説明

メールサーバー及び迷惑電子メール自動処分方法

【課題】 本発明は、嫌がらせ電子メールを排除するメールサーバー及び迷惑電子メール自動処分方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 ネットワークを経由して電子メールを受け取る手段と、電子メール利用者に対する電子メール受信条件情報を保持する手段と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールか否かを、電子メール受信条件情報に基づいて判断する手段と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールであった場合、当該電子メールを自動的に排除する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メール技術に関し、特に、嫌がらせ電子メールを排除するメールサーバー及び迷惑電子メール自動処分方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子メールを利用する上で、嫌がらせ目的の大量の無意味なメール(スパムと呼ばれる所謂、迷惑メール)や、極めて大容量のメール(メール爆弾と呼ばれる所謂、迷惑メール)をメールサーバーから受信しようとすると、非常に長時間電話回線に接続してしまい、通信コストが無駄にかさむという実害や、また、望まない商用のメール(ダイレクトメールと呼ばれる所謂、迷惑メール)を受け取り、不安や不愉快を感じるといったケースが社会的に問題化しつつある。このような課題を解決することを目的とした従来技術としては、例えば、特開平9−130423号公報に記載のものがある。すなわち、従来技術は、電子メールをやりとりする送信者と受信者との間に設けられ、送信者と受信者との間の電子メールのやりとりを制御する電子メールサービス提供装置であって、電子メールを受信し、受信メールが発信メールであるのかまたは返信メールであるのかを解析する受信メール解析手段と、受信メール解析手段で解析した電子メールが発信メールであるとき、発信メールから送信者に関する情報、メール容量、タイトル、キーワード、要約を含むヘッダと称する情報を抽出する抽出手段と、抽出手段で抽出したヘッダを受信者に送信するヘッダ送信手段と、発信メール全体を発信メールのヘッダとともに蓄積する蓄積手段と、受信メール解析手段で解析した電子メールが返信メーであるとき、返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であるかまたは発信メール全体の送信を拒否するものであるかを解析する返信メール解析手段と、返信メール解析手段によって返信メールの内容が発信メール全体の送信要求であると解析された場合、蓄積手段に蓄積した発信メール全体を受信者に送信した後、発信メール全体を消去し、また返信メール解析手段によって発信メール全体の受信を拒否するものであると解析された場合、または所定の保存期間が経過しても、発信メール全体に対する送信要求がない場合には、蓄積手段に蓄積されている発信メール全体を消去する送信消去手段とを有する。このような従来技術は、受信したメールが発信メールかまたは返信メールかを解析し、受信メールが発信メールであるとき、発信メールからヘッダを抽出して、ヘッダを受信者に送信し、受信メールが返信メールであるとき、返信メールが発信メール全体の送信要求かまたは発信メール全体の送信拒否かを解析し、発信メール全体の送信要求である場合、発信メール全体を受信者に送信し、また発信メール全体の受信を拒否するものである場合または所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合発信メール全体を消去する。
【0003】従来技術によれば、受信したメールが発信メールかまたは返信メールかを解析し、受信メールが発信メールであるとき、発信メールからヘッダを抽出して、ヘッダを受信者に送信し、受信メールが返信メールであるとき、返信メールが発信メル全体の送信要求かまたは発信メール全体の送信拒否かを解析し、発信メール全体の送信要求である場合、発信メール全体を受信者に送信し、また発信メール全体の受信を拒否するものである場合または所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、発信メール全体を消去するので、受信者が必要とする電子メールのみを送信することができ、受信者の望まない大容量のメールが送信される恐れがなく、受信者側の資源が無駄に使用されることもない。また、受信メールの容量が所定の容量より小さい場合には、受信メール全体を受信者に送信し、大きい場合には、処理を実施するように制御するので、容量の小さいメールの場合には、受信者に問い合わせるという処理を必要とすることなく、迅速にメールを受信者に送信することができる。更に、返信メールを解析した結果および発信メールを受信者へ送信した結果または発信メールを消去した結果を送信者通知するので、送信者は送信したメールがどのように処理されたかを的確に把握することができる。また、所定の保存期間が経過しても発信メール全体に対する送信要求がない場合には、送信者に対して発信メールを消去してもよいか否かを問い合わせ、消去してもよい場合のみ、発信メール全体を消去し、消去してはならない場合には保存期間を延長するので、発信メールの消去または保存を送信者の意り的確に処理することができ、例えば受信者が不在の場合にも的確な処理を行うことができることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術には、同一送信者からの1日当たりの電子メール数によって、受信するか否か、削除するか否かを判断する機能が設けられていなかったため、迷惑メールによる長時間の電話回線の接続という実害や、不安や不愉快を感じるといったケースを充分解決するには至っていないという問題点があった。
