説明

ポリオレフィン管

シラン架橋したポリオレフィン管は飲料水および/または工業用水に使用され、0.1〜5ppmの範囲の塩素含量に対して安定であり、60%の最低架橋度を有し、一工程法により製造され、以下のポリオレフィン組成からなる。(A)ポリオレフィン、(B)一般式RSiXの有機シラン(B1)、ラジカル形成成分(B2)および触媒(B3)からなる混合物、(C)高い融点を有する高分子フェノール成分(C1)、硫黄含有成分(C2)、リン含有加工安定剤(C3)および金属失活剤(C4)からなる安定剤混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はいわゆる一工程シラン法により製造された、シラン架橋した、塩素に安定なポリオレフィン管に関する。
【0002】
プラスチック管路は多数のポリマー材料から製造される。
【0003】
熱可塑性管材料の分野で特にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、または架橋ポリオレフィンが使用される。
【0004】
ポリオレフィンの架橋は化学的にまたは物理的に行うことができる。例えばH.U.Voigt、Ueber das Vernetzen von Polyolefinen in Kautschuk,Gummi.Kunststoff 34、Jahrgang Nr.3/1981,197頁以降に記載されるように、工業的に重要な架橋技術において放射線架橋、過酸化物架橋およびシラン架橋に区別される。
【0005】
最後に記載された方法は他の架橋法から特に処理技術により際立っている。第1処理工程でまずポリマー鎖ラジカルを通常のラジカル開始剤を用いて製造し、これに第2処理工程でシラン分子をそのビニル官能基で付加する。この種のシラングラフトポリマーはなお熱可塑的に処理可能である。引き続き本来の架橋を成形の後に熱および水分の存在でシラン縮合反応により行う。このいわゆる二工程シラン法は米国特許第3646155号に記載されている。
【0006】
これに対して英国特許第1526398号はいわゆる一工程シラン法を記載する。その際すべての添加物を同時にポリマーと一緒に特定の構成の押し出し機に配量し、これからオンラインで所望の押出品を製造する。引き続き再び熱および水分の存在で架橋を行う。
【0007】
特に飲料水の管のための一工程シラン法の使用は米国特許第6284178号に記載されている。その際最大1.8質量%のシラン/ペルオキシド/触媒混合物を使用し、4時間より長い架橋時間を設定することにより12.2ppm未満の管内の残留メタノール含量を達成する。特定の安定剤を用いるこのシラン架橋したポリエチレン管の塩素に安定な構成は報告されていない。むしろ米国特許第6284178号に記載されるイルガノックス(Irganox)B215および米国特許第6284178号からのイルガノックス1010からの組合せはフェノール成分の低い融点により塩素処理された水に対してはるかに低すぎる抽出安定性を示す。
【0008】
これは米国特許第6284178号により製造されるシラン管の使用を実際に妨げる。
【0009】
その理由は米国での飲料水が殺菌のためにヨーロッパの状況に比べて高い用量の塩素を有することにある。当業者に知られているように、塩素水は相当するpH値で次亜塩素酸HOClを生じることがあり、これは強く酸化作用し、管の早すぎる機能停止を生じることがある。
【0010】
本発明の課題は、0.1〜5ppmの塩素含量で塩素に安定であり、60%の最低架橋度を有し、異なるASTMおよびNSF規格で保持された架橋ポリエチレン管の標準規格を満たす、一工程法で製造されたシラン架橋したポリオレフィン管を提供することである。
【0011】
前記課題は、本発明により、
(A)ポリオレフィン、
(B)一般式RSiXの有機シラン、ラジカル形成成分および触媒からなる混合物、
(C)高分子フェノール成分、硫黄含有成分、リン含有加工安定剤および金属失活剤からなる安定剤混合物
からなるポリオレフィン組成を有する管により解決される。
【0012】
課題の解決での主な困難は添加される安定剤とラジカルを形成する成分が反応性押出工程で互いに影響し、こうして最終架橋度および管内の残留安定性を処理後にマイナスの意味で変動するという事実であった。しかし残留安定性の高さは良好な塩素安定性に決定的であり、個々の成分の種類と量の意図的な選択により初めて達成される、
更に塩素処理された水中の安定剤パケットの起こりうる抽出が問題である。相当する抽出安定性はフェノール成分が高い融点を有する高い分子量を結合し、硫黄含有成分、リン含有加工安定剤、および金属失活剤が大きい非極性部分鎖を有する場合にのみ達成することができる。
【0013】
架橋した管の結晶度は最終的に重要な量でなく、時間安定性に不可欠である。すなわち一般にグラフト反応および架橋により使用されるポリエチレン(PE)の結晶度は例えば70%から例えば65%に減少し、結晶度を使用に関係する値に高める手段を講じる。これは本発明により70〜95℃の温度での熱処理工程により行われ、このために必要な時間は使用されるPE、反応の実施および達成すべき規格に依存する。
【0014】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明によるシラン架橋したポリオレフィンの成分(A)は100質量部で組成物に含まれており、60〜80%の結晶度および0.942〜0.965g/cmの密度を有する、チーグラー法またはフィリップス法により製造された低圧ポリエチレン(HDPE)または中程度の密度を有するポリエチレン(MDPE;0.930〜0.942g/cm)である。
【0016】
