ホットスワップ対応電池変更モジュール
変更モジュール(400、1100)を、それ以外のときには当初の主電池(200)が機器(100)に接続される位置である機器の電池端子に電気的に接続し、ホットスワップ対応電池(600)を変更モジュール(400、1100)に電気的に接続することにより、機器(100)はホットスワップ対応電池(600)で動作するように変更され、電池(600)を交換するために機器(100)を停止させることがなくなる。充電済みのホットスワップ対応電池(600)が変更モジュール(400、1100)に接続されると、変更モジュール(400、1100)は、ホットスワップ対応電池(600)から機器(100)に電力を供給する。変更モジュール(400、1000)は、ブリッジバッテリ(800)と回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)を備え、この回路は、ホットスワップ対応電池(600)からブリッジバッテリ(800)を充電し、ホットスワップ対応電池(600)の交換中は、ブリッジバッテリ(800)から機器(100)に電力を供給する。変更モジュール(400、1100)は、ホットスワップ対応電池(600)が取り外された後も、モジュール(400、1100)を機器の電池端子と接触した状態に保つ、着脱可能構造(410)を備えていてもよい。変更モジュール(400、1100)は、機器(100)が受け入れるように構成されている主電池と同様のフォームファクタおよび電源供給端子(404、408)を有していてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本願は、“Hot−Swappable Battery Retrofit Module”と題する2008年4月7日出願の米国仮特許出願第61/043,098号の優先権を主張するものであり、同仮出願の内容のすべては、あらゆる目的のために、参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、ホットスワップ対応電池回路に関し、より詳しくは、もともとは電池のホットスワップ機能を持たない機器を変更するために使用できる、そのような回路に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの試験機、ラップトップコンピュータおよびその他の携帯型電気、電子機器は電池を電源としており、言うまでもなく、電池は電源供給容量に限界があるため、その後は再充電するか、または新品の、もしくは新たに再充電された電池と交換しなければならない。電池の交換中に機器に電力を供給するための特別な装置がない場合、その機器は電池交換作業中、停止させなければならない。このような停止は望ましくないかもしれない。たとえば、試験機の場合、停止されたことによって較正や認定のためのパラメータおよび/または使用者が入力したパラメータが失われてしまうかもしれず、機器に充電済みの電池が入れられ、電源が投入された後で、もう一度、較正、認定および/またはセットアップのやり直しに時間をかけなければならない。較正、認定および/またはセットアップのやり直しは当然、時間と、新たに挿入された電池の電力を多少なりとも消費し、その結果、使用者の作業効率が低下し、電池が機器に生産的な使用のために電源を供給できる時間は短縮される。
【0004】
さらに、長い実験の途中で試験機の電池の容量がなくなり、交換の必要が生じた場合、電池の交換中、この試験機からは、電池が消耗した時点までに収集されたデータが失われるかもしれず、そのために、実験を最初からやり直さなければならないかもしれない。実験のやり直しは問題となるかもしれず、特に、実験に破壊試験が含まれていれば、交換前に行った実験ですでに試験サンプルのほとんどまたは全部を破壊してしまっている可能性があり、実験を最初からすべてやり直すのに十分な試験サンプルが残っていないかもしれない。
【0005】
一部の電子機器には2つの同じ大きさの主電池用スロットがあり、主電池を片方ずつ交換し、交換中はもう一方の主電池で機器の動作を続けることができる。このような構成の場合、電池を交互に交換することにより、機器を基本的に継続して動作させることは可能である。しかしながら、このような機器には、2つの電池のうち一方から優先的に電力を引き出し、その電池が消耗したら、この消耗した電池を交換する間に、自動的に2つの電池のうちのもう一方から電力を引き出すようにする回路が必要となる。さらに、このような構成は、大きなスペースを必要とし、また重量も重くなりすぎるために、小さなハンドヘルド型の試験機には適用できないかもしれない。
【0006】
電子機器の中には、消耗した電池を交換している間の短い時間、一般的には数分間のみ、電源を供給するための「ブリッジ」バッテリバックアップ回路を備えるものがある。たとえば、MAX1612集積回路(Maxim Integrated Products,Inc.(Sunnyvale,CA)が販売)またはLTC1558集積回路(Linear Technology Corporation(Milpitas,CA)が販売)を用いれば、主電池の交換中に、別の専用の補助またはバックアップブリッジバッテリから機器に電源を供給することができる。消耗した主電池を充電済み電池と交換し終わったら、特定の市販の回路でブリッジバッテリを再充電する。場合によっては、主電池の交換中、機器を低消費電力状態にしなければならないこともある。
【0007】
残念ながら、複数のフルサイズの主電池用スロットやブリッジバッテリバックアップ回路と専用ブリッジバッテリを備えていないかぎり、主電池の交換時には機器を必ず停止させなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態は、試験機、ラップトップコンピュータ、有毒ガス警報機、懐中電灯等、電池式の機器に使用できるホットスワップ電池変更モジュールを提供する。このホットスワップ電池変更モジュールは、機器の電池端子に接続してもよい。機器の電池端子は一般に、1つまたは複数の電池(簡潔さを期し、本明細書においては、まとめて第一の電池という)の端子に適合する。ホットスワップ電池変更モジュールは、1つまたは複数の電池(簡潔さを期し、本明細書においては、まとめて第二の電池という)の端子に適合する複数の受電端子を備える。第一の電池は、第二の電池と同じ種類であってもよいし、第一と第二の電池は異なる種類であってもよい。たとえば、第一の電池の端子の構成は、第二の電池の端子と略同じように構成してもよいし、あるいは第一の電池の端子は第二の端子とは異なる構成であってもよい。
【0009】
ホットスワップ電池変更モジュールはまた、機器の電池端子に適合する複数の電源供給端子を備える。使用において、ホットスワップ電池変更モジュールは、電源供給端子が機器の電池端子と接触するように設置される。ホットスワップ電池変更モジュールはまた、エネルギー蓄積要素と、エネルギー蓄積要素、受電端子および電源供給端子に接続された回路とを備える。第一のモードにおいて、受電端子は電源供給端子に連結され、第二のモードにおいて、エネルギー蓄積要素は電源供給端子に連結される。
【0010】
第一のモードの一例では、充電済み電池がホットスワップ電池変更モジュールに接続されている間、回路は電力を、電池から受電端子と電源供給端子を介して機器に送る。これに対し、第二のモードの一例では、電池の交換中、回路は電力を、エネルギー蓄積要素から電源供給端子を介して機器に送る。回路は、エネルギー蓄積要素を、受電端子を介して入手できる電力から、すなわち、受電端子に接続された電池から充電するように構成されていてもよい。
【0011】
モードは、電池が受電端子に連結されているか否か、あるいは受電端子に連結されている電池の電荷が少なくとも所定のレベルか否かに基づいて決定してもよい。したがって、1つの実施形態において、第一のモードでは電池が受電端子に連結されており、第二のモードでは電池が受電端子に連結されていない。別の実施形態において、第一のモードでは、受電端子に連結されている電池の電荷が少なくとも所定のレベルであり、第二のモードでは、受電端子に電池が連結されていないか、または連結されている電池の電荷が所定のレベルより少ない。
【0012】
変更モジュールの少なくとも一部は、第一の電池、すなわち、その機器の電池端子が適合する電池のフォームファクタの少なくとも一部に基づくフォームファクタを有していてもよい。たとえば、モジュールのうちの、電源供給端子のある部分のフォームファクタは、第一の電池のうちの、電池端子がある部分と同様であってもよい。
【0013】
1つの実施形態において、ホットスワップ電池変更モジュールは基板を有し、複数の受電端子と複数の電源供給端子が基板上に配置される。基板は十分に薄くして、電池の端子と機器の電池端子との間に設置し、当初の主電池をホットスワップ対応電池の代わりに使用できるようにしてもよいが、これは必須事項ではない。モジュールは、基板とは別のハウジングを有していてもよく、回路はハウジングの中に設置されてもよい。ケーブルで、回路を受電端子と電源供給端子に接続してもよい。
【0014】
ホットスワップ電池変更モジュールは、主電池が機器から取り外されても、少なくともモジュールの電源供給端子を機器の電池端子と接触した状態に保つように構成された保持構造を備えていてもよい。保持構造は、着脱可能であってもよい。たとえば、保持構造は、変更モジュールの表面上の少なくとも一部、あるいはそれ以外で変更モジュールの表面付近に設けられた弾力性に富む摩擦材料であってもよい。保持構造は伸縮式の構造、たとえば、電池ボックスの中に挿入できるように十分小さく、挿入後は伸長して、摩擦等により電池ボックスの少なくとも一部と機械的に係合するような構造であってもよい。保持構造は、少なくとも部分的に回転可能な構造、たとえば、回転すると電池ボックスの一部と(これを圧迫することによって、あるいはその陥凹部に入ることによって)係合するカムまたはその他の偏心構造物であってもよい。他の実施形態において、保持構造は、接着剤、壊れやすい構造、電池ボックス内の構造物との機械的インターロック等の永久的なものでもよい。
【0015】
ホットスワップ電池変更モジュールはポートを有していてもよく、このポートで取り外し用工具を受け、それによって変更モジュールを機器の電池端子と接触した状態から分離させることができる。たとえば、この工具は、伸縮可能な構造を伸張させるため、または上記の少なくとも部分的に回転可能な構造を回転させるために使用してもよい。さらに、この工具を使って、モジュールを所定の位置に保持している可能性のある摩擦力に打ち勝つのに十分な力でモジュールを引き出してもよい。
【0016】
ホットスワップ電池変更モジュールは、機器の構造物と協働して、機器の電池ボックス内の変更モジュールの向きを制限する割出し構造(index structure)を備えていてもよい。割出し構造は、突起、線状隆起、溝その他、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。割出し構造により、電源供給端子が機器の電池端子と適正に接触する、および/または適正に接触した状態に保つようにモジュールを配置しやすくなるかもしれない。
【0017】
