説明

メール送信装置

【課題】 サイズオーバーによる送信エラーを防止可能なメール送信装置を提供する。
【解決手段】 メールにファイルを添付して送信するメール送信部104を備えたメール送信装置において、少なくとも一つのファイルを格納する共有フォルダ52を含む記憶装置50と、共有フォルダ52内のファイルの中から添付ファイルの指定を受け付ける操作受付部110と、受け付けた添付ファイルを共有フォルダから取得する、または原稿を読み取り画像ファイルを取得するファイル取得部112と、取得したファイルのサイズを取得するサイズ取得部116と、このサイズを合計して合計サイズとする合計部118と、合計サイズが所定の設定値を超えたか否かを判定する判定部120と、合計サイズが所定の設定値を超えたと、サイズオーバーをユーザに通知する通知部122と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メール送信装置に関し、特に、原稿を読み取り添付ファイルを作成するメール送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の普及にともない、たとえばファクシミリ装置やMFP(Multi Functional Peripheral)などの情報機器もネットワークに接続されるようになってきた。このようなファクシミリ装置は、一般的なG3方式等によるファクシミリ通信機能の他に、Eメール送受信機能、原稿の画像データ等をネットワークを介して送受信するインターネットファックス機能等を備えている。
【0003】
この種の装置として、特許文献1に記載のものがある。同文献に記載されたメール送信装置は、スキャナで読み取った原稿をイメージデータ化して添付ファイルとしてメールに添付して送信する場合、メール本文情報のサイズと添付ファイルのサイズを考慮して、サイズがオーバーした場合にメール分割して送信する構成を有している。
【0004】
また、ネットワーク化に伴い、メール送信装置はネットワーク上の他の記憶装置の共有フォルダへのアクセスが可能となってきた。そこで、スキャナで読み取った原稿以外にも、共有フォルダ内のファイルを直接添付して送信することが要求されるようになってきた。
【特許文献1】特開2004−88613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、安易に添付ファイルの指定を許可すると、その合計サイズが大きくなった場合に、メールサーバ側で容量オーバーとなり受信されなかったり、あるいは、メール送信装置自体のメモリ容量の限界から、送信不可能となったりする場合があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サイズオーバーによる送信エラーを防止可能なメール送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、メールにファイルを添付して送信するメール送信手段を備えたメール送信装置において、
少なくとも一つのファイルを格納する共有フォルダを含む記憶装置と、
前記共有フォルダ内の前記ファイルの中から添付ファイルの指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記添付ファイルを前記共有フォルダから取得する第1の取得手段と、
原稿を読み取り画像ファイルを取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段および前記第2の取得手段が取得したファイルのサイズを合計して合計サイズとする合計手段と、
前記合計サイズが所定の設定値を超えたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記合計サイズが前記所定の設定値を超えたと判定したとき、サイズオーバーをユーザに通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とするメール送信装置が提供される。
【0008】
ここで、添付ファイルは、共有フォルダ内の指定されたファイルや、原稿をスキャンして取得した画像ファイルなどである。また、合計手段は、メール本文のサイズも合計することができる。また、メールに添付されるファイルは、たとえば、送信前にMIME形式に変換されるが、このときファイルサイズが約1.5倍になるので、所定の設定値の設定において、予めこのサイズ増加分を考慮しておくこともできる。すなわち、所定の設定値が設定されたとき、その値を2/3にした値を設定値とする。
【0009】
この発明によれば、添付ファイルに制限を設け、ユーザにサイズオーバーを通知することで、サイズオーバーによる送信エラーを防止可能なメール送信装置が提供される。
【0010】
上記メール送信装置において、前記第2の取得手段は、前記判定手段が、前記合計サイズが前記所定の設定値を超えたと判定したとき、前記原稿の読み取りを停止することができる。
【0011】
この構成によれば、添付ファイルのサイズがオーバーしたとき、原稿の読み取りを停止することができるので、ユーザにサイズオーバーを認識させることができるとともに、無駄に原稿の読み取りを行わずに済むので、使い勝手が向上する。
【0012】
