ミクロキャビティでの少量液体の混合方法と装置
本発明は音響誘導の流れを利用して少なくとも1つのミクロキャビティの液体を混合する方法で、少なくとも1つの圧電音響変換器を使って、10MHzよりも1周波数大きいか、それと同じの、少なくとも1つの周波数の超音波を、超音波の波長の1/4よりも大きい寸法の固体層を通して、そこで音響誘導の流れを作るため、少なくとも1つのミクロキャビティに送る方法、と本発明の方法実施のための装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミクロキャビティでの液体の混合方法とこの方法実施のための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミクロキャビティは、例えばミクロ力価プレートの配置で薬品研究と診断学で反応容器として使われる。ミクロ力価プレートの標準フォーマットをベースにして最新のラボでの高度にオートメーション化されたプロセスが可能である。例えばピペットロボット、バイオ分析物の目視選別のための器械や、それに応じる搬送システムを標準フォーマットに合わせる。そのような標準ミクロ力価プレートは今日96、384、1536のキャビティのものがある。標準ボリュームはキャビティあたり96力価プレートでは300μl、384力価プレートでは75μl、1536力価プレートでは約12μlである。ミクロ力価プレートは通常プラスチック、例えばポリプロピレンまたはポリスチロールで作られ、しばしばコーティングされるか、バイオの機能がつく。
【0003】
そのようなミクロ力価プレートまたはミクロキャビティの形での小型化の理由は、通常試薬が高価なのと、それからサンプルが十分な量手に入らず、そのためサンプル濃度の高い状態での反応はボリュームを少なくしたときのみ可能という点にある。
【0004】
反応を速め、均質な反応条件を確保するため、反応物を反応中混合することが効果的である。これは特に、反応パートナー(サンプル)が結合しているとき、つまり均質でない分析物があるとき重要である。ここでは混合はサンプルの結合したゾンデ(probe)での貧困化を防ぐことができる。一般に混合がないと反応物の散乱に時間をとられ、反応時間が長くなり、サンプル搬送量が少なくなる。
【0005】
ミクロ力価プレートまたは一般にミクロキャビティは、これまでの方法ではいわゆる攪拌器で混合される。そのような攪拌器は機械稼動部分を含み、まず高度オートメーションのラインに組み込むのが困難である。また混合は特に小さなキャビティ、つまり、384ミクロ力価プレートまたは1536ミクロ力価プレートでは極めて不経済である。そのようなミクロ力価プレートでは少量の液体は見たところ粘性で、少量では層流のみ可能である、つまり効果のある混合を引き起こす乱流がない。少量では高くなる粘性で十分な混合を得るには攪拌器の大きな性能が必要である。
【0006】
WO 00/10011にはミクロキャビティが1〜300KHzの周波数域で攪拌される例があがっている。0.1〜10ワットの電力を使う。
【0007】
文献には他に少量液体混合の方法がいろいろ載っている。
【0008】
US 2002/0009015 A1には混合にキャビティを利用する方法が記されている。液体内での局所真空空間または気泡での核形成、膨張と崩壊、コラプス、つまり音響圧フィールドに基づく、液体内の局所ガス/蒸気空間での核形成、膨張と崩壊、コラプスである。液体の混合は局所真空空間または気泡の自己運動、つまりその膨張と崩壊によって達成される。局所真空空間または気泡形成の耐音性を下げるため、核形成ほう芽が必要である。この核形成ほう芽によって汚れの危険は大きくなり、その上局所真空空間または気泡の形成は、しばしば望ましくない。
【0009】
他に使われている方法(例えば ”Microfluidic motion generation with acoustic waves“, X. Zhu et al. Sensors and Actuators, A. Physical, Vol. 66/1-3, page 355 to 360 (1998) または ”Novel acoustic wave micromixer“, V.Vivek et al., IEEE International Microelectro mechanical systems conference 2002, pages 668 to 673, oder US 5,674,742)はいわゆる”flexural plate wave modes“で振動する振動板エレメントの使用である。運動を伝える媒体は直接液体と接触する。そのような薄い振動板の製作は極めて複雑で、伝動媒体と液体との接触による汚れの危険は大きい。
【0010】
US 6,357,907 B1には、外部の、時間的または空間的に変わり得る磁界で動くマグネット球の使用を記している。混合のため球は、液の中に入れなくてはならない。これは、汚染の問題があり望ましくない。
【0011】
US 6,244,738 B1は長い閉じたチャンネルでの混合を記している。2つの液体の流れが超音波器のそばを通ってミクロチャンネルで混合される。この方法にはミクロチャンネルシステムの手間のかかる構築が必要で、分離した個々のボリュームは混合不可能である。
【0012】
US 5,736,100は、ミクロキャビティ、例えばEppendorf capsを入れた小さな容器を載せた回転皿の使用を記している。この容器には例えば外側から超音波で照射されている水が入っている。この装置は従来の超音波浴のような働きをなす。水は振動され、運動を伝達するエレメントとして、このように揺さぶられる容器に直接働きかける。
【0013】
DE-A-101 17 772は、インターデジタルトランスデューサーで生じる表面音波を使っての液体混合を記している。液体は直接音を伝える媒体自体の上にある。少なくともこの装置を何回か使えば汚染の危険がある。ミクロ力価プレートを使っての使用はこの設定では不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題はミクロキャビティ、特にミクロ力価プレートでの液体の効果的な混合を可能にし、汚染の危険を少なくする方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は請求項1の特徴をもつ方法と請求項22の特徴をもつ装置により解決される。従属項は解決に向けた詳述がなされる。
【0016】
本発明では少なくとも1つの圧電音響変換器を使って10MHzより1周波数大きいか、それと同じ超音波を固体層を通って少なくとも1つのミクロキャビティとその中にある液体の方向に送り、そこで音響誘導の流れを作る。音響波及方向の固体層の寸法は超音波の波長の1/4よりも大きい。
【0017】
10MHzよりも大きいか同じ周波数域により、例えば現状の技術の揺れ機構で用いられているような装置全体の揺れは本発明の方法では生じないことが確保される。超音波の波長の1/4よりも大きい固体層は、振動板のような”flexural plate wave modes“またはLamb-modesの形成を効果的に防ぐことができる。本発明の方法では、超音波は固体層を通じて直接ミクロキャビティに入り、そこで音響誘導の流れを作る。さらに高い周波数の使用によって液体内の音響吸収が大きくなる。
【0018】
混合する液体は音響生成または伝達の媒体とは直接には接触しない。つまり数回使っても汚染はない。
【0019】
本発明の方法では、通常、キャビティあたり50ミリワットよりも小さい数値で効果的な混合が可能である。音響をよく調整すればキャビティあたり5ミリワットよりも小さい数値まで下げることができる。
【0020】
固体層として例えばプラスチック、金属やガラス製の別の基盤を用いることができる。厚みは使った超音波の長さにより例えば0.1mmから数センチの範囲にある。通常の超音波長さは10〜100μmである。固体層は例えばミクロキャビティの底面またはミクロ力価プレートの底面で直ちに形成される。この底面は希望の厚みに合わせるか、それに合わせて研磨するか、あるいは底面全体を包む。
【0021】
圧電音響変換器は共鳴エネルギーの高周波シグナルにより、単色に、または調和的に励起することができる(連続的または脈動的に)。圧電音響変換器は、共鳴的あるいは調和的波動の高周波シグナルを与えることにより、単一波長あるいは、複波長を発生することができる(連続的にも間断的にも)。周波数または振幅の交替により、発生する混合類型に一貫して影響を与えることができる。さらに圧電音響変換器の共鳴周波数の投入は電気エネルギーの音響エネルギーへの変換の効果変換効率を上げる。
【0022】
また、ニードルインパルスを用いるのも効果的である。これは他の多くのフーリエ係数と並んで、音響変換器を共鳴させるフーリエ係数をもっている。これは、特別な周波数がセット可能である必要はないため、必要なエレクトロニックへの条件を下げる。
【0023】
超音波の波長を液体内で、ミクロキャビティでの中位の充填度よりも低いかそれと同じように選べば、混合する液体内で超音波吸収は特別に効果的である。
【0024】
音響変換器は固体層の下で全面で作ってもいいが、音響変換器の側面幅が使ったミクロキャビティの側面幅よりも小さいとき効果的である。まず、音響変換器がより大きいときそのインピーダンスの容量性分担が大きくなり、それにより電気適合が変化する。次に音響変換器がミクロキャビティの側面幅よりも大きければ混合効果は大きくなる。他方、音響変換器の側面幅がミクロキャビティの側面幅よりも小さければ、超音波放射はミクロキャビティの側面幅よりも側面幅が小さい。液体は上に向いた超音波放射の側を再び下に流れ、それにより最上の液体混合が得られる。例えば超音波は中心で下方のミクロキャビティに投入(インプット)され、液体はミクロキャビティの中心を上に流れ、ミクロキャビティの端で再び下に還流できる。
【0025】
上に述べた効果は代替方法でも可能である。音響変換器とミクロキャビティの間に中間層を入れ、中間層は、空間的に限定された範囲でのみミクロキャビティの方向に超音波の伝播が可能なように消音材を配置する。効果のある消音媒体はシリコン、ゴム、シリコンゴム、軟らかなPVC 、蝋などである。
【0026】
ミクロキャビティと固体素材の間には、不均衡をならし、確実な音響コンタクトを確保するため、流体または固体の調整媒体を入れることができる。例えば水、油、グリセリン、シリコン、エポキシド樹脂、ゲルフィルムなどである。
【0027】
ミクロキャビティとして例えばEppendorf capsまたはピペット先端またはミクロリアクターを使うことができる。プロセスを並行させるため、いくつかのミクロキャビティを同時に使うことができる。特に効果的なのは、すでに規定のスクリーン寸法で多くのキャビティを用意できるミクロ力価プレートである。
【0028】
同じく例えば多孔接着フォイルを使って、いくつかのミクロキャビティをガラススライド上に固定することができる。特に従来のミクロ力価プレートの寸法で行う。このテキストではミクロ力価プレートの概念はそのような配列を含むものとする。例えばそのような仕様では、ガラススライドを超音波によって照射された固体層として直接使うことができる。このようにして特別にコンパクトな配列が可能である。ただ1つのミクロキャビティを作るには、類似の方法で単孔接着フォイルを用いる。
【0029】
本発明の方法はミクロ力価プレートに似た方式でも可能である。この方式では1つの基盤の上に部分域からなるフィールドを作り、その部分域は、特に混合される液から水分を受け、混合される液の係留所として使われる。これらのフィールドが、従来のミクロ力価プレートのスクリーンに配置されていれば、液体を入れることにより従来のミクロ力価プレートのように液体の側面分布が生じ、個々の液滴はその表面張力でくっついている。このテキストでは、ミクロ力価プレートの概念はそのような仕様をも含むものとする。
【0030】
ミクロ力価プレートは固体層上に置くことができる。例えば1つの音響変換器のみあるときには、異なるキャビティを超音波処理するため、ミクロ力価プレートを固体層上で動かすことができる。このようにして、どのミクロキャビティを混合させるかを個々の状況によって選択することができる。
【0031】
ミクロ力価プレートの個々のキャビティでの液体を混合させるため、特別仕様の方法を使えば、例えば圧電音響変換器のフィールドを、ミクロ力価プレートのキャビティと同じ配置をもつ固体層の下側に使う。これらの音響変換器を個々に操作すると、個々のキャビティの液体は独立して混合できる。そのような圧電音響変換器のフィールドは簡単に自動処理システムに統合(インテグリード)することができる。
【0032】
他の効果的な方法として、超音波性能が少なくとも2つの分離点で固体層から同じ数のミクロキャビティに投入可能なように、超音波を超音波発生装置を使って固体層に投入する。これは例えば2方向に放射する超音波生成装置で可能である。本発明の1つの仕様では表面波生成装置、特にインターデジタルトランスデューサーを使って、超音波を圧電結晶上で作る。
【0033】
インターデジタルトランスデューサーを支える圧電結晶は固体層上に接着するか、プレスするか、ボンドで貼り付けるか、あるいは連結(インプット)媒体(例えば静電あるいはゲルフィルム)を通じて固体層上に接着するか、プレスするか、ボンドで貼り付ける。
【0034】
そのようなインターデジタルトランスデューサーは櫛のような形をした金属電極で、その2倍の極間が表面音波の波長を決め、それは光学写真平板方法により極間10μmの範囲で作ることができる。そのようなインターデジタルトランスデューサーは、例えば圧電結晶につけ、表面音波を従来の方法で励起する。
【0035】
