説明

ホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケット材料

ゴム、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPR)および/またはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM);および、少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーを基体とするホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケット組成物。本ホットメルト組成物は、5重量%〜50重量%の量のゴムまたはゴム類のブレンド;約5重量%〜40重量%の量の少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマー;0重量%〜70重量%の量の少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィン(APAO)ポリマー;約0重量%〜50重量%の量の相溶性粘着付与剤;および、少なくとも30重量%の量の可塑剤を含む。本組成物は、感圧性接着剤(PSA)塗被された発泡体テープの代替として発泡させたガスケット用に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2005年8月17日に出願されたU.S.予備出願No.60/709,047の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーと一緒にゴムを基体とする新規ホットメルトシーラントおよびガスケット材料組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、窓、ドア、空気フィルター、自動車ウエザーストリップ、スピーカー等を製造するのに有用性が見出されるホットメルトシーラントおよびガスケット材料組成物に関する。本発明の組成物は、PSA塗布した発泡体タイプの代替としての発泡させたガスケット用途に特に有用である。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
シーラントおよび発泡体代替ガスケット材料は、液体またはガスの通過を防止するためのシールを形成することのできるいずれもの多種多様な材料である。これらは、ハイテク宇宙航空産業から慣用的な建築産業の範囲のあらゆる部門の製造にて広く使用されている。シーラントは、概して、ほこり、汚れ、湿気、油等の侵入を止めるためのバリヤーまたは保護手段として使用される。ガスケットは、他方、典型的には、ガスまたは液体を収容するためにマッチさせた機械部品間またはパイプジョイントの周辺等で使用される。シーラントおよびガスケットの両方とも、その他の重要な機能、例えば、防音、耐振および防火障壁、熱および電気絶縁体および結合材料を提供するために使用されることが多い。さらにしばしば、それらは、これら幾つかの機能を果たすための多数の役割を果たすように使用される。シーラントは、通常、薬品の混合物からなり、液体、半液体または固体の形を取りうる。これらは、塗被装置を使用することによるかまたはカートリッジから手により接着剤として同様に基板に塗被することができる。ガスケットは、他方、多様な形状および形からなる広範囲の材料を包含する。これらは、予め製造された部品として供給されることが多く、それらの例は、ゴムOリングおよび自動車ウエザーストリップである。発泡体代替材料は、組成および物理的形態の両方にてシーラントに類似した特定のタイプのガスケット材料であり、同タイプの塗被方法を使用することによって塗被される。シーラントと発泡体代替ガスケット材料との間の機能特性要件にはかなりの重複があり、かくして、1つの製品が両方の代わりに使用されることがないわけではない。適切に機能するためには、シーラントまたは発泡体代替ガスケットは、接着される基板への良好な接着力、良好な柔軟性、低い収縮、軟質、耐温度変動性(resistance to temperature fluctuation)、容易な塗被および垂れ下がりまたはスランプ抵抗性を有する必要がある。
【0004】
石油ゲルの形の多くのタイプの湿潤シーラントは、工業用用途および消費者用途用の多様な供給元から市販入手可能である。これら湿潤シーラントとしては、シリコーン類、アクリル類、ポリスルフィド類、ポリウレタン類およびシリルポリエーテル類が挙げられる。これらは、カートリッジガンを使用することによって手動塗被するのに特に適し、外部および内部ジョイント、例えば、住居用ハウスの外壁の角のギャップをシールするために、住居、工業用およびオフィス用ビルディングの建築部位に一般的である。これらのタイプのシーラントは、液体硬化性のオリゴマーまたは溶剤ポリマーのいずれかからなり、通常、グリーン強度に乏しい。強度を完全に発現するために数日かかるかもしれない。これらは、高グリーン強度が必要とされない構造領域で十分に役割を果たす。それらのグリーン強度が乏しいことにより、これらの製品は、しかし、高生産性が要求される現代の工業的アセンブリ用途に適していない。ブチル、湿潤硬化性ポリウレタンおよびスチレン系ブロックコポリマー(SBC)を基体とするホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケットは、グリーン強度の問題が克服され、工業的アセンブリに使用されている。ホットメルトは、他方、それらの固有の欠点を有する。ブチルおよびSBC基体の製品は、多くのプラスチック基板に対し適当な接着力を有しない。また、ブチルシーラントは、通常、高い粘度と乏しい塗被特性とを有する。それは、通常、発泡性ではなく、したがって、発泡体代替ガスケット材料として使用することができない。十分に配合された湿潤硬化性ホットメルトポリウレタンは、良好な接着およびグリーン強度の両方を提供することができ、これらのタイプの製品は、それらの取扱および塗被プロセスにて一般に知られている。製品から用途まで、早期硬化を避けるために、包装から湿気を排除するためにそのプロセスの全ての工程で注意を払う必要がある。毒性残渣のイソシアネートモノマーの強い健康への危険性もまたは重大である。したがって、高いグリーン強度、種々の基板に対する良好な接着、低い粘着力、無毒性および容易な使用を有するホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケット材料についての必要性が存在する。
【0005】
本発明の組成物は、ゴムとともに少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーを基体とし、これらの要件に適当に合致し、良好な接着力、良好なグリーン強度、低いかまたは粘着性なし、毒性なし、容易な使用、優れたクリーナー流体抵抗性を提供して有益である。組成物は、特に優れた柔軟性および弾性を有し、シールされるギャップの形状に適合を生ずる。この特徴は、また、温度変動下、熱応力に耐えるホットメルト組成物を可能とし、それによって、広範な温度変化が典型的な状況、例えば、窓およびドアシール用途にて優れたシール耐久性を与える。熱応力は、ジョイントでの異なる材料の熱膨張係数の差により出くわす。組成物は、圧縮されたガス、例えば、窒素、二酸化炭素および圧縮された空気を使用することにより容易に発泡させることができる。それは、シーラントおよび発泡体代替ガスケット用途の両方に十分に適合している。
【0006】
エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)および/またはオレフィン性ポリマーを含有する接着剤は、幾つかの特許に開示されているものの、ゴムとともに少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーを基体とするシーラントおよび発泡体代替ガスケット組成物は、当分野で公知ではない。接着剤は、しかし、配合すると、シーラントとは異なる特徴を有し、概して、柔軟性、弾性、耐温度変動性および発泡性に欠ける。従来技術の接着剤の大半は、溶剤基体であるかまたは硬化剤を含有し、したがって、慣用的な意味でのホットメルトとはみなすことができない。溶剤および/または硬化剤の存在により、これら接着剤は、ホットメルト装置で加工することができない。Tynan et alは、U.S.特許No.5,798,175にて、EPR、水素化されたポリイソプレンおよびアタクチックポリプロピレン(APP)を含む非晶質オレフィンブレンドおよび天然ゴムまたは合成ゴムを基体とする接着剤組成物基体の感圧接着剤(PSA)を開示している。その接着剤は、上記したポリマー、粘着付与剤および有機溶剤を配合することによって製造されていた。これら接着剤は、かくして、溶剤基体であり、かくして、ホットメルトであるとみなすことができない。
【0007】
Davis et alは、U.S.特許No.5,612,144およびヨーロッパ特許出願 EPO 714963A2にて、少なくとも1種のEPDMゴムを含有するポリマーブレンドと;ポリイソプレン、ポリブタジエン、EPRおよびそれらの混合物からなる群より選択されるもう1種のポリマーとを含む接着剤テープ組成物を開示している。そのテープ組成物は、さらに、少なくとも1種の粘着付与剤および硫黄硬化パッケージを含む。その組成物は、極めて高粘度を有し、かつ、硬化剤を含有し、したがって、慣用的なホットメルトではない。
【0008】
Davis et alは、ヨーロッパ特許出願0672737A1にて、少なくとも1種の架橋可能なEPDM;1種以上の粘着付与剤;充填剤;軟化剤;および、ゴムポリマー用の硬化システムを含む接着剤テープ組成物を開示している。この組成物も、また、慣用的なホットメルトではない。
【0009】
Planthottam et alは、U.S.特許No.5,618,883にて、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロックコポリマーおよび/またはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマーで改質された粘着付与したEPRゴムを基体とするホットメルトPSA組成物を開示している。
