説明

ポリ(アミノ酸)ターゲッティング部分

本発明は、概して、ポリマーおよび高分子、特に、ナノ粒子などの粒子中で有用なポリマーに関する。本発明の一態様は、所望の特性を有するナノ粒子を開発する方法を対象とする。実施形態の一セットでは、本方法は、高度に制御された特性を有するナノ粒子のライブラリーを作製するステップを含み、これは、種々の割合の2種以上の高分子を一緒に混合することによって形成できる。1種以上の高分子は、生体適合性ポリマーの一部のポリマーコンジュゲートであり得る。いくつかの場合には、ナノ粒子は、薬物を含み得る。本発明のその他の態様は、ナノ粒子ライブラリーを用いる方法を対象とする。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の標的特異的ステルスナノ粒子を含んでなる制御放出系であって、
前記ナノ粒子が、前記ナノ粒子と結合しているターゲッティング部分を含み、ターゲッティング部分が、血管の基底膜を標的とするポリ(アミノ酸)である、制御放出系。
【請求項2】
ナノ粒子が、不安定プラークの治療を必要とする被験体における、その治療にとって有効な量のターゲッティング部分を有する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項3】
ナノ粒子が、再狭窄の治療にとって有効な量のターゲッティング部分を有する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項4】
ナノ粒子が、癌の治療を必要とする被験体における、その治療にとって有効な量のターゲッティング部分を有する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項5】
癌が、乳癌、卵巣癌、脳癌、結腸癌、腎癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌および黒色腫からなる群から選択される、請求項4に記載の制御放出系。
【請求項6】
癌が乳癌である、請求項4に記載の制御放出系。
【請求項7】
ポリ(アミノ酸)が、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、修飾されたアミノ酸または保護されたアミノ酸を含んでなる、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項8】
ポリ(アミノ酸)が、タンパク質、ペプチド模倣物、アフィボディまたはペプチドからなる群から選択される、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項9】
ポリ(アミノ酸)が、血管の基底膜と結合する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項10】
ポリ(アミノ酸)が、コラーゲンと結合する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項11】
ポリ(アミノ酸)が、コラーゲンIVと結合する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項12】
アフィボディが、抗HER2アフィボディである、請求項8に記載の制御放出系。
【請求項13】
ペプチドが、AKERC、CREKA、ARYLQKLNおよびAXYLZZLNからなる群から選択される配列を含んでなり、XおよびZが、可変アミノ酸である、請求項8に記載の制御放出系。
【請求項14】
ナノ粒子が、ポリマーマトリックスを含んでなる、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項15】
ポリマーマトリックスが2種以上のポリマーを含んでなる、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項16】
ポリマーマトリックスが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフメレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、デキストランもしくはポリアミンまたはそれらの組み合わせを含んでなる、請求項13に記載の制御放出系。
【請求項17】
ポリマーマトリックスが、1種以上のポリエステル、ポリ酸無水物、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリレートまたはポリシアノアクリレートを含んでなる、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項18】
少なくとも1種のポリマーが、ポリアルキレングリコールである、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項19】
ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコールである、請求項18に記載の制御放出系。
【請求項20】
少なくとも1種のポリマーが、ポリエステルである、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項21】
ポリエステルが、PLGA、PLA、PGAおよびポリカプロラクトンからなる群から選択される、請求項20に記載の制御放出系。
【請求項22】
ポリエステルが、PLGAまたはPLAである、請求項20に記載の制御放出系。
【請求項23】
ポリマーマトリックスが、2種以上のポリマーの共重合体を含んでなる、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項24】
共重合体が、ポリアルキレングリコールおよびポリエステルの共重合体である、請求項23に記載の制御放出系。
【請求項25】
共重合体が、PLGAおよびPEGの共重合体である、請求項24に記載の制御放出系。
【請求項26】
ポリマーマトリックスが、PLGAと、PLGAおよびPEGの共重合体とを含んでなる、請求項24に記載の制御放出系。
【請求項27】
ポリマーマトリックスが、脂質終端ポリアルキレングリコールおよびポリエステルを含んでなる、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項28】
ポリマーマトリックスが、脂質終端PEGおよびPLGAを含んでなる、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項29】
脂質が、式V:
【化5】

