説明

マイクロサンプルの液相の自動抽出のためのシステムおよび方法、ならびにマイクロサンプルを採取し、抽出を実行し、測定を行うための自動設備

本発明は、特に、空間および時間の両方において不連続なパケットとして事前に採取されて保管された一連の液体マイクロサンプルの少なくとも1つの液相を物理的に抽出するための連続自動抽出システムおよび方法に関する。本発明による抽出システム(10)は、複数のマイクロホルダ(12)を有する遠心分離器(13)を備えており、前記マイクロホルダの少なくとも1つが、該当のマイクロサンプルで満たされるとともに、分離用の下部(12b)によって延長された注入用の上部(12a)を備え、前記下部(12b)の断面は前記上部(12a)の断面よりも小さい。本発明によれば、このように満たされたホルダまたは各ホルダは、所与の瞬間に、1つのマイクロホルダに収容されたただ1つのマイクロサンプル又はマイクロホルダの一部あるいは全てに収容された複数のマイクロサンプルを、マイクロホルダが満たされるにつれて徐々に遠心分離によって抽出できるという方法によって、マイクロサンプルの質量の10倍を超える質量を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間および時間において不連続なパケットとして事前に採取されて保管された一連の液体マイクロサンプルの少なくとも1つの液相の連続的かつ自動的な物理的抽出のためのシステムおよび方法、ならびにそのようなマイクロサンプルの採取、それらの保管、およびそれらの少なくとも1つの相の抽出、ならびに随意によるそれらの測定を、連続的かつ継続的に実行するための自動設備に関する。本発明は、さらに詳しくは、ラットまたはマウスなどの哺乳類から採取される全血マイクロサンプルに適用されるが、それに限られるわけではない。
【背景技術】
【0002】
生物学において、哺乳類からの全血などの液体マイクロサンプルの少なくとも1つの相を遠心分離によって物理的に抽出するという目的のために、液体マイクロサンプルの種々の相または成分を分離するために遠心力を使用することが知られている。しかしながら、現行の遠心分離器を特徴付ける高速回転ゆえに、実際のところ、これらの遠心分離器を負荷が不均一なとき、すなわち回転時にマイクロサンプルを収容する目的の位置(通常、遠心分離器に収容されたマイクロコンテナで構成される)にすべてのマイクロサンプルが配置されてはいないときに、動作させることができない。
【0003】
全血マイクロサンプルの場合、全血を収集し、ろ過し、次いでさまざまな密度の成分へと分離するために、さまざまな技法が使用される。一般的な実務としては、マイクロピペットと、遠心分離器の所定の場所に前もって配置でき次いで遠心分離器の完全な充てん容量に達するまで満たされるマイクロコンテナとを使用する。次いで、(一方では血清/血漿、他方では赤血球といった)血液の種々の成分が各々のマイクロコンテナの内部で分離されるよう、遠心分離器に適切な時間にわたって高速回転が加えられる。
【0004】
例えば、マイクロコンテナがホルダであり、各々のホルダがマイクロサンプルで満たされる上部を有しており、この部分が、断面の狭窄部を介し、マイクロサンプル(血液など)の成分を分離するための下部によって延長されている遠心分離器を有する文献US−A−2004/0166551が挙げられる。
【0005】
全血マイクロサンプルにおいてこの分離を促進する抽出剤であって、その密度が血液の種々の相の密度の中間であり、ポリマーゲルで構成されている抽出剤を使用することも、知られている。例えば、本質的にチキソトロピックであるそのような抽出ゲルの使用について、文献US−A−5 906 744が挙げられる。
【0006】
血液マイクロサンプルが遠心分離のためにそのようなマイクロコンテナへと順次に移されるとき、移動に使用されるマイクロピペットに起因する体積の精度の不確実さという問題の他に、遠心分離を実行するためにすべてのマイクロコンテナをマイクロサンプルで満たす必要があり、従って、不釣り合い(すなわち、遠心分離器における負荷)のバランスの欠如)ゆえにマイクロサンプルをこれらのマイクロコンテナへと移しつつ徐々に遠心分離を実行することができないという上述の問題が生じる。一般に、これらのマイクロコンテナを収容する遠心分離器において使用される最小の充てん体積は、約200μlである。
【0007】
血液マイクロサンプル用の公知の遠心分離抽出のシステムおよび方法の他の大きな欠点は、これらのマイクロサンプルを該当の哺乳類から採取し、次いで一時的に保管し、その後、遠心分離を実行するために採取および保管したマイクロサンプルを遠心分離器のマイクロコンテナへと移す作業を、通常は作業者が順に実行しなければならないことである。
【0008】
血液マイクロサンプルの採取用として知られている主たる自動システムは、小型哺乳類の臨床前検査における分子イメージングの分野から由来している。特に、内生の分子の濃度を測定するために、静脈に投与される放射性追跡子の薬動力学モデルを介して、陽電子放出断層撮影(略して、PET)として知られるイメージング技法が使用される。実際には、この技法を使用して、「器官」と呼ばれる生物のさまざまな場所及び放射線追跡子をすべての器官へともたらす区画(すなわち、動脈血)において、時間の経過につれて放射性追跡子の濃度が測定される。小動物用のX線断層撮影装置が、PETの分野を齧歯動物の前臨床試験まで広げ、診療および治療の研究にこの技法からの恩恵をもたらすために使用される。マイナス面においては、通常の血液サンプリング法によって動脈の部分を測定することが困難になる。これは、マイクロメソッドが、小動物(特に、ラットおよびマウス)におけるPET放射線追跡子の測定に向けて開発されているためである。
【0009】
測定の第1のマイクロメソッドは、連続的な自動サンプリングの目的のために、Sherbrook Universityのカナダ人研究員らのグループによって開発された。小動物(ラットおよびマウス)において、このグループは、AMI(Advanced Molecular Imaging)/Gamma Medicaという企業によって市販されたシステム(IEEE Transactions on Nuclear Science、Vol.54、No.1、2007年2月、173頁のConvertらによる論文を参照)を開発した。要約すると、このシステムにおいては、血液が、引っ張りシリンジを使用して動物から連続的に抽出されるが、サンプルの収集は可能ではない。これは、血液サンプルのその後の回収を必要とする新規な追跡子の要件を満たさないという欠点を有している。
【0010】
同じグループが、1998年(D. Lapointeらによる「A Microvolumetric Blood Counter/Sampler for Metabolic PET Studies in Small Animals(IEEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR SCIENCE、VOL.45、No.4、1998年8月)」という論文を参照)に、10μlの血液サンプルを抽出し、それらを陽電子を検出するカウンタへと自動的に取り込むためのシステムを開発していることに、注目できる。このコンピュータ制御の血液サンプラは、マイクロ気泡(1〜3μl)による血液マイクロサンプルの分離にもとづいている。実験の終わりには、このように形成されたチューブを切断し、マイクロサンプルを後の生化学分析に利用可能にすることができる。これらの試料の処理は、サンプリングラインにおける自動的な実行が可能でないという欠点を有している。
【0011】
第2の測定マイクロメソッドが、米国の研究者らのグループ(Department of Molecular and Medical Pharmacology, UCLA School of Medicine & Department of Molecular and Medical Pharmacology)によって開発され、サンプルの自動採取およびそれらの収集に関係している。調節可能なサンプリング時間にて少量(180nl)の血液サンプルを収集するマイクロ流体チップ上の血液サンプリングシステムを説明している、Huong−Dun Linらによる「Automatic Control System of Microfluidic Blood Sampler for Quantitative microPET Studies in Small Laboratory Animals(2006 IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record)」という論文を、有用に参照できるであろう。このシステムにおいては、2つのサンプルの間の最小時間は2秒であり、付着させられる液体の量はマイクロピペットの精度に依存する。このマイクロ流体チップにおいては、わずかに18の血液サンプルしか収集することができない。
【0012】
これらの予備的な結果が、マウスにおいて、血中動態を、「FDG」放射線追跡子によって導出することを可能にしている。全体としての血液の喪失が3.5μl未満であるため、生理学的変化への影響が最小限まで減らされる。マイナス面は、「穴」方式のガンマ検出器における計数の前に血液サンプルをチップからマイクロチューブへと洗い流すために、サンプリングの手順が完了するまで待つ必要があることである。この制約は、最初のサンプルが互いにきわめて近くで採取されるエントリファンクション(entry function)の開始においてはきわめて不利というわけではないが、互いにはるかに離れている最後のサンプルの場合には、その限りではなく、そのために、時間間隔が増加し続ける。したがって、18のサンプルのうちの最初のサンプルのガンマ計数は、採取からきわめて長い時間が経ってから実行される。さらに、測定すべき活性そのものが、強く減少するため、信号対雑音比がきわめて損なわれることになる。
【0013】
