説明

ベルト状金型およびそれを用いたナノインプリント装置

【課題】ナノインプリントにおいて高アスペクト比の微細構造体を高速で安定して形成するための微細構造パターン転写用ベルト状金型およびそれを用いた微細パターン転写装置(ナノインプリント装置)を提供する。
【解決手段】本発明のナノインプリント用のベルト状金型は、ベルト状支持体と、転写しようとする微細な凹凸パターンを一方の表面に有する複数のスタンパと、前記ベルト状支持体と前記スタンパとを固定するための接着部材からなり、前記接着部材は、多孔質体とその両面に形成される接着層から構成され、前記接着層の一部が前記多孔質体に含浸しており、かつ、前記接着層の含浸領域に挟まれるように前記接着層が含浸していない空隙領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン転写用金型およびそれを用いた転写用装置に係り,特に、ナノインプリントにおける微細パターンの転写を高精度かつ低コストで実現するための微細構造転写用金型およびそれを用いた微細構造転写用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路で必要とされる微細構造を加工する技術としてフォトリソグラフィ技術が用いられてきた。しかし、素子の微細化、集積化が更に進み、要求される加工寸法がフォトリソグラフィ技術で露光に用いられる光源の波長程度まで小さくなると、フォトリソグラフィ技術での対応が困難となった。そこで、近年ではこれに代わって、荷電粒子線装置の一種である電子線描画装置が用いられるようになった。
【0003】
この電子線を用いたパターン形成は、マスクパターンを直接描画する方法をとり、従来のようなi線(紫外線の一種)、エキシマレーザー等の光源を用いたパターン形成における一括露光方法と異なる。しかしながら、マスクパターンを直接描画する方法は、描画するパターンが多いほど露光(描画)に必要な時間が増大し、パターン完成までに多大な時間を要するという欠点があり、半導体集積回路の集積度が高まるにつれて、スループットが低下することが懸念される。そこで、電子線描画装置の高速化のために各種形状のマスクを組み合わせて、それらに一括して電子ビームを照射することで複雑な形状の電子ビームを形成する一括図形照射法の開発が進められている。しかしながら、パターンの微細化は進む一方で、電子線描画装置の大型化や、マスク位置の高精度制御など、装置コストが高くなる欠点があった。
【0004】
これに対し、微細パターンの形成を低コストで行うための技術が特許文献1、2、および非特許文献1などにおいて開示されている。これは、基板上に形成したい微細パターンの凹凸を反転した凹凸パターンを有するスタンパを用い、被転写基板表面に形成されたレジスト膜層に対して型押しすることで所望の微細パターンを転写するものである。特に、特許文献2や非特許文献1記載のナノインプリント技術によれば、シリコンウエハをモールドとして用い、25ナノメートル以下の微細構造を転写により一括形成可能であるとしている。
【0005】
さらに、特許文献2および非特許文献1には、次のような転写方法が記載されている。樹脂が塗布された基板上に金型を置いた後、これを加熱、加圧ができる平行平板タイプのプレス装置のステージ上に搭載し、前記樹脂のガラス転移温度以上に加熱後、加圧する。その後、前記樹脂のガラス転移温度以下まで冷却した後、金型と基板を剥離することによってパターン転写が行われる。
【0006】
また、非特許文献2には加圧方式がローラータイプの転写方法について開示されている。本文献によればロールに金型を巻き付け転写することで700nm幅、60nm高さの微細パターン転写が報告されている。また、本文献では平板金型をロールで加圧することで70nm幅、40nm高さのライン状微細パターンが形成されることも記載されている。
【0007】
しかしながら、微細パターンを高精度に形成可能とされる上述のナノインプリント技術においても、次のような問題がある。例えば、特許文献2および非特許文献1に記載の方法によって基板上にパターンを転写するためには、加熱、加圧、冷却、剥離の各工程を逐次行う必要があるので1サイクルのパターン転写に多大な時間を要し、微細構造体の量産化に適用するのは困難である。また、非特許文献2に記載の方法では、加熱転写後直ちに剥離(離型)することから、転写可能なパターンのアスペクト比(パターン高さ/パターン幅)が0.086(60nm/700nm)や0.57(40nm/70nm)と低くなり易く、光学部品やバイオデバイスのようにアスペクト比の高い微細構造体(例えば、アスペクト比1以上)を必要とするデバイスへの適用は困難である。
【0008】
この問題を解決するための方策として、表面に微細パターンを有する長尺ベルト金型を用いたナノインプリント技術(例えば、特許文献3)が提案されている。この方法によればパターン転写工程における加熱、加圧、冷却、剥離の各工程を連続的に行うことができるので、高アスペクト比のパターンを高速で転写することができるとされている。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,259,926号公報
【特許文献2】米国特許第5,772,905号公報
【特許文献3】特開2006−326948号公報
【非特許文献1】S. Y. Chou et al., Appl. Phys. Lett., vol.67, p. 3314 (1995).