上記メール送信装置において、メールの宛先、および前記宛先のサーバの受信制限容量を対応付けて記憶するアドレス帳を含むことができ、前記判定手段は、前記アドレス帳にアクセスし、前記メール送信手段がメール送信する宛先に対応する前記受信制限容量を前記所定の設定値として判定することができる。
この構成によれば、宛先のメールサーバの受信メール制限容量を登録することができるので、メールサーバにおけるメール受信時のサイズオーバーによるエラーを防止することが可能となり、装置の信頼性が向上する。
【0013】
上記メール送信装置において、自装置の制限として前記添付ファイルの送信制限値を有し、前記判定手段は、前記宛先に対応する前記受信制限容量と、前記送信制限値を比較して、小さい方を前記所定の設定値として使用することができる。
【0014】
上記メール送信装置において、前記記憶装置は、前記メール送信装置とネットワークを介して接続された外部の記憶装置を含むことができ、前記第1の取得手段は、前記ネットワークを介して前記外部の記憶装置の前記共有フォルダから前記添付ファイルを取得することができる。
この構成によれば、添付ファイルを、メール送信装置内部の記憶装置および外部の記憶装置の共有フォルダから指定して取得することができる。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サイズオーバーによる送信エラーを防止可能なメール送信装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0018】
(第一の実施の形態)
本発明の実施の形態に係るメール送信装置(メール送信装置100)は、メールにファイルを添付して送信するメール送信手段(メール送信部104およびインタフェース部102)を備えたメール送信装置であって、少なくとも一つのファイルを格納する共有フォルダ(共有フォルダ52)を含む記憶装置(記憶装置50)と、共有フォルダ内のファイルの中から添付ファイルの指定を受け付ける受付手段(操作受付部110)と、受付手段が受け付けた添付ファイルを共有フォルダから取得する第1の取得手段(ファイル取得部112)と、原稿を読み取り画像ファイルを取得する第2の取得手段(ファイル取得部112)と、第1の取得手段および第2の取得手段が取得したファイルのサイズを合計して合計サイズとする合計手段(サイズ取得部116および合計部118)と、合計サイズが所定の設定値を超えたか否かを判定する判定手段(判定部120)と、判定手段が合計サイズが所定の設定値を超えたと判定したとき、サイズオーバーをユーザに通知する通知手段(通知部122)と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るメール送信装置100を示す機能ブロック図である。メール送信装置100は、インターネットファックスや、MFPなどのネットワーク複合機であり、スキャナで読み取った原稿と、共有フォルダ内のファイルを添付してメール送信可能な装置である。
【0020】
なお、図1において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0021】
また、メール送信装置100の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0022】
メール送信装置100は、インタフェース部102と、メール送信部(図中、「送信部」と示す)104と、操作受付部110と、ファイル取得部112と、添付ファイル格納部114と、サイズ取得部116と、合計部118と、判定部120と、通知部122と、送信指示受付部124と、を含む。
【0023】
インタフェース部102は、ネットワーク1上のメールサーバ20や記憶装置50にアクセスするための通信処理を行う。メール送信部104は、メールを作成し、送信する。送信されたメールは、ネットワーク1上のメールサーバ20を介して宛先の端末にて受信される。
【0024】
操作受付部110は、メール送信装置100のユーザから各種設定および入力等の指示を受け付ける。操作受付部110は、たとえば、操作パネル(不図示)に設けられた操作ボタン、スイッチ、レバー、キーボード、タッチパネルなどである。ここでは、操作受付部110は、メールに添付するファイルの指定や、スキャナなどによる原稿の読み取り開始指示、メール送信指示などを受け付ける。
【0025】
ファイル取得部112は、操作受付部110が指定したファイルを取得し、添付ファイル格納部114に一時的に格納する。操作受付部110およびファイル取得部112の詳細については後述する。
【0026】
サイズ取得部116は、操作受付部110によって受け付け、ファイル取得部112が取得したファイルのサイズを取得する。合計部118は、サイズ取得部116が取得したファイルサイズを合計して合計サイズとして得る。判定部120は、合計部118が合計した合計サイズが所定の設定値を超えたか否かを判定する。ここで、設定値は、たとえば、自装置の制限としてファイルの送信制限値、ここでは、10MBとすることができる。
【0027】
通知部122は、判定部120において、合計サイズが所定の設定値を超えたと判定したとき、サイズオーバーをユーザに通知する。通知は、たとえば、操作パネル(不図示)などの液晶表示部(不図示)にメッセージを表示したり、ランプ(不図示)やLED表示器(不図示)などを点灯点滅させたり、あるいは、スピーカ(不図示)から音声出力したりして通知することができる。
