説明

マスク、マスクの製造方法、薄膜パターンの形成方法、電気光学装置の製造方法

【課題】 被成膜領域の大型化に対応することができ、しかも高い品質を経済的に維持することが可能なマスク、マスクの製造方法、薄膜パターンの形成方法および電気光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の開口部22を有するチップ20を支持基板10に複数接合してなるマスク1であって、チップ20が支持基板10から取り外し可能とされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク、マスクの製造方法、薄膜パターンの形成方法および電気光学装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の一つである有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルは、薄膜を積層した構造を持つ自発光型で高速応答性の表示素子からなる。このため有機ELパネルは軽く動画対応に優れた表示装置を構成でき、近年フラットパネルディスプレイ(FPD)テレビなどの表示パネルとして非常に注目されている。有機ELパネルの代表的な製造方法としては、Appl,Phys,Lett,Vol,51,No.12,p.p.913-914,(1987)に示されている。すなわち、ITO(インジウム−スズ酸化物)などの透明陽極を、フォトリソグラフィ技術を用いて所望形状にパターニングし、さらにそのパターンの上に真空蒸着装置で有機材料を成膜して積層し、その上に陰極となるMgAgなどの低い仕事関数の金属陽極膜を蒸着する。最後に、このようにして出来た発光素子が湿度又は酸素などに接触しないように、その発光素子を不活性ガス雰囲気中で密閉封止する。
【0003】
また、有機ELパネルは、発光材料を変えることにより、発光色を様々に変えることができる。例えば、薄く高精細なメタルマスクを用いて、画素毎に赤、緑、青の発光素子を形成する手法が提案されている。この手法は、磁石でメタルマスクとガラス基板とを密着させて、マスク越しに蒸着することにより、鮮明なフルカラー有機ELパネルを製造しようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、マスクを用いた蒸着手法としては、シリコン基板を用いて蒸着マスクを製造する手法が提案されている。この手法ではフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術などの半導体製造技術を用いて、シリコン基板自体をマスクにするというものである。
シリコンは熱膨張係数がガラスとほぼ同じであるので、シリコンのマスクと被成膜基板のガラス基板とは熱膨張によるずれが生じない。また、シリコンは加工精度を高くすることができる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−273976号公報
【特許文献2】特開2001−185350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているメタルマスクでは、有機ELパネルの大画面化に対応すべくパネルサイズを大きくすると、そのパネル用のメタルマスクも大きく形成しなければならないが、大きく(大面積)且つ薄いメタルマスクを高精度に作ることは非常に難しいという問題点がある。また、メタルマスクの熱膨張係数が有機ELパネル用のガラス基板に比べて非常に大きい。したがって、蒸着時の熱輻射でメタルマスクがガラス基板に比べて大きく伸びる。これにより、メタルマスクを用いて大型の有機ELパネルを製造しようとすると、熱膨張による誤差の累積値が大きくなり、メタルマスクではせいぜい20インチの中小型パネルサイズを製造することが限界とされていた。
【0006】
また、上記特許文献2に記載されているシリコン基板を用いた蒸着マスクでは、シリコンは熱膨張係数がガラスとほぼ同じであるので、シリコンのマスクと被成膜基板のガラス基板とは熱膨張によるずれが生じないが。シリコン・インゴットの直径が300mmなので、シリコン基板は直径300mmまでの大きさのものしか存在せず、これ以上大きな画面サイズに対応する蒸着マスクを製造することができないという問題点がある。
しかも、蒸着マスクの一部だけに欠陥が発生したとしても、この欠陥により、作製するELパネルの品質が大きく低下してしまうため、新たに蒸着マスクを作製しなければならず、極めて不経済であった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、被成膜領域の大型化に対応することができ、しかも高い品質を経済的に維持することが可能なマスク、マスクの製造方法、薄膜パターンの形成方法および電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のマスクは、複数の開口部を有するチップを支持基板に複数接合してなるマスクであって、前記チップが前記支持基板から取り外し可能とされていることを特徴としている。
【0009】
このようにすれば、一部のチップに不具合が生じたとしても、マスクを新たに全て作り直すことなく、不具合が生じたチップだけを取り外して新たなものに交換して支持基板へ取り付けることにより、マスクを容易に補修することができる。これにより、複数のチップを備えることにより大型化に対応したマスクの高い品質を経済的に維持することができる。