成分(B)は一般式RSiXの有機シラン(B1)、ラジカル形成成分(B2)および触媒(B3)からなる混合物である。有機シランRSiX(B1)はビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、または3−(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシランであってもよい。ラジカル形成成分(B2)はアルキルペルオキシド、アシルペルオキシド、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキソカーボネート、ペルエステル、ペルオキソケタール、ペルオキソオリゴマー、またはアゾ化合物であってもよい。特に有利に80℃より高い温度で0.1時間の半減期を有する有機アルキルペルオキシド、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキソ)ヘキサンおよび/または2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)3−ヘキシンおよび/またはジ(t−ブチル)ペルオキシドおよび/または1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゾールおよび/またはジクミルペルオキシドおよび/またはt−ブチルクミルペルオキシドである。触媒(B3)はジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシド、錫オクタノエート、ジブチル錫マレエートまたはチタニルアセトネートであってもよい。成分(B)の質量部は成分(A)に対して0.1〜5部であってもよく、特に有利に質量部は1〜3部である。
【0017】
成分(C)は高い融点を有する高分子フェノール成分(C1)、硫黄含有成分(C2)、リン含有加工安定剤(C3)および金属失活剤(C4)からなる安定剤混合物である。
【0018】
高い融点を有する高分子フェノール安定剤(C1)は2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)または1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)トリアジンの群から選択される
硫黄含有成分(C2)は5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニルスルフィド、3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルスルフィド、ジオクタデシル−3,3′−チオジプロピオネート、ジラウリル3,3′−チオジプロピオネートまたはジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートであってもよい。
【0019】
リン含有加工安定剤(C3)はトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニルジホスホナイト、3,9−ビス(オクタデシルオキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンまたは3,9−ビス(2,4−ジクミルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンであってもよい。
【0020】
金属失活剤(C4)は1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジドまたは2,2′−オキサリルジアミドビス−(エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)またはオキサリックビス(ベンジリデンヒドラジド)の群から選択される。
【0021】
特に有利な成分(C)は1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゾール(C1)、ジオクタデシル−3,3′−チオジプロピオネート(C2)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(C3)および1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド(C4)である。
【0022】
成分(C)の質量部は成分(A)に対して0.1〜5部であってもよい。
【0023】
本発明による塩素に安定な管は、5質量部までの滑剤または処理剤、5質量部までの核形成剤、5質量部までの帯電防止剤、10質量部までのプロセス油、10質量部までの顔料、5質量部までの発泡剤、または5質量部までのUV安定剤の形で、成分(A)に対して20質量部までの添加物を添加することができる。
【0024】
この特殊性により一工程法によるシラン架橋した塩素に安定な管の製造は容易に思いつかない。特定の安定剤の種類と量の意図的な選択およびこれに適合した組成および処理技術が初めて一般的な特性像を有する管の製造を可能にするだけでなく、意想外な方法で課題の設定に作成されるようなすぐれた特性像、特に0.1〜5ppmの塩素含量に対する安定性を生じる。
【0025】
塩素に安定なシラン架橋したポリオレフィン管は一工程シラン法により製造され、すなわち成分(A)のポリオレフィンへの成分(B)のシランのグラフト反応および成形を1つの処理工程で同時に進行する。その際技術水準に記載されたモノシラン法に対して更にグラフト工程の前に液状成分を効果的に分配するためにおよび前架橋を避けるために、バリア付きスクリュー(Barriereschnecke)を使用する。更に溶融物ポンプを使用することもできる。
【0026】
処理後、管を架橋室中で水蒸気雰囲気で80〜100℃の温度で60%より高い架橋度が設定されるまでの間架橋する。その後場合により70〜95℃の温度で使用に応じて所望の結晶度を達成するまで熱処理工程を続ける。
【0027】
熱処理工程後の時間安定性試験は高い結晶度により本発明による塩素に安定な管の高い持続時間を示す。
【0028】
本発明による架橋された管の使用は有利に拡散バリア層を有するおよび有しない飲料水の管および/または工業用水の管の分野である。
【0029】
以下の実施例により本発明を例示して説明する。
【0030】
