説明

マスク検査方法、マスク作製方法および半導体装置の製造方法

【課題】マスクデータに対して精度良く容易にマスク検査を行うことができるマスク検査方法を提供すること。
【解決手段】実施形態のマスク検査方法では、基板上に形成する半導体集積回路パターンに対応する原版データを作成する。その後、原版製造プロセスを模擬した原版製造シミュレーションを実施して、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成した場合の原版パターン形状に関する原版製造パターン情報を導出し、前記原版製造パターン情報が、前記原版製造プロセスに基づいて決められた所定値を満足するか否かを判定する。その後、前記原版の検査に用いる原版検査装置の光学系を模擬した原版検査シミュレーションを実施して、前記原版検査装置が前記原版を検査する際に検出する原版パターン形状に関する原版測定パターン情報を導出し、原版の検査結果が、許容範囲内であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マスク検査方法、マスク作製方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体デバイスの微細化に伴い、OPC(Optical Proximity Correction)後のマスク形状が複雑になっている。このため、従来のルールベースでのマスクデータチェックでは、マスク検査時にノイズ(マスクデータ上での擬似エラー)を出さないようマスクデータチェックを行うことが困難になってきている。
【0003】
例えば、マスクデータによってはマスク検査(実パターンに対する検査)で合格判定となるのに、マスクデータチェックのルールがパターンバリエーションに対応しきれないがためにマスクデータチェックで不合格(禁止)と判定される場合がある。そして、この場合には、マスクデータに対して最適ではない修正(不必要なOPC)をせざるを得ず、その結果リソグラフィの共通マージンが低下してしまうという問題が発生する。また、その都度OPCの条件を修正するとなると、MDP(Mask Data Preparation)の負荷が増大してしまう。このため、マスクデータに対して精度良く容易にマスク検査を行うことが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−156606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、マスクデータに対して精度良く容易にマスク検査を行うことができるマスク検査方法、マスク作製方法および半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、マスク検査方法が提供される。マスク検査方法では、基板上に形成する半導体集積回路パターンに対応する原版データを作成する。その後、原版製造プロセスを模擬した原版製造シミュレーションを前記原版データに実施して、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成した場合の原版パターン形状に関する情報を、原版製造パターン情報として導出する。そして、前記原版製造パターン情報が、前記原版製造プロセスに基づいて決められた所定値を満足するか否かを判定する。その後、前記原版の検査に用いる原版検査装置の光学系を模擬した原版検査シミュレーションを実施して、前記原版検査装置が前記原版を検査する際に検出する原版パターン形状に関する情報を、原版測定パターン情報として導出する。そして、前記原版検査パターン情報を用いて、前記原版の検査結果が、許容範囲内であるか否かを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態に係るマスク検査システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態に係るマスク検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、シミュレーション結果を示す図である。
【図4】図4は、マスクデータに対してホットスポットの有無判定が行われる位置の例を示す図である。
【図5】図5は、リソグラフィマージンを説明するための図である。
【図6】図6は、マスク描画シミュレーション装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態に係るマスク検査方法、マスク作製方法および半導体装置の製造方法を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。以下の説明では、マスクパターンのうち、データ上のパターンをマスクデータといい、マスク上に形成される実パターンをマスクパターンという。
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態に係るマスク検査システムの構成を示すブロック図である。マスク検査システム1は、マスクデータの検査を行うシステムである。マスク検査システム1は、設計レイアウト作成装置30と、マスクデータ作成装置40と、マスク描画シミュレーション装置10と、マスク検査シミュレーション装置20と、描画シミュレーション結果検証装置50と、検査シミュレーション結果検証装置60と、を有している。
【0010】
