ポリマの指向性自己組織化を利用するサブリソグラフィ構造の形成方法
【課題】 ポリマの指向性自己組織化を利用するサブリソグラフィ構造の形成方法を提供する。
【解決手段】 ブロック・コポリマの自己組織化を含む方法であって、目標とするCD(限界寸法)を有する開口部(1つ又は複数の基板内の)から開始して、ホールを規則的な配列又は任意の配列に形成する方法を説明する。重要なことに、形成されたホールの平均直径の百分率ばらつきは、最初の開口部の平均直径の百分率ばらつきより小さくなる。形成されたホール(又はビア)を下層の基板に転写することができ、次にこれらのホールを金属導体のような材料で埋め戻すことができる。本発明の好ましい態様は、22nm以下の技術ノードにおいても、より狭いピッチ及びより優れたCDの均一性を有するビアの作成を可能にする。
【解決手段】 ブロック・コポリマの自己組織化を含む方法であって、目標とするCD(限界寸法)を有する開口部(1つ又は複数の基板内の)から開始して、ホールを規則的な配列又は任意の配列に形成する方法を説明する。重要なことに、形成されたホールの平均直径の百分率ばらつきは、最初の開口部の平均直径の百分率ばらつきより小さくなる。形成されたホール(又はビア)を下層の基板に転写することができ、次にこれらのホールを金属導体のような材料で埋め戻すことができる。本発明の好ましい態様は、22nm以下の技術ノードにおいても、より狭いピッチ及びより優れたCDの均一性を有するビアの作成を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナノスケール・レベルの構造体を形成する方法に関する。より具体的には、本発明はブロック・コポリマを用いて、直径が相対的に均一なホールを有する構造体を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、典型的には、基板の上に形成される回路のネットワークを含む。デバイスは回路配線の幾つかの層からなり、種々の相互接続がこれらの層を互いに接続し、そして任意の下にあるトランジスタと接続するのに用いられる。一般に、製造プロセスの一部分として、ビア又はコンタクト・ホールがパターン化層内に形成され、下にある層に転写され、次に金属で充填されて相互接続が形成され、その結果回路の種々の層が相互に電気通信する状態になる。
【0003】
相互接続を形成する従来技術の方法は一般に、ビアの位置及び寸法の画定が、一連のリソグラフィ及びエッチング・ステップに依存し、言い換えるとこのビアの位置及び寸法が対応する相互接続の位置及び寸法を定める。この目的のために、フォトレジスト及びハードマスクを用いることができる。しかしながら、大量生産用の従来の光リソグラフィ技術(例えば、193nmドライ及び液浸リソグラフィ)を使用して形成される構造の寸法は、リソグラフィ・ツールの解像度限界に達している。より狭いピッチで適切な均一の限界寸法(CD)を有するビアの作成は、将来の技術の結節点に向けての主要な課題の1つである。国際半導体技術ロードマップ(ITRS)は、適正なデバイス性能を保証するために、全体的なCDのばらつき(3σ、ここでσは限界寸法の標準偏差である)がCDの10%未満であることを要求する(ITRSリソグラフィ・ロードマップ、2007年度版、pp.12−13参照)。しかしながら、従来の光リソグラフィを用いて22nmノードを超えることは、高価で複雑な二重パターン化プロセス、解像度向上技術(計算リソグラフィ)、及び厳密なレイアウト設計制限を用いても、困難であると予想される。
【0004】
ブロック・コポリマ(BCP)のパターン化は、より小さい寸法のパターンを作成する問題に対する可能な解決法として注目されてきた。適切な条件下では、このようなコポリマ相のブロックはミクロドメイン(「ミクロ相分離ドメイン」又は「ドメイン」としても知られる)に分離して全自由エネルギーを減少させ、異なる化学組成の複数のナノスケール構造がこのプロセスの中で形成される。このような構造を形成するブロック・コポリマの能力はナノパターン化に用いるのに魅力的であり、より小さいCDの構造を形成し得るという点で、これは、他の場合に従来のリソグラフィを用いて印刷するのが難しい構造の構築を可能にするはずである。
【0005】
指向性自己組織化(DSA)は、リソグラフィで画定されたパターン化基板上に自己組織化ナノスケール・ドメインを生成することによって、現在のリソグラフィの解像度限界を拡大する可能性のある候補である。これは、自己組織化の特徴をリソグラフィで画定された基板と組み合わせて、ある特定の自己組織化BCPドメインの空間配置を制御する方法である。1つのDSA技術はグラフォエピタキシであり、ここで自己組織化は、リソグラフィでプレパターン化された基板のトポグラフィ的構造によって導かれる。BCPグラフォエピタキシは、プレパターン自体よりもさらに小さい特性寸法を有するサブリソグラフィック自己組織化構造をもたらす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】”Handbook of Semiconductor ManufacturingTechnology”, Y. Nishi,R. Doering 編集、 New York: MarcelDrekker, 2000.
【非特許文献2】H. M.Marchman, “CriticalDimensional Metrology” in Microlithgraphy:Science and Technology, J. R. Sheats, B. W. Smith 編集、New York: Marcel Drekker, 1998、12章。
【非特許文献3】WilliamK. Pratt, “Digital ImageProcessing”、第2版、Wiley-IntersciencePublication, ISBN 0-471-85766-1, 1991.
【非特許文献4】”Introduction to Microlithography”, 第2版、Larry F. Thompson, C. Grant Willson and Murrae J. Bowden 編集、American Chemical Society, Washington, DC, 1994.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ブロック・コポリマの指向性自己組織化を利用して、サブリソグラフィ構造を形成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、CDのばらつきを減らし、パターン忠実度を改善し、そして任意に配置されたビア及びそれらのビア内に形成される垂直相互接続のプロセス・ウィンドウ(例えば、露光寛容度)を増加させる。本発明の好ましい態様は、狭いピッチ(例えば、22nm以下のノード)で適切なCDの均一性を有するビアの作成を可能にする。内部に開口部の集団を有する基板にブロック・コポリマを塗布する方法を開示する。自己組織化ドメインが形成され、開口部の各々の中の中心ドメインになり、次にその中心ドメインを選択的に除去してホールを形成することができ、このホールを下層の基板に転写することができる。
【0009】
最初の開口部の各々を円筒形状にしようとする場合には、開口部の各々は理想的には均一の直径を有する必要があり、さらに各開口部の直径は同じにする必要がある。しかしながら、実際には、これらの開口部の各々はこの理想からはずれる可能性があるので、形状が実質的に円筒形である単一の開口部のCDに対する適切な測定基準はその平均直径である。さらに、CDは開口部ごとにずれる可能性がある。それにもかかわらず、それらそれぞれの限界寸法に比較的大きなばらつきを有する最初の開口部の集団に対しても(例えば、1つの実質的に円筒形の開口部の平均直径が別のものと多少異なる場合)、本明細書で開示する方法は、最初の開口部と比べて、相対的により均一なCDのホールの形成(塗布ポリマの自己組織化及びエッチング・ステップの後)をもたらす。
【0010】
本発明の一態様は、目標とする限界寸法(CD)が200nm未満の個別の開口部を有する基板を準備することを含む方法であって、ここで開口部は標準偏差σopenings及び平均CDopeningsによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、3σopeningsは平均CDopeningsの少なくとも10%である。本方法はまた、基板の上に、コポリマの成分が互いに混合しないブロック・コポリマを含むポリマの層を塗布することを含む。ポリマが開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメイン内に自己組織化中心ドメインを形成することを可能にする。中心ドメインは選択的に除去され、それにより各々の中心ドメインがあった場所にホールが形成され、このホールは標準偏差σholes及び平均CDholesによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、ここで、σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.8倍より小さい(又は0.7倍より小さい、又は0.5倍よりも小さい)。本方法はさらにホールを基板に転写し、そのホールを材料で埋め戻すことを含むことができる。基板は少なくとも1つのレジスト、ハードマスク又は反射防止コーティングを含むことができる。ポリマをアニールして、自己組織化中心ドメイン及び周囲の自己組織化ドメインの形成を誘起することができる。目標とするCDを有する開口部の数は、少なくとも100、又はさらに多く、例えば少なくとも1000とすることができる。個別の開口部は円形とすることができ、この場合目標とする限界寸法は円形開口部の直径の基準とすることができる。代替的に、個別の開口部を楕円形とすることができる。形成されるホールを周期的配列に配置することができ、又はそれらは周期的配列を形成しなくともよい。
【0011】
本発明の別の態様は、各々が目標とする直径が200nm未満の開口部を有する複数の基板を準備することを含む方法であって、ここで目標とする直径は基板の各々に対して同じである。開口部は、標準偏差σopenings及び平均直径openingsによって特徴付けられる統計的ばらつき(基板内の開口部の全てに対して)を有する平均直径を有し、3σopeningsは目標とする直径の少なくとも10%である。基板の各々の上に、コポリマの成分が互いに混合しないブロック・コポリマを含むポリマの層を塗布する。ポリマが基板の各々の中の開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメイン内に自己組織化中心ドメインを形成することを可能にする。中心ドメインは基板の各々から選択的に除去され、それにより各々の中心ドメインがあった場所にホールが形成される。ホールは、標準偏差σholes及び平均直径holesによって特徴付けられる、それぞれの直径および直径の統計的ばらつき(基板内におけるホールの全てに対して)を有する。比σholes/平均直径holesは、σopenings/平均直径openingsの0.8倍より小さい。本方法は、基板に同時に適用することができ(例えば幾つかの基板を一度に処理することができる)、又は代替的に、本方法を基板に順次(組立ラインのプロセスにおけるように1つの基板から次の基板へ)適用することができる。
【0012】
本発明の別の態様は、内部に開口部を有する表面を有する基板を準備することを含む方法であり、ここで開口部は目標とする直径が200nm未満の、重なるホールから形成されるのと等価の境界を有する。このホールは、その側壁が隣接する突出部を定める側壁を有し、重なるホールは、標準偏差σoverlapping holes及び平均直径overlappingholesによって特徴付けられるそれぞれの直径及び直径の統計的ばらつきを有する。コポリマの成分が互いに混合しないブロック・コポリマを含むポリマの層を基板の上に塗布する。ポリマが、ホールの1つに対応する開口部の各々の部分の内部に単一の個別の分離したドメインを形成することを可能にする。次に、個別の分離したドメインの少なくとも幾つかを除去してホールを形成し、ここで形成されたホールは、標準偏差σformed holes及び平均直径formed holesによって特徴付けられるそれぞれの直径及び直径の統計的ばらつきを有する。各々の個別の分離したドメインの位置は、少なくとも1つの側壁と、その少なくとも1つの側壁の少なくとも部分を形成する突出部とによって予め決められる。また、個別の分離したドメインはそれぞれの幾何学的中心を有し、いずれの所与のドメインに対しても、その中心と所与のドメインの最近接物の中心とは、所与のドメイン及び所与のドメインの最近接物の位置を予め決める側壁に対応するホールの平均曲率半径の和より小さい距離だけ離される。さらに、σformed holes/平均直径formed holesは、σoverlapping holes/平均直径overlappingholesより小さく、例えば、0.8倍又はそれ以下とすることができる。本方法はまた、形成されたホールを基板に転写することを含むことができる。一実施例において、3σoverlapping holesは、目標とする直径の少なくとも10%である。
【0013】
図1乃至図9は、それぞれ平面図又は上面図を示す(3次元図を表す図7、及びデータを示す図4、図5及び図11を除く)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】基板内の円形の開口部から開始し、より小さいホールを少なくともブロック・コポリマを含むポリマ層を使用して形成することができ、自己組織化ドメインから形成されたホールのCDの百分率ばらつきが最初の開口部のCDの百分率ばらつきより小さくなる、本発明の実施を例示する。
【図2】図1に示す実施に関連した実験結果の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図3】図1に示す実施に関連した実験結果の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図4】図1に示す実施に関連した実験結果のそれら及び他の顕微鏡写真から導かれた結果を示す。
【図5】図1に示す実施に関連した実験結果のそれら及び他の顕微鏡写真から導かれた結果を示す。
【図6】ブロック・コポリマを含むポリマ・アセンブリを用いてセグメント化されたプレパターン内部に多数のホールが形成され、自己組織化ドメインからのホールのCDの百分率ばらつきが最初の開口部を構成する重るホールのCDの百分率ばらつきよりも小さい、本発明の実施を例示する。
【図7】図6(A)に対応する3次元表示を示す。
【図8】図6に示す実施に関連した走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図9】図6に示す実施に関連した走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図10】基板内の楕円形開口部から開始し、より小さい楕円形又は円形のホールを少なくともブロック・コポリマを含むポリマ層を用いて形成することができ、自己組織化ドメインから形成されたホールのCDの百分率ばらつきが、最初の開口部のCDの百分率ばらつきよりも小さい、本発明の実施のSEM顕微鏡写真を例示する。