【非特許文献2】Hua Tan et al., J. Vac. Sci. Technol., B16(6), p. 3926 (1998).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
通常、数μm以下の微細なパターン形状を形成するには半導体加工技術が必要であるが、加工可能な試料のサイズは現在のところ300 mm径ウエハがほぼ最大であり、大面積の長尺ベルト状金型に直接に微細パターンを加工することは困難である。そのため、微細パターン転写用の長尺ベルト状金型を再現性良く安定して製造する方法、すなわち、高アスペクト比の微細構造体を高速で安定(被転写材料の異常変形や破断を防止)して形成するための長尺ベルト状金型の実現が求められていた。
【0011】
したがって、本発明の目的は、上述の課題を解決し、ナノインプリントにおいて高アスペクト比の微細構造体を高速で安定して形成するための微細構造パターン転写用ベルト状金型およびそれを用いた微細パターン転写装置(ナノインプリント装置)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するため、ナノインプリント用の金型であって、ベルト状支持体と、転写しようとする微細な凹凸パターンを一方の表面に有する複数のスタンパと、前記ベルト状支持体と前記スタンパとを固定するための接着部材からなり、
前記接着部材は、多孔質体とその両面に形成される接着層から構成され、前記接着層の一部が前記多孔質体に含浸しており、かつ、前記接着層の含浸領域に挟まれるように前記接着層が含浸していない空隙領域を前記多孔質体に有していることを特徴とするベルト状金型を提供する。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するため、ナノインプリント用の金型であって、ベルト状支持体と、転写しようとする微細な凹凸パターンを一方の表面に有する複数のスタンパと、前記ベルト状支持体と前記スタンパとを固定するための接着部材からなり、
前記接着部材は、多孔質体とその両面に形成される接着層から構成され、前記接着層の一部が前記多孔質体に含浸しており、前記接着層の含浸領域に挟まれるように前記接着層が含浸していない空隙領域を前記多孔質体に有しており、
かつ、前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部に相当する位置における前記ベルト状金型の厚みは、前記スタンパの中央部に相当する位置における前記ベルト状金型の厚みと比べて小さいことを特徴とするベルト状金型を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するため、上述のベルト状金型と、前記ベルト状金型を輪転させるためのベルト状金型駆動機構と、前記スタンパ表面に形成された微細な凹凸パターンによってパターン転写が為される被転写材料を搬送するための搬送機構と、前記ベルト状金型と前記被転写材料とを挟圧して前記スタンパ表面に形成された微細な凹凸パターンを被転写材料の表面に転写するためのパターン転写機構とを有することを特徴とするナノインプリント装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シート状被転写材料へのパターン転写工程における加熱、加圧、冷却、剥離(離型)の各工程を連続的かつ並列して行うことにより、高アスペクト比の微細構造パターンを有するシート状部品を高スループットで効率よく作製することを可能とするベルト状金型およびナノインプリント装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上述の本発明において、以下のような改良や変更を加えることは好ましい。
(1)前記スタンパは、前記ベルト状支持体の外周表面に結合され、かつ前記微細な凹凸パターンが外側を向いている。
(2)前記接着部材を構成する前記多孔質体は、通気性を有する材料で構成されている。
(3)前記接着部材を構成する前記多孔質体は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂からなる。
(4)前記接着部材を構成する前記接着層は、熱硬化性樹脂である。
(5)前記接着層の厚みは前記接着部材の両面で異なり、前記ベルト状支持体および前記スタンパの接着面のうち平均表面粗さRaが大きい方の面に接着される接着層の厚みが、他方の面に接着される接着層の厚みに比して厚い。
(6)前記スタンパの接着面の投影面は、前記接着部材の接着面よりも小さい。
【0017】
(7)前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部に相当する位置における前記接着部材の厚みは、前記スタンパの中央部に相当する位置の前記接着部材の厚みと比べて小さい。
(8)前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部の厚みは、前記スタンパの中央位置の厚みと比べて薄い。
(9)前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部領域の断面形状は、テーパ形状である。
