説明

ヘッドサスペンションアセンブリ、回転検出機構および搬送機構

【課題】 簡素な構成でありながら、被搬送物の搬送量を正確に検出することの可能な搬送機構を提供する。
【解決手段】 ヘッドサスペンションアセンブリ40は、一対の取付部411と、これらを互いに繋ぐようにU字状に延在すると共にZ軸方向へ弾性を示す腕部412とを有するサスペンション41と、腕部412に設けられた磁気センサ42とを備える。腕部412は、記録面31に対して磁気センサ42を押しつける外力の大きさに応じてZ軸方向に沿ってたわむこととなり、搬送動作時においてZ軸方向に記録面31が僅かに変動する場合であっても、腕部412のたわみの可能な範囲内であれば磁気センサ42と記録面31との接触状態を維持することができる。このため、記録面31の磁気情報を正確に読み取り、搬送ローラ20の回転量を高精度に検出することができる。よって、シートSの搬送量Qを正確に求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ローラが回転することにより被搬送物を搬送する搬送機構と、この搬送機構に搭載され、上記搬送ローラの回転量を検出する回転検出機構と、この回転検出機構に用いられるヘッドサスペンションアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタや複写機などにおいては、紙などを搬送する搬送機構が搭載されている。この搬送機構には紙送り用の搬送ローラの回転動作を制御するためのエンコーダが設けられており、紙送り位置の制御を行うようになっている。エンコーダとしては、例えば、複数のスリットが形成された円盤を搬送ローラの端部に取り付け、この円盤に光を照射したときのスリットから漏れる透過光を光センサ等で検出することにより搬送ローラの回転量を求めるようにしたものがある。さらに、磁極パターンを表面に設けた磁気ディスクや磁気ドラムを搬送ローラと同期させて回転させることにより、磁気パターンに対応した磁気信号を発生させ、これを磁気抵抗効果(Magneto-Resistive effect;MR)素子で検出することにより搬送ローラの回転量を求めるようにしたエンコーダも開示されている(例えば、特許文献1および2を参照。)。
【特許文献1】特開2001−74499号公報
【特許文献2】特開2002−206950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年では、紙送り位置の制御の精度向上が求められてきている。したがって、円盤や磁気ドラムなどのメディアの大型化により検出精度を向上させたり、より安定した回転動作を行うように搬送ローラの回転中心軸調整を正確に行うなどして、紙送り位置制御の精度を向上を図るようにしている。
【0004】
ところが、最近では、プリンタや複写機などの小型化に伴い、エンコーダに対する小型化の要望が高まっている。しかしながら、上記のようなエンコーダにおいては、センサをメディアと接触させることなく回転量を検出するので、分解能を確保するためにスリットの間隔や磁気パターンの寸法をある程度の大きさとする必要がある。したがって、小型化は、メディアによって制約を受けてしまう。メディアの小型化を図る方法として、メディアとセンサとをより接近させ、かつ安定した間隔を確保するようにすることも考えられる。しかし、そのためには搬送機構全体を極めて高精度に組み立てる必要があるうえ、機構そのものが複雑化して部品点数が増加するなどコスト面で不利である。さらに、紙などの被搬送物の寸法精度にも影響される可能性もあるので現実的には非常に実施困難である。
【0005】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、簡素な構成でありながら、被搬送物の搬送量を正確に検出することの可能な搬送機構を提供することにある。
【0006】
本発明の第2の目的は、上記のような搬送機構に好適に用いられる回転検出機構およびその回転検出機構に搭載されるヘッドサスペンションアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のヘッドサスペンションアセンブリは、一対の取付部と、この一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、このサスペンションの腕部に設けられた磁気センサとを備えるようにしたものである。ここで、「U字状またはV字状」とは、U字またはV字に限らず、一対の取付部同士を互いに結ぶ仮想直線を回避し、迂回するように延在する形状をも含む意である。
【0008】
本発明のヘッドサスペンションアセンブリでは、一対の取付部を固定部に取り付け、磁気センサに対して一対の取付部を含む面と直交する方向の外力を加えると、サスペンションの腕部が上記の外力を加えた方向へたわむこととなる。たわみ量は加える外力の大きさに応じて変化し、それに伴って磁気センサがたわみ方向へ変位することとなる。
【0009】