【図11】それら及び他の顕微鏡写真から導かれた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ブロック・コポリマの指向性自己組織化(DSA)を含む方法を本明細書で説明するが、ここで、自己組織化ドメインが1つ又は複数の基板内の開口部(これらの開口部は予め選択された又は目標とするCD(例えば、ホールが円形の場合には直径)を有する)内に形成される。特定の自己組織化ドメインの選択的除去により、初めの開口部よりも小さいホールが生成される。これらのホールは規則的配列又は任意の配列に配置することができる。重要なことに、形成されるホールのCDの百分率ばらつきは、最初の開口部のCDの百分率ばらつきよりも小さい。形成されるホール(又はビア)を下層の基板に転写することができ、次に、これらのホールを金属導体のような材料で埋め戻すことができる。
【0016】
1.基板内の個別の円筒形開口部を用いる指向性自己組織化
実施例として、図1(A)は内部に開口部124を有する基板120の平面図を示す。(「基板」という用語は、本明細書で説明する方法のいずれによって用いるのにも適した任意の物理的構造体を意味するように広義に用い、半導体産業で用いられる基板を含むが必ずしもそれに限定されない)。明瞭にするために、4つの開口部124のみを図1に示すが、実際には遥かに多くの開口部、例えば、数百、数千又はさらに多くの開口部が通常用いられることになる。
【0017】
多数の開口部を作成するとき、これらの開口部はCD(例えば、円筒形開口部のこの実施例においては直径)の統計的分布を有する。このCDの統計的分布を平均(平均の)CD及びサンプルの標準偏差σによって特徴付けることが有用である。サンプルの標準偏差(σ)、値がどれほど広く平均値(平均)から分散するかの尺度である。サンプルの標準偏差(σ)は次式によって決められる。
【数1】
式中、CDAVERAGEはサンプル平均であり、nはサンプル数である。
【0018】
集積回路の構造体を製造する場合、構造部のサイズ及びサイズの均一性がデバイスの適切な機能に対して重要である。デバイス設計中に、構造部の目標とする限界寸法及び許容差値を指定する。典型的には、可能な許容差は公称CDの10%であり、一般にσの整数倍で(通常は3σ)表す。換言すれば、CDのサンプルの標準偏差の3倍が目標とするCDの10%より小さくなるべきである。さらなる詳細は、非特許文献1に与えられている。
【0019】
開口部124は、目標とする限界寸法又はCD(図1の場合、目標とする直径)を有するが、それにもかかわらず、少なくとも10%の相当なサイズのばらつきを有する(3σ>10%CD)。この状況は、例えば、開口部を光リソグラフィを用いて形成するとき、この開口部が小さいためにリソグラフィ・ツールが適切なCDの均一性を有する開口部を生成できない、例えば、解像度限界又はその近くで作業する場合に起こり得る。開口部124の各々は、垂直又は実質的に垂直(すなわち、基板120に直角)な側壁(図示せず)を有する。
【0020】
ブロック・コポリマ(及び以下に説明するように、場合により他の添加物)を含む指向性自己組織化(DSA)調合物を、図1(B)に示すように、基板120上にコーティングする。各々の開口部124に対して、ブロック・コポリマ相は、ドメイン142、146に分離し、単一の中心ドメイン146がドメイン142に囲まれる。用いるブロック・コポリマの種類によって、この自己組織化は、自発的に起きるか、又は、例えばアニーリング・プロセスの結果として誘起されても良い。開口部124の側壁上には、プレパターンの界面化学及び用いるブロック・コポリマの組成によって、この相分離プロセスの結果として生ずるドメイン142に対応する、ポリマの薄いコーティング(ブラシ層)が存在しても良い(又はしなくてもよい)。
【0021】
図1(C)に示すように、ドメイン146を選択的に除去してホールを形成することができ、次にこのホールを下層の基板120に転写して、コンタクト・ホール又はビア150のパターンを形成することができる。ドメイン146は、例えば、現像プロセス(例えばそれらを水性塩基現像液中で現像する)を用い、それらを溶媒内で溶解することによって、又はプラズマを用いてそれらをエッチング除去することによって、除去することができる。このプロセスは選択的にドメイン146のポリマを除去し、一方、ドメイン142のポリマは残す。結果として生じるビア150は有利なことに、その平均直径(この実施例では限界寸法)の百分率ばらつきが最初の開口部124におけるよりも小さくなる。
【0022】
自己組織化ドメインのCDを直接測定することは簡単ではない。ここでは、その代りに最終的に得られたビアのCDを測定した。最終的なビアの限界寸法は、ドメイン146を選択的に除去するのに用いる方法の選択により著しく影響され得ることを理解されたい。ここでは、酸素プラズマ・エッチング・プロセスを用いて、ドメイン146のCDをビアのCDにおいて密接に再現するように選択的にドメインを除去した。ドメイン146の選択的除去中にCD又はCDのばらつきを意図的に減らすための特定の選択的除去プロセスは何も用いなかった。
【0023】
種々の計測及び画像分析ツールを利用して、最初の開口部及び結果のビアのCDを決定することができる。例えば、限界寸法はSEM画像を分析することによって決定することができる。本明細書で開示する実施例におけるほぼ円形のホールのCD及び楕円形ホールの長軸及び短軸の長さは、SuMMITコンタクト分析ツールボックス(カルフォリニア州、マーティネス所在のEUV Technology社のソフトウェア部門によって開発され使用許諾された)を用いて決定され、縁部検出パラメータのプリセット方法は最初の開口部及び結果の/作成されたホールのSEM画像に対して最適化した。限界寸法の測定に関する計測問題は、非特許文献2に論じられている。
【実施例1】
【0024】
ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレートのジブロック・コポリマ(PS−b−PMMA、96kg/mol−35kg/mol、ポリマ源から)の層を、直径が60nm乃至100nmの開口部を有する硬化193nmレジスト(JSR AM2073J)パターンを含んだ基板上にスピンキャストした。(この開口部はeビーム・リソグラフィによって基板上のフォトレジスト内に予め作成したが、その理由はeビーム・リソグラフィにより、高価なフォトマスクを作成すること又は最先端の193nm液浸リソグラフィ・ツールを使用することを必要とせずに、多数の異なるテストパターンを迅速に作成できるためである。しかしながら、実施例1及び実施例2(以下を参照)の両方は光リソグラフィを用いて再現することができる)。自己組織化ポリマは、200℃で5分間ベーキングし、次に、露光したPMMAを酸素プラズマで除去してホールを生成した。図2はポリマを塗布する前の同じ基板の異なる部分における開口部を示し(図1(A)の開口部124に類似)、一方、図3はエッチング・ステップ後に生じるホールを示す(図1(C)のホール150に類似)。特に、図2は、CD(この特定の実施例においては平均直径)が100nm、80nm、及び61nm(これらの数の各々は約50乃至100個の開口部の統計的平均を表す)である典型的な開口部の配列を示す。図3は、対応するコンタクト・ホールのCD(この特定の実施例においては平均直径)がそれぞれ45nm、42nm、及び39nm(これらの数の各々はやはり統計的平均を表す)であることを示す。
【0025】
最初の開口部のCDは100nm乃至61nmであるが(図2の上部及び下部のパネルを比較されたい)、結果として生じるコンタクト・ホールのCDは45nmからわずか39nmまでである(図3の上部及び下部のパネルを比較されたい)。これは、自己組織化プロセスが当初の開口部よりも小さい限界寸法を有するビアを生成できるだけでなく、結果として生じるビアが、当初の開口部の百分率CDばらつきに比べてより小さな百分率CDばらつきを有することを示唆する。従って、結果として生じるビアのCDにおける所与の所望の百分率ばらつきに対して、対応する最初の開口部のCDの許容できる百分率ばらつきは、自己組織化プロセスの利点のために多少大きな値まで緩和することができる。この事実は、例えば、光リソグラフィ技術をその解像度限界又はその近くで用いて最初の開口部を構築するときに、より大きなプロセス寛容度を可能にする。
【0026】
図4には、結果として生じるビアの平均CD(図3参照)を、最初の開口部の平均CD(図2参照)に対してプロットした。図2及び図3に示した3つのデータ点[(61、39);(80,42);(100、45)]、並びにそれらのデータ点と首尾一貫した付加的なデータを図4に含めた。
【0027】
最初の開口部のCDのばらつきが、コンタクト・ホール又はビアのCDのばらつきにどの程度現れるかの尺度を導入することが有用である。ここで導入する尺度は「自己組織化誤差係数」(SEF)と呼ぶ。特に、SEFは本明細書では、結果のビアのCDの百分率ばらつき(即ち、これらのビアの平均CDによって規格化された)を対応する最初の開口部のCDの百分率ばらつき(即ち、目標とする開口部の直径で規格化された、又はより正確には、最初の開口部の全ての平均CDで規格化された)で割った商として定義する。SEFは最初の開口部の平均CDに対して計算するが、理想的には、平均CDは目標とするCDと同一にすべきである。
【数2】
【数3】
【0028】
平均CDinitial openings及び平均CDresultingviasは容易に測定できる。ここで、ΔCDresulting vias/ΔCDinitial openingsの項は、図4にプロットしたデータの瞬間勾配から計算した。SEFは完全には線形関数でないので、この方法は、SEFを計算するための最も厳密な方法であり得る。しかしながら、幾つかの場合には、結果のビア及び最初の開口部の標準偏差を測定し、SEFの式においてΔCDresulting vias/ΔCDinitialopeningsにσresulting vias/σinitial openingsを代入することがより便利であり得る。
【0029】
自己組織化プロセスが、結果のビアの百分率CDばらつきを、最初の開口部の百分率CDばらつきに比べて増加させたとすると、SEFの値は1より大きくなる。自己組織化プロセスが、結果のビアの百分率ばらつきに対して、最初の開口部の百分率CDばらつきを単に再現する場合には、SEFの値は1となる。当初の予想よりも、最初の開口部の百分率CDばらつき(誤差)が自己組織化プロセスによって軽減する(低減する)ことが見出され、そのため、結果のビアの百分率CDばらつきが最初の開口部より小さくなり、即ち、本明細書で提示されるSEFの観測値は1より著しく小さくなる。従って、SEFはまた「自己組織化誤差低減係数」(SERF)と呼ぶことができる。光リソグラフィにおいては、マスク誤差係数(MEF)及びマスク誤差増大係数(MEEF)が、一般に、フォトマスク上の構造の不均一性によってフォトレジスト・パターン内に誘起される誤差を表すに用いられる。SERF及び「マスク誤差増大係数」(MEEF)は異なる物理現象を表し、異なるプロセスから生じるが、これらの2つの概念の根底にある数学的形式は類似する。
【0030】
SERFは、結果のビアのCDの百分率ばらつきが、最初の開口部のCDの百分率ばらつきに対してどの程度減少するかの尺度である。図5は、図4に示すデータに対してSERFをプロットしたものであり、所与の適切なブロック・コポリマに対して、SERFは最初の開口部の直径が減少するとともに減少する。換言すれば、最初の開口部に対して最終のホールの百分率CDばらつきを減少させることにおける、適切なブロック・コポリマの組織化プロセスの効果は、より小さな最初の開口部に対してより大きくなる(即ち、SERFは、より小さな最初の開口部のCDにおいてより小さくなる)。例えば、100nmの平均CDを有する最初の開口部に対して、SERFは約0.39であり、一方、60nmでは、SERFは約0.27である。従って、100nmの目標とする最初の直径に対して、結果のビアの百分率CDばらつき(即ち、平均CDで規格化されたばらつき)は、最初の開口部の百分率CDばらつき(即ち、平均CDで規格化されたばらつき)の0.39倍である。換言すれば、ポリマ材料の指向性自己組織化は、最初の開口部又はプレパターンのサイズに対して予想されるほど敏感ではない。リソグラフィの誤差(MEEFのような)は、通常、非常に小さい開口部を生成しようとする場合には増加するが、しかしながら、適切に設計されたブロック・コポリマの組織化プロセスは逆の挙動を示し、より小さな開口部に対して誤差(又はばらつき)を減少させ得ることがここで実証される。このように、本明細書で開示されるDSAプロセスによるSERFは、小さい最初の開口部を製造するのに用いる画像化プロセスにより生じる増加したMEEFを補償することができる。
【0031】
2.基板内のセグメント化され、プレパターン形成された開口部を用いる指向性自己組織化
22nmノードを超えると、光リソグラフィは、各開口部内に単一の自己組織化ホールの形成をもたらすことになる個別の開口部を作成するのに必要な解像度を欠く可能性がある。実際には、重なり合う個別の開口部を併合して、基板内部に1つ又は複数のセグメント化され、プレパターン形成された開口部を形成することができる。例えば、このような併合は、ポジ型レジストが過露光され、又はネガ型レジストが露光不足である場合に起り得る。セグメント化され、プレパターン形成された開口部は、所望の配置精度を達成するように各々の自己組織化ドメインの位置を指示し制御する多数の指向性構造部又は「突出部」を有する。さらに、自己回復効果(即ち、最初の開口部のCDの百分率ばらつきに対する、結果のビアのCDの百分率ばらつきの減少)もまた、これらのセグメント化され、プレパターン形成された開口部により観測される。セグメント化され、プレパターン形成された開口部は、各々が光リソグラフィによって解像できる寸法の多数の重なり合う個別の(典型的には円筒形の)ホールを組み合わせた結果と考えることができ。
【0032】
従って、本発明の代替的な実施において、セグメント化されたプレパターン(ある特定の幾何学的形状)を有する基板を用いて自己組織化ドメインの優れた配置精度を助長することができる。実施例として、図6(A)は、内部に開口部324を有する基板320の平面図を示すが、その幾何学的形状をこれから説明する。図7は、対応する3次元表示を示し、図6(A)とともに見るべきものである。開口部324は、基板320内の1つより多くのホールの重なりから生ずるものと考えることができる。重なり合うホールの各々は、形が円筒形であり、垂直又は実質的に垂直(即ち、基板に対して直角)な側壁328を有する。従って、開口部324の境界(基板320の表面における)は、円筒の場合には(垂直な側壁を有する)基板平面への円筒形ホールの射影である円の重なりと見ることができる。それゆえに、開口部324の周囲(基板320の表面における)は、各々がある曲率半径を有するこれらの重なり合う円に関連付けられる円弧332によって定められる。換言すれば、図6(A)は側壁の上部(即ち、基板320の上面)において描かれた側壁328の平面断面を示すと考えることができる。この平面内の側壁の周囲は、100nm未満のそれぞれの曲率半径rjを有する円弧332によって定められる。
【0033】
