説明

ポリオレフィン



(1)エチレンを(2)少なくとも1種のコモノマー脂肪族C−C20α−オレフィンおよび(3)少なくとも1種のC−C30共役もしくは非共役ジエンと共重合させることによる、コポリマー(たとえばゴム弾性コポリマー)の作成方法につき開示する。モノマーを(a)式(A)の遷移金属触媒および(B)活性化量の適する活性化剤と接触させる[式中、Zは少なくとも1個の炭素原子と少なくとも1個の窒素原子と少なくとも1個の他の異原子(窒素、硫黄および酸素から選択される)とを有し、残余の原子が窒素もしくは炭素である5員複素環基であり、Mは第3〜11族もしくはランタニド族からの金属であり;EおよびEは二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基であり;DおよびDはドナー原子もしくは基であり;Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である]。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はオレフィンコポリマーおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
1−オレフィン(たとえばエチレンもしくはプロピレン)を重合させるための或る種の遷移金属化合物の使用は従来技術にて充分確立されている。1−オレフィン触媒重合および共重合のための早期の触媒は、遷移金属ハライド(たとえば塩化チタンもしくはバナジウム)およびアルキルアルミニウム化合物に基づく周知のチーグラー・ナッタ触媒であった。極く最近、或る種のメタロセン触媒(たとえばアルミノキサンで活性化されたビシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド)の使用が極めて高い活性を有する触媒を提供した。EPAおよびEPDM弾性コポリマーの製造におけるメタロセン系触媒の使用がたとえば米国特許第6545088号明細書(ダウ・グローバル・テクノロジース・インコーポレーション)に開示されている。
【0003】
本発明の目的はエチレン、プロピレンおよびジエンの共重合単位に基づくコポリマー(好ましくは弾性コポリマー)の改良製造方法を提供することにある。
【0004】
本発明は、(1)エチレンを(2)脂肪族C−C20α−オレフィンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーおよび(3)C−C30共役および非共役ジエンから選択される少なくとも1種のジエンと共重合させることからなるコポリマーの作成方法を提供し、この方法はモノマーを
(a)次式Aを有する遷移金属化合物、および
(b)活性化量の適する活性化剤
からなる触媒と接触させることを特徴とする:
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、Zは5員の複素環基であって少なくとも1個の炭素原子と少なくとも1個の窒素原子と少なくとも1個の他の異原子(窒素、硫黄および酸素から選択される)とを有し、前記における残余の原子が窒素もしくは炭素から選択され、Mは周期律表第3〜11族からの金属もしくはランタニド族金属であり;EおよびEは二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基から独立して選択される基であり;DおよびDはドナー原子もしくは基であり;Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である]。
【0007】
本発明のコポリマーはしばしば弾性(elastomeric)特性を有する。コポリマーは30〜85重量%、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは50〜75重量%の共重合エチレン単位と;14〜70重量%、好ましくは19〜60重量%、より好ましくは24〜55重量%の脂肪族C〜C20α−オレフィンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーの共重合単位と;0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜12重量%のC〜C30共役および非共役ジエンから選択される少なくとも1種のジエンの共重合単位とで構成される。従って、共重合反応に供給されるモノマーの量は好ましくは、これら規定範囲内に入る共重合単位の組成を有するコポリマーを提供するような量である。これら量は、適切なコモノマーの反応率比を決定する簡単な試行錯誤の実験試験により測定することができる。
【0008】
脂肪族C〜C20α−オレフィンの例はプロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンを包含する。α−オレフィンは更にたとえばシクロヘキサンもしくはシクロペンタンのような環式構造をも含有することができ、その結果たとえば3−シクロへキシル−1−プロペン(アリル−シクロヘキサン)およびビニル−シクロヘキサンのようなα−オレフィンをもたらす。この用語の古典的意味ではα−オレフィンでないが、たとえばノルボルネンおよび関連オレフィンのような或る種の環式オレフィンもα−オレフィンの幾種か或いは全部の代わりに使用することができる。
【0009】
非共役ジエンの例は、たとえば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,13−テトラデカジエン、1,19−エイコサジエンなどのような脂肪族ジエン類;たとえば1,4−シクロヘキサジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,5−ジエン、4−ビニルシクロヘキサ−1−エン、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,6−ジエン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,5−シクロオクタジエンなどのような環式ジエン類;たとえば1,4−ジアリルベンゼン、4−アリル−1H−インデンのような芳香族ジエン類、並びにたとえば2,3−ジイソプロペニリジエン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロぺニル−2,5−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンなどのようなトリエン類を包含し、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好適な非共役ジエンである。
【0010】
共役ジエンの例はブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン−1,3、1,2−ジメチルブタジエン−1,3、1,4−ジメチルブタジエン−1,3、1−エチルブタジエン−1,3、2−フェニルブタジエン−1,3、ヘキサジエン−1,3,4−メチルペンタジエン−1,3、1,3−ペンタジエン(CH3CH−CH−CH2;一般にピペリレンと呼ばれる)、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエンなどを包含し;1,3−ペンタジエンが好適な共役ジエンである。
【0011】
本発明の方法により作成しうるコポリマーの例はエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン;エチレン/1−オクテン/5−エチリデン−2−ノルボルネン;エチレン/プロピレン/1,3−ペンタジエン;およびエチレン/1−オクテン/1,3−ペンタジエン;エチレン/プロピレン/1,7−オクタジエン:エチレン/プロピレン/1−オクテン/ジエンもしくはエチレン/プロピレン/ジエン混合物であり、ここでジエンは好ましくは上記したもの、たとえばエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン/ピペリレン(すなわちトランス1,3−ペンタジエン)から選択される。更に本発明の方法を用いて作成されるエラストマーは少量(たとえば0.05〜0.5重量%)の長鎖の分枝エンハンサー、たとえば2,5−ノルボルナジエン(アカビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5ジエン)、ジアリルベンゼン、1,7−オクタジエン(HC−CH(CHCH−CH)および1,9−デカジエン(HC−CH(CHCH−CH)である。
【0012】
本発明の方法で用いられる触媒において、二価の基EおよびEは好ましくはドナー原子もしくは基Dを介する以外は結合されない。
【0013】
5員複素環式基Zの環に存在する各原子の少なくとも1個は好ましくはEに直接結合されると共に、好ましくは環における第2原子はMに直接結合される。特に好ましくは、Eに直接結合される5員環における原子は前記環における第2原子に隣接し、前記第2原子はMに直接結合する。
【0014】
5員複素環基Zは好ましくはその環中に少なくとも2個の炭素原子を有し、より好ましくは環中に少なくとも3個の炭素原子を有する。適する5員複素環基の例は限定はしないが次の通りである:
【0015】
【化2】

