マスク製造用装置
【課題】マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能なマスク製造用装置を提供する。
【解決手段】マスク製造用装置は、メッシュ値を有する複数のメッシュからなるマップデータを取得するマップデータ取得部(221)と、マップデータを表示するための表示画面を有する表示部(204)と、表示画面のピクセルサイズよりも大きい擬似ピクセルサイズを設定する設定部(222)と、表示画面上のピクセルを擬似ピクセルにグループ化するグループ化部(223)と、表示画面上におけるメッシュのメッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍(αは正の定数)よりも小さい場合に、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値の平均値を算出する平均値算出部(224)と、擬似ピクセル内の各ピクセルを、平均値に対応する表示色で表示することにより、表示画面上にマップデータを表示する表示処理部(225)とを備える。
【解決手段】マスク製造用装置は、メッシュ値を有する複数のメッシュからなるマップデータを取得するマップデータ取得部(221)と、マップデータを表示するための表示画面を有する表示部(204)と、表示画面のピクセルサイズよりも大きい擬似ピクセルサイズを設定する設定部(222)と、表示画面上のピクセルを擬似ピクセルにグループ化するグループ化部(223)と、表示画面上におけるメッシュのメッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍(αは正の定数)よりも小さい場合に、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値の平均値を算出する平均値算出部(224)と、擬似ピクセル内の各ピクセルを、平均値に対応する表示色で表示することにより、表示画面上にマップデータを表示する表示処理部(225)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置等のマスク製造用装置に係り、例えば、マップデータを表示する表示部を備えるマスク製造用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ技術は、半導体デバイスの微細化の進展を担う重要な技術である。近年、半導体デバイスに要求される回路線幅は、年々微細化されている。そのため、半導体製造プロセスのリソグラフィ工程では、高精度のマスクパターンを有するフォトマスクが必要とされている。
【0003】
このようなフォトマスクは、例えば、電子ビーム描画技術(荷電粒子ビーム描画技術)により作製可能である。電子ビーム描画技術は、優れた解像性を有しており、高精度のマスクパターンを作製するのに適している。
【0004】
図14は、従来の可変成形型の電子ビーム描画装置301の構成を示す概略的な機器構成図である。
【0005】
第1のアパーチャ313には、電子ビーム源311から照射された電子ビーム312を成形するための第1の開口314が設けられている。第1の開口314は、矩形の形状を有している。また、第2のアパーチャ315には、第1の開口314を通過した電子ビーム312を所望の矩形形状に成形するための第2の開口316が設けられている。第2の開口316は、可変成形開口と呼ばれる。
【0006】
電子ビーム源311から照射された電子ビーム312は、第1の開口314を通過し、偏向器により偏向され、第2の開口316の一部を通過した後、ステージ318上に設置された試料317の描画領域に照射される。試料317は、例えば、フォトマスク作製用のマスクブランクスである。このように、電子ビーム312を第1の開口314と第2の開口316の両方を通過させて、任意の形状に成形する方式を、可変成形方式という(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0007】
以下、従来の電子ビーム描画装置301の問題点について説明する。
【0008】
電子ビーム描画装置301の中には、照射量マップ等のマップデータを表示するための表示部(ビューワ)を備えるものが存在する。この場合、マップデータのデータ規模が大きくなると、マップデータの表示に時間がかかるという問題がある。
【0009】
従来のマップデータは比較的データ規模が小さく(例えば数GB)、特にマップデータの表示の高速化を考える必要はなかった。しかしながら、近年、徐々に大規模なマップデータ(例えば数100GB)が作成されており、今後もさらにデータ規模が増加すると予想される。
【0010】
このような大規模なマップデータを取り扱う場合、マップデータ内の広い範囲を画面上に表示する際に、画面上の1ピクセル中に多数のメッシュが配置されるため、上述のように、マップデータの表示に時間がかかるという問題が生じる。かといって、高速化のために、1ピクセル中の全メッシュを読み込まずに、一部のメッシュのみを読み込む処理を採用すると、読み込んだメッシュ以外のメッシュのメッシュ情報が欠落し、表示が不正確となる場合があると予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−231446号公報
【特許文献2】特開2010−73909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能な荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置等のマスク製造用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様であるマスク製造用装置は、メッシュ値を有する複数のメッシュからなるマップデータを取得するマップデータ取得部と、マップデータを表示するための表示画面を有する表示部と、表示画面のピクセルサイズよりも大きい擬似ピクセルサイズを設定する設定部と、表示画面上のピクセルを擬似ピクセルにグループ化するグループ化部と、表示画面上におけるメッシュのメッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍(αは正の定数)よりも小さい場合に、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値の平均値を算出する平均値算出部と、擬似ピクセル内の各ピクセルを、平均値に対応する表示色で表示することにより、表示画面上にマップデータを表示する表示処理部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
なお、上述した平均値算出部は、平均値として、各擬似ピクセル内の一部のメッシュのメッシュ値の平均値を算出することが望ましい。
【0015】
また、上述した平均値算出部は、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値を順番に読み込み、読み込みの際に、N回目(Nは2以上の整数)のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、1回目に読み込んだメッシュ値から、現在のi回目(iはN以上の整数)に読み込んだメッシュ値までの平均値を算出し、i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分が閾値よりも小さいか否かを判断し、差分がi回目までm回(mは2以上の整数)連続して閾値よりも小さい場合、i回目の平均値を、表示画面上に表示するための平均値として採用することが望ましい。
【0016】
さらにまた、上述したi回目の平均値とi−1回目の平均値との差分と比較するための閾値は、i回目の平均値に依存する値であることが望ましい。
【0017】
さらに、上述した平均値算出部は、平均値を、各メッシュのメッシュ値と、各擬似ピクセル内に含まれる各メッシュの面積とに基づいて算出することが望ましい。
【0018】
なお、上述したマスク製造用装置は、荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置に適用することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能な荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置等のマスク製造用装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態の電子ビーム描画装置の構成を示す概略的な機器構成図である。
【図2】表示画面上に表示されるマップデータについて説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【図4】面積Wnの算出方法について説明するための図である。
【図5】第2実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【図6】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図7】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図8】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図9】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図10】第3実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【図11】読み込み順序の設定方法の例を示した図である。
【図12】第3実施形態の効果について説明するための図である。
【図13】第4実施形態のマスク検査装置の構成を示す概略的な機器構成図である。
【図14】従来の電子ビーム描画装置の構成を示す概略的な機器構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態として、マスク製造用装置の代表的な電子ビーム描画装置101の構成を示す概略的な機器構成図である。
【0023】
