説明

ポンプユニットおよび燃料電池システム

【課題】 ポンプとこのポンプを駆動するためのモータとを備えたポンプユニットにおいて、信頼性が高く小型であり、被搬送流体の流量の制御が容易であると共に、前記ポンプからの被搬送流体の漏れを無くすことができるポンプユニットを提供する。
【解決手段】 回転容積式のポンプ23とこのポンプ23を駆動するためのモータ21とを備えたポンプユニット1において、前記ポンプ23の入力軸33と前記モータ21の回転子31とが、閉ざされた空間内に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプユニットおよび燃料電池システムに係り、特に、キャンドモータで駆動するポンプを備えたポンプユニットおよびこのポンプユニットを用いて燃料ガスを再循環する燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイヤフラム式ポンプ、ベローズ式ポンプ、またはジェットポンプを用いて、燃料電池スタックから排出された燃料ガスを前記燃料電池スタックに供給する構成の燃料電池システムが知られている(たとえば特許文献1参照)
【特許文献1】特開平9−259912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ダイヤフラム式ポンプを用いた燃料電池システムでは、ダイヤフラムを備えているためにポンプの小型化が難しいという欠点がある。ベローズ式ポンプを用いた燃料電池システムでは、ポンプの構造が複雑であり、ポンプの信頼性に欠けるという欠点がある。さらに、ジェットポンプを用いた燃料電池システムでは、燃料の流量を制御することが難しいという欠点がある。
【0004】
そこで、前記各欠点を改善すべく、図5に示すように、ベーンポンプ等の回転容積式のポンプ102を備えたポンプユニット100を用いて、燃料電池スタックから排出された燃料ガスを前記燃料電池スタックに供給する方法が考えられる。
【0005】
図5に示すポンプユニット100は、ポンプ102を駆動するためのモータ104を備えており、前記ポンプ102の入力軸と前記モータ104の出力軸とをカップリング106を用いて互いに連結してある。
【0006】
前記ポンプユニット100を用いれば、ポンプユニットを簡素化することができると共に小型することができ、ポンプの回転を変えることによって燃料の流量を正確に制御することが可能になる。
【0007】
しかし、前記回転容積式のポンプ102においては、このポンプの内部からこのポンプの入力軸のまわりを伝わって燃料ガスが漏れ出すおそれがあるという問題がある。すなわち、前記ポンプ102では、リップシール等のシール部材が前記ポンプの入力軸と前記ポンプ筐体との間に設けられているが、たとえば長年の使用により前記シール部材等が磨耗すること等が考えられる。
【0008】
なお、前記問題は、水素ガス以外の流体を搬送するポンプユニット(燃料電池システム以外の装置に使用されるポンプユニット)においても発生する問題である。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポンプとこのポンプを駆動するためのモータとを備えたポンプユニットにおいて、信頼性が高く小型であり、被搬送流体の流量の制御が容易であると共に、前記ポンプからの被搬送流体の漏れを無くすことができるポンプユニットを提供することを目的とする。また、前記ポンプユニットを用いて、燃料ガスを燃料電池スタックに供給することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための第1の手段は、回転容積式のポンプとこのポンプを駆動するためのモータとを備えたポンプユニットにおいて、前記ポンプの入力軸と前記モータの回転子とが、閉ざされた空間内に設けられているポンプユニットである。
【0011】
課題を解決するための第2の手段は、回転容積式のポンプとモータとを備えたポンプユニットにおいて、前記ポンプの筐体の外部に突出している前記ポンプの入力軸と、前記入力軸を回転駆動する前記モータの回転子と、前記入力軸と前記回転子とが閉ざされた空間内に存在するように、前記入力軸と前記回転子とを、前記ポンプの筐体と共に覆っているキャンと、前記キャンの外側に設けられている前記モータの固定子とを有するポンプユニットである。
【0012】
課題を解決するための第3の手段は、課題を解決するための第2の手段に記載のポンプユニットおいて、前記回転子は、前記入力軸に一体的に設けられており、前記回転子の軸受けを、前記ポンプの回転体を支持している軸受けが兼ねているポンプユニットである。
【0013】
