マルチメディア情報再生装置およびマルチメディア情報記録装置
【課題】 表示内容の一部変更が容易なマルチメディア情報を再生できるマルチメディア情報再生装置を提供する。
【解決手段】 データサーバ150内の記憶装置には、各ページストリームが、それぞれ1つのファイルに記録されている。前記ページストリームには、1画面の表示内容の一部である部分画像をビットマップデータなどで表した部分画像データと、その表示位置を表すXY座標などの表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、入力信号に対応して実行されるべき命令が記述された制御情報とが記述されている。ネットワークインターフェイス部101は、データサーバから前記ページストリームを読み出し、表示データ作成部113は、前記ページストリーム内の部分画像データと表示態様情報とから、前記部分画像リストに記述された部分画像を合成して表示データを作成する。
【解決手段】 データサーバ150内の記憶装置には、各ページストリームが、それぞれ1つのファイルに記録されている。前記ページストリームには、1画面の表示内容の一部である部分画像をビットマップデータなどで表した部分画像データと、その表示位置を表すXY座標などの表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、入力信号に対応して実行されるべき命令が記述された制御情報とが記述されている。ネットワークインターフェイス部101は、データサーバから前記ページストリームを読み出し、表示データ作成部113は、前記ページストリーム内の部分画像データと表示態様情報とから、前記部分画像リストに記述された部分画像を合成して表示データを作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続されているデータサーバなどに備えられた記憶装置に、動画情報、静止画情報、グラフィックおよび音声情報などからなるマルチメディア情報を記録するマルチメディア情報記録装置、および、前記データサーバなどから前記マルチメディア情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、読み出し専用のマルチメディア情報再生装置として、TVゲーム機、電子書籍、高級カラオケ装置およびビデオ・オン・デマンド装置などが利用されている。これらのマルチメディア情報再生装置は、光ディスク(CD−ROM)やデジタルビデオディスク(DVD)に記録されたマルチメディア情報、および、ネットワークなどを介してデータサーバから伝送されてきたマルチメディア情報などを再生する。
【0003】
以下、上記のような従来のマルチメディア情報再生装置の一例として、特開平5−28648号公報に開示されている「電子紙芝居」について説明する。図14は、従来のマルチメディア情報再生装置において画像と音声との同期再生が行われるマルチメディア情報のデータ構成の一例を示す説明図である。図14のデータ領域欄および制御情報欄に示すデータおよび情報は、デジタルディスクなどの記録媒体に記録されており、音声データおよび静止画データなどが混在する、データ領域欄に示した所定量のデータから構成されるブロック毎に、制御情報欄に示した制御情報が記録されている。図1414において、データ領域欄のAn(ただし、nは、自然数)は音声データを示し、VnB、VnCはそれぞれ静止画B、静止画Cのデータを示し、CLUT(カラールックアップテーブル)はCLUTデータを示し、NOPnは無操作データを示す。制御情報欄の(1)はデータの書き込み命令を示し、(2)はCLUTデータ命令を示し、(3)はデータ表示命令を示し、(4)はオーディオデータ命令を示し、(5)は無操作命令を示す。表示画面欄のA、Bはそれぞれ画面に表示している静止画A、Bを示す。
【0004】
制御情報欄の各命令は、左側から右側に向かって順次実行される。まず、ディジタル化された音声情報であるオーディオデータA1は、制御情報(4)により、オーディオデータメモリに転送され、オーディオ用D/A(デジタル/アナログ)変換器を経てアナログオーディオ信号として出力される。ビデオデータV1Bは、制御情報(1)により静止画の書き込み領域が指定され、V1BからV42Bのビデオ用メモリの所定の位置に書き込まれる。CLUTデータは、制御情報(2)により表示画面の更新を行う。CLUTメモリの内容にしたがって、ビデオ用メモリの内容がビデオ用のD/A変換器でアナログビデオ信号に変換され、画面に表示される。図14に示した例においては、オーディオ信号A44に同期して表示画面をAからBに切り替えることができる。以下、図示しない静止画C以降、同様の処理を行うことにより、表示画面と音声とを同期させながら再生することができる。
【0005】
また、以下に、マルチメディア情報再生装置における一般的な再生処理について説明する。マルチメディア情報再生装置は、CRT(陰極線管)や液晶ディスプレイなどの表示装置の走査線(通常500本以上)とページ(通常約1/30秒毎に表示される1画面分の表示内容)とに対応づけて、ディジタル化された画像信号中にあらかじめ挿入されている行終了信号やページ終了信号等を、前記表示装置の走査線とページとに一致させて表示することにより、前記データサーバから送信されてきた画像情報を、前述のような表示装置の表示面上における所定位置に表示する。
【0006】
マルチメディア情報再生装置は、前記表示装置の各画素に対応づけて表示される内容を、それぞれ上下、左右に連続する2画素に対応づけて、あるいは、表示内容を補間して表示し、表示される画像の大きさを2×2倍に拡大する。各画素に対応する表示内容を、1画素分ずつ間引いて画素に対応づけ、表示することにより、表示される画像の大きさを1/2倍に縮小する。さらに、マルチメディア情報再生装置は、三角関数を使用して各画素の座標を変換することにより、表示される画像を回転させる。また、前記データサーバ内の記憶装置には、通常、前記表示装置の表示面における画素と比べて、さらに高密度な画素に対応づけて表示内容が記録されており、通常の表示に際しては、表示装置の画素密度に応じて適正な画像が表示されるように所定の調整が施されている。このため、データサーバ内の記憶装置には小さい静止画として記憶されている画像を、表示装置の表示面一杯に拡大して表示する場合にも、実用上の問題はない。
【0007】
また、マルチメディア情報再生装置は、一般的に、前記データサーバから受信したマルチメディア情報を再生するのに必要なプログラムを装備しているが、そのプログラムに連動して、そのマルチメディア情報に独自に新たに追加あるいは変更された命令などが実行されるように、マルチメディア情報内に別のプログラムをあらかじめ書き込んでおく場合がある。この場合、マルチメディア情報内に書き込まれる別のプログラムには、例えば、「〔」、「〕」などに類似した記号等が付与され、マルチメディア情報再生装置は、その記号等を認識することにより、実行されるべきプログラムを認識する。
【0008】
さらに、マルチメディア情報再生装置は、約1/30秒毎に、VRAM(ビデオRAM)内に記憶されている表示データを読み込んで表示するという動作を繰り返すことにより、表示時間の経過に対して画像が静止している静止画を前記表示装置に表示する。これに対し動画の表示は、約1/30秒毎に、VRAM内に記憶されている表示データを更新し、更新された表示データを読み込んで表示するという動作を繰り返すことにより行われる。このため、表示装置の各表示面を表す表示データは、動画ならば約1/30秒で1つの記憶単位を構成する。
【0009】
動画と同時に再生される音声は、約1/30秒毎の再生時間に区切って、動画を構成する各表示データと一体的に読み合わせて、前記記録媒体および前記記憶装置に記憶させることが可能である。この場合には、マルチメディア情報再生装置は、音声を動画にあわせて区切れなく再生するために、少なくとも約1/30秒分の音声データを記憶する記憶部を備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来例では、映画、音声等およびそれらの制御等に関するデータは固定的に記憶されている。例えば、画像を表すデータについていえば、一度に画面に表示される静止画のデータは、背景などを含んだ1画面分全体の表示画像を表すデータが1つの静止画データとして記憶される。このため、静止画の一部の画像を画面内の異なる位置に移動して表示したり、静止画の一部の画像を拡大あるいは縮小して表示するなど、表示画像の一部分だけを変更して表示する場合であっても、静止画の一部の画像の表示位置や大きさを変更した1画面分全体の表示画像を表す静止画データを、あらかじめ全て作成してデータサーバ内に格納しておく必要がある。また、これを表示する場合には、その都度、新たにデータサーバから静止画データを読み込まなければならないため、単位時間あたりに表示できる静止画の数が、データサーバとメモリとの間のデータの転送レートにより制限されてしまうという問題点を有していた。
【0011】
また、オーディオデータ、静止画データ、動画データおよび制御情報などがそれぞれ異なる記憶領域に格納されている場合には、マルチメディア情報再生装置は制御情報を実行する都度、制御情報とそれに用いられる各データを読み出すために、データサーバに対して読み出し要求を発行しなければないため、読み出し効率が悪いという問題点があり、また、マルチメディア情報再生装置に備えられるメモリ内にデータサーバから別々にデータを読み込んでくるために、内部のメモリを管理するためのマルチメディア情報再生装置の負荷が大きいという問題点を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載のマルチメディア情報再生装置は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 1画面の表示内容の一部である部分画像を表した部分画像情報と、その表示態様を表す表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、 操作者の操作に応じて入力される入力値に対応して、実行されるべき命令が記述され、前記部分画像の表示態様情報を変更するよう指示した表示態様変更命令を含んだ制御情報と を有したページ情報を読み出すページ情報読み出し手段と、読み出されたページ情報内の前記各部分画像情報で表された部分画像を、対応する前記表示態様情報に基づいて1画面内に配置し、1画面分の表示内容を表した表示データを作成する表示データ作成手段と、前記表示データ作成手段によって表示データが作成される都度、新たに作成された表示データを記憶する表示データ記憶手段と、一定時間間隔で前記表示データ記憶手段の表示データを読み出し、その都度、読み出された表示データで表された表示内容を表示する表示手段と、操作者の操作に応じて対応する入力値を入力する入力手段と、前記入力値に応じた命令を実行し、前記表示態様変更命令に対応した入力値に対応して、前記表示データ作成手段に、表示態様変更命令に従って該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示する命令実行手段とを備え、前記表示データ作成手段は、前記命令実行手段の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0013】
請求項2記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項1記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させ表示するよう指示したアニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 さらに、時間の経過に対応した前記部分画像の表示態様情報を示したアニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記命令実行手段は、経過時間を計測する第1タイマーと、前記アニメーション表示命令に対応した前記入力値に対して、前記第1タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記表示データ作成手段に、前記アニメーション制御情報に示された前記経過時間に対応する表示態様情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示した上、前記アニメーション表示命令実行終了時に前記第1タイマーを停止するアニメーション表示命令実行部とを備え、前記表示データ作成手段は、前記アニメーション表示命令実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0014】
請求項3記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項2記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像情報、および、その表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との大きさのX軸方向およびY軸方向の比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との回転角度とを含んだ表示態様を表す表示態様情報の少なくとも1つの組からなる前記部分画像リストと、 前記アニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つの表示態様情報の所定の経過時間毎の値を表した前記アニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記アニメーション表示命令実行部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY座標の値を補間して算出するXY座標算出部と、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY拡大率の値を補間して算出するXY拡大率算出部と、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応する回転角度の値を補間して算出する回転角度算出部とを備える。
【0015】
請求項4記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項3記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む前記制御情報と、 前記データサーバにページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、時間の経過に対応して再生されるべき情報がその識別名とともに再生の順に書き込まれている時系列情報であって、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名と、時間の経過に対応して再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別名と、当該内容の再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記命令実行手段は、経過時間を計測する第2タイマーと、前記時系列処理開始命令に対応した前記入力値に対して、前記第2タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記時系列処理制御情報に基づいて、計測された前記経過時間に対応する前記時系列情報の内容の識別名を特定し、前記時系列情報の再生終了時に前記第2タイマーを停止する時系列処理実行部とを備え、前記マルチメディア情報再生装置は、さらに、前記ページ情報読み出し手段によって読み出された前記ページ情報を記憶するページ記憶手段と、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示されている時系列情報の中から、前記時系列処理実行部によって特定された識別名の内容を読み出す時系列情報読み出し手段と、読み出された時系列情報の内容を再生する再生手段とを備える。
【0016】
請求項5記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項4記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が、その識別名とともに所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第1時系列情報の情報名が示され、当該第1時系列情報の時間の経過に対応して再生されるべき音声情報を示す識別名と、その再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第1時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第1時系列情報内の音声情報の識別名を特定する第1時系列処理実行部を備え、前記再生手段は、読み出された音声情報を再生する音声再生部を備え、前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である前記第1時系列情報の中から、前記第1時系列処理実行部によって特定された識別名の前記音声情報を読み出す。
【0017】
請求項6記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項4または請求項5記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、動画および/またはアニメーションの1画面内の内容を表す画面情報とが所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第2時系列情報の情報名が示され、時間の経過に対応して再生されるべき当該第2時系列情報の音声情報と画面情報との組を示す識別名と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した表示領域内に動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様を含む前記時系列制御情報とを有するページ情報を読み出し、前記時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第2時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第2時系列情報の音声情報と画面情報との組の識別名を特定するとともに、前記表示データ作成手段に、前記時系列情報読み出し手段によって読み出された画面情報を、前記再生態様に示される表示領域に配置して新たな表示データを作成するよう指示する第2時系列処理実行部を備え、前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である第2時系列情報の中から、前記第2時系列処理実行部によって特定された識別名の内容である前記音声情報と前記画面情報との組を読み出し、前記表示データ作成手段は、前記第2時系列処理実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0018】
請求項7記載のマルチメディア情報記録装置は、1画面の表示内容のうちの一部である部分画像を表した部分画像情報を、1つの部分画像情報を1つの部分画像ファイル内に格納し、ファイル毎に記憶している部分画像記憶手段と、前記部分画像記憶手段内の少なくとも1つの部分画像ファイルのファイル名と、その部分画像ファイル内の部分画像情報によって表される部分画像の表示態様を表す表示態様情報との入力を受け付ける部分画像リスト入力手段と、複数の小記憶領域からなる記憶領域であって、1つのページ情報を記憶する記憶領域を有するページ情報記憶手段と、入力されたファイル名の部分画像ファイルから部分画像情報を読み出して、その部分画像情報と、それに対応して入力された表示態様情報との組を作り、それぞれの組を、識別子とともに、前記ページ情報記憶手段の第1の小記憶領域に書き込む部分画像リスト書き込み手段と、入力信号名と、その入力信号に対応して、前記部分画像の表示態様を変更するよう指示した表示態様変更命令を含む制御情報の入力を受け付ける制御情報入力手段と、入力された制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第2の小記憶領域に書き込む制御情報書き込み手段と、前記ページ情報記憶手段の前記各記憶領域にひとつのページ情報として書き込まれた各情報を、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つのページ情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに記録するページ情報記録手段とを備える。
【0019】
請求項8記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項7記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させて表示するよう指示したアニメーション表示命令を含む。前記制御情報入力手段は、さらに、入力信号と前記アニメーション表示命令との組の入力を受け付けるアニメーション表示命令入力部を備え、前記マルチメディア情報記録装置は、さらに、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様がどのように変化するかを表すアニメーション制御情報を含んだ時系列制御情報の入力を受け付ける時系列制御情報入力手段と、入力された時系列制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第3の小記憶領域に書き込む時系列制御情報書き込み手段とを備える。
【0020】
請求項9記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項8記載のマルチメディア情報記録装置において、前記部分画像リスト入力手段は、さらに、前記各部分画像情報について、その部分画像の表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示される部分画像との大きさの比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報によって表される部分画像と実際に表示される部分画像とのなす角を表す回転角度とを含む表示態様情報の入力を受け付ける表示態様情報入力部を備え、前記時系列制御情報入力手段は、前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つが時間の経過とともにどのように変化するかを表したアニメーション制御情報の入力を受け付ける。
【0021】
請求項10記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項9記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む。前記時系列制御情報は、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報名と、当該時系列情報の時間の経過に対応して各時点で再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、時系列情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる時系列処理制御情報を含む。前記マルチメディア情報記録装置は、さらに、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき情報が再生の順に書き込まれた1つの時系列情報を、ひとつの時系列情報ファイルとしてファイル毎に記憶する時系列情報記憶手段と、前記時系列情報記憶手段内の少なくとも1つの時系列情報ファイルのファイル名の入力を受け付け、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから時系列情報を読み出して、当該ファイル名に対応する時系列情報名と関連付けて、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つの時系列情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに、時系列情報毎に記録する時系列情報記録手段とを備え、前記制御情報入力手段は、さらに、入力信号と、時系列処理開始命令との組の入力を受け付ける時系列処理開始命令入力部を備え、前記時系列制御情報入力手段は、さらに、前記時系列処理制御情報の入力を受け付ける時系列処理制御情報入力部を備える。
【0022】
請求項11記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項10記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第1時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第1時系列情報の情報名を示し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報の識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、前記音声情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる第1時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段は、第1時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、当該第1時系列情報を読み出す第1時系列情報記録部を備え、前記時系列処理制御情報入力部は、第1時系列処理制御情報の入力を受け付ける第1時系列処理制御情報入力部を備える。
【0023】
請求項12記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項10または請求項11記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、アニメーションおよび/または動画の1画面毎の表示内容を表す画面情報とが、所定の経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第2時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第2時系列情報の情報名を指定し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報と画面情報との識別子の組と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した領域内に、動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様情報とからなる第2時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段は、第2時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、第2時系列情報を読み出す第2時系列情報記録部を備え、前記時系列処理制御情報入力部は、第2時系列処理制御情報の入力を受け付ける第2時系列処理制御情報入力部を備える。
(作用)
請求項1記載のマルチメディア情報再生装置において、ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 1画面の表示内容の一部である部分画像を表した部分画像情報と、その表示態様を表す表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、 操作者の操作に応じて入力される入力値に対応して、実行されるべき命令が記述され、前記部分画像の表示態様情報を変更するよう指示した表示態様変更命令を含んだ制御情報と を有したページ情報を読み出す。表示データ作成手段は、読み出されたページ情報内の前記各部分画像情報で表された部分画像を、対応する前記表示態様情報に基づいて1画面内に配置し、1画面分の表示内容を表した表示データを作成する。表示データ記憶手段は、前記表示データ作成手段によって表示データが作成される都度、新たに作成された表示データを記憶する。表示手段は、一定時間間隔で前記表示データ記憶手段の表示データを読み出し、その都度、読み出された表示データで表された表示内容を表示する。入力手段は、操作者の操作に応じて対応する入力値を入力する。命令実行手段は、前記入力値に応じた命令を実行し、前記表示態様変更命令に対応した入力値に対応して、前記表示データ作成手段に、表示態様変更命令に従って該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示する。前記表示データ作成手段は、前記命令実行手段の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0024】
従って、請求項1記載の本発明によれば、データサーバ内の各ファイルに記録されたページ情報に、1画面の表示内容を構成する部分画像の画像情報とその表示態様とが記述されているので、表示画像の一部分だけを変更して表示する場合には、前記制御情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更して表示データを作成するだけでよく、変更後の表示データを容易に作成することができる。また、1つのページ情報内には、部分画像リスト内の部分画像を用いて表示画像の一部分だけを変更し、表示するための情報がすべて記述されており、ページ情報内の情報だけで、表示画像の一部分だけを変更した表示データを作成することができるので、表示データをデータサーバからその都度、読み出す必要がない。従って、表示画像の一部分だけを変更した表示データを、あらかじめ作成してデータサーバ内に記録しておく必要が無い。また、このため、データサーバとマルチメディア情報再生装置との間のデータの転送レートにより、単位時間あたりに表示できる表示データの数が制限されてしまうという問題も生じない。さらに、本発明のマルチメディア情報再生装置では、データサーバ内の1つのファイルから1つのページ情報を読み出すので、データサーバ内の複数のファイルから必要な情報を読み出して、メモリ内にロードする場合に比べて、メモリを管理するCPUの負荷が少ない。また、本発明のマルチメディア情報再生装置において、別の部分画像から構成される新たな画面が表示される場合には、その部分画像が記述されている新たなページ情報が読み出され、読み出されたページ情報の記述内容だけから、その画面を表す表示データが作成される。このため、本発明のマルチメディア情報再生装置においては、新たなページ情報の読み出しの際に生じる一回の読み出し要求だけで、新たな表示データを作成することができ、データサーバ内の複数のファイルから(すなわち、何度も読み出し要求を発行して)部分画像情報を読み出してくる場合に比べて、部分画像情報の読み出しをより短時間で行うことができ、より短時間に新たな画面を表示することができる。