本発明のヘッドサスペンションアセンブリでは、腕部が、一対の取付部を含む面内の方向においては剛性を示すことが望ましい。また、磁気センサが、腕部上における一対の取付部同士の中間点に設けられていることが望ましい。また、磁気センサは例えば磁気抵抗効果素子を有しており、この磁気抵抗効果素子が、腕部の延在方向に積層された複数の強磁性層を含む積層体により構成されていてもよい。ここで「腕部の延在方向に積層された複数の強磁性層を含む」とは、積層体の積層方向が腕部のU字またはV字に沿った延在方向と一致していることを意味する。 さらに、磁気センサにおけるサスペンションの腕部と接する面と反対側の面が、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)を含む保護膜によって覆われていることが望ましい。その保護膜の厚みは、例えば0.1μm以上2.5μm以下であることが望ましい。
【0010】
本発明の回転検出機構は、軸受によって回転可能に支持された回転体の回転を検出するものであって、この回転体と同軸かつ一体に回転するように構成されると共に回転体の回転軸と直交する磁気記録面を有する磁気記録媒体と、磁気記録面に記録された磁気情報を利用して磁気記録媒体の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリとを備えている。ここで、ヘッドサスペンションアセンブリが、軸受に固定された一対の取付部と、この一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、このサスペンションの腕部に配設され、かつ、腕部の弾性を利用して磁気記録媒体の磁気記録面と接するように付勢された磁気センサとを含んで構成される。
【0011】
本発明の回転検出機構では、磁気記録媒体の磁気記録面に対して磁気センサを押しつける外力の大きさに応じてサスペンションの腕部がたわむので、回転体の(磁気記録媒体の)回転動作時において、磁気センサと記録面との接触状態が比較的容易に継続して維持される。
【0012】
本発明の回転検出機構では、腕部が、一対の取付部を含む面内の方向においては剛性を示すことが望ましい。また磁気センサが、腕部における一対の取付部同士の中間点に設けられていることが望ましい。ここで、中間点とは、一対の取付部から厳密に等距離となる位置に限定されるものではなく、製造上生じる程度の誤差をも許容する概念である。この磁気センサは、例えば磁気記録媒体の回転方向に積層された複数の強磁性層を含む積層体からなる磁気抵抗効果素子を有するものである。さらに、磁気センサは、磁気記録媒体の記録面と接する面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)を含む保護膜によって覆われていることが望ましい。その保護膜の厚みは、0.1μm以上2.5μm以下であることが望ましい。
【0013】
本発明の搬送機構は、軸受によって回転可能に支持され、第1の回転軸を中心として回転することにより被搬送物を回転方向へ搬送する第1の回転体と、この第1の回転体と同軸かつ一体に回転するように構成されると共に第1の回転軸と直交する磁気記録面を有する磁気記録媒体と、磁気記録面に記録された磁気情報を利用して磁気記録媒体の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリとを備えるようにしたものである。ここで、ヘッドサスペンションアセンブリが、軸受に固定された一対の取付部と、第1の回転体の周囲の少なくとも一部を取り囲んで一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、このサスペンションの腕部に配設され、かつ、腕部の弾性を利用して磁気記録媒体の磁気記録面と接するように付勢された磁気センサとを含むように構成される。本発明でいう「被搬送物」とは、紙やフィルムなどのシート状またはテープ状の部材、金属板やセラミック基板あるいは樹脂基板などの板状の部材、あるいはワイヤやロープなどの線状の部材を意味するものである。
【0014】
本発明の搬送機構では、磁気記録媒体の記録面に対して磁気センサを押しつける外力の大きさに応じてサスペンションの腕部がたわむので、搬送動作時(磁気記録媒体の回転動作時)において、磁気センサと記録面との接触状態が比較的容易に継続して維持される。
【0015】
本発明の搬送機構では、第1の回転体と共に被搬送物を挟み、かつ、第1の回転体を軸受と当接させるように付勢する付勢部材をさらに備えるようにすることが望ましい。また、磁気センサが、付勢部材により付勢された状態において、被搬送物と第1の回転体との接点が第1の回転体と軸受との間の遊びに基いて描く軌跡に沿って配設されるようにするとよい。また、磁気記録媒体は、例えば環状をなすように構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のヘッドサスペンションアセンブリによれば、一対の取付部と、この一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、このサスペンションの腕部に設けられた磁気センサとを備えるようにしたので、一対の取付部を固定部に取り付け、磁気センサに対して一対の取付部を含む面と直交する方向の外力を加えるようにすると、その外力に応じて磁気センサを変位させることができる。したがって、例えば何らかの物体表面に磁気センサを押しつけるようにした場合には押しつける外力の大きさに応じて腕部がたわむので、外力を加える方向にその物体が変動する場合であっても、腕部の変位可能な範囲内であれば磁気センサと物体表面との接触状態を比較的容易に継続して維持することができる。
