説明

ホスホリパーゼ酵素阻害剤の処方

本発明は、ホスホリパーゼ酵素、例えば細胞質PLAの阻害剤の処方、これを含有する組成物およびその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第60/855,569号(2006年10月31日出願)(出典明示により本明細書に組み入れる)の利益を請求する。
【0002】
本発明は、ホスホリパーゼ酵素、例えばサイトゾルPLAの阻害剤の処方、これを含有する組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ロイコトリエンおよびプロスタグランジンは、炎症の重要なメディエーターであり、これらは各々、異なる方法で炎症応答の進行に寄与している。ロイコトリエンは、炎症性細胞、例えば好中球を炎症性部位に集め、細胞の溢出を促進し、組織を損傷するスーパーオキシドおよびプロテアーゼを刺激する。ロイコトリエンはまた、喘息により経験する過敏性において病態生理学的な役割を演じる[例えば、B.Samuelsonら、Science237:1171−76(1987)を参照]。プロスタグランジンは、血流を増加させることにより炎症を増強させ、したがって、炎症部位に白血球が入り込む。プロスタグランジンはまた、刺激により誘発される痛みの応答を増強する。
【0004】
プロスタグランジンおよびロイコトリエンは不安定であり、細胞に貯蔵されないが、その代わりに痛みに応答してアラキドン酸から合成される[W.L.Smith,Biochem.J.259:315−324(1989)]。プロスタグランジンは、アラキドン酸から、COX−1およびCOX−2酵素の作用により産生される。アラキドン酸はまた、ロイコトリエンの産生を誘導する別の酵素経路に関する物質でもある。
【0005】
二つの異なる炎症経路に送り込まれるアラキドン酸は、ホスホリパーゼA酵素(以下、本明細書においてPLAという)により、膜リン脂質のsn−2位から放出される。PLAにより触媒される反応は、液体媒体生合成の方法および炎症性プロスタグランジンおよびロイコトリエンの産生の律速工程にあると考えられる。PLAのリン脂質物質が、sn−1位でエーテル結合を有するホスホチジルコリン類である場合、産生されたリゾリン脂質は、血小板活性化因子(以下、本明細書においてPAFと称する)の直接の前駆体、他の炎症の有力なメディエーターである[S.I.Wasserman,Hospital Practice,15:49−58(1988)]。
【0006】
ほとんどの抗炎症治療は、別個の経路からのプロスタグランジンまたはロイコトリエンの産生を防止することに焦点を当てているが、これらがすべてではない。例えば、イブプロフェン、アスピリンおよびインドメタシンはすべてNSAIDであり、これは、COX−1/COX−2阻害によりプロスタグランジンを阻害するが、他の経路におけるアラキドン酸からのロイコトリエンの炎症性産生には影響を与えない。逆に、ジレウトンは、プロスタグランジンの産生に影響を与えることなく、アラキドン酸のロイコトリエンへの変換経路のみを阻害する。これらの広範囲に用いられる抗炎症剤には、PAFの産生に影響を与えるものはない。
【0007】
その結果、PLA活性の直接阻害、すなわち、炎症性応答を妨げることが、治療剤の有用なメカニズムとして示唆されている[例えば、J.Changら、Biochem.Pharmacol.36:2429−2436(1987)を参照]。
【0008】
分泌シグナル配列の存在により特徴付けられ、最終的に細胞から分泌されるPLA酵素のファミリーは、配列が決定され、構造的に定義されている。これらの分泌PLAは、約14kDの分子量を有し、7つのジスルフィド結合を含有し、これらが活性に必要である。これらのPLAは、哺乳動物の膵臓、ハチ毒および種々の蛇毒において大量に見られる[例えば、上記したChangらのリファレンス13〜15;およびE.A.Dennis,Drug Devel.Res.10:205−220(1987)を参照]。しかしながら、膵酵素は、消化機能を提供し、産生がしっかりと制御されなければならない炎症メディエーターの産生に重要ではないと考えられている。
【0009】
最初のヒト非膵臓PLAの一次構造が決定された。この非膵臓PLAは、血小板、滑液および脾臓において見られ、また、分泌酵素である。この酵素は、上記したファミリーの一員である[J.J.Seilhamerら、J.Biol.Chem.264:5335−5338(1989);R.M.Kramerら、J.Biol.Chem.264:5768−5775(1989);およびA.Kandoら、Biochem.Biophys.Res.Comm.163:42−48(1989)]。しかしながら、非膵臓PLAが細胞外タンパク質であり、これは制御が難しく、これらの化合物の生合成経路の次の酵素が細胞内タンパク質であることから、この酵素が、プロスタグランジン、ロイコトリエンおよびPAFの合成に重要であることは疑わしい。さらに、PLAが、タンパク質キナーゼCおよびGタンパク質により制御されていることの証拠があり[R.Burch and J.Axelrod,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:6374−6378(1989)]、これはサイトゾルタンパク質であり、これは、細胞内タンパク質に作用しなければならない。高い還元能が、ジスルフィド結合により減少し、酵素を不活性化するので、非膵臓PLAが、サイトゾルにおいて機能することは不可能だろう。
【0010】
ネズミPLAは、ネズミマクロファージ細胞株において同定され、これはRAW264.7に指定されている。還元条件に抵抗する2モル/分/mgの特異活性が、約60kD分子に関連することが報告されている。しかしながら、このタンパク質は、均質に精製されてない[C.C.Leslieら、Biochem.Biophys.Acta.963:476−492(1988)参照]。上記の参考文献は、ホスホリパーゼ酵素、特にPLAの機能に関する情報に関して、出典明示により本明細書に組み入れる。
【0011】
サイトゾルホスホリパーゼAアルファ(以下、本明細書において「cPLAα」と称する)もまた、同定され、クローン化されている。米国特許第5,322,776号および第5,354,677号は、出典明示により本明細書に組み入れる。これらの特許の酵素は、細胞内PLA酵素であり、その天然源から精製され、あるいは、純粋な形態で生産され、これは、炎症性刺激に応答してアラキドン酸を細胞内に産生するよう機能する。
【0012】
いくつかのホスホリパーゼ酵素の同定に加え、特にプロスタグランジン、ロイコトリエンおよびPAFの産生の阻害が望ましい結果を与える炎症症状の治療に用いることができる、特定のホスホリパーゼ酵素の作用の化学阻害剤を同定する努力が行われてきた。かかる阻害剤は、米国特許第6,797,708号および米国特許第11/442,199号(2006年5月26日出願)(これらは出典明示により本明細書に組み入れる)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
これらの化合物の薬剤としての重要性から、改善された生物学的利用能を有するものを含む、化合物のデリバリー用の効果的な処方が非常に重要であり、新規処方に必要とされていると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は
a)医薬的に有効な量の式I:
【化1】