【0025】
請求項2記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項1記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させ表示するよう指示したアニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 さらに、時間の経過に対応した前記部分画像の表示態様情報を示したアニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。前記命令実行手段において、第1タイマーは、経過時間を計測する。アニメーション表示命令実行部は、前記アニメーション表示命令に対応した前記入力値に対して、前記第1タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記表示データ作成手段に、前記アニメーション制御情報に示された前記経過時間に対応する表示態様情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示した上、前記アニメーション表示命令実行終了時に前記第1タイマーを停止する。前記表示データ作成手段は、前記アニメーション表示命令実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0026】
従って、請求項2記載の本発明によれば、上記効果に加えて、1つのページ情報には、前記部分画像リスト内の部分画像情報とその表示態様情報とを用いて、アニメーション表示を行うための情報がすべて記述されているので、データサーバから各画面を表す表示データを表示の都度読み出す必要がないことと、前記表示態様情報を変更するだけで容易に表示データを作成することができることから、各画面の表示内容を表した表示データを表示の都度読み出す場合に比べて、短時間で前記表示データを作成することができ、より品質の高いアニメーション表示を行うことができる。
【0027】
請求項3記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項2記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像情報、および、その表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との大きさのX軸方向およびY軸方向の比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との回転角度とを含んだ表示態様を表す表示態様情報の少なくとも1つの組からなる前記部分画像リストと、 前記アニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つの表示態様情報の所定の経過時間毎の値を表した前記アニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。前記アニメーション表示命令実行部において、XY座標算出部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY座標の値を補間して算出する。XY拡大率算出部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY拡大率の値を補間して算出する。回転角度算出部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応する回転角度の値を補間して算出する。
【0028】
従って、請求項3記載の本発明によれば、時間の経過に伴って、前記部分画像情報で表される各部分画像の表示位置、表示サイズ、表示角度が変化されて表されるアニメーション表示において、上記効果を得ることができる。請求項4記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項3記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む前記制御情報と、 前記データサーバにページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、時間の経過に対応して再生されるべき情報がその識別名とともに再生の順に書き込まれている時系列情報であって、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名と、時間の経過に対応して再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別名と、当該内容の再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。
【0029】
前記命令実行手段において、第2タイマーは、経過時間を計測する。時系列処理実行部は、前記時系列処理開始命令に対応した前記入力値に対して、前記第2タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記時系列処理制御情報に基づいて、計測された前記経過時間に対応する前記時系列情報の内容の識別名を特定し、前記時系列情報の再生終了時に前記第2タイマーを停止する。前記マルチメディア情報再生装置において、さらに、ページ記憶手段は、前記ページ情報読み出し手段によって読み出された前記ページ情報を記憶する。時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示されている時系列情報の中から、前記時系列処理実行部によって特定された識別名の内容を読み出す。再生手段は、読み出された時系列情報の内容を再生する。
【0030】
従って、請求項4記載の本発明によれば、ページ記憶手段に記憶されているページ情報により上記効果を得ることができるとともに、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、データサーバから時系列情報に記述された内容を順次、読み出し、再生することができる。また、前記時系列情報も1つのファイルとして記録されているので、前記時系列情報内の記述内容を順次読み出す場合に、読み出し要求が発生しない。このため、時系列情報読み出し手段は、時系列情報内の記述内容を速やかに読み出すことができ、次に読み出されるべき記述内容の読み出し開始迄に、前回の読み出し分の記述内容の読み出しを完了することができる。この結果、マルチメディア情報再生装置は、前記時系列情報内に記録されている記述内容を途切れることなく、再生することができる。
【0031】
請求項5記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項4記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が、その識別名とともに所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第1時系列情報の情報名が示され、当該第1時系列情報の時間の経過に対応して再生されるべき音声情報を示す識別名と、その再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。前記時系列処理実行部において、第1時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第1時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第1時系列情報内の音声情報の識別名を特定する。前記再生手段において、音声再生部は、読み出された音声情報を再生する。前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である前記第1時系列情報の中から、前記第1時系列処理実行部によって特定された識別名の前記音声情報を読み出す。
【0032】
従って、請求項5記載の本発明によれば、上記効果に加えて、マルチメディア情報再生装置は、データサーバから読み出された第1時系列情報内の音声情報を、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、途切れを生じることなく再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、前記第1時系列情報内の音声情報を精度良く再生することができる。
【0033】
請求項6記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項4または請求項5記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、動画および/またはアニメーションの1画面内の内容を表す画面情報とが所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第2時系列情報の情報名が示され、時間の経過に対応して再生されるべき当該第2時系列情報の音声情報と画面情報との組を示す識別名と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した表示領域内に動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様を含む前記時系列制御情報とを有するページ情報を読み出す。前記時系列処理実行部において、第2時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第2時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第2時系列情報の音声情報と画面情報との組の識別名を特定するとともに、前記表示データ作成手段に、前記時系列情報読み出し手段によって読み出された画面情報を、前記再生態様に示される表示領域に配置して新たな表示データを作成するよう指示する。前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である第2時系列情報の中から、前記第2時系列処理実行部によって特定された識別名の内容である前記音声情報と前記画面情報との組を読み出す。前記表示データ作成手段は、前記第2時系列処理実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0034】
従って、請求項6記載の本発明によれば、上記効果に加えて、第2時系列情報に書き込まれている音声情報と画面情報との組を精度良く再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、同一画面内の前記部分画像に関連した領域、例えば、1つの部分画像の内部に前記第2時系列情報内の画面情報で表される動画を精度良く表示するとともに、音声情報を精度良く再生することができる。
【0035】
請求項7記載のマルチメディア情報記録装置において、部分画像記憶手段は、1画面の表示内容のうちの一部である部分画像を表した部分画像情報を、1つの部分画像情報を1つの部分画像ファイル内に格納し、ファイル毎に記憶している。部分画像リスト入力手段は、前記部分画像記憶手段内の少なくとも1つの部分画像ファイルのファイル名と、その部分画像ファイル内の部分画像情報によって表される部分画像の表示態様を表す表示態様情報との入力を受け付ける。ページ情報記憶手段は、複数の小記憶領域からなる記憶領域であって、1つのページ情報を記憶する記憶領域を有する。部分画像リスト書き込み手段は、入力されたファイル名の部分画像ファイルから部分画像情報を読み出して、その部分画像情報と、それに対応して入力された表示態様情報との組を作り、それぞれの組を、識別子とともに、前記ページ情報記憶手段の第1の小記憶領域に書き込む。制御情報入力手段は、入力信号名と、その入力信号に対応して、前記部分画像の表示態様を変更するよう指示した表示態様変更命令を含む制御情報の入力を受け付ける。制御情報書き込み手段は、入力された制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第2の小記憶領域に書き込む。ページ情報記録手段は、前記ページ情報記憶手段の前記各記憶領域にひとつのページ情報として書き込まれた各情報を、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つのページ情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに記録する。
【0036】
従って、請求項7記載の本発明によれば、オペレータからの入力に従って、対話的に生成される前記ページ情報を、前記データサーバの各ファイルに記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項1記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項8記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項7記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させて表示するよう指示したアニメーション表示命令を含む。前記制御情報入力手段において、さらに、アニメーション表示命令入力部は、入力信号と前記アニメーション表示命令との組の入力を受け付ける。前記マルチメディア情報記録装置において、さらに、時系列制御情報入力手段は、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様がどのように変化するかを表すアニメーション制御情報を含んだ時系列制御情報の入力を受け付ける。時系列制御情報書き込み手段は、入力された時系列制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第3の小記憶領域に書き込む。
【0037】
従って、請求項8記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項2記載の本発明による効果を提供することができる。請求項9記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項8記載のマルチメディア情報記録装置において、前記部分画像リスト入力手段の表示態様情報入力部は、さらに、前記各部分画像情報について、その部分画像の表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示される部分画像との大きさの比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報によって表される部分画像と実際に表示される部分画像とのなす角を表す回転角度とを含む表示態様情報の入力を受け付ける。前記時系列制御情報入力手段は、前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つが時間の経過とともにどのように変化するかを表したアニメーション制御情報の入力を受け付ける。
【0038】
従って、請求項9記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項3記載の本発明による効果を提供することができる。請求項10記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項9記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む。前記時系列制御情報は、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報名と、当該時系列情報の時間の経過に対応して各時点で再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、時系列情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる時系列処理制御情報を含む。前記マルチメディア情報記録装置において、さらに、時系列情報記憶手段は、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき情報が再生の順に書き込まれた1つの時系列情報を、ひとつの時系列情報ファイルとしてファイル毎に記憶する。時系列情報記録手段は、前記時系列情報記憶手段内の少なくとも1つの時系列情報ファイルのファイル名の入力を受け付け、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから時系列情報を読み出して、当該ファイル名に対応する時系列情報名と関連付けて、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つの時系列情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに、時系列情報毎に記録する。前記制御情報入力手段において、さらに、時系列処理開始命令入力部は、入力信号と、時系列処理開始命令との組の入力を受け付ける。前記時系列制御情報入力手段において、さらに、時系列処理制御情報入力部は、前記時系列処理制御情報の入力を受け付ける。
【0039】
従って、請求項10記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項4記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項11記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項10記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第1時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第1時系列情報の情報名を示し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報の識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、前記音声情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる第1時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段において、第1時系列情報記録部は、第1時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、当該第1時系列情報を読み出す。前記時系列処理制御情報入力部において、第1時系列処理制御情報入力部は、第1時系列処理制御情報の入力を受け付ける。
【0040】
従って、請求項11記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項5記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項12記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項10または請求項11記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、アニメーションおよび/または動画の1画面毎の表示内容を表す画面情報とが、所定の経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第2時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第2時系列情報の情報名を指定し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報と画面情報との識別子の組と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した領域内に、動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様情報とからなる第2時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段において、第2時系列情報記録部は、第2時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、第2時系列情報を読み出す。前記時系列処理制御情報入力部において、第2時系列処理制御情報入力部は、第2時系列処理制御情報の入力を受け付ける。
【0041】
従って、請求項12記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項6記載の本発明による効果を提供することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上のように、請求項1記載の本発明によれば、データサーバ内の各ファイルに記録されたページ情報に、1画面の表示内容を構成する部分画像の画像情報とその表示態様とが記述されているので、表示画像の一部分だけを変更して表示する場合には、前記制御情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更して表示データを作成するだけでよく、変更後の表示データを容易に作成することができる。また、1つのページ情報内には、部分画像リスト内の部分画像を用いて表示画像の一部分だけを変更し、表示するための情報がすべて記述されており、ページ情報内の情報だけで、表示画像の一部分だけを変更した表示データを作成することができるので、表示データをデータサーバからその都度、読み出す必要がない。従って、表示画像の一部分だけを変更した表示データを、あらかじめ作成してデータサーバ内に記録しておく必要が無い。また、このため、データサーバとマルチメディア情報再生装置との間のデータの転送レートにより、単位時間あたりに表示できる表示データの数が制限されてしまうという問題も生じない。さらに、本発明のマルチメディア情報再生装置では、データサーバ内の1つのファイルから1つのページ情報を読み出すので、データサーバ内の複数のファイルから必要な情報を読み出して、メモリ内にロードする場合に比べて、メモリを管理するCPUの負荷が少ない。また、本発明のマルチメディア情報再生装置において、別の部分画像から構成される新たな画面が表示される場合には、その部分画像が記述されている新たなページ情報が読み出され、読み出されたページ情報の記述内容だけから、その画面を表す表示データが作成される。このため、本発明のマルチメディア情報再生装置においては、新たなページ情報の読み出しの際に生じる一回の読み出し要求だけで、新たな表示データを作成することができ、データサーバ内の複数のファイルから(すなわち、何度も読み出し要求を発行して)部分画像情報を読み出してくる場合に比べて、部分画像情報の読み出しをより短時間で行うことができ、より短時間に新たな画面を表示することができる。
【0043】
請求項2記載の本発明によれば、上記効果に加えて、1つのページ情報には、前記部分画像リスト内の部分画像情報とその表示態様情報とを用いて、アニメーション表示を行うための情報がすべて記述されているので、データサーバから各画面を表す表示データを表示の都度読み出す必要がないことと、前記表示態様情報を変更するだけで容易に表示データを作成することができることから、各画面の表示内容を表した表示データを表示の都度読み出す場合に比べて、短時間で前記表示データを作成することができ、より品質の高いアニメーション表示を行うことができる。
【0044】
請求項3記載の本発明によれば、時間の経過に伴って、前記部分画像情報で表される各部分画像の表示位置、表示サイズ、表示角度が変化されて表されるアニメーション表示において、上記効果を得ることができる。請求項4記載の本発明によれば、ページ記憶手段に記憶されているページ情報により上記効果を得ることができるとともに、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、データサーバから時系列情報に記述された内容を順次、読み出し、再生することができる。また、前記時系列情報も1つのファイルとして記録されているので、前記時系列情報内の記述内容を順次読み出す場合に、読み出し要求が発生しない。このため、時系列情報読み出し手段は、時系列情報内の記述内容を速やかに読み出すことができ、次に読み出されるべき記述内容の読み出し開始迄に、前回の読み出し分の記述内容の読み出しを完了することができる。この結果、マルチメディア情報再生装置は、前記時系列情報内に記録されている記述内容を途切れることなく、再生することができる。
【0045】
請求項5記載の本発明によれば、上記効果に加えて、マルチメディア情報再生装置は、データサーバから読み出された第1時系列情報内の音声情報を、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、途切れを生じることなく再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、前記第1時系列情報内の音声情報を精度良く再生することができる。
【0046】
請求項6記載の本発明によれば、上記効果に加えて、第2時系列情報に書き込まれている音声情報と画面情報との組を精度良く再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、同一画面内の前記部分画像に関連した領域、例えば、1つの部分画像の内部に前記第2時系列情報内の画面情報で表される動画を精度良く表示するとともに、音声情報を精度良く再生することができる。
【0047】
請求項7記載の本発明によれば、オペレータからの入力に従って、対話的に生成される前記ページ情報を、前記データサーバの各ファイルに記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項1記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項8記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項2記載の本発明による効果を提供することができる。請求項9記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項3記載の本発明による効果を提供することができる。
【0048】
請求項10記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項4記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項11記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項5記載の本発明による効果を提供することができる。
【0049】
請求項12記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項6記載の本発明による効果を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
(実施例1)
図1は、本発明の第1実施例であるマルチメディア情報再生装置100の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示したマルチメディア情報再生装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、マルチメディア情報再生装置100は、ネットワークを介してデータサーバ150に接続されており、ネットワークインターフェイス部101、ページロード部102、入力部103、制御情報実行部104、クロック部105、タイムライン制御部107、記憶部108、表示部112、表示データ作成部113、オーディオ用D/A変換部114およびオーディオ出力部115を備える。さらに、記憶部108は、表示データ記憶部109、ページ記憶部110およびオーディオデータ記憶部111を備える。
【0051】
また、図2に示すように、マルチメディア情報再生装置100は、ハードウェアの構成要素として、CPU201、RAM202、システムクロック203、タイマ204、キーボード205、ジョイパッド206、入力機器インターフェイス207、ディスクインターフェイス208、CD−ROM209、ネットワークインターフェイス210、MPEG復号器211、音声用D/A変換器212、スピーカ213、グラフィックコントローラ214、VRAM215、映像用D/A変換器216およびCRT217を備える。なお、図2R>2に示すCPU201は、以下に説明する機能以外にも、マルチメディア情報再生装置100の各構成要素の動作を制御する機能を有する。なお、ディスクインターフェイス208およびCD−ROM209については、マルチメディア情報再生装置100に備えられていても良いし、備えられていなくても良い。
【0052】
なお、データサーバ150は、ハードディスク装置などの図示しない記憶装置を備えた外部装置である。データサーバ150は、図示しない前記記憶装置内に、図3に示す後述のページストリームおよび図4に示す後述のタイムラインストリームを、それぞれ、1つのページストリームを1つのファイルとし、1つのタイムラインストリームを1つのファイルとして記憶している。データサーバ150は、ネットワークを介して受信したマルチメディア情報再生装置100からの読み出し要求に応じて、前記ハードディスク装置から対応するページストリームおよびタイムラインストリームを格納したファイルを読み出し、読み出されたページストリームおよびタイムラインストリームを当該マルチメディア情報再生装置100に送信する。
【0053】
図3は、本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるページストリームのデータ構成を示す説明図である。図3に示すように、一つのページストリームは、部分画像リストと、制御情報と、タイムライン情報とからなり、それぞれのページストリームには、順番号などで表された識別番号が付されている。