【0017】
本発明の回転検出機構によれば、回転体と同軸かつ一体に回転するように構成されると共に回転体の回転軸と直交する磁気記録面を有する磁気記録媒体と、磁気記録面に記録された磁気情報を利用して磁気記録媒体の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリとを備え、ヘッドサスペンションアセンブリが、軸受に固定された一対の取付部と、この一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、このサスペンションの腕部に配設され、かつ、腕部の弾性を利用して磁気記録媒体の磁気記録面と接するように付勢された磁気センサとを含むように構成したので、磁気記録面に対して磁気センサを押しつける外力の大きさに応じてサスペンションの腕部がたわむこととなり、回転動作時において外力を加える方向に磁気記録面が変動する場合であっても、腕部の変位可能な範囲内であれば磁気センサと磁気記録面との接触状態を比較的容易に継続して維持することができる。したがって、磁気記録面に記録された磁気情報を正確に読み取り、回転体の回転量を高精度に検出することができる。
【0018】
本発明の回転検出機構によれば、特に、腕部が一対の取付部を含む面内の方向においては剛性を示すようにすると、回転体(磁気記録媒体)が回転する方向への磁気センサの変位が抑制され、より高精度に回転体の回転量を検出することができる。
【0019】
本発明の回転検出機構によれば、特に、腕部における一対の取付部同士の中間点に磁気センサを設けるようにすると、腕部の変位可能な範囲を十分に活かすことができ、磁気センサの移動可能範囲をより大きく確保することができる。このため、一対の取付部を含む面と直交する方向における記録面の位置が、より大きな変動を生じた場合にも十分に対応可能となる。
【0020】
本発明の搬送機構によれば、軸受によって回転可能に支持され、第1の回転軸を中心として回転することにより被搬送物を回転方向へ搬送する第1の回転体と、この第1の回転体と同軸かつ一体に回転するように構成されると共に第1の回転軸と直交する磁気記録面を有する磁気記録媒体と、磁気記録面に記録された磁気情報を利用して磁気記録媒体の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリとを備え、このヘッドサスペンションアセンブリが、軸受に固定された一対の取付部と、第1の回転体の周囲の少なくとも一部を取り囲んで一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、このサスペンションの腕部に配設され、かつ、腕部の弾性を利用して磁気記録媒体の磁気記録面と接するように付勢された磁気センサとを含むように構成したので、磁気記録面に対して磁気センサを押しつける外力の大きさに応じてサスペンションの腕部がたわむこととなり、搬送動作時において外力を加える方向に磁気記録面が変動する場合であっても、腕部のたわみの可能な範囲内であれば磁気センサと磁気記録面との接触状態を比較的容易に継続して維持することができる。したがって、簡素な構成でありながら、磁気記録面に記録された磁気情報を正確に読み取り、第1の回転体の回転量を高精度に検出することができる。ここで、被搬送物が長手方向に均一な厚みを有する場合には、その搬送量を正確に検出することが可能となる。
【0021】
本発明の搬送機構によれば、特に、第1の回転体と共に被搬送物を挟み、かつ、第1の回転体を軸受と当接させるように付勢する付勢部材をさらに備えるようにすると、より確実に被搬送物を搬送することができる。その場合、磁気センサが、付勢部材により付勢された状態において、被搬送物と第1の回転体との接点が第1の回転体と軸受との間の遊びに基いて描く軌跡に沿って配設されるようにすると、被搬送物の搬送量をより正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1〜図4を参照して、本発明の一実施の形態としての搬送機構の構成について説明する。本実施の形態の搬送機構は、例えばプリンタや複写機などに搭載され、紙などの搬送を高精度に行うものである。なお、本発明のヘッドサスペンションアセンブリおよびこれを備えた回転検出機構は、本実施の形態の搬送機構によって具現化されるので、以下併せて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態の搬送機構1の概略構成を表す斜視図である。図2は、図1に対応する分解斜視図である。
【0025】
図1および図2に示したように、本実施の形態の搬送機構1は、所定の遊びを有するように筐体10の軸受によって回転可能に支持され、Z軸方向に延在する回転軸20Zを有する搬送ローラ20と、この搬送ローラ20を取り囲むように固定された環状の磁気記録媒体30と、この磁気記録媒体30に記録された磁気情報を利用して磁気記録媒体30の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリ40とを備えるようにしたものである。搬送機構1は、さらに、搬送ローラ20と共に被搬送物としての紙などのシートSを挟む押さえローラ50を備えている。この押さえローラ50は、搬送ローラ20を筐体10の軸受と当接させるように−Y方向へ付勢している。