【0028】
送信指示受付部124は、ユーザからメール送信の指示を受け付ける。たとえば、メールの宛先の指定や件名、本文などの入力を受け付けるとともに、作成されたメールを送信する指示を受け付け、メール送信部104に受け渡す。
【0029】
図2は、図1のメール送信装置100の要部構成を示す機能ブロック図である。メール送信装置100において、操作受付部110は、ファイル指定受付部130およびスキャン開始受付部134を含み、ファイル取得部112は、ファイル読込部132およびスキャン部136を含む。
【0030】
ファイル指定受付部130は、ネットワーク1上の記憶装置50の共有フォルダ52内のファイルの中から添付するファイルの指定を受け付ける。ファイル読込部132は、ファイル指定受付部130が受け付けたファイルをネットワーク1を介して共有フォルダ52から読み込み、添付ファイル格納部114に格納する。
【0031】
スキャン開始受付部134は、操作パネル上のスタートキーの押下を受け付ける。スキャン部136は、スキャン開始受付部134がスタートキーの押下を受け付けたとき、原稿の読み取りを開始する。読み取った原稿の画像ファイルは添付ファイル格納部114に格納される。
【0032】
また、メール送信装置100は、停止指示部140を含む。停止指示部140は、判定部120が、添付ファイルの合計サイズが所定の設定値を超えたと判定したとき、原稿の読み取りの停止をスキャン部136に指示する。なお、本実施形態において、判定部120における合計サイズの判定は、共有フォルダ52からのファイル指定の場合はファイル単位に行われ、スキャン部136による原稿読み取りの場合は、1ページ単位で行われるものとする。
【0033】
また、本実施形態のメール送信装置100において、共有フォルダ52からのファイル指定が先に行われた後、スキャン部136による原稿読み取りが開始され、読み取り後に自動的にメールが送信されるものとする。
【0034】
また、共有フォルダ52からのファイル指定時に合計サイズが設定値を超えたと判定された場合は、ファイル読込部132が最後に指定された添付ファイルの指定を解除し、添付ファイル格納部114からファイルを削除する。また、スキャン部136による原稿読み取り時に合計サイズが設定値を超えたと判定された場合、スキャン部136が最後に読み取った原稿のイメージデータを添付ファイル格納部114から削除する。
【0035】
このように構成されたメール送信装置100の動作について、以下に説明する。図3は、本実施形態のメール送信装置100の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、共有フォルダ52内のファイルの中から添付するファイルを指定した後、原稿をスキャン部136により読み取る場合について説明する。また、本実施形態のメール送信装置100において、原稿の読み取り後は自動的にメール送信処理が行われるものとする。
【0036】
まず、スキャン開始受付部134がスタートキーの押下を受け付けたか否かが判定される(S11)。スタートキーが押下されない場合(S11のNO)、ファイル指定受付部130が添付ファイルの指定を受け付けたか否かが判定される(S13)。指定を受け付けない場合(S13のNO)、ステップS11に戻る。一方、指定を受け付けた場合(S13のYES)、ファイル読込部132は、インタフェース部102を介して記憶装置50の共有フォルダ52から指定されたファイルを読み込み、添付ファイル格納部114に格納するとともに、サイズ取得部116が添付ファイルのサイズを取得する(S15)。
【0037】
つづいて、合計部118が添付ファイルのサイズを合計し、合計サイズとして記憶する(S17)。つづいて、判定部120が、合計サイズが所定の設定値を超えたか否かを判定する(S19)。合計サイズが設定値を超えていない場合(S19のNO)、ステップS11に戻る。合計サイズが設定値を超えた場合(S19のYES)、通知部122が、サイズオーバーであることを示すエラーメッセージを表示部に表示する(S21)。
【0038】
つづいて、ファイル読込部132が、最後に指定されたファイルの添付指定をキャンセルし、添付ファイル格納部114から該当ファイルを削除する(S23)。つづいて、送信指示受付部124が、送信キャンセル指示を受け付けたか否かが判定される(S25)。送信キャンセル指示を受け付けた場合(S25のYES)、処理を終了する。送信キャンセル指示を受け付けていない場合(S25のNO)、ステップS11に戻る。
【0039】
ここまでの動作で、複数の添付ファイルの指定が終了し、合計サイズが8MBに達しているものとする。ステップS11に戻り、スキャン開始受付部134がスタートキーの押下を受け付けたとき(S11のYES)、スキャン部136が原稿の読み取りを開始する(S31)。つづいて、先に指定済みの添付ファイルと、原稿を読み取って取得した画像ファイルのサイズの合計が、所定の設定値を超えたか否かを判定する(S33)。ここで、合計サイズの判定は、スキャン部136が原稿を1ページ読み取る毎に行うものとする。