なお、ページとは、約1/30秒に一回表示される個々の画面全体の表示内容をいう。各ページストリームは、1または複数のあらかじめ定められた共通の部分画像によって1画面分の表示内容が構成される複数のページの表示内容を記述する。また、あるページに表示されたうちの部分画像が、別のページにおいて拡大あるいは縮小され、平行移動および/または回転移動されて表示される場合にも、別のページに表示された部分画像が、ページストリームに記述されている同一の後述の部分画像データの表示態様(例えば、表示位置、表示倍率、表示角度、網掛け、色彩など)を変更して表示される部分画像であれば、そのページは、同一のページストリームによって記述される。また、ページストリームに記述されている1または複数の部分画像のうちから1または複数の部分画像が消去されて表示されるページも、同一ページストリームによって記述される。
【0054】
部分画像リストには、1画面分の表示内容を構成するそれぞれの部分画像の内容が記述される。前記部分画像リストには、個々の部分画像に対応して、部分画像を特定する部分画像ID、その部分画像がそのページに表示されるときの初期位置を示すXY座標、その部分画像がそのページに最初に表示されるときの拡大あるいは縮小の度合を示すXY拡大率、部分画像データに表されている部分画像に対してその部分画像がそのページに最初に表示されるときの回転角度、およびその部分画像そのものを画素に対応する表示の値で表した部分画像データが記述される。なお、前記部分画像IDは、そのページストリームに記述されている部分画像を用いて1画面分の表示データが作成される際に、部分画像が表示データ内に配置される順を示した順番号で表されている。従って、部分画像の表示位置がそれぞれ部分的に重なっている場合には、重なっている位置の画素に対応する部分画像データは、部分画像IDがより大きい部分画像の部分画像データで更新される。この結果、ページストリームに記述されている部分画像は、部分画像IDの順に、下層から上層に重ね合わされて表示される。また、ページストリームに記述されている部分画像データは、例えば、圧縮符号化されたビットマップデータや、あるいは、幾何学図形であればグラフィックデータなどで表されていてもよい。また、部分画像は、必ずしも図形である必要はなく、各メニュー画面に表示される、入力要求を示す文字列などであっても良い。この場合、文字列は文字コードで記述されていても良い。
【0055】
制御情報には、そのページストリームに記述されたページが表示されている間の入力部103からの入力信号に対して、マルチメディア情報再生装置100が実行されるべき命令が、入力信号のそれぞれについて記述されている。制御情報として記述される命令は、部分画像のXY座標を変更する、部分画像のXY拡大率を変更する、部分画像の回転角度を変更する、他のページストリームをロードする、タイムライン情報の実行を開始する、複数の部分画像を重ね合わせる、色彩付の画像を白黒で表示する、特定の色彩を強調する、音色の周波数を変更するなどがある。
【0056】
タイムライン情報には、部分画像リストに記述されたうちの所定の部分画像を、時間の経過に伴って移動して表示するアニメーション表示と、後述のタイムラインストリームに記述されている動画像を表示する動画表示とが記述される。具体的には、アニメーション表示については、アニメーション表示される部分画像(アニメーション表示対象)の部分画像IDと、その部分画像のアニメーション表示の開始から一定時間経過毎に定められた表示位置を示すXY座標と、その部分画像のアニメーション表示終了時刻とが記述される。また、動画表示については、動画表示される動画像が記述されているタイムラインストリームの識別番号と、動画表示開始時刻と終了時刻とが記述される。また、部分画像リストに記述されたうちの所定の部分画像内に前記動画像を表示する場合には、その動画像が表示される部分画像の部分画像IDが記述される。なお、後述のタイムラインストリームに記述されている動画像は、必ずしも部分画像リストに記述されたうちの所定の部分画像内に表示される必要はない。
【0057】
図4は、本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるタイムラインストリームのデータ構成を示す説明図である。各タイムラインストリームには、ページストリームと同様、順番号などで表された識別番号が付されている。前述したように、動画やアニメーションは、連続した内容の静止画を、時間の経過にしたがって約1/30秒の各表示時刻毎に順次、再生することによって表示される。図4に示すタイムラインストリームには、動画を表すそれぞれの静止画を、圧縮符号化されたビットマップデータなどで表した静止画データが、その静止画データに対応したオーディオデータとともに、表示時刻の順に記録されている。また、前記オーディオデータは、それぞれ、静止画データと同様に圧縮符号化され、静止画データの表示時間に対応した所定のサイズに分割されており、そのオーディオデータに対応する静止画データが表示されている間、時間の経過にしたがって、シリアルに再生される。なお、前記各表示時刻は、クロック部105が起動されてからの経過時間で表されていても良いし、クロック部105が複数のタイムラインストリームについて、その表示開始からの経過時間を計測することができるように構成されている場合には、各タイムラインストリームの実行が開始されてからの経過時間で表されていても良い。また、オーディオデータは、タイムラインストリームに必ずしも記述されている必要はない。さらに、静止画データも、タイムラインストリームに必ずしも記述されている必要はない。例えば、ページストリームに記述されている部分画像を用いて静止画が表示されている間に、タイムラインストリームに記述されているオーディオデータが再生される場合などには、そのタイムラインストリームにはオーディオデータだけが記述されていてもよい。なお、このタイムラインストリームでは、動画のほかにアニメーションも記述されるが、前記ページストリームに記述された部分画像を用いて行われるアニメーション表示と区別するため、以下では、タイムラインストリームに記述された静止画データを用いてアニメーションおよび動画を表示することを動画表示という。
【0058】
ネットワークインターフェイス部101は、ネットワークインターフェイス210によって実現され、ページロード部102の指示に従って、データサーバ150に記録されているページストリームとタイムラインストリームとで表されたマルチメディア情報を読み出す。ネットワークインターフェイス部101の読み出し処理の具体的な内容は、ページロード部102に指示されたページストリームまたはタイムラインストリームについて、読み出しを要求する情報がページストリームであるかタイムラインストリームであるかを示すPT区分と、その識別番号と、その読み出し要求とを、ネットワークを介してデータサーバ150に送信し、前記読み出し要求に応じてデータサーバ150から送信されてくるページストリームまたはタイムラインストリームを、ネットワークを介して受信することである。
【0059】
ページロード部102は、CPU201によって実現される。ページロード部102は、マルチメディア情報再生装置100の起動時には、データサーバ150から所定のページストリームをネットワークインターフェイス部101に読み出させ、読み出されたページストリームを、ページ記憶部110にロードする。また、タイムライン制御部107または制御情報実行部104の指示に従って、指定されたページストリームおよびタイムラインストリームをデータサーバ150に読み出させ、読み出されたページストリームおよびタイムラインストリームを、ページ記憶部110にロードする。
【0060】
ネットワークインターフェイス部101は、ネットワークインターフェイス210によって実現され、ページロード部102の指示に従って、データサーバ150に記録されているページストリームとタイムラインストリームとで表されたマルチメディア情報を、マルチメディア情報再生装置100内に読み込む。入力部103は、例えば、ジョイパッド206、キーボード205あるいは図示しないマウスなどの操作部を備え、入力機器インターフェイス207を介して使用者からの指示の入力を受け付ける。入力部103は、受け付けた入力に対応する入力信号を、例えば、ジョイパッド206のAボタン、Bボタン、Cボタンに対応する入力信号「A」、入力信号「B」、入力信号「C」を、制御情報実行部104に出力する。
【0061】
制御情報実行部104は、CPU201によって実現され、入力部103からの入力信号に応じて、ページ記憶部110にロードされているページストリームに記述された制御情報を、翻訳しながら対話的に実行する。具体的には、制御情報実行部104は、制御情報の指示内容に応じて、ページロード部102、タイムライン制御部107および表示データ作成部113の各部に指示を与え、指示内容に対応する処理を実行させる。
【0062】
クロック部105は、システムクロック203とタイマ204とによって実現される。クロック部105において、タイマ204は、タイムライン制御部107に起動および初期化され、タイムライン情報の実行開始からシステムクロック203をカウントし、タイムライン情報の実行開始からの経過時間を計測する。なお、クロック部105は、複数のタイマ204を備えるようにし、タイムライン情報の実行開始からの経過時間とともに、各タイムラインストリームについてその実行開始からの経過時間を計測するようにしても良い。
【0063】
タイムライン制御部107は、CPU201によって実現され、制御情報実行部104の指示に従って、ロードされたページストリーム中に記述されているタイムライン情報の実行を開始する。タイムライン制御部107は、タイムライン情報の実行の開始時に、クロック部105を起動する。タイムライン制御部107は、タイムライン情報の実行終了時に、クロック部105のタイマ204を初期化する。また、各タイムラインストリームについて、その実行開始からの経過時間を計測するタイマ204が備えられる場合には、各タイムラインストリームの実行終了時に、対応するタイマ204が初期化される。
【0064】
また、タイムライン制御部107は、アニメーション表示を指示する内容のタイムライン情報を実行する際には、クロック部105によって計測されている、タイムライン情報の実行開始からの経過時間に応じて、その時刻に対応するXY座標で表された表示位置に、指定された部分画像を指定された拡大縮小、回転移動などの処理を施して配置するよう表示データ作成部113に指示する。
【0065】
タイムライン制御部107は、動画表示を指示する内容のタイムライン情報を実行する際には、タイムライン情報内で指定されているタイムラインストリームをページ記憶部110にロードするよう、ページロード部102に指示する。また、タイムライン制御部107は、クロック部105によって計測されたタイムライン情報の実行開始からの経過時間に応じて、その時刻に対応する静止画データをロードされたタイムラインストリーム中で特定し、特定した静止画データを表示データ作成部113に通知する。タイムライン制御部107は、その静止画データを所定の位置に、例えば、タイムライン情報中で指定された部分画像の中に配置するよう表示データ作成部113に指示する。同時に、その静止画データに対応するオーディオデータをタイムラインストリームから読み出して、オーディオデータ記憶部111に転送する。
【0066】
表示データ記憶部109は、VRAM215によって実現され、表示データ作成部113によって作成された、各ページの1画面分の表示データを記憶する。ページ記憶部110は、RAM202によって実現され、データサーバ150から読み込まれたページストリームおよびタイムラインストリームを記憶する。オーディオデータ記憶部111は、RAM202によって実現され、約1/30秒の再生時間の大きさに分割されたオーディオデータを記憶する。
【0067】
表示部112は、映像用D/A変換器216およびCRT217によって実現され、表示データ記憶部109に記憶されている表示データを約1/30秒毎に読み出して、CRT217に表示する。映像用D/A変換器216は、表示データ記憶部109であるVRAM215から、約1/30秒毎に表示データを読み出してアナログ信号に変換し、CRT217に供給する。CRT217は、アナログ信号に変換された表示データを表示する。なお、ここでは、表示部112にCRT217を用いるとしたが、CRT217の代わりに、液晶表示装置LCDや、マルチメディア情報再生装置100に接続されるテレビジョンなどを用いても良い。さらに、表示部112への表示内容を紙に印字するようにしてもよい。
【0068】
表示データ作成部113は、CPU201、MPEG復号器211およびグラフィックコントローラ214によって実現される。表示データ作成部113は、ページ記憶部110に新たなページストリームがロードされると、ロードされたページストリームに記述されている部分画像を用いて、初期画面の1画面全体の表示データを作成する。さらに、表示データ作成部113は、制御情報実行部104の指示に従って、ロードされたページストリームに記述されている部分画像に、指示された処理(例えば、XY座標の移動、拡大縮小、回転移動など)を施し、その部分画像を用いて、静止画を表す1画面全体の表示データを作成する。また、表示データ作成部113は、タイムライン制御部107から与えられる指示に従って、ロードされたページストリームに記述されている部分画像に指示された処理(例えば、XY座標の移動、拡大縮小、回転移動など)を施し、アニメーション表示用の表示データを作成するとともに、指定されたタイムラインストリームに記述されている静止画データのうち、タイムライン制御部107に特定される静止画データを用いて、動画表示用の表示データを更新する。これにおいて、MPEG復号器211は、MPEGに従って圧縮符号化されて記録されている画像データを伸長復号する。MPEGに従って圧縮符号化されて記録されている画像データとは、例えば、タイムラインストリームに記述されている静止画データや、ページストリームに記述されている部分画像データなどである。
【0069】
オーディオ用D/A変換部114は、MPEG復号器211と音声用D/A変換器212とによって実現される。MPEG復号器211は、オーディオデータ記憶部111に記憶されているオーディオデータを順次読み出し、MPEGに従って圧縮符号化されて記録されているオーディオデータを伸長復号する。音声用D/A変換器212は、復号されたオーディオデータをアナログ信号に変換し、スピーカ213に出力する。なお、オーディオデータもまた、画像データと同様、必ずしもMPEGに従って圧縮符号化されている必要はなく、他のフォーマットに従って圧縮符号化されていても良い。また、圧縮符号化されていなくても良い。従って、MPEG復号器211は、他の復号器でもよく、また、圧縮符号化されていないオーディオデータを取り扱う場合には、無くても良い。
【0070】
オーディオ出力部115は、スピーカ213によって実現され、オーディオ用D/A変換部114からのアナログ信号を音声に変換して出力する。以下に、図5に示すフローチャートと、図6から図9に示すページストリーム1、ページストリーム2およびタイムラインストリームの具体例、およびこれに基づいて表示される表示内容の具体例とを参照しながら、マルチメディア情報再生装置100におけるマルチメディア情報の再生処理の手順を説明する。
【0071】
図5は、本実施例のマルチメディア情報再生装置100におけるマルチメディア情報の再生処理の手順を示すフローチャートである。マルチメディア情報再生装置100が起動されると、ページロード部102は、データサーバ150から、あらかじめ定められているページストリーム、例えば、後述のページストリーム1を、ネットワークインターフェイス部101に読み出させ、読み出されたページストリームをページ記憶部110にロードする(ステップS501)。
【0072】
表示データ作成部113は、ロードされたページストリームの部分画像リストに記述されている各部分画像から、初期画面の表示データを作成する(ステップS502)。作成された表示データは、表示データ記憶部109に転送されて記憶され、約1/30秒毎に表示部112に読み出されて表示される。図6は、図3に示したページストリームの具体例であるページストリーム1の記述内容を示す説明図である。図6に示すように、ページストリーム1の部分画像リストには、部分画像IDの順に、それぞれ、部分画像データの項目にビットマップデータあるいはグラフィックデータで表された、内部を斜線のパターンで塗りつぶされた円と、内部を縦の破線のパターンで塗りつぶされた三角形と、内部が白ぬきの長方形とが、それぞれ、その部分画像の表示位置を示すXY座標と、その部分画像のX軸方向およびY軸方向の拡大率と、その部分画像の表示における回転角度とともに、記述されている。部分画像ID「1」の円は、表示データ作成部113により、XY座標「100、100」を基準として、部分画像データに記述されているビットマップデータが配置され、X軸方向およびY軸方向に等倍率、回転角度0°で表示データが作成される。次いで、部分画像ID「1」の円と同様にして、部分画像ID「2」の三角形の表示データが作成され、さらにこの後、部分画像ID「3」の長方形の表示データが作成される。これにより、各部分画像同士が重なり合う領域では、部分画像IDの小さい部分画像データは、部分画像IDの大きい部分画像データで更新される。
【0073】
図7は、ページストリーム1、ページストリーム2およびタイムラインストリーム1に基づいて表示データ作成部113に描画された、各画面の表示内容を示す説明図である。図7(a)は、図6に示したページストリーム1の部分画像リストに基づいて、表示データ作成部113に描画された初期画面の表示内容を示す説明図である。前述のように、表示データ作成部113の描画処理において、各部分画像同士が重なり合う領域では、部分画像IDの小さい部分画像データが、部分画像IDの大きい部分画像データに更新されるため、図7(a)の初期画面に示すように、部分画像IDの大きい部分画像ほど、上層に重ね合わされて表示される。
【0074】
ステップS502の処理が終了すると、制御情報実行部104は、入力部103からの入力信号があるか否かを検出し(ステップS503)、否と検出された場合にはステップS508の処理に移る。あると検出された場合には、制御情報実行部104は、その入力信号を識別し(ステップS504)、その入力信号が当該ページストリームの制御情報に記述されている入力信号であるか否かを判定する(ステップS505)。否と判定された場合には、ステップS508の処理に移る。
【0075】
識別された入力信号が、当該ページストリームの制御情報に記述されていると判定されれば、制御情報実行部104は、その入力信号に対応して記述されている命令を実行する(ステップS506)。表示データ作成部113は、制御情報実行部104の実行結果に基づいて、表示データを作成する(ステップS507)。
以下、マルチメディア情報再生装置100におけるステップS505〜ステップS507の処理について、具体例を参照しながら説明する。制御情報実行部104は、入力信号を識別した後、ページ記憶部110にロードされている図6のページストリーム1から制御情報を読み出す。読み出された制御情報には入力信号「A」、「B」および「C」が記述されているので、制御情報実行部104は入力信号が「A」であるか、「B」であるか、「C」であるか、そのいずれでもないかを判定する。
【0076】
識別された入力信号が「A」であった場合には、制御情報に記述されているので、制御情報実行部104は入力信号「A」に対応する「部分画像1のXY座標を(170、100)にする」という命令を実行する。制御情報実行部104が命令を実行するという内容は、「部分画像ID=1」、「XY座標=170、100」というパラメータを、表示データ作成部113に渡すことである。制御情報実行部104は、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。表示データ作成部113は、指示にしたがって表示データを作成する。図7(b)は、ページストリーム1が実行されている間に「A」が入力された場合の表示内容を示す説明図である。図7(a)の初期画面と比較して、図7(b)に示すように、ページストリーム1が実行されている間に「A」が入力された場合には、斜線で塗り潰された円である部分画像1が、XY座標「100、100」からXY座標「170、100」に移動されて表示される。
【0077】
識別された入力信号が「B」であった場合には、上記と同様に、制御情報実行部104は、入力信号「B」に対応する「タイムラインのクロックを開始する」という命令を実行する。その内容は、ページストリーム1に記述されているタイムライン情報の実行を開始するようタイムライン制御部107に指示することである。これに応じて、タイムライン制御部107は、クロック部105を起動する。さらに、タイムライン制御部107は、ページストリーム1のタイムライン情報を読み出し、動画表示を記述したタイムライン情報中に、指定されたタイムラインストリームがあれば、そのタイムラインストリームのロードをページロード部102に指示する。さらに、タイムライン制御部107は、タイムライン情報に基づいて、後述するパラメータを作成して表示データ作成部113に渡し、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。
【0078】
図6に示すように、ページストリーム1には、アニメーション表示と動画表示とについて、タイムライン情報が記述されている。アニメーション表示については、アニメーション表示される部分画像(アニメーション表示対象)の部分画像ID「3」、タイムライン情報の実行開始からの経過時間で表されたアニメーション表示開始時刻「00分00秒000」とアニメーション表示終了時刻「00分03秒000」、所定の経過時間に対応して部分画像3の表示位置を示す「(00分00秒000)XY座標=150、150」、「(00分01秒000)XY座標=170、170」、「(00分02秒000)XY座標=190、150」が記述されている。
【0079】
また、動画表示については、動画表示されるタイムラインストリームの識別番号「1」、タイムライン情報の実行開始からの経過時間で表された動画表示開始時刻「00分00秒000」と動画表示終了時刻「00分03秒000」、タイムラインストリーム1の動画が内部に表示される部分画像である動画表示対象の部分画像ID「3」が記述されている。
【0080】
これに対し、タイムライン制御部107は、まず、ページロード部102にタイムラインストリーム1をページ記憶部110にロードするよう指示する。図8は、図4に示したタイムラインストリームの具体例であるタイムラインストリーム1の記述内容を示す説明図である。図8に示すように、タイムラインストリーム1には、タイムライン情報の実行開始後「00分00秒000」から「00分03秒000」までの間の各経過時間に対応して、太陽が山から登って行く動画を表した静止画データと、その静止画データが表示されている間に再生されるオーディオデータとが記述されている。
【0081】
識別された入力信号が「C」であった場合には、制御情報実行部104は、入力信号「C」に対応する「ページストリーム2を読み込む」という命令を実行する。その内容は、ページ記憶部110にページストリーム2をロードするようページロード部102に指示することである。これに応じて、ページロード部102は、ページストリーム2の読み出しをネットワークインターフェイス部101に指示し、読み出されたページストリーム2をページ記憶部110にロードする。表示データ作成部113は、ロードされたページストリーム2の部分画像リストに基づいて表示データを作成する。
【0082】
図9は、図6に示したページストリーム1に続くページストリーム2の記述内容を示す説明図である。図9に示すように、ページストリーム2の部分画像リストには、斜線で塗りつぶされた長方形が、部分画像ID「1」、XY座標「100、100」、XY拡大率「1、1」、回転角度「0」とともに、部分画像データにビットマップデータで記述されている。また、ページストリーム2の制御情報には、入力信号「A」に対して、「部分画像1のXY座標を200、200にする」という命令が記述されている。すなわち、上記部分画像リストに基づいてページストリーム2が実行されている間に「A」が入力されたときには、部分画像1がXY座標「200、200」の位置に表示される。なお、ページストリーム2には、タイムライン情報は記述されていない。
【0083】
図7(f)は、ページストリーム2がページ記憶部110にロードされたときの初期画面の表示内容を示す説明図である。図7(f)に示すように、ページストリーム2の部分画像リストに記述されている、斜線で塗りつぶされた長方形が、XY拡大率「1、1」、回転角度「0」で、XY座標「100、100」に表示される。
ステップS507までの処理が終了すると、タイムライン制御部107は、クロック部105が動作しているか否かを検出する(ステップS508)。タイムライン制御部107は、クロック部105が動作中であることを検出すると、クロック部105で計測された、タイムライン情報の実行開始からの経過時間を読み出す(ステップS509)。
【0084】
タイムライン制御部107は、クロック部105から読み出した経過時間により、現在、アニメーション表示対象に指定されている部分画像があるか否かを判定し(ステップS510)、あれば、該当する部分画像の表示位置を示すXY座標を、予め所定の経過時間に対応して指定されているXY座標から算出して、算出されたXY座標を、そのときのXY拡大率、回転角度およびその部分画像の部分画像IDとともに、表示データ作成部113にパラメータとして渡す。次いで、タイムライン制御部107は、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて表示データを作成し、作成された表示データで表示データ記憶部109内の表示データを更新する(ステップS511)。ステップS510において、指定されている部分画像がなければ、ステップS512の処理に移る。
【0085】
例えば、ステップS509における経過時間が「00分00秒000」であったとすると、タイムライン情報に記述されているアニメーション表示開始時刻が「00分00秒000」であるので、タイムライン制御部107は、アニメーション表示のパラメータとして、「部分画像ID=3」と「(00分00秒000)XY座標=150、150」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。これに応じて、表示データ作成部113は、パラメータ「(00分00秒000)XY座標=150、150」で指定されたXY座標に部分画像3を移動して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0086】
また、例えば、ステップS509における経過時間が「00分01秒000」であったとすると、この時刻にアニメーション表示が指定されている部分画像3があるので、タイムライン制御部107は、「00分01秒000」に対応するアニメーション表示のパラメータ「部分画像ID=3」と「(00分01秒000)XY座標=170、170」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて、部分画像3をXY座標「170、170」に移動して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0087】
なお、前記経過時間が「00分01秒000」のように経過時間に対してではなく、例えば、「00分00秒500」であったとすると、タイムライン制御部107は、タイムライン情報から読み出した「(00分00秒000)XY座標=150、150」と「(00分01秒000)XY座標=170、170」とから、これを補間する「(00分00秒500)XY座標=160、160」を算出し、表示データ作成部113に渡す。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて、部分画像3をXY座標「160、160」に移動して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0088】
さらに、タイムライン制御部107は、クロック部105から読み出した経過時間により、現在、動画表示が指定されているタイムラインストリームがあるか否かを判定し(ステップS512)、あれば、該当するタイムラインストリームの中から、クロック部105から読み出した経過時間に対応する静止画データを特定して表示データ作成部113に通知するとともに、その静止画データに対応するオーディオデータをタイムラインストリームから読み出してオーディオデータ記憶部111に転送する。表示データ作成部113は、指定されたタイムラインストリームから、特定された静止画データを読み出して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新した後(ステップS513)、ステップS503の処理に移る。ステップS512において、指定されているタイムラインストリームがなければ、ステップS503の処理に移る。
【0089】
例えば、ステップS509における経過時間が「00分00秒000」であったとすると、タイムライン情報に記述されている動画表示開始時刻は「00分00秒000」であるので、タイムライン制御部107は、タイムライン情報の実行開始時から「00分00秒000」経過時に対応する動画表示のパラメータとして、「タイムラインストリームの識別番号=1」と「静止画データ=00分00秒000」と「部分画像ID=3」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。同時に、オーディオデータA1をタイムラインストリーム1から読み出して、オーディオデータ記憶部111に転送する。次いで、タイムライン制御部107は、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。これに応じて、表示データ作成部113は、部分画像3の中にパラメータ「静止画データ=00分00秒000」で指定された静止画データを配置して、表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0090】
図7(c)は、図7(b)に示した画面が表示されている間に「B」が入力された直後の表示内容を示す説明図である。すなわち、図7(c)は、クロック部105に計測されている経過時間が「00分00秒000」の各パラメータに基づいて描画された画面を示している。アニメーション表示される部分画像3は、「(00分00秒000)XY座標=150、150」に表示されるが、部分画像1と部分画像2とは、アニメーション表示用のパラメータでXY座標が指定されていないので、図7(b)に示された位置と同一の位置に表示される。また、部分画像3の内部にはタイムラインストリーム1の「静止画データ=00分00秒000」の静止画データが表示される。また、この表示と同時に、オーディオデータA1が再生される。なお、図7(a)に示した初期画面が表示されている間に「B」が入力された場合の表示内容と、図7(c)の表示内容とが異なる点は、斜線で塗り潰された円の表示位置である。前者では円がXY座標「100、100」に表示されるのに対し、後者では円がXY座標「170、100」に表示される。
