説明

ポリオレフィン組成物、それらから製造される物品およびそれらの調製方法

本発明はブロー成型用途および他の用途のための組成物を提供し、そのような組成物は高分子量エチレンインターポリマーおよび低分子量エチレンポリマーを含み、高分子量エチレンインターポリマーは0.920g/cm3〜0.950g/cm3の密度および0.05〜1dg/分のI21を有し、並びに低分子量エチレンポリマーは0.965g/cm3〜0.985g/cm3の密度および600〜2000dg/分のI2を有する。この組成物は0.950g/cm3〜0.970g/cm3の密度を有し、並びに、高分子量成分および低分子量成分の合計重量を基準にして、45を上回って80重量パーセントまでの高分子量成分を含み、並びに20〜55重量パーセントの低分子量成分を含む。本発明は該組成物の調製方法およびそれらから調製される物品も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先願の参照
本願は2006年4月7日出願の米国仮出願第60/790,255号の利益を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、高密度エチレンポリマー製品、例えば、ブロー成型単層および多層ボトルおよび容器、組立および成型フィッティングおよびアクセサリー並びに他の高密度ポリエチレン製品を製造するためのエチレンポリマー組成物に関する。これらの組成物は、強化された加工特性、例えば、ボトル重量の減少および強化された物理特性、例えば、樹脂剛性の改善を、耐ストレスクラック性(stress crack resistance)および耐衝撃性の最小限の損失で、もしくは損失なしに、提供する。
【背景技術】
【0003】
ブロー成型製品、例えば、家庭用および産業用容器(例えば、ミルク、ジュースおよび水用のプラスチック食品ボトル;洗浄剤およびモーターオイル用の化学ボトル;並びに頑丈な(heavy-duty)保管ドラム)には高い性能および外見の基準がある。ブロー成型製品は、典型的には、既存の市販機器および既存のブロー成型加工技術を用いて、機器の修正はまったく無しに、もしくは最小限に止めて形成される。加えて、製造者は製品を製造するサイクル時間を最小限にすることを求め、したがって、サイクル時間の増加は疎んじられる。ブロー成型樹脂に対する消費者の要求には、製品の堅牢性、良好な加工性、適切な樹脂膨潤並びに最大負荷(top load)(剛性、弾性率)、耐環境ストレスクラック性(ESCR)および耐衝撃性の最適バランスが含まれる。
【0004】
改善された樹脂剛性はブロー成型容器の荷重支持能力(load bearing capacity)を高める。したがって、剛性が高まった軽量ブロー成型容器を用いてより重い金属容器を置き換えることができ、加えて、そのようなより軽量の容器はより効率的に積み重ねることができ、その結果、保管スペースおよび輸送スペースのより有効な使用が生じる。
【0005】
耐環境ストレスクラック性(ESCR)はクラッキングによる機械的破壊に対する樹脂の感受性の尺度である。高密度エチレンポリマー、ブロー成型物品、例えば、家庭用および産業用品用のブロー成型容器の乏しい耐環境ストレスクラック性はそのような品物へのこれらの容器の使用を妨げている。不十分なESCRのため、高密度エチレンポリマーから製造されるブロー成型容器は、保管の前、もしくはその最中に、クラックを生じることがある。
【0006】
耐衝撃性は容器の柔軟性の尺度である。衝撃強さに乏しい容器は、強い力に見舞われた際に、もしくは高所から落下したときに、クラックを生じるか、もしくは破損する。不十分な耐衝撃性は通常の使用には脆弱すぎるブロー成型容器を生じる。
【0007】
米国特許第6,194,520号は、ブロー成型が可能であり、かつ優れた加工性を有する高分子量高密度エチレンポリマー配合物を開示する。それらの配合物は、少なくとも約0.930g/ccの密度、少なくとも約2g/10分のフローインデックス(I21)、少なくとも約60のメルトフロー比(melt flow ratio)(MFR)および少なくとも約8の多分散指数を有する。これらの配合物は、少なくとも約0.900g/ccの密度、少なくとも約0.2g/10分のフローインデックスもしくは高負荷メルトインデックス(I21)および少なくとも約10のフロー比(FR)を有する比較的高分子量(HMW)の成分を少なくとも約0.3重量分率;並びに少なくとも約0.930g/ccの密度および約1000g/10分以下のメルトインデックス(I2)を有する比較的低分子量(LMW)の成分を含有する。
【0008】
米国特許第6,316,546号(米国特許第6,458,911号も参照)は、高い強度の薄膜に形成することが可能な、比較的高分子量の高密度エチレンポリマー(HMW−HDPE)を開示する。そのようなポリマーは、少なくとも約0.925g/ccの密度、約15g/10分以下のフローインデックス(I21)、少なくとも約65のメルトフロー比(MFR)および、約14E5(14×105ポアズ)以下の0.1rad/秒での対応複素粘性率で、約0.7以下の0.1rad./秒での動弾性を有する。このエチレンポリマーは比較的高分子量(HMW)および低分子量(LMW)のエチレンポリマーの二峰性配合物である。
【0009】
欧州特許第1169388B1号(WO00/60001およびU.S.6,433,095も参照)は、18またはそれ以上の剪断比(SR)を有し、かつ、0.930g/cm3またはそれ以下の密度(ρ)および0.30g/10分またはそれ以下の高負荷メルトインデックス(HLMI)を有する、高分子量画分を少なくとも20重量パーセント含む、高密度多峰性ポリエチレンを開示する。
【0010】
国際公開WO2004/048468は、20〜50重量パーセントのエチレンおよびC3−C20α−オレフィンコモノマーのコポリマー並びに50〜80重量パーセントのより小さい重量平均分子量のエチレンポリマーを含むポリエチレン組成物であって、その組成物のポリエチレンが935〜965kg/m3の密度、60,000〜300,000g/molの重量平均分子量、0.1〜10g/10分の190℃でのMFR2.16および2.5〜20の分子量分布(MWD)を共に有するポリエチレン組成物を開示する。このコポリマーは0.006〜9モルパーセントのコモノマー含有率および1000炭素あたり0.03〜45分岐の分岐度を有する。エチレンポリマーは939〜975kg/m3の密度および20,000〜200,000g/molの重量平均分子量を有する。
【0011】
欧州出願第1201713A1号は、35〜49重量パーセントの高分子量の第1ポリエチレン画分および51〜65重量パーセントの低分子量の第2ポリエチレン画分の配合物を含むポリエチレン樹脂を開示する。第1ポリエチレン画分は0.928g/cm3までの密度および0.6g/10分未満のHLMIを有する直鎖低密度ポリエチレンを含み、第2ポリエチレン画分は少なくとも0.969g/cm3の密度および100g/10分を上回るMI2を有する高密度ポリエチレンを含む。このポリエチレン樹脂は0.951g/cm3を上回る密度および1〜100g/10分のHLMIを有する。
【0012】
米国公開第2004/0266966号は、多峰性分子量分布並びに0.925g/ccm〜0.950g/ccmの範囲の密度、0.05g/10分〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有するポリエチレン樹脂を開示する。このポリオレフィン樹脂は少なくとも1種類の高分子量(HMW)エチレンインターポリマーおよび少なくとも1種類の低分子量(LMW)エチレンポリマーを含む。
【0013】
米国公開第2004/0034169号は、低分子量(LMW)エチレンポリマー成分および高分子量(HMW)エチレンポリマー成分を含むポリマー組成物を開示する。好ましくは、LMWポリエチレン成分およびHMWポリエチレン成分は、ラメラ厚分布(「LTD」)曲線においてそれが単一のピークもしくは実質的に単一のピークを示すように、組成物中で共結晶化(co-crystallize)する。LMWおよびHMWポリエチレン成分のエチレンポリマーはホモポリエチレンもしくはエチレンコポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、両成分は同じであるか、もしくは異なる組成の(すなわち、同じであるか、もしくは異なるコモノマーを含む)エチレンコポリマーである。
【0014】
米国特許第7,166,676号(米国公開第2003/0055176号も参照)は、エチレンコポリマーを含む配合物の調製方法であって、エチレンおよび、式H2C=CHR(式中、Rはアルキル基もしくはアリール基である)によって表される化合物もしくはジエンから選択される、少なくとも1種類のコモノマーを、支持体、遷移金属化合物およびその遷移金属化合物の変換が可能である賦活剤を含む固体触媒系の存在下で共重合することによる方法を開示する。
【0015】
欧州特許第1093658B1号は、少なくとも1種類のαオレフィンを2段階以上で重合させることによって得られ、かつ約0.920〜0.965g/cm3の密度、約0.2〜5g/10分のメルトフローレート(MFR2)、FRR21/2≧60および少なくとも500時間の、ASTM D 1693(A/10パーセントIgepal)による、耐環境ストレスクラッキング性(ESCR)を有する多峰性オレフィンポリマー混合物である、通信ケーブル用の絶縁組成物を開示する。このオレフィンポリマー混合物は少なくとも1種類の第1および第2オレフィンポリマーを含み、第1は(a)約0.925〜0.975g/cm3の密度および約300〜20000g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有する低分子量オレフィンポリマー並びに(b)約0.880〜0.950g/cm3の密度および約0.5〜20g/10分のメルトフローレート(MFR21)を有する高分子量オレフィンポリマーから選択される。
【0016】
欧州特許出願第1359192A1号は、44〜55重量パーセントの高分子量ポリエチレン画分および45〜56重量パーセントの低分子量ポリエチレン画分を含むポリエチレン樹脂を開示する。高分子量ポリエチレン画分は0.913〜0.923g/cm3の密度および0.02〜0.2g/10分のHLMIを有する直鎖低密度ポリエチレンを含み;並びに低分子量ポリエチレン画分は少なくとも0.969g/cm3の密度および100g/10分を上回るMI2を有する高密度ポリエチレンを含む。
【0017】
米国特許第4,461,873号(EP0100843B1も参照)は、両者とも好ましくは狭い分子量分布を有し、かつ長鎖分岐のレベルが低い、高分子量エチレンポリマー、好ましくは、エチレン−モノ−1−オレフィンコポリマーおよび低分子量エチレンポリマー、好ましくは、エチレンホモポリマーのエチレンポリマー配合物を開示する。これらの樹脂は、フィルムの製造に、もしくはブロー成型技術において、並びにパイプおよびワイヤコーティングの製造に有用である。
【0018】
米国特許第6,946,521号は、35〜49重量パーセントの高分子量の第1ポリエチレン画分および51〜65重量パーセントの低分子量の第2ポリエチレン画分を含むポリエチレン樹脂を開示する。第1ポリエチレンは0.930g/cm3までの密度および0.6g/10分未満のHLMIを有し、第2ポリエチレン画分は少なくとも0.969g/cm3の密度および10g/10分を上回るMI2を有する高密度ポリエチレンを含み、ポリエチレン樹脂は0.946g/cm3を上回る密度、1〜100g/10分のHLMI、0.01ラジアン/秒での測定で200,000Pa.sを上回る動的粘度および、それぞれ0.01および1ラジアン/秒での測定で、8を上回る動的粘度の比を有する。
【0019】
国際公開WO2005/103100は、エチレンホモポリマーおよびエチレンとαオレフィンとのコポリマーを含み、6〜100のモル質量分布幅、Mw/M;0.89〜0.97g/cm3の密度;5,000g/mol〜700,000g/molの重量平均モル質量、Mmを有し、並びに0.01〜20分岐/1000炭素原子および少なくとも0.5ビニル基/1000炭素原子を有するポリエチレンを開示する。最少モル質量を有するポリエチレンの5〜50重量パーセントは10分岐/1000炭素原子未満の分岐度を有し、最多モル質量を有するポリエチレンの5〜50重量パーセントは2分岐/1000炭素原子を上回る分岐度を有する。
【0020】
国際公開第2001/14122号(EP1204523B1も参照)は、改善された耐環境ストレスクラック性を有する中〜大容量容器を、ブロー成型によって、製造するための二峰性HDPEを開示する。この二峰性HDPEは、好ましくは、940〜970kg/m3の密度、200,000〜450,000 Dの重量平均分子量、6,000〜20,000 Dの数平均分子量、15〜55の分子量分布、2〜12g/10分のMFR21、少なくとも900mPaの引張弾性率および0.5〜10重量パーセントのコモノマー含有率を有するものとして開示される。
【0021】
