説明

ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子および型内発泡成形体

【課題】 生分解性を有し且つ成形性や物性が良好で、発泡倍率及び独立気泡率が高いP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を提供すること。
【解決手段】 3−ヒドロキシヘキサノエートの組成比が6〜12モル%であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂100重量部に対して、構成脂肪酸が炭素数1〜12の脂肪族酸であるグリセリントリエステルを1〜10重量部含有するポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物からなる粒子を、105〜125℃で発泡してなり、発泡倍率が20倍以上かつ独立気泡率が90%以上である無架橋のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子を、金型内で相互に融着して型内発泡成形体を作製すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性を有するポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)樹脂を主成分とする樹脂組成物粒子を発泡してなる予備発泡粒子と該予備発泡粒子を用いた型内発泡成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックは加工し易さ或いは使用し易さを有する一方で、再利用の困難さ、衛生上の問題などから使い捨てにされてきた。しかし、プラスチックが多量に使用、廃棄されるにつれ、その埋め立て処理や焼却処理に伴う問題がクローズアップされており、ゴミ埋め立て地の不足、非分解性のプラスチックが環境に残存することによる生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷を与える原因となっている。近年、プラスチック廃棄物の問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。
【0003】
中でも植物由来の生分解性プラスチックを燃焼させた際に出る二酸化炭素は、もともと空気中にあったもので、大気中の二酸化炭素は増加しない。このことをカーボンニュートラルと称し、重要視する傾向となっている。二酸化炭素固定化は地球温暖化防止に効果があることが期待され、特に二酸化炭素削減目標値を課した京都議定書に対し、2003年8月にロシアで批准に向けた議会審議が承認されたため、議定書の発効が確実味をおびてきており、二酸化炭素固定化物質は非常に注目度が高く、積極的な使用が望まれている。
【0004】
一方、芳香族ポリエステルは、汎用ポリマーとして大量に生産、消費されているが、生分解性ではなく、また、二酸化炭素の固定化、地球温暖化防止という観点においても、化石燃料から生産されることから、地中に固定化されていた二酸化炭素を大気中に放出することになり、カーボンニュートラルという観点で、好ましい材料ではない。
【0005】
生分解性及びカーボンニュートラルの観点から、植物由来のプラスチックとして脂肪族ポリエステル系樹脂が注目されており、特にポリ乳酸系樹脂、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)(以下、P3HAと称する場合がある)系樹脂、さらにはP3HA系樹脂の中でもポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体(以下、PHBHと称する場合がある)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバリレート)共重合体等が注目されている。
【0006】
特にPHBHは、結晶性による高耐熱性、さらには共重合成分である3−ヒドロキシヘキサノエート(以下、3HHと称する場合がある)による柔軟性、耐衝撃性、高い引張伸び性を併せ持つため、汎用樹脂であるポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂に似た特徴を有する物性バランスのとれた樹脂材料として注目されている。
【0007】
一方、汎用樹脂であるポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなる発泡体は包装用緩衝材、農産箱、魚箱、自動車部材、建築材料、土木材料等として幅広く使用されてきた。しかしながら、これらの汎用樹脂からなる発泡体は、使用後に自然環境下で放置された場合、土中の微生物により分解されないので、環境汚染の問題を引き起こす虞があるため、環境負荷の少ない生分解性樹脂を用いた発泡体の開発が行なわれている。
【0008】
特許文献1には、生分解性樹脂としてPHBHを用いた予備発泡粒子およびその成形体を得る方法が開示されている。該特許ではPHBHを耐圧容器内で水を分散媒とし、イソブタンを発泡剤として、2つの融点を有する脂肪族ポリエステル系予備発泡粒子および該予備発泡粒子より成る型内発泡成形体を得る方法が報告されている。しかしながら高粘度なPHBHを使用しているため、低温で発泡すると高倍率の予備発泡粒子を得ることができない。
【0009】
そのため、所望の発泡温度までゆっくりと昇温し、結晶成長させながら高温の発泡温度にすることで高倍率の予備発泡粒子を得ている。このため発泡工程が長時間となり生産性が悪く、製造コストが高くなってしまう。また高温で発泡するために長時間、耐圧容器内に該樹脂粒子と水が共存するため、加水分解が著しく起こり安定した品質の脂肪族ポリエステル系予備発泡粒子および成形体を得ることができない。
【0010】
また代表的な生分解性樹脂であるポリ乳酸系樹脂の発泡体に関する開発も盛んに行われており、特許文献2および特許文献3にはポリ乳酸系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる工程と、蒸気で発泡剤含浸ポリ乳酸系樹脂粒子を発泡させる工程より得られるポリ乳酸系予備発泡粒子およびその成形体について報告されている。特許文献2にはイソシアネートで変性即ち架橋したポリ乳酸系樹脂にヒマシ油系脂肪族エステルを含有させることで発泡倍率を向上させる方法が開示されている。しかしながらポリ乳酸系樹脂にヒマシ油系脂肪族エステルを含有させることでガラス転移温度が低下するため、ポリ乳酸系樹脂粒子に発泡剤を含浸する際、および発泡剤含浸ポリ乳酸系樹脂粒子を蒸気で発泡させる際にブロッキングが起こり易くなる場合がある。また一般的にイソシアネートには毒性があるとされているため、使用できる用途が限られてしまう。
【0011】
特許文献3にはポリ乳酸系予備発泡粒子の融着性を改良するため、グリセリン誘導体等の融着性改良剤を含有させる技術が開示されている。該特許ではポリ乳酸系予備発泡粒子の表面に選択的に融着性改良剤を存在させるために、水性媒体中で水より重いポリ乳酸系樹脂粒子に発泡剤を含浸させながら、一般的に水より軽い融着性改良剤を添加する必要がある。このため融着性改良剤の含浸バラツキが起こり、均一な品質のポリ乳酸系予備発泡粒子が得られない場合がある。またポリ乳酸系樹脂粒子の内部と表面で融着性改良剤の含浸量が異なるため発泡倍率向上の効果が十分ではない。
【0012】