より一般的には、重なり合うホールは輪郭を示す凸状とすることができるが、理想的には円筒形ではないので、代わりに基板320の表面におけるホールの平均半径を用いることができる。例えば、ホールの断面が円からずれる可能性があり、側壁が傾斜し(円錐形のホール)、又はより複雑な形状(例えば、涙滴形状のホールのように)を有する可能性がある。これらのより複雑な場合に対しては、平均曲率半径は、同じ排除体積を有する等価な円筒形ホールの半径とすることができる。開口部324の側壁328は、ホールが交差する場所に隣接し、ここで側壁は突出部材又は突出部336を画定する。従って、所与の突出部336は2つの隣接する側壁の部分として、及びそれらから形成されるものと考えることができる。
【0034】
図6(A)に示すセグメント化されたプレパターンは円形ホールの重なりから生ずるが、実際には、所与の開口部の実際のホールは、レジスト又は他の処理ステップの非理想的な応答を含む、リソグラフィの限界によって理想的な円形にはならない可能性がある。このようなずれは、本発明の範囲内にあると考えられることを理解されたい。非円形の輪郭を有する任意のセグメントに対して、その平均曲率半径は、ハフ変換(例えば、非特許文献3を参照されたい)に基づいたアルゴリズムを用いて決定することができる。
【0035】
明瞭にするために、図6(A)に示す開口部324は4つだけの円筒形ホールから形成されているが、実際には、開口部324は、4つだけのホールよりも遥かに多くのホール、例えば、数百、数千又はさらに多くのホールから形成することができる。開口部324を構成するより小さなホールの各々は、同じ目標のCD(この場合には、目標の直径)を有するが、それにもかかわらず、これらのより小さいホールは、例えば、少なくとも10%(3σ>10%CD)のかなりのサイズのばらつきを有する可能性がある。
【0036】
図6(B)に示すように、ブロック・コポリマを含む調合物(及び以下に説明するように、他の添加物も可能)を基板320の上に塗布し、アニールしてドメイン342、346を形成する。図6(B)に示すように、ドメイン342、346の相は分離し、ドメイン346はドメイン342により囲まれる。好ましい実施において、わずか一つのドメイン346が各々の円筒形のホール内に形成され、これがセグメント化されたプレパターン開口部324の一部分を形成する。側壁328の上には、この相分離プロセスの結果としてドメイン342に対応するポリマの薄いコーティング(ブラシ層)が、プレパターンの界面化学、及び用いるブロック・コポリマの組成によって、存在しても良い(又は存在しなくてもよい)。
【0037】
自己組織化された個別のセグメント化されたドメイン346は、それぞれの幾何学的中心を有し、この中心の位置は少なくとも1つの側壁328及びその対応する突出部336によって定められる。例えば、ドメイン346aの幾何学的中心の位置は、2つの突出部336a1と336a2の間に延びるセグメント332aに対応する側壁によって、これら2つの突出部を補助として決められる。一方、隣接するドメイン346bの幾何学的中心は、セグメント332b(突出部のそれぞれの対、336a1と336b1、及び、336a2と336b2との間に延びる)に対応する2つの側壁によって、これら4つの突出部を補助として決められる。従って、突出部336を有する側壁328は、それらドメインそれぞれの自由エネルギーが最小になる点でドメイン346の位置付ける(又は方向付ける)ので、「指向性構造」と考えることができる。図6(C)に示すように、ドメイン346を選択的に除去してホールを形成することができ、次にこのホールを下層の基板320に転写してコンタクト・ホール又はビア350のパターンを形成することができる。ドメイン346は、例えば、現像プロセスを用いることによって(それらを水性塩基現像液で現像するように)、それらを溶媒に溶解することによって、又はプラズマによりそれらをエッチング除去することによって除去することができる。選択されるプロセスはドメイン346のポリマを除去し、一方、ドメイン342のポリマを残す。
【0038】
図6(A)に示すように、種々のセグメント332を、中心がそれぞれの距離Djによって分離される円の部分と見ることができる。実際、側壁328の周囲(基板320の表面において)は、距離Dj及びセグメント332に関連する曲率半径rjによって定義することができる。さらに、個別の分離したドメイン346の幾何学的中心は、隣接する分離したドメインが、a)所与のドメインの位置を予め決める側壁(少なくとも1つの)に対応するセグメントの平均曲率半径(又はセグメントの平均曲率半径の平均(算術平均)と、b)所与のドメインの最近接物の位置を予め決める側壁(少なくとも1つの)に対応するセグメントの平均曲率半径(又はセグメントの平均曲率半径の平均)との和より小さい距離djで分離されるように配置される。即ち、1つの側壁だけがある特定のドメインの位置を決める場合には(ドメイン346aの場合のように)、対応するセグメント(332a)の平均曲率半径をこの和を計算するのに用いるが、ある特定のドメイン(ドメイン346bの場合のように)の位置を複数の側壁が決める場合には、それらの複数の側壁に対応するセグメントの種々の曲率半径(332b、上部及び下部)の平均を用いる。図6(B)に示すように、d1<r1+r2、d2<r2+r3、及びd3<r3+r4である。分離したドメイン346の中心がセグメント332に対応する円の中心に配置される好ましい場合には、Dj=djとなる。
【0039】
輪郭を示す側壁328及びそれらの突出部336は光リソグラフィで形成することができるので、ドメイン346(及び従ってそれらの対応するビア350)は予め選択されたレイアウトに従って配置することができる。一般に、これら個別の分離したドメインは、必ずしも単一の軸に沿って整列させる必要はなく、むしろそれらを「行」、「列」、「対角線」などの形に配置することができる。隣接する個別の分離したドメイン346は、対応する円の平均曲率半径の和より小さい距離で分離されるので(例えば、図6(B)参照)、分離したドメイン346(及びその対応するホール350)は、その他の場合に必要となるよりも低い解像度のリソグラフィにより所望の空中密度で「印刷」することができる。従って、分離したドメイン346(及びそれらの対応するホール350)は、ブロック・コポリマの何れかの特定の対称性又は自然の周期性に適合する必要はない。例えば、図6の行を拡張して付加的な行を形成することによって、標準的な正方格子のレイアウトを形成することができる。さらに、隣接する個別の分離したドメイン346の間の中心間距離は、セグメント332に対応する側壁によって、又は他の指向性構造によって予め決めることができる。
【0040】
図6(A)に関連して上述したように、開口部324を構成する小さいホールの各々は、同じ目標のCDを有する(その結果、理想的にはr1、r2、r3及びr4は同じになる)が、それにもかかわらず、これらの小さいホールは、例えば、それらを形成するのに用いるリソグラフィ・プロセスの限界のために、かなりのサイズばらつき(例えば、それらの平均直径の少なくとも10%、3σ>10%CD)を有する可能性がある。しかしながら、結果として生じるビア350のCDのばらつきは、最初の開口部のCDのばらつきよりも小さく、これより実質的に小さくなる可能性がある。
【実施例2】
【0041】
ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレートのジブロック・コポリマ(PS−b−PMMA、96kg/mol−35kg/mol、ポリマ源から)の層は、その多くがセグメント化され、プレパターン形成された開口部を含む非周期的な個別の開口部を有する硬化193nmレジスト(JSR2073)パターンを含んだ基板上にスピンキャストした。(これら開口部はeビーム・リソグラフィによって基板上のフォトレジスト内に予め作成した)。図8は、これらの最初の開口部を有するこの基板を示す。ポリマは200℃で5分間ベーキングし、ポリマのドメインの自己組織化を促進した。次に、自己組織化ポリマを、酸素プラズマ中でエッチングしてPMMAを除去し、図9に示すホールを生成した。プレパターン形成された開口部のサイズ及び形状は、個々のセグメント化されたプレパターン内で、及びセグメント化されたプレパターンの間で、著しく変動することが分かる。DSAプロセスは、個別の開口部又はセグメント化されプレパターン化された開口部から始めて、減少したCD(ここでは、平均直径)、及び結果のホールのCDの減少した百分率ばらつきを有するビアを作成する。図8の開口部のCDは70nmであり、一方、結果として生じるビアのCDは33nmである。全体のSERFはこの場合0.6となり、このことは結果のビアのCDの百分率ばらつきが、プレパターン形成された開口部のCDの百分率ばらつきに対して40%減少することを示す。
【0042】
3.一般論
特定の開口部に対して適切なポリマを選択することは、十分な自己回復効果(即ち、結果のビアのCDの百分率ばらつきを、最初の開口部のCDの百分率ばらつきに対して減少させること)でビアを生成するために重要であり得る。ブロック・コポリマの分子量及び組成は、それらの指向性自己組織化及び自己回復挙動においてある役割を果たす。円形開口部で構成されるプレパターンに対して、より小さいSERF(より大きい回復)は、自己組織化材料の自然の周期性がプレパターン形成された開口部の直径に近い場合に得ることができる。しかしながら、開口部の直径が自己組織化材料の自然の周期性(中心間の間隔)の3倍より大きい場合には、開口部内に1つより多いビアを生成する可能性が高い。一方、開口部の直径が自然の周期性より遥かに小さい場合には、基板から少数のドメインを除去した後にホールが存在しないことは明らかであり、何故なら少数のドメインはそのような小さい開口部内に形成されないからである。
【0043】
さらに、自己回復挙動及び形成されたビアの形状は、一般に、ブロック・コポリマの組成及び分子量の両方の関数である。図10は、プレパターン形成された基板(内部に楕円形開口部を有する)、並びに、PS−b−PMMA(68kg/mol−33kg/mol)及びPS−b−PMMA(96kg/mol−35kg/mol)の自己組織化ドメインから形成されるそれぞれのビアのSEM画像を示す。PS−b−PMMA(68kg/mol−33kg/mol)から生じたビアの離心率は、出発の楕円形開口部の離心率に対して増加する。より強い自己回復効果(即ち、より小さいSERF)は、長軸に沿うより短軸に沿って観測される(図11参照)。一方、PS−b−PMMA(96kg/mol−35kg/mol)から生じたビアはほぼ円形であり、それらの離心率は出発の楕円形開口部に対して減少する。自己回復効果は長軸及び短軸の両方に沿って観測される(図11参照)。さらに、低減されたコンタクト縁部の粗さ(CER)もまた、この自己回復の結果である。即ち、最初の開口部が円形からずれている場合には、適切なポリマを選択すれば、結果のホールは円形から相対的により小さなずれを示す。
【0044】
開口部124及び324は、リソグラフィ技術、例えばeビーム又は光リソグラフィによって形成することができる。電子ビーム・リソグラフィの場合には、これらの開口部をレジスト上に直接生成することができる。光リソグラフィを用いる場合には、フォトレジストの層を基板上に形成し、光放射(例えば、248nm又は193nm)で特定のマスクを通して露光し、随意にベーキングし、現像液で処理して、トポグラフィカル・フォトレジスト・パターンを生成する。露光はまた液浸リソグラフィを用いて実施することもできる。開口部124及び324は単一の露光又は複数の露光プロセスを用いて形成することができる。DSAはネガティブ・トーンのレジスト・パターンにおいて直接実施することができる。DSAをポジティブ・トーンのレジスト・パターンにおいて実施する場合には、レジスト・パターンがブロック・コポリマのキャスティング溶媒(及び任意の他の添加物)に不溶になるようにレジスト材料の何らかの処理が必要となる可能性がある。例えば、表面架橋剤又は材料を用いてポジティブ・トーンのレジスト・パターンを処理することができる。その他の場合には、レジスト・パターンを下層の底部反射防止コーティング、ハードマスク層(例えば、酸化物又は窒化物材料)又は転写層(架橋有機樹脂)に転写することができ、その後レジストを除去し、表面を随意に修飾することができる。これらのパターンは、一般に、ブロック・コポリマのキャスティング溶媒に対して安定であり、付加的な安定化処理を必要としない。
【0045】
さらに、開口部124及び324は二重パターン形成プロセスにより形成することができる。一実施形態において、パターンを第1のフォトレジスト内に画像化し、下層のハードマスク層に転写する。残りの第1のレジストを除去した後、第2のレジストをパターン形成されたハードマスクにキャストして画像化し、第2のフォトレジスト・パターンを形成する。次に、第2のフォトレジスト・パターンをハードマスク内に転写する。第1及び第2のフォトレジストから転写された(重なり合う)パターンはハードマスク層内で組み合わせられて単一のセグメント化パターンを形成し、これをブロック・コポリマの組織化を指向するのに用いることができる。
【0046】
一旦、図1(A)及び図6(A)に示す構造が作成されると、それらの上のジブロック・コポリマの自己組織化が実行される。このプロセスはここで要約し、以下でより詳細に説明する。初めに少なくとも1つのブロック・コポリマ(BCP)を含むポリマ溶液を準備する。溶液中の付加的なBCP、ホモポリマ、コポリマ、界面活性剤及び光酸発生剤を用いることもできる。次に、溶液をセグメント化されたプレパターンを有する基板上にキャスティングして、所望の領域内に良好に見当合せしたポリマ・ドメインを形成する。ブロック・コポリマの移動度を増加すること(例えば、ベーキング又は溶媒蒸気処理により)が、PS−b−PMMA(ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレートのジブロック・コポリマ)のような特定のポリマには必要である。そのガラス転移温度が室温より低いブロック・コポリマに対しては、自発的な自己組織化が起り得る。付加的なアニーリング(熱アニーリング、熱勾配アニーリング、溶媒蒸気アニーリング又は何らかの他の勾配磁場を含む)を随意的に用いて、あらゆる欠陥を除去することができる。最後に、少なくとも1つの自己組織化ポリマ・ドメインを選択的に除去してホールを生成し、次にこのホールを下層の基板に転写することができる。例えば、2層(レジスト及び転写層)方式及び3層(レジスト、ハードマスク層、転写層)方式の両方が可能である(例えば、非特許文献4を参照されたい)。パターンの現像及びパターンの転写の前に、自己組織化ポリマを随意に化学的に修飾して、エッチング耐性又は特定の機械的特性のようなパターン転写に必要な特性を改善することができる。
【0047】
ここで用いるコポリマは、1つより多くのモノマ種から誘導されるポリマである。ここで用いるブロック・コポリマは、1つより多くのモノマ種を含むコポリマであり、ここでモノマはブロックで存在する。モノマの各々のブロックは、モノマの繰返し配列を含む。ブロック・コポリマを表す式(1)を以下に示す。
(1) -(A)a-(B)b-(C)c-(D)d-……-(Z)z-
式中、A、B、C、D乃至Zはモノマ単位を表し、下付き文字「a」、「b」、「c」、「d」乃至「z」は、それぞれA、B、C、D乃至Zの繰返し単位の数を表す。上記の典型的な式は、本発明に用いるブロック・コポリマの構造体を限定するものではない。コポリマの前述のモノマは、本発明の方法により、個々に及びそれらの組合せで用いることができる。
【0048】