組成は成分(A)の100質量部に対する質量部で示され、以下の例に示される。
【0031】
【表1】

例の成分(A)、(B)、(C1)〜(C4)に関する[1]〜[10]の説明
[1]密度0.952[g/cm]およびMFI5〜7[g/10分](190℃/2.16kg)を有するポリエチレン
[2]密度0.944[g/cm]およびMFI4[g/10分](190℃/2.16kg)を有するポリエチレン
[3]シラン/ペルオキシド/触媒混合物:粘度[mPa秒]=2.5(23℃)、密度[g/cm]=0.969、無色の液体
[4]1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゾール、分子量[g/モル]=775
[5]ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、分子量[g/モル]=1178
[6]ジオクタデシル−3,3′−チオジプロピオネート、分子量[g/モル]=683
[7]3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルスルフィド、分子量[g/モル]=358.5
[8]トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、分子量[g/モル]=647
[9]1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、分子量[g/モル]=552
[10]安定剤−MB:Vibatan PEX Antiox 02012、添加量5部。
【0032】
例1〜6
バリア付きスクリューおよび液状シラン/ペルオキシド/触媒混合物の配量装置を有する一軸スクリュー押出機中で、配量用はかりにより相当するポリオレフィン(A)および安定剤混合物(C)を配量する。混合物を溶融し、液状シラン/ペルオキシド/触媒混合物(B)を導入し、管に成形する。
【0033】
米国での塩素に安定な飲料水の管の要求はNSFプロトコールP171(1999年)に記載されている。塩素安定性の実用に適した評価のために示差走査熱量計(DSC)試験および改良された時間安定性試験の組合せが有利である。
【0034】
DSC試験においてプラスチックの一般的な酸化反応を評価できる。OIT(酸化誘発時間)は酸化の攻撃に対するポリオレフィン管の安定性を表現できる方法である。ここで使用される静的方法(ASTM規格D3895)において試料を不活性雰囲気下で210℃の温度に加熱する。この温度を維持する。平衡状態に調節後、洗浄ガスを不活性から酸化雰囲気に変える。引き続き一定の時間の後に発熱性酸化反応が生じる。DSC試験により本発明による塩素に安定なシラン架橋したポリオレフィン管での決定的な残留安定剤含量の細かい段階を把握できる。
【0035】
更に予備試験として改良された時間安定性試験を採用した。その際圧力下で30cmより長い長さの管の断片に塩素処理した水道管の水をpH7で添加し、温度20℃、95℃および110℃および異なる圧力p[Nmm−2]で時間安定性を試験する。8日毎に管の断片を取り出し、塩素濃度およびpH値に関して調節する。
【0036】
以下の表は本発明の管の特性を示す。
【0037】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1〜5ppmの範囲の塩素含量に対して安定であり、一工程法により製造され、60%の最低架橋度を有する、飲料水および/または工業用水に使用するためのシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項2】
ポリオレフィン組成物が、
(A)ポリオレフィン、
(B)一般式RSiXの有機シラン(B1)、ラジカル形成成分(B2)および触媒(B3)からなる混合物、
(C)高い融点を有する高分子フェノール成分(C1)、硫黄含有成分(C2)、リン含有加工安定剤(C3)および金属失活剤(C4)からなる安定剤混合物
からなる請求項1記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項3】
成分(A)が60〜80%の結晶度および0.942〜0.965g/cmの密度を有する低圧ポリエチレン(HDPE)または0.930〜0.942g/cmの中程度の密度のポリエチレンの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項4】
成分(B)からの一般式RSiX(B1)の有機シランがビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランまたは3−(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシランの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリエチレン管。
【請求項5】
成分(B)からのラジカル形成成分(B2)がアルキルペルオキシド、アシルペルオキシド、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキソカーボネート、ペルエステル、ペルオキソケタールおよび/またはペルオキソオリゴマーの群から、特にアルキルペルオキシドの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項6】
成分(B)のラジカル形成成分(B2)がアゾ化合物である請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項7】
成分(B)のラジカル形成成分(B2)が80℃より高い温度で0.1時間の半減期を有する有機アルキルペルオキシドである請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項8】
