説明

ポリアミドイミドフィルムの製造方法

【課題】電子情報機器等の小型軽量化、高機能化の進展に伴い、電気・電子部材、オプトデバイス部材等に使用されるフィルムには、より優れた耐熱性、表面平滑性、及び透明性が求められる。本発明の課題は、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムを、歩留まり良く、剥離しやすく、効率的に製造する方法を提供することにある。
【解決手段】(1)ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンを20モル%を超える濃度で含有するポリイミドフィルム上に、ポリアミドイミド樹脂を塗布し、乾燥し、フィルム化する工程と、(2)ポリアミドイミド樹脂の溶液より形成されたフィルムをポリイミドフィルムから剥離する工程を含む、算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下のポリアミドイミドフィルムの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリアミドイミドフィルムの製造方法に関する。更に詳しくは、電子情報機器や自動車用途等、耐熱性が必要とされる光学用部材、電気・電子部材、オプトデバイス部材、機械部材等の各種部材に使用される耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、絶縁性、及び耐薬品性などに優れ、又、加工性にも優れる為、電気、電子機器用の絶縁材料等として広く使用されている。
【0003】
通常、ポリアミドイミド樹脂は有機溶剤に溶解する為、ポリアミドイミドフィルムの製造方法としては、以下の工程(1)〜(3)からなる乾式製膜法が代表的である。
(1)エンドレスベルトやドラム等の支持体上に、ポリアミドイミド樹脂の
溶液を塗布し乾燥させる。
(2)ポリアミドイミド樹脂の塗膜が支持体に固着する前に剥離する。
(3)さらに熱処理する。
例えば、手順(2)〜(3)において一定の溶剤を残した状態で該支持体よりフィルムを剥離し、ピンテンター方式などによりフィルムの両端を把持したまま再度熱処理することにより形成される(特許文献1、2、3)。
【0004】
しかし、通常、エンドレスベルトやドラム等の支持体は、金属材料等の硬質な材料で構成されている為、必ずしも平滑な表面性ではない。また、傷、打痕なども入り易い。この為、該支持体上に塗布し、剥離して製造する従来の方法では、耐熱性、表面平滑性、及び透明性を満足するポリアミドイミドフィルムは得られにくいという問題があった。
【0005】
また、エンドレスベルトやドラム等の支持体上に、ポリアミドイミド樹脂の溶液を塗布し、塗膜を乾燥後、該支持体よりフィルムを剥離する従来の方法では、塗布するフィルム厚みが薄いと剥離性が悪くなる。また、フィルムにしわや傷が入り易くなるという問題があった。
【0006】
また、ポリイミド樹脂表面を有する基材を支持体とし、この表面にポリアミド酸溶液を塗布し、乾繰し、ポリイミドフィルムを支持基材から剥離する方法が試みられている(特許文献4、5)。しかし、この方法では、剥離性が悪くなる場合があるため、生産効率が良くなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−29852号公報
【特許文献2】特許第4428016号公報
【特許文献3】特許第4253791号公報
【特許文献4】特開2010−201889号公報
【特許文献5】特開2010−201890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、従来技術では、以下の問題があった。
(1)耐熱性、表面平滑性、及び透明性を同時に満足するポリアミドイミドフィルムは、
製造しにくい。
(2)フィルムにしわや傷が入りやすく、透明性、及び表面平滑性を妨げる。
(3)剥離性が悪くなる場合があるため、生産効率が良くない。
【0009】
電子情報機器等の小型軽量化、高機能化の進展に伴い、電気・電子部材、オプトデバイス部材等に使用されるフィルムには、より優れた耐熱性、表面平滑性、及び透明性が求められる。
【0010】
従って、本発明の目的は、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムを、歩留まり良く、剥離しやすく、効率的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究した結果、支持体にポリイミドフィルムを用いるポリアミドイミドフィルムの製造方法を見出した。すなわち、特定のポリイミドフィルム上に、ポリアミドイミド樹脂溶液を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、得られたポリアミドイミドフィルムを剥離することで、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムが得られることを見出した。即ち、本発明は以下の様な構成からなる。
【0012】
(項1)
少なくとも以下の(1)及び(2)の工程を含むことを特徴とする算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下のポリアミドイミドフィルムの製造方法;
(1)ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンを20モル%を超える濃度で含有するポリイミドフィルム上に、ポリアミドイミド樹脂の溶液を塗布し、乾燥し、フィルム化する工程;
(2)ポリアミドイミド樹脂より形成されたフィルムをポリイミドフィルムから剥離する工程。
(項2)
ポリイミドフィルムが、以下の一般式(1)の構造を構成単位として含むことを特徴とする項1に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【化1】