【0026】
筐体10は、カバー11と本体12とを有しており、それぞれには軸受として機能する開口11K,12Kが設けられている。筐体10は、カバー11の突起部11Pと本体12の孔部12Hとが嵌合することにより、その内部に磁気記録媒体30とヘッドサスペンションアセンブリ40とを収容し、それらに対する防塵機能を発揮するようになっている。
【0027】
搬送ローラ20は、回転軸20Zを中心軸とした自らの回転動作により、その回転方向20RへシートSを搬送するものである。この搬送ローラ20の端部にはベース21およびブッシング22が取り付けられており、押さえローラ50によって付勢されることにより、ベース21が開口11Kと当接すると共にブッシング22が開口12Kと当接するようになっている。ここで、搬送ローラ20の端部は、カバー11と本体12との間に設けられたベース21の孔部21Hを貫通し、さらに本体12を挟んでベース21の反対側に設けられたブッシング22の孔部22Hに挿入されるように構成されている。ベース21およびブッシング22は、いずれも搬送ローラ20と一体となって回転軸20Zを中心軸として回転するものである。
【0028】
磁気記録媒体30は、ベース21における回転軸20Zと直交する面に固定されており、搬送ローラ20と一体となって回転軸20Zを中心として回転方向30Rへ回転するように構成されている。回転軸20Zと直交する記録面31(後出)には、回転軸20Zを中心とした円周方向に沿って磁気情報が記録されている。
【0029】
ヘッドサスペンションアセンブリ40は、一対の取付部411および腕部412を有するサスペンション41と、腕部412に設けられた磁気センサ42とを備えている。ヘッドサスペンションアセンブリ40は、一対の取付部411が本体12における一対の取付部121とそれぞれネジ44によって筐体12に固定されている。腕部412は、搬送ローラ20の周囲を取り囲んで一対の取付部411同士を繋ぐようにU字状をなすステンレス製の板状部材である。腕部412は、さらに、一対の取付部411を含む面と直交する方向(回転軸20Zに沿ったZ軸方向)へ弾性を示すと共に、一対の取付部411を含む面内の方向(磁気記録媒体30の回転方向30R)においては剛性を示すように構成されている。磁気センサ42は、フレキシブルプリント回路基板(FPC;Flexible Printed Circuit)43を介して図示しない駆動回路と接続されており、磁気情報の再生動作を行う際に用いられるものである。
【0030】
図3に、磁気記録媒体30およびヘッドサスペンションアセンブリ40を拡大して示す。図3(A)は図2において回転軸20Zに沿った矢視方向III(A)から眺めた平面図であり、図3(B)は図2において回転軸20Zと直交する矢視方向III(B)から眺めた側面図である。ここでは、磁気記録媒体30およびヘッドサスペンションアセンブリ40の識別を容易とするため、カバー11、ベース21および押さえローラ50の図示を省略する。さらに、図4に、磁気センサ42の斜視構成を拡大して示す。磁気センサ42は、搬送ローラ20とシートSとの接点Pに沿うように、腕部412における一対の取付部411同士の中間点に設けられており、おおよそ直方体をなすスライダ421と、その一側面に形成された磁気抵抗効果素子422とを備えている。この磁気抵抗効果素子422は、磁気記録媒体30の回転方向30R(すなわち、腕部412の延在方向412E)に沿って積層された複数の強磁性層を含む積層体であり、その一端面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの保護膜423によって覆われている(図4参照)。保護膜423の厚みは、0.1μm以上2.5μm以下であることが望ましい。保護膜42が0.1μmよりも薄いと外傷を受けた場合の保護効果が十分に得られなくなる一方、2.5μmを超えてしまうと磁気抵抗効果素子422の出力が十分に得られなくなるからである。この保護膜423によって覆われた磁気抵抗効果素子422の一端面は、腕部412の弾性により付勢され、磁気記録媒体30の記録面31と常に接するようになっている。ここで、記録面31に潤滑油をコーティングするなどして摩擦力を低減することが望ましい。また、腕部412は、記録面31と平行な本体表面12Sと角度θをなすように傾いている(図3(B)参照)。角度θは、例えば1°〜20°である。
【0031】
押さえローラ50は、回転軸51Z(図2)を有するシャフト51に取り付けられており、外力に応じて回転軸51Zを中心として回転するように構成されている。シャフト51は、筐体10とは異なる軸受としての支持体53によって回転可能に支持されている。
【0032】
このように構成された搬送機構1では、磁気センサ42によって搬送ローラ20の回転量を検出することにより、シートSの搬送量Qを求めるようになっている。なお、搬送機構1におけるシートSの搬送動作は、押さえローラ50と搬送ローラ20とによってシートSを挟み込んだのち、図示しないモータなどの駆動源により搬送ローラ20を回転させることにより開始される。