[式中、各Rは独立に、C1〜30アルキルである]のものおよびその塩である、請求項28に記載の制御放出系。
【請求項30】
脂質が、1,2ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)およびその塩である、請求項29に記載の制御放出系。
【請求項31】
ポリマーマトリックスの一部が、ポリ(アミノ酸)と共有結合している、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項32】
ポリマーマトリックスが、PEGの遊離末端を介して、ポリ(アミノ酸)と共有結合している、請求項31に記載の制御放出系。
【請求項33】
ポリマーマトリックスが、PEGの遊離末端のカルボキシル基を介してポリ(アミノ酸)と共有結合している、請求項31に記載の制御放出系。
【請求項34】
ポリマーマトリックスが、PEGの遊離末端のマレイミド官能基を介してポリ(アミノ酸)と共有結合している、請求項31に記載の制御放出系。
【請求項35】
ナノ粒子が、癌の治療にとって有効な、リガンドが結合しているポリマー対官能基を有さないポリマーの比を有する、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項36】
ナノ粒子が、不安定プラークの治療にとって有効な、リガンドが結合しているポリマー対官能基を有さないポリマーの比を有する、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項37】
ポリマーマトリックスのポリマーが、癌の治療にとって有効な分子量を有する、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項38】
ポリマーマトリックスのポリマーが、不安定プラークの治療にとって有効な分子量を有する、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項39】
ナノ粒子が、癌の治療にとって有効な表面電荷を有する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項40】
ナノ粒子が、不安定プラークの治療にとって有効な表面電荷を有する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項41】
ナノ粒子が、再狭窄の治療にとって有効な表面電荷を有する、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項42】
前記系が、疾患または障害の標的特異的治療および治療薬の送達に適している、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項43】
ナノ粒子が、治療薬をさらに含んでなる、請求項1に記載の制御放出系。
【請求項44】
治療薬が、ナノ粒子の表面と会合している、ナノ粒子内にカプセル化されている、ナノ粒子によって囲まれている、またはナノ粒子中に分散されている、請求項43に記載の制御放出系。
【請求項45】
治療薬が、ナノ粒子の疎水性コア内にカプセル化されている、請求項43に記載の制御放出系。
【請求項46】
治療薬が、ミトキサントロンおよびドセタキセルからなる群から選択される、請求項43に記載の制御放出系。
【請求項47】
治療薬が、VEGF、繊維芽細胞増殖因子、単球化学誘引物質タンパク質1(MCP−1)、トランスフォーミング増殖因子α(TGF−α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)、DEL−1、インスリン様増殖因子(IGF)、胎盤増殖因子(PLGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、プロスタグランジンE1(PG−E1)、プロスタグランジンE2(PG−E2)、腫瘍壊死因子α(TBF−α)、顆粒球刺激増殖因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激増殖因子(GM−CSF)、アンギオゲニン、フォリスタチンおよびプロリフェリン、PR39、PR11、ニコチン、ヒドロキシ−メチルグルタリル補酵素A(HMG CoA)レダクターゼ阻害剤、スタチン、ナイアシン、胆汁酸樹脂、フィブラート、抗酸化物質、細胞外マトリックス合成プロモーター、プラーク炎症および細胞外分解の阻害剤ならびにエストラジオールからなる群から選択される、請求項43に記載の制御放出系。
【請求項48】
治療薬が、エベロリムス、パクリタキセル、ゾタロリムス、ピオグリタゾン、BO−653、ロシグリタゾン、シロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、タクロリムス、ビオホスホネート、エストロゲン、アンギオペプチン、スタチン、PDGF阻害剤、ROCK阻害剤、MMP阻害剤、2−CdA、ゾタロリムスおよびデキサメタゾンからなる群から選択される、請求項43に記載の制御放出系。
【請求項49】
被験体に、有効量の請求項1に記載の制御放出系を投与するステップを含んでなる、乳癌の治療を必要とする被験体において、乳癌を治療する方法。
【請求項50】
制御放出系が、全身に投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
制御放出系が、乳癌細胞に直接投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
制御放出系が、乳癌細胞を含んでなる組織への注射によって、乳癌細胞に直接投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
制御放出系が、腫瘍の外科的切除の際に、乳癌細胞への、またはその付近へのナノ粒子の移植によって被験体に投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
制御放出系が、静脈内投与によって投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
被験体に有効量の請求項1に記載の制御放出系を投与するステップを含んでなる、不安定プラークの治療を必要とする被験体において、不安定プラークを治療する方法。
【請求項56】
被験体に、有効量の請求項1に記載の制御放出系を投与するステップを含んでなる、再狭窄の治療を必要とする被験体において、再狭窄を治療する方法。
【請求項57】
制御放出系が、不安定プラークが生じる血管の指定された領域に局所的に投与される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
制御放出系が、医療装置によって投与される、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
医療装置が、薬物溶出ステント、ニードルカテーテルまたはステントグラフトである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
疾患の治療にとって有効な、リガンドが結合しているポリマー対官能基を有さないポリマーの比を有する、ステルスナノ粒子を調製する方法であって、
治療薬を提供するステップと、
