説明

ポリシリコンを微粉砕しかつ選別するための方法および装置

【課題】定義された性質を有する再現可能なポリシリコンの破片の製造を高められた収量で関連する装置でのみ可能にする、ポリシリコンを微粉砕しかつ選別するための装置ならびに方法を提供する。
【解決手段】制御部を装備しており、この制御部は、破砕装置中での少なくとも1つの破砕パラメーターおよび/または選別装置中での少なくとも1つの選別パラメーターの可変の調整を可能にする、多結晶性シリコンを微粉砕しかつ選別するための装置ならびに前記装置を用いてポリシリコンを微粉砕しかつ選別する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度の多結晶ケイ素を微粉砕しかつ選別するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度の多結晶ケイ素、以下、ポリシリコンと呼称する、は、なかんずく電子構造部材および太陽電池を製造するための出発材料として使用される。このポリシリコンは、ケイ素含有ガスまたはケイ素含有ガス混合物を熱分解することによって取得される。この方法は、蒸気相からの析出(CVD、化学蒸着)と呼称される。この方法は、大規模に所謂シーメンス反応器(Siemens-Reaktoren)中で実現される。この場合、ポリシリコンは、棒の形で生じる。ポリシリコン棒は、一般に手での方法により微粉砕される。こうして得られたポリシリコンの粗大な破片は、再現不可能な寸法の分布を有し、よりいっそう小さな寸法の破片を大量には生じない。手で予め破砕されたポリシリコンの粗大な破片が通常の破砕機を使用しながらさらに微粉砕されるような一連の機械的方法は、公知である。機械的破砕方法は、例えば欧州特許出願公開第1338682号明細書A2中に記載されている。また、ポリシリコンのよりいっそう簡単な破砕を可能にする、ポリシリコン棒の費用のかかる熱的前処理と組合せた機械的破砕方法も公知である(例えば、欧州特許出願公開第1338682号明細書A2)。引続き、ポリシリコンの破片は、篩別方法、例えば欧州特許第1043249号明細書B1の記載から公知の機械的篩別方法で分級されるかまたは例えば米国特許第6265683号明細書B1の記載から公知の場合による選別で分級される。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1338682号明細書A2
【特許文献2】欧州特許第1043249号明細書B1
【特許文献3】米国特許第6265683号明細書B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、定義された性質を有する再現可能なポリシリコンの破片の製造を高められた収量で関連する装置でのみ可能にする、ポリシリコンを微粉砕しかつ選別するための装置を提供することである。
【0004】
更に、本発明の課題は、再現可能な定義された性質を有するポリシリコンの破片を高められた収量で生じる、ポリシリコンを微粉砕しかつ選別する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の1つの課題は、破砕装置にポリシリコンの粗大な破片を供給する装置と破砕装置とポリシリコンの破片を分級するための選別装置とを含む装置によって解決され、この場合この破砕装置は、制御部を装備しており、この制御部は、破砕装置中での少なくとも1つの破砕パラメーターおよび/または選別装置中での少なくとも1つの選別パラメーターの可変の調整を可能にすることによって特徴付けられる。
【0006】
特に、前記装置は、さらに破砕装置から選別装置への搬送装置を含む。
【0007】
前記装置の1つの好ましい実施形式は、選別機が分級されたポリシリコンの破片の定義されたパラメーターのための測定装置を備えており、前記測定装置が、測定されたパラメーターを統計的に評価しかつ所定のパラメーターと比較する、優先された制御装置および調整装置と結合されており、測定されたパラメーターと所定のパラメーターとがずれている場合には、破砕装置の破砕パラメーターの調整を、その際に測定されたパラメーターが所定のパラメーターに適合するように変えることができることによって特徴付けられる。
【0008】
特に、ポリシリコンの破片の長さ、面積、形、形態、色および質量の群からのパラメーターが測定される。この場合、破片の長さは、特に破片の表面上の2つの点の間の最も長い直線として定義されている。この場合、破片の面積は、特に破片の1つの平面内に投影された影の最大面積として定義されている。
【0009】
