説明

ミルクを加熱して泡立てるための方法、及び方法を実施するための装置

【課題】カプチーノの製造等に、適用されるミルクを泡立てる方法及び装置を提供すること。
【解決手段】ミルクの加熱及び泡立てが、水蒸気を生成するボイラー2によって供給される蒸気流と、圧縮空気の関連源によって供給される圧縮空気流との組み合わせ作用によって実施される、ミルクを自動的に加熱して泡立てるための、特にコーヒーマシンでカプチーノを調製するための方法において、圧縮空気流が、予め定めた持続時間を有しかつ不作動期間に挿入されるパルスによって構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルクの加熱及び泡立てが、水蒸気を生成するボイラーによって供給される蒸気流と、圧縮空気の関連源によって供給される圧縮空気流との組み合わせ作用によって実施される、ミルクを自動的に加熱して泡立てるための、特にコーヒーマシンでカプチーノを調製するための方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、また、ミルクを加熱して泡立てるための装置に関し、加熱温度及び生成される泡の量は、本発明による方法を実施するために適切な方法で制御される。
【背景技術】
【0003】
公知のようにコーヒーと泡立てたミルクとを含む飲み物であるカプチーノを生成するためにミルクを加熱して泡立てる操作は、一般に、蒸気パイプの端部に配置されている注ぎ口を介して、蒸気及び圧縮空気のジェットを容器、例えば冷たいミルクを収容するジョッキに方向付けることによって実施され、前記蒸気パイプには、一般に、蒸気の流れを制御するための遮断バルブが設けられている。
【0004】
上述のタイプのミルクを加熱して泡立てるための装置が従来技術で知られているが、この理由は、それらの装置が、所望の量の泡により及び温度でミルクの泡立てを実施できる利点を提供するからである。
【0005】
関連技術の公知の解決方法は、国際公開公報第03/092458号に記載されているように、蒸気を生成するボイラーと、加熱かつ泡立てるべきミルクを収容するジョッキに浸漬されうる開放端が設けられている方向付け手段と、ボイラーと方向づけ手段との間に接続された、蒸気を供給するための第1のパイプと、第1のパイプに配置された遮断部材と、圧縮空気を生成するための圧縮機と、圧縮機を作動するためのモータと、圧縮空気の圧縮機と方向付け手段との間に接続された、圧縮空気を供給するための第2のパイプと、温度に対して敏感であり、また容器内のミルクの温度を検出するために方向づけ手段の浸漬可能な端部と関連付けられている要素と、遮断部材と、圧縮空気を生成するための圧縮機と、温度に対して敏感な要素とに接続されている制御ユニットと、を備えている装置の使用を可能にする。
【0006】
上に示した技術的な解決方法によれば、圧縮空気流は、較正されるか、又は調整も可能なスロットルによって調整され、このスロットルは、ジョッキ内に収容されたミルクに浸漬されている方向付け手段に空気源を接続するパイプにおいて、圧縮機の下流に配置されている。
【0007】
公知のように、空気圧縮機の下流の回路では、空気中に存在する湿度は、空気が受ける圧力の増加の結果凝結する。
【0008】
その現象は、凝結した水がスロットルをブロックする傾向を有するので、時に装置の劣った動作条件をもたらす。スロットルは、空気抵抗に耐えるための寸法を有するので、スロットルは、水の粘性を有する液体の流れに適切でない小さな寸法の貫通孔を有する。
【0009】
したがって、このような状態下では、蒸気流のみが実際に達する方向付け手段に圧縮空気を供給することができず、ミルクの泡立ての欠如、したがって泡の欠如を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ミルクを泡立てるための装置に圧縮空気を供給するために圧縮機を利用する装置に関して上に示しかつ提示した不都合を克服できる、ミルクを加熱して泡立てるための方法を実施することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、以下の請求項1の方法によって達成される。
【0012】
添付図面の図1に概略的に示されている方法を実施できる装置を参照して、本発明について以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面に示した実施形態では、ミルクを加熱して泡立てるための装置1は、蒸気を生成するボイラー2と、ミルクを収容するジョッキ5に浸漬されうる開放端4が設けられている方向付けパイプ3とを備えている。