この第2の方法の別の欠点は、最小サンプリング時間が2秒間であって比較的長く、さらには全血サンプルにおける放射線追跡子の計数が、手順の終わり(注入後、少なくとも1h)においてのみ行われるという事実ゆえ、20分間という半減期を有する11Cなどの追跡子において、この方法を実行することが困難である(1hは半減期の3倍に相当するため、1h後に残る追跡子の量は8分の1にすぎない)。さらに、この被測定量の急激な減少は、血球からの血漿(放射線追跡子を含んでいる)の分離が困難であることによって、大きく強調される。具体的には、0.18μlというサンプルの体積について、インラインで区別された測定を実行するために充分な分離は、不可能であるとさえ考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの目的は、一連の液体マイクロサンプルの少なくとも1つの液相を物理的に抽出するために、複数のマイクロホルダを有する遠心分離器を備えており、前記マイクロホルダの少なくとも1つが、該当のマイクロサンプルで満たされるとともに、分離用の下部(12b)によって延長された注入用の上部(12a)を備え、前記下部(12b)の断面は前記上部(12a)の断面よりも小さい連続自動抽出システムであって、上述の欠点のすべてを改善するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のために、本発明による自動抽出システムは、
・遠心分離器(13)、
・この遠心分離器の上流に配置された定量ポンプ(7)によって、各々のマイクロサンプルの所定の量を、保管容器(8)から注入待ちの前記マイクロホルダのうちの少なくとも1つへと移すように意図された移送手段、および
・マイクロホルダの排出および挿入のための手段
を制御することができるコンピュータ支援の制御装置を備えており、
このようにして満たされる前記マイクロホルダまたは各々のマイクロホルダが、所与の瞬間において、ただ1つのマイクロホルダに収容されたただ1つのマイクロサンプルのみ、あるいは前記マイクロホルダの一部またはすべてに収容された複数のマイクロサンプルを、マイクロホルダが満たされるにつれて徐々に遠心分離によって抽出できるようなやり方で、前記マイクロサンプルの質量の10倍を超える質量を有している。
【0016】
用語「マイクロサンプル」は、本明細書において、各々が100μl未満、好ましくは30μl以下の体積を有している血液サンプルなどの液体サンプル(すなわち、典型的には、ラットまたはマウスなどの小型の哺乳類から採取されるサンプル)を意味するものと理解される。
【0017】
好都合には、このようにして満たされた前記マイクロホルダまたは各々のマイクロホルダが、前記マイクロサンプルの質量の100倍を超える質量を有している。
【0018】
これらの特徴は、本発明によれば、遠心分離器において使用されるマイクロホルダの質量がそれらマイクロホルダに収容される液体マイクロサンプルによって大きく変わることがない、という事実を証明することに注意すべきである。このことは、好都合なことに、従来技術のように遠心分離器に収容することができるすべてのマイクロホルダがマイクロサンプルで事前に満たされることを待つ必要なく、遠心分離器の負荷に応じてただ1つのマイクロサンプルまたは少数のマイクロサンプルのみを遠心分離することを可能にする。
【0019】
本発明の別の特徴によれば、各々のマイクロホルダの前記部位が、好ましくは実質的に同一の体積を有しており、各々の体積が、実質的に1つのマイクロサンプルを収容するように意図されている。
【0020】
やはり選択肢として、前記遠心分離器は、前記ホルダが満たされるときの前記上部におけるマイクロサンプルが溢れるのを除去できるよう、マイクロサンプルで満たされた各々のマイクロホルダの前記上部におけるマイクロサンプルのレベルを測定するための光検出器などの手段を備えることができる。
【0021】
したがって、マイクロホルダのこれら2つの部位を特徴付けるほぼ同一の体積ゆえに、上部への導入およびマイクロホルダの遠心分離の後の下部の各々のマイクロサンプルの体積を、思いのままに調節することができることに注意すべきである。変形として、上部への溢れが存在する場合には、この体積の調節を、上部においてマイクロサンプルを機械的に「水平に」することによって実行してもよい。
【0022】
本発明の1つのきわめて好都合な実施の形態によれば、前記遠心分離器の各々のマイクロホルダは、該当のマイクロサンプルで満たされる前に、前記相を前記マイクロサンプルから抽出することができる少なくとも1つの抽出剤であって、その密度が前記相の密度と前記マイクロサンプルの残りの部分の密度との中間であるように選択される抽出剤をさらに収容することができ、遠心分離の際に、この抽出剤が、前記相と前記マイクロサンプルの残りの部分との境界へと移動して、該境界に物理的な障壁を形成する。
【0023】
この抽出剤を各々のマイクロホルダへと取り入れることで、該当のマイクロサンプルで満たされた後のマイクロホルダの質量の変化をさらに小さくできることに、注目すべきである。
【0024】
好都合には、前記抽出剤が、MAGIC(Methacrylic and Ascorbic acid in Gelatin Initiated by Copper(銅でイニシエートされたゼラチン中のメタクリル酸およびアスコルビン酸))ポリマーゲルを含んでいる。
【0025】
本発明による抽出システムは、所定の量の前記抽出剤を各々のマイクロホルダへと移すように設計され、関節アームに移動可能に取り付けられたマイクロピペットをさらに備えることができる。
【0026】
本発明の別の特徴によれば、前記移送手段は、駆動部材に移動可能に取り付けられ、マイクロピペットおよびマイクロピペットを動かすための関節アームを備えることができ、該マイクロピペットおよび該関節アームは、前記抽出剤を移すように意図された前記マイクロピペットおよび前記アームと同一のものであるか、あるいは別のものである。
【0027】
本発明の他の特徴によれば、前記コンピュータ支援の制御装置は、前記移送手段の前記駆動部材も制御することができる。
【0028】
好都合には、遠心分離器を少数のマイクロサンプルのみを有する状態で回転させたい場合、それらのマイクロサンプルは、連続したマイクロホルダに配置されるのではなく、この遠心分離器にバランスよく分布させられる。
【0029】
好都合には、該当のマイクロホルダに収容される各々のマイクロサンプルは、例えばマウスの血液マイクロサンプルの場合に約8μlであり、ラットの血液マイクロサンプルの場合に30μlに等しいなど、1μl〜100μlの間の体積を有する哺乳類からの全血マイクロサンプルであってよい。したがって、各々のマイクロサンプルから抽出される前記相は、当該システムによって赤血球などの血球から分離される血漿であってよい。
【0030】
本発明によるこの連続抽出システムによれば、特には全血に含まれる血球を空間的かつ自動的に分離することができ、本発明によるこの連続抽出システムを、血漿の放射線追跡子の活性をインラインで測定する必要がある放射線画像の形成という特定の事例に適用可能であることに、注目すべきである。
【0031】
しかしながら、本発明が、例えば2層の液体からなる液体マイクロサンプルの採取、それらサンプルの離散化、ならびに各々のサンプルにおける成分のうちの少なくとも1つの物理的な分離(残りの成分の密度よりも高い密度または低い密度を有することによる)に関係するはるかに広い分野を潜在的に包含することに、注意すべきである。この抽出について意図される目的は、これらのマイクロサンプルの各部へと種々の操作を加えることであってよく、それらの操作は、該当の体積に鑑み、必ずしもではないが典型的には、放射の計数または分析であるが、この目的を、例えばナノ流体の分野から除外するものではない。
【0032】
空間および時間の両方において不連続なパケットとして事前に採取されて保管された哺乳類からの全血マイクロサンプルなどといった、一連の液体マイクロサンプルの少なくとも1つの液相を物理的に抽出するための本発明による連続自動抽出方法が、上述した本発明の抽出システムによって実行される。この方法は、すべてまたは一部のマイクロホルダの遠心分離による抽出を、所与の瞬間に、マイクロホルダが満たされるにつれて徐々に実行できるようなやり方で、マイクロサンプルで満たされこのマイクロサンプルの質量の10倍超、好ましくは100倍超の容積を有している少なくとも1つのマイクロホルダを使用することと、前記コンピュータ支援の制御装置によって前記遠心分離器、前記定量ポンプ、および前記マイクロホルダの挿入および排出のための手段を制御することと、を含んでいる。
【0033】
本発明の特に好ましい実施の形態によれば、この抽出方法が、各々のマイクロホルダが満たされる前に、前記相を前記マイクロサンプルから抽出することができ、その密度が前記相の密度と前記マイクロサンプルの残りの部分の密度との中間であるように選択される抽出剤を、各々のマイクロホルダへと取り入れることを含んでおり、遠心分離の際に、この抽出剤が、最初は前記上部に位置し、次いで遠心分離によって、前記相と前記マイクロサンプルの残りの部分との間の境界へと移動して、該境界に物理的な障壁を形成すべく、各々のマイクロホルダの前記下部に位置し、前記抽出剤は好ましくは前記MAGICポリマーゲルである。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態によれば、各々のマイクロホルダの遠心分離の際に、以下のステップ、すなわち
a)各々のマイクロホルダをこの抽出剤で満たし、抽出剤を上部に位置させるステップ、
b)この抽出剤を含んでいる各々のマイクロホルダを遠心分離し、前記抽出剤を上部から下部へと通過させるステップ、
c)このようにして得られた各々のマイクロホルダを、前記上部においてマイクロサンプルで満たすステップ、および
d)上述の抽出のために、各々のマイクロホルダを遠心分離するステップ
が、相次いで実行される。
【0035】
各々のマイクロホルダに抽出剤が存在しなくても、マイクロサンプルが、その比較的高い粘度(特に血液マイクロサンプルの場合)ゆえに、注入作業の際に前記上部に好都合にとどまることに、注意すべきである。この上部においてマイクロサンプルが過剰である場合には、溢れを、例えば機械的に「均す」ことによって取り除くことができ、あるいは上述の検出手段によって取り除くことができる。
【0036】
好都合には、満たされるべき各々のマイクロホルダへの前記抽出剤の取り入れが、指定された一定量のこの抽出剤を各々のマイクロホルダへと導入する関節アームによって駆動されるマイクロピペットの移動と、その後の前記抽出剤がこのマイクロホルダの底部へと落下するまでの前記遠心分離器の回転と、によって実行することができる。
【0037】
本発明の方法は、抽出に先立ち、各々のマイクロサンプルの指定の量を保管容器から未だマイクロサンプルを受け取っていないマイクロホルダのうちの少なくとも1つへと、好ましくは関節アームに取り付けられたマイクロピペットの移動によって移送することをさらに含んでいる。
【0038】
例えば、前記抽出剤を移送するマイクロピペットと同じマイクロピペットを、マイクロサンプルの移送に使用することができる。
【0039】
