説明

ミシンのポケット付け装置

【課題】作業者の習得具合に応じて操作手順を変更可能とし、作業の効率化を図る。
【解決手段】ミシンのポケット付け装置には、身頃を押さえる身頃押さえと、ポケット布を押さえるポケット押さえと、身頃押さえの昇降動作及びポケット押さえの昇降動作、進退動作を制御する制御部と、操作指示が入力される第一入力キー及び第二入力キーを有し、各入力キーに入力された操作指示を前記制御部に出力する操作部と、第一入力キー、第二入力キーによる操作手順をモードA又はモードBに切り替えるための切り替え指示が入力される入力部とが備えられている。制御部は、入力部に対する切り替え指示に基づき、第一入力キー、第二入力キーによる縫製時の操作手順を切り替え制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンのポケット付け装置に係り、特に、縫製時に身頃とポケット布とを個別に押さえつけるミシンのポケット付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポケットを縫製するミシンには、ミシンテーブル上に載置された身頃とポケットとを個別に押さえて、縫製するためのポケット付け装置が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。図16に示すように、ポケット付け装置100には、身頃を押さえる身頃押さえ110と、ポケット布を押さえるポケット押さえ120とが設けられている。
【0003】
身頃押さえ110には、身頃押さえ板111と、身頃押さえ板111の両端部を支持する一対の支持フレーム112とが備えられている。身頃押さえ板111には、ポケット布の形状に基づいた切欠113が形成されている。一対の支持フレーム112は図示しない駆動源の動力に基づいて、基端部を中心に回動することで身頃押さえ板111を昇降させるようになっている。身頃押さえ111の上昇時に身頃を置き、身頃押さえ板111が下降すると、身頃が押さえられることになる。
【0004】
ポケット押さえ120は、身頃押さえ板111の切欠113内でポケット布を押さえるポケット押さえ板121と、ポケット押さえ板121の中央部を支持するシリンダ122とが設けられている。ポケット押さえ板121は、切欠113よりも僅かに小さく形成されていて、切欠113内に進入すると身頃押さえ板111との間に僅かに隙間Sが形成されることになる。この隙間Sに対して針が落ちることになり、身頃とポケット布とがそれぞれ押さえられた状態で縫製されるようになっている。
シリンダ122のロッド123は、基端部が回動自在に支持されていて、この回動によってポケット押さえ板121が昇降するようになっている。また、シリンダ122のアーム124の先端部には、ポケット押さえ板121と連結される連結ブロック125が設けられている。そして、アーム124が伸縮することでポケット押さえ板121が切欠113に対して進入/退避するようになっている。ポケット押さえ板121が切欠113に進入し、下降した状態ではポケット布の最外周が縫製されて、切欠113から退避した状態では最外周の内側が再度縫製されることになる。
【特許文献1】特開2003−117281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年においては、作業の効率化を図るため、作業者の習得具合に応じて操作手順を変更することが望まれている。
【0006】
本発明の課題は、作業者の習得具合に応じて操作手順を変更可能とし、作業の効率化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、
ミシンテーブル上に載置された身頃とポケット布とを個別に押さえ、縫製時に前記押さえられた身頃とポケット布とを水平方向に移動させながら縫製するミシンのポケット付け装置において、
昇降することにより前記身頃を押さえる身頃押さえと、
前記ポケット布のサイズに応じて進退するとともに、昇降することにより前記ポケット布を押さえるポケット押さえと、
前記身頃押さえの昇降動作及び前記ポケット押さえの昇降動作、進退動作を制御する制御部と、
操作指示が入力される第一入力キー及び第二入力キーを有し、前記各入力キーに入力された操作指示を前記制御部に出力する操作部と、
前記第一入力キー、前記第二入力キーによる操作手順をモードA又はモードBに切り替えるための切り替え指示が入力される入力部とを備え、
前記制御部は、前記入力部に対する前記切り替え指示に基づき、
前記モードAでは、第一入力キーに対して前記身頃押さえの昇降動作に関する操作を割り当て、第二入力キーの第1段階操作に対して、前記ポケット押さえの進退動作に関する操作を割り当て、前記第二入力キーの第二段階操作に対して、前記ポケット押さえの昇降動作に関する操作を割り当て、
前記モードBでは、第一入力キーに対して前記身頃押さえの上昇操作及び前記ポケット押さえの上昇操作、後退操作を割り当て、第二入力キーに対して、前記身頃押さえの下降操作、前記ポケット押さえの下降操作、前進操作を割り当てるように、