欧州特許出願第1333040A2号は、高分子量成分(HMW)および低分子量成分(LMW)を含むポリオレフィンであって、LMW成分がポリオレフィンの20〜80重量パーセントを形成し、HMW成分がポリオレフィンの15〜75重量パーセントを形成し、かつ10未満のMw/Mnを有するポリオレフィンを開示する。このポリオレフィンは[0.024×(20,000+η0.050.5]−2.6(式中、η0.05は0.05s-1の剪断速度での溶融粘度(Ns/m2)である)を上回る溶融強度を有し;高MW成分のピーク分子量の低MW成分のそれに対する比は2を上回る。
【0022】
欧州特許出願第1319685A1号は、多峰性分子量分布を有するポリエチレン樹脂の調製方法であって:(i)0.920〜0.940g/cm3の密度および0.05〜2g/10分のHLMIを有する、第1高分子量メタロセン生成直鎖低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂を提供する工程;(ii)チーグラー・ナッタもしくはクロム系触媒のいずれかで調製される、0.950〜0.970g/cm3の範囲の密度および5〜100g/10分のHLMIを有する第2高密度ポリエチレン(HDPE)を提供する工程;(iii)第1および第2ポリエチレンを一緒に物理的に配合し、半−高分子量、ブロードもしくは多峰性の分子量分布、0.948〜0.958g/cm3の範囲の密度および2〜20g/10分のHLMIを有するポリエチレン樹脂を形成する工程を含む方法を開示する。
【0023】
米国特許第6,749,914号は、0.945〜0.955g/ccの範囲の密度、ASTM D1238による、0.4未満のメルトフローインデックスの値を有し、かつ強化された物理特性および加工性を有する、パイプおよびフィッティング材用の溶融配合HDPEを開示する。
【0024】
米国特許第4,525,322号は、12〜25重量パーセントの高分子量成分、5〜83重量パーセントの中分子量成分、および5〜83重量パーセントの低分子量成分を含む、ブロー成型プロセス用のポリエチレン配合物を開示する。高分子量の中分子量に対する比は1.7以上であり、中分子量の低分子量に対する比は1.7以上であり、配合物は0.01〜2.0の範囲のメルトインデックスを有する。
【0025】
国際公開WO00/18813は、多峰性分子量分布を有するポリエチレン樹脂の調製方法であって:(i)エチレンモノマーおよび、3〜10個の炭素原子を有するα−オレフィンを含む、コモノマーを第1触媒系と、第1反応器内、スラリー法における第1重合条件下で接触させ、第1分子量、0.5g/10分以下のHLMIおよび0.925g/ml以下の第1密度を有する第1ポリエチレンを生成し;(ii)第2の第1ポリエチレンよりも低い分子量および高い密度を有する第2ポリエチレンを提供し;並びに(iii)第1および第2ポリエチレンを一緒に混合し、多峰性分子量分布を有するポリエチレン樹脂を形成することを含む方法を開示する。
【0026】
日本国JP2001226496A(要約)は、98〜55重量パーセントの、0.93〜0.97g/cm3密度を有するエチレンホモポリマーもしくはエチレン−α−オレフィンコポリマー並びに2〜45重量パーセントの、0.86〜0.94g/cm3密度、0.01〜50g/10分メルトフローレートおよび1.5〜4.5分子量分布(Mw/Mn)の要件を満たすエチレンコポリマーを含む樹脂組成物から得られるポリエチレン樹脂シートを開示する。
【0027】
国際公開WO2004/016688は、0.945〜0.960g/ccの密度および0.1〜0.4のメルトフローインデックスを有するポリエチレン組成物を開示する。この組成物は直鎖低密度ポリエチレン樹脂および/または直鎖中低密度ポリエチレン樹脂および高密度ポリエチレン樹脂の溶融配合物である。
【0028】
国際公開WO95/11264は、広い二峰性分子量分布のエチレン樹脂のイン・サイツ触媒生成配合物である樹脂を開示する。この発明の樹脂は低分子量成分および高分子量成分の配合物によって特徴付けられる。この樹脂はMFRもしくはMw/Mnとして特徴付けられる分子量分布を有する。二峰性分子量樹脂は既存の機器でフィルムに加工できるものとして開示され、ブローンフィルム製造における良好な加工性を示し、優れたFQRのフィルム製品を提供する。
【0029】
さらなるポリエチレン系組成物が米国特許第6,809,154号;米国特許第4,617,352号;米国特許第6,541,581号;米国特許第6,090,893号;米国特許第5,310,834号;米国特許第6,649,698号;米国特許第4,603,173号;米国特許第7,129,296号、米国特許第5,688,865号;米国公開第2005/0288443号;米国公開第2003/0149181号;国際公開WO2004/058878;国際公開WO2004/058877;国際公開WO2004/058876;国際公開WO99/65039;および国際公開WO01/79344(EP1146077Aも参照);国際公開WO2005/121239;国際公開WO96/18677;国際公開WO2004/007610;国際公開WO01/14122;欧州出願第1384751A1号;欧州出願第1595897A1号;および欧州出願第0717055A2号に開示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
しかしながら、剛性、ストレスクラックおよび耐衝撃性の最適バランスを提供することができるポリオレフィン組成物に対する必要性が残る。この必要性はブロー成型家庭用および産業用容器の製造において、特には、樹脂を減らした軽量堅牢容器の領域において特に主張される。これらの、および他の問題の幾つかが以下の発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0031】
基本樹脂構造における修飾が樹脂の剛性、耐ストレスクラック性および耐衝撃性の改善を生じることが見出されている。そのような修飾は、高分子量エチレン系インターポリマーの最適量を、含有される1種類またはそれ以上のコモノマーのレベルが低い、低分子量エチレン系ホモポリマーもしくはインターポリマーと組み合わせることによって達成される。生じるポリマーは、曲げ弾性率によって特徴付けられる剛性、耐環境ストレスクラック性によって特徴付けられる堅牢性およびアイゾッド衝撃によって特徴付けられる衝撃強さの優れたバランスを有する。
したがって、本発明はブロー成型用途および他の用途のための組成物を提供し、ここで、そのような組成物は高分子量エチレンインターポリマー成分および低分子量エチレンポリマー成分を含む。
【0032】
本発明は、高分子量成分および低分子量成分を含む組成物であって、
高分子量成分は、0.920g/cm3〜0.950g/cm3の密度および0.05〜1dg/分のI21を有するエチレンインターポリマーを含み、
低分子量成分は、0.965g/cm3〜0.985g/cm3の密度および600〜2000dg/分のI2を有するエチレンポリマーを含み、並びに
該組成物は0.950g/cm3〜0.970g/cm3の密度を有し、および45〜80重量パーセントの高分子量成分を含み、および20〜55重量パーセントの低分子量成分を含み、重量パーセントは高分子量成分および低分子量成分の合計重量に基づく、
組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
上で論じられるように、本発明は、高分子量成分および低分子量成分を含む組成物であって、高分子量成分は、0.920g/cm3〜0.950g/cm3の密度および0.05〜1dg/分のI21を有するエチレンインターポリマーを含み、低分子量成分は、0.965g/cm3〜0.985g/cm3の密度および600〜2000dg/分のI2を有するエチレンポリマーを含み、並びに該組成物は0.950g/cm3〜0.970g/cm3の密度を有し、および45〜80重量パーセントの高分子量成分を含み、および55〜20重量パーセントの低分子量成分を含み、重量パーセントは高分子量成分および低分子量成分の合計重量に基づく組成物を提供する。さらなる実施形態において、高分子量成分はエチレンインターポリマーのみを含む。別の実施形態において、低分子量成分はエチレンポリマーのみを含む。
【0034】
本発明の一態様において、組成物は3〜15dg/分のI21を有する。本発明の別の態様において、組成物は50〜75重量パーセントの高分子量成分および25〜50重量パーセントの低分子量成分を含む。別の態様において、高分子量エチレンインターポリマーは0.925g/cm3〜0.950g/cm3の密度を有する。さらに別の態様において、組成物は0.955g/cm3〜0.970g/cm3の密度を有する。別の態様において、高分子量エチレンポリマーは0.10〜0.50dg/分のI21を有する。
【0035】
本発明の一態様において、組成物は5〜7dg/分のI21を有する。さらなる態様において、組成物は55〜65重量パーセントの高分子量成分および35〜45重量パーセントの低分子量成分を含む。さらなる態様において、組成物は0.955〜0.960g/ccの密度を有する。別の態様において、高分子量エチレンインターポリマーは0.935g/cm3〜0.945g/cm3の密度を有する。別の態様において、高分子量エチレンポリマーは0.20〜0.40dg/分のI21を有する。別の態様において、低分子量エチレンポリマーは0.965g/cm3〜0.975g/cm3の密度を有する。別の態様において、低分子量エチレンポリマーは700〜1150dg/分のI2を有する。
【0036】
本発明の別の態様において、組成物は3〜15dg/分のI21を有する。本発明の別の態様において、高分子量エチレンインターポリマーは1.5〜10の分子量分布、Mw/Mnを有する。さらに別の態様において、低分子量エチレンポリマーはホモポリマーである。別の態様において、高分子量エチレンインターポリマーはエチレン/αオレフィンインターポリマーである。別の態様において、αオレフィンはC3−C20オレフィン、好ましくは、C3−C10オレフィンである。さらなる態様において、αオレフィンはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンおよび1−デセン、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる群より選択される。
【0037】
本発明の別の態様において、高分子量エチレンインターポリマーは、高分子量および低分子量成分の合計重量を基準にして、55重量パーセント以上の量で存在し、および/または低分子量エチレンポリマーは、高分子量および低分子量成分の合計重量を基準にして、45重量パーセント以下の量で存在する。別の態様において、低分子エチレンポリマーは700〜1,000dg/分、もしくは700〜1,200dg/分の範囲のI2値を有する。
【0038】
本発明の別の態様において、低分子量エチレンポリマーはエチレン/αオレフィンインターポリマーである。別の態様において、αオレフィンはC3−C20オレフィン、好ましくは、C3−C10オレフィンである。さらなる態様において、αオレフィンはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンおよび1−デセン、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる群より選択される。
【0039】
本発明は、ある発明の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品を提供する。さらなる態様において、本発明はある発明の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含むブロー成型物品を提供する。本発明は、ここで論じられる物品の形成方法;例えば、ある発明の組成物のブロー成型を提供する。さらなる態様において、本発明は下記特性の1またはそれ以上を有する物品もしくは樹脂を提供し、該特性とは、本明細書で説明される、5000psiを上回る最終引張り強さ、500時間を上回るESCR F50、および/または190,000psiを上回る1パーセント割線弾性率である。
【0040】
本発明は、本発明の組成物の製造方法も提供する。一態様において、本発明は、二重反応器において組成物を重合することを含む方法であって、高分子量エチレンインターポリマーは第1反応器において形成され、および低分子量エチレンポリマーは第2反応器において形成される方法を提供する。別の実施形態において、低分子量エチレンインターポリマーは第1反応器において形成され、および高分子量エチレンポリマーは第2反応器において形成される。さらなる態様において、二重反応器は直列配置で作動させる。さらに別の態様において、各々の成分の重合は気相において行う。別の態様において、高分子量成分および/または低分子量成分はマグネシウム−チタン触媒系、例えば、チーグラー・ナッタ触媒系を用いて形成される。さらなる態様において、マグネシウム−チタン触媒系は噴霧乾燥形態にある。
【0041】
本発明は、ブロー成型物品および他の製品の製造に用いることができるエチレンポリマー組成物を提供する。これらの樹脂は、剛性、耐環境ストレスクラック性および衝撃強さの優れたバランスを示す。上に論じられるように、これらの組成物は高分子量低密度エチレンインターポリマーおよび低分子量高密度エチレンポリマーを含む。