(項3)
ポリアミドイミド樹脂が下記一般式(2)を構成単位として含むことを特徴とする項1または項2に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【化2】

(式中、Rはアリル基、シクロアルカン基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
(項4)
ポリアミドイミド樹脂が以下の一般式(3)の構造を構成単位として含むことを特徴とする項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【化3】

(式中、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
(項5)
ポリアミドイミド樹脂の溶液の溶剤が、1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとγ−ブチロラクトンとを含むことを特徴とする項1〜4のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項6)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとγ―ブチロラクトンとの混合比率が30〜70/70〜30であることを特徴とする項5に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項7)
ポリイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
(項8)
項1〜7のいずれかに記載の方法により製造されたポリアミドイミドフィルム。
(項9)
項8に記載のポリアミドイミドフィルムを用いたフレキシブル金属張積層体。
【発明の効果】
【0013】
本発明のポリアミドイミドフィルムの製造方法は、支持体にポリイミドフィルムを用いる。そして、当該支持体の片面、或いは、両面にポリアミドイミド樹脂溶液を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、当該フィルムを剥離する。本発明により、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムを、歩留まり良く、剥離しやすく、効率的に製造できる為、工業的に優位である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態にかかるポリアミドイミドフィルムの製造方法について説明する。
【0015】
本発明は、ポリイミドフィルム上に、ポリアミドイミド樹脂を塗布し、乾燥し、フィルム化した後、得られたポリアミドイミドフィルムを耐熱性フィルムから剥離して、算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下のポリアミドイミドフィルムを製造することにある。ここで、「算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下」とは、ポリアミドイミドフィルム(単にPAIフィルムと称することがある)の場合は、両面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることを意味する。
【0016】
この工程における本発明の最も重要な開示は、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムを、歩留まり良く、剥離しやすく、効率的に製造する手段を提供することにある。
【0017】
すなわち、本発明の第1の重要な開示は、ポリイミドフィルムに係る開示である。
【0018】
また、本発明の第2の重要な開示は、ポリアミドイミドフィルムの原料となるポリアミドイミド樹脂に係る開示である。
【0019】
さらに、本発明の第3の重要な開示は、ポリアミドイミドフィルムを製造するための各種条件に係る開示である。
【0020】
<<ポリイミドフィルムに係る開示>>
まず、第1の重要な開示であるポリイミドフィルムについて説明する。
【0021】
<ポリイミドフィルム>
本発明において支持体として用いるポリイミドフィルムは、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンを含有するポリイミドフィルム(単にPIフィルムと称することがある)であれば良い。
基本的には、本発明の製造プロセスにおいて、ポリアミドイミド樹脂溶液に用いられる溶剤に耐える耐溶剤性、フィルム化工程での熱履歴に耐える耐熱性、ポリアミドイミドフィルムを剥離できる剥離性に優れるポリイミドフィルムであればよい。具体的な、ポリイミドフィルムとしては芳香族を含むのがよく、好ましくは、芳香族ポリイミドである。
芳香族ポリイミドのジアミン成分としてp−フェニレンジアミンは、20モル%を超える濃度で共重合されるのがよい。好ましくは25モル%以上、より好ましくは50モル%以上共重合した芳香族ポリイミドがよい。p−フェニレンジアミンが20モル%を超える濃度で共重合されていれば、ポリアミドイミドフィルムとの剥離性が特に良くなる。
【0022】
芳香族ポリイミドの製造方法としては特に制限はない。
例示するならば、
テトラカルボン酸二無水物とイソシアネ−トを反応させる一段合成法、
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させてイミド前駆体であるポリアミック酸を合成し、ポリアミック酸をイミド化する方法、
前記ポリアミック酸を合成し、これと脱水剤とを反応させてポリイソイミドを得て、このポリイソイミドを加熱する方法などがある。
ポリアミック酸をイミド化する方法も特に限定はなく、加熱により脱水する熱的環化法、脱水縮合剤とイミド化触媒を用いる化学的環化法等によりイミド化することができる。
【0023】
芳香族ポリイミドのジアミン成分として、p−フェニレンジアミン以外に、本発明の効果を損なわない程度であれば、次に例示する成分を含んでいても良い。例えば、芳香族ジアミン、例えば、m−フェニレンジアミン、アルキル置換ジアミノベンゼン類、ジアミノナフタレン類、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオエ−テル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオエ−テル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)アミンビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミンビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミンビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、1,1−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等およびそれらのハロゲン基あるいはアルキル基による芳香核置換体、などが挙げられる。これらのジアミンは2種以上の混合物として使用することも可能である。
【0024】
また、芳香族ポリイミドの酸成分としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ピリジン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物等が挙げられる。これらの酸無水物は2以上の混合物として用いることも可能である。
【0025】
好ましくは、芳香族ポリイミドの酸成分としては、3,3−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0026】
好ましいポリイミドフィルムとして、以下の一般式(1)の構造を構成単位として含む化合物を用いることができる。
【0027】
【化4】