[式中:
R、R、R、R、R、R、X、X、n、n、およびnは、本明細書の記載の通りである]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩、および
b)第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、および希釈剤を含む担体または賦形剤系
を含む医薬組成物を提供する。
【0015】
本発明はまた:
a) 医薬的に有効な量の式II:
【化2】

[式中、R、R、R、R、X、n、n、n、およびnは、本明細書の記載の通りである]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩、および
b)第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、および希釈剤を含む担体または賦形剤系、
を含む医薬組成物を提供する。
【0016】
本発明はさらに、医薬組成物の製造方法および本発明の剤形ならびにその製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、異なるpHにおける本発明の処方の溶解特性を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の処方(□)および対応するカプセル化された式Iを有する活性薬剤(−−−・−−−)の溶解特性を示すグラフである。
【図3】図3は、摂食対絶食イヌにおける本発明の処方のAUC(0−t)/投与の比較を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の処方(■および△)および対応するカプセル化された式Iを有する活性薬剤(●)の溶解特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一の態様において、医薬組成物は:
a)医薬的に有効な量の式I:
【化3】

[式中:
Rは、式−(CH−A、−(CH−S−A、および−(CH−O−Aから選択され、ここに、Aは基:
【化4】

(式中:
Dは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−CF、または−(CH1−3−CFであり;
BおよびCは、独立して、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニルおよびピロリル基から選択され、これらは各々、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NOから選択される1〜3個、好ましくは1〜2個の置換基により、あるいはO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロサイクリックもしくはヘテロ芳香環により置換されていてもよい)
から選択され;
nは、0〜3の整数であり;
は、1〜3の整数であり;
は、0〜4の整数であり;
は、0〜3の整数であり;
は、0〜2の整数であり;
は、化学結合、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−C=C−、
【化5】

から選択され;
は、C−Cアルキル、C−Cフッ素化アルキル、C−Cシクロアルキル、テトラヒドロピラニル、カンホリル、アダマンチル、CN、−N(C−Cアルキル)、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ナフチル、モルホリニル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピペリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾフラニル、イミダゾリジン−2−チオニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オニル、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジン−2−オニルおよびピロリル基から選択され、これらは各々、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF3、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、−COOH、−CH−COOH、−CH−NH(C−Cアルキル)、−CH−N(C−Cアルキル)、−CH−NH、ピリジニル、2−メチル−チアゾリル、モルホリノ、1−クロロ−2−メチル−プロピル、C−Cチオアルキル、フェニル(さらに、1個またはそれ以上(例えば、1〜5、1〜4、1〜3または1〜2個)のハロゲン、ジアルキルアミノ、−CN、または−OCFにより置換されていてもよい)、ベンジルオキシ、−(C−Cアルキル)C(O)CH、−(C−Cアルキル)OCH、−C(O)NH、または
【化6】

から独立して選択される1〜3個、好ましくは1〜2個の置換基により置換されていてもよく;
は、−O−、−CH−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−C(O)−、
【化7】

から選択され;
は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニルおよびピロリル基から選択される環であり、ここに環部分は、式−(CHn4−COHで示される基または医薬上許容される酸ミミックまたはミメティックにより置換されており;また、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから独立して選択される1または2個のさらなる置換基により置換されていてもよい;
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから選択され;
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−NH−C(O)−N(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−O−(C−Cアルキル)、−SO−C−Cアルキル、−S−C−Cシクロアルキル、−S−CH−C−Cシクロアルキル、−SO−C−Cシクロアルキル、−SO−CH−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル、−CH−C−Cシクロアルキル、−O−C−Cシクロアルキル、−O−CH−C−Cシクロアルキル、フェニル、ベンジル、ベンジルオキシ、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジニル、ピペリジニル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピラゾロニル、ピラゾリル、オキサゾリル、およびイソキサゾリルから選択され、これらのR基の各々の環は、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、および−OCFから選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよく;
は、各々独立して、HまたはC1−3アルキルであり;
はHまたはC1−6アルキルである]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩;および
b)i) 組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤;
ii) 組成物の約10〜約50重量%の第2の可溶化剤;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%の希釈剤
を含む担体または賦形剤系;
を含む。
【0019】
ある具体例において、上記した医薬組成物は:
が、置換されていてもよいフェニル;
Rが、
【化8】

[式中、BおよびCはフェニルである]
である医薬活性剤を含む。
【0020】
一の態様において、本発明は:
a) 医薬的に有効な量の式II:
【化9】

[式中:
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、0、1または2であり;
は、O、−CH−またはSOであり;
は、各々独立して、HまたはC1−3アルキルであり;
はHまたはC1−6アルキルであり;
は、−OH、ベンジルオキシ、−CH、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CHO、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
Qは、OH、ジアルキルアミノ、
【化10】

であり;
20は、H、C1−3アルキル、および−CO(C1−3アルキル)からなる群から選択され;
30は、ジアルキルアミノ、−CNおよび−OCFからなる群から選択される;
ただし:
i)RがHであり、RがHであり、nが0であり、RがHである場合、Rは塩素ではなく;
ii)RがHであり、RがHであり、nが0であり、XがOまたは−CH−であり、RがHである場合、RはCHではなく;
iii)RがHであり、RがHである場合、RおよびRはフッ素ではなく;
iv)RがHであり、RがHであり、XがOである場合、RおよびRは両方ともが塩素ではなく;
v)RがHであり、RがHであり、XがOであり、RがNOである場合、Rがフッ素ではなく;
vi)RがHであり、RがHであり、XがSOであり、RがHである場合、Rがフッ素または塩素ではない]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩;および
b)i) 組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤;
ii) 組成物の約10〜約50重量%の第2の可溶化剤;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%の希釈剤;
を含む担体または賦形剤系
を含む医薬組成物を提供する。
【0021】
ある具体例において、式IIで示される化合物は、式III:
【化11】