ジブロック・コポリマは、2つの異なるポリマのブロックを有する。ジブロック・コポリマを表す式(2)を以下に示す。
(2) -(A)m-(B)n-
式中、下付き文字「m」及び「n」は、それぞれA及びBの繰返し単位の数を表す。ジブロック・コポリマの表記は、A−b−Bのように略記することができ、ここでAは第1のブロックのポリマを表し、Bは第2のブロックのポリマを表し、−b−はA及びBのブロックのジブロック・コポリマであることを示す。例えば、PS−b−PMMAは、ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)のジブロック・コポリマを表す。鎖状ブロック・コポリマに加えて、他の構造を有するブロック・コポリマ、例えば、星型コポリマ、分岐コポリマ、超分岐コポリマ、及びグラフト・コポリマをDSAに用いることもできる。
【0049】
ブロックは、一般に、任意の適切なミクロドメインを形成するブロックとすることができ、それに別の異なるブロックが結合できる。ブロックは種々異なる重合可能なモノマから誘導することができ、ここでブロックは、それらに限定されないが、ポリジエンを含むポリオレフィン、ポリ(アルキレンオキシド)(例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、又は、これらのランダム又はブロック・コポリマなど)を含むポリエーテル、ポリ((メタ)アクリレート)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノゲルマンなどを含むことができる。
【0050】
ブロック・コポリマのブロックはモノマとして、C2−30オレフィンモノマ、C1−30アルコール由来の(メタ)アクリレートモノマ、Fe、Si、Ge、Sn、Al、Tiをベースとするものを含む無機含有モノマ、又は前述のモノマの少なくとも1つを含む組合せを含み得る。ブロック内に用いるモノマは、C2−30オレフィンモノマとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1、3−ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ジヒドロピラン、ノルボルネン、無水マレイン酸、スチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−メチルスチレン、又はα−メチルスチレンを含み得る。モノマは、(メタ)アクリレートモノマとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含み得る。これらのモノマの2つ又はそれ以上の組合せを用いることができる。ホモポリマであるブロックは、スチレン(例えば、ポリスチレンブロック)、又はポリ(メチルメタクリレート)のような(メタ)アクリレート・ホモポリマ・ブロックを用いて調製されるブロックを含むことができる。ランダム・ブロックは、例えば、ランダムに共重合されたスチレン及びメチルメタクリレート(例えば、ポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート))のブロックを含むことができる。代替のコポリマ・ブロックはスチレン及びマレイン酸無水物のブロックを含むことができ、これはほとんどの条件下でマレイン酸無水物がホモポリマ化できないためにスチレン−マレイン酸無水物2分子繰返し構造を形成する(例えば、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸無水物)ことが知られている。このようなブロックは例示的なものであって、限定するものと考えるべきではないことを理解されたい。
【0051】
さらに、本方法で用いるのに適切であり得るブロック・コポリマは、例えば、ポリ(スチレン−b−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン)、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−アルケニル芳香族)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−(エチレン−プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−t−ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−t−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ジメチルシロキサン)、又は前述のブロック・コポリマの少なくとも1つを含む組合せなどのジブロック又はトリブロック・コポリマを含む。
【0052】
ブロック・コポリマは、さらなる処理を行うことができる全体的な分子量及び多分散性を有することが望ましい。例えば、ブロック・コポリマは3,000乃至400,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。同様に、ブロック・コポリマは、1,000乃至200,000の数平均分子量(Mn)を有することができる。ブロック・コポリマはまた、1.01乃至6の多分散性(Mw/Mn)を有することができるが、それに特に限定されない。Mw及びMnの両方の分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフにより、ポリスチレン標準に対して較正されるユニバーサル較正法を用いて決定することができる。
【0053】
ブロック・コポリマの調合物は、スピンコーティングにより、例えば、約1rpm乃至約10,000rpmのスピン速度で、乾燥後プロセスを用いて又は用いずに、基板上に塗布することができる。他のプロセス、例えば、浸漬コーティング及びスプレーコーティングなどを用いて、ブロック・コポリマ調合物を基板に塗布することができる。
【0054】
本明細書で用いる「相分離」は、ブロック・コポリマのブロックが「ミクロドメイン」及び単に「ドメイン」とも呼ばれる個別のミクロ相分離ドメインを形成する傾向を指す。同じモノマのブロックが集まってドメインを形成し、ドメインの間隔及び形態はブロック・コポリマ内の異なるブロックの相互作用、体積分率及び数に依存する。ブロック・コポリマのドメインは、例えばスピン・キャスティング・ステップ中にそれらを基板に塗布する際に自発的に形成させることができ、又は、アニーリング・ステップの結果として形成させることができる。「加熱」又は「ベーキング」は、基板及びその上のコーティング層の温度を周囲温度より高く上昇させる一般的なプロセスである。「アニーリング」は、熱アニーリング、熱勾配アニーリング、溶媒蒸気アニーリング、又は他のアニーリング法を含むことができる。熱アニーリングは、場合により「熱硬化」と呼ばれ、相分離を誘起するのに用いられ、さらに、横方向のミクロ相分離ドメインの層内の欠陥を削減又は除去するためのプロセスとして用いることができる。一般には、ある時間(例えば、数分から数日)の間、ブロック・コポリマのガラス転移温度より高温で加熱することを含む。
【0055】
使用できる溶媒は、ブロック・コポリマの成分、及び、もしあれば種々の添加物の溶解度条件により変化する。これらの成分及び添加物に対する例示的なキャスティング溶媒には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオナート、アニソール、乳酸エチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン(GBL)、トルエンなどが含まれる。
【0056】
添加物は、付加的なポリマ(ホモポリマ、星型ポリマ及びコポリマ、超分岐ポリマ、ブロック・コポリマ、グラフト・コポリマ、超分岐コポリマ、ランダム・コポリマ、架橋ポリマ、並びに無機含有ポリマを含む)、小分子、ナノ粒子、金属化合物、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、塩基消光剤、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び前述物の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択することができ、ここで、1つ又は複数の添加物はブロック・コポリマと共に会合して、1つ又は複数の自己組織化ドメインの部分を形成する。
【0057】
本明細書で用いる基板は、本明細書で説明する何れかの方法で用いるのに適した物理構造体であり、半導体産業で使用される基板を含むが、必ずしもそれに限定されない。これは、その上に材料(例えば、ポリマ、ポリマ材料、金属、酸化物、誘電体など)を堆積又は付着させることができる物理的本体(例えば、層又は積層、材料など)を含む。本明細書において、基板は、半導体材料、絶縁材料、導電性材料、又は、多層構造体を含むそれらの任意の組合せを含むことができる。従って、例えば、基板は、Si、SiGe、SiGeC、SiC、GaAs、InAs、InP及び他のIII/V族又はII/VI族化合物半導体のような半導体材料を含むことができる。基板は、例えば、シリコンウェハ、又は集積半導体ウェハのような半導体製造プロセスの種々の段階において製造されるようなプロセス・ウェハを含むことができる。基板は、例えば、Si/SiGe、Si/SiC、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)又はシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)のような層状基板を含むことができる。基板は、例えば、誘電体層、SiCのような銅に対する障壁層、銅のような金属層、二酸化ハフニウム層、シリコン層、酸化シリコン層など、又はそれらの組合せのような1つ又は複数の層を含むことができる。基板は、例えば、有機絶縁体、無機絶縁体、又は多層を含むそれらの組合せのような絶縁材料を含むことができる。基板は、導電性材料、例えば、多結晶シリコン(ポリSi)、元素金属、元素金属の合金、金属シリサイド、金属窒化物、又は多層を含むそれらの組合せを含むことができる。基板は、イオン注入領域、例えば基板の表面に対してアクティブなP型又はN型拡散を有するイオン注入ソース/ドレイン領域を含むことができる。
【0058】
本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から離れずに他の特定の形態で具体化することができる。説明した実施形態は、全ての点で単に例証的なものであり限定的なものではないと考えられたい。それゆえに、本発明の範囲は、前述の説明よりむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の同等の意味及び範囲内にある全ての変更物は本発明の範囲内に包含される。
【符号の説明】
【0059】
120、320:基板
124、324:開口部
142、146、342、346、346a、346b:ドメイン
150、350:ビア
332、332a、332b:セグメント
328:側壁
336、336a1、336b1、336a2、336b2:突出部
【技術分野】
【0001】
本発明はナノスケール・レベルの構造体を形成する方法に関する。より具体的には、本発明はブロック・コポリマを用いて、直径が相対的に均一なホールを有する構造体を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、典型的には、基板の上に形成される回路のネットワークを含む。デバイスは回路配線の幾つかの層からなり、種々の相互接続がこれらの層を互いに接続し、そして任意の下にあるトランジスタと接続するのに用いられる。一般に、製造プロセスの一部分として、ビア又はコンタクト・ホールがパターン化層内に形成され、下にある層に転写され、次に金属で充填されて相互接続が形成され、その結果回路の種々の層が相互に電気通信する状態になる。
【0003】
相互接続を形成する従来技術の方法は一般に、ビアの位置及び寸法の画定が、一連のリソグラフィ及びエッチング・ステップに依存し、言い換えるとこのビアの位置及び寸法が対応する相互接続の位置及び寸法を定める。この目的のために、フォトレジスト及びハードマスクを用いることができる。しかしながら、大量生産用の従来の光リソグラフィ技術(例えば、193nmドライ及び液浸リソグラフィ)を使用して形成される構造の寸法は、リソグラフィ・ツールの解像度限界に達している。より狭いピッチで適切な均一の限界寸法(CD)を有するビアの作成は、将来の技術の結節点に向けての主要な課題の1つである。国際半導体技術ロードマップ(ITRS)は、適正なデバイス性能を保証するために、全体的なCDのばらつき(3σ、ここでσは限界寸法の標準偏差である)がCDの10%未満であることを要求する(ITRSリソグラフィ・ロードマップ、2007年度版、pp.12−13参照)。しかしながら、従来の光リソグラフィを用いて22nmノードを超えることは、高価で複雑な二重パターン化プロセス、解像度向上技術(計算リソグラフィ)、及び厳密なレイアウト設計制限を用いても、困難であると予想される。
【0004】
ブロック・コポリマ(BCP)のパターン化は、より小さい寸法のパターンを作成する問題に対する可能な解決法として注目されてきた。適切な条件下では、このようなコポリマ相のブロックはミクロドメイン(「ミクロ相分離ドメイン」又は「ドメイン」としても知られる)に分離して全自由エネルギーを減少させ、異なる化学組成の複数のナノスケール構造がこのプロセスの中で形成される。このような構造を形成するブロック・コポリマの能力はナノパターン化に用いるのに魅力的であり、より小さいCDの構造を形成し得るという点で、これは、他の場合に従来のリソグラフィを用いて印刷するのが難しい構造の構築を可能にするはずである。
【0005】
指向性自己組織化(DSA)は、リソグラフィで画定されたパターン化基板上に自己組織化ナノスケール・ドメインを生成することによって、現在のリソグラフィの解像度限界を拡大する可能性のある候補である。これは、自己組織化の特徴をリソグラフィで画定された基板と組み合わせて、ある特定の自己組織化BCPドメインの空間配置を制御する方法である。1つのDSA技術はグラフォエピタキシであり、ここで自己組織化は、リソグラフィでプレパターン化された基板のトポグラフィ的構造によって導かれる。BCPグラフォエピタキシは、プレパターン自体よりもさらに小さい特性寸法を有するサブリソグラフィック自己組織化構造をもたらす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】”Handbook of Semiconductor ManufacturingTechnology”, Y. Nishi,R. Doering 編集、 New York: MarcelDrekker, 2000.
【非特許文献2】H. M.Marchman, “CriticalDimensional Metrology” in Microlithgraphy:Science and Technology, J. R. Sheats, B. W. Smith 編集、New York: Marcel Drekker, 1998、12章。
【非特許文献3】WilliamK. Pratt, “Digital ImageProcessing”、第2版、Wiley-IntersciencePublication, ISBN 0-471-85766-1, 1991.