設計レイアウト作成装置30は、基板(ウエハ)に形成する半導体装置(半導体集積回路)の設計レイアウトデータを作成するコンピュータなどである。設計レイアウト作成装置30は、設計レイアウト記憶部31を備えている。設計レイアウト記憶部31は、作成された設計レイアウトデータを記憶するメモリなどである。設計レイアウト作成装置30は、マスクデータ作成装置40に設計レイアウトデータを送る。
【0011】
マスクデータ作成装置40は、設計レイアウト作成装置30が作成した設計レイアウトデータにOPC(光近接効果補正)を実行することにより、設計レイアウトデータに対応するマスクデータを作成するコンピュータなどである。マスクデータ作成装置40は、OPC条件記憶部41、マスクデータ記憶部42を備えている。OPC条件記憶部41は、OPCを行う際のOPC条件(後述するOPC条件C1)を記憶するメモリなどである。マスクデータ記憶部42は、作成されたマスクデータを記憶するメモリなどである。マスクデータ作成装置40は、OPC条件C1を用いて設計レイアウトデータからマスクデータを作成する。マスクデータ作成装置40は、作成したマスクデータをマスク描画シミュレーション装置10に送る。
【0012】
マスク描画シミュレーション装置10は、マスク(原版)上に形成されるマスクパターンを、マスクデータに基づいてシミュレーション(マスク描画シミュレーション)するコンピュータなどである。マスク描画シミュレーション装置10は、マスクを製造する際のプロセスを模擬することによってマスク描画シミュレーションを行う。
【0013】
マスク描画シミュレーション装置10は、入力部11、マスクデータ記憶部12、描画条件記憶部13、描画シミュレーション部14、出力部15を備えている。入力部11は、マスクデータ作成装置40が作成したマスクデータを入力して、マスクデータ記憶部12に送る。また、入力部11は、設計者から入力される描画条件(後述する描画条件C2)や描画条件C2の変更内容を入力し、描画条件記憶部13に送る。
【0014】
マスクデータ記憶部12、描画条件記憶部13は、それぞれマスクデータ、描画条件を記憶するメモリなどである。マスクデータ記憶部12は、新たなマスクデータが送られてきた場合には、現在のマスクデータを新たなマスクデータに置き換える(上書きする)。描画条件記憶部13は、新たな描画条件C2が送られてきた場合には、現在の描画条件C2を新たな描画条件C2に置き換える(上書きする)。なお、新たなマスクデータへの置き換えは、マスクデータの一部であってもよいし全部であってもよい。また、新たな描画条件C2への置き換えは、描画条件C2の一部であってもよいし全部であってもよい。また、古いマスクデータをマスクデータ記憶部12内に残しておいてもよい。さらに、古い描画条件C2を描画条件記憶部13内に残しておいてもよい。
【0015】
描画シミュレーション部14は、描画条件記憶部13内の描画条件C2と、マスクデータ記憶部12内のマスクデータと、を用いて、マスク描画シミュレーションを行う。マスク描画シミュレーションは、マスクデータに対応するマスクパターンをマスク上に形成した場合のマスクパターンを導出するシミュレーションである。描画シミュレーション部14は、導出したマスクパターン(マスク描画シミュレーション結果)を、出力部15に送る。出力部15は、マスク描画シミュレーション結果を、描画シミュレーション結果検証装置50に送る。
【0016】
描画シミュレーション結果検証装置50は、マスク描画シミュレーション結果に基づいて、マスクパターン内にホットスポットが存在するか否かを検査するコンピュータなどである。ホットスポットは、マスクパターン不良となる確率が所定値よりも高い箇所である。換言すると、ホットスポットは、ウエハ上にパターン形成した場合にパターン形成不良(パターンの断線やショートなど)となる可能性が所定値よりも高い箇所である。ホットスポットであるか否かの判定基準は、マスク製造プロセスに基づいて決められる。マスクパターンが、判定基準となる所定値を満足しない場合に、このマスクパターンがホットスポットとなる。ここでのホットスポットは、マスク描画シミュレーションに基づいて検出されるホットスポットであり、以下の説明ではマスク描画ホットスポットという。
【0017】
描画シミュレーション結果検証装置50は、描画シミュレーション結果を検証した際に、マスク描画ホットスポットを検出すると、このマスク描画ホットスポットの位置を外部装置(表示装置など)に出力する。また、描画シミュレーション結果検証装置50は、描画シミュレーション結果を検証した際に、マスク描画ホットスポットを検出しなければ、描画シミュレーション結果をマスク情報としてマスク検査シミュレーション装置20に送る。
【0018】
マスク検査シミュレーション装置20は、マスク検査装置(マスクパターンの検査を行なう装置)が観測するマスクパターンを、描画シミュレーション結果に基づいてシミュレーション(マスク検査シミュレーション)するコンピュータなどである。マスク検査シミュレーション装置20は、マスクパターンを検査する際のマスク検査装置の光学系などを模擬することによってマスク検査シミュレーションを行う。
【0019】
マスク検査シミュレーション装置20は、入力部21、マスク情報記憶部22、検査条件記憶部23、検査シミュレーション部24、出力部25を備えている。入力部21は、マスク検査シミュレーション装置20からのマスク情報(描画シミュレーション結果)を入力して、マスク情報記憶部22に送る。また、入力部21は、設計者から入力される検査条件(後述する検査条件C3)や検査条件C3の変更内容を入力し、検査条件記憶部23に送る。
