説明

プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルションを含む洗浄器具、及びその使用方法

イオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルション組成物は、該プロトマイクロエマルションの、少なくとも約20重量%のイオン性界面活性剤系と、約10重量%未満の非イオン性界面活性剤と、約0.25重量%〜約50重量%の非水溶性の油とを含有する。好ましくは、前記PMEは、約5%〜約79%の溶媒を含有する。前記プロトマイクロエマルションは、水で約10%〜約99%希釈されたときに、マイクロエマルションを形成する。プロトマイクロエマルションは、その中にリモネン及び/又はテルピネオールを含有する。マイクロエマルションは、油吸収能力の高い相と油吸収能力の低い相とを有する。油吸収能力の高い相は、高い油吸収能力関数に一致する高い油吸収能力値を有する。高い油吸収能力関数は、油吸収能力の高い領域を画定する。油吸収能力の低い相は、低い油吸収能力関数に一致する低い油吸収能力値を有する。低い油吸収能力関数は、油吸収能力の低い領域を画定する。油吸収能力の高い領域と油吸収能力の低い領域との比率は、約75:25〜約95:5である。プロトマイクロエマルションは、そのようなマイクロエマルションを形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水で希釈されたときにマイクロエマルションを形成する組成物に関する。詳細には、本発明は、水で希釈されたときに水中油型マイクロエマルションを形成する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエマルション(ME:microemulsion)は、油、水、及び界面活性剤からなり、典型的には150nm未満の直径を有する、分散した相の液滴の形をした、熱力学的に安定な、典型的には透明のミセル状組成物である。このようなMEは、水中油型、油中水型、又はミドル相MEである可能性があり、当該技術分野において周知である。加えて、水で希釈されたときにMEを形成する組成物もまた既知である。このような「プロトマイクロエマルション」(PMEs:protomicroemulsions)、より詳細には水中油型MEを形成するPMEは、典型的には、当該PMEが水で希釈されたときの安定なMEの形成を促進するために、高濃度の非イオン性界面活性剤及び多くの場合塩を含有する。このようなMEは、典型的には、消費者洗浄製品として使用するのに許容可能な泡立ち特性を提供しない。
【0003】
また任意で、アルコール類及び低濃度のイオン性界面活性剤類が、PME及び/又はME中に存在してもよい。そのようなPMEを、例えば、油の回収及びある種の香油の送達に使用することが提案されてきたが、そのようなPMEは、消費者製品においてはうまく商品化されていない。
【0004】
さらに、そのようなPMEは、油を溶解させて回収するMEを形成することができるが、それにはかなりの時間、すなわち約30分から1時間以上がかかり、及び/又はきわめて高温の加圧水が必要であることが見出された。そのような要件は、例えば、油の回収においては許容可能なことがあるが、個人にとっては、例えば、家庭用品を洗浄するときにはあまりにも厄介である。加えて、そのような工業規模のMEは、マイクロエマルションの形成を進めるのに高濃度の塩分を使用する、ブライン及び塩水を用いて形成される。しかし、そのような高濃度の塩、とりわけハロゲンイオンは、場合によっては、皿類、食器、クリスタルやガラス、及び/又は家庭の配管の腐食を引き起こすことがあるので、民生用の組成物では許容することができない。加えて、そのような高濃度のハロゲンイオンを有する組成物は、特殊な非腐食性の混合機器、ポンプ機器、及び包装機器を必要とするので、製造が困難及び高価になり得る。さらに、そのような高濃度のハロゲンイオンは、例えば、製品の安定性及び/又は製品の審美性に悪影響を及ぼすことがあるが、これは、消費者製品では許容することができない。
【0005】
典型的には、MEは、油吸収能力の高い相の、最も高効率のピークに相当する成分濃度に配合される。しかし、意外なことに、多くの場合、典型的なユーザーは洗浄に純粋なMEを使用しないので、そのような配合に効果がないことが見出された。今日では、典型的なユーザーは、ほとんどの場合、使用前又は使用中に洗浄組成物を希釈することが認識されている。これは、例えば、水を張ったシンクに当該組成物を加えること、又は既に水を含んだスポンジ上若しくは基材の洗浄前にすぐに水が加えられるスポンジ上のいずれかに、当該組成物を加えることによるものである。したがって、多くの場合、このような形で適用及び使用されるMEは、油吸収能力の高い相が破壊されるパイント(pint)まで希釈されて、油吸収能力の低い相だけが支配的になる。このことが、次には、MEの油吸収効果を大幅に低下させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゆえに、非イオン性界面活性剤を主体とするPMEに特有の前述の問題を回避するような、PME組成物が必要とされている。さらに、対応するMEが油をより急速に吸収するPMEと、使用のために希釈されるときに油吸収能力の高い相を提供する組成物とが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、イオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルション組成物、特に、消費者が家庭内で食器洗いに使用するためのプロトマイクロエマルションであって、該プロトマイクロエマルションの、少なくとも約20重量%のイオン性界面活性剤系と、約10重量%未満の非イオン性界面活性剤と、約0.25重量%〜約50重量%の非水溶性の油とを含有する、プロトマイクロエマルション組成物に関する。好ましくは、前記PMEは、約5%〜約79%の溶媒を含有する。前記プロトマイクロエマルションは、水で約10%〜約99%希釈されたときに、マイクロエマルションを形成する。
【0008】
本発明はまた、リモネン及び/又はテルピネオールと、好ましくは酸化防止剤とを含有する、プロトマイクロエマルションに関する。
本発明はまた、油吸収能力の高い相と油吸収能力の低い相とを有するマイクロエマルションに関する。油吸収能力の高い相は、高い油吸収能力関数に一致する高い油吸収能力値を有する。高い油吸収能力関数は、油吸収能力の高い領域を画定する。油吸収能力の低い相は、低い油吸収能力関数に一致する低い油吸収能力値を有する。低い油吸収能力関数は、油吸収能力の低い領域を画定する。油吸収能力の高い領域と油吸収能力の低い領域との比率は、約75:25〜約95:5である。また、そのようなマイクロエマルションを形成するためのプロトマイクロエマルションも提供される。
【0009】
このようなイオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルションは、意外なことに、表面に直接的又は間接的に適用され、その後水と接触して所望のマイクロエマルションを形成するときに、急速で容易なグリース及び油洗浄性を提供できることが見出された。結果として、このようなマイクロエマルションは、望ましい発泡性、許容可能な審美性及び貯蔵安定性を提供する。加えて、本明細書のプロトマイクロエマルションは、配管に、並びに皿類、食器、クリスタル及びガラスなどのような事実上すべての家庭用品の洗浄に、非腐食性及び安全である。
【0010】
また、使用時に、イオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルションが、同程度の量の非イオンを主体とするプロトマイクロエマルションよりも、かなり多くの体積の油を吸収及び封鎖できることが見出された。加えて、油吸収能力の高い相と油吸収能力の低い相との両方を有するプロトマイクロエマルションの希釈プロファイルが、幅広い範囲の使用時希釈係数にわたって高い油吸収性を提供できることが見出された。PMEを使用することによって、実際の使用時に、特に初めにPMEが洗浄器具又は基材に適用され、その後水による希釈を介してMEが形成される状況においては、組成物の油吸収効果が大幅に増大する。