【0010】
また、前記チップが、前記支持基板に接着剤によって接合され、前記チップが前記接着剤による接合箇所にて剥離して取り外し可能とされていることを特徴としている。
このようにすれば、不具合が生じたチップを接着剤による接着箇所にて剥離することにより、容易に新たなチップと取り替えることができる。
【0011】
さらに、前記チップあるいは支持基板の少なくとも一方に、前記接着剤による接着しろの周囲に逃げ溝が形成されていることを特徴としている。
このようにすれば、逃げ溝によって接着しろが区画されるので、接着剤による接着強度を制限することができ、チップの剥離の容易化を図ることができる。
【0012】
また、前記チップが、前記支持基板に、芯材の表裏に接着剤が塗布された接着テープによって接合され、前記チップが前記接着テープによる接合箇所にて剥離可能とされていることを特徴としている。
このようにすれば、不具合が生じたチップを接着テープによる接着箇所にて剥離することにより、容易に新たなチップと取り替えることができる。
【0013】
さらに、前記接着剤が、水溶性接着剤であることを特徴としている。
このようにすれば、接着剤を水で溶融させることにより、極めて容易に不具合が生じたチップを支持基板から剥離することができる。
【0014】
また、前記接着剤が、熱可塑性接着剤であることを特徴としている。
このようにすれば、接着剤を加熱して接着力を低下させることができ、極めて容易に不具合が生じたチップを支持基板から選択的に剥離することができる。
【0015】
また、前記接着剤は、紫外線の照射により接着力が低下するUV剥離接着剤であることを特徴としている。
このようにすれば、接着剤に紫外線を照射して接着力を低下させることにより、極めて容易に不具合が生じたチップを支持基板から選択的に剥離することができる。
【0016】
本発明のマスクの製造方法は、複数の開口部を有するチップを支持基板に複数接合してなるマスクの製造方法であって、前記支持基板に対して前記チップを取り外し可能に接合することを特徴としている。
【0017】
このようにすれば、一部のチップに不具合が生じたとしても、新たに全て作り直すことなく、不具合が生じたチップだけを取り外して新たなものに交換して支持基板へ取り付けて容易に補修することが可能なマスクを得ることができる。つまり、複数のチップを備えることにより大型化に対応し、しかも、高い品質を経済的に維持することができるマスクを得ることができる。
【0018】
また、複数の開口部を有するチップを支持基板に複数接合してなるマスクの製造方法であって、前記支持基板に対して前記チップを取り外し可能に接合し、前記チップに不具合が生じた際に、この不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外し、不具合が生じない前記チップと交換することを特徴としている。
このようにすれば、チップに破損、損傷などの不具合が生じたとしても、その不具合が生じたチップを容易に新たなものと交換してマスクを補修することができる。
【0019】
また、前記チップを前記支持基板に、剥離可能な接着剤によって接合することを特徴としている。
このようにすれば、不具合が生じたチップを接着剤による接着箇所にて剥離して新たなチップと取り替えることが可能なマスクを得ることができる。
【0020】
また、前記チップを前記支持基板に、芯材の表裏に剥離可能な接着剤が塗布された接着テープによって接合することを特徴としている。
このようにすれば、不具合が生じたチップを接着テープによる接着箇所にて剥離して新たなチップと取り替えることが可能なマスクを得ることができる。
【0021】
さらに、前記接着剤として、水溶性接着剤を用い、前記水溶性接着剤を水で溶融して、不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外すことを特徴としている。
このようにすれば、接着剤を水で溶融させることにより、不具合が生じたチップを支持基板から剥離して、極めて容易にマスクを補修することができる。
【0022】
また、前記接着剤として、熱可塑性接着剤を用い、前記熱可塑性接着剤を加熱して、不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外すことを特徴としている。
このようにすれば、接着剤を加熱して接着力を低下させることができ、不具合が生じたチップを支持基板から選択的に剥離して、極めて容易にマスクを補修することができる。
【0023】
また、前記接着剤として、紫外線の照射により接着力が低下するUV剥離接着剤を用い、前記UV剥離接着剤に紫外線を照射して、不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外すことを特徴としている。
このようにすれば、接着剤に紫外線を照射して接着力を低下させることにより、不具合が生じたチップを支持基板から選択的に剥離して、極めて容易にマスクを補修することができる。
【0024】
本発明の薄膜パターンの形成方法は、上記マスク、または、上記マスクの製造方法で製造されたマスクを用い、被成膜面に薄膜パターンを形成することを特徴としている。
【0025】
このようにすれば、大きな薄膜パターンを形成することができ、しかも、チップに破損、損傷などの不具合が生じたとしても、その不具合が生じたチップを容易に新たなものと交換してマスクを補修することができる。
