説明

ポリマー材料から色を除去するための方法

染料または顔料で着色されたポリマー組成物を、含窒素有機塩基、アンモニウム塩、およびアルカノールを含有する非水性抽出溶媒と接触させることを含む方法により、ポリマー材料から色を除去する。本方法は着色されたポリアミド、例えば染色されたナイロン繊維をリサイクルするための方法に容易に適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー材料から色を除去するための方法に関し、例えば、着色されたポリマー組成物、例えば染料もしくは顔料で着色されたポリマーを、含窒素有機塩基、アンモニウム塩、およびアルカノールを含有する非水性抽出溶媒と接触させることにより、染色されたポリアミド組成物から着色剤を抽出するための方法に関する。本方法は、着色されたポリアミド製基材、例えば染色されたナイロン繊維のリサイクル法に容易に適用される。
【0002】
利用可能な埋め立て地の量が減少するにつれ、そして合成ポリマーから製造される製品数が増大するにつれ、環境負荷の少ないこれらのポリマー含有製品の廃棄法が必要である。埋め立て廃棄に対する望ましい代替案は、ポリマーのリサイクルと再利用である。
【0003】
リサイクルされた合成ポリマー材料の使用に対して大きな制限を加えるのは、付与された色である。顔料や染料といった着色剤は一般的に、実用的な、および美観的な理由でポリマー組成物に加えられ、かつ新品のポリマーと、リサイクルできる可能性のあるポリマー製品中に存在しているような表面染色された繊維もしくは着色されたポリマーとの間にはしばしば、大きな色の違いがある。着色剤の存在はまた、慣用のリサイクル工程の間にポリマーの加工可能性を損なうことがある。
【0004】
例えばリサイクルされるポリマー繊維の表面にある染料により、ポリマーが再利用に不適格になることがあるのは、染料が分解することなく加工工程後に残るか、またはポリマーの分解を引き起こす場合に、リサイクルされたポリマーから製造された製品に対して染料が所望の色と一致しない時である。最悪の場合、その他の点ではリサイクルに適していた物品は、その色が下流での特定の使用に望ましくない、または不適切であるというだけの理由で完全に不良品になり、そして埋め立て廃棄されることになる。
【0005】
従って、ポリマー製品から着色剤を除去するための方法が望まれている。どのような方法であっても、すべてのポリマーに適用できないように思われる一方、リサイクルできる可能性のあるポリマーは、一つの商業的な供給源から大量に選別されることもある。例えば、中古のカーペットから得られるポリアミド繊維は、かなりの量がリサイクルに利用できる。米国における中古の住宅用カーペット廃棄物での表面繊維の約40%が、表面染色されたナイロン6であり、また別の40%は表面染色されたナイロン6,6である。
【0006】
US特許4,227,881(参照をもってその全体が開示されたものとする)は、アンモニウム塩、亜硫酸塩、および有機スルホネートから成る水溶液を少なくとも60℃に加熱し、かつ溶液の温度を維持しながら染色された繊維を加熱した溶液に加えることを含む、織物繊維から染料を取り除くための方法を開示している。
【0007】
US特許5,989,296(参照をもってその全体が開示されたものとする)は、上昇させた温度でインディゴ染料が溶解性である有機溶媒、例えば1,1,2−トリクロロエタンで繊維を抽出することにより、デニムの端布からインディゴ染料を除去するための方法を開示している。この後溶媒を冷却し、還元剤を含有する水溶液で抽出する。
【0008】
US特許No.4,783,193(参照をもってその全体が開示されたものとする)は、着色されたポリマーをハロゲン化アルキルの分散液、および漂白剤/酸化剤の水溶液(これには一定量の酸と界面活性剤/湿潤剤が加えられている)と接触させることによって合成ポリマー製品から色を取り除くための方法を開示している。欠点となるのはとりわけ、有害であり得るハロゲンおよび有機ハロゲン化物の使用であり、そして環境に害をもたらしかねない蒸気の漏出を防止するために特別な設備が必要なことである。
【0009】
一般的に、強力な色抜き剤を使用する方法は、着色剤を損傷または破壊して、処理または廃棄しなければならない化学廃棄物流を生成させる。このような強力な方法はまた、除去不能な着色剤の残存物をもたらすことがあるか、またはポリマーに損傷を与え、このことにより色抜きをした材料を下流でリサイクルする可能性が限定されることがある。
【0010】
ポリマー製基材からの染料の単純な溶媒抽出を含む方法は、構想的に単純なものであり、例えばポリマー繊維組成物中に存在しうる染料を測定するために、少なくとも分析的なレベルで利用できることは公知である。しかしながらリサイクル可能なポリマーから着色剤を除去するための工業レベルで有用な方法では、着色剤のすべてではなくともその大部分をポリマーから除去しなければならず、先に述べたように、どのような方法または抽出システムもすべてのポリマー製基材からすべての着色剤を効率的に除去するのには充分ではないと考えられる。
【0011】
US特許6,083,283(参照をもってその全体が開示されたものとする)は、ポリマー製品全体に分散された天然の、および合成の着色剤を除去するほど充分に、膨潤剤がポリマー母材内の分子間力を妨害し、かつポリマー構造を充分に開裂させるという条件下で、アクリル樹脂およびポリアミドを膨潤剤と接触させることによる、アクリル樹脂とポリアミドから着色を除去し、かつ染料を抽出するための方法を開示している。
