの先端は、テーパ形状である構成を有する。
本発明は、現像ユニット駆動部の本体への取り付けを容易とすることを目的として、本体側板位置決めリブの先端をテーパ形状とする構成とした。
本発明によれば、本体側板位置決めリブの先端をテーパ形状とすることにより、現像ユニット駆動部の本体への取り付けを容易とすることができる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、前記補助ブラケット軸受けの外径より小である構成を有する。
本発明は、プロセスカートリッジが本体から取り外される際に補助ブラケット軸受けは大きなスラスト力を受けることにより駆動部補助ブラケットおよび柔軟部材が損傷することを防止することを目的として、本体側板位置決めリブの直径を前記補助ブラケット軸受けの外径より小とする構成とした。
本発明によれば、本体側板位置決めリブの直径を前記補助ブラケット軸受けの外径より小としたことにより、補助ブラケット軸受けが受けるスラスト力を本体側板で支えることが可能となる。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、前記現像ユニット駆動出力軸と前記現像ユニットの被駆動軸のカップリング部材が等速ジョイントである構成を有する。
本発明は、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸との間に偏角が存在する場合にも駆動力伝達ムラを低減することを目的として、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸との結合部材として等速ジョイントを適用した。
本発明によれば、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸との結合部材として等速ジョイントを使用するので、現像ユニット駆動出力軸と現像ローラ軸との間に偏角が存在する場合にも駆動力伝達ムラを低減することが可能となる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、現像ユニット駆動部が、前記駆動力発生部が発生した駆動力を前記現像ユニット駆動軸に伝達するタイミングベルトを備える構成を有する。
本発明は、現像ユニットの駆動力発生部が発生した駆動力を現像ユニット駆動軸に伝達するためにタイミングベルトを適用した。
本発明によれば、現像ユニットの駆動力発生部が発生した駆動力を、タイミングベルトを介して現像ユニット駆動軸に伝達するので、駆動力発生部の発生する振動が現像ユニット駆動軸に伝達することを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像の濃度ムラやバンディングの発生を抑制しつつ現像ユニット駆動出力軸と現像ユニット被駆動軸である現像ローラを正確かつ簡易に結合可能としたプロセスカートリッジを用いた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】中間転写タンデム型カラー画像形成装置の概略構成図である。
【図2】中間転写タンデム型カラー画像形成装置の概略斜視図である。
【図3】プロセスカートリッジの側面図(a)および斜視図(b)である。
【図4】画像形成装置本体に搭載される現像ユニット用駆動部の正面図(c)およびA−A断面図(d)である。
【図5】現像ユニット駆動出力軸回りの拡大図である。
【図6】駆動部補助ブラケットの現像ユニット駆動出力軸周辺を駆動プーリ側から見た正面図である。
【図7】現像ユニットのカップリング周辺の嵌合前の拡大図(e)および嵌合後の拡大図(f)である。
【図8】他の形式のプロセスカートリッジの側面図(g)および斜視図(h)である。
【図9】画像形成装置の他の形式を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1および図2は画像形成装置の一種である中間転写タンデム型カラー画像形成装置の概略構成図および概略斜視図であって、第1のローラ410、第2のローラ420および第3のローラ430に中間転写ベルト440が掛け回されている。
【0021】
中間転写ベルト400の第1のローラ410と第2のローラ420との間は作像面として機能し、作像面上には4つの感光体ドラム110Y(イエロー)、110M(マゼンダ)、110C(シアン)および110K(ブラック)がこの順序に設置されている。
なお、4つの感光体ドラム110Y、110M、110Cおよび110Kは4つの感光体ドラム駆動モータ111Y、111M、111Cおよび111Bにより回転駆動される。
【0022】
さらに、4つの感光体ドラム110Y、110M、110Cおよび110Kに接触して4つの現像ユニット210Y、210M、210Cおよび210Kも設置されている。