特許文献4には、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂にアセチル化率50%以上のポリグリセロール酢酸エステルを主体とする可塑剤を含有する樹脂組成物について記載されている。該特許の効果は樹脂組成物および、その成形体の経時変化による物性低下を改善する方法であり、該樹脂組成物を発泡体とし得る旨は記載されるものの、特に高発泡倍率化や高独立気泡率化に関する記載はない。
【0013】
特許文献5には、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)/トリアセチン/ポリヒドロキシブチレート混合物により積層された紙で構成されるカップが開示され、カップ類はPHAの発泡材料から成形される旨が記載されている。しかし、使用したポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体は3−ヒドロキシヘキサノエート率を記載しているだけであり、発泡材料について具体的には全く記載されていない。また発泡剤として化学発泡剤を使用しているため発泡温度は155℃と高く、発泡温度を下げると発泡倍率が大きく低下してしまう。さらには、具体的な発泡倍率及び独立気泡率に関する記載はない。
【0014】
特許文献6には、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)樹脂とグリセリントリエステルから成る包装材が開示され、包装材は発泡体であってもよいとの記載があるだけで、具体的な発泡条件や高発泡倍率化及び高独立気泡率化に関する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2000−319438号公報
【特許文献2】特開2007−138097号公報
【特許文献3】特開2006−282750号公報
【特許文献4】国際公開番号WO2008/018567号
【特許文献5】特表2003−518998号公報
【特許文献6】特開平4−136066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、生分解性を有し且つ成形性や物性が良好で、発泡倍率及び独立気泡率が高いP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、PHBHに特定量のトリアセチンを混合し、特定の温度域で発泡して得られた予備発泡粒子は、発泡倍率が20倍以上かつ独立気泡率が90%以上であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明の第一は、3−ヒドロキシヘキサノエートの組成比が6〜12モル%であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂100重量部に対して、構成脂肪酸が炭素数1〜12の脂肪族酸であるグリセリントリエステルを1〜10重量部含有するポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物からなる粒子を、105〜125℃で発泡してなり、発泡倍率が20倍以上かつ独立気泡率が90%以上である無架橋のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子に関する。好ましい実施態様は、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物の190℃、2.16kgfで測定されるメルトフローレートが、7〜25g/10分である上記記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子に関する。より好ましくは、発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡してなる上記記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子、更に好ましくは、樹脂組成物が溶融混練により得られることを特徴とする上記記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子、特に好ましくは、3−ヒドロキシヘキサノエートの組成比が6〜12モル%であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂100重量部に対して、構成脂肪酸が炭素数1〜12の脂肪族酸であるグリセリントリエステルを1〜10重量部含有する樹脂組成物からなるポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物粒子を、分散剤とともに密閉容器内で水系分散媒に分散後、発泡剤を密閉容器内に導入し、該樹脂組成物粒子の軟化温度以上に加熱した後、密閉容器の一端を開放し、該樹脂組成物粒子と水系分散媒とを密閉容器の圧力よりも低圧の雰囲気下に放出して、該樹脂粒子を発泡させてなる上記記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子、に関する。本発明の第二は、上記記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子を、金型内で相互に融着してなることを特徴とするポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系型内発泡成形体に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に従えば、生分解性を有し且つ成形性や物性が良好で、発泡倍率及び独立気泡率が高いP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。本発明のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子は、イソシアネートなどを用いることなく無架橋であり、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物からなる粒子を、特定温度で発泡してなる。
【0021】
本発明において、無架橋とは、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子中の不溶分の割合が3重量%以下の場合をいうが、1重量%以下であることが好ましく、0重量%であることが最も好ましい。その理由は、架橋剤等が必要なく、また型内発泡成形時の成形加熱蒸気圧力を低く抑えることができる等のコストメリットがあり、さらには再利用もし易いからである。
【0022】
なお、P3HA系予備発泡粒子の不溶分の割合は、次のように測定される。150mlのフラスコに、P3HA系予備発泡粒子1gと100mlのクロロホルムを入れ、大気圧下、62℃で8時間加熱還流した後、得られた加熱処理物を200メッシュの金網を有する吸引濾過装置を用いて濾過処理する。得られる金網上の濾過処理物を80℃のオーブン中で30〜40トールの真空条件下にて8時間乾燥する。この際、得られる乾燥物重量W1(g)を測定する。この重量W1(g)のP3HA系予備発泡粒子1gに対する重量比率を不溶分とする。
【0023】
本発明のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂及びグリセリントリエステルを含有する。樹脂中の該共重合体の含有量は、90重量%以上が好ましく、100重量%がより好ましい。そして、該樹脂組成物は、溶融混練により得られることが好ましい。また該共重合体は、二酸化炭素固定化の観点から、微生物によって生産される物が好ましい。