[式中:
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、HまたはCHであり;
は、HまたはC1−6アルキルであり;
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン、−COCH、−COOCH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、および−CNからなる群から選択される]
を有する化合物またはその医薬上許容される塩である。
【0022】
さらなる具体例において、式Iまたは式IIで示される化合物は、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩である。
【0023】
の定義におけるC−Cフッ素化アルキル基は、いずれの数のフッ素置換基を有する1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であってもよく、限定するものではないが、−CF、末端にトリフルオロメチルを有する1〜6個の炭素原子鎖、−CFCF等を含むことは理解されるだろう。
【0024】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロサイクリック」および「ヘテロサイクリル」なる用語は、単環式である場合1〜4個の環ヘテロ原子、二環式である場合1〜8個の環ヘテロ原子、三環式である場合1〜10個の環ヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和(非芳香族)単環式、二環式、三環式または他の多環式環系を意味し、該ヘテロ原子の各々は、O、N、およびS(およびその一および二酸化物、例えば、N→O−、S(O)、SO)から独立して選択される。環ヘテロ原子または環炭素は、ヘテロサイクリック環の他の基への結合位置を提供することができる。いずれの原子も、1個またはそれ以上の置換基により置換され得る。ヘテロサイクリル基は、限定するものではないが、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(ピペリジノ)、ピペラジニル、モルホリニル(モルホリノ)、チオモルホリニル、ピロリニルおよびピロリジニルを含有し得る。
【0025】
「ヘテロ芳香族」なる用語は、単環式である場合1〜4個の環ヘテロ原子、二環式である場合1〜8個の環ヘテロ原子、三環式である場合1〜10個の環ヘテロ原子を有する芳香族単環式、二環式、三環式または他の多環式炭化水素を意味し、該ヘテロ原子の各々は、O、N、およびS(およびその一および二酸化物、例えば、N→O−、S(O)、SO)から独立して選択される。いずれの原子も、1個またはそれ以上の置換基により置換され得る。ヘテロ芳香環は、限定するものではないが、ピリジニル、チオフェニル(チエニル)、フリル(フラニル)、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、キノリルおよびピロリルを含む。
【0026】
本発明の化合物に有用な医薬上許容される酸ミミックまたはミメティックは、Rが:
【化12】