【0028】
ポリイミドのポリアミック酸の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)、30℃での対数粘度にして0.3dl/g以上6.0dl/g以下に相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは1.0dl/g以上3.5dl/g以下に相当する分子量を有するものである。対数粘度が0.3dl/g以上であれば、特に機械的特性に優れ、また、ポリアミドイミドフィルムとの剥離性が特に向上する。
【0029】
<ポリイミドフィルムの製造方法の例示>
以下に本発明に用いるポリイミドフィルムの製造方法を、芳香族ポリイミドフィルムの製造方法として例示するが、本発明はこれに制限されない。
本発明で用いる芳香族ポリイミドフィルムの製造方法としては、例えば、テンター法およびキャスト法が挙げられる。テンター法は、回転ドラムにポリアミド酸溶液を流延し、ポリアミド酸のゲルフィルムの状態で回転ドラムから剥離し、テンター炉で加熱・硬化させてポリイミドフィルムとする方法である。キャスト法は、任意の支持基材にポリアミド酸溶液を塗布し、熱処理して硬化させた後、支持基材からポリイミド樹脂層を剥離してポリイミドフィルムとする方法である。
【0030】
本発明において、支持体として用いるポリイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下であり、好ましくは、0.3μm以下である。ここで、ポリイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)は、ポリアミドイミドフィルムと接する面の算術平均表面粗さ(Ra)を意味する。算術平均表面粗さ(Ra)の下限は特に制限はないが、0.01μm以上であればよい。算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であれば、本発明で得られるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性が特によくなり、光学材料等への適用が特に容易となる。
【0031】
支持体として用いるポリイミドフィルムの長さは特に制限はない。通常は長尺のフィルムロールであっても良い。また、フィルムロール状のポリイミドフィルムの幅も特に制限はない。一般には10〜300cm程度、特に30〜150cm程度であればよい。厚みについても特に制限はない。たとえば、1〜1000μmのポリイミドフィルムを好適に用いることができる。
【0032】
例えば、ポリアミック酸(ポリアミド酸)溶液を、脱溶剤後の厚みが25μmになるように、PETフィルム上に塗布し、100℃で10分乾燥し、次いでPETからフィルムを剥離し、鉄枠に固定後、さらに250℃1時間、300℃1時間窒素下で加熱し、ポリイミドフィルムを得てもよい。
【0033】
<<ポリアミドイミド樹脂に係る開示>>
次に、第2の重要な開示である、ポリアミドイミドフィルムの原料となるポリアミドイミド樹脂を説明する。
【0034】
<ポリアミドイミド樹脂>
本発明においては、ポリイミドフィルムの片面、或いは、両面にポリアミドイミド樹脂を積層し、フィルム化する。
ポリアミドイミド樹脂は、基本的には、フィルム化するプロセスでの耐熱性に耐え、支持体から剥離できるものであれば特に限定はない。ポリアミドイミド樹脂は好ましくは、積層後、イミド化反応を伴わない溶剤可溶型のポリアミドイミド樹脂がよい。溶剤に不溶な場合、通常は前駆体であるポリアミド酸をポリイミドフィルムに塗布、乾燥後、ポリイミドフィルム上でイミド化反応させる必要が生じる。該反応は縮合反応となり、反応温度も高温となる為、加工性自体も乏しいが、樹脂層表面の表面平滑性が悪化する場合もある。その結果、溶剤可溶型に比べ、得られるフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性には不利となる。又、高温での熱処理は、概して、剥離性には不利となる。
【0035】
ポリアミドイミド樹脂の製造は、溶媒中、酸成分とアミン成分を、酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法、イソシアネート法、など通常の方法で合成することができる。特に、製造コストなどの観点から、好ましい製造法は脱炭酸反応により、ポリイミドフィルム上へそのまま塗布できるポリアミドイミド樹脂溶液が得られるイソシアネート法である。
【0036】
イソシアネート法の場合、反応は有機溶媒中、通常10℃〜200℃で1時間〜24時間が好ましく、また、反応はイソシアネートと活性水素化合物の反応に対する触媒、例えば、3級アミン類、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などの存在下に行っても良い。
【0037】
ポリアミドイミド樹脂の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)、30℃での対数粘度にして0.3dl/g以上4.0dl/g以下に相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは0.3dl/g以上3.0dl/g以下、さらに好ましくは0.3dl/g以上2.5dl/g以下、に相当する分子量を有するものである。対数粘度が0.3dl/g以上であれば、機械的特性が特に優れ、また、剥離性も特に向上する。また、4.0dl/g以下であれば、成形加工が特に容易である。
【0038】
<ポリアミドイミド樹脂の酸成分>
酸成分としては、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4’−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4’−トリカルボン酸、トリメリット酸などの一無水物、二無水物、エステル化物、或いはヘキサヒドロトリメリット酸など、上記モノマーの水素添加物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3’,4、4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、アルキレングリコールビス(トリメリテート)、ビスフェノールビス(トリメリテート)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ナフタレン−2, 3, 6, 7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1, 2, 4, 5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1, 4, 5, 8−テトラカルボン酸、ピロメリット酸等の一無水物、二無水物、エステル化物、或いはヘキサヒドロピロメリット酸などの上記モノマーの水素添加物、イソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸のジカルボン酸成分、或いはシクロヘキサンジカルボン酸等、上記モノマーの水素添加物が単独、或いは、2種以上の混合物として用いることができる。
【0039】
好ましくは、
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、
が、単独、或いは、2種以上の混合物を酸成分として用いることができる。
より好ましくは、
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物が、
単独、或いは、2種の混合物を酸成分として用いることができる。
【0040】
さらに好ましくは、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を酸成分として用いることができる。
【0041】
また、好ましいポリアミドイミド樹脂として、下記一般式(2)を構成単位として含む化合物を用いることができる。この化合物をポリアミドイミド樹脂として用いることで、本発明の効果を奏する。
【0042】
【化5】