【0014】
蒸気を生成するためのボイラー2は、手動タイプ又は自動操作によるタイプであるかにかかわらず、コーヒー、特にエスプレッソコーヒーを調製するための機械に従来設けられてきたタイプとしうる。
【0015】
さらに、装置1は、蒸気を供給するための第1のパイプ6と、第1のパイプ6に配置されている遮断バルブ11と、圧縮空気源19と、圧縮空気を供給するための第2のパイプ9とを有している。
【0016】
圧縮空気源19は、図に示したように、電気モータ8によって作動される圧縮機7を有することが好ましいが、それに限定されない。圧縮空気源により、圧縮空気の生成及び供給が可能となる。
【0017】
方向付けパイプ3は、それぞれ、第1のパイプ6及び第2のパイプ9から容器5内に、開放端4を通して蒸気及び圧縮空気のジェットを方向付けている。方向付け手段3は、例示した構造において、容器5、例えばジョッキへのパイプの挿入を促進するように、また加熱されて泡立てられるべきミルク内の開放端4の完全な浸漬を可能にするように、好ましくは所望のように向けることができるパイプ、選択的にフレキシブルパイプである。
【0018】
ミルクの加熱及び泡立ては、遮断バルブ11及び空気用のポンプ7のモータ8に接続されている制御ユニット10と、さらに、方向付け手段3の浸漬可能な端部4に接続されている温度変換装置12とによって制御され、温度変換装置は、端部4がミルクに浸漬されている時にミルクの温度を検出することができる。
【0019】
温度変換装置12は、例えば熱電対、熱抵抗等の温度に敏感な要素であることが有利であり、制御ユニット10への入力におけるその出力の大きさは、本質的に電気であることが好ましいが、それに限定されない。
【0020】
制御ユニット10は、その単純化した形態で、プログラム可能なCPU(図示せず)と、このCPUに接続されているディスプレイ13及び一連のプッシュボタン14を備えている。ユニット10には、図示していない電力源により給電される。
【0021】
CPUは、実施すべき一連の操作を各々のプッシュボタン14と関連付ける。実施すべき操作は、ミルクの所望の温度及び/又は泡立てに左右される。
【0022】
制御ユニット10では、作動されるプッシュボタンに従って、蒸気を遮断するためのバルブ11、有利にはソレノイドバルブ、及び圧縮空気源19のそれらの両方に対して作用するために、変換装置12によってミルクの温度を即座に検出し、ミルクの所望の温度に従って、互いに独立して、第1の例においてバルブ11の開閉を制御し、また第2の例において圧縮空気源19を作動する。代わりに、バルブ11の開口を制御すること及び/又は予め定めた期間の間、圧縮空気源19を作動することがさらに可能である。
【0023】
本発明によれば、圧縮空気流を供給するためのパイプ9には、スロットル部材は設けられない。本発明によれば、必要な空気流の制御は、制御ユニット10の制御下で電気モータ8によって決定される短いパルスの間作動される圧縮機7によって行われ、また流れの調整は、変更される間隔の持続時間によって行われる。
【0024】
実際に、例えば、例えば1秒に等しい各々の単位空気パルスについて、ミルクの高レベルの泡立てを獲得するために、1つのパルスと次のパルスの間の間隔は、同一の単位に等しい、すなわち、1秒に等しくなければならないことが確認されている。
【0025】
空気をポンプするための単位パルスが、1秒に等しいレベルになお設定されている状態で、中/高レベルの泡立てを獲得することが望ましい場合、間隔の各々は、2単位、すなわち2秒に等しくなければならないであろう。
【0026】
しかし、中/高レベルの泡立てのために、なお単位パルスについて1秒の予め定めた持続時間の間、間隔の各々は、3単位の時間、すなわち、3秒に等しい持続時間の間持続されなければならない。
【0027】
最後に、低レベルの泡立てのために、なお空気パルスの予め定めた単位持続時間について、パルス間の間隔の持続時間は、4単位、すなわち4秒に等しい持続時間の間持続されなければならない。
【0028】
本発明によれば、ミルクのより優れた品質の泡立ては、なお制御ユニット10の制御及び命令下で、ジョッキ5内のミルクが、すでに導入された蒸気によりすでに乱流の状態にある時に、圧縮空気パルスにより流れが始まるようにすることによって獲得される。
【0029】
したがって、有利に、圧縮空気パルスにより、また蒸気を受け入れるためにサイクルの開始に対して特定の時間だけ遅延して、流れサイクルを始めることが必要であり、この遅延は、ミルクが特定の温度閾値、例えば、30℃に達することによって決定される。