エネルギー蓄積要素は、1つまたは複数の再充電式電池(以下、まとめて電池という)および/または1つまたは複数のコンデンサ(以下、まとめてコンデンサという)であってもよい。
【0018】
本発明の別の実施形態は、電池の交換中に機器に一時的な電力を供給する方法を提供する。ホットスワップ電池変更モジュールを機器の電池端子と電池の端子の間に介在させ、電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触していないようにする。(これに関して、「直接的に電気接触」とは、電池の端子が機器の電池端子と接触し、その間に電流が流れることを意味する。)電池の交換中、電力はホットスワップ電池変更モジュールから機器の電池端子に供給される。
【0019】
電池の交換中、交換用電池の端子をホットスワップ電池変更モジュールに接続して、交換用電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触しないようにしてもよい。交換用電池が装填されると、電力は交換用電池から機器の電池端子に供給されてもよい。
【0020】
ホットスワップ電池変更モジュールを、機器の電池端子と電池の端子の間に、複数の受電端子を電池の端子と物理的かつ直接的に電気接触させ、複数の電源供給端子を機器の電池端子と物理的かつ直接的に電気接触させることによって介在させてもよい。さらに、エネルギー蓄積要素を備え、電源供給端子と受電端子に連結される回路を設置する。モジュールを介在させると、電力をエネルギー蓄積要素から電源供給端子を介して供給することによって、電池交換中に電力が供給されるようにしてもよい。
【0021】
さらに、交換用電池の端子を受電端子に接続して、交換用電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触しないようにしてもよい。
【0022】
エネルギー蓄積要素の充電は、受電端子に接続された電池、すなわち交換用電池から行ってもよい。
【0023】
本発明は、図面に関連して以下の具体的な実施形態の詳細な説明を読むことによって、より十分に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】先行技術によるホットスワップ非対応電池を電源とする機器の一例の斜視図である。
【図2】図1の機器とともに使用できる、先行技術による電池の一例の斜視図である。
【図3】機器の中に装着された図2の電池を示す、図1の機器の切欠き斜視図である。
【図4−5】本発明の実施形態による、図1の機器とともに使用できる変更モジュールの、それぞれ上部と底部を示す斜視図である。
【図6】本発明のある実施形態による、図4、図5の変更モジュールと図1の機器とともに使用できるホットスワップ対応電池の一例の斜視図である。
【図7】本発明のある実施形態による、機器の中に装着された図4、図5の変更モジュールと図6の電池を示す、図1の機器の切欠き斜視図である。
【図8】本発明のある実施形態による、図4、図5の変更モジュールの回路の概略ブロック図である。
【図9】本発明の別の実施形態による、図4、5の変更モジュールの概略図である。
【図10】本発明のまた別の実施形態による、図4、図5の変更モジュールの概略ブロック図である。
【図11】本発明の他の実施形態による、機器の中に装着された変更モジュールと図2の電池を示す、図1の機器の切欠き斜視図である。
【図12】本発明のある実施形態による、電池交換中に機器に一時的に電源供給するために実行されるかもしれない動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態によれば、電池式の電気または電子機器を、機器の主電池のホットスワップに対応でき、機器を停止させずにすむように変更するための方法と装置が開示される。変更モジュールを、それ以外のときには当初の主電池が機器に接続される位置である機器の電池端子に電気的に接続し、ホットスワップ対応電池を変更モジュールに電気的に接続する。充電されたホットスワップ対応電池を変更モジュールに接続すると、変更モジュールはホットスワップ対応電池から機器に電源供給する。変更モジュールは、ブリッジバッテリと回路を備え、この回路は、ブリッジバッテリをホットスワップ対応電池から充電し、ホットスワップ対応電池の交換中はブリッジバッテリから機器に電力を供給する。
【0026】
変更モジュールは、ホットスワップ対応電池が取り外された後も、モジュールを機器の電池端子と接触した状態に着脱可能に保持する構造を備えていてもよい。変更モジュールが、充電されたブリッジバッテリとともに装着されると、機器は、変更モジュールが装着されているか否かを問わず、主電池が装填されているかのように動作するかもしれない。そのため、ホットスワップ対応電池を逐次的に交換してもよく、機器を所望の時間にわたって連続的に動作させることができ、ホットスワップ対応電池の交換が必要となっても、機器を停止させなくてよい。
【0027】
変更モジュールは、機器が受け入れるように構成されている主電池(以下、「当初の主電池」という)の全部または一部と同様のフォームファクタを有していてもよい。いくつかの実施形態において、変更モジュールの少なくとも一部は、当初の主電池のうち、当初の主電池の端子の1つまたは複数を含む部分と同様のフォームファクタを有する。変更モジュールは、機器の電池端子に適合する電源供給端子を有する。使用時には、変更モジュールを機器の電池端子に隣接させて設置し、変更モジュールの電源供給端子が機器の電池端子と電気的かつ機械的に接触するようにし、これは、当初の主電池を使用した場合に当初の主電池の端子が機器の電池端子と電気的に接触するのと略同様である。変更モジュールの全部または一部は、それ以外のときには機器の当初の主電池が占有するはずのスペースの一部または全部を占有するかもしれない。
【0028】
変更モジュールが装着されると、当初の主電池より物理的に小さいホットスワップ対応電池が必要となるかもしれず、これは、変更モジュールが、機器の当初の主電池のために確保されていたスペースの一部を占有するかもしれないからである。より小さいホットスワップ対応電池が蓄積できるエネルギーは、当初の主電池より少なく、したがって、当初の主電池より頻繁に交換する必要があるかもしれない。しかしながら、このような小さいホットスワップ対応電池は、当初の主電池より軽量である可能性があり、機器はより軽く、使いやすくなる。さらに、機器に変更モジュールが装着された状態で、ホットスワップ対応電池は素早く交換でき、較正、認定、セットアップ等のやり直しに時間を費やす必要がない。また、ホットスワップ対応電池は、実験の途中で交換できるため、データが失われることがない。
【0029】
再充電式電池を、ホットスワップ対応電池として使用してもよい。すなわち、消耗した再充電式電池を機器から取り出し、再充電してから、別の消耗した電池と交換する際に使用できる。任意で、または別の態様として、再充電式でない電池を逐次的に使用して機器を動作させてもよい。再充電式電池と再充電式でない電池を交互に使用してもよく、たとえば、再充電式電池を再充電式でない電池と交換し、またその逆でもよいが、一般的には、再充電式電池と再充電式でない電池は、それぞれ電圧と電流放出プロファイルが異なるため、同時に使用するべきでない。
【0030】
図1は、本明細書で説明するモジュールによって変更でき、したがって、電池のホットスワップに対応するように変換することが可能な、一例としての先行技術によるホットスワップ非対応の電池式機器100の斜視図である。一例としての機器100は、ハンドヘルドの自己完結型X線蛍光(XRF)アナライザ、ハンドヘルドの自己完結型発光分光分析(OES)アナライザまたは、電池を電源とするその他の機器であってよい。
【0031】
図2は、機器100に取り付けることのできる、一例としての先行技術による電池アセンブリ200の斜視図である。たとえば、電池アセンブリ200は、図3に示されるように、機器100のハンドル104の中空部分に挿入してもよい。図3において、電子アセンブリ200の隠れた部分は仮想線で示されている。電池アセンブリ200と機器100は、電池アセンブリ200がハンドル104の中に完全に挿入されると、電池アセンブリ200を掛止するような協働的メカニズム(図示せず)を備えていてもよい。電池アセンブリ200は、作動させると掛止メカニズムを解除して、電池アセンブリ200をハンドル104から取り出すことができるようにする解除ボタン106を備えていてもよい。任意で、または別の態様として、解除ボタンは、ハンドル104や機器100の別の場所、または電池アセンブリ200の別の場所に位置付けてもよい。図には一体的な電池アセンブリ200が示されているが、任意で、または別の態様として、1つまたは複数の個別の交換式電池またはセル(図示せず)を電池アセンブリ200の中に挿入してもよい。同様に、電池アセンブリ200を使用するのではなく、1つまたは複数の個々の電池セル(および任意の電池ボックスカバー)を使用してもよい。
【0032】
図2に戻ると、電池アセンブリ200は、2つの電池端子204、208を有し、これは、機器100の電池端子(図示せず)と接触する。たとえば、機器100の電池端子は、弾力性のある金属コンタクトであってもよく、電池アセンブリ200が機器100のハンドル104の中に挿入されると、電池アセンブリ200の端子204、208がこの金属コンタクトに押し付けられる。電池アセンブリ200のフォームファクタの設計は、電池アセンブリ200が接続されることになる機器100に合わせてカスタマイズされたものであってもよい。別の状況においては、標準的なフォームファクタの電池、たとえば円筒形またはその他の形状の電池も使用できる。
【0033】
図4、図5は、図1、図3の機器100に使用できる、本発明の1つの実施形態による変更モジュール400の、それぞれ上部と底部を示す斜視図である。変更モジュール400は、当初の主電池アセンブリ200の上部210(図2の破線で区切られた部分)と同様のフォームファクタを有していてもよい。
【0034】
変更モジュール400は、たとえば端子404、408として示される、機器100の電池端子と適合するように構成された複数の電源供給端子を有する。変更モジュール400の形状は、当初の主電池200の部分210の形状と幾分異なっていてもよく、また、変更モジュール400の寸法は、変更モジュール400が機器100の電池端子の近傍にフィットし、電源供給端子が機器100の電池端子と電気的に接触するかぎり、当初の主電池200の対応する部分の寸法より大きくても、または小さくてもよい。
【0035】
変更モジュール400は、機器のハンドル104の内部の構造物、穴またはその他と協働して、変更モジュール400を機器100の電池端子に関して適正な向きにする、割出し用の突起、溝、線状隆起またはその他の構造物(例として、突起412または溝416で示される)を有していてもよい。機器のハンドル104の内部に存在する構造物、穴、輪郭等を利用してもよく、あるいはアダプタ(図示せず)を永久的または一時的に機器のハンドル104の中に取り付けて、割出し構造と協働相手となる構造物、穴その他としてもよい。
【0036】