【0016】
【化3】

【0017】
本発明の好適具体例において、式AにおけるZは特にイミダゾール含有基である。
【0018】
すなわち本発明は更に、(1)エチレンを(2)脂肪族C〜C20α−オレフィンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマー、および(3)C〜C30共役および非共役ジエンから選択される少なくとも1種のジエンと共重合させるコポリマーの作成方法であって、モノマーを
(a)次式Aを有する遷移金属化合物、および
(b)活性化量の適する活性化剤
からなる触媒と接触させることを特徴とするコポリマーの作成方法を提供する:
【0019】
【化4】

【0020】
[式中、Zは特にイミダゾール含有基であり;Mは周期律表第3〜11族の金属またはランタニド族金属であり;EおよびEは二価の次のものから選択される基である;(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基であり;DおよびDはドナー基であり;Xはアニオン基であり;Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である]。
【0021】
更に本発明は、(1)エチレンを(2)脂肪族C〜C20α−オレフィンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーおよび(3)C〜C30共役および非共役ジエンから選択される少なくとも1種のジエンと共重合させることからなるコポリマーの作成方法であって、モノマーを
(1)次式Aを有する遷移金属化合物、および
(2)活性化量の適する活性化剤
からなる触媒と接触させることを特徴とするコポリマーの作成方法をも提供する:[式中、Zは5員の複素環式基であり、この5員複素環式基は少なくとも1個の炭素原子と少なくとも1個の窒素原子と少なくとも1種の他の異原子(窒素、硫黄および酸素から選択される)とを有し前記環における、残余の原子は窒素もしくは炭素であり、Mは周期律表第3〜7族もしくはランタニド族金属であり;EおよびEは独立して次のものから選択される二価の基である:(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基であり;DおよびDはドナー原子もしくは基であり;二価の基EおよびEはドナー原子もしくは基Dを介する以外は結合されず、Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である]。
【0022】
および/またはDは、少なくとも1個のドナー原子を有するドナー原子もしくは基である。Dおよび/またはDは、たとえば基Zにつき挙げた同じ式を有する基とすることができる。たとえばDおよび/またはDは環中に少なくとも2個の炭素原子、より好ましくは環中に少なくとも3個の炭素原子を有する5員複素環式基からなる基とすることができる。Dおよび/またはDは所望ならばイミダゾール含有基とすることができる。Dおよび/またはDがイミダゾール含有基であれば、これもしくはこれらはZと同一とすることができる。好適具体例において、DおよびZは同一のイミダゾール含有基である。
【0023】
イミダゾール含有基Zは好ましくは式I、IIもしくはIIIの基である:
【0024】
【化5】