【0024】
本発明のポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体は、3−ヒドロキシブチレート(以下、3HBと称する場合がある)の繰り返し単位および3−ヒドロキシヘキサノエートの繰り返し単位からなる共重合体の総称として用いるものである。従って、他の単量体成分を含んでもよい。また、該共重合体を得るための重合方法は特に限定されず、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合等のいずれの共重合方法を適用してもよい。
【0025】
前記ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体の繰り返し単位の構成比としては、成形加工性および成形体品質等の観点から、3−ヒドロキシブチレート単位/3−ヒドロキシヘキサノエート単位=94/6〜88/12(モル/モル)であることが好ましく、93/7〜89/11(モル/モル)であることがより好ましい。
【0026】
前記PHBHの3HH構成比は、以下のようにガスクロマトグラフィーによって測定できる。乾燥PHBH20mgに2mlの硫酸−メタノール混液(15:85)と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱して、PHBH分解物のメチルエステルを得る。冷却後、これに1.5gの炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えて中和し、炭酸ガスの発生が止まるまで放置する。4mlのジイソプロピルエーテルを添加してよく混合した後、遠心して、上清中のPHBH分解物のモノマーユニット組成をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析することにより3HH率を求められる。
【0027】
前記ガスクロマトグラフは島津製作所社製「GC−17A」、キャピラリーカラムはGLサイエンス社製「NEUTRA BOND−1」(カラム長25m、カラム内径0.25mm、液膜厚0.4μm)を用いる。キャリアガスとしてHeを用い、カラム入口圧100kPaとし、サンプルは1μlを注入する。温度条件は、初発温度100℃から200℃までは8℃/分の速度で昇温し、さらに200℃から290℃までは30℃/分の速度で昇温する。
【0028】
なお、前記PHBHは、微生物によって生産される物が好ましい。微生物としては、例えば、Alcaligenes eutrophusにAeromonas caviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32株(ブダペスト条約に基づく国際寄託、国際寄託当局:独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)、原寄託日:平成8年8月12日、平成9年8月7日に移管、寄託番号FERM BP−6038、原寄託FERM P−15786より移管)(J.Bacteriol.,179,4821(1997))等が挙げられ、例えば国際公開第09/145164号公報に従えば微生物により産生されるPHBHが得られる。
【0029】
本発明の樹脂全体中に30重量%以下含まれるPHBH以外の樹脂としては、PHBHとの相溶性が良く、生分解性を有する樹脂が好ましい。例えば、PHBH以外のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用い得る。
【0030】
本発明のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物に含まれるグリセリントリエステルとしては、構成脂肪酸が炭素数1〜12の脂肪族酸であることが好ましく、構成脂肪酸が炭素数8〜12の脂肪族酸であることがより好ましい。構成脂肪酸の炭素数が12を超えると、P3HA系樹脂との相溶性が悪くなり、ブリードアウトし易くなる場合がある。
【0031】
前記グリセリントリエステルとして、具体的にはトリアセチン、グリセリンジアセチルモノラウレート、C8、C10の脂肪酸トリグリセライド(花王社製「ココナードMT」)、C8の脂肪酸トリグリセライド(花王社製「ココナードRK」)などが挙げられ、中でもグリセリンジアセチルモノラウレート、C8、C10の脂肪酸トリグリセライド(花王社製「ココナードMT」)が好ましく、グリセリンジアセチルモノラウレートがより好ましい。
【0032】
前記グリセリントリエステルの使用量は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。1重量部未満であると、発泡倍率の向上効果があまり得られない場合がある。また、10重量部を超えると、可塑剤が型内発泡成形体の表面にブリードアウトし易くなる場合がある。
【0033】
本発明のポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂の重量平均分子量(以下、Mw1と称する場合がある)は、30万〜300万が好ましく、35万〜250万がより好ましく、35万〜200万がさらに好ましい。重量平均分子量が30万未満では、機械物性等が劣る場合があり、300万を超えると、成形加工が困難となる場合がある。
【0034】
なお、前記重量平均分子量の測定方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Waters社製)を用い、カラムにポリスチレンゲル(昭和電工社製「Shodex K−804」)を用い、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算した場合の分子量として求めることができる。この際、検量線は重量平均分子量31400、197000、668000、1920000のポリスチレンを使用して作製した。
【0035】
前記ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物は、それを用いた予備発泡粒子が高発泡倍率且つ高独立気泡率となるためには、190℃、2.16kgfで測定されるメルトフローレート(以下、MFR2と称する場合がある)が、7〜25g/10分であることが好ましく、前記のような樹脂組成物であれば、殆どの場合に上記メルトフローレートを満たす。MFR2が7g/10分未満では、発泡温度を高くしなければ発泡倍率は上がり難くなる場合があり、25g/10分を超えると、得られるP3HA系予備発泡粒子の気泡が連続化し、型内発泡成形が困難となる場合がある。
【0036】
なお、P3HA系樹脂組成物のメルトフローレートの測定方法は、JIS K7210に準じて190℃、2.16kg荷重で測定した値である。値が100g/10分を超える場合は測定不可とする。
【0037】
本発明におけるP3HA系樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、各種添加剤を含有しても良い。ここで添加剤とは、たとえば、気泡調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料などの着色剤、滑剤、結晶化核剤、無機充填剤等を目的に応じて使用できるが、中でも生分解性を有する添加剤が好ましい。
【0038】