特に有利には、ポリシリコンの破片の長さまたは面積が測定され、長さの形で評価されるかまたは面積分布の形で評価される(例えば、分位点5%、50%または95%)。また、篩出口での計量器の個々の篩別画分の質量収率が測定される。望ましい収率を安定化させるために、計量器で検出された、個々の画分の質量、または光電子分離装置中で測定された、個々の破片画分の長さ分布が採用されうる。例えば、大きい破片で生じる量が大きすぎるかまたは第1の光学的分離段で算出された、破片分布の長さ平均値(実際の値)が目標値よりも大きい場合には、間隙間隔は、解決法で確認される論理に相応して減少され、したがって破片分布は、それによってよりいっそう小に向かってシフトする。
【0010】
公知技術水準では、ポリシリコンの破片の選別は、常に微粉砕と切り離して行なわれた。それによって、これまで、破砕結果に依存してポリシリコンの微粉砕を調整することは、不可能であった。本発明による組み合わせ、特にデータ検出部およびデータ評価部を有する、光電子選別機の測定値および/または選別機出口での計量器の測定値の再結合ならびに優先された制御装置中での破砕機を含む全ての装置部材の組み込みによって、第1に再現できるように定義されたポリシリコンの破片を達成させるための微粉砕の意図的な、時間に即した調整が良好な収量で可能である。
【0011】
破砕装置は、特に1〜10個の破砕機(1〜10個の破砕段に相当する)、特に1〜3個の破砕機からなる多段の破砕装置である。全ての公知の破砕機が使用されてよい。
【0012】
好ましくは、ロール型破砕機またはジョークラッシャーが使用される。特に好ましくは、同期進行するロールを有するロール型破砕機が使用される。ロール型破砕機としては、特に有利にスパイクロール型破砕機が使用される。
【0013】
破砕機の可変に調整可能な破砕パラメーターは、特に間隙間隔(歯の先端と対向しているロール床との間隔)またはロールの回転速度である。このパラメーターは、優先された制御装置および調整装置により変動しうる。
【0014】
意外なことに、個々の破砕段のために、安定したパラメーター(例えば、ロールの直径、歯の間隔、歯の高さ)は、異なる粒度範囲を有するポリシリコンの破片の多数の目的画分を、一段または多段破砕装置により、間隙間隔およびロールの回転速度の変動によってのみ製造することが可能であるように調整することができる。この場合、目的画分は、微粉砕および分級の後に破片寸法の全スペクトルで最高の収量を有する破片寸法の画分である。
【0015】
特に、ロール型破砕機の直径、歯の間隔および歯の高さは、次のように選択される:
1つのロール上の歯の間隔は、2つの並んで存在する歯の中心点間の対角線により定義されている。歯の間隔は、通常、5〜200mmの範囲内で選択され、2段の破砕装置においては、有利に第1の破砕段で100〜200mmであり、第2の破砕段で5〜100mmであり、3段の破砕装置においては、有利に第1の破砕段で100〜200mmであり、第2の破砕段で50〜100mmであり、第3の破砕段で5〜50mmである。歯の高さは、通常、5〜100mmから選択される。歯の形は、円筒状、円錐形、ピラミッド形またはこれらの形からの組み合わせであることができる。ロールの直径は、通常、200〜2000mmの範囲内にあり、2段の破砕装置においては、有利に第1の段で800〜2000mmであり、第2の段で200〜800mmであり、3段の破砕装置においては、有利に第1の段で800〜2000mmであり、第2の段で500〜800mmであり、第3の段で200〜500mmである。
【0016】
最終製品の望ましい破片寸法の分布に応じて、1つ以上の破砕段が使用される。破片寸法は、破片画分の最小の長さおよび最大の長さを定義する。5〜80mmの破片寸法を有するポリシリコンの破片を意図的に製造するためには、有利に2〜4個の破砕段、特に有利に2個の破砕段が使用される。60〜250mmの破片寸法を有するポリシリコンの破片を意図的に製造するためには、有利に1または2個の破砕段が使用される。特に有利には、1個の破砕段だけが使用される。
【0017】
1つの実施形式において、シリコンの破片は、破砕装置内で搬送装置により自動的に1つの破砕段から直ぐ次の破砕段へ搬送される。搬送装置としては、有利に搬送ベルトまたは搬送溝が使用される。特に有利には、搬送溝が使用される。この場合には、破砕段をバイパスにより迂回させることも可能である。バイパスの制御("Bypass AUF(On)"、"Bypass ZU(Off)")は、全装置の優先された制御に組み込まれている。
【0018】