【0040】
合計サイズが設定値を超えていない場合(S33のNO)、スキャン部136が読み取り終了したか否かを判定する(S35)。読み取りが終了していない場合(S35のNO)、ステップS33に戻り、1ページ読み取る毎に、合計サイズの判定が行われる。
【0041】
合計サイズが設定値を超えた場合(S33のYES)すなわち、合計サイズが10MBを超えたとき、停止指示部140がスキャン部136に読み取り停止を指示し、スキャン部136が読み取り中止する(S41)。このように、合計サイズが設定値を超えたとき、原稿の読み取りが停止するので、ユーザはサイズオーバーを認識できる。これにより、ここまでの原稿を送信した後、再度、原稿をセットして読み取り開始させてメール送信することができる。
【0042】
つづいて、スキャン部136が、読み取られたページ数が1ページ以上あるか否かを判定する(S43)。1ページ以上読み取られた場合(S43のYES)、通知部122が、読み取りできたページまでを添付してメール送信するか否かをユーザに尋ねるメッセージを表示部(不図示)に表示する(S45)。一方、1ページも読み取られていない場合(S43のNO)、通知部122が、共有フォルダ52から指定された添付ファイルのみを送信するか否かを尋ねるメッセージを表示部に表示する(S47)。
【0043】
ステップS45およびステップS47の後、送信指示受付部124が送信指示を受け付けたか否かを判定する(S51)。送信指示受付部124が送信指示を受け付けた場合(S51のYES)、メール送信部104が、添付ファイル格納部114に格納されているファイルを添付ファイルとしてインタフェース部102を介してネットワーク1上のメールサーバ20に送信し(S55)、処理を終了する。一方、送信指示受付部124が送信指示を受け付けない場合(S51のNO)、送信指示受付部124が送信キャンセルを受け付けたか否かを判定する(S53)。
【0044】
送信指示受付部124が送信キャンセルを受け付けた場合(S53のYES)、処理を終了する。送信指示受付部124が送信キャンセルを受け付けていない場合(S53のNO)、ステップS51に戻る。また、ステップS35で、スキャン部136が読み取り終了と判定したとき(S35のYES)、ステップS55に進み、添付ファイル格納部114に格納されたファイルが添付されて、メールが送信され、処理を終了する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のメール送信装置100によれば、添付ファイルに制限を設け、ユーザにサイズオーバーを通知することで、サイズオーバーによる送信エラーを防止することができる。また、本実施形態のメール送信装置100によれば、添付ファイルのサイズがオーバーしたとき、原稿の読み取りを停止することができるので、ユーザにサイズオーバーを認識させることができるとともに、無駄に原稿の読み取りを行わずに済むので、使い勝手が向上する。
【0046】
(第二の実施の形態)
図4は、本発明の他の実施の形態に係るメール送信装置100の要部構成を示す機能ブロック図である。本実施形態のメール送信装置100は、上記実施形態とは、添付ファイルの合計サイズの判定に使用する設定値を、自装置の送信制限値と、宛先装置の受信制限値の両方を用いる点で相違する。
【0047】
メール送信装置100は、上記実施形態のメール送信装置100の構成要素に加え、アドレス帳150と、宛先受付部152と、受信制限値決定部154と、送信制限値記憶部156と、比較部158と、を含む。
【0048】
アドレス帳150は、図5に示すように、宛先(図中、「Name」と示す)と、メールアドレス(図中、「Adderess」と示す)と、宛先の受信制限値(図中、「Size」と示す)と、を記憶する。すなわち、宛先のサーバの受信許容量が分かっている場合、その値を受信制限値として設定することができる。
【0049】
宛先受付部152は、メールの宛先を受け付ける。受け付けた宛先は、受信制限値決定部154およびメール送信部104に受け渡される。受信制限値決定部154は、アドレス帳150にアクセスし、宛先受付部152が受け付けた宛先の受信制限値を取得する。送信制限値記憶部156は、自装置の送信制限値を記憶する。この制限値は、自装置のメモリ容量の制限あるいは、メールサーバの容量制限の何れか小さい方が記憶される。比較部158は、受信制限値決定部154が取得した受信制限値と、送信制限値記憶部156の送信制限値と、を比較し、小さい方を設定値として採用し、判定部120に通知する。判定部120は、比較部158から通知された設定値を用いて、合計サイズの判定を行う。
【0050】
このように構成された本実施形態のメール送信装置100の動作について説明する。ここでは、送信制限値記憶部156には、予め送信設定値として10MBが記憶されているとする。まず、宛先受付部152が宛先「CCC」を受け付けると、受信制限値決定部154がアドレス帳150にアクセスし、受信制限値の5MBを取得する。つづいて、比較部158が、送信設定値10MBと受信制限値5MBを比較して、受信制限値5MBの方が小さいので、5MBを設定値として採用する。判定部120は、この設定値5MBを使用して、合計サイズの判定を行う。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のメール送信装置100によれば、宛先のメールサーバの受信メール制限容量を登録することができるので、メールサーバにおけるメール受信時のサイズオーバーによるエラーを防止することが可能となり、装置の信頼性が向上する。