【非特許文献4】”Introduction to Microlithography”, 第2版、Larry F. Thompson, C. Grant Willson and Murrae J. Bowden 編集、American Chemical Society, Washington, DC, 1994.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ブロック・コポリマの指向性自己組織化を利用して、サブリソグラフィ構造を形成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、CDのばらつきを減らし、パターン忠実度を改善し、そして任意に配置されたビア及びそれらのビア内に形成される垂直相互接続のプロセス・ウィンドウ(例えば、露光寛容度)を増加させる。本発明の好ましい態様は、狭いピッチ(例えば、22nm以下のノード)で適切なCDの均一性を有するビアの作成を可能にする。内部に開口部の集団を有する基板にブロック・コポリマを塗布する方法を開示する。自己組織化ドメインが形成され、開口部の各々の中の中心ドメインになり、次にその中心ドメインを選択的に除去してホールを形成することができ、このホールを下層の基板に転写することができる。
【0009】
最初の開口部の各々を円筒形状にしようとする場合には、開口部の各々は理想的には均一の直径を有する必要があり、さらに各開口部の直径は同じにする必要がある。しかしながら、実際には、これらの開口部の各々はこの理想からはずれる可能性があるので、形状が実質的に円筒形である単一の開口部のCDに対する適切な測定基準はその平均直径である。さらに、CDは開口部ごとにずれる可能性がある。それにもかかわらず、それらそれぞれの限界寸法に比較的大きなばらつきを有する最初の開口部の集団に対しても(例えば、1つの実質的に円筒形の開口部の平均直径が別のものと多少異なる場合)、本明細書で開示する方法は、最初の開口部と比べて、相対的により均一なCDのホールの形成(塗布ポリマの自己組織化及びエッチング・ステップの後)をもたらす。
【0010】
本発明の一態様は、目標とする限界寸法(CD)が200nm未満の個別の開口部を有する基板を準備することを含む方法であって、ここで開口部は標準偏差σopenings及び平均CDopeningsによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、3σopeningsは平均CDopeningsの少なくとも10%である。本方法はまた、基板の上に、コポリマの成分が互いに混合しないブロック・コポリマを含むポリマの層を塗布することを含む。ポリマが開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメイン内に自己組織化中心ドメインを形成することを可能にする。中心ドメインは選択的に除去され、それにより各々の中心ドメインがあった場所にホールが形成され、このホールは標準偏差σholes及び平均CDholesによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、ここで、σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.8倍より小さい(又は0.7倍より小さい、又は0.5倍よりも小さい)。本方法はさらにホールを基板に転写し、そのホールを材料で埋め戻すことを含むことができる。基板は少なくとも1つのレジスト、ハードマスク又は反射防止コーティングを含むことができる。ポリマをアニールして、自己組織化中心ドメイン及び周囲の自己組織化ドメインの形成を誘起することができる。目標とするCDを有する開口部の数は、少なくとも100、又はさらに多く、例えば少なくとも1000とすることができる。個別の開口部は円形とすることができ、この場合目標とする限界寸法は円形開口部の直径の基準とすることができる。代替的に、個別の開口部を楕円形とすることができる。形成されるホールを周期的配列に配置することができ、又はそれらは周期的配列を形成しなくともよい。
【0011】
本発明の別の態様は、各々が目標とする直径が200nm未満の開口部を有する複数の基板を準備することを含む方法であって、ここで目標とする直径は基板の各々に対して同じである。開口部は、標準偏差σopenings及び平均直径openingsによって特徴付けられる統計的ばらつき(基板内の開口部の全てに対して)を有する平均直径を有し、3σopeningsは目標とする直径の少なくとも10%である。基板の各々の上に、コポリマの成分が互いに混合しないブロック・コポリマを含むポリマの層を塗布する。ポリマが基板の各々の中の開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメイン内に自己組織化中心ドメインを形成することを可能にする。中心ドメインは基板の各々から選択的に除去され、それにより各々の中心ドメインがあった場所にホールが形成される。ホールは、標準偏差σholes及び平均直径holesによって特徴付けられる、それぞれの直径および直径の統計的ばらつき(基板内におけるホールの全てに対して)を有する。比σholes/平均直径holesは、σopenings/平均直径openingsの0.8倍より小さい。本方法は、基板に同時に適用することができ(例えば幾つかの基板を一度に処理することができる)、又は代替的に、本方法を基板に順次(組立ラインのプロセスにおけるように1つの基板から次の基板へ)適用することができる。
【0012】
本発明の別の態様は、内部に開口部を有する表面を有する基板を準備することを含む方法であり、ここで開口部は目標とする直径が200nm未満の、重なるホールから形成されるのと等価の境界を有する。このホールは、その側壁が隣接する突出部を定める側壁を有し、重なるホールは、標準偏差σoverlapping holes及び平均直径overlappingholesによって特徴付けられるそれぞれの直径及び直径の統計的ばらつきを有する。コポリマの成分が互いに混合しないブロック・コポリマを含むポリマの層を基板の上に塗布する。ポリマが、ホールの1つに対応する開口部の各々の部分の内部に単一の個別の分離したドメインを形成することを可能にする。次に、個別の分離したドメインの少なくとも幾つかを除去してホールを形成し、ここで形成されたホールは、標準偏差σformed holes及び平均直径formed holesによって特徴付けられるそれぞれの直径及び直径の統計的ばらつきを有する。各々の個別の分離したドメインの位置は、少なくとも1つの側壁と、その少なくとも1つの側壁の少なくとも部分を形成する突出部とによって予め決められる。また、個別の分離したドメインはそれぞれの幾何学的中心を有し、いずれの所与のドメインに対しても、その中心と所与のドメインの最近接物の中心とは、所与のドメイン及び所与のドメインの最近接物の位置を予め決める側壁に対応するホールの平均曲率半径の和より小さい距離だけ離される。さらに、σformed holes/平均直径formed holesは、σoverlapping holes/平均直径overlappingholesより小さく、例えば、0.8倍又はそれ以下とすることができる。本方法はまた、形成されたホールを基板に転写することを含むことができる。一実施例において、3σoverlapping holesは、目標とする直径の少なくとも10%である。
【0013】
図1乃至図9は、それぞれ平面図又は上面図を示す(3次元図を表す図7、及びデータを示す図4、図5及び図11を除く)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】基板内の円形の開口部から開始し、より小さいホールを少なくともブロック・コポリマを含むポリマ層を使用して形成することができ、自己組織化ドメインから形成されたホールのCDの百分率ばらつきが最初の開口部のCDの百分率ばらつきより小さくなる、本発明の実施を例示する。
【図2】図1に示す実施に関連した実験結果の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図3】図1に示す実施に関連した実験結果の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図4】図1に示す実施に関連した実験結果のそれら及び他の顕微鏡写真から導かれた結果を示す。
【図5】図1に示す実施に関連した実験結果のそれら及び他の顕微鏡写真から導かれた結果を示す。
【図6】ブロック・コポリマを含むポリマ・アセンブリを用いてセグメント化されたプレパターン内部に多数のホールが形成され、自己組織化ドメインからのホールのCDの百分率ばらつきが最初の開口部を構成する重るホールのCDの百分率ばらつきよりも小さい、本発明の実施を例示する。
【図7】図6(A)に対応する3次元表示を示す。
【図8】図6に示す実施に関連した走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図9】図6に示す実施に関連した走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
【図10】基板内の楕円形開口部から開始し、より小さい楕円形又は円形のホールを少なくともブロック・コポリマを含むポリマ層を用いて形成することができ、自己組織化ドメインから形成されたホールのCDの百分率ばらつきが、最初の開口部のCDの百分率ばらつきよりも小さい、本発明の実施のSEM顕微鏡写真を例示する。
【図11】それら及び他の顕微鏡写真から導かれた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ブロック・コポリマの指向性自己組織化(DSA)を含む方法を本明細書で説明するが、ここで、自己組織化ドメインが1つ又は複数の基板内の開口部(これらの開口部は予め選択された又は目標とするCD(例えば、ホールが円形の場合には直径)を有する)内に形成される。特定の自己組織化ドメインの選択的除去により、初めの開口部よりも小さいホールが生成される。これらのホールは規則的配列又は任意の配列に配置することができる。重要なことに、形成されるホールのCDの百分率ばらつきは、最初の開口部のCDの百分率ばらつきよりも小さい。形成されるホール(又はビア)を下層の基板に転写することができ、次に、これらのホールを金属導体のような材料で埋め戻すことができる。
【0016】
1.基板内の個別の円筒形開口部を用いる指向性自己組織化
実施例として、図1(A)は内部に開口部124を有する基板120の平面図を示す。(「基板」という用語は、本明細書で説明する方法のいずれによって用いるのにも適した任意の物理的構造体を意味するように広義に用い、半導体産業で用いられる基板を含むが必ずしもそれに限定されない)。明瞭にするために、4つの開口部124のみを図1に示すが、実際には遥かに多くの開口部、例えば、数百、数千又はさらに多くの開口部が通常用いられることになる。
【0017】
多数の開口部を作成するとき、これらの開口部はCD(例えば、円筒形開口部のこの実施例においては直径)の統計的分布を有する。このCDの統計的分布を平均(平均の)CD及びサンプルの標準偏差σによって特徴付けることが有用である。サンプルの標準偏差(σ)、値がどれほど広く平均値(平均)から分散するかの尺度である。サンプルの標準偏差(σ)は次式によって決められる。
【数1】
式中、CDAVERAGEはサンプル平均であり、nはサンプル数である。
【0018】
集積回路の構造体を製造する場合、構造部のサイズ及びサイズの均一性がデバイスの適切な機能に対して重要である。デバイス設計中に、構造部の目標とする限界寸法及び許容差値を指定する。典型的には、可能な許容差は公称CDの10%であり、一般にσの整数倍で(通常は3σ)表す。換言すれば、CDのサンプルの標準偏差の3倍が目標とするCDの10%より小さくなるべきである。さらなる詳細は、非特許文献1に与えられている。
【0019】
開口部124は、目標とする限界寸法又はCD(図1の場合、目標とする直径)を有するが、それにもかかわらず、少なくとも10%の相当なサイズのばらつきを有する(3σ>10%CD)。この状況は、例えば、開口部を光リソグラフィを用いて形成するとき、この開口部が小さいためにリソグラフィ・ツールが適切なCDの均一性を有する開口部を生成できない、例えば、解像度限界又はその近くで作業する場合に起こり得る。開口部124の各々は、垂直又は実質的に垂直(すなわち、基板120に直角)な側壁(図示せず)を有する。
【0020】
ブロック・コポリマ(及び以下に説明するように、場合により他の添加物)を含む指向性自己組織化(DSA)調合物を、図1(B)に示すように、基板120上にコーティングする。各々の開口部124に対して、ブロック・コポリマ相は、ドメイン142、146に分離し、単一の中心ドメイン146がドメイン142に囲まれる。用いるブロック・コポリマの種類によって、この自己組織化は、自発的に起きるか、又は、例えばアニーリング・プロセスの結果として誘起されても良い。開口部124の側壁上には、プレパターンの界面化学及び用いるブロック・コポリマの組成によって、この相分離プロセスの結果として生ずるドメイン142に対応する、ポリマの薄いコーティング(ブラシ層)が存在しても良い(又はしなくてもよい)。
【0021】
図1(C)に示すように、ドメイン146を選択的に除去してホールを形成することができ、次にこのホールを下層の基板120に転写して、コンタクト・ホール又はビア150のパターンを形成することができる。ドメイン146は、例えば、現像プロセス(例えばそれらを水性塩基現像液中で現像する)を用い、それらを溶媒内で溶解することによって、又はプラズマを用いてそれらをエッチング除去することによって、除去することができる。このプロセスは選択的にドメイン146のポリマを除去し、一方、ドメイン142のポリマは残す。結果として生じるビア150は有利なことに、その平均直径(この実施例では限界寸法)の百分率ばらつきが最初の開口部124におけるよりも小さくなる。
【0022】
自己組織化ドメインのCDを直接測定することは簡単ではない。ここでは、その代りに最終的に得られたビアのCDを測定した。最終的なビアの限界寸法は、ドメイン146を選択的に除去するのに用いる方法の選択により著しく影響され得ることを理解されたい。ここでは、酸素プラズマ・エッチング・プロセスを用いて、ドメイン146のCDをビアのCDにおいて密接に再現するように選択的にドメインを除去した。ドメイン146の選択的除去中にCD又はCDのばらつきを意図的に減らすための特定の選択的除去プロセスは何も用いなかった。
【0023】
種々の計測及び画像分析ツールを利用して、最初の開口部及び結果のビアのCDを決定することができる。例えば、限界寸法はSEM画像を分析することによって決定することができる。本明細書で開示する実施例におけるほぼ円形のホールのCD及び楕円形ホールの長軸及び短軸の長さは、SuMMITコンタクト分析ツールボックス(カルフォリニア州、マーティネス所在のEUV Technology社のソフトウェア部門によって開発され使用許諾された)を用いて決定され、縁部検出パラメータのプリセット方法は最初の開口部及び結果の/作成されたホールのSEM画像に対して最適化した。限界寸法の測定に関する計測問題は、非特許文献2に論じられている。
【実施例1】
【0024】
ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレートのジブロック・コポリマ(PS−b−PMMA、96kg/mol−35kg/mol、ポリマ源から)の層を、直径が60nm乃至100nmの開口部を有する硬化193nmレジスト(JSR AM2073J)パターンを含んだ基板上にスピンキャストした。(この開口部はeビーム・リソグラフィによって基板上のフォトレジスト内に予め作成したが、その理由はeビーム・リソグラフィにより、高価なフォトマスクを作成すること又は最先端の193nm液浸リソグラフィ・ツールを使用することを必要とせずに、多数の異なるテストパターンを迅速に作成できるためである。しかしながら、実施例1及び実施例2(以下を参照)の両方は光リソグラフィを用いて再現することができる)。自己組織化ポリマは、200℃で5分間ベーキングし、次に、露光したPMMAを酸素プラズマで除去してホールを生成した。図2はポリマを塗布する前の同じ基板の異なる部分における開口部を示し(図1(A)の開口部124に類似)、一方、図3はエッチング・ステップ後に生じるホールを示す(図1(C)のホール150に類似)。特に、図2は、CD(この特定の実施例においては平均直径)が100nm、80nm、及び61nm(これらの数の各々は約50乃至100個の開口部の統計的平均を表す)である典型的な開口部の配列を示す。図3は、対応するコンタクト・ホールのCD(この特定の実施例においては平均直径)がそれぞれ45nm、42nm、及び39nm(これらの数の各々はやはり統計的平均を表す)であることを示す。
【0025】
