説明

マイクロ電子機器における銅電気沈積方法

サブミクロン径の内部配線凹凸を有する半導体集積回路基板上をCuを電気メッキするための組成物と電気メッキする方法が提供される。この組成物はCuイオンとポリエーテル基を含む抑制剤からなる。この方法は、超充填速度で迅速なボトムアップ沈積をする超充填方法に関し、これにより垂直な方向での凹凸の底から凹凸の上部開口までCu沈積が側面のCu沈積よりも実質的に大となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マイクロ電子機器における銅電気沈積方法
発明の分野
本発明はマイクロ電子機器の分野における電気分解的Cu金属化のための方法、組成物及び添加剤に関する。
【0002】
発明の背景
電気分解によるCu金属化の方法は、マイクロ電子機器製造の分野に利用されて、例えば、半導体集積回路(IC)基板の製造などのような幅広い応用における電子内部配線回路を製造する。コンピュータチップのような半導体IC基板を高い配線速度と高い充填密度でもって製造するという要求は超大規模回路(ULSI)や超々大規模回路(VLSI)構造の配線の小径化となる。小径化と高密度化の傾向は内部配線の径をより減少化させる。内部配線の凹凸は、誘電体基板に作成されたビアやトレンチなどの凹凸であり、それらは次いで金属で充填されて、電気導電性の内部配線回路となる。さらに内部配線の減少化は金属充填を問題としている。
【0003】
銅は、半導体基板中の接続線や内部配線回路を形成するアルミニウムを代替するために導入された。銅は、アルミニウムよりも電気抵抗が低く、同じ抵抗値ならば、銅の配線の厚みはアルミニウムの配線のそれよりも薄くできる。
【0004】
IC製造に銅を使用することは多くの課題を伴う。第1に、銅は半導体接続部に拡散する傾向を有し、かくして電子特性を妨害する。このような事態の発生防止のためには、窒化チタン、タンタル、窒化タンタルまたは他の公知の層のような障壁層を銅層の沈積の前に誘電体に施すことである。IC機器間に信号を伝送するに十分な層厚みを確保する一方で、障壁層を費用に対して効果が高くなるように銅を障壁層上に施すことも必要である。IC機器の構造が縮小化する中で、この要求は満足させることがますます困難となっている。
【0005】
一つの従来の半導体製造方法には、銅ダマシン法がある。特にこの方法は、初めに基板の誘電体基板中に回路構造をエッチングすることからはじめる。その構造は、前述のトレンチ(溝)とビア(貫通孔)の組み合わせからなる。次に、障壁層が誘電体上にかぶせられて、次に敷設される銅層の基板接続への拡散が防止され、続いて銅のシード層の物理または化学蒸着により連続電気化学的方法の電気伝導性が付与される。基板上のビアやトレンチに充填する銅はメッキ(無電解及び電気分解など)、スパッタリング、プラズマ蒸着(PVD)および化学蒸着(CVD)により沈積され得る。電気化学的沈積がCuを施すのに最も良い方法であると一般に認識されているのは、他の方法よりもより経済的であり、しかも内部配線凹凸へ欠陥がなく充填することが可能であるからである(しばしば、“ボトムアップ”成長と称される)。銅層の沈積後、過剰の銅が誘電体の表面から化学機械研磨により除去され、銅は誘電体のエッチングされた内部配線凹凸にのみ残される。最終的な半導体パッケージが組み立てられる前に次の層が同様に製造される。
【0006】
銅メッキ法は、半導体工業会の厳格な要求を満たす必要がある。たとえば、Cu沈積は均一で機器の小さな内部配線凹凸、例えば100nmまたはそれ以下のものを欠陥がなく充填することが必要である。
【0007】
電解銅方法は、いわゆる“超充填(superfilling)”または“ボトム アップ成長(bottom-up growth)”に依拠するものであり、高いアスペクト比でもってCuを沈積させるために開発された。超充填は、全ての面で等しく同じ速度で沈積するよりも、むしろボトムアップで、底から穴を充填して、ボイドとなるような継ぎ目やはじきを避ける。添加剤として抑制剤と促進剤を含むシステムが超充填方法として発展した。ボトムアップ成長の勢いの結果、Cu沈積は凹凸を有しない領域よりも凹凸を有する領域の内部配線凹凸上に厚く沈積する。この過剰成長の領域は一般には過剰メッキ、メッキ盛り、バンプ、またはコブと称される。凹凸は小さいほうが、超充填速度がより速くなるので、より高い過剰メッキのコブができる。過剰メッキは、Cu表面を平面化するための、後の化学機械的研磨方法に課題を残す。“平滑剤”と称される第3の添加剤が典型的には過剰成長を抑制するのに使用される。
【0008】
チップ構造が小さくなり、Cuが通過して充填される開口の大きさがおよそ100nmまたはそれ以上に小さくなって、ボトムアップの速度を高める必要がある。すなわち、Cuは凹凸の底の成長速度が、他の領域のそれよりも早くし、そしてより大きな凹凸の従来の超充填の場合よりも早くするという意味で、Cuは“迅速に”充填しなければならない。
【0009】
超充填と過剰メッキの問題に加えて、内部配線凹凸のためにCuを電気沈積するのにミクロ欠陥が発生する。起こりえる一つの欠陥は凹凸内部の内部ボイドである。Cuは凹凸の側面と凹凸の上部入り口に沈積するので、ボトムアップ成長の速度が十分に早くないと、側壁と凹凸入り口への沈積が狭小化して、凹凸の深さ方向への侵入、特に小さいか(たとえば、100nm未満)および/または高いアスペクト比(深さ:幅)の凹凸への進入を閉塞する。凹凸の径が小さくなるかまたはアスペクト比が大となると、一般にはピンチオフを避けるためにより速いボトムアップ速度が必要である。さらに、径が小さくなったりアスペクト比が高くなると、ビア/トレンチの側壁や底でシード被覆が薄くなり、そこでは銅成長が不十分なためにボイドもまた生成し得る。内部ボイドは、凹凸を通じる電気伝導に干渉する。
【0010】
ミクロボイドは、不均一Cu成長かまたはCuメッキ後に発生する不均一粒界再結晶化によるCu電気分解沈積の間またはその後に形成し得る他の型の欠陥である。
【0011】
他の異なる態様では、半導体基板の一定の局所領域、典型的には物理蒸着で沈積されたCuの種付け層のある領域では電気分解沈積の間Cuが沈積しない可能性があり、それは孔または金属喪失欠陥となる。これらのCuボイドは“キラー欠陥”とみなされるのは、それらが半導体製造の生産物の歩留まりを低下させるからである。多重の機構がこれらCuボイドの生成に寄与し、半導体基板の製造自体と同様である。しかし、Cu電気メッキの化学剤はこれら欠陥の発生とその割合に影響を有する。
【0012】
他の欠陥は表面突起であり、それは局所に流れる高電流密度サイト、局部的に高濃度の不純物サイト、またはその他のサイトで発生する独立した沈積ピークである。銅メッキ剤はこのような突起欠陥の発生に影響を有する。欠陥とはみなされないが、Cu表面の粗度も、半導体ウエファの製造には重要である。一般には光沢Cu表面はそれがメッキ溶液にウエファを投入する際に形成される渦巻き模様を減少させるので好ましいとされる。Cu沈積の粗面性は、欠陥が粗面の山と谷に隠蔽されるので点検して欠陥を検知するのを困難にする。さらに、粗面性は凹凸を閉塞し、そして凹凸の深さ方向への侵入を防止するので微細内部配線構造を欠陥なく充填するには重要となっている。一般には抑制剤、促進剤及び平滑剤を含むCuメッキ剤はCu沈積の粗面性に多大な影響を有する。
【0013】