【0033】
具体的には、図5に示したように、シャフト51と連結した操作レバー52を搬送ローラ20の側へ倒し、押さえローラ50によってシートSを挟み込むように搬送ローラ20へ(−Y方向へ)押し付ける。この際、押さえローラ50および搬送ローラ20は、表面がシートSの表面に対して十分な摩擦力を有する硬質ゴムなどから構成されていることから、シートSは搬送ローラ20が回転しない限り固定されることとなり、搬送方向Fへ移動することはない。この状態としたのち、搬送ローラ20を例えば回転方向20Rへ回転させることで搬送方向F(+X方向)へシートSが搬送される。ここで、磁気センサ42によって磁気記録媒体30の磁気情報を利用して搬送ローラ20の回転量を検出することにより、搬送量Qを求めることができる。
【0034】
ところが、搬送ローラ20に取り付けられたベース21の外周面と開口11Kとは所定の遊び(隙間)を有していることから、押さえローラ50の−Y方向への付勢力が不十分な場合には、搬送ローラ20が一定の位置に静止せずにXY平面において開口11Kの内部を移動してしまうことがある。これに伴って接点Pの位置もXY平面において変動するので、結果として、筐体10を基準とした場合のシートSの搬送量Qが変動することとなる。以下、図6(A)〜図6(C)を参照して説明する。図6(A)〜図6(C)は、いずれも、搬送機構1の要部構成を表す概略断面図である。図6(A)は、各構成要素が基準位置である初期状態を示し、図6(B)および図6(C)は搬送ローラ20の移動により基準位置から外れた状態を示す。なお、図6(A)〜図6(C)では、理解を容易とするため、構成要素として押さえローラ50、開口11K、ベース21、搬送ローラ20および磁気センサ42のみを図示し、シートSなどの図示を省略している。また、図6(A)〜図6(C)では、押さえローラ50の回転軸51Zと開口11Kの中心軸11KZを併せて図示する。さらに、中心軸11KZを通りY軸方向に延在する中心線CXと、基準位置における回転軸51Zを通りX軸方向に延在する中心線CY1と、中心軸11KZを通りX軸方向に延在する中心線CY2とを併せて図示する。磁気センサ42は、開口11Kとの相対的な位置が不変であり、常に中心線CX上に存在する。
【0035】
図6(A)に示した初期状態では、中心線CX上に回転軸51Zを有する押さえローラ50が−Y方向へ搬送ローラ20を付勢することにより、回転軸20Zが中心軸11KZから−Y方向へ移動した位置となっている。このとき、接点Pも中心線CX上に存在しており、これが基準位置となる。本実施の形態ではシートSの搬送方向Fが+X方向であるので、接点Pの変動量のうちのX軸方向に沿った成分がシートSの搬送量Qに寄与することとなる。
【0036】
図6(B)は、搬送ローラ20の回転軸20Zが+X方向へ移動した状態を示す。ただし、ベース21の外周面が開口11Kの内周面と当接しながら移動するので、回転軸20Zは+Y方向へも変化する。したがって、−Y方向への付勢力に対抗するように押さえローラ50は+Y方向へ押し上げられた状態となっている。この状態では、接点Pは基準位置(中心線CX)から+X方向へ変化量ΔQ1(>0)だけ移動している。したがって、変化量ΔQ1の分だけシートSが搬送方向F(+X方向)へ搬送されたこととなる。
【0037】
一方、図6(C)は、図6(B)の状態とは逆に、搬送ローラ20の回転軸20Zが−X方向へ移動した状態を示す。この場合も、ベース21の外周面が開口11Kの内周面と当接しながら移動するので、回転軸20Zは+Y方向へも変化する。したがって、やはり押さえローラ50は+Y方向へ押し上げられた状態となっている。この状態では、接点Pは基準位置(中心線CX)から−X方向へ変化量ΔQ2(>0)だけ移動している。したがって、変化量ΔQ2の分だけシートSが搬送方向Fとは反対方向(−X方向)へ戻されたこととなる。
【0038】
図6(A)〜図6(C)に示したように押さえローラ50によって付勢された状態において搬送ローラ20の位置が変動する場合には、搬送ローラ20と開口11Kとの遊びに基づいた接点Pの描く軌跡L1が、おおよそ図7に示したような曲線となる。
【0039】
本実施の形態では、図7に示したような接点Pの軌跡L1に沿うように磁気センサ42を配設するようにしたので、開口11Kと搬送ローラ20(の回転軸20Z)との相対的な変動を、回転軸20Zを共有し、かつ搬送ローラ20と同期して回転する磁気記録媒体30を介して把握することができる。このため、接点Pの変動量ΔQをも含めた搬送量Qを検出することができる。具体的には、図6(B)の状態では、搬送ローラ20の回転(磁気記録媒体30の回転)のみに伴う純粋な搬送量Q0に対して変化量ΔQ1(>0)が加算された搬送量Qが検出され、一方、図6(C)の状態では、純粋な搬送量Q0から変化量ΔQ2(>0)の分だけ減算された搬送量Qが検出されることとなる。
【0040】
さらに、実際には、押さえローラ50のシャフト51も支持体53に対して無視出来ない程度の遊び(隙間)を有していることが多く、例えば図8(A)〜図8(C)に示したようなケースも考えられる。図8(A)〜図8(C)は、図6(A)〜図6(C)と同様、いずれも、搬送機構1の要部構成を表す概略断面図である。