【0010】
テープ組成物は、また、U.S.特許4,379,114;4,404,056;および、5,242,727にも開示されている。これらの組成物は、通常、EPDMまたはEPDMのその他のエラストマー、例えば、ブチル、ハロゲン化されたブチル、ポリイソプレンおよびスチレン-ブタジエンゴム(SBR)とのブレンド;粘着付与剤;硬化パッケージ;その他の任意の成分、例えば、可塑剤および充填剤等を含有していた。
【0011】
全ての上記従来技術の接着剤組成物は、単独またはその他のタイプのゴムとの組み合わせにて、EPDMまたはEPRゴムを基体とする。本明細書にて上記した全てのゴムが非晶質ポリマーであることは当業者周知である。非晶質ポリマーの定義およびそれらの半結晶質ポリマーに対する対比は、大部分の高分子化学の教科書に見ることができ、その例は、J.M.J.CowieによるPolymers,Chemistry and Phyisics of Modern Materials.2nd Edition,Black Academic and Professionalsである。
【0012】
これらの従来技術組成物は、良好な粘着強さおよび良好な接着特性を獲得するために、硬化または化学的架橋に依拠する。未架橋である時、EPRおよびEPDMを基体とする接着剤は、粘着強さが乏しく、接着強さが乏しい。硬化剤および、場合によっては、溶剤の存在は、硬化剤が塗被装置内で接着剤のゲル化または架橋を生じ、それによって、機械の目詰まりおよび重大な損傷を生ずるので、ホットメルトとしてそれらを実質的に役に立たなくする。さらに、従来技術の接着剤の粘度は、通常、非常に高く、慣用的なホットメルトコータ装置の能力を上回る。
【0013】
Wang et alは、U.S.特許No.6,143,818にて、半結晶質オレフィン性のポリマーとEPRまたはEPDMのブレンドとを含むホットメルト接着剤組成物を開示している。この接着剤組成物は、しかし、柔軟性、弾性、温度変動許容度および発泡性を有せず、シーラントまたは発泡体代替ガスケット材料として使用されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発明の概要
本発明は、ゴムおよび少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーを基体とするホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケット組成物に係る。本発明の組成物は、従来技術のブチル、SBCおよびポリウレタン基体のホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケット材料の欠点を克服し、広い範囲の基板に対する良好な接着、高いグリーン強度、低い粘着性、良好な柔軟性、温度変動に対する大きい許容度、弾性、非毒性および容易な塗被といった特性の優れたバランスを提供する。本組成物は、また、優れた発泡性を有し、発泡体代替ガスケット材料として特に適している。
【0015】
本発明のホットメルト組成物は、以下の成分の混合物を含む:
1. 約5重量%〜50重量%の量の、好ましくは、約5重量%〜30重量%の量の、最も好ましくは、約10重量%〜約25重量%の量のゴムまたはゴムのブレンド;このゴム成分の典型的な例としては、EPR、EPDMおよび/またはスチレン系ブロックコポリマーが挙げられる;
2. 約5重量%〜40重量%の量の、好ましくは、約5重量%〜30重量%の量の、最も好ましくは、約5重量%〜25重量%の量の少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマー;
3. 約0重量%〜70重量%の量の、最も好ましくは、約5重量%〜30重量%の量の少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィン(APAO)ポリマー;
4. 好ましくは、約0重量%〜50重量%の量の相溶性粘着付与剤;
5. 少なくとも30重量%の量の、好ましくは、少なくとも32重量%の量の、最も好ましくは、35重量%より多い量の可塑剤;
6. 0重量%〜約30重量%の量のワックス;
7. 0重量%〜約60重量%の量の充填剤;
8. 約5重量%未満の量の、最も好ましくは、0.1重量%〜2重量%の量の安定剤または抗酸化剤パッケージ。
【0016】
該組成物の上記成分が加わって100重量%となる。ホットメルト組成物は、上記基本的なホットメルト組成物の特性を改質するかまたは外観を変化させることのできるその他の成分を含有してもよい。本組成物は、粘度2,000〜100,000cP、好ましくは、5,000〜50,000cP、最も好ましくは、5,000〜30,000cP;R&B軟化点200〜350°F、好ましくは、220〜320°F、最も好ましくは、240〜310°Fを有するであろう。
【0017】
本発明の目的は、シーラントおよび/または発泡体代替ガスケット材料としての用途を製造する際の本発明のホットメルト組成物を使用する技術を教示することである。
本発明のもう1つの目的は、ホットメルト塗被/計量装置により本ホットメルトシーラント/発泡体代替ガスケット組成物を標的基板に塗被するための方法または手段を提供することである。
【0018】
本発明の組成物によりシールされた物品を提供することもなおもう1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
発明の詳細な説明
本発明に従えば、ホットメルトシーラントおよび発泡体代替ガスケット組成物であって、5重量%〜50重量%の量、好ましくは、5重量%〜30重量%の量、最も好ましくは、10重量%〜25重量%の量のゴムまたはゴム類の混合物を、5重量%〜40重量%の量、好ましくは、5重量%〜30重量%の量、最も好ましくは、5重量%〜25重量%の量の少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーと一緒に含む組成物が提供される。ホットメルト組成物は、また、0重量%〜70重量%の量、最も好ましくは、5重量%〜30重量%の量の少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィン(APAO)ポリマー;好ましくは、0重量%〜50重量%の量の相溶性粘着付与剤;30重量%より多い量の、最も好ましくは、35重量%より多い量の可塑剤;0重量%〜30重量%の量のワックス;0重量%〜60重量%の量の充填剤;および、5重量%未満の量の、最も好ましくは、0重量%〜2重量%の量の安定剤または抗酸化剤パッケージを含む。場合によっては、本組成物は、さらに、その特性を改質し、その外観を変化させるその他の成分を含んでもよい。任意の成分としては、着色剤、消臭剤、発泡剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本組成物は、塗被温度範囲200°F〜400°Fで粘度2,000cP〜10,000cP、好ましくは、5,000〜50,000cP、最も好ましくは、5,000〜30,000cP;R & B軟化点200°F〜350°F、好ましくは、220°F〜320°F、最も好ましくは、240°F〜310°Fを有するであろう。
【0020】
本発明のホットメルト組成物は、ゴム状のポリマー成分としてゴムまたはゴム類のブレンドを含む。ゴム状の成分は、組成物の接着、柔軟性および耐寒性に不可欠である。適したゴムは、エチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン材料(EPDM)、スチレン系ブロックコポリマー(SBC)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシル化されたSBR、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエステルゴム、ポリウレタンエラストマー等からなる群より選択されるが、これらに限定されるものではない。本明細書で上記した全てのゴム状材料は、本発明の組成物に使用することができ、EPR、EPDMおよびスチレン系ブロックコポリマーが最も好ましい。
【0021】
EPRという用語は、本明細書で使用する場合、エチレンおよびプロピレンの弾性コポリマー、または、官能性モノマーで改質されたそのような上記コポリマーの類を称す。官能性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基;および、第1級、第2級または第3級アミン基、ハロゲン等(これらに限定されるものではないが)の少なくとも1種の官能基を含有する不飽和有機化合物の類が挙げられる。コポリマー中のプロピレンの含量は、15重量%〜70重量%、好ましくは、20重量%〜45重量%の範囲内である。EPDMという用語は、15重量%〜70重量%、好ましくは、20重量%〜45重量%ののプロピレン;20重量%〜80重量%のエチレン;および、2重量%〜15重量%のジエンを含む弾性ターポリマー類を称し、ジエンとしては、例えば、1,4-ヘキサジエン、ノルボルナジエン、エチリデン-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ブタジエンおよびイソプレンが挙げられる。使用されるEPDMとしては、また、本明細書にて上記した少なくとも1種の官能基を含有する官能性改質製品が挙げられる。EPRおよびEPDMゴムは、ExxonMobil Chemical Companyから商標名Vistalonの下に、DMS Polymers,Inc.から商標名Keltonの下に市販入手可能である。酸無水物基を含有する官能性改質EPDMは、ExxonMobil Chemical Companyによって商標名Exxelorの下に販売されている。上記基本EPRおよびEPDMは、また1つ以上のその他のα-オレフィンモノマー単位を含有してもよい。EPRおよびEPDMの定義は、したがって、エチレン、プロピレンのC4〜C18炭素長を有する第3のα-オレフィンとのいずれもの弾性ターポリマーおよびそれらの本明細書に上記した官能性モノマーで改質された誘導体に拡張される。