本発明の別の特徴によれば、この抽出に先立って、
a)前記マイクロサンプルが、あらかじめプログラムされた量のマイクロサンプルeを採取するための信号があらかじめプログラムされた瞬間tに前記制御装置によってこのサンプリングシステムへと送信されることで、自動サンプリングシステムによって単調な時間の関数に従って連続的に採取され、次いで、
b)このようにして採取されたこれらのマイクロサンプルeは、一時保管ライン内を、このラインの下流端まで空間的および時間的に互いに続き、該下流端において各々のマイクロサンプルが受け部へと落下し、次いで該受け部から前記定量ポンプ(好ましくは、蠕動ポンプである)によって前記遠心分離器のマイクロホルダへと連続的に移送され、この移送とこの保管ライン内のマイクロサンプルの進行との間の同期が、前記コンピュータ支援の制御装置によって制御される。
【0040】
本発明の連続サンプリング法における最小サンプリング時間が、好都合なことに1秒であることに注目すべきである。これは、上述のとおり、従来技術において使用されるサンプリング時間の半分である。
【0041】
空間および時間において不連続なパケットとしての液体マイクロサンプルの採取、該マイクロサンプルの保管、および該マイクロサンプルの少なくとも1つの相の抽出を、連続かつ継続的に実行するための本発明による自動設備は、
・蠕動ポンプによってマイクロサンプルを採取し、これらのマイクロサンプルを間欠的に吸引し、該マイクロサンプルを一時的に保管するための連続自動サンプリングシステム、
・好ましくは蠕動ポンプである前記定量ポンプという手段によって前記サンプリングシステムの下流に配置された本発明による抽出システムであって、前記マイクロホルダの各々は、その上部がその下部の直径以上の直径を有しており、前記上部の直径が例えば前記下部の直径の2倍である本発明による前記抽出システム、および
・前記すべてのシステムおよび前記ポンプを制御するための前記コンピュータ支援の制御装置
を備えている。
【0042】
好都合には、各々のマイクロホルダは、30mm以上の高さを有し、上部に各々のマイクロホルダの壁を透過できる放射線に関する物理量を測定するための測定装置が供給されており、該装置(ガンマ線ウェルカウンタまたは蛍光カウンタなど)が、このマイクロホルダと同じ軸に配置される。
【0043】
好都合には、前記抽出システムから到来しこの測定が加えられる各々の液体マイクロサンプルは、血漿が血球から分離された全血で構成され、前記測定装置は、該当のマイクロホルダを通して各々のマイクロサンプルの血漿のみまたは血球のみの活性を測定するように設計されたウェルカウンタ形式の絶対ガンマカウンタである。
【0044】
さらにより好都合には、前記カウンタおよびコンピュータ制御のロボット式の押し棒が、この測定の対象となる各々のマイクロホルダを収容するように意図された遠心分離器内の位置の上方および下方にそれぞれ配置され、前記ロボット式の押し棒が、血漿のみの活性を測定できるよう、各々のマイクロホルダの上部を前記カウンタのシールドの中へと至らせるために、各々のマイクロホルダを一時的に押すことができ、遠心分離によって各々のマイクロホルダの底部に堆積させられた血球は、前記シールドの外部に位置したままである。
【0045】
本発明の別の特徴によれば、この自動サンプリングシステムが、マイクロサンプルが通過するラインの連続を好都合に有することができ、これらのラインの断面の拡大はすべて、面積比に関して20%以下であり、そのような方法によって空間および時間の両者において不連続なパケットでこの連続したライン内を互いに続くマイクロサンプル、特には30μl以下の体積を有するマイクロサンプルは、実質的に混ざり合うことがない。
【0046】
本発明の別の特徴によれば、前記自動サンプリングシステムが、採取される血液マイクロサンプルなどの液体を移送するように意図された上流の流体接続装置を備えており、このシステムが、前記接続装置の第1の開口を介して第1のラインへと接続されるように意図され、この装置が、前記液体を移送するために前記第1のラインに連絡するように意図された第2のラインが通過する第2の開口を備えている。好都合には、この第1のラインが、ラットまたはマウスなどといった小型の動物からの血液マイクロサンプルの採取に適した可撓マイクロチューブカテーテルであり、このカテーテルが、好ましくはこの目的のために動物の尾静脈に埋め込まれる。
【0047】
前記接続装置は、
・前記第1のラインが押し込まれるように意図された前記第1の開口を画定しており、前記第1のラインが開く雌型のラジアル端を終端とする内側フィッティング面を有している雌型の流体コネクタ、および
・前記第2の開口を画定しており、外表面を介して前記雌型のコネクタへと装着され、前記雌型のコネクタの内側において雄型のラジアル端によって終息する雄型の流体コネクタ、
を備えている。
【0048】
本発明によれば、前記接続装置は、前記第2のラインが、前記雄型のコネクタを通過して前記雄型の端部を超えて軸方向に右方へと押し込まれる可撓マイクロチューブから形成され、この第2のラインの自由端が、前記第1のラインと前記雄型のコネクタとの間の無駄空間を最小限にするよう、前記雌の端部へと密着の様相で押し付けられる。
【0049】
このようにして本発明による接続装置によって無駄空間が最小限にされることで、公知の接続装置におけるマイクロサンプル(典型的には、30μl以下の体積を有している)の流れに関連する欠点を改善することが可能になることに、注目すべきである。そのような欠点は、特には、第1のマイクロサンプルの通過の遅延、採取された液体の損失、およびマイクロサンプルの混合の可能性(特には、トレーサビリティが損なわれる)である。
【0050】
本発明の別の特徴によれば、前記雌型のコネクタの前記内側フィッティング面が、前記雄型の端部へと収束する前記雄型のコネクタの前記外表面と同じ円錐度で、前記雌型の端部へと収束する円錐面であってよい。好ましくは、前記雄型のコネクタおよび雌型のコネクタが、どちらも、1986年のISO 59461規格によって定義されるとおりの「Luer」式のコネクタ、または1998年のISO 594−2規格によって定義されるとおりの「Luer−lock」式のコネクタであってよい。
【0051】
好ましくは、前記第2のラインは、少なくとも、雄型のコネクタが前記規格の一方または他方による雌型のコネクタ内の接続位置へと右方に押し込まれたときの前記2つのコネクタのそれぞれの端部を隔てる最小距離に等しい軸方向の長さだけ、前記雄型の端部を超えて延びてもよい。
【0052】
やはり好ましくは、前記第2のラインは、その円筒形の壁の周囲かつ自由端の付近に、前記雌型のコネクタの内側において前記第2のラインを補強することができる補強手段を備える。
【0053】
好都合には、前記補強手段が、少なくとも前記第2のラインの剛性に等しく、好ましくは前記第2のラインの剛性よりも大きい剛性を有しており、前記第2のラインへと固定することが可能である材料で作られた、リングから形成される。この固定は直接的であっても前記雄型の流体コネクタを介してもよい。後者の場合には、当然ながら雄型の流体コネクタが前記第2のラインへと固定される。
【0054】
好ましい変形によれば、前記補強手段は、締め付けによって前記第2のラインの端部へと固定され、前記第2のラインと前記雌型のコネクタの前記円錐形の内側フィッティング面との間に位置するように取り付けられる。例として、この補強手段はポリマー樹脂を主体とすることができる。
【0055】
このリングは、前記第2のラインの周囲に取り付けることができ、あるいは第2のラインと一緒に共押し出しすることができる。工業的な製造により適した変形によれば、この補強手段の取り入れを可能にするように金型の初期の形状をわずかに加工し直した後で、雄型のコネクタを1度きりの成型作業にて製造することが可能である。
【0056】
前記第2のラインを、例えばこの装置の下流で実行される粒子の計数という目的でベータ線の吸収を最小限にするために、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)を主体とする材料で作製することができる。
【0057】
本発明によるサンプリングシステムのラインの連続に関して、このラインの連続は、好都合には、互いに続くマイクロサンプルの各々が、これらのラインの最大の内部横寸法(例えば、内径)の少なくとも5倍よりも大きい軸方向の長さにわたって流れるように、ほぼ一定の断面を有している。
【0058】
本発明の別の特徴によれば、2つの隣り合うマイクロサンプルの間にこれらのマイクロサンプルを隔てるように意図された或る量の流体を注入するための補助装置を、この一時保管ラインに配置することができる。
【0059】
このように、本発明による設備によれば、特には、第1には時間的および空間的に不連続なパケット(例えば該当のマイクロチューブライン内での中断によって容易に隔てることができる)であるマイクロサンプル(好ましくは、血液マイクロサンプル)を採取することからなり、第2には(特には小型哺乳類において放射線画像を形成するためにエントリファンクションを測定するという目的のため、種々の操作を加えるために)各々のマイクロサンプルにおいて液体の相の少なくとも1つを空間的に分離することからなるどちらも自動化された2つの機能の連続を、自動的に(すなわち、手作業の介在を必要とせずに)実行することが可能になる。
【0060】
マイクロサンプルの採取に好ましく使用される動物のサイズが小さいため、それらのマイクロサンプルの総量を、動物の健康及び可能な限り少ない代謝の阻害に適合する量に抑える必要があることに、注意すべきである。
【0061】
本発明の他の任意による特徴によれば、前記自動設備は、マイクロサンプルによって発せられる素粒子を改善された感度にて計数するための計数装置をさらに備えており、この計数装置は、これらのマイクロサンプルを移送するためのラインと、このラインの外側に配置されてこれらの粒子を検出する手段とを備えており、前記粒子は、前記ラインの壁および/またはマイクロサンプルによって減衰させられる。
【0062】
本発明によれば、この計数装置が、より大きな流れの断面を有しているこのラインの2つの隣接する部分をつなぎ合わせる長円形の断面の計数部を少なくとも備えており、計数部が、20%以下の[内部高さ(h)/内部幅(l)]の比を有しており、ここで内部高さおよび内部幅は、2つのほぼ直交する方向に沿って測定されるこの部位の最小および最大の横寸法をそれぞれ表わし、前記検出手段が、この部位に対して横方向に延び、この部位の全幅に面し、この部位の各側に位置する。
【0063】