【0026】
本発明の電気光学装置の製造方法は、電気光学装置の構成層をなす薄膜パターンを形成するときに、上記薄膜パターンの形成方法を用いることを特徴としている。
【0027】
このようにすれば、大きな薄膜パターンを形成することができ、しかもマスクの補修を容易に行うことができるので、大画面の電気光学装置を低コストにて製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係るマスクについて図面を参照して説明する。
(マスクの構造)
図1は、本発明の実施形態に係るマスクを示す模式斜視図である。図2は、図1に示すマスクによって形成される画素パターンの配列例を示す図である。図3は、図1に示すマスクの要部拡大斜視図、図4は、図1に示すマスクの要部断面図、図5は、図1に示すマスクを構成するチップの裏面図、図6は、支持基板へのチップの取り付け部分における断面図である。本実施形態のマスク1は、例えば蒸着マスクとして用いることができる。
【0029】
マスク1は、ベース基板をなす支持基板10に、複数のチップ20を取り付けた構成を有している。本実施形態では、チップ20はシリコンからなるものとする。また、チップ20を金属材料で構成することもできる。各チップ20は、それぞれアライメントされて支持基板10に接着されている。また、支持基板10には、マスク位置決めマーク16が形成されている。マスク位置決めマーク16は、マスク1を使用して蒸着などを行うときに、当該マスク1の位置合わせを行うためのものである。マスク位置決めマーク16は、例えば金属膜で形成することができる。なお、チップ20にマスク位置決めマーク16を形成してもよい。
【0030】
支持基板10には、開口部が長方形の貫通穴からなる開口領域12が、図1および図3に示すように、複数平行に且つ一定間隔で設けられている。チップ20には、図3に示すように、長孔形状の開口部22が複数一定間隔で平行に設けられている。チップ20の開口部22は、図2に示す「縦ストライプ」の画素配置をなす薄膜パターンに対応する形状である。したがって、マスク1は、縦ストライプの画素を形成するために用いられる。
【0031】
そして、各チップ20は、支持基板10の開口領域12をふさぐように、且つ、開口領域12の長手方向とチップ20の開口部22の長手方向とが直交する向きで、支持基板10上に行列をなすように配置されている。
【0032】
支持基板10の構成材料は、チップ20の構成材料の熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数を有するものが好ましい。チップ20はシリコンであるので、シリコンの熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数をもつ材料で支持基板10を構成する。このようにすることにより、支持基板10とチップ20との熱膨張量の違いによる「歪み」又は「橈み」の発生を抑えることができる。例えば、シリコンの熱膨張係数(30×10E-7/℃)に対して、コーニング社製のパイレックス(登録商標)ガラスの熱膨張係数(30×10E-7/℃)はほぼ同一値である。無アルカリガラスである日本電気ガラス社製のOA−10の熱膨張係数(38×10E-7/℃)、金属材料では42アロイの熱膨張係数(50×10E-7/℃)およびインバー材の熱膨張係数(12×10E-7/℃)などもシリコンの熱膨張係数に近い。したがって、支持基板10の構成材料としては、パイレックス(登録商標)ガラス、無アルカリガラスであるOA−10および42アロイなどが適用できる。
【0033】
チップ20は、図3に示すように長方形の板に開口部22を設けた構成となっている。本実施形態のマスク1は図2に示す「縦ストライプ」の画素を形成するためのものであるので、チップ20の開口部22は例えばその画素を縦に40個ほど含む領域に相当する大きさの細長い溝形状となっている。すなわち、チップ20の開口部22は、被成膜面に形成される薄膜パターンの少なくとも一部の形状に対応した形状となっている。そして、チップ20が占有する面積は、マスク1で形成される薄膜パターン(例えば有機ELパネルを構成する薄膜パターン)の面積よりも小さい。
【0034】
また、本実施形態のチップ20をなすシリコンは、面方位(110)を有している。ただし、面方位(100)を有するシリコンでチップ20を構成してもよい。そして、チップ20における開口部22の長手方向の側面は、面方位(111)を有している。このように開口部22の側面の面方位を(111)とすることは、面方位(110)を有するシリコンチップについて結晶異方性エッチングを施すことで簡便に実現できる。
【0035】
また、各チップ20にはアライメントマーク14が少なくとも2ヶ所形成されている。アライメントマーク14は、支持基板10にチップ20を貼り合わせる際の位置合わせに使用される。アライメントマーク14は、フォトリソグラフィ技術又は結晶異方性エッチングなどで形成する。
【0036】
チップ20における開口部22の長手方向と支持基板10の開口領域12の長手方向とが直交するように、各チップ20は支持基板10に貼り付けられている。開口部22の幅は、例えば画素のサブピクセルピッチd1と同一とする。そして、同一の開口領域12をふさぐチップ20であって隣り合うチップ20a,20bは、画素のサブピクセルピッチd1だけ間隔をもって配置されている。このチップ20aと20bとの隙間は、チップ20の開口部22と同様に機能し、所望形状の薄膜パターンを形成するためのマスク1の開口部として機能する。また、隣り合うチップ20同士は、開口領域12の長手方向に直交する方向についても間隔をもって配置されている。そして、複数のチップ20はそれぞれ間隔をもって、支持基板10上において、図1に示すように行列に配置されている。
