説明

マルチコアファイバ、マルチコア分散マネジメントファイバ、及びマルチコア分散マネジメントファイバを含む光ファイバ通信システム

【課題】クロストークを低減し、かつ伝送特性の低下を抑えたマルチコアファイバ、そのマルチコアファイバを用いたマルチコア分散マネジメントファイバ、及びそのマルチコア分散マネジメントファイバを含む光ファイバ通信システムを提供する。
【解決手段】本発明の一態様においては、負の分散値を有する第1の負分散コア111と正の分散値を有する第1の正分散コア112を有する第1のマルチコアファイバ11と、負の分散値を有する第2の負分散コア132と正の分散値を有する第2の正分散コア131を有する第2のマルチコアファイバ13と、を有する分散マネジメントファイバ10が提供される。第1の負分散コア111及び第2の正分散コア131を含むコア内を伝送される光の分散、及び第2の負分散コア132と第1の正分散コア112を含むコア内を伝送される光の分散は補償される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチコアファイバ、マルチコア分散マネジメントファイバ、及びマルチコア分散マネジメントファイバを含む光ファイバ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数本のコアを有する光ファイバであるマルチコアファイバを伝送用ファイバとして用いる技術が提案されている。マルチコアファイバを用いることにより、1本のコアを有する光ファイバを用いる場合よりも伝送容量を大きくすることができる。
【0003】
このようなマルチコアファイバの一つとして、コア間のクロストークを低減するために、屈折率分布や径を異ならせることによって異なった光学特性を与えられたコアが隣接して共通のクラッド中に配置されたマルチコアファイバが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−18013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、光学特性が異なるコアを含む場合、特に有効断面積が小さいコアにおいて、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、四光波混合(FWM)等の光ファイバの非線形現象により伝送信号波形が劣化し、マルチコアファイバの伝送特性が低下するおそれがある。
【0006】
したがって、本発明の目的の一つは、クロストークを低減し、かつ伝送特性の低下を抑えたマルチコアファイバ、そのマルチコアファイバを用いたマルチコア分散マネジメントファイバ、及びそのマルチコア分散マネジメントファイバを含む光ファイバ通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様においては、負の分散値を有する第1の負分散コアと正の分散値を有する第1の正分散コアを有する第1のマルチコアファイバと、負の分散値を有する第2の負分散コアと正の分散値を有する第2の正分散コアを有する第2のマルチコアファイバと、を有する分散マネジメントファイバが提供される。前記第1の負分散コアの有効断面積は前記第1の正分散コアの有効断面積よりも小さく、前記第2の負分散コアの有効断面積は前記第2の正分散コアの有効断面積よりも小さい。前記第1の負分散コアと前記第2の正分散コアとが光学的に接続され、かつ前記第2の負分散コアと前記第1の正分散コアとが光学的に接続されるように、前記第1のマルチコアファイバと前記第2のマルチコアファイバは光学的に接続される。前記第1の負分散コア及び前記第2の正分散コアを含むコア内を伝送される光の分散、及び前記第2の負分散コアと前記第1の正分散コアを含むコア内を伝送される光の分散は補償される。
【0008】
上記分散マネジメントファイバにおいては、前記第1のマルチコアファイバと前記第2のマルチコアファイバは、正の分散値を有する第3の正分散コアと正の分散値を有する第4の正分散コアを有する第3のマルチコアファイバを介して光学的に接続され、前記第1の負分散コアと前記第2の正分散コアは、前記第3の正分散コアを介して光学的に接続され、前記第2の負分散コアと前記第1の正分散コアは、前記第4の正分散コアを介して光学的に接続されることが好ましい。
【0009】
また、上記分散マネジメントファイバにおいては、前記第1の負分散コアの前記有効断面積と前記第2の負分散コアの前記有効断面積は等しく、前記第1の正分散コアの前記有効断面積と前記第2の正分散コアの前記有効断面積は等しく、前記第3の正分散コアの有効断面積と前記第4の正分散コアの有効断面積は等しいことが好ましい。
【0010】