発明の要約
半導体集積回路基板を電解溶液に浸漬して平面性メッキ表面とサブミクロン径の内部配線凹凸を有する半導体集積回路基板上に電気分解メッキをするための電気メッキ組成物を本発明は指向する。この組成物は、電気分解的にCuを基板上に、そして電子内部配線凹凸内へ沈積させるのに十分な量のCuイオン供給源と、プロピレンオキサイド(PO)繰り返し単位とエチレンオキサイド(EO)繰り返し単位の組み合わせで、PO:EO比が約1:9と約9:1の間にあり、含窒素種に結合しているものからなる抑制剤化合物からなり、ここで、抑制剤化合物の分子量は約1000と約30,000の間にあるものである。
【0014】
他の態様では、本発明は上述の組成物を利用して基板上にCu電気メッキをする方法を指向する。
【0015】
他の態様では、本発明は、底部、側壁、及び上部開口を有するサブミクロン径の凹凸を含む電子的内部配線凹凸の半導体集積回路機器基板上に銅で電気分解メッキをする方法を指向し、その方法は、基板上と電子的内部配線凹凸内へCuを電気分解メッキするのに十分な量のCuイオン供給源と抑制剤からなる電気分解メッキ組成物に半導体集積回路機器基板を浸漬し;そして電流を電気分解溶液に通電し、基板上にCuを沈積させ、そして垂直なCu沈積成長速度で凹凸内の凹凸の底部から凹凸の上部開口まで、サブミクロン径の凹凸を超充填し、その速度は比較の方法の比較の垂直Cu沈積速度よりも50%以上速く、その方法は、それが市販の抑制剤を使用しているという点以外は全ての点で等価である方法である。
【0016】
他の目的と特徴はある程度明らかであり、以下に開示される。
【0017】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の抑制剤化合物からなる電解メッキ浴の充填速度(―■―)と市販の抑制剤化合物からなる電解メッキ浴の充填速度(―●―)とを比較したグラフである。本発明の抑制剤を含む電気分解メッキ浴は実施例1に列挙される浴成分を含み、実施例7の方法に従いメッキされた。市販抑制剤からなる電気分解メッキ浴は比較例1に列挙の浴成分を含み、実施例7の方法に従いメッキされた。
【0018】
図2Aと2Bは実施例7の方法に従い調製された、超充填された試験トレンチを示すSEM写真画像である。図2Aのトレンチは実施例1に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、本発明の抑制剤化合物を含む。図2Bのトレンチは比較例1に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、市販の抑制剤化合物を含む。
【0019】
図3Aと3Bは実施例8の方法に従い調製された、超充填された試験トレンチを示すSEM写真画像である。図3Aのトレンチは実施例5に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、本発明の抑制剤化合物を含む。図3Bのトレンチは比較例5に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、市販の抑制剤化合物を含む。
【0020】
本発明の詳細な説明
本発明に従い困難な充填特性を有する半導体集積回路基板をメッキするに適した組成物が提供され、その特性は不十分に種付けされたまたは実質的に種付けされていない内部配線凹凸、複雑な配置の内部配線凹凸、および大径の内部配線凹凸、ならびに小径の内部配線凹凸(約0.5μm未満)、および高アスペクト比の凹凸(少なくとも約3:1)または低アスペクト比の凹凸(約3:1未満)であり、ここでCuは全ての凹凸へ完全に実質的に欠陥なく充填しなければならない。
【0021】
本発明の困難な充填特性を有する半導体集積回路基板のCu超充填のための組成物は、抑制剤化合物とCuイオン供給源を含む。これらの組成物はまた典型的には平滑剤、促進剤及び塩化物からなる。上記列挙の添加剤は高濃度Cu金属/高濃度酸電気分解メッキ浴、低濃度Cu金属/高濃度酸電気分解メッキ浴、中間濃度酸/高濃度Cu金属電気分解メッキ浴に用途がある。本発明の組成物はまた、ハロゲン化物、粒度調整剤、第四級アミン塩、多硫化物化合物及びその他のような公知の他の添加剤を含むことができる。本発明の抑制剤、平滑剤及び促進剤からなる組成物は小径/高アスペクト比の凹凸の充填に使用されることができる。
【0022】
本発明のCuメッキ組成物のための好ましい抑制剤はカチオン種に共有結合的に結合したポリエーテル基からなる。カチオン性ポリエーテル抑制剤は好ましくは窒素原子を含む。例示としての窒素原子を含むカチオン種は第1級、第2級第3級及び第四級アミンからなる。“カチオン性”では、ポリエーテル抑制剤が溶液中で正電荷を含むかまたは含むことができることを意味する。第1級、第2級及び第3級アミンは弱塩基であり、酸を含む溶液に添加されるとプロトン化して正の電荷を帯びる。第四級アミンは4個の窒素原子置換基を有し、第四級窒素原子は,溶液のpHに関係なく正の電荷を有する。第1級、第2級、第3級及び第四級アミンは、置換または無置換アルキルアミン、置換または無置換シクロアルキルアミン、置換または無置換芳香族アミン、置換または無置換複素原子含有アリールアミン、置換または無置換アルキルエーテルアミン、および置換または無置換芳香族アルキルアミンであることができる。
【0023】
カチオン種に共有結合で結合したポリエーテル基を含む抑制剤は、好ましくは少なくとも一つのアミン官能基、好ましくは二つのアミン官能基と五つのアミン官能基の間を具備する。したがって、カチオン種は、アミン、ジアミン、トリアミン、テトラアミン、ペンタアミンまたはそれ以上の高次アミンであり得る。アルキルアミンのアルキル基は、置換または無置換アルキル基、好ましくは炭素数が1と8の間の短鎖炭化水素基であり、それは分岐または直鎖の基であり得る。例示のアルキルアミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、2−ブテン−1,4−ジアミン及びその他を含む。シクロアルキルアミンのシクロアルキル基は、典型的には5または6員炭素環からなるが、しかし二環、三環またはそれ以上の高次の多重シクロアルキルアミンも適用可能である。例示のシクロアルキルアミンは、置換または無置換のシクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロアルキルトリアミン、およびより高級のシクロアルキルアミンを含む。アルキルエーテルアミンは好ましくは、ジエチレングリコールジアミンやトリエチレン・グリコール・ジアミンなどの典型的には炭素数1と8の間の短鎖炭化水素により定義されるエーテル部分を有する。
【0024】