別の実施形式において、破砕段は、直接に上下に配置されている。この場合、破砕段の回避は、ロール同士が完全に逆方向に駆動することによって実現され、この場合ロール間隔は、供給材料の最大の長さと少なくとも2倍の大きさである。
【0019】
シリコンの破片は、破砕装置から有利に搬送装置を介して、特に有利に搬送溝を介して、自動的に選別装置に搬送される。
【0020】
選別装置は、特に機械的篩別装置および/または光電子分離装置、特に有利に光電子分離装置である。例えば、欧州特許第0876851号明細書B1(米国特許第6040544号明細書Aに相応する)の記載と同様の装置が重要である。光電子分離装置を開示するために、前記刊行物の記載内容が指摘され、表現的に関連される。
【0021】
特に好ましくは、選別装置は、多段の機械的篩別装置と多段の光電子分離装置とからなる。機械的篩別装置としては、専門文献で公知の全ての機械的篩別装置が使用されてよい。好ましくは、不均衡モータにより駆動される振動篩別装置が使用される。篩被覆としては、機械的スクリーンおよび穿孔スクリーンが好ましい。機械的篩別装置は、生成物流中の微細含量を分離するために使用される。微細含量は、25mmまで、有利に10mmまでの粒度を有する。微細含量は、多段の機械的篩別装置によって、なお他の画分に分離される。特に有利には、二段の機械的篩別装置が使用される。
【0022】
篩段は、順次に配置されていてもよいし、別の構造で、例えば樹状構造で配置されていてもよい。
【0023】
有利に、篩は、三段で樹状構造で配置されている。即ち、例えばポリ破片(Poly-Bruch)が4つの粒子画分(例えば、画分1、2、3、4)に分布された場合には、第1の段で画分1および2は、画分3および4と分離される。更に、第2の段において、画分1は、画分2と分離され、平行に配置された第3の段で画分3は、画分4と分離される。
【0024】
微細含量が遊離されたポリシリコンの破片は、特に光電子分離装置により選別される。ポリシリコンの破片の選別は、画像処理における公知技術水準である全ての判断基準により行なうことができる。前記の選別は、特にポリシリコンの破片の長さ、面積、形、形態、色および質量、特に有利に長さおよび面積の群から選択された判断基準の1つないし3つにより行なわれる。
【0025】
しかし、ポリシリコンの破片のパラメーターを確認するための公知の電子センサー技術の別の組み合わせは、同様に適している(例えば、金属検出器、超音波、赤外)。光電子分離装置の光学的な画像の確認は、"実際の"長さまたは面積が測定されるという利点を有する。これは、それぞれの望ましいパラメーターにより、従来の機械的篩別法と比較して、破片の正確な分離を可能にする。
【0026】
例えば、光電子分離装置中でオンラインでのモニタリングにより測定された、微細含量なしの供給材料の実際の分布(例えば、長さの分布、面積の分布)は、優先された制御装置および調整装置で伝達され、そこで所定の目標分布と比較される。測定された(実際の)分布と所定の(目標の)分布との間にずれがある場合には、破砕装置の可変の破砕パラメーター(例えば、ロールの間隙の調整または回転数、または破砕段の数)は、制御装置および調整装置によって、測定された分布が所定の分布に適合するように変化される。
【0027】
1つの好ましい実施形式において、選別装置の後方の装置は、分級された画分の質量収率を測定するための計量器を含む。特に、選別装置の後方の装置は、完全自動の箱形充填装置および箱形輸送装置を含む。
【0028】
更に、好ましい実施形式において、本発明による装置は、供給装置の前方に機械的前微粉砕装置を含む。原理的に全ての公知の機械的前微粉砕装置が適しており、好ましくは、基盤ならびに微粉砕用のみおよび対向のみを含み、この場合この微粉砕用のみおよび対向のみは、基盤と平行に方向付けられている長手軸を有し、この微粉砕用のみおよび対向のみは、基盤上に存在する、のみ間の微粉砕すべきシリコン棒を、全てののみがシリコン棒の範囲内でシリコン棒との接点を有するように調整されてよく、微粉砕用のみは、シリコン棒の前方および後方で長手軸線の方向に対向のみに対して安全な距離が生じるまで走行されてよく、のみは、打撃の形の運動により長手軸線の方向にシリコン棒上に作用し、このシリコン棒を粉々に打ち砕く。適当な前微粉砕装置は、例えばドイツ連邦共和国特許第102005019873号明細書中に記載されている。
【0029】