なお、4つの現像ユニット210Y、210M、210Cおよび210Kは4つの現像ユニット駆動モータ211Y、211M、211Cおよび211Bにより現像ユニット用駆動部230Y、230M、230Cおよび230Kを介して回転駆動される。
【0023】
以下の記載において、色を特定する必要のない場合は、感光体ドラム110、現像ユニット210、感光体ドラム駆動モータ111、現像ユニット駆動モータ211および現像ユニット用駆動部230と記載する。
【0024】
中間転写ベルト440を挟んで第3のローラ430の対向位置には2次転写ローラ510が配置されている。
図示しない書き込みユニットによって感光体ドラム110に書き込まれた潜像は、現像ユニット210によって現像され、中間転写ベルト440に1次転写される。
【0025】
中間転写ベルト440が回転して、1次転写された画像は、転写タイミングローラ90により搬送されてきた紙等の記録媒体99に2次転写され、定着装置700により定着されて画像形成装置外に排出される。
感光体ドラム110と現像ユニット210は、1つのプロセスカートリッジ10としてユニット化されており、画像形成装置本体に対して着脱可能な構成となっている。
【0026】
感光体ドラム駆動モータ111ならびに現像ユニット駆動モータ211および伝達機構213は、画像形成装置本体に搭載されており、プロセスカートリッジ10を画像形成装置本体に装着したときに感光体ドラム駆動モータ111の駆動力を感光体ドラム110に、現像ユニット駆動モータ211の駆動力を現像ユニット210に伝達する機構が必要となる。
【0027】
感光体ドラム駆動モータ111の駆動力を感光体ドラム110に伝達する機構としては感光体ドラム駆動モータ111の駆動出力軸を感光体ドラム110の中心軸に挿入する機構を、現像ユニット駆動モータ211の駆動力を現像ユニット210に伝達する機構としては伝達機構213の現像ユニット駆動出力軸と現像ユニットの被駆動軸とをカップリングあるいは歯車により結合する機構としている。
【0028】
以下現像ユニット駆動モータ211の駆動力を現像ユニット210に伝達する動力伝達機構としてカップリングを適用する場合について説明する。
図3はプロセスカートリッジ10の側面図(a)および斜視図(b)であって、斜視図(b)ではプロセスカートリッジ10の筐体(プロセスカートリッジ筐体)500を取り除いている。
【0029】
変形6角形の面板550は感光体ドラム110のドラム軸120および現像ユニット210の構成部品である現像ローラ220の軸(現像ローラ軸)221を支持している。
現像ユニット210の右上隅には現像ユニット従基準ピン215が設けられているが、この現像ユニット従基準ピン215は面板550の右上隅に開口する現像ユニット従基準孔553に嵌入される。
【0030】
すなわち、現像ユニット210は、現像ローラ軸221を主基準、現像ユニット従基準ピン215を従基準として面板550に対して位置決めされることとなる。
現像ローラ軸221は面板550を貫通し、面板550に関して現像ユニット210の反対側に延伸し、端部にはプロセスカートリッジ側カップリング520が設置されている。
【0031】
図4は現像ユニット210を駆動するために画像形成装置本体に搭載される現像ユニット用駆動部230の正面図(c)およびA−A断面図(d)であって、現像ユニット用駆動部230は駆動部基板411と樹脂製の駆動部補助ブラケット412の間に挟まれた空間に構成される。
駆動部基板411の外側面には現像ユニット駆動モータ211が取り付けられており、現像ユニット駆動モータ211のモータ軸は、駆動部基板411を外側から内側に貫通し、駆動部基板411および駆動部補助ブラケット412で回転自在に支持されている。
【0032】
駆動部基板411には駆動部基板主基準ピン416および駆動ユニット基板従基準ピン417が嵌入されている。さらに、駆動部基板411には現像ユニット駆動出力軸581が駆動ユニット基板軸受け590を介して嵌入されている。なお、樹脂製の駆動部補助ブラケット412は、駆動部基板主基準ピン416および駆動ユニット基板従基準ピン417によって位置決めされ、締結点418において駆動部基板411に固定されている。
【0033】
駆動部基板411と駆動部補助ブラケット412で形成される空隙内には、現像ユニット駆動モータ211のモータ軸に駆動歯車216が、駆動部基板主基準ピン416に減速歯車217および減速歯車プーリ218が、現像ユニット駆動出力軸581に駆動プーリ584が設置されている。
【0034】
そして、駆動歯車216と減速歯車217は互いに噛み合うように配置され、減速歯車プーリ218と駆動プーリ584とはタイミングベルト585で結合されている。すなわち、本実施例にあっては、伝達機構213としてタイミングベルト585を使用している。
すなわち、現像ユニット駆動モータ211の回転駆動力は、駆動歯車216、減速歯車217、減速歯車プーリ218、タイミングベルト585および駆動プーリ584を介して現像ユニット駆動出力軸581に伝達される。