【0011】
また、そのようなイオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルションは、非イオン性界面活性剤を主体とする組成物よりもかなり良好なすすぎ特性を有する、すなわち、例えば食器手洗い過程のすすぎサイクルの間に、食器から泡を除去するのに必要な水が少ない及び/又は時間が短いと考えられている。このことは、プロトマイクロエマルションが、同一組成物に勝る改善された泡立ち特性を提供するにも関わらず、真実であると考えられている。
【0012】
さらに、本明細書の組成物は、これまでの配合に比べ、プラスチックや皿類などの上への、カロチンのような染色性物質の大幅に低減された再付着防止性を提供すると考えられている。また、驚いたことに、使用時の濁度を測定したときに、所与の量の油について、本明細書の組成物の濁度が、既存の食器手洗い用組成物よりも著しく低いことが見出された。
【0013】
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
特に指定のない限り、本明細書のパーセンテージ、比率及び割合はすべて、プロトマイクロエマルションの重量による。特に指定のない限り、温度はすべて摂氏(℃)である。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のヒドロカルビル部分を意味する。特に指定のない限り、アルキル部分は、好ましくは飽和又は二重結合、好ましくは1つ又は2つの二重結合を有する不飽和のものである。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が包含される。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程、成分、要素などを追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「イオン性界面活性剤を主体とする」は、存在する界面活性剤の大部分が、非イオン性界面活性剤ではなく、(1つ以上の)イオン性界面活性剤であることを示す。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「マイクロエマルション」は、油を乳化させて目に見えない液滴にする能力を有する、水中油型エマルションを意味する。このような目に見えない液滴は、典型的には、波長880nmにおける濁度を測定するISO7027のような当該技術分野において既知の方法によって測定したときに、約100オングストローム(Å)未満、好ましくは50Å未満の最大直径を有する。濁度測定機器は、例えば、米国コネチカット州スタンフォードのオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から容易に入手可能である。
【0019】
本明細書のプロトマイクロエマルション(PME)は、水で希釈されると、マイクロエマルション(ME)を形成することができる。前記PMEは、少なくとも約20%、好ましくは約20%〜約80%、より好ましくは約25%〜約40%のイオン性界面活性剤系を含む、イオン性界面活性剤を主体とするPMEである。非イオン性界面活性剤を主体とするPMEが多く知られているが、本明細書のイオン性界面活性剤を主体とするPMEは、非イオン性界面活性剤を主体とするPMEに勝る多くの利点を提供すると考えられている。例えば、本明細書のPMEは、改善された泡立ち、良好なすすぎ性、より許容可能な審美性、より速い油/グリース吸収性を有する可能性があり、及び/又はこれまでの非イオン性界面活性剤を主体とするPMEよりも多くの油/グリースを吸収できる可能性がある。このような改善は、消費者が家庭で使用するように設計されたPMEの場合に特に望ましい。したがって、本発明のPMEは、典型的には、硬質表面洗浄組成物、食器手洗い用若しくは自動食器洗い機用の組成物、研磨組成物、及び/又は洗濯・布地ケア組成物、好ましくは硬質表面洗浄組成物、食器手洗い用組成物、及び/又は研磨組成物、より好ましくは硬質表面洗浄組成物及び/又は食器手洗い用組成物、さらに好ましくは食器手洗い用組成物として意図されている。
【0020】
本明細書のイオン性界面活性剤系で有用なイオン性界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び双極性界面活性剤が挙げられる。このようなイオン性界面活性剤は、典型的には、非イオン性界面活性剤を主体とする系と比べたときに、塩及びpHの影響の理由からPME及びMEに配合するのがより困難であるが、イオン性界面活性剤を主体とするPME系に特有の利点が、伴う困難を上回ると考えられている。
【0021】
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤には、式ROSO3Mの水溶性塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、好ましくはC6〜C20の直鎖又は分枝状ヒドロカルビル、好ましくはC10〜C20のアルキル成分を有するアルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC10〜C14のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、Mは、H又は陽イオン、例えば、アルカリ金属陽イオン、アンモニウム若しくは置換アンモニウム、好ましくはナトリウム及び/又はカリウムである。
【0022】
本明細書に用いるのに好適な他の陰イオン性界面活性剤は、式RO(A)mSO3Mの水溶性塩又は酸であり、式中、Rは、非置換の直鎖又は分枝状C6〜C20のアルキル、又はC10〜C20のアルキル成分を有するヒドロキシアルキル基であり、好ましくはC12〜C20のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、より好ましくはC12〜C14のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、Aは、エトキシ又はプロポキシ単位であり、mは、0より大きく、典型的には約0.5〜約5であり、より好ましくは約0.5〜約2であり、Mは、H又は陽イオンであり、この陽イオンは、例えば、金属陽イオン、アンモニウム若しくは置換アンモニウム陽イオンであることができる。したがって、アルキルエトキシル化サルフェート類(本明細書では、CX-YmS(式中、X−Yはアルキル基の鎖長を表し、mは前述したものと同じである)と略記される)、並びにアルキルプロポキシル化サルフェート類が、本明細書で好ましい。代表的な界面活性剤は、C10〜C14のアルキルポリエトキシレート(1.0)サルフェート、C10〜C14のポリエトキシレート(1.0)サルフェート、C10〜C14のアルキルポリエトキシレート(2.25)サルフェート、C10〜C14のポリエトキシレート(2.25)サルフェート、C10〜C14のアルキルポリエトキシレート(3.0)サルフェート、C10〜C14のポリエトキシレート(3.0)サルフェート、及びC10〜C14のアルキルポリエトキシレート(4.0)サルフェート、C10〜C18のポリエトキシレート(4.0)サルフェートである。好ましい実施形態では、陰イオン性界面活性剤は、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化サルフェート界面活性剤と、非アルコキシル化サルフェート界面活性剤との混合物である。このような好ましい実施形態では、好ましい平均アルコキシル化度は、約0.4〜約0.8である。
【0023】