【0005】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、信者が不要と考える性質の電子メール(電子メール受信条件を満足しない電子メール)の受信を行わず、無駄に電話回線を使用することを回避できるメールサーバー及び迷惑電子メール自動処分方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の要旨は、ネットワークを経由して受け取った、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールを自動的に排除するメールサーバーであって、ネットワークを経由して電子メールを受け取る手段と、電子メール利用者に対する電子メール受信条件情報を保持する手段と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールか否かを、電子メール受信条件情報に基づいて判断する手段と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールであった場合、当該電子メールを自動的に排除する手段とを有することを特徴とするメールサーバーに存する。また本発明の請求項2に記載の要旨は、ネットワークを経由して受け取った、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールを自動的に排除する迷惑電子メール自動処分方法であって、ネットワークを経由して電子メールを受け取る工程と、電子メール利用者に対する電子メール受信条件情報を保持する工程と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールか否かを、電子メール受信条件情報に基づいて判断する工程と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールであった場合、当該電子メールを自動的に排除する工程とを有することを特徴とする迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項3に記載の要旨は、前記電子メール受信条件情報は、対応する電子メール利用者の電子メール受信条件として、同一の電子メール送信者から受け取ることのできる指定期間当たりの電子メール件数の上限値を指定する条件であって、電子メール利用者が任意に設定できる同一送信者条件を含み、前記同一送信者条件に基づいて、同一の電子メール送信者から指定期間に大量の件数の電子メールを受信することを制限する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項4に記載の要旨は、前記電子メール受信条件情報は、対応する電子メール利用者の電子メール受信条件として、受け取ることのできる電子メール1件当たりの情報量の上限値を指定する条件であって、電子メール利用者が任意に設定できる最大サイズ条件を含み、前記最大サイズ条件に基づいて、非常に大きなサイズの電子メールを受信することを制限する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項5に記載の要旨は、前記電子メール受信条件情報は、電子メール利用者が既に知っている人(または団体)の電子メールアドレスのリストであって、電子メール利用者が任意に設定できる既知送信者リストを含み、前記既知送信者リストに基づいて、知らない人からの電子メールを受信することを制限する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項6に記載の要旨は、受信者が設定した電子メール受信条件情報に基づき、送信されてきた電子メールの件数が、前記同一送信者条件で規定される上限値を超えていると判断された電子メールを自動的に削除する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項7に記載の要旨は、受信者が設定した電子メール受信条件情報に基づき、送信されてきた電子メールの容量が前記最大サイズ条件で規定される上限値を超えている電子メールを自動的に削除する工程を有することを特徴とする請求項4に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項8に記載の要旨は、受信者が設定した電子メール受信条件情報に基づき、送信されてきた電子メールの送信者のメールアドレスが前記既知送信者リストに記載されていない電子メールを自動的に削除する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。