課題を解決するための第4の手段は、課題を解決するための第1の手段〜課題を解決するための第3の手段のいずれかの手段に記載のポンプユニットにおいて、前記モータは、前記回転子に永久磁石を備えたモータまたは前記回転子に誘導電流を発生させて前記回転子が回転する構成のモータであるポンプユニットである。
【0014】
課題を解決するための第5の手段は、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックから排出された燃料ガスを前記燃料電池スタックに再び供給するためのポンプユニットとを有する燃料電池システムにおいて、前記ポンプユニットは、課題を解決するための第1の手段〜課題を解決するための第4の手段のいずれかの手段に記載のポンプユニットである燃料電池システムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、前記ポンプからの被搬送流体の漏れを無くすことができ、特に、ポンプの回転軸の摺動部をシールする場合に対して、摺動しないキャンの固定フランジ部で被搬送流体をシールすることにより、ポンプの信頼性が格段に向上するという効果を奏する。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、燃料電池スタックと前記燃料電池スタックから排出された燃料ガスを前記燃料電池スタックに再び供給するためのポンプユニットとを有する燃料電池システムにおいて、燃料ガスの漏れを防ぎ燃料ガスを前記燃料電池スタックに供給することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るポンプユニット1を用いた燃料電池システム3の概略構成を示す図である。
【0018】
燃料電池システム3は、燃料電池スタック5を備えている。この燃料電池スタック5は、電解質膜の一方の側に形成されている酸化剤極に酸化剤ガス(たとえば酸素ガスO)が供給され他方の側に形成されている燃料極に燃料(たとえば水素ガスH)が供給されることによって発電をするものである。
【0019】
また、燃料電池システム3には、水素ガスを貯蔵している水素タンク7が設けられており、この水素タンク7から前記燃料電池スタック5へガスを供給するためのガス供給路9が、前記水素タンク7と前記燃料電池スタック5との間に設けられている。
【0020】
前記水素タンク7と前記燃料電池スタック5との間における前記ガス供給路9の中間部には、前記水素タンク7から出てくる水素ガスの圧力を調整するためのレギュレータ11が設けられており、このレギュレータ11と前記燃料電池スタック5との間における前記ガス供給路9の中間部には、燃料電池スタック5に供給されるガスの圧力を検出するための圧力センサ13が設けられている。
【0021】
また、前記ガス供給路9によって前記燃料電池スタック5に供給されたガスを、前記燃料電池スタック5から排出するためのガス排出路15が、前記燃料電池スタック5から延出しており、このガス排出路15の下流側には、バルブ17が設けられている。
【0022】
前記ガス排出路15に排出された水素ガスを、再び前記燃料電池スタック5に供給し再使用するために、前記燃料電池スタック5と前記バルブ17との間における前記ガス排出路15からは、ガス循環路19が枝分かれして延出している。
【0023】
そして、前記ガス循環路19の他の端部は、前記レギュレータ11と前記圧力センサ13との間における前記ガス供給路9に接続されている。
【0024】
また、前記ガス循環路19の中間部には、電動モータでベーンポンプを駆動する構成のポンプユニット1が設けられており、常態では前記バルブ17を閉じておいて、前記燃料電池スタック5から排出されたガスが、前記ガス循環路19を通って、前記ポンプユニット1により、前記燃料電池スタック5に再び供給されるようになっている。
【0025】
なお、前記ガス循環路19中に水素ガス以外のガスが溜まった場合(水素検出センサ等により検知し、バルブ17を開いて、ガス循環路19のガスを排出するようになっている。
【0026】
さらに燃料電池システム3には、このシステム全体を制御する制御装置が設けられており、この制御装置の制御の下、前記圧力センサ13が検出したガスの圧力等に応じて、前記ポンプユニット1のベーンポンプの回転数を制御し前記燃料電池スタック5に再び供給されるガスの量を制御することができるようになっている。
【0027】
なお、図1では、酸化剤ガスの供給路等の表示を省略してある。
【0028】
ここで、前記ポンプユニット1について詳しく説明する。
【0029】
図2は、ポンプユニット1の概略構成を示す断面図であり、図3は図2におけるIIIA―IIIB断面を示す図である。
【0030】