前記第一入力キー、前記第二入力キーによる縫製時の操作手順を切り替え制御することを特徴とするミシンのポケット付け装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入力部に対する切り替え指示に基づき、第一入力キー、第二入力キーによる縫製時の操作手順が切り替えられることになる。例えば、モードAの場合、第二入力キーの第1段階操作でポケット布のセットをしなければならないため、誤って第二入力キーの第2段階操作を行ってしまって、セット作業の途中でポケット押さえが下降してしまうおそれがあるものの、モードBと比較しても操作手順を少なくすることができる。つまりモードAは、習熟者向けのモードである。一方、モードBの場合、上述したようにモードAよりも操作手順が増えてしまうが、セット作業の途中でポケット押さえが下降してくるといったことがない。つまりモードBは初心者向けのモードである。すなわち、本発明の構成によって、作業者の習得具合に応じて操作手順が変更でき、作業の効率化が実現可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
ポケット付け装置を搭載したミシンは、図1に示すように基端側よりも先端部が細い略楔形の身頃Mとポケット布Pとを縫製するものであり、具体的にはポケット布Pの最外周とその内側周囲とを縫製するものである。図1中のN1は最外周の縫い目、N2はその内側周囲の縫い目である。なお、本実施形態においては、縫製可能なポケット布PのサイズがS,M,L,LLの4サイズである場合を例示して説明する。
【0010】
図2は本実施形態に係るポケット付け装置を搭載したミシンの主制御構成を示すブロック図である。図2に示すように、ミシン1には、縫製時に、ミシンテーブル上に載置された身頃Mとポケット布Pとを個別に押さえるポケット付け装置2と、ポケット付け装置2を水平方向に案内するX−Yステージ3と、X−Yステージ3によって案内されたポケット付け装置2上の身頃及びポケット布を縫製する縫製機構4と、操作指示が入力される操作部5と、種々の条件が入力される入力部6と、これらを制御する制御部7とが備えられている。
【0011】
図3は、ポケット付け装置2の概略構成を示す斜視図である。図3に示すようにポケット付け装置2には、X−Yステージ3上に固定された基部20と、身頃Mを押さえる身頃押さえ30と、ポケット布Pを押さえるポケット押さえ60とが備えられている。
【0012】
身頃押さえ30には、身頃Mを押さえる身頃押さえ板31と、身頃押さえ板31を先端部で支持し、基端部が回動自在に基部20に支持された一対の支持フレーム32と、支持フレーム32を回動させることで、身頃押さえ板31を昇降させる身頃用昇降部40とが設けられている。
【0013】
身頃押さえ板31は、身頃Mにおけるポケット布が重ならない部分を押さえるため、身頃に重なったポケット布Pが収まる切欠33を有している。
一対の支持フレーム32は、その先端部で身頃押さえ板31を支持し、基端部が回動自在に基部20に支持されている。一対の支持フレーム32には補強材34が基端部側に掛け渡されている。
【0014】
身頃用昇降部40には、基部20から立設する立設部41と、立設部41に回動自在に支持され、アーム42の先端部が支持フレーム32に連結された身頃用シリンダ43とが、支持フレーム32毎に設けられている。身頃用シリンダ43のアーム42が伸張状態であると、支持フレーム32は水平となって身頃押さえ板31が下降状態となる。その後身頃用シリンダ43のアーム42が収縮状態に切り替わると、支持フレーム32は基端部を中心に上方に回動して、身頃押さえ板31が上昇状態となる。
【0015】
ポケット押さえ60には、身頃Mに重なったポケット布Pを、切欠33を介して押さえるポケット押さえ板61と、ポケット押さえ板61を切欠33に対して進退させるため、当該ポケット押さえ板61を先端部で支持し、基端部が回動自在に基部20に支持された進退部70と、進退部70の先端部をポケット押さえ板61に連結する連結ブロック62と、進退部70を回動させることで、ポケット押さえ板61を昇降させるポケット用昇降部80とが設けられている。
【0016】
ポケット押さえ板61は、切欠33内に収まったポケット布Pの最外周の縫製位置が、当該ポケット押さえ板61と身頃押さえ板31との隙間S1から露出するように、切欠33よりも僅かに小さい形状に形成されている。
【0017】
ここでポケット押さえ板61と、身頃押さえ板31とは、それぞれポケット布Pのサイズ毎に適したものが予め用意されていて、縫製前に最適なものに交換されるようになっている。図4は、ポケット布Pの各サイズ(LL,L,M,S)に対応するポケット押さえ板61と身頃押さえ板31との組合せの一例を示す説明図である。図4(a)はLLサイズの組合せ、図4(b)はLサイズの組合せ、図4(c)はMサイズの組合せ、図4(d)はSサイズの組合せを示している。なお、LL,L,Mサイズでは、切欠33内に収まったポケット布Pの最外周の縫製位置のみを露出するように隙間S1が設定されているが、Sサイズでは切欠33内に収まったポケット布Pの最外周の縫製位置及びその内側周囲の縫製位置を露出するように隙間S1が設定されている。
【0018】
図5は、進退部70の概略構成を示す説明図である。この図5に示すように、進退部70には伸縮長さの異なる2つのシリンダ71,72が直列に配列されている。シリンダ71は、切欠33側に配置されていて、当該シリンダ71におけるアーム73の先端部には連結ブロック62が連結されている。一方、シリンダ72は基部20側に配置されていて、当該シリンダ72におけるアーム74の先端部には基部20が固定されている。また、進退部70には、各シリンダ71,72のロッド75,76をスライド自在に支持する支持カバー77が設けられている(図3参照)。これにより、シリンダ71,72の伸縮に基づいて各シリンダ71,72のロッド75,76がスムーズにスライドすることになる。前述したように、シリンダ71,72の伸縮長さは異なっているので、シリンダ71,72両者ともに収縮状態(図5(a):以下第一伸縮状態)、シリンダ71のみが伸張状態(図5(b):以下、第二伸縮状態)、シリンダ72のみが伸張状態(図5(c):以下、第三伸縮状態)、シリンダ71,72両者ともに伸張状態(図5(d):以下、第四伸縮状態)という具合に、伸縮状態に応じて進退部70の長さが4段階で変動するようになっている。つまり、進退部70は、基部20から、シリンダ71の先端部に連結された連結ブロック62までの距離を4段階で調整可能である。また、進退部70には伸縮状態を検知するシリンダセンサ(図示省略)が設けられている。