【0042】
エチレンのインターポリマーに有用な適切なコモノマーには、これらに限定されるものではないが、エチレン性不飽和モノマー、共役もしくは非共役ジエンまたはポリエチレンおよびそれらの混合物が含まれる。そのようなコモノマーの例には、C3−C20αオレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが含まれる。C3−C20αオレフィンの好ましい例には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンおよび1−デセンが含まれる。3炭素原子〜20炭素原子のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。好ましいコモノマーには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよびそれらの混合物が含まれる。他の適切なモノマーには、スチレン、ハロ−置換スチレン、アルキル−置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブタン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン(例えば、1,4−ヘキサジエン)、オクタジエン、シクロアルケン(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロオクテン)および他のナフテン系物質(naphthenics)が含まれる。典型的には、エチレンを1種類のC3−C20αオレフィンと共重合させる。好ましいC3−C8αオレフィンには、これらに限定されるものではないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンおよび1−オクテン、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが含まれる。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、高分子量成分および/または低分子量成分は不均一に分岐した直鎖インターポリマーである。そのようなインターポリマーはチーグラー・ナッタ型触媒系から調製することができる。そのようなインターポリマーは、ポリマー分子の実質的にすべてが同じエチレン対コモノマー比を有する、実質的に均一なコモノマー分布を有するものとしては特徴付けられることがない。
【0044】
別の実施形態において、高分子量成分および/または低分子量成分は、実質的に均一なコモノマー分布を有するものとして特徴付けられる、均一に分岐した直鎖の、もしくは均一に分岐した実質的に直鎖のエチレン/αオレフィンインターポリマーである。
【0045】
均一ポリマーの調製方法は米国特許第5,206,075号;米国特許第5,241,031号;およびPCT国際出願WO93/03093に開示され;それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。均一エチレンαオレフィンコポリマーの製造および使用に関するさらなる詳細は、米国特許第5,206,075号;米国特許第5,241,031号;PCT国際公開WO93/03093;PCT国際公開WO90/03414に開示され;それらの4つすべては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。均一インターポリマーは拘束幾何触媒を用いて調製することができる。拘束幾何触媒の例は米国特許第5,272,236号および第5,278,272号に記述され、それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0046】
さらに他の実施形態において、高分子量成分は、米国公開第20030055176号および米国公開第20040198911号に記載されるような逆コモノマー分布(reverse comonomer distribution)を有するものとして特徴付けられる、エチレン/αオレフィンインターポリマーであり、それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。インターポリマー成分中のコモノマーのより多くの量がインターポリマー組成物の高分子量画分に組み込まれる。すなわち、インターポリマー組成物の平均Mw以上のMwを有するポリマー画分は、インターポリマー組成物の平均Mw未満のMwを有するポリマー画分よりも多くのコモノマーの重量平均量を有するものと特徴付けられる。
【0047】
ある発明の組成物は本明細書で説明される2つまたはそれ以上の態様/実施形態の組み合わせを含むことができる。
【0048】
高分子量成分は本明細書で説明される2つまたはそれ以上の態様/実施形態の組み合わせを含むことができる。
【0049】
低分子量成分は本明細書で説明される2つまたはそれ以上の態様/実施形態の組み合わせを含むことができる。
【0050】
高分子量エチレンインターポリマー成分
一般には、組成物は高分子エチレンインターポリマー成分を45〜80重量パーセント、好ましくは50〜75重量パーセント、より好ましくは55〜75重量パーセント、さらにより好ましくは55〜70重量パーセント含有する。別の実施形態において、高分子量成分の量は55〜65重量パーセントである。45〜80重量パーセントのすべての個々の値および下位範囲が含まれ、かつ本明細書で開示される。重量パーセントは高分子量および低分子量成分の総重量を基準とする。
【0051】
別の実施形態において、高分子量成分は、高分子量および低分子量成分の総重量を基準にして、50重量パーセント以上、好ましくは55重量パーセント以上、より好ましくは60重量パーセント以上の量で存在する。別の実施形態において、高分子量成分は、高分子量および低分子量成分の総重量を基準にして、80重量パーセント以下、好ましくは75重量パーセント以下、より好ましくは70重量パーセント以下の量で存在する。
【0052】
別の実施形態において、高分子量成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100,000〜500,000g/mole、より好ましくは200,000〜400,000g/mole、さらにより好ましくは250,000〜350,000g/moleである。100,000〜500,000g/moleのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0053】
別の実施形態において、高分子量成分の数平均分子量(Mn)は、好ましくは50,000〜200,000g/mole、より好ましくは60,000〜150,000g/mole、さらにより好ましくは70,000〜100,000g/moleである。50,000〜200,000g/moleのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0054】
別の実施形態において、高分子量成分の分子量分布、Mw/Mnは、好ましくは1.5〜10、より好ましくは2を上回って8まで、さらにより好ましくは3〜6、もしくは4〜6である。別の実施形態において、高分子量成分は2.5以上、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上のMw/Mnを有する。別の実施形態において、高分子量成分は6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下のMw/Mnを有する。1.5〜10のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0055】
別の実施形態において、高分子成分の密度は、好ましくは0.920〜0.950g/cm3、より好ましくは0.925〜0.950g/cm3、さらにより好ましくは0.930〜0.945g/cm3である。別の実施形態において、高分子量成分は0.920g/cm3を上回り、好ましくは0.925g/cm3を上回り、より好ましくは0.930g/cm3を上回る密度を有する。別の実施形態において、高分子量成分は0.950g/cm3未満、好ましくは0.945g/cm3未満の密度を有する。別の実施形態において、密度は0.932g/cm3〜0.942g/cm3であり、0.920g/cm3〜0.950g/cm3のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0056】
別の実施形態において、高分子量成分は、ASTM D−1238(190℃、21.6kg荷重)を用いる決定で、好ましくは0.05〜1dg/分、より好ましくは0.1〜0.50dg/分、さらにより好ましくは0.15〜0.45dg/分、最も好ましくは0.20〜0.40dg/分である高負荷メルトインデックス(I21)を有する。別の実施形態において、高分子量成分は0.05dg/分以上、好ましくは0.1dg/分以上、より好ましくは0.2dg/分以上の高負荷メルトインデックス(I21)を有する。別の実施形態において、高分子量成分は1dg/分以下、好ましくは0.9dg/分以下、より好ましくは0.8dg/分以下の高負荷メルトインデックス(I21)を有する。0.05〜1dg/分のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0057】
別の実施形態において、高分子量成分は、DSCによる測定で、40パーセント以上、好ましくは50パーセント以上、より好ましくは60パーセント以上の結晶化度パーセントを有する。好ましくは、これらのポリマーは40パーセント〜70パーセントの結晶化度パーセントを有し、40パーセント〜80パーセントのすべての個々の値および下位範囲がここに含まれ、かつここで開示される。
【0058】
高分子量成分は上記実施形態の2つまたはそれ以上からの特性の組み合わせを有することができる。
【0059】
高分子量成分の適切な例には、チーグラー・ナッタ触媒系、クロム系触媒、シングルサイト触媒、例えば、拘束幾何触媒もしくはメタロセン系触媒およびポストメタロセン触媒を用いて調製される、気相樹脂が含まれる。
【0060】
低分子量エチレンポリマー成分
一般には、組成物は低分子量エチレンポリマー成分を20〜55重量パーセント、好ましくは25〜50重量パーセント、より好ましくは25〜45重量パーセント、さらにより好ましくは30〜45重量パーセント含有する。別の実施形態において、低分子量成分の量は20〜40重量パーセントである。別の実施形態において、低分子量成分の量は35〜45重量パーセントである。20〜55重量パーセントのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。重量パーセントは高分子量および低分子量成分の総重量を基準とする。
【0061】
別の実施形態において、低分子量成分は、高分子量および低分子量成分の総重量を基準として、20重量パーセント以上、好ましくは25重量パーセント以上の量で存在する。別の実施形態において、低分子量成分は、高分子量および低分子量成分の総重量を基準として、50重量パーセント以下、好ましくは45重量パーセント以下、より好ましくは40重量パーセント以下の量で存在する。
【0062】
別の実施形態において、低分子成分は600dg/分以上のメルトインデックス(I2)を有し、好ましくは600〜2000dg/分、より好ましくは625〜1500dg/分、さらにより好ましくは650〜1200dg/分、最も好ましくは700〜1150dg/分のメルトインデックスを有する。別の実施形態において、低分子量成分は1100〜2000dg/分、好ましくは1200〜1800dg/分のメルトインデックス(I2)を有する。600〜2000dg/分のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0063】
別の実施形態において、低分子量成分は100,000g/mole未満の重量平均分子量を有する。さらなる実施形態において、この重量平均分子量は2,000〜100,000g/mole、より好ましくは5,000〜70,000g/mole、最も好ましくは10,000〜50,000g/moleの範囲にある。2,000g/mole〜100,000g/moleのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0064】
別の実施形態において、低分子量成分は50,000g/mole未満の数平均分子量を有する。さらなる実施形態において、この数平均分子量は500〜50,000g/moleの範囲、より好ましくは1,000〜30,000g/moleの範囲、最も好ましくは1,500〜20,000g/moleの範囲にある。500g/mole〜50,000g/moleのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0065】
別の実施形態において、低分子量成分は0.960g/cm3以上の密度を有する。さらなる実施形態において、この密度は0.960〜0.987g/cm3、好ましくは0.962〜0.985g/cm3、より好ましくは0.965〜0.980g/cm3の範囲をとる。0.960〜0.987g/cm3のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0066】