変更モジュール400は、モジュール400の電源供給端子404、408を機器100の電池端子と接触した状態に、着脱可能に保つ保持構造を備えていてもよい。1つの実施形態において、変更モジュール400は、弾力性のある、比較的摩擦力の大きい帯410を備え、この帯410は、変更モジュール400が機器のハンドル104の中に装着されると、機器100のハンドル104(図1)の中の構造(図示せず)を圧迫して、変更モジュール400を所定の場所に保持する。変更モジュール400は、変更モジュール400の底部の陥凹部504(「ポート」と呼ぶこともある)の中に配置されたフック、ループ500またはその他の適当な構造を備えていてもよく、これは、それと協働するフックまたはその他の取り外し用工具を取り付けて、帯410と機器のハンドル104の内部構造との間の摩擦に打ち勝つのに十分な力でループ500を引くことによって、変更モジュール400を機器のハンドル104から取り出しやすくする。
【0037】
他の実施形態において、他の方式の機械的、磁気、接着またはその他の構造を保持構造に利用してもよい。1つの実施形態において、変更モジュール400は、伸張、移動、回転等によって、機器のハンドル104の中の構造を圧迫し、またはそれに引っかかるような、伸縮式または移動式の構造を備えていてもよい。別の実施形態では、着脱可能な構造として、カム、ウェッジ、回転可能な偏心部材、フック、キャッチまたはその他の適当なメカニズムを使用してもよい。スクリュードライバ等の工具を変更モジュールの底部のアクセスポートに挿入して、着脱可能な構造を作動させ、または着脱してもよい。
【0038】
変更モジュール400はまた、ホットスワップが可能な1つの電池または電池の集合(まとめて、電池と呼ぶ)の端子に適合するように構成された、たとえば端子508、510で示される複数の受電端子を備える。ホットスワップ対応電池は、当初の主電池と同じように構成されている必要はない。たとえば、ホットスワップ対応電池の端子は、機器の電池端子に適合する必要はない。このような状況に対処できるように、受電端子508、510は、機器の電池端子と異なる形状、向きおよび/または位置にあってもよい。すなわち、受電端子508、510は、必ずしも当初の主電池と適合するのではなく、ホットスワップ対応電池に適合してもよい。したがって、通常であれば機器と適合しないホットスワップ対応電池を使用してもよい。たとえば、より大きな容量またはその他の望ましい特徴を有する、新規に設計される電池も使用できる。
【0039】
図6は、変更モジュール400と使用できる一例としてのホットスワップ対応電池600の斜視図である。ホットスワップ対応電池600は、当初の主電池200(図2)と同様の形状であるが、相違点として、この実施形態では、ホットスワップ対応電池600のほうが小さい。ホットスワップ対応電池600は、市販の電池でも、カスタム設計の電池でもよい。
【0040】
変更モジュール400の受電端子508、510は、弾力性のある金属コンタクトであってもよく、図7に例が示されているように、ホットスワップ対応電池600が機器100のハンドル104に挿入されると、ホットスワップ対応電池600の端子604、608がこの金属コンタクトを圧迫する。
【0041】
図8は、変更モジュール400の回路の概略ブロック図である。回路は、ブリッジバッテリ800とブリッジバッテリ管理回路804を備える。ブリッジバッテリ管理回路804は、機器100が(電源供給端子404、408を介して)ホットスワップ対応電池600またはブリッジバッテリ800のどちらから電源供給されるかを制御する。ブリッジバッテリ管理回路804は、ホットスワップ対応電池600が受電端子508、510から切断されたとき、あるいは、任意で、または別の態様として、ホットスワップ対応電池600に残っている電荷が所定のレベルを下回ったときに、ホットスワップ対応電池600からブリッジバッテリ800に自動的に切り換える。任意で、または別の態様として、ホットスワップ対応電池600が機器100に装着された、または機器100から取り外されたときに機械的に動作するスイッチ(図示せず)をブリッジバッテリ管理回路804に接続し、ホットスワップ対応電池600を受電端子508、510から切断されているのと同じ状態にすること等によって、ホットスワップ可能電池600とブリッジバッテリ800の間の切換えをトリガするようにしてもよい。
【0042】
ブリッジバッテリ管理回路804は、ホットスワップ対応電池600が接続されており、十分な量の電荷が残っているとき、ブリッジバッテリ800がホットスワップ対応電池600から再充電されるようにする。ブリッジバッテリ管理回路804は、ホットスワップ対応電池600を受電端子508、510から切断されているのと同じ状態にすること等によって、ブリッジバッテリ800の過充電を防止するための制御回路を備えていてもよい。
【0043】
ブリッジバッテリ管理回路804は、ブリッジバッテリ800により供給される電圧を機器100に必要な数値まで上昇させるための昇圧コンバータ(図示せず)を備えていてもよく、それによって、ブリッジバッテリ800に必要なセルの数が減り、ひいては物理的に小型化される。回路は、この機能を果たすための別個の昇圧型DC−DCコンバータ808を備えていてもよい。
【0044】
ブリッジバッテリ管理回路804とDC−DCコンバータ808は、離散回路でも、集積回路でも、あるいはハイブリッド回路でもよい。ブリッジバッテリ管理回路において、またはブリッジバッテリ管理回路として使用するのに適した集積回路は、Linear Technology Corporation(Milpitas,CA)から部品番号LTC1558として、あるいはMaxim Integrated Proudcts,Inc.(Sunnyvale,CA)から部品番号MAX1612またはMAX1613として入手できる。DC−DCコンバータ回路において、またはDC−DCコンバータ回路として使用するのに適した集積回路は、Maxim Integrated Products,Inc.から部品番号MAX1630として、またはWall Industries,Inc.(Exeter,NH)から部品番号LPQ Seriesとして入手できる。
【0045】
図9は、変更モジュール400の回路の別の実施形態の概略ブロック図である。電流リミッタ900は、ブリッジバッテリ800に流れる充電電流を制限する。ダイオード904により、ホットスワップ対応電池600が放電し、または回路から切断されると、電流はブリッジバッテリ800から機器100に、電源供給端子404、408を介して流れる。ダイオード904には「理想ダイオード」集積回路を使用してもよい。適当な理想ダイオード集積回路は、Linear Technology Corporation(Milpitas,CA)から部品番号LTC4411として入手可能である。希望に応じて、ブリッジバッテリ800の電圧を上げるために、任意の昇圧型DC−DCコンバータを使用してもよい。破線の囲み908の中の回路は、基本的に、図8のブリッジバッテリ管理回路804の機能を実行してもよい。
【0046】
機器100に必要な電流が、集積回路のブリッジバッテリ管理回路により提供できる電流より大きい場合、自動切換え集積回路を使って、図10の略図に示されるように、他のコンポーネント、たとえば、PチャンネルMOSFET等を制御して電源切換えを行ってもよい。パワーショットキダイオード1000は、ホットスワップ対応バッテリ600への逆流を防止する。自動切換えコンポーネント1004は、PチャネルMOSFET 1008を制御し、電池充電集積回路1010は、ブリッジバッテリ800の充電を制御する。LinearTechnology Corporation(Milpitas,CA)から、適当な自動切換えコンポーネントが部品番号LTC4414として入手でき、適当な電池充電器が部品番号LTC4053として入手できる。適当なPチャネルMOSFETは、Vishay Intertecnology,Inc.(Malvern,PA)から部品番号SUP75P03−07として入手可能である。適当なパワーショットキダイオードは、Microsemi Corporation(Irvine,California)から部品番号UPS840として入手できる。
【0047】
各種の機能に適した他の集積回路としては、部品番号LTC4357、LTC4416および/またはLTC3455で入手可能な集積回路があり、これらはLinear Technology Corporation(Milpitas,CA)から入手できる。
【0048】
図11は、他の実施形態による変更モジュール1100の斜視図であり、この例では、ブリッジバッテリと回路の全部または一部がハウジング1102の中に配置され、ハウジング1102は、ケーブル1104によって、電源供給端子404、408および受電端子(見えない)から分離されている。ハウジング1102は、機器100の中または外の適当な空洞または場所において、固定されずに、または所定の位置に固定された状態で(たとえば、接着剤または面ファスナ式リテーナによる)、一時的または永久的に設置されてもよい。ケーブル1104は、機器100のケース内に存在する開口部を通って、機器100のケースまたはハンドル104とホットスワップ対応電池600との間の境界1110に沿ったギャップを通って、ケーブル1104を収容するために特に設けられた開口部を通って、あるいはその他の適当な開口部またはギャップを通って延びるように十分に細いケーブルであってもよい。
【0049】
電源供給端子404、408と受電端子は、薄い基板1108の上に設置されていてもよい。いくつかの実施形態において、基板1108は十分に薄くして、当初の主バッテリ200をホットスワップ対応電池600の代わりに使用できるようにしてもよく、それによってより小さなホットスワップ対応電池を使用する必要がなくなる。基板1108は、ホットスワップ対応電池600によって電池端子(見えない)に向かって押し付けられてもよく、それによって電源供給端子404、408は機器の電池端子(図示せず)と接触する。任意で、または別の態様として、基板1108は、接着剤(たとえば、電源供給端子404、408の各々と機器の電池端子の間の導電性接着剤)、または機器のハンドル104の中の構造物(図示せず)との機械的インターロックによって、永久的に固定されていてもよい。
【0050】
変更モジュールのいくつかの実施形態は、自己完結型のハンドヘルド式XRFアナライザ、たとえばThermo Fisher Scientific NITON Analyzers(Billerica,MA)のモデルXL3t XRFアナライザ等に使用してもよい。モデルXL3tアナライザは通常、電源は入っているがトリガが作動されていないとき、すなわちそのX線管からエックス線が放出されていないとき、7.5Vのバッテリから約1.5Aを引き出し、すなわち約11.25ワットを消費する。1ワットは、1秒あたり1ジュールに等しい。このアナライザの電池の交換に約15秒かかるとすると、電池交換中に約169ジュールのエネルギー(15秒×11.25ジュール/秒)が消費される。したがって、電池交換中にアナライザを動作させるのに十分なエネルギーを提供するには、制御回路等に関して予想される非効率性を考慮して、少なくとも約195ジュールを蓄積し、供給できるブリッジバッテリを使うべきである。定格が3.7Vで0.75Ahrの一般的な小型リチウムイオン再充電式電池は約10,000ジュールを蓄積し、これは電池交換中のXL3tアナライザを動作させるのに十分なはずである。ブリッジバッテリの高い放電電流が必要であれば、ナノテクノロジーによるリチウンイオン電池を使用してもよい。適当なナノテクノロジーによるリチウンイオン電池は、A123Systems Energy Solutions Group(Hopkinton,MA)から入手できる。