【0037】
図4に示すように、チップ20は、その裏面における各角部が接着剤30によって支持基板10の開口部12の縁部に接着固定されている。この接着剤30は、例えば、アクリル系の水溶性接着剤が用いられている。図5及び図6に示すように、チップ20は、その裏面に各角部を囲う逃げ溝31が形成されており、この逃げ溝31の外側が接着しろ32とされ、この接着しろ32が接着剤30によって支持基板10に接着されている。つまり、この逃げ溝31によって接着剤30による支持基板10へのチップ20の接着面積が制限されている。
【0038】
これらのように、本実施形態のマスク1は、複数のチップ20を支持基板10に取り付けているので、チップ20よりも大きな薄膜パターンを形成でき、例えば大画面の表示パネルをなす縦ストライプパターンの画素を形成することができる。
【0039】
図7は、図1および図3に示すマスク1を用いて形成された蒸着パターン(薄膜パターン)の一例を示す平面図である。図8は、図7に示す蒸着パターンが形成された基板について、マスク1をずらして再度蒸着処理を施した状態の一例を示す平面図である。図9は、図8に示す蒸着パターンが形成された基板について、マスク1をずらして再度蒸着処理を施した状態の一例を示す平面図である。
【0040】
この蒸着パターンが形成される被成膜部材をなす基板54としては、例えば有機EL装置の構成要素をなすガラス基板などの透明基板を適用できる。この場合の蒸着パターンは、例えば有機EL装置における赤色の発光層60をなすストライプパターンとする。したがって、発光層60の幅は画素のサブピクセルピッチd1となっている。
【0041】
ただし、図7に示す蒸着パターンでは、有機EL装置の赤色の画素における複数行(例えば40行×5)の画素が形成されていない。そこで、基板54に対してマスク1を縦方向(Y軸方向)に例えば画素40個分だけずらして、再度蒸着処理を行い、図8に示すように赤色の発光層60’をパターニングする。このようにすることにより、大きな縦ストライプパターンを持った大画面パネルの薄膜パターンを簡便に形成することができる。
【0042】
図8に示す蒸着パターンでは、赤色の発光層60,60’のみが形成されており、緑色及び青色の発光層が形成されていない。そこで、図8に示す状態の基板54に対して、マスク1を横方向(X軸方向)にサブピクセルピッチ分だけずらして緑色の発光材料をパターニングすることで、図9に示すように、緑色の発光層62を形成する。次いで、マスク1を横方向(X軸方向)にサブピクセルピッチ分だけずらして青色の発光材料をパターニングすることで、図9に示すように、青色の発光層64を形成する。
【0043】
これらにより、カラー表示ができて大画面パネルをなす薄膜パターンを簡便に且つ高精度に形成することができる。また、上記実施形態では同一のマスク1をずらしながら複数回蒸着処理することで1つの大画面パネルをなす薄膜パターンを形成しているが、複数種類のマスク1を予め作成して、その複数種類のマスク1を交互に用いて1つの大画面パネルをなす薄膜パターンを形成してもよい。
【0044】
(マスクの製造方法)
図10は本発明の実施形態に係るマスクの製造方法を示す模式断面図である。すなわち、図10は上記マスク1の主要部をなすシリコンのチップ20の製造方法を示している。
先ず、面方位(110)のシリコンウエハー20’を用意し、熱酸化法により耐エッチングマスク材となる酸化シリコン膜71をそのシリコンウエハー20’の露出面全体に1μm厚に形成する(図10(a)参照)。
この酸化シリコン膜71からなる耐エッチングマスク材は、後の工程でアルカリ水溶液を用いて行われる結晶異方性エッチングにおいて耐久性のある膜であればよい。したがって、かかる耐エッチングマスク材は、CVD法で設けられた窒化シリコン膜としてもよく、スパッター法で設けられたAu又はPt膜などでもよく、特に酸化シリコン膜に限定されるものではない。
【0045】
次いで、上記シリコンウエハー20’の一方面側の酸化シリコン膜71について、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることで、上記開口部22の開口形状(断面形状)に対応する形状の溝パターン72を形成する。ここで、シリコンの(111)方位と溝パターン72の長手方向とが直角になるように、その溝パターン72を形成する(図10(b)参照)。
また、上記溝パターン72の形成と同時に、アライメントマーク14をシリコンウエハー20’に形成してもよい。
【0046】
また、上記溝パターン72の形成と同時に、シリコンウエハー20’の他方面側の酸化シリコン膜71について、上記フォトリソグラフィ工程により、上記開口部22に対応する部分を含む大きな領域73を除去する(図10(b)参照)。
このように、シリコンウエハー20’の他方面側の酸化シリコン膜71における領域73を除去するのは、後の工程により、シリコンウエハー20’における開口部22を含む領域の厚みd2を小さくするためである。すなわち、シリコンウエハー20’から形成されるチップ20を薄くして、蒸着時に蒸着粒子が開口部22を斜め方向に通過し易くして、成膜される薄膜の厚さを均一化するためである。
