説明

ポリビニルアルコール微粒子を含有する化粧料

【課題】肌への付着性に優れ、なおかつ光散乱効果による凹凸補正効果を示すとともに、仕上がり及び使用感にも優れた化粧料を提供する。
【解決手段】平均粒子径が0.01〜100μmのポリビニルアルコール微粒子を含有する化粧料を提供する。前記微粒子は、ポリビニルアルコールとアルデヒド化合物より得られる架橋構造を有する微粒子であるのが好ましい。特に、ポリビニルアルコール/アルデヒド化合物/酸触媒の混合水溶液を分散質とし、かかる混合水溶液および得られる微粒子が実質的に溶解しない有機溶媒を分散媒とするエマルジョンを形成し、分散質中でポリビニルアルコールをアセタール化して球状微粒子を生成することによって得られる微粒子であるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール微粒子を含有し、肌への付着性に優れ、なおかつ光散乱効果と仕上がり及び使用感に優れた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、毛穴や皺など皮膚上の凹凸を目立ちにくくする凹凸補正化粧料は、クリーム、ファンデーション、化粧下地、ゲル製剤、化粧水などの様々な製品形態で上市されている。従来の凹凸補正化粧品には、主としてシリカやシリコーン粉末などの汎用の球状粉末が用いられており、それらの球状粉末は、その形状に起因する光の表面散乱効果により凹部の陰影を低減し、凹凸を目立たなくするものである。
【0003】
しかし、これらの汎用の球状粉末自体は肌への付着性が悪いため、通常は、化粧料に同時に配合される各種の油性成分や皮膜成分によって肌表面に弱く付着されている。これら付着力の弱い従来の球状粉末を配合した化粧料を肌に塗布した場合、球状粉末の皮丘への付着は殆ど無く、選択的に皮溝へ集まる傾向がある。
【0004】
汎用の球状粉末の皮溝への選択的な局在化は肌の凹凸補正の観点では効果的であるが、併用する体質顔料やパール光沢顔料などの板状粉末が皮丘に局在しやすいため、球状粉末と板状粉末とが別々に局在する状態となり、いわゆるキメ(肌理)落ちと呼ばれる不自然な化粧肌の仕上がり状態に繋がるという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、板状粉末の表面に光散乱性を有する物質を被覆した各種の複合粉体が開発されている。これらは板状粉末に光散乱性を付与することにより皮溝と皮丘の境界を不明瞭にし、自然な仕上がりを演出するものである。その一例として雲母チタンなどパール光沢顔料とポリメタクリル酸メチル(PMMA)の球状微粒子の混合スラリーをスプレードライヤーで乾燥させることにより、雲母チタン表面に球状PMMAを被覆した複合粉体が挙げられる(特許文献1)。 また、雲母等の各種体質顔料の表面に湿式法により球状の硫酸バリウムを被覆した複合粉体も開発されている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開平9−48707号公報
【特許文献2】特開2004−300080 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の複合粉体は、あくまで板状粉末を改良したものであって、板状粉末が元来有する欠点、例えば、使用感触の滑らかさに劣る点は完全には解消し得ない。従って、滑らかな使用感触を有し、なおかつ付着性に優れ、自然な仕上がりを演出することのできる球状粉末の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定粒径を有するポリビニルアルコール微粒子を配合することにより、肌への付着性、光の散乱性による自然な仕上がり、及び使用感に優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、平均粒子径が0.01〜100μmのポリビニルアルコール微粒子を含有することを特徴とする化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0010】
(1)本発明の化粧料は、自然な仕上がりに優れている。上記ポリビニルアルコール微粒子の配合により皮丘でも光散乱効果が発現しキメ落ちがなく良好な化粧効果が得られる。
(2)本発明の化粧料は使用感に優れている。上記ポリビニルアルコール微粒子が弾性のある使用感触を有しているため、それを配合した化粧料は軟らかで、滑らかな感触がある。また、ポリビニルアルコール微粒子の内部に汗や皮脂が吸収されるため、肌に塗布した場合にテカリを抑制する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の化粧料は、平均粒子径が0.01〜100μm、好ましくは1〜100μmのポリビニルアルコール微粒子(以下「PVA微粒子」とする)を含有することを特徴としている。
本発明で使用されるPVA微粒子は、ポリビニルアルコールのアセタール化物またはその架橋物からなる球状の水膨潤性微粒子であるのが好ましい。特に、ポリビニルアルコールとアルデヒド化合物より得られる架橋構造を有する微粒子であるのが好ましい。
【0012】