【0091】
さらに、例えば、ステップS509における経過時間が「00分01秒000」であったとすると、この時刻に動画表示が指定されているタイムラインストリーム1があるので、タイムライン制御部107は、経過時間「00分01秒000」に対応する動画表示のパラメータ「タイムラインストリームの識別番号=1」と「静止画データ=00分01秒000」と「部分画像ID=3」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。同時に、タイムライン制御部107は、経過時間「00分01秒000」に対応するオーディオデータAiを、タイムラインストリーム1から読み出し、オーディオデータ記憶部111に転送する。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて、部分画像3の中にタイムラインストリーム1から読み出した「00分01秒000」の静止画データを配置して表示データを作成する。
【0092】
図7(d)は、タイムライン情報の実行開始から経過時間「00分01秒000」における表示内容を示す説明図である。図7(d)に示すように、部分画像1と部分画像2とは図7(b)に示された位置と同一の位置に表示されているが、部分画像3はXY座標「170、170」に移動されて表示されており、その内部に「00分01秒000」の静止画データが表示されている。また、この画面が表示されている間に、オーディオデータAiが再生される。
【0093】
さらに、図7(e)は、タイムライン情報の実行開始から経過時間「00分02秒000」における表示内容を示す説明図である。タイムライン情報の実行開始から経過時間「00分01秒000」における場合と同様の処理によって、部分画像1と部分画像2とは図7(b)に示された位置と同一の位置に表示されているが、部分画像3はXY座標「190、150」に移動されて表示され、その内部に「00分02秒000」の静止画データが表示される。また、「00分02秒000」の静止画データが表示されている間、オーディオデータAjが再生される。なお、ページストリーム1の制御情報にはアニメーション表示について、経過時間「00分02秒000」以降の部分画像3に対するXY座標が示されていないので、経過時間「00分03秒000」までアニメーション表示の処理は継続されるが、部分画像3はXY座標「190、150」に静止して表示される。これに対し、部分画像3の内部には、経過時間「00分03秒000」までの静止画データが順次表示されるとともに、表示されている静止画データに対応したオーディオデータが順次再生される。
【0094】
以上のように本実施例によれば、1画面分の表示内容を1つの画像データとしてデータサーバ150から読み出す場合に比べて、マルチメディア情報再生装置100は、ロードされているページストリームに記述された部分画像の表示を変更する場合には、データサーバ150からの画像データの読み出しを必要としないので、データサーバ150との間のデータの転送レートにかかわらず、単位時間あたり比較的多数の静止画を表示することができる。各ページストリームの記述内容と各タイムラインストリームの記述内容とは、それぞれ、データサーバ150内の1つのファイル内に記録されているので、同一ページストリームあるいは同一タイムラインストリーム内から一部の情報が順次、読み出される際には、読み出される各情報についての読み出し要求が発生しない。このため、同一ページストリームおよび同一タイムラインストリームからのデータ読み出しが速く、再生される音声や動画の途切れを生じることなく、精度良くマルチメディア情報を再生することができる。また、部分画像リストとその部分画像リストに記述されている部分画像に関連した制御情報とタイムライン情報とが、一つのページストリームに記述されているので、画像データ、制御情報、動画情報などが、データサーバ150内のそれぞれ別個のファイルに記録されている場合に比べて、それらの情報を内部のRAM202にロードし、管理するCPU201の負荷を軽減することができる。
【0095】
なお、本実施例では、タイムラインストリームに記述される静止画データおよびオーディオデータは、MPEGに従って圧縮符号化されており、これをMPEG復号器211で伸長復号することとしたが、静止画データ、オーディオデータおよび部分画像データは、それぞれ、必ずしもMPEGに従って圧縮符号化されている必要はなく、他のフォーマット、例えば、VFW(Video forWindows(登録商標))あるいは、QT(Quick Time)などで圧縮符号化された画像データであっても良い。このため、MPEG復号器211は、他のフォーマットに従う復号器であってもよい。また、マルチメディア情報再生装置100が、圧縮符号化されていないデータだけを取り扱う場合には、復号器は備えられなくても良い。
【0096】
また、本実施例では、ページロード部102は、タイムライン情報の実行開始時に、指定されたタイムラインストリームの記述内容をデータサーバ150から一括してページ記憶部110にロードし、表示データ作成部113は、ロードされたタイムラインストリーム内の特定された静止画データを読み出して表示データを作成することとしたが、前記タイムラインストリームの記述内容は、必ずしも一括してページ記憶部110にロードされる必要はない。例えば、ページロード部102は、指定されたタイムラインストリーム内の特定された静止画データとオーディオデータとを、動画表示の各表示時刻毎にページ記憶部110にロードすることとし、表示データ作成部113は、ロードされた静止画データをページ記憶部110から読み出して表示データを作成し、タイムライン制御部107は、ロードされたオーディオデータをオーディオデータ記憶部111に転送するようにしても良い。
【0097】
このためには、以下の処理が行われる。ネットワークインターフェイス部101とデータサーバ150とは、まず、動画表示実行時間に対応した一定時間、ネットワークの通信帯域を確保しておく。次いで、データサーバ150は、読み出し要求のあったタイムラインストリームを記録したファイルから、各表示時刻に対応して、MPEGなどに従って圧縮符号化されたその時刻の静止画データとオーディオデータとを読み出し、ネットワークに送出する。ネットワークを介して、各表示時刻に対応した静止画データとオーディオデータとを受信したマルチメディア情報再生装置100側では、ページロード部102が、受信された静止画データとオーディオデータとをページ記憶部110にロードする。ロードされた静止画データとオーディオデータとは、マルチメディア情報再生装置100の前記各構成要素により、当該表示時刻に再生される。一般に、画像データは、圧縮符号化されていてもデータ量が大きいので、1つのタイムラインストリームに記述されるデータ量は、比較的大きいと考えても良い。このため、ページ記憶部110として必要なRAM202の記憶容量を考慮すれば、ページロード部102は、動画表示の各表示時刻毎に、特定された静止画データとオーディオデータとをページ記憶部110にロードするようにした方が好ましいといえる。なお、すでに説明したように、1つのタイムラインストリームの記述内容は、データサーバ150内の1つのファイルに記録されているので、ページロード部102が、表示時刻の都度、特定された静止画データとオーディオデータとをデータサーバ150からロードすることとしても、読み取り要求を発生しないので、再生される音声や動画の途切れを生じることなく動画表示を行うことができる。
【0098】
さらに、本実施例では、動画表示の際に、タイムライン制御部107が、タイムライン情報内で指定されたタイムラインストリームのロードを、ページロード部102に指示し、指示されたページロード部102が、さらに、データサーバ150からの読み出しをネットワークインターフェイス部101に指示することとしたが、必ずしもこのようにタイムラインストリームの読み出しを行う必要はなく、タイムライン制御部107が、指定されたタイムラインストリームの読み出しを直接、ネットワークインターフェイス部101に指示するようにしてもよい。
【0099】
さらに、本実施例では、表示部112は、各ページを約1/30秒毎に表示することとして説明したが、品質の高い動画像を表示する場合には、約1/60秒毎に、あるいは、約1/150秒毎に各ページを表示する。このような場合には、タイムラインストリームには、タイムラインストリームの実行開始から約1/60秒毎、あるいは、約1/150秒毎の表示時刻に対応した静止画像データとオーディオデータとが記述される。
【0100】
また、前記データサーバ150のファイルには、必ずしもすべての情報がデジタルデータで記録されている必要はなく、一部のデータ、例えば、タイムラインストリームのオーディオデータなどは、アナログデータでかつ分割されて記録されていても良い。これに対応して、マルチメディア情報再生装置100には、オーディオデータ記憶部111の代わりに、アナログデータ用の記憶部が備えられる。
【0101】
なお、本実施例では、データサーバ150は、ページストリームとタイムラインストリームとを区別して記憶しているように説明したが、必ずしもその必要はなく、データサーバ150は、ページストリームとタイムラインストリームとの区別なく、例えば、順番号などで表された各ファイルの識別番号でページストリームとタイムラインストリームとを記憶しておいても良い。この場合には、ページストリームおよびタイムラインストリーム内の各情報中に記述されるページストリームとタイムラインストリームとの指定、および、制御情報実行部104とタイムライン制御部107とのパラメータによるページストリームとタイムラインストリームとの指定は、前記各ファイルの前記識別番号で記述される。
(実施例2)
図10は、本発明の第2実施例であるマルチメディア情報記録装置1000の構成を示すブロック図である。図11は、図10に示したマルチメディア情報記録装置1000のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0102】
図10に示すように、マルチメディア情報記録装置1000は、通信回線を介してデータサーバ150に接続されており、入力部1001、ストリーム作成部1002、2次記憶部1003、データサーバ書き込み部1009を備える。2次記憶部1003は、部分画像記憶部1004、動画記憶部1005、オーディオ記憶部1006、ページストリーム記憶部1007およびタイムラインストリーム記憶部1008の記憶領域を備える。
【0103】
また、図11に示すように、マルチメディア情報記録装置1000のハードウェア構成は、CPU1101、RAM1102、システムクロック1103、タイマ1104、キーボード1105、入力機器インターフェイス1106、ネットワークインターフェイス1107、ディスクインターフェイス1108、ハードディスク1110、MPEG復号器1111、音声用D/A変換器1112、スピーカ1113、グラフィックコントローラ1114、VRAM1115、映像用D/A変換器1116およびCRT1117を備える。
【0104】
なお、システムクロック1103、タイマ1104、MPEG復号器1111、音声用D/A変換器1112、スピーカ1113、グラフィックコントローラ1114、VRAM1115、映像用D/A変換器1116およびCRT1117は、ページストリームおよびタイムラインストリームの作成および記録には必ずしも必要な構成要素ではないが、オペレータが2次記憶部1003内の素材データや、作成されたページストリームおよびタイムラインストリームの内容を再生し、確認するために用いられる。
【0105】
データサーバ150は、データサーバ書き込み部1009から書き込み要求とともに送信されたページストリームおよびタイムラインストリームを、通信回線を介して受信し、内部に備える図示しないハードディスク装置などの記憶装置に、それぞれ個別のファイルとして記録する。入力部1001は、キーボード1105および入力機器インターフェイス1106によって実現される。なお、入力部1001は、図示しないスキャナおよびビデオキャプチャー用のボードを備える。スキャナは、紙面などに印字された静止画などを、デジタル化された静止画データとして入力する。また、ビデオキャプチャー用のボードは、接続されているビデオテープレコーダなどから、動画をデジタル化された動画データとして入力する。
【0106】
ストリーム作成部1002は、CPU1101によって実現される。ストリーム作成部1002は、処理の手順に応じて、例えば、CRT1117にメニュー画面および入力要求を表示させ、マルチメディア情報の編集者からの指示の入力や文字情報の入力を受け付ける。さらに、当該表示に応じて入力された指示にしたがって、それぞれ各指示に対応する部分画像ファイル、動画ファイルおよびオーディオファイルを部分画像記憶部1004、動画記憶部1005およびオーディオ記憶部1006から読み出して、図3および図4に示したページストリームおよびタイムラインストリームを対話的に作成する。制御情報の入力は、入力部1001からの文字入力によって行う。なお、ストリーム作成部1002の処理動作は、図12および図13のフローチャートを用いて、後に詳細に説明する。
【0107】
2次記憶部1003は、ディスクインターフェイス1108およびハードディスク1110によって実現される。部分画像記憶部1004は、1または複数の部分画像ファイルを記憶する。それぞれの前記部分画像ファイルには、静止画を表す素材データのうちから編集処理によってあらかじめ切り出された1つの部分画像が、MPEGなどにしたがって圧縮符号化されたビットマップデータあるいはグラフィックデータなどで記述され、記憶されている。各部分画像ファイルに記述されている内容は、ページストリームの部分画像データを記述する内容に対応する。なお、素材データとは、編集処理により、制御情報や他の素材データと関係づけられることによってマルチメディア情報を構成するデータをいう。
【0108】
動画記憶部1005は、1または複数の動画ファイルを記憶する。前記動画ファイルには、動画を表した静止画の素材データのうちから、編集処理によってあらかじめ所定の表示時刻に対応づけて切り出された静止画データが、1画面毎にその表示時刻の順に記録されている。オーディオ記憶部1006は、1または複数のオーディオファイルを記憶する。前記オーディオファイルには、音声を表す素材データのうちから、編集処理によって、1つの前記静止画データが表示されている時間の長さに対応した音声のデータ量毎にあらかじめ分割された各オーディオデータが、前記静止画データの表示時刻に対応づけて、表示時刻の順に記録されている。
【0109】
ページストリーム記憶部1007は、ストリーム作成部1002によって作成されたページストリームを記憶する。タイムラインストリーム記憶部1008は、ストリーム作成部1002によって作成されたタイムラインストリームを記憶する。データサーバ書き込み部1009は、ネットワークインターフェイス1107によって実現される。データサーバ書き込み部1009は、ストリーム作成部1002からの通知に従って、ページストリーム記憶部1007から該当するページストリームを読み出し、そのページストリームのPT区分「P」と、識別番号と、ページストリームとをその書き込み要求とともに、通信回線を介してデータサーバ150に送信する。同様に、データサーバ書き込み部1009は、ストリーム作成部1002からの通知に従って、タイムラインストリーム記憶部1008から該当するタイムラインストリームを読み出し、そのタイムラインストリームのPT区分「T」と、識別番号と、タイムラインストリームとを、その書き込み要求とともに、データサーバ150に送信する。これに応じて、データサーバ150は、PT区分「P」と、識別番号とを付したファイルに当該ページストリームを記録し、PT区分「T」と、識別番号とを付したファイルに当該タイムラインストリームを記録する。
【0110】
図12および図13は、本実施例のマルチメディア情報記録装置1000におけるマルチメディア情報の記録処理の手順を示すフローチャートである。なお、ステップS1219からステップS1228までの記録処理の手順については、図13のフローチャートに示す。ストリーム作成部1002は、まず、ページストリームおよびタイムラインストリームの識別番号を「1」に初期化する(ステップS1201)。
【0111】
ストリーム作成部1002は、当該ページストリームに記述されるべき内容があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示にしたがって、当該ページストリームに記述されるべき内容があれば(ステップS1202)、部分画像IDを「1」に初期化する(ステップS1203)。さらに、ストリーム作成部1002は、当該部分画像IDの部分画像として記述されるべき内容があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示にしたがって、当該部分画像IDの部分画像として記述されるべき内容があれば(ステップS1204)、対応する部分画像を記述した部分画像ファイルのファイル名の入力を受け付ける(ステップS1205)。さらに、当該ページストリームの初期画面における当該部分画像の表示位置、拡大率および回転角度を記述するXY座標、XY拡大率および回転角度の入力を受け付ける(ステップS1206)。ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの当該部分画像IDの前記各項目に割当てられた記憶領域に、部分画像ID、XY座標、XY拡大率および回転角度を書き込む。続いて、入力されたファイル名の部分画像ファイルを部分画像記憶部1004から読み出し、読み出された内容を、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの当該部分画像IDを有する部分画像データの項目に割当てられた記憶領域に書き込む(ステップS1207)。この後、ストリーム作成部1002は、部分画像IDをインクリメントして(ステップS1208)、ステップS1204の処理に戻る。
【0112】
ステップS1204の処理において、入力された指示により、当該部分画像IDの部分画像として記述されるべき内容がなければ、ストリーム作成部1002は、さらに、当該ページストリームにおいて記述されるべき制御情報があるか否かの指示の入力を要求し、入力された指示により、記述されるべき制御情報があれば(ステップS1209)、入力信号名の入力を受け付ける(ステップS1210)。それに続いて、入力された入力信号名に対応して実行されるべき命令の入力を受け付ける(ステップS1211)。ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの制御情報の項目に割当てられた記憶領域の空き領域に、入力された入力信号名とそれに対応する命令との組を書き込んで(ステップS1212)、ステップS1209の処理に戻る。
【0113】
ステップS1209の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべき制御情報がなければ、ストリーム作成部1002は、さらに、当該ページストリームにおいて記述されるべきアニメーション表示があるか否かの指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示により、記述されるべきアニメーション表示があれば(ステップS1213)、アニメーション表示されるべき部分画像(アニメーション表示対象)の部分画像IDの入力を受け付ける(ステップS1214)。さらに、ストリーム作成部1002は、入力された部分画像IDの部分画像をどのようにアニメーション表示するかを示す1または複数のアニメーション種類の入力を受け付ける(ステップS1215)。なお、前記アニメーション種類は、例えば、「移動」、「拡大」および「回転」等の中から選ばれる。前記アニメーション種類の入力に応じて、時間の経過に伴って変化するパラメータが指定される。
【0114】
さらに、ストリーム作成部1002は、当該ページストリームに記述されるべき、タイムライン情報の実行開始からの経過時間で表される時刻と、入力されたアニメーション種類に対応するパラメータの前記時刻に対応した値との組があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示にしたがって、あれば(ステップS1216)、その入力を受け付ける(ステップS1217)。具体的には、前記時刻に対応するパラメータの値は、「移動」に対してXY座標の値が、「拡大」に対してXY拡大率の値が、および「回転」に対して回転角度の値が入力される。
【0115】
ステップS1216の処理において、入力された指示にしたがって、当該ページストリームに記述されるべき、時刻とその時刻に対応したパラメータの値との組がなければ、ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームのアニメーション表示に関する情報に割当てられた記憶領域の空き領域に、入力されたアニメーション表示対象の部分画像IDと、時刻とその時刻および入力されたアニメーション種類に対応したパラメータの値との組とを書き込み(ステップS1218)、ステップS1213の処理に戻る。
【0116】
ステップS1213の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべきアニメーション表示がなければ、ストリーム作成部1002は、当該ページストリームに記述されるべき動画表示があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示により、記述されるべき動画表示があれば(ステップS1219)、動画表示の開始時刻、終了時刻、およびその動画が表示されるべき部分画像(動画表示対象)の部分画像IDの入力を受け付ける(ステップS1220)。
【0117】
さらに、ストリーム作成部1002は、入力された部分画像IDで示される部分画像の内部に表示されるべき動画を記述した、動画ファイルのファイル名の入力を受け付ける(ステップS1221)。次いで、ストリーム作成部1002は、入力されたファイル名に記述されている動画に同期して再生されるべき音声を記述した、オーディオファイルがあるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示により、あれば(ステップS1222)、ストリーム作成部1002は、そのオーディオファイルのファイル名の入力を受け付ける(ステップS1223)。次いで、ストリーム作成部1002は、ファイル名が入力された動画ファイルとオーディオファイルとを、それぞれ動画記憶部1005とオーディオ記憶部1006とから読み出して、同一時刻に対応する静止画データとオーディオデータとをそれぞれ組にして、タイムラインストリーム記憶部1008内で、現在セットされている識別番号を有するタイムラインストリームに割当てられた記憶領域に書き込む(ステップS1224)。
【0118】
ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの動画表示に関する情報に割当てられた記憶領域の空き領域に、入力された動画表示の開始時刻と終了時刻と動画表示対象の部分画像IDとを、該当するタイムラインストリームの識別番号とともに書き込む(ステップS1225)。
ステップS1222の処理において、該当するオーディオファイルがなければ、ファイル名が入力された動画ファイルを、動画記憶部1005から読み出して、タイムラインストリーム記憶部1008内で、現在セットされている識別番号を有するタイムラインストリームに割当てられた記憶領域に書き込み(ステップS1226)、ステップS1225の処理に移る。
【0119】
次いで、ストリーム作成部1002は、タイムラインストリームの識別番号をインクリメントして(ステップS1227)、ステップS1219の処理に戻る。ステップS1219の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべき動画表示がなければ、ストリーム作成部1002は、ページストリームの識別番号をインクリメントした後(ステップS1228)、ステップS1202の処理に戻る。
【0120】
ステップS1202の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべき内容がなければ、ストリーム作成部1002は、作成されたページストリームおよびタイムラインストリームを、データサーバ150の各ファイルに記録する順序を示す指示の入力を要求するとともに、その入力を受け付ける(ステップS1229)。ストリーム作成部1002は、入力された記録順序をデータサーバ書き込み部1009に通知し、データサーバ書き込み部1009は、前記通知に従って、ページストリーム記憶部1007から該当するページストリームを読み出すとともに、タイムラインストリーム記憶部1008から該当するタイムラインストリームを読み出して、データサーバ150に記録する(ステップS1230)。
【0121】
以上のように本実施例によれば、マルチメディア情報記録装置1000は、図3および図4に示したページストリームおよびタイムラインストリームを、データサーバ150内の記憶装置に、それぞれ1ファイルとして記録することができる。これにより、ネットワークを介して当該データサーバ150に接続されたマルチメディア情報再生装置100側では、マルチメディア情報記録装置1000によって記録されたページストリームおよびタイムラインストリームを再生することにより、第1実施例に示した上記効果を得ることができる。
【0122】
なお、本実施例では、タイムラインストリームに記述される静止画データおよびオーディオデータは、MPEGに従って圧縮符号化されていることとしたが、静止画データ、オーディオデータおよび部分画像データは、それぞれ、必ずしもMPEGに従って圧縮符号化されている必要はなく、他のフォーマット、例えば、VFW(Video for Windows(登録商標))あるいは、QT(QuickTime)などで圧縮符号化された画像データであっても良い。
【0123】
なお、本実施例において、データサーバ150は、ページストリームとタイムラインストリームとの区別なく、例えば、順番号などで表された各ファイルの識別番号でページストリームとタイムラインストリームとを記憶しておいても良い。この場合には、ページストリームおよびタイムラインストリーム内の各情報中に記述されるページストリームとタイムラインストリームとの指定、および、制御情報実行部204とタイムライン制御部207とのパラメータによるページストリームとタイムラインストリームとの指定は、前記各ファイルの前記識別番号で記述される。
【産業上の利用可能性】
【0124】
データサーバなどに動画情報、静止画情報、グラフィック、音楽情報等のマルチメディア情報を記録し、ネットワークを介して、TVゲーム機、電子書籍、高級カラオケ装置およびビデオ・オン・デマンド装置などの読み出し専用のマルチメディア情報再生装置において、前記マルチメディア情報を読み出して利用するといった通信システムにおいて好適している。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施例であるマルチメディア情報再生装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したマルチメディア情報再生装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるページストリームのデータ構成を示す説明図である。
【図4】本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるタイムラインストリームのデータ構成を示す説明図である。
【図5】本実施例のマルチメディア情報再生装置100におけるマルチメディア情報の再生処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図3に示したページストリームの具体例であるページストリーム1の記述内容を示す説明図である。
【図7】ページストリーム1、ページストリーム2およびタイムラインストリーム1に基づいて表示データ作成部113に描画された、各画面の表示内容を示す説明図である。
【図8】図4に示したタイムラインストリームの具体例であるタイムラインストリーム1の記述内容を示す説明図である。
【図9】図6に示したページストリーム1に続くページストリーム2の記述内容を示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施例であるマルチメディア情報記録装置1000の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したマルチメディア情報記録装置1000のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図12】本実施例のマルチメディア情報記録装置1000におけるマルチメディア情報の記録処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施例のマルチメディア情報記録装置1000におけるマルチメディア情報の記録処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】従来のマルチメディア情報再生装置において画像と音声との同期再生が行われるマルチメディア情報のデータ構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0126】
100 マルチメディア情報再生装置
101 ネットワークインターフェイス部
102 ページロード部
103 入力部
104 制御情報実行部
105 クロック部
107 タイムライン制御部
108 記憶部
109 表示データ記憶部
110 ページ記憶部
111 オーディオデータ記憶部
112 表示部
113 表示データ作成部
114 オーディオ用D/A変換部
115 オーディオ出力部
150 データサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続されているデータサーバなどに備えられた記憶装置に、動画情報、静止画情報、グラフィックおよび音声情報などからなるマルチメディア情報を記録するマルチメディア情報記録装置、および、前記データサーバなどから前記マルチメディア情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、読み出し専用のマルチメディア情報再生装置として、TVゲーム機、電子書籍、高級カラオケ装置およびビデオ・オン・デマンド装置などが利用されている。これらのマルチメディア情報再生装置は、光ディスク(CD−ROM)やデジタルビデオディスク(DVD)に記録されたマルチメディア情報、および、ネットワークなどを介してデータサーバから伝送されてきたマルチメディア情報などを再生する。