【0025】
[式中、R〜R11は独立して水素または一価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基および(vii)ヒドロカルビル置換異原子基である]。
式I、IIおよびIIIの左側結合した「遊離」原子価は式Aの残部へのEの結合の少なくとも1つを与える。他方の結合は好ましくは、イミダゾール含有基における窒素原子の少なくとも1つにより与えられる。これら規定の基R〜R11は好ましくは1〜30個、より好ましくは2〜20個、特に好ましくは2〜12個の炭素原子を有する。適する脂肪族炭化水素基の例はメチル、エチル、エチレニル、ブチル、ヘキシル、イソプロピルおよびt−ブチルである。適する脂環式炭化水素基の例はアダマンチル、ノルボルニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。適する芳香族炭化水素基の例はフェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナンスリルおよびアンスリルである。適するアルキル置換芳香族炭化水素基の例はベンジル、トリル、メシチル、2,6−ジイソプロピルフェニルおよび2,4,6−トリイソプロピルである。適する複素環式基の例は2−ピリジニル、3−ピリジニル、2−チオフェニル、2−フラニル、2−ピロリル、2−キノリニルである。前記基R〜R11のヘテロ置換誘導基を形成するのに適する置換基はたとえばクロル、ブロモ、フルオロ、イオド、ニトロ、アミノ、シアノ、エーテル、ヒドロキシルおよびシリル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ(すなわち−OC)、トリルオキシ(すなわち−OC(CH))キシリルオキシ、メシチルオキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、チオメチル、チオフェニルおよびトリメチルシリルである。前記基(i)〜(v)の適するヘテロ置換誘導基の例は2−クロルエチル、2−ブロモシクロヘキシル、2−ニトロフェニル、4−エトキシフェニル、4−クロル−2−ピリジニル、4−ジメチルアミノフェニルおよび4−メチルアミノフェニルである。適するヒドロカルビル置換異原子基の例はクロル、ブロモ、フルオロ、イオド、ニトロ、アミノ、シアノ、エーテル、ヒドロキシル、シリル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ(すなわち−OC)、トリルオキシ(すなわち−OC)(CH))、キシリルオキシ、メシチルオキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、トリメチル、チオフェニルおよびトリメチルシリルである。置換基R〜R11のいずれも結合して環式構造を形成することができる。置換基R〜R11は更に好適にはたとえばフルオロ、クロル、ブロモ、イオド、ニトロ、アミノ、シアノおよびヒドロキシルのような無機の基とすることもできる。
【0026】
更に適するイミダゾール含有基は、たとえばRが水素であれば脱プロトン化により置換基Rを除去して正式にモノアニオン性イミダゾール含有基を与えることにより得ることができる。
【0027】
イミダゾール含有基は式IIIに記載した構造(「ベンズイミダゾール」)を有することが好ましい。Rは好ましくは水素、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、または除去されて正式なモノアニオン性ベンズイミダゾール基を与える。R〜R11は好ましくは水素、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。
【0028】
およびE(以下「E」と称する)は同一もしくは異なるものとすることができる。Eは独立して二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素(v)複素環式基、(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基および(vii)ヒドロカルビル置換異原子基から選択される。適する二価の基Eの例は−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、1,2−フェニレン、トランス−1,2−シクロペンタン、トランス−1,2−シクロヘキサン、2,3−ブタン、1,1′−ビフェニル、1,1′−ビナフチルおよび−Si(Me)−である。Eは脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であることが好ましい。より好ましくは、二価の基Eは−CH−である。
【0029】
およびDは同一もしくは異なるドナー基とすることができ、たとえば酸素、硫黄、アミン、イミンもしくはホスフィンとすることができる。好ましくはDおよびDは酸素、硫黄、式−N(R12)−のアミンもしくは−P(R13)−のホスフィンから選択され、ここでR12およびR13は水素または(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素(v)複素環式基、(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基、(vii)ヒドロカルビル置換異原子基および(viii)更にイミダゾール含有基である。代案として、R12もしくはR13は、たとえばこれらが水素であれば脱プロトン化により除去して正式にモノアミン性断片を与えることにより除去することができ;またはR12もしくはR13の両者が除去されれば、これらは正式にジアニオン性断片を与える。より好ましくは、Dは上記式−N(R12)−のアミンである。R12は好ましくは水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素または更にイミダゾール含有基である。好ましくはDはイミダゾール含有基である。
【0030】
Mは好ましくは周期律表第3〜11族、好ましくは第3〜7族から選択される金属、より好ましくはSc、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mnから選択される金属、特に好ましくはV、Cr、Ti、ZrおよびHfである。
【0031】
アニオン基Xはたとえばハライド(好ましくはクロライドもしくはブロマイド);またはヒドロカルビル基(たとえばメチル、ベンジルもしくはフェニル);カルボキシレート(たとえばアセテートもしくはアセチルアセトネート);オキサイド;アミド(たとえばジエチルアミド);アルコキシド(たとえばメトキシド、エトキシドもしくはフェノキシド);またはヒドロキシルとすることができる。代案として、Xは非配位性もしくは弱配位性アニオン、たとえばテトラフルオロボレート、弗素化アリールボレートもしくはトリフレートとすることもできる。アニオン基Xは同一もしくは異なるものとすることができ、独立してモノアニオン性、ジアニオン性もしくはトリアニオン性とすることができる。
【0032】
中性ドナー基Lはたとえば溶剤分子、たとえばジエチルエーテルもしくはTHF;アミン、たとえばジエチルアミン、トリメチルアミンもしくはピリジン;ホスフィン、たとえばトリメチルホスフィンもしくはトリフェニルホスフィン;または水;またはオレフィンもしくは中性、共役もしくは非共役ジエン(必要に応じ1個もしくはそれ以上のヒドロカルビルもしくはトリメチルシリル基から選択される基で置換され、前記基は40個までの炭素原子を有し且つMとのpi−錯体を形成するとすることができる。Lがジエンリガンドである場合、これはたとえばs−トランス−η−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;s−トランス−η−3−メチル−1,3−ペンタジエン;s−トランス−η−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン;s−トランス−η−2,4−ヘキサジエン;s−トランス−η−1,3−ペンタジエン;s−トランス−η−1,4−ジトルイル−1,3−ブタジエン;s−トランス−η−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン;s−トランス−η−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン;s−シス−η−3−メチル−1,3−ペンタジエン;s−シス−η−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン;s−シス−η−2,4−ヘキサジエン;s−シス−η−1,3−ペンタジエン;s−シス−η−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン;またはs−シス−η−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン;s−シス−η−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンとすることができ、前記s−シス異性体はpi−結合ジエン錯体を形成する。
【0033】
yの数値は各基ZおよびDにおける正式電荷に依存し、この電荷はアニオン基Xおよび金属Mの酸化状態に依存する。たとえばMが酸化状態+3におけるクロムであり、Zが中性基であり、両D基が中性であれば、yはXがモノアニオン性基(たとえばクロライド)であれば3であり;Mが酸化状態+3におけるクロムであり、Z基が中性であり、一方の基がモノアニオン性であり、他方の基Dが中性であれば、yは全てのX基がモノアニオン基(たとえばクロライド)である場合は2である。
【0034】