図1の電子ビーム描画装置101は、可変成形型の電子ビーム描画装置である。図1の電子ビーム描画装置101は、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の例である。図1の電子ビーム描画装置101は、描画部111と、制御部112とを備えている。
【0024】
描画部111は、図1に示すように、試料121を設置するためのXYステージ122と、XYステージ122が収容された描画室123と、描画室123の上部に設置された電子鏡筒124とを備えている。試料121の例としては、フォトマスク作製用のマスクブランクスが挙げられる。
【0025】
また、電子鏡筒124は、電子銃141と、照明レンズ142と、第1のアパーチャ143と、投影レンズ144と、第1の偏向器145と、第2のアパーチャ146と、対物レンズ147と、第2の偏向器148とを備えている。
【0026】
電子銃141から照射された電子ビーム131は、照明レンズ142を通過し、第1のアパーチャ143に照射される。第1のアパーチャ143に照射された電子ビーム131は、第1のアパーチャ143で成形された後、投影レンズ144を通過し、第1の偏向器145により偏向され、第2のアパーチャ146の所定位置に照射される。そして、第2のアパーチャ146に照射された電子ビーム131は、第2のアパーチャ146で所望の矩形形状に成形された後、対物レンズ147を通過し、第2の偏向器148により偏向され、XYステージ122上に設置された試料121の描画領域に照射される。こうして、描画領域にパターンが描画される。
【0027】
一方、制御部112は、図1に示すように、制御計算機201と、描画データ格納部202と、擬似ピクセル表示用データ格納部203と、表示部204と、偏向制御回路211と、DAC(デジタル・アナログ変換)アンプ212とを備えている。描画データ格納部202と、擬似ピクセル表示用データ格納部203は、同じ記憶装置内に設けられていてもよいし、異なる記憶装置内に設けられていてもよい。これらの記憶装置の例としては、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)が挙げられる。
【0028】
また、制御計算機201は、マップデータ取得部221と、設定部222と、グループ化部223と、平均値算出部224と、表示処理部225と、メモリ226とを備えている。符号221〜225のブロックは、プログラムによりソフトウェア的に実現されたものでもよいし、回路によりハードウェア的に実現されたものでもよい。また、これらのブロックは、ファームウェアで実現してもよいし、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアのうちの任意の組合せにより実現してもよい。
【0029】
図1の電子ビーム描画装置101は、照射量マップ等のマップデータを表示するための表示部204を備えている。マップデータは、ブロック221〜225により行われるマップデータ表示処理により、表示部204の表示画面上に表示される。
【0030】
以下、ブロック221〜225により行われるマップデータ表示処理について、詳細に説明する。
【0031】
図2は、表示部204の表示画面上に表示されるマップデータについて説明するための図である。
【0032】
図2に示す領域RMは、マップの大きさを表す。また、図2に示す領域RCは、マップが表示されるキャンバスの大きさを表す。マップRMのうち、キャンバスRCの中の部分が、表示画面上に表示される。
【0033】
また、図2に示す符号Mは、マップデータを構成する1メッシュを表す。マップデータは、このようなメッシュMを複数有している。そして、各メッシュMは、描画データから算出されたメッシュ値を有している。メッシュ値の例としては、電子ビーム照射量などが挙げられる。
【0034】
また、図2に示す符号Pは、表示画面上の1ピクセルを表す。表示画面は、このようなピクセルPを複数有している。図2では、図面作成の便宜上、キャンバスRCが、6×5ピクセルで構成されているが、現実にはこれより多くのピクセルで構成されている。キャンバスRCは例えば、580×580ピクセルで構成される。
【0035】
図2では、各ピクセルPが、複数のメッシュMを含んでいることに留意されたい。このようなマップデータを表示する際、1ピクセルP中の全てのメッシュMを読み込み、全てのメッシュMを対応する表示色で塗りつぶすと、1ピクセルPを何度も塗りつぶすことになるため、マップデータの表示に時間がかかるという問題が生じる。本実施形態では、この問題を、以下のようなマップデータ表示方法により解決する。
【0036】
図3は、第1実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【0037】
図3(a)において、LMは、各メッシュMのメッシュサイズを表し、LPは、各ピクセルPのピクセルサイズを表す。
【0038】
本実施形態では、図3(a)に示すように、実際のピクセルPよりも大きい擬似ピクセルP’を想定し、表示画面上のピクセルPを擬似ピクセルP’にグループ化する。図3(a)には、2×2個のピクセルPをグループ化して設定された1個の擬似ピクセルP’が示されている。
【0039】
図3(a)において、k×LPは、各擬似ピクセルの擬似ピクセルサイズを表す。擬似ピクセルサイズk×LPは、実際のピクセルサイズLPよりも大きい値に設定される。よって、kは、2以上の整数である。本実施形態では、kの値は、2に設定されている。
【0040】
なお、擬似ピクセルサイズは、横方向のサイズをkX×LPに設定し、縦方向のサイズをkY×LPに設定するというように、横方向のサイズと縦方向のサイズを、別々の値に設定しても構わない。kX、kYは、kX≧1、kY≧1、及びkX≠kYを満たす整数である。
【0041】
次に、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出する。平均値Aは、次の式(1)で求められる。
A = (ΣP'Vn×Wn)/ΣP'Wn ・・・(1)
【0042】
式(1)において、Vnは、各メッシュMのメッシュ値を表す。また、Wnは、各擬似ピクセルP’内に含まれる各メッシュMの面積を表す。より正確には、Wnは、この面積を、1メッシュの面積で割った値を表す。よって、ピクセルP’内に全体が含まれているメッシュMでは、Wnの値は1となり、ピクセルP’内に一部が含まれているメッシュMでは、Wnの値は1よりも小さい値となる。
【0043】
なお、符号nは、メッシュ同士を区別するためのメッシュ番号を表す。また、ΣP'は、擬似ピクセルP’内のメッシュMについて和を取ることを意味する。
【0044】
次に、本実施形態では、ある擬似ピクセルP’内の平均値がAである場合、その擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で1回だけ塗りつぶす(図3(b)参照)。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0045】
なお、各ピクセルPの表示色は、どのように設定しても構わない。例えば、平均値Aに応じて、各ピクセルPの階調値を変化させてもよいし、各ピクセルの輝度値を変化させてもよい。また、各ピクセルの表示色は、カラーでもモノクロでも構わない。
【0046】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で1回だけ塗りつぶす。
【0047】
これにより、本実施形態では、各ピクセルPを何度も塗りつぶす場合に比べて、マップデータの表示を短時間で行うことができる。また、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMのメッシュ値を読み込み、これらのメッシュ値を平均値Aに反映させているため、メッシュ情報をある程度保持した精度の高いマップデータを表示させることができる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能となる。
【0049】
なお、擬似ピクセルサイズk×LPは、どのような値に設定してもよいが、kの値が大きいと、表示速度は速くなるが、マップの精度は低くなる。一方、kの値が小さいと、表示速度は遅くなるが、マップの精度は高くなる。そのため、kの値は、表示速度とマップ精度のバランスを考慮して設定することが望ましい。
【0050】
(1)面積Wnの算出方法
次に、図4を参照し、面積Wnの算出方法について説明する。図4は、面積Wnの算出方法について説明するための図である。
【0051】
図4に示すMnは、擬似ピクセルP’内に一部が含まれているメッシュを表す。図4において、(xn,yn)は、メッシュMnの座標を表す。また、(x,y)は、擬似ピクセルP’の座標を表す。
【0052】
メッシュMnが、擬似ピクセルP’内に含まれているか否かは、擬似ピクセルP’の座標(x,y)、擬似ピクセルサイズk×LP、メッシュMnの座標(x,y)、及びメッシュサイズLMから算出可能である。また、擬似ピクセルP’内に含まれているメッシュMnの面積Wnも、これらの値から算出可能である。よって、本実施形態では、平均値Aを算出する際、これらの値を利用することで、面積Wnを算出することができる。
【0053】
(2)第1実施形態におけるマップデータ表示処理の手順
次に、再び図3を参照し、第1実施形態におけるマップデータ表示処理の手順について説明する。以下の説明中で登場するブロック221〜225に関しては、図1を参照されたい。
【0054】
まず、マップデータ取得部221が、表示対象のマップデータを取得する。マップデータの例としては、描画データ格納部202内の描画データから作成された照射量マップ等が挙げられる。
【0055】
次に、設定部222が、上述したkの値を設定することで、擬似ピクセルサイズを設定する。設定部222は、擬似ピクセルサイズを、例えば、擬似ピクセル表示用データ格納部203から取得する。
【0056】
次に、グループ化部223が、表示画面上のピクセルPを、擬似ピクセルP’にグループ化する。グループ化部223は、例えば、k=2という設定に基づいて、ピクセルPを2×2個ずつグループ化する。
【0057】
なお、設定部222、グループ化部223による処理は、マップデータ取得部221による処理よりも先に行っても構わない。
【0058】