そのようなインターデジタルトランスデューサーを使っていろんな方法で固体層に、これを斜にちりばめるボリューム音波を作ることができる。インターデジタルトランスデューサーは圧電結晶とそれがついている固体層の界面に2方向に放射する界面波(LSAW)を作る。界面洩れ波はエネルギーをボリューム音波(BAW)として固体層に放射する。それによりLSAWの振幅は指数で減少する。通常の減衰長は約100 μmである。固体層の法線に対し、固体層へのボリューム音波の放射角aは、固体層のボリューム音波の音速VS とインターデジタルトランスデューサーで作られた界面音波の音波VSAWの比率のアークサインから計算される(α=arcsin(VS/VLSAW)。したがって、固体層への放射は、固体層での音速が界面洩れ波の音速よりも小さいときのみ可能である。固体層での縦方向音速は界面洩れ波の速度よりも大きいため、通常、固体層で横方向波が励起される。界面洩れ波速度は通常3900m/sである。
【0036】
櫛状に互いに組み込むインターデジタルトランスデューサーの下側の圧電結晶内の圧電で生じた変形は、ボリューム音波(BAW)をまた直接に固体層に放射する。この場合固体層の法線に対し放射角aは固体層内の音速VSと、それからインターデジタルトランスデューサーlIDTと投入した高周波fとの積との比率のアークサインとして計算される(a=arcsin (Vs/(lIDT × f))。この音投入機構にとっては、固体層の法線に対する入射角、浮揚角は、つまり周波数で決定される。この2つの効果は一緒に生じることがある。
【0037】
この2つの機構(LSAW, BAW)は固体層を斜方向に音線を通すのを可能にする。インターデジタルトランスデューサーの全電気コンタクトは、固体層のミクロキャビティまたは液の反対側で行われることがある。
【0038】
簡単に実行できる仕様ではインターデジタルトランスデューサーは圧電エレメント上、固体層のミクロキャビティの反対側にある。上に述べた高周波の固体層への斜方向投入により、圧電エレメントをもつインターデジタルトランスデューサーが固体層の前面に配置された構成も可能である。
【0039】
特に効果的なのは、音波透過性固体層の素材を、消音に関して、周波数と界面の反射特性で、斜方向投入された超音波の部分反射が行われるように選ぶときである。例えばミクロ力価プレートと固体層の間の調整媒体を適当に選んで、調整媒体と音波透過性固体層の間に1つの界面が生じ、そこでは、使った周波数の1つの超音波について例えば80%から90%の反射係数がでるため、固体層で生じる10%から20%の超音波が分離され、残りは反射される。固体層と固体層の他の界面での空気の間では、通常100%近い反射が行われる。ミクロ力価プレートの底面自体が音を通す固体層として使われる他の仕様では、固体層として使われるミクロ力価プレートの底面からミクロキャビティの液体へは超音波機能の10%から20%が分離され、残りはミクロ力価プレートの底で反射される。
【0040】
界面での反射により、超音波は波動導体のように固体層を通して導かれる。超音波が固体層と調整媒体の界面、あるいは固体層とミクロキャビティの1つの液体の界面に突き当たる場所では、超音波機能の一部が分離される。幾何学的特性、例えば固体層またはミクロ力価プレートの底面の厚みを適当に選ぶことにより、このよう定義される超音波波動の分離点を精確に限定することができる。そのような方法では例えば、1つのミクロ力価プレートのいくつかのミクロキャビティを同時に超音波処理することができ、しかも多数の音響変換器は必要でない。このようして多くの音響変換器の配線で生じる問題を避けることができる。
【0041】
例えば蒸発が少ないため、石英ガラスを固体層として10MHzから250MHzの周波数で用いるのは効果的であることがわかった。そのような場合の固体層と空気の界面ではほとんど100%反射されるのに対し、固体層と液体(つまり均整媒体またはミクロキャビティ中の液体)の界面では、音響エネルギーのあるパーセントが各々の液体に分離される。
【0042】
例えばWO 01/20781 A1に他の例で記されているような、極間がコンスタントでないインターデジタルトランスデューサー(テーパーインターデジタルトランスデューサー)の使用は、投入した周波数を使ってのインターデジタルトランスデューサーの放射場所の選択を可能にする。このようにして超音波はどこで固体層から流れ出るかを厳密に決めることができる。さらに直線でない形のテーパーインターデジタルトランスデューサー、例えば弓のように互いにかみ合ったフィンガー電極をもつインターデジタルトランスデューサーを使うときには、方位角θは操作周波数のよって制御できる。他方周波数をもつ浮揚角αはインターデジタルトランスデューサーの直接BAW 生成によって変えることができる。
【0043】
周波数を選択し、場合によっては状況に応じて作られたインターデジタルトランスデューサーを使用して、放射方向を上に述べたように定めて、混合用ミクロ力価プレートの、極めて細かい、例えば個々のミクロキャビティを選択することができる。操作周波数の時間的ヴァリエーションによって混合場所の時間経過を設定できる。
【0044】
圧電エレメント上には例えば、超音波を生成する1つないし数個のインターデジタルトランスデューサーがあり、それらは分離して接続されているか、あるいは直列または並列に接続されている。例えばフィンガー電極間隔が違うときには、それらは周波数の選択により分離して制御され、そのようにして特定の領域選択の可能性を与える。
【0045】
固体層の望ましくない場所(つまり例えば前面で)での反応が乱れることを防ぐため、固体層の無方向に拡散する面を適当に選択することにより、超音波はばらばらに拡散できる。それには表面を毛羽立てる。そのように毛羽立った表面はより大きな表面を超音波処理するため、超音波を拡大する目的で用いることができる。
【0046】
固体層の適当に角をつけて配置された脇の前面は、反射の目的で用いることができ、音響放射を定めて導くことができる。
【0047】
特に製作費と構造を考え、同時に固体層中の放射方向を特定するとき、本発明の他の仕様では、圧電ボリューム振動板、例えば圧電厚板振動板が効果的であることがわかる。
【0048】
本発明の方法を実施するための本発明の装置は1つの基盤をもち、そのメインの表面には少なくとも1つの音響変換器が配列され、それは10MHzよりも大きいか同じ周波数を生成するため電気的に励起され、基盤の厚みは音響拡散方向に超音波長さの1/4よりも大きい。基盤は別に作ることができる。例えばミクロ力価プレートまたはミクロキャビティの底面で作ることができる。
【0049】
基盤は例えばガラススライドで作ることもできる。その上には一定の間隔で穴のついた接着フォイルが固定され、ミクロキャビティの配置を得ることができる。そのような穴付き接着フォイルのついたガラススライドはミクロ力価プレートのように使える。
【0050】
ミクロ力価プレートのミクロキャビティを並行して超音波処理するため、多くの音響変換器をミクロ力価プレートのスクリーンに使えば効果的である。
【0051】
個々の音響変換器を個々に制御するためには、個々の音響変換器に電気高周波電力を通す開閉装置が効果的である。
【0052】
本発明の方法のさまざまな仕様を実施するための、本発明装置の他の仕様の利点は、個々の方法につきこれまで記した利点と特性からわかる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図によって本発明の方法ないし装置の特別仕様を説明する。図は概観を与えるにすぎず、かならずしも縮尺通りではない。
【0054】
図1は本発明の配置を横断面で示す。1は圧電厚板振動板を示し、その機能は図6で説明する。9はキャビティ3の領域のミクロ力価プレートの図式的断面図である。3つのキャビティを示しているが、ミクロ力価プレートは4角形の配列で通常96個、384個、1536個のキャビティをもつ。1つのキャビティ3の直径Dは、圧電厚板振動板1の直径dよりも大きい。例えば、直径Dは96個ミクロ力価プレートでは6mmであり、厚板振動板の直径は3mmである。ミクロ力価プレート9のミクロキャビティ3には液体5がある。液体は表面張力のため上方に曲がった表面で示されている。Fは1つのミクロキャビティの中位の充填度を示す。厚板振動板とミクロキャビティの間には固体材料15があり、それは厚板振動板またはコンタクトの保護のため、例えばプラスチック、金属、ガラスでできている。19は基盤15の下側の平面の電極を示す。この電極は圧電厚板振動板1の電気接続をなす。
【0055】
厚板振動板のもう一方の電極は21と記されている。電極19、21は電気接続23、25を通じて高周波ジェネレーター17と結ばれている。基盤15のメイン面にオプションで入っている連結(インプット)媒体11、13、例えば水、オイル、グリセリン、シリコン、エポキシド樹脂、ゲルフィルムがある。これは個々の層のばらつきをならし、最大の音響連結を確保するためである。
【0056】
厚板振動板1が超音波を中心のキャビティの方向に放射し、それにより液体7に運動が生じる状態を示している。
【0057】
図2は他の仕様を示す。同じエレメントは同じ記号で記す。ミクロ力価プレート9の個々のミクロキャビティに個々の厚板振動板をつける。開閉装置26を使って高周波ジェネレーター17の高周波シグナルを個々の厚板振動板1に送ることができる。31は、クロストークを防ぐオプションの消音媒体を図式的に示す。この消音媒体は構造的なものでもいいが、プラスチックを選んでもいい。
【0058】
図3は音波導体35でさまざまなキャビティの底面と結ばれている、1つまたは数個の音響変換器33を使っている仕様を示す。この音波導体は通常、最上の投入(インプット)を得るため厚板振動板に似た音響特性をもつ材料、例えば金属棒からできている。
【0059】
図4はスクリーンの配置を示す。図4aは96のキャビティをもつミクロ力価プレートの平面図である。図4bは基盤29上の個々の圧電厚板振動板27の配置を示す平面図である。ミクロ力価プレートのスクリーン寸法Rは圧電厚板振動板27の距離についても守られている。代替として圧電振動板は基盤29の上を全面を覆い、電極配列をミクロ力価プレートの類型に合わせることができる。
【0060】
図5は1つのミクロキャビティの横断面詳細である。2は厚板振動板から放射される超音波を示す。6は超音波放射のないときのメニスクス、4は放射のあるときのメニスクスである。連結媒体11、12を含む基盤15の厚みは、通常数百μmの範囲にある基盤での超音波の波長の1/4よりも大きい。基盤の材料としてはアルミのような金属、ガラス、プラスチックを使う。「厚み」で音響拡散方向の基盤15の厚みを意味する。アルミの基盤では20MHz音波の波長は、例えば315μm、ガラスでは275μm、プラスチックでは125μmである。
【0061】
図6は圧電厚板振動板1の原理を説明する。高周波ジェネレーター17を使って高周波を厚板振動板の電極19、21に送れば、高周波は厚板振動板の平面に垂直に生成される。振動方向は37で記す。厚板振動板の厚みが200 μmのときは、基本振動が励起されれば、波長は400 μmとなる。材料は圧電単結晶、例えば石英、リチウムニオブ塩酸、リチウムタンタル塩酸などである。他の振動板は圧電層、例えばカドミウム硫化物、亜鉛硫化物、あるいは圧電セラミック、例えば鉛-ジルコン塩酸-チタン塩酸、バリウムチタン塩酸などを使い、または固体での音速を最上にするため添加物を添える。同じく圧電ポリマー(例えばポリビニリデン2弗化物)または構成素材も可能である。固体層15またはミクロ力価プレート9の材料が音響変換器に音響的に適合していれば、特に効果的である。つまり似た音速と密度をもつときである。
【0062】
図7は一体のミクロ力価プレートのように使われる装置を示している。ガラススライド(例えば物体キャリアー)109上に穴のあいた接着フォイル110をつける。図7bは図7aで示した切断図の切断方向A-A・を示す平面図である。穴のスクリーン寸法Rは、例えば従来のミクロ力価プレートのスクリーン寸法と同じである。当間隔で並んだ穴3はミクロ力価プレートにもあるようなミクロキャビティを決める。図7の装置はミクロ力価プレートのように使うことができ、このテキストでは「ミクロ力価プレート」の概念はその配列をも含むものとする。
【0063】
本発明の方法は上に記した本発明の装置で以下のように行う。
【0064】
基盤15にミクロ力価プレート9を置く。起伏をならすため調整媒体11、例えば水を中間に入れる。ミクロ力価プレート9はキャビティ3が圧電厚板振動板1の上側に配置されるように置く(図1)。液体5はミクロキャビティ3に入れる。そのとき充填度Fは、厚板振動板で生成された超音波の波長よりも大きくなるようにする。高周波ジェネレーター17を使って、高周波を厚板振動板1の電極19、20へ送ることにより、まん中に示したキャビティ3の方向に広がって、その中の液体7の混合をもたらす厚板振動板1に垂直に超音波を作る。
【0065】
その側面の広さが厚板振動板1の大きさである超音波音線は下からミクロキャビティ3に当たり、インパルスを生み、液体内に上方への流れを生む。これはメニスクス4(図5を参照)の変形をもたらすことがある。上を向いた超音波音線の側を液体は再び下に流れ、それによって液体の混合が出来上がる。
【0066】
1つのミクロキャビティでの液体の混合後、場合によってはミクロ力価プレートをずらし、他のミクロキャビティが超音波を受けるようにする。
【0067】
図2の仕様ではミクロ力価プレート9は同じく基盤15に置く。その中の液体を混合するミクロキャビティは開閉装置26を使って選ぶことができる。図4bは圧電厚板振動板27のそれに使われた配置の平面図である。
【0068】
図3の仕様では超音波は超音波発生器33で生成され、波動導体25を通ってミクロキャビティの下に導かれ、ミクロキャビティは同時に超音波で超音波処理される。
【0069】