また本発明の請求項9に記載の要旨は、前記電子メール受信条件情報は、各電子メール送信者毎に、電子メールアドレス、電子メールの自動削除の対象とするか否かの設定値、電子メールの自動削除の対象とする場合の指定期間における受信可能電子メール件数上限値、自動削除した場合に削除した旨の通知を電子メール送信者に行うか否かの設定値を保持していることを特徴とする請求項8に記載の迷惑電子メール自動処分方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】(第1実施形態)初めに、第1実施形態の構成を説明する。図1は、本発明のメールサーバー1aの第1実施形態を説明するためのシステム図である。図1R>1を参照すると、インターネット上には少なくとも1つ以上のメールサーバー1aが接続されている。電子メール利用者が電子メールの受信に使用する端末1bの各々は、電話回線1cを通じてメールサーバー1aに接続されている。具体的には、メールサーバー1aには、複数の端末1b,…,1bが接続されている。電子メールは、インターネットを経由してこれらのメールサーバー1a間で送受信される。メールサーバー1aの各々は、電子メール利用者(複数の場合はその個々)に対する電子メール受信条件情報1dを保持している。
【0009】図2は、メールサーバー1a及び迷惑電子メール自動処分方法で用いられる電子メール受信条件情報1dの構成図である。図2を参照すると、電子メール受信条件情報1dには、対応する電子メール利用者の電子メール受信条件として、同一送信者条件2a、最大サイズ条件2b、既知送信者リスト2cの情報が記述されている。同一送信者条件2aは、同一の電子メール送信者3aから受け取ることのできる1日当たりの電子メール件数の上限値(図中では、10件/日=1日10件)を表しており、同一の電子メール送信者3aから1日に大量の件数の電子メールを受信することを制限するのに用いられる。最大サイズ条件2bは、受け取ることのできる電子メール1件当たりの容量(情報量)の上限値(図中では、500KB/件=1日500KB)を表しており、非常に大きなサイズの電子メールを受信することを制限するのに用いられる。
【0010】既知送信者リスト2cは、電子メール利用者が既に知っている人(または団体)の電子メールアドレスのリストであり、知らない人(団体)からの電子メールを受信することを制限するのに用いられる。図中では、電子メールアドレスaaaa@xxx.co.jp,bbb@xxx.co.jp,…,の電子メールアドレスがリストに登録されている。これらの項目は、電子メール利用者が任意に設定できるものとする。
【0011】電子メールサーバー1aは、電子メール受信者(の電子メールアドレス)毎に以下のような電子メール自動削除設定情報を電子メール受信条件情報3c内に保持する。電子メール自動削除設定情報は、電子メール受信者が設定する電子メール送信者3a毎の自動削除に関する設定項目の一覧を保持している。
【0012】電子メール受信者が設定する電子メール送信者3a毎の自動削除に関する設定項目として、各電子メール送信者3a毎に、・電子メールアドレス、・電子メールの自動削除の対象とするか否かの設定値、・電子メールの自動削除の対象とする場合の1日における受信可能電子メール件数上限値(以下、受信上限値と呼ぶ)、・自動削除した場合、削除した旨の通知を電子メール送信者3aに行うか否かの設定値(以下、自動通知設定と呼ぶ)、を保持している。
【0013】ただし、ここで、電子メール送信者3aとして、不明電子メール送信者3a(送信者の分からない電子メールの送信者)、未知(不明ではないが一覧には記載されていない)電子メール送信者についての設定も行えるものとする。
【0014】また、自動削除の判断用として、電子メール受信者毎に、電子メール受信リスト、ある1日における、該当電子メール受信者へ送られてきた、電子メール送信者毎の電子メール件数を情報として保持する。
【0015】次に、第1実施形態の動作を説明する。図3R>3は、本発明のメールサーバー3b及び迷惑電子メール自動処分方法の動作を説明するためのシステム図である。同一の電子メール送信者3aから、嫌がらせを目的とした大量の電子メールが送られてくる場合がある(俗にスパムメールと呼ぶ)。ただし、送信者の電子メールアドレスは、必ずしも正規のものではない(ダミーのアドレス)、または不明である場合もあるとする。図3を参照すると、電子メール送信者3aから送られた電子メールは、インターネットを経由し、受信者が利用するメールサーバー3bに到達する。この際、第1実施形態のメールサーバー3bは、受信者が設定した電子メール受信条件情報3cに基づき、到達した電子メールのうち、電子メール受信条件を満足しないものを自動的に削除する。ここで、「電子メール受信条件を満足しない」とは、次の3つの条件のうち最低一つを満足することをいう。