【0003】
以下、上記のような従来のマルチメディア情報再生装置の一例として、特開平5−28648号公報に開示されている「電子紙芝居」について説明する。図14は、従来のマルチメディア情報再生装置において画像と音声との同期再生が行われるマルチメディア情報のデータ構成の一例を示す説明図である。図14のデータ領域欄および制御情報欄に示すデータおよび情報は、デジタルディスクなどの記録媒体に記録されており、音声データおよび静止画データなどが混在する、データ領域欄に示した所定量のデータから構成されるブロック毎に、制御情報欄に示した制御情報が記録されている。図1414において、データ領域欄のAn(ただし、nは、自然数)は音声データを示し、VnB、VnCはそれぞれ静止画B、静止画Cのデータを示し、CLUT(カラールックアップテーブル)はCLUTデータを示し、NOPnは無操作データを示す。制御情報欄の(1)はデータの書き込み命令を示し、(2)はCLUTデータ命令を示し、(3)はデータ表示命令を示し、(4)はオーディオデータ命令を示し、(5)は無操作命令を示す。表示画面欄のA、Bはそれぞれ画面に表示している静止画A、Bを示す。
【0004】
制御情報欄の各命令は、左側から右側に向かって順次実行される。まず、ディジタル化された音声情報であるオーディオデータA1は、制御情報(4)により、オーディオデータメモリに転送され、オーディオ用D/A(デジタル/アナログ)変換器を経てアナログオーディオ信号として出力される。ビデオデータV1Bは、制御情報(1)により静止画の書き込み領域が指定され、V1BからV42Bのビデオ用メモリの所定の位置に書き込まれる。CLUTデータは、制御情報(2)により表示画面の更新を行う。CLUTメモリの内容にしたがって、ビデオ用メモリの内容がビデオ用のD/A変換器でアナログビデオ信号に変換され、画面に表示される。図14に示した例においては、オーディオ信号A44に同期して表示画面をAからBに切り替えることができる。以下、図示しない静止画C以降、同様の処理を行うことにより、表示画面と音声とを同期させながら再生することができる。
【0005】
また、以下に、マルチメディア情報再生装置における一般的な再生処理について説明する。マルチメディア情報再生装置は、CRT(陰極線管)や液晶ディスプレイなどの表示装置の走査線(通常500本以上)とページ(通常約1/30秒毎に表示される1画面分の表示内容)とに対応づけて、ディジタル化された画像信号中にあらかじめ挿入されている行終了信号やページ終了信号等を、前記表示装置の走査線とページとに一致させて表示することにより、前記データサーバから送信されてきた画像情報を、前述のような表示装置の表示面上における所定位置に表示する。
【0006】
マルチメディア情報再生装置は、前記表示装置の各画素に対応づけて表示される内容を、それぞれ上下、左右に連続する2画素に対応づけて、あるいは、表示内容を補間して表示し、表示される画像の大きさを2×2倍に拡大する。各画素に対応する表示内容を、1画素分ずつ間引いて画素に対応づけ、表示することにより、表示される画像の大きさを1/2倍に縮小する。さらに、マルチメディア情報再生装置は、三角関数を使用して各画素の座標を変換することにより、表示される画像を回転させる。また、前記データサーバ内の記憶装置には、通常、前記表示装置の表示面における画素と比べて、さらに高密度な画素に対応づけて表示内容が記録されており、通常の表示に際しては、表示装置の画素密度に応じて適正な画像が表示されるように所定の調整が施されている。このため、データサーバ内の記憶装置には小さい静止画として記憶されている画像を、表示装置の表示面一杯に拡大して表示する場合にも、実用上の問題はない。
【0007】
また、マルチメディア情報再生装置は、一般的に、前記データサーバから受信したマルチメディア情報を再生するのに必要なプログラムを装備しているが、そのプログラムに連動して、そのマルチメディア情報に独自に新たに追加あるいは変更された命令などが実行されるように、マルチメディア情報内に別のプログラムをあらかじめ書き込んでおく場合がある。この場合、マルチメディア情報内に書き込まれる別のプログラムには、例えば、「〔」、「〕」などに類似した記号等が付与され、マルチメディア情報再生装置は、その記号等を認識することにより、実行されるべきプログラムを認識する。
【0008】
さらに、マルチメディア情報再生装置は、約1/30秒毎に、VRAM(ビデオRAM)内に記憶されている表示データを読み込んで表示するという動作を繰り返すことにより、表示時間の経過に対して画像が静止している静止画を前記表示装置に表示する。これに対し動画の表示は、約1/30秒毎に、VRAM内に記憶されている表示データを更新し、更新された表示データを読み込んで表示するという動作を繰り返すことにより行われる。このため、表示装置の各表示面を表す表示データは、動画ならば約1/30秒で1つの記憶単位を構成する。
【0009】
動画と同時に再生される音声は、約1/30秒毎の再生時間に区切って、動画を構成する各表示データと一体的に読み合わせて、前記記録媒体および前記記憶装置に記憶させることが可能である。この場合には、マルチメディア情報再生装置は、音声を動画にあわせて区切れなく再生するために、少なくとも約1/30秒分の音声データを記憶する記憶部を備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来例では、映画、音声等およびそれらの制御等に関するデータは固定的に記憶されている。例えば、画像を表すデータについていえば、一度に画面に表示される静止画のデータは、背景などを含んだ1画面分全体の表示画像を表すデータが1つの静止画データとして記憶される。このため、静止画の一部の画像を画面内の異なる位置に移動して表示したり、静止画の一部の画像を拡大あるいは縮小して表示するなど、表示画像の一部分だけを変更して表示する場合であっても、静止画の一部の画像の表示位置や大きさを変更した1画面分全体の表示画像を表す静止画データを、あらかじめ全て作成してデータサーバ内に格納しておく必要がある。また、これを表示する場合には、その都度、新たにデータサーバから静止画データを読み込まなければならないため、単位時間あたりに表示できる静止画の数が、データサーバとメモリとの間のデータの転送レートにより制限されてしまうという問題点を有していた。
【0011】
また、オーディオデータ、静止画データ、動画データおよび制御情報などがそれぞれ異なる記憶領域に格納されている場合には、マルチメディア情報再生装置は制御情報を実行する都度、制御情報とそれに用いられる各データを読み出すために、データサーバに対して読み出し要求を発行しなければないため、読み出し効率が悪いという問題点があり、また、マルチメディア情報再生装置に備えられるメモリ内にデータサーバから別々にデータを読み込んでくるために、内部のメモリを管理するためのマルチメディア情報再生装置の負荷が大きいという問題点を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載のマルチメディア情報再生装置は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 1画面の表示内容の一部である部分画像を表した部分画像情報と、その表示態様を表す表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、 操作者の操作に応じて入力される入力値に対応して、実行されるべき命令が記述され、前記部分画像の表示態様情報を変更するよう指示した表示態様変更命令を含んだ制御情報と を有したページ情報を読み出すページ情報読み出し手段と、読み出されたページ情報内の前記各部分画像情報で表された部分画像を、対応する前記表示態様情報に基づいて1画面内に配置し、1画面分の表示内容を表した表示データを作成する表示データ作成手段と、前記表示データ作成手段によって表示データが作成される都度、新たに作成された表示データを記憶する表示データ記憶手段と、一定時間間隔で前記表示データ記憶手段の表示データを読み出し、その都度、読み出された表示データで表された表示内容を表示する表示手段と、操作者の操作に応じて対応する入力値を入力する入力手段と、前記入力値に応じた命令を実行し、前記表示態様変更命令に対応した入力値に対応して、前記表示データ作成手段に、表示態様変更命令に従って該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示する命令実行手段とを備え、前記表示データ作成手段は、前記命令実行手段の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0013】
請求項2記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項1記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させ表示するよう指示したアニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 さらに、時間の経過に対応した前記部分画像の表示態様情報を示したアニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記命令実行手段は、経過時間を計測する第1タイマーと、前記アニメーション表示命令に対応した前記入力値に対して、前記第1タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記表示データ作成手段に、前記アニメーション制御情報に示された前記経過時間に対応する表示態様情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示した上、前記アニメーション表示命令実行終了時に前記第1タイマーを停止するアニメーション表示命令実行部とを備え、前記表示データ作成手段は、前記アニメーション表示命令実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0014】
請求項3記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項2記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像情報、および、その表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との大きさのX軸方向およびY軸方向の比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との回転角度とを含んだ表示態様を表す表示態様情報の少なくとも1つの組からなる前記部分画像リストと、 前記アニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つの表示態様情報の所定の経過時間毎の値を表した前記アニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記アニメーション表示命令実行部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY座標の値を補間して算出するXY座標算出部と、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY拡大率の値を補間して算出するXY拡大率算出部と、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応する回転角度の値を補間して算出する回転角度算出部とを備える。
【0015】
請求項4記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項3記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む前記制御情報と、 前記データサーバにページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、時間の経過に対応して再生されるべき情報がその識別名とともに再生の順に書き込まれている時系列情報であって、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名と、時間の経過に対応して再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別名と、当該内容の再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記命令実行手段は、経過時間を計測する第2タイマーと、前記時系列処理開始命令に対応した前記入力値に対して、前記第2タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記時系列処理制御情報に基づいて、計測された前記経過時間に対応する前記時系列情報の内容の識別名を特定し、前記時系列情報の再生終了時に前記第2タイマーを停止する時系列処理実行部とを備え、前記マルチメディア情報再生装置は、さらに、前記ページ情報読み出し手段によって読み出された前記ページ情報を記憶するページ記憶手段と、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示されている時系列情報の中から、前記時系列処理実行部によって特定された識別名の内容を読み出す時系列情報読み出し手段と、読み出された時系列情報の内容を再生する再生手段とを備える。
【0016】
請求項5記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項4記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が、その識別名とともに所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第1時系列情報の情報名が示され、当該第1時系列情報の時間の経過に対応して再生されるべき音声情報を示す識別名と、その再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出し、前記時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第1時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第1時系列情報内の音声情報の識別名を特定する第1時系列処理実行部を備え、前記再生手段は、読み出された音声情報を再生する音声再生部を備え、前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である前記第1時系列情報の中から、前記第1時系列処理実行部によって特定された識別名の前記音声情報を読み出す。
【0017】
請求項6記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項4または請求項5記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、動画および/またはアニメーションの1画面内の内容を表す画面情報とが所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第2時系列情報の情報名が示され、時間の経過に対応して再生されるべき当該第2時系列情報の音声情報と画面情報との組を示す識別名と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した表示領域内に動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様を含む前記時系列制御情報とを有するページ情報を読み出し、前記時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第2時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第2時系列情報の音声情報と画面情報との組の識別名を特定するとともに、前記表示データ作成手段に、前記時系列情報読み出し手段によって読み出された画面情報を、前記再生態様に示される表示領域に配置して新たな表示データを作成するよう指示する第2時系列処理実行部を備え、前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である第2時系列情報の中から、前記第2時系列処理実行部によって特定された識別名の内容である前記音声情報と前記画面情報との組を読み出し、前記表示データ作成手段は、前記第2時系列処理実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0018】
請求項7記載のマルチメディア情報記録装置は、1画面の表示内容のうちの一部である部分画像を表した部分画像情報を、1つの部分画像情報を1つの部分画像ファイル内に格納し、ファイル毎に記憶している部分画像記憶手段と、前記部分画像記憶手段内の少なくとも1つの部分画像ファイルのファイル名と、その部分画像ファイル内の部分画像情報によって表される部分画像の表示態様を表す表示態様情報との入力を受け付ける部分画像リスト入力手段と、複数の小記憶領域からなる記憶領域であって、1つのページ情報を記憶する記憶領域を有するページ情報記憶手段と、入力されたファイル名の部分画像ファイルから部分画像情報を読み出して、その部分画像情報と、それに対応して入力された表示態様情報との組を作り、それぞれの組を、識別子とともに、前記ページ情報記憶手段の第1の小記憶領域に書き込む部分画像リスト書き込み手段と、入力信号名と、その入力信号に対応して、前記部分画像の表示態様を変更するよう指示した表示態様変更命令を含む制御情報の入力を受け付ける制御情報入力手段と、入力された制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第2の小記憶領域に書き込む制御情報書き込み手段と、前記ページ情報記憶手段の前記各記憶領域にひとつのページ情報として書き込まれた各情報を、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つのページ情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに記録するページ情報記録手段とを備える。
【0019】
請求項8記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項7記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させて表示するよう指示したアニメーション表示命令を含む。前記制御情報入力手段は、さらに、入力信号と前記アニメーション表示命令との組の入力を受け付けるアニメーション表示命令入力部を備え、前記マルチメディア情報記録装置は、さらに、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様がどのように変化するかを表すアニメーション制御情報を含んだ時系列制御情報の入力を受け付ける時系列制御情報入力手段と、入力された時系列制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第3の小記憶領域に書き込む時系列制御情報書き込み手段とを備える。
【0020】
請求項9記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項8記載のマルチメディア情報記録装置において、前記部分画像リスト入力手段は、さらに、前記各部分画像情報について、その部分画像の表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示される部分画像との大きさの比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報によって表される部分画像と実際に表示される部分画像とのなす角を表す回転角度とを含む表示態様情報の入力を受け付ける表示態様情報入力部を備え、前記時系列制御情報入力手段は、前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つが時間の経過とともにどのように変化するかを表したアニメーション制御情報の入力を受け付ける。
【0021】
請求項10記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項9記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む。前記時系列制御情報は、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報名と、当該時系列情報の時間の経過に対応して各時点で再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、時系列情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる時系列処理制御情報を含む。前記マルチメディア情報記録装置は、さらに、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき情報が再生の順に書き込まれた1つの時系列情報を、ひとつの時系列情報ファイルとしてファイル毎に記憶する時系列情報記憶手段と、前記時系列情報記憶手段内の少なくとも1つの時系列情報ファイルのファイル名の入力を受け付け、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから時系列情報を読み出して、当該ファイル名に対応する時系列情報名と関連付けて、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つの時系列情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに、時系列情報毎に記録する時系列情報記録手段とを備え、前記制御情報入力手段は、さらに、入力信号と、時系列処理開始命令との組の入力を受け付ける時系列処理開始命令入力部を備え、前記時系列制御情報入力手段は、さらに、前記時系列処理制御情報の入力を受け付ける時系列処理制御情報入力部を備える。
【0022】
請求項11記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項10記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第1時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第1時系列情報の情報名を示し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報の識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、前記音声情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる第1時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段は、第1時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、当該第1時系列情報を読み出す第1時系列情報記録部を備え、前記時系列処理制御情報入力部は、第1時系列処理制御情報の入力を受け付ける第1時系列処理制御情報入力部を備える。
【0023】
請求項12記載のマルチメディア情報記録装置は、請求項10または請求項11記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、アニメーションおよび/または動画の1画面毎の表示内容を表す画面情報とが、所定の経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第2時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第2時系列情報の情報名を指定し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報と画面情報との識別子の組と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した領域内に、動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様情報とからなる第2時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段は、第2時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、第2時系列情報を読み出す第2時系列情報記録部を備え、前記時系列処理制御情報入力部は、第2時系列処理制御情報の入力を受け付ける第2時系列処理制御情報入力部を備える。
(作用)
請求項1記載のマルチメディア情報再生装置において、ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 1画面の表示内容の一部である部分画像を表した部分画像情報と、その表示態様を表す表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、 操作者の操作に応じて入力される入力値に対応して、実行されるべき命令が記述され、前記部分画像の表示態様情報を変更するよう指示した表示態様変更命令を含んだ制御情報と を有したページ情報を読み出す。表示データ作成手段は、読み出されたページ情報内の前記各部分画像情報で表された部分画像を、対応する前記表示態様情報に基づいて1画面内に配置し、1画面分の表示内容を表した表示データを作成する。表示データ記憶手段は、前記表示データ作成手段によって表示データが作成される都度、新たに作成された表示データを記憶する。表示手段は、一定時間間隔で前記表示データ記憶手段の表示データを読み出し、その都度、読み出された表示データで表された表示内容を表示する。入力手段は、操作者の操作に応じて対応する入力値を入力する。命令実行手段は、前記入力値に応じた命令を実行し、前記表示態様変更命令に対応した入力値に対応して、前記表示データ作成手段に、表示態様変更命令に従って該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示する。前記表示データ作成手段は、前記命令実行手段の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0024】
従って、請求項1記載の本発明によれば、データサーバ内の各ファイルに記録されたページ情報に、1画面の表示内容を構成する部分画像の画像情報とその表示態様とが記述されているので、表示画像の一部分だけを変更して表示する場合には、前記制御情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更して表示データを作成するだけでよく、変更後の表示データを容易に作成することができる。また、1つのページ情報内には、部分画像リスト内の部分画像を用いて表示画像の一部分だけを変更し、表示するための情報がすべて記述されており、ページ情報内の情報だけで、表示画像の一部分だけを変更した表示データを作成することができるので、表示データをデータサーバからその都度、読み出す必要がない。従って、表示画像の一部分だけを変更した表示データを、あらかじめ作成してデータサーバ内に記録しておく必要が無い。また、このため、データサーバとマルチメディア情報再生装置との間のデータの転送レートにより、単位時間あたりに表示できる表示データの数が制限されてしまうという問題も生じない。さらに、本発明のマルチメディア情報再生装置では、データサーバ内の1つのファイルから1つのページ情報を読み出すので、データサーバ内の複数のファイルから必要な情報を読み出して、メモリ内にロードする場合に比べて、メモリを管理するCPUの負荷が少ない。また、本発明のマルチメディア情報再生装置において、別の部分画像から構成される新たな画面が表示される場合には、その部分画像が記述されている新たなページ情報が読み出され、読み出されたページ情報の記述内容だけから、その画面を表す表示データが作成される。このため、本発明のマルチメディア情報再生装置においては、新たなページ情報の読み出しの際に生じる一回の読み出し要求だけで、新たな表示データを作成することができ、データサーバ内の複数のファイルから(すなわち、何度も読み出し要求を発行して)部分画像情報を読み出してくる場合に比べて、部分画像情報の読み出しをより短時間で行うことができ、より短時間に新たな画面を表示することができる。
【0025】
請求項2記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項1記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させ表示するよう指示したアニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 さらに、時間の経過に対応した前記部分画像の表示態様情報を示したアニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。前記命令実行手段において、第1タイマーは、経過時間を計測する。アニメーション表示命令実行部は、前記アニメーション表示命令に対応した前記入力値に対して、前記第1タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記表示データ作成手段に、前記アニメーション制御情報に示された前記経過時間に対応する表示態様情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示した上、前記アニメーション表示命令実行終了時に前記第1タイマーを停止する。前記表示データ作成手段は、前記アニメーション表示命令実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0026】
従って、請求項2記載の本発明によれば、上記効果に加えて、1つのページ情報には、前記部分画像リスト内の部分画像情報とその表示態様情報とを用いて、アニメーション表示を行うための情報がすべて記述されているので、データサーバから各画面を表す表示データを表示の都度読み出す必要がないことと、前記表示態様情報を変更するだけで容易に表示データを作成することができることから、各画面の表示内容を表した表示データを表示の都度読み出す場合に比べて、短時間で前記表示データを作成することができ、より品質の高いアニメーション表示を行うことができる。