【0035】
現像ユニット駆動出力軸581は、駆動部補助ブラケット412を貫通して、駆動部補助ブラケット412の外側に延伸し、その先端にはプロセスカートリッジ側カップリング520と結合する本体側カップリング580が設置されている。
【0036】
図5は、現像ユニット用駆動部230の構成要素の1つである現像ユニット駆動出力軸581の回りの拡大図であって、現像ユニット駆動出力軸581は駆動部基板411に駆動ユニット基板軸受け590によりスラスト方向およびラジアル方向の動きを規制された状態で回転自在に支持されている。
さらに、現像ユニット駆動出力軸581は補助ブラケット軸受け586によっても支持される。ここで、補助ブラケット軸受け586は駆動部補助ブラケット412と一体に形成され、駆動部基板411側に張り出した補助ブラケット軸受け取り付けリブ413に例えばスポンジである柔軟部材593を介して嵌入されている。
【0037】
図6は駆動部補助ブラケット412の現像ユニット駆動出力軸581周辺を駆動プーリ584側から見た正面図であって、現像ユニット駆動出力軸581を支持する補助ブラケット軸受け586が柔軟部材593を介して補助ブラケット軸受け取り付けリブ413に嵌入されている様子を示している。
また、駆動部補助ブラケット412の現像ユニット駆動出力軸581の貫通孔の周囲には、駆動部補助ブラケット412と一体に形成され、駆動部補助ブラケット412の外側に張り出した本体側板位置決めリブ414が設置されている。
【0038】
そして、本体側板位置決めリブ414の先端(本体側板位置決めリブ先端)415はテーパ状に形成されており、現像ユニット用駆動部230を本体側板400の取り付け穴401に取り付ける際の案内部材として機能し、現像ユニット用駆動部230の取り付けを容易にしている。
また、本体側板位置決めリブ414の外径および取り付け穴401の直径を補助ブラケット軸受け586の外径よりも小さくすることで、補助ブラケット軸受け586に係るスラスト力を本体側板400で支えることが可能となり、駆動部補助ブラケット412および柔軟部材593の損傷を抑制することができる。
【0039】
プロセスカートリッジ10を画像形成装置本体へ取り付けるときには、感光体ドラム駆動軸300をプロセスカートリッジ10に内蔵されている感光体ドラム110に挿入する。
このとき、プロセスカートリッジ10に設置されている現像ユニット従基準ピン215は、本体側板400に穿孔されている現像ユニット従基準孔450と嵌合する。
【0040】
すなわち、プロセスカートリッジ10は、感光体ドラム駆動軸300を主基準、現像ユニット従基準ピン215を従基準として画像形成装置本体に取り付けられる。
【0041】
図7は、プロセスカートリッジ10の画像形成装置本体への取り付ける際の現像ユニットのカップリング周辺の拡大図であって、(c)はカップリング嵌合前の状態を、(d)はカップリング嵌合後の状態を示している。
すなわち、現像ユニット駆動部230の現像ユニット駆動出力軸581とプロセスカートリッジ10の現像ローラ軸221は、本体側カップリング580とプロセスカートリッジ側カップリング520が嵌合することにより結合される。
【0042】
現像ユニット駆動出力軸581のプロセスカートリッジ側は、ラジアル方向の動きが規制されていない補助ブラケット軸受け586により支持されているので、現像ユニット駆動出力軸581と現像ローラ軸221の間に多少のずれ(偏角)があっても本体側カップリング580とプロセスカートリッジ側カップリング520の嵌合に支障が生じないだけでなく、嵌合後は現像ユニット駆動出力軸581と現像ローラ軸221とが一体となってラジアル方向に確実に支持されることとなる。
【0043】
また、本体側カップリング580およびプロセスカートリッジ側カップリング520として等速ジョイントを使用することにより、現像ユニット駆動出力軸581と現像ローラ軸221の間にずれがあっても駆動力伝達ムラをさらに低減することが可能となる。
【0044】
図8は他の形式のプロセスカートリッジ10の側面図(e)および斜視図(f)であって、プロセスカートリッジ10の現像ローラ軸221と画像形成装置本体側の現像ユニット駆動出力軸581との結合を歯車の嵌合により達成する場合である。
すなわち、プロセスカートリッジ10の現像ローラ軸221には現像ローラ歯車525が嵌入されており、現像ローラ歯車525は面板550に回転軸を有するカートリッジ側歯車530と嵌合している。
【0045】
また、画像形成装置本体側の現像ユニット駆動出力軸581の軸端には本体側カップリング580に代えて本体側駆動歯車585が取り付けられている。
プロセスカートリッジ10が本体に取り付けられると、現像ユニット駆動出力軸581が面板550に設けられた軸受け孔512に挿入されるとともに、本体側駆動歯車587がカートリッジ側歯車530と嵌合し、駆動力が伝達される。