【0022】
本発明の組成物にて使用されるSBCブロックコポリマーは、少なくとも1種のスチレンハードブロックおよび少なくとも1種のソフトゴム状ブロックを含有するジブロック、トリブロック、マルチブロックおよびラジアルまたはスターブロックの群であり、前記ゴム状のブロックは、ブタジエン、イソプレン、エチレン-ブテン、エチレン-プロピレンまたはブタジエン-ブテン鎖セグメントからなる。これらのブロックコポリマーは、当分野周知であり、多数の科学刊行物の主題となっている。このようなブロックコポリマーの例としては、例えば、スチレン-ブタジエンジ-、トリ-、マルチ-およびラジアルブロックコポリマー、スチレン-イソプレンジ-トリ-、マルチおよびラジアルブロックコポリマー、スチレン-エチレン-ブテンジ-、トリ-マルチ-およびラジアルブロックコポリマー、スチレン-エチレン-プロピレンジ-、トリ-、マルチおよびラジアルブロックコポリマー、スチレン-ブタジエン-ブテンジ-、トリ-、マルチ-およびラジアルブロックコポリマー、テーパー状のブロックコポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記SBCブロックコポリマーは、また、ポリマー鎖中に1つより多いタイプのゴム状ブロックを含有してもよい。
【0023】
本発明の組成物にて有用なSBCブロックコポリマーは、スチレン含量約5重量%〜50重量%、好ましくは、約10重量%〜45重量%、最も好ましくは、約10重量%〜30重量%;ASTM-D-1238(Cond.G)試験法を使用することにより測定して、メルトインデックス(MI)約1dg/分〜約200dg/分、最も好ましくは、約4dg/分〜約50dg/分を有するものである。本明細書に上記したタイプのSBCブロックコポリマーの例は、Dexco Polymers,Houston,Texasから市販入手可能なVector 4111、Vector 4211およびVector4411スチレン-イソプレン-スチレントリブロックコポリマー;Zeon Corporation,4111 Bells Lane,Louisville,KYからのQuintac BF-004-Bスチレン-イソプレンラジアルブロックコポリマー;および、Kraton Polymers,Houston,TXからのKraton G-スチレン-エチレン-ブテン-スチレントリブロックコポリマーである。
【0024】
市販源からのSBC,トリ-およびマルチ-ブロックコポリマーは、著しい量のジブロック成分を含有することが多いことを指摘しておく。ジブロックコポリマーは、この場合、製造プロセスの不完全なカップリングによる副生物;または、ある種の用途、例えば、ホットメルト接着剤におけるブロックコポリマー生成物に好ましい物理的特性を付与するように設計された意図的成分のいずれかである。
【0025】
本発明のホットメルト組成物は、また、オレフィン性半結晶質ポリマー成分を含む。適した半結晶質オレフィン性ポリマーは、公知の方法、すなわち、典型的には、2〜18の炭素原子を含有する不飽和オレフィンのホモ重合または前記不飽和オレフィンのいずれかの組み合わせの共重合のいずれかによって得ることができ、前記不飽和オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ブテン-2、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1およびオクテン-1が挙げられるが、これらに限定されるものではない。適したポリマーは、また、1種以上の上記したオレフィンと、その他のモノマー、例えば、ジエン類、ビニルアセテート、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、アクリル酸、アクリル酸のエステル類、メタクリル酸、メタクリル酸のエステル類、ビニルエーテル、アリルエーテル、アクリルアミドおよびその誘導体、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルアルコールおよび一酸化炭素との共重合によって製造される。市販入手可能なオレフィン性半結晶質ポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダムおよびインパクトコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-アルキルアクリレートまたはメタクリレートコポリマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマー等が挙げられる。上記したオレフィン性ポリマーのいずれかの混合物を本発明の基本成分として使用することができることも認識する必要がある。本発明の組成物への半結晶質オレフィン性ポリマーの包含は、所望されるレベルの粘着性、および、かくして、グリーン強度を達成するために不可欠である。
【0026】
上記したタイプのいずれのオレフィン性ポリマーも本発明の組成物に使用することができるが、2〜18の炭素原子からなるα-オレフィン類のホモポリマーおよびコポリマーが好ましい。このようなタイプのポリマーは、当分野周知であり、市販供給元から広く入手可能である。これらポリマーとしては、慣用的なZiegler-Nattaエチレンポリマーおよびコポリマーが挙げられる。Ziegler-Nattaポリプロピレンおよびコポリマー;単一部位触媒(SSC)、例えば、メタロセン-エチレンポリマーおよびコポリマー;SSCプロピレンポリマーおよびコポリマー等。
【0027】
本明細書にて使用する“半結晶質ポリマー”という用語は、固体状態にて結晶質および非晶質領域の両方を含有する高分子材料を称す。結晶質領域にて、ポリマーの分子鎖は、全て、その構造が結晶を記載するための最小の構造単位であるそれらの単位格子を特徴付けうる規則的な三次元配置にて配列される。非晶質領域は、対照的に、固体状態にて規則的な三次元構造を有しない。分子鎖は、空間にてランダムに配列される。
【0028】
半結晶質ポリマーは、融点Tmの存在または不在および加熱する際に結晶質状態から液体状態への変換から誘導されるそれに伴う溶融エンタルピー(ΔHm)を観測することによって完全に非晶質のポリマーと容易に識別することができる。半結晶質ポリマーは、全て、融点を示すであろうが、他方、非晶質材料について、融点は存在しない。非晶質ポリマーは、ガラス転移温度Tgの周辺の狭い温度範囲でガラス状固体からゴム状の状態への転移を受ける。TgをTmと混同してはならない。結晶質材料の溶融転移と異なり、非晶質ポリマーのガラス転移は、それに伴うエンタルピー変化(ΔHm)を有しない。
【0029】
本明細書にて上記定義した半結晶質ポリマーは、非科学的に、取引にて結晶質ポリマーと称されることも多いことを指摘しておく。十分に画定された実験条件下で小規模スケールにて実験室で製造される単結晶を除き、完全に結晶質のポリマーは、商取引にては出くわさない。いわゆる結晶質ポリマーは、全て、厳密に言えば、半結晶質である。本明細書にて記載する半結晶質ポリマーの定義は、したがって、商取引における“結晶質ポリマー”を包含する。
【0030】
融点Tm、溶融エンタルピーΔHおよびガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計(DSC)を使用することにより実験的に決定することができる。その技術は、当業者周知であり、科学刊行物に十分に記載されている。
【0031】
上記したタイプの半結晶質オレフィン性ポリマーは、数多くの市販供給元、例えば、ExxsonMobilから商標名EscoreneおよびExactの下に高および低密度ポリエチレン;Total Petrochemicalsから商標名FinaceneおよびFinaplastの下にポリプロピレン;DuPontから商標名Elvaxの下にエチレン-ビニルアセテートコポリマー;Dow Chemicalから商標名Primacorの下にエチレン-アクリル酸コポリマー;Akemaから商標名Lotrylの下にエチレン-エチルアクリレートコポリマー;および、ExxsonMobilから商標名Escorの下エチレン-メチルアクリレート-アクリル酸ターポリマーを購入することができる。
【0032】
本発明の組成物に使用されるゴム成分および半結晶質オレフィン性ポリマーは、別個の成分として個々に組成物に導入することができる。あるいは、ゴムおよび半結晶質ポリマーは、予め混合してポリマーブレンドまたはポリマー合金を形成してもよい。このようなブレンドまたは合金は、押出機またはBanburyミキサー等を介してゴムまたはゴムのブレンドを半結晶質ポリマーと機械的に混合することにより製造することもできる。それは、また、単一または一連の並列反応器にて直接重合することによりin situで製造することもできる。このようなin situプロセスの例は、Basell USA Inc.により使用されているCatalloy Processである。このプロセスは、各反応器にて異なる供給原料の別個の重合を可能とする2つ以上のガス相反応器を並列に使用する。各反応器は、各反応器生成物がその他で製造される生成物とは極めて異なるようにその他と独立に運転する。各反応器からの生成物は、混合およびペレット化してポリマーブレンドを生じさせることができる。Catalloyプロセスによって製造されるポリマーブレンドの例は、Adflexブランド熱可塑性オレフィン(TPO)であり、これは、EPRおよび半結晶質プロピレンホモポリマーまたはコポリマーのブレンドである。
【0033】