結晶化核剤としては、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−ステアリルベヘン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド等が挙げられ、その使用量は通常0.5〜5重量部であることが好ましい。
【0039】
気泡調整剤としては、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、クレイ、重曹、アルミナ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ベントナイト等の無機剤が挙げられ、その使用量は通常0.005〜1重量部であることが好ましい。
【0040】
無機充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化ケイ素およびケイ酸塩、亜鉛華、ハイサイトクレー、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、石英粉、ケイ藻土、ドロマイト粉、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
【0041】
また、他の充填剤としては、炭素繊維等の無機繊維や、人毛、羊毛等の有機繊維が挙げられる。また、竹繊維、パルプ繊維、ケナフ繊維や、類似の他の植物代替種、アオイ科フヨウ属1年草植物、シナノキ科一年草植物等の天然繊維も使用することが出来る。二酸化炭素削減の観点からは、植物由来の天然繊維が好ましく、特に、ケナフ繊維が好ましい。
【0042】
本発明のP3HA系予備発泡粒子及び型内発泡成形体の製造方法を以下に例示する。
【0043】
<P3HA系予備発泡粒子の製造方法>
まず、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂及びグリセリントリエステル、さらには必要に応じて、前記各種添加剤を押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練して、P3HA系樹脂組成物を作製し、それをストランド状に押し出してからカットして、円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状などの本発明の発泡に利用しやすい粒子形状のP3HA系樹脂組成物粒子を得る。該樹脂組成物粒子1個当たりの重量は0.1〜10mgであることが好ましく、0.5〜7mgがより好ましい。0.1mg未満では、P3HA系樹脂組成物粒子の製造が困難な場合があり、10mgを超えると型内発泡成形体の薄肉化が困難な場合がある。
【0044】
前記において、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂とグリセリントリエステル等を溶融混練する温度は、使用する樹脂の融点、粘度等によるため一概には規定できないが、溶融混練物の温度が120〜170℃であることが好ましく、130〜160℃であることがより好ましく、135〜150℃がさらに好ましい。溶融混練物の温度が120℃未満であると、樹脂組成物の混練状態が不均一となる場合があり、170℃を超えると樹脂組成物の固化が遅くなるため生産性が悪化したり、樹脂組成物が熱分解する場合がある。
【0045】
上記で得られたP3HA系樹脂組成物粒子の融点(以下、Tm2と称する場合がある)としては、110〜160℃であることが好ましく、120〜150℃であることがより好ましい。融点が110℃未満では、耐熱性が低く、得られる成形体が熱変形し易い場合がある。融点が160℃を超えると、P3HA系樹脂組成物粒子を発泡させる際の温度を高温にする必要があるため発泡工程時に水を溶媒とした際、加水分解が起こり易くなる場合がある。
【0046】
なお前記融点は、示差走査熱量計(セイコーインスツル社製)を用い、1〜10mgのP3HA系樹脂組成物粒子を、10℃から180℃までは10℃/分の速度で昇温し、その後180℃から10℃までは10℃/分の速度で冷却し、再度180℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られる吸熱曲線において、最も高温側に出る吸熱ピーク温度をいう。
【0047】
Tm2を前記範囲内とするためには、原料であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂の融点(以下、Tm1と称する場合がある)が115〜165℃であることが好ましく、125〜155℃であることがより好ましい。Tm1が上記範囲内であれば、容易にTm2を所望の温度範囲内にできる。
【0048】
なお前記融点は、示差走査熱量計(セイコーインスツル社製)を用い、1〜10mgのポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70重量%以上含有する樹脂を、10℃から180℃までは10℃/分の速度で昇温し、その後180℃から10℃までは10℃/分の速度で冷却し、再度180℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られる吸熱曲線において、最も高温側に出る吸熱ピーク温度をいう。
【0049】
前記で得られるP3HA系樹脂組成物粒子を分散剤と共に密閉容器内で水系分散媒に分散後、発泡剤を密閉容器内に導入し、該樹脂組成物粒子の軟化温度以上に加熱した後、必要で有れば発泡させる温度付近で一定の時間保持した後、密閉容器の一端を解放し、該樹脂組成物粒子と水系分散媒とを密閉容器の圧力よりも低圧の雰囲気下に放出して該樹脂組成物粒子を発泡させ(以下、この一連の操作を除圧発泡と称する場合がある)、P3HA系予備発泡粒子を得る。なお、低圧の雰囲気下に放出する際の密閉容器内の温度が発泡温度であり、低圧の雰囲気下に放出する際の密閉容器内の圧力が発泡圧力である。
【0050】
前記分散剤としては、例えば、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、塩基性炭酸亜鉛等の無機物と、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、ノルマルパラフィンスルフォン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤が挙げられ、無機物とアニオン界面活性剤を組み合わせて使用することが好ましい。
【0051】
無機物の使用量は、P3HA系樹脂組成物粒子100重量部に対して、0.1〜3.0重量部であることが好ましく、アニオン界面活性剤の使用量は、P3HA系樹脂組成物粒子100重量部に対して、0.001〜0.5重量部であること好ましく、0.001〜0.2重量部以下であることがより好ましい。
【0052】
前記水系分散媒としては経済性、取扱い性の点から通常は水が好ましいが、これに限られたものではない。水系分散媒の使用量としては、P3HA系樹脂組成物粒子100重量部に対して、100〜1000重量部であることが好ましい。
【0053】
発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、空気などの無機ガスやプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭素数3〜5の飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、およびメチルエチルエーテル等のエーテル、モノクロルメタン、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素や水等が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらの中でも、環境負荷や発泡力の観点から二酸化炭素を用いることが好ましい。