計数対象の粒子が電子または陽電子である場合、この計数部のきわめて平坦な形状が、その比較的大きい内部幅に面しかつ張り出すように前記検出手段が配置されることと相まって、18Fを主体とする両方の放射線追跡子および11Cを主体とする放射線追跡子の両方について、典型的には50%を超えるきわめて高い計数効率を保証し、したがって、体積が10μl未満(典型的には、マウスから採取される)であって、おそらくは寿命の短い放射線追跡子(11Cなど)を含んでいる血液マイクロサンプルであっても測定が可能になることに、注目すべきである。
【0064】
特には、計数部の横幅に面しかつ計数部の横幅から張り出すという前記検出手段のこの配置が、(計数対象の粒子の「捕捉」を最適化することによって)検出手段の幾何学的な入力範囲の最大化を可能し、この計数の効率の改善に役立つことに、注目すべきである。
【0065】
用語「流れの断面」は、本明細書において、(長円形または平坦な形状の)計数部の内側の断面、およびこの計数部に隣接する2つの(好ましくは円筒形の)部位の各々の内側の断面を意味するものと理解される。
【0066】
好ましくは、この計数部が、5%〜10%の間の[内部高さ(h)/内部幅(l)]の比を有する。
【0067】
好都合には、隣接する各々の部位の流れの断面に対する前記部位の流れの断面の比が、35%以下であってよく、さらにより好ましくは、25%未満であってよい。
【0068】
やはり好都合には、前記計数部の前記内部高さが、隣接する円筒形部分の各々の内径の20%未満であってよく、前記計数部の前記内部幅が、この内径よりも1.3倍大きくてよい。
【0069】
本発明の好ましい実施の形態によれば、この計数部が、ほぼ矩形の断面を有しており、その長辺および/または短辺が、この部位がほぼ凸状または凹状の外面を少なくとも部分的に有するよう、互いに対称な曲率で湾曲している。
【0070】
本発明の他の好ましい特徴によれば、前記ラインが血液マイクロサンプルの流れに適しており、前記計数部の前記内部高さが100μm〜250μmの間であり、この部位の前記内部幅が、1.3mmよりも大きい一方で、前記隣接する円筒形部分または隣接する円筒形部分の各々が、0.8〜1.2mmの間の直径を有している。
【0071】
さらにより好ましくは、前記計数部の流れの断面の面積が、0.15mm〜0.25mmの間であり、この部位が、約8μlのマイクロサンプルを前記検出手段に面して含むことができるよう、30mm〜40mmの間の長さを有することができる。
【0072】
具体的には、計数対象の粒子がマイクロサンプルによって発せられるベータ放射線からの電子または陽電子である場合に、前記計数部が、好都合には、μmで表現される肉厚eと、g/cmで表現される密度dとを有しており、その積e×dが、この部位による計数対象粒子の減衰が最小化されるよう、100未満であり、好ましくは50未満である。
【0073】
特には電子または陽電子といった種類の粒子に関係する本発明の他の好都合な特徴によれば、前記計数部が、1.5g/cm以下の密度を有する熱成形されたポリマー、好ましくは商標「Kapton」のポリイミドを主体としており、この部位が、50μm未満、好ましくは30μm未満の肉厚を有している。
【0074】
「Kapton」という種類のこのようなポリイミドを選択することで、上述の積e×dについて、このきわめて低い値(この「Kapton」ポリイミドよりも密度が低いが、厚さが大幅に大きいLDPE製の公知のラインにおいて一般的には150〜200の間であるこの積の通常の値と対照的である)を得ることが可能になることに注目すべきである。
【0075】
本発明の別の特徴によれば、前記検出手段が、好都合には、前記計数部(4a)の2つのほぼ平坦な大きい方の面に当接または直ぐ近接してそれぞれ配置された2組の検出器を備えており、前記面は、前記高さによって互いに隔てられ、この部位の2つの小さい方の面によって接続されており、前記検出器の組が、前記幅の方向において前記小さい方の面を超えて広がっており、幾何学的な入力範囲を最大にしている。
【0076】
本発明の他の特徴によれば、前記計数部の大きい方の面の各々が、外側にわずかに凸状の形状を好都合に有しており、このことが、前記蠕動ポンプによって採取されるマイクロサンプルの次々の吸引につきものの圧力の変動に、きわめてよく適合する。
【0077】
本発明の別の特徴によれば、本発明による設備を、放射線画像の形成、特にはPET(陽電子放出断層撮影)を使用する追跡子の定量的な画像化のために、哺乳類のエントリファンクションを測定するために使用することができ、各々の液体マイクロサンプルが、好都合にはラットまたはマウスなどといった前記哺乳類からの血液であり、したがって各々のマイクロサンプルが、30μl以下の体積を有している。
【0078】
本発明の以上の特徴、ならびに他の特徴が、添付の図面を参照しつつ例示(これらに限られるわけではない)として提示される本発明のいくつかの典型的な実施の形態についての以下の説明を検討することで、さらに明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ベータ粒子などの粒子を計数するための装置を採取されたマイクロサンプルのためのサンプル処理装置の上流に配置して備えている本発明による自動サンプリング/測定システムの概略の部分図である。
【図2】片側においてカテーテルへと、反対側においてマイクロサンプルを採取するための可撓マイクロチューブへと、接続されるように意図されている公知の形式の雄型および雌型のコネクタを備えている接続装置の放射断面の部分図である。
【図3】前記カテーテルへと接続されるように意図され、図1のサンプリングシステムの一部を構成する本発明による雄型および雌型のコネクタを備えている接続装置の放射断面の部分図である。
【図4】前記粒子の計数を最適化することができる図1の計数装置の平坦部を含んでいる本発明のサンプリング/測定システムのラインの形状および相対的な寸法を、ユーロ10セント硬貨との比較にて示す写真である。
【図4a】図1に示した2組の検出器が備えられた本発明による前記平坦部の断面概略図である。
【図5】本発明による前記平坦な計数部および比較試験用の2つの円筒形のマイクロチューブを含む3種類のサンプリングラインについて、18F放射線追跡子の検出効率を検出しきい値の関数として示すグラフである。
【図6a】全血主体のマイクロサンプルで満たされた本発明によるマイクロホルダの形状および内容物を、それぞれ遠心分離の前および後について示している2つの概略の縦断面図である。
【図6b】全血主体のマイクロサンプルで満たされた本発明によるマイクロホルダの形状および内容物を、それぞれ遠心分離の前および後について示している2つの概略の縦断面図である。
【図7】例えばウェル式のガンマカウンタによって形成される本発明による測定システムを出口に備えている本発明による自動抽出システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1が、例えばラットまたはマウスなどの種類の小動物2からの血液マイクロサンプルの採取、それらマイクロサンプルの一時的な保管、およびそれらの測定の実行を、可撓な毛細管またはマイクロチューブの形式のライン4および5の連続を含んでいるサンプリングシステム3によって、順次かつ連続的に実行するための自動設備1を、例として示している。このサンプリングシステム3は、基本的には、
・接続装置20が備えられ、本出願に照らして蠕動式である蠕動ポンプ7によって採取対象の血液の同じ量を間欠的に吸い出すように意図されているカテーテル21(カテーテル21および接続装置20の両者は、図3に見て取ることができる)、
・採取点に可能な限り近く配置され、前記ライン4、5の連続のうちの測定部4aに実質的に接触し、採取されたマイクロサンプルに存在する粒子を計数するための計数システム6(この例では、全血マイクロサンプルの場合において、ベータ粒子カウンタ6である)(後述のように、前記部位4aは、計数に最適化された形状および材料の特徴を有し、カウンタ6が備える検出ダイオード6aに対して中央に位置している)、
・蠕動ポンプ7の下流に配置され、前記採取および分析後のマイクロサンプルを保管および処理するサンプル処理システム8、および
・前記ポンプ7を含むシステム3の全体を制御するためのコンピュータ支援の制御装置9(この制御については、図1の両矢印AおよびBを参照)
を備えている。
【0081】
本発明によれば、ライン4および5の連続は、このライン4および5の連続を互いに流れるマイクロサンプルがそこで拡散による混合を実質的に受けることがないように、これらのラインに沿って存在するこれらのラインの断面の拡大が、面積比に関して常に20%以下であるようなものである。このようにして、これらのマイクロサンプルは、空間的および時間的に不連続なパケットとなる。
【0082】
図3に示されているように、本発明による接続装置20は、
・カテーテル21が押し込まれる雌型の流体コネクタ22であって、カテーテル21が開く雌型のラジアル端24に収束する円錐形の内側フィッティング面23を有しているコネクタ22、
・雌型のコネクタ22の前記内側面23と同じ円錐性を有し、雄型のラジアル端27に収束している円錐形の外表面26を介して雌型のコネクタ22へと装着される雄型の流体コネクタ25、および
・空間および時間において不連続なパケットである採取されたマイクロサンプルを、保管容器へと運ぶために適したLDPE(「LDPE 50」または「LDPE 100」などの低密度ポリエチレン)で例えば作製され、雄型のコネクタ25へと軸方向に右方へと押し込まれて雄型の端部27を超え、対面する雌型の端部24にすぐに隣接して、これら2つのそれぞれの端部27および24の間の雌型のコネクタ22の内部の局所的な無駄空間を最小にする可撓マイクロチューブ28
を備え、哺乳類2の尾静脈へと埋め込まれるように意図され、例えば1.5mmの外径および0.8mmの内径を有している可撓カテーテル21へと接続されている。
【0083】
より詳しくは、これらのコネクタ22および25は、1986年のISO 59461規格によって定義されるとおりの「Luer」コネクタ、または1998年のISO 594−2規格によって定義されるとおりの「Luer−lock」コネクタである。
【0084】
好ましくは、マイクロチューブ28が、雄型のコネクタ25がこれらの規格の一方または他方による雌型のコネクタ22内の接続位置へと押し込まれたときの端部27および24を隔てる最小距離dlに少なくとも等しい軸方向の長さだけ、雄型の端部27を過ぎて通される。実際、図3に示されるとおり、このマイクロチューブ28は、雌型の端部24に気密に当接する。