(式中、Rはアリル基、シクロアルカン基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
【0043】
<ポリアミドイミド樹脂のジアミン成分>
また、ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3, 4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフエノン、3,3’−ジアミノベンゾフエノン、3, 4’−ジアミノベンゾフエノン、2, 6−トリレンジアミン、2, 4−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2, 2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4−メチル−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、トランス−1, 4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)、1,3−ジアミノシクロヘキサン、ジシクロへキシルメタン−4,4’―ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕へプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕へプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルシクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルシクロへキシルアミン)、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミンなどの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
【0044】
好ましくは、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
【0045】
より好ましくは、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4’―ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
【0046】
さらに好ましくは、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジアミン(トランス体、シス体、トランス/シス混合物)、4−メチル−1,3−フェニレンジアミンなどの単独、或いは、2種以上の混合物、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或いは、2種以上の混合物をジアミン成分として用いることができる。
【0047】
<好ましい酸成分、ジアミン成分の組み合わせ>
上記酸成分、ジアミン成分の中でも、フィルム化するプロセスでの耐熱性、耐溶剤性、及び耐久性、並びに、製造されるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性から、以下の成分が好ましく用いられる。
酸成分として、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を用いることができる。シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を酸成分とするポリアミドイミド樹脂を用いることで、本発明の効果を奏する。
ジアミン成分として、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル及び4−メチル−1,3−フェニレンジアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物、
または、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、及び4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート(トリレンジイソシアネート)からなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種の化合物を用いることができる。これらをジアミン成分とするポリアミドイミド樹脂を用いることで、本発明の効果を奏する。
【0048】
また、好ましいポリアミドイミド樹脂として、下記一般式(3)を構成単位として含む化合物を用いることができる。この化合物を本発明のポリアミドイミド樹脂として用いることで、本発明の効果を奏する。
【0049】
【化6】