本発明にて有用なAPAOポリマーは、アタクチック、低分子量、低溶融粘度および本質的に非晶質のプロピレン基体のポリマーの数種の異なるカテゴリーからなる。これらのポリマーは、当業者周知であり、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンの1種以上のα-オレフィンコモノマー、例えば、例として、エチレン、ブテン-1、ヘキセン-1およびオクテン-1とのコポリマーのいずれかでありうる。本発明の範囲のAPAOポリマーの重量平均分子量は、約1,000〜約300,000g/mol、好ましくは、約10,000〜約100,000g/molの範囲内である。前記ポリマーは、軟化点約80〜170℃とガラス転移温度約-5〜-40℃を有するのが有益である。本明細書にて上記した物理的特性の範囲内に入るいずれのAPAOポリマーも使用することができるが、最も好ましいAPAOは、プロピレンホモポリマー、プロピレン-エチレンコポリマー、プロピレン-ブテン-1コポリマーおよびプロピレン-エチレン-ブテン-1ターポリマーからなる群より選択される。本明細書にて上記したタイプのAPAOポリマーは、Eastman Chemical Company,Kingsport,TNから商標名Eastoflexの下に、Huntsman Corporation,Houston,TXから商標名Reflexの下に、または、Degussa Corporation,Parsippany,NJから商標名Vestoplastの下に市販入手可能である。
【0034】
本発明のホットメルトシーラント/発泡体代替ガスケット材料に使用される粘着付与樹脂または粘着付与剤は、機能性特性を拡張し、固有接着力(specifc adhesion)を改善するものである。本明細書にて使用する場合、“粘着付与樹脂”という用語は:
(a) ASTM法E28-58Tにより決定したRing & Ball軟化点10℃〜160℃を有する脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂であり、後者の樹脂は、主に脂肪族および/または脂環式オレフィン類およびジオレフィン類からなるモノマーの重合によって生じ;また、水素化された脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂を含み;このタイプのC5オレフィン画分を基体とするこのような市販入手可能な樹脂の例は、Eastman Chemicalによって販売されているPiccotac 9095粘着付与樹脂およびExxonMobil Chemistry Companyによって販売されているEscoreze 1310LCである;
(b) 芳香族石油炭化水素樹脂およびその水素化された誘導体;
(c) 脂肪族/芳香族石油誘導された炭化水素樹脂およびその水素化された誘導体;
(d) 芳香族改質された脂環式樹脂およびその水素化された誘導体;
(e) 軟化点約10℃〜約140℃を有するポリテルペン樹脂であり、後者のポリテルペン樹脂は、概して、Friedel-Crafts触媒の存在にて比較的低温でテルペン炭化水素、例えば、ピネンとして公知のモノ-テルペンの重合を生じ;また、水素化されたポリテルペン樹脂も含まれる;
(f) 天然テルペンのコポリマーおよびターポリマー、例えば、スチレン/テルペン、α-メチルスチレン/テルペンおよびビニルトルエン/テルペン;
(g) 天然および改質ロジン、例えば、例として、ガンロジン、木材ロジン、トール油ロジン、蒸留したロジン、水素化されたロジン、二量化させたロジンおよび重合させたロジン;
(h) 天然および改質したロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル類、例えば、例として、ペイルウッドロジン(pale wood rosin)のグリセロールエステル、水素化されたロジンのグリセロールエステル、重合させたロジンのグリセロールエステル、ペイルウッドロジンのペンタエリスリトールエステル、水素化されたロジンのペンタエリスリトールエステル、トール油ロジンのペンタエリスエステルおよびロジンのフェノール性改質ペンタエリスリトールエステル;
(i) フェノール改質されたテルペン樹脂、例えば、例として、テルペンおよびフェノールの酸性媒体中での凝縮により生ずる樹脂生成物。
【0035】
上記した粘着付与剤樹脂の2種以上の混合物が、若干の配合について必要とされるかもしれない。5重量%〜50重量%の範囲の粘着付与樹脂を使用することができるが、好ましい量は、約10重量%〜約30重量%である。本発明のために有用な粘着付与樹脂は、恐らく、極性の粘着付与樹脂を含むが、しかし、利用可能な極性の粘着付与樹脂の選択は、極性樹脂の多くがEPRおよび半結晶質オレフィン性ポリマーと部分的な相溶性のみしか示さないことに鑑み制限される。
【0036】
上記したように、本発明の範囲内で有用な粘着付与樹脂は、約0重量%〜50重量%を占める。好ましくは、粘着付与樹脂は、いずれかの非極性タイプから選択され、これらは、市販入手可能である。好ましい樹脂は、脂肪族石油炭化水素樹脂であり、それらの例は、C5オレフィン、例えば、Eastman Chemical Companyから入手可能なPiccotac 9095を基体とする。軟化点70℃より上を有する水素化されたDCPD基体またはその芳香族改質誘導体である非極性生成物が最も好ましい。このような樹脂の例は、ExxonMobil Chemical Companyによって販売されているEscoreze 5400およびEscoreze 5600である。
【0037】
柔軟性、弾性および温度変動許容度を生じさせるために、本発明の組成物には、十分な量の可塑剤が存在する必要がある。可塑剤の好ましい量は、少なくとも約30重量%、好ましくは、少なくとも32重量%、最も好ましくは、35重量%より上の範囲である。約70重量%より上の可塑剤では、しかし、組成物が、適当な粘着強さおよび耐熱性を喪失する。適した可塑剤は、通常の可塑化油、例えば、鉱油を含む群から選択するのがよいが、しかし、また、オレフィンオリゴマーおよび低分子量ポリマーであってもよく、ならびに、植物および動物油およびこのようなオイルの誘導体であってもよい。使用することのできる石油誘導オイルは、好ましくは、少量比の芳香族炭化水素のみを含有する比較的高沸の材料である。この点に関して、芳香族炭化水素は、芳香族炭素原子の画分によって測定して、好ましくは、オイルの30%未満であるべきであり、さらに特に15%未満であるべきである。さらに好ましくは、オイルは、本質的に、非芳香族性であるのがよい。オリゴマーは、平均分子量約350〜約10,000を有する、ポリプロピレン類、ポリブテン類、水素化されたポリイソプレン類、水素化されたポリブタジエン類等であるのがよい。適した植物および動物油としては、通常の脂肪酸のグリセロールエステル類およびそれらの重合生成物が挙げられる。その他の有用な可塑剤は、慣用的なジベンゾエート、ホスフェート、フタレートエステル類の属;ならびに、モノ-またはポリグリコールのエステル類に見出される。このような可塑剤の例としては、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ポリエチレングリコール 400-ジ-2-エチルヘキソエート;ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレートおよびジオクチルフタレートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明にて有用性が見出されている可塑剤は、いずれかの数の異なる可塑剤であってもよいが、本発明者は、鉱油および平均分子量5,000未満を有する液体ポリブテン類が特に有益であることを見出した。理解されるであろうが、可塑剤は、典型的には、ホットメルト組成物全体の粘度を低下させ、ホットメルト組成物の柔軟性、弾性および耐温度変動性を改善するために使用されてきた。
【0038】
ワックス類は、ホットメルト組成物の溶融粘度を低下させるために使用することができる。約0重量%〜30重量%の可変量を本発明の組成物にて使用することができるが、好ましい量は、0重量%〜15重量%である。これらワックス類は、また、ホットメルトの硬化時間および軟化点に影響を及ぼしうる。有用なワックス類としては:
1. ASTM法D-1321によって決定される硬度値約0.1〜120を有し、ASTM軟化点約65℃〜140℃を有する低分子量、すなわち、数平均分子量(Mn)500〜6000に等しいポリエチレン;
2. 石油ワックス類、例えば、融点約50℃〜80℃を有するパラフィンワックスおよび融点約55℃〜100℃を有する微結晶質ワックスであり、その後者の融点は、ASTM法D127-60によって決定される;
3. 一酸化炭素および水素を重合させることによって製造される合成ワックス類、例えば、Fischer-Tropschワックス;および、
4. ポリオレフィンワックス類。本明細書で使用する場合、“ポリオレフィンワックス”という用語は、オレフィン性モノマー単位によって構成される高分子または長鎖オレフィンワックスを称す。このタイプの材料は、商標名“Epolene”の下Eastman Chemical Co.より、商標名“Licocene”の下Clariant Corporationから、および、商標名“polywax”の下Baker Petroliteから市販入手可能である。本発明の組成物にて使用するのに好ましい材料は、Ring & Ball軟化点約80℃〜170℃を有する。理解されるであろうに、これら各ワックス希釈剤の各々は、室温で固体である。
【0039】
水素化された動物、魚および植物脂肪および油、例えば、水素化された牛脂、ラード、大豆油、綿実油、ヒマシ油、メンヘーデン油、タラ肝臓油等を含み、かつ、それらが水素化されることにより室温で固体であるその他の物質もまたワックス希釈剤等価体として機能する点で有用であることが見出されている。これらの水素化された材料は、接着剤業界で“動物または植物ワックス類”と称されることが多い。
【0040】
本発明の組成物は、約60重量%までの充填剤を含有してもよい。典型的な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、粘土シリカ、雲母、珪灰石、長石、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、水和されたアルミナ、ガラス微細球、セラミック微細球、熱可塑性樹脂微細球、バライトおよび木粉が挙げられる。