[式中、Rは、−CF、−CH、フェニル、およびベンジル(フェニルまたはベンジル基は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−CF、ハロゲン、−OH、および−COOHから選択される1〜3個の基により置換されていてもよい)から選択され;Rは、−CF、−CH、−NH、フェニル、およびベンジル(フェニルまたはベンジル基は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−CF、ハロゲン、−OH、および−COOHから選択される1〜3個の基により置換されていてもよい)から選択され;およびRは、−CFおよびC−Cアルキルから選択される]
で示される基から選択されるものを含む。
【0027】
当業者は、活性薬剤の医薬的に有効な量を容易に決定することができるだろう。一般的に、活性薬剤は、組成物の約0.1%〜約25重量%の量で組成物中に存在する。
【0028】
ある具体例において、本発明は、本発明の組成物を含有する単位剤形を提供する。「単位剤形」なる用語は、ヒト対象および他の哺乳動物に関する単一の投与として適した物理的に別個の単位を意味し、各々の単位は、望ましい治療効果を提供するよう計算された予め計量した活性物質を、適当な医薬賦形剤と一緒に含有する。かくして、本発明の単位剤形処方は、カプセル、ゲル、経口液体等のいずれの慣用的に用いられた形態を含む。ある具体例において、単位剤形はカプセルである。
【0029】
理解されるように、単位剤形、例えばカプセル、錠剤または他の剤形は、一般的に、医薬的に有効な量の活性薬剤を含有するだろう。明らかなように、薬剤は、広範囲の投与量で有効であり得、一般的に医薬的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、一般的に、治療すべき症状、選択される投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の兆候の重症度等を含む関連する状況に応じて主治医により決定されるだろうことは理解されるだろう。
【0030】
一般的に、重量に基づいて、医薬的に有効な量は、約1mg〜約125mgの活性薬剤である。かくして、本発明の単位剤形は、種々の投与量の活性薬剤、例えば、約5、10、25、50、75、100および125mgならびに他の量の活性薬剤を含有し得る。したがって、本発明は、約3mg〜約7mgの活性薬剤、約8mg〜約12mgの活性薬剤、約13mg〜約19mgの活性薬剤、約20mg〜約30mgの活性薬剤、約31mg〜約60mgの活性薬剤、約61mg〜約80mgの活性薬剤、および約81mg〜約125mgの活性薬剤を含有する、本発明の医薬組成物を含む剤形を含む。一の好ましい具体例は、100mgの医薬活性剤を含有する500mgカプセル(すなわち、医薬組成物の20重量%の医薬活性剤を含有する本発明の500mgの組成物)である。
【0031】
一般的に、本発明の組成物は、第1の可溶化剤を含む。一般的に、可溶化剤は、組成物の約10%〜約50重量%の量で存在する。当該分野で知られている適当な可溶化剤を用いることができる。適当な可溶化剤は、例えば、界面活性剤を含む。ある具体例において、可溶化剤は、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物から選択される。ある具体例において、第1の可溶化剤は、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレートを含むか、これからなる。
【0032】
一般的に、本発明の組成物は、第2の可溶化剤を含む。一般的に、可溶化剤は、組成物の約10%〜約50重量%の量で存在する。当該分野で知られている適当な可溶化剤を用いることができる。適当な可溶化剤は、例えば、界面活性剤を含む。ある具体例において、可溶化剤は、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物から選択される。ある具体例において、第2の可溶化剤は、ポリオキシル35ヒマシ油を含むか、これからなる。
【0033】
一般的に、本発明の組成物は希釈剤を含む。一般的に、希釈剤は、組成物の約10%〜約50重量%の量で存在する。適当な希釈剤および/または溶媒、またはその組み合わせを、希釈剤として用いることができる。ある具体例において、希釈剤は、プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノおよびジグリセライド、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物を含む。ある具体例において、希釈剤は、プロピレングリコールモノカプリレートを含む。
【0034】
本発明のある具体例において、医薬組成物は:
i) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される第1の可溶化剤;
ii) ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される第2の可溶化剤;および
iii) プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈剤、
を含む担体または賦形剤系を含む。
【0035】
さらなる具体例において、担体または賦形剤系は:
i) 組成物の約10%〜約50重量%の量のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約10%〜約50重量%の量のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約10%〜約15重量%の量のプロピレングリコールモノカプリレート、
を含む。
【0036】
一の具体例に置いて、本発明は:
a) 組成物の約20重量%量の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む活性薬剤;および
b) i) 組成物の約30重量%の量のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約30重量%の量のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約20重量%の量のプロピレングリコールモノカプリレート、
を含む担体または賦形剤系、
を含む医薬組成物を提供する。
【0037】
他の具体例において、本発明は:
a) 組成物の約2重量%の量の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む活性薬剤;および
b) i) 組成物の約36.75重量%の量のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約36.75重量%の量のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約24.5重量%の量のプロピレングリコールモノカプリレート
を含む担体または賦形剤系、
を含む医薬組成物を提供する。
【0038】
ある具体例において、本発明は、約100mgの活性薬剤を含有する上記した医薬組成物を含む単位剤形を提供する。上記したように、他の投与量は、当業者によりよく知られた単位剤形に製造することができる。
【0039】
得られた医薬組成物の液体性質のために、単位剤形、例えばカプセルは、患者に組成物を投与するのに適している。本発明はまた、投与用、特にカプセル単位剤形での投与用の医薬組成物の製造方法を含む。
【0040】
ある具体例において、本発明は、上記した医薬組成物の製造方法であって、工程:
(1) 第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、および希釈剤を混合して、第1の均質溶液を形成すること;
(2) 医薬活性剤を第1の均質溶液にゆっくり添加すること;および
(3) 医薬活性剤が溶解するまで十分な温度で混合して、第2の均質溶液を得ること;
を含む方法を提供する。
【0041】
第1および第2の可溶化剤および希釈剤の混合および溶解を促進するために、混合する間、混合物を加熱する(例えば、約80℃〜約90℃に、または約85℃に)ことができる。ある具体例において、温度は、85+/−5℃で維持される。
【0042】
ある具体例において、温度は、医薬活性剤の添加および混合の間、85+/−5℃に維持される。
【0043】
上記したように、得られた生成物は、カプセルでの投与に適している。したがって、医薬組成物の製造方法は、少なくとも一部の第2の均質溶液を1またはそれ以上の単位カプセル剤形にカプセル化することを含みうる。当業者には、いずれの適当なカプセル化技法を用いることができることは明らかだろう。
【0044】
ある具体例において、第2の均質溶液を、カプセル化の前に、操作性の強化およびカプセル化物質の融解および溶解を防止するために、好ましくは約40℃に冷却する。
【0045】
当業者であれば、上記した工程および個々の生物の相対的な量の単純な修飾により、所望の大きさ、強度および組成の最終生成物が形成されるだろうことは容易に認識されるだろう。したがって、上記の方法は、本明細書に記載のいずれの医薬組成物の製造に用いることができる。
【0046】
特に、該方法は、活性薬剤の医薬的に有効な量が、組成物の約0.1〜約20重量%である医薬組成物の製造に有用である。
【0047】
また、該方法は、第1および第2の可溶化剤の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される医薬組成物の製造に有用である。
【0048】
また、該方法は、希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、医薬組成物の製造に有用である。
【0049】
また、該方法は、医薬活性剤および:
i) 第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択され;
ii) 第2の可溶化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択され;
iii) 希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
担体または賦形剤系を含む医薬組成物の製造に有用である。
【0050】
より特別には、該方法はまた、医薬活性剤および:
i) 組成物の約10%〜約50重量%の量のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約10%〜約50重量%の量のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約10%〜約30重量%の量のプロピレングリコールモノカプリレート、
を含む担体または賦形剤系、
を含む医薬組成物の製造の製造に有用である。
【0051】
上記したように、該方法は、種々の大きさの単位剤形の製造に用いることができる。一般的に、剤形は、約1mg〜約125mgの活性薬剤を含有する。典型的な単位剤形は、約5、10、25、50、75、100または125mgの活性剤を含有するだろう。したがって、本発明は、約3mg〜約7mgの活性薬剤、約8mg〜約12mgの活性薬剤、約13mg〜約19mgの活性薬剤、約20mg〜約30mgの活性薬剤、約31mg〜約60mgの活性薬剤、約61mg〜約80mgの活性薬剤、約81mg〜約125mgの活性薬剤を含む、本発明の医薬組成物を含む剤形を含む。一の好ましい具体例は、100mgの医薬活性剤(すなわち、医薬組成物の20重量%)を含有する500mgカプセルである。他の具体例は、10mgの医薬活性剤(すなわち、医薬組成物の2重量%)を含む500mgカプセルを含む。
【0052】
一の具体例において、本発明は:
a) 組成物の20重量%の活性薬剤4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩;および
b) i) 組成物の約10%〜約50重量%の量のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約10%〜約50重量%の量のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約10%〜約30重量%の量のプロピレングリコールモノカプリレート;
を含む担体または賦形剤系、
を含む好ましい医薬組成物の製造方法であって:
(1) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートを混合して、第1の均質溶液を調製すること;
(2) 医薬活性剤をゆっくりと加えること;
(3) 医薬活性剤が溶解するまで十分な温度で加熱しながら混合して、第2の均質溶液を調製すること、
を含む方法を提供する。
【0053】
本明細書に記載の他の具体例と同様に、該方法はさらに、下記の1つまたはそれ以上の付加的な工程:ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートを、第1の均質溶液を調製するのに十分な温度に加熱する工程;第1の均質溶液を、医薬活性剤を添加する前に冷却する工程;少なくとも一部の第2の均質溶液を1つまたはそれ以上の単位投与カプセル形態にカプセル化する工程;および/またはカプセル化する前に第2の均質溶液(例えば、約40℃に)を冷却する工程を含み得る。
本発明はさらに、本明細書に記載のいずれかの方法により製造された生成物を含む。
【0054】
本明細書で用いられる場合、「医薬的に有効な量」または「治療的に有効な量」は、有意な患者の利益、すなわち、治療、治癒、予防、阻害または生理学的応答または症状の軽減、例えば炎症症状または痛みの軽減、または、かかる症状の治療、治癒、予防、阻害または軽減の速度の増加を示すのに十分な、医薬組成物または方法の個々の活性成分の合計量を意味する。単独で投与される別個の活性成分を適用する場合、用語は、成分単独のものを意味する。組み合わせて適用する場合、用語は、組み合わせて、別個に、または同時に投与されるにかかわらず、治療効果を示す活性成分の合計量を意味する。
【0055】
「医薬上許容される」なる用語は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性物質を意味する。
【0056】
本明細書に記載の組成物の個々の成分について記載される「組成物の重量%」および「重量パーセント」なる用語は、表面のカバー、例えば錠剤コーティングまたはカプセル化物質、例えばカプセルを除く組成物の重量に基づいて、最終医薬組成物に含まれるだろう個々の成分のパーセントを意味する。
【0057】
「カプリロカプロイルポリオキシグリセライド」なる用語は、脂質系界面活性剤を意味する。一の代表的なカプリロカプロイルポリオキシグリセライドは、PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセライド(LABRASOL(登録商標)として、Gattefosseにより市販されている)である。カプリロカプロイルポリオキシグリセライドはまた、「カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド」としても知られている。
【0058】
本明細書で用いられる場合、「中鎖モノグリセライド」なる用語は、アシル鎖に約8〜約18個の炭素原子を有するモノアシルグリセロールを意味する。
本明細書で用いられる場合、「中鎖ジグリセライド」は、個々のアシル鎖にそれぞれ約8〜約18個の炭素原子を有するジアシルグリセロールを意味する
【0059】
明らかなように、本発明の処方のある成分は、多機能性を有し得る。例えば、所定の成分は、希釈剤および可溶化剤の両方として機能し得る。ある場合において、所定の成分の機能は、その特性が多機能であり得ても、同じであると考えられる。
【0060】
医薬処方および賦形剤系はまた、酸化防止剤または酸化防止剤、例えばアスコルビン酸の混合物を含有することができる。用いることができる他の酸化防止剤は、アスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビルパルミテートを含み、これらは所望により、アスコルビン酸の量と関連する。酸化防止剤の範囲としては、約15重量%まで、例えば約0.05%〜約15重量%、約0.5%〜約15重量%または約0.5%〜約5重量%である。ある具体例において、医薬処方は、実質的に酸化防止剤を含まない。
【0061】
本発明の医薬組成物に関連して用いるのに適当な、さらに非常に多くの粘性ビルダー、界面活性剤/可溶化剤、希釈剤/溶媒、分散剤、賦形剤、剤形等が、当該分野において知られており、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition,Alfonoso R.Gennaro(ed.),Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD(2000)(出典明示により本明細書に組み入れる)に記載されている。
【0062】
本明細書に記載の物質、方法および例は、説明を意図するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に記載のすべての刊行物、特許出願、特許よび他の参考資料は、出典明示により本明細書に組み入れる。
【0063】
実施例
1. 式Iまたは式IIで示される化合物の製造
式Iまたは式IIで示される化合物は、市販の出発物質から慣用的に調製することができるか、文献公知の化合物であるか、あるいは当業者に知られた標準的な合成法およびプロシージャにより容易に中間体を製造することができる。標準的な有機分子の合成法およびプロシージャおよび官能基変更および操作は、関連する科学文献または当該分野の標準的な教科書から用意に入手することができる。典型的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、圧量等)が与えられる場合、他のプロセス条件もまた、特記しない限り用いることができることは明らかだろう。最適な反応条件は、特定の反応物質または用いる溶媒により変化し得るが、当業者は、通常の最適化手法によりかかる条件を決定することができる。当業者には、与えられる合成ステップの性質および順番を、本発明の化合物の形成を最適化する目的で改変することができることは理解されるだろう。
【0064】
式Iまたは式IIで示される化合物の製造方法は、種々の化学基の保護および脱保護を含み得る。保護および脱保護の必要性、および適当な保護基の選択は、当業者は容易に決定することができる。保護基の化学は、例えば、Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,Wiley & Sons,2006(出典明示により本明細書に組み入れる)に見ることができる。
【0065】
式Iまたは式IIで示される化合物およびその合成方法の例としては、米国特許第6,797,708号;第6,891,065号および第6,984,735号および米国特許出願番号第10/930,534号(2004年8月31日出願)、第10/948,004号(2004年9月23日出願)、第10/989,840号(2004年11月16日出願)、第11/014,657号(2004年12月16日出願)、第11/064,241号(2005年2月23日出願)、第11/088,568号(2005年3月24日出願)、第11/140,390号(2005年5月27日出願)、第11/207,072号(2005年8月18日出願)および第11/442,199号(2006年5月26日出願)(これらは出典明示により本明細書に組み入れる)において見ることができる。
【0066】
式Iおよび式IIで示される化合物の例としては、限定するものではないが以下のものが挙げられる:
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