【0016】1.送信されてきた電子メールの件数が、電子メール受信条件情報3cの同一送信者条件2aで規定される上限値を超えている2.送信されてきた電子メールの容量が、電子メール受信条件情報3cの最大サイズ条件2bで規定される上限値を超えている3.送信されてきた電子メールの送信者のメールアドレスが、電子メール受信条件情報3cの既知送信者リスト2cに記載されていない電子メール受信条件を満足している電子メールは、そのままメールサーバー3bに蓄積される。電子メール利用者が端末3dを使用して電話回線3eを介してメールサーバー3bに接続し、電子メール受信要求を発行すると、メールサーバー3bに蓄積されている電子メールが端末3dへ送られる(電子メール受信の完了)。
【0017】また電子メールサーバー1a,3bは、電子メールを受信した際、受信した電メールから、電子メール受信者(の電子メールアドレス)、電子メール送信者3a(の電子メールアドレス)を抽出する。続いて、電子メール受信者の電子メール自動削除設定情報を参照し、その電子メールを自動削除するか否かを判断する。電子メールが自動削除されない場合は、通常に電子メールを保存し、電子メール受信者が電子メールサーバー1a,3bにアクセスすれば、保存された電子メールが送られる。ここで、電子メールが自動削除される場合は、その電子メールの送信者が既知電子メール送信者リストに記載されており、かつ自動通知設定が「通知する」に設定されているならば、自動削除の旨および自動削除の理由を記載した電子メールを削除された電子メール送信者3a宛に自動送信する。
【0018】次に、ある電子メール受信者に関する電子メール自動削除設定情報の例を説明する。例えば、不明送信者からの電子メールは1件たりとも受信しない場合、電子メールアドレスが不明送信者であるときは、自動削除の機能を有効とし、受信上限値を0件に設定し、自動通知の機能を無効とする。未知送信者からの電子メールを1日当たり計20件まで受信する場合、電子メールアドレスが未知送信者であるときは、自動削除の機能を有効とし、受信上限値を20件に設定し、自動通知の機能を有効とする。電子メールアドレスがaaaa@xxx.co.jpからの電子メールは1日当たり30件まで受信し自動削除したときに自動通知を行う場合、自動削除の機能を有効とし、受信上限値を30件に設定し、自動通知の機能を有効とする。電子メールアドレスがbbbb@xxx.co.jpからの電子メールは無制限に受信すると設定する場合、自動削除の機能を無効とし、受信上限値を設定せず、自動通知の機能を設定しない。
電子メールアドレス 自動削除 受信上限値 自動通知 −−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+−−−−− 不明送信者 する 0件 しない 未知送信者 する 20件 する aaaa@xxx.co.jp する 30件 する bbbb@xxx.co.jp しない −−− −−− −−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+−−−−−
【0019】次に、上記のように自動削除設定した場合の、ある電子メール受信者に関する電子メール受信リストの例を示す。
電子メールアドレス 本日の件数 (備考)
−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−−− 不明送信者 0件 aaaa@xxx.co.jp 12件 bbbb@xxx.co.jp 32件 cccc@xxx.co.jp 8件 (未知送信者)
dddd@xxx.co.jp 10件 (未知送信者)
eeee@xxx.co.jp 2件 (未知送信者)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−本例では、aaaa@xxx.co.jpからの電子メールは受信上限値を30件に設定しているため、12件全てを受信している。また、bbbb@xxx.co.jpからの電子メールは受信上限値が設定されていないため、32件全てを受信している。これに対し、cccc,dddd,eeee(いずれも未知送信者)からのメール件数の合計が受信上限値(この場合は20件)に達したため、これ以降の未知送信者からの電子メールは自動削除の対象となっている状態を示している。
【0020】以上第1実施形態を要約すれば、メールサーバー1aが、先の動作の説明のように動作することで、受信者が不要と考える性質の電子メール(電子メール受信条件を満足しない電子メール)の受信を行わず、無駄に電話回線1c,3eを使用することを回避できる。電子メール受信者は、ある1日において、同一の電子メール送信者から設定した上限値を超えた件数の電子メールを受信することはなくなる。スパムメールのような、何千、何万といった電子メールは、未然に削除されるため、電子メール受信者が電話回線1c,3eでメールサーバー1aにつなぎっぱなしという被害が回避できる。
【0021】また、電子メール自動削除設定情報を電子メール受信者が任意に設定することで、電子メール送信者毎に細かく自動削除/受信許可を指定できる。このため、未知の電子メール送信者、または不明な電子メール送信者からの電子メールについても、自動削除/受信許可を指定できる。また、電子メール自動削除設定情報に電子メールアドレスを記載し、自動削除する設定にし、1日における受信上限値を0とすることで、特定の電子メール送信者からの電子メールは一切受け取らないといたこともできる。