本発明による触媒の活性化剤は好適には有機アルミニウム化合物および有機硼素化合物またはその混合物から選択され、或いはたとえば触媒活性化支持体を含むこともでき、この支持体は固体の炭化水素に不溶性の微粒子物質であって、少なくともマグネシウム原子およびアルミニウム原子、並びに1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルオキシ基である。この種類の触媒活性化支持体については更に本明細書にて詳細に後記する。
【0035】
有機アルミニウム化合物の例はトリアルキルアルミニウム化合物、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムおよびアルモキサンを包含する。アルモキサンは当業界で周知され、たとえば典型的にはアルキルアルミニウム化合物(たとえばトリメチルアルミニウム)に対する水の調節添加により作成しうるオリゴマー化合物である。この種の化合物は線状、環式もしくはその混合物とすることができる。市販入手しうるアルモキサンは一般に線状、環式およびケイジ化合物の混合物であると思われる。環式アルモキサンは式[R16AlO]により示すことができ、線状アルモキサンは式R17(R18AlO)により示すことができる[式中、sは約2〜50の数であり、R16、R17およびR18はヒドロカルビル基、好ましくはC〜Cアルキル基、たとえばメチル、エチルもしくはブチル基を示す]。
【0036】
適する有機硼素化合物の例はジメチルフェニルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、トリチルテトラ(フェニル)ボレート、トリフェニル硼素、ジメチルフェニルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、H(OEt)[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンである。有機アルミニウム化合物と有機硼素化合物との混合物も使用することができる。
【0037】
本発明の触媒の作成において、用いるべき有機アルミニウム化合物および有機硼素化合物から選択される活性化用化合物の量は、簡単な試験(たとえば少量のモノマーを重合させると共に生成された触媒の活性を測定すべく使用しうる小試験試料の作成により)容易に決定される。用いる量は、式Aの化合物に存在するMの1原子当たり0.1〜20000原子、好ましくは1〜2000原子のアルミニウムもしくは硼素を与えるのに充分の量であることが判明した。異なる活性化用化合物の混合物も使用することができる。
【0038】
欧州特許第1238989号明細書は、
(b−1)CdCl型もしくはCdI型の層状結晶構造を有するイオン性結合化合物;
(b−2)粘土、粘土鉱物またはイオン交換層状化合物;
(b−3)へテロポリ−化合物;および
(b−4)ハロゲン化ランタノイド化合物
から選択される活性化剤(ルイス酸)の使用を開示している。本発明で用いる活性化剤は、所望ならば欧州特許第1238989号明細書に開示された種類とすることができる。この種のルイス酸は、少なくとも1個の電子対を収容しうると共に遷移金属錯体との反応によりイオン対を形成しうるような化合物である。ルイス酸は上記(b−1)CdCl型もしくはCdl型粘土の層状結晶構造を有するイオン結合性化合物、(b−2)粘土、粘土鉱物もしくはイオン交換層状化合物、(b−3)へテロポリ化合物、および(b−4)ハロゲン化ランタノイド化合物を包含する。ルイス酸は更にSiO、Al、天然および合成ゼオライトを包含し、これらは加熱もしくは同様な処理により形成されるルイス酸ポイントを有し、更にその錯体および混合物を包含する。
【0039】
米国特許第6399535号明細書はオレフィンを重合させうる配位性触媒系を開示しており、この触媒系は:
(I)予備触媒として少なくとも1種の非メタロセン、拘束されない配置の遷移金属化合物を含有する二座配位子、または(A)式(II)の触媒支持活性化凝集体と接触すれば活性化させうる或いは(B)有機金属化合物と接触して式(II)の触媒支持活性化凝集体との接触に際し活性化させうる中間体まで変換しうる三座リガンド[ここで遷移金属は周期律表第3〜10族から選択される少なくとも1員である];(A)SiO、Al、MgO、AlPO、TiO、ZrOおよびCrOから選択される少なくとも1種の無機酸化物成分、および(B)触媒支持体活性凝集体の内部に存在する場合は各層と充分なルイス酸性との間の中間部を有して予備触媒が触媒支持活性化凝集体と接触した際に予備触媒を活性化する少なくとも1種のイオン含有層状材料の複合体からなる触媒支持体−活性化凝集体との均一接触に際し前記層状材料はカチオン性成分とアニオン性成分とを有し、ここで前記カチオン性成分は層状材料の中間部に存在し、前記層状材料は凝集体における前記無機酸化物成分と緊密連携し、その量は触媒1g当たり毎時1Kgのポリエチレンとして現し、エチレンモノマーを重合させるための配位性触媒系の活性を同じ予備触媒を用いるが触媒支持体活性化凝集体の成分AもしくはBのいずれかの不存在下にて用いる対応の触媒系の活性と比較して改善するのに充分な量であり、ここで予備触媒の量と緊密接触する触媒支持体活性化凝集体との量は約5:1〜約500:1の触媒支持体活性化凝集体g数に対する予備触媒のμモル数の比を与えるのに充分とする。層状材料はたとえばスメクタイト粘土とすることができる。本発明の触媒系は、所望ならば米国特許第6399535号明細書に記載された触媒支持体活性化凝集体と共に用いることができる。
【0040】
活性化剤(b)は、炭化水素に不溶性である固体微粒子物質である触媒活性化支持体を含むことができ、これは少なくともマグネシウムおよびアルミニウム原子と1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルオキシ基とを含み、Mg/Alのモル比は1.0〜300の範囲であり、ヒドロカルビルオキシ基とアルミニウム原子とのモル比は0.05〜2.0の範囲であり、支持体の平均分子量は3〜80μmの範囲である。
【0041】
この種類の触媒活性化用炭化水素不溶性支持体は好ましくは40〜150の範囲におけるMg/Al比を有すると共に、ヒドロカルビルオキシとAlとの0.2〜2.0の範囲のモル比を有する。これらは好ましくは、ハロゲン化マグネシウム(好ましくは二塩化マグネシウム)を1〜20個の炭素原子を有するアルコールに少なくとも部分溶解させ且つ生成物を式AlR3−n[式中、Xはハロゲンもしくは水素であり、nは1〜3である]を有する有機アルミニウム化合物と接触させることにより作成される。この種の支持体は国際公開第2004/037870号パンフレットに記載され、その作成の詳細につきこの開示は有用な情報を与えている。触媒活性化炭化水素不溶性支持体を作成すべく用いうる有機アルミニウム化合物の例はRAl、RAlXおよびRAlX[ここでRは好ましくはC〜C20ヒドロカルビルであり、Xは塩素もしくは臭素、好ましくは塩素である]である。Rは好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−へキシル、n−オクチルおよびn−デシルから選択される。触媒活性炭化水素不溶性支持体を作成すべく用いうるアルコールの例はROH[ここでRは脂肪族、脂環式もしくはアラルキル、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、シクロヘキシル、エチルシクロヘキシルおよびベンジルである]である。この種の支持体の作成においてマグネシウムハライドは好ましくはアルコールに完全に溶解され、必要に応じ混合物を加熱もしくは還流させる。未溶解のマグネシウムハライドを好ましくは分離した後、溶液を有機アルミニウム化合物と反応させる。上記Mg/Al比を有する量を用いて溶液を有機アルミニウム化合物と反応させる。上記Mg/Al比を有する量を用いて溶液を有機アルミニウム化合物と反応させれば、所望の化学特性有する固体を生成する。生成物の粒子寸法は所望に応じ常法(たとえば微粉砕、篩い分け、プレスなど)により調節することができる。触媒活性化炭化水素不溶性支持体およびその作成については好適には空気および水分を排除するよう保護される。好ましくは作成および貯蔵は不活性ガス雰囲気内である。
【0042】
活性剤化合物の他に、触媒活性を促進しうる或る種のハロゲン化された化合物の触媒量を用いることが有利である。この種の促進剤は、錯体における遷移金属がバナジウムである場合に特に有用である。米国特許第5191042号明細書は、有機アルミニウム化合物で活性化された或る種のバナジウム系触媒を各種のハロゲン化有機化合物(たとえば四塩化炭素、ヘキサクロルエチレン、ベンジルブロマイド、ベンジルクロライドおよび2,3−もしくは1,3−ジクロルプロピレン)により促進し得ることを開示している。このように用いうるハロゲン化有機化合物の他の例はトリクロル酢酸エチル、クロロホルム(CHCl)およびn−ブチルクロライドである。米国特許第5191042号明細書は更にクーパーの開示(T.A.クーパー、ジャーナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第4158頁(1973)の開示をも引用し、これは表1に標準条件下で或る種のバナジウム化合物を酸化するハライドの能力に基づいた有機ハライド活性指数を規定している。たとえば四塩化炭素は20℃にてテトラヒドロフランにおける1の反応性をもたらし、他の挙げられたハロゲン化有機化合物は四塩化炭素に対し約0.02〜200より大の反応性を有する。ハロゲン化促進剤を使用することを望む場合、約0.01〜約30の範囲のクーパー指数を有するものを使用することが好ましい。特にバナジウム系触媒と組み合わせたこの種の促進剤の使用は一般に当業界にて周知され、この種の促進剤の使用の詳細については米国特許第5191042号およびこの分野における他の従来技術を参照することができる。本発明において、促進剤として任意のハロゲン化有機化合物を用いることもできるが、上記化合物が好適である。
【0043】
本発明の好適実施形態は
(a)次式BもしくはCを有する遷移金属化合物、および
(b)活性化量の適する活性化剤:
【0044】
【化6】