高周波励起はすべての仕様で強いニードルインパルスの形でも行うこともできる。このインパルスは多くのフーリエ係数を含み、厚板振動板1の反響周波数もこの中に入る。その代替として高周波シグナルに直ちに厚板振動板またはハーモニーの反響周波数を与える。通常の周波数は10MHzよりも大きいか、同じである。圧電厚板振動板の稼動によって生じる熱の形での損失は、それが望ましくないならば、厚板振動板を冷却体の上に設置することによって簡単に放出できる。
【0070】
図8aは図式的に示したインターデジタルトランスデューサー101が音波の生成の使われる仕様を示す。115は例えば石英ガラスの基盤を示す。102は、例えばリチウムニオブ塩酸の圧電結晶エレメントである。圧電結晶エレメント102上、したがって圧電結晶エレメント102と基盤115の間にインターデジタルトランスデューサー101があり、例えばこれは前もって圧電結晶エレメント102の上に置かれたものである。インターデジタルトランスデューサーは通常は櫛のように互いに食い込んだ金属電極で、その2倍の極間が表面音波の波長を決め、電極は高周波交番磁界(数MHzから数百MHzの範囲)をインターデジタルトランスデューサーに送ることにより圧電結晶内で励起される。このテキストでは「表面音波」の概念を、圧電結晶エレメント102と基盤115の間の界面での界面波の意味でも使う。使った周波数では基盤115として、消音効果の少ない材料を用いる。例えば10MHzから250MHzの範囲の周波数には石英ガラスが適している。インターデジタルトランスデューサーはDE-A-101 17 772に記され、表面波フィルターテクノロジーでも使われている。インターデジタルトランスデューサー101の電極接続には8aには記されていないが、図17に詳細に説明されている金属リード線が使われる。
【0071】
2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101を使って超音波104は記した方向に生成することができ、これは上に記したように基盤115の法線に対し角αで、ボリューム音波としてガラス体115を通る。111は、上に他の仕様について記したように、ガラス体115とミクロ力価プレート109の間でオプションで存在する連結(インプット)媒体である。108はガラス体115と連結媒体111の間の界面領域を示す。これには基本的にはボリューム音波104の範囲である。106は基盤115と空気の界面の反射点である。109はミクロ力価プレートで、そのキャビティに液体103がたまっている。
【0072】
インターデジタルトランスデューサー101には通常の方法で高周波が、8aでは記されていないリード線で送られるが、それを使って斜方向に基盤に入るボリューム音波104が生成される。このボリューム音波は108の点でガラス体115と連結媒体111の間の界面に当たる。基盤素材を適当に選べば、超音波104の一部が108の点で反射され、他の部分は分離される。材料は、ガラス体115と連結媒体111の間の界面で部分反射が生じ、基盤115と空気の界面、つまり106の点でほとんど完全な反射が行われるように選ぶ。例えばSiO2を使えば連結媒体とガラスの界面で約80%から90%の反射率、つまり約10%から20%の連結媒体への投入が生じる。80%の反射率を仮定すれば、数回ガラス基盤で反射する音線104の強さは10回の反射で約10dB減少する。ここで3mmの基盤厚で音線はすでに250mmの側面区間を通ったことになる。構成を適当にすれば、例えば基盤の厚みを適当にとれば、このようにして超音波の一部が基盤115から連結媒体に投入される108の点の場所を正確に決め、使ったミクロ力価プレートのスクリーンに合わすことができる。
【0073】
図示されていない代替仕様ではミクロ力価プレート109の底面自体基盤となり、その下側に圧電結晶102が固定されるか、押し当てられる。そのとき超音波104は直接ミクロ力価プレートの底面に投入され、個々のミクロキャビティの底面によって形成される界面で、連結媒体への投入の仕様で記したように、液体に放出される。
【0074】
図8bは、8aの仕様でさまざまな周波数を選択することにより、さまざまな投入角をセットできることの説明になる。ボリュームモード(BAW)を直接励起するとき、励起周波数のヴァリエーションによって放射角αを基盤115にセットできる。インターデジタルトランスデューサー101は簡単な標準インターデジタルトランスデューサーでよく、ここで浮遊角αは関係sinα= Vs/(IIDT × f)によってセットされる。ここでVsは超音波の音速、f は周波数、IIDT はインターデジタルトランスデューサー電極の間隔である。つまり周波数のヴァリエーションによって放射角はαからα‘に変えることができる。このようにして例えば、分離点108はミクロ力価プレート109のスクリーンによく合わせることができる。
【0075】
図9は図8のヴァリエーションを示す。2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101から図9の音線104Lは左に行き、音線104R は右斜め方向基盤115に行く。基盤115の端112で音線104Lは反射され、基盤115と連結媒体111の界面の方向に偏向される。構成を適当にすれば、例えば基盤115の厚みを適当にとれば、そのように同じく衝突点108をミクロ力価プレートのスクリーンに合わすことができる。
【0076】
ここに図示されていない仕様では、インターデジタルトランスデューサー101は圧電エレメント102の基盤115のメイン面ではなく、前面、例えば9図のように端112にある。このようにして同じく2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101で2つのボリューム音波104が生成される。この音波は斜方向に基盤115を通り、図9に示した方法と同じように使える。
【0077】
図8の仕様でも図9の仕様でも、いくつかのインターデジタルトランスデューサーを1つあるいはいくつかの圧電エレメントに並べて配列し、一連のミクロキャビティ103を超音波処理するだけでなく、従来のミクロ力価プレートにあるように、並んでいる列からなる1つのフィールドを超音波処理できる。
【0078】
図10aは基盤115中の音線の特別な偏向を可能にする、ほぼ基盤115の表面の所での、配列断面の平面を示す。インターデジタルトランスデューサー101から図8で述べたような方法で音線104が出て、108の点で基盤115の上界面に衝突する。つまり音線はジグザグ線の形で図8aの断面図のように基盤115を導かれるが、これは図ではわからない。そのように導かれた音線104は基盤115の界面110で偏向される。面110の構造を適当にとることによって音線の希望の運動類型を生成することができる。
【0079】
図10bでは、平面の基盤115が、ただ1つ2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101を使って、ほとんど完全に覆われるような配列が示されている。これは基盤115の数次反射を使って行われる。図10bでは基盤115のメイン面での反射点は見やすくするために示さず、図8aで説明したように、基盤115のメイン面での反射によって引き起こされる超音波拡散方向だけ示す。
【0080】
図11は本発明の方法実施の他の配列の横断面図を示す。音線断面はここでは、いくつかのインターデジタルトランスデューサーが平行音線束104を生成するため使われて、効果的に広げられている。例えば1つのミクロ力価プレート109のいくつかのミクロキャビティ105を同時に超音波処理するため、このようにしてほとんど均質な方法で基盤115の上の界面を超音波処理できる。
【0081】
上に述べた、基盤115のための適当な基盤材料の選択による反射効果は、図12が示すように、同じくボリューム振動板130によっても生成される。圧電ボリューム振動板130として例えば、音波の斜方向投入が行われるように配置された圧電厚板振動板を用いることができる。それにはいわゆるwedge transducerを用いることができる。wedge transducerがつけられた面の面法線に対する照射角は、それがつけられた角βとwedge transducerの音速VWと基盤115の音速VSの比から決まる。Α=arcsin[(VS/VW)・sinβ]とする。
【0082】
図13は、衝突する音波104の拡散反射を行うため、基盤115の端108が、毛羽立てられている仕様を示す。これは端で反射する、望ましくない音線を無力にするため有効である。音線104は図8で説明したように、このような仕様では基盤115によって導波管のように基盤115の上と下のメイン面での反射によって導かれる。毛羽立った表面118では個々の音線120への拡散反射が行われる。このようにして指向性の音線104は無力にされるか、拡散されて基盤115にあるいくつかのミクロキャビティの均等な超音波処理が可能となる。図13は基盤115の上の界面にほぼ沿った断面への平面図である。
【0083】
図14は基盤115の裏面114が毛羽立てられている仕様を示す。この裏面にはインターデジタルトランスデューサー101がついている。すでに述べた超音波が基盤115に投入されるときには、表面が毛羽だっているため音線104は曲げによって上方に開いている。この効果は面114にさらに反射があるとさらに強まる。投入点108の基盤から、ミクロ力価プレートがある、図示されていない連結媒体までの距離が大きくなるにつれて、投入点は広がる。図14はミクロ力価プレートが図示されていない部分断面を示す。
【0084】
同じような効果は図15の仕様によって得られる。ここでは音線104の拡大は、インターデジタルトランスデューサー101の基盤115への投入後、湾曲した反射端116での反射によって得られる。ここで拡大を説明したように、集束はそれに応じた仕様の反射端によって達成される。図15も基盤が図示される部分断面だけ示す。基盤115にはすでに述べたが、ここには図示されていない、例えば連結媒体111とミクロ力価プレート109とがついている。
【0085】
図16は他の仕様の図式表示である。ここでも基盤115と連結媒体111の界面への一瞥が示されている。他の図と同じくここでも見やすくするために、インターデジタルトランスデューサー201の少数の互いに食い込む極のみ示されている。実際のインターデジタルトランスデューサーはもっと多くのフィンガー電極をもっている。インターデジタルトランスデューサー201の個々のフィンガー電極の距離はコンスタントでない。したがってインターデジタルトランスデューサー201は高周波を投入すれば、例えばWO 01/20781 A1で他の仕様について述べられているように、電極間距離が周波数と相関する場所でのみ放射する。
【0086】
その上図16の仕様ではフィンガー電極が真っ直ぐでなく、弓状をなしている。インターデジタルトランスデューサーは基本的にはフィンガーの方向に垂直に放射するため、このように投入した高周波の選択により、放射した表面音波の方向が定まる。図16には例として2つの周波数f1、f2の放射方向が示されている。周波数f1では放射方向は角θ1、f2では角θ2となっている。図16はインターデジタルトランスデューサー201がついている圧電基盤102と圧電基盤102とコンタクトしている基盤115の界面への平面図を図式的に示している。
【0087】
図17aから17cは図8、9、10、11、13、14、15、または16の仕様でのインターデジタルトランスデューサー電極の電気接続のさまざまな可能性を示す。17aに示されているような仕様では金属の帯導体が基盤115の裏側についている。インターデジタルトランスデューサー101のついた圧電結晶102は、基盤115上の金属電極が圧電基盤115上のインターデジタルトランスデューサー101の電極とオーバーラップするように基盤115についている。圧電音響変換器を基盤と接着させれば、オーバーラップ部分では導電性の接着材で接着され、残りの面は従来の非導電性の接着材で接着される。場合によっては機械的なコンタクトで十分である。図示されていない高周波ジェネレーターエレクトロニック方向の基盤115の金属帯導体電気コンタクト122は溶接接続、接着接続、またはスプリングコンタクトピンで行われる。
【0088】
図17bの電気接続の仕様では、リード線124のついたインターデジタルトランスデューサー電極の載っている圧電結晶102は、最初の部分が後の部分に較べて突出するよう基盤115に載せられる。このケースでは接続は圧電結晶102につけたリード線124に直接始まる。コンタクトは溶接するか、接着するか、ボンドで貼り付けるか、またはスプリングコンタクトピンで行われる。
【0089】
17cで図示されているような電気接続の仕様では、基盤115は接続部ごとに穴123のついていて、圧電結晶102は基盤115に直接つけられ、圧電音響変換器にあるリード線は穴123を通って接続できる。このケースでは電気接続はスプリングコンタクトピンによって圧電結晶102上のリード線に直接行うことができる。他の方法として、穴を導電接着剤113で満たすか、それで金属ピンを貼り付ける。高周波ジェネレーターエレクトロニックの方向への他の接続は溶接するか、さらに接着するか、またはスプリングコンタクトピンで行われる。
【0090】
圧電音響変換器への電力の供給の他の可能性は誘導連結である。インターデジタルトランスデューサー電極へのリード線は、高周波シグナルのコンタクトなし操作のアンテナとして使えるようにする。もっとも簡単なケースでは、1次回線が高周波ジェネレーターエレクトロニックと結びついた高周波トランスの2次回線として使われる圧電基盤上のリング形電極である。これは外側に置き、圧電音響変換器に直接隣り合わせでつける。
【0091】
上に述べた仕様の方法ないし特定の性質を有する個々の実施形式は適切に組み合わせ、それによって望みの機能と効果を達成することができる。
【0092】