ポリエーテルは鎖状の繰り返し単位からなり、該鎖状の繰り返し単位は、エポキシドモノマーの重合により製造され得る。好ましい態様では、エポキシドモノマーはエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはその組み合わせから選択される。好ましくはポリエーテルは、エチレンオキシドモノマーとプロピレンオキシドモノマーの両方の重合により製造される鎖状の繰り返し単位からなる。したがって、ポリエーテル中のエチレンオキシド繰り返し単位とプロピレンオキシド繰り返し単位の比は、約1:9と約9:1の間にある。一つの態様では、この比は、約2:3と約3:2の間にあり、例えば、約1:1である。一つの態様では、ポリエーテルは、繰り返し単位EOは約1と約30の間にあり、繰り返し単位POは約30と約1の間にあり、例えば、繰り返し単位EOは約7と約15の間にあり、繰り返し単位POは約15と約7の間にある。現在好ましい態様では、ポリエーテルは、たとえば約11のEOの繰り返し単位と、約13のPOの繰り返し単位からなる。他の好ましい態様では、ポリエーテルは、約7または8のEO繰り返し単位と約9のPO繰り返し単位からなる。したがって、ポリエーテルの分子量は、低い方は約100g/molと、高い方は約3600g/molの間であり、好ましくは、約1000g/molと約1800g/molの間にあり、一つの態様では、約1200g/molと約1400g/molの間にある。
【0025】
ポリエーテルは、好ましくはEO繰り返し単位とPO繰り返し単位とがランダム、交互またはブロック配列をなす。ランダム配列では、EO繰り返し単位とPO繰り返し単位はポリエーテル鎖に沿った認識できる線状パターンを有しない。交互配列では、EO繰り返し単位とPO繰り返し単位はEO−PO、PO−EO及び他の交番パターンの繰り返し単位などの一定の決まったパターンに従い、交互に交代する。共重合体は、ブロック配列をとり得る。ブロック配列では、ポリエーテル鎖の線状部分は、EO繰り返し単位のブロックがPO繰り返し単位のブロックに結合してなる。ポリエーテル鎖はジブロックからなり得る。すなわち、鎖はEO繰り返し単位の第1のブロックがPO繰り返し単位の第2のブロックに結合してなり得る。代わりに、鎖はPO繰り返し単位の第1のブロックがEO繰り返し単位の第2のブロックに結合してなり得る。より複雑なブロック配列では、ポリエーテル鎖は、トリブロック(EOブロック−POブロック−EOブロックまたはPOブロック−EOブロック−POブロック)、テトラブロック、ペンタブロックまたはより高次のブロック配列からなり得る。POブロック−EOブロック−POブロックのトリブロック配列が、電解質溶液でのポリエーテル抑制剤発泡を減少させることが見出された。ブロック配列の一つの態様では、繰り返し単位の各ブロックは、約1と約30の繰り返し単位の間にあり、より好ましくは、約7と約15の繰り返し単位の間にある。好ましい態様はPOブロック−EOブロック−POブロックのトリブロック配列が関係し、カチオン種に結合する第1のPOブロックは約7と約15のPO繰り返し単位の間にあり、POブロックに結合する第2のEOブロックは約7と約15の繰り返し単位の間にあり、第2のEOブロックに結合する第3のPOブロックは約1と約5の繰り返し単位の間にある。
【0026】
任意にPO/EOポリエーテルは、置換または無置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素原子含有アリール基により末端封止される。製造が容易で安価な好ましいキャッピング部分は、メチル基である。
【0027】
カチオン種に共有結合的に結合するポリエーテル基からなる抑制剤化合物は酸性溶液で正電荷を具備し、繰り返し単位のEPとPOを有する。正電荷、EO繰り返し単位、PO繰り返し単位の別個の機能性は、本発明のCuめっき組成物における抑制剤の機能に易経氏、そうして影響し、そして向上させる異なる化学、物理的性質に寄与すると考えられる。特定の理論に拘泥しないが、正電荷により抑制剤化合物が内部配線凹凸中に沈積したCuに引き寄せられるのを促進させ、Cuは電気分解メッキの操作の間、カソードの働きをすると考えられる。PO繰り返し単位は、本発明の抑制剤中の活性繰り返し単位であると信じられる。すなわち、PO繰り返し単位は、抑制剤機能を有し、Cu沈積の品質に影響する。特定の理論に拘泥しないが、PO繰り返し単位は相対的に疎水性であって、Cuシード層と電気分解的に沈積したCu上に分極フィルムを形成すると考えられる。
【0028】
Cuシード層は典型的には内部配線凹凸の障壁上にCVD、PVDまたは他の当業者に公知の方法により沈積される。Cuシード層は電気分解メッキ操作の間に内部配線を超充填するCuを更に還元するカソードとして働く。Cuシード層は、薄い、すなわち、約700オングストローム未満であることができる。またはそれは厚い、すなわち、約700オングストロームと1500オングストロームの間であることができる。しかし、凹凸の底または側壁の銅厚みはPVD方法の不均一な沈積速度のために凹凸上部やパターン化されていない領域での厚みよりも、典型的にはずっと薄い。ある極端な例では、底や側壁の銅被覆は非常に薄く、シードは不連続なほどである。それ故、ある場合では、基板は約700オングストローム厚みよりも薄いCuシード層を有する表面部を有し、そしてある場合にはシードは不連続である。他の場合では、凹凸上部のシード被覆は他の凹凸の領域よりも厚く、それはしばしば“シード張り出し”と称される。一般的にはシード被覆の均一性配線サイズが小さくなって、アスペクト比が大きくなると有意に低下する。本発明は薄いまたは張り出したシード層でも、従来よりも良好に性能を発揮することが示される。
【0029】
多少は疎水性のPO繰り返し単位が含窒素カチオン種に共有結合的に結合した抑制剤化合物はCuシード層上に抑制フィルムを形成することができる。薄い銅シード被覆の場合、この分極有機フィルムは、内部配線凹凸全体に、すなわち、ビアやトレンチの底と側壁に均等に電流が分布させる。電流分布は側壁成長に比較してより早い底上げ成長を促進し、そして底部や側壁のボイドを減少または除去することができるとすら信じられている。この強く抑制的な抑制剤は、また内部配線凹凸の上部シード張り出し領域での銅成長を抑制し、初期に狭くなって内部ボイドが形成されるのを減少させるので好ましい。本発明のカチオン種に共有結合的に結合するポリエーテル基からなる抑制剤化合物は薄いまたは厚いCuシード層上への銅沈積を有効に抑制することが発見された。PO繰り返し単位のみから構成されるポリエーテルは相対的に疎水性であるが、適切な抑制剤として機能するに必要な溶解性が不足する。すなわち、POは優れた抑制剤である一方、PO繰り返し単位のみから構成されるポリマーは、十分に可溶性でなくCuめっき溶液に溶解しない、それで分極フィルムを形成するほど高濃度にはCuシード層上に吸着することができない。それ故、ポリエーテル基は更にEO繰り返し単位を具備し、親水性、更には溶解性を向上させるものである。
【0030】
カチオン種が窒素原子からなる態様では、窒素原子は共有結合的に、PO/EOポリエーテルの一つ、二つ、または三つに結合することができる。好ましくは、窒素原子は、PO/EOポリエーテルの二つに結合する。カチオン種が1級、2級または3級アミンである態様では、窒素原子はアルキル基で第四級アンモニウム塩化されて、正電荷を帯電する。好ましくは、アルキル基は、炭素数1と8の間の短鎖炭化水素基であり、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどである。好ましくはアルキル基は、メチル基である。それ故、窒素原子は正電荷を有する第四級アミンを形成することができ、このような抑制剤はたとえば、メチル化アルキルアミンに共有結合的に結合した二つのPO/EOポリエーテルからなる。
【0031】
カチオン種が窒素原子からなる態様では、カチオン種は以下の(1)、(2)、(3)、または(4)のいずれかの構造を有することができる:

ここで、Rは置換または無置換のアルキル基であり、好ましくは炭素数1と8の間の直鎖または分枝アルキル基であり、好ましくは、Rはポリエーテル基が共有結合する他のアミノ基で置換しており、ポリエーテル基はEO繰り返し単位、PO繰り返し単位及びその組み合わせからなり、その配列はランダム、交互またはブロック配列であり、
は、水素原子及びアルキル基からなる群から選択され、ここでRがアルキル基の場合、好ましくはメチル基であり、
は、好ましくはEO繰り返し単位、PO繰り返し単位及びその組み合わせからなるポリエーテル基であり、その配列はランダム、交互またはブロック配列であり、そして
は、水素原子、置換または無置換アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素原子含有アリール基からなる群から選択される。
【0032】
本発明の抑制剤は、約1000と約30,000の間の分子量を有する。窒素原子に共有結合しているポリエーテル基からなる抑制剤化合物は、例示として、以下の構造(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)で示される。
【0033】
構造(5)は以下の構造のエチレンジアミンのPO/EOブロック共重合体である:

そしてここでnは1と約30の間にあり、そしてmは1と約30に間にある。それゆえ、構造(5)を有する抑制剤化合物は4個のPO/EOブロック共重合体として合計で約4と約120個の間のPO繰り返し単位と合計で約4と約120個の間のEO繰り返し単位を有する。単一のPO/EOブロック共重合体上のPO(疎水性)ブロックの分子量は約50g/molと約1800g/molに間にあり、単一のPO/EOブロック共重合体上のEO(親水性)ブロックの分子量は約40g/molと約1400g/molの間にある。単一のPO/EOブロック共重合体の分子量は約100g/molと約3600g/molの間にあることができる。構造(5)を有する例示の抑制剤化合物は、登録商標Tetronic 704としてMt.オリーブ、ニュージャージー、BASF社から入手できる。この抑制剤化合物は、PO/EOブロック共重合体の一つあたり約13のPO繰り返し単位を有し、合計では全4個のPO/EOブロック共重合体に対して約52のPO繰り返し単位を有し、PO/EOブロック共重合体に対して約11個のEO繰り返し単位と合計では全4個のPO/EOブロック共重合体に対して約44個のEO繰り返し単位を有する。それ故、登録商標Tetronic 704の合計の分子量は約5000g/molと約5500g/molの間にあり得る。構造(5)の他のブロック共重合体の例は、またBASF者から登録商標Tetronic 504として市販されている。この抑制剤化合物は、PO/EOブロック共重合体の一つあたり約9のPO繰り返し単位を有し、合計では全4個のPO/EOブロック共重合体に対して約36のPO繰り返し単位を有し、PO/EOブロック共重合体に対して約7.5個のEO繰り返し単位と合計では全4個のPO/EOブロック共重合体に対して約30個のEO繰り返し単位を有する。それ故、登録商標Tetronic 504の合計の分子量は約3200g/molと約3600g/molの間にあり得る。浴組成物は構造(5)のブロック共重合体の混合物からなることができる。
【0034】
構造(6)は、以下の構造を有するエチレンジアミンのN−メチル化PO/EOブロック共重合体である:

ここで、nは1と約30の間にあり、mは1と約30の間である。構造(6)を有する抑制剤化合物の源は、N−メチル化Tetronic 504またはN−メチル化Tetronic 704である。
【0035】
構造(7)は以下の構造を有するエチレンジアミンのメチル基末端封止のPO/EOブロック共重合体である:

そして、ここで、nは1と約30の間であり得て、mは1と約30の間であり得る。構造(7)を有する抑制剤化合物の源は、メチル基末端封止Tetronic 504またはメチル基末端封止Tetronic 704である。種々の代替としては末端酸素原子の一つがメチル基に結合され、そして他の3個の末端酸素原子が水素原子に結合する;または末端酸素原子の二つがメチル基に結合し、末端酸素原子の二つが水素原子に結合する;または末端酸素原子の3個がメチル基に結合し、末端酸素原子の一つが水素原子に結合する;または末端酸素原子の全てがメチル基に結合する。
【0036】
更に他の代替としては、曇り点が銅溶液と相溶することを示す限り、ブロック共重合体はメチル化されて、上記のように末端封止される。
【0037】
構造(8)は以下の一般構造を有するエチレンジアミンのPO/EO/POトリブロック共重合体である:

そしてここで、nは1と約30の間であり得て、mは1と約30の間であり、oは約1と約5の間であり得るか、または曇り点が銅溶液と相溶することを示す程度である。好ましくは、oは1または2である。構造(8)を有する抑制剤化合物の源は、PO基末端封止Tetronic 504またはPO基末端封止Tetronic 704である。
【0038】
構造(9)は以下の構造を有するトリエチレングリコールジアミンのPO/EOブロック共重合体である:

そして、ここでnは1と約30の間であり得て、mは1と約30の間であり得る。PO/EOブロック共重合体が共有結合する、トリエチレン グリコール ジアミンは、商品名Jeffamine XTJ-504としてユタ、ソルトレークシティーのハンツマン LLCから市販されている。構造(9)の抑制剤化合物におけるPO/EOブロック共重合体の構造は、Tetronic 504とTetronic 704のPO/EOブロック構造体それと実質的に同じである。それ故、構造(9)を有する抑制剤の分子量は、約5200g/molと約5800g/molの間である。
【0039】
上述の抑制剤化合物は浴全体の濃度で約10mg/Lと約1000mg/Lの間、好ましくは約50mg/Lと約200mg/Lの間に存在する。弱カチオン性ポリエーテル抑制剤をCuめっき組成物に上記濃度範囲で添加することは、集積回路機器の複雑な凹凸を充填するに十分であり、初期のピンチオフ、底部のボイドまたは側壁のボイドを減少するという付加利点がある。
【0040】
本発明の組成物はレベリング剤を好ましくは含み、それはCuを高いアスペクト比の凹凸へ超充填することを実質的に妨害せずにレベリング効果を向上させる。このような一つの好ましいレベリング剤は、アメリカ公開特許第2005/0045488号に開示され、ここにその内容がこの明細書に明瞭に参考として組み込まれる。このレベリング剤は実質的に超充填に干渉しないので、それでCu浴には促進剤と抑制剤・添加剤を組み合わせて配合することができ、そして水平方向の成長速度よりも垂直方向の成長速度実質的に大である速度が得られて、より大規模な内部配線の従来の超充填でも更に早くすらある。このような好ましい一つのレベリング剤は、商品名ViaForm L700でエンソン社から市販される4-ビニルピリジンとメチル硫酸との反応生成物である。レベリング剤は、たとえば、約0.1mg/Lと約25mg/Lの間の濃度で配合される。
【0041】
促進剤に関し、出願により現在好ましい系では、促進剤は、アメリカ特許第6,776,893号に開示されるような浴可溶性の有機二価の硫黄化合物であり、その全内容がこの明細書に明瞭に参考として組み込まれる。一つの好ましい態様では、促進剤は式(10)に相当し、