【0085】
本発明による雄型のコネクタ25は、図2に示した公知の接続装置に関する上述の長さの差dlにつきものの無駄空間を克服することを可能にする。
【0086】
この図3に示されるとおり、本発明のマイクロチューブ28は、カテーテル21に隣接する自由端に、マイクロチューブ28の円筒形の壁と雌型のコネクタ22の内側面23との間に取り付けられる補強リング29を備えている。好都合には、この補強手段29は、少なくともマイクロチューブ28の剛性に等しく、好ましくはマイクロチューブ28の剛性よりも大きい剛性を有する材料で作製され、マイクロチューブ28へと固定することができるリングによって構成され、この固定は、直接的であっても、雄型のコネクタ25を介してもよい。後者の場合には、当然ながら雄型のコネクタ25がマイクロチューブ28へと固定される。
【0087】
好ましい変形によれば、リング29が、マイクロチューブ28の端部へと固定され、ポリマー樹脂を主体とすることができる。このリング28を、マイクロチューブ28の周囲に取り付けることができ、あるいはマイクロチューブ28と一緒に共押し出しすることができる。
【0088】
本発明による接続装置20は、マイクロチューブ28を強制的に導入するために環状の断面のオリフィスを穿孔することによって、従来技術の装置20’から製造される(端部の鋭い切断が、マイクロチューブ28の軸に垂直である)。
【0089】
したがって、本発明による雄型のコネクタ25が、上述の規格によるあらゆる範囲の標準的な雌型のLuer装置に適合でき、接続装置20における無駄空間(この無駄空間は、おそらくはラインの最小断面に対する断面の20%の増加に相当する)の除去を好都合に可能にし、その結果として、特には血液マイクロサンプルを混ざり合いの恐れなく(したがって、ラインから出るサンプルがラインに進入するサンプルに一致している完璧なトレーサビリティにて)移送できるようにすることに、注目すべきである。さらに、この構成によれば、測定または分析を開始するために多数のマイクロサンプルが採取されるまで待つ必要がなくなるほか、無駄空間に相当する量の液体が無駄にされることもない。
【0090】
図4および4aに示されるとおり、平たい計数部4aが、本発明によるサンプリングライン4、5の連続に設けられ、この平坦部が、2つの円筒形の部位を一体に接続し、図1の装置6(小型哺乳類2のエントリファンクションを測定するために好都合に使用されるベータカウンタなど)による粒子の計数を最適にするように設計されている。このやり方で、検出体積を小さくし、計数の効率を高めるための選択が行われている。
【0091】
この目的のために、長円形の断面の前記平坦部4aは、熱成形によって製造され、好ましくは商標「Kapton」のポリイミド(1.42g/cmという密度および25μm±10%という肉厚を有している)で作られ、この部分が、例えばLDPE(低密度ポリエチレン)で作られ、例えば約1mmの内径を有している2つの円筒形のマイクロチューブを互いに接続している。図4aに示されるとおり、計数装置6の検出ダイオード6aが、ここでは高さhで構成される部位4aの最小の横寸法に対して、部位4aの長辺4aaの外面の各側に配置される。
【0092】
この典型的な実施の形態において、平坦部4aは、ほぼ矩形の断面を有しており、その短辺4abの外面は、相互に対称な凸の曲率にて湾曲しており、この部位は、約8%という[内部高さh/内部幅l]の比を有しており、ここで、内部高さおよび内部幅は、それぞれ130μmおよび1490μmに等しい。
【0093】
平坦部4aの流れの断面(約0.1937mm)の隣接する各々の円筒形部分の流れの断面(約0.785mmという内部断面を有している)に対する面積比に関しては、これが25%よりもわずかに小さい。
【0094】
さらに、平坦部4aは、肉厚eおよび密度dを有しており、その積e×dが、ほぼ35.5(e=25μmおよびd=1.42g/cmにて)に等しく、これは、通常使用される値(LDPE(「Kapton」よりも密度が小さいが、厚さが大幅に大きい)で作られたマイクロラインの場合には、一般的に150〜200の間である)よりもはるかに小さく、本発明によるこの部位4aによれば、電子またはベータ粒子などといった計数対象の粒子の減衰が、大幅に最小化される。
【0095】
図4aに示されるように、平坦部4aには、平坦部4aを流れる各々の液体マイクロサンプル中の前記粒子を計数することができる2組の前記検出ダイオード6aが、平坦部4aの広い方の面4aa(好ましくは、わずかに凸状である)に面して、小さい方の面4abを超えて張り出すように設けられている(このダイオード6aの張り出しは、ダイオード6aの幾何学的な受け入れの最適化を可能にし、すなわち計数対象の粒子の「捕捉」の最適化を可能にする)。
【0096】
本発明によるこの平坦部4aを得るために使用される熱成形プロセスは、特には以下のステップ、すなわち
・部位4aを低温で、成形用の金型に配置するステップ、
・両端を、加圧のために可撓マイクロチューブへと接続するステップ、
・圧力(1.5barの相対圧力)を加えるステップ、
・金型を、15分間にわたって300℃に加熱するステップ、
・金型を圧力のもとで冷却するステップ、および
・冷却後に圧力をゆっくりと下げるステップ
を含んでいる。
【0097】
このようにして、この熱成形によって、大きい方の面4aaがそれぞれ約1.5mm×35mm(すなわち、52.5mm)という面積を有しており、したがって検出器6aに達するために陽電子または電子が通過しなければならない液体の厚さが最小限にされている平坦な計数部4aが得られる。
【0098】
図5のグラフが、
・この平坦部分4aを取り入れており、円筒形部分については半径が0.5mmである本発明によるライン(採取される血液マイクロサンプルの量は、8μl(マウスに適合))、
・0.5mmの半径を有する全長にわたって円筒形(すなわち、平坦部が存在しない)の第1の「対照」ライン(採取される血液マイクロサンプルの量は、30μl(ラットに適合))、および
・0.25mmの半径を有する全長にわたって円筒形(すなわち、平坦部が存在しない)の第2の「対照」ライン(採取される血液マイクロサンプルの量は、8μl)
においてそれぞれ実行された2系列の実験S1およびS2について、得られた計数効率の結果を、実験によって確認されたシミュレーション曲線の形態で示している。
【0099】
この平坦部4aのおかげで、陽電子の検出効率が向上し、最小のしきい値(約46keV)において円筒形のマイクロチューブによる32%から本発明のマイクロチューブによる60%超まで向上することに、注目することができる。8μlのサンプルに適合する円筒形のマイクロチューブラインは、約25%という効率をもたらすと考えられるため、向上がさらに大きい。このように、本発明に従って最適化されたマイクロチューブは、8μlのサンプルにおいて機能して、最小のしきい値において60%を超える効率(全長にわたって完全に円筒形であるマイクロチューブでは、わずかに25%である)を達成することを可能にする。このことが、本発明によるサンプリングシステム3を、マウスのエントリファンクションの測定に特によく適したものにしている。
【0100】
次に、自動サンプリング装置3に関して使用される装置およびベータ粒子の計数方法を、図1に関してさらに詳しく説明する。
【0101】
第1のサンプリングライン4の数センチメートル下流において、各々のマイクロサンプルは、ベータ粒子カウンタ6の可能な限り近くを通過し、これについて、ラインの肉厚は、きわめてわずかな減衰しか引き起こさない。カウンタ6の箱6bに取り付けられた平坦部4aが、壁における陽電子の消滅の量を最小限にすることを可能にし、その形状は、図1に示されるように、或る量(30μlまたは8μlのいずれか)のサンプルを、部位4aを囲んでいる6つのシリコン検出ダイオード(10×10×0.3mmを測定する)の直下の中心に正しく位置させて含むことができるような形状である。これらのダイオード6a自身は、動物2から生じる光子から来る物理的なノイズを除く目的の厚さ2cmの鉛シールドによって囲まれている。この測定システム6の残りは、全体としてのシステムを小寸法(8×10×4cm)の箱6bの形態にてコンパクトかつ丈夫にする電子処理/インターフェイス用カードを備えている。
【0102】
ベータ放射能から来る陽電子の血液中での消滅の可能性を最小限にするために、可撓マイクロチューブに、少なくともダイオード6aの前方を通過する地点において、部位4aの平坦な形状を与えることが好都合である。さらに、上述のように、この幾何学的構成は、液体が薄いシートとして広がって、検出面に面する液体の面積が増すことも保証する。測定システム6に採用される構成は、以下のとおりである。
【0103】
25μmという肉厚を有する平坦部4aが、0.3mmという厚さを有するダイオード6a(上方の3つのダイオード6aおよび下方の残りの3つのダイオード)に挟まれている。
【0104】
これらのダイオード6aのための読み出し用の電子機器、ならびにデータの取得および伝達を制御する電子機器が、電子ノイズを可能な限り少なくして、最適な効率のために検出しきい値の最小化を可能にするように最適化されたただ1つの電子モジュールへと一体化されている。
【0105】
「フロントエンド」電子機器(整形回路および弁別回路)が、ASIC(16のチャネル、共通のしきい値、16の出力、および1つのORを備えている)によって設けられている。しきい値を、ユーザによって調節することができる。取得カードは、パーソナルコンピュータのUSBインターフェイスの柔軟性ならびに設定変更可能なデジタル回路であるFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)の進歩からの恩恵を被る設定変更可能なUSBテストカードである。これは、多数の信号を迅速に処理することを可能にするとともに、コンピュータのインターフェイスからプログラムすることが可能である。
【0106】
基本的な仕組みが、図1に示されている。サンプリングライン4が、箱6bの内部に位置する平坦部4aによって延長され、血液は、箱6bの反対側から現れる。この血液の流れは、蠕動ポンプ7によって行われる。採取されるマイクロサンプルの量およびそれらのサンプリング時間は、調節可能である。これらのパラメータは、設備1の制御装置9のコンピュータによって制御される。
【0107】
2つのマイクロサンプリングの間の最小時間は、1秒である。血液中の放射線追跡子の動力学のダイナミックレンジをカバーするために、マイクロサンプルは、約30秒〜1分間にわたり注入後に1秒ごとに採取され、次いでより間隔の開いた時間間隔で採取され、この段階においては、曲線の傾きがより緩やかである。