前記の平均粒子径は、例えば電子顕微鏡観察によって測定した各微粒子の粒子径を数平均した値(一次粒子径)とすることができる。PVA粒子の平均粒子径が0.01μm未満では透明性が高すぎるため凹凸補正効果が得難く、100μmを超える場合にはザラツキ等が認められ、使用感が好まれなくなる場合がある。
【0013】
本発明におけるPVA微粒子は、(i)PVA/アルデヒド化合物/酸触媒の水溶液を分散質とし、かかる水溶液と得られるPVA微粒子とを実質的に溶解しない有機溶媒を分散媒とするエマルジョンを形成し、分散質中でPVAをアセタール化して微粒子を得る方法、あるいは、(ii)PVAのアセタール化物を作製し、これを粉砕して微粒子化する方法等によって製造することができる。これらの製造方法のうち、球形で粒径分布が狭い粒子が得られ、未反応原料等の除去が容易であるという点で前記(i)の方法が好ましい。
【0014】
前記(i)の製造方法は、以下の3工程を具備している。
(1)実質的に水と相溶しない有機溶媒を分散媒とし、PVA、アルデヒド化合物、及び酸を含有する混合水溶液を分散質とするエマルジョンを作製する。
(2)前記エマルジョンを加熱し、分散質中でPVAとアルデヒド化合物によるアセタール化反応を進行させ、水に不要なPVA微粒子を形成させる。
(3)得られたPVA微粒子を濾別、洗浄の後、乾燥する。
【0015】
前記工程(1)における混合水溶液は、PVA水溶液にアルデヒド化合物、および酸を添加、混合することにより調製する。ここで、PVAの濃度は、通常は10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%とする。PVA濃度が50質量%より高いとPVA水溶液の作製が困難になり作業性も低下する。逆にPVA濃度が10質量%より低いと溶媒中で均一に分散しにくくなる。
【0016】
前記工程(2)におけるエマルジョンの作製は、分散媒中に工程(1)で調製したPVA混合水溶液を加え、強攪拌することにより実施する。エマルジョン化に用いる攪拌装置としては、強攪拌が可能なものであれば特に限定されないが、好ましくはホモジナイザーが用いられる。攪拌速度は、分散媒と分散質の配合比、それぞれの粘度、攪拌装置の種類等によって一概に言えないが、通常は2000rpm以上、より好ましくは3000rpm以上とする。攪拌速度が遅すぎると、エマルジョンの粒径が大きくなり、所定の平均粒子径を持ったPVA微粒子が得られなくなる場合がある。
なお、得られたエマルジョンの安定性を向上させるため、油中水型エマルジョンにおいて乳化剤として用いられる公知の界面活性剤などを用いることも可能である。
【0017】
前記工程(2)において推奨される反応条件は次の通りである。
・反応温度:通常は30〜100℃、より好ましくは40〜80℃
・反応時間:通常は1分〜3時間、より好ましくは5分〜1時間
【0018】
前記工程(3)における後処理は、工程(2)で得られたエマルジョンを濾過等によって固液分離し、得られたPVA微粒子を洗浄して、微粒子表面に残存する分散媒、未反応のアルデヒド化合物、および残存触媒を除去することを含む。
工程(3)で用いられる洗浄溶媒としては、分散媒洗浄用には、ヘプタン、ヘキサンなどの炭化水素類が好ましく、未反応原料、触媒の除去、さらに先に用いた洗浄用炭化水素の除去にはメタノール、エタノール等のアルコール類が好ましい。
さらに、得られたPVA微粒子を乾燥によって微粒子中の水分を除くのが好ましい。好ましい乾燥条件は次の通りである。
・乾燥温度:通常は20〜120℃、より好ましくは50〜110℃
・乾燥時間:通常は50〜500分、より好ましくは100〜200分
【0019】
上記の製造方法において原料として使用するPVAは、ケン化度が比較的低いものが好ましい。例えば、70〜90モル%、特に75〜85モル%のケン化度を持ち、平均重合度が200〜2000、特に300〜1000であるPVAが好ましく用いられる。PVAのケン化度が高すぎると生成される微粒子が硬くなったり、水による膨潤度が低下する場合があり、ケン化度が低すぎると水溶性が乏しくなり、製造時に均一な水溶液を得ることが困難になる場合がある。
【0020】
PVAは市販品であってもよく、例えば、Aldrich社もしくは東京化成社から市販されている試薬、あるいは日本合成化学工業社から発売されているゴーセノール(登録商標)等が挙げられる。これら市販品には種々の重合度及び/又はケン化度を有するものがあるが、前記の好ましいケン化度を有する市販品として、日本合成化学工業製のゴーセノール(登録商標)GグレードあるいはKグレードなどを例示することができる。
【0021】
アルデヒド化合物は、モノアルデヒド化合物、ジアルデヒド化合物、又はポリアルデヒド化合物を含む。具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド化合物;グリオキザール、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物;及びジアルデヒド澱粉、ポリアクロレイン等のポリアルデヒド化合物が挙げられる。これらのアルデヒド化合物は、例えば、Aldrich社もしくは東京化成社から市販されている試薬を使用することもできる。