次に、平均値算出部224が、上記表示画面上におけるメッシュサイズと、擬似ピクセルサイズとを比較する。そして、平均値算出部224は、メッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍よりも小さい場合(即ち、LM<α×k×LPの場合)に、高速化表示フローに入る。
【0059】
なお、αは、上記の比較処理の閾値を決める正の定数であり、本実施形態では、α=1である。αの値は、例えば、0<α≦1の範囲内の値に設定される。例えば、α=1は、擬似ピクセルP’内に1メッシュ以上含まれるか否かの条件に相当し、α=0.5は、擬似ピクセルP’内に4メッシュ以上含まれるか否かの条件に相当する。αの値が小さくなるほど、高速化表示フローに入る条件が厳しくなる。
【0060】
高速化表示フローでは、平均値算出部224がまず、各擬似ピクセルP’内のメッシュMを読み込む。次に、平均値算出部224は、これらのメッシュMのメッシュ値Vn及び面積Wnを式(1)に代入し、平均値Aを算出する。
【0061】
そして、表示処理部225は、擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0062】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。これにより、本実施形態では、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能となる。
【0063】
以下、第1実施形態の変形例である第2から第4実施形態について説明する。第2から第4実施形態については、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0064】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【0065】
第1実施形態では、各擬似ピクセルP’内の全てのメッシュMのメッシュ値を対象に、平均値Aを算出する。これに対し、第2実施形態では、各擬似ピクセルP’内の一部のメッシュMのメッシュ値を対象に、平均値Aを算出する。図5(a)では、平均値Aを算出する際に読み込み対象となるメッシュMが、斜線で示されている。
【0066】
第2実施形態における平均値Aは、第1実施形態と同様、式(1)で求められる。ただし、第2実施形態では、ΣP'の和を、図5(a)にて斜線で示すメッシュMのみを対象として計算する。
【0067】
第2実施形態には、第1実施形態に比べ、メッシュMの読み込み時間が短く、マップデータをより高速に表示できるという利点がある。一方、第2実施形態では、第1実施形態に比べ、マップの精度が低下する可能性がある。よって、第2実施形態を採用する場合には、必要なマップ精度を確保できる程度に、読み込み対象のメッシュMの個数を減らすことが望ましい。
【0068】
(1)第2実施形態におけるマップデータ表示処理の手順
次に、引き続き図5を参照し、第2実施形態におけるマップデータ表示処理の手順について説明する。以下の説明中で登場するブロック221〜225に関しては、図1を参照されたい。
【0069】
まず、マップデータ取得部221が、表示対象のマップデータを取得する。次に、設定部222が、上述したkの値を設定することで、擬似ピクセルサイズを設定する。次に、グループ化部223が、表示部204の表示画面上のピクセルPを、擬似ピクセルP’にグループ化する。
【0070】
次に、平均値算出部224が、上記表示画面上におけるメッシュサイズと、擬似ピクセルサイズとを比較する。そして、平均値算出部224は、メッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍よりも小さい場合(即ち、LM<α×k×LPの場合)に、高速化表示フローに入る。
【0071】
高速化表示フローでは、平均値算出部224がまず、各擬似ピクセルP’内のメッシュMを読み込む。ただし、平均値算出部224は、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMではなく、平均値Aを算出する際に使用するメッシュMのみ(即ち、図5(a)にて斜線で示すメッシュMのみ)を読み込む。次に、平均値算出部224は、これらのメッシュMのメッシュ値Vn及び面積Wnを式(1)に代入し、平均値Aを算出する。
【0072】
そして、表示処理部225は、擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0073】
(2)読み込みメッシュ群の選択方法
次に、図6〜図9を参照し、第2実施形態における読み込みメッシュ群の選択方法について説明する。図6〜図9は、読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【0074】
本実施形態では、例えば、読み込みメッシュ群を選択するための何らかのパラメータをユーザが指定し、平均値算出部224が、指定されたパラメータに基づいて、読み込みメッシュ群を選択する、という方法が採用される。
【0075】
図6には、ユーザが指定するパラメータとして、読み込みメッシュ群の割合を採用した場合の例が示されている。図6(a)、(b)、(c)にはそれぞれ、読み込みメッシュ群の割合が75%、50%、25%の場合の例が示されている。図6の例では、ユーザが指定した割合に応じて、該割合に対応する本数の行が規則的に選択される。なお、図7に示すように、行の代わりに列を選択するようにしても構わない。
【0076】
また、読み込みメッシュ群は、図8(a)、(b)に示すように、ランダムに選択しても構わない。図8(a)には、読み込みメッシュ群を、メッシュ単位でランダムに選択する例が示されている。また、図8(b)には、読み込みメッシュ群を、行単位又は列単位でランダムに選択する例が示されている。これらの場合、読み込みメッシュ群の割合、個数、行数、列数等を、ユーザが指定できるようにしてもよい。
【0077】
また、図9には、読み込みメッシュ群の選択方法のその他の例が示されている。
【0078】
本実施形態では、読み込みメッシュの選択方法として、以上のいずれの方法を採用しても構わない。また、本実施形態では、図6〜図9に示した例以外の方法を採用しても構わない。
【0079】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内の一部のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。これにより、本実施形態では、第1実施形態に比べ、マップデータをより高速に表示することが可能となる。
【0080】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【0081】
本実施形態では、図10(a)に示すように、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値を順番に読み込む。この際、N回目(Nは2以上の整数)のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、式(2)で表される平均値Aiを算出する。
Ai = (ΣiVi×Wi)/ΣiWi ・・・(2)
【0082】
ここで、Aiは、1回目に読み込んだメッシュ値V1から、現在のi回目(iはN以上の整数)に読み込んだメッシュ値Viまでの平均値を表す。また、Σiは、1回目に読み込んだメッシュからi回目に読み込んだメッシュまでの全メッシュについて、和を取ることを意味する。なお、Nの値は、最小値の2に設定してもよいし、計算時間の短縮が望まれる場合には、3以上の値に設定してもよい。
【0083】
また、N回目のメッシュ値の読み込み以降はさらに、各メッシュ値を読み込むごとに、i回目の平均値Aiとi−1回目の平均値Ai-1との差分|Ai−Ai-1|が閾値δ(δは正の実数)よりも小さいか否かを判断する(式(3)参照)。
|Ai−Ai-1| < δ ・・・(3)
【0084】
そして、差分|Ai−Ai-1|がi回目までm回(mは2以上の整数)連続して閾値δよりも小さい場合には、i回目の平均値Aiを、表示画面上に表示するための平均値Aとして採用する(図10(b)参照)。
【0085】
第3実施形態には、第1実施形態と第2実施形態の両方の利点を享受できるという利点がある。第3実施形態では、全メッシュMを読み込む前に平均値Aの算出が終了する可能性があるため、第2実施形態と同様に、第1実施形態に比べ、メッシュMの読み込み時間が短く、マップデータをより高速に表示できる。また、第3実施形態では、式(3)の閾値処理により平均値Aiの値が収束傾向にあるか否かを判定することができるため、精度の悪い平均値Aiを採用してしまうことを回避することができる。
【0086】
よって、第3実施形態によれば、表示速度の向上とマップ精度の劣化防止を両立することができる。
【0087】
なお、上述のmの値は、表示速度とマップ精度のバランスを考慮して設定することが望ましい。mの値が大きくなるほど、表示速度は低下するが、マップ精度は向上する。
【0088】
(1)第3実施形態におけるマップデータ表示処理の手順
次に、引き続き図10を参照し、第3実施形態におけるマップデータ表示処理の手順について説明する。以下の説明中で登場するブロック221〜225に関しては、図1を参照されたい。
【0089】
まず、マップデータ取得部221が、表示対象のマップデータを取得する。次に、設定部222が、上述したkの値を設定することで、擬似ピクセルサイズを設定する。次に、グループ化部223が、表示部204の表示画面上のピクセルPを、擬似ピクセルP’にグループ化する。
【0090】
次に、平均値算出部224が、上記表示画面上におけるメッシュサイズと、擬似ピクセルサイズとを比較する。そして、平均値算出部224は、メッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍よりも小さい場合(即ち、LM<α×k×LPの場合)に、高速化表示フローに入る。
【0091】
高速化表示フローでは、平均値算出部224がまず、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値を順番に読み込む。この際、平均値算出部224は、N回目のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、式(2)で表される平均値Aiを算出する。
【0092】