【0030】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されず、代わりに、以下に請求されるような本発明の精神及び範囲内にすべてが含まれるいくつかの実施形態を含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるミルクの加熱及び泡立て用装置を示している。
【符号の説明】
【0032】
1 ミルクを加熱して泡立てるための装置
2 ボイラー
3 方向付けパイプ
4 開放端部
5 容器
6 第1のパイプ
7 圧縮機
8 電気モータ
9 第2のパイプ
10 制御ユニット
11 遮断バルブ
12 温度変換装置
13 ディスプレイ
14 プッシュボタン
19 圧縮空気源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルクの加熱及び泡立てが、水蒸気を生成するボイラーによって供給される蒸気流と、圧縮空気の関連源によって供給される圧縮空気流との組み合わせ作用によって実施される、ミルクを自動的に加熱して泡立てるための、特にコーヒーマシンでカプチーノを調製するための方法において、
前記圧縮空気流が、予め定めた持続時間を有しかつ不作動期間に挿入されるパルスによって構成されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記圧縮空気パルスの持続時間が、前記圧縮空気流を供給する間に一定でありまた等しい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮空気パルスの間に挿入される前記不作動期間が、前記パルスの持続時間に等しい持続時間を有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮空気パルスの間に挿入される前記不作動期間が、前記パルスの持続時間の倍数である持続時間を有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
パルスの前記空気流が、前記蒸気流の供給の開始に対して予め定めた遅延で供給される、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
蒸気を生成するボイラー(2)と、
ミルクを収容する容器(5)に浸漬されうる開放端(4)が設けられている方向付け手段(3)と、
前記ボイラー(2)と前記方向付け手段(3)との間に接続されている、蒸気を供給するための第1のパイプ(6)と、
前記第1のパイプに配置されている遮断部材(11)と、
圧縮空気を生成するための圧縮機(7)と、
前記圧縮機(7)を作動するためのモータ(8)と、
圧縮空気用の前記圧縮機(7)と前記方向付け手段(3)との間に接続されている、前記圧縮空気を供給するための第2のパイプ(9)と、
温度に対して敏感であり、また前記容器(5)内のミルクの温度を検出するために前記方向づけ手段(3)の浸漬可能な端部(4)と関連付けられている要素(12)と、
前記遮断部材(11)と、圧縮空気を生成する前記圧縮機(7)と、ミルクの温度に対して敏感な前記要素(12)とに接続されている制御ユニット(10)と、を備え、
前記制御ユニット(10)が、ミルクの所望の温度及び/又は泡立てに従って、前記遮断部材(11)の開閉を制御して、圧縮空気用の前記圧縮機(7)を作動するためにプログラム可能である装置(1)において、
前記制御ユニットが、断続的に、圧縮空気用の圧縮機(7)を作動し、不作動期間と交代の予め定めた期間の間、圧縮空気パルスを生成することを特徴とする装置。
【請求項7】
前記不作動期間が可変持続時間を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記圧縮空気パルスの期間が、前記圧縮空気流を供給する間に一定でありまた等しい持続時間を有する、請求項6又は7に記載の装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−152082(P2007−152082A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−286376(P2006−286376)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(506353563)グルッポ チンバリ ソチエタ ペル アツィオニ (7)
【Fターム(参考)】