【0022】更に、電子メールを自動削除した場合、電子メールサーバー1aは、電子メール自動削除設定情報に基づき、削除された電子メールの送信者に対して、自動削除の旨、および自動削除の理由を記載した電子メールを自動送信する。これにより、電子メール送信者は、自分の電子メールが受信者に届かなかったことを知ることができる。なお、本発明はメールサーバー1aのみの改良によるものなので、各電子メール利用者の使用する端末1b(電子メール送受信用ソフトウェアを含む)を変更/改造する必要はない。
【0023】(第2実施形態)第2実施形態では、電子メール受信条件情報1dの拡張および応用例を説明する。
(第1例):同一送信者条件2aや最大サイズ条件2bを満足しなくても、既知送信者リスト2cに記載された送信者からの電子メールは、受信可能とする。
(第2例):同一送信者条件2aや最大サイズ条件2bを満足せずに自動削除された電子メールの送信者が、既知送信者リスト2cに記載されていれば、送信者に対して自動的に削除された旨の電子メールを発行する。
【0024】以上第2実施形態を要約すれば、メールサーバー1aが、先の動作の説明のように動作することで、受信者が不要と考える性質の電子メール(電子メール受信条件を満足しない電子メール)の受信を行わず、無駄に電話回線1c,3eを使用することを回避できる。電子メール受信者は、ある1日において、同一の電子メール送信者から設定した上限値を超えた件数の電子メールを受信することはなくなる。スパムメールのような、何千、何万といった電子メールは、未然に削除されるため、電子メール受信者が電話回線1c,3eでメールサーバー1aにつなぎっぱなしという被害が回避できる。
【0025】また、電子メール自動削除設定情報を電子メール受信者が任意に設定することで、電子メール送信者毎に細かく自動削除/受信許可を指定できる。このため、未知の電子メール送信者、または不明な電子メール送信者からの電子メールについても、自動削除/受信許可を指定できる。また、電子メール自動削除設定情報に電子メールアドレスを記載し、自動削除する設定にし、1日における受信上限値を0とすることで、特定の電子メール送信者からの電子メールは一切受け取らないといったこともできる。
【0026】更に、電子メールを自動削除した場合、電子メールサーバー1a,3bは、電子メール自動削除設定情報に基づき、削除された電子メールの送信者に対して、自動削除の旨、および自動削除の理由を記載した電子メールを自動送信する。これにより、電子メール送信者は、自分の電子メールが受信者に届かなかったことを知ることができる。
【0027】なお、本実施の形態においては、本発明はインターネット上の電子メールサーバーに対する嫌がらせ電子メールの排除技術に限定されず、本発明を適用する上で好適な任意のネット上の電子メールサーバーに対する嫌がらせ電子メールの排除技術に適用することができる。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。また、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、受信者が不要と考える性質の電子メール(電子メール受信条件を満足しない電子メール)の受信を行わず、無駄に電話回線を使用することを回避できる。また、電子メール受信者は、ある1日において、同一の電子メール送信者から設定した上限値を超えた件数の電子メールを受信することはなくなる。スパムメールのような、何千、何万といった電子メールは、未然に削除されるため、電子メール受信者が回線でメールサーバーにつなぎっぱなしという被害が回避できる。また、電子メール自動削除設定情報を電子メール受信者が任意に設定することで、電子メール送信者毎に細かく自動削除/受信許可を指定できる。このため、未知の電子メール送信者、または不明な電子メール送信者からの電子メールについても、自動削除/受信許可を指定できる。また、電子メール自動削除設定情報に電子メールアドレスを記載し、自動削除する設定にし、1日における受信上限値を0とすることで、特定の電子メール送信者からの電子メールは一切受け取らないといったこともできる。更に、電子メールを自動削除した場合、電子メールサーバーは、電子メール自動削除設定情報に基づき、削除された電子メールの送信者に対して、自動削除の旨、および自動削除の理由を記載した電子メールを自動送信する。これにより、電子メール送信者は、自分の電子メールが受信者に届かなかったことを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメールサーバーの第1実施形態を説明するためのシステム図である。
【図2】メールサーバー及び迷惑電子メール自動処分方法で用いられる電子メール受信条件情報の構成図である。
【図3】本発明のメールサーバー及び迷惑電子メール自動処分方法の動作を説明するためのシステム図である。
【符号の説明】
1a…メールサーバー
1b…端末
1c…電話回線
1d…電子メール受信条件情報
2a…同一送信者条件
2b…最大サイズ条件
2c…既知送信者リスト
3a…電子メール送信者
3b…メールサーバー
3c…電子メール受信条件情報
3d…端末