また、上記分散マネジメントファイバにおいては、前記第3の正分散コアの有効断面積が、前記第1の負分散コアの有効断面積よりも大きく、かつ前記第1の正分散コアの有効断面積よりも小さく、前記第4の正分散コアの有効断面積が、前記第2の負分散コアの有効断面積よりも大きく、かつ前記第2の正分散コアの有効断面積よりも小さいことが好ましい。
【0011】
また、上記分散マネジメントファイバにおいては、前記第1の負分散コアの分散スロープ値と分散値の比をA1、前記第1の正分散コアの分散スロープ値と分散値の比をB1とすると、A1とB1の比が0.9〜1.1の範囲内にあり、前記第2の負分散コアの分散スロープ値と分散値の比をA2、前記第2の正分散コアの分散スロープ値と分散値の比をB2とすると、A2とB2の比が0.9〜1.1の範囲内にあることが好ましい。
【0012】
また、本発明の他の態様においては、光信号を発する光送信機と、前記光送信機から発せられた前記光信号を伝送する上記分散マネジメントファイバと、前記分散マネジメントファイバ内を伝送された前記光信号を受信する光受信機と、を含む光ファイバ通信システムが提供される。
【0013】
また、本発明の他の態様においては、正の分散値を有する正分散コアと、前記正分散コアよりも有効断面積の小さい、負の分散値を有する負分散コアを有し、前記負分散コアの分散スロープ値と分散値の比をA、前記正分散コアの分散スロープ値と分散値の比をBとすると、AとBの比が0.9〜1.1の範囲内にあるマルチコアファイバが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クロストークを低減し、かつ伝送特性の低下を抑えたマルチコアファイバ、そのマルチコアファイバを用いたマルチコア分散マネジメントファイバ、及びそのマルチコア分散マネジメントファイバを含む光ファイバ通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバ通信システムの構成を概略的に表す図である。
【図2】図2(a)は、発明の実施の形態に係るマルチコア分散マネジメントファイバの拡大図であり、図2(b)、(c)、(d)は、マルチコアファイバの断面図である。
【図3】図3(a)は、連結された正分散コア及び負分散コアを表す側面図である。図3(b)は、光の分散の累積値を表すグラフである。
【図4】図4(a)は、連結された負分散コア及び正分散コアを表す側面図である。図4(b)は、光の分散の累積値を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施の形態〕
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバ通信システム1の構成を概略的に表す図である。光ファイバ通信システム1は、マルチコア分散マネジメントファイバ10、光送信機20(20A、20B)、および光受信機30(30A、30B)を含む。光送信機20Aから発せられた光は、マルチコア分散マネジメントファイバ10を通って、光受信機30Aに受信される。また、光送信機20Bから発せられた光は、マルチコア分散マネジメントファイバ10を通って、光受信機30Bに受信される。
【0017】
図1においては、光ファイバ通信システム1に2本のマルチコア分散マネジメントファイバ10が含まれているが、光ファイバ通信システム1中のマルチコア分散マネジメントファイバ10の本数は2に限定されない。また、光ファイバ通信システム1は、図1に示されるように、光増幅器3を含んでもよいが、伝送距離等に応じて省かれてもよい。
【0018】
光送信機20、マルチコア分散マネジメントファイバ10、光増幅器3、光受信機30は、シングルモード光ファイバ(SMF)等の光ファイバ4を介して光学的に接続される。マルチコア分散マネジメントファイバ10と光ファイバ4は、マルチコアインターフェース2により接続される。
【0019】
光送信機20は、複数のレーザーダイオード等の光源21、及び光源21から発せられた光を合波する合波器22を含む。
【0020】
光受信機30は、受信した光を分波する分波器30、及び分波器30により分波された光を受信する複数のフォトダイオード等の受光素子31を含む。
【0021】
光増幅器3は、例えばエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)であり、光ファイバ通信システム1中を伝送される光信号を増幅する機能を有する。
【0022】
図2(a)は、マルチコア分散マネジメントファイバ10の説明図である。図2(a)に示されるように、マルチコア分散マネジメントファイバ10は、マルチコアファイバ11、12、13が連結した構造を有する。マルチコアファイバ11、12、13の長さの比は、例えば、1:1:1である。