酸化シリコン膜71についてのフォトリソグラフィ技術によるパターニングでは、例えば緩衝ふっ酸溶液を用いる。
【0047】
次いで、図10(b)に示す状態のシリコンウエハー20’について、80℃に加熱した35重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて結晶異方性エッチングを行う。この結晶異方性エッチングにより、シリコンウエハー20’における酸化シリコン膜71に覆われていない部分は、一方面および他方面の両側から除去されていき、開口部22をなす貫通溝を形成するとともに、開口部22を含む領域の厚みd2を小さくする。また、この結晶異方性エッチングにより、シリコンウエハー20’の領域73側の角部74もエッチングされて、テーパー形状となる(図10(c)参照)。
【0048】
上記結晶異方性エッチングのエッチング時間を制御することにより、角部74のテーパー形状および開口部22を含む領域の厚みd2を管理することができる。したがって、マスク1と蒸着源との相対的な位置関係が変動しても、マスク1の影の領域が変化しない良好なマスクを製造することができる。
【0049】
最後に、シリコンウエハー20’に形成されている酸化シリコン膜71を除去することで、本実施形態のチップ20が完成する(図10(d)参照)。
この酸化シリコン膜71の除去では、例えば緩衝ふっ酸溶液を用いる。
【0050】
これらにより、本実施形態の製造方法によれば、チップ20の開口部22について結晶異方性エッチングを用いて形成するので、開口部22の形状について高精度に加工することができる。また、本製造方法は、面方位(110)を有するシリコンウエハー20’について、開口部22の長手方向が(111)方位と直角になるように結晶異方性エッチングを施すので、開口部22の長手方向についての側面が(111)方位面となる。これにより、かかる結晶異方性エッチングにおいて、開口部22の深さ方向と開口部22の長手方向についての側面とのエッチング比を例えば1対1000にすることができ、開口部22の幅寸法を高精度に制御することができる。
【0051】
(支持基板の製造方法)
図11は、本発明の実施形態に係る支持基板10の製造方法の一例を示す模式斜視図である。
先ず、支持基板10をなす材料について、所定の板形状の基板10’を切り出す(図11(a)参照)。
【0052】
次いで、支持基板10に貼り付けられるチップ20をマスクとして機能させるために、基板10’に、長方形の貫通穴からなる開口領域12を形成する(図11(b)参照)。
開口領域12を形成する方法としては、支持基板10をなす材料に応じた手法を採ることができる。例えば、基板10’がパイレックス(登録商標)ガラス又はOA−10などの無アルカリガラスのようなガラス基板であれば、ブラスト法により削って開口領域12を形成する手法、又は、フォトリソグラフィ技術とふっ酸とによるウェットエッチングで開口領域12を形成する手法がある。また、支持基板10として42アロイなどの金属材料から構成する場合は、フォトリソグラフィ技術とウェットエッチングとで開口領域12を形成してもよく、複数の金属材料を溶接により組み立てて製造してもよく、切削加工又は鋳造により製造してもよい。
【0053】
さらに、各チップ20を支持基板10に規則正しく正確に配置するために、基板10’にアライメントマーク14’を形成することで、支持基板10が完成する(図11(c)参照)。
このアライメントマーク14’の形成もフォトリソグラフィ技術を用いる。具体的には例えば、基板10’上にCrを50nmのスパッターで成膜する。次いで、スプレーコート式のレジストコーターでCrの上にレジストを付着させる。次いで、露光、現像、Crのウェットエッチングをすることで、アライメントマーク14’が形成される。また、レーザなどによるマーキングをアライメントマーク14’として用いてもよい。
【0054】
図12は、本発明の実施形態に係る支持基板10の製造方法の他の例を示す模式斜視図である。先ず、所定の材料からなる複数の四角柱10a,10bを形成する。次いで、各四角柱10a,10bをボルト10cなどにより接合することで、開口領域12を有する基板10dを形成する(図12(a),図12(b)参照)。
各四角柱10a,10bの接合は、接着剤などを用いて行ってもよい。
次いで、基板10dにアライメントマーク14’を形成することで、支持基板10が完成する(図12(c)参照)。
【0055】
以上の方法で製造した支持基板10に、チップ20を取り付けることにより、マスク1が完成する。この支持基板10にチップ20を取り付けるには、まず、チップ20に形成した接着しろ32に、水溶性接着剤30を塗布する。
次いで、このチップ20をアライメントマーク14’に合わせて位置決めして支持基板10に配設し、接着剤30によって支持基板10へ接着固定する。
そして、本実施形態のマスク1を用いることにより、図9に示すように、例えば40インチの大画面の表示装置をなす薄膜パターンを蒸着することができる。
【0056】
(電気光学装置の製造方法)
図13は、本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す模式断面図である。