3e…電話回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークを経由して受け取った、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールを自動的に排除するメールサーバーであって、ネットワークを経由して電子メールを受け取る手段と、電子メール利用者に対する電子メール受信条件情報を保持する手段と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールか否かを、電子メール受信条件情報に基づいて判断する手段と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールであった場合、当該電子メールを自動的に排除する手段とを有することを特徴とするメールサーバー。
【請求項2】 ネットワークを経由して受け取った、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールを自動的に排除する迷惑電子メール自動処分方法であって、ネットワークを経由して電子メールを受け取る工程と、電子メール利用者に対する電子メール受信条件情報を保持する工程と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールか否かを、電子メール受信条件情報に基づいて判断する工程と、前記受け取った電子メールが、同一送信者からの非常に多数の電子メール及び/または発信者不明の電子メールであった場合、当該電子メールを自動的に排除する工程とを有することを特徴とする迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項3】 前記電子メール受信条件情報は、対応する電子メール利用者の電子メール受信条件として、同一の電子メール送信者から受け取ることのできる指定期間当たりの電子メール件数の上限値を指定する条件であって、電子メール利用者が任意に設定できる同一送信者条件を含み、前記同一送信者条件に基づいて、同一の電子メール送信者から指定期間に大量の件数の電子メールを受信することを制限する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項4】 前記電子メール受信条件情報は、対応する電子メール利用者の電子メール受信条件として、受け取ることのできる電子メール1件当たりの情報量の上限値を指定する条件であって、電子メール利用者が任意に設定できる最大サイズ条件を含み、前記最大サイズ条件に基づいて、非常に大きなサイズの電子メールを受信することを制限する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項5】 前記電子メール受信条件情報は、電子メール利用者が既に知っている人(または団体)の電子メールアドレスのリストであって、電子メール利用者が任意に設定できる既知送信者リストを含み、前記既知送信者リストに基づいて、知らない人からの電子メールを受信することを制限する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項6】 受信者が設定した電子メール受信条件情報に基づき、送信されてきた電子メールの件数が、前記同一送信者条件で規定される上限値を超えていると判断された電子メールを自動的に削除する工程を有することを特徴とする請求項3に記載の迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項7】 受信者が設定した電子メール受信条件情報に基づき、送信されてきた電子メールの容量が前記最大サイズ条件で規定される上限値を超えている電子メールを自動的に削除する工程を有することを特徴とする請求項4に記載の迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項8】 受信者が設定した電子メール受信条件情報に基づき、送信されてきた電子メールの送信者のメールアドレスが前記既知送信者リストに記載されていない電子メールを自動的に削除する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の迷惑電子メール自動処分方法。
【請求項9】 前記電子メール受信条件情報は、各電子メール送信者毎に、電子メールアドレス、電子メールの自動削除の対象とするか否かの設定値、電子メールの自動削除の対象とする場合の指定期間における受信可能電子メール件数上限値、自動削除した場合に削除した旨の通知を電子メール送信者に行うか否かの設定値を保持していることを特徴とする請求項8に記載の迷惑電子メール自動処分方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2000−163341(P2000−163341A)
【公開日】平成12年6月16日(2000.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−353808
【出願日】平成10年11月30日(1998.11.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】