【0045】
からなる触媒を用い、式中点線円内に示したイミダゾール核は式Ia、IIa、IIIa、IVa、VaおよびVIa:
【0046】
【化7】

【0047】
【化8】

【0048】
[式中、Mは周期律表第3〜11族の金属もしくはランタニド族金属であり;EおよびEは二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基から独立して選択される基であり;DおよびDはドナー基であり;Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数であり、更に基R〜R11は独立して水素または一価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素(v)複素環式基、(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基、および(vii)ヒドロカルビル置換異原子基である]
により示される二価の基から選択される。
【0049】
Mは好ましくは周期律表第3〜7族から選択される。
【0050】
基R〜R11は好ましくは式I、II、III、IV、VおよびVI基に関し上記した基から選択される。
【0051】
本発明のこの好適具体例において、DおよびDは同一もしくは異なるドナー基、たとえば酸素、硫黄、アミン、イミンもしくはホスフィンとすることができる。好ましくはDおよびDは酸素、硫黄、式−N(R12)−のアミンもしくは式−P(R13)−のホスフィンから選択され、ここでR12およびR13は水素または(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素(v)複素環式基、(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基、(vii)ヒドロカルビル置換異原子基および(viii)更にイミダゾール含有基である。
【0052】
好ましくはDは窒素(たとえば−NR−もしくは=N−)または窒素含有基、たとえば−N(R)−R20−であり、ここでRは一価の基を示し、R20はたとえばメチル、エチル、エチレニル、ブチル、へキシル、イソプロピルおよびt−ブチルのような脂肪族炭化水素基から得られる二価の基を示す。適する脂環式炭化水素基の例はアダマンチル、ノルボルニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。適する芳香族炭化水素基の例はフェニル、ビフェニル、ナフチル、フェナンスリルおよびアンスリルである。適するアルキル置換芳香族炭化水素基の例はベンジル、トリル、メシチル、2,6−ジイソプロピルフェニルおよび2,4,6−トリイソプロピルである。適する複素環式基の例は2−ピリジニル、3−ピリジニル、2−チオフェニル、2−フラニル、2−ピロリル、2−キノリニルである。前記基R〜R11のヘテロ置換誘導基を形成するのに適する置換基は、たとえばクロル、ブロモ、フルオロ、イオド、ニトロ、アミノ、シアノ、エーテル、ヒドロキシルおよびシリル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ(すなわち−OC)、トリルオキシ(すなわち−OC)(CH))、キシリルオキシ、メシチルオキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、チオメチル、チオフェニルおよびトリメチルシリルである。前記基(i)〜(v)の適するへテロ置換誘導基の例は2−クロルエチル、2−ブロモシクロヘキシル、2−ニトロフェニル、4−エトキシフェニル、4−クロル−2−ピリジニル、4−ジメチルアミノフェニルおよび4−メチルアミノフェニルである。適するヒドロカルビル置換異原子基の例はクロル、ブロモ、フルオロ、イオド、ニトロ、アミノ、シアノ、エーテル、ヒドロキシルおよびシリル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ(すなわち−OC)、トリルオキシ(すなわち−OC)(CH))、キシリルオキシ、メシチルオキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、チオメチル、チオフェニルおよびトリメチルシリルである。任意の置換基RおよびR11を結合させて環式構造を形成することができる。更に置換基R〜R11は好適にはたとえばフルオロ、クロル、ブロモ、イオド、ニトロ、アミノ、シアノおよびヒドロキシルのような無機の基とすることもできる。
【0053】
好ましくはDは上記式Ia、IIaおよびIIIaの基から選択されるイミダゾール基である。
【0054】
上記したように、本発明におけるmおよびnの数値はm=n=0もしくは1となるような数値である。疑念を回避するため、これは所定の錯体につきmが0であればnも0であることを意味する。更にmが1であればnも1である。
【0055】
mおよびnが式Aにおいて0であれば、この式は式Dまで、好ましくは式EもしくはFまで減少する:
【0056】
【化9】

【0057】
[式中D1、E1、Z、M、X、L、yおよびzは上記した通りであり、更に点線円内に示したイミダゾール核は式Ia、IIa、IIIa、IVa、VaおよびVIaにより示される二価の基から選択される]:
【0058】
【化10】

【0059】
以下のリガンドは、本発明により式Cおよび式Dの錯体を作成するのに適するリガンドの幾つかの例を示す。
【0060】
【化11】

【0061】
【化12】

【0062】
【化13】

【0063】
【化14】

【0064】
【化15】

【0065】
【化16】

【0066】
【化17】

【0067】
【化18】

【0068】
【化18】

【0069】
【化19】

【0070】
【化20】

【0071】
【化21】

【0072】
【化22】

【0073】
【化23】

【0074】
【化24】

【0075】
【化25】

【0076】
【化26】

【0077】
【化27】

【0078】
これらリガンドを使用して本発明による錯体および触媒を作成することができ、ここで遷移金属は好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウムもしくはクロムである。
【0079】
以下のものは、本発明の触媒にて用いうる遷移金属錯体の例である。
【0080】
【化28】