アルデヒド化合物の中では、架橋物を得るという観点からジアルデヒド化合物が好ましく、ジアルデヒド化合物の中でも、安全性が高い点でグルタルアルデヒドが特に好ましい。
【0022】
酸は、PVAのアルデヒド化合物によるアセタール化反応の触媒として作用する成分である。使用する酸は無機酸又は有機酸であってよいが、小量の添加で大きな触媒効果が得られる点から、無機酸、特に塩酸が好ましい。ここで用いられる酸は、市販の試薬あるいは工業用原料として入手が可能である。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、等の無機酸。シュウ酸、酢酸、等の有機酸などが挙げられる。
【0023】
酸の添加量としては、アルデヒド化合物に対して、通常は1〜50モル%、好ましくは2〜20モル%の範囲とする。酸の添加量が少なすぎると、アセタール化反応速度が不充分となり、PVA微粒子の製造に長時間を要してしまう。また酸の添加量が多すぎると、反応速度が早くなりすぎ、安定してPVA微粒子が得ることが困難になる場合がある。
【0024】
分散媒は、実質的に水と相溶せず、生成したPVA微粒子を溶解することない有機溶媒であることが必要であり、その条件を満たす媒体であれば特に限定されるものではないが、上記分散質を均一に分散できる点から炭化水素類、特に、脂肪族飽和炭化水素類が好ましい。中でも、安全性が高い点で流動パラフィンが好ましい。
【0025】
分散媒の量は、PVA、アルデヒド化合物、及び酸を含有する混合水溶液からなる分散質100重量部に対して、通常は100〜3000重量部、より好ましくは300〜2000重量部、さらに好ましくは500〜1000重量部の範囲とする。分散媒の量が少なすぎると、分散性が悪くなり多数粒子の集合体が形成されやすく粒子の平均粒経が大きくなる傾向にある。一方、分散媒の量が多すぎると、生産効率が低下する。
【0026】
上述の方法に従って製造することにより、本発明に適した0.01〜100μmの平均粒子径を持つ球状のPVA微粒子を得ることができる。なお、このPVA微粒子は水性溶媒に膨潤するという特質も有している。
【0027】
一般に「ミクロゲル」と呼ばれる微粒子は、主としてナノメートルオーダーの大きさの極微小粒子であり、アクリル系ポリマーからなるミクロゲルが化粧料における増粘剤として優れているとの知見が得られている(例えば、特開2004−43785号公報参照)。
これに対して、上記の方法で得られる本発明のPVA微粒子は、化粧品の感触改良に適したマイクロメートルオーダーの微粒子であり、光の散乱特性や使用感触の向上に非常に効果的である。
【0028】
また、本発明で用いる微粒子は、肌への付着性に優れたPVAを主原料とする微粒子であるため、シリカやシリコーン樹脂粉末のような従来の球状粒子と異なり、皮丘への付着性が優れている。さらに、PVAのケン化度を適当に制御することにより両親媒性とすることにより、親水性及び親油性を含む種々の化粧品基剤への配合が可能である。
【0029】
本発明の化粧料は、上記で詳述したPVA微粒子を、適当な媒体(好ましくは水又は水溶性の化粧料成分が溶解した水相)に常法により混合分散させることによって得ることができる。すなわち、本発明の化粧料は、極めて簡単な製造プロセスによって生産可能という優れた商業的価値をも有する。
【0030】
本発明の化粧料におけるPVA微粒子の配合量は、化粧料の全量に対して通常は0.01〜60質量%、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で配合する。PVA微粒子の配合量が0.01質量%未満では十分な光散乱効果が得られにくく、60質量%を超える配合量では化粧料としての製剤化が困難になる場合がある。
【0031】
本発明の化粧料に配合されるPVA微粒子は、従来のミクロゲルと比較して粒径が大きいため、ろ過等により容易に含水粒子あるいは乾燥粒子として取り出すことができる。従って、通常は希薄スラリー状態で存在する従来のミクロゲルと比較し、化粧料への配合量を飛躍的に増加することができるという。
【0032】
また本発明の化粧料に用いられるPVA微粒子は、付着性に優れたミクロンオーダーの粒子である。従って、毛穴やキメ等の浅い凹凸のみならず、皺、さらには傷や火傷跡といった深い凹凸にも入り込み留まることが可能であるため、様々な肌の凹凸の補正が可能である。即ち、本発明の化粧料は、毛穴、皺、傷跡、縫合跡、やけど跡など皮膚の凹凸を目立たなくする化粧料として特に適している。
【0033】
よって、本発明の化粧料は、特に化粧下地、乳化ファンデーション、クリームなどの水性基剤または乳化基剤を基剤とする凹凸補正化粧料として特に適している。
【0034】
本発明の化粧料は、前記PVA微粒子に加えて、化粧料、医薬品等に通常使用される種々の成分を必要に応じて配合することができる。例えば、油分、薬効成分、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉体、香料、色素などを挙げることができる。
【0035】