【0012】
US特許出願公開公報20060070188(参照をもってその全体が開示されたものとする)は、好ましくは少なくとも1の環状エステルを含有し、そして選択的に界面活性剤、アルコール、またはその両方を含有する非水性エステルの色抜き組成物と繊維とを接触させることによる、繊維表面から染料を除去するための方法を開示している。この方法によれば、後に除去しなければならなくなる膨潤剤をポリマー母材全体に浸透させないことが利点である。
【0013】
ポリマー製基材と、これらのポリマー製基材を含む市販の製品とから効率的に、かつ完全に着色剤、すなわち染料と顔料を除去し、その中に含有されているポリマーの容易なリサイクルを可能にすることに基づき得る方法に対する要求がなお存在している。本発明は、これらのポリマー製基材、例えば染色されたナイロン繊維のようなポリアミド製品から着色剤を除去してポリマーをリサイクルと再利用に適したものにする、実用的な、低コストで、かつ環境に優しい方法を提供する。
【0014】
本発明の概要
本発明は、着色されたポリマー組成物、例えばポリアミド組成物から着色剤を除去するための方法を提供する。この方法は、着色されたポリマー、例えば染色されたポリアミド組成物を、含窒素有機塩基、アンモニウム塩、およびアルカノールを含む非水性抽出溶媒と接触させて脱色されたポリマーを得、この後該ポリマーを抽出溶媒と着色剤から分離することを含む。本発明の方法は、ポリマーをほとんど分解させることなくリサイクル工程の一部として、ポリマー、例えばナイロン6またはナイロン6,6のようなポリアミドから染料を素早く、かつ完全に除去するために有用であり、これによりポリマーの回収と再利用が可能になる。染色された繊維でしばしば見られる他のポリマー、例えばポリエステルとポリプロピレンもまた、本発明による方法により脱色される。染料、例えば酸性染料もまた、本発明による方法により簡便に脱色される一方、これらの条件下で特定の顔料もまた除去することができる。
【0015】
発明の詳細な説明
本開示において発明は主にポリアミド組成物について詳細に記載されているが、本方法または本方法の明らかな変法は、着色された他のポリマー組成物、例えば染色されたポリプロピレン、およびポリエステル繊維、例えば染色されたPET繊維から着色剤を除去するために用いることができる。
【0016】
着色されたポリマー組成物、例えば染色されたポリアミド組成物は通常固体であり、かつ工程を通じて完全にではなくとも主に固体のままである。すなわち、溶媒が固体と接触するあらゆる工程では、多少の溶解が起こることがあり、溶解された固体の平衡量が少量で存在することがあり、そしてこの際このような現象が起こり得るが、ポリマーのこのような溶解は本方法では最小限である。脱色されたポリマー、例えばポリアミドはこの後すぐに抽出溶媒から、例えば濾過、または溶媒のデカンテーションにより分離し、回収したポリマーは選択的に水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合物で洗浄する。
【0017】
非水性抽出溶媒は、含窒素有機塩基、アンモニウム、およびアルカノールを含む。
【0018】
含窒素有機塩基という言葉は、現役の化学者の間では広く理解されており、多数の教科書に記載されている。抽出溶媒の含窒素有機塩基は、強塩基であっても、または弱塩基であってもよく、かつ通常アミンまたはアミドを含み、これらのものはよく知られた市販品である。アミドとはカルボン酸アミドのことであり、例えばカルボン酸とアンモニアもしくは有機アミンとの縮合生成物である。1つ以上の有機塩基が存在していてよいが、1つのアミンまたはアミドを有機塩基として用いると、しばしば素晴らしい結果が得られる。多くの場合有機塩基は、抽出溶媒の大部分、例えば50%以上であり、かつ通常は工程を通じて生じる温度において液体である。
【0019】
本開示の目的に対して「有機塩基」という言葉は、抽出溶媒の含窒素有機塩基のことである。
【0020】
かなりのアミンが広く利用可能であり、かつモノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミンを含め、本発明において有機塩基として使用することができる。これらのアミンは非環式の、環式の、または多環式のアミンであってもよい。アリールアミンおよび芳香族アミン、例えばピリジンとアニリンを使用することができるが、多くのピリジンとアニリンの毒性を考慮すると、より実用性の低い選択枝である。ポリアミンも公知であり、これを使用することもできる。
【0021】
本発明において使用可能な公知のアミンは例えば、モノ−、ジ−、またはトリ−C1〜C12アルキルアミンを含み、この際アルキル基は置換されていないか、または一般的に現れる基、例えばヒドロキシ基、アルコキシ基、およびアリール基で置換されていてよく、ジ−、およびトリアルキルアミンのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい;