【0054】
発泡剤の添加量は、目的の予備発泡粒子の発泡倍率、発泡剤の種類、P3HA系樹脂の種類、P3HA系樹脂組成物粒子と分散媒の比率、密閉容器の空間容積、発泡温度などによって異なるが、P3HA系樹脂組成物粒子100重量部に対し、通常2〜10000重量部であることが好ましく、5〜5000重量部であることがより好ましく、10〜1000重量部であることがさらに好ましい。発泡剤が2重量部未満であると充分な発泡倍率が得られない場合があり、発泡剤が10000重量部を越えても、添加しただけの効果を得られるものでもなく、経済的に無駄となる場合がある。
【0055】
所望の発泡温度まで昇温する際の速度(以下、昇温速度と称する場合がある)としては1〜3℃/分が好ましく、1.5〜3℃/分がより好ましい。昇温速度が1℃/分未満であると、生産性が低く、また加水分解が著しく起こる場合がある。昇温速度が3℃/分を超えると、昇温時にアニーリングが十分に行われなくなる場合がある。
【0056】
発泡温度は、用いるP3HA系樹脂の種類、グリセリントリエステルの種類・添加量、発泡剤の種類、所望の予備発泡粒子の発泡倍率等によって異なり、一概には規定できないが、概ね105〜125℃であることが好ましい。発泡温度が105℃以下であると発泡倍率が上がり難い場合があり、125℃以上であると密閉容器内でP3HA系樹脂粒子の加水分解が起こる場合があり、得られる該樹脂予備発泡粒子の分子量が著しく低下している場合がある。
【0057】
発泡圧力は、1〜10MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、2.5〜5MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。
【0058】
発泡させる温度付近で保持する時間は、1〜60分間であることが好ましく、5〜40分間であることがより好ましい。保持する時間が1分間未満であると、発泡剤の含浸量が不均一となる場合がある。60分間を超えると、加水分解による分子量低下が著しく起こる場合がある。
【0059】
前記密閉容器内の分散物を低圧雰囲気に放出する際、流量調整、倍率バラツキ低減などの目的で直径1〜5mmの開口オリフィスを通して放出することもできる。また、比較的融点の高いP3HA系樹脂組成物粒子については、発泡倍率を向上させる目的で、前記低圧雰囲気を飽和水蒸気で満たす場合もある。
【0060】
上記のようにして得られる本発明のP3HA系予備発泡粒子は、独立気泡率が90%以上であり、好ましくは95%以上である。独立気泡率が90%未満であると、型内発泡成形時等にP3HA系予備発泡粒子の膨張が起こり難い。また、上記の製造方法に従えば、発泡倍率を20倍以上かつ独立気泡率を90%以上にし易くなる。
【0061】
本発明において、前記除圧発泡法だけでは20倍以上の発泡倍率が得られない場合がある。その場合、P3HA系予備発泡粒子を密閉容器内に入れて空気、二酸化炭素などの無機ガスを含浸させる加圧処理により該P3HA系予備発泡粒子内の圧力を常圧よりも高くした後、該P3HA系予備発泡粒子をスチーム等で加熱して更に発泡させる、いわゆる二段発泡で発泡倍率を上げたP3HA系予備発泡粒子としても良い。但し、生産性等の観点から除圧発泡のみで20倍以上の発泡倍率とすることが好ましい。
【0062】
前記無機ガスを含浸させる加圧処理を行った後のP3HA系予備発泡粒子内の圧力(以下、発泡粒子内圧と称する場合がある)は、0.15〜0.65MPaであることが好ましく、0.30〜0.65MPaであることがより好ましい。
【0063】
なお、発泡粒子内圧は次のようにして求められる。P3HA系予備発泡粒子は通過させないが、無機ガスは自由に通過し得る微細孔を多数有する70mm×100mm程度のポリエチレン製袋に適当量採取し、気温23℃、相対湿度50%の大気圧下の恒温室内で、その重量を測定する。この重量をU(g)とする。該ポリエチレン製袋に入ったP3HA系予備発泡粒子に空気、二酸化炭素などの無機ガスを含浸させた後のP3HA系予備発泡粒子の重量を測定する。この重量をQ(g)とする。Q(g)とU(g)の差を含浸された無機ガス量m(g)とし、下記式により発泡粒子内圧P(MPa)を算出する。
P=(m÷M)×R×T÷V1+0.1
【0064】
上式のMは含浸した無機ガスの分子量(g/mol)、Rは気体定数、Tは恒温室内温度(K)、V1はP3HA系予備発泡粒子内の無機ガス体積(L)であり、ここではR=0.0083(MPa・L/(K・mol))を採用する。なお、V1はP3HA系予備発泡粒子の体積からP3HA系予備発泡粒子中に占める基材樹脂組成物の体積を差し引いた値である。
【0065】
P3HA系予備発泡粒子に無機ガスを含浸させる際の密閉容器内の温度としては、20〜80℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。
【0066】
前記二段発泡で用いるスチーム等の温度としては、用いるP3HA系予備発泡粒子の特性、所望の予備発泡粒子の発泡倍率等によって異なり、一概には規定できないが、概ね90〜120℃であることが好ましい。
【0067】
以上のようにして得られるP3HA系予備発泡粒子は、公知の成形方法により、P3HA系型内発泡成形体にすることができる。例えば、(A)予備発泡粒子を無機ガスで加圧処理して予備発泡粒子内に無機ガスを含浸させ、所定の発泡粒子内圧を付与した後、金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、(B)予備発泡粒子を金型に充填した後、予備発泡粒子の体積を15〜50%減ずるように圧縮し、水蒸気で加熱融着させる方法、(C)予備発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し、予備発泡粒子の回復力を利用して、水蒸気で加熱融着させる方法、(D)特に前処理することなく、予備発泡粒子を金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法などの方法を利用することができる。
【0068】
前記、P3HA系型内発泡成形体を製造する際の蒸気圧力(以下、成形加熱蒸気圧力と称する場合がある)としては、用いるP3HA系樹脂の種類、グリセリントリエステルの種類・添加量等によって異なり、一概には規定できないが、概ね0.05〜0.25MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。
【0069】
前記(A)法の無機ガスとしては、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどが使用でき、これらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。これらの中でも、空気または二酸化炭素が好ましい。
【0070】
前記(A)法での発泡粒子内圧は0.15〜0.40MPaであることが好ましく、0.20〜0.30MPaであることがより好ましい。
【0071】
前記(A)法の無機ガスをP3HA系予備発泡粒子に含浸させる際の密閉容器内の温度としては20〜80℃であることが好ましく、40〜80℃以下であることがより好ましい。