【0020】
マスク情報記憶部22、検査条件記憶部23は、それぞれマスクパターン、検査条件C3を記憶するメモリなどである。マスク情報記憶部22は、新たなマスク情報が送られてきた場合には、現在のマスク情報を新たなマスク情報に置き換える(上書きする)。検査条件記憶部23は、新たな検査条件C3が送られてきた場合には、現在の検査条件C3を新たな検査条件C3に置き換える(上書きする)。なお、新たなマスク情報への置き換えは、マスク情報の一部であってもよいし全部であってもよい。また、新たな検査条件C3への置き換えは、検査条件C3の一部であってもよいし全部であってもよい。また、古いマスク情報をマスク情報記憶部22内に残しておいてもよい。さらに、古い検査条件C3を検査条件記憶部23内に残しておいてもよい。
【0021】
検査シミュレーション部24は、検査条件記憶部23内の検査条件C3と、マスク情報記憶部22内のマスクパターンと、を用いて、マスク検査シミュレーションを行う。マスク検査シミュレーションは、描画シミュレーション結果(マスクパターン)をマスク上に形成した場合にマスク検査装置で観察されるマスクパターンを導出するシミュレーションである。検査シミュレーション部24は、導出した検査対象としてのマスクパターン(マスク検査シミュレーション結果)を、出力部15に送る。出力部15は、マスク検査シミュレーション結果を、検査シミュレーション結果検証装置60に送る。
【0022】
検査シミュレーション結果検証装置60は、マスク検査シミュレーション結果に基づいて、マスクパターン内にホットスポットが存在するか否かを検査するコンピュータなどである。ここでのホットスポットは、マスク検査装置がホットスポットであると判定するホットスポットであり、以下の説明ではマスク検査ホットスポットという。
【0023】
検査シミュレーション結果検証装置60は、検査シミュレーション結果を検証した際に、マスク検査ホットスポットを検出すると、このマスク検査ホットスポットの位置を外部装置(表示装置など)に出力する。また、検査シミュレーション結果検証装置60は、検査シミュレーション結果を検証した際に、マスク検査ホットスポットを検出しなければ、マスク検査ホットスポットを検出しなかったことをマスクデータ作成装置40に通知する。
【0024】
描画シミュレーション結果検証装置50や検査シミュレーション結果検証装置60が抽出したマスク描画ホットスポットの位置、マスク検査ホットスポットの位置が表示装置などに表示されると、設計者によってマスク製造プロセス条件(OPC条件C1や描画条件C2など)、検査条件C3、設計レイアウトの少なくとも1つが変更される。
【0025】
また、検査シミュレーション結果検証装置60からマスクデータ作成装置40に、マスク検査ホットスポットを検出しなかったことが通知されると、マスクデータ記憶部42が記憶している最新のマスクデータがマスクの製造に用いられる。
【0026】
つぎに、実施形態に係るマスク検査処理の処理手順について説明する。図2は、実施形態に係るマスク検査処理の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態では、マスク検査処理の際に、OPC後のマスクデータに対してマスク描画シミュレーションを実施し、その後、マスク描画ホットスポットを検出する。さらに、マスク検査シミュレーションを実施して、マスク検査ホットスポットを検出する。そして、マスク描画ホットスポットやマスク検査ホットスポットを検出した場合には、エラー個所を修正する。
【0027】
以下、図2のフローチャートに従って、マスク検査処理の詳細な処理手順を説明する。設計レイアウト作成装置30は、ウエハに形成する半導体装置の設計レイアウトデータを作成し(ステップS10)、設計レイアウト記憶部31に記憶させる。設計レイアウト作成装置30は、設計レイアウトデータをマスクデータ作成装置40に送る。
【0028】
マスクデータ作成装置40は、設計レイアウト作成装置30が作成した設計レイアウトデータにOPCを実行することにより、設計レイアウトデータに対応するマスクデータを作成し(ステップS20)、マスクデータ記憶部42に記憶させる。このとき、マスクデータ作成装置40は、OPC条件記憶部41内のOPC条件C1を用いて設計レイアウトデータからマスクデータを作成する。マスクデータ作成装置40は、マスクデータをマスク描画シミュレーション装置10に送る。
【0029】
マスク描画シミュレーション装置10の入力部11は、マスクデータ作成装置40が作成したマスクデータを入力して、マスクデータ記憶部12に記憶させる。描画シミュレーション部14は、描画条件記憶部13内の描画条件C2と、マスクデータ記憶部12内のマスクデータと、を用いて、マスク描画シミュレーションを行う(ステップS30)。描画シミュレーション部14は、導出したマスク描画シミュレーション結果(マスクパターン)を、出力部15に送る。出力部15は、マスク描画シミュレーション結果を描画シミュレーション結果検証装置50に送る。
【0030】
描画シミュレーション結果検証装置50は、マスク描画シミュレーション結果に基づいて、マスクパターン内からマスク描画ホットスポットを抽出する(ステップS40)。例えば、描画シミュレーション結果検証装置50は、マスク描画シミュレーション結果が、マスク製造プロセスに基づいて決められた所定値(スペック)を満足するか否かに基づいてマスク病がホットスポットを抽出する。