【0041】
図8(A)は、図6(A)と同じく、中心線CX上に回転軸51Zを有する押さえローラ50が−Y方向へ搬送ローラ20を付勢した初期状態を表している。図8(B)は、図8(A)の状態から、回転軸51Zおよび回転軸20Zが共に+X方向へ移動した状態を表している。この場合、回転軸51Zの移動は、シャフト51と支持体53との遊びに基づいて生じたものである。やはり、ベース21の外周面が開口11Kの内周面と当接しながら移動するので、回転軸20Zは+Y方向へも変化する。したがって、−Y方向への付勢力に対抗するように押さえローラ50も+Y方向へ押し上げられた状態となっている。この状態では、接点Pは基準位置(中心線CX)から+X方向へ変化量ΔQ3(>0)だけ移動している。一方、図8(C)は、図8(B)の状態とは逆に、回転軸51Zおよび回転軸20Zが共に−X方向へ移動した状態を示す。この場合も、ベース21の外周面が開口11Kの内周面と当接しながら移動するので、回転軸20Zは+Y方向へも変化する。したがって、やはり押さえローラ50は+Y方向へ押し上げられた状態となっている。この状態では、接点Pは基準位置(中心線CX)から−X方向へ変化量ΔQ4(>0)だけ移動している。
【0042】
この場合(図8(A)〜図8(C))には、接点Pが図9に示したような軌跡L2を描くこととなるが、図6(A)〜図6(C)の場合と同様、軌跡L2に沿うように磁気センサ42を配設するようにしたので、開口11Kと搬送ローラ20(の回転軸20Z)との相対的な変動を、磁気記録媒体30を介して把握することができる。このため、接点Pの変動量ΔQをも含めた搬送量Qを検出することができる。具体的には、図8(B)の状態では、搬送ローラ20の回転(磁気記録媒体30の回転)のみに伴う純粋な搬送量Q0に対して変化量ΔQ3(>0)が加算された搬送量Qが検出され、一方、図8(C)の状態では、純粋な搬送量Q0から変化量ΔQ4(>0)の分だけ減算された搬送量Qが検出されることとなる。
【0043】
なお、図6および図7の各図では遊びの寸法を誇張して示しており、実際には開口11Kの直径を基準として、その1/50程度の僅かな寸法である。したがって、上記したように、中心位置CX上に磁気センサ42を配設するようにすれば、接点Pの変動に伴う搬送量の変化量ΔQの検出に関しては十分に実施可能である。
【0044】
以上、本実施の形態によれば、ヘッドサスペンションアセンブリ40が、一対の取付部411と、これらを繋ぐようにU字状に延在すると共に一対の取付部411を含む面と直交するZ軸方向へ弾性を示す腕部412とを有するサスペンション41と、腕部412に設けられた磁気センサ42とを備えるようにしたので、磁気記録媒体30の記録面31に対して磁気センサ42を押しつける外力の大きさに応じてサスペンション41の腕部412がZ軸方向に沿ってたわむこととなり、搬送動作時においてZ軸方向に記録面31が僅かに変動する場合であっても、腕部412のたわみの可能な範囲内であれば磁気センサ42と記録面31との接触状態を比較的容易に継続して維持することができる。したがって、記録面31に記録された磁気情報を正確に読み取り、搬送ローラ20(磁気記録媒体30)の回転量を高精度に検出することができる。このため、シートSの搬送量Qを正確に検出することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、搬送ローラ20と開口11Kとの間の遊びに基づいて接点Pが描く軌跡L1,L2に沿って磁気記録媒体30の記録面31と接するように磁気センサ42を筐体10に固定するようにしたので、接点Pと磁気センサ42とを比較的近くに配置することができる。このため、磁気センサ42によって、接点Pを基準とした磁気記録媒体30の回転量による純粋な搬送量Q0を検出することができるうえ、上記の遊びに伴う開口11Kの中心軸11KZを基準位置とした接点Pの相対的な移動量についても感度良く検出することができる。
【0046】
特に、腕部412における一対の取付部411同士の中間点に磁気センサ42を設けるようにしたので、腕部412のZ軸方向における変位可能な範囲を十分に活かすことができ、磁気センサ42の移動可能範囲をより大きく確保することができる。このため、Z軸方向における記録面31の位置が、より大きな変動を生じた場合にも十分に対応可能となる。
【0047】
また、本実施の形態では、搬送ローラ20と共にシートSを挟み、かつ、搬送ローラ20を支持体と当接させるように付勢する押さえローラ50をさらに備えるようにしたので、搬送ローラ20の空回りなどの発生を防止し、より確実にシートSを搬送することができる。
【0048】
さらに、本実施の形態では、磁気センサ42が、XY平面、すなわち、磁気記録媒体30の回転面内においては剛性を示すように構成された腕部412に取り付けられているので、その位置が磁気記録媒体30の回転に伴う摩擦などによって変動することなく、より高精度な搬送量Qの検出が可能である。
【0049】
また、本実施の形態では、磁気センサ42の、記録面31と接する側に保護膜423を設けるようにしたので、磁気記録媒体30との摩擦になどに起因する検出能力の劣化を抑制することができる。