ここで
Mは、電荷を中和するに必要な水素原子、アルカリ金属またはアンモニウムであり;
XはSまたはPであり;
Rは炭素数1〜8のアルキレンまたは環状アルキレン、炭素数6〜1の芳香族炭化水素、または脂肪族芳香族であり;
nは1〜6であり;
は、MOXRであり、ここでM、XおよびRは上記定義どおりである。
【0042】
特に好ましい促進剤は、1-プロパンスルフォン酸、次式(11)に従う3,3‘−ジチオビス ジナトリウム塩である:

【0043】
促進剤は好ましくは典型的には約0.5と約1000mg/Lの間の濃度で、より典型的には約2と約50mg/Lの間で、たとえば約5と約30mg/Lの間の濃度で配合される。本発明の重要な態様は、それが促進剤のより高濃度の使用を許容し、そして多くの適用では実際、従来の方法よりもより高濃度の促進剤が使用されている。これは以下の実施例7で示される超充填速度の向上達成を可能とする。
【0044】
任意に以下の型のレベリング剤が追加で浴に配合することができ、それは塩化ベンジルおよびアメリカ公開特許第2003/0168343号に開示のヒドロキシエチル ポリエチレンイミンであり、ここにその全内容がこの明細書に明瞭に参考として組み込まれる。
【0045】
Cu電解質メッキ浴の成分はメッキされるべき基板と所望のCu沈積の対応に依存して幅広く代り得る。電解質浴は、酸浴とアルカリ浴を含む。種々のCu電解質メッキ浴が、現代電気メッキと称する刊行物、F.A.ローレンハイム著者でジョンワイリー社発行、1974、第183−203頁に記載される。例示的なCu電解質浴はフッ化ホウ酸Cu、ピロリン酸Cu、シアン化Cu、ホスホン酸Cuおよびメタンスルホン酸などの他のCu金属錯体を含む。最も典型的なCu電解質メッキ浴は硫酸Cuを酸溶液で含む。
【0046】
Cuと酸の濃度は幅広い範囲で変り得る;例えば約4〜約70g/Lと約2〜約225g/L。この点で本発明の化合物は全ての酸/Cu濃度範囲、たとえば高酸濃度/低Cu濃度系、低酸/高Cu系、中間の酸濃度/高Cu系などで使用に適する。高酸濃度/低Cu濃度系では、Cuイオン濃度はおよそ4g/L〜およそ30g/Lであることができ;そして酸濃度は、硫酸で約100g/Lより大で約225g/Lまでの量であり得る。一つの高酸濃度/低Cu濃度系は、Cuイオン濃度は約17g/LでHSO濃度は約180g/Lである。低酸濃度/高Cu濃度系では、Cuイオン濃度はおよそ約30g/L、40g/Lより大で、そしておよそ60g/L Cuまでである(50g/L Cuは200g/L CuSO・HO 硫酸銅に相当する)。これらの系の酸濃度は50g/L、40g/L、および30g/Lよりも少なく、約2g/L以下までである。一つの例示的な低酸濃度/高Cu濃度系では、Cu濃度は約40g/LでありHSO濃度は約10g/Lである。中間の酸濃度/高Cu濃度系では、Cuイオン濃度はおよそ30g/L〜60g/Lであり;酸濃度は硫酸で約50g/Lよりも大で約100g/Lまでの量である。一つの中間の酸濃度/高Cu濃度系では、Cuイオン濃度はおよそ50g/Lであり;酸濃度はH2SO4濃度で約80g/Lである。
【0047】
塩素イオンは浴に200mg/Lまでのレベルで使用されることができ、好ましくは約10〜90mg/Lである。塩素イオンはこの濃度範囲で添加されて他の浴成分の能力を向上させる。このような添加剤系には促進剤、抑制剤及びレベリング剤を含む。
【0048】
種々の添加剤が典型的には浴に添加されて、Cuメッキ金属の所望の表面仕上げに供される。通常は所望の一つの機能を達成するのに一つ以上の添加剤が使用される。少なくとも二つの添加剤が一般には、使用されて内部配線凹凸のボトムアップ充填を開始するために、ならびに改良金属メッキ物性(たとえば光沢)、構造、及び電気特性(たとえば、電気伝導度と信頼性)のために使用される。格別な添加剤(通常有機添加剤)が粒界調整、樹状成長の抑制、被覆や投与の能の向上のために使用される。電解メッキに使用される典型的な添加剤は既に挙げた現代のメッキを含む多くの文献に記載される。格別に好ましい添加剤系は芳香族または脂肪族第四級アミン、ポリサルファイド化合物、およびポリエーテルの混合物を使用する。他の添加剤にはセレン、タリウム、及び硫黄化合物のようなものを含む。
【0049】
半導体基板のメッキのためのメッキ装置は周知であって、例えば、ハイヅのアメリカ特許第6,024,856号明細書に記載される。メッキ装置はCu電解質溶液を保持し、そして電解質メッキ溶液に不活性なプラスチック又は他の材料からなる電解質メッキ槽を具備する。槽は、特にウェファめっき用には円筒形である。カソードは、槽上部に水平に配置されそして、トレンチやビアのような開口を有するシリコンウエファなどのいかなる型の基板であることができる。ウエファ基板は初めに、Cu拡散を防止するために窒化チタン、タンタル、窒化タンタルまたはルテニウムなどの障壁層を被覆し、そして次いでその上にCu超充填を開始するためにCu又は他の金属のシード層を被覆する。Cuシード層は化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)又は類似の方法により塗布される。アノードはまた好ましくはウエファーメッキには円環状でありタンク下部に水平に配置されて、アノードとカソード間に空間が形成される。アノードは典型的には銅金属のような可溶性のアノードである。
【0050】
浴添加剤は種々の用具製造で開発された膜技術と組み合わせると有用である。この系では、アノードは膜で有機浴添加剤と隔離される。アノードと有機浴添加剤とを分離する目的は、カソード表面で有機浴添加剤が酸化するのを最小限とするためである。
【0051】
カソード基板とアノードは、配線で電気的に接続され、そしてそれぞれ整流器(電源)に接続される。直接又はパルス電流のカソード基板は正味の負電荷を有し、そうして溶液中のCuイオンはカソード基板で還元されてカソード表面上でCu金属を形成する。酸化反応はアノードで起こる。カソードとアノードは水平又は垂直に槽内で保持される。
【0052】
電解メッキ系の操作の間に、整流器から電力が供給されてCu金属がカソード基板の表面上にメッキされる。パルス電流、直流電流、反転周期電流又は他の適当な電流が利用されることができる。電解質溶液の温度は、加熱器/冷却器を使用して維持され、ここで、電解質溶液の温度は、保持槽から抜き出されて加熱器/冷却器を通過して流れ、そして次いで保持槽へ循環される。
【0053】
薄い銅シード被覆の場合、より少ない電流が内部配線凹凸の低部に供給され、それは底部や側壁のボイドおよび遅いボトムアップ成長につながる可能性がある。シードの張り出しを有する凹凸では、電気分解銅成長は、ボトムアップ成長が表面に達する前に凹凸上部は早く閉塞(pinch off)がされる可能性がある。通常の抑制剤によっては、内部ボイドの形成につながるCu電気分解沈積により内部配線凹凸が、特に薄い銅シード層でシードされた凹凸が閉塞されるのを防止するに十分迅速にボトムアップの超充填を促進するために内部配線凹凸の底部に十分に電流が分配されることはない。また、通常の抑制剤では、早期の閉塞を防止するためにシード張り出し領域上への銅成長を抑制するに十分強力な抑制力を有しない。特定の理論に拘泥しないが、本発明の抑制剤化合物は、内部ボイドの生成を抑制するように、そしてCuシード層上に分極フィルムを形成することにより本発明の抑制剤を含まない典型的な電解質メッキ溶液に対してボトムアップの超充填沈積速度を2倍にまで高めるように機能する。また本発明の抑制剤は、多くの従来の抑制剤よりも、より強い抑制性(より強度の分極性)を有し、それは内部配線凹凸の底部や側壁に沈積したCuシード層上により均一に電流が分配されることを可能とし、そうして底や側壁のボイドの除去や減少につながる。均一な電流分布は他の領域の沈積に比較して相対的に凹凸底部のCu成長を促進させ、ボトムアップ超充填が迅速に起こって凹凸底部や上部の沈積により沈積の閉塞や内部ボイドの形成が引き起こされることがない。本発明の抑制剤化合物は薄い又は張り出しているCuシード層上に迅速にボトムアップ超充填するのに有効である。たとえば、本発明の抑制剤は、約1オングストロームと約100オングストロームの間の厚みを有する内部配線凹凸の底部と側壁上に薄いCuシード層で種付けされた内部配線凹凸を超充填するのに有効であると見出された。
【0054】
本発明の抑制剤を電気分解Cuメッキ溶液に添加することの利点は、これらの化合物を含まない浴から形成される沈積と比較して内部ボイドの発生が少ないことである。内部ボイドは、凹凸側壁と凹凸上部入り口に沈積するCuから発生し、それは閉塞を引き起こし、かくして凹凸深部への接近を閉鎖する。この欠陥は小さいか(例えば<100nm)および/又は高いアスペクト比(深さ:幅)、例えば>4:1である凹凸に特に観察される。凹凸内に残されたこれらボイドは銅内部配線の電気接続性に干渉する。本発明の抑制剤化合物は、上述の迅速な超充填の機構と強度の抑制により内部ボイドの発生を減少させるように見える。
【0055】
所定の操作パラメーターが合致するか又は新たな電解質溶液が、実質的に同量が除去されると同時に又はその後で添加される際に系から電解質溶液の一部を抜き出すことによりアメリカ特許第6,024,856号明細書に記載のようにメッキシステムが調節されることができるのは、任意の特徴である。新規な電解質溶液は好ましくは電解質メッキ浴とシステムを維持するのに必要な全ての材料を含む単一の液体である。添加/抜き出しの系は、一定のメッキ特性のようなメッキ効果を高める定常状態の一定のメッキシステムを維持する。この系と方法で、メッキ浴は定常状態に達し、そこで浴成分は実質的に定常状態の値をとる。
【0056】
電流濃度、印加電圧、電流密度、電解質溶液温度などの電気分解条件は、本質的に従来の電解Cuメッキ方法のそれと同じである。たとえば、浴温度は、たとえば約20−27℃のように典型的には約室温であるが、しかし約40℃又はそれ以上の加温された温度でも良い。電流密度は典型的には約100mA/cmまでであり、典型的には約2mA/cm〜約60mA/cmである。アノード対カソード比は約1:1を使用するのが好ましいが、しかしこれは約1:4〜4:1という幅広く変化させることができる。本方法は電解メッキ槽で撹拌を利用するが、それへは、撹拌により又は好ましくは層を通って電解質溶液を循環させる還流の流れにより供給される。電解質メッキ槽を通る流れは槽における電解質メッキ溶液の典型的な滞留時間は約1分未満、より典型的には30秒未満、たとえば、10−20秒である。
【0057】
次の実施例は本発明の実際を説明する。
【実施例】
【0058】
実施例1.本発明の抑制剤を使用する、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0059】
小径/高アスペクト比の集積回路機器凹凸を超充填するために、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
160 g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
10g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
9 mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
200 mg/Lのカチオン性抑制剤(MW5500g/molを有するエチレンジアミンのPO/EOブロック共重合体で、構造式(5)に相当する)。