【0072】
本発明の型内発泡成形体は、包装用緩衝材、農産箱、魚箱、自動車部材、建築材料、土木材料などの用途に用いることができる。
【実施例】
【0073】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
【0074】
<PHBHの3HH率の測定>
乾燥PHBH約20mgに2mlの硫酸−メタノール混液(15:85)と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱して、PHBH分解物のメチルエステルを得た。冷却後、これに1.5gの炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えて中和し、炭酸ガスの発生が止まるまで放置した。4mlのジイソプロピルエーテルを添加してよく混合した後、遠心して、上清中のPHBH分解物のモノマーユニット組成をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析することにより3HH率を求めた。ガスクロマトグラフは島津製作所社製「GC−17A」、キャピラリーカラムはGLサイエンス社製「NEUTRA BOND−1」(カラム長:25m、カラム内径:0.25mm、液膜厚:0.4μm)を用いた。キャリアガスとしてHeを用い、カラム入口圧100kPaとし、サンプルは1μlを注入した。温度条件は、初発温度100℃から200℃まで8℃/分の速度で昇温、さらに200から290℃まで30℃/分の速度で昇温した。
【0075】
<重量平均分子量(Mw1、Mw2)の測定>
ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂の重量平均分子量(Mw1)或いはP3HA系樹脂組成物粒子の重量平均分子量(Mw2)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Waters社製)を用い、カラムにポリスチレンゲル(昭和電工社製「Shodex K−804」)を用い、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算した場合の分子量として求めた。この際、検量線は重量平均分子量31400、197000、668000、1920000のポリスチレンを使用して作成した。
【0076】
<メルトフローレート(MFR1、MFR2)の測定>
十分に乾燥させたポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂或いはP3HA系樹脂組成物粒子を、JIS K7210に準じて190℃、2.16kg荷重で測定した値(前者:MFR1、後者:MFR2)である。
【0077】
<融点(Tm1、Tm2)の測定>
ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂或いはP3HA系樹脂組成物粒子の融点は、示差走査熱量計測定において、1〜10mgのPHBH或いはP3HA系樹脂組成物粒子を、10℃から180℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後10℃まで10℃/分の速度で冷却し、再度180℃まで10℃/分の速度で昇温し、得られた吸熱曲線において、最も高温側に出る吸熱ピーク温度を読み取った。
【0078】
<P3HA系樹脂組成物粒子のブリードアウト性>
P3HA系樹脂とグリセリントリエステル等を溶融混練した直後の高温であるP3HA系樹脂組成物を60℃の湯浴中に浸漬した際の状態よりブリード状態を評価した。その際の評価基準は、以下の通りである。○:ブリードアウト無し、×:ブリードアウト有り。
【0079】
<P3HA系予備発泡粒子の発泡倍率測定>
23℃のエタノールが入ったメスシリンダーを用意し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃の条件にて7日間放置した500個以上のP3HA系予備発泡粒子(発泡粒子群の重量W2(g))を、金網などを使用して沈め、エタノール水位上昇分より読みとられる発泡粒子群の容積V2(cm)とした時に、P3HA系樹脂組成物の密度ρ1(g/cm)から次式に従って算出した。
発泡倍率=V2÷W2×ρ1
【0080】
<P3HA系予備発泡粒子の独立気泡率測定>
空気比較式比重計(BECKMAN社製)を用いて、得られたP3HA系予備発泡粒子の独立気泡体積を求め、かかる独立気泡体積を別途エタノール浸漬法で求めた体積で除することにより独立気泡率を算出した。
【0081】
<P3HA系予備発泡粒子の不溶分測定>
150mlのフラスコに、P3HA系予備発泡粒子1gと100mlのクロロホルムを入れ、大気圧下、62℃で8時間加熱還流した後、得られた加熱処理物を200メッシュの金網を有する吸引濾過装置を用いて濾過処理した。得られた金網上の濾過処理物を、80℃のオーブン中で30〜40トールの真空条件下にて8時間乾燥した。この際、得られた乾燥物重量W1(g)を測定した。この重量W1(g)のP3HA系樹脂予備発泡粒子1gに対する重量比率を不溶分とした。
【0082】
<P3HA系予備発泡粒子の発泡粒子内圧測定>
P3HA系予備発泡粒子は通過させないが無機ガスは自由に通過し得る微細孔を多数有する70mm×100mm程度のポリエチレン製袋に適当量採取し、気温23℃、相対湿度50%の大気圧下の恒温室内で、その重量を測定した。この重量をU(g)とした。該ポリエチレン製袋に入ったP3HA系予備発泡粒子に空気、二酸化炭素などの無機ガスを含浸させた後のP3HA系予備発泡粒子の重量を測定した。この重量をQ(g)とした。Q(g)とU(g)の差を含浸された無機ガス量m(g)とし、下記式により発泡粒子内圧P(MPa)を算出した。
P=(m÷M)×R×T÷V1+0.1
【0083】
上式のMは含浸した無機ガスの分子量(g/mol)、Rは気体定数、Tは恒温室内温度(K)、V1はP3HA系予備発泡粒子内の無機ガス体積(L)であり、ここではR=0.0083(MPa・L/(K・mol))を採用した。なお、V1はP3HA系予備発泡粒子の体積からP3HA系予備発泡粒子中に占める基材樹脂組成物の体積を差し引いた値である。
【0084】
<成形体倍率の測定>
型内発泡成形により得た、板状のP3HA系予備発泡粒子よりなる型内発泡成形体の縦、横、厚みをノギスで測定し、該型内発泡成形体の体積を求め、該型内発泡成形体の重量を該型内発泡成形体の体積で割った値を型内発泡成形体の密度ρ2(g/L))とした。P3HA系樹脂組成物の密度ρ3(g/L)とした時に、次式に従って算出した。
成形体倍率=ρ3/ρ2
【0085】
<成形体のブリードアウト性>
実施例・比較例で得られたP3HA系予備発泡粒子よりなる型内発泡成形体を、設定温度80℃のオーブン(タバイエスペック社製)中にて、24時間保存し、該型内発泡成形体表面のべたつきを指標としてブリード状態を評価した。その際の評価基準は、以下の通りである。○:ブリードアウト無し、×:ブリードアウト有り。
【0086】
(製造例1) PHBH−1の作製
国際公開第09/145164号パンフレットの[0064]〜[0125]、中でも実施例4、7〜11及び表1に準拠してPHBH−1を作製した。PHBH−1の特性は、以下の通りであった。3HH率=7モル%、Mw1=60万、MFR1=10g/10分、Tm1=142℃。
【0087】