本明細書に用いるのにとりわけ好適な他の陰イオン性界面活性剤は、式RSO3Mの水溶性塩又は酸を含めた、アルキルスルホネート類及びアルキルアリールスルホネート類であり、式中、Rは、C6〜C20の直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基又はアリール基、好ましくはC10〜C20のアルキル基又はアリール基、より好ましくはC10〜C14のアルキル基又はアリール基であり、Mは、H又は陽イオン、例えばアルカリ金属陽イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウム陽イオン、並びにテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウム陽イオンのような四級アンモニウム陽イオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミン類由来の四級アンモニウム陽イオンなど)である。また、きわめて好ましいのは、直鎖及び分枝状アルキルベンゼンスルホネート類であり、より好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0024】
他の好ましい実施形態では、陰イオン性界面活性剤の炭素鎖は、1つ以上のアルキル、好ましくはC14のアルキル分枝単位を含む。このような場合、陰イオン性界面活性剤の平均分枝パーセンテージは、該陰イオン性界面活性剤の約30重量%を超え、より好ましくは約35重量%〜約80重量%、最も好ましくは約40重量%〜約60重量%である。このような平均分枝パーセンテージは、そのすべてが好ましくは約30%を超えて、より好ましくは約35%〜約80%、最も好ましくは約40%〜約60%、分枝状である1つ以上の陰イオン性界面活性剤を用いてPMEを配合することによって、達成することができる。あるいは、そしてより好ましくは、PMEが、分枝状陰イオン性界面活性剤と直鎖状陰イオン性界面活性剤との組み合わせを、この陰イオン性界面活性剤の組み合わせ全体の平均分枝パーセンテージが約30%を超え、より好ましくは約35%〜約80%、最も好ましくは約40%〜約60%になるように、含んでもよい。
【0025】
本明細書の両性界面活性剤は、PME、又は適用可能であればMEのPHに応じて電荷が変化する界面活性剤であり、好ましくは、様々なアミンオキシド界面活性剤から選択される。アミンオキシド類は、半極性の界面活性剤であり、これには、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択される部分2個とを含有する、水溶性アミンオキシド類;約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択される部分2個とを含有する、水溶性ホスフィンオキシド類;並びに、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分1個とを含有する、水溶性スルホキシド類が含まれる。
【0026】
好ましいのは、次式:
【0027】
【化1】

のアミンオキシド類であって、式中、R1がC1014のアルキル、R2及びR3がメチル又はエチルであるアミンオキシド類、並びに米国特許第4,316,824号(パンチェリ(Pancheri)、1982年2月23日付与)、米国特許第5,075,501号(ボーランド(Borland)及びスミス(Smith)、1991年12月24日付与)、米国特許第5,071,594号(ボーランド(Borland)及びスミス(Smith)、1991年12月10日付与)に記載のものである。
【0028】
好ましいアミンオキシド界面活性剤は、次式:
【0029】
【化2】

を有し、式中、R3は、約8〜約22個の炭素原子を含有する、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルフェニル基、又はこれらの混合物であり;R4は、約2〜約3個の炭素原子を含有する、アルキレン基若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの混合物であり;xは、0〜約3であり;R5は、それぞれ、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、又は約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基である。R5基を、例えば酸素又は窒素原子を介して互いに結合させて、環状構造を形成することができる。好ましいアミンオキシド界面活性剤には、C10〜C18のアルキルジメチルアミンオキシド類及びC8〜C12のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド類が挙げられる。
【0030】
また、次式:
【0031】
【化3】

で表される、プロピルアミンオキシド類のようなアミンオキシド類も好適であり、式中、R1は、アルキル、2−ヒドロキシアルキル、3−ヒドロキシアルキル、又は3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル基であって、アルキル及びアルコキシがそれぞれ約8〜約18個の炭素原子を含有し、R2及びR3はそれぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、又は3−ヒドロキシプロピルであり、nは、0〜約10である。
【0032】
さらに好適な種類のアミンオキシド半極性界面活性剤は、次式:
【0033】
【化4】

を有する化合物及び化合物の混合物を含み、式中、R1は、アルキル、2−ヒドロキシアルキル、3−ヒドロキシアルキル、又は3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル基であって、アルキル及びアルコキシがそれぞれ約8〜約18個の炭素原子を含有し、R2及びR3はそれぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、又は3−ヒドロキシプロピルであり、nは、0〜約10である。
【0034】
本発明で有用な両性界面活性剤の他の好適な非限定例には、アミドプロピルベタイン類並びに脂肪族又は複素環式の二級及び三級アミン類の誘導体であって、その脂肪族部分が直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基の1つが約8〜約24個の炭素原子を含有し、その脂肪族置換基の少なくとも1つが陰イオン性水溶性基を含有するものが挙げられる。
【0035】
好適な両性界面活性剤のさらなる例は、「界面活性剤及び洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(第I巻及び第II巻、シュワルツ(Schwartz)、ペリー(Perry
)及びベルク(Berch))に開示されている。
【0036】
本明細書で有用な陽イオン性界面活性剤には、塩化物イオンのような陰イオンによって電荷が釣り合わされた、少なくとも1つのC10〜C14のアルキル鎖を有する四級アンモニウム塩が挙げられる。好ましい陽イオン性界面活性剤には、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物のようなアンモニウム界面活性剤、並びに次式:
[R2(OR3y][R4(OR3y25+-
を有する界面活性剤が挙げられ、式中、R2は、アルキル鎖の中に約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル又はアルキルベンジル基であり、R3はそれぞれ、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH3CH(CH2OH)−、−CH2CH2CH2−、及びこれらの混合物からなる群から選択され;R4はそれぞれ、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のヒドロキシアルキル、ベンジル、2つのR4基を接合させることによって形成される環状構造、−CH2CHOHCHOHCOR6CHOH−CH2OH(ここで、R6は、分子量約1000未満のヘキソース又はヘキソースポリマー、yがOでないときには水素)からなる群から選択され;R5は、R4と同一、又はR2の炭素原子とR5の炭素原子とを加えた総数が約18以下であるアルキル鎖であり;yはそれぞれ0〜約10であり、yの値の合計は0〜約15であり;Xは、いずれか適合性のある陰イオンである。