浴(1L)は次のようにして準備された。CuSO・5H0(160g)を脱イオン水中に十分溶解させる。濃硫酸(10g)を加えて、次に溶液中に塩素イオンで50mgと成る量の塩酸を加える。脱イオン水をさらに加えて全量を1リットルとする。最終的な浴は、さらに9 mL/L の商品名 ViaForm 抑制剤と200 mg/Lのカチオン性抑制剤(MW5500g/molを有するエチレンジアミンのPO/EOブロック共重合体で、構造式(5)に相当する)を加えて調製された。
【0060】
比較実施例1.比較の抑制剤を含む、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0061】
比較のための低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
160 g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
10g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
9 mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
200 mg/Lの以下の構造式を有する比較の市販抑制剤:

ここで、e+f+gの合計は21でh+i+jの合計は27であり、これはViaformの商品名でエンソン社から入手可能である。
【0062】
実施例2.本発明の抑制剤を使用する、高い酸/低いCuの超充填電解メッキ浴
【0063】
小径/高アスペクト比の集積回路機器凹凸を超充填するために、高い酸/低いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
70 g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
180g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
3 mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
400 mg/Lのカチオン性抑制剤(MW5500g/molを有するエチレンジアミンのPO/EOブロック共重合体で、構造式(5)に相当する)。
【0064】
実施例3.本発明の抑制剤を使用する、中間の酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0065】
小径/低いアスペクト比の集積回路機器凹凸を超充填するために、中間の酸/高いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
200g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
80g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
8mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
200mg/Lのカチオン性抑制剤(MW5500g/molを有するエチレンジアミンのPO/EOブロック共重合体で、構造式(5)に相当する)
4mL/L のViaForm L700。
【0066】
実施例4.本発明の抑制剤を使用する、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0067】
小径/高アスペクト比の集積回路機器凹凸を超充填するために、高い酸/低いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
160 g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
10g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
18mL/L 1−プロパンスルフォン酸、3,3’−ジチオビス、ジナトリウム塩