別の実施形態において、低分子量成分は、DSCによる測定で、60パーセント以上、好ましくは65パーセント以上、より好ましくは70パーセント以上の結晶化度パーセントを有する。好ましくは、これらのポリマーは60パーセント〜85パーセントの結晶化度パーセントを有し、60パーセント〜85パーセントのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0067】
低分子量エチレンポリマー成分はエチレンホモポリマーもしくはエチレン系インターポリマーである。適切なエチレン系インターポリマーには、1種類またはそれ以上のコモノマーを含有するエチレン/αオレフィンインターポリマーが含まれる。そのようなインターポリマーは、典型的には、重合モノマー構成要素の総重量を基準にして、1重量パーセント未満、好ましくは0.7重量パーセント未満、より好ましくは0.5重量パーセント未満の最終ポリマーにおけるコモノマー取り込みを有する。「0を上回って」1重量パーセントコモノマーまでのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0068】
低分子量成分は、好ましくは1,000炭素原子あたり1未満の分岐、より好ましくは5,000炭素原子あたり1未満の分岐、さらにより好ましくは10,000炭素原子あたり1未満の分岐の分岐頻度を有する。さらなる実施形態において、低分子量成分は、好ましくは1,000炭素原子あたり1未満のエチルもしくはブチル分岐、より好ましくは5,000炭素原子あたり1未満のエチルもしくはブチル分岐、さらにより好ましくは10,000炭素原子あたり1未満のエチルもしくはブチル分岐の分岐頻度を有する。この炭素原子の数には主鎖セグメントおよび分岐の両者に位置する炭素原子が含まれる。
【0069】
別の実施形態において、低分子量成分は2.0以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上の分子量分布、Mw/Mnを有する。別の実施形態において、低分子量成分は6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下の分子量分布、Mw/Mnを有する。
【0070】
低分子量成分は上記実施形態の2つまたはそれ以上からの特性の組み合わせを有することができる。
【0071】
低分子量成分の適切な例には、チーグラー・ナッタ触媒系、クロム系触媒、シングルサイト触媒、例えば、拘束幾何触媒もしくはメタロセン系触媒およびポストメタロセン触媒を用いて調製される、気相樹脂が含まれる。
【0072】
組成物
本発明の組成物は、各々上で説明される、少なくとも1種類の高分子量エチレンインターポリマーおよび少なくとも1種類の低分子量エチレンポリマーを含有する。一実施形態において、組成物は50重量パーセント以上の高分子量エチレンインターポリマーおよび50重量パーセント以下の低分子量エチレンポリマーを含有する(これらの成分の合計重量を基準とする)。
【0073】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは2〜20dg/分、より好ましくは3〜15dg/分、さらにより好ましくは4〜10dg/分、さらにより好ましくは4〜8dg/分、もしくは4〜7dg/分の高負荷メルトインデックス(I21)を有する。2〜20dg/分のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0074】
別の実施形態において、組成物は2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上の高負荷メルトインデックス(I21)を有する。別の実施形態において、組成物は10以下、好ましくは8以下、より好ましくは7以下の高負荷メルトインデックス(I21)を有する。
【0075】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは0.02〜0.2dg/分、より好ましくは0.03〜0.1dg/分、さらにより好ましくは0.04〜0.08dg/分のメルトインデックス(I2)を有する。0.02〜0.2dg/分のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0076】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは0.05〜0.2dg/分、より好ましくは0.06〜0.1dg/分、さらにより好ましくは0.06〜0.08dg/分のメルトインデックス(I2)を有する。0.05〜0.2dg/分のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0077】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは0.1〜0.5dg/分、より好ましくは0.15〜0.4dg/分、さらにより好ましくは0.2〜0.35dg/分、もしくは0.2〜0.3dg/分のメルトインデックス(I5)を有する。0.1〜0.5dg/分のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0078】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは10〜50、好ましくは12〜40、より好ましくは15〜35、さらにより好ましくは17〜30、最も好ましくは18〜28の高メルトフロー比(I21/I5)を有する。10〜50のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0079】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは50,000〜400,000g/mole、より好ましくは60,000〜350,000g/mole、さらにより好ましくは70,000〜300,000g/moleの重量平均分子量を有する。50,000〜400,000g/moleのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0080】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは5,000〜100,000g/mole、より好ましくは7,500〜50,000g/mole、さらにより好ましくは10,000〜25,000g/moleの数平均分子量を有する。5000〜100,000g/moleのすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0081】
別の実施形態において、組成物は8を上回り、好ましくは12を上回り、より好ましくは16を上回り、さらにより好ましくは18を上回る分子量分布、Mw/Mnを有する。別の実施形態において、組成物は12以上、好ましくは15以上、より好ましくは18以上、さらにより好ましくは20以上の分子量分布、Mw/Mnを有する。別の実施形態において、組成物は40以下、好ましくは35以下、より好ましくは30以下の分子量分布、Mw/Mnを有する。8〜40のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0082】
別の実施形態において、組成物は、好ましくは0.950〜0.975g/cm3、より好ましくは0.952〜0.972g/cm3、さらにより好ましくは0.955〜0.970g/cm3の密度を有する。別の実施形態において、組成物は0.950g/cm3を上回り、好ましくは、0.955g/cm3以上の密度を有する。別の実施形態において、組成物は0.975g/cm3以下、好ましくは0.970g/cm3以下、より好ましくは0.965g/cm3以下の密度を有する。0.950g/cm3〜0.975g/cm3のすべての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書で開示される。
【0083】
別の実施形態において、組成物は1000炭素原子あたり0.1以上のビニル基を含有する。この炭素原子の数には主鎖炭素および分岐炭素が含まれる。
【0084】
別の実施形態において、組成物は15を上回り、好ましくは18を上回り、より好ましくは20を上回る分子量分布、Mw/Mnを有し、かつ高分子量成分は1.0未満、好ましくは0.5dg/分未満のメルトインデックス、I21を有する。
【0085】
別の実施形態において、組成物は15を上回り、好ましくは18を上回り、より好ましくは20を上回る分子量分布、Mw/Mnを有し、かつ低分子量成分は600を上回り、好ましくは、800dg/分を上回るメルトインデックス、I2を有する。
【0086】
別の実施形態において、組成物は10dg/分未満、好ましくは、8dg/分未満のメルトインデックス、I21を有し、かつ高分子量成分は1.0dg/分未満、好ましくは、0.5dg/分未満のメルトインデックス、I21を有する。
【0087】
別の実施形態において、組成物は10dg/分未満、好ましくは、8dg/分未満のメルトインデックス、I21を有し、低分子量成分は600dg/分を上回り、好ましくは、800dg/分を上回るメルトインデックス、I2を有する。
【0088】
別の実施形態において、組成物は15以上、好ましくは18以上、より好ましくは20以上の分子量分布(Mw/Mn)を有し、高分子量成分は6以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0089】
別の実施形態において、組成物は15以上、好ましくは18以上、より好ましくは20以上の分子量分布(Mw/Mn)を有し、低分子量成分は6以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0090】
別の実施形態において、組成物は15以上、好ましくは18以上、より好ましくは20以上の分子量分布(Mw/Mn)を有し;高分子量成分は6以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有し;および低分子量成分は6以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5以下の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0091】
組成物は上記実施形態の2つまたはそれ以上からの特性の組み合わせを有することができる。
【0092】
別の実施形態において、組成物は、高分子量成分の分子量(MwもしくはMn)と比較して分子量(MwもしくはMn)がより大きいいかなる追加ポリマー成分をも含有しない。別の実施形態において、高分子量成分および低分子量成分は、組成物の総重量を基準にして、組成物の80重量パーセント以上、好ましくは組成物の90重量パーセント以上、より好ましくは組成物の95重量パーセント以上を構成する。
【0093】
別の実施形態において、組成物は成核剤、例えば、ナトリウムスクシネート、アルミニウムフェニルアセテートまたは芳香族もしくは脂環式カルボン酸のアルカリ金属もしくはアルミニウム塩を含有しない。
【0094】
添加物を本発明の組成物に必要に応じて添加することができる。これらの添加物には、これらに限定されるものではないが、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、香料、充填剤、スリップ剤、難燃剤、軟化剤、成核剤、処理助剤、潤滑剤、安定化剤、煙阻害剤(smoke inhibitors)、粘度制御剤、架橋剤、触媒、ブースター、粘着付与剤および粘着防止剤が含まれる。樹脂組成物は、所望の添加物(1種類以上)および/または最終組成物に配合しようとするあらゆる他の樹脂と共に、装置、例えば、ブレンダーおよび押出機並びに当分野において公知であり、および/または以下で論じられる他の装置を用いて、共に混合することができる。用いられる添加物(1種類以上)の選択および量は最終製品の加工性および最終特性に依存する。
【0095】
組成物は本明細書で説明される2つまたはそれ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
【0096】
組成物の調製
本発明の組成物は様々な方法によって調製することができる。例えば、組成物は、高分子量エチレンインターポリマーおよび低分子量エチレンポリマーを適切な混合装置、例えば、ブレンダーもしくは押出機において配合もしくは混合することによって調製することができる。その代わりに、これらの組成物は単一の反応器もしくは複数の重合反応器のいずれかにおける重合反応によっても調製することができる。
【0097】
幾つかの配合方法には、これらに限定されるものではないが、押出機、混練機等による成分の配合;適切な溶媒(例えば、炭化水素溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン)もしくは炭化水素溶媒の混合液中での成分の溶解およびそれに続く溶媒除去;適切な溶媒中での1種類またはそれ以上の成分の独立の溶解、得られる溶液の合体およびそれに続く溶媒除去;並びにこれらの配合方法のあらゆる組み合わせが含まれる。