(式中、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
【0050】
なお、全酸成分を100モル%とした場合、例示した酸成分は50モル%以上100%以下含まれるのがよく、より好ましくは70モル%以上100%以下含まれるのがよい。また、全ジアミン成分を100モル%とした場合、例示したジアミン成分は50モル%以上100%以下含まれるのがよく、より好ましくは70モル%以上100%以下含まれるがよい。これらの範囲であれば、フィルム化するプロセスでの耐熱性、耐久性がよく、得られるポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性が特に良くなる。
【0051】
<ポリアミドイミド樹脂溶液>
本発明で用いるポリアミドイミド樹脂は、溶液状であっても良い。本発明で用いるポリアミドイミド樹脂溶液を製造するための溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N, N’−ジメチルホルムアミド、N, N’−ジメチルアセトアミド、1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを単独、または、混合溶媒として使用できる。好ましくは1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N, N’−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、またはこれらの組み合わせである。
【0052】
更に好ましい溶剤は、1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトンまたはこれらの組み合わせである。基材からの剥離性より、1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびγ−ブチロラクトンの組み合わせが最も好ましく、その混合比率(重量比率)は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン/γ―ブチロラクトン=30〜70/70〜30が好ましく、より好ましくは40〜50/60〜50の重量比率で用いる。このような比率で用いることにより、ポリイミドフィルムとポリアミドイミド樹脂との密着性を緩和し、剥離性が向上する。また、これらの一部を本発明の効果を損なわない範囲で、トルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤で置き換えることも可能である。
【0053】
本発明で用いるポリアミドイミド樹脂溶液を製造するための共重合反応は、前述の溶媒中、通常10℃〜200℃で1時間〜24時間が好ましい。より好ましくは100℃以上150℃以下で2時間以上15時間以下がよい。また、反応はイソシアネートと活性水素化合物の反応に対する触媒、例えば、3級アミン類、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などの存在下に行っても良い。例えば、3級アミン類としてトリエチレンジアミンの存在下に行っても良い。
【0054】
また、必要ならば、フィルムの諸特性、たとえば、機械的特性、電気的特性、滑り性、及び難燃性などを改良する目的で、本発明の上記ポリアミドイミド樹脂溶液に、他の樹脂や有機化合物、及び無機化合物を混合させたり、あるいは反応させてもよい。
たとえば、滑剤(シリカ、タルク、シリコーン等)、難燃剤(リン系やトリアジン系、水酸化アルミ等)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤等)、メッキ活性化剤、有機や無機の充填剤(タルク、酸化チタン、フッ素系ポリマー微粒子、顔料、染料、炭化カルシウム等)、その他、シリコーン化合物、フッ素化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような樹脂や有機化合物、或いはこれらの硬化剤、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機化合物をこの発明の目的を阻害しない範囲で併用することができる。滑剤は特にシリカが好ましく、平均粒径は特に制限されないが、0.08μm以上3μm以下のものが好ましい。また、シリカ添加量は特に制限されないが、0.1%以上1%以下が好ましく、特に好ましくは0.3%以上0.5%以下である。
【0055】
こうして得られるポリアミドイミド樹脂溶液の固形分濃度は、広い範囲から選択できるが、5重量%以上40重量%以下が加工性に特に優れるため好ましい。より好ましくは、特に8重量%以上20重量%重量%以下とするのが好ましい。
【0056】
<<ポリアミドイミドフィルムを製造するための詳細な各種条件の開示>>
次に、第3の重要な開示である、ポリイミドフィルムを支持体として用いて、ポリアミドイミド樹脂を原料としポリアミドイミドフィルムを製造するための詳細な各種条件について説明する。
【0057】
本発明では、耐熱性フィルムの片面、或いは、両面に、直接、上記ポリアミドイミド樹脂溶液を塗布し、乾燥する。塗布方法としては、特に限定されるものではなく、従来からよく知られている方法を適用することができる。例えば、ロールコーター、ナイフコーター、ドクタ、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなどにより、塗工液であるポリアミドイミド樹脂溶液の粘度を調整後、ポリイミドフィルムに直接塗布することができる。
【0058】
塗布後の乾燥条件に特に限定はないが、溶媒の沸点近傍、或いは溶媒の沸点以上の温度で乾燥すればよい。樹脂組成にもよるが、ポリイミドフィルムからの剥離性、ポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性がよく、劣化反応が少なくポリアミドイミドフィルムがもろくならず、短時間で乾燥でき、生産性がよい温度範囲は100℃以上400℃以下、好ましくは100℃以上350℃以下である。
【0059】
乾燥は、不活性ガス雰囲気下、或いは、減圧下で行ってもよい。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、へリウム、アルゴン等が例示できるが、入手容易な窒素を用いるのが好ましい。フィルムの着色を抑え、無色透明なフィルムを得るためには、酸素濃度を0.5%以下、より好ましくは0.1%以下に下げることが望ましい。又、減圧下で行う場合は、10−5Pa以上10Pa以下程度、好ましくは10−1Pa以上200Pa以下程度の圧力下で行うのが好ましい。
【0060】
初期乾燥、熱処理ともに方式に特に限定はないが、ロールサポート方式やフローティング方式など、従来公知の方法で連続的に加工することができる。又、テンター式などの加熱炉での連続熱処理も可能である。
【0061】
本発明において、ポリアミドイミド樹脂層の厚さは、広い範囲から選択できるが、絶乾後の厚さで1μm以上100μm以下程度、好ましくは10μm以上50μm以下程度である。厚さが1μmよりも小さいと、フィルム強度等の機械的性質やハンドリング性に劣り、一方、厚さが100μmを超えると加工性(乾燥性、塗工性)等が低下する。
又、必要に応じて、表面処理を施してもよい。例えば、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施すことができる。
【0062】
例えば、ポリイミドフィルムに、ポリアミドイミド樹脂溶液を脱溶剤後の厚みが25μmになるように塗布し、100℃10分、200℃30分、250℃30分、300℃1時間窒素下で加熱し、溶媒除去を行っても良い。
【0063】
本発明によって、ポリアミドイミドフィルムをポリイミドフィルムから剥離して、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるフィルムを容易に得ることができる。剥離方法に限定はなく従来公知の方法にて容易に剥離できる。例えば、連続的に熱処理後、ポリアミドイミドフィルムを剥離しながら、ポリイミドフィルムとポリアミドイミドフィルムを別々のロールに巻き取ること等で製造できる。従来は、ポリイミドフィルムを支持体として耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムを、歩留まり良く、剥離しやすく、効率的に製造することが困難であった。しかし、本発明の開示により初めて可能となった。
【0064】
<<製造されるポリアミドイミドフィルムの特性等>>
本発明により得られるポリアミドイミドフィルムは、従来のフィルムより、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れる。
【0065】
本発明により得られるポリアミドイミドフィルムは、当然ながら、本願で例示したポリアミドイミド樹脂と同一の組成を有する。すなわち、最も好ましいポリアミドイミドフィルムの一例を挙げるならば、
酸成分として、シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を主成分、ジアミン成分として、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル(o−トリジンジイソシアネート)、4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート(トリレンジイソシアネート)を主成分とするポリアミドイミドフィルムである。
【0066】
また、好ましいポリアミドイミドフィルムの一例は、下記一般式(2)を構成単位として含む化合物を主成分とするポリアミドイミドフィルムである。
【0067】
【化7】