第二級または第三級環式アミン、例えば少なくとも1の炭素原子と少なくとも1の窒素原子を含有する5〜7員環のヘテロ環式化合物(該ヘテロ環式化合物はまた、O、S、および付加的な窒素原子から選択された他のヘテロ原子を含有していてよい)、この際1または複数の環内窒素は置換されていなくても、C1-12アルキル基(該アルキル基は置換されていなくても、一般的に現れる基、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、またはアリール基により置換されていてもよい)により置換されていてもよく、そしてこの際に環の炭素原子は一般的な基、例えばアミノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基、またはC1-12アルキル基(該アルキル基は置換されていなくても、一般的に現れる基、例えばアミノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、またはアリール基により置換されていてよい)でさらに置換されていてよく、
または
環内炭素原子または環内窒素原子にある置換基のうちいずれか二つが結合して付加的な炭素環式の、またはヘテロ環式の環を形成し、これにより多環式アミンが生じる。
【0022】
環式の、および多環式のアミンは、置換された、または置換されていない、飽和の、または不飽和のピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピリミジン、アザ−、およびジアザ−ビシクロオクタン、ノナン、ウンデカンなどを含む。
【0023】
アミドはまた広く利用可能であり、本発明において有機塩基として有用である。本発明のアミドは、カルボン酸アミド、例えばカルボン酸とアンモニアから誘導体されるものであるか、またはカルボン酸とモノアルキルアミン、ジアルキルアミン、または先に記載したN−H環式アミン、または環式アミド、例えば2−ピロリドンと2−ピペリドンから誘導されるものである。環式アミドはまた、他のヘテロ原子を環に含有していてよく、そしてまた環式アミンに対して先に記載したような置換基を有していてもよい。
【0024】
例えば、本発明で有機塩基として有用なアミドは、置換されていない、または一般置換されたC1-12カルボン酸とアンモニアから誘導されるアミド、一般置換された、または置換されていないC1-12モノアルキルアミンもしくはジアルキルアミン、または上記のN−H環式アミンである。「一般置換された」ということは、置換基、例えばアミノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、またはアリール基を含む。
【0025】
本発明で有機塩基として有用なアミドは例えば、置換されていない、または一般置換されたC1-6カルボン酸と、アンモニア、または置換されていない、またはヒドロキシ基もしくはアルコキシ基で置換されたC1-12モノアルキルアミンもしくはジアルキルアミンとから誘導されるアミドである。
【0026】
例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチル酢酸、およびヘキサン酸と、アンモニア、または置換されていないC1-4モノアルキルアミンもしくはジアルキルアミンとから誘導されるアミドである。
【0027】
一実施態様において含窒素有機塩基は、環式アミド、例えば2−ピロリドン、2−ピペリドン、2−モルホリノン、または2−ピラノンである。
【0028】
例えば、環式アミド、すなわちその構造式は、
【化1】

[式中、XとX’は相互に独立してO、N−H、N−C1-4アルキル、C−HまたはC1-4アルキル、およびR、R’、およびR’’は相互に独立して水素またはC1-4アルキルである]
である。
【0029】
例えば、XとX’は相互に独立してO、N−H、N−CH3、C−H、またはC−CH3であり、そしてR、R’、およびR’’は相互に独立して水素またはCH3アルキルである。
【0030】
例えば、XとX’は相互に独立してO、N−H、N−CH3、またはC−Hであり、RはCH3であり、そしてR’とR’’は水素である。
【0031】
有機塩基として有用なアミドは例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、およびN−メチルピロリドンを含む;例えば2−ピロリドンとN−メチルピロリドンである。
【0032】
抽出溶媒が含むアンモニウム塩は、アンモニウムカチオンと対アニオンを含むあらゆる塩である。
【0033】
アンモニウムカチオンは例えば、置換されていないアンモニウム、C1-24アルキル、1またはそれ以上の酸素原子で中断されているC2-24アルキル、C6-10アリール、C7-9アラルキルから選択された1またはそれ以上の基で1、2、3または4回置換されたアンモニウムであり、そして前記アルキル、前記中断されたアルキル、前記アリール、および前記アラルキルは、アルキル、OH、OC1-24アルキル、またはOC1-24アシルで置換されている。
【0034】
アンモニウムカチオンはまた、環、例えばシクロヘキシル環、もしくはピリジン環、または多環を含んでいてよく、この環もしくは多環は、置換されていてもよい。
【0035】
アンモニウムカチオンは例えば、モノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ−C1-24アルキルアンモニウム(この際、それぞれのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)であり、;モノ−、ジ−、トリ−、またはテトラベンジルアンモニウム:モノ−、ジ−、トリ−、およびテトラ−C1-24ヒドロキシアルキルアンモニウム(この際、それぞれのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)である。
【0036】