【0037】
本明細書で有用な他の陽イオン性界面活性剤はまた、米国特許第4,228,044号(カンブレ(Cambre)、1980年10月14日発行)にも記載されている。また、モノ−アルコキシル化及びジ−アルコキシル化アンモニウム塩も、本明細書で使用してよく、米国ノースカロライナ州シャーロットのクラリアント社(Clariant Corporation)及びオランダ、アーネム(Arnhem)のアクゾ・ノベル社(Akzo Nobel nv)のような供給元から市販されている。
【0038】
また、双極性界面活性剤も、本明細書で有用なことがあり、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式の二級及び三級アミンの誘導体、又は四級アンモニウム、四級ホスホニウム若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体として広く記述することができる。双極性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)の19段38行〜22段48行を参照のこと。本明細書で特に有用な双極性界面活性剤には、一般に入手可能なベタイン界面活性剤、特にラウリルアミドプロピルベタイン、C12〜C16のココアミドプロピルベタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
本明細書のPMEはまた、約10%未満、好ましくは約0%〜約10%、より好ましくは約0%〜約5%、さらに好ましくは約0%〜約3%の非イオン性界面活性剤を含有する。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤は、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)の13段14行〜16段6行に概ね開示されている。本明細書で有用な他の非イオン性界面活性剤には、脂肪族アルコール類と約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝状、一級又は二級のいずれかであることができ、一般に約8〜約22個の炭素原子を含有する。特に好ましいのは、約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコール類と、アルコール1モル当たり約2〜約18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤の例には、タージトール(TERGITOL)(登録商標)15−S−9(C11〜C15の直鎖二級アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、タージトール(登録商標)24−L−6NMW(狭い分子量分布をもつ、C12〜C14の一級アルコールと6モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(いずれもユニオン・カーバイド社(Union Carbide Corporation)から販売);ネオドール(NEODOL)(登録商標)45−9(C14〜C15の直鎖アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、ネオドール(登録商標)23−6.5(C12〜C13の直鎖アルコールと6.5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)から販売)、並びにKYRO(登録商標)EOB(C13〜C15のアルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(米国オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)から販売)が挙げられる。他の市販の非イオン性界面活性剤には、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Co.)から販売されるドバノール(DOBANOL)91−8(登録商標)、及びヘキスト社(Hoechst)から販売されるゲナポール(Genapol)UD−080(登録商標)が挙げられる。この部類の非イオン性界面活性剤は、一般に「アルキルエトキシレート類」と呼ばれる。
【0040】
また、アルキルポリグリコシド界面活性剤、脂肪酸アミド界面活性剤、C8〜C20のアンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、イソプロパノールアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤も、本明細書で有用である。このような非イオン性界面活性剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。本明細書で有用な、特に好ましい非イオン性界面活性剤は、米国オハイオ州シンシナティのコグニス社(Cognis Corp.)のC9〜C12のアルキルポリグリコシドである。好ましいアルキルポリグリコシド類は、次式:
2O(Cn2nO)t(グリコシル)x
を有し、式中、R2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、アルキル基は10〜18個、好ましくは12〜14個の炭素原子を含有し;nは2又は3、好ましくは2であり;tは0〜10、好ましくは0であり;xは1.3〜10、好ましくは1.3〜3、最も好ましくは1.3〜2.7である。グリコシルは、好ましくはグルコースから誘導される。これらの化合物を調製するには、初めにアルコール又はアルキルポリエトキシアルコールを形成し、次いでグルコース又はグルコース源と反応させて、グルコシドを形成する(1位で結合)。これで、追加のグリコシル単位を、それらの1位と先行のグリコシル単位の2、3、4、及び/又は6位、好ましくは主に2位との間で、結合させることができる。
【0041】
脂肪酸アミド界面活性剤には、次式:
【0042】
【化5】

を有するものが挙げられ、式中、R6は、約7〜約21個(好ましくは約9〜約17個)の炭素原子を含有するアルキル基であり、R7はそれぞれ、水素、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のヒドロキシアルキル、及び−(C24O)xHからなる群から選択され、ここでxは、約1〜約3で変化する。
【0043】
好ましいアミド類は、C8〜C20のアンモニアアミド類、モノエタノールアミド類、ジエタノールアミド類、及びイソプロパノールアミド類である。
【0044】
本明細書の組成物は、約20%まで、好ましくは約2%〜約10%のポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤を含んでよい。存在する場合、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤成分は、典型的には、次式:
【0045】
【化6】