また、平均値算出部224は、N回目のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、平均値Aiと平均値Ai-1との差分|Ai−Ai-1|が閾値δよりも小さいか否かを判断する。
【0093】
ここで、本実施形態では、閾値δとして、i回目の平均値Aiに依存する値を採用する。具体的には、以下の式(4)で表される閾値δを採用する。
δ = β×Ai ・・・(4)
【0094】
ただし、βは、正の定数であり、本実施形態では、β=1/1000である。ただし、βの値は、1/1000以外の値であってもよい。βの値が小さくなるほど、式(3)の条件は厳しくなる。
【0095】
そして、平均値算出部224は、差分|Ai−Ai-1|がi回目までm回連続して閾値δよりも小さい場合には、i回目の平均値Aiを、表示画面上に表示するための平均値Aとして採用する。mの値は例えば、Nの値の2倍に設定される(m=2×N)。
【0096】
次に、表示処理部225は、擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0097】
なお、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMを読み込み対象としてもよいし、各擬似ピクセルP’内の一部のメッシュMのみを読み込み対象としてもよい。前者の場合、平均値Aiの値が最後まで式(3)を満たさなかった場合には、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMが読み込まれることとなる。一方、後者の場合には、平均値Aiの値が最後まで式(3)を満たさなかった場合、上記一部のメッシュMの読み込みが終了した時点で、その時点の平均値Aiが、表示画面上に表示する平均値Aとして採用される。
【0098】
(2)読み込み順序の設定方法
次に、図11を参照し、第3実施形態におけるメッシュMの読み込み順序の設定方法について説明する。図11は、読み込み順序の設定方法の例を示した図である。
【0099】
本実施形態では、メッシュMの読み込み順序は、どのように設定しても構わない。例えば、図11(a)に示すように、読み込み順序を、行単位又は列単位で規則的に設定しても構わない。また、図11(b)に示すように、読み込み順序を、メッシュ単位でランダムに設定しても構わない。また、読み込み順序は、行単位又は列単位でランダムに設定しても構わない。
【0100】
なお、図11(a)では、メッシュMをまんべんなく読み込むような順序が採用されている。具体的には、最初に中心行のメッシュMを読み込んだ後、中心行よりも下の行と、中心行よりも上の行を、交互に読み込んでいる。このような読み込み順序には、例えば、読み込まれるメッシュ値の偏りを防止できるという効果がある。
【0101】
(3)第3実施形態の効果
次に、図12を参照し、第3実施形態の効果について説明する。図12は、第3実施形態の効果について説明するための図である。
【0102】
図12の横軸は、各メッシュMの読み込み順番iを表す。また、図12の縦軸は、i番目に読み込まれたメッシュMのメッシュ値を表す。図12は、本発明者らが第3実施形態のマップデータ表示方法を実際に行った際の結果を示したグラフである。この際、1擬似ピクセル当たりのメッシュ数は50×50個に設定し、また、N=50、m=100の値を採用した。即ち、Nの値は、1擬似ピクセル内の1行分のメッシュ数に等しい値に設定した。
【0103】
図12によれば、全メッシュ数が2500個なのに対し、読み込みは500個ほどで終了していることが解る。これにより、図12の実験の際の読み込み時間は、全メッシュを読み込む場合の1/5程度に短縮されている。
【0104】
また、図12では、読み込み終了時点の平均値Aiが、全メッシュを読み込んだ場合の平均値Aに近い値であることが解る。このことから、読み込み終了時点の平均値Aiは、最終的な平均値Aのよい近似値となっていることが解る。
【0105】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値を順番に読み込み、1回目に読み込んだメッシュ値から現在のi回目に読み込んだメッシュ値までの平均値Aiを算出し、i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分|Ai−Ai-1|がi回目までm回連続して閾値δよりも小さい場合、i回目の平均値を、表示画面上に表示する平均値Aとして採用する。
【0106】
これにより、本実施形態では、第1実施形態と第2実施形態の両方の利点を享受することが可能となる。即ち、本実施形態によれば、メッシュMの読み込み時間の短縮しつつ、これによるマップ精度の悪化を抑制することが可能となる。
【0107】
(第4実施形態)
第1から第3実施形態におけるマップデータ表示処理は、図1の電子ビーム描画装置101だけでなく、図13のマスク検査装置21にも適用可能である。図13は、第4実施形態のマスク検査装置21の構成を示す概略的な機器構成図である。このマスク検査装置21は、電子ビーム描画装置101と同様にマスク製造用装置の代表的なものである。
【0108】
図13のマスク検査装置21は、検査対象のマスクMが設置されるステージ1と、モータ2(2A〜2C)と、レーザ干渉計3と、光源4と、透過照明光学系5と、反射照明光学系6と、対物レンズ7と、結像レンズ8(8A、8B)と、TDIセンサ9(9A、9B)とを備えている。
【0109】
また、透過照明光学系5は、ビームスプリッタ51と、ミラー52と、コンデンサレンズ53とを備えている。また、反射照明光学系6は、ミラー61と、ビームスプリッタ62とを備えている。
【0110】
図13のマスク検査装置21はさらに、マスクMの欠陥検査に関する全体的な制御を行う制御計算機11を備えている。制御計算機11には、バス12を介して、記憶装置13と、ステージ1を制御するステージ制御部14と、展開部15と、参照部16と、比較部17と、位置検出部18と、表示部19が接続されている。記憶装置13は例えば、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)である。
【0111】
本実施形態の表示部19は、図1の表示部204と同様、マップデータを表示するために使用される。また、本実施形態の制御計算機11は、図1の制御計算機201と同様、ブロック221〜226を備えているものとする。これにより、本実施形態のマスク検査装置21は、第1から第3実施形態におけるマップデータ表示処理を実行することができる。
【0112】
本実施形態では、第1〜第3実施形態と同様、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。これにより、本実施形態によれば、第1〜第3実施形態と同様、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能となる。
【0113】
以上、本発明の具体的な態様の例を、第1から第4実施形態により説明したが、本発明は、荷電粒子ビーム粒子装置、マスク検査装置に限らず、レジスト塗布装置、マスクスキャナ等にも適用可能であり、実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
1:ステージ、2:モータ、3:レーザ干渉計、4:光源、5:透過照明光学系、
6:反射照明光学系、7:対物レンズ、8:結像レンズ、9:TDIセンサ、
11:制御計算機、12:バス、13:記憶装置、14:ステージ制御部、
15:展開部、16:参照部、17:比較部、18:位置検出部、19:表示部、
21:マスク検査装置、51:ビームスプリッタ、52:ミラー、
53:コンデンサレンズ、61:ミラー、62:ビームスプリッタ、
101:電子ビーム描画装置、111:描画部、112:制御部、
121:試料、122:XYステージ、123:描画室、124:電子鏡筒、
131:電子ビーム、141:電子銃、142:照明レンズ、
143:第1のアパーチャ、144:投影レンズ、145:第1の偏向器、
146:第2のアパーチャ、147:対物レンズ、148:第2の偏向器、
201:制御計算機、202:描画データ格納部、
203:擬似ピクセル表示データ格納部、204:表示部、
211:偏向制御回路、212:DACアンプ、
221:マップデータ取得部、222:設定部、223:グループ化部、
224:平均値算出部、225:表示処理部、226:メモリ、
301:電子ビーム描画装置、311:電子ビーム源、312:電子ビーム、
313:第1のアパーチャ、314:第1の開口、315:第2のアパーチャ、
316:第2の開口、317:試料、318:ステージ
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置等のマスク製造用装置に係り、例えば、マップデータを表示する表示部を備えるマスク製造用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ技術は、半導体デバイスの微細化の進展を担う重要な技術である。近年、半導体デバイスに要求される回路線幅は、年々微細化されている。そのため、半導体製造プロセスのリソグラフィ工程では、高精度のマスクパターンを有するフォトマスクが必要とされている。
【0003】
このようなフォトマスクは、例えば、電子ビーム描画技術(荷電粒子ビーム描画技術)により作製可能である。電子ビーム描画技術は、優れた解像性を有しており、高精度のマスクパターンを作製するのに適している。
【0004】
図14は、従来の可変成形型の電子ビーム描画装置301の構成を示す概略的な機器構成図である。
【0005】
第1のアパーチャ313には、電子ビーム源311から照射された電子ビーム312を成形するための第1の開口314が設けられている。第1の開口314は、矩形の形状を有している。また、第2のアパーチャ315には、第1の開口314を通過した電子ビーム312を所望の矩形形状に成形するための第2の開口316が設けられている。第2の開口316は、可変成形開口と呼ばれる。
【0006】