【0023】
図2(b)、(c)、(d)は、それぞれマルチコアファイバ11、12、13の断面図である。
【0024】
図2(b)に示されるように、マルチコアファイバ11は、負の分散値を有する負分散コア111、正の分散値を有する正分散コア112、及びこれらを覆うクラッド113を含む。マルチコアファイバ11の一断面において、負分散コア111と正分散コア112は、互いに隣接するように交互に環状に配置される。
【0025】
負分散コア111の有効断面積は、正分散コア112の有効断面積よりも小さい。負分散コア111及び正分散コア112の直径は、例えば、それぞれ6μm、12μmである。
【0026】
例えば、負分散コア111及び正分散コア112はゲルマニウム(Ge)等の不純物を添加した石英ガラスからなり、クラッド113は純粋な石英ガラスからなる。
【0027】
負分散コア111の屈折率及び正分散コア112の屈折率は、クラッド113の屈折率よりも高い。例えば、負分散コア111とクラッド113の比屈折率差は1%であり、正分散コア112とクラッド113の比屈折率差は0.38%である。
【0028】
通信に用いる光の波長における負分散コア111のRDS(Relative Dispersion Slope)値と、正分散コア112のRDS値の比は0.9〜1.1の範囲内にある。ここで、RDS値とは、分散スロープ値と分散値の比(分散スロープ値/分散値)をいう。また、分散スロープとは、横軸を波長(nm)、縦軸を分散値(ps/km/nm)としてプロットされた曲線のある波長における接線の傾きをいう。通信に用いる光の波長は、例えば、光ファイバ固有の光損失が少なくなる1550nmである。
【0029】
例えば、1550nmの波長における負分散コア111の分散値、及び分散スロープ値がそれぞれ−41.0(ps/nm/km)及び−0.13(ps/nm/nm/km)である場合、RDS値は0.0032となる。また、1550nmの波長における正分散コア112の分散値、及び分散スロープ値がそれぞれ20.0(ps/nm/km)及び0.064(ps/nm/nm/km)である場合、RDS値は0.0032となる。この場合、1550nmの波長における負分散コア111のRDS値と正分散コア112のRDS値はほぼ等しくなる。
【0030】
図2(c)に示されるように、マルチコアファイバ12は、正の分散値を有する正分散コア121、正の分散値を有する正分散コア122、及びこれらを覆うクラッド123を含む。
【0031】
正分散コア121、122の屈折率は、クラッド123の屈折率よりも高い。例えば、正分散コア121、122はゲルマニウム(Ge)等の不純物を添加した石英ガラスからなり、クラッド123は純粋な石英ガラスからなる。
【0032】
図2(d)に示されるように、マルチコアファイバ13は、正の分散値を有する正分散コア131、負の分散値を有する負分散コア132、及びこれらを覆うクラッド133を含む。負分散コア132の有効断面積は、正分散コア131の有効断面積よりも小さい。マルチコアファイバ13の一断面において、負分散コア132と正分散コア131は、互いに隣接するように交互に配置される。
【0033】
正分散コア131の屈折率及び負分散コア132の屈折率は、クラッド133の屈折率よりも高い。例えば、正分散コア131及び負分散コア132はゲルマニウム(Ge)等の不純物を添加した石英ガラスからなり、クラッド133は純粋な石英ガラスからなる。
【0034】
通信に用いる光の波長における負分散コア132のRDS値と、正分散コア131のRDS値の比は、0.9〜1.1の範囲内にある。
【0035】
負分散コア111、132、及び正分散コア112、121、122、131は、シングルモード光ファイバ(SMF)からなる。また、負分散コア111、132は、自身の周囲に単層または多層の固有のクラッドを有してもよい。
【0036】
また、マルチコアファイバ11におけるクラッド113の外周面と各コアの外周面との最短距離、マルチコアファイバ12におけるクラッド123の外周面と各コアの外周面との最短距離、およびマルチコアファイバ13におけるクラッド133の外周面と各コアの外周面との最短距離が、25μm以上、例えば25〜60μmの範囲内であることが好ましい。これにより、マルチコア分散マネジメントファイバ10の曲げに対する耐性を高め、マイクロベンディング損失を抑えることができる。
【0037】
図3(a)は、連結された正分散コア112、122、及び負分散コア132を表す説明図である。図3(b)は、正分散コア112、122、及び負分散コア132内を伝送される光の分散の累積値を表すグラフである。
