説明

ポリエステル樹脂、それからなるポリエステル樹脂組成物及びその用途

【課題】 ポリエステルの製造時に用いられる重縮合触媒の作用を失活させることにより、成形時のアルデヒド類や環状オリゴマーの生成及び成形体の透明性の悪化などの問題点を解決するために使用することができるポリエステル樹脂組成物並びにその用途を提供する。
【解決手段】 リン化合物をリン原子として100〜10000ppmの量含有するポリエステル樹脂であって、Zn原子、Fe原子、Ni原子又はCr原子からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属原子を下記の式(A)〜(D)を満足する量含有することを特徴とするポリエステル樹脂。 Cr≦10ppm (A) Fe≦30ppm (B) Ni≦ 5ppm (C) Zn≦ 5ppm (D)


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン化合物をリン原子として100〜10000ppmの量含有するポリエステル樹脂であって、Zn原子、Fe原子、Ni原子又はCr原子からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属原子を下記の式(A)〜(D)を満足する量含有することを特徴とするポリエステル樹脂。
Cr≦10ppm (A)
Fe≦30ppm (B)
Ni≦ 5ppm (C)
Zn≦ 5ppm (D)
【請求項2】
アルデヒド類の含有量が、200ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂。
【請求項3】
前記ポリエステル樹脂に共重合されたジアルキレングリコール含有量及びトリアルキレングリコール含有量が、前記ポリエステル樹脂を構成するグリコ−ル成分の、それぞれ、10モル%以下及び2モル%以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
【請求項4】
前記リン化合物が、リン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、亜リン酸系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
【請求項5】
重縮合触媒が、Sb化合物及びGe化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
【請求項6】
前記のポリエステル樹脂(1)が、重縮合触媒としてAl、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Ta及びPbからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む化合物を含有するポリエステル樹脂(2)と混合して溶融処理することによって前記ポリエステル樹脂(2)の重縮合触媒を失活させることができるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
【請求項7】
ポリエステル樹脂(1)及びポリエステル樹脂(2)が、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなるポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂(1)と、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Ta及びPbからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む化合物と必要に応じてアンチモン化合物及び/又はゲルマニウム化合物を含有するポリエステル樹脂(2)と、からなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【請求項9】
環状エステルオリゴマー含有量が、前記ポリエステル樹脂(2)の溶融重縮合ポリマーの環状エステルオリゴマー含有量の70重量%以下であることを特徴とする請求項8に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項10】
アルデヒド類の含有量が、50ppm以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項11】
射出成形して得られた成形体の環状エステルオリゴマーの含有量をAppmとし、射出成形前のポリエステル樹脂組成物の環状エステルオリゴマーの含有量をAppmとした場合に、A−Aが500ppm未満であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項12】
射出成形して得られた成形体のアルデヒド含有量をBppmとし、射出成形前の前記ポリエステル樹脂組成物のアセトアルデヒド含有量をBppmとした場合に、B−Bが30ppm以下であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を溶融成形してなることを特徴とするポリエステル成形体。
【請求項14】
請求項13に記載のポリエステル成形体が、中空成形体、シ−ト状物あるいはこのシート状物を少なくとも一方向に延伸してなる延伸フィルムのいずれかであることを特徴とするポリエステル成形体。
【請求項15】
請求項8〜12のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を基材上に溶融押出してなることを特徴とする被覆物。
【請求項16】
請求項8〜12のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を溶融成形してなることを特徴とするポリエステル繊維。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−204740(P2007−204740A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−638(P2007−638)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】