電子ビーム源311から照射された電子ビーム312は、第1の開口314を通過し、偏向器により偏向され、第2の開口316の一部を通過した後、ステージ318上に設置された試料317の描画領域に照射される。試料317は、例えば、フォトマスク作製用のマスクブランクスである。このように、電子ビーム312を第1の開口314と第2の開口316の両方を通過させて、任意の形状に成形する方式を、可変成形方式という(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0007】
以下、従来の電子ビーム描画装置301の問題点について説明する。
【0008】
電子ビーム描画装置301の中には、照射量マップ等のマップデータを表示するための表示部(ビューワ)を備えるものが存在する。この場合、マップデータのデータ規模が大きくなると、マップデータの表示に時間がかかるという問題がある。
【0009】
従来のマップデータは比較的データ規模が小さく(例えば数GB)、特にマップデータの表示の高速化を考える必要はなかった。しかしながら、近年、徐々に大規模なマップデータ(例えば数100GB)が作成されており、今後もさらにデータ規模が増加すると予想される。
【0010】
このような大規模なマップデータを取り扱う場合、マップデータ内の広い範囲を画面上に表示する際に、画面上の1ピクセル中に多数のメッシュが配置されるため、上述のように、マップデータの表示に時間がかかるという問題が生じる。かといって、高速化のために、1ピクセル中の全メッシュを読み込まずに、一部のメッシュのみを読み込む処理を採用すると、読み込んだメッシュ以外のメッシュのメッシュ情報が欠落し、表示が不正確となる場合があると予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−231446号公報
【特許文献2】特開2010−73909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能な荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置等のマスク製造用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様であるマスク製造用装置は、メッシュ値を有する複数のメッシュからなるマップデータを取得するマップデータ取得部と、マップデータを表示するための表示画面を有する表示部と、表示画面のピクセルサイズよりも大きい擬似ピクセルサイズを設定する設定部と、表示画面上のピクセルを擬似ピクセルにグループ化するグループ化部と、表示画面上におけるメッシュのメッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍(αは正の定数)よりも小さい場合に、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値の平均値を算出する平均値算出部と、擬似ピクセル内の各ピクセルを、平均値に対応する表示色で表示することにより、表示画面上にマップデータを表示する表示処理部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
なお、上述した平均値算出部は、平均値として、各擬似ピクセル内の一部のメッシュのメッシュ値の平均値を算出することが望ましい。
【0015】
また、上述した平均値算出部は、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値を順番に読み込み、読み込みの際に、N回目(Nは2以上の整数)のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、1回目に読み込んだメッシュ値から、現在のi回目(iはN以上の整数)に読み込んだメッシュ値までの平均値を算出し、i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分が閾値よりも小さいか否かを判断し、差分がi回目までm回(mは2以上の整数)連続して閾値よりも小さい場合、i回目の平均値を、表示画面上に表示するための平均値として採用することが望ましい。
【0016】
さらにまた、上述したi回目の平均値とi−1回目の平均値との差分と比較するための閾値は、i回目の平均値に依存する値であることが望ましい。
【0017】
さらに、上述した平均値算出部は、平均値を、各メッシュのメッシュ値と、各擬似ピクセル内に含まれる各メッシュの面積とに基づいて算出することが望ましい。
【0018】
なお、上述したマスク製造用装置は、荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置に適用することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能な荷電粒子ビーム描画装置又はマスク検査装置等のマスク製造用装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態の電子ビーム描画装置の構成を示す概略的な機器構成図である。
【図2】表示画面上に表示されるマップデータについて説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【図4】面積Wnの算出方法について説明するための図である。
【図5】第2実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【図6】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図7】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図8】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図9】読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【図10】第3実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【図11】読み込み順序の設定方法の例を示した図である。
【図12】第3実施形態の効果について説明するための図である。
【図13】第4実施形態のマスク検査装置の構成を示す概略的な機器構成図である。
【図14】従来の電子ビーム描画装置の構成を示す概略的な機器構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態として、マスク製造用装置の代表的な電子ビーム描画装置101の構成を示す概略的な機器構成図である。
【0023】
図1の電子ビーム描画装置101は、可変成形型の電子ビーム描画装置である。図1の電子ビーム描画装置101は、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の例である。図1の電子ビーム描画装置101は、描画部111と、制御部112とを備えている。
【0024】
描画部111は、図1に示すように、試料121を設置するためのXYステージ122と、XYステージ122が収容された描画室123と、描画室123の上部に設置された電子鏡筒124とを備えている。試料121の例としては、フォトマスク作製用のマスクブランクスが挙げられる。
【0025】
また、電子鏡筒124は、電子銃141と、照明レンズ142と、第1のアパーチャ143と、投影レンズ144と、第1の偏向器145と、第2のアパーチャ146と、対物レンズ147と、第2の偏向器148とを備えている。
【0026】
電子銃141から照射された電子ビーム131は、照明レンズ142を通過し、第1のアパーチャ143に照射される。第1のアパーチャ143に照射された電子ビーム131は、第1のアパーチャ143で成形された後、投影レンズ144を通過し、第1の偏向器145により偏向され、第2のアパーチャ146の所定位置に照射される。そして、第2のアパーチャ146に照射された電子ビーム131は、第2のアパーチャ146で所望の矩形形状に成形された後、対物レンズ147を通過し、第2の偏向器148により偏向され、XYステージ122上に設置された試料121の描画領域に照射される。こうして、描画領域にパターンが描画される。
【0027】
一方、制御部112は、図1に示すように、制御計算機201と、描画データ格納部202と、擬似ピクセル表示用データ格納部203と、表示部204と、偏向制御回路211と、DAC(デジタル・アナログ変換)アンプ212とを備えている。描画データ格納部202と、擬似ピクセル表示用データ格納部203は、同じ記憶装置内に設けられていてもよいし、異なる記憶装置内に設けられていてもよい。これらの記憶装置の例としては、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)が挙げられる。
【0028】
また、制御計算機201は、マップデータ取得部221と、設定部222と、グループ化部223と、平均値算出部224と、表示処理部225と、メモリ226とを備えている。符号221〜225のブロックは、プログラムによりソフトウェア的に実現されたものでもよいし、回路によりハードウェア的に実現されたものでもよい。また、これらのブロックは、ファームウェアで実現してもよいし、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアのうちの任意の組合せにより実現してもよい。
【0029】
図1の電子ビーム描画装置101は、照射量マップ等のマップデータを表示するための表示部204を備えている。マップデータは、ブロック221〜225により行われるマップデータ表示処理により、表示部204の表示画面上に表示される。
【0030】
以下、ブロック221〜225により行われるマップデータ表示処理について、詳細に説明する。
【0031】
図2は、表示部204の表示画面上に表示されるマップデータについて説明するための図である。
【0032】
図2に示す領域RMは、マップの大きさを表す。また、図2に示す領域RCは、マップが表示されるキャンバスの大きさを表す。マップRMのうち、キャンバスRCの中の部分が、表示画面上に表示される。
【0033】
また、図2に示す符号Mは、マップデータを構成する1メッシュを表す。マップデータは、このようなメッシュMを複数有している。そして、各メッシュMは、描画データから算出されたメッシュ値を有している。メッシュ値の例としては、電子ビーム照射量などが挙げられる。
【0034】