【0051】
変更モジュールはブリッジバッテリを備えると説明してきたが、エネルギー蓄積要求と放電特性要求に応じて、他のエネルギー蓄積手段も使用できる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のコンデンサ、たとえば、いわゆるスーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタ等を、再充電式電池の代わりに、またはそれに追加して使用してもよい。たとえば、7.5Vに充電された10Fコンデンサ(たとえば20Fコンデンサを直列で2個使用)は、約281ジュール(1/2×CV2)を蓄積する。コンデンサの放電中、コンデンサ内の電圧は低下する。したがって、前述のように、適当なDC−DCコンバータを使用するべきである。
【0052】
図12は、電池交換中に機器に一時的な電力を供給するために実行される操作を示すフローチャートである。1200で、ホットスワップ電池変更モジュールを、機器の電池端子と電池の端子の間に介在させる。モジュールは、電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触しないように介在させてもよい。したがって、モジュールは、電池を機器から絶縁して、電池から機器に電流が流れないようにすることができる。
【0053】
この操作の中では、1210に示すように、複数の受電端子を電池の端子と接触させる操作を行ってもよい。これに加え、1214に示すように、複数の電源供給端子を、電源供給端子が機器の電池端子と物理的かつ直接的に電気接触するように配置してもよい。さらに、1218に示すように、エネルギー貯蓄要素を備え、受電端子と電源供給端子に接続される回路を設置してもよい。
【0054】
1204に示すように、電池交換中、ホットスワップ電池変更モジュールから機器の電池端子に電力が供給される。その中で、1220に示されるように、電力は、エネルギー蓄積要素から電源供給端子を通じて供給される。1208に示すように、エネルギー蓄積要素は、受電端子に接続された電池から充電されてもよい。
【0055】
本明細書で説明したように、実施形態の例によれば、電池式機器を、ホットスワップ対応電池で動作するように変更するためのモジュールが提供される。これらの実施形態について選択した具体的な数値を示したが、本発明の範囲内で、どのパラメータの数値も、異なる適用に合うように、広い範囲で変化させてもよいと理解するべきである。たとえば、2つの電池端子、2つの受電端子および2つの電源供給端子を使う実施形態を紹介したが、他の実施形態では、2つ以外の数の端子を使用してもよい。たとえば、3つの端子を使い、2つの異なる電圧または2つの絶縁された電圧源を設置してもよい。
【0056】
上記の変更モジュールの使用について、それ自体は電池のホットスワップ機能を持たない機器の場合で説明したが、この変更モジュールは、それ自体がホットスワップ機能を内蔵する機器に使用してもよい。そのように変更モジュールを使用することは、たとえば、内蔵ホットスワップ回路または内蔵ブリッジバッテリが故障したときや、主電池の交換中のフェイルセーフ動作にとって有利であるかもしれない。
【0057】
本発明を、上記の実施形態の例によって説明したが、当業者であれば、説明された実施形態に対して、本明細書で開示した発明性のある概念から逸脱することなく、改変や変更を行ってもよいことを理解するであろう。たとえば、変更モジュールについて、ハンドヘルド型の試験機や分析機に関連して説明したが、変更モジュールは、どのような電池式機器、たとえばラップトップコンピュータ、有毒ガス警報機、懐中電灯その他にも使用できる。さらに、開示した態様またはこれらの態様の一部は、上記以外の方法で組み合わせてもよい。したがって、本発明は、開示された実施形態に限定されるものとみなされるべきではない。
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本願は、“Hot−Swappable Battery Retrofit Module”と題する2008年4月7日出願の米国仮特許出願第61/043,098号の優先権を主張するものであり、同仮出願の内容のすべては、あらゆる目的のために、参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、ホットスワップ対応電池回路に関し、より詳しくは、もともとは電池のホットスワップ機能を持たない機器を変更するために使用できる、そのような回路に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの試験機、ラップトップコンピュータおよびその他の携帯型電気、電子機器は電池を電源としており、言うまでもなく、電池は電源供給容量に限界があるため、その後は再充電するか、または新品の、もしくは新たに再充電された電池と交換しなければならない。電池の交換中に機器に電力を供給するための特別な装置がない場合、その機器は電池交換作業中、停止させなければならない。このような停止は望ましくないかもしれない。たとえば、試験機の場合、停止されたことによって較正や認定のためのパラメータおよび/または使用者が入力したパラメータが失われてしまうかもしれず、機器に充電済みの電池が入れられ、電源が投入された後で、もう一度、較正、認定および/またはセットアップのやり直しに時間をかけなければならない。較正、認定および/またはセットアップのやり直しは当然、時間と、新たに挿入された電池の電力を多少なりとも消費し、その結果、使用者の作業効率が低下し、電池が機器に生産的な使用のために電源を供給できる時間は短縮される。
【0004】
さらに、長い実験の途中で試験機の電池の容量がなくなり、交換の必要が生じた場合、電池の交換中、この試験機からは、電池が消耗した時点までに収集されたデータが失われるかもしれず、そのために、実験を最初からやり直さなければならないかもしれない。実験のやり直しは問題となるかもしれず、特に、実験に破壊試験が含まれていれば、交換前に行った実験ですでに試験サンプルのほとんどまたは全部を破壊してしまっている可能性があり、実験を最初からすべてやり直すのに十分な試験サンプルが残っていないかもしれない。
【0005】
一部の電子機器には2つの同じ大きさの主電池用スロットがあり、主電池を片方ずつ交換し、交換中はもう一方の主電池で機器の動作を続けることができる。このような構成の場合、電池を交互に交換することにより、機器を基本的に継続して動作させることは可能である。しかしながら、このような機器には、2つの電池のうち一方から優先的に電力を引き出し、その電池が消耗したら、この消耗した電池を交換する間に、自動的に2つの電池のうちのもう一方から電力を引き出すようにする回路が必要となる。さらに、このような構成は、大きなスペースを必要とし、また重量も重くなりすぎるために、小さなハンドヘルド型の試験機には適用できないかもしれない。
【0006】
電子機器の中には、消耗した電池を交換している間の短い時間、一般的には数分間のみ、電源を供給するための「ブリッジ」バッテリバックアップ回路を備えるものがある。たとえば、MAX1612集積回路(Maxim Integrated Products,Inc.(Sunnyvale,CA)が販売)またはLTC1558集積回路(Linear Technology Corporation(Milpitas,CA)が販売)を用いれば、主電池の交換中に、別の専用の補助またはバックアップブリッジバッテリから機器に電源を供給することができる。消耗した主電池を充電済み電池と交換し終わったら、特定の市販の回路でブリッジバッテリを再充電する。場合によっては、主電池の交換中、機器を低消費電力状態にしなければならないこともある。
【0007】
残念ながら、複数のフルサイズの主電池用スロットやブリッジバッテリバックアップ回路と専用ブリッジバッテリを備えていないかぎり、主電池の交換時には機器を必ず停止させなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態は、試験機、ラップトップコンピュータ、有毒ガス警報機、懐中電灯等、電池式の機器に使用できるホットスワップ電池変更モジュールを提供する。このホットスワップ電池変更モジュールは、機器の電池端子に接続してもよい。機器の電池端子は一般に、1つまたは複数の電池(簡潔さを期し、本明細書においては、まとめて第一の電池という)の端子に適合する。ホットスワップ電池変更モジュールは、1つまたは複数の電池(簡潔さを期し、本明細書においては、まとめて第二の電池という)の端子に適合する複数の受電端子を備える。第一の電池は、第二の電池と同じ種類であってもよいし、第一と第二の電池は異なる種類であってもよい。たとえば、第一の電池の端子の構成は、第二の電池の端子と略同じように構成してもよいし、あるいは第一の電池の端子は第二の端子とは異なる構成であってもよい。
【0009】
ホットスワップ電池変更モジュールはまた、機器の電池端子に適合する複数の電源供給端子を備える。使用において、ホットスワップ電池変更モジュールは、電源供給端子が機器の電池端子と接触するように設置される。ホットスワップ電池変更モジュールはまた、エネルギー蓄積要素と、エネルギー蓄積要素、受電端子および電源供給端子に接続された回路とを備える。第一のモードにおいて、受電端子は電源供給端子に連結され、第二のモードにおいて、エネルギー蓄積要素は電源供給端子に連結される。
【0010】
第一のモードの一例では、充電済み電池がホットスワップ電池変更モジュールに接続されている間、回路は電力を、電池から受電端子と電源供給端子を介して機器に送る。これに対し、第二のモードの一例では、電池の交換中、回路は電力を、エネルギー蓄積要素から電源供給端子を介して機器に送る。回路は、エネルギー蓄積要素を、受電端子を介して入手できる電力から、すなわち、受電端子に接続された電池から充電するように構成されていてもよい。
【0011】
モードは、電池が受電端子に連結されているか否か、あるいは受電端子に連結されている電池の電荷が少なくとも所定のレベルか否かに基づいて決定してもよい。したがって、1つの実施形態において、第一のモードでは電池が受電端子に連結されており、第二のモードでは電池が受電端子に連結されていない。別の実施形態において、第一のモードでは、受電端子に連結されている電池の電荷が少なくとも所定のレベルであり、第二のモードでは、受電端子に電池が連結されていないか、または連結されている電池の電荷が所定のレベルより少ない。
【0012】