ポリマーを提供するステップと、
ポリ(アミノ酸)リガンドを提供するステップと、
ポリマーを治療薬と混合して、粒子を調製するステップと、
粒子をポリ(アミノ酸)リガンドと会合させるステップと
を含んでなる方法。
【請求項61】
ポリマーが、2種以上のポリマーの共重合体を含んでなる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
共重合体が、PLGAおよびPEGの共重合体である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
疾患の治療にとって有効な、リガンドが結合しているポリマー対官能基を有さないポリマーの比を有する、ステルスナノ粒子を調製する方法であって、
治療薬を提供するステップと、
第1のポリマーを提供するステップと、
ポリ(アミノ酸)リガンドを提供するステップと、
第1のポリマーを、ポリ(アミノ酸)リガンドと反応させて、リガンドが結合しているポリマーを調製するステップと、
リガンドが結合しているポリマーを、第2の官能基を有さないポリマーおよび治療薬と混合するステップと、
を含んでなり、このようにしてステルスナノ粒子が形成される方法。
【請求項64】
第1のポリマーが、2種以上のポリマーの共重合体を含んでなる、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
第2の、官能基を有さないポリマーが、2種以上のポリマーの共重合体を含んでなる、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
第1のポリマーを、まず、脂質と反応させてポリマー/脂質コンジュゲートを形成し、次いで、これを、ポリ(アミノ酸)と反応させる、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
脂質が、1,2ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)およびその塩である、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
共重合体が、PLGAおよびPEGの共重合体である、請求項64または65に記載の方法。
【請求項69】
第1のポリマーが、PLGAおよびPEGの共重合体であり、PEGが、遊離末端にカルボキシル基を有する、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
疾患が、癌または不安定プラークである、請求項60または63に記載の方法。
【請求項71】
PLGAおよびPEGの共重合体と、
ミトキサントロンまたはドセタキセルを含んでなる治療薬と
を含んでなるステルスナノ粒子であって、
前記ナノ粒子が前記ナノ粒子と結合しているターゲッティング部分を含み、ターゲッティング部分が、抗HER2アフィボディであるステルスナノ粒子。
【請求項72】
PLGAおよびPEGの共重合体と、
治療薬と
を含んでなるステルスナノ粒子であって、
前記ナノ粒子が前記ナノ粒子と結合しているターゲッティング部分を含み、ターゲッティング部分がAKERCまたはCREKAを含んでなるステルスナノ粒子。
【請求項73】
リン脂質結合型PEGおよびPLGAの複合体を含んでなるポリマーマトリックスと、
治療薬と
を含んでなるステルスナノ粒子であって、
前記ナノ粒子が前記ナノ粒子と結合しているターゲッティング部分を含み、ターゲッティング部分がポリ(アミノ酸)であるステルスナノ粒子。
【請求項74】
複数の標的特異的ステルスナノ粒子を含んでなる制御放出系であって、
前記ナノ粒子が前記ナノ粒子と結合しているターゲッティング部分を含み、ターゲッティング部分が基底膜を標的とする部分である制御放出系。
【請求項75】
基底膜を標的とする部分が、AKERC、CREKA、ARYLQKLNまたはAXYLZZLNであり、XおよびZが、可変アミノ酸である、請求項74に記載の制御放出系。
【請求項76】
ポリマーマトリックスが、脂質単層シェルによって囲まれている、請求項14に記載の制御放出系。
【請求項77】
脂質単層シェルが、両親媒性化合物を含んでなる、請求項76に記載の制御放出系。
【請求項78】
両親媒性化合物が、レシチンである、請求項77に記載の制御放出系。
【請求項79】
複数の標的特異的ステルスナノ粒子を含んでなる制御放出系であって、前記ナノ粒子が、前記ナノ粒子と結合しているターゲッティング部分を含み、ターゲッティング部分がポリ(アミノ酸)である制御放出系。
【請求項80】
前記ナノ粒子が、抗原提示細胞を標的とし、免疫調節性反応を誘発する、請求項79に記載の制御放出系。
【請求項81】
以下の化合物:
【化6】

[式中、nは20〜1720である]および
【化7】

[式中、Rはアルキル基であり、Rはエステルまたはアミド結合であり、X=0〜1モル分率であり、Y=0〜0.5モル分率であり、X+Y=20〜1720であり、Z=25〜455である]。

【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図18(A)】
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【図18(B)】
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【図18(C)】
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【図18(D)】
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【図18(E)】
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【図18(F)】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21C】
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【図23】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図10】
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【図17】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図24】
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【公表番号】特表2010−523595(P2010−523595A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502337(P2010−502337)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/059491
【国際公開番号】WO2008/124639
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【出願人】(504412945)ザ ブライハム アンド ウイメンズ ホスピタル, インコーポレイテッド (54)
【Fターム(参考)】