【0027】
請求項3記載のマルチメディア情報再生装置は、請求項2記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像情報、および、その表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との大きさのX軸方向およびY軸方向の比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報と表示されるべき部分画像との回転角度とを含んだ表示態様を表す表示態様情報の少なくとも1つの組からなる前記部分画像リストと、 前記アニメーション表示命令を含んだ前記制御情報と、 前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つの表示態様情報の所定の経過時間毎の値を表した前記アニメーション制御情報を含む時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。前記アニメーション表示命令実行部において、XY座標算出部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY座標の値を補間して算出する。XY拡大率算出部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応するXY拡大率の値を補間して算出する。回転角度算出部は、所定の時間毎に、前記アニメーション制御情報に基づいて、その時点において計測された前記経過時間に対応する回転角度の値を補間して算出する。
【0028】
従って、請求項3記載の本発明によれば、時間の経過に伴って、前記部分画像情報で表される各部分画像の表示位置、表示サイズ、表示角度が変化されて表されるアニメーション表示において、上記効果を得ることができる。請求項4記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項3記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む前記制御情報と、 前記データサーバにページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、時間の経過に対応して再生されるべき情報がその識別名とともに再生の順に書き込まれている時系列情報であって、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名と、時間の経過に対応して再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別名と、当該内容の再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。
【0029】
前記命令実行手段において、第2タイマーは、経過時間を計測する。時系列処理実行部は、前記時系列処理開始命令に対応した前記入力値に対して、前記第2タイマーを起動し、所定の時間毎に、前記時系列処理制御情報に基づいて、計測された前記経過時間に対応する前記時系列情報の内容の識別名を特定し、前記時系列情報の再生終了時に前記第2タイマーを停止する。前記マルチメディア情報再生装置において、さらに、ページ記憶手段は、前記ページ情報読み出し手段によって読み出された前記ページ情報を記憶する。時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示されている時系列情報の中から、前記時系列処理実行部によって特定された識別名の内容を読み出す。再生手段は、読み出された時系列情報の内容を再生する。
【0030】
従って、請求項4記載の本発明によれば、ページ記憶手段に記憶されているページ情報により上記効果を得ることができるとともに、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、データサーバから時系列情報に記述された内容を順次、読み出し、再生することができる。また、前記時系列情報も1つのファイルとして記録されているので、前記時系列情報内の記述内容を順次読み出す場合に、読み出し要求が発生しない。このため、時系列情報読み出し手段は、時系列情報内の記述内容を速やかに読み出すことができ、次に読み出されるべき記述内容の読み出し開始迄に、前回の読み出し分の記述内容の読み出しを完了することができる。この結果、マルチメディア情報再生装置は、前記時系列情報内に記録されている記述内容を途切れることなく、再生することができる。
【0031】
請求項5記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項4記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が、その識別名とともに所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第1時系列情報の情報名が示され、当該第1時系列情報の時間の経過に対応して再生されるべき音声情報を示す識別名と、その再生態様とを示す時系列処理制御情報を含んだ時系列制御情報と を有したページ情報を読み出す。前記時系列処理実行部において、第1時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第1時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第1時系列情報内の音声情報の識別名を特定する。前記再生手段において、音声再生部は、読み出された音声情報を再生する。前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である前記第1時系列情報の中から、前記第1時系列処理実行部によって特定された識別名の前記音声情報を読み出す。
【0032】
従って、請求項5記載の本発明によれば、上記効果に加えて、マルチメディア情報再生装置は、データサーバから読み出された第1時系列情報内の音声情報を、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、途切れを生じることなく再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、前記第1時系列情報内の音声情報を精度良く再生することができる。
【0033】
請求項6記載のマルチメディア情報再生装置では、請求項4または請求項5記載のマルチメディア情報再生装置において、前記ページ情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、 前記部分画像リストと、 前記制御情報と、 前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報の情報名として、前記データサーバ内にページ情報とは異なる1つのファイルとして記憶され、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、動画および/またはアニメーションの1画面内の内容を表す画面情報とが所定の経過時間に対応して再生の順に書き込まれた第2時系列情報の情報名が示され、時間の経過に対応して再生されるべき当該第2時系列情報の音声情報と画面情報との組を示す識別名と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した表示領域内に動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様を含む前記時系列制御情報とを有するページ情報を読み出す。前記時系列処理実行部において、第2時系列処理実行部は、前記時系列処理制御情報に第2時系列情報の情報名が示されているときには、所定の時間毎に、計測された前記経過時間に対応する前記第2時系列情報の音声情報と画面情報との組の識別名を特定するとともに、前記表示データ作成手段に、前記時系列情報読み出し手段によって読み出された画面情報を、前記再生態様に示される表示領域に配置して新たな表示データを作成するよう指示する。前記時系列情報読み出し手段は、前記データサーバから、前記時系列制御情報に情報名が示された時系列情報である第2時系列情報の中から、前記第2時系列処理実行部によって特定された識別名の内容である前記音声情報と前記画面情報との組を読み出す。前記表示データ作成手段は、前記第2時系列処理実行部の指示に従って、新たな表示データを作成する。
【0034】
従って、請求項6記載の本発明によれば、上記効果に加えて、第2時系列情報に書き込まれている音声情報と画面情報との組を精度良く再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、同一画面内の前記部分画像に関連した領域、例えば、1つの部分画像の内部に前記第2時系列情報内の画面情報で表される動画を精度良く表示するとともに、音声情報を精度良く再生することができる。
【0035】
請求項7記載のマルチメディア情報記録装置において、部分画像記憶手段は、1画面の表示内容のうちの一部である部分画像を表した部分画像情報を、1つの部分画像情報を1つの部分画像ファイル内に格納し、ファイル毎に記憶している。部分画像リスト入力手段は、前記部分画像記憶手段内の少なくとも1つの部分画像ファイルのファイル名と、その部分画像ファイル内の部分画像情報によって表される部分画像の表示態様を表す表示態様情報との入力を受け付ける。ページ情報記憶手段は、複数の小記憶領域からなる記憶領域であって、1つのページ情報を記憶する記憶領域を有する。部分画像リスト書き込み手段は、入力されたファイル名の部分画像ファイルから部分画像情報を読み出して、その部分画像情報と、それに対応して入力された表示態様情報との組を作り、それぞれの組を、識別子とともに、前記ページ情報記憶手段の第1の小記憶領域に書き込む。制御情報入力手段は、入力信号名と、その入力信号に対応して、前記部分画像の表示態様を変更するよう指示した表示態様変更命令を含む制御情報の入力を受け付ける。制御情報書き込み手段は、入力された制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第2の小記憶領域に書き込む。ページ情報記録手段は、前記ページ情報記憶手段の前記各記憶領域にひとつのページ情報として書き込まれた各情報を、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つのページ情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに記録する。
【0036】
従って、請求項7記載の本発明によれば、オペレータからの入力に従って、対話的に生成される前記ページ情報を、前記データサーバの各ファイルに記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項1記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項8記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項7記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様情報を変化させて表示するよう指示したアニメーション表示命令を含む。前記制御情報入力手段において、さらに、アニメーション表示命令入力部は、入力信号と前記アニメーション表示命令との組の入力を受け付ける。前記マルチメディア情報記録装置において、さらに、時系列制御情報入力手段は、時間の経過に対応して前記部分画像の表示態様がどのように変化するかを表すアニメーション制御情報を含んだ時系列制御情報の入力を受け付ける。時系列制御情報書き込み手段は、入力された時系列制御情報を、前記ページ情報記憶手段の第3の小記憶領域に書き込む。
【0037】
従って、請求項8記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項2記載の本発明による効果を提供することができる。請求項9記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項8記載のマルチメディア情報記録装置において、前記部分画像リスト入力手段の表示態様情報入力部は、さらに、前記各部分画像情報について、その部分画像の表示位置を表すXY座標と、前記部分画像情報と表示される部分画像との大きさの比率を表すXY拡大率と、前記部分画像情報によって表される部分画像と実際に表示される部分画像とのなす角を表す回転角度とを含む表示態様情報の入力を受け付ける。前記時系列制御情報入力手段は、前記表示態様のうち、前記XY座標と、前記XY拡大率と、前記回転角度とのうちの少なくとも1つが時間の経過とともにどのように変化するかを表したアニメーション制御情報の入力を受け付ける。
【0038】
従って、請求項9記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項3記載の本発明による効果を提供することができる。請求項10記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項9記載のマルチメディア情報記録装置において、前記制御情報は、時間の経過に対応した時系列処理の実行を開始するよう指示した時系列処理開始命令を含む。前記時系列制御情報は、前記時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報名と、当該時系列情報の時間の経過に対応して各時点で再生されるべき当該時系列情報の内容を示す識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、時系列情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる時系列処理制御情報を含む。前記マルチメディア情報記録装置において、さらに、時系列情報記憶手段は、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき情報が再生の順に書き込まれた1つの時系列情報を、ひとつの時系列情報ファイルとしてファイル毎に記憶する。時系列情報記録手段は、前記時系列情報記憶手段内の少なくとも1つの時系列情報ファイルのファイル名の入力を受け付け、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから時系列情報を読み出して、当該ファイル名に対応する時系列情報名と関連付けて、その書き込み要求とともにデータサーバに送信し、1つの時系列情報の記述内容を前記データサーバ内の1つのファイルに、時系列情報毎に記録する。前記制御情報入力手段において、さらに、時系列処理開始命令入力部は、入力信号と、時系列処理開始命令との組の入力を受け付ける。前記時系列制御情報入力手段において、さらに、時系列処理制御情報入力部は、前記時系列処理制御情報の入力を受け付ける。
【0039】
従って、請求項10記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項4記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項11記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項10記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報が経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第1時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第1時系列情報の情報名を示し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報の識別子と、前記部分画像リスト中の部分画像情報によって表される部分画像の表示に関連づけて、前記音声情報をどのように再生するかを表した再生態様情報とからなる第1時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段において、第1時系列情報記録部は、第1時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、当該第1時系列情報を読み出す。前記時系列処理制御情報入力部において、第1時系列処理制御情報入力部は、第1時系列処理制御情報の入力を受け付ける。
【0040】
従って、請求項11記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項5記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項12記載のマルチメディア情報記録装置では、請求項10または請求項11記載のマルチメディア情報記録装置において、前記時系列情報は、所定のデータサイズ毎に分割された音声情報と、アニメーションおよび/または動画の1画面毎の表示内容を表す画面情報とが、所定の経過時間に対応して再生の順に、識別子とともに書き込まれた第2時系列情報を含む。前記時系列処理制御情報は、当該ページ情報の時系列処理開始命令に対応して再生が開始されるべき時系列情報として第2時系列情報の情報名を指定し、時間の経過に対応して各時点で再生されるべき音声情報と画面情報との識別子の組と、前記部分画像リスト内の所定の部分画像情報で表される部分画像に関連した領域内に、動画および/またはアニメーションが表示されることを示す前記再生態様情報とからなる第2時系列処理制御情報を含む。前記時系列情報記録手段において、第2時系列情報記録部は、第2時系列情報のファイル名が入力された場合には、入力されたファイル名の時系列情報ファイルから、第2時系列情報を読み出す。前記時系列処理制御情報入力部において、第2時系列処理制御情報入力部は、第2時系列処理制御情報の入力を受け付ける。
【0041】
従って、請求項12記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項6記載の本発明による効果を提供することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上のように、請求項1記載の本発明によれば、データサーバ内の各ファイルに記録されたページ情報に、1画面の表示内容を構成する部分画像の画像情報とその表示態様とが記述されているので、表示画像の一部分だけを変更して表示する場合には、前記制御情報に従って、該当する部分画像の表示態様情報を変更して表示データを作成するだけでよく、変更後の表示データを容易に作成することができる。また、1つのページ情報内には、部分画像リスト内の部分画像を用いて表示画像の一部分だけを変更し、表示するための情報がすべて記述されており、ページ情報内の情報だけで、表示画像の一部分だけを変更した表示データを作成することができるので、表示データをデータサーバからその都度、読み出す必要がない。従って、表示画像の一部分だけを変更した表示データを、あらかじめ作成してデータサーバ内に記録しておく必要が無い。また、このため、データサーバとマルチメディア情報再生装置との間のデータの転送レートにより、単位時間あたりに表示できる表示データの数が制限されてしまうという問題も生じない。さらに、本発明のマルチメディア情報再生装置では、データサーバ内の1つのファイルから1つのページ情報を読み出すので、データサーバ内の複数のファイルから必要な情報を読み出して、メモリ内にロードする場合に比べて、メモリを管理するCPUの負荷が少ない。また、本発明のマルチメディア情報再生装置において、別の部分画像から構成される新たな画面が表示される場合には、その部分画像が記述されている新たなページ情報が読み出され、読み出されたページ情報の記述内容だけから、その画面を表す表示データが作成される。このため、本発明のマルチメディア情報再生装置においては、新たなページ情報の読み出しの際に生じる一回の読み出し要求だけで、新たな表示データを作成することができ、データサーバ内の複数のファイルから(すなわち、何度も読み出し要求を発行して)部分画像情報を読み出してくる場合に比べて、部分画像情報の読み出しをより短時間で行うことができ、より短時間に新たな画面を表示することができる。
【0043】
請求項2記載の本発明によれば、上記効果に加えて、1つのページ情報には、前記部分画像リスト内の部分画像情報とその表示態様情報とを用いて、アニメーション表示を行うための情報がすべて記述されているので、データサーバから各画面を表す表示データを表示の都度読み出す必要がないことと、前記表示態様情報を変更するだけで容易に表示データを作成することができることから、各画面の表示内容を表した表示データを表示の都度読み出す場合に比べて、短時間で前記表示データを作成することができ、より品質の高いアニメーション表示を行うことができる。
【0044】
請求項3記載の本発明によれば、時間の経過に伴って、前記部分画像情報で表される各部分画像の表示位置、表示サイズ、表示角度が変化されて表されるアニメーション表示において、上記効果を得ることができる。請求項4記載の本発明によれば、ページ記憶手段に記憶されているページ情報により上記効果を得ることができるとともに、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、データサーバから時系列情報に記述された内容を順次、読み出し、再生することができる。また、前記時系列情報も1つのファイルとして記録されているので、前記時系列情報内の記述内容を順次読み出す場合に、読み出し要求が発生しない。このため、時系列情報読み出し手段は、時系列情報内の記述内容を速やかに読み出すことができ、次に読み出されるべき記述内容の読み出し開始迄に、前回の読み出し分の記述内容の読み出しを完了することができる。この結果、マルチメディア情報再生装置は、前記時系列情報内に記録されている記述内容を途切れることなく、再生することができる。
【0045】
請求項5記載の本発明によれば、上記効果に加えて、マルチメディア情報再生装置は、データサーバから読み出された第1時系列情報内の音声情報を、当該ページ情報に基づいた表示内容と時間の経過とに対応づけて、途切れを生じることなく再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、前記第1時系列情報内の音声情報を精度良く再生することができる。
【0046】
請求項6記載の本発明によれば、上記効果に加えて、第2時系列情報に書き込まれている音声情報と画面情報との組を精度良く再生することができる。具体的には、マルチメディア情報再生装置は、ページ記憶手段に記憶されているページ情報に基づいて品質の高いアニメーション表示を行ないながら、同一画面内の前記部分画像に関連した領域、例えば、1つの部分画像の内部に前記第2時系列情報内の画面情報で表される動画を精度良く表示するとともに、音声情報を精度良く再生することができる。
【0047】
請求項7記載の本発明によれば、オペレータからの入力に従って、対話的に生成される前記ページ情報を、前記データサーバの各ファイルに記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項1記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項8記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項2記載の本発明による効果を提供することができる。請求項9記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報を記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項3記載の本発明による効果を提供することができる。
【0048】
請求項10記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項4記載の本発明による効果を提供することができる。
請求項11記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項5記載の本発明による効果を提供することができる。
【0049】
請求項12記載の本発明によれば、前記データサーバの各ファイルに前記ページ情報と前記時系列情報とを記録することができる。これにより、前記データサーバから前記ページ情報と前記時系列情報とを読み出して再生するマルチメディア情報再生装置に対し、請求項6記載の本発明による効果を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
(実施例1)
図1は、本発明の第1実施例であるマルチメディア情報再生装置100の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示したマルチメディア情報再生装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、マルチメディア情報再生装置100は、ネットワークを介してデータサーバ150に接続されており、ネットワークインターフェイス部101、ページロード部102、入力部103、制御情報実行部104、クロック部105、タイムライン制御部107、記憶部108、表示部112、表示データ作成部113、オーディオ用D/A変換部114およびオーディオ出力部115を備える。さらに、記憶部108は、表示データ記憶部109、ページ記憶部110およびオーディオデータ記憶部111を備える。
【0051】
また、図2に示すように、マルチメディア情報再生装置100は、ハードウェアの構成要素として、CPU201、RAM202、システムクロック203、タイマ204、キーボード205、ジョイパッド206、入力機器インターフェイス207、ディスクインターフェイス208、CD−ROM209、ネットワークインターフェイス210、MPEG復号器211、音声用D/A変換器212、スピーカ213、グラフィックコントローラ214、VRAM215、映像用D/A変換器216およびCRT217を備える。なお、図2R>2に示すCPU201は、以下に説明する機能以外にも、マルチメディア情報再生装置100の各構成要素の動作を制御する機能を有する。なお、ディスクインターフェイス208およびCD−ROM209については、マルチメディア情報再生装置100に備えられていても良いし、備えられていなくても良い。
【0052】
なお、データサーバ150は、ハードディスク装置などの図示しない記憶装置を備えた外部装置である。データサーバ150は、図示しない前記記憶装置内に、図3に示す後述のページストリームおよび図4に示す後述のタイムラインストリームを、それぞれ、1つのページストリームを1つのファイルとし、1つのタイムラインストリームを1つのファイルとして記憶している。データサーバ150は、ネットワークを介して受信したマルチメディア情報再生装置100からの読み出し要求に応じて、前記ハードディスク装置から対応するページストリームおよびタイムラインストリームを格納したファイルを読み出し、読み出されたページストリームおよびタイムラインストリームを当該マルチメディア情報再生装置100に送信する。
【0053】
図3は、本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるページストリームのデータ構成を示す説明図である。図3に示すように、一つのページストリームは、部分画像リストと、制御情報と、タイムライン情報とからなり、それぞれのページストリームには、順番号などで表された識別番号が付されている。
なお、ページとは、約1/30秒に一回表示される個々の画面全体の表示内容をいう。各ページストリームは、1または複数のあらかじめ定められた共通の部分画像によって1画面分の表示内容が構成される複数のページの表示内容を記述する。また、あるページに表示されたうちの部分画像が、別のページにおいて拡大あるいは縮小され、平行移動および/または回転移動されて表示される場合にも、別のページに表示された部分画像が、ページストリームに記述されている同一の後述の部分画像データの表示態様(例えば、表示位置、表示倍率、表示角度、網掛け、色彩など)を変更して表示される部分画像であれば、そのページは、同一のページストリームによって記述される。また、ページストリームに記述されている1または複数の部分画像のうちから1または複数の部分画像が消去されて表示されるページも、同一ページストリームによって記述される。
【0054】
部分画像リストには、1画面分の表示内容を構成するそれぞれの部分画像の内容が記述される。前記部分画像リストには、個々の部分画像に対応して、部分画像を特定する部分画像ID、その部分画像がそのページに表示されるときの初期位置を示すXY座標、その部分画像がそのページに最初に表示されるときの拡大あるいは縮小の度合を示すXY拡大率、部分画像データに表されている部分画像に対してその部分画像がそのページに最初に表示されるときの回転角度、およびその部分画像そのものを画素に対応する表示の値で表した部分画像データが記述される。なお、前記部分画像IDは、そのページストリームに記述されている部分画像を用いて1画面分の表示データが作成される際に、部分画像が表示データ内に配置される順を示した順番号で表されている。従って、部分画像の表示位置がそれぞれ部分的に重なっている場合には、重なっている位置の画素に対応する部分画像データは、部分画像IDがより大きい部分画像の部分画像データで更新される。この結果、ページストリームに記述されている部分画像は、部分画像IDの順に、下層から上層に重ね合わされて表示される。また、ページストリームに記述されている部分画像データは、例えば、圧縮符号化されたビットマップデータや、あるいは、幾何学図形であればグラフィックデータなどで表されていてもよい。また、部分画像は、必ずしも図形である必要はなく、各メニュー画面に表示される、入力要求を示す文字列などであっても良い。この場合、文字列は文字コードで記述されていても良い。
【0055】
制御情報には、そのページストリームに記述されたページが表示されている間の入力部103からの入力信号に対して、マルチメディア情報再生装置100が実行されるべき命令が、入力信号のそれぞれについて記述されている。制御情報として記述される命令は、部分画像のXY座標を変更する、部分画像のXY拡大率を変更する、部分画像の回転角度を変更する、他のページストリームをロードする、タイムライン情報の実行を開始する、複数の部分画像を重ね合わせる、色彩付の画像を白黒で表示する、特定の色彩を強調する、音色の周波数を変更するなどがある。
【0056】