(10)前記ベルト状支持体表面に沿って配置された複数のスタンパのうち互いに隣接するスタンパの間にある間隙部には、樹脂材料が充填されている。
(11)前記ベルト状支持体表面に沿って配置された複数のスタンパのうち互いに隣接するスタンパの間にある間隙部には、前記間隙部を跨ぐように間隙部に隣接する前記スタンパ表面にテープ状材料が具備されている。
【0018】
以下に、図を参照しながら、本発明に係る実施の形態を説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施の形態に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
【0019】
〔本発明の第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るベルト状金型の模式図であり、図1(a)は全体図、図1(b)は断面構成模式図、図1(c)は接着部材の断面構成模式図である。ベルト状金型100は、微細な凹凸パターンを有する複数のスタンパ101がエンドレスベルト102の一方の表面に沿って配置された構造となっている。図1(b)に示すように、スタンパ101とエンドレスベルト102の間には、多孔質体104の表裏両面に熱硬化性樹脂105の層を有する接着部材103がある。スタンパ101およびエンドレスベルト102は、接着部材103の表裏面の熱硬化性樹脂105とそれぞれ接着されることによって固定される。図1(c)に示すように、多孔質体104は、その内部に空間的に連続した空隙(すなわち通気性)を有しているが、熱硬化性樹脂105と接触する近傍では空隙中に熱硬化性樹脂が含浸した含浸領域201が存在している。また、多孔質体104には、多孔質体104両面の含浸領域201で挟まれるように、空隙が残存する空隙領域202が存在している。
【0020】
次に、図2を用いて、本発明によるベルト状金型100の製造方法を説明する。図2は、本発明に係るベルト状金型の製造工程の概略を示した断面模式図である。
【0021】
はじめに図2(a)に示すような各部材を用意する。スタンパ101は、例えば次のよう方法で製造することができる。シリコンや石英などの半導体プロセス加工が可能な基板表面に所望の微細な凹凸パターンを加工し、これをスタンパの原盤とする。この原盤表面に例えばNiメッキを施した後、原盤とめっき箔を剥離し、得られたNiメッキ箔(例えば、厚み約50〜100μm)をスタンパ101とする。エンドレスベルト102は、例えばステンレス製帯状薄板(例えば、厚み約100μm)の始端と終端とを溶接等で接合して製造することができる。また、接着部材103は、例えばポリテトラフルオロエチレン製の多孔質体104(例えば、厚み約30〜100μm)のシート両面に、熱硬化性樹脂105(例えば、エポキシ樹脂、厚み約30μm)を設けることにより製造することができる。
【0022】
次に、エンドレスベルト102の表面に、接着部材103およびスタンパ101を重ねて配置する(図2(b))。その後、熱硬化性樹脂105が軟化・溶融し、且つ、熱硬化しない温度まで昇温したプレス機構110でこれらの重ね合わせた部材を狭圧することによりスタンパ101、接着部材103、およびエンドレスベルト102を熱圧着させる(図2(c))。これらの工程を複数のスタンパ101毎に位置をずらして繰り返すことで、接着部材103を介して全てのスタンパ101をエンドレスベルト102に熱圧着させることができる。なお、図2(d)に示したように、プレス機構110に替えて、ロールプレス機構111で狭圧しながら各部材を移動させることによって複数のスタンパ101を連続的に密着固定することも可能である。全てのスタンパを密着固定した後、熱硬化性樹脂105が硬化する温度まで昇温した恒温槽等(図示せず)で硬化処理を施すことでベルト状金型100を得ることができる。
【0023】
次に、本発明の接着部材103の効果について説明する。図3は、本発明に係るベルト状金型100の製造における接着部材103の効果を比較説明するための断面模式図である。図3は、構成する各部材を熱圧着する直前の断面構造であり、スタンパ101と熱硬化性樹脂105の間に外部の雰囲気が巻き込まれて、熱硬化性樹脂105の内部にボイド301が残留した状態を現している。
【0024】
熱圧着、熱硬化処理を施したベルト状金型の内部にボイドが残留している場合、例えばボイド付近のスタンパ表面が膨らんでパターン転写面にうねりを生じる等、パターン転写精度に悪影響を与える原因となる。そのため、例えば熱圧着工程時に、何らかの方策によりボイドを排出し、消滅させる必要がある。ここで、図3(a)のように多孔質体104の内部に空隙領域202を有する場合、熱圧着の際に熱硬化性樹脂105が軟化するため、ボイド301は熱硬化性樹脂内部を流動しやすくなる。このとき、外部の雰囲気と接続された(すなわち、通気性を有する)空隙領域202がボイド301近傍に存在していれば、ボイド301は空隙領域202を通って外部へと排出され、ボイド301を消滅させることができる。これに対し、図3(b)のように多孔質体104の内部が全て熱硬化性樹脂105で充填されて空隙領域が存在しない場合、ボイド301を排出するためにはスタンパ101の端部まで流動させる必要があり、ボイド301を消滅させることが困難である。すなわち、本実施の形態のように、接着部材103は、その内部に熱硬化性樹脂105が含浸されない空隙領域202を有する構造であることが望ましい。