(式中、Rはアリル基、シクロアルカン基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
【0068】
また、好ましいポリアミドイミドフィルムの一例は、下記一般式(3)を構成単位として含む化合物を主成分とするポリアミドイミドフィルムである。
【0069】
【化8】

(式中、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
【0070】
本発明により得られる以下の酸成分及びジアミン成分より合成されるポリアミドイミド樹脂(樹脂E)からなるポリアミドイミドフィルムの例では、次の数値特性を示した。
樹脂E
・酸成分
シクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物:100モル%
・ジアミン成分
3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル
(o−トリジンジイソシアネート):80モル%
4−メチル−1,3−フェニレンジイソシアネート
(トリレンジイソシアネート):20モル%
【0071】
<耐熱性>
耐熱性は、ガラス転移点によって示されるが、得られるポリアミドイミドフィルムのガラス転移点は220℃以上350℃以下であった。
【0072】
<表面平滑性>
表面平滑性は算術平均表面粗さ(Ra)によって示されるが、得られるポリアミドイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)は両面とも0.5μm以下であった。さらに0.01μm以上0.3μm以下であり、0.05μm以上0.3μm以下であり、0.1μm以上0.3μm以下であった。算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であれば、ポリアミドイミドフィルムの耐熱性、表面平滑性、及び透明性がよくなり、光学材料等への適用が特に容易である。
【0073】
<透明性、及び光学特性>
透明性や光学特性はヘイズ値によって示される。得られたポリアミドイミドフィルムのヘイズ値は、5.0以下となった。さらには、0.1以上4.0以下であった。
【0074】
<剥離性>
ポリイミドフィルムから、ポリアミドイミド樹脂を原料とするポリアミドイミドフィルムを剥離する場合の剥離性は、接着強度によって示される。得られるポリアミドイミドフィルムとポリイミドフィルムとの接着強度は、0.01N/cm以上1N/cm以下であり、さらには0.1N/cm以上0.5N/cm以下であった。従って、ポリイミドフィルムからポリアミドイミドフィルムを容易に剥離することができた。
【実施例】
【0075】
以下、実施例により、この発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例により、特に制限されるものではない。各実施例における特性値の評価方法は以下の通りである。
【0076】
(対数粘度)
ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度を30℃で、ウベローゼ型の粘度管により測定して、下記の式で計算した。
対数粘度(dl/g)=[In(V1/V2)]/V3
【0077】
(ガラス転移点(Tg)、熱膨張係数(CTE))
TMA(熱機械分析)(商品名「EXSTAR TMA/SS 6000」、セイコーインスツル(株)製)引張荷重法により、得られたフィルムについて以下の条件で測定した。なお、フィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、250℃まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行った。熱膨張係数(CTE)は100℃から200℃までの平均値とした。
荷重:1g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
【0078】
(算術平均表面粗さ)
JIS B 0601に従い、表面粗さ測定機 (商品名「HANDYSURF」、(株)東京精密社製)を用いて、算術平均表面粗さ(Ra)を測定した。
【0079】
(残存溶剤率)
TGA装置(商品名「DTG―60」、(株)島津製作所製)を用い、得られたフィルムを、窒素気流中にて、室温から5℃/分にて350℃まで昇温した後の加熱重量減を測定し、その重量減少率を、重量減少は全て残溶媒が揮発したものと仮定して、残溶媒量(質量%)とした。
【0080】
(剥離性(接着強度))
剥離性(接着強度)の測定は、次にように行った。
(1)ポリイミドフィルムに、ポリアミドイミド樹脂溶液を塗布、乾燥し、フィルム化した。このポリイミドフィルムとポリアミドイミドフィルムの複合体(縦150mm×横5mm)を、試験用サンプルとした。
(2)前記試験用サンプルの非フイルム面側の全面に、両面テープ(商品名「NW−K10」、ニチバン(株)製)を貼り付けた。
(3)前記試験用サンプルを、ステンレス板(SUS板)上に、前記試験用サンプルのフィルム面が上になるよう同両面テープを用いて貼りあわせた。
(4)ポリアミドイミドフィルムを、引張速度50mm/minの速度で、かつ90°の角度でポリイミドフィルムから剥離し、そのときの応力を接着力(N/cm)=接着強度とした。
(5)評価(表1の表示)
○:接着力が1N/cm以下
×:1N/cmを超える場合、及びはがれない場合
【0081】
(光線透過率)
JIS K 7105に従い、分光光度計(商品名「UV−3150」、島津製作所(株)製)にて200nmから800nmの波長の光線透過率を測定し、400nmの光線透過率を比較した。
【0082】
(ヘイズ)
JIS K 7136に従い、ヘイズメーター(商品名「NDH2000」、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、結果項目の一つであるHzの値をヘイズとした。測定温度は室温、ランプ種はD65で測定した。
【0083】
[合成例1] 樹脂Aの合成
反応容器に3,3−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.11g(100モル%)、p−フェニレンジアミン216.2g(100モル%)、N,N―ジメチルアセトアミド805gを加え、窒素気流下で5時間反応させた。得られたポリマーの対数粘度は、2.3dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は260ポイズであった。