変更モジュールの少なくとも一部は、第一の電池、すなわち、その機器の電池端子が適合する電池のフォームファクタの少なくとも一部に基づくフォームファクタを有していてもよい。たとえば、モジュールのうちの、電源供給端子のある部分のフォームファクタは、第一の電池のうちの、電池端子がある部分と同様であってもよい。
【0013】
1つの実施形態において、ホットスワップ電池変更モジュールは基板を有し、複数の受電端子と複数の電源供給端子が基板上に配置される。基板は十分に薄くして、電池の端子と機器の電池端子との間に設置し、当初の主電池をホットスワップ対応電池の代わりに使用できるようにしてもよいが、これは必須事項ではない。モジュールは、基板とは別のハウジングを有していてもよく、回路はハウジングの中に設置されてもよい。ケーブルで、回路を受電端子と電源供給端子に接続してもよい。
【0014】
ホットスワップ電池変更モジュールは、主電池が機器から取り外されても、少なくともモジュールの電源供給端子を機器の電池端子と接触した状態に保つように構成された保持構造を備えていてもよい。保持構造は、着脱可能であってもよい。たとえば、保持構造は、変更モジュールの表面上の少なくとも一部、あるいはそれ以外で変更モジュールの表面付近に設けられた弾力性に富む摩擦材料であってもよい。保持構造は伸縮式の構造、たとえば、電池ボックスの中に挿入できるように十分小さく、挿入後は伸長して、摩擦等により電池ボックスの少なくとも一部と機械的に係合するような構造であってもよい。保持構造は、少なくとも部分的に回転可能な構造、たとえば、回転すると電池ボックスの一部と(これを圧迫することによって、あるいはその陥凹部に入ることによって)係合するカムまたはその他の偏心構造物であってもよい。他の実施形態において、保持構造は、接着剤、壊れやすい構造、電池ボックス内の構造物との機械的インターロック等の永久的なものでもよい。
【0015】
ホットスワップ電池変更モジュールはポートを有していてもよく、このポートで取り外し用工具を受け、それによって変更モジュールを機器の電池端子と接触した状態から分離させることができる。たとえば、この工具は、伸縮可能な構造を伸張させるため、または上記の少なくとも部分的に回転可能な構造を回転させるために使用してもよい。さらに、この工具を使って、モジュールを所定の位置に保持している可能性のある摩擦力に打ち勝つのに十分な力でモジュールを引き出してもよい。
【0016】
ホットスワップ電池変更モジュールは、機器の構造物と協働して、機器の電池ボックス内の変更モジュールの向きを制限する割出し構造(index structure)を備えていてもよい。割出し構造は、突起、線状隆起、溝その他、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。割出し構造により、電源供給端子が機器の電池端子と適正に接触する、および/または適正に接触した状態に保つようにモジュールを配置しやすくなるかもしれない。
【0017】
エネルギー蓄積要素は、1つまたは複数の再充電式電池(以下、まとめて電池という)および/または1つまたは複数のコンデンサ(以下、まとめてコンデンサという)であってもよい。
【0018】
本発明の別の実施形態は、電池の交換中に機器に一時的な電力を供給する方法を提供する。ホットスワップ電池変更モジュールを機器の電池端子と電池の端子の間に介在させ、電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触していないようにする。(これに関して、「直接的に電気接触」とは、電池の端子が機器の電池端子と接触し、その間に電流が流れることを意味する。)電池の交換中、電力はホットスワップ電池変更モジュールから機器の電池端子に供給される。
【0019】
電池の交換中、交換用電池の端子をホットスワップ電池変更モジュールに接続して、交換用電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触しないようにしてもよい。交換用電池が装填されると、電力は交換用電池から機器の電池端子に供給されてもよい。
【0020】
ホットスワップ電池変更モジュールを、機器の電池端子と電池の端子の間に、複数の受電端子を電池の端子と物理的かつ直接的に電気接触させ、複数の電源供給端子を機器の電池端子と物理的かつ直接的に電気接触させることによって介在させてもよい。さらに、エネルギー蓄積要素を備え、電源供給端子と受電端子に連結される回路を設置する。モジュールを介在させると、電力をエネルギー蓄積要素から電源供給端子を介して供給することによって、電池交換中に電力が供給されるようにしてもよい。
【0021】
さらに、交換用電池の端子を受電端子に接続して、交換用電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触しないようにしてもよい。
【0022】
エネルギー蓄積要素の充電は、受電端子に接続された電池、すなわち交換用電池から行ってもよい。
【0023】
本発明は、図面に関連して以下の具体的な実施形態の詳細な説明を読むことによって、より十分に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】先行技術によるホットスワップ非対応電池を電源とする機器の一例の斜視図である。
【図2】図1の機器とともに使用できる、先行技術による電池の一例の斜視図である。
【図3】機器の中に装着された図2の電池を示す、図1の機器の切欠き斜視図である。
【図4−5】本発明の実施形態による、図1の機器とともに使用できる変更モジュールの、それぞれ上部と底部を示す斜視図である。
【図6】本発明のある実施形態による、図4、図5の変更モジュールと図1の機器とともに使用できるホットスワップ対応電池の一例の斜視図である。
【図7】本発明のある実施形態による、機器の中に装着された図4、図5の変更モジュールと図6の電池を示す、図1の機器の切欠き斜視図である。
【図8】本発明のある実施形態による、図4、図5の変更モジュールの回路の概略ブロック図である。
【図9】本発明の別の実施形態による、図4、5の変更モジュールの概略図である。
【図10】本発明のまた別の実施形態による、図4、図5の変更モジュールの概略ブロック図である。
【図11】本発明の他の実施形態による、機器の中に装着された変更モジュールと図2の電池を示す、図1の機器の切欠き斜視図である。
【図12】本発明のある実施形態による、電池交換中に機器に一時的に電源供給するために実行されるかもしれない動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態によれば、電池式の電気または電子機器を、機器の主電池のホットスワップに対応でき、機器を停止させずにすむように変更するための方法と装置が開示される。変更モジュールを、それ以外のときには当初の主電池が機器に接続される位置である機器の電池端子に電気的に接続し、ホットスワップ対応電池を変更モジュールに電気的に接続する。充電されたホットスワップ対応電池を変更モジュールに接続すると、変更モジュールはホットスワップ対応電池から機器に電源供給する。変更モジュールは、ブリッジバッテリと回路を備え、この回路は、ブリッジバッテリをホットスワップ対応電池から充電し、ホットスワップ対応電池の交換中はブリッジバッテリから機器に電力を供給する。
【0026】
変更モジュールは、ホットスワップ対応電池が取り外された後も、モジュールを機器の電池端子と接触した状態に着脱可能に保持する構造を備えていてもよい。変更モジュールが、充電されたブリッジバッテリとともに装着されると、機器は、変更モジュールが装着されているか否かを問わず、主電池が装填されているかのように動作するかもしれない。そのため、ホットスワップ対応電池を逐次的に交換してもよく、機器を所望の時間にわたって連続的に動作させることができ、ホットスワップ対応電池の交換が必要となっても、機器を停止させなくてよい。
【0027】
変更モジュールは、機器が受け入れるように構成されている主電池(以下、「当初の主電池」という)の全部または一部と同様のフォームファクタを有していてもよい。いくつかの実施形態において、変更モジュールの少なくとも一部は、当初の主電池のうち、当初の主電池の端子の1つまたは複数を含む部分と同様のフォームファクタを有する。変更モジュールは、機器の電池端子に適合する電源供給端子を有する。使用時には、変更モジュールを機器の電池端子に隣接させて設置し、変更モジュールの電源供給端子が機器の電池端子と電気的かつ機械的に接触するようにし、これは、当初の主電池を使用した場合に当初の主電池の端子が機器の電池端子と電気的に接触するのと略同様である。変更モジュールの全部または一部は、それ以外のときには機器の当初の主電池が占有するはずのスペースの一部または全部を占有するかもしれない。
【0028】
変更モジュールが装着されると、当初の主電池より物理的に小さいホットスワップ対応電池が必要となるかもしれず、これは、変更モジュールが、機器の当初の主電池のために確保されていたスペースの一部を占有するかもしれないからである。より小さいホットスワップ対応電池が蓄積できるエネルギーは、当初の主電池より少なく、したがって、当初の主電池より頻繁に交換する必要があるかもしれない。しかしながら、このような小さいホットスワップ対応電池は、当初の主電池より軽量である可能性があり、機器はより軽く、使いやすくなる。さらに、機器に変更モジュールが装着された状態で、ホットスワップ対応電池は素早く交換でき、較正、認定、セットアップ等のやり直しに時間を費やす必要がない。また、ホットスワップ対応電池は、実験の途中で交換できるため、データが失われることがない。
【0029】
再充電式電池を、ホットスワップ対応電池として使用してもよい。すなわち、消耗した再充電式電池を機器から取り出し、再充電してから、別の消耗した電池と交換する際に使用できる。任意で、または別の態様として、再充電式でない電池を逐次的に使用して機器を動作させてもよい。再充電式電池と再充電式でない電池を交互に使用してもよく、たとえば、再充電式電池を再充電式でない電池と交換し、またその逆でもよいが、一般的には、再充電式電池と再充電式でない電池は、それぞれ電圧と電流放出プロファイルが異なるため、同時に使用するべきでない。
【0030】
図1は、本明細書で説明するモジュールによって変更でき、したがって、電池のホットスワップに対応するように変換することが可能な、一例としての先行技術によるホットスワップ非対応の電池式機器100の斜視図である。一例としての機器100は、ハンドヘルドの自己完結型X線蛍光(XRF)アナライザ、ハンドヘルドの自己完結型発光分光分析(OES)アナライザまたは、電池を電源とするその他の機器であってよい。
【0031】
図2は、機器100に取り付けることのできる、一例としての先行技術による電池アセンブリ200の斜視図である。たとえば、電池アセンブリ200は、図3に示されるように、機器100のハンドル104の中空部分に挿入してもよい。図3において、電子アセンブリ200の隠れた部分は仮想線で示されている。電池アセンブリ200と機器100は、電池アセンブリ200がハンドル104の中に完全に挿入されると、電池アセンブリ200を掛止するような協働的メカニズム(図示せず)を備えていてもよい。電池アセンブリ200は、作動させると掛止メカニズムを解除して、電池アセンブリ200をハンドル104から取り出すことができるようにする解除ボタン106を備えていてもよい。任意で、または別の態様として、解除ボタンは、ハンドル104や機器100の別の場所、または電池アセンブリ200の別の場所に位置付けてもよい。図には一体的な電池アセンブリ200が示されているが、任意で、または別の態様として、1つまたは複数の個別の交換式電池またはセル(図示せず)を電池アセンブリ200の中に挿入してもよい。同様に、電池アセンブリ200を使用するのではなく、1つまたは複数の個々の電池セル(および任意の電池ボックスカバー)を使用してもよい。