【0025】
〔本発明の第2の実施の形態〕
本実施の形態においては、ベルト状金型の接着部材103の構造について、より詳細に説明する。第1の実施の形態ではスタンパ101やエンドレスベルト102の接着面が十分平滑な場合を想定して説明した。しかしながら、スタンパ101やエンドレスベルト102の接着面が荒れた表面(無視できない凹凸がある)である場合に、接着部材103との接着が不十分で予期しない剥離現象が発生することがあった。
【0026】
この剥離現象の要因は次のように考えられる。図4は、ベルト状金型100の製造における剥離現象の要因を説明するための断面模式図である。図4(a)は、熱硬化性樹脂105の厚みが多孔質体104の両面共に同じで、熱硬化性樹脂105の厚みと同程度の凹凸がスタンパ101の接着面に存在するときの構成を示す。このような状態で各部材を熱圧着すると、例えば図4(b)に示したように、熱硬化性樹脂105が流動してスタンパ101接着面の凹凸に充填されていき、スタンパ101側の含浸領域201の厚みが減少することが考えられる。この場合、熱硬化性樹脂105と多孔質体104との接着力が低下するために、剥離現象が発生するものと考えられる。また、図4(c)に示したように、含浸領域201の熱硬化性樹脂105がスタンパ101側に流動せず、含浸領域201に含まれない熱硬化性樹脂105だけがスタンパ101接着面の凹凸に充填されることが考えられる。この場合、スタンパ101と接着部材103の間に隙間302が生じて接着力が低下するため、剥離現象が発生するものと考えられる。
【0027】
図5を用いて上記問題を解決するための構成を説明する。図5は、本発明に係るベルト状金型100の製造における接着部材103の構造因子を説明するための断面模式図である。図5(a)に示すように、スタンパ101の接着面の方がエンドレスベルト102の接着面と比べて大きな凹凸を有している(すなわち、平均表面粗さRaが大きい)場合において、スタンパ101側の熱硬化性樹脂105の厚みは、エンドレスベルト102側の熱硬化性樹脂105の厚みと比して大きい構造になっている。スタンパ101側の含浸領域201に含まれない熱硬化性樹脂105の厚さを充分に厚くすることで、図5(b)に示すように、含浸領域201の減少や隙間の発生が防止でき、スタンパ101やエンドレスベルト102との剥離現象を防止することができるようになった。
【0028】
ここで、上記の結果から、接着部材103において熱硬化性樹脂105全体を厚くしさえすれば、接着面の凹凸の問題は解決できるという短絡的な発想が想定される。しかしながら、過剰の熱硬化性樹脂は熱圧着時に空隙領域202へ流動し、多孔質体104が全て含浸領域201となることが懸念される(図3(b)参照)。また、ベルト状金型でパターン転写するために、エンドレスベルト側に接触した熱源からの伝熱でスタンパを加熱する場合、接着部材103が厚くなると熱抵抗が大きくなり加熱効率が低下することから、転写のライン速度を抑制する弊害も生じる。したがって、必要以上に熱硬化性樹脂を厚くすることはせず、接着強度を維持できる程度の範囲で接着面の粗さに適応させることが肝要である。
【0029】
〔本発明の第3の実施の形態〕
本実施の形態では、ベルト状金型100の接着部材103とスタンパ101の大きさの関係について説明する。図6は、本発明に係るベルト状金型100の製造における接着部材103の他の構造因子を説明するための断面模式図である。図6(a)はスタンパ101と接着部材103の大きさが接着面方向に同じ場合の熱圧着時の構成を示し、図6(b)はスタンパ101と比べて接着部材103の大きさが大きい場合の熱圧着時の構成を示す。なお、ここで言う「大きさ」とは投影面の大きさを意味し、より具体的にはエンドレスベルト102に対面する周方向の長さと幅方向の長さを意味する。
【0030】
図6に示すようにスタンパ101と接着部材103を熱圧着したところ、図6(a)においてスタンパ101の端部で接着部材103との接着が不十分と思われる剥離現象が生じる場合があった。一方、図6(b)においては、スタンパ101端部と接着部材103の剥離現象は発生しなかった。
【0031】
この差異の理由は次のように考えられる。図6(a)において、スタンパ101に加圧力が加わると接着部材103は圧縮されるが、このとき接着部材103の端部では側面(側方)の開放空間に向かってはみ出すように変形するはずである。そのため、スタンパ101と接着部材103の端部付近に掛かるべき加圧力と熱硬化性樹脂105が逃げてしまい、スタンパ101と接着部材103との密着力が不足して接着面での剥離現象が生じる場合があると考えられる。一方、図6(b)においては、スタンパ101よりも広い範囲にまで接着部材103が存在しているため、スタンパ101端部付近の接着部材103の横方向への変形が抑えられる。これにより、加圧力の逃げが小さくなることで、スタンパ101と接着部材103との密着力が高くなり、接着面での剥離現象を防止できると考えられる。