【0098】
重合による組成物の調製では、重合は、1もしくは2もしくはそれを上回る段階で、それぞれの成分を調製するための異なる反応条件下で行うことができる。ポリマー成分は製品組成物の単離に先立って混合することができる。重合が1反応で行われる場合、それぞれの成分を形成するのに2つまたはそれ以上の触媒系を用いることができる。その代わりに、組成物を1つまたはそれ以上の重合反応器においてその場で製造することもできる。
【0099】
一実施形態において、組成物は二重反応器配置で製造され、そこでは触媒前駆体および共触媒が第1反応器に導入され、その重合混合物がさらなる重合のために第2反応器に移送される。触媒系が関わる限り、外部の源から第2反応器に添加されるのは、所望であれば、共触媒のみである。任意に、反応器への添加に先立って触媒前駆体を部分的に活性化した後、反応器内で共触媒によってさらに活性化することができる。
【0100】
好ましい二重反応器配置においては、高分子量(低メルトフローインデックス)インターポリマーを第1反応器において調製する。その代わりに、低分子量コポリマーを第1反応器において調製し、高分子量コポリマーを第2反応器において調製することもできる。本開示の目的上、高分子量ポリマーが製造されるように条件が導かれる反応器は「高分子量反応器」として公知である。その代わりに、低分子量ポリマーが製造されるように条件が導かれる反応器は「低分子量反応器」として公知である。どちらの成分が最初に製造されるのかに関わりなく、ポリマーおよび活性触媒の混合物は、好ましくは、相互連結装置を介して、窒素もしくは第2反応器再循環気体を輸送媒体として用いて、第1反応器から第2反応器に移送される。
【0101】
各々の反応器における重合は、好ましくは、気相で、連続流動床法を用いて行われる。典型的な流動床反応器においては、床は、通常、その反応器において製造しようとするものと同じ粒状樹脂で構成される。したがって、重合の過程で、床は形成されたポリマー粒子、生長するポリマー粒子および触媒粒子を含み、それらはそれらの粒子を分離し、かつ流体として作用させるのに十分な流速もしくは速度で導入される重合および修飾性気体状成分によって流動化される。この流動化気体は、初期供給物、構成供給物(make-up feed)および循環(再循環)気体、すなわち、コモノマーおよび、所望であれば、改質剤および/または不活性坦体気体で構成される。
【0102】
典型的な流動床システムには、反応容器、床、気体分配プレート、導入および排出配管、圧縮器、循環気体冷却器並びに生成物放出システムが含まれる。この容器内の床の上部には減速帯が存在し、床内には反応帯が存在する。両者は気体分配プレートの上部に存在する。典型的な流動床反応器が米国特許第4,482,687号にさらに記載され、その内容全体は本明細書に存在する。
【0103】
エチレン、他の気体状α−オレフィンおよび水素の気体供給流は、用いられる場合、好ましくは、液体α−オレフィンおよび共触媒溶液に加えて、反応器再循環ラインに供給される。任意に、液体共触媒を流動床に直接供給することができる。部分的に活性化された触媒前駆体は、好ましくは、流動床に鉱物油スラリーとして注入される。活性化は、一般には、反応器内で共触媒によって完了する。生成物の組成は流動床に導入されるモノマーのモル比を変更することによって変化させることができる。生成物は顆粒状もしくは粒状形態で、重合で構築される床レベルに応じて、反応器から連続的に放出される。生成速度は触媒供給速度および/または両反応器におけるエチレン分圧を調整することによって制御される。
【0104】
好ましい様式は、バッチ量の生成物を第1反応器から取り、これらを再循環気体圧縮システムによって生成される差圧を用いて第2反応器に移送するものである。米国特許第4,621,952号(その内容全体が本明細書に存在する)に記載されるものに類似するシステムが特に有用である。
【0105】
圧力は第1および第2反応器の両者においてほぼ同じである。ポリマーおよび含有される触媒の混合物を第1反応器から第2反応器に移送するのに用いられる特定の方法に依存して、第2反応器の圧力は第1のものよりも高いかもしくは幾らか低いかのいずれかであり得る。第2反応器の圧力のほうが低い場合、この差圧を反応器1から反応器2へのポリマー触媒混合物の移送を促進するのに用いることができる。第2反応器の圧力のほうが高い場合、循環気体圧縮器内の差圧を推進力としてポリマーの移動に用いることができる。圧力、すなわち、いずれかの反応器内の総圧力は200〜500psig(ポンド毎平方インチゲージ)の範囲であり得、好ましくは、280〜450psigの範囲である。第1反応器内のエチレン分圧は10〜150psigの範囲であり得、好ましくは20〜80psigの範囲、より好ましくは25〜60psigの範囲である。第2反応器内のエチレン分圧は、上述の分配を達成するのにこの反応器内において生成することが望まれるコポリマーの量に従って設定される。第1反応器内でのエチレン分圧の上昇が第2反応器内のエチレン分圧の上昇につながることに注意されたい。総圧力のバランスはエチレン以外のα−オレフィンおよび不活性気体、例えば、窒素によってもたらされる。他の不活性炭化水素、例えば、誘導された縮合剤、例えば、イソペンタン、ヘキサンも、反応器内で受ける温度および圧力の下でのそれらの蒸気圧に従い、反応器内の圧力全体に寄与する。
【0106】
水素:エチレン・モル比を調整して平均分子量を制御することができる。α−オレフィン(エチレン以外)はコポリマーの15重量パーセントまでの総量で存在することができ、かつ、用いられる場合には、好ましくは、コポリマー中に、コポリマーの重量を基準にして、0.5〜10重量パーセント、より好ましくは、0.8〜4重量パーセントの総量で含まれる。
【0107】
気体状および液体反応体、触媒並びに樹脂を含む反応体の混合物の各々の流動床における滞留時間は1〜12時間の範囲であり得、好ましくは、1.5〜5時間の範囲である。
【0108】
反応器は、所望であれば、縮合様式で作動させることができる。縮合様式は米国特許第4,543,399号;第4,588,790号;および第5,352,749号に記載され、それらの内容全体が本明細書に存在する。
【0109】
配合物の調製に用いることができる典型的な遷移金属触媒系は、米国特許第4,302,565号に記載される触媒系によって例示することができるマグネシウム/チタン系触媒系;バナジウム系触媒系、例えば、米国特許第4,508,842号;第5,332,793号;第5,342,907号;および第5,410,003号に記載されるもの;クロム系触媒系、例えば、米国特許第4,101,445号に記載されるもの;並びにシングルサイト触媒系、例えば、米国特許第4,937,299号;第5,317,036号;および第5,527,752号に記載されるものである。これらの特許の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。シリカ−アルミナ支持体上の酸化クロムもしくはモリブデンを用いる触媒系も有用である。本発明の配合物の成分の調製に好ましい触媒系はチーグラー・ナッタ触媒系およびシングルサイト触媒系である。
【0110】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物を製造するのにこの方法において用いられる好ましい触媒はマグネシウム/チタン型のものである。特には、本発明の気相重合では、触媒は塩化マグネシウムおよびチタンを電子供与溶媒中に含む前駆体から製造される。この溶液はしばしば多孔性触媒支持体上に析出させ、もしくは充填剤を添加し、それは、次の噴霧乾燥の際、さらなる機械的強度を粒子にもたらす。いずれかの支持法からの固体粒子はしばしば希釈剤中にスラリー化されて高粘度混合物が生成され、次にそれが触媒前駆体として用いられる。例示的な触媒のタイプは米国特許第6,187,866号および第5,290,745号に記載され、それらの両者の内容全体は本明細書に存在する。沈殿/結晶化した触媒系、例えば、米国特許第6,511,935号および第6,248,831号(それらの両者の内容全体は本明細書に存在する)に記載されるものを用いることもできる。
【0111】
本明細書で用いられる「触媒前駆体」という用語は、チタンおよびマグネシウム化合物並びにルイス塩基電子供与体を含む混合物を意味する。好ましくは、触媒前駆体は式MgdTi(OR)ef(ED)gを有し、式中、Rは1〜14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素ラジカルまたはCOR’(式中、R’は1〜14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素ラジカルである)であり;各々のOR基は同じであるか、もしくは異なり;Xは独立に、塩素、臭素もしくはヨウ素であり;EDは電子供与体であり;dは0.5〜56であり;eは0、1もしくは2であり;fは2〜116であり;並びにgは>2および1.5*d+3までである。それはチタン化合物、マグネシウム化合物および電子供与体から調製される。
【0112】
電子供与体は、マグネシウムおよびチタン化合物が可溶である、0℃〜200℃の範囲の温度で液体の有機ルイス塩基である。電子供与体化合物は、時折、ルイス塩基とも呼ばれる。電子供与体は脂肪族もしくは芳香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族ケトン、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、アルキルもしくはシクロアルキルエーテルまたはそれらの混合物であり得、各々の電子供与体は2〜20個の炭素原子を有する。これらの電子供与体のうち、2〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびシクロアルキルエーテル;3〜20個の炭素原子を有するジアルキル、ジアリールおよびアルキルアリールケトン;並びに2〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびアリールカルボン酸のアルキル、アルコキシおよびアルキルアルコキシエステルが好ましい。最も好ましい電子供与体はテトラヒドロフランである。適切な電子供与体の他の例は、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルエーテル、ジオキサン、ジ−n−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エタノール、1−ブタノール、ギ酸エチル、酢酸メチル、アニス酸エチル、炭酸エチレン、テトラヒドロピランおよびプロピオン酸エチルである。
【0113】
大過剰の電子供与体を最初に用いてチタン化合物および電子供与体の反応生成物をもたらすこともできるが、最終的な触媒前駆体はチタン化合物のモルあたり1〜20モルの電子供与体、好ましくは、チタン化合物のモルあたり1〜10モルの電子供与体を含有する。
【0114】
触媒はポリマーの生長のテンプレートとして作用するため、触媒前駆体を固体に変換することが必須である。得られる固体が、比較的狭いサイズ分布、少量の細片および良好な流動性を有するポリマー粒子を生成するのに適切な粒子サイズおよび形状を有することも必須である。このルイス塩基、マグネシウムおよびチタン化合物の溶液を多孔性支持体に含浸させ、乾燥させて固体触媒を形成することもできるが、その溶液を噴霧乾燥によって固体触媒に変換することが好ましい。そのようにしてこれらの方法の各々が「支持された触媒前駆体」を形成する。適切な噴霧乾燥触媒系は国際公開WO2006/023057に記載され、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0115】
次に、この噴霧乾燥触媒生成物を、鉱物油スラリーに優先的に入れる。炭化水素スラリー希釈剤の粘度は、そのスラリーを予備活性化装置を介して、最終的には、重合反応器内に都合よく汲み入れることができるのに十分な低さである。触媒はスラリー触媒フィーダーを用いて供給する。漸進キャビティーポンプ(progressive cavity pump)、例えば、Moynoポンプが市販反応系において典型的に用いられ、それに対して、触媒流が≦10cm3/時間のスラリーである、パイロット規模の反応系においては二重ピストンシリンジポンプが典型的に用いられる。
【0116】
重合を達成するのに共触媒、すなわち、賦活剤も反応器に供給される。さらなる共触媒による完全な活性化は最大限の活性の達成に必要である。完全な活性化は重合反応器内で普通に生じるが、EP1200483において教示される技術を用いることもできる。
【0117】
従来用いられる、還元剤である共触媒はアルミニウム化合物を含むものであるが、リチウム、ナトリウムおよびカリウム、アルカリ土類金属の化合物に加えてアルミニウム以外の土類金属の化合物も可能である。これらの化合物は、通常、水素化物、有機金属もしくはハロゲン化物化合物である。ブチルリチウムおよびジブチルマグネシウムがアルミニウム以外の有用な化合物の例である。
【0118】