アンモニウムカチオンは例えば、置換されていないアンモニウム、またはモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ置換されたアンモニウムであり、この際それぞれの置換基はC1-24アルキル、ベンジル、C6-10アリール、およびC1-24ヒドロキシアルキルの群から独立して選択されている。
【0037】
アンモニウム塩の一般的な対イオンは、水酸化物、アルコキシド、有機酸の共役塩基を含み、その一般的な例はギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、およびトシレートであり、ならびに無機酸の共役塩基、その一般的な例はフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、および硫酸イオンである。
【0038】
抽出溶媒はまた、アルカノール、例えばC1-24アルコール、ジオール、またはポリオールを含む。1またはそれ以上のヒドロキシ基を含有するオリゴマーとポリマー、例えばポリアルキレングリコールを使用することもできる。一般的なアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールの、ペンタノールの、ヘキサノールの、および2−エチルヘキサノールを含むオクタノールのあらゆる異性体を使用することができ、良好な結果が得られる。
【0039】
通常、アルカノールは抽出溶媒の主成分になることはなく、かつ一般的には反応混合物の50%未満、例えば抽出溶媒の全質量に対して0.5〜40質量%、例えば1〜25質量%で存在する。
【0040】
アルキルは、特定の炭素原子数から成る線状の、または分枝状のアルキル鎖であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどである。
【0041】
本発明は「非水性抽出溶媒」を用い、そして抽出溶媒が着色されたポリマーと接触する時間の間、水が大量に存在することは推奨されない。
【0042】
しかしながら、アミド、アミン、アンモニウム塩、および抽出溶媒のアルカノールは、しばしば無水状態で獲得または貯蔵することが困難であり、ある程度の量の水が不可避的に存在する。経済面を考慮すれば、アミド、アミン、アンモニウム塩、または水を含有する混合物であるアルカノールを使用することがより適していることもある。脱色すべき着色されたポリマーはさらに、抽出溶媒と接触させる前に洗浄されていてよいが、脱色の前にポリマーを乾燥させることは不都合なことがある。従って抽出溶媒は、その中に測定可能な量で水を含んで存在していてよく、その量とはすなわち水が抽出溶媒の全質量に対して0.1〜25質量%未満、例えば0.1〜20質量%である。一般的に抽出溶媒は、抽出溶媒の全質量に対して0.1〜10質量%未満、水を含む。
【0043】
本発明の特別な実施形態において、抽出溶媒は基本的に水不含である、これはすなわち抽出溶媒が抽出溶媒の全質量に対して水を5質量%未満、例えば0.1〜2質量%含有するということである。
【0044】
従って抽出溶媒は通常、有機塩基を40〜98質量%、アンモニウム塩を0.1〜20質量%、およびアルカノールを0.1〜40質量%含み、例えば抽出溶媒の全質量に対して含窒素有機塩基を50〜98質量%、アンモニウム塩を1〜15質量%、およびアルカノールを1〜35質量%含む。抽出溶媒はしばしば、抽出溶媒の全質量に対して50質量%以上であり、例えば抽出溶媒は、抽出溶媒の全質量に対して含窒素有機塩基を75〜98質量%、アンモニウム塩を1〜10質量%、例えば1〜5質量%、およびアルカノールを1〜25質量%、例えば1〜20質量%含む。
【0045】
当業者により評価されるべきなのは、抽出溶媒の正確な組成を、脱色させるポリマー、例えば特定のポリアミドに応じて、および除去する着色剤に応じて変えることである。脱色すべきポリマーの量に対する抽出溶媒の正確な量、抽出溶媒が着色されたポリマーと接触する時間、および使用する温度は、同様にポリマーと着色剤のタイプに応じて変えるが、ポリマー中に存在する着色剤の量に応じて変化し得る。より多くの溶媒、より長い接触時間、または1回以上の抽出時間が、除去が困難な着色剤、またはしっかりと染色された、または顔料で着色されたポリアミドには必要だと思われるかもしれない。しかしながら、正確な量と条件のこのような最適化は、本開示によれば明らかであり、かつそれ自体が本発明の範囲内にあると考えられる。
【0046】
いくつかの場合では、例えば僅かに染色されたポリアミドを、ポリアミドの量に対して少量の抽出溶媒を用いて脱色することができる。ポリアミドに対してより少ない質量で抽出溶媒を使用することも考えられる。しかしながら一般的に、抽出溶媒対着色されたポリマーの質量比は、少なくとも1:1、最高1000:1であろう。経済的、および環境的配慮から、溶媒の効果が得られる最低量を使用すべきであり、抽出溶媒対着色されたポリマーの質量比は、一般的に1:1〜100:1、例えば2:1〜50:1であろう。
【0047】
必要となる抽出溶媒の量に影響を与える一つの要素は、着色されたポリマー組成物の表面積である。色の除去が最も容易に起こるのは、製品全体が溶媒で濡れた時であり、小さな粒子、または繊維のような非常に細い物品から色を除去するのが、最も効果的である。例えば繊維は非常に大きな表面積を有し、同じ質量のペレットを濡らすよりも、明らかにより多くの体積の溶媒を必要とする。本発明を実施するあらゆる容器の形態もまた、使用する溶媒の量と脱色に必要な時間に影響を与える。