また、図2に示す符号Pは、表示画面上の1ピクセルを表す。表示画面は、このようなピクセルPを複数有している。図2では、図面作成の便宜上、キャンバスRCが、6×5ピクセルで構成されているが、現実にはこれより多くのピクセルで構成されている。キャンバスRCは例えば、580×580ピクセルで構成される。
【0035】
図2では、各ピクセルPが、複数のメッシュMを含んでいることに留意されたい。このようなマップデータを表示する際、1ピクセルP中の全てのメッシュMを読み込み、全てのメッシュMを対応する表示色で塗りつぶすと、1ピクセルPを何度も塗りつぶすことになるため、マップデータの表示に時間がかかるという問題が生じる。本実施形態では、この問題を、以下のようなマップデータ表示方法により解決する。
【0036】
図3は、第1実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【0037】
図3(a)において、LMは、各メッシュMのメッシュサイズを表し、LPは、各ピクセルPのピクセルサイズを表す。
【0038】
本実施形態では、図3(a)に示すように、実際のピクセルPよりも大きい擬似ピクセルP’を想定し、表示画面上のピクセルPを擬似ピクセルP’にグループ化する。図3(a)には、2×2個のピクセルPをグループ化して設定された1個の擬似ピクセルP’が示されている。
【0039】
図3(a)において、k×LPは、各擬似ピクセルの擬似ピクセルサイズを表す。擬似ピクセルサイズk×LPは、実際のピクセルサイズLPよりも大きい値に設定される。よって、kは、2以上の整数である。本実施形態では、kの値は、2に設定されている。
【0040】
なお、擬似ピクセルサイズは、横方向のサイズをkX×LPに設定し、縦方向のサイズをkY×LPに設定するというように、横方向のサイズと縦方向のサイズを、別々の値に設定しても構わない。kX、kYは、kX≧1、kY≧1、及びkX≠kYを満たす整数である。
【0041】
次に、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出する。平均値Aは、次の式(1)で求められる。
A = (ΣP'Vn×Wn)/ΣP'Wn ・・・(1)
【0042】
式(1)において、Vnは、各メッシュMのメッシュ値を表す。また、Wnは、各擬似ピクセルP’内に含まれる各メッシュMの面積を表す。より正確には、Wnは、この面積を、1メッシュの面積で割った値を表す。よって、ピクセルP’内に全体が含まれているメッシュMでは、Wnの値は1となり、ピクセルP’内に一部が含まれているメッシュMでは、Wnの値は1よりも小さい値となる。
【0043】
なお、符号nは、メッシュ同士を区別するためのメッシュ番号を表す。また、ΣP'は、擬似ピクセルP’内のメッシュMについて和を取ることを意味する。
【0044】
次に、本実施形態では、ある擬似ピクセルP’内の平均値がAである場合、その擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で1回だけ塗りつぶす(図3(b)参照)。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0045】
なお、各ピクセルPの表示色は、どのように設定しても構わない。例えば、平均値Aに応じて、各ピクセルPの階調値を変化させてもよいし、各ピクセルの輝度値を変化させてもよい。また、各ピクセルの表示色は、カラーでもモノクロでも構わない。
【0046】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で1回だけ塗りつぶす。
【0047】
これにより、本実施形態では、各ピクセルPを何度も塗りつぶす場合に比べて、マップデータの表示を短時間で行うことができる。また、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMのメッシュ値を読み込み、これらのメッシュ値を平均値Aに反映させているため、メッシュ情報をある程度保持した精度の高いマップデータを表示させることができる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能となる。
【0049】
なお、擬似ピクセルサイズk×LPは、どのような値に設定してもよいが、kの値が大きいと、表示速度は速くなるが、マップの精度は低くなる。一方、kの値が小さいと、表示速度は遅くなるが、マップの精度は高くなる。そのため、kの値は、表示速度とマップ精度のバランスを考慮して設定することが望ましい。
【0050】
(1)面積Wnの算出方法
次に、図4を参照し、面積Wnの算出方法について説明する。図4は、面積Wnの算出方法について説明するための図である。
【0051】
図4に示すMnは、擬似ピクセルP’内に一部が含まれているメッシュを表す。図4において、(xn,yn)は、メッシュMnの座標を表す。また、(x,y)は、擬似ピクセルP’の座標を表す。
【0052】
メッシュMnが、擬似ピクセルP’内に含まれているか否かは、擬似ピクセルP’の座標(x,y)、擬似ピクセルサイズk×LP、メッシュMnの座標(x,y)、及びメッシュサイズLMから算出可能である。また、擬似ピクセルP’内に含まれているメッシュMnの面積Wnも、これらの値から算出可能である。よって、本実施形態では、平均値Aを算出する際、これらの値を利用することで、面積Wnを算出することができる。
【0053】
(2)第1実施形態におけるマップデータ表示処理の手順
次に、再び図3を参照し、第1実施形態におけるマップデータ表示処理の手順について説明する。以下の説明中で登場するブロック221〜225に関しては、図1を参照されたい。
【0054】
まず、マップデータ取得部221が、表示対象のマップデータを取得する。マップデータの例としては、描画データ格納部202内の描画データから作成された照射量マップ等が挙げられる。
【0055】
次に、設定部222が、上述したkの値を設定することで、擬似ピクセルサイズを設定する。設定部222は、擬似ピクセルサイズを、例えば、擬似ピクセル表示用データ格納部203から取得する。
【0056】
次に、グループ化部223が、表示画面上のピクセルPを、擬似ピクセルP’にグループ化する。グループ化部223は、例えば、k=2という設定に基づいて、ピクセルPを2×2個ずつグループ化する。
【0057】
なお、設定部222、グループ化部223による処理は、マップデータ取得部221による処理よりも先に行っても構わない。
【0058】
次に、平均値算出部224が、上記表示画面上におけるメッシュサイズと、擬似ピクセルサイズとを比較する。そして、平均値算出部224は、メッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍よりも小さい場合(即ち、LM<α×k×LPの場合)に、高速化表示フローに入る。
【0059】
なお、αは、上記の比較処理の閾値を決める正の定数であり、本実施形態では、α=1である。αの値は、例えば、0<α≦1の範囲内の値に設定される。例えば、α=1は、擬似ピクセルP’内に1メッシュ以上含まれるか否かの条件に相当し、α=0.5は、擬似ピクセルP’内に4メッシュ以上含まれるか否かの条件に相当する。αの値が小さくなるほど、高速化表示フローに入る条件が厳しくなる。
【0060】
高速化表示フローでは、平均値算出部224がまず、各擬似ピクセルP’内のメッシュMを読み込む。次に、平均値算出部224は、これらのメッシュMのメッシュ値Vn及び面積Wnを式(1)に代入し、平均値Aを算出する。
【0061】
そして、表示処理部225は、擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0062】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。これにより、本実施形態では、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能となる。
【0063】
以下、第1実施形態の変形例である第2から第4実施形態について説明する。第2から第4実施形態については、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0064】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【0065】
第1実施形態では、各擬似ピクセルP’内の全てのメッシュMのメッシュ値を対象に、平均値Aを算出する。これに対し、第2実施形態では、各擬似ピクセルP’内の一部のメッシュMのメッシュ値を対象に、平均値Aを算出する。図5(a)では、平均値Aを算出する際に読み込み対象となるメッシュMが、斜線で示されている。
【0066】
第2実施形態における平均値Aは、第1実施形態と同様、式(1)で求められる。ただし、第2実施形態では、ΣP'の和を、図5(a)にて斜線で示すメッシュMのみを対象として計算する。
【0067】
第2実施形態には、第1実施形態に比べ、メッシュMの読み込み時間が短く、マップデータをより高速に表示できるという利点がある。一方、第2実施形態では、第1実施形態に比べ、マップの精度が低下する可能性がある。よって、第2実施形態を採用する場合には、必要なマップ精度を確保できる程度に、読み込み対象のメッシュMの個数を減らすことが望ましい。
【0068】
(1)第2実施形態におけるマップデータ表示処理の手順
次に、引き続き図5を参照し、第2実施形態におけるマップデータ表示処理の手順について説明する。以下の説明中で登場するブロック221〜225に関しては、図1を参照されたい。
【0069】
まず、マップデータ取得部221が、表示対象のマップデータを取得する。次に、設定部222が、上述したkの値を設定することで、擬似ピクセルサイズを設定する。次に、グループ化部223が、表示部204の表示画面上のピクセルPを、擬似ピクセルP’にグループ化する。
【0070】
次に、平均値算出部224が、上記表示画面上におけるメッシュサイズと、擬似ピクセルサイズとを比較する。そして、平均値算出部224は、メッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍よりも小さい場合(即ち、LM<α×k×LPの場合)に、高速化表示フローに入る。
【0071】