(製造例2) PHBH−2の作製
国際公開第09/145164号パンフレットの[0064]〜[0125]、中でも実施例2、7〜11及び表1に準拠してPHBH−2を作製した。PHBH−2の特性は、以下の通りであった。3HH率=11モル%、Mw1=40万、MFR1=15g/10分、Tm1=132℃。
【0088】
(製造例3) PHBH−3の作製
国際公開第09/145164号パンフレットの[0064]〜[0125]、中でも実施例1、7〜11及び表1に準拠してPHBH−3を作製した。PHBH−3の特性は、以下の通りであった。3HH率=12モル%、Mw1=140万、MFR1=3g/10分、Tm1=128℃。
【0089】
(実施例1)
表1の配合に従って、製造例1で得られたPHBH−1を100重量部、グリセリンジアセチルモノラウレート(添加剤−1、理研ビタミン社製「リケマールPL−012」)を1重量部、タルク(気泡調整剤)0.1重量部を、二軸押出機を用いて溶融混練を行い、粒重量:2.5mg、Mw2=59万、MFR2=10g/10分、Tm2=141℃のP3HA系樹脂組成物粒子を得た。この際、二軸押出機から出た溶融混練物の温度は145℃であり、60℃温水に浸漬した際にブリードアウトは見られなかった。得られたP3HA系樹脂組成物粒子についての測定及び評価結果は、表1にまとめた。
【0090】
続いて、得られたP3HA系樹脂組成物粒子100重量部、水200重量部、塩基性第三リン酸カルシウム1.2重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03重量部を耐圧容器中に仕込み、攪拌下、発泡剤として二酸化炭素を添加した後、耐圧容器内容物を昇温速度1.5℃/分で、60℃から120℃の発泡温度まで加熱した。その後、二酸化炭素を追加圧入して4.0MPa(ゲージ圧)の発泡圧力まで昇圧し、該発泡温度付近、該発泡圧力で30分間保持した後、耐圧容器下部のバルブを開き、直径3.6mmの開口オリフィスを通して、耐圧容器内容物を大気圧下に放出し、P3HA系予備発泡粒子を得、該予備発泡粒子の表面に付着した塩基性第三リン酸カルシウムを洗浄した後、40℃で24時間乾燥し、相対湿度50%、23℃の条件にて7日間放置し、P3HA系予備発泡粒子を得た。得られたP3HA系予備発泡粒子の発泡倍率は12倍、独立気泡率は98%、不溶分は0重量%であった。それらの結果は、表2にまとめた。
【0091】
上記で得られたP3HA系予備発泡粒子を60℃に加温した1m耐圧容器に仕込み、空気で加圧処理することで発泡粒子内圧を0.20MPaとした。該予備発泡粒子を縦400mm×横300mm×厚み40mmのブロック金型内に充填した後、該予備発泡粒子の体積を10%減ずるように圧縮し、次いで0.19MPa(ゲージ圧)の成形加熱蒸気圧力で加熱して型内発泡成形体を得、40℃で24時間乾燥し、相対湿度50%、23℃の条件にて7日間放置した。得られた型内発泡成形体の成形体倍率は17倍であり、設定温度80℃のオーブン中で24時間保存した後の型内発泡成形体の表面にもブリードアウトは見られなかった。型内発泡成形体に関する結果は、表3にまとめた。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
(実施例2)
表1の配合に従って、添加剤−1を5重量部とし、発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表1に示す値にした点以外は、実施例1と同様にしてP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を得た。それらについての評価結果を、表2、3にまとめた。
【0096】
(実施例3)
表1の配合に従って、添加剤−1を10重量部とし、発泡温度および発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表1に示す値にした点以外は、実施例1と同様にしてP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を得た。それらについての評価結果を、表2、3にまとめた。
【0097】
(実施例4)
表1の配合に従って、添加剤−1をC8、C10の脂肪酸トリグリセリド(添加剤−2、花王社製「ココナードMT」)とし、発泡粒子内圧を表1に示す値にした点以外は、実施例2と同様にしてP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を得た。それらについての評価結果を、表2、3にまとめた。
【0098】
(実施例5)
表1の配合に従って、添加剤−1をトリアセチン(添加剤−3、和光純薬工業社製「トリアセチン」)とし、発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表1に示す値にした点以外は、実施例2と同様にしてP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を得た。それらについての評価結果を、表2、3にまとめた。
【0099】
(実施例6)
表1の配合に従って、P3HA系樹脂を製造例2で得られたPHBH−2とし、発泡温度および発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表2、3に示す値にした点以外は、実施例1と同様にしてP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を得た。それらについての評価結果を、表2、3にまとめた。
【0100】
(実施例7)
表1の配合に従って、添加剤−1を5重量部とし、発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表3に示す値にした点以外は、実施例6と同様にしてP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体を得た。それらについての評価結果を、表2、3にまとめた。
【0101】
(比較例1)
表1の配合に従って、添加剤−1を使用せず、成形加熱蒸気圧力を表3に示す値にした点以外は、実施例1と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を、表2、3にまとめた。グリセリントリエステルを使用した実施例に比べて発泡倍率および成形体倍率が低かった。
【0102】
(比較例2)
表1の配合に従って、添加剤−1を0.1重量部とし、発泡粒子内圧を表3に示す値にした点以外は、実施例1と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を表2、3にまとめた。グリセリントリエステルの添加量が少ないので、本発明の効果が殆ど無かった。
【0103】
(比較例3)
表1の配合に従って、添加剤−1を20重量部とし、発泡温度および発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表3に示す値にした点以外は、実施例1と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を表2、3にまとめた。グリセリントリエステルの添加量が多いので、該成形体から添加剤−1がブリードアウトした。
【0104】
(比較例4)