本発明の方法では、もっとも少量の液でも効果的な混合が可能である。液体は運動伝達の媒体自体と接触することは必要でない。例えば混合エレメントを液体に入れる必要はない。この方法ないし装置は、生物学、診断学、薬学、化学で使われている、今日のラボオートメーションで簡単にコスト安に実施できる。高い周波数はキャビティの形成を効果的に防ぐ。最後に平たい構造で、装置は簡単のラボレールに乗せられる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明方法実施中の本発明装置の横断面図である。
【図2】本発明方法実施のための本発明装置の他の仕様の横断面図である。
【図3】本発明方法実施のための本発明装置のさらに他の仕様の横断面図である。
【図4a】本発明方法実施のための本発明装置に使うミクロ力価プレートの平面図である。
【図4b】本発明方法実施のための本発明装置の1仕様の圧電ボリューム振動板の1つのフィールドの配列である。
【図5】1つのミクロキャビティの例による本発明装置ないし方法の作動方式である。
【図6】圧電厚板振動板を本発明の方法で如何に使うかを示す作動方式の説明図である。
【図7a】ミクロキャビティの等間隔配列の決めるための装置の横断面図である。
【図7b】図7a の装置の平面図である。
【図8a】本発明方法実施の1つの配列の横断面図である。
【図8b】特別な作動方式を説明するため本発明の方法実施の配列の横断面図である。
【図9】本発明方法実施の代替配列の横断面図である。
【図10a】本発明方法実施の1の配列の横断面図への平面図である。
【図10b】本発明方法実施の他の配列の横断面図への平面図である。
【図11】本発明方法実施のための1つの装置の側面断面図である。
【図12】本発明方法実施のための他の装置の側面断面図である。
【図13】本発明方法実施のためのもう1つの装置の側面断面への平面図である。
【図14】本発明方法実施のための1つの配置の側面部分断面図である。
【図15】本発明方法実施のための他の配置の側面部分断面図である。
【図16】本発明方法実施のためのもう1つの配置の横断面への平面図である。
【図17a】本発明方法実施のための装置の電気接続のスキーマ部分図である。
【図17b】本発明方法実施のための装置の電気接続のスキーマ部分図である。
【図17c】本発明方法実施のための装置の電気接続のスキーマ部分図である。
【技術分野】
【0001】
本発明はミクロキャビティでの液体の混合方法とこの方法実施のための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミクロキャビティは、例えばミクロ力価プレートの配置で薬品研究と診断学で反応容器として使われる。ミクロ力価プレートの標準フォーマットをベースにして最新のラボでの高度にオートメーション化されたプロセスが可能である。例えばピペットロボット、バイオ分析物の目視選別のための器械や、それに応じる搬送システムを標準フォーマットに合わせる。そのような標準ミクロ力価プレートは今日96、384、1536のキャビティのものがある。標準ボリュームはキャビティあたり96力価プレートでは300μl、384力価プレートでは75μl、1536力価プレートでは約12μlである。ミクロ力価プレートは通常プラスチック、例えばポリプロピレンまたはポリスチロールで作られ、しばしばコーティングされるか、バイオの機能がつく。
【0003】
そのようなミクロ力価プレートまたはミクロキャビティの形での小型化の理由は、通常試薬が高価なのと、それからサンプルが十分な量手に入らず、そのためサンプル濃度の高い状態での反応はボリュームを少なくしたときのみ可能という点にある。
【0004】
反応を速め、均質な反応条件を確保するため、反応物を反応中混合することが効果的である。これは特に、反応パートナー(サンプル)が結合しているとき、つまり均質でない分析物があるとき重要である。ここでは混合はサンプルの結合したゾンデ(probe)での貧困化を防ぐことができる。一般に混合がないと反応物の散乱に時間をとられ、反応時間が長くなり、サンプル搬送量が少なくなる。
【0005】
ミクロ力価プレートまたは一般にミクロキャビティは、これまでの方法ではいわゆる攪拌器で混合される。そのような攪拌器は機械稼動部分を含み、まず高度オートメーションのラインに組み込むのが困難である。また混合は特に小さなキャビティ、つまり、384ミクロ力価プレートまたは1536ミクロ力価プレートでは極めて不経済である。そのようなミクロ力価プレートでは少量の液体は見たところ粘性で、少量では層流のみ可能である、つまり効果のある混合を引き起こす乱流がない。少量では高くなる粘性で十分な混合を得るには攪拌器の大きな性能が必要である。
【0006】
WO 00/10011にはミクロキャビティが1〜300KHzの周波数域で攪拌される例があがっている。0.1〜10ワットの電力を使う。
【0007】
文献には他に少量液体混合の方法がいろいろ載っている。
【0008】
US 2002/0009015 A1には混合にキャビティを利用する方法が記されている。液体内での局所真空空間または気泡での核形成、膨張と崩壊、コラプス、つまり音響圧フィールドに基づく、液体内の局所ガス/蒸気空間での核形成、膨張と崩壊、コラプスである。液体の混合は局所真空空間または気泡の自己運動、つまりその膨張と崩壊によって達成される。局所真空空間または気泡形成の耐音性を下げるため、核形成ほう芽が必要である。この核形成ほう芽によって汚れの危険は大きくなり、その上局所真空空間または気泡の形成は、しばしば望ましくない。
【0009】
他に使われている方法(例えば ”Microfluidic motion generation with acoustic waves“, X. Zhu et al. Sensors and Actuators, A. Physical, Vol. 66/1-3, page 355 to 360 (1998) または ”Novel acoustic wave micromixer“, V.Vivek et al., IEEE International Microelectro mechanical systems conference 2002, pages 668 to 673, oder US 5,674,742)はいわゆる”flexural plate wave modes“で振動する振動板エレメントの使用である。運動を伝える媒体は直接液体と接触する。そのような薄い振動板の製作は極めて複雑で、伝動媒体と液体との接触による汚れの危険は大きい。
【0010】
US 6,357,907 B1には、外部の、時間的または空間的に変わり得る磁界で動くマグネット球の使用を記している。混合のため球は、液の中に入れなくてはならない。これは、汚染の問題があり望ましくない。
【0011】
US 6,244,738 B1は長い閉じたチャンネルでの混合を記している。2つの液体の流れが超音波器のそばを通ってミクロチャンネルで混合される。この方法にはミクロチャンネルシステムの手間のかかる構築が必要で、分離した個々のボリュームは混合不可能である。
【0012】
US 5,736,100は、ミクロキャビティ、例えばEppendorf capsを入れた小さな容器を載せた回転皿の使用を記している。この容器には例えば外側から超音波で照射されている水が入っている。この装置は従来の超音波浴のような働きをなす。水は振動され、運動を伝達するエレメントとして、このように揺さぶられる容器に直接働きかける。
【0013】
DE-A-101 17 772は、インターデジタルトランスデューサーで生じる表面音波を使っての液体混合を記している。液体は直接音を伝える媒体自体の上にある。少なくともこの装置を何回か使えば汚染の危険がある。ミクロ力価プレートを使っての使用はこの設定では不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題はミクロキャビティ、特にミクロ力価プレートでの液体の効果的な混合を可能にし、汚染の危険を少なくする方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は請求項1の特徴をもつ方法と請求項22の特徴をもつ装置により解決される。従属項は解決に向けた詳述がなされる。
【0016】
本発明では少なくとも1つの圧電音響変換器を使って10MHzより1周波数大きいか、それと同じ超音波を固体層を通って少なくとも1つのミクロキャビティとその中にある液体の方向に送り、そこで音響誘導の流れを作る。音響波及方向の固体層の寸法は超音波の波長の1/4よりも大きい。
【0017】
10MHzよりも大きいか同じ周波数域により、例えば現状の技術の揺れ機構で用いられているような装置全体の揺れは本発明の方法では生じないことが確保される。超音波の波長の1/4よりも大きい固体層は、振動板のような”flexural plate wave modes“またはLamb-modesの形成を効果的に防ぐことができる。本発明の方法では、超音波は固体層を通じて直接ミクロキャビティに入り、そこで音響誘導の流れを作る。さらに高い周波数の使用によって液体内の音響吸収が大きくなる。
【0018】
混合する液体は音響生成または伝達の媒体とは直接には接触しない。つまり数回使っても汚染はない。
【0019】
本発明の方法では、通常、キャビティあたり50ミリワットよりも小さい数値で効果的な混合が可能である。音響をよく調整すればキャビティあたり5ミリワットよりも小さい数値まで下げることができる。
【0020】
固体層として例えばプラスチック、金属やガラス製の別の基盤を用いることができる。厚みは使った超音波の長さにより例えば0.1mmから数センチの範囲にある。通常の超音波長さは10〜100μmである。固体層は例えばミクロキャビティの底面またはミクロ力価プレートの底面で直ちに形成される。この底面は希望の厚みに合わせるか、それに合わせて研磨するか、あるいは底面全体を包む。
【0021】
圧電音響変換器は共鳴エネルギーの高周波シグナルにより、単色に、または調和的に励起することができる(連続的または脈動的に)。圧電音響変換器は、共鳴的あるいは調和的波動の高周波シグナルを与えることにより、単一波長あるいは、複波長を発生することができる(連続的にも間断的にも)。周波数または振幅の交替により、発生する混合類型に一貫して影響を与えることができる。さらに圧電音響変換器の共鳴周波数の投入は電気エネルギーの音響エネルギーへの変換の効果変換効率を上げる。
【0022】
また、ニードルインパルスを用いるのも効果的である。これは他の多くのフーリエ係数と並んで、音響変換器を共鳴させるフーリエ係数をもっている。これは、特別な周波数がセット可能である必要はないため、必要なエレクトロニックへの条件を下げる。
【0023】
超音波の波長を液体内で、ミクロキャビティでの中位の充填度よりも低いかそれと同じように選べば、混合する液体内で超音波吸収は特別に効果的である。
【0024】
音響変換器は固体層の下で全面で作ってもいいが、音響変換器の側面幅が使ったミクロキャビティの側面幅よりも小さいとき効果的である。まず、音響変換器がより大きいときそのインピーダンスの容量性分担が大きくなり、それにより電気適合が変化する。次に音響変換器がミクロキャビティの側面幅よりも大きければ混合効果は大きくなる。他方、音響変換器の側面幅がミクロキャビティの側面幅よりも小さければ、超音波放射はミクロキャビティの側面幅よりも側面幅が小さい。液体は上に向いた超音波放射の側を再び下に流れ、それにより最上の液体混合が得られる。例えば超音波は中心で下方のミクロキャビティに投入(インプット)され、液体はミクロキャビティの中心を上に流れ、ミクロキャビティの端で再び下に還流できる。
【0025】
上に述べた効果は代替方法でも可能である。音響変換器とミクロキャビティの間に中間層を入れ、中間層は、空間的に限定された範囲でのみミクロキャビティの方向に超音波の伝播が可能なように消音材を配置する。効果のある消音媒体はシリコン、ゴム、シリコンゴム、軟らかなPVC 、蝋などである。
【0026】
ミクロキャビティと固体素材の間には、不均衡をならし、確実な音響コンタクトを確保するため、流体または固体の調整媒体を入れることができる。例えば水、油、グリセリン、シリコン、エポキシド樹脂、ゲルフィルムなどである。
【0027】
ミクロキャビティとして例えばEppendorf capsまたはピペット先端またはミクロリアクターを使うことができる。プロセスを並行させるため、いくつかのミクロキャビティを同時に使うことができる。特に効果的なのは、すでに規定のスクリーン寸法で多くのキャビティを用意できるミクロ力価プレートである。
【0028】
同じく例えば多孔接着フォイルを使って、いくつかのミクロキャビティをガラススライド上に固定することができる。特に従来のミクロ力価プレートの寸法で行う。このテキストではミクロ力価プレートの概念はそのような配列を含むものとする。例えばそのような仕様では、ガラススライドを超音波によって照射された固体層として直接使うことができる。このようにして特別にコンパクトな配列が可能である。ただ1つのミクロキャビティを作るには、類似の方法で単孔接着フォイルを用いる。
【0029】
本発明の方法はミクロ力価プレートに似た方式でも可能である。この方式では1つの基盤の上に部分域からなるフィールドを作り、その部分域は、特に混合される液から水分を受け、混合される液の係留所として使われる。これらのフィールドが、従来のミクロ力価プレートのスクリーンに配置されていれば、液体を入れることにより従来のミクロ力価プレートのように液体の側面分布が生じ、個々の液滴はその表面張力でくっついている。このテキストでは、ミクロ力価プレートの概念はそのような仕様をも含むものとする。
【0030】