【0048】
着色されたポリマーは、染色された、顔料で着色された、および/または変色したあらゆる市販のポリマーであってよい。染料が比較的容易に除去されることが予測される一方、他の着色剤、例えば特定の顔料も抽出溶媒に溶解させるか、もしくは脱色工程の間にポリアミドから色抜きすることができる。
【0049】
ポリマーはほとんどすべての固体形状または物品、例えば成形体、または繊維で存在していてよい。抽出とは、大きな表面積を有する固体物でより効率的に作用する方法である。従って脱色すべきポリマーは切り刻まれ、粉砕され、剪断されているか、もしくはより細い物もしくは粒子に加工されていてよい。
【0050】
本発明の一態様は、着色されたポリアミド、例えばナイロン、例えばナイロン6もしくはナイロン6,6の脱色である。特別な実施態様は、着色されたナイロン繊維、例えば染色されたナイロン繊維の脱色に関する。染色されたナイロン繊維の一大供給源は、先に述べたようにカーペット類であり、カーペットの繊維はしばしば表面染色されている。この際の方法は理想的には、リサイクル前に行うこのようなナイロン繊維の脱色に適している。
【0051】
処理すべき着色されたポリマー材料が、例えば着色されたナイロン繊維を含有する中古のカーペットである場合、この方法はまた選択的に1またはそれ以上の、以下の予備工程を含む:(1)ナイロン表面繊維を有するカーペットを、非ナイロン表面繊維を有するカーペットから物理的に分離する;(2)泥および落としやすい他の異物を機械的に分離し、そして洗浄剤と水でカーペットを洗浄することによって、工程(1)から得たナイロン表面繊維を有するカーペットを予備洗浄する;(3)剪断、熱線による切断、レーザーによる切断、およびこれらの組み合わせから成る群から選択された方法によって、カーペットの裏張りからナイロン表面繊維を分離する;(4)着色されたナイロン繊維を粉砕、切断、または剪断して、減少させた大きさの粒子にする。
【0052】
本発明の一実施態様は例えば、中古のカーペット廃棄物から得られるナイロン6もしくはナイロン6,6の表面繊維を剪断または切断し、その後着色されたポリアミド繊維を本発明の抽出溶媒と接触させる工程を含む、着色されたポリアミド繊維をリサイクルするための方法である。別の実施態様では、着色されたポリアミド繊維をリサイクルするための方法は、カーペット全体を細断し、そして表面繊維と裏張り成分とを粉砕して、裏張り材料の個別粒子と混じり合った個々の繊維を得、この後、着色されたポリアミド繊維を本発明の抽出溶媒と接触させる前に、該繊維を非繊維成分から分離することを含む。
【0053】
他のポリマー繊維、例えば染色されたポリプロピレン繊維およびポリエステル繊維をリサイクルするために、同様の方法が用いられる。
【0054】
重ねて、当業者により評価されるべき点は、抽出溶媒が着色されたポリマーと接触している接触時間、工程温度、および圧力が、ここに記載した変法に応じて大きく変わることである。しかしながら、正確な量と条件のこのような最適化は、本発明の開示から明らかであり、かつそれ自体が平均的な実施者の技術範囲内であると考えられる。
【0055】
本方法は、温度が抽出溶媒が凝固するほど低くはない、またはポリマーが抽出溶媒に溶解するほど、もしくは何らかの形で激しく分解するほど高くはないという条件で、ほぼあらゆる所望の温度、または圧力で行うことができる。例えば、10℃の温度、さらには0℃という温度が存在していてもよく、または220℃、またはそれ以上であってもよい。より高い温度は工程を加速させる可能性が高いが、抽出溶媒の組成次第で、上昇させた圧力が必要となる場合もある。
【0056】
着色剤を除去するための最適条件は特定のポリマー、抽出すべきポリマー粒子の大きさと形状、除去されるべき着色剤などにより変わるだろうが、本発明の方法の1つの利点は、周辺温度、すなわち一般的には室温と呼ばれる温度、例えば15〜30℃で容易に行うことができることである。もちろん、より高い温度が必要となることもあるが、例えば抽出溶媒は主に、融点が約100℃のヘキサンアミドのような弱塩基であってよく、ある程度の熱は抽出溶媒を液体に保つために必要かもしれない。
【0057】
本発明の方法で存在する温度は、0℃〜220℃、例えば10℃〜160℃、例えば15℃〜125℃、例えば15℃〜60℃である。
【0058】
接触工程は好ましくは、周辺圧力、またはそれ以上の圧力で行う。適用する圧力は、窒素もしくはアルゴンのような不活性ガスによりもたらされる圧力であってよく、または接触させる組成物における液体の蒸発により生じる圧力であってよい。
【0059】
一実施態様においては、接触工程を1気圧〜2気圧、例えば1.0気圧〜1.5気圧で行う。他の実施態様では、封止された容器内で接触させる組成物を加熱、蒸発させることにより、ほぼ1気圧超の圧力が生じる。
【0060】
抽出溶媒は、ポリマーの色について所望の減少をもたらすのに適した時間の間、選択した温度で着色されたポリマーと接触させる。接触時間は例えば、ポリマーの固有のΔEに影響を与えるのに充分な時間の長さ、例えば染色された、または顔料で着色されたポリアミドの初期の色価、例えばCIE Lab色価を、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上低下させるために充分な時間であり、あるいは50、60、またはそれ以上のΔEに影響を与えるために充分な時間である。着色が比較的薄いポリマーは、元々の色が比較的薄いので、ΔEに対して比較的低い値を得た後でも、脱色されたと理解される。