【0019】
連結ブロック62は、ポケット押さえ板61を交換自在に連結している。ポケット押さえ板61における連結ブロック62の連結位置は、図4に示すようにいずれのサイズのポケット押さえ板61であっても先端から略同位置に配置されている。つまり、基本距離はサイズによりそれぞれ異なることになる。進退部70の第一伸縮状態の伸張長さをSサイズの基本距離と同一に、第二伸縮状態の伸張長さをMサイズの基本距離と同一に、第三伸縮状態の伸張長さをLサイズの基本距離と同一に、第四伸縮状態の伸張長さがLLサイズの基本距離と同一に設定しておくことで、各サイズの基本距離と、進退部70の各伸縮状態の長さとが対応付けされることになる。
【0020】
ポケット用昇降部80は、基部20から立設する立設部81と、立設部81に回動自在に支持され、アーム82の先端部が進退部70に連結されたポケット用シリンダ83とが設けられている。ポケット用シリンダ83のアーム82が伸張状態であると、進退部70は水平となってポケット押さえ板61が下降状態となる。その後ポケット用シリンダ83のアーム82が収縮状態に切り替わると、進退部70は基端部を中心に上方に回動して、ポケット押さえ板61が上昇状態となる。
【0021】
操作部5は、図6に示すように3つのペダル(第一ペダル51、第二ペダル52、第三ペダル53)を備えており、各ペダル51〜53からの操作指示が制御部7に出力されるようになっている。第一ペダル51、第三ペダル53は、踏み込まれることで操作信号を制御部7に出力するが、第二ペダル52は、二段階踏み込み可能となっていて、各段階毎に異なる操作信号を制御部7に出力する。ここで、第一ペダル51、第二ペダル52はポケット付け装置2を操作するものであり、第三ペダル53は縫製機構4を操作するものである。
【0022】
入力部6は、ミシン1の本体に搭載された例えばタッチパネル等であり、種々の条件として入力された縫製条件や、操作モード、ポケット布サイズ等を制御部7に出力する。
縫製条件とは、縫製時における種々の条件のことであり、例えば縫い目のピッチや、縫い目種類、布厚等がある。
【0023】
操作モードとは、第一ペダル51、第二ペダル52によるポケット付け装置2の操作手順をモード毎に異なる設定にするものである。本実施形態ではモードがA,Bの2モード設定されている場合を例示して説明する。
【0024】
モードAは、第一ペダル51の踏み込みに身頃押さえ板31の昇降操作を、第二ペダル52の一段目の踏み込みにポケット押さえ板61の進退操作を、第二ペダル52の二段目の踏み込みにポケット押さえ板61の昇降操作を割り当てている。
【0025】
モードBは、第二ペダル52の一段目の踏み込みには何の操作も割り当てず、第二ペダル52の二段目の踏み込みに身頃押さえ板31の下降操作、ポケット押え板61の前進操作、下降操作を割り当てている。具体的には、身頃押さえ板31が上昇状態、ポケット押さえ板61が上昇状態で、かつ後退状態である場合は、第二ペダル52の二段目の踏み込みに身頃押さえ板31の下降操作を割り当てている。身頃押さえ板31が下降状態、ポケット押さえ板61が上昇状態で、かつ後退状態である場合は、第二ペダル52の二段目の踏み込みにポケット押さえ板61の前進操作を割り当てている。身頃押さえ板31が下降状態、ポケット押さえ板61が上昇状態で、かつ前進状態である場合は、第二ペダル52の二段目の踏み込みにポケット押さえ板61の下降操作を割り当てている。
一方、第一ペダル51の踏み込みに、第二ペダル52の踏み込みにより実行された操作とは逆の操作を割り当てている。具体的には、身頃押さえ板31が下降状態、ポケット押さえ板61が下降状態で、かつ前進状態である場合は、第一ペダル51の踏み込みにポケット押さえ板61の上昇操作を割り当てている。身頃押さえ板31が下降状態、ポケット押さえ板61が上昇状態で、かつ前進状態である場合は、第一ペダル51の踏み込みにポケット押さえ板61の後退操作を割り当てている。身頃押さえ板31が下降状態、ポケット押さえ板61が上昇状態で、かつ後退状態である場合は、第一ペダル51の踏み込みに身頃押さえ板31の上昇操作を割り当てている。
【0026】
図7は、操作モードを切り替える際の入力部6の表示例を示す説明図である。表示画面中の表示ボタン6AがモードAに対応し、表示ボタン6BがモードBに対応しており、これらがタッチされることで操作モードが切り替わるようになっている。
【0027】
ポケット布サイズとは、縫製されるポケット布Pのサイズのことである。図8は、ポケット布サイズを切り替える際の入力部6の表示例を示す説明図である。表示画面の表示ボタン6Sをタッチすることに、当該表示ボタン中の表示がS,M,L,LLに切り替わり、表示中のサイズにポケット布サイズが切り替わるようになっている。
【0028】
制御部7は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成されていて、CPUが入力部6に入力された条件と、操作部5からの操作指示とに基づいて、ROM中の制御プログラムをRAMに展開し実行することで各部を制御するようになっている。