最初の開口部のCDは100nm乃至61nmであるが(図2の上部及び下部のパネルを比較されたい)、結果として生じるコンタクト・ホールのCDは45nmからわずか39nmまでである(図3の上部及び下部のパネルを比較されたい)。これは、自己組織化プロセスが当初の開口部よりも小さい限界寸法を有するビアを生成できるだけでなく、結果として生じるビアが、当初の開口部の百分率CDばらつきに比べてより小さな百分率CDばらつきを有することを示唆する。従って、結果として生じるビアのCDにおける所与の所望の百分率ばらつきに対して、対応する最初の開口部のCDの許容できる百分率ばらつきは、自己組織化プロセスの利点のために多少大きな値まで緩和することができる。この事実は、例えば、光リソグラフィ技術をその解像度限界又はその近くで用いて最初の開口部を構築するときに、より大きなプロセス寛容度を可能にする。
【0026】
図4には、結果として生じるビアの平均CD(図3参照)を、最初の開口部の平均CD(図2参照)に対してプロットした。図2及び図3に示した3つのデータ点[(61、39);(80,42);(100、45)]、並びにそれらのデータ点と首尾一貫した付加的なデータを図4に含めた。
【0027】
最初の開口部のCDのばらつきが、コンタクト・ホール又はビアのCDのばらつきにどの程度現れるかの尺度を導入することが有用である。ここで導入する尺度は「自己組織化誤差係数」(SEF)と呼ぶ。特に、SEFは本明細書では、結果のビアのCDの百分率ばらつき(即ち、これらのビアの平均CDによって規格化された)を対応する最初の開口部のCDの百分率ばらつき(即ち、目標とする開口部の直径で規格化された、又はより正確には、最初の開口部の全ての平均CDで規格化された)で割った商として定義する。SEFは最初の開口部の平均CDに対して計算するが、理想的には、平均CDは目標とするCDと同一にすべきである。
【数2】
【数3】
【0028】
平均CDinitial openings及び平均CDresultingviasは容易に測定できる。ここで、ΔCDresulting vias/ΔCDinitial openingsの項は、図4にプロットしたデータの瞬間勾配から計算した。SEFは完全には線形関数でないので、この方法は、SEFを計算するための最も厳密な方法であり得る。しかしながら、幾つかの場合には、結果のビア及び最初の開口部の標準偏差を測定し、SEFの式においてΔCDresulting vias/ΔCDinitialopeningsにσresulting vias/σinitial openingsを代入することがより便利であり得る。
【0029】
自己組織化プロセスが、結果のビアの百分率CDばらつきを、最初の開口部の百分率CDばらつきに比べて増加させたとすると、SEFの値は1より大きくなる。自己組織化プロセスが、結果のビアの百分率ばらつきに対して、最初の開口部の百分率CDばらつきを単に再現する場合には、SEFの値は1となる。当初の予想よりも、最初の開口部の百分率CDばらつき(誤差)が自己組織化プロセスによって軽減する(低減する)ことが見出され、そのため、結果のビアの百分率CDばらつきが最初の開口部より小さくなり、即ち、本明細書で提示されるSEFの観測値は1より著しく小さくなる。従って、SEFはまた「自己組織化誤差低減係数」(SERF)と呼ぶことができる。光リソグラフィにおいては、マスク誤差係数(MEF)及びマスク誤差増大係数(MEEF)が、一般に、フォトマスク上の構造の不均一性によってフォトレジスト・パターン内に誘起される誤差を表すに用いられる。SERF及び「マスク誤差増大係数」(MEEF)は異なる物理現象を表し、異なるプロセスから生じるが、これらの2つの概念の根底にある数学的形式は類似する。
【0030】
SERFは、結果のビアのCDの百分率ばらつきが、最初の開口部のCDの百分率ばらつきに対してどの程度減少するかの尺度である。図5は、図4に示すデータに対してSERFをプロットしたものであり、所与の適切なブロック・コポリマに対して、SERFは最初の開口部の直径が減少するとともに減少する。換言すれば、最初の開口部に対して最終のホールの百分率CDばらつきを減少させることにおける、適切なブロック・コポリマの組織化プロセスの効果は、より小さな最初の開口部に対してより大きくなる(即ち、SERFは、より小さな最初の開口部のCDにおいてより小さくなる)。例えば、100nmの平均CDを有する最初の開口部に対して、SERFは約0.39であり、一方、60nmでは、SERFは約0.27である。従って、100nmの目標とする最初の直径に対して、結果のビアの百分率CDばらつき(即ち、平均CDで規格化されたばらつき)は、最初の開口部の百分率CDばらつき(即ち、平均CDで規格化されたばらつき)の0.39倍である。換言すれば、ポリマ材料の指向性自己組織化は、最初の開口部又はプレパターンのサイズに対して予想されるほど敏感ではない。リソグラフィの誤差(MEEFのような)は、通常、非常に小さい開口部を生成しようとする場合には増加するが、しかしながら、適切に設計されたブロック・コポリマの組織化プロセスは逆の挙動を示し、より小さな開口部に対して誤差(又はばらつき)を減少させ得ることがここで実証される。このように、本明細書で開示されるDSAプロセスによるSERFは、小さい最初の開口部を製造するのに用いる画像化プロセスにより生じる増加したMEEFを補償することができる。
【0031】
2.基板内のセグメント化され、プレパターン形成された開口部を用いる指向性自己組織化
22nmノードを超えると、光リソグラフィは、各開口部内に単一の自己組織化ホールの形成をもたらすことになる個別の開口部を作成するのに必要な解像度を欠く可能性がある。実際には、重なり合う個別の開口部を併合して、基板内部に1つ又は複数のセグメント化され、プレパターン形成された開口部を形成することができる。例えば、このような併合は、ポジ型レジストが過露光され、又はネガ型レジストが露光不足である場合に起り得る。セグメント化され、プレパターン形成された開口部は、所望の配置精度を達成するように各々の自己組織化ドメインの位置を指示し制御する多数の指向性構造部又は「突出部」を有する。さらに、自己回復効果(即ち、最初の開口部のCDの百分率ばらつきに対する、結果のビアのCDの百分率ばらつきの減少)もまた、これらのセグメント化され、プレパターン形成された開口部により観測される。セグメント化され、プレパターン形成された開口部は、各々が光リソグラフィによって解像できる寸法の多数の重なり合う個別の(典型的には円筒形の)ホールを組み合わせた結果と考えることができ。
【0032】
従って、本発明の代替的な実施において、セグメント化されたプレパターン(ある特定の幾何学的形状)を有する基板を用いて自己組織化ドメインの優れた配置精度を助長することができる。実施例として、図6(A)は、内部に開口部324を有する基板320の平面図を示すが、その幾何学的形状をこれから説明する。図7は、対応する3次元表示を示し、図6(A)とともに見るべきものである。開口部324は、基板320内の1つより多くのホールの重なりから生ずるものと考えることができる。重なり合うホールの各々は、形が円筒形であり、垂直又は実質的に垂直(即ち、基板に対して直角)な側壁328を有する。従って、開口部324の境界(基板320の表面における)は、円筒の場合には(垂直な側壁を有する)基板平面への円筒形ホールの射影である円の重なりと見ることができる。それゆえに、開口部324の周囲(基板320の表面における)は、各々がある曲率半径を有するこれらの重なり合う円に関連付けられる円弧332によって定められる。換言すれば、図6(A)は側壁の上部(即ち、基板320の上面)において描かれた側壁328の平面断面を示すと考えることができる。この平面内の側壁の周囲は、100nm未満のそれぞれの曲率半径rjを有する円弧332によって定められる。
【0033】
より一般的には、重なり合うホールは輪郭を示す凸状とすることができるが、理想的には円筒形ではないので、代わりに基板320の表面におけるホールの平均半径を用いることができる。例えば、ホールの断面が円からずれる可能性があり、側壁が傾斜し(円錐形のホール)、又はより複雑な形状(例えば、涙滴形状のホールのように)を有する可能性がある。これらのより複雑な場合に対しては、平均曲率半径は、同じ排除体積を有する等価な円筒形ホールの半径とすることができる。開口部324の側壁328は、ホールが交差する場所に隣接し、ここで側壁は突出部材又は突出部336を画定する。従って、所与の突出部336は2つの隣接する側壁の部分として、及びそれらから形成されるものと考えることができる。
【0034】
図6(A)に示すセグメント化されたプレパターンは円形ホールの重なりから生ずるが、実際には、所与の開口部の実際のホールは、レジスト又は他の処理ステップの非理想的な応答を含む、リソグラフィの限界によって理想的な円形にはならない可能性がある。このようなずれは、本発明の範囲内にあると考えられることを理解されたい。非円形の輪郭を有する任意のセグメントに対して、その平均曲率半径は、ハフ変換(例えば、非特許文献3を参照されたい)に基づいたアルゴリズムを用いて決定することができる。
【0035】
明瞭にするために、図6(A)に示す開口部324は4つだけの円筒形ホールから形成されているが、実際には、開口部324は、4つだけのホールよりも遥かに多くのホール、例えば、数百、数千又はさらに多くのホールから形成することができる。開口部324を構成するより小さなホールの各々は、同じ目標のCD(この場合には、目標の直径)を有するが、それにもかかわらず、これらのより小さいホールは、例えば、少なくとも10%(3σ>10%CD)のかなりのサイズのばらつきを有する可能性がある。
【0036】
図6(B)に示すように、ブロック・コポリマを含む調合物(及び以下に説明するように、他の添加物も可能)を基板320の上に塗布し、アニールしてドメイン342、346を形成する。図6(B)に示すように、ドメイン342、346の相は分離し、ドメイン346はドメイン342により囲まれる。好ましい実施において、わずか一つのドメイン346が各々の円筒形のホール内に形成され、これがセグメント化されたプレパターン開口部324の一部分を形成する。側壁328の上には、この相分離プロセスの結果としてドメイン342に対応するポリマの薄いコーティング(ブラシ層)が、プレパターンの界面化学、及び用いるブロック・コポリマの組成によって、存在しても良い(又は存在しなくてもよい)。
【0037】
自己組織化された個別のセグメント化されたドメイン346は、それぞれの幾何学的中心を有し、この中心の位置は少なくとも1つの側壁328及びその対応する突出部336によって定められる。例えば、ドメイン346aの幾何学的中心の位置は、2つの突出部336a1と336a2の間に延びるセグメント332aに対応する側壁によって、これら2つの突出部を補助として決められる。一方、隣接するドメイン346bの幾何学的中心は、セグメント332b(突出部のそれぞれの対、336a1と336b1、及び、336a2と336b2との間に延びる)に対応する2つの側壁によって、これら4つの突出部を補助として決められる。従って、突出部336を有する側壁328は、それらドメインそれぞれの自由エネルギーが最小になる点でドメイン346の位置付ける(又は方向付ける)ので、「指向性構造」と考えることができる。図6(C)に示すように、ドメイン346を選択的に除去してホールを形成することができ、次にこのホールを下層の基板320に転写してコンタクト・ホール又はビア350のパターンを形成することができる。ドメイン346は、例えば、現像プロセスを用いることによって(それらを水性塩基現像液で現像するように)、それらを溶媒に溶解することによって、又はプラズマによりそれらをエッチング除去することによって除去することができる。選択されるプロセスはドメイン346のポリマを除去し、一方、ドメイン342のポリマを残す。
【0038】
図6(A)に示すように、種々のセグメント332を、中心がそれぞれの距離Djによって分離される円の部分と見ることができる。実際、側壁328の周囲(基板320の表面において)は、距離Dj及びセグメント332に関連する曲率半径rjによって定義することができる。さらに、個別の分離したドメイン346の幾何学的中心は、隣接する分離したドメインが、a)所与のドメインの位置を予め決める側壁(少なくとも1つの)に対応するセグメントの平均曲率半径(又はセグメントの平均曲率半径の平均(算術平均)と、b)所与のドメインの最近接物の位置を予め決める側壁(少なくとも1つの)に対応するセグメントの平均曲率半径(又はセグメントの平均曲率半径の平均)との和より小さい距離djで分離されるように配置される。即ち、1つの側壁だけがある特定のドメインの位置を決める場合には(ドメイン346aの場合のように)、対応するセグメント(332a)の平均曲率半径をこの和を計算するのに用いるが、ある特定のドメイン(ドメイン346bの場合のように)の位置を複数の側壁が決める場合には、それらの複数の側壁に対応するセグメントの種々の曲率半径(332b、上部及び下部)の平均を用いる。図6(B)に示すように、d1<r1+r2、d2<r2+r3、及びd3<r3+r4である。分離したドメイン346の中心がセグメント332に対応する円の中心に配置される好ましい場合には、Dj=djとなる。
【0039】
輪郭を示す側壁328及びそれらの突出部336は光リソグラフィで形成することができるので、ドメイン346(及び従ってそれらの対応するビア350)は予め選択されたレイアウトに従って配置することができる。一般に、これら個別の分離したドメインは、必ずしも単一の軸に沿って整列させる必要はなく、むしろそれらを「行」、「列」、「対角線」などの形に配置することができる。隣接する個別の分離したドメイン346は、対応する円の平均曲率半径の和より小さい距離で分離されるので(例えば、図6(B)参照)、分離したドメイン346(及びその対応するホール350)は、その他の場合に必要となるよりも低い解像度のリソグラフィにより所望の空中密度で「印刷」することができる。従って、分離したドメイン346(及びそれらの対応するホール350)は、ブロック・コポリマの何れかの特定の対称性又は自然の周期性に適合する必要はない。例えば、図6の行を拡張して付加的な行を形成することによって、標準的な正方格子のレイアウトを形成することができる。さらに、隣接する個別の分離したドメイン346の間の中心間距離は、セグメント332に対応する側壁によって、又は他の指向性構造によって予め決めることができる。
【0040】
図6(A)に関連して上述したように、開口部324を構成する小さいホールの各々は、同じ目標のCDを有する(その結果、理想的にはr1、r2、r3及びr4は同じになる)が、それにもかかわらず、これらの小さいホールは、例えば、それらを形成するのに用いるリソグラフィ・プロセスの限界のために、かなりのサイズばらつき(例えば、それらの平均直径の少なくとも10%、3σ>10%CD)を有する可能性がある。しかしながら、結果として生じるビア350のCDのばらつきは、最初の開口部のCDのばらつきよりも小さく、これより実質的に小さくなる可能性がある。
【実施例2】
【0041】
ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレートのジブロック・コポリマ(PS−b−PMMA、96kg/mol−35kg/mol、ポリマ源から)の層は、その多くがセグメント化され、プレパターン形成された開口部を含む非周期的な個別の開口部を有する硬化193nmレジスト(JSR2073)パターンを含んだ基板上にスピンキャストした。(これら開口部はeビーム・リソグラフィによって基板上のフォトレジスト内に予め作成した)。図8は、これらの最初の開口部を有するこの基板を示す。ポリマは200℃で5分間ベーキングし、ポリマのドメインの自己組織化を促進した。次に、自己組織化ポリマを、酸素プラズマ中でエッチングしてPMMAを除去し、図9に示すホールを生成した。プレパターン形成された開口部のサイズ及び形状は、個々のセグメント化されたプレパターン内で、及びセグメント化されたプレパターンの間で、著しく変動することが分かる。DSAプロセスは、個別の開口部又はセグメント化されプレパターン化された開口部から始めて、減少したCD(ここでは、平均直径)、及び結果のホールのCDの減少した百分率ばらつきを有するビアを作成する。図8の開口部のCDは70nmであり、一方、結果として生じるビアのCDは33nmである。全体のSERFはこの場合0.6となり、このことは結果のビアのCDの百分率ばらつきが、プレパターン形成された開口部のCDの百分率ばらつきに対して40%減少することを示す。
【0042】
3.一般論
特定の開口部に対して適切なポリマを選択することは、十分な自己回復効果(即ち、結果のビアのCDの百分率ばらつきを、最初の開口部のCDの百分率ばらつきに対して減少させること)でビアを生成するために重要であり得る。ブロック・コポリマの分子量及び組成は、それらの指向性自己組織化及び自己回復挙動においてある役割を果たす。円形開口部で構成されるプレパターンに対して、より小さいSERF(より大きい回復)は、自己組織化材料の自然の周期性がプレパターン形成された開口部の直径に近い場合に得ることができる。しかしながら、開口部の直径が自己組織化材料の自然の周期性(中心間の間隔)の3倍より大きい場合には、開口部内に1つより多いビアを生成する可能性が高い。一方、開口部の直径が自然の周期性より遥かに小さい場合には、基板から少数のドメインを除去した後にホールが存在しないことは明らかであり、何故なら少数のドメインはそのような小さい開口部内に形成されないからである。