【0032】
図2に戻ると、電池アセンブリ200は、2つの電池端子204、208を有し、これは、機器100の電池端子(図示せず)と接触する。たとえば、機器100の電池端子は、弾力性のある金属コンタクトであってもよく、電池アセンブリ200が機器100のハンドル104の中に挿入されると、電池アセンブリ200の端子204、208がこの金属コンタクトに押し付けられる。電池アセンブリ200のフォームファクタの設計は、電池アセンブリ200が接続されることになる機器100に合わせてカスタマイズされたものであってもよい。別の状況においては、標準的なフォームファクタの電池、たとえば円筒形またはその他の形状の電池も使用できる。
【0033】
図4、図5は、図1、図3の機器100に使用できる、本発明の1つの実施形態による変更モジュール400の、それぞれ上部と底部を示す斜視図である。変更モジュール400は、当初の主電池アセンブリ200の上部210(図2の破線で区切られた部分)と同様のフォームファクタを有していてもよい。
【0034】
変更モジュール400は、たとえば端子404、408として示される、機器100の電池端子と適合するように構成された複数の電源供給端子を有する。変更モジュール400の形状は、当初の主電池200の部分210の形状と幾分異なっていてもよく、また、変更モジュール400の寸法は、変更モジュール400が機器100の電池端子の近傍にフィットし、電源供給端子が機器100の電池端子と電気的に接触するかぎり、当初の主電池200の対応する部分の寸法より大きくても、または小さくてもよい。
【0035】
変更モジュール400は、機器のハンドル104の内部の構造物、穴またはその他と協働して、変更モジュール400を機器100の電池端子に関して適正な向きにする、割出し用の突起、溝、線状隆起またはその他の構造物(例として、突起412または溝416で示される)を有していてもよい。機器のハンドル104の内部に存在する構造物、穴、輪郭等を利用してもよく、あるいはアダプタ(図示せず)を永久的または一時的に機器のハンドル104の中に取り付けて、割出し構造と協働相手となる構造物、穴その他としてもよい。
【0036】
変更モジュール400は、モジュール400の電源供給端子404、408を機器100の電池端子と接触した状態に、着脱可能に保つ保持構造を備えていてもよい。1つの実施形態において、変更モジュール400は、弾力性のある、比較的摩擦力の大きい帯410を備え、この帯410は、変更モジュール400が機器のハンドル104の中に装着されると、機器100のハンドル104(図1)の中の構造(図示せず)を圧迫して、変更モジュール400を所定の場所に保持する。変更モジュール400は、変更モジュール400の底部の陥凹部504(「ポート」と呼ぶこともある)の中に配置されたフック、ループ500またはその他の適当な構造を備えていてもよく、これは、それと協働するフックまたはその他の取り外し用工具を取り付けて、帯410と機器のハンドル104の内部構造との間の摩擦に打ち勝つのに十分な力でループ500を引くことによって、変更モジュール400を機器のハンドル104から取り出しやすくする。
【0037】
他の実施形態において、他の方式の機械的、磁気、接着またはその他の構造を保持構造に利用してもよい。1つの実施形態において、変更モジュール400は、伸張、移動、回転等によって、機器のハンドル104の中の構造を圧迫し、またはそれに引っかかるような、伸縮式または移動式の構造を備えていてもよい。別の実施形態では、着脱可能な構造として、カム、ウェッジ、回転可能な偏心部材、フック、キャッチまたはその他の適当なメカニズムを使用してもよい。スクリュードライバ等の工具を変更モジュールの底部のアクセスポートに挿入して、着脱可能な構造を作動させ、または着脱してもよい。
【0038】
変更モジュール400はまた、ホットスワップが可能な1つの電池または電池の集合(まとめて、電池と呼ぶ)の端子に適合するように構成された、たとえば端子508、510で示される複数の受電端子を備える。ホットスワップ対応電池は、当初の主電池と同じように構成されている必要はない。たとえば、ホットスワップ対応電池の端子は、機器の電池端子に適合する必要はない。このような状況に対処できるように、受電端子508、510は、機器の電池端子と異なる形状、向きおよび/または位置にあってもよい。すなわち、受電端子508、510は、必ずしも当初の主電池と適合するのではなく、ホットスワップ対応電池に適合してもよい。したがって、通常であれば機器と適合しないホットスワップ対応電池を使用してもよい。たとえば、より大きな容量またはその他の望ましい特徴を有する、新規に設計される電池も使用できる。
【0039】
図6は、変更モジュール400と使用できる一例としてのホットスワップ対応電池600の斜視図である。ホットスワップ対応電池600は、当初の主電池200(図2)と同様の形状であるが、相違点として、この実施形態では、ホットスワップ対応電池600のほうが小さい。ホットスワップ対応電池600は、市販の電池でも、カスタム設計の電池でもよい。
【0040】
変更モジュール400の受電端子508、510は、弾力性のある金属コンタクトであってもよく、図7に例が示されているように、ホットスワップ対応電池600が機器100のハンドル104に挿入されると、ホットスワップ対応電池600の端子604、608がこの金属コンタクトを圧迫する。
【0041】
図8は、変更モジュール400の回路の概略ブロック図である。回路は、ブリッジバッテリ800とブリッジバッテリ管理回路804を備える。ブリッジバッテリ管理回路804は、機器100が(電源供給端子404、408を介して)ホットスワップ対応電池600またはブリッジバッテリ800のどちらから電源供給されるかを制御する。ブリッジバッテリ管理回路804は、ホットスワップ対応電池600が受電端子508、510から切断されたとき、あるいは、任意で、または別の態様として、ホットスワップ対応電池600に残っている電荷が所定のレベルを下回ったときに、ホットスワップ対応電池600からブリッジバッテリ800に自動的に切り換える。任意で、または別の態様として、ホットスワップ対応電池600が機器100に装着された、または機器100から取り外されたときに機械的に動作するスイッチ(図示せず)をブリッジバッテリ管理回路804に接続し、ホットスワップ対応電池600を受電端子508、510から切断されているのと同じ状態にすること等によって、ホットスワップ可能電池600とブリッジバッテリ800の間の切換えをトリガするようにしてもよい。
【0042】
ブリッジバッテリ管理回路804は、ホットスワップ対応電池600が接続されており、十分な量の電荷が残っているとき、ブリッジバッテリ800がホットスワップ対応電池600から再充電されるようにする。ブリッジバッテリ管理回路804は、ホットスワップ対応電池600を受電端子508、510から切断されているのと同じ状態にすること等によって、ブリッジバッテリ800の過充電を防止するための制御回路を備えていてもよい。
【0043】
ブリッジバッテリ管理回路804は、ブリッジバッテリ800により供給される電圧を機器100に必要な数値まで上昇させるための昇圧コンバータ(図示せず)を備えていてもよく、それによって、ブリッジバッテリ800に必要なセルの数が減り、ひいては物理的に小型化される。回路は、この機能を果たすための別個の昇圧型DC−DCコンバータ808を備えていてもよい。
【0044】
ブリッジバッテリ管理回路804とDC−DCコンバータ808は、離散回路でも、集積回路でも、あるいはハイブリッド回路でもよい。ブリッジバッテリ管理回路において、またはブリッジバッテリ管理回路として使用するのに適した集積回路は、Linear Technology Corporation(Milpitas,CA)から部品番号LTC1558として、あるいはMaxim Integrated Proudcts,Inc.(Sunnyvale,CA)から部品番号MAX1612またはMAX1613として入手できる。DC−DCコンバータ回路において、またはDC−DCコンバータ回路として使用するのに適した集積回路は、Maxim Integrated Products,Inc.から部品番号MAX1630として、またはWall Industries,Inc.(Exeter,NH)から部品番号LPQ Seriesとして入手できる。
【0045】
図9は、変更モジュール400の回路の別の実施形態の概略ブロック図である。電流リミッタ900は、ブリッジバッテリ800に流れる充電電流を制限する。ダイオード904により、ホットスワップ対応電池600が放電し、または回路から切断されると、電流はブリッジバッテリ800から機器100に、電源供給端子404、408を介して流れる。ダイオード904には「理想ダイオード」集積回路を使用してもよい。適当な理想ダイオード集積回路は、Linear Technology Corporation(Milpitas,CA)から部品番号LTC4411として入手可能である。希望に応じて、ブリッジバッテリ800の電圧を上げるために、任意の昇圧型DC−DCコンバータを使用してもよい。破線の囲み908の中の回路は、基本的に、図8のブリッジバッテリ管理回路804の機能を実行してもよい。
【0046】
機器100に必要な電流が、集積回路のブリッジバッテリ管理回路により提供できる電流より大きい場合、自動切換え集積回路を使って、図10の略図に示されるように、他のコンポーネント、たとえば、PチャンネルMOSFET等を制御して電源切換えを行ってもよい。パワーショットキダイオード1000は、ホットスワップ対応バッテリ600への逆流を防止する。自動切換えコンポーネント1004は、PチャネルMOSFET 1008を制御し、電池充電集積回路1010は、ブリッジバッテリ800の充電を制御する。LinearTechnology Corporation(Milpitas,CA)から、適当な自動切換えコンポーネントが部品番号LTC4414として入手でき、適当な電池充電器が部品番号LTC4053として入手できる。適当なPチャネルMOSFETは、Vishay Intertecnology,Inc.(Malvern,PA)から部品番号SUP75P03−07として入手可能である。適当なパワーショットキダイオードは、Microsemi Corporation(Irvine,California)から部品番号UPS840として入手できる。
【0047】
各種の機能に適した他の集積回路としては、部品番号LTC4357、LTC4416および/またはLTC3455で入手可能な集積回路があり、これらはLinear Technology Corporation(Milpitas,CA)から入手できる。