【0032】
ところで、ベルト状金型を用いて連続パターン転写する場合、被転写材料と密着したスタンパの一端を引き上げてベルト状金型を曲げながら連続的に離型することになる。そのため、スタンパ端部(特に、エンドレスベルト周方向の端部)が剥離していると、離型のタイミングや角度がずれて被転写材料にダメージを与えるという問題が生じる。また、スタンパより接着部材が小さい場合にも同様の問題が生じる。このようにスタンパ端部には、剥離現象や未接着部分が無いことが望ましい。
【0033】
なお、装置構造においてスタンパと被転写材料との剥離時の角度が充分に小さくなるように設計すれば、離型のタイミングや角度のずれが相対的に小さくなるため、被転写材料へのダメージが抑制できる可能性はある。しかしながら、スタンパと被転写材料との剥離角度を充分に小さくすることは、剥離完了までの距離が長くなることを意味し、ナノインプリント装置の大型化に繋がるという点で不利となる。よって、装置を大型化すること無しにベルト状金型によるパターン転写を安定して行うためには、スタンパ端部がエンドレスベルト表面から浮き上がることなくきちんと固定されていることが望ましい。すなわち、スタンパの投影面(接着面)よりも大きな接着部材を使用することが好ましいと言える。
【0034】
〔本発明の第4の実施の形態〕
本実施の形態では、スタンパ101の形状について説明する。図7は、本発明に係るベルト状金型100におけるスタンパ101の構造因子を説明するための断面模式図である。図7では、スタンパ101と接着部材103との接着面がスタンパ101の凹凸パターン形成面と比べて広くなるように、スタンパ101の端部近傍がテーパ形状を有する構造を示している。
【0035】
この構造による効果とその原理は次の通りである。パターン転写時に被転写材料とスタンパ101の凹凸パターン形成面との密着力が強くて離型し難い場合には、スタンパ101と接着部材103との間に接着面に垂直方向の引張り力が掛かる。ここで、スタンパ101の端部がテーパ形状でない場合(例えば、図6(b)参照)、スタンパ101の凹凸パターン形成面の端部に加わる力が、そのまま接着面の端部で接着面の垂直方向に掛かることになる。これに対し、図7のようにスタンパ101の端部がテーパ形状である場合、スタンパ101の凹凸パターン形成面の端部に掛かる引張り力は、接着面の端部に対してテーパ面に沿った斜め方向に掛かることになる。この斜め方向の引張り力は、接着面に対して水平/垂直方向成分に分解して考えることができる。すなわち、スタンパ101と接着部材103を引き剥がそうとする垂直方向成分の分力は、元の引張り力(斜め方向の力)よりも小さくなるため、より剥がれ難くなる。従って、パターン転写時にスタンパ101の端部が剥がれることを抑制するためには、スタンパ101の端部近傍をテーパ形状とすることが好ましいと言える。
【0036】
〔本発明の第5の実施の形態〕
本実施の形態では、ベルト状金型によるパターン転写に適したスタンパ及び接着部材の構造について説明する。図8は、本発明に係るベルト状金型におけるスタンパ101および接着部材103の他の構造因子を説明するための断面模式図である。図8(a)には、スタンパ101の端部に近い位置ほど、スタンパ101の厚さが薄くなっているベルト状金型の構造を示した。また、図8(b)には、スタンパ101の端部に近い位置ほど、接着部材103の厚さが薄くなっているベルト状金型の構造を示した。いずれの構造においても、エンドレスベルト102と接着部材103との接着面からスタンパ101表面までの距離が、スタンパ101の端部に近いほど小さくなっている。言い換えると、スタンパ101の端部に相当する位置のベルト状金型の厚みが小さくなっている。
【0037】
本実施の形態による効果を以下に説明する。ベルト状金型に配置されているスタンパ101よりも大きな被転写材料にパターン転写する際、スタンパ101の端部は押圧の応力集中箇所となり易く、被転写材料に対して深く食い込んだり、そこを支点として被転写材料が変形したりする(例えば、スタンパ101の存在しない空間側に曲がる)場合がある。このような場合、スタンパ101の端部に相当する位置の被転写材料の厚みが低下し、ひいては被転写材料の破損や破断を引き起こす可能性がある。これに対し、本実施の形態は、スタンパ101の端部に相当する位置のベルト状金型の厚みを小さくすることで、パターン転写時にスタンパ101の端部に加わる過剰な加圧力を低減することができる。これにより、被転写材料への食い込みを抑制し、被転写材料の破損を防止することが可能となる。
【0038】
なお、スタンパ101の端部とは、エンドレスベルト周方向(長手方向)での端部とエンドレスベルト幅方向での端部の両方を含む。また、スタンパの端部をスタンパの周縁部と解釈してもよい。
【0039】
〔本発明の第6の実施の形態〕