油分は、液状油分、固型油分、半固型油分又は水に難溶性の物質のいずれでもよい。例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸2-エチルヘキシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸(ベヘニル)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸、ラウリンアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセレンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の直鎖、分岐高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカリン、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体等のビタミン類、ステロール類、天然及び合成の香料等が挙げられる。ここで、融点が常温以下を液状油分、融点が常温以上を固型、半固型油分と区別される。
【0036】
薬剤成分は、油溶性、水溶性、両親媒性のいずれも適用し得る。具体的には、例えば、美白剤、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、各種アミノ酸およびその誘導体や酵素、抗酸化剤、育毛剤などの薬剤が挙げられる。
【0037】
美白剤としては、アルブチン等のハイドロキノン誘導体、コウジ酸、L−アスコルビン酸(ビタミンC)およびその誘導体、パントテニールエチルエーテル、トラネキサム酸およびその誘導体、プラセンタエキスや植物抽出物(例えばカミツレエキス等)等の各種抽出物などが例示される。
L−アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレート等のL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレートなどのL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L−アスコルビン酸ジリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸ジエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレートなどのL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのアスコルビン酸トリエステル類;L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。L−アスコルビン酸およびその誘導体としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシドまたはそれらの塩が挙げられる。
【0038】
トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)などが挙げられる。
【0039】
抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン、グリチルリチン酸塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、等)、アラントインなどが挙げられる。
保湿剤としては、例えば尿素などが挙げられる。
抗菌剤としては、例えばレゾルシン、イオウ、サリチル酸などが挙げられる。
ホルモン剤としては、例えばオキシトシン、コルチコトロピン、バソプレッシン、セクレチン、ガストリン、カルシトニン、ヒノキチオール、エチニルエストラジオールなどが挙げられる。
【0040】
ビタミン類としては、例えばビタミンAおよびその誘導体(例えば、レチノール、ビタミンAパルミテート、等)、ビタミンB6、ビタミンB6塩酸塩等のビタミンB6誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、β−カロチンなどが挙げられる。
各種アミノ酸およびその誘導体や酵素としては、例えばL−グルタミン酸やウロカニン酸、トリプシン、塩化リゾチーム、キモトリプシン、セミアルカリプロテナーゼ、セラペプターゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼなどが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えばチオタウリン、グルタチオン、カテキン、アルブミン、フェリチン、メタロチオネインなどが挙げられる。
育毛剤としては、例えばβ−グリチルレチン酸、パントテニルエチルエーテル、ミノキシジルなどが挙げられる。
また、カンファー、メントール等の清涼剤も用いられ得る。
【実施例】
【0041】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
最初に、本発明で用いられるPVA微粒子の製造例を示す。以下、配合量は特に断りのない限り質量%で表す。
【0042】
(製造例1)