【0031】
描画シミュレーション結果検証装置50は、マスク描画ホットスポットが存在する場合には(ステップS50、Yes)、このマスク描画ホットスポットの位置を表示装置などに表示させる。これにより、設計者によって描画条件C2、OPC条件C1、設計レイアウトデータの少なくとも1つが変更される。
【0032】
(設計レイアウトデータの変更)
設計レイアウトデータを変更する場合には、ステップS10〜S50の処理が繰り返される。具体的には、マスクデータ作成装置40が設計レイアウトデータを再作成し(ステップS20)、マスクデータ作成装置40に送る。そして、マスクデータ作成装置40が、再作成された設計レイアウトデータにOPCを実行することにより、設計レイアウトデータに対応するマスクデータを再作成し(ステップS20)、マスクデータ記憶部42に記憶させる。さらに、マスク描画シミュレーション装置10は、再作成されたマスクデータをマスクデータ記憶部12に上書きする。そして、マスク描画シミュレーション装置10は、マスクデータ記憶部12内の新たなマスクデータを用いて、マスク描画シミュレーションを行う(ステップS30)。さらに、描画シミュレーション結果検証装置50は、マスク描画シミュレーション結果に基づいて、マスクパターン内からマスク描画ホットスポットを抽出する(ステップS40)。
【0033】
(OPC条件C1の変更)
また、OPC条件C1が変更される場合には、設計者によってOPC条件C1が変更される(ステップS51)。そして、変更後のOPC条件C1がOPC条件記憶部41内に上書きされた後、ステップS20〜S50の処理が繰り返される。具体的には、マスクデータ作成装置40が、最新の設計レイアウトデータに対して、OPC条件記憶部41内の最新のOPC条件C1でOPCを実行することにより、設計レイアウトデータに対応するマスクデータを再作成し(ステップS20)、マスクデータ記憶部42に記憶させる。そして、ステップS30〜S50の処理が行われる。
【0034】
(描画条件C2の変更)
また、描画条件C2が変更される場合には、設計者によって描画条件C2が変更される(ステップS52)。そして、変更後の描画条件C2が描画条件記憶部13内に上書きされた後、ステップS30〜S50の処理が繰り返される。具体的には、マスク描画シミュレーション装置10は、マスクデータ記憶部12内の最新のマスクデータと、描画条件記憶部13内の最新の描画条件C2と、を用いて、マスク描画シミュレーションを行う(ステップS30)。そして、ステップS40,S50の処理が行われる。
【0035】
マスク検査システム1では、描画シミュレーション結果検証装置50がマスク描画ホットスポットを抽出しなくなるまで、S10〜S50の処理、ステップS51,S20〜S50の処理、ステップS52,S30〜S50の処理の何れかが繰り返される。
【0036】
マスク描画ホットスポットが存在しなくなると(ステップS50、No)、描画シミュレーション結果検証装置50は、描画シミュレーション結果をマスク情報としてマスク検査シミュレーション装置20に送る。なお、マスク描画ホットスポットが存在しなくなった場合のマスク描画シミュレーション結果が、マスク描画(マスク製造)の限界となる。
【0037】
マスク検査シミュレーション装置20の入力部21は、マスク検査シミュレーション装置20からのマスク情報(描画シミュレーション結果)を入力して、マスク情報記憶部22に記憶させる。
【0038】
検査シミュレーション部24は、検査条件記憶部23内の検査条件C3と、マスク情報記憶部22内のマスクパターンと、を用いて、マスク検査シミュレーションを行う(ステップS60)。検査シミュレーション部24は、導出したマスクパターン(マスク検査シミュレーション結果)を、出力部15に送る。出力部15は、マスク検査シミュレーション結果を、検査シミュレーション結果検証装置60に送る。
【0039】
検査シミュレーション結果検証装置60は、マスク検査シミュレーション結果に基づいて、マスクパターン内からマスク検査ホットスポットを抽出する(ステップS70)。検査シミュレーション結果検証装置60は、マスク検査ホットスポットが存在する場合には(ステップS80、Yes)、このマスク検査ホットスポットの位置を表示装置などに表示させる。これにより、設計者によって検査条件C3、描画条件C2、OPC条件C1、設計レイアウトデータの少なくとも1つが変更される(ステップS51,S52,S81)。描画条件C2、OPC条件C1、設計レイアウトデータは、それぞれ前述した描画条件C2の変更処理、OPC条件C1の変更処理、設計レイアウトデータの変更処理と同様の処理によって変更される。
【0040】
(検査条件C3の変更)
検査条件C3を変更する場合には、設計者によって検査条件C3が変更される(ステップS81)。そして、変更後の検査条件C3が検査条件記憶部23内に上書きされた後、ステップS60〜S80の処理が繰り返される。具体的には、マスク検査シミュレーション装置20は、検査条件記憶部23内の最新の検査条件C3と、マスク情報記憶部22内の最新のマスクパターンと、を用いて、マスク検査シミュレーションを行う(ステップS60)。検査シミュレーション結果検証装置60は、マスク検査シミュレーション結果に基づいて、マスクパターン内からマスク検査ホットスポットを抽出する(ステップS70)。