賦活剤化合物(これは、一般にはチタン系触媒前駆体のいずれかと共に用いられる)は式AlRabcを有することができ、式中、各々のXは、独立に、塩素、臭素、ヨウ素もしくはOR1であり;各々のRおよびR1は、独立に、1〜14個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり;bは0〜1.5であり;cは0もしくは1であり;並びにa+b+c=3である。好ましい賦活剤には、各々のアルキルラジカルが1〜6個の炭素原子を有するアルキルアルミニウムモノ−およびジクロライド並びにトリアルキルアルミニウムがある。例はジエチルアルミニウムクロライドおよびトリ−n−ヘキシルアルミニウムである。約0.10〜約10モル、好ましくは、0.15〜2.5モルの賦活剤が電子供与体のモルあたりに用いられる。賦活剤のチタンに対するモル比は1:1〜10:1の範囲、好ましくは、2:1〜5:1の範囲である。
【0119】
ヒドロカルビルアルミニウム共触媒は式R3AlもしくはR2AlXによって表すことができ、式中、各々のRは、独立に、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくは水素であり;少なくとも1つのRはヒドロカルビルであり;および2つもしくは3つのRラジカルが結合して複素環構造を形成することができる。ヒドロカルビルラジカルである各々のRは1〜20個の炭素原子、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有することができる。Xはハロゲン、好ましくは、塩素、臭素もしくはヨウ素である。ヒドロカルビルアルミニウム化合物の例は以下の通りである。トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシル−アルミニウム、水素化ジ−イソブチル−アルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、ジ−イソブチル−ヘキシルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリドデシルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリナフチルアルミニウム、トリトリルアルミニウム、塩化ジブチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウムおよびセスキ塩化エチルアルミニウム。共触媒化合物は賦活剤および改質剤としての機能も果たし得る。
【0120】
賦活剤は重合の前および/または最中のいずれかに前駆体に添加することができる。手順の1つにおいては、重合の前に前駆体を最大限に活性化する。別の手順においては、重合の前に前駆体を部分的に活性化し、反応器内で活性化を完了させる。賦活剤の代わりに改質剤が用いられる場合、改質剤は、通常、有機溶媒、例えば、イソペンタンに溶解し、かつ、支持体が用いられる場合には、チタン化合物もしくは錯体の含浸に続いて支持体に含浸させた後、支持された触媒前駆体を乾燥させる。さもなくば、改質剤溶液をそれ自体反応器に直接添加する。改質剤は、化学構造および機能において、共触媒としての賦活剤に類似する。変形については、例えば、米国特許第5,106,926号(これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。共触媒は、好ましくは、生で別に、もしくは不活性溶媒、例えば、イソペンタン中の溶液として、エチレンの流動が開始されるのと同時に重合反応器に添加される。
【0121】
支持体を用いる実施形態においては、前駆体は無機酸化物支持体、例えば、シリカ、リン酸アルミニウム、アルミナ、シリカ/アルミナ混合物、有機アルミニウム化合物、例えば、トリエチルアルミニウムで修飾されているシリカおよびジエチル亜鉛で修飾されているシリカ上に支持される。幾つかの実施形態においては、シリカが好ましい支持体である。典型的な支持体は、重合に対して本質的に不活性の、固体粒状多孔性物質である。それは、10〜250ミクロン、好ましくは、30〜100ミクロンの平均粒子サイズ;少なくとも200平方メートル毎グラム、好ましくは、少なくとも約250平方メートル毎グラムの表面積;および少なくとも約100オングストローム、好ましくは、少なくとも約200オングストロームの細孔サイズを有する乾燥粉末として用いられる。一般には、用いられる支持体の量は、支持体のグラムあたり0.1〜1.0ミリモルのチタン、好ましくは、支持体のグラムあたり0.4〜0.9ミリモルのチタンをもたらすものである。上記触媒前駆体のシリカ支持体への含浸は、前駆体およびシリカゲルを電子供与体溶媒もしくは他の溶媒中で混合した後、溶媒を減圧下で除去することによって達成することができる。支持体が望ましくないときは、触媒前駆体を液体形態で用いることができる。
【0122】
主題発明のポリエチレン配合物は、好ましくは、気相において様々な低圧法によって製造される。この配合物は溶液もしくはスラリー中の液相において従来の技術により、ここでも低圧で、製造することもできる。低圧法は、典型的には、1000psi未満の圧力で行い、それに対して高圧法は、典型的には、15,000psiを上回る圧力で行う。
【0123】
本発明の組成物は単一の反応器において混合触媒を用いて調製することもできる。そのような混合触媒系において、触媒組成物は2種類またはそれ以上のチーグラー・ナッタ触媒、2種類またはそれ以上のメタロセン系触媒、例えば、米国特許第4,937,299号;第5,317,036号;および第5,527,752号(各々の内容全体は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるもの組み合わせ、もしくはチーグラー・ナッタ触媒およびメタロセン触媒の組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態においては、デュアルサイトもしくはマルチサイトメタロセン触媒を用いることができる。
【0124】
本発明の組成物の適用
本発明の組成物は優れた成型性を有し、様々な物品(例えば、産業用化学物質のための缶、ドラム、ボトル、タンク、インフレーションフィルムおよびパイプ)に、様々な成型(もしくは形成)法、例えば、ブロー成型、真空もしくは圧縮形性、インフレーション成型、押出し成型および膨張成型によって成形することができる。そのようにして製造される成型物品、例えば、産業用化学物質のための缶、ドラム、タンクおよびボトルは、機械的強度に加えて剛性にも優れる。
【0125】
本発明の組成物はブロー成型操作に特に有用であるが、様々な注型法、回転成型法、熱形成法、注入ブロー成型、注入ストレッチブロー成型、圧縮ブロー形成、押出し形成および様々なフィルム法において用いることもできる。したがって、これらの方法のすべてによって調製される物品を本発明の組成物から形成することができる。特には、幾つかの本発明の物品には、55ガロンドラム、自動車燃料タンクおよび保管タンクが含まれる。
【0126】
他の製造物品には、シート、モノテープ、モノフィラメント、フォーム、繊維およびフィルムが含まれる。フィルムは単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。フィルムは他の層(1以上)と共に同時押出しすることができ、もしくはフィルムは他の層(1以上)上に積層することができる。フィルムが2またはそれ以上の層の同時押出しである場合、そのフィルムは、最終フィルムの他の物理的要求に依存して、依然として包装材料のさらなる層に積層することができる。単層および同時押出しフィルムは他の押出し後(post extrusion)技術、例えば、二軸配向法に処することもできる。
【0127】
押出しコーティングが、本明細書で説明される新規組成物を用いて多層フィルム構造を製造するためのさらに別の技術である。これらの新規組成物はフィルム構造の少なくとも1つ層を含む。キャストフィルムと同様に、押出しコーティングはフラットダイ技術である。シーラントを、単層もしくは同時押し出し押出物のいずれかの形態で、基体上に押出しコートすることができる。
【0128】
本発明は、ある発明の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品を提供する。好ましい実施形態において、この物品は押出しブロー成型物品である。
【0129】
定義
本明細書に挙げられる任意の数値範囲は、任意の下側の値と任意の上側の値との間に少なくとも2単位の隔たりが存在するのであれば、1単位の増分で、下側の値から上側の値までの全ての値を含む。例として、組成物、物理的もしくは他の特性、例えば、分子量、メルトインデックス等が100〜1,000であると述べられている場合、全ての個別の値、例えば、100、101、102等および下位範囲、例えば、100〜144、155〜170、197〜200等がこの指定において明瞭に列挙されることが意図される。1未満の値を含むか、もしくは1を上回る分数(例えば、1.1、1.5等)を含む範囲については、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01もしくは0.1とみなされる。10未満の1桁の数を含む範囲(例えば、1〜5)については、1単位は、典型的には、0.1とみなされる。これらは具体的に意図されるものの例に過ぎず、列挙される最低値および最高値の間の数値のすべての可能な組み合わせが本願において明瞭に述べられているものとみなされるべきである。数値範囲は、本明細書で論じられるように、メルトインデックス、重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布(Mw/Mn)、結晶化度パーセント、コモノマーパーセント、コモノマー中の炭素原子の数および他の特性に関して挙げられている。
【0130】
「組成物」という用語は、本明細書で用いられる場合、その組成物を構成する物質の混合物に加えて、その組成物の物質から形成される反応生成物および分解生成物を含む。
【0131】
「ポリマー」という用語は、本明細書で用いられる場合、同じタイプであろうと異なるタイプであろうと、モノマーを重合させることによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、一般用語のポリマーは、ただ1つのタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すのに通常用いられるホモポリマーという用語および以下で定義されるインターポリマーという用語を包含する。
【0132】
「インターポリマー」という用語は、本明細書で用いられる場合、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーを重合させることによって調製されるポリマーを指す。したがって、一般用語のインターポリマーは、2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すのに通常用いられるコポリマーおよび3つ以上の異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0133】
「エチレンポリマー」という用語は、本明細書で用いられる場合、主として(50モルパーセントを上回る)エチレンモノマー単位から形成されるポリマーを指す。モルパーセントは重合性モノマーの総モルを基準とする。エチレンインターポリマーも主として(50モルパーセントを上回る)エチレンモノマー単位を含有する。
【0134】
「配合物」もしくは「ポリマー配合物」という用語は、本明細書で用いられる場合、2種類またはそれ以上のポリマーの配合物を意味する。そのような配合物は混和性であってもなくてもよい。そのような配合物は相分離してもしなくてもよい。そのような配合物は、透過型電子分光法、光散乱、X線散乱および当分野において公知の他の方法から決定される、1つまたはそれ以上のドメイン配置を含有していてもいなくてもよい。
【0135】
「実質的に均一なコモノマー分布」という用語は、ポリマー成分の分子量範囲全体にわたるポリマー画分のコモノマー含有率の変化が10重量パーセント未満、好ましくは8重量パーセント未満、より好ましくは5重量パーセント未満、最も好ましくは2重量パーセント未満であることを意味するのに本明細書で用いられる。
【0136】
「逆コモノマー分布」という用語は、ポリマー成分の分子量範囲全体にわたって、様々なポリマー画分のコモノマー含有率が実質的に均一ではなく、かつそれらの高分子量画分が比例的により高いコモノマー含有率を有することを意味するのに本明細書で用いられる。実質的に均一なコモノマー分布および逆コモノマー分布の両者は、分別技術、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー−示差粘度測定(GPC−DV)、温度上昇溶離分別法−示差粘度測定(TREF−DV)およびクロス分別技術を用いて決定することができる。コモノマー分布はGPC−FTIR技術によっても決定することができる。
【0137】
「均一」および「均一に分岐」という用語は、コモノマーが所与のポリマー分子内で無作為に分布し、かつ実質的にすべてのポリマー分子が同じエチレン対コモノマー比を有する、エチレン/αオレフィンポリマー(もしくはインターポリマー)を指すのに用いられる。均一に分岐したエチレンインターポリマーには、直鎖エチレンインターポリマーおよび実質的に直鎖のエチレンインターポリマーが含まれる。