【0038】
光が光送信機20Aから光受信機30Aに伝送されるとき、光は正分散コア112、122、及び負分散コア132から構成されるコア内を通り、マルチコアファイバ11側からマルチコアファイバ13側に進む。
【0039】
例えば、正分散コア112、122、及び負分散コア132の有する所定の波長における分散値がそれぞれD、D、−2Dであるとすると、分散値の合計は0になる。すなわち、正分散コア112、122、及び負分散コア132内を伝送される光の分散は補償される。この様に、特性が異なる2種類以上のファイバを組み合わせて伝送路を構成することにより、ファイバの非線形効果を抑制し、分散スロープを低減させて伝送容量を増大する技術を分散マネジメントという。ここで、所定の波長とは、例えば、光ファイバ固有の光損失が少なくなる1550nmである。
【0040】
正分散コア112、122、及び負分散コア132の径は、その順番に段階的に小さくなるため、接続用のブリッジファイバ等を用いずに接続部における光損失(接続損失)を抑えることができる。
【0041】
図4(a)は、連結された負分散コア111、及び正分散コア121、131を表す説明図である。図4(b)は、負分散コア111、及び正分散コア121、131内を伝送される光の分散の累積値を表すグラフである。
【0042】
光が光送信機20Bから光受信機30Bに伝送されるとき、光は負分散コア111、及び正分散コア121、131から構成されるコア内を通り、マルチコアファイバ13側からマルチコアファイバ11側に進む。
【0043】
例えば、負分散コア111、及び正分散コア121、131の有する所定の波長における分散値がそれぞれ−2D、D、Dであるとすると、分散値の合計は0になる。すなわち、負分散コア111、及び正分散コア121、131内を伝送される光の分散は補償される。
【0044】
負分散コア111、及び正分散コア121、131の径は、その順番に段階的に大きくなるため、接続用のブリッジファイバ等を用いずに接続損失を抑えることができる。
【0045】
図2に示されるマルチコア分散マネジメントファイバ10においては、負分散コア111、132の有効断面積が等しく、正分散コア112、131の有効断面積が等しく、また、正分散コア121、122の有効断面積が等しいが、マルチコア分散マネジメントファイバ10内を伝送される光の分散が補償されるのであれば、これらの条件を満たさなくてもよい。
【0046】
また、マルチコア分散マネジメントファイバ10内を伝送される光の分散が補償されるのであれば、マルチコアファイバ12が形成されずに、負分散コア111と正分散コア131が直接接続され、正分散コア112と負分散コア132が直接接続されてもよい。さらに、複数のマルチコアファイバがマルチコアファイバ11、13の間に形成されてもよい。
【0047】
また、マルチコア分散マネジメントファイバ10内を伝送される光の分散が補償されるのであれば、マルチコアファイバ11、12、13の各々の長さ、各コアの分散値は限定されない。
【0048】
また、マルチコア分散マネジメントファイバ10のコアの本数及び配置は限定されない。
【0049】
さらに、光が光送信機20Aから光受信機30Aに伝送されるときに負分散コア111、及び正分散コア121、131から構成されるコア内を通ってもよく、光送信機20Bから光受信機30Bに伝送されるときに正分散コア112、122、及び負分散コア132から構成されるコア内を通ってもよい。
【0050】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、マルチコアファイバ11、13において、異なる有効断面積を有するために光学特性が異なるコアが互いに隣接するように配置されているため、クロストークを抑え、マルチコアファイバ1の伝送特性の低下を抑えることができる。また、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、四光波混合(FWM)等の光ファイバの非線形現象を抑え、マルチコアファイバ1の伝送特性の低下を抑えることができる。
【0051】
また、マルチコアファイバ11、13において、隣接するコアのRDS値比が、0.9〜1.1の範囲内にあるため、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、四光波混合(FWM)等の光ファイバの非線形現象をより抑え、マルチコアファイバ1の伝送特性の低下を抑えることができる。
【0052】