【0081】
【化29】

【0082】
【化30】

【0083】
【化31】

【0084】
次の各式は、Lがジエンである本発明による遷移金属化合物を示す:
【0085】
【化32】

【0086】
本発明の方法で用いる触媒は、所望ならば支持体材料上で用いることができる。適する支持体材料はたとえばシリカ、アルミナもしくはジルコニア、マグネシア、塩化マグネシウムまたはポリマーもしくはプレポリマー、たとえばトリエチレン、ポリスチレンもしくはポリ(アミノスチレン)である。
【0087】
本発明の方法にて用いる触媒は、所望ならば2種以上の規定の遷移金属化合物を含むことができる。
【0088】
前記1種もしくはそれ以上の規定遷移金属化合物に加え、本発明の方法で用いる触媒は更に1−オレフィンを重合させるための1種もしくはそれ以上の他の触媒を含むこともできる。好ましくはこの種の触媒は他の種類の遷移金属化合物もしくは触媒、たとえば慣用のチーグラー・ナッタ触媒系、メタロセン系触媒または熱活性化支持酸化クロム触媒(たとえばフリップ型触媒)にて用いられる種類の遷移金属化合物である。更に、これら触媒は1−オレフィンのみを重合反応器の内部または外部のいずれかで生産する他の触媒と一緒に使用することもでき、このようにしてエチレンもしくはプロピレンとこれら1−オレフィンとのコポリマーを作成することができる。1−オレフィンを生成させるのに適する触媒は1−ブテンのみ、1−ヘキセンのみ、または1−オレフィンの分布(たとえばシュルツ・フローリー分布)を生成することができる。
【0089】
所望ならば、これら触媒は支持体材料の存在下にその場で生成させることができ、或いは支持体材料は触媒成分の1種もしくはそれ以上で同時的もしくは順次に予備含浸させ或いは予備混合することができる。本発明の触媒は所望ならば不均質触媒、たとえばハロゲン化マグネシウム支持チーグラー・ナッタ触媒、フリップス型(酸化クロム型)支持触媒または支持メタロセン触媒に支持することもできる。支持触媒の形成は、たとえば本発明の遷移金属化合物を適する不活性希釈剤(たとえば揮発性炭化水素)にてアルモキサンで処理し、微粒子支持体材料を生成物と共にスラリー化させ、揮発性希釈剤を蒸発させることにより達成することができる。生成される支持触媒は好ましくは流動性粉末の形態である。用いられる支持材体料の量は広範囲、たとえば遷移金属化合物に存在する金属1g当たり100,000〜1gの範囲で変化することができる。
【0090】
重合条件はたとえばバルク相、溶液相、スラリー相または気相とすることができる。所望ならば、触媒を使用して高圧/高温プロセス条件下にモノマーを重合させることができ、ここでポリマー材料は超臨界エチレンにおける溶融物として生成する。好ましくは重合は気相流動床もしくは攪拌床条件下に行われる。
【0091】
オレフィンの気相重合およびスラリー相重合にて生じうる問題点は反応器壁部の汚染、存在させうる攪拌器の汚染およびたとえば静電気の存在に基づくポリマーのスポーリングもしくは凝集である。この問題は適する静電気防止剤の賢明な使用により減少または排除することができる。オレフィン重合にて使用するのに適する静電気防止剤の種類の1例は「STADIS」の商品名にて市販入手することができる。
【0092】
スラリー相重合条件または気相重合条件が特に有用である。これらプロセスおいて、重合条件はバッチ式、連続式もしくは半連続式とすることができる。スラリー相プロセスおよび気相プロセスにおいて、触媒は一般に微粒子固体の形態で重合帯域に供給される。この固体はたとえば錯体Aと活性剤とから形成される未希釈の固体触媒系とすることができ、或いは支持することもできる。活性化剤は、固体錯体とは分離して或いはそれと一緒に溶液として重合帯域に供給することができる。好ましくはスラリー重合および気相重合に用いられる触媒系の遷移金属錯体成分または触媒系は支持体材料に支持される。特に好ましくは、重合帯域中へ導入される前に支持体材料に支持される。適する支持体材料はたとえばシリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、珪藻土、マグネシア、塩化マグネシウムおよびポリマーである。或いは支持体は上記した種類の活性化支持体とすることもできる。支持体材料の含浸は慣用の技術により、たとえば適する希釈剤もしくは溶剤における触媒成分の溶液もしくは懸濁液を形成させ、これと一緒に支持体材料をスラリー化させることにより行うことができる。かくして、触媒で含浸された支持体材料を次いで希釈剤から、たとえば濾過もしくは蒸発技術により分離することができる。
【0093】
スラリー相重合プロセスにおいては、触媒の固体粒子または支持された触媒を重合帯域へ乾燥粉末として或いは重合希釈剤のスラリーとして供給する。好ましくは、粒子を重合帯域へ重合希釈剤における懸濁物として供給する。重合帯域はたとえばオートクレーブまたは同様な反応容器またはフリップスプロセスによるポリエチレンの製造にて周知された種類の連続ループ反応器とすることができる。本発明の重合プロセスをスラリー条件下で行う場合、重合は好ましくは0℃以上、特に好ましくは15℃より高い温度にて行われる。重合温度は好ましくは、ポリマーが重合希釈剤の存在下に軟化もしくは焼結し始める温度より低く維持される。温度をこの温度よりも高く上昇させれば反応器の汚染が生じうる。これら規定温度範囲内の重合の調節は、生成ポリマーの平均分子量を制御する有用な手段を与えることができる。分子量を制御する更なる有用な手段は、重合を連鎖移動剤として作用する水素ガスの存在下に行うことである。一般に、用いる水素の濃度が高いほど、生成ポリマーの平均分子量は低くなる。
【0094】
ポリマーもしくはコポリマーの平均分子量を制御する手段としての水素ガスの使用が、一般に本発明の重合方法に適用される。たとえば水素を用いて気相、スラリー相もしくは溶液相の重合条件の使用により作成されるポリマーもしくはコポリマーの平均分子量を減少させることができる。所望の平均分子量を与えるべく用いる水素ガスの量は、簡単な「試行錯誤」の重合試験により決定することができる。
【0095】
気相重合プロセスの操作方法は当業界にて周知されている。この種の方法は一般に、触媒の床または触媒を含有する標的ポリマーの床(すなわちポリマーは重合プロセスにて作成することが望ましいポリマーと同じまたは同様な物理的性質を有する)の攪拌(たとえば掻き混ぜ、振動もしくは流動化による、およびこれに対するモノマーの流れの少なくとも部分的な気相での供給を含み、その条件はモノマーの少なくとも1部が床における触媒と接触しながら重合するような条件とする。この床は一般に冷却ガス(たとえば循環ガスモノマー)および/または揮発性液(たとえば揮発性の不活性炭化水素または液体を形成すべく凝縮されたガスモノマー)の添加により冷却される。気相プロセスにて生成され且つそこから単離されるポリマーは重合帯域にて直接に固体を形成し、液体を含まないか或いは実質的に含まない。当業者には周知されているように、任意の液体を気相重合プロセスの重合帯域に流入させる場合、液体の量は重合帯域に存在するポリマーの量よりも少ない。これは、ポリマーを溶剤に溶解して形成させる「溶液相」プロセスおよびポリマーが液体希釈剤における懸濁物として生成する「スラリー相」プロセスとは相違する。
【0096】
気相プロセスはバッチ式、半バッチ式またはいわゆる「連続式」条件の下で操作することができる。モノマーを重合触媒を含有する攪拌重合帯域に連続循環させるような条件下で操作することが好適であり、補充モノマーを供給して重合モノマーを補充すると共に、生成ポリマーを重合帯域から連続的または完結的にポリマーの生成速度に匹敵する速度で抜取り、新鮮触媒を重合帯域に添加して生成ポリマーと共に重合帯域から抜き取られた触媒を補充する。
【0097】
本発明の方法を気相重合条件下で用いる場合、触媒または触媒を形成させるべく用いられる各成分の1種もしくはそれ以上は、たとえば重合反応帯域に液状で(たとえば不活性液体希釈剤における溶液として)導入することができる。たとえば遷移金属成分もしくは活性化剤成分またはこれら成分の両者を液体希釈剤に溶解させ或いはスラリー化させると共に重合帯域に供給することができる。これら状況下において、各成分を含有する液体を重合帯域に微細液滴として噴霧するのが好適である。好ましくは液滴直径は1〜1000μmの範囲である。欧州特許出願公開第0593083号明細書(その開示を参考のため本明細書中に引用する)は、重合触媒を気相重合に導入する方法を開示している。欧州特許出願公開第0593083号明細書に開示された方法を、所望ならば本発明の重合法に好適に用いることができる。
【0098】
本発明の方法は所望ならば国際公開第02/46246号パンフレットおよび米国特許第6605675号明細書に開示された方法に類似するプロセスを使用して行うことができる。たとえば触媒成分スラリーおよび触媒成分溶液を、重合反応器に導入する前または導入の際に組み合わせることができる。この種の方法を用いて生成されるポリマーの性質は、有利にこれにより制御することができる。本発明の方法は更に米国特許第6610799号明細書に開示されたプロセス特徴を用いて行うこともできる。このプロセスにおいては、2種もしくはそれ以上の種々異なる量の触媒成分を含有する支持触媒の混合物を用いることができ、ここで個々の触媒成分の濃度は独立して重合反応器内で調節することができる。
【0099】
本発明の方法は従来の産業的重合施設にて使用することができ、その使用は支持型もしくは未支持型の他の市販触媒系を用いる生産ライン(たとえばチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒、熱活性化される酸化クロム触媒およびレート遷移金属触媒系を用いる生産ライン)の間に挟持することができる。これら種類の触媒系の間の移行については従来技術に広範に記載されており、これについては本発明の触媒の使用に容易に適用しうる同様に適する方法につき従来技術の方法を参照することができる。たとえば欧州特許第751965号明細書、米国特許第5442019号明細書、米国特許第5672665号明細書、米国特許第5747612号明細書、米国特許第5753786号明細書、欧州特許第830393号明細書、米国特許第5672666号明細書、欧州特許第1171486号明細書、欧州特許第885247号明細書、欧州特許第1182216号明細書、米国特許第6284849号明細書、米国特許出願公開第2004/0127655号明細書、国際公開第04/060938号パンフレット、米国特許出願公開第2004/0138391号明細書、国際公開第04/060921号パンフレット、国際公開第04/060922号パンフレット、国際公開第04/060929号パンフレット、国際公開第04/060930号パンフレットおよび国際公開第04/060931号パンフレット参照。
【0100】
以下、実施例を参照して本発明を更に説明する。実施例においては、空気/水分/感受性材料の全ての取り扱いは、標準シュレンクライン技術を用いる慣用の減圧/不活性雰囲気(窒素)ラインにて或いは不活性雰囲気グローブボックスにて行った。
【0101】
実施例1.1
[N,N−ビス(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N−メチルアミン]ジプロポキシオキソバナジウム(V)
【0102】
【化33】