機械的前微粉砕装置を用いた場合には、本発明による装置は、第1にシーメンス法で生じるような小さな破片から全体のポリシリコン棒までの任意の大きさのポリシリコンの破片の全自動的な微粉砕を可能にする。この出発材料は、完全自動化され、それぞれの望ましい目的画分に調整可能で再現可能であるように微粉砕され、第1に個別装置中でのそれぞれの機械的再構成を行なう必要がない。その上、本方法は、従業員のための安全な作業およびよりいっそう良好な人間工学的作業を可能にし、それというのも、全ての微粉砕工程および分級工程中に手での作業工程を全く必要としないからである。
【0030】
制御装置および調整装置は、特にメモリープログラミング可能な制御装置(SPS)の形の導体系からなり、この導体系により全ての部分的装置(例えば、前破砕機、搬送装置、破砕装置、機械的選別装置および光電子選別装置、解決法の管理および制御論理の管理を有する自動化された箱形管理装置)の制御は、管理され、制御される。部分的装置の包括的目視化および操作は、優先された導体系によって行なわれる。全ての部分的装置の障害報告および動作報告は、障害報告データバンクまたは動作報告データバンク中に一緒にコピーされ、評価され、目視化される。
【0031】
本発明による装置に対する個別装置と優先された制御装置による論理的関連との的確な組合せによって初めて、種々の破砕工程または選別工程のための機械的再構成を必要とすることなく、全ての種類のポリシリコンの破片("小さい"および"大きい")を製造することができる装置が可能になった。
【0032】
望ましい目的画分を優先された制御装置および調整装置中に投入することは、破砕機のパラメーターの相応する調整を生じさせ、ポリシリコンの破片の望ましい破片寸法を達成させる。
【0033】
個々の破砕段の間ならびに選別装置内および選別装置の後方に、電磁分離器(例えば、板状磁石、ドラム型磁石またはベルト状磁石)は、配置されていてよく、ポリシリコンの破片からなる金属異質体が除去され、ポリシリコンの破片の金属汚染が減少される。
【0034】
更に、前記のもう1つの課題は、ポリシリコンの粗大な破片を本発明による装置中で微粉砕する方法によって解決される。そのために、ポリシリコンの粗大な破片は、特に少なくとも1つの破砕パラメーターの可変の調整を可能にする破砕装置中に搬送され、この破砕装置中でポリシリコンの破片に微粉砕され、引続きこの破片は、選別装置中に搬送され、この選別装置中で分級され、その際に選別装置中でそれぞれポリシリコンの破片の定義されたパラメーターのための1つ以上の実際の値が測定され、単数かまたは複数の測定された実際の値は、優先された制御装置および調整装置にさらに導かれ、制御装置および調整装置中で所定の目標値と比較され、実際の値と目標値とがずれている場合には、制御装置および調整装置は、破砕装置の破砕パラメーターの調整を、ポリシリコンの破片の実際の値が所定の目標値に適合するように変化させる。
【0035】
この方法は、特に本明細書中で装置について記載されたパラメーターを利用する。
【0036】
例えば、第1の光学的分離段で算出された、破砕分布の長手方向の平均値(実際の値)が目標値よりも大きい場合には、破砕機中の間隙間隔は、相応して後調整されるかまたは減少され、したがってそれによって破砕分布は、よりいっそう小に向かってシフトする。
【0037】
生成物パラメーターの測定ならびにポリシリコンの破片の分級は、特に以下の記載と同様に行なわれる:
第1の機械的篩段の粗大粒子は、多工程の光電子分離装置に供給される。それぞれの光電子選別段中で、生成物流は、組み込まれた振動型運搬溝を介して分離され、シュートを介して自由落下で1個(またはそれ以上)のCCD色列型カメラ(CCD-Farbzeilenkamera)を通過し、この場合このカメラは、長さ、面積、体積、形、形態および色のパラメーターの1つまたそれ以上による分級を任意の組み合わせで行なう。前記破片のパラメーターを確認するためには、二者択一的に公知技術水準から公知の全ての電子センサー技術が使用されてよい。測定値は、優先された制御装置および調整装置で伝達され、例えばマイクロプロセッサーにより評価される。この場合、生成物流からの破片を除去するかまたは通過させるかは、解決法において有効であることが証明された選別判断基準との比較によって決定される。この除去は、特に圧縮空気インパルスによって行なわれる。この場合、例えば画像認識装置下に配置された弁ストリップにより分離通路(圧縮空気ストリップ)は、制御され、粒度に依存する圧縮空気インパルスが衝突される。その後に、通過流および転向流は、別々に導出され、直ぐ次の光電子選別段に供給される。また、除去は、液圧的または機械的に行なわれてもよい。
【0038】