本実施形態では、電気光学装置の一つとして有機EL装置を挙げて説明する。図13に示すマスク50(上記マスク1に該当する)には、磁性体膜52が形成されている。磁性体膜52は、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性材料で形成することができる。あるいは、Ni、Co、Feや、Fe成分を含むステンレス合金等の磁性金属材料や、磁性金属材料と非磁性金属材料との結合により、磁性体膜52を形成してもよい。マスク50のその他の詳細は、上記マスク1と同一である。
【0057】
本実施形態では、マスク50を使用して基板(成膜対象部材)54に発光材料を成膜する。基板54は、複数の有機EL装置を形成するためのもので、ガラス基板等の透明基板である。基板54には、図14(A)に示すように、電極(例えばITO等からなる透明電極)56および正孔輸送層58が形成されている。なお、電子輸送層を形成してもよい。
【0058】
図13に示すように、基板54側にチップ20が位置するように、マスク50を配置する。基板54の背後には、磁石48が配置されており、マスク50(チップ20)に形成された磁性体膜52を引き寄せるようになっている。
【0059】
図14(A)〜図14(C)は、有機EL装置の製造に用いられる発光材料の成膜方法を説明する模式断面図である。発光材料は、例えば有機材料であり、低分子の有機材料としてアルミキノリノール錯体(Alq3)があり、高分子の有機材料としてポリパラフェニレンビニレン(PPV)がある。発光材料の成膜は、蒸着によって行うことができる。
例えば、図14(A)に示すように、マスク50を介して赤色の発光材料をパターニングしながら成膜し、赤色の発光層60を形成する。そして、図14(B)に示すように、マスク50をずらして、緑色の発光材料をパターニングしながら成膜し、緑色の発光層62を形成する。そして、図14(C)に示すように、マスク50を再びずらして、青色の発光材料をパターニングしながら成膜し、青色の発光層64を形成する。
【0060】
本実施形態では、スクリーンとなるチップ20が、支持基板10に部分的に接着されている。したがって、チップ20は自由度が高く、反り、撓みが発生し難く、選択蒸着の再現性が高く、生産性が高い。本実施形態のマスク50では、支持基板10に複数の開口領域12が形成され、それぞれの開口領域12に対応してチップ20が位置している。複数のチップ20が1つの有機EL装置に対応する。すなわち、マスク50を使用して、大画面の有機EL装置を高精度に製造することができる。
【0061】
ここで、上記のように、支持基板10にチップ20を接着固定したマスク50を用いて有機発光層60,62,64の蒸着を行う場合、真空チャンバー内にてガラス基板等の基板54との接触が複数回繰り返される。また、チップ20に付着した有機膜をOプラズマなどで除去する作業等にて物理的にチップ20に接触することがある。このようなことから、チップ20が破損、損傷することがある。
【0062】
このように、一部のチップ20に破損、損傷が生じた場合は、マスク50を水に浸漬する。このようにすると、支持基板10にチップ20を接着固定している水溶性の接着剤30が溶融することにより、支持基板10からチップ20が剥離される。そして、このチップ20を剥離したら、破損、損傷したチップ20を新品のチップ20と交換し、再び支持基板10に接着剤30によって接着固定する。
これにより、一部のチップ20に不具合が生じたとしても、マスク50を新たに全て作り直すことなく、破損、損傷したチップ20だけを新たなものに交換して支持基板10へ貼り付けることにより、マスク50を容易に補修することができる。
つまり、マスク50の補修を容易に行うことができるので、大画面の電気光学装置を低コストにて製造することができる。
【0063】
なお、チップ20を支持基板10へ接着する接着剤としては、支持基板10からチップ20を剥離可能とするものであれば、水溶性のものに限定されない。
【0064】
ここで、他の接着剤を用いたマスク及びその製造方法について説明する。
(第2実施形態)
この実施形態では、支持基板10へチップ20を接着するための接着剤として、感光性ポリイミドからなる熱可塑性の接着剤を用いる。
そして、この接着剤33を用いてマスクを製造する場合は、まず、図15(A)に示すように、前述と同様にして作製した支持基板10の上面におけるチップ20を接着すべき部分に熱可塑性の接着剤33を滴下し、ベークにより溶媒を蒸発させて固化させる。
【0065】
次に、図15(B)に示すように、支持基板10をホットプレート34で、接着剤33がTg以上の温度になるように加熱しながら、それぞれのチップ20を位置合わせし支持基板10上に配設して加圧する。
その後、接着剤33を冷却してTg以下の温度となるまで冷却することにより、図15(C)に示すように、接着剤33によって支持基板10にチップ20が接着固定されたマスク1を得ることができる。
【0066】
このようにして製造されたマスク1では、破損、損傷したチップ20を新たなものと交換するために、チップ20を支持基板10から剥離する際は、図16に示すように、剥離したいチップ20の接着剤33による接着箇所へレーザを照射し、接着剤33をTg以上に加熱する。このようにすると、接着剤33が熱により溶融し、チップ20を支持基板10から容易にかつ選択的に剥離することができる。
なお、この第2実施形態の場合も、チップ20に逃げ溝31を形成して接着しろ32を形成しても良い。
【0067】
(第3実施形態)