であり、式中、R1は、H、C1〜C4のヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、又はこれらの混合物、好ましくはC1〜C4のアルキル、より好ましくはC1若しくはC2のアルキル、さらに好ましくはC1のアルキル(すなわちメチル)であり;R2は、C5〜C31のヒドロカルビル、好ましくは直鎖C7〜C19のアルキル若しくはアルケニル、より好ましくは直鎖C9〜C17のアルキル若しくはアルケニル、さらに好ましくは直鎖C11〜C15のアルキル若しくはアルケニル、又はこれらの混合物であり;Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接結合した、直鎖のヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそのアルコキシル化誘導体(好ましくは、エトキシル化若しくはプロポキシル化)である。R2−C(O)−N<は、好ましくは、コカミド、ステアルアミド、オレアミド、ラウロアミド、ミリスタミド、カプリカミド、パルミトアミド、タロウアミド、及びこれらの混合物から選択される。Zは、好ましくは還元型アミノ化反応において還元糖から誘導され、より好ましくは、Zはグリシチルである。好適な還元糖には、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、及びキシロースが挙げられる。上記で列挙した個々の糖類に加えて、原材料として、高級デキストロースコーンシロップ、高級フルクトースコーンシロップ、及び高級マルトースコーンシロップを利用することができる。これらのコーンシロップは、Zの糖成分の混合物を生じることがある。これが決して他の好適な原材料を排除しようとするものではないことを理解すべきである。Zは、好ましくは、−CH2−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2OH)−(CHOH)n-1−CH2OH、−CH2−(CHOH)2(CHOR’)(CHOH)−CH2OH、及びこれらのアルコキシル化誘導体からなる群から選択され、ここで、nは、3〜5(5を含める)の整数であり、R’は、H又は環式若しくは脂肪族単糖類である。さらに好ましいのは、nが4であるグリシチル類、特に−CH2−(CHOH)4−CH2OHである。
【0046】
低水溶性油は、典型的には、当該組成物の約0.25重量%〜約50重量%、好ましくは約0.3重量%〜約45重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約35重量%の濃度で存在する。本明細書で有用な低水溶性油は、水中での溶解度が、溶液の重量で約5,000ppm(百万分の1)未満、好ましくは約0ppm〜約1,500ppm、より好ましくは約1ppt(1兆分の1)〜約100ppmである。本明細書で有用な好ましい低水溶性油には、テルペン類、イソパラフィン類、前述の溶解度を有する他の油、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用なきわめて好ましい低水溶性油には、リモネン(CAS#138−86−3;13.8ppm[マサルディ,H.A.(Massaldi,H.A.);キング,C.J.(King,C.J.);溶解しにくい有機物の溶解度を決定するための簡単な技術−水及びショ糖溶液中の、D−リモネン、n−ブチルベンゼン、及びn−ヘキシルアセテートの溶解度及び活量係数(Simple Technique to Determine Solubilities of Sparingly Soluble Organics-Solubility and Activity Coefficients of D-Limonene,n-Butyl benzene and n-Hexyl Acetate in Water and Sucrose Solutions.);化学工学論文誌(J.Chem.Eng Data);18(4):393〜397;1973])、メチルオレエート(CAS#112−62−9;0.00184ppm(クロップ,H.B.(Krop,H.B.)ら、;脂肪酸エステル類の、n−オクタノール−水分配係数、水性溶解度及び分配係数、水性溶解度及びヘンリーの法則の定数(n-Octanol-Water Partition Coefficients,Aqueous Solubilities and Partition Coefficients,Aqueous Solubilities and Henry’s Law Constants of Fatty Acid Esters);化学圏(Chemosphere);34:107〜119;1997])、ジエチルフタレート(CAS#84−66−2;1080ppm[ハワード,P.H.(Howard,P.H.)ら、;市販のフタレートエステル類の水溶解度、オクタノール−水分配係数、及び蒸気圧の測定(Measurement of Water Solubilities,Octanol-Water Partition Coefficients and Vapor Pressures of Commercial Phthalate Esters.);環境毒性化学(Environ.Tox.Chem.);4:653−61;1985])、ベンジルベンゾエート(CAS#120−51−4;15.4ppm[ガンサー,F.A.(Gunther,F.A.)ら;水中の738殺虫化学物質の報告された溶解度(Reported Solubilities of 738 Pesticide chemicals in Water.);研究・論評(Res.Rev.);20:1−148;1968])、C>10イソパラフィン類(CAS#64771−71−7;0.11ppm[オーリフ,K.(Aulif,K.)及びマック,V.(Mak,V.);水中のパラフィン、シクロパラフィン、オレフィン、アセチレン、シクロオレフィン、及び芳香族炭化水素の溶解度(Solubility of Paraffin,Cycloparaffin,Olefin,Acetylene,cycloolefin,and Aromatic Hydrocarbons in Water.);有機ゲオキム(Org.Geokhim.);2:168−82;1970])、及びこれらの混合物、さらに好ましくはリモネン、テルピネオール、及びこれらの混合物が挙げられる。このような低水溶性油は、当業者には一般に入手可能である。
【0047】
リモネン(別名ジペンテン;p−メンタ−1,8ジエン)は、本明細書に用いるのに特に好ましく、様々な化学物質供給元、例えば米国ミズーリ州セントルイスのシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corp.)から購入することができる。理論に制限されるものではないが、イソパラフィン類及び他の低水溶性油に比べ、d−リモネンを含有するPMEは、著しく速い油吸収速度と同様に、著しく高い全体的油吸収能力を提供すると考えられている。加えて、d−リモネンの形態は、容易に生分解可能であり、したがって環境及び規制的見地からきわめて望ましい。
【0048】
また、テルピネオール(別名1−メチル−4−イソプロピル−1−シクロヘキセン−8−オール)も、本明細書に用いるのに特に好ましく、様々な化学物質供給元、例えば米国ミズーリ州セントルイスのシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corp.)から購入することができる。理論に制限されるものではないが、d−リモネンと同様に、イソパラフィン類及び他の低水溶性油に比べ、テルピネオールを含有するPMEは、著しく速い油吸収速度と同様に、著しく高い全体的油吸収能力を提供すると考えられている。
【0049】
本明細書で有用な溶媒は、典型的には、水、アルコール、グリコール、エーテル、エーテルアルコール、カルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、水、C120のグリコール、エタノール、グリコールエーテル、例えば、アリール、アルキル、これらの分枝状及び非分枝状変形型、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される。したがって、本明細書の溶媒は、好ましくは水中の溶解度が、溶液の少なくとも約12重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%である。溶媒は、典型的には、組成物の約5重量%〜約79重量%、好ましくは約7重量%〜約70重量%、より好ましくは約10重量%〜約50重量%の濃度で存在する。
【0050】