前記ポンプユニット1は、一端部側にモータ21を備え、このモータ21によって駆動するベーンポンプ23を他端部側に備えていると共に、閉ざされた空間内(前記ベーンポンプ23が搬送するガスの吸入口25、前記ベーンポンプ23が搬送するガスの排出口27を除いて、外部から遮断されている空間内)に、前記ベーンポンプ23の回転体29と前記モータ21の回転子31とが設けられている。
【0031】
さらに説明すると、前記ベーンポンプ23の入力軸33は、前記ベーンポンプ23の筐体35から、前記筐体(たとえば外形が円柱状に形成されている筐体)35の外部にオーバーハングし突出(延出)している。そして、前記突出している入力軸33に前記モータ21の回転子(前記入力軸33を回転するための回転子)31が一体的に設けられている。
【0032】
また、前記ベーンポンプ23の筐体35には、キャン37が設けられており、前記入力軸33と前記モータ21の回転子31とが閉ざされた空間内に存在するように、前記キャン37が、前記ベーンポンプ23の入力軸33と前記モータの回転子31とを、前記ベーンポンプ23の筐体35と共に(協働して)覆っている。
【0033】
このようにキャン37を設けたことにより、前記入力軸33と前記筐体35との係合部の隙間を通って前記キャン37の内部に、搬送するガスが漏れ出てきても、この漏れ出してきたガスが前記キャン37の外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0034】
前記ポンプユニット1についてさらに詳しく説明する。
【0035】
前記入力軸33は、ベーンポンプ23の回転体29の回転軸と一体的に形成されており、前記回転軸は、前記筐体35の一端部(前記モータ21とは反対側の端部)で、軸受け41を介して前記筐体35に回転自在に支持され、前記筐体35の他端部(前記モータ21側の端部)で、軸受け43を介して前記筐体35に回転自在に支持されている。このように構成されていることにより、前記モータ21の回転子31の軸受けを、前記ベーンポンプ23の各軸受け41、43が兼ねていることになる。
【0036】
前記モータ21は、前記回転子31に永久磁石を備えており、固定子鉄片45と固定子コイル47とで構成されている固定子39が発生する磁束により、前記回転子31が回転するようになっている。
【0037】
前記キャン37は、内径が前記回転子31の最大外径よりも僅かに大きい円筒状に形成され先端部37B側が閉じている本体部37Aと、この本体部37Aの基端部側に設けられたリング状のフランジ部37Cとを備えていると共に、ステンレススチールや合成樹脂等の非磁性体で構成されている。
【0038】
また、前記本体部37Aの内壁と前記回転子31との間に僅かな隙間が存在することに対して、前記フランジ部37Cが前記ベーンポンプ23の筐体35に隙間なく接触して、前記キャン37が前記筐体35に一体的に設けられている。
【0039】
さらに、前記キャン37の外側には、前記モータ21の固定子39が設けられており、固定子39の内側の部位が前記キャン37に接触し、前記モータ21の固定子39が前記キャン37の外周に配置されている。なお、固定子39の内側の部位が前記キャン37から僅かに離れていてもよい。
【0040】
また、ポンプユニット1には、カバー部材49が設けられており、このカバー部材49は、前記モータ21の固定子39を支持し、前記入力軸33と前記モータ21の回転子31と前記キャン37と前記固定子39とを、前記ベーンポンプの筐体35と共に(協働して)覆っている。
【0041】
前記カバー部材49は、内径が前記固定子39の外径とほぼ同じであり外径が前記ベーンポンプ23の筐体35の外径とほぼ同じである円筒状に形成され、先端部が閉じていると共に、基端部側が前記ベーンポンプ23の筐体35に一体的に設けられている。
【0042】
また、前記キャン37を前記ベーンポンプ23の筐体35に設置するときに、前記キャン37の中心軸と前記回転子31の回転中心軸とを互いに一致させるための位置決め部位35A、37Dが、前記ベーンポンプ23の筐体35と前記キャン37とに形成されている。
【0043】
すなわち、前記筐体35の一端部側には、前記入力軸33と同軸で前記入力軸33の外径よりも大きな円柱形状の凸部が僅かに突出しており、この凸部によって前記位置決め部位35Aが形成されており、また、前記キャン37の内径が前記凸部よりごく僅かに大きく形成されていることによって、前記キャン37にも位置決め部位37Dが形成されている。
【0044】
さらに、前記カバー部材49を前記ベーンポンプ23の筐体35に設置するときに、前記カバー部材49の中心軸と前記回転子31の回転中心軸とを互いに一致させるための位置決め部位35B、49Aが、前記ベーンポンプ23の筐体35と前記カバー部材49とに形成されている。
【0045】