本実施の形態では、ベルト状金型におけるスタンパ周辺部の構造について説明する。図9は、本発明に係るベルト状金型におけるスタンパ101の周辺部の構造因子を説明するための断面模式図である。図9(a)には、隣接するスタンパ101の間にシリコンゴム製のスペーサ401を充填した場合のベルト状金型の構造を示した。また、図9(b)には、隣接するスタンパ101の凹凸パターン形成面の端部同士を跨ぐようにポリイミド製のスペーサ402を取り付けた場合のベルト状金型の構造を示した。
【0040】
本実施の形態による効果は次の通りである。個々のスタンパ101の面積よりも大きな被転写材料に連続的にパターン転写する際、隣接するスタンパ101間に隙間があると、スタンパ間の隙間に周辺から押圧された被転写材料が流れ込み、被転写材料が肉厚に形成される部位ができ易い。また、前述したように、スタンパの端部は押圧の応力集中箇所となり易く、被転写材料に深く食い込み易い。言い換えると、スタンパ101の凹凸パターン形成面の端部は、肉薄になり易い。特に被転写材料が薄いシート状である場合、このような厚みの差の影響は顕著であり、被転写材料の強度バランスが崩れて被転写シートの破断を引き起こす場合がある。
【0041】
これに対し、本実施の形態は、図9に示したように隣接するスタンパ101間の隙間にスペーサ401、402を設けて、隙間への被転写材料の流れ込みを防止した。これにより、上記の問題を回避することができる。なお、本実施の形態ではスペーサにシリコンゴムやポリイミドを用いた例を説明したが、ベルト状金型によるパターン転写条件のもとで特段劣化しない材料であれば、これらの材料に限定されるものではない。また、図9で示した方法を個別に適用するだけでなく、例えば、スペーサ401を充填した上にスペーサ402で覆うことも可能である。
【0042】
〔本発明の第7の実施の形態〕
本実施の形態では、ベルト状金型を用いたナノインプリント装置の構成について説明する。図10は、被転写材料の片面にパターン転写するための本発明に係るナノインプリント装置の構成例を示す模式図である。図10(a)において、本発明のベルト状金型100は、加圧ロール501の間を通して駆動ロール502、503、504、505の外周に接触して取り付けられている。被転写材料である樹脂シート500は、例えばポリスチレン製を用いることができ、予めロール状に巻き取ったものをシート供給リール508に取り付けてベルト状金型100と共に加圧ロール501の間を通し、シート巻取リール509に巻きつけられる。また、図10(b)には、シート供給リール508、シート巻取リール509、および樹脂シート500がベルト状金型100の内側に配置された例を示す。スタンパはベルト状ナノ金型100の内周面に取り付けられている。図10(b)の場合、駆動ロール502、503、504’、505に面する側にスタンパが配置されているため、スタンパ表面に傷が付かないような処置を施すことが望ましい。例えば、スタンパ表面が駆動ロール表面と接触しないように駆動ロールの形状を凹状にしたり、あるいはスタンパ表面と接触しても傷が付き難いように駆動ロールの表面を柔軟な材質で被覆したりしてもよい。
【0043】
パターン転写は次のように行う。まず、ベルト状金型100のスタンパ表面の温度が、樹脂シート500のガラス転移温度以上となるように加圧ロール501を加熱する。加圧ロール501の加熱は、加熱ランプ507および/または加圧ロール501の内蔵ヒータ(図示せず)によって行うことができる。
【0044】
次に、加熱した加圧ロール501を所定の速度で回転しながらベルト状金型100および樹脂シート500を狭圧することで、ベルト状金型表面(スタンパ)の凹凸パターンを樹脂シート500に転写する。その後、ベルト状金型100および樹脂シート500を加圧ロール501で狭圧された位置から移動し、エアブロワー506等により冷却する。樹脂シート500の温度がガラス転移温度以下に下がった後、駆動ロール504の位置でベルト状金型100と樹脂シート500を分離する。なお、加熱方法や冷却方法は、上述の説明に限定されるものではない。
【0045】
前述した第1の実施形態のベルト状金型を用い図10(a)に示したナノインプリント装置を用いて、ポリスチレンシートに微細パターンを転写したところ、図11に示すような直径200 nm、高さ280 nm、アスペクト比1.4という、微細で高アスペクト比のパターン転写を実現できた。図11は、本発明に係るナノインプリント装置で作製した被転写シートの表面SEM観察像である。
【0046】
図12は、被転写材料の両面にパターン転写するための本発明に係るナノインプリント装置の構成例を示す模式図である。図12に示すように、ベルト状金型100’および各駆動ロールを樹脂シート500の両面に設けることで、微細パターンを被転写材料の両面に転写することが可能となる。なお、ベルト状金型100、100'の微細パターンは、同じであっても異なっていてもよい。また、加圧ロール501による狭圧の前に、加熱ランプ507によりベルト状金型100、100'や樹脂シート500を予熱することは好ましい。また、前述と同様に、加圧ロール501にヒータを内蔵することは好ましく、加圧ロール501による狭圧の後、エアブロワー506でベルト状金型100や樹脂シート500を冷却することも好ましい。
【0047】