【0050】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば本実施の形態では、被搬送物として、紙などのシート状のものを例として挙げるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、金属や樹脂などからなる所定の長さを有する板状またはテープ状の部材のほか線状の部材を搬送する場合にも適用可能である。
【0051】
また、本実施の形態では、モータなどの駆動源により搬送ローラ20を回転させることによりシートSの搬送動作をおこなうようにしたが、搬送ローラ20自体を駆動させる場合に限られるものではない。例えば、図10に示した変形例としての搬送機構1Aのように、駆動力を有する駆動ローラ60と、駆動ローラ60と共にシートSを挟む押さえローラ70とを別体として設けることによりシートSの搬送を行い、シートSとの摩擦力を利用して搬送ローラ20を回転させ、シートSの搬送量Qを検出するようにしてもよい。あるいは、図1の搬送機構1において押さえローラ50を駆動させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のヘッドサスペンションアセンブリ、回転検出機構および搬送機構は、被搬送物として紙を対象としたプリンタや複写機などへの適用に限定されず、紙以外の、例えば樹脂製の各種シートおよび各種フィルムへの印刷装置などへの応用例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態に係る搬送機構の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した搬送機構の分解斜視図である。
【図3】図1に示した搬送機構の要部構成を示す部分拡大図である。
【図4】図1に示した搬送機構の他の要部構成を示す部分拡大図である。
【図5】図1に示した搬送機構において、被搬送物を搬送する際の動作を説明するための説明図である。
【図6】図1に示した搬送機構において、被搬送物を搬送する際の第2の回転体と軸受との位置変動を説明するための概略構成図である。
【図7】図6に対応した接点の軌跡を表す説明図である。
【図8】図1に示した搬送機構において、被搬送物を搬送する際の第2の回転体と軸受との位置変動を説明するための他の概略構成図である。
【図9】図8に対応した接点の軌跡を表す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る搬送機構の変形例の外観構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
S…シート、1…搬送機構、10…筐体、11…カバー、12…本体、20…搬送ローラ、21…ベース、22…ブッシング、30…磁気記録媒体、30R…回転方向、31…記録面、40…ヘッドサスペンションアセンブリ、41…サスペンション、411…取付部、412…腕部、42…磁気センサ、50,70…押さえローラ、51…シャフト、53…支持体、60…駆動ローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の取付部と、この一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に前記一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、
前記サスペンションの腕部に設けられた磁気センサと
を備えたことを特徴とするヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項2】
前記腕部は、前記一対の取付部を含む面内の方向においては剛性を示す
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項3】
前記磁気センサは、前記腕部における前記一対の取付部同士の中間点に設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項4】
前記磁気センサは磁気抵抗効果素子を有している
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項5】
前記磁気抵抗効果素子は、前記腕部の延在方向に積層された複数の強磁性層を含む積層体である
ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項6】
前記磁気センサは、前記サスペンションの腕部と接する面と反対側の面が保護膜によって覆われたものである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項7】
前記保護膜は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を含むものである
ことを特徴とする請求項6に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項8】
前記保護膜は0.1μm以上2.5μm以下の厚みを有している
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のヘッドサスペンションアセンブリ。