【0041】
検査シミュレーション結果検証装置60は、例えば、マスク検査シミュレーション結果と、参照画像と、を比較し、マスク検査シミュレーション結果と参照画像との寸法差が、許容範囲外となるパターンをマスク検査ホットスポットとして抽出する。ここでの参照画像は、マスクデータに所定の許容範囲(寸法余裕度)を与えたパターンである。また、検査シミュレーション結果検証装置60は、マスク検査シミュレーション結果が、マスク製造プロセスに基づいて決められた所定値(スペック)を満足するか否かに基づいてマスク検査ホットスポットを抽出してもよい。
【0042】
なお、マスク検査シミュレーション結果を参照画像に設定し、マスク検査シミュレーション結果と、実際にマスクパターンをマスク検査装置で観察した場合のマスクパターンと、を比較し、比較結果に基づいてマスク検査ホットスポットを抽出してもよい。
【0043】
マスク検査システム1では、検査シミュレーション結果検証装置60がマスク検査ホットスポットを抽出しなくなるまで、S10〜S80の処理、ステップS51,S20〜S80の処理、ステップS52,S30〜S80の処理、ステップS81,S60〜S80の処理の何れかが繰り返される。
【0044】
マスク検査ホットスポットが存在しなくなると(ステップS80、No)、検査シミュレーション結果検証装置60は、マスク検査ホットスポットを検出しなかったことをマスクデータ作成装置40に通知する。これにより、マスクデータ作成装置40内のマスクデータ記憶部42内で記憶している最新のマスクデータが、マスクの作製に用いられることとなる。なお、マスク検査ホットスポットが存在しなくなった場合のマスク検査シミュレーション結果が、マスク検査(異常パターン検出)の限界となる。
【0045】
なお、マスク検査シミュレーションには、マスク描画シミュレーション結果の代わりにマスクデータを用いてもよい。この場合、マスク情報は、マスクデータであり、マスク描画シミュレーション装置10からマスク検査シミュレーション装置20へ、マスク情報としてのマスクデータが送られる。
【0046】
図3は、シミュレーション結果を示す図である。図3の(a)は、マスクデータ51の一例を上面図で示している。図3の(b)は、図3の(a)に示したマスクデータ51を用いて導出されたマスク描画シミュレーション結果52の一例を上面図で示している。また、図3の(c)は、図3の(b)に示したマスク描画シミュレーション結果52を用いて導出されたマスク検査シミュレーション結果53の一例を上面図で示している。
【0047】
マスクパターンによってはマスク検査(実パターンに対する検査)で合格判定となるのに、マスクデータを用いたマスクデータチェック(ルールベースでのマスクデータの最小寸法チェック)で不合格となるマスクパターンがある。例えば、図3の(a)に示すマスクデータ51を用いてマスクデータチェックを行うと、実パターンでは合格判定となるのに、マスクデータチェックが不正確なせいで不合格と判定される箇所(不良領域61)が発生する場合がある。
【0048】
マスク描画シミュレーション結果52は、マスクデータ51に対応するマスクパターンをマスク上に形成した場合のマスクパターン(予想パターン)であり、マスクを製造する際のプロセスを模擬することによって導出されている。このため、マスク描画シミュレーション結果52のマスクパターンの方が、マスクデータ51のマスクパターンよりも実際のマスクパターンに近い形状となっている。そして、本実施形態では、マスク描画シミュレーション結果52からマスク描画ホットスポットを検出しているので、精度良くマスク描画ホットスポットの有無を検査することが可能となる。
【0049】
このため、例えば、マスクデータを用いた検査では不良領域61となる場合であっても、マスク描画シミュレーション結果52を用いた検査では合格領域62となる場合がある。なお、マスク描画シミュレーション結果52上の合格領域62の位置は、マスクデータ上の不良領域61の位置に対応している。
【0050】
マスク検査シミュレーション結果53は、マスク描画シミュレーション結果52に対応するマスクパターンをマスク検査装置で観察した場合のマスクパターン(予想パターン)であり、マスク検査装置の光学系を模擬することによって導出されている。このため、マスク検査シミュレーション結果53のマスクパターンは、実際に検査装置で観察されるマスクパターンと同様の形状を有している。そして、本実施形態では、マスク検査シミュレーション結果53がスペックを満たしているか否かに基づいて、マスク検査シミュレーション結果53からマスク検査ホットスポットを検出しているので、精度良くマスク検査ホットスポットの有無を検査することが可能となる。なお、マスク検査シミュレーション結果53上の合格領域63の位置は、マスクデータ上の不良領域61の位置に対応している。
【0051】
図4は、マスクデータに対してホットスポットの有無判定が行われる位置の例を示す図である。マスクデータ70では、例えばパターン領域72A,72Bでの寸法71A,71Bが許容範囲内であるか否かが判定される。例えば、マスクデータ70に対して、ルールベースでのマスクデータチェックを行うと、パターン領域72A,72Bがホットスポットとなる場合がある。一方、マスクデータ70に対して描画シミュレーションを行った場合のマスク描画シミュレーション結果に対して、マスク描画ホットスポットを検査すると、パターン領域72A,72Bが正常点となる場合がある。パターン領域72A,72Bがホットスポットであると判断された場合には、パターン領域72A,72Bのマスクデータに対して最適ではない修正(不必要なOPC)がされることとなる。その結果リソグラフィの共通マージンが低下してしまうという問題がある。