【0048】
図11は、他の実施形態による変更モジュール1100の斜視図であり、この例では、ブリッジバッテリと回路の全部または一部がハウジング1102の中に配置され、ハウジング1102は、ケーブル1104によって、電源供給端子404、408および受電端子(見えない)から分離されている。ハウジング1102は、機器100の中または外の適当な空洞または場所において、固定されずに、または所定の位置に固定された状態で(たとえば、接着剤または面ファスナ式リテーナによる)、一時的または永久的に設置されてもよい。ケーブル1104は、機器100のケース内に存在する開口部を通って、機器100のケースまたはハンドル104とホットスワップ対応電池600との間の境界1110に沿ったギャップを通って、ケーブル1104を収容するために特に設けられた開口部を通って、あるいはその他の適当な開口部またはギャップを通って延びるように十分に細いケーブルであってもよい。
【0049】
電源供給端子404、408と受電端子は、薄い基板1108の上に設置されていてもよい。いくつかの実施形態において、基板1108は十分に薄くして、当初の主バッテリ200をホットスワップ対応電池600の代わりに使用できるようにしてもよく、それによってより小さなホットスワップ対応電池を使用する必要がなくなる。基板1108は、ホットスワップ対応電池600によって電池端子(見えない)に向かって押し付けられてもよく、それによって電源供給端子404、408は機器の電池端子(図示せず)と接触する。任意で、または別の態様として、基板1108は、接着剤(たとえば、電源供給端子404、408の各々と機器の電池端子の間の導電性接着剤)、または機器のハンドル104の中の構造物(図示せず)との機械的インターロックによって、永久的に固定されていてもよい。
【0050】
変更モジュールのいくつかの実施形態は、自己完結型のハンドヘルド式XRFアナライザ、たとえばThermo Fisher Scientific NITON Analyzers(Billerica,MA)のモデルXL3t XRFアナライザ等に使用してもよい。モデルXL3tアナライザは通常、電源は入っているがトリガが作動されていないとき、すなわちそのX線管からエックス線が放出されていないとき、7.5Vのバッテリから約1.5Aを引き出し、すなわち約11.25ワットを消費する。1ワットは、1秒あたり1ジュールに等しい。このアナライザの電池の交換に約15秒かかるとすると、電池交換中に約169ジュールのエネルギー(15秒×11.25ジュール/秒)が消費される。したがって、電池交換中にアナライザを動作させるのに十分なエネルギーを提供するには、制御回路等に関して予想される非効率性を考慮して、少なくとも約195ジュールを蓄積し、供給できるブリッジバッテリを使うべきである。定格が3.7Vで0.75Ahrの一般的な小型リチウムイオン再充電式電池は約10,000ジュールを蓄積し、これは電池交換中のXL3tアナライザを動作させるのに十分なはずである。ブリッジバッテリの高い放電電流が必要であれば、ナノテクノロジーによるリチウンイオン電池を使用してもよい。適当なナノテクノロジーによるリチウンイオン電池は、A123Systems Energy Solutions Group(Hopkinton,MA)から入手できる。
【0051】
変更モジュールはブリッジバッテリを備えると説明してきたが、エネルギー蓄積要求と放電特性要求に応じて、他のエネルギー蓄積手段も使用できる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のコンデンサ、たとえば、いわゆるスーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタ等を、再充電式電池の代わりに、またはそれに追加して使用してもよい。たとえば、7.5Vに充電された10Fコンデンサ(たとえば20Fコンデンサを直列で2個使用)は、約281ジュール(1/2×CV2)を蓄積する。コンデンサの放電中、コンデンサ内の電圧は低下する。したがって、前述のように、適当なDC−DCコンバータを使用するべきである。
【0052】
図12は、電池交換中に機器に一時的な電力を供給するために実行される操作を示すフローチャートである。1200で、ホットスワップ電池変更モジュールを、機器の電池端子と電池の端子の間に介在させる。モジュールは、電池の端子の少なくとも1つが機器のいずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電気接触しないように介在させてもよい。したがって、モジュールは、電池を機器から絶縁して、電池から機器に電流が流れないようにすることができる。
【0053】
この操作の中では、1210に示すように、複数の受電端子を電池の端子と接触させる操作を行ってもよい。これに加え、1214に示すように、複数の電源供給端子を、電源供給端子が機器の電池端子と物理的かつ直接的に電気接触するように配置してもよい。さらに、1218に示すように、エネルギー貯蓄要素を備え、受電端子と電源供給端子に接続される回路を設置してもよい。
【0054】
1204に示すように、電池交換中、ホットスワップ電池変更モジュールから機器の電池端子に電力が供給される。その中で、1220に示されるように、電力は、エネルギー蓄積要素から電源供給端子を通じて供給される。1208に示すように、エネルギー蓄積要素は、受電端子に接続された電池から充電されてもよい。
【0055】
本明細書で説明したように、実施形態の例によれば、電池式機器を、ホットスワップ対応電池で動作するように変更するためのモジュールが提供される。これらの実施形態について選択した具体的な数値を示したが、本発明の範囲内で、どのパラメータの数値も、異なる適用に合うように、広い範囲で変化させてもよいと理解するべきである。たとえば、2つの電池端子、2つの受電端子および2つの電源供給端子を使う実施形態を紹介したが、他の実施形態では、2つ以外の数の端子を使用してもよい。たとえば、3つの端子を使い、2つの異なる電圧または2つの絶縁された電圧源を設置してもよい。
【0056】
上記の変更モジュールの使用について、それ自体は電池のホットスワップ機能を持たない機器の場合で説明したが、この変更モジュールは、それ自体がホットスワップ機能を内蔵する機器に使用してもよい。そのように変更モジュールを使用することは、たとえば、内蔵ホットスワップ回路または内蔵ブリッジバッテリが故障したときや、主電池の交換中のフェイルセーフ動作にとって有利であるかもしれない。
【0057】
本発明を、上記の実施形態の例によって説明したが、当業者であれば、説明された実施形態に対して、本明細書で開示した発明性のある概念から逸脱することなく、改変や変更を行ってもよいことを理解するであろう。たとえば、変更モジュールについて、ハンドヘルド型の試験機や分析機に関連して説明したが、変更モジュールは、どのような電池式機器、たとえばラップトップコンピュータ、有毒ガス警報機、懐中電灯その他にも使用できる。さらに、開示した態様またはこれらの態様の一部は、上記以外の方法で組み合わせてもよい。したがって、本発明は、開示された実施形態に限定されるものとみなされるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器(100)の、第一の電池(200)の端子(204、208)に適合する電池端子に接続するためのホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)であって、
第二の電池(600)の端子(604、608)に適合する複数の受電端子(508、510)と、
前記機器(100)の前記電池端子に適合する複数の電源供給端子(404、408)と、
エネルギー蓄積要素(800)と、
前記エネルギー蓄積要素(800)、受電端子(508、510)および電源供給端子(404、408)に、
第一のモードにおいて、前記受電端子(508、510)が電源供給端子(404、408)に連結され、
第二のモードにおいて、前記エネルギー蓄積要素(800)が前記電源供給端子(404、408)に連結される
ように接続される回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)と
を備えるホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項2】
前記第一の電池(200)の端子(204、208)は、前記第二の電池(600)の前記端子(604、608)と略同様に構成される、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項3】
前記回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)は、前記エネルギー蓄積装置(800)を、前記受電端子(508,510)を通じて利用可能な電力から充電するように構成される、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項4】
前記第一のモードにおいて、前記受電端子(508、510)に1つの電池(600)が連結されているか、または、連結されている電池(600)の電荷が少なくとも所定のレベルであり、
前記第二のモードにおいては、前記受電端子(508、510)には電池(600)が連結されていないか、または連結されている電池(600)の電荷が所定のレベルに達していないことを特徴とする、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項5】
前記変更モジュール(400、1100)の少なくとも一部は、前記第一の電池(200)のフォームファクタの少なくとも一部(210)に基づくフォームフォクタを有する、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項6】
前記複数の受電端子(508、510)と前記複数の電源供給端子(404、408)が設置される基板(1108)と、
前記基板(1108)とは分離され、その中に前記回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)が配置されるハウジング(1102)と、
前記回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)を前記受電端子(508、510)と前記電源供給端子(404、408)に接続するケーブル(1104)と、
をさらに備える、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項7】
電池(600)が前記受電端子(508、510)に連結されていないときに、前記モジュール(400、1100)の少なくとも前記電源供給端子(404、408)を、前記機器(100)の前記電池端子と接触した状態に、着脱可能に保持するように構成された保持構造(410)をさらに備える、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項8】