【0029】
以下、ポケット布Pの縫製処理時における制御部7の制御について説明する。
まず、縫製開始前には、身頃押さえ板31とポケット押さえ板61とが上昇状態で待機している。この際、進退部70は第一伸縮状態となっている。そして、縫製直前になると、縫製されるポケット布Pのサイズに基づいた身頃押さえ板31と、ポケット押さえ板61とが、作業者によって支持フレーム32及び進退部70に取り付けられる。例えば、図3ではLLサイズの身頃押さえ板31と、ポケット押さえ板61とが取り付けられた状態を示している。また、図9はLサイズの身頃押さえ板31と、ポケット押さえ板61とが取り付けられた状態、図10はMサイズの身頃押さえ板31と、ポケット押さえ板61とが取り付けられた状態、図11はSサイズの身頃押さえ板31と、ポケット押さえ板61とが取り付けられた状態を示している。
【0030】
その後、作業者により入力部6に種々の条件が入力されると、制御部7は当該条件に基づく制御プログラムを読み出す。以下、各モード毎の縫製処理について説明する。
【0031】
[モードA]
モードAにおけるフローチャートを図12、13に示す。図12はM,L,LLサイズのポケット布Pを縫製する場合のフローチャートであり、図13はSサイズのポケット布Pを縫製する場合のフローチャートである。
【0032】
図12に示すように、M,L,LLサイズのポケット布Pを縫製する場合、まず作業者により、図示しないミシンテーブル上に身頃Mが載置される(ステップS1)。
その後、作業者により第一ペダル51が踏まれると(ステップS2:図6(a)参照)、制御部7は、身頃押さえ板31が下降するように、身頃用シリンダ43を制御して、身頃押さえ板31で身頃Mを押さえる(ステップS3)。
【0033】
そして、作業者により身頃Mの位置ずれが判断される(ステップS4)。位置ずれありと判断された場合にはステップS5に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS8に移行する。
【0034】
ステップS5で作業者により再度第一ペダル51が踏まれると、制御部7は、身頃押さえ板31が上昇するように、身頃用シリンダ43を制御する(ステップS6)。これにより、身頃Mに対する押さえが解除されるので、作業者は身頃Mの位置を修正し(ステップS7)、修正後、再度第一ペダル51を踏む(ステップS2)。
【0035】
ステップS8では、作業者によりポケット布Pが切欠33内に配置される。
ステップS9で作業者により第二ペダル52が一段目まで踏まれると(図6(b)参照)、制御部7はこれから縫製されるポケット布Pのサイズに対応した伸縮状態となるように、進退部70のシリンダ71,72を制御する(ステップS10)。
【0036】
ステップS11では、制御部7は、図示しないシリンダセンサによって、進退部70の伸縮状態を判断し、これから縫製されるポケット布Pのサイズに対応した伸縮状態でない場合にはステップS12に移行して、前記サイズに対応した伸縮状態である場合にはステップS13に移行する。
【0037】
ステップS12では、制御部7は、入力部6を制御して、エラーである旨を表示させる。
ステップS13で作業者により第二ペダル52が一段目から二段目まで踏み込まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61が下降するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS14)。
【0038】
その後、作業者によりポケット布Pの位置ずれが判断され(ステップS15)、位置ずれありと判断された場合にはステップS16に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS19に移行する。
【0039】
ステップS16で作業者により第二ペダル52の踏み込みが一段目まで戻されると、制御部7は、ポケット押さえ板61が上昇するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS17)。これにより、ポケット布Pに対する押さえが解除されるので、作業者はポケット布Pの位置を修正し(ステップS18)、修正後、再度第二ペダル52を二段目まで踏み込む(ステップS13)。
【0040】
ステップS19で作業者により第三ペダル53が踏まれると(図6(c)参照)、制御部7は、ポケット押さえ板61と身頃押さえ板31との隙間S1内に沿って針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの最外周を縫製する。
ステップS20で最外周の縫製が完了した旨を検知すると(ステップS21)、制御部7はポケット押さえ板61が上昇するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS22)。
【0041】
その後、制御部7は、第一伸縮状態まで後退するように、進退部70のシリンダ71,72を制御してから(ステップS23)、ポケット押さえ板61が下降するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS24)。これにより、ポケット押さえ板61が退避位置でポケット布Pを押さえることになり、ポケット布Pの内側周囲の縫製位置が露出することになる。
【0042】
ポケット布Pの内側周囲の縫製位置が露出すると、制御部7は、当該縫製位置に針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの内側周囲を縫製する(ステップS25)。