【0052】
図5は、リソグラフィマージンを説明するための図である。図5の(a)では、パターン領域72Bに対して不必要なOPCパターン修正を行なった場合のリソグラフィマージンを示している。また、図5の(b)では、パターン領域72A,72Bに対してパターン修正を行わなかった場合のリソグラフィマージンを示している。
【0053】
図5の(a),(b)は、ともに横軸が露光量であり、縦軸がフォーカス位置である。また、図5の(a)に示すリソグラフィマージン領域85A,85Bは、それぞれパターン領域72A,72Bでのリソグラフィマージンであり、図5の(b)に示す領域87A,87Bは、それぞれパターン領域72A,72Bでのリソグラフィマージンである。リソグラフィマージン領域85A,85B,87A,87Bは、露光量の許容範囲とフォーカス位置の許容範囲とによって規定されるリソグラフィに関する許容範囲である。
【0054】
パターン領域72Bに対して不必要なOPCパターン修正を行なった場合、リソグラフィマージン領域85Bがリソグラフィマージン領域85Aと離れてしまい、リソグラフィマージン領域85A,85Bの共通領域86が狭くなる。このことは、パターン領域72A,72Bを露光する際のリソグラフィマージンが小さくなることを意味している。
【0055】
一方、パターン領域72Bに対して不必要なOPCパターン修正を行なっていない場合、リソグラフィマージン領域87Bは、リソグラフィマージン領域87Aの近くにある。このため、リソグラフィマージン領域87A,87Bの共通領域88は広いままである。このことは、パターン領域72A,72Bを露光する際のリソグラフィマージンが大きいままであることを意味している。このように、本実施形態では、不必要なOPCパターン修正を防止できるので、リソグラフィ条件(露光量、フォーカス位置など)を最適化することが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態で検査するマスクデータは、光マスクのマスクデータ、EUVマスクのマスクデータ、NIL(Nano Imprint Lithography)などのインプリントリソグラフィで用いられるマスク(テンプレート)のマスクデータの何れでもよい。
【0057】
また、本実施形態では、マスク描画ホットスポットやマスク検査ホットスポットが存在する場合に、設計レイアウトデータ、OPC条件C1、描画条件C2、検査条件C3などを変更したが、マスクデータ、ウエハ製造プロセス条件、OPC条件C1や描画条件C2以外のマスク製造プロセス条件の少なくとも1つを変更してもよい。
【0058】
このように、本実施形態ではマスク描画シミュレーション、マスク検査シミュレーションにより、マスクの製造限界、マスクの検査限界を考慮してマスクデータを判定している。そして、マスク描画ホットスポットやマスク検査ホットスポットが存在しなくなるよう、種々の条件などを変更しているので、リソグラフィ条件、OPCまたはSMO(Source Mask Optimization)が最適化されることとなる。
【0059】
また、マスク描画ミュレーション、マスク検査シミュレーションによってノイズチェック精度を向上させ、不要なOPC修正を無くしているので、リソグラフィマージンの低減を防止することが可能となる。
【0060】
マスク検査システム1によるマスクデータの検査は、例えばウエハプロセスのレイヤ毎に行われる。そして、必要に応じて修正されたマスクデータに、必要に応じて変更されたOPC条件C1、描画条件C2、検査条件C3、マスク製造プロセス条件を適用して、マスクが作製される。そして、必要に応じて変更されたウエハ製造プロセス条件で、ウエハ上にパターン形成が行われる。
【0061】
具体的には、ウエハ上に成膜処理などが行われた後、ウエハ上にレジストが塗布される。そして、レジストの塗布されたウエハに、マスクを用いて露光が行なわれ、その後ウエハを現像してウエハ上にレジストパターンが形成される。そして、レジストパターンをマスクとしてウエハの下層側がエッチングされ。これにより、レジストパターンに対応する実パターンがウエハ上に形成される。半導体装置を製造する際には、上述したマスクデータの判定、マスクデータの修正、マスクおよび半導体装置を製造する際の種々の条件の変更、マスクの作製、マスクを用いたウエハへの露光処理、ウエハへの現像処理、ウエハへのエッチング処理などがレイヤ毎に繰り返される。
【0062】
つぎに、マスク描画シミュレーション装置10とマスク検査シミュレーション装置20のハードウェア構成について説明する。なお、マスク描画シミュレーション装置10とマスク検査シミュレーション装置20は同様のハードウェア構成を有しているので、ここではマスク描画シミュレーション装置10のハードウェア構成について説明する。
【0063】
図6は、マスク描画シミュレーション装置のハードウェア構成を示す図である。マスク描画シミュレーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、表示部94、入力部95を有している。マスク描画シミュレーション装置10では、これらのCPU91、ROM92、RAM93、表示部94、入力部95がバスラインを介して接続されている。