200 mg/Lのカチオン性抑制剤(MW5700g/molを有するトリエチレン グリコール ジアミンのPO/EOブロック共重合体で、構造式(9)に相当する)
2mL/L 商品名 ViaForm。
【0068】
実施例5.本発明の抑制剤を使用する、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0069】
比較のための低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
160g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
10g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
9mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
200mg/Lのカチオン性抑制剤(MW3400g/molを有するエチレンジアミンのPO/EOブロック共重合体で、構造式(5)に相当する)。
【0070】
比較実施例5.比較の抑制剤を含む、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0071】
小径/高いアスペクト比の集積回路機器凹凸を超充填するために、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
160g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
10g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
9mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
200mg/L 実施例1の市販の抑制剤。
【0072】
実施例6.本発明の抑制剤を使用する、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴
【0073】
小径/高いアスペクト比の集積回路機器凹凸を超充填するために、低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴を用意し、それは以下の成分からなる:
160g/L CuSO・5H0(硫酸銅・五水物)
10g/L HSO (濃硫酸)
50mg/L 塩素イオン
9mL/L 商品名 ViaForm 促進剤
200mg/Lのカチオン性抑制剤(MW5600g/molを有するトリエチレン グリコール ジアミンのPO/EO/POブロック共重合体で、構造式(8)に相当する)。
【0074】
実施例7.低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴による試験トレンチの超充填
【0075】
試験トレンチ(140nm;アスペクト比 3と4:1の間)を本発明のカチオン性抑制剤を含む実施例1の低い酸/高いCu電解メッキ浴を使用してCuで超充填し、市販抑制剤を含む比較例1の低い酸/高いCu電解メッキ浴を使用してCuで超充填した試験トレンチ比較した。
【0076】
実施例1の浴で超充填された試験トレンチは比較例1の通常の電解メッキ浴で超充填された試験トレンチに比較してより早く充填された(すなわち、底部でより早く成長する)。図1は比較例1の浴で達成されたメッキ速度(─●─)と比較した、実施例1の浴で達成されたメッキ速度(─■─)を示す。両方のケースともCuは電流密度7mA/cmで0〜6秒間に沈積し、底部成長速度に匹敵する。これは迅速なボトムアップ沈積が超充填速度で達成され、それは凹凸の底部から凹凸の上部開口への垂直方向Cu沈積が凹凸外の平面上へのCu沈積よりも15倍以上早く、20倍以上早くすらある。すなわち、例えば、本発明の垂直成長速度は、6秒で3600オングストローム、または1秒当たり約600オングストロームである;一方、外の場の厚み成長速度は6秒で約150オングストローム、または1秒当たり約25オングストロームである。そうしてこの例では、垂直成長速度は外の場の厚み成長速度の24倍である(600v.25オングストローム/秒)。比較の方法では垂直成長速度は6秒で約1500オングストロームであり;一方、外の場の厚み成長速度は6秒で約150オングストローム、または1秒当たり約25オングストロームである(250v.25オングストローム/秒)。これは比較の垂直成長速度が場の厚み成長速度の約10倍であることに相当する。前述の沈積成長速度は沈積の初めの6秒間から計算された。これらのデータはまた、本発明の方法は凹凸内の垂直成長速度が市販の抑制剤を使用しているという点のほかは全ての点で匹敵する比較の方法よりも1.5倍、または50%(例えば、1.5倍と3倍の間)だけ大であるということを示している。この点の”垂直”は凹凸開口と凹凸底部に関する成長の偏りに関するものであり、沈積槽に関する特定のいずれかの偏りに関しない。
【0077】
比較例1の浴でのメッキと比較して、実施例1のメッキ浴は極端に薄く又は不連続にCuシードを沈積し、そして底部と側壁のボイドは有意に少ない。
図の2Aと2Bを見ると、それは実施例1(図2A)の浴と比較例1(図2B)の浴でメッキされた試験ビアのSEM写真である。電解メッキは電流密度10mA/cmで行った。比較例1の浴を使用した電解メッキと比較して実施例1の浴を使用した電解メッキは有意に底部と側壁のボイドが少ないことが観察されることができる。
【0078】
実施例8.低い酸/高いCuの超充填電解メッキ浴による試験トレンチの超充填
【0079】
試験トレンチは、本発明のカチオン性抑制剤を含む実施例5の低い酸/高いCu電解メッキ浴を使用してCuで超充填をし、市販の抑制剤を含む比較実施例5の低い酸/高いCu電解メッキ浴を使用してCuで超充填をした試験トレンチと比較した。試験トレンチに沈積した電解メッキCuのSEM写真が図3Aと3Bに示される。図3Aは、実施例5の浴で電解メッキした試験トレンチのSEM画像である。図3Bは、比較例5の浴で電解メッキした試験トレンチのSEM画像である。両方の沈積は電流密度7mA/cm2で10秒間メッキされて、ボトムアップの成長の進行が見られる。SEM画像から実施例5の浴を使用する超充填は比較例5の浴を使用する電気分解的超充填よりも、より完全なビア充填を達成していることがわかる。
【0080】
本発明又はその好ましい態様の要素を導入する際に、冠詞”a”、”an”、”the”、”said”は一つ又はそれ以上の要素が存在することを意味する意図がある。例えば、上記記載と次の請求の範囲で”a”内部配線とするのは一つ又はそれ以上の内部配線があることを意味する。用語”からなる”、”含む”、”有する”は含むことを意図し、例示の要素以外の追加の要素があることを意味する。本発明の範囲を逸脱することなく種々の変化が可能であり、上述の記載に含まれ添付の図面に示される全ての事項は説明のためで限定するためとは解釈されない。本発明の範囲は添付の請求の範囲により画定されて、上記態様の変形は本発明の範囲から逸脱しないようになされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の抑制剤化合物からなる電解メッキ浴の充填速度(―■―)と市販の抑制剤化合物からなる電解メッキ浴の充填速度(―●―)とを比較したグラフである。
【図2A】実施例7の方法に従い調製された、超充填された試験トレンチを示すSEM画像であり、そのトレンチは実施例1に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、本発明の抑制剤化合物を含む。
【図2B】実施例7の方法に従い調製された、超充填された試験トレンチを示すSEM写真画像であり、そのトレンチは比較例1に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、市販の抑制剤化合物を含む。
【図3A】実施例8の方法に従い調製された、超充填された試験トレンチを示すSEM画像であり、そのトレンチは実施例5に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、本発明の抑制剤化合物を含む。
【図3B】実施例8の方法に従い調製された、超充填された試験トレンチを示すSEM写真画像であり、そのトレンチは比較例5に列挙された添加剤からなる電気分解浴を使用して充填されて、市販の抑制剤化合物を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解溶液に半導体集積回路基板を浸漬することによりメッキ表面とサブミクロン径の内部配線凹凸を有する半導体集積回路基板上にCuを電気分解メッキするための電気分解めっき組成物であって、以下からなる組成物:
基板上で電気内部配線凹凸内へ電気分解的にCuを沈積するに十分な量のCuの供給源;および
含窒素基と結合し、プロピレンオキサイド(PO)繰り返し単位とエチレンオキサイド(EO)繰り返し単位とをPO:EO比で約1:9と約9:1の間の割合で組み合わせてなる抑制剤化合物で、分子量が約1000と約30,000の間にあるもの。
【請求項2】
プロピレンオキサイド(PO)繰り返し単位とエチレンオキサイド(EO)繰り返し単位とをPO:EO比で約2:3と約3:2の間の割合で組み合わせてなる請求項1の電気分解めっき組成物。
【請求項3】
EOとPO繰り返し単位が、ブロック共重合体として配列している請求項1又は2の電気分解めっき組成物。
【請求項4】
窒素含有基が少なくとも一つのアミン官能基である請求項1乃至3のいずれかの電気分解めっき組成物。
【請求項5】
窒素含有基が二つと五つの間のアミン官能基である請求項1乃至4のいずれかの電気分解めっき組成物。
【請求項6】
窒素含有基がジアミンからなる請求項1乃至5のいずれかの電気分解めっき組成物。
【請求項7】
窒素含有基がエチレンジアミンとトリエチレングリコールジアミンからなる群から選ばれる基である請求項1乃至6のいずれかの電気分解めっき組成物。
【請求項8】
抑制剤化合物が以下の構造からなる群から選ばれる構造からなる請求項1乃至7のいずれかの電気分解めっき組成物。