きわめて好ましい実施形態では、本明細書のPMEは、グリコールエーテルと低水溶性油との組み合わせを含有し、グリコールエーテルと低水溶性油との重量比が約20:1〜約1:20、好ましくは約15:1〜約1:15、より好ましくは約10:1〜約1:10である。特に好ましい実施形態では、グリコールエーテルは、C26のアルキルグリコールエーテル、アリールC26のアルキルグリコールエーテル、及びこれらの混合物、より好ましくはフェニルエチレングリコールエーテル、フェニルプロピレングリコールエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。理論に制限されるものではないが、このことが、許容可能な動力学を維持すると同時に、製品の臭気特性を改善できると考えられている。
【0051】
好ましい実施形態では、当該技術分野において既知の増粘剤も存在し、好ましくはこの増粘剤は、キサンタンガム、ラポナイト、燻蒸シリカ、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、セルロース、変性セルロース、グアーガム、アラビアゴム、及びこれらの混合物から選択され、好ましくは分子量約106のキサンタンガムである。キサンタンガムの誘導体は、それが陰イオン性の側鎖と、好ましくはヒドロキシル基とを保持するのであれば、使用することができる。存在する場合、増粘剤は、典型的には、組成物を所望の粘度に調整するように、重量で約0.1重量%〜約5重量%で存在する。本明細書で有用な増粘剤は、例えば、米国特許第4,648,987号(スミス(Smith)及びムンク(Munk)、1987年3月10日発行)、並びに米国特許第5,106,609号(ボリチ(Bolich)ら、1992年5月12日発行)に見出される。本明細書で有用な他の増粘剤には、米国特許出願第10/705567号(カストロ(Castro)ら、2003年11月10日出願)(P&G参照番号(P&G Ref.No)CM2691M)に、「水溶性増粘ポリマー(water-soluble thickening polymers)」として記載されているものが挙げられる。
【0052】
好ましい実施形態では、増粘剤は、界面活性剤から水を抜き取ることが可能な水移動剤であってもよく、特にPMEが洗浄器具に含まれている場合に存在する。「界面活性剤から水を抜き取ることができる」とは、水と水移動剤との間に、水と界面活性剤との間に存在するよりも大きな親和力が存在することを意味する。水移動剤は、組成物からの水の蒸発のための導管の働きをし、組成物からの水喪失速度を増大させることができる。本明細書で有用な水移動剤は、無機酸化物及び塩、特に、水和可能な酸化物及び塩、具体的には、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、ホウ素、リン、アルカリ土類金属、及びアルカリ金属の酸化物及び塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。例としては、ケイ酸塩、ケイ酸及びシリカ、クエン酸、クエン酸塩、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸カリウム、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸カルシウムが挙げられる。好ましくは、水移動剤は、シリカ、マグネシウムの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、水移動剤は、シリカ、好ましくは非晶性燻蒸シリカである。好ましくは、水移動剤は、BET(DIN66131参照;元は、ブルナウアー(Brunauer)ら、JACS、第60巻、1938、309ページに記載)によって測定される表面積が、約5〜約800m2/g、より好ましくは約100〜約400m2/gである。
【0053】
好ましい実施形態では、酵素も存在する。本明細書で有用な酵素には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ぺントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい組み合わせは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素のカクテルを有する洗剤組成物である。酵素は、典型的には、活性酵素の約0.0001重量%〜約5重量%で存在する。好ましいタンパク質分解酵素は、アルカラーゼ(ALCALASE)(登録商標)(ノボ・インダストリA/S(Novo Industri A/S))、BPN’、プロテアーゼA及びプロテアーゼB(ジェネンコア(Genencor))、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。プロテアーゼBがより好ましい。好ましいアミラーゼ酵素には、ターマミル(TERMAMYL)(登録商標)、デュラミル(DURAMYL)(登録商標)、並びに国際公開第94/18314号(ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International))及び国際公開第94/02597号(ノボ(Novo))に記載のアミラーゼ酵素が挙げられる。好適で好ましい酵素の他の非限定例は、国際公開第99/63034号(ヴィンソン(Vinson)ら、1999年12月9日公開)に開示されている。
【0054】
好ましい実施形態では、活性成分の酸化を制限するために、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)及び当該技術分野において既知の他のもののような、酸化防止剤及びフリーラジカル阻害物質が含まれる。本明細書のPMEで有用な他の補助成分には、アルカリ源、香料、染料、還元又は酸化漂白剤、シクロデキストリンのような賦香剤、及びこれらの混合物が挙げられる。また、洗剤、特に食器洗い洗剤の技術分野において既知の他の成分も、本明細書に含めてよい。
【0055】
本明細書の組成物は、標準的なタンク又は混合器内で単純に攪拌及び混合するような、当該技術分野において既知の方法によって形成されてもよい。あるいは、乾燥成分又は比較的水分量が少ない成分を混合して、本明細書のPMEを形成してもよい。
【0056】
理論に制限されるものではないが、MEを形成するために本明細書のPMEが希釈されるとき、MEには、希釈率に応じて、油吸収能力の高い相又は油吸収能力の低い相が含まれると考えられている。油吸収能力の高い相は恐らく、スポンジ状又は共連続相を特徴とする一方、油吸収能力の低い相は恐らく、離散したミセル又は粒子の形成を特徴とすると考えられている。油吸収能力の高い相は、製品の希釈が約50%〜約85%、好ましくは約60%〜約80%で見られ、典型的には約70%がピークである一方、油吸収能力の低い相は、能力の高い相よりも高い希釈比(すなわち、水のパーセンテージが高い)で見られる。これらの相は、当該技術分野において既知の方法によって識別することができる。
【0057】
さらに、希釈及び油溶解の分析が実施されるときには、実験結果を図1に示されるように説明することができるが、これは、本明細書の典型的なME及びPMEの、能力の高い領域及び能力の低い領域の両方を示している。加えて、油吸収能力の高い相が、油吸収能力の高い相の油溶解パーセンテージであるような高い油吸収能力値を有することも見出された。同様に、油吸収能力の低い相は、低い油吸収能力値を有する。これらの油吸収値を組成物の希釈と相関させることによって、曲線を得ることができるが、本発明では、この曲線は、f=溶解した油(%)、x=製品濃度(%)としたときに、典型的には、ガウス関数:f=3.9*exp{−0.5*[(x−54.7)/9.5]2}に従う。さらに、従来のMEは、ガウス曲線ではない歪んだ非対称曲線を有するが、高い油吸収能力関数及び低い油吸収能力関数は、釣り鐘形の対称曲線を有すると考えられている。したがって、本明細書の組成物は、これまでの組成物に比べ、有効性並びに物理パラメータの両方の点で、より容易に予測可能であると考えられている。