【0070】
【表5】

【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
【表9】

【0075】
【表10】

【0076】
【表11】

【0077】
【表12】

【0078】
【表13】

【0079】
2. 4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有する処方
A.100mg投与カプセルの調製
本発明による、100mgの投与量の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有する500mg単位投与カプセルを、表1に記載のように調製した。
【0080】
【表14】

【0081】
上記した医薬組成物を、以下のようにカプセルによる投与用に調製した:
1. ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート(30g)、ポリオキシル35ヒマシ油(30g)、およびプロピレングリコールモノカプリレート(20g)を温度制御を備えた適当な混合容器に入れた;
2. 容器を、混合しながら均質溶液が得られるまで85+/−5℃に加熱した;
3. 薬剤(20g)を、工程2の溶液に、薬剤が溶解し、均質溶液が得られるまで、85+/−5℃で加熱し、混合しながら、ゆっくりと加えた;
4. 工程3からの0.500gの最終溶液を、サイズ#0のカプセルにカプセル化した。
【0082】
いずれの適当なカプセル化技法および装置を用いることができる。得られたカプセルは、およそ500mgカプセルであり、これは、約100mgの薬剤をデリバリーする。他の適当な投与量およびカプセルサイズを、本明細書の開示に従って製造することができる。特に、当業者には、10、25、50、75、100および125mg単位投与剤形および他の剤形が、同様の方法で製造できることは用意に認識できるだろう。
【0083】
B. 溶解試験
4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の水への溶解度を、室温にて、酸性および塩基性条件下で測定した。遊離酸の固有の溶解度は、HPLC検出限界の31ng/mL未満であり、一方でアニオンは110ng/mLの溶解度を有していた。
【0084】
溶解試験は、上記方法に従って製造した100mg強度カプセルで行った。カプセルを、900mLのpH1を有する水溶液(0.1NのHCl)、pH6.8を有する水溶液(50mM、リン酸ナトリウム緩衝液)およびpH4.5を有する水溶液(mM、酢酸ナトリウム緩衝液)に置いた。各々の溶液のUV吸収を、種々の時点で測定し(1mm路長、237nm)、溶解パーセントを、その波長での標準応答と比較して計算した。図1に示されるように、溶解の速度は、試験した個々のpHで同じであることが見出された。
【0085】
C. インビボイヌ曝露試験
本発明の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有する処方を、イヌにおける12mg/kgでの高い脂肪食/絶食研究で試験した。摂食状態を刺激するために、3匹のメスのビーグル犬を、表1に記載のような100mg投与量カプセルを投与する30分前に、強制経口飼養により高脂肪食を摂食させた。血液サンプルを、0、0.5、1、2、3、4、6、8、12および24時間で採血した。ついで、イヌに、採血の4時間後に、1日の食事供給の2/3を摂食させた。血液試料を氷上に貯蔵し、5℃で遠心分離に付して、血漿を回収し、−70℃で保存した。血漿試料を、LC/MS/MSにより分析して、試料中の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の量を測定した。
【0086】
絶食状態を刺激するために、上記の方法を、投与前一晩絶食し、ついで、採決後4時間で摂食した同じ3匹のメスのビーグル犬で繰り返した。摂食および絶食研究の両結果を表2にまとめる(報告された結果は、3匹の試験動物からのデータの平均である)。
【0087】
【表15】