PVA(ケン化度78.5モル%、平均重合度500)の30%水溶液20g、グルタルアルデヒドの25%水溶液4g、および0.5N塩酸1.9gを混合して得られた水溶液を、流動パラフィン150g中に添加し、ホモジナイザーにて攪拌速度4000rpmで攪拌し、流動パラフィン中に上記水溶液が微分散したエマルジョンを得た。
得られたエマルジョンを容器ごと水浴にいれ、攪拌速度4000rpmで攪拌しながら50℃まで昇温し、昇温後50℃のまま10分間加熱、水相中でPVAのアセタール化による架橋反応を行い、微粒子状の含水ゲルを得た。
攪拌しながら室温まで冷却し、ヌッチェにて吸引濾過後、ヌッチェ上の微粒子をヘプタンで洗浄して流動パラフィンを除去し、さらにエタノールで洗浄してヘプタンを除去した。
105℃の熱風乾燥機中で120分間乾燥し、PVA微粒子を得た。
得られたPVA微粒子を電子顕微鏡にて観察し(図1参照)、無作為に抽出した50個の平均粒径を求めたところ36μmであった。
【0043】
(製造例2)
製造例1において、各原料の配合量を下記の表1(右欄)に示すように変えた以外は製造例1と同様にしてPVA微粒子を製造した。
得られたPVA微粒子の平均粒径は30μmであった。
【0044】
【表1】

【0045】
(実施例1〜2及び比較例1)
下記の表2に示す組成を有する下地化粧料を調製した。なお、比較例1は本発明のPVA微粒子に換えて従来の球状無機粉末(球状シリカ)を配合した化粧料である。
・化粧料の調製方法:
各水溶性成分を精製水に加熱溶解後、ホモミキサーにて分散し水相を作成した。得られ水相に各粉末成分を添加しホモミキサー分散を行った後、あらかじめ加熱溶解した油相成分を添加し、加熱状態で乳化を行った。得られた乳化組成物を更に30℃以下に冷却し、脱気することによりO/W下地化粧料を得た。
【0046】
・評価方法及び評価基準:
専門パネル10名により、使用感(「なめらかさ」「肌への付着性」「厚付き」)、及び仕上がり(「毛穴やキメが目立たない」「色むらが目立たない」)の良否を下記の基準によって評価した。
◎:10名中7名以上が「良い」「実感できる」と答えた。
○:10名中5名以上が「良い」「実感できる」と答えた。
△:10名中3名以上が「良い」「実感できる」と答えた。
×:10名中2名以下が「良い」「実感できる」と答えた。
【0047】
【表2】

【0048】
・使用感の評価
表2に示す通り、上記のPVA微粒子を配合した本発明の下地化粧料(実施例1及び2)は、PBA微粉末の弾性により、塗布時のなめらかさ、肌への付着性といった使用感触に優れていた。また従来の球状無機粉末(シリカ)を含む下地化粧料よりも厚付きが可能であり、肌の凹凸をカバーするのに効果的であった。
【0049】
・仕上がりの評価
上記に示したように、各実施例の下地化粧料は、特に従来のシリカ等の球状無機粉末では得られなかった厚付きが可能になったことから、毛穴やキメなどの肌の凹凸が格段に目立たなくなった、また光の散乱特性にも優れ、色むら補正効果についても、球状無機粉末を含む従来の化粧料に匹敵するものであった。
【0050】
(処方例1)W/O化粧下地
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 1
ジメチルポリシロキサン(6mPa・s) 5
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 3
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
キシリット 0.5
イソステアリン酸 0.5
アルキル変性シリコン樹脂被覆無水ケイ酸 2
タルク 0.5
ステアリン酸アルミニウム 1
ベンガラ被覆雲母チタン 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
L−セリン 0.1
オトギリソウエキス 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.2
チオタウリン 0.1
トゲナシエキス 0.1
シャクヤクエキス 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
ユキノシタエキス 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
パルミチン酸デキストリン被覆黄酸化鉄 0.1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1
精製水 残余
トリメチルシロキシケイ酸 1.5
球状ポリエチレン末 5
香料 適量
【0051】
(処方例2)O/Wリキッドファンデーション
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 6
ベヘニルアルコール 0.5
ジプロピレングリコール 6
ステアリン酸 1
モノステアリン酸グリセリン 1
水酸化カリウム 0.2
トリエタノールアミン 0.8
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
黄酸化鉄 1
α−オレフィンオリゴマー 3
ジメチルポリシロキサン(6mPa・s) 2
ジメチルポリシロキサン(100mPa・s) 5
バチルアルコール 0.5