【0103】
10mlのTHFにおける0.42g(1.72ミリモル)トリプロポキシオキシバナジウム(V)の−78℃まで冷却された溶液を、20mlのTHFにおける[N,N−ビス(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N−メチルアミン]の低温(−78℃)スラリーに添加した。この混合物を室温まで加温し、30分間にわたり攪拌した。橙赤色溶液を濾過して微量の不溶性物質(リガンド)を除去すると共に、濾液を約5mlまで蒸発させた。50mlのペンタンの添加は燈色固体の形成をもたらし、これを濾過し、2x5mlのペンタンで洗浄すると共に、減圧下に乾燥させた。収量:0.72g(88.0%)。ミクロ分析%:C2330Vに対する計算値:C58.10,H6.36,N14.73.実測値:C57.93,H6.26,N14.77.HNMR(250MHz,D−DCM),δ:0.85 (t,JHH=14.7Hz6H),1.62(m,4H),2.85(s,3H),3.08(d,JHH15.9Hz2H),4.02(d,JHH=16.2Hz,2H),4.88(dt,JHH=13.4Hz,JHH=11.6Hz,2H),5.34(dt,JHH=12.5Hz,JHH=11.3Hz,2H),7.14(m,4H),7.42(m,2H),8.05(m,2H).51VNMR[131MHz,V(O)Cl,d−DCM],δ,ppm:−560.2.
【0104】
実施例1.2
エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネンの「EPDM」を作成するための重合
【0105】
DMAC(約1ミリモル)およびETA(約0.04ミリモル)と一緒に0.5μモルのV−2を用いて触媒を作成した。供給物における初期モル比E/P/ENBは約50/40/10であった。
【0106】
50℃にて1時間にわたる重合の後、ゴム状ポリマー(2.8g)が生成された。その活性は5600gポリマー/ミリモルV.h.であった。
DMACはジメチルアルミニウムクロライドである。
ETAはエチルトリクロルアセテートである。
【0107】
実施例2
触媒V−2(上記参照)の存在下におけるエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネンの重合
【0108】
各試薬の次のような量を使用して乾燥窒素の雰囲気下に、次の手順を行った:
バナジウム錯体(V−2):0.2μモル
DMAC:1000当量
ETA:500当量
E/P/ENB:10/30/2モル/モル/モル
【0109】
200mlのトルエンにおける2.4ml(17.8ミリモル)の5−エチリデン−2−ノルボルネンおよび2mlの1M DMACの溶液をフィッシャー・ポーター瓶にて作成した。攪拌された反応器を50℃まで加熱し、トルエン溶液に2バールのプロピレンを20分間にわたり飽和させた。次いで活性化された触媒溶液(1.33ミリモル、0.15ミリモル、Al/V=100)を注入し、次いでトルエンにおけるエチルトリクロルアセテートの23mM溶液4.4mlを注入した。プロピレン供給を停止し、反応器をエチレンラインに接続すると共に、エチレンにより4バールの全圧力に加圧した。重合反応を40分間にわたり行った。実験の終了後、反応器を室温まで冷却しペントを開いて減圧させると共に、400mlのメタノールを含有するピーカーに反応器内容物を注ぎ入れた。ポリマーを濾過し、メタノールで洗浄し、更に60℃にて12時間にわたり減圧下に乾燥させた。ポリマー収率:1g、活性:7500ミリモル−1−1
【0110】
添付図面の図1は、生成されたエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン ターポリマーの赤外線スペクトルを示す。このスペクトルには3つの重要なバンドが存在する:
−1650cm−1(νC=C):5−エチリデン−2−ノルボルネンの混入を示す;
−1460cm−1(δCH2、δCH3):主としてPE骨格の変形振動に基づく;
−1375cm−1(δCH2、δCH3):Meの側鎖の存在を示す。
【0111】
IRスペクトルを決定すべく使用した方法はJ.F.オーケーフェ、ラバー・ワールド、第230巻(2004)、第28頁に記載されている。
【0112】
IR分析は、パーキン・エルマー・スペクトラムGX FT IRシステムを用い極めて薄いポリマーのフィルムにて行った。これらフィルムは、テトラクロルエチレンにおけるポリマーの溶液を60℃にて減圧下に徐々に蒸発させて作成した。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】生成されたエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン ターポリマーの赤外線スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)エチレンを(2)脂肪族C−C20α−オレフィンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマー、および(3)C−C30共役もしくは非共役ジエンから選択される少なくとも1種のジエンと共重合させることからなるコポリマーの作成方法において、モノマーを
(a)次式Aを有する遷移金属化合物、および
(b)活性化量の適する活性化剤
からなる触媒と接触させることを特徴とするコポリマーの作成方法
【化1】