【0138】
均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーのうちには、インターポリマー内に重合され、かつ同じポリマー鎖内および異なるポリマー鎖間の両者で均一に分布するコモノマーから誘導される、長鎖分岐は欠くものの短鎖分岐は有するエチレンポリマーが含まれる。すなわち、均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、例えばElstonによって米国特許第3,645,992号に記載される均一分岐分布重合法を用いて製造される、直鎖低密度ポリエチレンポリマーもしくは直鎖高密度ポリエチレンポリマーの場合のように、長鎖分岐を欠く。均一に分岐した直鎖エチレン/αオレフィンインターポリマーの市販例には、Mitsui Chemical Companyによって供給されるTAFMER(商標)ポリマーおよびExxonMobil Chemical Companyによって供給されるEXACT(商標)ポリマーが含まれる。
【0139】
本発明において用いられる実質的に直鎖のエチレンインターポリマーは米国特許第5,272,236号;第5,278,272号;第6,054,544号;第6,335,410号および第6,723,810号に記載され;各々の内容全体は本明細書に存在する。実質的に直鎖のエチレンインターポリマーは、コモノマーが所与のインターポリマー分子内で無作為に分布し、かつ実質的にすべてのインターポリマー分子がそのインターポリマー内に同じエチレン/コモノマー比を有するものである。
【0140】
加えて、実質的に直鎖のエチレンインターポリマーは、長鎖分岐を有する、均一に分岐したエチレンポリマーである。長鎖分岐はポリマー主鎖と同じコモノマー分布を有し、かつポリマー主鎖の長さとほぼ同じ長さを有することができる。「実質的に直鎖」は、典型的には、平均で合計1000炭素(主鎖および分岐炭素の両者を含む)あたり0.01の長鎖分岐から合計1000炭素あたり3までの長鎖分岐で置換されるポリマーに関するものである。
【0141】
幾つかの実質的に直鎖のポリマーは、合計1000炭素あたり0.01の長鎖分岐から合計1000炭素あたり1もしくは0.5までの長鎖分岐で、より好ましくは、合計1000炭素あたり0.05の長鎖分岐から合計1000炭素あたり1もしくは0.5までの長鎖分岐で、特には、合計1000炭素あたり0.3の長鎖分岐から合計1000炭素あたり1もしくは0.5までの長鎖分岐で置換され得る。
【0142】
実質的に長鎖のポリマーの市販例には、ENGAGE(商標)ポリマー(以前はDuPont Dow Elastomers L.L.C.、現在はThe Dow Chemical Company)およびAFFINITY(商標)ポリマー(The Dow Chemical Company)が含まれる。
【0143】
実質的に直鎖のエチレンインターポリマーは均一に分岐したエチレンポリマーの独自のクラスを形成する。それらはElstonによって米国特許第3,645,992号に記載される従来の均一に分岐した直鎖エチレンインターポリマーの周知クラスとは実質的に異なり、さらに、それらは従来の均一チーグラー・ナッタ触媒重合直鎖エチレンポリマー(例えば、Andersonらによって米国特許第4,076,698号に開示される技術を用いて、例えば、製造される、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)もしくは高密度ポリエチレン(HDPE))と同じクラスではなく;高圧フリーラジカル開始高度分岐ポリエチレン、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマーおよびエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーと同じクラスでもない。
【0144】
試験手順
GPC分子量決定
ポリマー分子量は高温3検出器ゲル浸透クロマトグラフィー(3D−GPC)によって特徴付けた。クロマトグラフィーシステムは、Precision Detectors(Amherst、MA)2角度レーザー光散乱検出器、Model 2040およびViscotek(Houston、TX)製の4キャピラリ示差粘度計検出器、Model 150Rを備える、Waters(Millford、MA)「150℃高温」クロマトグラフィーからなるものであった。光散乱検出器の15°角を算出の目的で用いた。
【0145】
濃度はスペイン国バレンシアのPolymerChar製の赤外線検出器(IR4)によって測定した。
【0146】
データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェア・バージョン3および4チャンネルViscotek Data Manager DM400を用いて行った。このシステムはPolymer Laboratories製のオンライン溶媒脱気装置を備えていた。カルーセル区画は140℃で作動させ、カラム区画は150℃で作動させた。カラムは4本のShodex HT 806M 30cm、13ミクロンカラムおよび1本のShodex HT803M 15cm、12ミクロンカラムであった。ポリマー溶液は1,2,4トリクロロベンゼン(TCB)およびデカヒドロナフタレン(デカリン)の両者で調製した。サンプルは50mlの溶媒中に0.1グラムのポリマーの濃度で調製した。クロマトグラフィー用溶媒およびサンプル調製溶媒は200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有していた。両溶媒源は窒素散布(nitrogen sparged)した。ポリエチレンサンプルは160℃で4時間穏やかに攪拌した。注入容積は200μlであり、流速は0.67ml/分であった。
【0147】
GPCカラムセットの較正は21のナロー分子量分布ポリスチレン標準で行った。これらの標準の分子量は580〜8,400,000の範囲であり、個々の分子量の間に少なくとも10の隔たりを有する6つの「カクテル」混合物として用意された。
【0148】
ポリスチレン標準のピーク分子量は(Williams and Ward, J. Polym. Sci., Polym. Let, 6, 621 (1968)に記載される)以下の等式を用いてポリエチレン分子量に変換した。
Mpolyethlene=A×(Mpolystyren)B (1)
(式中、Mは分子量であり、Aは0.431の値を有し、Bは1.0に等しい)
【0149】
それぞれのポリエチレン等価較正点をフィットさせるのに5次多項式を用いた。
【0150】
GPCカラムセットの総プレート計数はエイコサン(50ミリリットルのTCB中に0.04gで調製し、穏やかに攪拌しながら20分間溶解した)で行った。プレート数および対称性は、200マイクロリットル注入で、以下の等式に従って測定した。
プレート数=5.54*(最大ピークでのRV/(1/2%高さでのピーク幅)∧2 (2)
(式中、RVはミリリットルでの保持容積であり、ピーク幅はミリリットルでのものである)
【0151】
対称性=(1/10高さでの後部ピーク幅−最大ピークでのRV)/(最大ピークでのRV−1/10高さでの前部ピーク幅) (3)
(式中、RVはミリリットルでの保持容積であり、ピーク幅はミリリットルでのものである)
【0152】
多検出器補正を決定するための系統的アプローチを、Balke、Moureyら(Mourey and Balke, Chromatography Polym. Chpt 12, (1992))(Balke, Thitiratsakul, Lew, Cheung, Mourey, Chromatography Polym. Chpt 13, (1992))によって公開されるものに一致する方法で、企業内ソフトウェアを用いてDowブロードポリスチレン1683からの2検出器ログ結果をナロー標準較正曲線からのナロー標準カラム較正結果に最適化して行った。補正値決定のための分子量データは、Zimm(Zimm, B.H., J. Chem. Phys., 16, 1099 (1948))およびKratochvil(Kratochvil, P., Classical Light Scattering from Polymer Solutions, Elsevier, Oxford, NY (1987))によって公開されるものに一致する方法で得た。分子量の決定に用いられる、注入された濃度全体は、サンプルの赤外領域および115,000分子量の直鎖ポリエチレンホモポリマーからの赤外検出器較正から得た。クロマトグラフィー濃度は2次ビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への取り組みを排除するのに十分な低さであると仮定した。
【0153】
MnおよびMwの算出は、IR4検出器を用いるGPCの結果に基づき、以下の等式から決定した。
【数1】

ここで、等式4および5はTCBの溶液中で調製したポリマーから算出する。
【0154】
MzおよびMz+1の算出はYau and Gillespie, Polymer, 42, 8947-8958 (2001)によって提案された方法で行い、WilliamsおよびWardの方法を用いる以下の等式
【数2】

(式中、LSiは15°LSシグナルであり、Mcalibration(calibrationは「較正」の意味)は前述の通りである)
から決定し、ここで、等式6および7はデカリン中で調製したポリマー溶液から測定する。
【0155】
(クロマトグラフィー的な変化によって生じる)溶離成分および(ポンプ変化によって生じる)流速成分を含有し得る、経時的な偏差を観察するため、一般には、後期溶出ナローピークが「マーカーピーク」として用いられる。したがって、流速マーカーは溶出サンプル中に溶解したデカンフローマーカーに基づいて確立した。この流速マーカーは、デカンピークの整列によってすべてのサンプルの流速を線形的に補正するのに用いた。次にマーカーピークの時間におけるあらゆる変化は流速およびクロマトグラフィー勾配の両者における線形シフトに関連するものと仮定した。
【0156】
好ましいカラムセットは、特許請求の範囲に適切な最高分子量画分を適切に分離する、13ミクロン粒子サイズおよび「混合」多孔性のものである。
【0157】
(前に論じられるエイコサンに基づく)クロマトグラフィーシステムのプレート数は32,000を上回っていなければならず、対称性は1.00〜1.12でなければならない。
【0158】
示差走査熱量測定(DSC)
DSCの結果は、RCS(冷凍冷却システム)冷却アクセサリーおよびオートサンプラーを備える、TA Instruments Model Q1000 DSCを用いて生成した。全体を通して50ml/分の窒素パージ気流を用いた。サンプルは、175℃および1500psi(10.3MPa)最大圧力のプレスを約15秒間用いて薄膜に圧縮した後、大気圧で室温まで空冷した。次に、約3〜10mgの物質をペーパーホールパンチを用いて6mm径ディスクに切断し、直近の0.001mgまで秤量した。そのディスクを軽量アルミニウムパン(重量約50mg)に入れ、型押し閉鎖した。そのサンプルを以下の温度プロフィールを用いて熱処理した。(1)あらゆる熱前歴を除去するため、サンプルを180℃まで急速加熱し、等温的に3分間保持し、(2)次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−40℃で3分間保持し、(3)次に、サンプルを10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱した。冷却曲線および第2加熱曲線を記録した。
【0159】
結晶化度パーセントは、第2加熱曲線から決定される融解熱(Hf)をPEについての292J/gの理論的融解熱で割り、この量に100をかけることによって算出する(例えば、結晶化度パーセント=(Hf/292 J/g)×100)。
【0160】
メルトインデックスおよび密度
dg/分でのメルトインデックス、I2は、ASTM D−1238−99、条件190℃/2.16kg荷重を用いて測定した(I2=I2.16に注意)。
【0161】
メルトインデックス「I5」は、ASTM D−1238−99、条件190℃/5.0kg荷重を用いて測定される、dg/分でのメルトインデックスを指す。
【0162】
高負荷メルトインデックス、HLMIもしくはI21は、ASTM D−1238−99、条件190℃/21.6kg荷重を用いて測定される、dg/分でのメルトインデックスを指す(I21=I21.6に注意)。
【0163】
樹脂密度(g/cm3)はアルキメデス置換法、ASTM D−792−00、方法Bによって測定する。
【0164】
アイゾッド衝撃
アイゾッド衝撃測定は、刻み目付き圧縮成型プラークで、ASTM D 256−97、方法Aに従い、室温および−40℃で行った。サンプルはASTM D 1928−96に従って圧縮成型した。
【0165】
レオロジー
レオロジー測定のため、樹脂を圧縮成型してディスクにした。それらのディスクは、サンプルを0.071”(1.8mm)厚プラークに圧縮した後、1インチディスクに切断することによって調製した。圧縮成型手順は以下の通りであった。365°F(185℃)、100psiで5分間;365°F、1500psiで3分間;および27°F/分で周囲温度まで冷却。