図13は、被転写材料の両面にパターン転写するための本発明に係るナノインプリント装置の別の構成例を示す模式図である。図13に示すように、ヒータを内蔵した加圧ロール501’の表面に、ベルト状金型100、100’を巻き付けるように取り付けることにより、ベルト状金型の加熱効率が向上し、ベルト状金型の輪転速度(ライン速度)を上げることが可能となる。なお、図示していないが、被転写材料である樹脂シート500を予熱するために加熱ランプを設けてもよい。
【0048】
(実施の形態の効果)
上記の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)本発明のベルト状金型の接着部材は、その内部に熱硬化性樹脂が含浸されない空隙領域を有することから、スタンパの熱圧着の際に、ベルト状金型内部のボイドを速やかに排出でき、パターン転写精度の高いベルト状金型を提供できる。
(2)本発明のベルト状金型の接着部材は、被接着物(ベルト状支持体およびスタンパ)の接着面の平均表面粗さに合わせた接着層の厚みを有することから、接着部材中の含浸領域の減少や隙間の発生が防止でき、スタンパやベルト状支持体との剥離現象を防止することができる
(3)本発明のベルト状金型は、スタンパの投影面(接着面)よりも大きな接着部材を使用することにより、熱圧着時の加圧力の逃げが小さくなることで、スタンパと接着部材との密着力が高くなり、接着面での剥離現象を防止できる。
(4)本発明のベルト状金型のスタンパは、その端部近傍がテーパ形状を有していることにより、スタンパを接着部材から引き剥がそうとする垂直方向成分の分力が小さくなり、パターン転写時にスタンパの剥離現象を抑制することができる。
(5)本発明のベルト状金型は、スタンパの端部に相当する位置のベルト状金型の厚みが小さくなっていることにより、パターン転写時に被転写材料への食い込みを抑制し、被転写材料の破損を防止することができる。
(6)本発明のベルト状金型は、スタンパ間の隙間にスペーサを設けることにより、パターン転写時に隙間への被転写材料の流れ込みを防止し、被転写材料の破損を予防することができる。
(7)本発明のナノインプリント装置は、高アスペクト比の微細パターンを転写することができ、かつベルト状金型による連続的な転写が可能なことから、高アスペクト比の微細構造体を必要とする高機能デバイスを高スループットで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るベルト状金型の模式図である。
【図2】本発明に係るベルト状金型の製造工程の概略を示した断面模式図である。
【図3】本発明に係るベルト状金型の製造における接着部材の効果を比較説明するための断面模式図である。
【図4】ベルト状金型の製造における剥離現象の要因を説明するための断面模式図である。
【図5】本発明に係るベルト状金型の製造における接着部材の構造因子を説明するための断面模式図である。
【図6】本発明に係るベルト状金型の製造における接着部材の他の構造因子を説明するための断面模式図である。
【図7】本発明に係るベルト状金型におけるスタンパの構造因子を説明するための断面模式図である。
【図8】本発明に係るベルト状金型におけるスタンパおよび接着部材の他の構造因子を説明するための断面模式図である。
【図9】本発明に係るベルト状金型におけるスタンパの周辺部の構造因子を説明するための断面模式図である。
【図10】被転写材料の片面にパターン転写するための本発明に係るナノインプリント装置の構成例を示す模式図である。
【図11】本発明に係るナノインプリント装置で作製した被転写シートの表面SEM観察像である。
【図12】被転写材料の両面にパターン転写するための本発明に係るナノインプリント装置の構成例を示す模式図である。
【図13】被転写材料の両面にパターン転写するための本発明に係るナノインプリント装置の別の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0050】
100,100’…ベルト状金型、101…スタンパ、102…エンドレスベルト、
103…接着部材、104…多孔質体、105…熱硬化性樹脂、
110…プレス機構、111…ロールプレス機構、
201…含浸領域、202…空隙領域、301…ボイド、302…隙間、
401,402…スペーサ、
500…樹脂シート、501,501’…加圧ロール、
502,503,504,504’,505…駆動ロール、
506…エアブロワー、507…加熱ランプ、
508…シート供給リール、509…シート巻取リール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノインプリント用の金型であって、
ベルト状支持体と、転写しようとする微細な凹凸パターンを一方の表面に有する複数のスタンパと、前記ベルト状支持体と前記スタンパとを固定するための接着部材からなり、
前記接着部材は、多孔質体とその両面に形成される接着層から構成され、前記接着層の一部が前記多孔質体に含浸しており、かつ、前記接着層の含浸領域に挟まれるように前記接着層が含浸していない空隙領域を前記多孔質体に有していることを特徴とするベルト状金型。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト状金型であって、