有機アルキルペルオキシドが2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンおよび/または2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)3−ヘキシンおよび/またはジ(t−ブチル)ペルオキシドおよび/または1,3−ジ(t−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゾールおよび/またはジクミルペルオキシドおよび/またはt−ブチルクミルペルオキシドの群から選択される請求項2または7記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項9】
成分(B)の触媒(B3)がジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫酸化物、錫オクトエート、ジブチル錫マレエートまたはチタニルアセトネートの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項10】
成分(C)の高い融点を有する高分子フェノール成分(C1)が2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)または1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)トリアジンの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項11】
成分(C)の硫黄含有成分(C2)が5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニルスルフィド、3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルスルフィド、ジオクタデシル−3,3′−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネートまたはジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネートの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項12】
成分(C)のリン含有加工安定剤(C3)がトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニルジホスホナイト、3,9−ビス(オクタデシルオキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンまたは3,9−ビス(2,4−ジクミルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンの群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項13】
成分(C)の金属失活剤(C4)が1,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジドまたは2,2′−オキサリルジアミドビス−(エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)またはオキサリックビス(ベンジリデンヒドラジド)の群から選択される請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項14】
成分(B)の質量部が成分(A)に対して0.1〜5部、特に1〜3部である請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項15】
成分(C)の質量部が成分(A)に対して0.1〜5部である請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項16】
5質量部までの滑剤または処理剤、5質量部までの核形成剤、5質量部までの帯電防止剤、10質量部までのプロセス油、10質量部までの顔料、5質量部までの発泡剤、または5質量部までのUV安定剤の形で成分(A)に対して20質量部までの添加物の添加を行う請求項2記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項17】
管が60〜89%、特に65〜75%の範囲の架橋度を有する請求項1から16までのいずれか1項記載のシラン架橋したポリオレフィン管。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれかに記載のシラン架橋したポリオレフィン管の製造方法において、成分(A)のポリオレフィンへの成分(B1)のシランのグラフト反応および成形を1つの処理工程で同時に進行し、その際バリア付きスクリューおよび/または溶融物ポンプを使用し、引き続き管を架橋室中で、水蒸気雰囲気で80〜100℃で60%より高い架橋度まで保存し、最後に場合により熱処理工程を70〜95℃の温度で所望の使用に関係する結晶度に達するまで継続することを特徴とするシラン架橋したポリオレフィン管の製造方法。
【請求項19】
飲料水の管および/または工業用水の管を製造するための請求項1から17までのいずれかに記載のシラン架橋したポリオレフィン管の使用。

【公表番号】特表2006−522692(P2006−522692A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504392(P2006−504392)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000532
【国際公開番号】WO2004/090032
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(390040394)レーアウ アクチエンゲゼルシヤフト ウント コンパニー (9)
【氏名又は名称原語表記】REHAU AG+Co
【住所又は居所原語表記】Rheniumhaus,D−95111 Rehau,BRD
【Fターム(参考)】