センサーによる認識装置、有利に光学的画像認識装置は、"実際の"長さ、面積または形が測定されるという利点を有する。これは、一面で従来の機械的篩別法と比較して、例えば長さに関連して定義された正確な分離を可能にする。2つの分離すべき画分の重なりは、僅かである。他面、分離限界は、任意に優先された制御装置の所定のパラメ―ター(解決法)により調整されることができ、この場合には、機械それ自体に対して行なわれる変更はない(例えば、篩被覆の交換)。それに応じて、光電子篩別装置は、大きな破片の大きさの範囲と同様に小さな破片の大きさの範囲でも同様に分離のために使用可能である。更に、"オンライン測定"により、全装置は、例えば間隙間隔が破砕結果に相応して直接に補正されることにより調整されてよい。更に、光電子選別装置は、面積と長さとの組合せによって、破片の正確な分離がそれぞれの要件(例えば、破片の高い立方度(Kubizitaet))により可能であるという利点を提供する。
【0039】
シリコンの破片の分級された画分は、捕集され、有利に箱の中に充填される。この充填は、特に欧州特許第1334907号明細書B中の記載と同様に自動化されている。特に、分級された材料の箱での輸送および充填は、完全に自動化されている。
【0040】
特に、本方法は、機械的前微粉砕を含む。前微粉砕は、特に多結晶性シリコンが前微粉砕装置中で高度に調整可能な基盤上に置かれ、そこで微粉砕用のみと対向のみとの間で、全てののみがシリコンの範囲内でシリコンとの接点を有しかつ微粉砕用のみと対向のみがシリコンの前方または後方で互いに安全な距離まで接近されかつ引続きなかんづくシリコンに接するように調整される。微粉砕用のみは、繰り返される衝撃インパルスで開始され、この場合この衝撃インパルスは、シリコンの生じさせる。
【0041】
使用される多結晶性シリコンは、特に例えばSi析出でシーメンス法で得ることができるような多結晶性シリコン棒である。更に、別のシリコン加工法(例えば、るつぼ引き上げ法、切削法等)からの任意に形成された残分が使用されうる。
【0042】
本発明による方法は、250mmの最大の破片の大きさを有する任意の粒度分布でポリシリコンの破片の意図的に再現可能な製造を可能にする。
【0043】
その上、本方法により意図的にではなく、45〜250mmの大きさのよりいっそう流動能を有する立方体のポリシリコンの破片を再現できるように高い収量で製造することを初めて可能にする。
【0044】
このような破片は、るつぼを使用する際にるつぼの高い充填度を達成させることが必要とされる。更に、このような破片の比表面積が僅かであるために、僅かな比汚染表面積、ひいてはよりいっそう良好な品質がもたらされ、それというのも、例えばるつぼの使用の際には、るつぼの計量供給量1キログラム当たりの金属搬入量は、僅かになるからである。更に、よりいっそう大きな破片の大きさの利点は、次の精製工程の経済性を改善することにあり、それというのも、酸の消費量は、生成すべきポリシリコンの破片の比表面積が小さければ小さいほど、僅かになるからである。
【0045】
従って、本発明は、45〜250mm、有利に90mm〜170mmの大きさの立方体のポリシリコンの破片にも関する。高度な立方体の形は、破片の質量と破片の最大長とからの商は、平均で全ての破片3g/mm以上、有利に5g/mm以上であることを示す。この種の破片は、るつぼの使用の際のるつぼの高い充填度にとって望ましい。
【0046】
本発明による方法には、特にポリシリコンの破片の精製が引き続く。
【0047】
この精製は、例えば欧州特許出願公開第1338682号明細書A2、第8頁、段落0054または0055、米国特許第6309467号明細書の記載と同様に行なうことができる。このように製造されたシリコンの破片は、半導体水準に対して純度を有し、それによって少なくとも表面純度に対する次の要件を満たす:モニター元素の鉄、平均で100pptw未満、有利に50pptw未満。
【0048】
次の実施例は、本発明を更に詳説するために用いられる。次の破片の大きさは、実施例中で形成された:
画分0:約0〜3mmの分布を有する破片の大きさ、
画分1:約1mm〜10mmの分布を有する破片の大きさ、
画分2:約10mm〜40mmの分布を有する破片の大きさ、
画分3:約25mm〜65mmの分布を有する破片の大きさ、
画分4:約50mm〜110mmの分布を有する破片の大きさ、画分5:約90mm超〜250mmの分布を有する破片の大きさ。
【0049】