【0041】
本発明は、約0重量%〜約5重量%の量の安定剤を含んでもよい。好ましくは、約0.1%〜2%の安定剤が組成物に配合される。本発明のホットメルト接着剤組成物にて有用な安定剤は、通常、ホットメルトの製造および使用の間に生ずる熱分解および酸化的分解の作用からならびに最終製品の周囲環境への通常の暴露にて、上記したポリマーを、それによって、接着剤総システムを保護するのを補助するために配合される。使用可能な安定剤としては、高分子量ヒンダードフェノール類および多官能性フェノール類、例えば、硫黄およびリン含有フェノール類が挙げられる。ヒンダードフェノール類は、当業者周知であり、そのフェノール性ヒドロキシル基の極近傍にまた立体的に嵩高い基を含有するフェノール性化合物と特徴づけられる。特に、第3級ブチル基が概してフェノール性ヒドロキシル基に関してオルト位の少なくとも1つでベンゼン環上を置換する。ヒドロキシル基の周辺におけるこれら立体的に嵩高い置換基の存在は、その延伸周波数、したがって、その反応性を遅延させ;この立体的阻害は、かくして、その安定化特性を有するフェノール性化合物を提供する。典型的なヒンダードフェノールとしては、以下の化合物が挙げられる:
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3-5-ジt-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン;
ペンタエリスリトールテトラキス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
n-オクタデシル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
4,4’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール);
2,6-ジt-ブチルフェノール;
6-(4-ヒドロキシフェノキシ)-2,4-ビス(n-オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン;
2,3,6-トリス(4-ヒドロキシ-3,5-ジt-ブチル-フェノキシ)-1,3,5-トリアジン;
ジ-n-オクタデシル-3,5-ジt-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート;
2-(n-オクチルチオ)エチル-3,5-ジt-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート;および、
ソルビトールヘキサ-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート。
【0042】
ペンタエリスリトールテトラキス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが安定剤として特に好ましい。
これら安定剤の性能は、それとともに、(1) 相乗剤、例えば、チオジプロピネートエステル類およびホスファイト類;および、(2) キレート剤および金属失活剤、例えば、例として、エチレンジアミン四酢酸、その塩およびジサリチラルプロピレンジイミンを使用することによってさらに高めることができる。
【0043】
個々の物理的特性を改質するために、本発明のホットメルト組成物にその他の任意の添加剤を配合しうることを理解する必要がある。これらとしては、例えば、不活性着色剤、消臭剤、抗微生物剤、蛍光剤、界面活性剤、その他のタイプのポリマー等が挙げられる。
【0044】
本発明のホットメルトシーラント組成物は、当分野公知のいずれかの混合技術を使用することにより配合することができる。ゴム成分および半結晶質オレフィン性ポリマーは、別個の成分として導入することもできるが、好ましい原材料は、本明細書にて上記した予め混合したEPR(またはEPDM)/半結晶質ポリマーブレンドである。従来技術の混合方法の典型的な例は、ロータを備えたジャケット付きの混合がまにEPRゴムおよび半結晶質ポリマーブレンドを除く全ての成分を入れ、その後、内容物を溶融させるために、混合物の温度を160℃〜200℃の範囲まで上昇させる工程を含む。この工程に使用される正確な温度は、個々の成分の融点に依存するであろうことを承知するべきである。つづいて、攪拌下、かまにポリマーブレンド成分を導入し、ばらつきのない均一な混合物が形成されるまで混合を継続する。かまの内容物は、混合の全工程の間、不活性ガス、例えば、二酸化炭素または窒素で保護される。
【0045】
生ずるホットメルト接着剤は、ついで、種々の塗被技術を使用し、基板に塗被することができる。例としては、ホットメルトグルーガン、ホットメルトスロット-ダイ塗布、ホットメルトホイール塗布、ホットメルトローラ塗布、溶融ブロー塗布、スパイラルスプレー等が挙げられる。好ましい実施態様にて、ホットメルト組成物は、ビーズノズルを備えたグルーガンを使用することによりビーズの形で基板上に計量される。もう1つの好ましい実施態様にて、ホットメルトビーズは、ビーズ寸法および塗布パターンを正確にコントロールするために工業用ロボットのアームに固定された塗布ヘッドを使用することにより塗被される。塗布ヘッドには、ガスを導入するために発泡チャンバが備えられ、ホットメルトと混合して発泡体を形成する。塗布ヘッドは、また、固体のホットメルトビーズを計量可能とするためにガスオフモードで操作することができる。本発明の意図は、ロボットホットメルト塗被技術を完全に提供するものではなく、その詳細は、文献に見られる。
【0046】
本発明は、また、本明細書にて上記開示したホットメルト塗布装置を使用することによるホットメルト組成物を塗布または塗被する方法に係り、この方法は、以下の工程を含む:
1. 適当な溶融容器、例えば、Nordson TM Hot meltメルター等の手段により、約250°F〜約450℃、好ましくは、約300°F〜約400°F、最も好ましくは、約350°F〜約400°Fの温度で接着剤を溶融する;
2. ホットメルト組成物を第1の基板に塗被または塗布する;
3. 塗被の実際的な環境に依存するが、圧縮または加圧下塗被したホットメルトを第2の基板に接触させ押圧して緊密なシールを形成し;この工程は、ホットメルトが塗被された直後の製造部位でなされるかもしくはそれは長時間経過後もう1つの団体、例えば、顧客によって離れた位置でなされるかまたはそれは全く必要がないかもしれない。
【0047】
好ましい実施態様にて、本発明のホットメルト組成物は、ビーズノズルまたはチップで固定されたホットメルト塗布装置を使用することにより固体ビーズの形で塗被または計量され、このタイプのホットメルト装置の一例は、Nordson スペクトルホットメルトコータであり、それは、一体となったメルター;ハンド保持ビーズアプリケータに連結した緩衝およびコントロールユニット;または、グルーガンの形の塗布ヘッドからなる。ホットメルトシーラント/発泡体代替ガスケット組成物は、本明細書にて上記概説した方法および条件に従い塗被される。このタイプの装置は、手動コントロールがなお一般的実施である操作に最も適している。
【0048】
もう1つの好ましい実施態様にて、本明細書にて上記したタイプのホットメルト装置は、ホットメルトの自動計量のための工業的ロボットと完全に一体的である。この場合、アプリケータまたは塗布ヘッドは、圧縮されたガスがホットメルトと混合されて発泡体を形成する加熱混合チャンバを有するように改良されている。塗布ヘッドは、ロボットのアームに取り付けられ、全体の構成は、完全に自動化され自動的にコントロールされて予め決められたパターンでホットメルトの正確な量を塗被する。ホットメルトは、発泡させたビーズとして計量され、ホットメルトの機能特性、例えば、柔軟性および弾性をさらに高める。本プロセスにて発泡剤としては、いずれの圧縮されたガスも使用することができ、圧縮されたガスの例としては、二酸化炭素、窒素、アルゴンおよび圧縮空気が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書にて上記したように、混合チャンバは、圧縮されたガスの供給をオフとすることによってオフモードで操作することができ、それによって、ホットメルトを固体ビーズで計量する。
【0049】
本発明のホットメルト組成物は、多数の用途にて、例えば、窓(ウインドー)およびドアの製造にて窓ガラス、ガスケットおよびバックベッディング材料として;エアフィルター、電気器具、スピーカーおよび電気ソケットにてガスケット/シーラントとして;自動車ウエザーストリップにてシーラントとして;および、自動車ドアトリムアセンブリにてダム(dam)またはバンキング材料(banking material)として使用することができる。本発明のホットメルト組成物がシーリングおよび/またはガスケット操作を必要とする数多くの用途に適合しうることは自明である。本発明のホットメルト組成物は、十分に均衡の取れた製品安全性、低い残残留粘着、柔軟性、弾性、耐温度変動性、容易な使用、長いポットライフ;さらに重要なことに、広範囲の基板、特に基板を接着することの難しい低界面エネルギー、例えば、未処理ポリエチレンおよびポリプロピレンへの優れた接着力を提供することによって従来技術の欠点を克服し有益である。したがって、本発明のもう1つの目的は、本ホットメルト組成物をシーラント/ガスケット材料として使用する物品を提供することである。
【0050】
試験および材料
ASTM- D-3236法に従い、350°Fで、Brookfield粘度を試験した。
ASTM E-28法に従い、自動化したHerzogユニットで、Ring & Ball軟化点を決定した。
【0051】
垂れ下がり抵抗は、以下の方法に従い測定した。寸法12″×4″のポリプロピレンプラクーを試験のためのテンプレートとして使用した。プラクーは、その長手方向に沿って各4″の3つの部分に分割した。MiniSquirt手保持ホットメルトグルーガンを使用することにより等間隔で長さほぼ5cmおよび径3mmの3つの固体ビーズをついでホットメルト試料からポリプロピレン試験プラクーの1つの部分に塗被し、それを約350°Fまで加熱した。ビーズの長さをプラクーの長い縁に沿って平行に維持した。ついで、ビーズを重力の引張力に賦すように、その標品をその床に並列にホットメルトビーズで230°Fまで予め加熱した空気循環オーブン内に置いた。48時間後、ビーズの滑りまたは垂れ下がりを測定した。ホットメルトビーズの3つ全てのレプリカが2mm未満スリップしたら、そのホットメルトは、試験に合格したとみなし、そうでなければ、不合格とした。