縫製が完了すると、制御部7は、ポケット押さえ板61及び身頃押さえ板31が上昇するように、ポケット用シリンダ83及び身頃用シリンダ43を制御し(ステップS26)、縫製処理を終了する。
【0043】
次に、Sサイズのポケット布Pを縫製する場合について説明する。まず図13に示すように作業者により、図示しないミシンテーブル上に身頃Mが載置される(ステップS31)。
その後、作業者により第一ペダル51が踏まれると(ステップS32)、制御部7は、身頃押さえ板31が下降するように、身頃用シリンダ43を制御して、身頃押さえ板31で身頃Mを押さえる(ステップS33)。
【0044】
そして、作業者により身頃Mの位置ずれが判断される(ステップS34)。位置ずれありと判断された場合にはステップS35に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS38に移行する。
【0045】
ステップS35で作業者により再度第一ペダル51が踏まれると、制御部7は、身頃押さえ板31が上昇するように、身頃用シリンダ43を制御する(ステップS36)。これにより、身頃Mに対する押さえが解除されるので、作業者は身頃Mの位置を修正し(ステップS37)、修正後、再度第一ペダル51を踏む(ステップS32)。
【0046】
ステップS38では、作業者によりポケット布Pが切欠33内に配置される。
ステップS39で作業者により第二ペダル52が二段目まで踏み込まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61が下降するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS40)。
【0047】
その後、作業者によりポケット布Pの位置ずれが判断され(ステップS41)、位置ずれありと判断された場合にはステップS42に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS45に移行する。
【0048】
ステップS42で作業者により第二ペダル52の踏み込みが一段目まで戻されると、制御部7は、ポケット押さえ板61が上昇するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS43)。これにより、ポケット布Pに対する押さえが解除されるので、作業者はポケット布Pの位置を修正し(ステップS44)、修正後、再度第二ペダル52を二段目まで踏み込む(ステップS39)。
【0049】
ステップS45で作業者により第三ペダル53が踏まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61と身頃押さえ板31との隙間S1内で、最外周の縫製位置に針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの最外周を縫製する(ステップS46)。
ステップS46で最外周の縫製が完了すると、制御部7は、隙間S1内の内側周囲の縫製位置に針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの内側周囲を縫製する(ステップS47)。
縫製が完了すると、制御部7は、ポケット押さえ板61及び身頃押さえ板31が上昇するように、ポケット用シリンダ83及び身頃用シリンダ43を制御し(ステップS48)、縫製処理を終了する。
【0050】
[モードB]
モードBにおけるフローチャートを図14、15に示す。図14はM,L,LLサイズのポケット布Pを縫製する場合のフローチャートであり、図15はSサイズのポケット布Pを縫製する場合のフローチャートである。
【0051】
図14に示すように、M,L,LLサイズのポケット布Pを縫製する場合、まず作業者により、図示しないミシンテーブル上に身頃Mが載置される(ステップS51)。
その後、作業者により第二ペダル52が二段目まで踏み込まれると(ステップS52)、制御部7は、身頃押さえ板31が下降するように、身頃用シリンダ43を制御して、身頃押さえ板31で身頃Mを押さえる(ステップS53)。
【0052】
そして、作業者により身頃Mの位置ずれが判断される(ステップS54)。位置ずれありと判断された場合にはステップS55に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS58に移行する。
【0053】
ステップS55で作業者により第一ペダル51が踏まれると、制御部7は、身頃押さえ板31が上昇するように、身頃用シリンダ43を制御する(ステップS56)。これにより、身頃Mに対する押さえが解除されるので、作業者は身頃Mの位置を修正し(ステップS7)、修正後、再度第二ペダル52を二段目まで踏み込む(ステップS52)。
【0054】
ステップS58では、作業者によりポケット布Pが切欠33内に配置される。
ステップS59で作業者により第二ペダル52が二段目まで踏み込まれると、制御部7はこれから縫製されるポケット布Pのサイズに対応した伸縮状態となるように、進退部70のシリンダ71,72を制御する(ステップS60)。
【0055】
ステップS61では、制御部7は、図示しないシリンダセンサによって、進退部70の伸縮状態を判断し、これから縫製されるポケット布Pのサイズに対応した伸縮状態でない場合にはステップS62に移行して、前記サイズに対応した伸縮状態である場合にはステップS63に移行する。
【0056】