【0108】
種々のラインおよび箱6bの間の接続は、マイクロサンプルの損失および2つの隣接するマイクロサンプル間の拡散を避けるように設計される。
【0109】
その結果、これらの血液マイクロサンプルは、空間的および時間的に不連続なパケットとして採取され、したがって拡散を生じることなくサンプル処理システム8まで進み、サンプル処理システム8において保管され、図6a、6b、および7を参照して後述されるとおり、遠心分離によって実行される血液マイクロサンプルの相または成分のうちの少なくとも1つの抽出が好都合に行われる。
【0110】
図6aおよび6bに示されるとおり、本発明による設備1の連続自動抽出システム10は、サンプリングシステム3および蠕動ポンプ7の下流において、各々の液体マイクロサンプル11の内部の相または成分のうちで、マイクロサンプルの残りの部分11bとは有意に異なる密度を有している相11aまたは成分を、各々が充てん用の上部12aと分離用の下部12bとを有しているマイクロホルダ12において実行される遠心分離によって、分離するように意図されている。
【0111】
マイクロサンプル11は、図1に見て取ることができるサンプリングシステム8に隣接するサンプルの一時的な保管のためのラインに、空間的に次々に到着する。この保管ラインの下流端において、各々のマイクロサンプル11が受け部へと落下し、ここで、関節アーム(図示されていない)に取り付けられ、このラインの末広がりの端部に合わせて構成されたマイクロピペットによって採取されるが、これらの動作の間の同期およびこの保管ラインにおけるマイクロサンプル11の進行は、コンピュータ支援の制御装置9によって制御される。
【0112】
図7に示されているように、このマイクロピペットが、このようにして採取されたマイクロサンプル11を、それら(各々のマイクロサンプル11の量は、1μl〜100μlの間である)を収容して遠心分離器13において高速で回転させるように設計された特定のマイクロホルダ12へと順次に移す。遠心分離器13は、回転木馬型であって、これらのマイクロホルダ12の収容に適した場所を備えている。また、この遠心分離器13も、コンピュータ化された制御装置9によって制御される。このようにして、抽出システム10の全体が、マイクロサンプルを採取するためのシステム3およびそれらを移すためのマイクロピペットに同期して、コンピュータによって制御される。
【0113】
本発明に関して上述したように、該当するマイクロサンプル11で満たされた少なくとも1つまたは各々のマイクロホルダ12が、このマイクロサンプル11の質量の10倍超、好ましくは100倍超の質量を有しており、したがって遠心分離器13に収容することができるマイクロホルダ12のうちの1つだけ、または一部だけしかマイクロサンプル11を含んでいなくても、マイクロサンプル11の遠心分離による抽出を、所与の瞬間において、これらのマイクロホルダが満たされるにつれて徐々に行うことが可能である。
【0114】
システム10によって実行される抽出プロセスは、以下の一連のステップ、すなわち
・遠心分離器13の回転台のハウジングに配置され、未だマイクロサンプルを受け取っていない少なくとも1つのマイクロホルダ12について、移送マイクロピペットが、前記受け部からマイクロサンプルを採取して、このマイクロホルダ12へと導入するステップ、
・遠心分離器13を、各々のマイクロサンプル11において成分のうちの少なくとも1つ11a(血漿など)が残りの部分11b(この場合には、例えな赤血球などの血球)から分離されるまで回転(矢印Cを参照)させ、次いで停止させるステップ、および
・排出装置が、マイクロサンプル11を収容したマイクロホルダを排出するステップ
を含んでいる。
【0115】
遠心分離器13の回転子が、マイクロホルダ12を遠心分離器13の充てん用マイクロノズル14の前面に位置させる機能をさらに提供してもよいことに、注意すべきである。
【0116】
好ましくは、本発明によるこの抽出プロセスは、密度が液体の分離対象の相の密度と液体の残りの部分の密度との間である抽出剤15(図6aおよび6bを参照)を、各々のマイクロホルダ12へと事前に添加することを含んでいる。血液マイクロサンプルの文脈においては、さらにより好ましくは、この剤15の密度が、血漿の密度および血球の密度の中央値にほぼ等しくなるように設計される。好都合には、MAGIC(Methacrylic and Ascorbic acid in Gelatin Initiated by Copper(銅でイニシエートされたゼラチン中のメタクリル酸およびアスコルビン酸))ポリマーゲルが、抽出剤15として使用され、遠心分離の際に、初期に各々のマイクロホルダ12の底部に堆積したこの剤15が、マイクロサンプル11のうちの抽出すべき前記相11aと残りの部分11bとの間の界面に移動して、相11bがマイクロホルダ12の底部に堆積すべく通過する物理的な障壁を形成する。このようにして、全血マイクロサンプル11の場合において、血球11bのみが、各々のマイクロホルダ12の底部に達する前に、ゲル15へと通過し、抽出された血漿11aが、ゲルの表面に残り、結果として血漿11aと血球11bとの間の距離が最大化される(図6aおよび6bを参照)。
【0117】
より詳しくは、マイクロホルダ12の遠心分離の際に、以下のステップ、すなわち
a)各々のマイクロホルダ12にゲル15を注入し、ゲル15を上部12aに位置させるステップ、
b)マイクロホルダ12を遠心分離器13の回転子に配置するステップ、
c)このゲル15を含んでいるマイクロホルダ12を遠心分離し、前記ゲルで下部12bを完全に満たすステップ、
d)マイクロサンプルを、このようにして得られた各々のマイクロホルダ12の部位12aに配置するステップ、および
e)マイクロホルダ12を遠心分離し、上述の抽出を実行するステップ
が、相次いで実行される。
【0118】
ステップa)およびb)は、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、逆にすることが可能である。
【0119】
本発明の変形によれば、ステップa)およびc)を、随意により別の設備において、ステップb)よりも前に実行することが可能である。この場合、ゲルであらかじめ満たされた遠心分離前のマイクロホルダ12の使用が、インラインの作業を好都合に簡素化できる。さらにより好都合には、あらかじめ満たされた遠心分離前のマイクロホルダで事前に満たされた遠心分離トレイを使用することも可能であろう。
【0120】
マイクロサンプルの採取と計数との間の時間遅延を最小にするために、全血および血漿に関し、マイクロサンプルがきわめて異なる時間間隔で採取される点に鑑み、本発明によるこの抽出システムにおいては、各々のマイクロホルダ12の質量が各々のマイクロサンプル11が導入されても大きく変わることがないという事実ゆえ、遠心分離がただ1つのマイクロサンプル11に対して実行されるか、少数のマイクロサンプル11について実行されるか、あるいは遠心分離器13に収容できるすべてのマイクロサンプルについて実行されるか、に違いがないことに注目できる。また、各々のマイクロホルダ12がマイクロサンプル11で満たされる前に、MAGIC抽出剤15が加えられることで、マイクロサンプル11の質量をさらにより無視できるようになる。
【0121】
このようにして、連続的な「インライン」での遠心分離を、遠心分離段階を可能にする前に回転子のバランス(すなわち、不釣り合いがないこと)を確実にするために遠心分離器に配置されるマイクロホルダが完全に満たされることを必要とする公知の遠心分離システムと異なり、遠心分離器13への積み込みの度合いにかかわらずに、各々のマイクロホルダ12が満たされるにつれて、徐々に実行することができる(例えば、マイクロサンプル11が配置されるや否や実行でき、あるいは充分に長い休止段階(少なくとも1分)が生じるや否や実行できる)。
【0122】
図7にさらに示されるとおり、遠心分離器13の回転子からのマイクロホルダ12の自動的な抽出の後で、この遠心分離後のマイクロホルダを、物理的な量(この物理的な量に関して、各々のマイクロホルダ12の壁は透明である)を測定するための最終的な測定システム30(ここでは、血漿のみについてガンマ計数を実行するウェルカウンタ(well−counter)形式のガンマカウンタである)の前方に通すことができる。このガンマカウンタ30が、血漿11aのみの活性を測定するために、遠心分離器13の反対側に配置され、各々のマイクロホルダ12を押し(矢印Dを参照)て、マイクロホルダ12の上部をこのカウンタ30のためのシールド内に位置させることができるコンピュータ制御のロボット式の押し棒31と協働し、遠心分離によって各々のマイクロホルダ12の底部に堆積させられた血球11bは、このシールドの外部に位置したままである。
【0123】
一般に、本発明による自動設備1を参照すると、マイクロサンプルの採取の瞬間と、血漿の計数の瞬間との間の時間遅延を、放射線追跡子の自然の放射能減衰によって血漿の計数段階における計数の統計量が減少することがないように、最小限にしなければならないことに注意すべきである。この要件を満たすために、マイクロサンプルを次のマイクロサンプルの採取を待つことなく採取点からすぐに血漿分離器へと運ぶことができるよう、マイクロサンプルの非同期の処理を実行することができる。この処理は、サンプリング頻度がゆっくりである段階においてのみ可能である。迅速な頻度でのサンプリング段階においては、順次のマイクロサンプルが、次のマイクロサンプルが採取されるにつれて徐々に運ばれる。しかしながら、マイクロサンプルがゆっくりとした連続で採取される場合には、本発明の自動コントローラは、それらを不連続なパケットとして取り扱い、分析の連鎖を通って1つずつ運ぶ。
【0124】
さらに、本発明の自動設備が、PET(陽電子放出断層撮影)における新規な追跡子の定量的な画像化のための前臨床検査に特に適していることに注意すべきである。この事例において、該当の液体は血液であり、用途は、ラットまたはマウスなどの小動物についてエントリファンクションを測定することからなる。これらの動物はサイズが小さく、したがって血液の総量が少ないため、各々のマイクロサンプルの量が、ラットの場合には約30μlに制限され、マウスの場合には約8μlに制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の液体マイクロサンプル(11)の少なくとも1つの液相(11a)を物理的に抽出するための連続自動抽出システム(10)であって、