高速化表示フローでは、平均値算出部224がまず、各擬似ピクセルP’内のメッシュMを読み込む。ただし、平均値算出部224は、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMではなく、平均値Aを算出する際に使用するメッシュMのみ(即ち、図5(a)にて斜線で示すメッシュMのみ)を読み込む。次に、平均値算出部224は、これらのメッシュMのメッシュ値Vn及び面積Wnを式(1)に代入し、平均値Aを算出する。
【0072】
そして、表示処理部225は、擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0073】
(2)読み込みメッシュ群の選択方法
次に、図6〜図9を参照し、第2実施形態における読み込みメッシュ群の選択方法について説明する。図6〜図9は、読み込みメッシュ群の選択方法の例を示した図である。
【0074】
本実施形態では、例えば、読み込みメッシュ群を選択するための何らかのパラメータをユーザが指定し、平均値算出部224が、指定されたパラメータに基づいて、読み込みメッシュ群を選択する、という方法が採用される。
【0075】
図6には、ユーザが指定するパラメータとして、読み込みメッシュ群の割合を採用した場合の例が示されている。図6(a)、(b)、(c)にはそれぞれ、読み込みメッシュ群の割合が75%、50%、25%の場合の例が示されている。図6の例では、ユーザが指定した割合に応じて、該割合に対応する本数の行が規則的に選択される。なお、図7に示すように、行の代わりに列を選択するようにしても構わない。
【0076】
また、読み込みメッシュ群は、図8(a)、(b)に示すように、ランダムに選択しても構わない。図8(a)には、読み込みメッシュ群を、メッシュ単位でランダムに選択する例が示されている。また、図8(b)には、読み込みメッシュ群を、行単位又は列単位でランダムに選択する例が示されている。これらの場合、読み込みメッシュ群の割合、個数、行数、列数等を、ユーザが指定できるようにしてもよい。
【0077】
また、図9には、読み込みメッシュ群の選択方法のその他の例が示されている。
【0078】
本実施形態では、読み込みメッシュの選択方法として、以上のいずれの方法を採用しても構わない。また、本実施形態では、図6〜図9に示した例以外の方法を採用しても構わない。
【0079】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内の一部のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。これにより、本実施形態では、第1実施形態に比べ、マップデータをより高速に表示することが可能となる。
【0080】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態におけるマップデータ表示方法を説明するための図である。
【0081】
本実施形態では、図10(a)に示すように、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値を順番に読み込む。この際、N回目(Nは2以上の整数)のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、式(2)で表される平均値Aiを算出する。
Ai = (ΣiVi×Wi)/ΣiWi ・・・(2)
【0082】
ここで、Aiは、1回目に読み込んだメッシュ値V1から、現在のi回目(iはN以上の整数)に読み込んだメッシュ値Viまでの平均値を表す。また、Σiは、1回目に読み込んだメッシュからi回目に読み込んだメッシュまでの全メッシュについて、和を取ることを意味する。なお、Nの値は、最小値の2に設定してもよいし、計算時間の短縮が望まれる場合には、3以上の値に設定してもよい。
【0083】
また、N回目のメッシュ値の読み込み以降はさらに、各メッシュ値を読み込むごとに、i回目の平均値Aiとi−1回目の平均値Ai-1との差分|Ai−Ai-1|が閾値δ(δは正の実数)よりも小さいか否かを判断する(式(3)参照)。
|Ai−Ai-1| < δ ・・・(3)
【0084】
そして、差分|Ai−Ai-1|がi回目までm回(mは2以上の整数)連続して閾値δよりも小さい場合には、i回目の平均値Aiを、表示画面上に表示するための平均値Aとして採用する(図10(b)参照)。
【0085】
第3実施形態には、第1実施形態と第2実施形態の両方の利点を享受できるという利点がある。第3実施形態では、全メッシュMを読み込む前に平均値Aの算出が終了する可能性があるため、第2実施形態と同様に、第1実施形態に比べ、メッシュMの読み込み時間が短く、マップデータをより高速に表示できる。また、第3実施形態では、式(3)の閾値処理により平均値Aiの値が収束傾向にあるか否かを判定することができるため、精度の悪い平均値Aiを採用してしまうことを回避することができる。
【0086】
よって、第3実施形態によれば、表示速度の向上とマップ精度の劣化防止を両立することができる。
【0087】
なお、上述のmの値は、表示速度とマップ精度のバランスを考慮して設定することが望ましい。mの値が大きくなるほど、表示速度は低下するが、マップ精度は向上する。
【0088】
(1)第3実施形態におけるマップデータ表示処理の手順
次に、引き続き図10を参照し、第3実施形態におけるマップデータ表示処理の手順について説明する。以下の説明中で登場するブロック221〜225に関しては、図1を参照されたい。
【0089】
まず、マップデータ取得部221が、表示対象のマップデータを取得する。次に、設定部222が、上述したkの値を設定することで、擬似ピクセルサイズを設定する。次に、グループ化部223が、表示部204の表示画面上のピクセルPを、擬似ピクセルP’にグループ化する。
【0090】
次に、平均値算出部224が、上記表示画面上におけるメッシュサイズと、擬似ピクセルサイズとを比較する。そして、平均値算出部224は、メッシュサイズが、擬似ピクセルサイズのα倍よりも小さい場合(即ち、LM<α×k×LPの場合)に、高速化表示フローに入る。
【0091】
高速化表示フローでは、平均値算出部224がまず、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値を順番に読み込む。この際、平均値算出部224は、N回目のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、式(2)で表される平均値Aiを算出する。
【0092】
また、平均値算出部224は、N回目のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、平均値Aiと平均値Ai-1との差分|Ai−Ai-1|が閾値δよりも小さいか否かを判断する。
【0093】
ここで、本実施形態では、閾値δとして、i回目の平均値Aiに依存する値を採用する。具体的には、以下の式(4)で表される閾値δを採用する。
δ = β×Ai ・・・(4)
【0094】
ただし、βは、正の定数であり、本実施形態では、β=1/1000である。ただし、βの値は、1/1000以外の値であってもよい。βの値が小さくなるほど、式(3)の条件は厳しくなる。
【0095】
そして、平均値算出部224は、差分|Ai−Ai-1|がi回目までm回連続して閾値δよりも小さい場合には、i回目の平均値Aiを、表示画面上に表示するための平均値Aとして採用する。mの値は例えば、Nの値の2倍に設定される(m=2×N)。
【0096】
次に、表示処理部225は、擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。こうして、表示画面上にマップデータが表示される。
【0097】
なお、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMを読み込み対象としてもよいし、各擬似ピクセルP’内の一部のメッシュMのみを読み込み対象としてもよい。前者の場合、平均値Aiの値が最後まで式(3)を満たさなかった場合には、各擬似ピクセルP’内の全メッシュMが読み込まれることとなる。一方、後者の場合には、平均値Aiの値が最後まで式(3)を満たさなかった場合、上記一部のメッシュMの読み込みが終了した時点で、その時点の平均値Aiが、表示画面上に表示する平均値Aとして採用される。
【0098】
(2)読み込み順序の設定方法
次に、図11を参照し、第3実施形態におけるメッシュMの読み込み順序の設定方法について説明する。図11は、読み込み順序の設定方法の例を示した図である。
【0099】
本実施形態では、メッシュMの読み込み順序は、どのように設定しても構わない。例えば、図11(a)に示すように、読み込み順序を、行単位又は列単位で規則的に設定しても構わない。また、図11(b)に示すように、読み込み順序を、メッシュ単位でランダムに設定しても構わない。また、読み込み順序は、行単位又は列単位でランダムに設定しても構わない。
【0100】
なお、図11(a)では、メッシュMをまんべんなく読み込むような順序が採用されている。具体的には、最初に中心行のメッシュMを読み込んだ後、中心行よりも下の行と、中心行よりも上の行を、交互に読み込んでいる。このような読み込み順序には、例えば、読み込まれるメッシュ値の偏りを防止できるという効果がある。
【0101】
(3)第3実施形態の効果
次に、図12を参照し、第3実施形態の効果について説明する。図12は、第3実施形態の効果について説明するための図である。
【0102】
図12の横軸は、各メッシュMの読み込み順番iを表す。また、図12の縦軸は、i番目に読み込まれたメッシュMのメッシュ値を表す。図12は、本発明者らが第3実施形態のマップデータ表示方法を実際に行った際の結果を示したグラフである。この際、1擬似ピクセル当たりのメッシュ数は50×50個に設定し、また、N=50、m=100の値を採用した。即ち、Nの値は、1擬似ピクセル内の1行分のメッシュ数に等しい値に設定した。
【0103】
図12によれば、全メッシュ数が2500個なのに対し、読み込みは500個ほどで終了していることが解る。これにより、図12の実験の際の読み込み時間は、全メッシュを読み込む場合の1/5程度に短縮されている。
【0104】
また、図12では、読み込み終了時点の平均値Aiが、全メッシュを読み込んだ場合の平均値Aに近い値であることが解る。このことから、読み込み終了時点の平均値Aiは、最終的な平均値Aのよい近似値となっていることが解る。