【0046】
この場合であっても、現像ユニット駆動出力軸581の補助ブラケット軸受け586のラジアル方向の移動を規制しないという本願発明を適用することが可能であることは明らかである。
【0047】
図9は画像形成装置の他の形式を示す概略構成図であって、画像が感光ドラム110から記録媒体99に直接転写される形式であるが、本形式にも本発明が適用可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、プロセスカートリッジ内の現像ユニットをラジアル方向に確実かつ簡易に支持することができるという効果を有し、プロセスカートリッジを用いた画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
10…プロセスカートリッジ
110…感光体ドラム
111…感光体ドラム駆動モータ
210…現像ユニット
211…現像ユニット駆動モータ
213…伝達機構
215…現像ユニット従基準ピン
216…駆動歯車
217…減速歯車
218…減速歯車プーリ
220…現像ローラ
221…現像ローラ軸
230…現像ユニット用駆動部
300…感光体ドラム駆動軸
400…本体側板
401…取り付け穴
410…第1のローラ
411…駆動部基板
412…駆動部補助ブラケット
413…補助ブラケット軸受け取り付けリブ
414…本体側板位置決めリブ
415…本体側板位置決めリブ先端
416…駆動部基板主基準ピン
417…駆動ユニット基板従基準ピン
418…締結点
420…第2のローラ
430…第3のローラ
440…中間転写ベルト
450…現像ユニット従基準孔
500…プロセスカートリッジ筐体
520…プロセスカートリッジ側カップリング
550…面板
553…現像ユニット従基準孔
580…本体側カップリング
581…現像ユニット駆動出力軸
584…駆動プーリ
585…タイミングベルト
586…補助ブラケット軸受け
590…駆動ユニット基板軸受け
593…柔軟部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2007−286575号公報
【特許文献2】特開2009−025704号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムおよび現像ユニットを含むプロセスカートリッジを、本体に着脱可能な画像形成装置であって、
前記本体側に設置され前記現像ユニットを回転駆動する現像ユニット駆動部が、駆動部基板と、前記駆動部基板に対して前記プロセスカートリッジ側に前記駆動部基板と間隔を隔てて固定される樹脂製の駆動部補助ブラケットと、現像ユニット駆動力を発生する駆動力発生部と、前記現像ユニット駆動力を前記現像ユニットに伝達する現像ユニット駆動出力軸と、前記現像ユニット駆動出力軸を前記駆動部補助ブラケットでスラスト方向に支持する補助ブラケット軸受けと、前記現像ユニット駆動出力軸を前記駆動部基板でラジアル方向およびスラスト方向に支持する駆動部基板軸受けと、を含み、
前記駆動部補助ブラケットが、前記駆動部基板側に張り出す前記現像ユニット駆動出力軸を中心とする円筒形状の補助ブラケット軸受けリブを有し、
前記補助ブラケット軸受けが、前記現像ユニット駆動軸のラジアル方向の移動を許容する柔軟部材を介して前記補助ブラケット軸受けリブ内に嵌装される画像形成装置。
【請求項2】
前記補助ブラケットが、前記プロセスカートリッジ側に張り出す前記現像ユニット駆動出力軸を中心とする円筒形状の本体側板位置決めリブを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体側板位置決めリブの先端は、テーパ形状である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体側板位置決めリブの直径が、前記補助ブラケット軸受けの外径より小である請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像ユニット駆動出力軸と前記現像ユニットの被駆動軸のカップリング部材が等速ジョイントである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
現像ユニット駆動部が、前記駆動力発生部が発生した駆動力を前記現像ユニット駆動軸に伝達するタイミングベルトを備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−145692(P2012−145692A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3004(P2011−3004)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】