【0088】
ラットカラギナン誘発足浮腫(CPE)研究からのデータは、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の最小有効曝露が1360ng*hr/mlであることを示した。表2のデータは、本発明の処方が、絶食状態の有効曝露の約12.5倍および摂食状態の有効曝露の約26.6倍の曝露を生じさせることを示す。IV処方(15%4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸、10%EtOH、75%Solutol HS−15、滅菌注射用水で2mg/mLに希釈)と比較した場合、これらの曝露は8.4および18.3%の生物学的利用能に変換される。
【0089】
3. 4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有する処方
4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の水への溶解度を、室温にて、酸および塩基性条件下で測定した。すべての条件において固有の溶解度は、HPLC検出限界の21.2ng/mL未満であった。
【0090】
4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の2%Tween80/0.5%メチルセルロース(MC)ビヒクル(0.496mg/ml)における溶解度が低いために、増強した溶解/溶解度特性を有する別の処方を試験した。4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸溶解度を23,490倍、0.498mg/mlに増強する2%Tween80を添加すると、適当な経口曝露が得られなかった。2%Tween/0.5%MC中の25mg/kgの4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の単回経口投与により、ラットにおける4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の経口吸収が相対的に低くない、わずかに約1.8%の推定生物学的利用能であることが見出された。20%4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸、30%Cremophor EL、30%Solutol HS−15および20%Capryol90(CESC)を含有する液体処方は、25mg/kgでの非絶食ラットにおいて、より速い吸収速度で、高い生物学的利用能(約9.7%)であることが見出された。動物データおよび医薬上許容される賦形剤への溶解度に応じて、ヒト研究における最初の処方開発を、この処方に基づいて行った。
【0091】
プロトタイプCESCカプセル処方(400gのバッチサイズ)は、実施例2に記載のものと同様の方法に従って製造した。CESC液体カプセル処方(100mg強度)およびカプセル化微粉化4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の溶解特性を図2に示す。これらの溶解特性は、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)/50mMリン酸緩衝液(pH7.5)を含有する媒体で得た。図2に示されるように、CESC液体処方は、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の溶解性が有意に改善されたことが見出された。
【0092】
このCESC処方を、他の5つのプロトタイプ処方と比較して、100mgのカプセル強度を用いる10mpkでのイヌの高脂肪食/絶食研究においてスクリーンした。結果は、CESC処方が、他の処方よりも被験者間の差異が小さいことを示した(図3を参照)。
【0093】
Sincethe最小有効曝露は、2800ng・hr/ml(ApoE Mice)であるので、表3のデータは、絶食状態において2.1倍および摂食状態において4.5倍の曝露を示す。IV処方と比較した場合、これは、3.1(絶食)および6.8(摂食)%の生物学的利用能に変換される。
【0094】
表3.摂食/絶食イヌ研究、イヌあたり100mgカプセル
【化13】

【0095】
10mg、25mg、および100mgの4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有するカプセルは、表4に従って調製し、それぞれ、カプセル充填重量、50mg、125mgおよび500mgでカプセル化した。すべての処方組成物の強度は同じであり、唯一の違いは充填重量である。処方を、サイズ#0グレイLicaps(ハードゼラチン)カプセルに充填した。
【0096】
【表16】

【0097】
4. 4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有する処方
4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の水への溶解度を、室温にて、酸および塩基性条件下で測定した。固有の溶解度は、1〜11のpH範囲にわたって、HPLC検出限界の100ng/mL未満であった。
【0098】
2%Tween80/0.5%メチルセルロースビヒクル中の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の溶解度が低いために(0.115mg/ml)、増強した溶解/溶解度特性を有する別の処方を試験した。PLA−811溶解度を増強する2%Tween80を添加すると、適当な経口曝露が得られなかった。2%Tween/0.5%MC中の25mg/kgの4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の単回経口投与により、ラットにおける4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の経口吸収が、相対的に低くなり、たった約1%未満の推定生物学的利用能であることが見出された。
【0099】
プロトタイプCESCカプセル処方(バッチサイズ10g)を、実施例2の方法と類似の方法により製造した。500mgカプセルを、表5に従って調製した。
【0100】
【表17】

【0101】
CESC液体カプセル処方(100mg強度)およびカプセル化微粉化4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の溶解特性を図4に示す。溶解特性は、0.3%SLS/50mMリン酸緩衝液(pH7.5)を含有する媒体において得た。図4に示されるように、CESC液体処方は、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の溶解度が有意に改善された。
【0102】
限定するものではないが、特許出願、特許および他の参考文献を含む本明細書に記載のすべての刊行物は、出典明示により本明細書に組み入れる。
【0103】
本明細書に与える物質、方法および実施例は、説明を意図するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)医薬的に有効な量の式I:
【化1】

[式中:
Rは、式−(CH−A、−(CH−S−A、および−(CH−O−Aから選択され、ここに、Aは基:
【化2】

(式中:
Dは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−CF、または−(CH1−3−CFであり;
BおよびCは、独立して、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニルおよびピロリル基から選択され、これらは各々、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NOから選択される1〜3個の置換基により、あるいはO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロサイクリックもしくはヘテロ芳香環により置換されていてもよい)
から選択され;
nは、0〜3の整数であり;
は、1〜3の整数であり;
は、0〜4の整数であり;
は、0〜3の整数であり;
は、0〜2の整数であり;
は、化学結合、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−C=C−、
【化3】

から選択され;
は、C−Cアルキル、C−Cフッ素化アルキル、C−Cシクロアルキル、テトラヒドロピラニル、カンホリル、アダマンチル、CN、−N(C−Cアルキル)、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ナフチル、モルホリニル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピペリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾフラニル、イミダゾリジン−2−チオニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オニル、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ピペラジン−2−オニルおよびピロリル基から選択され、これらは各々、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF3、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、−COOH、−CH−COOH、−CH−NH(C−Cアルキル)、−CH−N(C−Cアルキル)、−CH−NH、ピリジニル、2−メチル−チアゾリル、モルホリノ、1−クロロ−2−メチル−プロピル、C−Cチオアルキル、フェニル(さらに、1個またはそれ以上のハロゲン、ジアルキルアミノ、−CN、または−OCFにより置換されていてもよい)、ベンジルオキシ、−(C−Cアルキル)C(O)CH、−(C−Cアルキル)OCH、−C(O)NH、または
【化4】