【0052】
低温耐衝撃性は、垂れ下がり抵抗試験について記載したのと同様の試験標品を使用することにより-40°Fで測定した。試験標品は、それをフリーザーに入れることにより、試験温度まで冷却し;前記フリーザーは、-40°Fに設定した。24時間平衡後、標品をフリーザーから取出し、約6″の高さからコンクリート床上に直ちに滴らせた。ホットメルトビーズが衝撃後PPパネルに接着したままの場合、それは、合格とみなす。ビーズがパネルから離脱する場合、それは、不合格とみなす。
【0053】
接着力は、以下の方法に従い測定した。試験する接着剤を最初に350°Fで溶融させ、ついで、スパチュラを使用することにより、約1平方インチの面積を覆うように、未処理プラスチック試験プラクー(4″×1″×1/8″寸法)に塗被した。室温で24時間のコンディショニング後、Hyde TMパティナイフを使用することにより、プラクーから接着剤を剥ぐ試みを行った。接着剤が容易に剥がれる場合、それを1と等級づけた。それが剥がれない場合、それを4と等級づけた。中間の等級2および3は、接着剤を剥がす困難性の程度に従い、割り当て、高い数字がより強力な接着を意味する。試験するために使用したプラスチックプラクーは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびガラスを含んでいた。これらパネル材料は、全て、市販供給元から入手し、続いて以下に、さらに説明する。
【0054】
Union Carbide DEFD1331 NAT等級の高密度ポリエチレン樹脂からポリエチレンプラスチック試験プラクーを製造した。それは、Union Carbide Corporation, Houston、TX、現在のDow Chemicals of Midland,MIの1部門から入手した。
【0055】
Eastoman Chemical Company,Kingsport、TNから入手されるTenite V525等級のポリプロピレン樹脂からポリプロピレンプラスチック試験プラクーを製造した。
Therma Tru Technologies,Edgerton,OHから断熱ガラスユニットおよびプラスチックウインドーライトフレームを入手した。
【0056】
Eastoflex P1010は、Eastman Chemical Company,Kingsport,TNから入手し、190℃でのBrookfield粘度約1,000cP、Tg約-10℃および軟化点約150℃を有するAPAOのアタクチックホモポリプロピレンタイプである。
【0057】
Adflex X100Fは、Willmington,DEのBasell Polyolefinsから入手されるポリマーのブレンドである。それは、密度0.90g/ccおよびMFR約8g/10分を有する。
EOD 02-15は、DSC融点120℃、ASTM D-1238試験法当り190℃での溶融流量(FMR)12g/10分を有するmRCPプロピレン-エチレンコポリマーである。
【0058】
Epolene-N-15は、R & B軟化点約163℃および190℃での溶融粘度約600cPを有する低密度および低分子量半結晶質ポリプロピレンである。それは、Eastman Chemical Company,Kingsport,TNから入手可能である。
【0059】
Kraton G-1657は、約13重量%のスチレンおよび29重量%のジブロックコポリマーを含有するスチレン-エチレン-ブテン-スチレン(SEBS)トリブロックコポリマーである。それは、Kraton Polymers LLC,Houston,TXから入手可能である。
【0060】
MDV 91-9は、ASTM D 1646(mod)試験法当りMooney粘度約20(ML 1+4@125℃)を有するエチレン-プロピレンゴム(EPR)である。
Sylvarez ZT115LTは、R & B軟化点115℃を有するスチレン化されたテルペン樹脂である。それは、Arizona Chemicals,Panama City,Floridaから入手可能である。
【0061】
Escorez 5340は、ExxonMobil Chemical Companyから入手可能であり、R & B軟化点約140℃を有する水素化されたDCPDである。
Nyplast 222Bは、Nynas USA,Inc.,Houston,TXから入手可能な鉱油可塑剤である。
【0062】
Piccotac 9095は、R & B軟化点100℃を有する芳香族改質されたC5脂肪族炭化水素樹脂である。それは、Eastman Corporationから入手される。
Camel Witeは、Fitz Chemical Corporation,Chicago,ILから入手可能な炭酸カルシウム充填剤である。
【0063】
Vinyzene SB-1 PSは、Rohm Hass Company,Philadelphia,PAから入手可能な抗微生物剤である。
Irganox 1010は、ヒンダードフェノールタイプの抗酸化剤である。それは、Ciba Speciality Chemicals,Tarrytown,NYから市販入手可能である。
【実施例】
【0064】
実施例
実施例1〜3
本明細書にて上記した成分および混合方法により、表1に示したホットメルト実施例1〜3を製造した。合計、各々、250グラムを製造し、モーターにより駆動されるプロペラ;加熱マントル;温度コントロールユニット;および、寸法約1ピントの容器からなる実験室タイプのミキサー内で、二酸化炭素雰囲気下、350〜375°Fで混合を行った。表に示した比に従い計算されるTPO Adflexポリマーおよび充填剤以外の各成分の適量を容器に加えた。容器の温度をついで上昇させて、内容物を溶融させた。容器内の成分が完全に溶解した後、モータのスイッチをオンにして、攪拌を開始した。続いて、Adflexポリマーおよび充填剤成分を順に導入した。ポリマーが完全に溶融し、充填剤が均一に分散するまで混合を継続した。本明細書にて上記した方法に従い、実施例1〜3の接着剤を試験し、その結果を表1に列挙する。
【0065】
【表1】

【0066】
実施例4
本実施例は、ロボットを使用してコントロールされるビーズノズルを介して自動的に本発明のホットメルト組成物を塗被する方法およびそれによるシールされた物品の製造を示す。ABB Inc.,Auburn Hill,MIから購入したASEA Model IRB 6工業用ロボットのアームにNordson FoamMelt TM Model FM151ホットメルトコータを連結した。塗布ヘッドをビーズノズルで固定して、ビーズの形でホットメルトを計量した。塗布ヘッドは、また、必要と有らば、発泡体の形でホットメルト組成物を計量可能とする空気混合チャンバも備えていた。Therma Tru Technologyから入手した22″×64″プラスチックウインドーフレームを基板として使用した。フレームは、2つの半分またはライト(lite)からなり;外部ライトは、外側に面し、内部ライトは、ビルディングの内側に面していた。実施例1〜3におけると同様の方法に従い、約1ガロン容量の実験室ミキサーを使用することにより、実施例3のホットメルト2キログラムを製造した。試料は、約50体積%の圧縮空気を塗布ヘッドに導入することにより発泡させたビーズの形で最初にウインドーバックベッディングシーラントとして塗被した。ビーズを内部溝外部ライトに入れると、溝上に約2mmの半球を生じた。適当な寸法の絶縁ガラスユニットを続いて発泡させたビーズの頂部に敷き、そのライトを緊密に押圧すると、不浸透性のシールを形成した。最後に、内部ライトを断熱されたガラスユニット上にかみ合わせ、完全なウインドーアセンブリを形成するためにねじを使用することにより外部ライトに固定した。製造されるウインドーユニットは、住居、商業および工業用ビルディングにおける使用が見出されうる。
【0067】
実施例5
本実施例は、ホットメルト組成物を断熱ガラスユニット上に塗被する別途方法を示す。実施例4におけると同様の装置、ホットメルト組成物およびプロセス条件を使用した。外部ウンドーライトの溝に塗被する代わりに、発泡させたビーズをその周辺に沿って断熱されたガラスユニット上に塗被して、高さ約5mmの半球を生じさせた。次に、外部ライトをバックベッディング(back-bedding)ビーズに固定し、手で押圧して緊密なシールを形成した。内部ライトをついで取り付け、本明細書にて上記した様に固定した。
【0068】
実施例6
実施例4の発泡させたホットメルトビーズを実施例4に記載したと同様にウインドーライトの外側周辺溝に塗被することにより、予め塗被したガスケットシールを備えたウインドーフレームを製造した。かくして製造した発泡体代替ガスケットを備えたウインドーフレームをウインドースラブに取り付けて、水、汚れおよびその他の外来物質がビルディングに侵入しないようにジョイントを保護する緊密なシールを形成した。
【0069】
実施例7〜10
表に示した成分および本明細書の実施例1〜3に記載した混合方法で同様にホットメルト実施例7〜10を製造した。ポリマーブレンドとしての代わりに、ここでゴムおよび半結晶質ポリマーを個々の成分として別個に加えた。実施例7および8は、実施例1〜3におけると同様のゴム成分であるEPRを有し、他方、実施例9および10は、ゴム成分としてスチレン-エチレン-ブテン-スチレントリブロックコポリマーを含有する。また、後者の実施例は、また、第3のポリマーとしてAPAOを含有する。各実施例は、先に記載したと同一タイプのミキサー内で二酸化炭素雰囲気下365°Fで混合した。再度、ゴムおよび半結晶質ポリマーを最後の混合工程で導入した。これら実施例の物理的かつ性能的特性もまた本明細書にて上記した試験方法および方法に従い試験し、その結果を表2に示す。