ミクロ力価プレートは固体層上に置くことができる。例えば1つの音響変換器のみあるときには、異なるキャビティを超音波処理するため、ミクロ力価プレートを固体層上で動かすことができる。このようにして、どのミクロキャビティを混合させるかを個々の状況によって選択することができる。
【0031】
ミクロ力価プレートの個々のキャビティでの液体を混合させるため、特別仕様の方法を使えば、例えば圧電音響変換器のフィールドを、ミクロ力価プレートのキャビティと同じ配置をもつ固体層の下側に使う。これらの音響変換器を個々に操作すると、個々のキャビティの液体は独立して混合できる。そのような圧電音響変換器のフィールドは簡単に自動処理システムに統合(インテグリード)することができる。
【0032】
他の効果的な方法として、超音波性能が少なくとも2つの分離点で固体層から同じ数のミクロキャビティに投入可能なように、超音波を超音波発生装置を使って固体層に投入する。これは例えば2方向に放射する超音波生成装置で可能である。本発明の1つの仕様では表面波生成装置、特にインターデジタルトランスデューサーを使って、超音波を圧電結晶上で作る。
【0033】
インターデジタルトランスデューサーを支える圧電結晶は固体層上に接着するか、プレスするか、ボンドで貼り付けるか、あるいは連結(インプット)媒体(例えば静電あるいはゲルフィルム)を通じて固体層上に接着するか、プレスするか、ボンドで貼り付ける。
【0034】
そのようなインターデジタルトランスデューサーは櫛のような形をした金属電極で、その2倍の極間が表面音波の波長を決め、それは光学写真平板方法により極間10μmの範囲で作ることができる。そのようなインターデジタルトランスデューサーは、例えば圧電結晶につけ、表面音波を従来の方法で励起する。
【0035】
そのようなインターデジタルトランスデューサーを使っていろんな方法で固体層に、これを斜にちりばめるボリューム音波を作ることができる。インターデジタルトランスデューサーは圧電結晶とそれがついている固体層の界面に2方向に放射する界面波(LSAW)を作る。界面洩れ波はエネルギーをボリューム音波(BAW)として固体層に放射する。それによりLSAWの振幅は指数で減少する。通常の減衰長は約100 μmである。固体層の法線に対し、固体層へのボリューム音波の放射角aは、固体層のボリューム音波の音速VS とインターデジタルトランスデューサーで作られた界面音波の音波VSAWの比率のアークサインから計算される(α=arcsin(VS/VLSAW)。したがって、固体層への放射は、固体層での音速が界面洩れ波の音速よりも小さいときのみ可能である。固体層での縦方向音速は界面洩れ波の速度よりも大きいため、通常、固体層で横方向波が励起される。界面洩れ波速度は通常3900m/sである。
【0036】
櫛状に互いに組み込むインターデジタルトランスデューサーの下側の圧電結晶内の圧電で生じた変形は、ボリューム音波(BAW)をまた直接に固体層に放射する。この場合固体層の法線に対し放射角aは固体層内の音速VSと、それからインターデジタルトランスデューサーlIDTと投入した高周波fとの積との比率のアークサインとして計算される(a=arcsin (Vs/(lIDT × f))。この音投入機構にとっては、固体層の法線に対する入射角、浮揚角は、つまり周波数で決定される。この2つの効果は一緒に生じることがある。
【0037】
この2つの機構(LSAW, BAW)は固体層を斜方向に音線を通すのを可能にする。インターデジタルトランスデューサーの全電気コンタクトは、固体層のミクロキャビティまたは液の反対側で行われることがある。
【0038】
簡単に実行できる仕様ではインターデジタルトランスデューサーは圧電エレメント上、固体層のミクロキャビティの反対側にある。上に述べた高周波の固体層への斜方向投入により、圧電エレメントをもつインターデジタルトランスデューサーが固体層の前面に配置された構成も可能である。
【0039】
特に効果的なのは、音波透過性固体層の素材を、消音に関して、周波数と界面の反射特性で、斜方向投入された超音波の部分反射が行われるように選ぶときである。例えばミクロ力価プレートと固体層の間の調整媒体を適当に選んで、調整媒体と音波透過性固体層の間に1つの界面が生じ、そこでは、使った周波数の1つの超音波について例えば80%から90%の反射係数がでるため、固体層で生じる10%から20%の超音波が分離され、残りは反射される。固体層と固体層の他の界面での空気の間では、通常100%近い反射が行われる。ミクロ力価プレートの底面自体が音を通す固体層として使われる他の仕様では、固体層として使われるミクロ力価プレートの底面からミクロキャビティの液体へは超音波機能の10%から20%が分離され、残りはミクロ力価プレートの底で反射される。
【0040】
界面での反射により、超音波は波動導体のように固体層を通して導かれる。超音波が固体層と調整媒体の界面、あるいは固体層とミクロキャビティの1つの液体の界面に突き当たる場所では、超音波機能の一部が分離される。幾何学的特性、例えば固体層またはミクロ力価プレートの底面の厚みを適当に選ぶことにより、このよう定義される超音波波動の分離点を精確に限定することができる。そのような方法では例えば、1つのミクロ力価プレートのいくつかのミクロキャビティを同時に超音波処理することができ、しかも多数の音響変換器は必要でない。このようして多くの音響変換器の配線で生じる問題を避けることができる。
【0041】
例えば蒸発が少ないため、石英ガラスを固体層として10MHzから250MHzの周波数で用いるのは効果的であることがわかった。そのような場合の固体層と空気の界面ではほとんど100%反射されるのに対し、固体層と液体(つまり均整媒体またはミクロキャビティ中の液体)の界面では、音響エネルギーのあるパーセントが各々の液体に分離される。
【0042】
例えばWO 01/20781 A1に他の例で記されているような、極間がコンスタントでないインターデジタルトランスデューサー(テーパーインターデジタルトランスデューサー)の使用は、投入した周波数を使ってのインターデジタルトランスデューサーの放射場所の選択を可能にする。このようにして超音波はどこで固体層から流れ出るかを厳密に決めることができる。さらに直線でない形のテーパーインターデジタルトランスデューサー、例えば弓のように互いにかみ合ったフィンガー電極をもつインターデジタルトランスデューサーを使うときには、方位角θは操作周波数のよって制御できる。他方周波数をもつ浮揚角αはインターデジタルトランスデューサーの直接BAW 生成によって変えることができる。
【0043】
周波数を選択し、場合によっては状況に応じて作られたインターデジタルトランスデューサーを使用して、放射方向を上に述べたように定めて、混合用ミクロ力価プレートの、極めて細かい、例えば個々のミクロキャビティを選択することができる。操作周波数の時間的ヴァリエーションによって混合場所の時間経過を設定できる。
【0044】
圧電エレメント上には例えば、超音波を生成する1つないし数個のインターデジタルトランスデューサーがあり、それらは分離して接続されているか、あるいは直列または並列に接続されている。例えばフィンガー電極間隔が違うときには、それらは周波数の選択により分離して制御され、そのようにして特定の領域選択の可能性を与える。
【0045】
固体層の望ましくない場所(つまり例えば前面で)での反応が乱れることを防ぐため、固体層の無方向に拡散する面を適当に選択することにより、超音波はばらばらに拡散できる。それには表面を毛羽立てる。そのように毛羽立った表面はより大きな表面を超音波処理するため、超音波を拡大する目的で用いることができる。
【0046】
固体層の適当に角をつけて配置された脇の前面は、反射の目的で用いることができ、音響放射を定めて導くことができる。
【0047】
特に製作費と構造を考え、同時に固体層中の放射方向を特定するとき、本発明の他の仕様では、圧電ボリューム振動板、例えば圧電厚板振動板が効果的であることがわかる。
【0048】
本発明の方法を実施するための本発明の装置は1つの基盤をもち、そのメインの表面には少なくとも1つの音響変換器が配列され、それは10MHzよりも大きいか同じ周波数を生成するため電気的に励起され、基盤の厚みは音響拡散方向に超音波長さの1/4よりも大きい。基盤は別に作ることができる。例えばミクロ力価プレートまたはミクロキャビティの底面で作ることができる。
【0049】
基盤は例えばガラススライドで作ることもできる。その上には一定の間隔で穴のついた接着フォイルが固定され、ミクロキャビティの配置を得ることができる。そのような穴付き接着フォイルのついたガラススライドはミクロ力価プレートのように使える。
【0050】
ミクロ力価プレートのミクロキャビティを並行して超音波処理するため、多くの音響変換器をミクロ力価プレートのスクリーンに使えば効果的である。
【0051】
個々の音響変換器を個々に制御するためには、個々の音響変換器に電気高周波電力を通す開閉装置が効果的である。
【0052】
本発明の方法のさまざまな仕様を実施するための、本発明装置の他の仕様の利点は、個々の方法につきこれまで記した利点と特性からわかる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図によって本発明の方法ないし装置の特別仕様を説明する。図は概観を与えるにすぎず、かならずしも縮尺通りではない。
【0054】
図1は本発明の配置を横断面で示す。1は圧電厚板振動板を示し、その機能は図6で説明する。9はキャビティ3の領域のミクロ力価プレートの図式的断面図である。3つのキャビティを示しているが、ミクロ力価プレートは4角形の配列で通常96個、384個、1536個のキャビティをもつ。1つのキャビティ3の直径Dは、圧電厚板振動板1の直径dよりも大きい。例えば、直径Dは96個ミクロ力価プレートでは6mmであり、厚板振動板の直径は3mmである。ミクロ力価プレート9のミクロキャビティ3には液体5がある。液体は表面張力のため上方に曲がった表面で示されている。Fは1つのミクロキャビティの中位の充填度を示す。厚板振動板とミクロキャビティの間には固体材料15があり、それは厚板振動板またはコンタクトの保護のため、例えばプラスチック、金属、ガラスでできている。19は基盤15の下側の平面の電極を示す。この電極は圧電厚板振動板1の電気接続をなす。
【0055】
厚板振動板のもう一方の電極は21と記されている。電極19、21は電気接続23、25を通じて高周波ジェネレーター17と結ばれている。基盤15のメイン面にオプションで入っている連結(インプット)媒体11、13、例えば水、オイル、グリセリン、シリコン、エポキシド樹脂、ゲルフィルムがある。これは個々の層のばらつきをならし、最大の音響連結を確保するためである。
【0056】
厚板振動板1が超音波を中心のキャビティの方向に放射し、それにより液体7に運動が生じる状態を示している。
【0057】
図2は他の仕様を示す。同じエレメントは同じ記号で記す。ミクロ力価プレート9の個々のミクロキャビティに個々の厚板振動板をつける。開閉装置26を使って高周波ジェネレーター17の高周波シグナルを個々の厚板振動板1に送ることができる。31は、クロストークを防ぐオプションの消音媒体を図式的に示す。この消音媒体は構造的なものでもいいが、プラスチックを選んでもいい。
【0058】
図3は音波導体35でさまざまなキャビティの底面と結ばれている、1つまたは数個の音響変換器33を使っている仕様を示す。この音波導体は通常、最上の投入(インプット)を得るため厚板振動板に似た音響特性をもつ材料、例えば金属棒からできている。
【0059】
図4はスクリーンの配置を示す。図4aは96のキャビティをもつミクロ力価プレートの平面図である。図4bは基盤29上の個々の圧電厚板振動板27の配置を示す平面図である。ミクロ力価プレートのスクリーン寸法Rは圧電厚板振動板27の距離についても守られている。代替として圧電振動板は基盤29の上を全面を覆い、電極配列をミクロ力価プレートの類型に合わせることができる。
【0060】
図5は1つのミクロキャビティの横断面詳細である。2は厚板振動板から放射される超音波を示す。6は超音波放射のないときのメニスクス、4は放射のあるときのメニスクスである。連結媒体11、12を含む基盤15の厚みは、通常数百μmの範囲にある基盤での超音波の波長の1/4よりも大きい。基盤の材料としてはアルミのような金属、ガラス、プラスチックを使う。「厚み」で音響拡散方向の基盤15の厚みを意味する。アルミの基盤では20MHz音波の波長は、例えば315μm、ガラスでは275μm、プラスチックでは125μmである。
【0061】
図6は圧電厚板振動板1の原理を説明する。高周波ジェネレーター17を使って高周波を厚板振動板の電極19、21に送れば、高周波は厚板振動板の平面に垂直に生成される。振動方向は37で記す。厚板振動板の厚みが200 μmのときは、基本振動が励起されれば、波長は400 μmとなる。材料は圧電単結晶、例えば石英、リチウムニオブ塩酸、リチウムタンタル塩酸などである。他の振動板は圧電層、例えばカドミウム硫化物、亜鉛硫化物、あるいは圧電セラミック、例えば鉛-ジルコン塩酸-チタン塩酸、バリウムチタン塩酸などを使い、または固体での音速を最上にするため添加物を添える。同じく圧電ポリマー(例えばポリビニリデン2弗化物)または構成素材も可能である。固体層15またはミクロ力価プレート9の材料が音響変換器に音響的に適合していれば、特に効果的である。つまり似た音速と密度をもつときである。
【0062】
図7は一体のミクロ力価プレートのように使われる装置を示している。ガラススライド(例えば物体キャリアー)109上に穴のあいた接着フォイル110をつける。図7bは図7aで示した切断図の切断方向A-A・を示す平面図である。穴のスクリーン寸法Rは、例えば従来のミクロ力価プレートのスクリーン寸法と同じである。当間隔で並んだ穴3はミクロ力価プレートにもあるようなミクロキャビティを決める。図7の装置はミクロ力価プレートのように使うことができ、このテキストでは「ミクロ力価プレート」の概念はその配列をも含むものとする。
