説明

ペプチド治療剤コンジュゲートおよびその使用

本発明は、式:A-X-B(式中、Aは血液脳関門を通過する、または特定の細胞型への化合物の輸送を増強することができるペプチドベクターであり、Xはリンカーであり、ならびにBはペプチド治療剤である)を有する化合物を特徴とする。本発明の化合物を用いて、ペプチド治療剤が有用である任意の疾患を治療することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:A-X-B
[式中、
Aは配列番号1〜105および107〜114からなる群より選択される配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列またはその断片を含むペプチドベクターであり;
Xはリンカーであり;ならびに
Bはペプチド治療剤である]
を有する化合物。
【請求項2】
前記ペプチド治療剤が、抗菌ペプチドもしくは抗生物質ペプチド、胃腸ペプチド、膵臓ペプチド、ペプチドホルモン、視床下部ホルモン、下垂体ホルモン、および神経ペプチドからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、Angiopep-1(配列番号67)、Angiopep-2(配列番号97)、cys-Angiopep-2(配列番号113)、およびAngiopep-2-cys(配列番号114)からなる群より選択される配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記配列同一性が、少なくとも90%である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記ポリペプチドが、Angiopep-1(配列番号67)、Angiopep-2(配列番号97)、cys-Angiopep-2(配列番号113)、およびAngiopep-2-cys(配列番号114)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記ポリペプチドが、Angiopep-1(配列番号67)、Angiopep-2(配列番号97)、cys-Angiopep-2(配列番号113)、およびAngiopep-2-cys(配列番号114)からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Xが、式:
【化1】

[式中、nは2〜15の整数であり;YはA上のチオールであり、ZはB上の第一級アミンであるか、またはYはB上のチオールであり、ZはA上の第一級アミンである]
を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
nが3、6、または11である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xがペプチド結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Xが少なくとも1個のアミノ酸であり;AおよびBがそれぞれペプチド結合によりXに共有結合している、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
請求項9または10に記載の化合物をコードする核酸分子。
【請求項12】
前記核酸がプロモーターに機能し得る形で連結されている、請求項11に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項13】
細胞中で請求項12に記載のベクターによりコードされるポリペプチドを発現させ、該ポリペプチドを精製することを含む、請求項9または10に記載の化合物の作製方法。
【請求項14】
固相支持体上で前記化合物を合成することを含む、請求項9または10に記載の化合物の作製方法。
【請求項15】
代謝障害を治療するのに十分な量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、該障害を有する被験体を治療する方法。
【請求項16】
前記十分量が、ペプチドベクターにコンジュゲートされていない場合、同等用量のペプチド治療剤にとって必要な量の50%未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記量が15%未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記代謝障害が、糖尿病、肥満、肥満の結果としての糖尿病、高血糖症、脂質異常症、高トリグリセリド血症、X症候群、インスリン耐性、耐糖能異常障害(IGT)、糖尿病性脂質異常症、高脂血症、心血管疾患、または高血圧である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記障害が糖尿病である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記障害がII型糖尿病である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記障害が肥満である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
食物摂取を減少させるか、または体重を減少させるのに十分な量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を被験体に投与することを含む、被験体による食物摂取を減少させるか、または被験体の体重を減少させる方法。
【請求項23】
前記被験体が過体重であるか、または肥満体である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体が過食症である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
不安、運動障害、攻撃性、精神病、発作、パニック発作、ヒステリー、睡眠障害、アルツハイマー病、およびパーキンソン病からなる群より選択される障害を治療または予防する方法であって、該障害を治療または予防するのに十分な量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を被験体に投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を被験体に投与することを含む、被験体における神経発生を増加させる方法。
【請求項27】
前記被験体が、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、ALS、脳卒中、ADD、または神経精神症候群に罹患している、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
神経発生における前記増加が、前記被験体における学習機能を改善するか、または神経保護を増強する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
被験体において肝臓の幹細胞/前駆細胞を機能的な膵臓細胞に変換する方法;β細胞の崩壊およびβ細胞増殖の刺激を防止する方法;肥満を治療する方法;食欲を抑制し、満腹を誘導する方法;過敏性腸症候群を治療する方法;心筋梗塞および脳卒中に関連する罹患率および/もしくは死亡率を低下させる方法;Q波心筋梗塞が存在しないことを特徴とする急性冠症候群を治療する方法;術後の異化変化を減衰させる方法;冬眠心筋もしくは糖尿病性心筋症を治療する方法;ノルエピネフリンの血漿レベルを抑制する方法;尿中ナトリウム排出を増加させる方法、尿中カリウム濃度を低下させる方法;毒性循環血液量過多、腎不全、鬱血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、肺水腫、および高血圧に関連する症状もしくは障害を治療する方法;変力反応を誘導し、心筋収縮能を増加させる方法;多嚢胞性卵巣症候群を治療する方法;呼吸困難を治療する方法;非消化経路、すなわち、静脈内、皮下、筋肉内、腹膜、または他の注射もしくは輸液を介する栄養摂取を改善する方法;場合により異常な左心室駆出率を伴う左心室収縮機能障害を治療する方法;場合により下痢、術後ダンピング症候群および過敏性腸症候群などの胃腸障害の治療もしくは予防のため、ならびに内視鏡手順における前投薬として、幽門洞十二指腸運動を阻害する方法;重症疾患多発性神経障害(CIPN)および全身性炎症反応症候群(SIRS)を治療する方法;トリグリセリドレベルを調節し、脂質異常症を治療する方法;虚血後の血流の再かん流により引き起こされた器官組織損傷を治療する方法;または冠動脈性心疾患危険因子(CHDRF)症候群を治療する方法であって、有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を前記被験体に投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
被験体における癌、神経疾患、またはリソソーム貯蔵障害を治療する方法であって、該癌、疾患、または障害を治療するのに十分な量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を前記被験体に投与することを含む、前記方法。
【請求項31】
前記癌が脳の癌または血液脳関門(BBB)により保護される他の癌であり、前記ペプチドベクターがBBBを通過して効率的に輸送される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記癌が、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、乏突起膠腫、上衣腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、混合性神経膠腫、乏突起星細胞腫、髄芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、胚細胞腫、および奇形腫からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記癌が、肝細胞癌、乳癌、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫などの種々のリンパ腫を含む頭部および頸部の癌、アデノーマ、扁平上皮癌、喉頭癌、網膜の癌、食道の癌、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮癌、メラノーマ、結腸直腸癌、膀胱癌、前立腺癌、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、膵臓癌、頸部癌、頭部および頸部癌、皮膚癌、鼻咽頭癌、脂肪肉腫、上皮癌、腎細胞癌、胆嚢腺癌、耳下腺癌、子宮内膜肉腫、ならびに多剤耐性癌からなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記神経疾患が、アレキサンダー病、アルパー病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、毛細血管拡張性運動失調症、バッテン病(シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン病)、ウシ海綿状脳症(BSE)、カナバン病、コケーン症候群、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、レヴィー小体認知症、マチャド・ジョセフ病(3型脊髄小脳失調)、多発性硬化症、多系統萎縮症、ナルコレプシー、神経ボレリア症、パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、レフサム病、シルダー病(すなわち、副腎白質ジストロフィー)、統合失調症、脊髄小脳失調、脊髄性筋萎縮症、スティール-リチャードソン-オルゼウスキー病、および脊髄癆からなる群より選択される、請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公表番号】特表2012−510798(P2012−510798A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538811(P2011−538811)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001781
【国際公開番号】WO2010/063124
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511093410)アンジオケム インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】