【0043】
さらに、自己回復挙動及び形成されたビアの形状は、一般に、ブロック・コポリマの組成及び分子量の両方の関数である。図10は、プレパターン形成された基板(内部に楕円形開口部を有する)、並びに、PS−b−PMMA(68kg/mol−33kg/mol)及びPS−b−PMMA(96kg/mol−35kg/mol)の自己組織化ドメインから形成されるそれぞれのビアのSEM画像を示す。PS−b−PMMA(68kg/mol−33kg/mol)から生じたビアの離心率は、出発の楕円形開口部の離心率に対して増加する。より強い自己回復効果(即ち、より小さいSERF)は、長軸に沿うより短軸に沿って観測される(図11参照)。一方、PS−b−PMMA(96kg/mol−35kg/mol)から生じたビアはほぼ円形であり、それらの離心率は出発の楕円形開口部に対して減少する。自己回復効果は長軸及び短軸の両方に沿って観測される(図11参照)。さらに、低減されたコンタクト縁部の粗さ(CER)もまた、この自己回復の結果である。即ち、最初の開口部が円形からずれている場合には、適切なポリマを選択すれば、結果のホールは円形から相対的により小さなずれを示す。
【0044】
開口部124及び324は、リソグラフィ技術、例えばeビーム又は光リソグラフィによって形成することができる。電子ビーム・リソグラフィの場合には、これらの開口部をレジスト上に直接生成することができる。光リソグラフィを用いる場合には、フォトレジストの層を基板上に形成し、光放射(例えば、248nm又は193nm)で特定のマスクを通して露光し、随意にベーキングし、現像液で処理して、トポグラフィカル・フォトレジスト・パターンを生成する。露光はまた液浸リソグラフィを用いて実施することもできる。開口部124及び324は単一の露光又は複数の露光プロセスを用いて形成することができる。DSAはネガティブ・トーンのレジスト・パターンにおいて直接実施することができる。DSAをポジティブ・トーンのレジスト・パターンにおいて実施する場合には、レジスト・パターンがブロック・コポリマのキャスティング溶媒(及び任意の他の添加物)に不溶になるようにレジスト材料の何らかの処理が必要となる可能性がある。例えば、表面架橋剤又は材料を用いてポジティブ・トーンのレジスト・パターンを処理することができる。その他の場合には、レジスト・パターンを下層の底部反射防止コーティング、ハードマスク層(例えば、酸化物又は窒化物材料)又は転写層(架橋有機樹脂)に転写することができ、その後レジストを除去し、表面を随意に修飾することができる。これらのパターンは、一般に、ブロック・コポリマのキャスティング溶媒に対して安定であり、付加的な安定化処理を必要としない。
【0045】
さらに、開口部124及び324は二重パターン形成プロセスにより形成することができる。一実施形態において、パターンを第1のフォトレジスト内に画像化し、下層のハードマスク層に転写する。残りの第1のレジストを除去した後、第2のレジストをパターン形成されたハードマスクにキャストして画像化し、第2のフォトレジスト・パターンを形成する。次に、第2のフォトレジスト・パターンをハードマスク内に転写する。第1及び第2のフォトレジストから転写された(重なり合う)パターンはハードマスク層内で組み合わせられて単一のセグメント化パターンを形成し、これをブロック・コポリマの組織化を指向するのに用いることができる。
【0046】
一旦、図1(A)及び図6(A)に示す構造が作成されると、それらの上のジブロック・コポリマの自己組織化が実行される。このプロセスはここで要約し、以下でより詳細に説明する。初めに少なくとも1つのブロック・コポリマ(BCP)を含むポリマ溶液を準備する。溶液中の付加的なBCP、ホモポリマ、コポリマ、界面活性剤及び光酸発生剤を用いることもできる。次に、溶液をセグメント化されたプレパターンを有する基板上にキャスティングして、所望の領域内に良好に見当合せしたポリマ・ドメインを形成する。ブロック・コポリマの移動度を増加すること(例えば、ベーキング又は溶媒蒸気処理により)が、PS−b−PMMA(ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレートのジブロック・コポリマ)のような特定のポリマには必要である。そのガラス転移温度が室温より低いブロック・コポリマに対しては、自発的な自己組織化が起り得る。付加的なアニーリング(熱アニーリング、熱勾配アニーリング、溶媒蒸気アニーリング又は何らかの他の勾配磁場を含む)を随意的に用いて、あらゆる欠陥を除去することができる。最後に、少なくとも1つの自己組織化ポリマ・ドメインを選択的に除去してホールを生成し、次にこのホールを下層の基板に転写することができる。例えば、2層(レジスト及び転写層)方式及び3層(レジスト、ハードマスク層、転写層)方式の両方が可能である(例えば、非特許文献4を参照されたい)。パターンの現像及びパターンの転写の前に、自己組織化ポリマを随意に化学的に修飾して、エッチング耐性又は特定の機械的特性のようなパターン転写に必要な特性を改善することができる。
【0047】
ここで用いるコポリマは、1つより多くのモノマ種から誘導されるポリマである。ここで用いるブロック・コポリマは、1つより多くのモノマ種を含むコポリマであり、ここでモノマはブロックで存在する。モノマの各々のブロックは、モノマの繰返し配列を含む。ブロック・コポリマを表す式(1)を以下に示す。
(1) -(A)a-(B)b-(C)c-(D)d-……-(Z)z-
式中、A、B、C、D乃至Zはモノマ単位を表し、下付き文字「a」、「b」、「c」、「d」乃至「z」は、それぞれA、B、C、D乃至Zの繰返し単位の数を表す。上記の典型的な式は、本発明に用いるブロック・コポリマの構造体を限定するものではない。コポリマの前述のモノマは、本発明の方法により、個々に及びそれらの組合せで用いることができる。
【0048】
ジブロック・コポリマは、2つの異なるポリマのブロックを有する。ジブロック・コポリマを表す式(2)を以下に示す。
(2) -(A)m-(B)n-
式中、下付き文字「m」及び「n」は、それぞれA及びBの繰返し単位の数を表す。ジブロック・コポリマの表記は、A−b−Bのように略記することができ、ここでAは第1のブロックのポリマを表し、Bは第2のブロックのポリマを表し、−b−はA及びBのブロックのジブロック・コポリマであることを示す。例えば、PS−b−PMMAは、ポリスチレン(PS)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)のジブロック・コポリマを表す。鎖状ブロック・コポリマに加えて、他の構造を有するブロック・コポリマ、例えば、星型コポリマ、分岐コポリマ、超分岐コポリマ、及びグラフト・コポリマをDSAに用いることもできる。
【0049】
ブロックは、一般に、任意の適切なミクロドメインを形成するブロックとすることができ、それに別の異なるブロックが結合できる。ブロックは種々異なる重合可能なモノマから誘導することができ、ここでブロックは、それらに限定されないが、ポリジエンを含むポリオレフィン、ポリ(アルキレンオキシド)(例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、又は、これらのランダム又はブロック・コポリマなど)を含むポリエーテル、ポリ((メタ)アクリレート)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノゲルマンなどを含むことができる。
【0050】
ブロック・コポリマのブロックはモノマとして、C2−30オレフィンモノマ、C1−30アルコール由来の(メタ)アクリレートモノマ、Fe、Si、Ge、Sn、Al、Tiをベースとするものを含む無機含有モノマ、又は前述のモノマの少なくとも1つを含む組合せを含み得る。ブロック内に用いるモノマは、C2−30オレフィンモノマとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1、3−ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ジヒドロピラン、ノルボルネン、無水マレイン酸、スチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−メチルスチレン、又はα−メチルスチレンを含み得る。モノマは、(メタ)アクリレートモノマとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含み得る。これらのモノマの2つ又はそれ以上の組合せを用いることができる。ホモポリマであるブロックは、スチレン(例えば、ポリスチレンブロック)、又はポリ(メチルメタクリレート)のような(メタ)アクリレート・ホモポリマ・ブロックを用いて調製されるブロックを含むことができる。ランダム・ブロックは、例えば、ランダムに共重合されたスチレン及びメチルメタクリレート(例えば、ポリ(スチレン−co−メチルメタクリレート))のブロックを含むことができる。代替のコポリマ・ブロックはスチレン及びマレイン酸無水物のブロックを含むことができ、これはほとんどの条件下でマレイン酸無水物がホモポリマ化できないためにスチレン−マレイン酸無水物2分子繰返し構造を形成する(例えば、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸無水物)ことが知られている。このようなブロックは例示的なものであって、限定するものと考えるべきではないことを理解されたい。
【0051】
さらに、本方法で用いるのに適切であり得るブロック・コポリマは、例えば、ポリ(スチレン−b−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン)、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−アルケニル芳香族)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−(エチレン−プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−t−ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−t−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ジメチルシロキサン)、又は前述のブロック・コポリマの少なくとも1つを含む組合せなどのジブロック又はトリブロック・コポリマを含む。
【0052】
ブロック・コポリマは、さらなる処理を行うことができる全体的な分子量及び多分散性を有することが望ましい。例えば、ブロック・コポリマは3,000乃至400,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。同様に、ブロック・コポリマは、1,000乃至200,000の数平均分子量(Mn)を有することができる。ブロック・コポリマはまた、1.01乃至6の多分散性(Mw/Mn)を有することができるが、それに特に限定されない。Mw及びMnの両方の分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフにより、ポリスチレン標準に対して較正されるユニバーサル較正法を用いて決定することができる。
【0053】
ブロック・コポリマの調合物は、スピンコーティングにより、例えば、約1rpm乃至約10,000rpmのスピン速度で、乾燥後プロセスを用いて又は用いずに、基板上に塗布することができる。他のプロセス、例えば、浸漬コーティング及びスプレーコーティングなどを用いて、ブロック・コポリマ調合物を基板に塗布することができる。
【0054】
本明細書で用いる「相分離」は、ブロック・コポリマのブロックが「ミクロドメイン」及び単に「ドメイン」とも呼ばれる個別のミクロ相分離ドメインを形成する傾向を指す。同じモノマのブロックが集まってドメインを形成し、ドメインの間隔及び形態はブロック・コポリマ内の異なるブロックの相互作用、体積分率及び数に依存する。ブロック・コポリマのドメインは、例えばスピン・キャスティング・ステップ中にそれらを基板に塗布する際に自発的に形成させることができ、又は、アニーリング・ステップの結果として形成させることができる。「加熱」又は「ベーキング」は、基板及びその上のコーティング層の温度を周囲温度より高く上昇させる一般的なプロセスである。「アニーリング」は、熱アニーリング、熱勾配アニーリング、溶媒蒸気アニーリング、又は他のアニーリング法を含むことができる。熱アニーリングは、場合により「熱硬化」と呼ばれ、相分離を誘起するのに用いられ、さらに、横方向のミクロ相分離ドメインの層内の欠陥を削減又は除去するためのプロセスとして用いることができる。一般には、ある時間(例えば、数分から数日)の間、ブロック・コポリマのガラス転移温度より高温で加熱することを含む。
【0055】
使用できる溶媒は、ブロック・コポリマの成分、及び、もしあれば種々の添加物の溶解度条件により変化する。これらの成分及び添加物に対する例示的なキャスティング溶媒には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオナート、アニソール、乳酸エチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン(GBL)、トルエンなどが含まれる。
【0056】
添加物は、付加的なポリマ(ホモポリマ、星型ポリマ及びコポリマ、超分岐ポリマ、ブロック・コポリマ、グラフト・コポリマ、超分岐コポリマ、ランダム・コポリマ、架橋ポリマ、並びに無機含有ポリマを含む)、小分子、ナノ粒子、金属化合物、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、塩基消光剤、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び前述物の少なくとも1つを含む組合せからなる群から選択することができ、ここで、1つ又は複数の添加物はブロック・コポリマと共に会合して、1つ又は複数の自己組織化ドメインの部分を形成する。
【0057】
本明細書で用いる基板は、本明細書で説明する何れかの方法で用いるのに適した物理構造体であり、半導体産業で使用される基板を含むが、必ずしもそれに限定されない。これは、その上に材料(例えば、ポリマ、ポリマ材料、金属、酸化物、誘電体など)を堆積又は付着させることができる物理的本体(例えば、層又は積層、材料など)を含む。本明細書において、基板は、半導体材料、絶縁材料、導電性材料、又は、多層構造体を含むそれらの任意の組合せを含むことができる。従って、例えば、基板は、Si、SiGe、SiGeC、SiC、GaAs、InAs、InP及び他のIII/V族又はII/VI族化合物半導体のような半導体材料を含むことができる。基板は、例えば、シリコンウェハ、又は集積半導体ウェハのような半導体製造プロセスの種々の段階において製造されるようなプロセス・ウェハを含むことができる。基板は、例えば、Si/SiGe、Si/SiC、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)又はシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)のような層状基板を含むことができる。基板は、例えば、誘電体層、SiCのような銅に対する障壁層、銅のような金属層、二酸化ハフニウム層、シリコン層、酸化シリコン層など、又はそれらの組合せのような1つ又は複数の層を含むことができる。基板は、例えば、有機絶縁体、無機絶縁体、又は多層を含むそれらの組合せのような絶縁材料を含むことができる。基板は、導電性材料、例えば、多結晶シリコン(ポリSi)、元素金属、元素金属の合金、金属シリサイド、金属窒化物、又は多層を含むそれらの組合せを含むことができる。基板は、イオン注入領域、例えば基板の表面に対してアクティブなP型又はN型拡散を有するイオン注入ソース/ドレイン領域を含むことができる。
【0058】
本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から離れずに他の特定の形態で具体化することができる。説明した実施形態は、全ての点で単に例証的なものであり限定的なものではないと考えられたい。それゆえに、本発明の範囲は、前述の説明よりむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の同等の意味及び範囲内にある全ての変更物は本発明の範囲内に包含される。
【符号の説明】
【0059】
120、320:基板
124、324:開口部
142、146、342、346、346a、346b:ドメイン
150、350:ビア
332、332a、332b:セグメント
328:側壁
336、336a1、336b1、336a2、336b2:突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標とする限界寸法(CD)が200nm未満の個別の開口部を有する基板であって、前記開口部は標準偏差σopenings及び平均CDopeningsによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、3σopeningsは前記平均CDopeningsの少なくとも10%である、前記基板を準備することと、