【0061】
接触時間は、抽出溶媒と着色されたポリマーとの一度だけの接触時間の長さであってよく、または複数回の接触の合計時間であってもよい。例えば3時間の総接触時間は、一回で三時間、または1時間が三回であり得る。
【0062】
色の除去に必要な時間は、1分から3日間のうちほぼあらゆる時間の長さであってよいが、一般的には5分から24時間、例えば30分から6時間であってよい。
【0063】
「着色剤」とは、意図的に、または偶発的にポリマー材料を着色もしくは変色させるあらゆる染料、顔料、または着色された組成物、またはこれらの混合物と定義される。
【0064】
「染料」とは、ポリマーに色を付与し、かつ添加混合されるポリマーに溶解性の有機材料と定義される。
【0065】
「顔料」とは、ポリマーに色を付与し、かつ添加混合されるポリマーに不溶性の有機材料と定義される。
【0066】
従って着色剤とは、ポリマーに不溶性の顔料であってよいが、抽出溶媒には溶解性であってよい。
【0067】
抽出溶媒に溶解性のあらゆる染料、または反応溶媒により溶解させることができる顔料は、本方法によりポリマーから除去することができる。例えば酸性染料が容易に除去される。
【0068】
他の着色剤、または抽出溶媒に対して測定可能な程度で溶解性ではない材料もまた、本方法の条件下でポリマーから除去することができる。例えば従来技術で述べたように、溶媒はポリマーを膨潤させて、粒子、例えばカーボンブラックまたは金属酸化物のような顔料を除去することができる。再利用のために着色剤の回収が可能な条件が選択されている方法は、本発明から排除されていない。
【0069】
本発明の一般的な実施態様において、脱色すべきポリマーは着色剤の混合物、例えば染料の混合物で着色されている。
【0070】
抽出溶媒、または選択的な洗浄溶媒はまた、例えば界面活性剤と、当該分野で公知の他の有用な助剤を含有していてよいが、抽出溶媒における、このような選択的な助剤の濃度は、好ましくは5%未満、例えば2%未満である。
【0071】
通常抽出溶媒は基本的に、含窒素有機塩基、アンモニウム塩、およびアルカノール、前述のように選択的に少量の水、および5%未満の界面活性剤と他の有用な助剤から成る。つまり他の成分が存在していてもよいが、抽出溶媒の性質をほとんど変化させない量に限られる。例えば有機ハロゲン化物、および環式エステルのような他の有機溶媒は必要とならず、そして本発明の特別な実施態様では、有機ハロゲン化物、および環式エステルは、抽出溶媒から排除されている。他の実施態様では、抽出溶媒は含窒素有機塩基、アンモニウム塩、およびアルカノール、選択的に少量の水、5%未満、例えば2%未満の界面活性剤と他の有用な助剤、そして10%未満、例えば5%未満、例えば2%未満の他の有機溶媒から成る。
【0072】
接触工程は、当業者に自明な技術の変法を用いて行ってもよい。そのような技術は、抽出溶媒への着色されたポリマーの浸漬、着色されたポリマーへの効果的な量の抽出溶媒の適用、着色されたポリマーへの効果的な量の抽出溶媒の塗布、着色されたポリマーへの効果的な量の抽出溶媒の吹き付け、および他の類似技術を含む。
【0073】
接触工程はさらに、部分量ずつバッチ法で行っても、連続法で行ってもよい。抽出溶媒/ポリマー混合物のかき混ぜ、撹拌、または他の物理的な操作を使用してもよい。
【0074】
本発明による方法と組成物はとりわけ、ポリアミド組成物、ポリエステル組成物、またはポリプロピレン組成物を含む熱可塑性材料のリサイクルにおいて有用である。本発明に従って処理されたこれらのポリマー、例えばポリアミドは、この処理が原因で色の汚染、分解、または他の不利益な作用を受けることなく、同一の、または異なる適用において再利用することができる。処理されたポリマーは、新品のポリマーの代わりに、または新品のポリマーと混合して、公知のあらゆる熱可塑性プラスチックの適用(溶融させた材料を押出成形して染色可能な繊維にすることを含む)において使用することができる。
【0075】
本発明により、強力な色抜き剤を必要とせずにポリマー、例えばポリアミドから染料および他の着色剤を抽出することが可能になる。ここで色抜き剤とは、染料の発色団を酸化、還元、もしくは破壊する材料と定義される。先に述べたように、このような強力な色抜き剤の高反応性という化学的性質が原因で、これらの使用は生成する脱色されたポリマー材料のリサイクルと再利用を限定、または妨害することがある。本発明の方法における接触工程は好ましくは、このような色抜き剤の不存在下で行う。こうして生成するポリマー材料は、脱色された従来のポリマー材料が現在使用できない物品で使用するため、新品のポリマーと完全に置き換えるか、または新品と混合することができる。
【0076】
実施例
本開示のすべてのパーセンテージは、特に限定しない限り質量%である。CIE L**b座標は、積分球分光光度計Macbeth 2020を用いた一般的な方法により得る。脱色の度合いを視覚的な観察により秀逸、良好、並、不良、または悪いと、質的に評価する場合、並という段階は、いくつかの場合では材料の再利用に耐え得る程度の色の除去を示し、良好または秀逸という段階は、たいていの場合で材料の再利用に望ましい程度の色の除去を示す。鮮やかに、または暗色に着色された試料に対しては、ΔE(DE)との以下の近似相関関係を想定することができる:悪い DE<40;不良 DE41〜54;並 DE55〜57;良好 DE58〜60;秀逸 DE>60。