ステップS62では、制御部7は、入力部6を制御して、エラーである旨を表示させる。
ステップS63で作業者により再度第二ペダル52が二段目まで踏み込まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61が下降するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS64)。
【0057】
その後、作業者によりポケット布Pの位置ずれが判断され(ステップS65)、位置ずれありと判断された場合にはステップS66に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS69に移行する。
【0058】
ステップS66で作業者により第一ペダル51が踏まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61が上昇するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS67)。これにより、ポケット布Pに対する押さえが解除されるので、作業者はポケット布Pの位置を修正し(ステップS68)、修正後、再度第二ペダル52を二段目まで踏み込む(ステップS63)。
【0059】
ステップS69で作業者により第三ペダル53が踏まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61と身頃押さえ板31との隙間S1内に沿って針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの最外周を縫製する。
ステップS70で最外周の縫製が完了した旨を検知すると(ステップS71)、制御部7はポケット押さえ板61が上昇するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS72)。
【0060】
その後、制御部7は、第一伸縮状態まで後退するように、進退部70のシリンダ71,72を制御してから(ステップS73)、ポケット押さえ板61が下降するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS74)。これにより、ポケット押さえ板61が退避位置でポケット布Pを押さえることになり、ポケット布Pの内側周囲の縫製位置が露出することになる。
【0061】
ポケット布Pの内側周囲の縫製位置が露出すると、制御部7は、当該縫製位置に針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの内側周囲を縫製する(ステップS75)。
縫製が完了すると、制御部7は、ポケット押さえ板61及び身頃押さえ板31が上昇するように、ポケット用シリンダ83及び身頃用シリンダ43を制御し(ステップS76)、縫製処理を終了する。
【0062】
次に、Sサイズのポケット布Pを縫製する場合について説明する。まず図15に示すように作業者により、図示しないミシンテーブル上に身頃Mが載置される(ステップS81)。
その後、作業者により第二ペダル52が二段目まで踏み込まれると(ステップS82)、制御部7は、身頃押さえ板31が下降するように、身頃用シリンダ43を制御して、身頃押さえ板31で身頃Mを押さえる(ステップS83)。
【0063】
そして、作業者により身頃Mの位置ずれが判断される(ステップS84)。位置ずれありと判断された場合にはステップS85に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS88に移行する。
【0064】
ステップS85で作業者により第一ペダル51が踏まれると、制御部7は、身頃押さえ板31が上昇するように、身頃用シリンダ43を制御する(ステップS86)。これにより、身頃Mに対する押さえが解除されるので、作業者は身頃Mの位置を修正し(ステップS87)、修正後、再度第二ペダル52を二段目まで踏み込む(ステップS82)。
【0065】
ステップS88では、作業者によりポケット布Pが切欠33内に配置される。
ステップS89で作業者により第二ペダル52が二段目まで踏み込まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61が下降するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS90)。
【0066】
その後、作業者によりポケット布Pの位置ずれが判断され(ステップS91)、位置ずれありと判断された場合にはステップS82に移行し、位置ずれなしと判断された場合にはステップS95に移行する。
【0067】
ステップS92で作業者により第一ペダル51が踏まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61が上昇するように、ポケット用シリンダ83を制御する(ステップS93)。これにより、ポケット布Pに対する押さえが解除されるので、作業者はポケット布Pの位置を修正し(ステップS94)、修正後、再度第二ペダル52を二段目まで踏み込む(ステップS89)。
【0068】
ステップS95で作業者により第三ペダル53が踏まれると、制御部7は、ポケット押さえ板61と身頃押さえ板31との隙間S1内で、最外周の縫製位置に針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの最外周を縫製する(ステップS96)。
ステップS86で最外周の縫製が完了すると、制御部7は、隙間S1内の内側周囲の縫製位置に針が落ちるように、X−Yステージ3及び縫製機構4を制御して、ポケット布Pの内側周囲を縫製する(ステップS97)。