ブロック・コポリマを含むポリマ層であって、前記コポリマの成分は互いに混合しない、前記ポリマ層を前記基板の上に塗布することと、
前記ポリマに前記開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメインの内部に自己組織化中心ドメインを形成させることと、
前記中心ドメインを選択的に除去して各々の中心ドメインがあった場所にホールを形成することと
を含み、
前記ホールは標準偏差σholes及び平均CDholesによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、
σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.8倍より小さい、
方法。
【請求項2】
前記ホールを前記基板に転写することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホールを材料で埋め戻すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板は、少なくとも1つのレジスト、ハードマスク、及び反射防止コーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマはアニールされて前記自己組織化中心ドメイン及び前記周囲の自己組織化ドメインを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記開口部は光リソグラフィを用いて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記目標とするCDを有する前記開口部の数は少なくとも100である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記目標とするCDを有する前記開口部の数は少なくとも1,000である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記個別の開口部は円形開口部を含み、前記目標とする限界寸法は前記円形開口部の直径の寸法である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記個別の開口部は楕円形である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.7倍より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.5倍より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ブロック・コポリマは、ポリ(スチレン−b−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン)、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−アルケニル芳香族)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−(エチレン−プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−t−ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−t−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−テトラヒドロフラン)、及び前述のブロック・コポリマの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ホールは周期的配列に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ホールは周期的配列を形成しない、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
目標とする直径が200nm未満の開口部を各々が有する複数の基板であって、前記目標とする直径は前記基板の各々に対して同じであり、前記開口部は、標準偏差σopenings及び平均直径openingsによって特徴付けられる統計的ばらつき(前記基板内の前記開口部の全てに対する)を有する平均直径を有し、3σopeningsは前記目標とする直径の少なくとも10%である、前記基板を準備することと、
ブロック・コポリマを含むポリマ層であって、前記コポリマの成分は互いに混合しない、前記ポリマ層を前記基板の各々の上に塗布することと、
前記ポリマに前記基板の各々の前記開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメインの内部に自己組織化中心ドメインを形成させることと、
前記基板の各々の前記中心ドメインを選択的に除去して各々の中心ドメインがあった場所にホールを形成することと
含み、
前記ホールは、標準偏差σholes及び平均直径holesによって特徴付けられるそれぞれの直径及びそれらの直径の統計的ばらつき(前記基板内の前記ホールの全てに対して)を有し、
σholes/平均直径holesは、σopenings/平均直径openingsの0.8倍より小さい、
方法。
【請求項17】
前記方法は前記基板に同時に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は1つの基板から別の基板へと順次基板に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
内部に開口部を有する表面を有する基板であって、前記開口部は目標とする直径が200nm未満の重なり合うホールから形成されるものと等価の境界を有し、前記ホールはその側壁が隣接する突出部を定める前記側壁を有し、前記重なり合うホールは、標準偏差σoverlapping holes及び平均直径overlappingholesによって特徴付けられるそれぞれの直径及びそれらの直径の統計的ばらつきを有する、前記基板を準備することと、
ブロック・コポリマを含むポリマ層であって、前記コポリマの成分は互いに混合しない、前記ポリマ層を前記基板の上に塗布することと、
前記ポリマに、前記ホールの1つに対応する前記開口部の各々の部分の内部に単一の個別の分離したドメインを形成させることと、
前記個別の分離したドメインの少なくとも幾つかを除去してホールを形成することと
を含み、
前記形成されたホールは、標準偏差σformed holes及び平均直径formed holesによって特徴付けられるそれぞれの直径及びそれらの直径の統計的ばらつきを有し、
i)前記各々の個別の分離したドメインの位置は、少なくとも1つの側壁と、前記少なくとも1つの側壁の少なくとも部分を形成する突出部とによって予め決められ、
ii)前記ドメインはそれぞれの幾何学的中心を有し、いずれの所与のドメインに対しても、その中心と前記所与のドメインの最近接物の中心とは、前記所与のドメイン及び前記所与のドメインの最近接物の位置を予め決める前記側壁に対応するホールの平均曲率半径の和より小さい距離だけ分離され、
iii)σformed holes/平均直径formed holesは、σoverlapping holes/平均直径overlappingholesより小さい、
方法。
【請求項20】
前記形成されたホールを前記基板内に転写することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
3σoverlapping holesは、前記前記目標とする直径の少なくとも10%である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
σformed holes/平均直径formed holesは、σoverlapping holes/平均直径overlappingholesの0.8倍より小さい、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
目標とする限界寸法(CD)が200nm未満の個別の開口部を有する基板であって、前記開口部は標準偏差σopenings及び平均CDopeningsによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、3σopeningsは前記平均CDopeningsの少なくとも10%である、前記基板を準備することと、
ブロック・コポリマを含むポリマ層であって、前記コポリマの成分は互いに混合しない、前記ポリマ層を前記基板の上に塗布することと、
前記ポリマに前記開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメインの内部に自己組織化中心ドメインを形成させることと、
前記中心ドメインを選択的に除去して各々の中心ドメインがあった場所にホールを形成することと
を含み、
前記ホールは標準偏差σholes及び平均CDholesによって特徴付けられるCDの統計的ばらつきを有し、
σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.8倍より小さい、
方法。
【請求項2】
前記ホールを前記基板に転写することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホールを材料で埋め戻すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板は、少なくとも1つのレジスト、ハードマスク、及び反射防止コーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマはアニールされて前記自己組織化中心ドメイン及び前記周囲の自己組織化ドメインを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記開口部は光リソグラフィを用いて形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記目標とするCDを有する前記開口部の数は少なくとも100である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記目標とするCDを有する前記開口部の数は少なくとも1,000である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記個別の開口部は円形開口部を含み、前記目標とする限界寸法は前記円形開口部の直径の寸法である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記個別の開口部は楕円形である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.7倍より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
σholes/平均CDholesは、σopenings/平均CDopeningsの0.5倍より小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ブロック・コポリマは、ポリ(スチレン−b−ビニルピリジン)、ポリ(スチレン−b−ブタジエン)、ポリ(スチレン−b−イソプレン)、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−b−アルケニル芳香族)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−(エチレン−プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−t−ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−t−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−テトラヒドロフラン)、及び前述のブロック・コポリマの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ホールは周期的配列に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ホールは周期的配列を形成しない、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
目標とする直径が200nm未満の開口部を各々が有する複数の基板であって、前記目標とする直径は前記基板の各々に対して同じであり、前記開口部は、標準偏差σopenings及び平均直径openingsによって特徴付けられる統計的ばらつき(前記基板内の前記開口部の全てに対する)を有する平均直径を有し、3σopeningsは前記目標とする直径の少なくとも10%である、前記基板を準備することと、
ブロック・コポリマを含むポリマ層であって、前記コポリマの成分は互いに混合しない、前記ポリマ層を前記基板の各々の上に塗布することと、
前記ポリマに前記基板の各々の前記開口部の各々の内部で、周囲の自己組織化ドメインの内部に自己組織化中心ドメインを形成させることと、
前記基板の各々の前記中心ドメインを選択的に除去して各々の中心ドメインがあった場所にホールを形成することと
含み、
前記ホールは、標準偏差σholes及び平均直径holesによって特徴付けられるそれぞれの直径及びそれらの直径の統計的ばらつき(前記基板内の前記ホールの全てに対して)を有し、
σholes/平均直径holesは、σopenings/平均直径openingsの0.8倍より小さい、
方法。
【請求項17】
前記方法は前記基板に同時に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は1つの基板から別の基板へと順次基板に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
内部に開口部を有する表面を有する基板であって、前記開口部は目標とする直径が200nm未満の重なり合うホールから形成されるものと等価の境界を有し、前記ホールはその側壁が隣接する突出部を定める前記側壁を有し、前記重なり合うホールは、標準偏差σoverlapping holes及び平均直径overlappingholesによって特徴付けられるそれぞれの直径及びそれらの直径の統計的ばらつきを有する、前記基板を準備することと、
ブロック・コポリマを含むポリマ層であって、前記コポリマの成分は互いに混合しない、前記ポリマ層を前記基板の上に塗布することと、
前記ポリマに、前記ホールの1つに対応する前記開口部の各々の部分の内部に単一の個別の分離したドメインを形成させることと、
前記個別の分離したドメインの少なくとも幾つかを除去してホールを形成することと
を含み、
前記形成されたホールは、標準偏差σformed holes及び平均直径formed holesによって特徴付けられるそれぞれの直径及びそれらの直径の統計的ばらつきを有し、
i)前記各々の個別の分離したドメインの位置は、少なくとも1つの側壁と、前記少なくとも1つの側壁の少なくとも部分を形成する突出部とによって予め決められ、
ii)前記ドメインはそれぞれの幾何学的中心を有し、いずれの所与のドメインに対しても、その中心と前記所与のドメインの最近接物の中心とは、前記所与のドメイン及び前記所与のドメインの最近接物の位置を予め決める前記側壁に対応するホールの平均曲率半径の和より小さい距離だけ分離され、
iii)σformed holes/平均直径formed holesは、σoverlapping holes/平均直径overlappingholesより小さい、
方法。
【請求項20】
前記形成されたホールを前記基板内に転写することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
3σoverlapping holesは、前記前記目標とする直径の少なくとも10%である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
σformed holes/平均直径formed holesは、σoverlapping holes/平均直径overlappingholesの0.8倍より小さい、請求項19に記載の方法。
【図4】
【図5】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図5】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−269304(P2010−269304A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102303(P2010−102303)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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