【0058】
図1では、典型的なME及びPMEの希釈曲線が記載されている。図1では、油溶解のパーセンテージは、後述の試験方法によって測定される。したがって、製品90mLに水10mLが加えられるとき、これは、希釈10%、製品濃度90%に相当する。
したがって、本明細書で形成されるMEは、好ましくは、能力の高い領域と能力の低い領域との比率が、約50:50〜約99:1、より好ましくは約60:40〜約97:3、さらに好ましくは約75:25〜約95:5である。
【0059】
(使用方法)
本明細書の組成物は、洗浄組成物として、より好ましくは食器洗い用組成物として、さらに好ましくは食器手洗い用組成物として使用するのに特に適している。本発明は、スポンジ、拭き取り基材、擦り洗い(scrubbing)基材、不織布材料などのような基材にPMEが適用される、直接適用の状況で特に有用である。次いで、普通は当該基材に水が加えられ、PMEを希釈して、その場で、好ましくは基材自体の中又は上でMEを形成するが、例えばシンク又は洗面器内でMEを形成してもよい。次いで、MEが、皿、ガラス、食器などのような洗浄すべき表面に直接又は間接的に適用され、好ましくは約2秒〜約1時間にわたって浸される。表面は、埃、汚れ、及びMEを除去するためにすすがれ、その後好ましくは乾燥される。このような方法は、皿類、ガラス類、及び食器だけを効果的に洗浄するのではなく、また、台所の調理台、タイル、バスルーム、堅木の床、及び他の硬質表面も洗浄することができる。
【0060】
加えて、例えばシンク又は洗面器内で、PMEを希釈することによってMEを形成し、洗浄すべき表面をMEと接触させ、好ましくは約2秒〜約1時間にわたって浸し、次いで、埃、汚れ、及びMEを除去するためにすすぐ方法のような、他の使用方法もまた有用である。
【0061】
本明細書のPMEの物理形態は、典型的には、液体、ゲル、ペースト、又はさらに固体であり、それ自体が水性又は非水性であってよい。また、PMEを水で希釈して所望のMEを形成できるのであれば、他の形態も本明細書で有用である。さらに、本明細書のPMEは、個々の製品として提供されてもよいし、あるいはアプリケータ、例えば、小出し容器、洗浄器具、及び/又は拭き取り若しくは擦り洗い基材と併せて提供されてもよい。好ましい分配容器は、当該技術分野において既知であり、典型的には、審美的に望ましい及び/又は人間工学的な形状、並びに分配口、誘発噴霧器、又はスプレーノズルを有する、手持ち型のボトルを含む。
【0062】
本明細書で有用な拭き取り及び/又は擦り洗い基材は、洗浄すべき表面への、PME又はそれによって形成されるMEの送達に有用な、いずれかのタイプの基材である。PMEは、例えば、基材の内層に含浸させてよく、及び/又は他の何らかの方法で基材の外層上に提供されてもよい。本明細書で有用な基材の例は、天然又は人工のスポンジ、織布基材、不織布基材、発泡体及びこれらの組み合わせである。本明細書で有用な基材の特に好ましい例には、米国特許第4,515,703号(ハク(Haq)、1985年5月7日付与);EP−A2−0161911(ロウ(Rowe)ら、1985年11月21日公開);EP−A−0211664(ピーター(Peter)及びサイミーン(Symien)、1987年2月25日公開);EP−A2−0353014(エドワーズ(Edwards)ら、1990年1月31日公開);並びに米国特許出願60/332928(ボルゴニヤン(Borgonjon)ら、2001年11月16日出願)に記載のものが挙げられる。
【0063】
(試験方法)
本明細書の粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計モデル#LVDVII+で、27℃において測定される。これらの測定に使用されるスピンドルは、様々な粘度の製品を測定するのに適した速度をもつS31スピンドルであり、例えば、粘度が1Pa・sを超える製品の測定には12rpm;粘度が0.5Pa・s〜1Pa・sの製品には30rpm;粘度が0.5Pa・s未満の製品の測定には60rpmである。液体、ゲル、又はペーストの形態の場合、本発明は、典型的には、少なくとも約0.01Pa・s、好ましくは約0.02Pa・s〜約10Pa・s、より好ましくは約0.03Pa・s〜約5Pa・sの粘度を有する。
【0064】
本明細書における油の可溶化は、吸収速度並びに可溶化能力の両方について測定される。可溶化能力を測定するために、試験すべき製品10.0g(特定の希釈で試験が実施される場合、この量には水が含まれる)が、25mLシンチレーションバイアル瓶に入れられる。これに、0.045%のピラクロームレッド(Pylakrome RED)−LX1903(ソルベントレッド(SOLVENT RED)24CAS#85−83−6及びソルベントレッド(SOLVENT RED)26CAS#4477−79−6の混合物、米国アリゾナ州テンピー(Tempe)のピラム・プロダクツ社(Pylam Products)から入手可能)染料で染められた食品用キャノーラ油0.1gが加えられ、バイアル瓶に蓋が付けられる。バイアル瓶は、手で5秒間激しく振盪され、ISO7027濁度測定手順によって透明になるまで、又は5分が経過するまでの、いずれか早い方の時点まで置かれる。ISO7027法は、例えば、米国コネチカット州スタンフォードのオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から市販のもののような濁度測定機器によって、波長880nmにおいて濁度を測定する。バイアル瓶が透明になったら、さらなる油が、そのバイアル瓶が規定の時間内に透明にならなくなるまで、0.1gずつの増分で加えられる。油溶解のパーセンテージは、製品10.0gによってうまく可溶化した(すなわち、バイアル瓶が透明になる)油の最大量として記録される。理論に制限されるものではないが、本明細書のイオン性界面活性剤を主体とするPME及びMEは、当該技術分野でこれまでに記載された非イオン性MEよりも著しく多くの油を可溶化すると考えられている。好ましくは、本発明は、製品濃度75%で試験されたときに、染められたキャノーラ油を少なくとも約1g、より好ましくは染められたキャノーラ油を少なくとも約3g、さらに好ましくは染められたキャノーラ油を少なくとも約5g可溶化する。
【0065】
吸収速度を測定するために、所与の製品10.0gについて、染められたキャノーラ油0.1g(すなわち、1%)を可溶化するのに要する時間が記録される点を変えて、前述の試験が実施される。本明細書のイオン性界面活性剤を主体とするPME及びMEはまた、当該技術分野でこれまでに記載された非イオン性MEよりも著しく速く油を可溶化すると考えられている。好ましくは、本発明は、製品濃度75%で試験されたときに、染められたキャノーラ油の2%を約15分以内、より好ましくは約5分以内、さらに好ましくは約60秒以内に可溶化する。
【0066】
泡立ち特性は、4個のシリンダーの1セットを有する泡シリンダーテスター(SCT:suds cylinder tester)を用いて測定することができる。各シリンダーは、典型的には、長さ30cm、直径10cmである。シリンダー壁は、厚さ0.5cmであり、シリンダー底は、厚さ1cmである。SCTは、密閉シリンダー、典型的には複数の透明プラスチックシリンダー内の試験溶液を、毎分約21回転の速度で2分間回転させ、その後、泡の高さが測定される。次いで、その試験溶液に汚れを加え、再び攪拌し、得られる泡の高さを再び測定してもよい。このような試験を使用して、組成物の初期の泡立ち特性と同様に、洗浄される表面からより多くの汚れが取り込まれる使用時の泡立ち特性をシミュレートすることができる。
【0067】
泡立ち特性の試験は、次の通りである:
1.乾燥したきれいな目盛り付きシリンダーを1セットと、水の硬度136.8ppm(1リットル当たり2.1グレイン)及び温度25℃を有する水とを準備する。
2.各シリンダーに適切な量の試験組成物を加え、水を加えて、各シリンダー内の組成物+水の合計を500mLにする。
3.シリンダーを密封し、SCTに入れる。