前記保持構造(410)は、前記変更モジュール(400、1100)の表面の少なくとも一部に近接する、弾力性に富む摩擦材料か、伸縮型構造物または少なくとも部分的に回転できる構造物を含む、請求項7に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項9】
取り外し工具を受けるように構成されたポート(500)をさらに有する、請求項7に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項10】
前記機器の構造物と協働して、前記変更モジュールの向きを制限する、割出し構造をさらに備える、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項11】
前記割出し構造は、突起(412)、線状隆起、または溝(416)を含む、請求項10に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項12】
前記エネルギー蓄積要素(800)は、再充電式電池またはコンデンサを含む、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項13】
電池(600)の交換中に、機器(100)に一時的な電力を供給する方法であって、
前記機器(100)の電池端子と電池(600)との端子の間に、前記電池(600)の前記端子の少なくとも1つが、前記機器(100)いずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電機接続しないように、ホットスワップ電池変更モジュール(400)を介在させるステップ(1200)と、
前記電池(600)の交換中に、前記機器(100)の前記電池端子に前記ホットスワップ電池変更モジュール(400)から電力を供給するステップ(1220)を含む方法。
【請求項14】
前記ホットスワップ電池変更モジュール(400)を介在させるステップ(1200)は、
複数の受電端子(508、510)を、前記電池(600)の端子(604、608)と物理的かつ直接的に電気接触させるステップ(1210)と、
複数の電源供給端子(404、408)を、前記機器(100)の前記電池端子と物理的かつ直接的に電気接触させるステップ(1214)と、
エネルギー蓄積要素(800)を含み、前記受電端子(508、510)と電源供給端子(404、408)に連結される回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)を設置するステップ(1218)を含み、
前記電池(600)の交換中に電力を供給するステップ(1204)は、前記エネルギー蓄積要素(800)から前記電源供給端子(404、408)を介して電力を供給するステップ(1220)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギー蓄積要素(800)を、前記受電端子(508、510)に接続された電池から充電するステップ(1208)をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項1】
機器(100)の、第一の電池(200)の端子(204、208)に適合する電池端子に接続するためのホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)であって、
第二の電池(600)の端子(604、608)に適合する複数の受電端子(508、510)と、
前記機器(100)の前記電池端子に適合する複数の電源供給端子(404、408)と、
エネルギー蓄積要素(800)と、
前記エネルギー蓄積要素(800)、受電端子(508、510)および電源供給端子(404、408)に、
第一のモードにおいて、前記受電端子(508、510)が電源供給端子(404、408)に連結され、
第二のモードにおいて、前記エネルギー蓄積要素(800)が前記電源供給端子(404、408)に連結される
ように接続される回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)と
を備えるホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項2】
前記第一の電池(200)の端子(204、208)は、前記第二の電池(600)の前記端子(604、608)と略同様に構成される、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項3】
前記回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)は、前記エネルギー蓄積装置(800)を、前記受電端子(508,510)を通じて利用可能な電力から充電するように構成される、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項4】
前記第一のモードにおいて、前記受電端子(508、510)に1つの電池(600)が連結されているか、または、連結されている電池(600)の電荷が少なくとも所定のレベルであり、
前記第二のモードにおいては、前記受電端子(508、510)には電池(600)が連結されていないか、または連結されている電池(600)の電荷が所定のレベルに達していないことを特徴とする、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項5】
前記変更モジュール(400、1100)の少なくとも一部は、前記第一の電池(200)のフォームファクタの少なくとも一部(210)に基づくフォームフォクタを有する、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項6】
前記複数の受電端子(508、510)と前記複数の電源供給端子(404、408)が設置される基板(1108)と、
前記基板(1108)とは分離され、その中に前記回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)が配置されるハウジング(1102)と、
前記回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)を前記受電端子(508、510)と前記電源供給端子(404、408)に接続するケーブル(1104)と、
をさらに備える、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項7】
電池(600)が前記受電端子(508、510)に連結されていないときに、前記モジュール(400、1100)の少なくとも前記電源供給端子(404、408)を、前記機器(100)の前記電池端子と接触した状態に、着脱可能に保持するように構成された保持構造(410)をさらに備える、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項8】
前記保持構造(410)は、前記変更モジュール(400、1100)の表面の少なくとも一部に近接する、弾力性に富む摩擦材料か、伸縮型構造物または少なくとも部分的に回転できる構造物を含む、請求項7に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項9】
取り外し工具を受けるように構成されたポート(500)をさらに有する、請求項7に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項10】
前記機器の構造物と協働して、前記変更モジュールの向きを制限する、割出し構造をさらに備える、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項11】
前記割出し構造は、突起(412)、線状隆起、または溝(416)を含む、請求項10に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項12】
前記エネルギー蓄積要素(800)は、再充電式電池またはコンデンサを含む、請求項1に記載のホットスワップ電池変更モジュール(400、1100)。
【請求項13】
電池(600)の交換中に、機器(100)に一時的な電力を供給する方法であって、
前記機器(100)の電池端子と電池(600)との端子の間に、前記電池(600)の前記端子の少なくとも1つが、前記機器(100)いずれの電池端子とも物理的かつ直接的に電機接続しないように、ホットスワップ電池変更モジュール(400)を介在させるステップ(1200)と、
前記電池(600)の交換中に、前記機器(100)の前記電池端子に前記ホットスワップ電池変更モジュール(400)から電力を供給するステップ(1220)を含む方法。
【請求項14】
前記ホットスワップ電池変更モジュール(400)を介在させるステップ(1200)は、
複数の受電端子(508、510)を、前記電池(600)の端子(604、608)と物理的かつ直接的に電気接触させるステップ(1210)と、
複数の電源供給端子(404、408)を、前記機器(100)の前記電池端子と物理的かつ直接的に電気接触させるステップ(1214)と、
エネルギー蓄積要素(800)を含み、前記受電端子(508、510)と電源供給端子(404、408)に連結される回路(804、808、900、904、1004、1008、1010)を設置するステップ(1218)を含み、
前記電池(600)の交換中に電力を供給するステップ(1204)は、前記エネルギー蓄積要素(800)から前記電源供給端子(404、408)を介して電力を供給するステップ(1220)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギー蓄積要素(800)を、前記受電端子(508、510)に接続された電池から充電するステップ(1208)をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−519255(P2011−519255A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504052(P2011−504052)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038460
【国際公開番号】WO2009/126448
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(508019894)サーモ ニトン アナライザーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038460
【国際公開番号】WO2009/126448
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(508019894)サーモ ニトン アナライザーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
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