【0077】
実施例1
カーペット粉砕機から得られる、細断された、淡褐色のナイロンカーペット繊維を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.5%、メタノール7.5%、およびn−メチルピロリドン90%から成る溶液を含むビーカーに入れる。室温で72時間静置の後、混合物を濾過して繊維を集め、この繊維をメタノールで洗浄し、そして空気で送風乾燥する。秀逸という結果が得られ、得られる繊維はほぼ白色である。
【0078】
比較のために、上記の手順をテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの不存在下で繰り返すと、不良〜並の結果が得られる。得られる繊維は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含有する溶媒を用いて抽出した試料よりも、当初の淡褐色が残ったままである。
【0079】
実施例2
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.5%、メタノール7.5%、およびn−メチルピロリドン90%を含有する抽出溶媒を調製する。市販のカーペット粉砕機から、染色されたナイロン6カーペット繊維から成る明るく着色された試料が得られ、CIE L**b座標を測定する。
【0080】
オレンジ色の繊維、赤い繊維、および青い繊維を約2gの試料として別々にハサミで切り刻み、それぞれの試料を、冷却器を備えたフラスコ中の抽出溶媒約100mLに加える。反応混合物を撹拌し、120℃で5時間加熱し、そして濾過して繊維を集め、この繊維をメタノールで洗浄し、そして空気で送風乾燥する。それぞれの試料から得られる繊維は、ほぼ白色である。
【0081】
脱色された繊維のCIE L**b座標を測定し、そして以下の表の初期データと比較する。
【表1】

【0082】
実施例3
実施例2の手順を繰り返すのだが、着色された繊維/抽出溶媒混合物を60℃で5時間撹拌すると、ほぼ同一の、秀逸という結果が得られる。
【0083】
実施例4
実施例2の手順を繰り返すのだが、着色された繊維/抽出溶媒混合物を120℃で2時間撹拌すると、秀逸という結果が得られる。
【0084】
実施例5
実施例2の手順を繰り返すのだが、着色された繊維/抽出溶媒混合物を60℃で2時間撹拌すると、良好〜秀逸という結果が得られる。
【0085】
実施例6
実施例2の繊維試料と抽出溶媒を使用する。切り刻んだオレンジ色の、赤い、および青い繊維を約2gの試料として、冷却器を備えたフラスコ中の抽出溶媒約100mLに別々に加える。得られる混合物を撹拌し、そして60℃で1時間加熱し、その後に繊維を集め、上記のように洗浄する。この後に繊維を新しい抽出溶媒100mLに加え、60℃でさらに1時間撹拌し、その後に繊維を集め、洗浄し、前述のように乾燥させると、良好〜秀逸という結果が得られる。
【0086】
実施例7
染色されたナイロン6,6で作られた市販のカーペットの一部から約2gの試料を切り取り、そしてこれらの繊維をハサミで切り刻む。これらの試料を実施例2の手順に従って処理すると、秀逸という結果が得られる。
【0087】
実施例8
酢酸アンモニウム2.5%、メタノール7.5%、およびn−メチルピロリドン90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、秀逸という結果が得られる。
【0088】
実施例9
安息香酸アンモニウム3.5%、エタノール11.5%、およびn−メチルピロリドン85%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、秀逸という結果が得られる。
【0089】
実施例10
テトラブチルアンモニウムクロリド2.5%、メタノール7.5%、およびn−メチルピロリドン90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、秀逸という結果が得られる。
【0090】
実施例11
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド2.5%、ブタノール7.5%、およびn−メチルピロリドン90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、秀逸という結果が得られる。
【0091】
実施例12
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド2.5%、ブタノール7.5%、およびピロリドン90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、秀逸という結果が得られる。
【0092】
実施例13
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.5%、メタノール7.5%、およびジメチルアセトアミド90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例4の手順を繰り返すと、良好〜秀逸という結果が得られる。
【0093】
実施例14
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.5%、メタノール7.5%、およびピロール90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、並〜良好という結果が得られる。