4.SCTを作動させ、シリンダーを2分間回転させる。
5.1分以内に、泡の高さをセンチメートルで測定する。
6.泡立ち特性は、組成物によって生み出される泡の平均高さ(センチメートル)である。
【0068】
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも約2cm、より好ましくは少なくとも約4cm、さらに好ましくは約5cmの泡立ち特性を有する。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
本発明による組成物の非限定例を、以下に提供する。
【0070】
【表1】

1HC:LCは、能力の高い領域と能力の低い領域との比率を示す。
【0071】
上記実施例は、許容可能な泡立ち特性及びすすぎ特性を有する。比較配合1は、市販の食器手洗い用組成物である。配合C及びEと比べると、比較配合1は、油を吸収したときの透明性が著しく低い。2%の染められたキャノーラ油を用いて5分後に測定すると、比較配合1の濁度は、1237NTUであるが、配合C及びEは、それぞれ2.21NTU及び2.56NTUである。
【0072】
(実施例2)
本発明による固体組成物は、以下の配合に従って調製される:
【0073】
【表2】

上記実施例は、許容可能な泡立ち特性及びすすぎ特性を有する。
【0074】
(実施例3)
実施例Iの配合C〜Eに従って組成物が生成され、油吸収試験が実施される。低水溶性油としてイソパール(isopar)を含有する配合Cは、最高で、5%の染められたキャノーラ油を20分(1200秒)後に溶解させる。対照的に、低水溶性油の油としてリモネンを含有する配合D及びEは、最高で、2%の染められたキャノーラ油を、それぞれ15秒及び30秒で溶解させる。
【0075】
発明の詳細な説明において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0076】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】典型的なME及びPMEの希釈曲線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルションであって、該プロトマイクロエマルションの:
A.少なくとも約20重量%のイオン性界面活性剤系と、
B.約10重量%未満の非イオン性界面活性剤と、
C.約0.25重量%〜約50重量%の低水溶性油と、
を含み、水で約10%〜約99%希釈されたときにマイクロエマルションを形成する、プロトマイクロエマルション。
【請求項2】
約5%〜約79%の溶媒をさらに含む、請求項1に記載のプロトマイクロエマルション組成物。
【請求項3】
前記プロトマイクロエマルションの約5重量%未満のハロゲンイオンを含む、請求項1に記載のプロトマイクロエマルション組成物。
【請求項4】
前記低水溶性油が、リモネン、テルピネオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のプロトマイクロエマルション組成物。
【請求項5】
能力の高い相と能力の低い相とを含み、前記能力の高い相は、水で約10%〜約55%希釈されたときに支配的になり、前記能力の低い相は、水で約50%〜約95%希釈されたときに支配的になる、請求項1に記載のプロトマイクロエマルション組成物。
【請求項6】
グリコールエーテルを含み、グリコールエーテルと低水溶性油との重量比が、約20:1〜約1:20である、請求項2に記載のプロトマイクロエマルション組成物。
【請求項7】
洗浄器具であって、
A.請求項1に記載のイオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルション組成物と、
B.前記プロトマイクロエマルション組成物で含浸された基材と
を含む洗浄器具。
【請求項8】
前記基材が、不織繊維性材料を含む、請求項7に記載の洗浄器具。
【請求項9】
前記イオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルション組成物が、界面活性剤から水を抜き取ることが可能な水移動剤をさらに含む、請求項7に記載の洗浄器具。
【請求項10】
表面を洗浄する方法であって:
A.請求項1に記載のプロトマイクロエマルション組成物を基材に適用する工程と、
B.前記基材に水を加えてプロトマイクロエマルションを希釈し、その場でマイクロエマルションを形成する工程と、
C.前記基材を介して前記マイクロエマルションを前記表面に適用する工程と、
D.前記表面から前記マイクロエマルションをすすぎ、前記表面を洗浄する工程と
を含む方法。
【請求項11】
表面を洗浄する方法であって:
A.請求項1に記載のプロトマイクロエマルションを水で希釈することによって、その場でマイクロエマルションを形成する工程と、
B.前記表面を前記マイクロエマルションと接触させる工程と、
C.前記表面から前記マイクロエマルションをすすぎ、前記表面を洗浄する工程と
を含む方法。
【請求項12】
リモネン、テルピネオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される低水溶性油を含む、イオンを主体とするプロトマイクロエマルション。
【請求項13】
酸化防止剤をさらに含む、請求項12に記載のプロトマイクロエマルション。
【請求項14】
A.高い油吸収能力関数に一致する高い油吸収能力値を含む油吸収能力の高い相であり、前記高い油吸収能力関数が、油吸収能力の高い領域を画定する油吸収能力の高い相と、
B.低い油吸収能力関数に一致する低い油吸収能力値を含む油吸収能力の低い相であり、前記低い油吸収能力関数が、油吸収能力の低い領域を画定する油吸収能力の低い相と
を含むマイクロエマルションであって、
前記油吸収能力の高い領域と前記油吸収能力の低い領域との比率が、約75:25〜約95:5である、マイクロエマルション。
【請求項15】
水で希釈されたときに、請求項14に記載のマイクロエマルションを形成する、プロトマイクロエマルション。
【請求項16】
前記プロトマイクロエマルションが、水で約10%〜約99%希釈されたときに、前記マイクロエマルションを形成する、請求項15に記載のプロトマイクロエマルション。
【請求項17】
前記油吸収能力の高い相が、水で約15%〜約55%希釈されたときに存在する、請求項14に記載のマイクロエマルション。
【請求項18】
前記油吸収能力の低い相が、水で約50%〜約95%希釈されたときに存在する、請求項14に記載のマイクロエマルション。
【請求項19】
油吸収能力の高い相と油吸収能力の低い相とを含むプロトマイクロエマルションであって、
f=溶解した油(%)、x=製品濃度(%)としたときに、組成物の希釈に対する油吸収値のグラフが、次式:
f=3.9*exp{−0.5*[(x−54.7)/9.5]2}、
に一致する、プロトマイクロエマルション。
【請求項20】
前記プロトマイクロエマルションが、イオン性界面活性剤を主体とするプロトマイクロエマルションであって、該プロトマイクロエマルションの:
A.少なくとも約20重量%のイオン性界面活性剤系と、
B.約10重量%未満の非イオン性界面活性剤と、
C.約0.25重量%〜約50重量%の低水溶性油と、
を含み、水で約10%〜約99%希釈されたときにマイクロエマルションを形成する、請求項19に記載のプロトマイクロエマルション。

【図1】
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【公表番号】特表2006−516155(P2006−516155A)
【公表日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518149(P2005−518149)
【出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/006096
【国際公開番号】WO2004/078897
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】