【0063】
本発明の方法は上に記した本発明の装置で以下のように行う。
【0064】
基盤15にミクロ力価プレート9を置く。起伏をならすため調整媒体11、例えば水を中間に入れる。ミクロ力価プレート9はキャビティ3が圧電厚板振動板1の上側に配置されるように置く(図1)。液体5はミクロキャビティ3に入れる。そのとき充填度Fは、厚板振動板で生成された超音波の波長よりも大きくなるようにする。高周波ジェネレーター17を使って、高周波を厚板振動板1の電極19、20へ送ることにより、まん中に示したキャビティ3の方向に広がって、その中の液体7の混合をもたらす厚板振動板1に垂直に超音波を作る。
【0065】
その側面の広さが厚板振動板1の大きさである超音波音線は下からミクロキャビティ3に当たり、インパルスを生み、液体内に上方への流れを生む。これはメニスクス4(図5を参照)の変形をもたらすことがある。上を向いた超音波音線の側を液体は再び下に流れ、それによって液体の混合が出来上がる。
【0066】
1つのミクロキャビティでの液体の混合後、場合によってはミクロ力価プレートをずらし、他のミクロキャビティが超音波を受けるようにする。
【0067】
図2の仕様ではミクロ力価プレート9は同じく基盤15に置く。その中の液体を混合するミクロキャビティは開閉装置26を使って選ぶことができる。図4bは圧電厚板振動板27のそれに使われた配置の平面図である。
【0068】
図3の仕様では超音波は超音波発生器33で生成され、波動導体25を通ってミクロキャビティの下に導かれ、ミクロキャビティは同時に超音波で超音波処理される。
【0069】
高周波励起はすべての仕様で強いニードルインパルスの形でも行うこともできる。このインパルスは多くのフーリエ係数を含み、厚板振動板1の反響周波数もこの中に入る。その代替として高周波シグナルに直ちに厚板振動板またはハーモニーの反響周波数を与える。通常の周波数は10MHzよりも大きいか、同じである。圧電厚板振動板の稼動によって生じる熱の形での損失は、それが望ましくないならば、厚板振動板を冷却体の上に設置することによって簡単に放出できる。
【0070】
図8aは図式的に示したインターデジタルトランスデューサー101が音波の生成の使われる仕様を示す。115は例えば石英ガラスの基盤を示す。102は、例えばリチウムニオブ塩酸の圧電結晶エレメントである。圧電結晶エレメント102上、したがって圧電結晶エレメント102と基盤115の間にインターデジタルトランスデューサー101があり、例えばこれは前もって圧電結晶エレメント102の上に置かれたものである。インターデジタルトランスデューサーは通常は櫛のように互いに食い込んだ金属電極で、その2倍の極間が表面音波の波長を決め、電極は高周波交番磁界(数MHzから数百MHzの範囲)をインターデジタルトランスデューサーに送ることにより圧電結晶内で励起される。このテキストでは「表面音波」の概念を、圧電結晶エレメント102と基盤115の間の界面での界面波の意味でも使う。使った周波数では基盤115として、消音効果の少ない材料を用いる。例えば10MHzから250MHzの範囲の周波数には石英ガラスが適している。インターデジタルトランスデューサーはDE-A-101 17 772に記され、表面波フィルターテクノロジーでも使われている。インターデジタルトランスデューサー101の電極接続には8aには記されていないが、図17に詳細に説明されている金属リード線が使われる。
【0071】
2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101を使って超音波104は記した方向に生成することができ、これは上に記したように基盤115の法線に対し角αで、ボリューム音波としてガラス体115を通る。111は、上に他の仕様について記したように、ガラス体115とミクロ力価プレート109の間でオプションで存在する連結(インプット)媒体である。108はガラス体115と連結媒体111の間の界面領域を示す。これには基本的にはボリューム音波104の範囲である。106は基盤115と空気の界面の反射点である。109はミクロ力価プレートで、そのキャビティに液体103がたまっている。
【0072】
インターデジタルトランスデューサー101には通常の方法で高周波が、8aでは記されていないリード線で送られるが、それを使って斜方向に基盤に入るボリューム音波104が生成される。このボリューム音波は108の点でガラス体115と連結媒体111の間の界面に当たる。基盤素材を適当に選べば、超音波104の一部が108の点で反射され、他の部分は分離される。材料は、ガラス体115と連結媒体111の間の界面で部分反射が生じ、基盤115と空気の界面、つまり106の点でほとんど完全な反射が行われるように選ぶ。例えばSiO2を使えば連結媒体とガラスの界面で約80%から90%の反射率、つまり約10%から20%の連結媒体への投入が生じる。80%の反射率を仮定すれば、数回ガラス基盤で反射する音線104の強さは10回の反射で約10dB減少する。ここで3mmの基盤厚で音線はすでに250mmの側面区間を通ったことになる。構成を適当にすれば、例えば基盤の厚みを適当にとれば、このようにして超音波の一部が基盤115から連結媒体に投入される108の点の場所を正確に決め、使ったミクロ力価プレートのスクリーンに合わすことができる。
【0073】
図示されていない代替仕様ではミクロ力価プレート109の底面自体基盤となり、その下側に圧電結晶102が固定されるか、押し当てられる。そのとき超音波104は直接ミクロ力価プレートの底面に投入され、個々のミクロキャビティの底面によって形成される界面で、連結媒体への投入の仕様で記したように、液体に放出される。
【0074】
図8bは、8aの仕様でさまざまな周波数を選択することにより、さまざまな投入角をセットできることの説明になる。ボリュームモード(BAW)を直接励起するとき、励起周波数のヴァリエーションによって放射角αを基盤115にセットできる。インターデジタルトランスデューサー101は簡単な標準インターデジタルトランスデューサーでよく、ここで浮遊角αは関係sinα= Vs/(IIDT × f)によってセットされる。ここでVsは超音波の音速、f は周波数、IIDT はインターデジタルトランスデューサー電極の間隔である。つまり周波数のヴァリエーションによって放射角はαからα‘に変えることができる。このようにして例えば、分離点108はミクロ力価プレート109のスクリーンによく合わせることができる。
【0075】
図9は図8のヴァリエーションを示す。2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101から図9の音線104Lは左に行き、音線104R は右斜め方向基盤115に行く。基盤115の端112で音線104Lは反射され、基盤115と連結媒体111の界面の方向に偏向される。構成を適当にすれば、例えば基盤115の厚みを適当にとれば、そのように同じく衝突点108をミクロ力価プレートのスクリーンに合わすことができる。
【0076】
ここに図示されていない仕様では、インターデジタルトランスデューサー101は圧電エレメント102の基盤115のメイン面ではなく、前面、例えば9図のように端112にある。このようにして同じく2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101で2つのボリューム音波104が生成される。この音波は斜方向に基盤115を通り、図9に示した方法と同じように使える。
【0077】
図8の仕様でも図9の仕様でも、いくつかのインターデジタルトランスデューサーを1つあるいはいくつかの圧電エレメントに並べて配列し、一連のミクロキャビティ103を超音波処理するだけでなく、従来のミクロ力価プレートにあるように、並んでいる列からなる1つのフィールドを超音波処理できる。
【0078】
図10aは基盤115中の音線の特別な偏向を可能にする、ほぼ基盤115の表面の所での、配列断面の平面を示す。インターデジタルトランスデューサー101から図8で述べたような方法で音線104が出て、108の点で基盤115の上界面に衝突する。つまり音線はジグザグ線の形で図8aの断面図のように基盤115を導かれるが、これは図ではわからない。そのように導かれた音線104は基盤115の界面110で偏向される。面110の構造を適当にとることによって音線の希望の運動類型を生成することができる。
【0079】
図10bでは、平面の基盤115が、ただ1つ2方向に放射するインターデジタルトランスデューサー101を使って、ほとんど完全に覆われるような配列が示されている。これは基盤115の数次反射を使って行われる。図10bでは基盤115のメイン面での反射点は見やすくするために示さず、図8aで説明したように、基盤115のメイン面での反射によって引き起こされる超音波拡散方向だけ示す。
【0080】
図11は本発明の方法実施の他の配列の横断面図を示す。音線断面はここでは、いくつかのインターデジタルトランスデューサーが平行音線束104を生成するため使われて、効果的に広げられている。例えば1つのミクロ力価プレート109のいくつかのミクロキャビティ105を同時に超音波処理するため、このようにしてほとんど均質な方法で基盤115の上の界面を超音波処理できる。
【0081】
上に述べた、基盤115のための適当な基盤材料の選択による反射効果は、図12が示すように、同じくボリューム振動板130によっても生成される。圧電ボリューム振動板130として例えば、音波の斜方向投入が行われるように配置された圧電厚板振動板を用いることができる。それにはいわゆるwedge transducerを用いることができる。wedge transducerがつけられた面の面法線に対する照射角は、それがつけられた角βとwedge transducerの音速VWと基盤115の音速VSの比から決まる。Α=arcsin[(VS/VW)・sinβ]とする。
【0082】
図13は、衝突する音波104の拡散反射を行うため、基盤115の端108が、毛羽立てられている仕様を示す。これは端で反射する、望ましくない音線を無力にするため有効である。音線104は図8で説明したように、このような仕様では基盤115によって導波管のように基盤115の上と下のメイン面での反射によって導かれる。毛羽立った表面118では個々の音線120への拡散反射が行われる。このようにして指向性の音線104は無力にされるか、拡散されて基盤115にあるいくつかのミクロキャビティの均等な超音波処理が可能となる。図13は基盤115の上の界面にほぼ沿った断面への平面図である。
【0083】
図14は基盤115の裏面114が毛羽立てられている仕様を示す。この裏面にはインターデジタルトランスデューサー101がついている。すでに述べた超音波が基盤115に投入されるときには、表面が毛羽だっているため音線104は曲げによって上方に開いている。この効果は面114にさらに反射があるとさらに強まる。投入点108の基盤から、ミクロ力価プレートがある、図示されていない連結媒体までの距離が大きくなるにつれて、投入点は広がる。図14はミクロ力価プレートが図示されていない部分断面を示す。
【0084】
同じような効果は図15の仕様によって得られる。ここでは音線104の拡大は、インターデジタルトランスデューサー101の基盤115への投入後、湾曲した反射端116での反射によって得られる。ここで拡大を説明したように、集束はそれに応じた仕様の反射端によって達成される。図15も基盤が図示される部分断面だけ示す。基盤115にはすでに述べたが、ここには図示されていない、例えば連結媒体111とミクロ力価プレート109とがついている。
【0085】
図16は他の仕様の図式表示である。ここでも基盤115と連結媒体111の界面への一瞥が示されている。他の図と同じくここでも見やすくするために、インターデジタルトランスデューサー201の少数の互いに食い込む極のみ示されている。実際のインターデジタルトランスデューサーはもっと多くのフィンガー電極をもっている。インターデジタルトランスデューサー201の個々のフィンガー電極の距離はコンスタントでない。したがってインターデジタルトランスデューサー201は高周波を投入すれば、例えばWO 01/20781 A1で他の仕様について述べられているように、電極間距離が周波数と相関する場所でのみ放射する。
【0086】
その上図16の仕様ではフィンガー電極が真っ直ぐでなく、弓状をなしている。インターデジタルトランスデューサーは基本的にはフィンガーの方向に垂直に放射するため、このように投入した高周波の選択により、放射した表面音波の方向が定まる。図16には例として2つの周波数f1、f2の放射方向が示されている。周波数f1では放射方向は角θ1、f2では角θ2となっている。図16はインターデジタルトランスデューサー201がついている圧電基盤102と圧電基盤102とコンタクトしている基盤115の界面への平面図を図式的に示している。
【0087】
図17aから17cは図8、9、10、11、13、14、15、または16の仕様でのインターデジタルトランスデューサー電極の電気接続のさまざまな可能性を示す。17aに示されているような仕様では金属の帯導体が基盤115の裏側についている。インターデジタルトランスデューサー101のついた圧電結晶102は、基盤115上の金属電極が圧電基盤115上のインターデジタルトランスデューサー101の電極とオーバーラップするように基盤115についている。圧電音響変換器を基盤と接着させれば、オーバーラップ部分では導電性の接着材で接着され、残りの面は従来の非導電性の接着材で接着される。場合によっては機械的なコンタクトで十分である。図示されていない高周波ジェネレーターエレクトロニック方向の基盤115の金属帯導体電気コンタクト122は溶接接続、接着接続、またはスプリングコンタクトピンで行われる。