優先された制御装置および調整装置中に、製造すべき目的画分のためのパラメーターがインプットされる。製造すべき破片のそれぞれの後使用によって、目的画分中および副画分中でのそれぞれの望ましい粒度分布がそれぞれ規定されるので、目的画分は、一般に優先された制御装置および調整装置中で解決法として有効であることが証明され、それに応じて選択される。本明細書の実施例においては、4つの異なる目的画分(画分2、3、4および5)を製造するための装置が使用された。目的画分を製造する場合には、副画分も生成される(不足画分および部分的に過剰画分)。前記解決法においては、それぞれ前微粉砕装置、破砕機および光電子分離装置のための全てのパラメーターが有効であることが証明されている。(画分5を意図的に製造するための)実施例においては、前記解決法において次のパラメーターが有効であることが証明された:
約15cmの間隔で選択された調整がポリシリコン棒上または微粉砕すべき材料へ打撃を与えるような打撃を与える対ののみの数/選択およびキャリッジの前進送り。
【0050】
第1の破砕段は、1m/秒の周速および90mmの間隙間隔(対向するロール床に対する歯の先端)で運転された。他の破砕段は、バイパスにより回避された。
【0051】
こうした破砕された材料の微細含量(画分0および1)は、約10mmの目開きを有する機械的篩で分離され、引続き分離された含量は、他の機械的篩装置または約4mmの目開きを有する他の篩で画分0および1に分離された。
【0052】
粗大含量(画分2、3、4および5)は、搬送溝(その搬送特性、例えば周波数は、同様に解決法で有効であることが証明されている)により光学的分離装置に供給され、3つの光学的段により、次のように分離された:第1の段で画分3および2は、画分4および5と分離された。分離限界としては、解決法において55mmの最大長が有効であることが証明された。画分3および2は、第2の段においてかまたは解決法で有効であることが証明された、30mmの分離限界で画分3および2に分離された。画分4および5は、第3の段中で100mmの分離限界で画分4および5に分離された。
【0053】
種々の装置部材、例えば搬送溝の間には、公知水準で公知の磁石が金属汚染の分離のために組み込まれていてよい。
【0054】
制御パラメーターとしては、測定の大きさの長さおよび/または面積、および/または計量器で測定された、選別装置の出口での質量収率が使用される。調整の大きさは、前微粉砕装置の前進送りおよび破砕機の間隙間隔である。調整の大きさは、解決法で予め証明されている。制御パラメーターと調整の大きさとの論理は、同様に解決法で有効であることが証明されている。これは、実施例4に示されている。
【実施例】
【0055】
実施例1:
ポリシリコン棒(L=0.25〜4m、D=20〜250mm)を前微粉砕装置の破砕テーブル上に置く。この破砕テーブル上で前記棒の品質を表面の異質体、被覆および形態に対して目視的に検査する。前記棒を破砕キャリッジ上に置き、この棒を自動的に破砕室中に搬送する。
【0056】
ドイツ連邦共和国特許第102005019873号明細書からの図1と同様の装置中で、微粉砕すべきSi棒を基盤のプリズム台上に置く。2つの互いに平行に配置されたトラフ型皿の長手方向の側面は、プリズム台を形成する。このトラフ型皿は、破砕キャリッジ上に回転可能に設置されている。
【0057】
破砕キャリッジと平行に設置された案内定規は、備え付け中のSi棒の固定を有利にする。引続き、Si棒を有する破砕キャリッジをのみ間の範囲の破砕空間内に進入させる。破砕の経過は、キャリッジの道程を把握することにより制御し、可変的に選択されうる。破砕キャリッジは、その位置に到達した後に、最初に3本の対向のみが棒に近づいて行き、固定させる。微粉砕用のみは、時間的にずれて棒に近づいて行き、破砕サイクルを開始させる。破砕工程は、最初の棒片が破砕され、微粉砕用のみが定義された最終位置に到達した時に初めて中断される。次に、微粉砕用のみと対向のみは、同時に出口位置に後退し、破砕キャリッジは、直ぐ次の破砕位置に歩む。破砕工程は、最初から開始する。この工程は、棒全体が破砕されるまで繰り返される。この場合、Si棒の長さは、異なっていてよい。破砕工程後、破砕キャリッジは、定義された最終位置に進行し、この最終位置は、回転可能に支承されたトラフ型皿を約150°だけ相互に回転させ、Si破片は、破砕キャリッジの下方に設置された搬送溝上に排出され、さらに運搬される。
【0058】
微粉砕された破片(ポリシリコンの粗大な破片)は、25cm未満の長さを有する。この破片は、自動的に搬送溝中に排出され、この溝は、材料を多段の破砕装置に搬送する。
【0059】
実施例2:
ポリシリコン棒の代わりに、25cmを上廻る長さの個々のシリコンの破片を破砕テーブル上に置き、実施例1の記載と同様に微粉砕する。
【0060】
例3