また、マルチコア分散マネジメントファイバ10において、負の分散値を有する光ファイバと正の分散値を有する光ファイバを連結したものをコアとして用いることにより、光信号の分散を補償し、分散による波形の劣化を回復することができる。このため、長距離に渡って光を伝送することができ、例えば、海底光ファイバケーブルに用いることができる。
【0053】
また、光ファイバ通信システム1において、マルチコア分散マネジメントファイバ10内に光信号を伝送させることにより、伝送特性を向上させ、また、伝送距離を長距離化することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0055】
1 光ファイバ通信システム
10 マルチコア分散マネジメントファイバ
11、12、13 マルチコアファイバ
111、132 負分散コア
112、121、122、131 正分散コア
20 光送信機
30 光受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の分散値を有する第1の負分散コアと正の分散値を有する第1の正分散コアを有し、前記第1の負分散コアの有効断面積が前記第1の正分散コアの有効断面積よりも小さい第1のマルチコアファイバと、
負の分散値を有する第2の負分散コアと正の分散値を有する第2の正分散コアを有し、前記第2の負分散コアの有効断面積が前記第2の正分散コアの有効断面積よりも小さい第2のマルチコアファイバと、
を有し、
前記第1の負分散コアと前記第2の正分散コアとが光学的に接続され、かつ前記第2の負分散コアと前記第1の正分散コアとが光学的に接続されるように、前記第1のマルチコアファイバと前記第2のマルチコアファイバは光学的に接続され、
前記第1の負分散コア及び前記第2の正分散コアを含むコア内を伝送される光の分散、及び前記第2の負分散コアと前記第1の正分散コアを含むコア内を伝送される光の分散は補償される、
分散マネジメントファイバ。
【請求項2】
前記第1のマルチコアファイバと前記第2のマルチコアファイバは、正の分散値を有する第3の正分散コアと正の分散値を有する第4の正分散コアを有する第3のマルチコアファイバを介して光学的に接続され、
前記第1の負分散コアと前記第2の正分散コアは、前記第3の正分散コアを介して光学的に接続され、
前記第2の負分散コアと前記第1の正分散コアは、前記第4の正分散コアを介して光学的に接続される、
請求項1に記載の分散マネジメントファイバ。
【請求項3】
前記第1の負分散コアの前記有効断面積と前記第2の負分散コアの前記有効断面積は等しく、
前記第1の正分散コアの前記有効断面積と前記第2の正分散コアの前記有効断面積は等しく、
前記第3の正分散コアの有効断面積と前記第4の正分散コアの有効断面積は等しい、
請求項2に記載の分散マネジメントファイバ。
【請求項4】
前記第3の正分散コアの有効断面積が、前記第1の負分散コアの有効断面積よりも大きく、かつ前記第2の正分散コアの有効断面積よりも小さく、
前記第4の正分散コアの有効断面積が、前記第2の負分散コアの有効断面積よりも大きく、かつ前記第1の正分散コアの有効断面積よりも小さい、
請求項2又は3に記載の分散マネジメントファイバ。
【請求項5】
前記第1の負分散コアの分散スロープ値と分散値の比をA1、前記第1の正分散コアの分散スロープ値と分散値の比をB1とすると、A1とB1の比が0.9〜1.1の範囲内にあり、
前記第2の負分散コアの分散スロープ値と分散値の比をA2、前記第2の正分散コアの分散スロープ値と分散値の比をB2とすると、A2とB2の比が0.9〜1.1の範囲内にある、
請求項3に記載の分散マネジメントファイバ。
【請求項6】
光信号を発する光送信機と、
前記光送信機から発せられた前記光信号を伝送する請求項1から5のいずれかに記載された分散マネジメントファイバと、
前記分散マネジメントファイバ内を伝送された前記光信号を受信する光受信機と、
を含む光ファイバ通信システム。
【請求項7】
正の分散値を有する正分散コアと、
前記正分散コアよりも有効断面積の小さい、負の分散値を有する負分散コアを有し、
前記負分散コアの分散スロープ値と分散値の比をA、前記正分散コアの分散スロープ値と分散値の比をBとすると、AとBの比が0.9〜1.1の範囲内にある、
マルチコアファイバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−215696(P2012−215696A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80891(P2011−80891)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的光ファイバ技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】