【0088】
図17bの電気接続の仕様では、リード線124のついたインターデジタルトランスデューサー電極の載っている圧電結晶102は、最初の部分が後の部分に較べて突出するよう基盤115に載せられる。このケースでは接続は圧電結晶102につけたリード線124に直接始まる。コンタクトは溶接するか、接着するか、ボンドで貼り付けるか、またはスプリングコンタクトピンで行われる。
【0089】
17cで図示されているような電気接続の仕様では、基盤115は接続部ごとに穴123のついていて、圧電結晶102は基盤115に直接つけられ、圧電音響変換器にあるリード線は穴123を通って接続できる。このケースでは電気接続はスプリングコンタクトピンによって圧電結晶102上のリード線に直接行うことができる。他の方法として、穴を導電接着剤113で満たすか、それで金属ピンを貼り付ける。高周波ジェネレーターエレクトロニックの方向への他の接続は溶接するか、さらに接着するか、またはスプリングコンタクトピンで行われる。
【0090】
圧電音響変換器への電力の供給の他の可能性は誘導連結である。インターデジタルトランスデューサー電極へのリード線は、高周波シグナルのコンタクトなし操作のアンテナとして使えるようにする。もっとも簡単なケースでは、1次回線が高周波ジェネレーターエレクトロニックと結びついた高周波トランスの2次回線として使われる圧電基盤上のリング形電極である。これは外側に置き、圧電音響変換器に直接隣り合わせでつける。
【0091】
上に述べた仕様の方法ないし特定の性質を有する個々の実施形式は適切に組み合わせ、それによって望みの機能と効果を達成することができる。
【0092】
本発明の方法では、もっとも少量の液でも効果的な混合が可能である。液体は運動伝達の媒体自体と接触することは必要でない。例えば混合エレメントを液体に入れる必要はない。この方法ないし装置は、生物学、診断学、薬学、化学で使われている、今日のラボオートメーションで簡単にコスト安に実施できる。高い周波数はキャビティの形成を効果的に防ぐ。最後に平たい構造で、装置は簡単のラボレールに乗せられる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明方法実施中の本発明装置の横断面図である。
【図2】本発明方法実施のための本発明装置の他の仕様の横断面図である。
【図3】本発明方法実施のための本発明装置のさらに他の仕様の横断面図である。
【図4a】本発明方法実施のための本発明装置に使うミクロ力価プレートの平面図である。
【図4b】本発明方法実施のための本発明装置の1仕様の圧電ボリューム振動板の1つのフィールドの配列である。
【図5】1つのミクロキャビティの例による本発明装置ないし方法の作動方式である。
【図6】圧電厚板振動板を本発明の方法で如何に使うかを示す作動方式の説明図である。
【図7a】ミクロキャビティの等間隔配列の決めるための装置の横断面図である。
【図7b】図7a の装置の平面図である。
【図8a】本発明方法実施の1つの配列の横断面図である。
【図8b】特別な作動方式を説明するため本発明の方法実施の配列の横断面図である。
【図9】本発明方法実施の代替配列の横断面図である。
【図10a】本発明方法実施の1の配列の横断面図への平面図である。
【図10b】本発明方法実施の他の配列の横断面図への平面図である。
【図11】本発明方法実施のための1つの装置の側面断面図である。
【図12】本発明方法実施のための他の装置の側面断面図である。
【図13】本発明方法実施のためのもう1つの装置の側面断面への平面図である。
【図14】本発明方法実施のための1つの配置の側面部分断面図である。
【図15】本発明方法実施のための他の配置の側面部分断面図である。
【図16】本発明方法実施のためのもう1つの配置の横断面への平面図である。
【図17a】本発明方法実施のための装置の電気接続のスキーマ部分図である。
【図17b】本発明方法実施のための装置の電気接続のスキーマ部分図である。
【図17c】本発明方法実施のための装置の電気接続のスキーマ部分図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響誘導の流れを利用して、少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)で液体(5、7、105)の混合を行う方法で、そこでは少なくとも1つの圧電音響変換器(1、101、130、201)を使って、10MHzよりも1周波数大きいか、それと同じ超音波(2、104、204)を1つの超音波の波長の1/4よりも大きい寸法の固体層(15、115)を通して、そこで音響誘導の流れを作るため、少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)に送る方法。
【請求項2】
液体中の超音波の波長が、少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)の中位充填度(F)よりも低くなるように選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの音響変換器(1、101)の側面広さ(D)がミクロキャビティ(1、101)の側面広さ(D)よりも小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの音響変換器(1)とミクロキャビティ(3)の間に、1つの中間層が入り、その中間層は超音波遮断素材を、限定した領域、特にミクロキャビティ(3)の側面広さ(D)よりも小さい領域でのみ、超音波がミクロキャビティ(3)の方向に拡大されるような配置で含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ミクロキャビティ(3、103)と固体層(15、115)の間に均整媒体(11、111)が置かれる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
いくつかのミクロキャビティ(3、103)が使われる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1つのミクロ力価プレート(9、109)のミクロキャビティ(3、103)が使われる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
特に個々に操作されるいくつかの音響変換器(1)が使われる、請求項6または7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
側面広さ(d)がミクロ力価プレート(9)の1つのキャビティの直径(D)よりも小さい音響変換器(1)が使われ、選ばれたキャビティをもつ選ばれたキャビティ内の液体の個別混合のためのミクロ力価プレートが音響変換器(1)よりも上側の、固体層(15)上に置かれる、請求項7記載の方法。
【請求項10】
1つのミクロ力価プレート(9)のスクリーン寸法(R)で、固体材料(15)に配置されたいくつかの音響変換器(1)をもつ1つのミクロ力価プレート(9)が使われる、請求項7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
圧電音響変換器(101、130、201)を使って、超音波(104、204)が、超音波機能が少なくとも2つの分離点(108)で固体層からそれに応じた数のミクロキャビティ(103)に投入(インプット)されるように、固体層(115)を通じて送られる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの超音波(104、204)が固体層(115)を通じて斜方向に送られる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
音響変換器として、2方向に放射する超音波生成装置、特にインタートランスデューサー(101、201)が圧電結晶(102)で使われる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
超音波(104)が、少なくとも1回固体層の内部で反射されるように、固体層(115)に投入され、固体層には反射(106)が少なくとも1つのミクロキャビティ(103)の反対の表面でできるだけ完全で、ミクロキャビティないし液体に向いた表面(108)では損失があり、しかし0ではなく、固体層(115)内部の消音ができるだけ少ない、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2つの分離点が少なくとも1つの圧電音響変換器(201)の放射方向の時間的ヴァリエーションによって生成される、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの超音波がインターデジタルトランスデューサー(201)を使って圧電エレメントで生成され、その互いに食い込むフィンガー電極は互いに空間的にコンスタントでない距離をもち、インターデジタルトランスデューサー(201)に通じている周波数の変更により放射場所がセットされる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
互いに食い込むフィンガー電極が真っ直ぐでなく、弓形をなすインターデジタルトランスデューサー(201)が使われ、通じている高周波界の周波数の選択によって放射方向(204)が選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの超音波(104、204)がインターデジタルトランスデューサー(101、201)を使って圧電エレメント(102)上の固体層(115)の少なくとも1つのミクロキャビティ(103)の反対側に生成される、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの圧電ボリューム振動板(1、130)が少なくとも1つの圧電音響変換器として使われる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの超音波(140)を固体層内で拡大するため、少なくとも1つの無方向に拡散する表面(114、118)をもつ固体層(115)が使われる、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
固体層(115)内の少なくとも1つの超音波(104)の拡散方向が反射面(110)によって導かれる、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)、特にミクロ力価プレート(9、109)のミクロキャビティ中の液体混合のための、請求項1に記載の方法実施のための装置であって、
基盤(15、115)と、
基盤のメイン面に配置され、10MHzよりも大きいか、同じの周波数の超音波(4、104、204)生成のため電気的に励起される、少なくとも1つの圧電音響変換器(1、101、130、201)とを備え、
基盤(15、115)広さは音響拡散方向に超音波長さの1/4よりも大きい装置。
【請求項23】
ミクロ力価プレート(9)のスクリーン寸法(R)で、多くの圧電音響変換器(1)をもつ、請求項22記載の装置。
【請求項24】
個々の音響変換器(1)操作のための開閉装置(26)をもつ、請求項23記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの音響変換器(1、101、130、201)を、その生成する超音波が少なくとも1つのキャビティの深さよりも小さい波長を有するように選んだ、請求項22乃至24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つの音響変換器(1)の側面広さ(d)が、ミクロ力価プレート(9)のキャビティ(3)の側面広さよりも小さい、請求項22乃至25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
超音波放射をミクロキャビティ(3)の方向に空間的に限定する配列での、特にミクロ力価プレート(9)のミクロキャビティの配列での、消音媒体をもつ基盤(15)のメイン面上に中間層をもつ、請求項22乃至25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
圧電音響変換器(101、130、201)が、少なくとも1つの超音波が基盤(115)の斜方向に投入されるような形をなす、請求項22乃至27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも1つの圧電音響変換器(101、201)が2方向に放射する、請求項28記載の装置。
【請求項30】
基盤(115)の材料を、ミクロキャビティ(103)の反対面での反射(106)ができるだけ完全で、ミクロキャビティないし液体に向いた側の反射(108)は損失があり、しかし0ではなく、固体層(115)内部の消音ができるだけ少ない、請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも1つの圧電音響変換器が圧電エレメント(102)上にインターデジタルトランスデューサー(101、201)をもつ、請求項22乃至30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサー(101)の電気接続が圧電エレメント上の第1リード線及び基盤(115)上の第2リード線(116)によって形成され、それらリード線は互いにオーバーラップするよう配置されている、請求項31記載の装置。
【請求項33】