縫製が完了すると、制御部7は、ポケット押さえ板61及び身頃押さえ板31が上昇するように、ポケット用シリンダ83及び身頃用シリンダ43を制御し(ステップS98)、縫製処理を終了する。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、基部20から連結ブロック62までの距離が調整可能であるので、サイズの異なるポケット押さえ板61を進退部70に取り付けた場合、各サイズのポケット押さえ板61における連結ブロック62との連結位置が異なっていたとしても、前記距離を調整することでサイズ毎に最適な位置でポケット布Pを押さえることが可能となる。つまり、従来のようにSサイズを基準としてその他のサイズの連結位置を設定する必要もなく、ポケット押さえ板61における連結ブロック62の連結位置を各サイズ毎に最適な位置に設定することが可能となる。したがって、いずれのサイズのポケット押さえ板61であっても、先端部から連結ブロック62までの距離を一定にして剛性を確保することが可能となり、また、連結ブロック62の幅を広くできるため、結果的に耐久性が高まることになる。
さらに、従来のものであると、サイズが違っていても連結位置が一定のために、ポケット押さえ板が必要以上に移動することになるが、本実施形態のように基部20から連結ブロック62までの距離をサイズ毎に適した値に設定されていれば、必要以上にポケット押さえ板61を移動することも解消される。したがって、サイクルタイムを短縮することも可能となる。
【0070】
また、進退部70には、それぞれ伸張長さの異なる複数のシリンダが直列に配列されているので、微調整等を行わなくとも正確な位置でポケット押さえ板61を停止させることが可能となる。
【0071】
また、入力部6に入力されたサイズに対応した基準距離となるように、制御部7が進退部70を制御しているので、調整操作が簡素化されることになる。
【0072】
また、Sサイズに対応するポケット押さえ板61と身頃押さえ板31とは、ポケット押さえ板61がポケット布Pを押さえた際に、ポケット布Pの最外周とその内側周囲を縫製できるだけの隙間S1を有しているので、入力部6に入力されたサイズがSサイズであった場合であっても、退避位置にポケット押さえ板61が位置してから、当該ポケット押さえ板61がポケット布Pを押さえ、その後、ポケット布Pの最外周とその内側周囲が縫製された後に、ポケット押さえ板61が上昇することで、最外周とその内側周囲とを縫製することが可能である。
【0073】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、ミシン1の操作部5、入力部6及び制御部7がポケット付け装置2の操作部、入力部及び制御部を兼ね備えた場合を例示して説明したが、ポケット付け装置2専用の操作部、入力部及び制御部を設けてもよい。
【0074】
また、本実施形態ではS,M,L,LLの4サイズのポケット布Pが縫製されるポケット付け装置2を例示して説明したが、これよりも多くのサイズに対応したものであってもよい。この場合、進退部70が、基部20からシリンダ71の先端部に連結された連結ブロック62までの距離をそのサイズ数に応じた段階で調節するようにしておくことが必要である。
さらに、本実施形態では、進退部70がシリンダ71,72によって基部20からシリンダ71の先端部に連結された連結ブロック62までの距離を調整するようになっているが、前記距離を調整するものであれば如何なるものでもよい。例えば、スライド自在に保持された連結ブロック62を、モータやギア等のとの組合せによりスライドさせることで、前記距離を調整するものが挙げられる。
【0075】
また、進退部70を第一伸縮状態から第四伸縮状態に切り替える際には、シリンダ71,72をそれぞれ個別に伸張させるようにすれば、他の切替時と同速度で進退部70が伸張するので、作業者に圧迫感を与えることのない作業環境を提供することができる。
また、進退部70を第四伸縮状態から第一伸縮状態に切り替える際には、シリンダ71,72を同時に収縮させるようにすれば、ポケット押さえ板61の退避動作を高速化することができ、縫製作業を短縮することが可能となる。
【0076】
そして、近年においては、作業の効率化を図るため、作業者の習得具合に応じて入力部6の操作を変更することが望まれている。
これを実現すべく、例えば、操作部5は第一ペダル51(第一入力キー)と、第二ペダル52(第二入力キー)とを備え、制御部7は入力部6に対する切り替え指示に基づき、第一ペダル51、第二ペダル52による縫製時の操作手順を切り替え制御する。ここで、操作手順としては、上述したようにモードAとモードBの2種類ある。モードAでは、第一ペダル51に対して身頃押さえ板31の動作に関する操作を割り当て、第二ペダル52の各段階に対してポケット押さえ板61の動作に関する操作を割り当てている。モードBでは、第二ペダル52に対して、身頃押さえ板31の下降操作、ポケット押さえ板61の前進操作及び下降操作を割り当て、第一ペダル51に対して、身頃押さえ板31の上昇操作、ポケット押さえ板61の上昇操作及び後退操作を割り当てている。
【0077】
モードAの場合、第二ペダル52を一段目に踏み込んだままの状態でポケット布Pのセットをしなければならないため、誤って第二ペダル52を二段目に踏み込んでしまって、セット作業の途中でポケット押さえ板61が下降してしまうおそれがあるものの、モードBと比較しても踏み込み回数を少なくすることができる。つまりモードAは、習熟者向けのモードである。