【0166】
樹脂のレオロジーはARES I(Advanced Rheometric Expansion System)Rheometer、S/N 714806で測定した。このARESは歪み制御レオメーターである。ロータリーアクチュエーター(サーボモーター)が歪みの形態の剪断変形をサンプルに加えた。それに応答してサンプルがトルクを生成し、それをトランスデューサーによって測定した。歪みおよびトルクを動的機械的特性、例えば、弾性率および粘度の算出に用いた。サンプルの粘弾性特性は、溶融状態で平行プレートセットアップを用いて、一定の歪み(5パーセント)および温度(190℃)で、変動する周波数(0.01〜500秒-1)の関数として測定した。樹脂の貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、タンデルタおよび複素粘性(η*)はRheometrics Orchestratorソフトウェア(v.6.5.8)を用いて決定した。
【0167】
引張衝撃
引張衝撃測定は、圧縮成型プラークで、ASTM D 1822−99に従って行った。サンプルはASTM D 1928−96に従って圧縮成型した。
【0168】
耐環境ストレスクラック性(ESCR)
樹脂の耐環境ストレスクラック性(ESCR)はASTM−D 1693−01、方法Bに従って測定した。この試験によると、クラック生成による機械的破壊に対する樹脂の感受性は、一定の歪み条件の下、クラック促進剤、例えば、石けんもしくは他の湿潤剤の存在下で測定される。測定は、刻み目付き検体で、50℃に維持された10体積パーセントIgepal CO−630(製造供給元Rhone−Poulec、NT)水溶液中で行った。測定あたり10個の検体を評価した。樹脂のESCR値は、F50、確率グラフからの算出50パーセント破壊時間として報告した。
【0169】
曲げおよび割線弾性率特性
【0170】
樹脂の剛性は、曲げ弾性率および割線弾性率を0.5インチ/分(13mm/分)の試験速度でASTM D 790−99、方法Bによって測定することで特徴付けた。検体は、ASTM D−4703−00、付録1に従い、手順Cによる約190℃で5分の初期加熱期間および15℃/分の冷却速度で圧縮成型した。検体は、「触れるほど冷たく」なるまで連続冷却しながら、プレス内で45℃まで冷却した。
【0171】
引張特性
生成時の引張強さおよび最終引張強さをASTM D−638−03に従って測定した。両測定は、23℃で、ASTM D 4703−00、付録A−1により手順Cによる約190℃の5分の初期加熱期間および15℃/分の冷却速度で圧縮成型された、硬質IV型検体で行った。検体は、「触れるほど冷たく」なるまで連続冷却しながら、プレス内で45℃まで冷却した。
【0172】
実験
樹脂の調製
これらの実験を通して、以下の触媒系を用いた。UCAT(商標)の名称で記載される各々の触媒は商標登録されており、The Dow Chemical Companyの子会社であるUnion Carbide Corporationの所有物である。
【0173】
UCAT(商標)J−マグネシウム−チタン触媒系。この触媒はTHFスラリーから噴霧乾燥されて固体粒子を形成する。溶融シリカを形態制御剤としてそのスラリー中に含めることができる。
【0174】
本発明の組成物は、気相において、UCAT(商標)Jを用いて、二重反応器内で調製した。得られるポリマーはステアリン酸カルシウム(600ppm)、IRGANOX(商標)1010(1000ppm)およびIRGAFOS(商標)168(1000ppm)で安定化させた後、溶融押出によってペレット化した。酸化防止剤IRGANOX(商標)1010およびIRGAFOS(商標)168はCiba−Geigy Corporationから入手可能である。
【0175】
平均的な反応器条件を表1に示す。HMW反応器の場合におけるC2分圧、H2/C2およびC6/C2比の僅かな変動は、触媒、反応器/供給不純物および循環気体解析における小さな変動のためであった。LMW成分の重合において、温度およびH2/C2比は生成物に合わせて設定した。この場合、LMW反応器には新鮮なヘキセンは供給しなかった。樹脂の特性を表2に示す。
【表1】

【表2】

【0176】
さらなる2つの本発明の組成物および4つの比較樹脂の機械的およびレオロジー的特性を表3に示す。
【0177】
比較例1は単峰性Dow UNTVAL(商標)DMDC 6150 NT7樹脂である。
【0178】
比較例2は二峰性Dow CONTINUUM(商標)DGDA 2490樹脂である。
【0179】
比較例3はEMCC PAXON(商標)HYA 021L樹脂である。
【0180】
比較例4はNova NOVAPOL(登録商標)HB W555A樹脂である。
【表3】


【0181】
結果の要約
UCAT(商標)−J触媒および二重気相法技術を用いて多峰性高密度ポリエチレン樹脂が製造されている。この樹脂は剛性、ストレスクラックおよびアイゾッド衝撃耐性の異例のバランスを有する。この樹脂は、押出ブロー成型法による、大型容器、例えば、55ガロンドラムの製造に特に適する。この異例の特性のバランスは、伝統的な金属容器を本発明の樹脂から製造されるプラスチック容器で置き換えることを可能にする。この異例の特性のバランスは、性能の損失なしに、容器壁の寸法減少も可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子量成分および低分子量成分を含む組成物であって、
前記高分子量成分は、0.920g/cm3〜0.950g/cm3の密度および0.05〜1dg/分のI21を有するエチレンインターポリマーを含み、
前記低分子量成分は、0.965g/cm3〜0.985g/cm3の密度および600〜2000dg/分のI2を有するエチレンポリマーを含み、並びに
該組成物は0.950g/cm3〜0.970g/cm3の密度を有し、および45〜80重量パーセントの前記高分子量成分を含み、および55〜20重量パーセントの前記低分子量成分を含み、該重量パーセントは前記高分子量成分および前記低分子量成分の合計重量に基づく、組成物。
【請求項2】
3〜15dg/分のI21を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
50〜75重量パーセントの前記高分子成分および25〜50重量パーセントの前記低分子量成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記高分子量エチレンインターポリマーが0.925g/cm3〜0.950g/cm3の密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
0.955g/cm3〜0.970g/cm3の密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記高分子量エチレンポリマーが0.10〜0.50dg/分のI21を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記高分子量エチレンインターポリマーが1.5〜10の分子量分布、Mw/Mnを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記低分子量エチレンポリマーがホモポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記高分子量エチレンインターポリマーがエチレン/αオレフィンインターポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記αオレフィンがC3−C20オレフィンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記高分子量エチレンインターポリマーが55重量パーセント以上の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記低分子量エチレンポリマーが45重量パーセント以下の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記低分子量エチレンポリマーが700〜1,150dg/分の範囲のI2値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記低分子量エチレンポリマーがエチレン/αオレフィンインターポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
各々のαオレフィンがC3−C20オレフィンである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記高分子量成分が、前記高分子量成分および前記低分子量成分の合計重量を基準にして、55重量パーセント以上の量で存在し、並びに
前記低分子量成分が、前記高分子量成分および前記低分子量成分の合計重量を基準にして、45重量パーセント以下の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記高分子量成分が1dg/分未満のI21を有し、並びに前記組成物が15を上回る分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記低分子量成分が600dg/分を上回るI2を有し、並びに前記組成物が15を上回る分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
15以上の分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記高分子量成分が1dg/分未満のI21を有し、並びに前記組成物が10dg/分未満のI21を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記低分子量成分が600dg/分を上回るI2を有し、並びに前記組成物が10dg/分未満のI21を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記高分子量成分が3以上の分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が15以上の分子量分布を有し、並びに前記高分子量成分が6以下の分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が15以上の分子量分布を有し、並びに前記低分子量成分が6以下の分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が15以上の分子量分布を有し;前記高分子量成分が6以下の分子量分布を有し;並びに前記低分子量成分が6以下の分子量分布を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記高分子量成分および/または前記低分子量成分が噴霧乾燥マグネシウム−チタン触媒系の存在下で形成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
請求項1に記載の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品。
【請求項28】
請求項1に記載の組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む中空成型物品。
【請求項29】
190,000psiを上回る1パーセント割線弾性率を有する、請求項27に記載の物品。
【請求項30】
500時間を上回るESCR F50を有する、請求項27に記載の物品。
【請求項31】
5000psiを上回る最終引張強さを有する、請求項27に記載の物品。
【請求項32】
物品の形成方法であって、請求項1に記載の組成物をブロー成型することを含む方法。
【請求項33】
請求項1に記載の組成物の製造方法であって、該組成物を二重反応器において重合することを含み、前記高分子量エチレンインターポリマーが前記二重反応器の第1反応器において形成され、前記低分子量エチレンポリマーが前記二重反応器の第2反応器において形成される方法。
【請求項34】
前記高分子量成分および/または前記低分子量成分が噴霧乾燥マグネシウム−チタン触媒系の存在下で形成される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記高分子量成分および/または前記低分子量成分が気相重合から形成される、請求項34に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533491(P2009−533491A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504285(P2009−504285)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/008425
【国際公開番号】WO2007/117520
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】