【0064】
CPU91は、コンピュータプログラムである描画シミュレーションプログラム97を用いてマスク描画シミュレーションを行う。表示部94は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU91からの指示に基づいて、マスクデータ、描画条件、マスク描画シミュレーション結果などを表示する。入力部95は、マウスやキーボードを備えて構成され、使用者から外部入力される指示情報(描画シミュレーションに必要なパラメータ等)を入力する。入力部95へ入力された指示情報は、CPU91へ送られる。
【0065】
描画シミュレーションプログラム97は、ROM92内に格納されており、バスラインを介してRAM93へロードされる。図6では、描画シミュレーションプログラム97がRAM93へロードされた状態を示している。
【0066】
CPU91はRAM93内にロードされた描画シミュレーションプログラム97を実行する。具体的には、マスク描画シミュレーション装置10では、使用者による入力部95からの指示入力に従って、CPU91がROM92内から描画シミュレーションプログラム97を読み出してRAM93内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。CPU91は、この各種処理に際して生じる各種データをRAM93内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
【0067】
マスク描画シミュレーション装置10で実行される描画シミュレーションプログラム97は、描画シミュレーション部14を含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置上にロードされ、これらが主記憶装置上に生成される。
【0068】
このように実施形態によれば、マスク描画シミュレーション結果に基づいて、マスク描画ホットスポットを検査するので、精度良く容易にマスク描画ホットスポットを抽出できる。また、マスク検査シミュレーション結果に基づいて、マスク検査ホットスポットを検査するので、精度良く容易にマスク描画ホットスポット抽出できる。したがって、マスクデータに対して精度良く容易にマスク検査を行うことが可能となり、高精度なマスクデータを容易に提供することが可能となる。
【0069】
また、正確にマスク描画ホットスポット、マスク検査ホットスポットを判定することができるので、不要なマスクデータの修正や不要な条件変更などを防止できる。したがって、リソグラフィマージンの低下を防止することが可能となり、マスクの製造負荷を低減することが可能となる。
【0070】
また、マスク描画シミュレーション結果を用いて、マスク検査シミュレーションを行っているので、精度良く容易にマスク検査ホットスポット抽出できる。したがって、マスクの検査負荷を低減することが可能になる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…マスク検査システム、10…マスク描画シミュレーション装置、12…マスクデータ記憶部、13…描画条件記憶部、14…描画シミュレーション部、20…マスク検査シミュレーション装置、22…マスク情報記憶部、23…検査条件記憶部、24…検査シミュレーション部、30…設計レイアウト作成装置、40…マスクデータ作成装置、41…OPC条件記憶部、42…マスクデータ記憶部、50…描画シミュレーション結果検証装置、60…検査シミュレーション結果検証装置、C1…OPC条件、C2…描画条件、C3…検査条件。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成する半導体集積回路パターンに対応する原版データを作成する原版データ作成ステップと、
原版製造プロセスを模擬した原版製造シミュレーションを前記原版データに実施して、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成した場合の原版パターン形状に関する情報を、原版製造パターン情報として導出する原版製造パターン導出ステップと、
前記原版製造パターン情報が、前記原版製造プロセスに基づいて決められた所定値を満足するか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記原版の検査に用いる原版検査装置の光学系を模擬した原版検査シミュレーションを実施して、前記原版検査装置が前記原版を検査する際に検出する原版パターン形状に関する情報を、原版測定パターン情報として導出する原版検査パターン導出ステップと、
前記原版検査パターン情報を用いて、前記原版の検査結果が、許容範囲内であるか否かを判定する第2の判定ステップと、
を含むことを特徴とするマスク検査方法。
【請求項2】
前記原版検査シミュレーションは、前記原版データまたは前記原版製造シミュレーションのシミュレーション結果を用いて実施されることを特徴とする請求項1に記載のマスク検査方法。
【請求項3】
前記第2の判定ステップでは、
前記原版検査パターン情報が、前記原版製造プロセスに基づいて決められた所定値を満足するか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載のマスク検査方法。
【請求項4】