から独立して選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよく;
は、−O−、−CH−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−C(O)−、
【化5】

から選択され;
は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニルおよびピロリル基から選択される環であり、ここに環部分は、式−(CHn4−COHで示される基または医薬上許容される酸ミミックまたはミメティックにより置換されており;また、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから独立して選択される1または2個のさらなる置換基により置換されていてもよい;
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから選択され;
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−NH−C(O)−N(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−O−(C−Cアルキル)、−SO−C−Cアルキル、−S−C−Cシクロアルキル、−S−CH−C−Cシクロアルキル、−SO−C−Cシクロアルキル、−SO−CH−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル、−CH−C−Cシクロアルキル、−O−C−Cシクロアルキル、−O−CH−C−Cシクロアルキル、フェニル、ベンジル、ベンジルオキシ、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジニル、ピペリジニル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピラゾロニル、ピラゾリル、オキサゾリル、およびイソキサゾリルから選択され、これらのR基の各々の環は、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、および−OCFから選択される1〜3個の置換基により置換されていてもよく;
は、各々独立して、HまたはC1−3アルキルであり;
はHまたはC1−6アルキルである]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩;および
b)i) 組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤;
ii) 組成物の約10〜約50重量%の第2の可溶化剤;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%の希釈剤
を含む担体または賦形剤系;
を含む医薬組成物。
【請求項2】
が、置換されていてもよいフェニルであり;
Rが:
【化6】

[式中、BおよびCはフェニルである]
である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
活性薬剤の医薬的に有効な量が、組成物の約0.1〜約25重量%である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレートを含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
第2の可溶化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
第2の可溶化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸のトリグリセライド、カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレートを含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
担体または賦形剤系が:
i) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される第1の可溶化剤;
ii) ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される第2の可溶化剤;および
iii) プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸のトリグリセライド、カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈剤;
を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
担体または賦形剤系が:
i) 組成物の約10〜約50重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約10〜約50重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%のプロピレングリコールモノカプリレート;
を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
a) 医薬的に有効な量の式II:
【化7】

[式中:
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、0、1または2であり;
は、O、−CH−またはSOであり;
は、各々独立して、HまたはC1−3アルキルであり;
はHまたはC1−6アルキルであり;
は、−OH、ベンジルオキシ、−CH、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CHO、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
Qは、OH、ジアルキルアミノ、
【化8】

であり;
20は、H、C1−3アルキル、および−CO(C1−3アルキル)からなる群から選択され;
30は、ジアルキルアミノ、−CNおよび−OCFからなる群から選択される;
ただし:
i)RがHであり、RがHであり、nが0であり、RがHである場合、Rは塩素ではなく;
ii)RがHであり、RがHであり、nが0であり、XがOまたは−CH−であり、RがHである場合、RはCHではなく;
iii)RがHであり、RがHである場合、RおよびRはフッ素ではなく;
iv)RがHであり、RがHであり、XがOである場合、RおよびRは両方ともが塩素ではなく;
v)RがHであり、RがHであり、XがOであり、RがNOである場合、Rがフッ素ではなく;
vi)RがHであり、RがHであり、XがSOであり、RがHである場合、Rがフッ素または塩素ではない]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩;および
b)i) 組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤;
ii) 組成物の約10〜約50重量%の第2の可溶化剤;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%の希釈剤;
を含む担体または賦形剤系
を含む医薬組成物。
【請求項13】
式IIで示される化合物が、式III:
【化9】

[式中:
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、HまたはCH
は、HまたはC1−6アルキル;および
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン、−COCH、−COOCH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび−CNからなる群から選択される]
を有する化合物またはその医薬上許容される塩である、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
式IIで示される化合物が、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩である、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項15】
活性薬剤の医薬的に有効な量が、組成物の約0.1〜約25重量%である、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項16】
第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項12記載の医薬組成物。
【請求項17】
第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレートを含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項18】
第2の可溶化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項12記載の医薬組成物。
【請求項19】
第2の可溶化剤がポリオキシル35ヒマシ油を含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項20】
希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸のトリグリセライド、カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項21】
希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレートを含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項22】
担体または賦形剤系が:
i) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される第1の可溶化剤;
ii) ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される第2の可溶化剤;および
iii) プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸のトリグリセライド、カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈剤
を含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項23】
担体または賦形剤系が:
i) 組成物の約10〜約50重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約10〜約50重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%のプロピレングリコールモノカプリレート
を含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項24】
約1mg〜約125mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項25】
約3mg〜約7mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項26】
約8mg〜約12mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項27】
約13mg〜約19mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項28】
約20mg〜約30mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項29】
約31mg〜約60mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項30】
約61mg〜約80mgの活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項31】
約81mg〜約125mgの活性薬剤の活性薬剤を含有する請求項12記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項32】
a) 組成物の約20重量%の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む活性薬剤;および
b)i) 組成物の約30重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約30重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約20重量%のプロピレングリコールモノカプリレート、
を含む担体または賦形剤系;
を含む医薬組成物。
【請求項33】
約100mgの活性薬剤を含む、請求項32記載の医薬組成物を含む剤形。
【請求項34】
a) 組成物の2重量%の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む活性薬剤;および
b)i) 組成物の約36%〜約37重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約36%〜約37重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約24%〜約25重量%のプロピレングリコールモノカプリレート、
を含む担体または賦形剤系、
を含む医薬組成物。
【請求項35】
約10mgの活性薬剤を含む、請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】
a) 医薬的に有効な量の式II:
【化10】

[式中:
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、0、1または2であり;
は、O、−CH−またはSOであり;
は、各々独立して、HまたはC1−3アルキルであり;
は、HまたはC1−6アルキルであり;
は、−OH、ベンジルオキシ、−CH、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CHO、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
Qは、OH、ジアルキルアミノ、
【化11】