【0105】
以上のように、本実施形態では、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値を順番に読み込み、1回目に読み込んだメッシュ値から現在のi回目に読み込んだメッシュ値までの平均値Aiを算出し、i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分|Ai−Ai-1|がi回目までm回連続して閾値δよりも小さい場合、i回目の平均値を、表示画面上に表示する平均値Aとして採用する。
【0106】
これにより、本実施形態では、第1実施形態と第2実施形態の両方の利点を享受することが可能となる。即ち、本実施形態によれば、メッシュMの読み込み時間の短縮しつつ、これによるマップ精度の悪化を抑制することが可能となる。
【0107】
(第4実施形態)
第1から第3実施形態におけるマップデータ表示処理は、図1の電子ビーム描画装置101だけでなく、図13のマスク検査装置21にも適用可能である。図13は、第4実施形態のマスク検査装置21の構成を示す概略的な機器構成図である。このマスク検査装置21は、電子ビーム描画装置101と同様にマスク製造用装置の代表的なものである。
【0108】
図13のマスク検査装置21は、検査対象のマスクMが設置されるステージ1と、モータ2(2A〜2C)と、レーザ干渉計3と、光源4と、透過照明光学系5と、反射照明光学系6と、対物レンズ7と、結像レンズ8(8A、8B)と、TDIセンサ9(9A、9B)とを備えている。
【0109】
また、透過照明光学系5は、ビームスプリッタ51と、ミラー52と、コンデンサレンズ53とを備えている。また、反射照明光学系6は、ミラー61と、ビームスプリッタ62とを備えている。
【0110】
図13のマスク検査装置21はさらに、マスクMの欠陥検査に関する全体的な制御を行う制御計算機11を備えている。制御計算機11には、バス12を介して、記憶装置13と、ステージ1を制御するステージ制御部14と、展開部15と、参照部16と、比較部17と、位置検出部18と、表示部19が接続されている。記憶装置13は例えば、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)である。
【0111】
本実施形態の表示部19は、図1の表示部204と同様、マップデータを表示するために使用される。また、本実施形態の制御計算機11は、図1の制御計算機201と同様、ブロック221〜226を備えているものとする。これにより、本実施形態のマスク検査装置21は、第1から第3実施形態におけるマップデータ表示処理を実行することができる。
【0112】
本実施形態では、第1〜第3実施形態と同様、各擬似ピクセルP’内のメッシュMのメッシュ値の平均値Aを算出し、該擬似ピクセルP’内の各ピクセルPを、平均値Aに対応する表示色で表示する。これにより、本実施形態によれば、第1〜第3実施形態と同様、マップデータを高速かつ高精度に表示することが可能となる。
【0113】
以上、本発明の具体的な態様の例を、第1から第4実施形態により説明したが、本発明は、荷電粒子ビーム粒子装置、マスク検査装置に限らず、レジスト塗布装置、マスクスキャナ等にも適用可能であり、実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
1:ステージ、2:モータ、3:レーザ干渉計、4:光源、5:透過照明光学系、
6:反射照明光学系、7:対物レンズ、8:結像レンズ、9:TDIセンサ、
11:制御計算機、12:バス、13:記憶装置、14:ステージ制御部、
15:展開部、16:参照部、17:比較部、18:位置検出部、19:表示部、
21:マスク検査装置、51:ビームスプリッタ、52:ミラー、
53:コンデンサレンズ、61:ミラー、62:ビームスプリッタ、
101:電子ビーム描画装置、111:描画部、112:制御部、
121:試料、122:XYステージ、123:描画室、124:電子鏡筒、
131:電子ビーム、141:電子銃、142:照明レンズ、
143:第1のアパーチャ、144:投影レンズ、145:第1の偏向器、
146:第2のアパーチャ、147:対物レンズ、148:第2の偏向器、
201:制御計算機、202:描画データ格納部、
203:擬似ピクセル表示データ格納部、204:表示部、
211:偏向制御回路、212:DACアンプ、
221:マップデータ取得部、222:設定部、223:グループ化部、
224:平均値算出部、225:表示処理部、226:メモリ、
301:電子ビーム描画装置、311:電子ビーム源、312:電子ビーム、
313:第1のアパーチャ、314:第1の開口、315:第2のアパーチャ、
316:第2の開口、317:試料、318:ステージ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ値を有する複数のメッシュからなるマップデータを取得するマップデータ取得部と、
前記マップデータを表示するための表示画面を有する表示部と、
前記表示画面のピクセルサイズよりも大きい擬似ピクセルサイズを設定する設定部と、
前記表示画面上のピクセルを擬似ピクセルにグループ化するグループ化部と、
前記表示画面上における前記メッシュのメッシュサイズが、前記擬似ピクセルサイズのα倍(αは正の定数)よりも小さい場合に、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値の平均値を算出する平均値算出部と、
前記擬似ピクセル内の各ピクセルを、前記平均値に対応する表示色で表示することにより、前記表示画面上に前記マップデータを表示する表示処理部と、
を備えることを特徴とするマスク製造用装置。
【請求項2】
前記平均値算出部は、前記平均値として、各擬似ピクセル内の一部のメッシュのメッシュ値の平均値を算出することを特徴とする請求項1に記載のマスク製造用装置。
【請求項3】
前記平均値算出部は、
各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値を順番に読み込み、
前記読み込みの際に、N回目(Nは2以上の整数)のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、1回目に読み込んだメッシュ値から、現在のi回目(iはN以上の整数)に読み込んだメッシュ値までの平均値を算出し、
i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分が閾値よりも小さいか否かを判断し、
前記差分がi回目までm回(mは2以上の整数)連続して前記閾値よりも小さい場合、i回目の平均値を、前記表示画面上に表示するための前記平均値として採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマスク製造用装置。
【請求項4】
i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分と比較するための前記閾値は、i回目の平均値に依存する値であることを特徴とする請求項3に記載のマスク製造用装置。
【請求項5】
前記平均値算出部は、前記平均値を、各メッシュのメッシュ値と、各擬似ピクセル内に含まれる各メッシュの面積とに基づいて算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマスク製造用装置。
【請求項1】
メッシュ値を有する複数のメッシュからなるマップデータを取得するマップデータ取得部と、
前記マップデータを表示するための表示画面を有する表示部と、
前記表示画面のピクセルサイズよりも大きい擬似ピクセルサイズを設定する設定部と、
前記表示画面上のピクセルを擬似ピクセルにグループ化するグループ化部と、
前記表示画面上における前記メッシュのメッシュサイズが、前記擬似ピクセルサイズのα倍(αは正の定数)よりも小さい場合に、各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値の平均値を算出する平均値算出部と、
前記擬似ピクセル内の各ピクセルを、前記平均値に対応する表示色で表示することにより、前記表示画面上に前記マップデータを表示する表示処理部と、
を備えることを特徴とするマスク製造用装置。
【請求項2】
前記平均値算出部は、前記平均値として、各擬似ピクセル内の一部のメッシュのメッシュ値の平均値を算出することを特徴とする請求項1に記載のマスク製造用装置。
【請求項3】
前記平均値算出部は、
各擬似ピクセル内のメッシュのメッシュ値を順番に読み込み、
前記読み込みの際に、N回目(Nは2以上の整数)のメッシュ値の読み込み以降は、各メッシュ値を読み込むごとに、1回目に読み込んだメッシュ値から、現在のi回目(iはN以上の整数)に読み込んだメッシュ値までの平均値を算出し、
i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分が閾値よりも小さいか否かを判断し、
前記差分がi回目までm回(mは2以上の整数)連続して前記閾値よりも小さい場合、i回目の平均値を、前記表示画面上に表示するための前記平均値として採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマスク製造用装置。
【請求項4】
i回目の平均値とi−1回目の平均値との差分と比較するための前記閾値は、i回目の平均値に依存する値であることを特徴とする請求項3に記載のマスク製造用装置。
【請求項5】
前記平均値算出部は、前記平均値を、各メッシュのメッシュ値と、各擬似ピクセル内に含まれる各メッシュの面積とに基づいて算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマスク製造用装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−253211(P2012−253211A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124996(P2011−124996)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】
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