前記第2の判定ステップでは、前記原版測定パターン情報を、前記原版を検査する際の参照画像に設定し、設定した参照画像と、前記原版パターンを実際に測定した測定結果と、を比較し、比較結果に基づいて、前記原版の検査結果が、許容範囲内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載のマスク検査方法。
【請求項5】
前記原版データは、光マスクのマスクデータ、EUVマスクのマスクデータまたはインプリントリソグラフィで用いられるマスクのマスクデータであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のマスク検査方法。
【請求項6】
基板上に形成する半導体集積回路パターンに対応する原版データを作成する原版データ作成ステップと、
原版製造プロセスを模擬した原版製造シミュレーションを前記原版データに実施して、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成した場合の原版パターン形状に関する情報を、原版製造パターン情報として導出する原版製造パターン導出ステップと、
前記原版製造パターン情報が、前記原版製造プロセスに基づいて決められた所定値を満足するか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記原版の検査に用いる原版検査装置の光学系を模擬した原版検査シミュレーションを実施して、前記原版検査装置が前記原版を検査する際に検出する原版パターン形状に関する情報を、原版測定パターン情報として導出する原版検査パターン導出ステップと、
前記原版検査パターン情報が、前記所定値を満足するか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成する原版形成ステップと、
を含み、
前記原版製造パターン情報が前記所定値を満足しない場合に、前記所定値を満足するよう、前記半導体集積回路パターン、前記原版データおよび前記原版製造プロセスのプロセス条件の少なくとも1つを変更し、
前記原版検査パターン情報が前記所定値を満足しない場合に、前記所定値を満足するよう、前記半導体集積回路パターンの設計レイアウトデータ、前記原版データ、前記原版製造プロセスのプロセス条件および前記原版の検査条件の少なくとも1つを変更することを特徴とするマスク作製方法。
【請求項7】
前記原版製造プロセスのプロセス条件は、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成する際の原版描画に関する条件および原版加工プロセスに関する条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のマスク作製方法。
【請求項8】
基板上に形成する半導体集積回路パターンに対応する原版データを作成する原版データ作成ステップと、
原版製造プロセスを模擬した原版製造シミュレーションを前記原版データに実施して、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成した場合の原版パターン形状に関する情報を、原版製造パターン情報として導出する原版製造パターン導出ステップと、
前記原版製造パターン情報が、前記原版製造プロセスに基づいて決められた所定値を満足するか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記原版の検査に用いる原版検査装置の光学系を模擬した原版検査シミュレーションを実施して、前記原版検査装置が前記原版を検査する際に検出する原版パターン形状に関する情報を、原版測定パターン情報として導出する原版検査パターン導出ステップと、
前記原版検査パターン情報が、前記所定値を満足するか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成する原版形成ステップと、
前記原版パターンを基板上に転写することによって前記半導体集積回路パターンを形成する回路パターン形成ステップと、
を含み、
前記原版製造パターン情報が前記所定値を満足しない場合に、前記所定値を満足するよう、前記半導体集積回路パターン、前記原版データ、前記原版製造プロセスのプロセス条件および前記基板上に形成する半導体集積回路パターンの製造プロセス条件の少なくとも1つを変更し、
前記原版検査パターン情報が前記所定値を満足しない場合に、前記所定値を満足するよう、前記半導体集積回路パターンの設計レイアウトデータ、前記原版データ、前記原版製造プロセスのプロセス条件、前記基板上に形成する半導体集積回路パターンの製造プロセス条件および前記原版の検査条件の少なくとも1つを変更することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記原版製造プロセスのプロセス条件は、前記原版データに対応する原版パターンを原版上に形成する際の原版描画に関する条件および原版加工プロセスに関する条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−252055(P2012−252055A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122567(P2011−122567)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】