であり;
20は、H、C1−3アルキル、および−CO(C1−3アルキル)からなる群から選択され;および
30は、ジアルキルアミノ、−CN、および−OCFからなる群から選択される:
ただし:
i)RがHであり、RがHであり、nが0であり、RがHである場合、Rは塩素ではなく;
ii)RがHであり、RがHであり、nが0であり、XがOまたは−CH−であり、RがHである場合、RはCHではなく;
iii)RがHであり、RがHである場合、RおよびRはフッ素ではなく;
iv)RがHであり、RがHであり、XがOである場合、RおよびRは両方ともは塩素ではなく;
v)RがHであり、RがHであり、XがOであり、RがNOである場合、Rがフッ素ではなく;
vi)RがHであり、RがHであり、XがSOであり、RがHである場合、Rがフッ素または塩素ではない]
を有する活性薬剤またはその医薬上許容される塩:および
b)i) 組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤;
ii) 組成物の約10〜約50重量%の第2の可溶化剤;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%の希釈剤;
を含む担体または賦形剤系;
を含む医薬組成物の製造方法であって:
(1) 第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、および希釈剤を混合して、第1の均質溶液を形成すること;
(2) 薬剤またはその医薬上許容される塩を第1の均質溶液に添加すること;および
(3) 薬剤および第1の均質溶液を、薬剤の溶解を促進するのに十分な温度で混合して、第2の均質溶液を得ること;
を含む方法。
【請求項37】
工程(1)が、さらに第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、および希釈剤を、第1の均質溶液を形成するのに十分な温度に加熱することを含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、および希釈剤の混合を、約80℃〜約90℃で行う、請求項37記載の方法。
【請求項39】
工程(3)の医薬活性剤の混合を、約80℃〜約90℃の温度で行う、請求項36記載の方法。
【請求項40】
第2の均質溶液の少なくとも一部を1またはそれ以上の単位投与カプセル形態にカプセル化することを含む、請求項36記載の方法。
【請求項41】
カプセル化する前に、第2の均質溶液を、望ましくない粒子を除去するためにスクリーンする、請求項40記載の方法。
【請求項42】
カプセル化する前に、第3の均質溶液を冷却する、請求項40記載の方法。
【請求項43】
活性薬剤の医薬的に有効な量が、組成物の約0.1〜約20重量%である、請求項36記載の方法。
【請求項44】
第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項36記載の方法。
【請求項45】
第1の可溶化剤が、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレートを含む、請求項36記載の方法。
【請求項46】
第2の可溶化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項36記載の方法。
【請求項47】
第2の可溶化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油を含む、請求項36記載の方法。
【請求項48】
希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸のトリグリセライド、カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項36記載の方法。
【請求項49】
希釈剤が、プロピレングリコールモノカプリレートを含む、請求項36記載の方法。
【請求項50】
担体または賦形剤系が:
i) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ビタミンEポリエチレングリコールスクシネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される第1の可溶化剤;
ii) ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびそれらの混合物からなる群から選択される第2の可溶化剤;および
iii) プロピレングリコールモノカプリレート、カプリロカプロイルポリオキシグリセライド、中鎖モノグリセライド、中鎖ジグリセライド、カプリル酸のトリグリセライド、カプリン酸のトリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンカルボネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈剤を含む、請求項36記載の方法。
【請求項51】
担体または賦形剤系が:
i) 組成物の約10〜約50重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約10〜約50重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約10〜約30重量%のプロピレングリコールモノカプリレート;
を含む、請求項36記載の方法。
【請求項52】
式IIで示される活性薬剤が、式III:
【化12】

[式中:
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、1または2であり;
は、HまたはCHであり;
は、HまたはC1−6アルキルであり;
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン,−COCH,−COOCH,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,および−CNからなる群から選択される]
を有する化合物またはその医薬上許容される塩である、
請求項36記載の方法。
【請求項53】
活性薬剤が、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む、請求項36記載の方法。
【請求項54】
a) 組成物の20重量%の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む活性薬剤;および
b)i) 組成物の約30重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約30重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約20重量%のプロピレングリコールモノカプリレート;
を含む担体または賦形剤;
を含む医薬組成物の製造方法であって:
(1) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートを混合して、第1の均質溶液を形成すること;
(2) 薬剤またはその医薬上許容される塩を第1の均質溶液に加えること;
(3) 薬剤および第1の均質溶液を、薬剤の溶解を促進するのに十分な温度で混合して、第2の均質溶液を得ること;
を含む方法。
【請求項55】
工程(1)が、さらにポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートを、第1の均質溶液を形成するのに十分な温度に加熱することを含む、請求項54記載の方法。
【請求項56】
ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートの混合を、約80℃〜約90℃の温度で行う、請求項55記載の方法。
【請求項57】
工程(3)の医薬活性剤の混合を、約80℃〜約90℃の温度で行う、請求項54記載の方法。
【請求項58】
第2の均質溶液の少なくとも一部を1またはそれ以上の単位投与カプセル形態にカプセル化することを含む、請求項54記載の方法。
【請求項59】
カプセル化する前に、第2の均質溶液を、望ましくない粒子を除去するためにスクリーンする、請求項58記載の方法。
【請求項60】
カプセル化する前に、第2の均質溶液を冷却する、請求項58記載の方法。
【請求項61】
a) 組成物の2重量%の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸またはその医薬上許容される塩を含む活性薬剤;および
b)i) 組成物の約36%〜約37重量%のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート;
ii) 組成物の約36%〜約37重量%のポリオキシル35ヒマシ油;および
iii) 組成物の約24%〜約25重量%のプロピレングリコールモノカプリレート;
を含む担体または賦形剤;
を含む医薬組成物の製造方法であって:
(1) ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートを混合して、第1の均質溶液を形成すること;
(2) 薬剤またはその医薬上許容される塩を第1の均質溶液に添加すること;
(3) 薬剤および第1の均質溶液を、薬剤の溶解を促進するのに十分な温度で混合して、第2の均質溶液を得ること;
を含む方法。
【請求項62】
工程(1)が、さらに、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートを、第1の均質溶液を形成するのに十分な温度に加熱することを含む、請求項61記載の方法。
【請求項63】
ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、ポリオキシル35ヒマシ油、およびプロピレングリコールモノカプリレートの混合を、約80℃〜約90℃の温度で行う、請求項62記載の方法。
【請求項64】
工程(3)の医薬活性剤の混合を、約80℃〜約90℃の温度で行う、請求項61記載の方法。
【請求項65】
第2の均質溶液の少なくとも一部を1またはそれ以上の単位投与カプセル形態にカプセル化することを含む、請求項61記載の方法。
【請求項66】
カプセル化する前に、第2の均質溶液を、望ましくない粒子を除去するためにスクリーンする、請求項65記載の方法。
【請求項67】
カプセル化する前に、第2の均質溶液を冷却する、請求項65記載の方法。
【請求項68】
請求項36〜67いずれか1項記載の方法により製造された製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−508357(P2010−508357A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535423(P2009−535423)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/082982
【国際公開番号】WO2008/055146
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(591011502)ワイス エルエルシー (573)
【Fターム(参考)】