【0084】
[合成例2] 樹脂Bの合成
反応容器に3,3−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.11g(100モル%)、p−フェニレンジアミン27.03g(50モル%)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル50.06g(50モル%)、N,N―ジメチルアセトアミド897gを加え、窒素気流下で5時間反応させた。得られたポリマーの対数粘度は、1.9dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は240ポイズであった。
【0085】
[合成例3] 樹脂Cの合成
反応容器に3,3−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.11g(100モル%)、p−フェニレンジアミン10.81g(20モル%)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル80.10g(80モル%)、N,N―ジメチルアセトアミド950gを加え、窒素気流下で5時間反応させた。得られたポリマーの対数粘度は、2.1dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は250ポイズであった。
【0086】
[合成例4] 樹脂Dの合成
反応容器に3,3−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.11g(100モル%)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100.12g(100モル%)、N,N―ジメチルアセトアミド990gを加え、窒素気流下で5時間反応させた。得られたポリマーの対数粘度は、2.0dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は230ポイズであった。
【0087】
[合成例5] 樹脂Eの合成
反応容器にシクロへキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物198.2g(100モル%)、o−トリジンジイソシアネート211.4g(80モル%)、トリレンジイソシアネート34.8g(20モル%)、トリエチレンジアミン2.2g、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン660gを加え、窒素気流下、150℃まで昇温し、150℃で5時間反応させた。次いで、γ―ブチロラクトン760g(ポリマー濃度20重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、0.5dl/gであり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は250ポイズであった。
[実施例1]
合成例1で得られた樹脂溶液Aを、脱溶剤後の厚みが25μmになるように、PETフィルム上に塗布し、100℃で10分乾燥した。次いでPETからフィルムを剥離し、鉄枠に固定後、さらに250℃1時間、300℃1時間窒素下で加熱し、ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)は0.3μm以下であった。
次に得られたポリイミドフィルムに、合成例5で得られた樹脂溶液Eを脱溶剤後の厚みが25μmになるように塗布し、100℃10分、200℃30分、250℃30分、300℃1時間窒素下で加熱し、溶媒除去を行った。乾燥後にポリイミドフィルムから剥離して得られたポリアミドイミドフィルムの特性は表1に示すごときものであった。
【0088】
[実施例2]
合成例2で得られた樹脂溶液Bを、脱溶剤後の厚みが25μmになるように、PETフィルム上に塗布し、100℃で10分乾燥した。次いでPETからフィルムを剥離し、鉄枠に固定後、さらに250℃1時間、300℃1時間窒素下で加熱し、ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)は0.3μm以下であった。
次に得られたポリイミドフィルムに、合成例5で得られた樹脂溶液Eを脱溶剤後の厚みが25μmになるように塗布し、100℃10分、200℃30分、250℃30分、300℃1時間窒素下で加熱し、溶媒除去を行った。乾燥後にポリイミドフィルムから剥離して得られたポリアミドイミドフィルムの特性は表1に示すごときものであった。
【0089】
[比較例1]
合成例3で得られた樹脂溶液Cを、脱溶剤後の厚みが25μmになるように、PETフィルム上に塗布し、100℃で10分乾燥した。次いでPETからフィルムを剥離し、鉄枠に固定後、さらに250℃1時間、300℃1時間窒素下で加熱し、ポリイミドフィルムを得た。
次に得られたポリイミドフィルムに、合成例5で得られた樹脂溶液Eを脱溶剤後の厚みが25μmになるように塗布し、100℃10分、200℃30分、250℃30分、300℃1時間窒素下で加熱し、溶媒除去を行った。乾燥後にポリイミドフィルムから剥離して得られたポリアミドイミドフィルムの特性は表1に示すごときものであった。なお、表1において、「×」は剥離不可能であったこと、また、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
【0090】
[比較例2]
合成例4で得られた樹脂溶液Dを、脱溶剤後の厚みが25μmになるように、PETフィルム上に塗布し、100℃で10分乾燥した。次いでPETからフィルムを剥離し、鉄枠に固定後、さらに250℃1時間、300℃1時間窒素下で加熱し、ポリイミドフィルムを得た。
次に得られたポリイミドフィルムに、合成例5で得られた樹脂溶液Eを脱溶剤後の厚みが25μmになるように塗布し、100℃10分、200℃30分、250℃30分、300℃1時間窒素下で加熱し、溶媒除去を行った。乾燥後にポリイミドフィルムから剥離して得られたポリアミドイミドフィルムの特性は表1に示すごときものであった。なお、表1において、「×」は剥離不可能であったこと、また、「−」は剥離不可能のため測定できなかったことを意味する。
【0091】
【表1】