この実施形態では、図17に示すように、支持基板10へチップ20を接着するための接着剤として、接着テープ35を用いる。図18に示すように、この接着テープ35は、シート状の芯材36と、この芯材36の表裏に塗布された接着剤37,38とを有している。この接着テープ35の一方の接着剤37は、紫外線の照射により接着力が低下する、例えば、ウレタンアクレート系オリゴマーを含有するUV剥離接着剤であり、他方の接着剤38は、紫外線の照射によっても接着力が低下しない、例えば、アクリル系共重合体からなるUV非剥離接着剤である。
【0068】
そして、この接着テープ35を用いてマスクを製造する場合は、チップ20の裏面側における角部に、接着テープ35のUV非剥離接着剤である接着剤38側を貼り付ける。次に、チップ20を位置合わせして支持基板10上に配設し、接着テープ35のUV剥離接着剤である接着剤37を貼り付ける。これにより、接着テープ35によって支持基板10にチップ20が接着固定されたマスク1を得ることができる。
【0069】
このようにして製造されたマスク1では、破損、損傷したチップ20を新たなものと交換するために、チップ20を支持基板10から剥離する際は、剥離したいチップ20の接着テープ35へ紫外線を照射する(図17参照)。
このようにすると、UV剥離接着剤である接着剤37の接着力が低下し、チップ20を支持基板10から容易にかつ選択的に剥離することができる。
なお、この第3実施形態において、接着テープ35の両方の接着剤37、38をUV剥離接着剤としても良い。また、接着テープ35の両方もしくは一方の接着剤を熱可塑性接着剤とし、レーザの照射により加熱して接着力を低下させるようにしても良い。
【0070】
また、上記の実施形態では、支持基板10からチップ20を剥離可能として新たなチップ20を接合する場合について説明したが、例えば、支持基板10に接合しているチップ20の角部を破断あるいは切断等により分離して取り外し可能とし、残留した破片が干渉しない形状の新たなチップ20を支持基板10へ接合することにより、チップの交換を行うようにしても良い。
【0071】
図19は、上述した発光材料の成膜方法を経て製造された有機EL装置の概略構成を示す模式断面図である。有機EL装置は、基板54、電極56、正孔輸送層58、発光層60,62,64などを有する。発光層60,62,64上には、電極66が形成されている。電極66は、例えば陰極電極である。本実施形態の有機EL装置は、表示装置(ディスプレイ)として好適であり、発光層60,62,64においてパターンずれが少なく膜厚分布が非常に均一化され、ムラの無い鮮やかな大画面の表示装置となることができる。
【0072】
(電子機器)
次に上記実施形態のマスクを用いて製造された電子機器について説明する。
図20(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図20(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部を示している。図20(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図20(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部、符号703は情報処理装置本体を示している。図20(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図20(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部を示している。
【0073】
図20に示す電子機器は、大画面で表示でき、鮮やかでムラがなく大きな画像を高品位に表示でき、さらに、低コストで製造することができる。
【0074】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態ではマスク1を蒸着マスクとして用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、スパッター法又はCVD法などにおけるマスクとしてマスク1を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係るマスクを示す模式斜視図である。
【図2】同上のマスクによって形成される画素パターンの配列例を示す図である。
【図3】同上のマスクの要部拡大斜視図である。
【図4】同上のマスクの要部断面図である。
【図5】同上のマスクを構成するチップの裏面図である。
【図6】支持基板へのチップの取り付け部分における断面図である。
【図7】同上のマスクを用いて形成された蒸着パターンの一例を示す平面図である。
【図8】同上のマスクを用いて形成された蒸着パターンの一例を示す平面図である。
【図9】同上のマスクを用いて形成された蒸着パターンの一例を示す平面図である。
【図10】同上のマスクの製造方法を示す模式断面図である。
【図11】同上のマスクにおける支持基板の製造方法の一例を示す模式斜視図である。
【図12】同上のマスクにおける支持基板の製造方法の一例を示す模式斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す模式断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る発光材料の成膜方法を示す模式断面図である。
【図15】第2実施形態のマスクの要部概略断面図である。