イソステアリン酸 1
ベヘニン酸 0.5
2−エチルヘキサン酸セチル 10
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
酸化チタン 3
雲母チタン・ポリアクリル酸アルキル複合粉末 0.5
シリカ/アルミナ処理酸化チタン 10
ポリアクリル酸アルキル被覆雲母チタン 0.5
黒酸化鉄被覆雲母チタン 0.5
パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2
ベンガラ 適量
群青 適量
黒酸化鉄 適量
法定色素 適量
キサンタンガム 0.1
ベントナイト 1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
精製水 残余
香料 適量
【0052】
(処方例3)二層タイプファンデーション
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 5
エタノール 10
グリセリン 10
1,3−ブチレングリコール 7
シリカ被覆酸化チタン 8
合成金雲母 3
ベンガラ被覆雲母チタン(演色性パールG) 2
塩化ナトリウム 0.3
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
ムクロジエキス 0.1
甜茶エキス 0.1
ユリエキス 0.1
ベンガラ 0.1
ジェランガム 0.1
多孔性球状セルロース 0.1
ラベンダーエキス 0.1
精製水 残余
【0053】
(処方例4)美白化粧水
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 0.3
エタノール 10
ジプロピレングリコール 1
ポリエチレングリコール1000 1
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.15
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.2
水酸化カリウム 0.4
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
塩酸アルギニン 0.1
オドリコソウエキス 0.1
トラネキサム酸 2
4−メトキシサリチル酸カリウム 1
エデト酸三ナトリウム 0.05
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.01
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
パラベン 適量
海洋深層水 3
精製水 残余
香料 適量
【0054】
(処方例5)美白保湿ローション
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 0.5
グリセリン 1
ジプロピレングリコール 12
エタノール 8
POEメチルグルコシド 3
POE(24)POP(13)デシルテトラデシルエーテル 0.5
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.5
チオタウリン 0.1
アデノシン3リン酸−2ナトリウム 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
EDTA3ナトリウム 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
L−アスコルビン酸2−グルコシド 2
アルブチン 0.05
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
【0055】
(処方例6)保湿化粧水
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 0.2
エタノール 5
POEオレイルアルコールエーテル 2
コハク酸ジエトキシエチル 3
2−エチルヘキシル−P−ジメチルアミノベンゾエート 0.18
1,3ブチレングリコール 9.5
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
ニコチン酸アミド 0.3
グリセリン 5
香料 0.05
精製水 残余
【0056】
(処方例7)日中美容液
成分 配合量(質量%)
製造例2の微粒子 1
エタノール 4
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
オクチルメトキシシンナメート 0.2
流動パラフィン 0.02
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
トリメチルグリシン 1
ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.1
α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 0.1
チオタウリン 0.1
緑茶エキス 0.1
西洋ハッカエキス 0.1
イリス根エキス 0.1
HEDTA3ナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.02