【0070】
【表2】

【0071】
実施例11
これら実施例は、ウインドーまたはドアバックベッディング用途用に固体ビーズとして手動ホットメルトハンドガンにより本発明のホットメルト組成物を塗被する方法およびそれによるウインドー物品の製造を示す。内部および外部ライトからなる24″×38″プラスチックウインドーフレームは、Therma Tru Technologyから入手し、基板として使用した。空気循環オーブン内で、実施例7のホットメルト組成物を最初に350°Fで溶融させた。ビーズノズルを備えた予熱したMinisquirt TM 手保持ホットメルトグルーガンの試料チャンバについで各溶融された材料を注いだ。グルーガンの温度を350°Fに設定した。ホットメルトビーズを固体ビーズの形のウインドーバックベッディングシーラントとしてホットメルトビーズを塗被した。外部ライトの内側溝に、ビーズを投入した。適当な寸法の断熱ガラスユニットを続いてビーズの頂部に敷き、そのライトに対して緊密に押圧して、不浸透性のシールを形成した。最後に、内部ライトを断熱されたガラスユニットおよび外部ライト上にかみ合わせ、完全なウインドーアセンブリを形成した。製造されるウインドーユニットは、住居、商業および工業用ビルディングにて使用が見出されうる。
【0072】
実施例12
実施例9のホットメルト組成物および同プラスチックウインドーフレーム基板を使用することにより、実施例11の工程を繰り返した。住居、商業および工業用ビルディングにて使用することのできる不浸透性のウインドーユニットを製造した。
【0073】
実施例13,14および比較実施例1
可塑剤の量は、低温柔軟性および低温衝撃強さに劇的な効果を有する。30重量%以上の量の可塑剤を有することの臨界的な重要性を立証するために、実施例12、13および比較実施例C1を表3に列挙した成分および本明細書にて上記した混合方法で製造した。混合は、365°Fで行った。これら実施例は、同様の成分を含有し、それらは、可塑剤の重量パーセントのみが異なり、対応する粘着付与剤の含量の調節により、合計パーセンテージを100重量%に正規化する。
【0074】
【表3】

【0075】
実施例12および13は、30重量%以上の可塑剤を有し、-40°Fでの耐衝撃性試験に合格するものの、他方、28%の可塑剤を有する比較実施例C1は不合格であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト接着剤組成物であって、以下の成分:
約5重量%〜50重量%の量の少なくとも1種のゴム;
約5重量%〜40重量%の量の少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマー;
約0重量%〜70重量%の量の少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマー;
約0重量%〜50重量%の量の相溶性粘着付与剤;
少なくとも30重量%の量の可塑剤;
約0重量%〜30重量%の量のワックス;
約0重量%〜60重量%の量の充填剤;および、
約0重量%〜5重量%の量の安定剤;
のブレンドを含み、
上記成分を加えて該組成物の100重量%になる組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のゴムが組成物の約5重量%〜30重量%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のゴムが組成物の約10重量%〜25重量%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のゴムが、エチレン-プロピレン-ゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン材料(EPDM)、スチレン系ブロックコポリマー(SBC)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシル化されたSBR、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエステルゴム、ポリウレタンエラストマーおよび上記ゴムのブレンドからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、約5重量%〜30重量%の量存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、約5重量%〜25重量%の量存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダムおよびインパクトコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-アルキルアクリレートまたはメタクリレートコポリマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマーおよび上記オレフィン性ポリマーの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、2〜18の炭素原子を含むα-オレフィンのホモポリマーまたはコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、約5重量%〜30重量%の量存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、プロピレンホモポリマー、プロピレン-エチレンコポリマー、プロピレン-ブテン-1コポリマーおよびプロピレン-エチレン-ブテン-1ターポリマーならびに上記ポリマーのブレンドからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンと1種以上のα-オレフィンコモノマーとのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、重量平均分子量約1,000〜約300,000g/mol、軟化点約80℃〜170℃およびガラス転移温度約-5℃〜-40℃を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記粘着付与剤が、脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂、水素化された脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂、水素化された芳香族石油炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族石油誘導炭化水素樹脂、水素化された脂肪族/芳香族誘導炭化水素樹脂、芳香族改質された脂環式樹脂、水素化された芳香族改質された脂環式樹脂、ポリテルペン樹脂、天然のテルペン類のコポリマーおよびターポリマー、天然および改質されたロジン、天然および改質されたロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル類、および、フェノール性改質されたテルペン樹脂からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記可塑剤が、少なくとも32重量%の量存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記可塑剤が、35重量%より多い量存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記可塑剤が、鉱油、オレフィンオリゴマーおよび液体ポリブテン類からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記成分が、組成物に、粘度2,000cP〜1,000cP、Ring & Ball軟化点200°F〜350°Fを生じさせる、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
ラミネート構造を製造する方法であって、
シーラント受容表面を有する第1の基板を用意し;
第2の基板を用意し;
第1の基板の前記接着剤受容表面上に請求項1に記載のホットメルト接着剤を塗被し;
加圧下、第1および第2の基板を相互に接触させて第1の基板を第2の基板に接着させる;
各工程を含む方法。
【請求項19】
前記少なくとも1種のゴムが組成物の約5重量%〜30重量%を占める、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1種のゴムが組成物の約10重量%〜25重量%を占める、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1種のゴムが、エチレン-プロピレン-ゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン材料(EPDM)、スチレン系ブロックコポリマー(SBC)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシル化されたSBR、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエステルゴム、ポリウレタンエラストマーおよび上記ゴムのブレンドからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、約5重量%〜30重量%の量存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、約5重量%〜25重量%の量存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダムおよびインパクトコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-アルキルアクリレートまたはメタクリレートコポリマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマーおよび上記オレフィン性ポリマーの混合物からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、2〜18の炭素原子を含むα-オレフィンのホモポリマーまたはコポリマーである、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、約5重量%〜30重量%の量存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、プロピレンホモポリマー、プロピレン-エチレンコポリマー、プロピレン-ブテン-1コポリマーおよびプロピレン-エチレン-ブテン-1ターポリマーならびに上記ポリマーのブレンドからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンと1種以上のα-オレフィンコモノマーとのコポリマーである、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、重量平均分子量約1,000〜約300,000g/mol、軟化点約80℃〜170℃およびガラス転移温度約-5℃〜-40℃を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記粘着付与剤が、脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂、水素化された脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂、水素化された芳香族石油炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族石油誘導炭化水素樹脂、水素化された脂肪族/芳香族誘導炭化水素樹脂、芳香族改質された脂環式樹脂、水素化された芳香族改質された脂環式樹脂、ポリテルペン樹脂、天然のテルペン類のコポリマーおよびターポリマー、天然および改質されたロジン、天然および改質されたロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル類、および、フェノール性改質されたテルペン樹脂からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記可塑剤が、少なくとも32重量%の量存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記可塑剤が、35重量%より多い量存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記可塑剤が、鉱油、オレフィンオリゴマーおよび液体ポリブテン類からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記成分が、組成物に、粘度2,000cP〜1,000cP、Ring & Ball軟化点200°F〜350°Fを生じさせる、請求項18に記載の方法。
【請求項35】
シーラント受容表面を有する第1の基板;
前記接着剤受容表面に面する表面を有する第2の基板;および、
前記第1および第2の基板を一緒に接着してラミネート構造を形成する前記第1の基板の前記接着剤受容表面に配置した請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物;
を含むラミネート構造。
【請求項36】
前記少なくとも1種のゴムが組成物の約5重量%〜30重量%を占める、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項37】
前記少なくとも1種のゴムが組成物の約10重量%〜25重量%を占める、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項38】
前記少なくとも1種のゴムが、エチレン-プロピレン-ゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン材料(EPDM)、スチレン系ブロックコポリマー(SBC)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシル化されたSBR、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエステルゴム、ポリウレタンエラストマーおよび上記ゴムのブレンドからなる群より選択される、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項39】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、約5重量%〜30重量%の量存在する、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項40】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、約5重量%〜25重量%の量存在する、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項41】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダムおよびインパクトコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-アルキルアクリレートまたはメタクリレートコポリマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマーおよび上記オレフィン性ポリマーの混合物からなる群より選択される、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項42】
前記少なくとも1種の半結晶質オレフィン性ポリマーが、2〜18の炭素原子を含むα-オレフィンのラミネート構造またはコポリマーである、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項43】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、約5重量%〜30重量%の量存在する、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項44】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、プロピレンホモポリマー、プロピレン-エチレンコポリマー、プロピレン-ブテン-1コポリマーおよびプロピレン-エチレン-ブテン-1ターポリマーならびに上記ポリマーのブレンドからなる群より選択される、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項45】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、プロピレンのホモポリマーまたはプロピレンと1種以上のα-オレフィンコモノマーとのコポリマーである、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項46】
前記少なくとも1種の非晶質ポリ-α-オレフィンポリマーが、重量平均分子量約1,000〜約300,000g/mol、軟化点約80℃〜170℃およびガラス転移温度約-5℃〜-40℃を有する、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項47】
前記粘着付与剤が、脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂、水素化された脂肪族および脂環式石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂、水素化された芳香族石油炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族石油誘導炭化水素樹脂、水素化された脂肪族/芳香族誘導炭化水素樹脂、芳香族改質された脂環式樹脂、水素化された芳香族改質された脂環式樹脂、ポリテルペン樹脂、天然のテルペン類のコポリマーおよびターポリマー、天然および改質されたロジン、天然および改質されたロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル類、および、フェノール性改質されたテルペン樹脂からなる群より選択される、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項48】
前記可塑剤が、少なくとも32重量%の量存在する、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項49】
前記可塑剤が、35重量%より多い量存在する、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項50】
前記可塑剤が、鉱油、オレフィンオリゴマーおよび液体ポリブテン類からなる群より選択される、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項51】
前記成分が、組成物に、粘度2,000cP〜1,000cP、Ring & Ball軟化点200°F〜350°Fを生じさせる、請求項35に記載のラミネート構造。
【請求項52】
請求項1に記載の組成物を含む発泡体代替ガスケット材料。

【公表番号】特表2009−504889(P2009−504889A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527118(P2008−527118)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/032046
【国際公開番号】WO2007/022308
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(505252090)ボスティック・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】