タイムライン情報には、部分画像リストに記述されたうちの所定の部分画像を、時間の経過に伴って移動して表示するアニメーション表示と、後述のタイムラインストリームに記述されている動画像を表示する動画表示とが記述される。具体的には、アニメーション表示については、アニメーション表示される部分画像(アニメーション表示対象)の部分画像IDと、その部分画像のアニメーション表示の開始から一定時間経過毎に定められた表示位置を示すXY座標と、その部分画像のアニメーション表示終了時刻とが記述される。また、動画表示については、動画表示される動画像が記述されているタイムラインストリームの識別番号と、動画表示開始時刻と終了時刻とが記述される。また、部分画像リストに記述されたうちの所定の部分画像内に前記動画像を表示する場合には、その動画像が表示される部分画像の部分画像IDが記述される。なお、後述のタイムラインストリームに記述されている動画像は、必ずしも部分画像リストに記述されたうちの所定の部分画像内に表示される必要はない。
【0057】
図4は、本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるタイムラインストリームのデータ構成を示す説明図である。各タイムラインストリームには、ページストリームと同様、順番号などで表された識別番号が付されている。前述したように、動画やアニメーションは、連続した内容の静止画を、時間の経過にしたがって約1/30秒の各表示時刻毎に順次、再生することによって表示される。図4に示すタイムラインストリームには、動画を表すそれぞれの静止画を、圧縮符号化されたビットマップデータなどで表した静止画データが、その静止画データに対応したオーディオデータとともに、表示時刻の順に記録されている。また、前記オーディオデータは、それぞれ、静止画データと同様に圧縮符号化され、静止画データの表示時間に対応した所定のサイズに分割されており、そのオーディオデータに対応する静止画データが表示されている間、時間の経過にしたがって、シリアルに再生される。なお、前記各表示時刻は、クロック部105が起動されてからの経過時間で表されていても良いし、クロック部105が複数のタイムラインストリームについて、その表示開始からの経過時間を計測することができるように構成されている場合には、各タイムラインストリームの実行が開始されてからの経過時間で表されていても良い。また、オーディオデータは、タイムラインストリームに必ずしも記述されている必要はない。さらに、静止画データも、タイムラインストリームに必ずしも記述されている必要はない。例えば、ページストリームに記述されている部分画像を用いて静止画が表示されている間に、タイムラインストリームに記述されているオーディオデータが再生される場合などには、そのタイムラインストリームにはオーディオデータだけが記述されていてもよい。なお、このタイムラインストリームでは、動画のほかにアニメーションも記述されるが、前記ページストリームに記述された部分画像を用いて行われるアニメーション表示と区別するため、以下では、タイムラインストリームに記述された静止画データを用いてアニメーションおよび動画を表示することを動画表示という。
【0058】
ネットワークインターフェイス部101は、ネットワークインターフェイス210によって実現され、ページロード部102の指示に従って、データサーバ150に記録されているページストリームとタイムラインストリームとで表されたマルチメディア情報を読み出す。ネットワークインターフェイス部101の読み出し処理の具体的な内容は、ページロード部102に指示されたページストリームまたはタイムラインストリームについて、読み出しを要求する情報がページストリームであるかタイムラインストリームであるかを示すPT区分と、その識別番号と、その読み出し要求とを、ネットワークを介してデータサーバ150に送信し、前記読み出し要求に応じてデータサーバ150から送信されてくるページストリームまたはタイムラインストリームを、ネットワークを介して受信することである。
【0059】
ページロード部102は、CPU201によって実現される。ページロード部102は、マルチメディア情報再生装置100の起動時には、データサーバ150から所定のページストリームをネットワークインターフェイス部101に読み出させ、読み出されたページストリームを、ページ記憶部110にロードする。また、タイムライン制御部107または制御情報実行部104の指示に従って、指定されたページストリームおよびタイムラインストリームをデータサーバ150に読み出させ、読み出されたページストリームおよびタイムラインストリームを、ページ記憶部110にロードする。
【0060】
ネットワークインターフェイス部101は、ネットワークインターフェイス210によって実現され、ページロード部102の指示に従って、データサーバ150に記録されているページストリームとタイムラインストリームとで表されたマルチメディア情報を、マルチメディア情報再生装置100内に読み込む。入力部103は、例えば、ジョイパッド206、キーボード205あるいは図示しないマウスなどの操作部を備え、入力機器インターフェイス207を介して使用者からの指示の入力を受け付ける。入力部103は、受け付けた入力に対応する入力信号を、例えば、ジョイパッド206のAボタン、Bボタン、Cボタンに対応する入力信号「A」、入力信号「B」、入力信号「C」を、制御情報実行部104に出力する。
【0061】
制御情報実行部104は、CPU201によって実現され、入力部103からの入力信号に応じて、ページ記憶部110にロードされているページストリームに記述された制御情報を、翻訳しながら対話的に実行する。具体的には、制御情報実行部104は、制御情報の指示内容に応じて、ページロード部102、タイムライン制御部107および表示データ作成部113の各部に指示を与え、指示内容に対応する処理を実行させる。
【0062】
クロック部105は、システムクロック203とタイマ204とによって実現される。クロック部105において、タイマ204は、タイムライン制御部107に起動および初期化され、タイムライン情報の実行開始からシステムクロック203をカウントし、タイムライン情報の実行開始からの経過時間を計測する。なお、クロック部105は、複数のタイマ204を備えるようにし、タイムライン情報の実行開始からの経過時間とともに、各タイムラインストリームについてその実行開始からの経過時間を計測するようにしても良い。
【0063】
タイムライン制御部107は、CPU201によって実現され、制御情報実行部104の指示に従って、ロードされたページストリーム中に記述されているタイムライン情報の実行を開始する。タイムライン制御部107は、タイムライン情報の実行の開始時に、クロック部105を起動する。タイムライン制御部107は、タイムライン情報の実行終了時に、クロック部105のタイマ204を初期化する。また、各タイムラインストリームについて、その実行開始からの経過時間を計測するタイマ204が備えられる場合には、各タイムラインストリームの実行終了時に、対応するタイマ204が初期化される。
【0064】
また、タイムライン制御部107は、アニメーション表示を指示する内容のタイムライン情報を実行する際には、クロック部105によって計測されている、タイムライン情報の実行開始からの経過時間に応じて、その時刻に対応するXY座標で表された表示位置に、指定された部分画像を指定された拡大縮小、回転移動などの処理を施して配置するよう表示データ作成部113に指示する。
【0065】
タイムライン制御部107は、動画表示を指示する内容のタイムライン情報を実行する際には、タイムライン情報内で指定されているタイムラインストリームをページ記憶部110にロードするよう、ページロード部102に指示する。また、タイムライン制御部107は、クロック部105によって計測されたタイムライン情報の実行開始からの経過時間に応じて、その時刻に対応する静止画データをロードされたタイムラインストリーム中で特定し、特定した静止画データを表示データ作成部113に通知する。タイムライン制御部107は、その静止画データを所定の位置に、例えば、タイムライン情報中で指定された部分画像の中に配置するよう表示データ作成部113に指示する。同時に、その静止画データに対応するオーディオデータをタイムラインストリームから読み出して、オーディオデータ記憶部111に転送する。
【0066】
表示データ記憶部109は、VRAM215によって実現され、表示データ作成部113によって作成された、各ページの1画面分の表示データを記憶する。ページ記憶部110は、RAM202によって実現され、データサーバ150から読み込まれたページストリームおよびタイムラインストリームを記憶する。オーディオデータ記憶部111は、RAM202によって実現され、約1/30秒の再生時間の大きさに分割されたオーディオデータを記憶する。
【0067】
表示部112は、映像用D/A変換器216およびCRT217によって実現され、表示データ記憶部109に記憶されている表示データを約1/30秒毎に読み出して、CRT217に表示する。映像用D/A変換器216は、表示データ記憶部109であるVRAM215から、約1/30秒毎に表示データを読み出してアナログ信号に変換し、CRT217に供給する。CRT217は、アナログ信号に変換された表示データを表示する。なお、ここでは、表示部112にCRT217を用いるとしたが、CRT217の代わりに、液晶表示装置LCDや、マルチメディア情報再生装置100に接続されるテレビジョンなどを用いても良い。さらに、表示部112への表示内容を紙に印字するようにしてもよい。
【0068】
表示データ作成部113は、CPU201、MPEG復号器211およびグラフィックコントローラ214によって実現される。表示データ作成部113は、ページ記憶部110に新たなページストリームがロードされると、ロードされたページストリームに記述されている部分画像を用いて、初期画面の1画面全体の表示データを作成する。さらに、表示データ作成部113は、制御情報実行部104の指示に従って、ロードされたページストリームに記述されている部分画像に、指示された処理(例えば、XY座標の移動、拡大縮小、回転移動など)を施し、その部分画像を用いて、静止画を表す1画面全体の表示データを作成する。また、表示データ作成部113は、タイムライン制御部107から与えられる指示に従って、ロードされたページストリームに記述されている部分画像に指示された処理(例えば、XY座標の移動、拡大縮小、回転移動など)を施し、アニメーション表示用の表示データを作成するとともに、指定されたタイムラインストリームに記述されている静止画データのうち、タイムライン制御部107に特定される静止画データを用いて、動画表示用の表示データを更新する。これにおいて、MPEG復号器211は、MPEGに従って圧縮符号化されて記録されている画像データを伸長復号する。MPEGに従って圧縮符号化されて記録されている画像データとは、例えば、タイムラインストリームに記述されている静止画データや、ページストリームに記述されている部分画像データなどである。
【0069】
オーディオ用D/A変換部114は、MPEG復号器211と音声用D/A変換器212とによって実現される。MPEG復号器211は、オーディオデータ記憶部111に記憶されているオーディオデータを順次読み出し、MPEGに従って圧縮符号化されて記録されているオーディオデータを伸長復号する。音声用D/A変換器212は、復号されたオーディオデータをアナログ信号に変換し、スピーカ213に出力する。なお、オーディオデータもまた、画像データと同様、必ずしもMPEGに従って圧縮符号化されている必要はなく、他のフォーマットに従って圧縮符号化されていても良い。また、圧縮符号化されていなくても良い。従って、MPEG復号器211は、他の復号器でもよく、また、圧縮符号化されていないオーディオデータを取り扱う場合には、無くても良い。
【0070】
オーディオ出力部115は、スピーカ213によって実現され、オーディオ用D/A変換部114からのアナログ信号を音声に変換して出力する。以下に、図5に示すフローチャートと、図6から図9に示すページストリーム1、ページストリーム2およびタイムラインストリームの具体例、およびこれに基づいて表示される表示内容の具体例とを参照しながら、マルチメディア情報再生装置100におけるマルチメディア情報の再生処理の手順を説明する。
【0071】
図5は、本実施例のマルチメディア情報再生装置100におけるマルチメディア情報の再生処理の手順を示すフローチャートである。マルチメディア情報再生装置100が起動されると、ページロード部102は、データサーバ150から、あらかじめ定められているページストリーム、例えば、後述のページストリーム1を、ネットワークインターフェイス部101に読み出させ、読み出されたページストリームをページ記憶部110にロードする(ステップS501)。
【0072】
表示データ作成部113は、ロードされたページストリームの部分画像リストに記述されている各部分画像から、初期画面の表示データを作成する(ステップS502)。作成された表示データは、表示データ記憶部109に転送されて記憶され、約1/30秒毎に表示部112に読み出されて表示される。図6は、図3に示したページストリームの具体例であるページストリーム1の記述内容を示す説明図である。図6に示すように、ページストリーム1の部分画像リストには、部分画像IDの順に、それぞれ、部分画像データの項目にビットマップデータあるいはグラフィックデータで表された、内部を斜線のパターンで塗りつぶされた円と、内部を縦の破線のパターンで塗りつぶされた三角形と、内部が白ぬきの長方形とが、それぞれ、その部分画像の表示位置を示すXY座標と、その部分画像のX軸方向およびY軸方向の拡大率と、その部分画像の表示における回転角度とともに、記述されている。部分画像ID「1」の円は、表示データ作成部113により、XY座標「100、100」を基準として、部分画像データに記述されているビットマップデータが配置され、X軸方向およびY軸方向に等倍率、回転角度0°で表示データが作成される。次いで、部分画像ID「1」の円と同様にして、部分画像ID「2」の三角形の表示データが作成され、さらにこの後、部分画像ID「3」の長方形の表示データが作成される。これにより、各部分画像同士が重なり合う領域では、部分画像IDの小さい部分画像データは、部分画像IDの大きい部分画像データで更新される。
【0073】
図7は、ページストリーム1、ページストリーム2およびタイムラインストリーム1に基づいて表示データ作成部113に描画された、各画面の表示内容を示す説明図である。図7(a)は、図6に示したページストリーム1の部分画像リストに基づいて、表示データ作成部113に描画された初期画面の表示内容を示す説明図である。前述のように、表示データ作成部113の描画処理において、各部分画像同士が重なり合う領域では、部分画像IDの小さい部分画像データが、部分画像IDの大きい部分画像データに更新されるため、図7(a)の初期画面に示すように、部分画像IDの大きい部分画像ほど、上層に重ね合わされて表示される。
【0074】
ステップS502の処理が終了すると、制御情報実行部104は、入力部103からの入力信号があるか否かを検出し(ステップS503)、否と検出された場合にはステップS508の処理に移る。あると検出された場合には、制御情報実行部104は、その入力信号を識別し(ステップS504)、その入力信号が当該ページストリームの制御情報に記述されている入力信号であるか否かを判定する(ステップS505)。否と判定された場合には、ステップS508の処理に移る。
【0075】
識別された入力信号が、当該ページストリームの制御情報に記述されていると判定されれば、制御情報実行部104は、その入力信号に対応して記述されている命令を実行する(ステップS506)。表示データ作成部113は、制御情報実行部104の実行結果に基づいて、表示データを作成する(ステップS507)。
以下、マルチメディア情報再生装置100におけるステップS505〜ステップS507の処理について、具体例を参照しながら説明する。制御情報実行部104は、入力信号を識別した後、ページ記憶部110にロードされている図6のページストリーム1から制御情報を読み出す。読み出された制御情報には入力信号「A」、「B」および「C」が記述されているので、制御情報実行部104は入力信号が「A」であるか、「B」であるか、「C」であるか、そのいずれでもないかを判定する。
【0076】
識別された入力信号が「A」であった場合には、制御情報に記述されているので、制御情報実行部104は入力信号「A」に対応する「部分画像1のXY座標を(170、100)にする」という命令を実行する。制御情報実行部104が命令を実行するという内容は、「部分画像ID=1」、「XY座標=170、100」というパラメータを、表示データ作成部113に渡すことである。制御情報実行部104は、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。表示データ作成部113は、指示にしたがって表示データを作成する。図7(b)は、ページストリーム1が実行されている間に「A」が入力された場合の表示内容を示す説明図である。図7(a)の初期画面と比較して、図7(b)に示すように、ページストリーム1が実行されている間に「A」が入力された場合には、斜線で塗り潰された円である部分画像1が、XY座標「100、100」からXY座標「170、100」に移動されて表示される。
【0077】
識別された入力信号が「B」であった場合には、上記と同様に、制御情報実行部104は、入力信号「B」に対応する「タイムラインのクロックを開始する」という命令を実行する。その内容は、ページストリーム1に記述されているタイムライン情報の実行を開始するようタイムライン制御部107に指示することである。これに応じて、タイムライン制御部107は、クロック部105を起動する。さらに、タイムライン制御部107は、ページストリーム1のタイムライン情報を読み出し、動画表示を記述したタイムライン情報中に、指定されたタイムラインストリームがあれば、そのタイムラインストリームのロードをページロード部102に指示する。さらに、タイムライン制御部107は、タイムライン情報に基づいて、後述するパラメータを作成して表示データ作成部113に渡し、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。
【0078】
図6に示すように、ページストリーム1には、アニメーション表示と動画表示とについて、タイムライン情報が記述されている。アニメーション表示については、アニメーション表示される部分画像(アニメーション表示対象)の部分画像ID「3」、タイムライン情報の実行開始からの経過時間で表されたアニメーション表示開始時刻「00分00秒000」とアニメーション表示終了時刻「00分03秒000」、所定の経過時間に対応して部分画像3の表示位置を示す「(00分00秒000)XY座標=150、150」、「(00分01秒000)XY座標=170、170」、「(00分02秒000)XY座標=190、150」が記述されている。
【0079】
また、動画表示については、動画表示されるタイムラインストリームの識別番号「1」、タイムライン情報の実行開始からの経過時間で表された動画表示開始時刻「00分00秒000」と動画表示終了時刻「00分03秒000」、タイムラインストリーム1の動画が内部に表示される部分画像である動画表示対象の部分画像ID「3」が記述されている。
【0080】
これに対し、タイムライン制御部107は、まず、ページロード部102にタイムラインストリーム1をページ記憶部110にロードするよう指示する。図8は、図4に示したタイムラインストリームの具体例であるタイムラインストリーム1の記述内容を示す説明図である。図8に示すように、タイムラインストリーム1には、タイムライン情報の実行開始後「00分00秒000」から「00分03秒000」までの間の各経過時間に対応して、太陽が山から登って行く動画を表した静止画データと、その静止画データが表示されている間に再生されるオーディオデータとが記述されている。
【0081】
識別された入力信号が「C」であった場合には、制御情報実行部104は、入力信号「C」に対応する「ページストリーム2を読み込む」という命令を実行する。その内容は、ページ記憶部110にページストリーム2をロードするようページロード部102に指示することである。これに応じて、ページロード部102は、ページストリーム2の読み出しをネットワークインターフェイス部101に指示し、読み出されたページストリーム2をページ記憶部110にロードする。表示データ作成部113は、ロードされたページストリーム2の部分画像リストに基づいて表示データを作成する。
【0082】
図9は、図6に示したページストリーム1に続くページストリーム2の記述内容を示す説明図である。図9に示すように、ページストリーム2の部分画像リストには、斜線で塗りつぶされた長方形が、部分画像ID「1」、XY座標「100、100」、XY拡大率「1、1」、回転角度「0」とともに、部分画像データにビットマップデータで記述されている。また、ページストリーム2の制御情報には、入力信号「A」に対して、「部分画像1のXY座標を200、200にする」という命令が記述されている。すなわち、上記部分画像リストに基づいてページストリーム2が実行されている間に「A」が入力されたときには、部分画像1がXY座標「200、200」の位置に表示される。なお、ページストリーム2には、タイムライン情報は記述されていない。
【0083】
図7(f)は、ページストリーム2がページ記憶部110にロードされたときの初期画面の表示内容を示す説明図である。図7(f)に示すように、ページストリーム2の部分画像リストに記述されている、斜線で塗りつぶされた長方形が、XY拡大率「1、1」、回転角度「0」で、XY座標「100、100」に表示される。
ステップS507までの処理が終了すると、タイムライン制御部107は、クロック部105が動作しているか否かを検出する(ステップS508)。タイムライン制御部107は、クロック部105が動作中であることを検出すると、クロック部105で計測された、タイムライン情報の実行開始からの経過時間を読み出す(ステップS509)。
【0084】
タイムライン制御部107は、クロック部105から読み出した経過時間により、現在、アニメーション表示対象に指定されている部分画像があるか否かを判定し(ステップS510)、あれば、該当する部分画像の表示位置を示すXY座標を、予め所定の経過時間に対応して指定されているXY座標から算出して、算出されたXY座標を、そのときのXY拡大率、回転角度およびその部分画像の部分画像IDとともに、表示データ作成部113にパラメータとして渡す。次いで、タイムライン制御部107は、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて表示データを作成し、作成された表示データで表示データ記憶部109内の表示データを更新する(ステップS511)。ステップS510において、指定されている部分画像がなければ、ステップS512の処理に移る。
【0085】
例えば、ステップS509における経過時間が「00分00秒000」であったとすると、タイムライン情報に記述されているアニメーション表示開始時刻が「00分00秒000」であるので、タイムライン制御部107は、アニメーション表示のパラメータとして、「部分画像ID=3」と「(00分00秒000)XY座標=150、150」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。これに応じて、表示データ作成部113は、パラメータ「(00分00秒000)XY座標=150、150」で指定されたXY座標に部分画像3を移動して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0086】
また、例えば、ステップS509における経過時間が「00分01秒000」であったとすると、この時刻にアニメーション表示が指定されている部分画像3があるので、タイムライン制御部107は、「00分01秒000」に対応するアニメーション表示のパラメータ「部分画像ID=3」と「(00分01秒000)XY座標=170、170」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて、部分画像3をXY座標「170、170」に移動して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0087】
なお、前記経過時間が「00分01秒000」のように経過時間に対してではなく、例えば、「00分00秒500」であったとすると、タイムライン制御部107は、タイムライン情報から読み出した「(00分00秒000)XY座標=150、150」と「(00分01秒000)XY座標=170、170」とから、これを補間する「(00分00秒500)XY座標=160、160」を算出し、表示データ作成部113に渡す。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて、部分画像3をXY座標「160、160」に移動して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0088】
さらに、タイムライン制御部107は、クロック部105から読み出した経過時間により、現在、動画表示が指定されているタイムラインストリームがあるか否かを判定し(ステップS512)、あれば、該当するタイムラインストリームの中から、クロック部105から読み出した経過時間に対応する静止画データを特定して表示データ作成部113に通知するとともに、その静止画データに対応するオーディオデータをタイムラインストリームから読み出してオーディオデータ記憶部111に転送する。表示データ作成部113は、指定されたタイムラインストリームから、特定された静止画データを読み出して表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新した後(ステップS513)、ステップS503の処理に移る。ステップS512において、指定されているタイムラインストリームがなければ、ステップS503の処理に移る。
【0089】
例えば、ステップS509における経過時間が「00分00秒000」であったとすると、タイムライン情報に記述されている動画表示開始時刻は「00分00秒000」であるので、タイムライン制御部107は、タイムライン情報の実行開始時から「00分00秒000」経過時に対応する動画表示のパラメータとして、「タイムラインストリームの識別番号=1」と「静止画データ=00分00秒000」と「部分画像ID=3」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。同時に、オーディオデータA1をタイムラインストリーム1から読み出して、オーディオデータ記憶部111に転送する。次いで、タイムライン制御部107は、当該パラメータに基づいて表示データを作成するよう表示データ作成部113に指示する。これに応じて、表示データ作成部113は、部分画像3の中にパラメータ「静止画データ=00分00秒000」で指定された静止画データを配置して、表示データを作成し、表示データ記憶部109内の表示データを更新する。
【0090】
図7(c)は、図7(b)に示した画面が表示されている間に「B」が入力された直後の表示内容を示す説明図である。すなわち、図7(c)は、クロック部105に計測されている経過時間が「00分00秒000」の各パラメータに基づいて描画された画面を示している。アニメーション表示される部分画像3は、「(00分00秒000)XY座標=150、150」に表示されるが、部分画像1と部分画像2とは、アニメーション表示用のパラメータでXY座標が指定されていないので、図7(b)に示された位置と同一の位置に表示される。また、部分画像3の内部にはタイムラインストリーム1の「静止画データ=00分00秒000」の静止画データが表示される。また、この表示と同時に、オーディオデータA1が再生される。なお、図7(a)に示した初期画面が表示されている間に「B」が入力された場合の表示内容と、図7(c)の表示内容とが異なる点は、斜線で塗り潰された円の表示位置である。前者では円がXY座標「100、100」に表示されるのに対し、後者では円がXY座標「170、100」に表示される。
【0091】
さらに、例えば、ステップS509における経過時間が「00分01秒000」であったとすると、この時刻に動画表示が指定されているタイムラインストリーム1があるので、タイムライン制御部107は、経過時間「00分01秒000」に対応する動画表示のパラメータ「タイムラインストリームの識別番号=1」と「静止画データ=00分01秒000」と「部分画像ID=3」とを作成し、表示データ作成部113に渡す。同時に、タイムライン制御部107は、経過時間「00分01秒000」に対応するオーディオデータAiを、タイムラインストリーム1から読み出し、オーディオデータ記憶部111に転送する。表示データ作成部113は、当該パラメータに基づいて、部分画像3の中にタイムラインストリーム1から読み出した「00分01秒000」の静止画データを配置して表示データを作成する。
【0092】
図7(d)は、タイムライン情報の実行開始から経過時間「00分01秒000」における表示内容を示す説明図である。図7(d)に示すように、部分画像1と部分画像2とは図7(b)に示された位置と同一の位置に表示されているが、部分画像3はXY座標「170、170」に移動されて表示されており、その内部に「00分01秒000」の静止画データが表示されている。また、この画面が表示されている間に、オーディオデータAiが再生される。
【0093】
さらに、図7(e)は、タイムライン情報の実行開始から経過時間「00分02秒000」における表示内容を示す説明図である。タイムライン情報の実行開始から経過時間「00分01秒000」における場合と同様の処理によって、部分画像1と部分画像2とは図7(b)に示された位置と同一の位置に表示されているが、部分画像3はXY座標「190、150」に移動されて表示され、その内部に「00分02秒000」の静止画データが表示される。また、「00分02秒000」の静止画データが表示されている間、オーディオデータAjが再生される。なお、ページストリーム1の制御情報にはアニメーション表示について、経過時間「00分02秒000」以降の部分画像3に対するXY座標が示されていないので、経過時間「00分03秒000」までアニメーション表示の処理は継続されるが、部分画像3はXY座標「190、150」に静止して表示される。これに対し、部分画像3の内部には、経過時間「00分03秒000」までの静止画データが順次表示されるとともに、表示されている静止画データに対応したオーディオデータが順次再生される。
【0094】