複数のマイクロホルダ(12)を有する遠心分離器(13)を備えており、
前記マイクロホルダ(12)の少なくとも1つは、該当のマイクロサンプルで満たされるとともに、分離用の下部(12b)によって延長された注入用の上部(12a)を備え、前記下部(12b)の断面は前記上部(12a)の断面よりも小さく、
このシステムが、
・前記遠心分離器(13)、
・この遠心分離器の上流に配置された定量ポンプ(7)によって、各々のマイクロサンプルの所定の量を、保管容器(8)から注入待ちの前記マイクロホルダのうちの少なくとも1つへと移すように意図された移送手段、および
・マイクロホルダの排出および挿入のための手段
を制御することができるコンピュータ支援の制御装置を備えており、
このようにして満たされた前記ホルダまたは各々のホルダが、所与の瞬間において、ただ1つのマイクロホルダに収容されたただ1つのマイクロサンプル、あるいは前記マイクロホルダの一部またはすべてに収容された複数のマイクロサンプルを、マイクロホルダが満たされるにつれて徐々に遠心分離によって抽出できるようなやり方で、前記マイクロサンプルの質量の10倍を超える質量を有している連続自動抽出システム(10)。
【請求項2】
このようにして満たされた前記マイクロホルダまたは各々のマイクロホルダ(12)は、前記マイクロサンプル(11)の質量の100倍を超える質量を有している請求項1に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項3】
各々のマイクロホルダ(12)の前記上部及び下部(12aおよび12b)は、実質的に同一の体積を有しており、各々の体積が、実質的に1つのマイクロサンプル(11)を収容するように意図されている請求項1または2に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項4】
各々のマイクロホルダ(12)は、該当のマイクロサンプル(11)で満たされる前に、前記相(11a)を前記マイクロサンプルから抽出することができる少なくとも1つの抽出剤であって、その密度が前記相の密度と前記マイクロサンプルの残りの部分(11b)の密度と中間であるように選択される抽出剤(15)をさらに収容し、
遠心分離の際に、この抽出剤が、前記相と前記マイクロサンプルの残りの部分との境界へと移動して、該境界に物理的な障壁を形成する先行する請求項のいずれか一項に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項5】
前記抽出剤(15)は、MAGIC(銅でイニシエートされたゼラチン中のメタクリル酸およびアスコルビン酸)ポリマーゲルを含んでいる請求項4に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項6】
所定の量の前記抽出剤(15)を各々のマイクロホルダ(12)へと移すように設計され、移動可能に関節アームに取り付けられたマイクロピペット、をさらに備えている請求項4または5に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項7】
前記移送手段は、駆動部材に移動可能に取り付けられている先行する請求項のいずれか一項に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項8】
前記定量ポンプ(7)は、蠕動ポンプである請求項7に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項9】
前記移送手段は、マイクロピペットおよびマイクロピペットを動かすための関節アームを備えており、該マイクロピペットおよび該関節アームが、前記抽出剤(15)を移すように意図された前記マイクロピペットおよび前記アームと同一のものであるか、あるいは別のものである請求項6かつ請求項7および8のいずれかに記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項10】
前記コンピュータ支援の制御装置(9)は、前記移送手段の前記駆動部材も制御することができる請求項7または8に記載かつ請求項9に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項11】
該当のマイクロホルダ(12)に収容される各々のマイクロサンプル(11)は、例えばマウスの血液マイクロサンプルの場合に約8μlであり、ラットの血液マイクロサンプルの場合に30μlに等しいなど、1μl〜100μlの間の体積を有する哺乳類からの全血マイクロサンプルである、先行する請求項のいずれか一項に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項12】
各々のマイクロサンプル(11)から抽出される前記相(11a)は、当該システムによって赤血球などの血球(11b)から分離される血漿である請求項11に記載の連続自動抽出システム(10)。
【請求項13】
空間および時間の両方において不連続なパケットとして事前に採取されて保管された哺乳類からの全血マイクロサンプルなどの一連の液体マイクロサンプル(11)の少なくとも1つの液相(11a)を物理的に抽出するための連続自動抽出方法であって、
先行する請求項のいずれか一項に記載のシステム(10)によって実行され、
マイクロホルダのすべてまたは一部の遠心分離による抽出を、所与の瞬間に、マイクロホルダが満たされるにつれて徐々に実行できるようなやり方で、
マイクロサンプル(11)で満たされ、このマイクロサンプルの質量の10倍超、好ましくは100倍超の質量を有している少なくとも1つのマイクロホルダ(12)を使用することと、
前記コンピュータ支援の制御装置(9)によって前記遠心分離器(13)、前記定量ポンプ(7)、および前記マイクロホルダの挿入および排出のための手段を制御することと、
を含んでいる連続自動抽出方法。
【請求項14】
前記相(11a)を前記マイクロサンプル(11)から抽出することができ、その密度が前記相の密度と前記マイクロサンプルの残りの部分(11b)の密度との中間であるように選択される抽出剤(15)を、各々のマイクロホルダ(12)が満たされる前に、各々のマイクロホルダ(12)へと取り入れること、を含んでおり、
遠心分離の際に、この抽出剤が、最初は前記上部に位置し、次いで遠心分離によって、前記相と前記マイクロサンプルの残りの部分と境界へと移動して、該境界に物理的な障壁を形成すべく、各々のマイクロホルダの前記下部に位置し、
前記抽出剤が、好ましくは、MAGIC(銅でイニシエートされたゼラチン中のメタクリル酸およびアスコルビン酸)ポリマーゲルである請求項13に記載の連続自動物理的抽出方法。
【請求項15】
満たされるべき各々のマイクロホルダ(12)への前記抽出剤(15)の取り入れが、指定された一定量のこの抽出剤を各々のマイクロホルダへと導入する関節アームによって駆動されるマイクロピペットの変位と、その後の前記剤がこのマイクロホルダの底部へと落下するまでの前記遠心分離器(13)の回転とによって実行される請求項14に記載の連続自動物理的抽出方法。
【請求項16】
抽出に先立ち、各々のマイクロサンプル(11)の指定の量を保管容器から未だマイクロサンプルを受け取っていないマイクロホルダ(12)のうちの少なくとも1つへと、関節アームに取り付けられたマイクロピペットの移動によって移送することをさらに含んでいる請求項13〜15のいずれか一項に記載の連続自動物理的抽出方法。
【請求項17】
前記抽出剤(15)を移送するためのピペットと同じピペットが、前記マイクロサンプル(11)の移送に使用される請求項15および16に記載の連続自動物理的抽出方法。
【請求項18】
この抽出に先立って、
a)前記マイクロサンプル(11)が、あらかじめプログラムされた量のマイクロサンプルを採取するための信号をあらかじめプログラムされた瞬間tに前記制御装置(9)によってこのサンプリングシステムへと送信することで、自動サンプリングシステム(3)によって単調な時間の関数に従って連続的に採取され、次いで、
b)このようにして採取されたこれらのマイクロサンプルは、一時保管ライン内を、このラインの下流端まで空間的および時間的に互いに続き、該下流端において各々のマイクロサンプルが受け部(8)へと落下し、次いで該受け部(8)から前記定量ポンプ(7)によって前記遠心分離器(13)のマイクロホルダ(12)へと連続的に移送され、この移送とこの保管ライン内のマイクロサンプルの進行との間の同期が、前記コンピュータ支援の制御装置によって制御される、
請求項13〜17のいずれか一項に記載の連続自動物理的抽出方法。
【請求項19】
空間および時間において不連続なパケットとしての液体マイクロサンプル(11)の採取、該マイクロサンプルの保管、および該マイクロサンプルの少なくとも1つの相(11a)の抽出を、連続かつ継続的に実行するための自動設備(1)であって、
・定量ポンプ(7)によってマイクロサンプルを採取し、これらのマイクロサンプルを間欠的に吸引し、該マイクロサンプルを一時的に保管するための連続自動サンプリングシステム(3)、
・前記定量ポンプ(7)によって前記サンプリングシステムの下流に配置された請求項1〜12に記載の抽出システムであって、前記マイクロホルダ(12)の各々は、その上部(12a)がその下部(12b)の直径以上の直径を有しており、前記上部の直径が例えば下部の直径の2倍である前記抽出システム(10)、および
・前記すべてのシステムおよび前記ポンプを制御するための前記コンピュータ支援の制御装置(9)
を備えている設備。
【請求項20】
各々のマイクロホルダ(12)は、30mm以上の高さを有し、上部(12a)に各々のマイクロホルダ(12)の壁を透過できる放射線に関する物理量を測定するための測定装置が提供されており、該装置は、ガンマ線ウェルカウンタまたは蛍光カウンタなどであり、このマイクロホルダと同じ軸に配置されている請求項19に記載の自動設備。
【請求項21】
前記カウンタ(30)およびコンピュータ制御のロボット式の押し棒(31)が、この測定の対象となる各々のマイクロホルダ(12)を収容するように意図された前記遠心分離器(13)内の位置の上方および下方にそれぞれ配置され、前記ロボット式の押し棒が、各々のマイクロホルダの上部を前記カウンタのシールドの中へと至らせるために各々のマイクロホルダを一時的に押すことができる請求項20に記載の自動設備。
【請求項22】
前記抽出システム(10)から得られ、この測定が加えられる各々の液体マイクロサンプル(11)が、血漿(11a)が血球(11b)から抽出された全血で構成され、