ポリシリコンの粗大な破片(実施例1、2からかまたは公知技術水準による手での微粉砕)を供給装置、特に漏斗を介してロール型破砕機に供給する。
【0061】
第1の破砕段を、画分5の意図的な製造のために、1m/秒の周速および90mmの間隙間隔(対向するロール床に対する歯の先端)で運転する。他の破砕段は、バイパスにより回避された。破砕された材料を搬送溝(その搬送特性、例えば周波数は、同様に解決法で有効であることが証明されている)を介して選別装置に供給する。
【0062】
こうした破砕された材料の微細含量(画分0および1)を、約10mmの目開きを有する機械的篩で分離し、引続き分離された含量を、他の機械的篩装置または約4mmの目開きを有する他の篩で画分0および1に分離する。
【0063】
粗大な含量(画分2、3、4および5)を光学的分離装置に供給し、3つの光学的段により次のように分離する:第1の段で画分3および2は、画分4および5と分離された。分離段としては、ポリシリコンの破片のための解決法において、55mmの最大長が有効であることが証明された。即ち、長さが55mm未満である破片は、吹いて取り除かれる。吹いて取り除かれた画分3および2を、搬送溝および引続く第2の分離段により、または解決法で有効であることが証明された、30mmの分離限界で画分3および2に分離した。画分4および5を、第3の段中で100mmの分離限界で画分4および5に分離した。
【0064】
図2は、微粉砕および分級の結果を示す。2つの順次に配置された破砕機の組合せおよび間隙間隔の相応する選択によって、それぞれの任意の粒度分布(簡単なパラメーターの入力による)を形成させうることが明らかになる。
【0065】
即ち、90mmを上廻る長さ(寸法5)および3g/mmを上廻る立方度(Kubitaet)を有する大きな破片は、50%を上廻る質量収率でロール(直径1m)を用いて約90mmのロール間隔で形成させることができる。微細な破片(寸法2、1および0、40mm未満の長さで)の副次的量は、5質量%未満である。
【0066】
他面、40mm未満の長さを有する微細な破片(寸法2、1および0)は、例えば80%を上廻る質量収率でロール間隔30mmと引続くロール間隔8mmとの組合せ(ロール直径650mm)で形成させることができる。大きな破片(寸法4および5)の副次的量は、全く生じない。
【0067】
本実施例における質量収率を、比較の目的のために、別個の計量器によるかまたは破砕後および篩別後の個々の画分の質量測定により、計量器を有する選別装置の出口で測定した。
【0068】
"オンライン測定"で測定されるパラメーターを優先された制御装置および調整装置に再伝達し、これらの制御装置および調整装置で選択された所定のパラメーターと比較する。更に、必要に応じて、例えばロール型破砕機の間隙間隔を直接に補正するかまたは後調整し、測定されたパラメーターを所定のパラメーターとを一致させる。
【0069】
実施例4:
個々の画分の分離限界に関連するソフトウェアパラメーターを変更した。光学的分離装置を制御するための解決法において、個々の画分における破片の最大でも最小でもよい長さに関連する値を数ミリメートルだけ変えた。本実施例において、吹いて取り除くための分離限界を、画分2と3の間で27mmから31mmへ変更し、画分3と4の間で55mmから57mmへ変更した。数ミリメートルだけの前記プログラムパラメーターの変更は、既に製品の性質(例えば、長さ分布)に明らかである。即ち、個々の画分間の分離限界は、高い精度で解決法を簡単に選択することによって、柔軟にそれぞれの顧客の規格に適合させることができるか、または望ましい目標値を達成させるためのオンライン制御の範囲内で採用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施例中で使用される、前破砕機を備えた本発明による装置を示す系統図。
【図2】実施例2からの微粉砕の結果を示す図表。
【図3】分級された画分の破片の大きさの分布に対する、光電子分離装置で調整された選別限界"破片の最大長"の影響を示す図表。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕装置にポリシリコンの粗大な破片を供給する装置と破砕装置とポリシリコンの破片を分級するための選別機とを含む、多結晶性シリコンを微粉砕しかつ選別するための装置において、この装置は、制御部を装備しており、この制御部は、破砕装置中での少なくとも1つの破砕パラメーターおよび/または選別装置中での少なくとも1つの選別パラメーターの可変の調整を可能にすることを特徴とする、多結晶性シリコンを微粉砕しかつ選別するための装置。