前記スタンパは、前記ベルト状支持体の外周表面に結合され、かつ前記微細な凹凸パターンが外側を向いていることを特徴とするベルト状金型。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のベルト状金型であって、
前記多孔質体が通気性を有することを特徴とするベルト状金型。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルト状金型であって、
前記多孔質体が樹脂からなることを特徴とするベルト状金型。
【請求項5】
請求項4に記載のベルト状金型であって、
前記樹脂がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含むことを特徴とするベルト状金型。
【請求項6】
請求項1に記載のベルト状金型であって、
前記接着層が熱硬化性樹脂であることを特徴とするベルト状金型。
【請求項7】
請求項1に記載のベルト状金型であって、
前記接着層の厚みが前記接着部材の両面で異なり、前記ベルト状支持体および前記スタンパの接着面のうち平均表面粗さRaが大きい方の面に接着される接着層の厚みが、他方の面に接着される接着層の厚みに比して厚いことを特徴とするベルト状金型。
【請求項8】
請求項1に記載のベルト状金型であって、
前記スタンパの接着面の投影面が前記接着部材の接着面よりも小さいことを特徴とするベルト状金型。
【請求項9】
ナノインプリント用の金型であって、
ベルト状支持体と、転写しようとする微細な凹凸パターンを一方の表面に有する複数のスタンパと、前記ベルト状支持体と前記スタンパとを固定するための接着部材からなり、
前記接着部材は、多孔質体とその両面に形成される接着層から構成され、前記接着層の一部が前記多孔質体に含浸しており、前記接着層の含浸領域に挟まれるように前記接着層が含浸していない空隙領域を前記多孔質体に有しており、
かつ、前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部に相当する位置における前記ベルト状金型の厚みは、前記スタンパの中央部に相当する位置における前記ベルト状金型の厚みと比べて小さいことを特徴とするベルト状金型。
【請求項10】
請求項9に記載のベルト状金型であって、
前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部に相当する位置における前記接着部材の厚みが、前記スタンパの中央部に相当する位置の前記接着部材の厚みと比べて小さいことを特徴とするベルト状金型。
【請求項11】
請求項9に記載のベルト状金型であって、
前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部の厚みが、前記スタンパの中央位置の厚みと比べて薄いことを特徴とするベルト状金型。
【請求項12】
請求項11に記載のベルト状金型であって、
前記接着部材と前記スタンパとが接着される接着面に沿って平行な方向に見たとき、前記スタンパの端部領域の断面形状が、テーパ形状であることを特徴とするベルト状金型。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のベルト状金型であって、
前記ベルト状支持体表面に沿って配置された複数のスタンパのうち互いに隣接するスタンパの間にある間隙部には、樹脂材料が充填されていることを特徴とするベルト状金型。
【請求項14】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のベルト状金型であって、
前記ベルト状支持体表面に沿って配置された複数のスタンパのうち互いに隣接するスタンパの間にある間隙部には、前記間隙部を跨ぐように間隙部に隣接する前記スタンパ表面にテープ状材料が具備されていることを特徴とするベルト状金型。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のベルト状金型と、前記ベルト状金型を輪転させるためのベルト状金型駆動機構と、前記スタンパ表面に形成された微細な凹凸パターンによってパターン転写が為される被転写材料を搬送するための搬送機構と、前記ベルト状金型と前記被転写材料とを挟圧して前記スタンパ表面に形成された微細な凹凸パターンを被転写材料の表面に転写するためのパターン転写機構とを有することを特徴とするナノインプリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−78521(P2009−78521A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251415(P2007−251415)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 ナノテクノロジープログラム、革新的部材産業創出プログラム ナノテク・先端部材実用化研究開発 大面積・高スループットナノインプリント装置・プロセス技術および新デバイス応用に関する研究開発委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】