モードBの場合、上述したようにモードAよりも踏み込み回数が増えてしまうが、セット作業の途中でポケット押さえ板61が下降してくるといったことがない。つまりモードBは初心者向けのモードである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態に係るミシンにより縫製される身頃とポケット布との一例を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係るミシンの主制御構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るポケット付け装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係るポケット布の各サイズ(LL,L,M,S)に対応するポケット押さえ板と身頃押さえ板との組合せの一例を示す説明図である。
【図5】本実施形態に係る進退部の概略構成を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係る操作部の概略構成を示す説明図である。
【図7】本実施形態に係る操作モードを切り替える際の入力部の表示例を示す説明図である。
【図8】本実施形態に係るポケット布サイズを切り替える際の入力部の表示例を示す説明図である。
【図9】図3のポケット付け装置に対してLサイズの身頃押さえ板と、ポケット押さえ板とが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図10】図3のポケット付け装置に対してMサイズの身頃押さえ板と、ポケット押さえ板とが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図11】図3のポケット付け装置に対してSサイズの身頃押さえ板と、ポケット押さえ板とが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図12】本実施形態に係るM,L,LLサイズのポケット布をモードAで縫製する場合のフローチャートである。
【図13】本実施形態に係るSサイズのポケット布をモードAで縫製する場合のフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るM,L,LLサイズのポケット布をモードBで縫製する場合のフローチャートである。
【図15】本実施形態に係るSサイズのポケット布をモードBで縫製する場合のフローチャートである。
【図16】従来のポケット付け装置の概略構成を示す上面視図である。
【図17】従来のポケット付け装置におけるS,M,L,LLの合計4サイズ分のポケット押さえ板の配置位置を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 ミシン
2 ポケット付け装置
3 X−Yステージ
4 縫製機構
5 操作部
6 入力部
7 制御部
20 基部
30 身頃押さえ
31 身頃押さえ板
32 支持フレーム
33 切欠
40 身頃用昇降部
60 ポケット押さえ
61 ポケット押さえ板
62 連結ブロック
70 進退部
71,72 シリンダ
80 ポケット用昇降部
M 身頃
P ポケット布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンテーブル上に載置された身頃とポケット布とを個別に押さえ、縫製時に前記押さえられた身頃とポケット布とを水平方向に移動させながら縫製するミシンのポケット付け装置において、
昇降することにより前記身頃を押さえる身頃押さえと、
前記ポケット布のサイズに応じて進退するとともに、昇降することにより前記ポケット布を押さえるポケット押さえと、
前記身頃押さえの昇降動作及び前記ポケット押さえの昇降動作、進退動作を制御する制御部と、
操作指示が入力される第一入力キー及び第二入力キーを有し、前記各入力キーに入力された操作指示を前記制御部に出力する操作部と、
前記第一入力キー、前記第二入力キーによる操作手順をモードA又はモードBに切り替えるための切り替え指示が入力される入力部とを備え、
前記制御部は、前記入力部に対する前記切り替え指示に基づき、
前記モードAでは、第一入力キーに対して前記身頃押さえの昇降動作に関する操作を割り当て、第二入力キーの第1段階操作に対して、前記ポケット押さえの進退動作に関する操作を割り当て、前記第二入力キーの第二段階操作に対して、前記ポケット押さえの昇降動作に関する操作を割り当て、
前記モードBでは、第一入力キーに対して前記身頃押さえの上昇操作及び前記ポケット押さえの上昇操作、後退操作を割り当て、第二入力キーに対して、前記身頃押さえの下降操作、前記ポケット押さえの下降操作、前進操作を割り当てるように、
前記第一入力キー、前記第二入力キーによる縫製時の操作手順を切り替え制御することを特徴とするミシンのポケット付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−11808(P2009−11808A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314815(P2007−314815)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【分割の表示】特願2007−172445(P2007−172445)の分割
【原出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】