【図16】同上のマスクの要部概略断面図である。
【図17】第3実施形態のマスクの要部概略断面図である。
【図18】同上のマスクの要部拡大断面図である。
【図19】本発明の製造方法で製造された有機EL装置を示す模式断面図である。
【図20】本発明の実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1,50…マスク、10…支持基板、20…チップ、22…開口部、30,33,37,38…接着剤、31…逃げ溝、32…接着しろ、35…接着テープ、36…芯材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口部を有するチップを支持基板に複数接合してなるマスクであって、前記チップが前記支持基板から取り外し可能とされていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記チップは、前記支持基板に接着剤によって接合され、前記チップが前記接着剤による接合箇所にて剥離することにより取り外し可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記チップあるいは支持基板の少なくとも一方には、前記接着剤による接着しろの周囲に逃げ溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
前記チップは、前記支持基板に、芯材の表裏に接着剤が塗布された接着テープによって接合され、前記チップが前記接着テープによる接合箇所にて剥離可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項5】
前記接着剤は、水溶性接着剤であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマスク。
【請求項6】
前記接着剤は、熱可塑性接着剤であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマスク。
【請求項7】
前記接着剤は、紫外線の照射により接着力が低下するUV剥離接着剤であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマスク。
【請求項8】
複数の開口部を有するチップを支持基板に複数接合してなるマスクの製造方法であって、
前記支持基板に対して前記チップを取り外し可能に接合することを特徴とするマスクの製造方法。
【請求項9】
複数の開口部を有するチップを支持基板に複数接合してなるマスクの製造方法であって、
前記支持基板に対して前記チップを取り外し可能に接合し、
前記チップに不具合が生じた際に、この不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外し、不具合が生じない前記チップと交換することを特徴とするマスクの製造方法。
【請求項10】
前記チップを前記支持基板に、剥離可能な接着剤によって接合することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のマスクの製造方法。
【請求項11】
前記チップを前記支持基板に、芯材の表裏に剥離可能な接着剤が塗布された接着テープによって接合することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のマスクの製造方法。
【請求項12】
前記接着剤として、水溶性接着剤を用い、
前記水溶性接着剤を水で溶融して、不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外すことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のマスクの製造方法。
【請求項13】
前記接着剤として、熱可塑性接着剤を用い、
前記熱可塑性接着剤を加熱して、不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外すことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のマスクの製造方法。
【請求項14】
前記接着剤として、紫外線の照射により接着力が低下するUV剥離接着剤を用い、
前記UV剥離接着剤に紫外線を照射して、不具合が生じたチップを前記支持基板から取り外すことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のマスクの製造方法。
【請求項15】
請求項1から7のいずれか1項に記載のマスク、または、請求項8から14のいずれか1項に記載のマスクの製造方法で製造されたマスクを用い、被成膜面に薄膜パターンを形成することを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
【請求項16】
電気光学装置の構成層をなす薄膜パターンを形成するときに、請求項15に記載の薄膜パターンの形成方法を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−77276(P2006−77276A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260564(P2004−260564)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】