【0094】
実施例15
1−メチルピペリジンジヒドロクロリド2.5%、メタノール7.5%、およびn−メチルピロリドン90%を含有する抽出溶媒を用いて実施例3の手順を繰り返すと、秀逸という結果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色されたポリマー組成物から着色剤を除去するための方法であって、着色されたポリマー組成物を、含窒素有機塩基を40〜98%、アンモニウム塩を0.1〜20%、アルカノールを0.1〜40%、および水を20%未満含む非水性抽出溶媒と接触させて脱色されたポリマーを得、そして該ポリマーを抽出溶媒および着色剤から分離することを含む方法。
【請求項2】
アンモニウム塩がテトラアルキルアンモニウム塩であり、かつアルカノールがC1-24アルコール、ジオール、またはポリオールである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
非水性抽出溶媒が、含窒素有機塩基を50〜98%、アンモニウム塩を1〜15%、およびアルカノールを1〜35%含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
非水性抽出溶媒が、含窒素有機塩基を75〜98%、アンモニウム塩を1〜10%、およびアルカノールを1〜20%含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
含窒素有機塩基が、アミンまたはアミドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
含窒素有機塩基が、環式の、もしくは多環式のアミン、または環式の、もしくは多環式のアミドを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
着色されたポリマー組成物がポリアミドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
着色されたポリマー組成物が、染色されたポリアミドを含む固体であり、かつ脱色されたポリアミドを濾過により抽出溶媒から分離し、そして選択的に水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合物を用いて洗浄する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
アンモニウム塩がテトラアルキルアンモニウム塩であり、かつアルカノールがC1-24アルコール、ジオール、またはポリオールである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
非水性抽出溶媒が、含窒素有機塩基を50〜98%、アンモニウム塩を1〜15%、およびアルカノールを1〜35%含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
非水性抽出溶媒が、含窒素有機塩基を75〜98%、アンモニウム塩を1〜10%、およびアルカノールを1〜20%含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
含窒素有機塩基が、アミンまたはアミドを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
含窒素有機塩基が、環式の、または多環式のアミドを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
含窒素有機塩基が、ピロリドン、または1つの、もしくは複数のC1-12アルキル基で置換されたピロリドンから選択されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
着色されたポリマー組成物が、染色されたナイロン6組成物、または染色されたナイロン6,6組成物である、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
着色されたポリマー組成物が繊維である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
着色されたポリマー組成物が、抽出溶媒との接触以前に、粉砕されている、細断されている、切断されている、切り刻まれている、もしくはより小さな粒子ができるように加工されている、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
請求項7に記載の方法を含む、ポリアミドをリサイクルするための方法。
【請求項19】
抽出溶媒対着色されたポリマーの質量比が、1:1〜100:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
抽出溶媒対染色されたポリアミドの質量比が、1:1〜100:1である、請求項7に記載の方法。

【公表番号】特表2010−523781(P2010−523781A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502484(P2010−502484)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053778
【国際公開番号】WO2008/125465
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】