【0092】
本発明のポリイミドフィルムに、本発明のポリアミドイミド樹脂を塗布し、乾燥し、フィルム化した実施例1、2では、ポリイミドフィルムからの剥離も容易で、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムが得られた。実施例1、2のいずれの剥離性とも0.01N/cm以上1N/cm以下であった。
【0093】
しかし比較例1、2の場合、ポリイミドフィルム中のp−フェニレンジアミンの含有量が20モル%以下であるため、塗工するポリアミドイミド樹脂との接着性が高くなり、良好な剥離性が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明により、耐熱性、表面平滑性、及び透明性に優れるポリアミドイミドフィルムを、歩留まり良く、剥離しやすく、効率的に製造することができる。従って、電子情報機器等の小型軽量化、高機能化への対応も非常に容易になることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の(1)及び(2)の工程を含むことを特徴とする算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下のポリアミドイミドフィルムの製造方法;
(1)ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンを20モル%を超える濃度で含有するポリイミドフィルム上に、ポリアミドイミド樹脂の溶液を塗布し、乾燥し、フィルム化する工程;
(2)ポリアミドイミド樹脂より形成されたフィルムをポリイミドフィルムから剥離する工程。
【請求項2】
ポリイミドフィルムが、以下の一般式(1)の構造を構成単位として含むことを特徴とする請求項1に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【化1】

【請求項3】
ポリアミドイミド樹脂が下記一般式(2)を構成単位として含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【化2】

(式中、Rはアリル基、シクロアルカン基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
【請求項4】
ポリアミドイミド樹脂が以下の一般式(3)の構造を構成単位として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【化3】

(式中、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜3のアルキル基またはアリル基であり、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンを含んでもよい。)
【請求項5】
ポリアミドイミド樹脂の溶液の溶剤が、1, 3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとγ−ブチロラクトンとを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【請求項6】
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとγ―ブチロラクトンとの混合比率が30〜70/70〜30であることを特徴とする請求項5に記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【請求項7】
ポリイミドフィルムの算術平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミドイミドフィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の方法により製造されたポリアミドイミドフィルム。
【請求項9】
請求項8に記載のポリアミドイミドフィルムを用いたフレキシブル金属張積層体。

【公開番号】特開2013−49743(P2013−49743A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186936(P2011−186936)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000003160)東洋紡株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】