表1の配合に従って、添加剤−1をグリセリン(添加剤−4、和光純薬工業社製「グリセリン」)とし、発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表3に示す値にした点以外は、実施例2と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を表2、3にまとめた。添加剤−4はグリセリントリエステルでないため、得られたP3HA系樹脂組成物粒子は重量平均分子量が低下していた。また得られたP3HA系予備発泡粒子の独立気泡率は低く、型内発泡成形ができなかった。
【0105】
(比較例5)
表1の配合に従って、添加剤−1をグリセリンモノステアレート(添加剤−5、花王社製[エレクトロストッパーTS−5」)とし、実施例2と同様にして実施した。添加剤−5はグリセリントリエステルではないため、得られたP3HA系樹脂組成物粒子の重量平均分子量が低下し且つメルトフローレートが大きくなっており、発泡には使用できないと判断した。
【0106】
(比較例6)
表1の配合に従って、添加剤−1をプロピレングリコールモノステアレート(添加剤−6、花王社製「カオーホモテックスPS−200V」)とし、実施例2と同様にして実施した。添加剤−6はグリセリントリエステルではないため、得られたP3HA系樹脂組成物粒子の重量平均分子量が低下し且つメルトフローレートが大きくなっており、発泡には使用できないと判断した。
【0107】
(比較例7)
添加剤−1をソルビタンラウレート(添加剤−7、花王社製「エマゾールL−10V」)とし、実施例2と同様にして実施した。添加剤−7はグリセリントリエステルではないため、得られたP3HA系樹脂組成物粒子の重量平均分子量が低下し且つメルトフローレートが大きくなっており、発泡には使用できないと判断した。
【0108】
(比較例8)
添加剤−1をソルビタントリステアレート(添加剤−8、花王社製「エマゾールS−30V」)とし、実施例2と同様にして実施した。添加剤−8はグリセリントリエステルではないため、得られたP3HA系樹脂組成物粒子の重量平均分子量が低下し且つメルトフローレートが大きくなっており、発泡には使用できないと判断した。
【0109】
(比較例9)
添加剤−1をステアリルステアレート(添加剤−9、花王社製「エキセパールSS」)とし、実施例2と同様にして実施した。グリセリントリエステルではないため、P3HA系樹脂組成物が60℃の湯浴中に浸漬した際、ブリードアウトしていたため、以降の評価は実施しなかった。
【0110】
(比較例10)
発泡温度および発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表2、3に示す値にした点以外は、比較例1と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を、表2、3にまとめた。グリセリントリエステルを使用しなくても、発泡温度を上げることで発泡倍率を向上させることは可能であるが、独立気泡率が低くなるため、型内発泡成形体は得られなかった。
【0111】
(比較例11)
発泡温度を表2に示す値にした点以外は、比較例1と同様にして実施した。この評価結果を、表2にまとめた。耐圧容器内でP3HA系樹脂組成物粒子が完全に融解してしまい、発泡することができなかった。
【0112】
(比較例12)
PHBH−2を使用し、発泡温度および発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表2、3に示す値にした点以外は、比較例1と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を表2、3にまとめた。グリセリントリエステルを使用しなくても、発泡温度を上げることで発泡倍率を向上させることは可能であるが独立気泡率が低くなるため、型内発泡成形体は得られなかった。
【0113】
(比較例13)
PHBH−3を使用し、発泡温度および発泡粒子内圧および成形加熱蒸気圧力を表2、3に示す値にした点以外は、比較例1と同様にして実施した。このようにして得られたP3HA系予備発泡粒子および型内発泡成形体についての評価結果を表2、3にまとめた。高粘度のP3HA系樹脂を使用しているため、発泡倍率および成形体倍率が低かった。
【0114】
(比較例14)
発泡温度を表2に示す値にした点以外は、比較例13と同様にして実施した。この評価結果を表2にまとめた。耐圧容器内でP3HA系樹脂組成物粒子が完全に融解してしまい、発泡することができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−ヒドロキシヘキサノエートの組成比が6〜12モル%であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂100重量部に対して、構成脂肪酸が炭素数1〜12の脂肪族酸であるグリセリントリエステルを1〜10重量部含有するポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物からなる粒子を、105〜125℃で発泡してなり、発泡倍率が20倍以上かつ独立気泡率が90%以上である無架橋のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子。
【請求項2】
ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物の190℃、2.16kgfで測定されるメルトフローレートが、7〜25g/10分である請求項1に記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子。
【請求項3】
発泡剤として二酸化炭素を用いて発泡してなる請求項1又は2に記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子。
【請求項4】
樹脂組成物が溶融混練により得られることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子。
【請求項5】
3−ヒドロキシヘキサノエートの組成比が6〜12モル%であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合体を70%以上含有する樹脂100重量部に対して、構成脂肪酸が炭素数1〜12の脂肪族酸であるグリセリントリエステルを1〜10重量部含有する樹脂組成物からなるポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系樹脂組成物粒子を、分散剤とともに密閉容器内で水系分散媒に分散後、発泡剤を密閉容器内に導入し、該樹脂組成物粒子の軟化温度以上に加熱した後、密閉容器の一端を開放し、該樹脂組成物粒子と水系分散媒とを密閉容器の圧力よりも低圧の雰囲気下に放出して、該樹脂粒子を発泡させてなる請求項1〜4の何れかに記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系予備発泡粒子を、金型内で相互に融着してなることを特徴とするポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)系型内発泡成形体。

【公開番号】特開2012−241166(P2012−241166A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115073(P2011−115073)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】