【請求項2】
破砕装置から選別装置への搬送装置を含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
選別装置が分級されたポリシリコンの破片の定義されたパラメーターのための測定装置を備えており、前記測定装置が、測定されたパラメーターを所定のパラメーターと比較する、優先された制御装置および調整装置と結合されており、測定されたパラメーターと所定のパラメーターとがずれている場合には、破砕装置の破砕パラメーターの調整を、その際に測定されたパラメーターが所定のパラメーターに適合するように変えることができる、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
破砕装置が1〜10個の破砕機、特に1〜3個の破砕機からなる多段の破砕装置である、請求項1、2または3記載の装置。
【請求項5】
破砕機がロール型破砕機またはジョークラッシャー、有利にロール型破砕機、特に有利にスパイクロール型破砕機である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
選別装置が、多段の機械的篩別装置と多段の光電子分離装置とからなる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
二段の機械的篩別装置が樹状構造で構成された三段の光学的分離装置と組み合わされて使用されており、この場合ポリシリコンの破片の選別は、オンラインでのモニタリングを用いてポリシリコンの破片の長さ、面積、形、形態、色および質量の群から選択された判断基準の1つ以上により行なわれる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
選別装置の後方に完全自動の箱形充填装置および箱形輸送装置が存在する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
供給装置の前方に基盤ならびに微粉砕用のみおよび対向のみを破砕装置の部分として含む前微粉砕装置が存在し、この場合基盤、微粉砕用のみおよび対向のみは、基盤上に存在する、微粉砕すべきポリシリコン棒またはポリシリコンの破片がのみ間で、全てののみがシリコン棒またはポリシリコンの破片の範囲内でシリコン棒(ポリシリコンの破片)との接点を有するように調整されてよいように可動し、微粉砕用のみは、シリコン棒(ポリシリコンの破片)の前方および後方で作用軸線の方向に対向のみに対して安全な距離が生じるまで走行されてよく、ならびにSi破片を前微粉砕装置から供給装置へ搬送する輸送装置が存在する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の装置を用いてポリシリコンを微粉砕しかつ選別する方法。
【請求項11】
ポリシリコンの粗大な破片を、少なくとも1つの破砕パラメーターの可変の調整を可能にする破砕装置中に搬送し、この破砕装置中でポリシリコンの破片に微粉砕し、引続きこの破片を、選別装置中に搬送し、この選別装置中で分級し、その際に選別装置中でそれぞれポリシリコンの破片の定義されたパラメーターのための実際の値を測定し、測定された実際の値を、優先された制御装置および調整装置にさらに導き、制御装置および調整装置中で所定の目標値と比較し、実際の値と目標値とがずれている場合には、制御装置および調整装置は、破砕装置の破砕パラメーターの調整を、今や測定されたポリシリコンの破片の実際の値が所定の目標値に適合するように変化させる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
ポリシリコン棒を請求項8記載の装置中で熱的前処理なしにポリシリコンの破片に微粉砕する、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
45〜250mmの寸法の立方体のポリシリコンの破片において、破片の質量と破片の最大長とからの商が、平均で全ての破片3g/mm以上、有利に5g/mm以上であることを特徴とする、45〜250mmの寸法の立方体のポリシリコンの破片。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−275886(P2007−275886A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100870(P2007−100870)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】