[式中、Zは5員複素環基からなり、この5員複素環は少なくとも1個の炭素原子と少なくとも1個の窒素原子と少なくとも1種の他の異原子(窒素、硫黄および酸素から選択される)とを有し、前記環における残余の原子は窒素および炭素から選択され、Mは周期律表第3〜11族からの金属もしくはランタニド族の金属であり;EおよびEは二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基から独立して選択される二価の基であり;DおよびDはドナー原子もしくは基であり;Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である]。
【請求項2】
生成されるコポリマーが30〜85重量%、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは50〜75重量%の共重合エチレン単位と;14〜70重量%、好ましくは19〜60重量%、より好ましくは24〜55重量%の脂肪族C〜C20α−オレフィンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーの共重合単位と;0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜12重量%のC〜C30共役および非共役ジエンから選択される少なくとも1種のジエンの共重合単位とからなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脂肪族C〜C20α−オレフィンがプロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリル−シクロヘキサン)およびビニル−シクロヘキサンから選択される請求項1または2に記載の方法
【請求項4】
ジエンが1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,6−へプタジエン、6−メチル−1,5−へプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,13−テトラデカジエン、1,19−エイコサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ビシクロ[2.2.1]へプト−2,5ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,5−ジエン、4−ビニルシクロヘキサ−1−エン、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,6−ジエン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,5−シクロオクタジエン、1,4−ジアリルベンゼン、4−アリル−1H−インデン、2,3−ジイソプロペニリジエン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエン、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン−1,3、1,2−ジメチルブタジエン−1,3、1,4−ジメチルブタジエン−1,3、1−エチルブタジエン−1,3、2−フェニルブタジエン−1,3、ヘキサジエン−1,3、4−メチルペンタジエン−1,3、1,3−ペンタジエン(CH3CH−CH−CH−CH2;3−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエンおよび3−エチル−1,3−ペンタジエンから選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コポリマーがエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン;エチレン/1−オクテン/5−エチリデン−2−ノルボルネン;エチレン/プロピレン/1,3−ペンタジエン;エチレン/1−オクテン/1,3−ペンタジエン;エチレン/プロピレン/1,7−オクタジエン;およびエチレン/プロピレン/1−オクテン/ジエンから選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
エラストマーが0.05〜0.5重量%の2,5−ノルボルナジエン、ジアリルベンゼン、1,7−オクタジエンおよび1,9−デカジエンから選択される長鎖分枝エンハンサを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
触媒が
(a)前記式Aの遷移金属化合物、および
(b)活性化量の適する活性化剤
からなる[式中Zは特にイミダゾール含有基であり;Mは周期律表第3〜11族からの金属もしくはランタニド族金属であり;EおよびEは二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基から独立して選択される基であり;DおよびDはドナー原子もしくは基であり;Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である]
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
触媒が次式BもしくはCを有する遷移金属化合物である:
【化2】

[式中、点線円内に示されたイミダゾール核は式Ia、IIa、IIIa、IVa、VaおよびVIaにより示される二価の基から選択され;
【化3】

式中Mは周期律表第3〜11族の金属もしくはランタニド族金属であり;EおよびEは二価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基から選択される基であり;DおよびDはドナー基であり;Xはアニオン基であり、Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数であり、更に基R〜R11は独立して水素または一価の(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基、および(vii)ヒドロカルビル−置換異原子基である]
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
Zが5員複素環基であり、この5員複素環基は少なくとも1個の炭素原子と少なくとも1個の窒素原子と少なくとも1種の他の異原子(窒素、硫黄および酸素から選択される)とを有し、前記環の残余の原子が窒素および炭素から選択され;Mが周期律表第3〜7の金属もしくはランタニド族金属であり;EおよびEは(i)脂肪族炭化水素、(ii)脂環式炭化水素、(iii)芳香族炭化水素、(iv)アルキル置換芳香族炭化水素、(v)複素環式基、および(vi)前記基(i)〜(v)のヘテロ置換誘導基から独立して選択される二価の基であり;DおよびDはドナー原子もしくは基であり;二価の基EおよびEはドナー原子もしくは基Dを介する以外は結合せず;Xはアニオン基であり;Lは中性ドナー基であり;n=m=0もしくは1であり;yおよびzは独立して0またはX基およびL基の個数が金属Mの原子価および酸化状態を満足させるような整数である
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
基Zが特にイミダゾール含有基である請求項1〜6または請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
活性化剤(b)が有機アルミニウム化合物および有機硼素化合物またはその混合物から選択される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
活性化剤が触媒活性化支持体であって、炭化水素に不溶性であると共に少なくともマグネシウムおよびアルミニウム原子、並びに1〜20個の炭化水素を有するヒドロカルビルオキシ基からなる固体微粒子物質である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
活性化剤がトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、アルモキサン、ジメチルフェニルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、トリチルテトラ(フェニル)ボレート、トリフェニルボロン、ジメチルフェニルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、H(OEt)[(ビス−3,5−トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンから選択される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
触媒がバナジウム系であると共に有機アルミニウム化合物で活性化され、更にハロゲン化有機化合物触媒促進剤を使用する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
1種もしくはそれ以上の規定遷移金属触媒の他に、触媒が1−オレフィンを重合させるのに適する追加触媒をも含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
追加触媒が従来のチーグラー・ナッタ触媒系、メタロセン系触媒または熱活性化された支持酸化クロム触媒から選択される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
重合条件がバルク相、溶液相、スラリー相または気相である請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
触媒を、重合帯域への導入に先立ち支持体材料に支持する請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
支持体材料がシリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、珪藻土、マグネシア、塩化マグネシウムおよびポリマーから選択する請求項18に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−513548(P2008−513548A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530773(P2007−530773)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003522
【国際公開番号】WO2006/030193
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(505229003)イネオス ヨーロッパ リミテッド (20)
【Fターム(参考)】