【請求項9】
軸受によって回転可能に支持された回転体の回転を検出する回転検出機構であって、
前記回転体と同軸かつ一体に回転するように構成されると共に前記回転体の回転軸と直交する磁気記録面を有する磁気記録媒体と、
前記磁気記録面に記録された磁気情報を利用して前記磁気記録媒体の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリと
を備え、
前記ヘッドサスペンションアセンブリは、
前記軸受に固定された一対の取付部と、この一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に前記一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、
前記サスペンションの腕部に配設され、かつ、前記腕部の弾性を利用して前記磁気記録媒体の磁気記録面と接するように付勢された磁気センサと
を含んでいる
ことを特徴とする回転検出機構。
【請求項10】
前記腕部は、前記一対の取付部を含む面内の方向においては剛性を示す
ことを特徴とする請求項9に記載の回転検出機構。
【請求項11】
前記磁気センサは、前記腕部における前記一対の取付部同士の中間点に設けられている
ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の回転検出機構。
【請求項12】
前記磁気センサは、前記磁気記録媒体の回転方向に積層された複数の強磁性層を含む積層体からなる磁気抵抗効果素子を有している
ことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の回転検出機構。
【請求項13】
前記磁気センサは、前記サスペンションの腕部と接する面と反対側の面が保護膜によって覆われたものである
ことを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の回転検出機構。
【請求項14】
前記保護膜は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を含むものである
ことを特徴とする請求項13に記載の回転検出機構。
【請求項15】
前記保護膜は、0.1μm以上2.5μm以下の厚みを有している
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の回転検出機構。
【請求項16】
前記磁気記録媒体は、環状をなしている
ことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の回転検出機構。
【請求項17】
軸受によって回転可能に支持され、第1の回転軸を中心として回転することにより被搬送物を回転方向へ搬送する第1の回転体と、
前記第1の回転体と同軸かつ一体に回転するように構成されると共に前記第1の回転軸と直交する磁気記録面を有する磁気記録媒体と、
前記磁気記録面に記録された磁気情報を利用して前記磁気記録媒体の回転量を検出するヘッドサスペンションアセンブリと
を備え、
前記ヘッドサスペンションアセンブリは、
前記軸受に固定された一対の取付部と、前記第1の回転体の周囲の少なくとも一部を取り囲んで前記一対の取付部同士を繋ぐようにU字状またはV字状に延在すると共に前記一対の取付部を含む面と直交する方向へ弾性を示す腕部とを有するサスペンションと、
前記サスペンションの腕部に配設され、かつ、前記腕部の弾性を利用して前記磁気記録媒体の磁気記録面と接するように付勢された磁気センサと
を含んでいる
ことを特徴とする搬送機構。
【請求項18】
前記第1の回転体と共に前記被搬送物を挟み、かつ、前記第1の回転体を前記軸受と当接させるように付勢する付勢部材をさらに備えた
ことを特徴とする請求項17に記載の搬送機構。
【請求項19】
前記付勢部材は、前記第1の回転軸とは異なる第2の回転軸を中心として回転し、前記第1の回転体と共に前記被搬送物を回転方向へ搬送する第2の回転体である
ことを特徴とする請求項18に記載の搬送機構。
【請求項20】
前記第1の回転体または前記第2の回転体のうちの一方が、自らの駆動力により回転するように構成されている
ことを特徴とする請求項19に記載の搬送機構。
【請求項21】
前記磁気センサは、前記付勢部材により付勢された状態において、前記被搬送物と前記第1の回転体との接点が前記第1の回転体と前記軸受との間の遊びに基いて描く軌跡に沿って配設されている
ことを特徴とする請求項17から請求項20のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項22】
前記磁気記録媒体は、環状をなしている
ことを特徴とする請求項17から請求項21のいずれか1項に記載の搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−170730(P2006−170730A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362040(P2004−362040)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】