圧電エレメント(102)が基盤(115)よりも高い寸法(124)をもち、その上には少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサー(101)への電気リード線(122)用の接続点がある、請求項31記載の装置。
【請求項34】
少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサー(101)が穴(123)を通って基盤の中に接続されていて、その穴は特に導電性の接着材で満たされている、請求項31記載の装置。
【請求項35】
インターデジタルトランスデューサーが高周波シグナルのコンタクトなしの投入に使われるアンテナをもつ、請求項31記載の装置。
【請求項36】
インターデジタルトランスデューサー(201)のフィンガー電極が場所的に、互いにコンスタントな間隔をもたない、請求項31乃至35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
インターデジタルトランスデューサー(201)のフィンガー電極が、真っ直ぐでなく、特に弓形である、請求項36記載の装置。
【請求項38】
少なくとも1つの圧電音響変換器が圧電ボリューム振動板(1)をもつ、請求項22乃至30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
基盤が少なくとも1つの拡散表面(114、118)をもつ、請求項22乃至38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項1】
音響誘導の流れを利用して、少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)で液体(5、7、105)の混合を行う方法で、そこでは少なくとも1つの圧電音響変換器(1、101、130、201)を使って、10MHzよりも1周波数大きいか、それと同じ超音波(2、104、204)を1つの超音波の波長の1/4よりも大きい寸法の固体層(15、115)を通して、そこで音響誘導の流れを作るため、少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)に送る方法。
【請求項2】
液体中の超音波の波長が、少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)の中位充填度(F)よりも低くなるように選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの音響変換器(1、101)の側面広さ(D)がミクロキャビティ(1、101)の側面広さ(D)よりも小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの音響変換器(1)とミクロキャビティ(3)の間に、1つの中間層が入り、その中間層は超音波遮断素材を、限定した領域、特にミクロキャビティ(3)の側面広さ(D)よりも小さい領域でのみ、超音波がミクロキャビティ(3)の方向に拡大されるような配置で含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ミクロキャビティ(3、103)と固体層(15、115)の間に均整媒体(11、111)が置かれる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
いくつかのミクロキャビティ(3、103)が使われる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1つのミクロ力価プレート(9、109)のミクロキャビティ(3、103)が使われる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
特に個々に操作されるいくつかの音響変換器(1)が使われる、請求項6または7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
側面広さ(d)がミクロ力価プレート(9)の1つのキャビティの直径(D)よりも小さい音響変換器(1)が使われ、選ばれたキャビティをもつ選ばれたキャビティ内の液体の個別混合のためのミクロ力価プレートが音響変換器(1)よりも上側の、固体層(15)上に置かれる、請求項7記載の方法。
【請求項10】
1つのミクロ力価プレート(9)のスクリーン寸法(R)で、固体材料(15)に配置されたいくつかの音響変換器(1)をもつ1つのミクロ力価プレート(9)が使われる、請求項7または8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
圧電音響変換器(101、130、201)を使って、超音波(104、204)が、超音波機能が少なくとも2つの分離点(108)で固体層からそれに応じた数のミクロキャビティ(103)に投入(インプット)されるように、固体層(115)を通じて送られる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの超音波(104、204)が固体層(115)を通じて斜方向に送られる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
音響変換器として、2方向に放射する超音波生成装置、特にインタートランスデューサー(101、201)が圧電結晶(102)で使われる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
超音波(104)が、少なくとも1回固体層の内部で反射されるように、固体層(115)に投入され、固体層には反射(106)が少なくとも1つのミクロキャビティ(103)の反対の表面でできるだけ完全で、ミクロキャビティないし液体に向いた表面(108)では損失があり、しかし0ではなく、固体層(115)内部の消音ができるだけ少ない、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2つの分離点が少なくとも1つの圧電音響変換器(201)の放射方向の時間的ヴァリエーションによって生成される、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの超音波がインターデジタルトランスデューサー(201)を使って圧電エレメントで生成され、その互いに食い込むフィンガー電極は互いに空間的にコンスタントでない距離をもち、インターデジタルトランスデューサー(201)に通じている周波数の変更により放射場所がセットされる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
互いに食い込むフィンガー電極が真っ直ぐでなく、弓形をなすインターデジタルトランスデューサー(201)が使われ、通じている高周波界の周波数の選択によって放射方向(204)が選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの超音波(104、204)がインターデジタルトランスデューサー(101、201)を使って圧電エレメント(102)上の固体層(115)の少なくとも1つのミクロキャビティ(103)の反対側に生成される、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの圧電ボリューム振動板(1、130)が少なくとも1つの圧電音響変換器として使われる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの超音波(140)を固体層内で拡大するため、少なくとも1つの無方向に拡散する表面(114、118)をもつ固体層(115)が使われる、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
固体層(115)内の少なくとも1つの超音波(104)の拡散方向が反射面(110)によって導かれる、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのミクロキャビティ(3、103)、特にミクロ力価プレート(9、109)のミクロキャビティ中の液体混合のための、請求項1に記載の方法実施のための装置であって、
基盤(15、115)と、
基盤のメイン面に配置され、10MHzよりも大きいか、同じの周波数の超音波(4、104、204)生成のため電気的に励起される、少なくとも1つの圧電音響変換器(1、101、130、201)とを備え、
基盤(15、115)広さは音響拡散方向に超音波長さの1/4よりも大きい装置。
【請求項23】
ミクロ力価プレート(9)のスクリーン寸法(R)で、多くの圧電音響変換器(1)をもつ、請求項22記載の装置。
【請求項24】
個々の音響変換器(1)操作のための開閉装置(26)をもつ、請求項23記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの音響変換器(1、101、130、201)を、その生成する超音波が少なくとも1つのキャビティの深さよりも小さい波長を有するように選んだ、請求項22乃至24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つの音響変換器(1)の側面広さ(d)が、ミクロ力価プレート(9)のキャビティ(3)の側面広さよりも小さい、請求項22乃至25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
超音波放射をミクロキャビティ(3)の方向に空間的に限定する配列での、特にミクロ力価プレート(9)のミクロキャビティの配列での、消音媒体をもつ基盤(15)のメイン面上に中間層をもつ、請求項22乃至25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
圧電音響変換器(101、130、201)が、少なくとも1つの超音波が基盤(115)の斜方向に投入されるような形をなす、請求項22乃至27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
少なくとも1つの圧電音響変換器(101、201)が2方向に放射する、請求項28記載の装置。
【請求項30】
基盤(115)の材料を、ミクロキャビティ(103)の反対面での反射(106)ができるだけ完全で、ミクロキャビティないし液体に向いた側の反射(108)は損失があり、しかし0ではなく、固体層(115)内部の消音ができるだけ少ない、請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも1つの圧電音響変換器が圧電エレメント(102)上にインターデジタルトランスデューサー(101、201)をもつ、請求項22乃至30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサー(101)の電気接続が圧電エレメント上の第1リード線及び基盤(115)上の第2リード線(116)によって形成され、それらリード線は互いにオーバーラップするよう配置されている、請求項31記載の装置。
【請求項33】
圧電エレメント(102)が基盤(115)よりも高い寸法(124)をもち、その上には少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサー(101)への電気リード線(122)用の接続点がある、請求項31記載の装置。
【請求項34】
少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサー(101)が穴(123)を通って基盤の中に接続されていて、その穴は特に導電性の接着材で満たされている、請求項31記載の装置。
【請求項35】
インターデジタルトランスデューサーが高周波シグナルのコンタクトなしの投入に使われるアンテナをもつ、請求項31記載の装置。
【請求項36】
インターデジタルトランスデューサー(201)のフィンガー電極が場所的に、互いにコンスタントな間隔をもたない、請求項31乃至35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
インターデジタルトランスデューサー(201)のフィンガー電極が、真っ直ぐでなく、特に弓形である、請求項36記載の装置。
【請求項38】
少なくとも1つの圧電音響変換器が圧電ボリューム振動板(1)をもつ、請求項22乃至30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
基盤が少なくとも1つの拡散表面(114、118)をもつ、請求項22乃至38のいずれか1項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【公表番号】特表2006−519685(P2006−519685A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501929(P2006−501929)
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001774
【国際公開番号】WO2004/076046
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(502096196)アドヴァリティクス アーゲー (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001774
【国際公開番号】WO2004/076046
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(502096196)アドヴァリティクス アーゲー (9)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]