以上のように本実施例によれば、1画面分の表示内容を1つの画像データとしてデータサーバ150から読み出す場合に比べて、マルチメディア情報再生装置100は、ロードされているページストリームに記述された部分画像の表示を変更する場合には、データサーバ150からの画像データの読み出しを必要としないので、データサーバ150との間のデータの転送レートにかかわらず、単位時間あたり比較的多数の静止画を表示することができる。各ページストリームの記述内容と各タイムラインストリームの記述内容とは、それぞれ、データサーバ150内の1つのファイル内に記録されているので、同一ページストリームあるいは同一タイムラインストリーム内から一部の情報が順次、読み出される際には、読み出される各情報についての読み出し要求が発生しない。このため、同一ページストリームおよび同一タイムラインストリームからのデータ読み出しが速く、再生される音声や動画の途切れを生じることなく、精度良くマルチメディア情報を再生することができる。また、部分画像リストとその部分画像リストに記述されている部分画像に関連した制御情報とタイムライン情報とが、一つのページストリームに記述されているので、画像データ、制御情報、動画情報などが、データサーバ150内のそれぞれ別個のファイルに記録されている場合に比べて、それらの情報を内部のRAM202にロードし、管理するCPU201の負荷を軽減することができる。
【0095】
なお、本実施例では、タイムラインストリームに記述される静止画データおよびオーディオデータは、MPEGに従って圧縮符号化されており、これをMPEG復号器211で伸長復号することとしたが、静止画データ、オーディオデータおよび部分画像データは、それぞれ、必ずしもMPEGに従って圧縮符号化されている必要はなく、他のフォーマット、例えば、VFW(Video forWindows(登録商標))あるいは、QT(Quick Time)などで圧縮符号化された画像データであっても良い。このため、MPEG復号器211は、他のフォーマットに従う復号器であってもよい。また、マルチメディア情報再生装置100が、圧縮符号化されていないデータだけを取り扱う場合には、復号器は備えられなくても良い。
【0096】
また、本実施例では、ページロード部102は、タイムライン情報の実行開始時に、指定されたタイムラインストリームの記述内容をデータサーバ150から一括してページ記憶部110にロードし、表示データ作成部113は、ロードされたタイムラインストリーム内の特定された静止画データを読み出して表示データを作成することとしたが、前記タイムラインストリームの記述内容は、必ずしも一括してページ記憶部110にロードされる必要はない。例えば、ページロード部102は、指定されたタイムラインストリーム内の特定された静止画データとオーディオデータとを、動画表示の各表示時刻毎にページ記憶部110にロードすることとし、表示データ作成部113は、ロードされた静止画データをページ記憶部110から読み出して表示データを作成し、タイムライン制御部107は、ロードされたオーディオデータをオーディオデータ記憶部111に転送するようにしても良い。
【0097】
このためには、以下の処理が行われる。ネットワークインターフェイス部101とデータサーバ150とは、まず、動画表示実行時間に対応した一定時間、ネットワークの通信帯域を確保しておく。次いで、データサーバ150は、読み出し要求のあったタイムラインストリームを記録したファイルから、各表示時刻に対応して、MPEGなどに従って圧縮符号化されたその時刻の静止画データとオーディオデータとを読み出し、ネットワークに送出する。ネットワークを介して、各表示時刻に対応した静止画データとオーディオデータとを受信したマルチメディア情報再生装置100側では、ページロード部102が、受信された静止画データとオーディオデータとをページ記憶部110にロードする。ロードされた静止画データとオーディオデータとは、マルチメディア情報再生装置100の前記各構成要素により、当該表示時刻に再生される。一般に、画像データは、圧縮符号化されていてもデータ量が大きいので、1つのタイムラインストリームに記述されるデータ量は、比較的大きいと考えても良い。このため、ページ記憶部110として必要なRAM202の記憶容量を考慮すれば、ページロード部102は、動画表示の各表示時刻毎に、特定された静止画データとオーディオデータとをページ記憶部110にロードするようにした方が好ましいといえる。なお、すでに説明したように、1つのタイムラインストリームの記述内容は、データサーバ150内の1つのファイルに記録されているので、ページロード部102が、表示時刻の都度、特定された静止画データとオーディオデータとをデータサーバ150からロードすることとしても、読み取り要求を発生しないので、再生される音声や動画の途切れを生じることなく動画表示を行うことができる。
【0098】
さらに、本実施例では、動画表示の際に、タイムライン制御部107が、タイムライン情報内で指定されたタイムラインストリームのロードを、ページロード部102に指示し、指示されたページロード部102が、さらに、データサーバ150からの読み出しをネットワークインターフェイス部101に指示することとしたが、必ずしもこのようにタイムラインストリームの読み出しを行う必要はなく、タイムライン制御部107が、指定されたタイムラインストリームの読み出しを直接、ネットワークインターフェイス部101に指示するようにしてもよい。
【0099】
さらに、本実施例では、表示部112は、各ページを約1/30秒毎に表示することとして説明したが、品質の高い動画像を表示する場合には、約1/60秒毎に、あるいは、約1/150秒毎に各ページを表示する。このような場合には、タイムラインストリームには、タイムラインストリームの実行開始から約1/60秒毎、あるいは、約1/150秒毎の表示時刻に対応した静止画像データとオーディオデータとが記述される。
【0100】
また、前記データサーバ150のファイルには、必ずしもすべての情報がデジタルデータで記録されている必要はなく、一部のデータ、例えば、タイムラインストリームのオーディオデータなどは、アナログデータでかつ分割されて記録されていても良い。これに対応して、マルチメディア情報再生装置100には、オーディオデータ記憶部111の代わりに、アナログデータ用の記憶部が備えられる。
【0101】
なお、本実施例では、データサーバ150は、ページストリームとタイムラインストリームとを区別して記憶しているように説明したが、必ずしもその必要はなく、データサーバ150は、ページストリームとタイムラインストリームとの区別なく、例えば、順番号などで表された各ファイルの識別番号でページストリームとタイムラインストリームとを記憶しておいても良い。この場合には、ページストリームおよびタイムラインストリーム内の各情報中に記述されるページストリームとタイムラインストリームとの指定、および、制御情報実行部104とタイムライン制御部107とのパラメータによるページストリームとタイムラインストリームとの指定は、前記各ファイルの前記識別番号で記述される。
(実施例2)
図10は、本発明の第2実施例であるマルチメディア情報記録装置1000の構成を示すブロック図である。図11は、図10に示したマルチメディア情報記録装置1000のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0102】
図10に示すように、マルチメディア情報記録装置1000は、通信回線を介してデータサーバ150に接続されており、入力部1001、ストリーム作成部1002、2次記憶部1003、データサーバ書き込み部1009を備える。2次記憶部1003は、部分画像記憶部1004、動画記憶部1005、オーディオ記憶部1006、ページストリーム記憶部1007およびタイムラインストリーム記憶部1008の記憶領域を備える。
【0103】
また、図11に示すように、マルチメディア情報記録装置1000のハードウェア構成は、CPU1101、RAM1102、システムクロック1103、タイマ1104、キーボード1105、入力機器インターフェイス1106、ネットワークインターフェイス1107、ディスクインターフェイス1108、ハードディスク1110、MPEG復号器1111、音声用D/A変換器1112、スピーカ1113、グラフィックコントローラ1114、VRAM1115、映像用D/A変換器1116およびCRT1117を備える。
【0104】
なお、システムクロック1103、タイマ1104、MPEG復号器1111、音声用D/A変換器1112、スピーカ1113、グラフィックコントローラ1114、VRAM1115、映像用D/A変換器1116およびCRT1117は、ページストリームおよびタイムラインストリームの作成および記録には必ずしも必要な構成要素ではないが、オペレータが2次記憶部1003内の素材データや、作成されたページストリームおよびタイムラインストリームの内容を再生し、確認するために用いられる。
【0105】
データサーバ150は、データサーバ書き込み部1009から書き込み要求とともに送信されたページストリームおよびタイムラインストリームを、通信回線を介して受信し、内部に備える図示しないハードディスク装置などの記憶装置に、それぞれ個別のファイルとして記録する。入力部1001は、キーボード1105および入力機器インターフェイス1106によって実現される。なお、入力部1001は、図示しないスキャナおよびビデオキャプチャー用のボードを備える。スキャナは、紙面などに印字された静止画などを、デジタル化された静止画データとして入力する。また、ビデオキャプチャー用のボードは、接続されているビデオテープレコーダなどから、動画をデジタル化された動画データとして入力する。
【0106】
ストリーム作成部1002は、CPU1101によって実現される。ストリーム作成部1002は、処理の手順に応じて、例えば、CRT1117にメニュー画面および入力要求を表示させ、マルチメディア情報の編集者からの指示の入力や文字情報の入力を受け付ける。さらに、当該表示に応じて入力された指示にしたがって、それぞれ各指示に対応する部分画像ファイル、動画ファイルおよびオーディオファイルを部分画像記憶部1004、動画記憶部1005およびオーディオ記憶部1006から読み出して、図3および図4に示したページストリームおよびタイムラインストリームを対話的に作成する。制御情報の入力は、入力部1001からの文字入力によって行う。なお、ストリーム作成部1002の処理動作は、図12および図13のフローチャートを用いて、後に詳細に説明する。
【0107】
2次記憶部1003は、ディスクインターフェイス1108およびハードディスク1110によって実現される。部分画像記憶部1004は、1または複数の部分画像ファイルを記憶する。それぞれの前記部分画像ファイルには、静止画を表す素材データのうちから編集処理によってあらかじめ切り出された1つの部分画像が、MPEGなどにしたがって圧縮符号化されたビットマップデータあるいはグラフィックデータなどで記述され、記憶されている。各部分画像ファイルに記述されている内容は、ページストリームの部分画像データを記述する内容に対応する。なお、素材データとは、編集処理により、制御情報や他の素材データと関係づけられることによってマルチメディア情報を構成するデータをいう。
【0108】
動画記憶部1005は、1または複数の動画ファイルを記憶する。前記動画ファイルには、動画を表した静止画の素材データのうちから、編集処理によってあらかじめ所定の表示時刻に対応づけて切り出された静止画データが、1画面毎にその表示時刻の順に記録されている。オーディオ記憶部1006は、1または複数のオーディオファイルを記憶する。前記オーディオファイルには、音声を表す素材データのうちから、編集処理によって、1つの前記静止画データが表示されている時間の長さに対応した音声のデータ量毎にあらかじめ分割された各オーディオデータが、前記静止画データの表示時刻に対応づけて、表示時刻の順に記録されている。
【0109】
ページストリーム記憶部1007は、ストリーム作成部1002によって作成されたページストリームを記憶する。タイムラインストリーム記憶部1008は、ストリーム作成部1002によって作成されたタイムラインストリームを記憶する。データサーバ書き込み部1009は、ネットワークインターフェイス1107によって実現される。データサーバ書き込み部1009は、ストリーム作成部1002からの通知に従って、ページストリーム記憶部1007から該当するページストリームを読み出し、そのページストリームのPT区分「P」と、識別番号と、ページストリームとをその書き込み要求とともに、通信回線を介してデータサーバ150に送信する。同様に、データサーバ書き込み部1009は、ストリーム作成部1002からの通知に従って、タイムラインストリーム記憶部1008から該当するタイムラインストリームを読み出し、そのタイムラインストリームのPT区分「T」と、識別番号と、タイムラインストリームとを、その書き込み要求とともに、データサーバ150に送信する。これに応じて、データサーバ150は、PT区分「P」と、識別番号とを付したファイルに当該ページストリームを記録し、PT区分「T」と、識別番号とを付したファイルに当該タイムラインストリームを記録する。
【0110】
図12および図13は、本実施例のマルチメディア情報記録装置1000におけるマルチメディア情報の記録処理の手順を示すフローチャートである。なお、ステップS1219からステップS1228までの記録処理の手順については、図13のフローチャートに示す。ストリーム作成部1002は、まず、ページストリームおよびタイムラインストリームの識別番号を「1」に初期化する(ステップS1201)。
【0111】
ストリーム作成部1002は、当該ページストリームに記述されるべき内容があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示にしたがって、当該ページストリームに記述されるべき内容があれば(ステップS1202)、部分画像IDを「1」に初期化する(ステップS1203)。さらに、ストリーム作成部1002は、当該部分画像IDの部分画像として記述されるべき内容があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示にしたがって、当該部分画像IDの部分画像として記述されるべき内容があれば(ステップS1204)、対応する部分画像を記述した部分画像ファイルのファイル名の入力を受け付ける(ステップS1205)。さらに、当該ページストリームの初期画面における当該部分画像の表示位置、拡大率および回転角度を記述するXY座標、XY拡大率および回転角度の入力を受け付ける(ステップS1206)。ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの当該部分画像IDの前記各項目に割当てられた記憶領域に、部分画像ID、XY座標、XY拡大率および回転角度を書き込む。続いて、入力されたファイル名の部分画像ファイルを部分画像記憶部1004から読み出し、読み出された内容を、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの当該部分画像IDを有する部分画像データの項目に割当てられた記憶領域に書き込む(ステップS1207)。この後、ストリーム作成部1002は、部分画像IDをインクリメントして(ステップS1208)、ステップS1204の処理に戻る。
【0112】
ステップS1204の処理において、入力された指示により、当該部分画像IDの部分画像として記述されるべき内容がなければ、ストリーム作成部1002は、さらに、当該ページストリームにおいて記述されるべき制御情報があるか否かの指示の入力を要求し、入力された指示により、記述されるべき制御情報があれば(ステップS1209)、入力信号名の入力を受け付ける(ステップS1210)。それに続いて、入力された入力信号名に対応して実行されるべき命令の入力を受け付ける(ステップS1211)。ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの制御情報の項目に割当てられた記憶領域の空き領域に、入力された入力信号名とそれに対応する命令との組を書き込んで(ステップS1212)、ステップS1209の処理に戻る。
【0113】
ステップS1209の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべき制御情報がなければ、ストリーム作成部1002は、さらに、当該ページストリームにおいて記述されるべきアニメーション表示があるか否かの指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示により、記述されるべきアニメーション表示があれば(ステップS1213)、アニメーション表示されるべき部分画像(アニメーション表示対象)の部分画像IDの入力を受け付ける(ステップS1214)。さらに、ストリーム作成部1002は、入力された部分画像IDの部分画像をどのようにアニメーション表示するかを示す1または複数のアニメーション種類の入力を受け付ける(ステップS1215)。なお、前記アニメーション種類は、例えば、「移動」、「拡大」および「回転」等の中から選ばれる。前記アニメーション種類の入力に応じて、時間の経過に伴って変化するパラメータが指定される。
【0114】
さらに、ストリーム作成部1002は、当該ページストリームに記述されるべき、タイムライン情報の実行開始からの経過時間で表される時刻と、入力されたアニメーション種類に対応するパラメータの前記時刻に対応した値との組があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示にしたがって、あれば(ステップS1216)、その入力を受け付ける(ステップS1217)。具体的には、前記時刻に対応するパラメータの値は、「移動」に対してXY座標の値が、「拡大」に対してXY拡大率の値が、および「回転」に対して回転角度の値が入力される。
【0115】
ステップS1216の処理において、入力された指示にしたがって、当該ページストリームに記述されるべき、時刻とその時刻に対応したパラメータの値との組がなければ、ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームのアニメーション表示に関する情報に割当てられた記憶領域の空き領域に、入力されたアニメーション表示対象の部分画像IDと、時刻とその時刻および入力されたアニメーション種類に対応したパラメータの値との組とを書き込み(ステップS1218)、ステップS1213の処理に戻る。
【0116】
ステップS1213の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべきアニメーション表示がなければ、ストリーム作成部1002は、当該ページストリームに記述されるべき動画表示があるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示により、記述されるべき動画表示があれば(ステップS1219)、動画表示の開始時刻、終了時刻、およびその動画が表示されるべき部分画像(動画表示対象)の部分画像IDの入力を受け付ける(ステップS1220)。
【0117】
さらに、ストリーム作成部1002は、入力された部分画像IDで示される部分画像の内部に表示されるべき動画を記述した、動画ファイルのファイル名の入力を受け付ける(ステップS1221)。次いで、ストリーム作成部1002は、入力されたファイル名に記述されている動画に同期して再生されるべき音声を記述した、オーディオファイルがあるか否かを示す指示の入力を要求する。これに応じて入力された指示により、あれば(ステップS1222)、ストリーム作成部1002は、そのオーディオファイルのファイル名の入力を受け付ける(ステップS1223)。次いで、ストリーム作成部1002は、ファイル名が入力された動画ファイルとオーディオファイルとを、それぞれ動画記憶部1005とオーディオ記憶部1006とから読み出して、同一時刻に対応する静止画データとオーディオデータとをそれぞれ組にして、タイムラインストリーム記憶部1008内で、現在セットされている識別番号を有するタイムラインストリームに割当てられた記憶領域に書き込む(ステップS1224)。
【0118】
ストリーム作成部1002は、ページストリーム記憶部1007内で当該ページストリームの動画表示に関する情報に割当てられた記憶領域の空き領域に、入力された動画表示の開始時刻と終了時刻と動画表示対象の部分画像IDとを、該当するタイムラインストリームの識別番号とともに書き込む(ステップS1225)。
ステップS1222の処理において、該当するオーディオファイルがなければ、ファイル名が入力された動画ファイルを、動画記憶部1005から読み出して、タイムラインストリーム記憶部1008内で、現在セットされている識別番号を有するタイムラインストリームに割当てられた記憶領域に書き込み(ステップS1226)、ステップS1225の処理に移る。
【0119】
次いで、ストリーム作成部1002は、タイムラインストリームの識別番号をインクリメントして(ステップS1227)、ステップS1219の処理に戻る。ステップS1219の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべき動画表示がなければ、ストリーム作成部1002は、ページストリームの識別番号をインクリメントした後(ステップS1228)、ステップS1202の処理に戻る。
【0120】
ステップS1202の処理において、入力された指示により、当該ページストリームに記述されるべき内容がなければ、ストリーム作成部1002は、作成されたページストリームおよびタイムラインストリームを、データサーバ150の各ファイルに記録する順序を示す指示の入力を要求するとともに、その入力を受け付ける(ステップS1229)。ストリーム作成部1002は、入力された記録順序をデータサーバ書き込み部1009に通知し、データサーバ書き込み部1009は、前記通知に従って、ページストリーム記憶部1007から該当するページストリームを読み出すとともに、タイムラインストリーム記憶部1008から該当するタイムラインストリームを読み出して、データサーバ150に記録する(ステップS1230)。
【0121】
以上のように本実施例によれば、マルチメディア情報記録装置1000は、図3および図4に示したページストリームおよびタイムラインストリームを、データサーバ150内の記憶装置に、それぞれ1ファイルとして記録することができる。これにより、ネットワークを介して当該データサーバ150に接続されたマルチメディア情報再生装置100側では、マルチメディア情報記録装置1000によって記録されたページストリームおよびタイムラインストリームを再生することにより、第1実施例に示した上記効果を得ることができる。
【0122】
なお、本実施例では、タイムラインストリームに記述される静止画データおよびオーディオデータは、MPEGに従って圧縮符号化されていることとしたが、静止画データ、オーディオデータおよび部分画像データは、それぞれ、必ずしもMPEGに従って圧縮符号化されている必要はなく、他のフォーマット、例えば、VFW(Video for Windows(登録商標))あるいは、QT(QuickTime)などで圧縮符号化された画像データであっても良い。
【0123】
なお、本実施例において、データサーバ150は、ページストリームとタイムラインストリームとの区別なく、例えば、順番号などで表された各ファイルの識別番号でページストリームとタイムラインストリームとを記憶しておいても良い。この場合には、ページストリームおよびタイムラインストリーム内の各情報中に記述されるページストリームとタイムラインストリームとの指定、および、制御情報実行部204とタイムライン制御部207とのパラメータによるページストリームとタイムラインストリームとの指定は、前記各ファイルの前記識別番号で記述される。
【産業上の利用可能性】
【0124】
データサーバなどに動画情報、静止画情報、グラフィック、音楽情報等のマルチメディア情報を記録し、ネットワークを介して、TVゲーム機、電子書籍、高級カラオケ装置およびビデオ・オン・デマンド装置などの読み出し専用のマルチメディア情報再生装置において、前記マルチメディア情報を読み出して利用するといった通信システムにおいて好適している。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施例であるマルチメディア情報再生装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したマルチメディア情報再生装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるページストリームのデータ構成を示す説明図である。
【図4】本実施例のマルチメディア情報再生装置100によって再生されるタイムラインストリームのデータ構成を示す説明図である。
【図5】本実施例のマルチメディア情報再生装置100におけるマルチメディア情報の再生処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図3に示したページストリームの具体例であるページストリーム1の記述内容を示す説明図である。
【図7】ページストリーム1、ページストリーム2およびタイムラインストリーム1に基づいて表示データ作成部113に描画された、各画面の表示内容を示す説明図である。
【図8】図4に示したタイムラインストリームの具体例であるタイムラインストリーム1の記述内容を示す説明図である。
【図9】図6に示したページストリーム1に続くページストリーム2の記述内容を示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施例であるマルチメディア情報記録装置1000の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したマルチメディア情報記録装置1000のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図12】本実施例のマルチメディア情報記録装置1000におけるマルチメディア情報の記録処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施例のマルチメディア情報記録装置1000におけるマルチメディア情報の記録処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】従来のマルチメディア情報再生装置において画像と音声との同期再生が行われるマルチメディア情報のデータ構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0126】
100 マルチメディア情報再生装置
101 ネットワークインターフェイス部
102 ページロード部
103 入力部
104 制御情報実行部
105 クロック部
107 タイムライン制御部
108 記憶部
109 表示データ記憶部
110 ページ記憶部
111 オーディオデータ記憶部
112 表示部
113 表示データ作成部
114 オーディオ用D/A変換部
115 オーディオ出力部
150 データサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されているデータサーバからマルチメディア情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生方法であって、
前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、1画面の表示内容の一部である部分画像を表した部分画像情報と、その表示態様を表す表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、操作者の操作に応じて入力される入力値に対応して、実行されるべき命令が記述され、前記部分画像の表示態様情報を変更するよう指示した表示態様変更命令を含んだ制御情報とを有したページ情報を読み出すページ情報読み出しステップと、
読み出されたページ情報内の前記各部分画像情報で表された部分画像を、対応する前記表示態様情報に基づいて1画面内に配置し、1画面分の表示内容を表した表示データを作成する表示データ作成ステップと、
前記表示データで表された表示内容を表示する表示ステップと、
操作者の操作に応じて対応する入力値を入力する入力ステップと、
前記入力値に応じた命令を実行し、前記表示態様変更命令に対応した入力値に対応して、前記表示データ作成ステップに、表示態様変更命令に従って該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示する命令実行ステップとを備え、
前記表示データ作成ステップは、前記命令実行ステップの指示に従って、新たな表示データを作成することを特徴とするマルチメディア情報再生方法。
【請求項1】
ネットワークを介して接続されているデータサーバからマルチメディア情報を読み出して再生するマルチメディア情報再生方法であって、
前記データサーバに1つのファイルとして記憶されている、1画面の表示内容の一部である部分画像を表した部分画像情報と、その表示態様を表す表示態様情報との少なくとも1つの組からなる部分画像リストと、操作者の操作に応じて入力される入力値に対応して、実行されるべき命令が記述され、前記部分画像の表示態様情報を変更するよう指示した表示態様変更命令を含んだ制御情報とを有したページ情報を読み出すページ情報読み出しステップと、
読み出されたページ情報内の前記各部分画像情報で表された部分画像を、対応する前記表示態様情報に基づいて1画面内に配置し、1画面分の表示内容を表した表示データを作成する表示データ作成ステップと、
前記表示データで表された表示内容を表示する表示ステップと、
操作者の操作に応じて対応する入力値を入力する入力ステップと、
前記入力値に応じた命令を実行し、前記表示態様変更命令に対応した入力値に対応して、前記表示データ作成ステップに、表示態様変更命令に従って該当する部分画像の表示態様情報を変更し、新たな表示データを作成するよう指示する命令実行ステップとを備え、
前記表示データ作成ステップは、前記命令実行ステップの指示に従って、新たな表示データを作成することを特徴とするマルチメディア情報再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−48901(P2006−48901A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186644(P2005−186644)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【分割の表示】特願平7−199807の分割
【原出願日】平成7年8月4日(1995.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【分割の表示】特願平7−199807の分割
【原出願日】平成7年8月4日(1995.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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