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
香料 適量
【0057】
(処方例8)ノンアルコール化粧水
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 0.3
グリセリン 2
1,3−ブチレングリコール 4
エリスリトール 1
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
フェノキシエタノール 適量
メチルポリシロキサン 0.02
N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸 0.1
精製水 残余
【0058】
(処方例9)とろみ化粧水
成分 配合量(質量%)
製造例1の微粒子 0.1
エタノール 5
グリセリン 0.5
ジプロピレングリコール 2
1,3−ブチレングリコール 6
ローズマリー油 0.01
セージ油 0.01
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
ムクロジエキス 0.1
エイジツエキス 0.1
ユリエキス 0.1
オウバクエキス 0.1
トゲナシエキス 0.1
木苺エキス 0.1
ラベンダー油 0.1
トウニンエキス 0.1
レチノール 0.02
アルギン酸ナトリウム 0.001
精製水 残余
【0059】
(処方例10)美白化粧液
成分 配合量(質量%)
製造例2の微粒子 0.3
ジメチルポリシロキサン 5
グリセリン 2
1,3−ブチレングリコール 5
ポリエチレングリコール1500 3
ポリエチレングリコール20000 3
オクタン酸セチル 3
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2
酢酸トコフェロール 0.1
オウゴンエキス 0.1
ユキノシタエキス 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.05
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR-2) 0.05
寒天末 1.5
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
精製水 残余
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、肌への付着性に優れ、かつソフトフォーカス効果と使用感に優れた化粧料を提供することが出来る。本発明の化粧料は、その優れた付着性により厚みのある化粧膜の作成が容易であり、その高いソフトフォーカス効果から、化粧料による凹凸補正効果の印象を消費者に有効にアピールできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】製造例1で製造したポリビニルアルコール微粒子のSEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が0.01〜100μmのポリビニルアルコール微粒子を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
前記微粒子がポリビニルアルコールとアルデヒド化合物より得られる架橋構造を有する微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記微粒子が、ポリビニルアルコール/アルデヒド化合物/酸触媒の混合水溶液を分散質とし、かかる混合水溶液および得られる微粒子が実質的に溶解しない有機溶媒を分散媒とするエマルジョンを形成し、分散質中でポリビニルアルコールをアセタール化して球状微粒子を生成することによって得られるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記アルデヒド化合物が多官能アルデヒド化合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の化粧料。
【請求項5】
前記アルデヒド化合物がグルタルアルデヒドであることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
前記ポリビニルアルコールが、重合度200〜2000且つケン化度70〜90%であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧料。
【請求項7】
毛穴、皺、傷跡、縫合跡、やけど跡など皮膚の凹凸を目立たなくすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2010−143830(P2010−143830A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319427(P2008−319427)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(000004101)日本合成化学工業株式会社 (572)
【Fターム(参考)】