また、ガスの漏れを防止するために、前記キャン37のフランジ部37Cと前記筐体35との接合部には、Oリング等のシール部材(図示せず)が設けられている。また、固定子39が設けられている空間内に外部から水等が浸入しないようにするために、前記筐体35と前記カバー部材49との接合部には、Oリング等のシール部材(図示せず)が設けられている。
【0046】
ポンプユニット1によれば、筐体35とキャン37とで閉ざされた空間内にベーンポンプ23の回転体29とモータ21の回転子31とが設けられているので、入力軸33と筐体35との間のごくわずかな隙間を通ったベーンポンプ23からの燃料ガス(水素ガス)が漏れ出すことがなく、燃料電池システム3において、燃料ガスの漏れを防止しつつ前記燃料電池スタック5に燃料ガスを供給することができる。
【0047】
特に、従来のようにポンプの回転軸の摺動部をシールする場合に対して、摺動しないキャン37の固定フランジ部37Cで水素ガスをシールすることにより、ポンプ23の信頼性が格段に向上する。
【0048】
また、モータ21の回転数を変えることにより、燃料ガスの供給量を制御することができるので、ジェットポンプを用いる場合(たとえば、特開2002−8688号公報参照)に比べ、燃料電池スタック5に供給する燃料ガスの流量を制御しやすくなっている。
【0049】
また、ベーンポンプ23を用いているので、ダイヤフラム式ポンプを用いた場合(たとえば、特開平9−259912号公報参照)に比べ、ポンプユニットを小型化することができ、また、ダイヤフラム式ポンプを用いた場合に比べ、ポンプの寿命が長くなっている。
【0050】
さらに、ベーンポンプ23を用いているので、ベローズ式ポンプを用いた場合(たとえば、特開2002−147363号公報参照)に比べ、ポンプの構成が簡素になっており、ポンプの信頼性が向上している。
【0051】
ポンプユニット1によれば、ベーンポンプ23の筐体35の外部にオーバーハングし突出している入力軸33にモータ21の回転子31を一体的に設けこの回転子31をキャン37で覆い、また、前記モータ21の回転子31の軸受けを、前記ベーンポンプ23の軸受け41、43が兼用しているので、モータ21の回転子31を支持するための軸受けを別途設ける必要がなく、ポンプユニット1の構成が簡素になっている。
【0052】
また、ポンプユニット1によれば、前記キャン37を設置する場合、前記モータ21の回転子31やこの回転子31を支持している軸受けをいっしょに組み付ける必要がなく、前記キャン37のみを設置すればよいので、ポンプユニット1の組み立てが容易になる。
【0053】
さらに、前記キャン37を前記ベーンポンプ23の筐体35の設置するときに前記キャン37の中心軸と前記回転子31の回転中心軸とを互いに一致させるための位置決め部位35A、37Dが、前記ベーンポンプ23の筐体35と前記キャン37とに形成してあるので、前記キャン37を設置する際の組み立て作業が一層容易になる。
【0054】
なお、前記ポンプユニット1では、ベーンポンプを例に掲げて説明したが、ベーンポンプに代えて、スクリューポンプ、トロコイドポンプ、ギヤポンプ等の回転容積式ポンプを採用してもよい。
【0055】
前記モータ21として、回転子31に永久磁石を備えたモータを例に掲げたが、このモータ21の代わりに、回転子に誘導電流を発生させて回転子が回転する構成のモータ等、固定子のみの電流を流し、回転子に電流を流すことなく回転子を回転させることができる構成のモータ(ブラシレスモータ)を採用してもよい。
【0056】
なお、前記ポンプユニット1では、図2に示すように、モータ21の回転子31の先端部側には軸受けが設けられていないが、前記回転子31の先端部側において前記回転子31と前記キャンと37の間に、ベアリング等の軸受けを設けてもよい。さらに、モータ21の回転子31の軸とポンプ23の入力軸とを一体的に形成することなく別々の部材で形成し、これらの各部材をカップリング等の連結部材で互いに接続してもよい。
【0057】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係るポンプユニット1aの概略構成を示す図である。
【0058】
第2の実施形態に係るポンプユニット1aは、第1の実施形態に係るポンプユニット1と同様に、燃料電池システムに使用されるポンプユニットであり、モータの回転子、固定子、キャンの形態が第1の実施形態に係るポンプユニット1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るポンプユニット1と同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0059】