およびこれらの組み合わせであり、ここで、
は置換または無置換のアルキル基であり;
は、水素原子及びアルキル基からなる群から選択され;
は、エチレンオキサイド繰り返し単位、プロピレンオキサイド繰り返し単位及びその組み合わせから選択される繰りかえり単位を具備するポリエーテル基であり;そして
は、水素原子、置換または無置換アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素原子含有アリール基からなる群から選択される。
【請求項9】
は炭素数1と8の間のアルキル基であり、そしてRはポリエーテル基が共有結合する他のアミノ基で置換されており、ポリエーテル基はEO繰り返し単位、PO繰り返し単位及びその組み合わせからなり、その配列はランダム、交互またはブロック配列である請求項8の電気分解メッキ組成物。
【請求項10】
ポリエーテル抑制剤が、約50mg/Lと約200mg/Lの間の濃度で存在する請求項1乃至9の電気分解メッキ組成物。
【請求項11】
ポリエーテル抑制剤が以下の構造からなる請求項1又は10の電気分解メッキ組成物、

ここで、nは1と約30の間にあり、mは1と約30の間にある。
【請求項12】
ポリエーテル抑制剤が以下の構造からなる請求項1又は10の電気分解メッキ組成物、

ここで、nは1と約30の間にあり、mは1と約30の間にある。
【請求項13】
底、側壁および上部開口を有するサブミクロン径の電気内部配線凹凸を備える半導体集積回路機器基板上に電気分解メッキで銅沈積をする方法であって、該方法は以下からなる:
請求項1乃至12の電気分解メッキ組成物に半導体集積回路機器基板を浸漬し;そして
電気分解メッキ組成物に通電して基板上にCuを沈積して急速ボトムアップ沈積によりサブミクロン径の凹凸を超充填する。
【請求項14】
底、側壁および上部開口を有するサブミクロン径の電気内部配線凹凸を備える半導体集積回路機器基板上に電気分解メッキで銅沈積をする方法であって、該方法は以下からなる:
基板上でかつ電気内部配線凹凸内へ電気分解でCuを沈積するに十分な量のCuイオンを供給するCuイオン供給源、促進剤および抑制剤からなる電気分解メッキ組成物に半導体集積回路機器基板を浸漬し;そして
電気分解メッキ組成物に通電して、凹凸の底部から凹凸の上部開口への凹凸における垂直Cu沈積成長速度で、以下の構造の比較例抑制剤を利用する以外は全ての点で等価な比較方法における相対垂直Cu沈積速度よりも50%だけ速い速度で急速ボトムアップ沈積をすることにより基板上にCuを沈積してサブミクロン径の凹凸を超充填する;

ここで、e+f+gの合計は21であり、h+i+jの合計は27である。
【請求項15】
メッキ組成物が、含窒素基と結合し、プロピレンオキサイド(PO)繰り返し単位とエチレンオキサイド(EO)繰り返し単位とをPO:EO比で約1:9と約9:1の間の割合で組み合わせてなる抑制剤化合物を、さらに含む請求項14の方法。
【請求項16】
抑制剤の分子量が約1000と約30,000の間にある請求項15の方法。
【請求項17】
プロピレンオキサイド(PO)繰り返し単位とエチレンオキサイド(EO)繰り返し単位とがPO:EO比で約2:3と約3:2の間の割合で存在する請求項15または16の方法。
【請求項18】
EPとPO繰り返し単位が、ブロック共重合体で配列している請求項15ないし18のいずれか方法。
【請求項19】
窒素含有基が少なくとも一つのアミン官能基である請求項15ないし18のいずれか方法。
【請求項20】
窒素含有基が二つと五つの間のアミン官能基である請求項15ないし18のいずれか方法。
【請求項21】
窒素含有基がジアミンからなる請求項15ないし18のいずれか方法。
【請求項22】
窒素含有基がエチレンジアミンとトリエチレングリコールジアミンからなる群から選ばれる基である請求項15ないし18のいずれか方法。
【請求項23】
抑制剤化合物が以下の構造からなる群から選ばれる構造からなる請求項15の方法。

およびこれらの組み合わせであり、ここで、
は置換または無置換のアルキル基であり;
は、水素原子及びアルキル基からなる群から選択され;
は、エチレンオキサイド繰り返し単位、プロピレンオキサイド繰り返し単位及びその組み合わせから選択される繰りかえり単位を具備するポリエーテル基であり;そして
は、水素原子、置換または無置換アルキル基、アリール基、アラルキル基または複素原子含有アリール基からなる群から選択される。
【請求項24】
は炭素数1と8の間のアルキル基であり、そしてRはポリエーテル基が共有結合する他のアミノ基で置換されており、ポリエーテル基はEO繰り返し単位、PO繰り返し単位及びその組み合わせからなり、その配列はランダム、交互またはブロック配列である請求項23の方法。
【請求項25】
ポリエーテル抑制剤が、約50mg/Lと約200mg/Lの間の濃度で存在する請求項14乃至24のいずれか方法。
【請求項26】
ポリエーテル抑制剤が以下の構造からなる請求項14の方法、

ここで、nは1と約30の間にあり、mは1と約30の間にある。
【請求項27】
ポリエーテル抑制剤が以下の構造からなる請求項14の方法、

ここで、nは1と約30の間にあり、mは1と約30の間にある。
【請求項28】
底、側壁および上部開口を有するサブミクロン径の電気内部配線凹凸を備える半導体集積回路機器基板上に電気分解メッキで銅沈積をする方法であって、該方法は以下からなる:
基板上でかつ電気内部配線凹凸内へ電気分解でCuを沈積するに十分な量のCuイオンを供給するCuイオン供給源、促進剤および抑制剤からなる電気分解メッキ組成物に半導体集積回路機器基板を浸漬し;そして
電気分解メッキ組成物に通電して、凹凸の底部から凹凸の上部開口への凹凸における垂直Cu沈積成長速度で、凹凸外の基板面上における場内垂直Cu沈積速度よりも15倍だけ速い速度で急速ボトムアップ沈積をすることにより基板上にCuを沈積してサブミクロン径の凹凸を超充填する。
【請求項29】
抑制剤の分子量が約1000と約30,000の間にあり、プロピレンオキサイド(PO)繰り返し単位とエチレンオキサイド(EO)繰り返し単位とをPO:EO比で約1:9と約9:1の間の割合による組み合わせからなる請求項28の方法。
【請求項30】
垂直Cu沈積成長速度が、場内沈積厚み成長速度よりも20倍速い請求項28または29の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2008−519908(P2008−519908A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541369(P2007−541369)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/040996
【国際公開番号】WO2006/053242
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501407311)エントン インコーポレイテッド (36)
【Fターム(参考)】