前記測定装置が、該当のマイクロホルダ(12)を通して各々のマイクロサンプルの血漿のみまたは血球のみの活性を測定するように意図されたウェルカウンタ形式の絶対ガンマカウンタ(30)であって、
血漿(11a)のみの活性を測定できるよう、遠心分離によって各々のマイクロホルダの底部に堆積させられた血球(11b)が、前記シールドの外部に位置したままである請求項21に記載の自動設備(1)。
【請求項23】
前記自動サンプリングシステム(3)が、マイクロサンプル(11)が通過するライン(4、5)の連続を有しており、該ラインの断面の拡大が、すべて面積比に関して20%以下であり、それによって空間および時間の両者において不連続なパケットにてこのラインの連続内を互いに続くマイクロサンプル、特には30μl以下の体積を有するマイクロサンプルが、実質的に混ざり合うことがない請求項19〜22のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項24】
前記自動サンプリングシステム(3)は、採取される血液マイクロサンプルなどの液体を移送するように意図された流体接続装置(20)を備えており、
このシステムは、この装置の第1の開口を介して第1のライン(21)へと接続されるように意図され、この装置が、前記液体を移送するために前記第1のラインに連絡するように意図された第2のライン(28)が通過する第2の開口を備えており、
この装置が、
・前記第1の開口を画定しており、前記第1のラインが開く雌型のラジアル端(24)を終端とする内側フィッティング面(23)を有している雌型の流体コネクタ(22)、および
・前記第2の開口を画定しており、外表面(26)を介して前記雌型のコネクタへと装着され、前記雌型のコネクタの内側の雄型のラジアル面(27)によって終息する雄型の流体コネクタ(25)、
を備えており、
前記第2のラインが、前記雄型のコネクタを通過し前記雄型の端部(27)を超えて軸方向に右方へと押し込まれる可撓マイクロチューブから形成され、この第2のラインの自由端が、前記雌の端部(24)へと密着して押し付けられ、前記第1のラインと前記雄型のコネクタとの間の無駄空間を最小限にする請求項23に記載の自動設備(1)。
【請求項25】
前記雌型のコネクタの前記内側フィッティング面(23)は、前記雄型の端部(27)へと収束する前記雄型のコネクタの前記外表面(26)と同じ円錐度で、前記雌型の端部(24)へと収束する円錐面である請求項24に記載の自動設備(1)。
【請求項26】
前記雄型のコネクタ(25)および雌型のコネクタ(22)が、どちらも、1986年のISO 59461規格によって定義されるとおりの「Luer」式のコネクタ、または1998年のISO 594−2規格によって定義されるとおりの「Luer−lock」式のコネクタである請求項25に記載の自動設備(1)。
【請求項27】
前記第2のライン(28)は、雄型のコネクタが前記規格の一方または他方による雌型のコネクタ(22)内の接続位置へと右方に押し込まれたときの2つのコネクタ(22および25)の前記それぞれの端部(24および27)を隔てる最小距離(dl)に少なくとも等しい軸方向の長さだけ、前記雄型の端部(27)を超えて延びている請求項26に記載の自動設備(1)。
【請求項28】
前記第2のライン(28)が、その円筒形の壁の周囲かつ自由端の付近に、前記雌型のコネクタ(22)の内側で前記第2のライン(28)を補強することができる補強手段(29)を備えている請求項24〜27のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項29】
前記補強手段(29)は、前記第2のライン(28)の剛性に少なくとも等しく好ましくは前記第2のライン(28)の剛性よりも大きい剛性を有し、前記第2のライン(28)へと固定することが可能である材料で作られたリングから形成されており、
このリングは、例えばポリマー樹脂を主体としており、前記第2のライン(28)と前記雌型のコネクタ(22)の前記円錐形の内側フィッティング面(23)との間に位置するように取り付けられる請求項28に記載の自動設備(1)。
【請求項30】
前記第2のライン(28)は、例えばこの装置の下流で実行される粒子の計数という目的のためにベータ線の吸収を最小限にするために、低密度ポリエチレン(LDPE)を主体とする材料で作られている請求項24〜29のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項31】
前記接続装置(20)に、前記第1のライン(21)が備えられ、このラインが、血液マイクロサンプルの採取という目的のために小型哺乳類の尾静脈へと埋め込まれる可撓カテーテルなど、前記液体の採取に適した可撓マイクロチューブである請求項24〜30のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項32】
前記ライン(4および5)の連続は、互いに続くマイクロサンプルの各々が、これらのラインの最大の内部横寸法の少なくとも5倍よりも大きい軸方向の長さにわたって流れるように、ほぼ一定の断面を有している請求項23〜31のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項33】
マイクロサンプルによって発せられる素粒子を改善された感度にて計数するための計数装置(6)をさらに備えており、
この計数装置が、これらのマイクロサンプルを移送するためのラインと、このラインの外側に配置されて、これらの粒子を検出する手段(6a)とを備えており、
前記粒子が、前記ラインの壁および/またはこれらのマイクロサンプルによって減衰させられるものであり、
この計数装置が、より大きな流れの断面を有しているこのラインの2つの隣接する部分をつなぎ合わせる長円形の断面の計数部を少なくとも備えており、
この部位が、20%以下の[内部高さ(h)/内部幅(l)]の比を有しており、ここで内部高さおよび内部幅は、2つのほぼ直交する方向に沿って測定されるこの部位の最小および最大の横寸法をそれぞれ表わし、
前記検出手段が、この部位に対して横方向に延び、この部位の全幅に面し、この部位の各側に位置する請求項19〜32のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項34】
前記計数部(4a)が、5%〜10%の間の[内部高さ(h)/内部幅(l)]の比を有する請求項33に記載の自動設備(1)。
【請求項35】
隣接する各々の部位の流れの断面に対する前記部位(4a)の流れの断面の比が、35%以下である請求項33または34に記載の自動設備(1)。
【請求項36】
前記計数部(4a)の前記内部高さ(h)が、隣接する円筒形部分の各々の内径の20%未満であり、この部位(4a)の前記内部幅(l)が、この内径よりも1.3倍大きい請求項35に記載の自動設備(1)。
【請求項37】
この計数部(4a)が、ほぼ矩形の断面を有しており、その長辺および/または短辺が、この部位がほぼ凸状または凹状の外面を少なくとも部分的に有するよう、互いに対称な曲率で湾曲している請求項33〜36のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項38】
前記ラインが、血液マイクロサンプルの流れに適しており、前記計数部(4a)の前記内部高さ(h)が、100μm〜250μmの間であり、この部位の前記内部幅(l)が、1.3mmよりも大きい一方で、前記隣接する円筒形部分または隣接する円筒形部分の各々が、0.8〜1.2mmの間の直径を有する請求項33〜37のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項39】
前記計数部(4a)の流れの断面の面積が、0.15mm〜0.25mmの間であり、この部位が、約8μlのマイクロサンプルを前記検出手段に面して含むことができるよう、30mm〜40mmの間の長さを有している請求項38に記載の自動設備(1)。
【請求項40】
前記計数部(4a)が、μmで表現される肉厚eと、g/cmで表現される密度dとを有しており、その積e×dが、この部位による前記計数対象粒子の減衰が、それらの粒子が前記マイクロサンプルによって発せられるベータ放射線からの電子または陽電子である場合に最小化されるよう、100未満である請求項33〜39のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項41】
前記積e×dが、50未満である請求項40に記載の自動設備(1)。
【請求項42】
前記計数部(4a)が、1.5g/cm以下の密度を有する熱成形されたポリマー、好ましくは商標「Kapton」のポリイミドを主体としており、この部位が、50μm未満、好ましくは30μm未満の肉厚を有している請求項40または41に記載の自動設備(1)。
【請求項43】
前記検出手段が、前記計数部(4a)の2つのほぼ平坦な大きい方の面(4aa)に当接または直ぐ近接してそれぞれ配置された2組の検出器(6a)を備えており、前記面は、前記高さ(h)によって互いに隔てられ、この部位の2つの小さい方の面(4ab)によって接続されており、前記検出器の組が、前記幅(l)の方向において前記小さい方の面を超えて延びている請求項33〜42のいずれか一項に記載の自動設備(1)。
【請求項44】
放射線画像の形成、特にはTEP(陽電子放出断層撮影)を使用する追跡子の定量的な画像化のために、哺乳類(2)のエントリファンクションを測定するために使用され、各々の液体マイクロサンプル(11)が、ラットまたはマウスなどといった前記哺乳類からの血液である請求項19〜43のいずれか一項に記載の自動設備(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−530969(P2010−530969A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512737(P2010−512737)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000847
【国際公開番号】WO2009/010662
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(506423291)コミサリア ア レネルジィ アトミーク エ オ ゼネ ルジイ アルテアナティーフ (85)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【Fターム(参考)】