すなわち、第2の実施形態に係るポンプユニット1aは、ベーンポンプの入力軸33aが、短く延出しておりこの延出している入力軸33aの先端部に、円板状の回転子形成部材51が一体的に設けられている。なお、前記回転子形成部材51の厚さ方向と前記入力軸33aの延出方向とは互いに一致している。
【0060】
前記回転子形成部材51の一方の面(前記入力軸33aと接合している面とが反対側の面)の周上には、永久磁石53が設置されており、前記入力軸33aと、前記回転子形成部材51と前記永久磁石53とで構成されているモータの回転子とを覆うように、前記第1の実施形態に係るポンプユニット1のキャン37よりも全長の短いキャン55が設置されている。
【0061】
さらに、前記キャン55の外側であって、前記キャン55を間にして前記永久磁石53と対向した部位には、モータの固定子57が設けられている。このモータの固定子57は、前記第1の実施形態に係るポンプユニット1のカバー部材49よりも全長の短いカバー部材59によって支持されている。
【0062】
このように構成されていることにより、ポンプユニット1aでは前記第1の実施形態に係るポンプユニット1よりも全長が短く形成されている。
【0063】
なお、前記各実施形態では、ポンプユニット1、1aを燃料電池システム3に使用しているが、燃料電池システム以外の装置にも、ポンプユニット1、1aを使用することができる。
【0064】
したがって、燃料ガス(水素ガス)以外の流体を搬送する場合にも、ポンプユニット1、1aを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るポンプユニットを用いた燃料電池システムの概略構成を示す図である。
【図2】ポンプユニットの概略構成を示す断面図である。
【図3】図2におけるIIIA―IIIB断面を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るポンプユニットの概略構成を示す図である。
【図5】回転容積式ポンプを用いた従来のポンプユニットの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ポンプユニット
3 燃料電池システム
5 燃料電池スタック
21 モータ
23 ポンプ
31 回転子
33 入力軸
35 筐体
37 キャン
39 固定子
41、43 軸受け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転容積式のポンプとこのポンプを駆動するためのモータとを備えたポンプユニットにおいて、
前記ポンプの入力軸と前記モータの回転子とが、閉ざされた空間内に設けられていることを特徴とするポンプユニット。
【請求項2】
回転容積式のポンプとモータとを備えたポンプユニットにおいて、
前記ポンプの筐体の外部に突出している前記ポンプの入力軸と;
前記入力軸を回転駆動する前記モータの回転子と;
前記入力軸と前記回転子とが閉ざされた空間内に存在するように、前記入力軸と前記回転子とを、前記ポンプの筐体と共に覆っているキャンと;
前記キャンの外側に設けられている前記モータの固定子と;
を有することを特徴とするポンプユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のポンプユニットおいて、
前記回転子は、前記入力軸に一体的に設けられており、
前記回転子の軸受けを、前記ポンプの回転体を支持している軸受けが兼ねていることを特徴とするポンプユニット。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポンプユニットにおいて、
前記モータは、前記回転子に永久磁石を備えたモータまたは前記回転子に誘導電流を発生させて前記回転子が回転する構成のモータであることを特徴とするポンプユニット。
【請求項5】
燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックから排出された燃料ガスを前記燃料電池スタックに再び供給するためのポンプユニットとを有する燃料電池システムにおいて、
前記ポンプユニットは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポンプユニットであることを特徴とする燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−70861(P2006−70861A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257856(P2004−257856)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】