【0052】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0053】
たとえば、合計部118は、メール本文のサイズも合計することができる。また、メールに添付されるファイルは、たとえば、送信前にMIME形式に変換されるが、このときファイルサイズが約1.5倍になるので、所定の設定値の設定において、予めこのサイズ増加分を考慮しておくこともできる。すなわち、所定の設定値が設定されたとき、その値を2/3にした値を設定値とする。
【0054】
この構成によれば、より正確に送信メールサイズを制限することが可能となり、送信エラーの発生を低減することが可能となり、装置の信頼性が向上する。
【0055】
また、上記実施の形態において、合計サイズが設定値を超えた場合、原稿の読み取りを中止する構成について記載したがこれに限定されない。たとえば、原稿の読み取りは停止せずに、サイズオーバーしたことを通知し、合計サイズが設定値以内の添付ファイルのみを添付してメールを送信した後、サイズオーバーした分の原稿のデータを分割して添付ファイルとして、後で送信するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施の形態において、ファイル読込部132は、ネットワーク1を介してメール送信装置100に接続された外部の記憶装置50から共有フォルダ52を読込取得する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、共有フォルダ52を格納する記憶装置50は、メール送信装置100の内部に設けられてもよい。この構成によれば、ファイル読込部132は、ネットワーク1およびインタフェース部102を介さず、直接記憶装置50から共有フォルダ52を読み出して取得することでができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係るメール送信装置を示す機能ブロック図である。
【図2】図1のメール送信装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1のメール送信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るメール送信装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図4のメール送信装置のアドレス帳の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ネットワーク
20 メールサーバ
50 記憶装置
52 共有フォルダ
100 メール送信装置
102 インタフェース部
104 メール送信部
110 操作受付部
112 ファイル取得部
114 添付ファイル格納部
116 サイズ取得部
118 合計部
120 判定部
122 通知部
124 送信指示受付部
130 ファイル指定受付部
132 ファイル読込部
134 スキャン開始受付部
136 スキャン部
140 停止指示部
150 アドレス帳
152 宛先受付部
154 受信制限値決定部
156 送信制限値記憶部
158 比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールにファイルを添付して送信するメール送信手段を備えたメール送信装置において、
少なくとも一つのファイルを格納する共有フォルダを含む記憶装置と、
前記共有フォルダ内の前記ファイルの中から添付ファイルの指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記添付ファイルを前記共有フォルダから取得する第1の取得手段と、
原稿を読み取り画像ファイルを取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段および前記第2の取得手段が取得したファイルのサイズを合計して合計サイズとする合計手段と、
前記合計サイズが所定の設定値を超えたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記合計サイズが前記所定の設定値を超えたと判定したとき、サイズオーバーをユーザに通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とするメール送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメール送信装置において、
前記第2の取得手段は、前記判定手段が、前記合計サイズが前記所定の設定値を超えたと判定したとき、前記原稿の読み取りを停止することを特徴とするメール送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメール送信装置において、
メールの宛先、および前記宛先のサーバの受信制限容量を対応付けて記憶するアドレス帳を含み、
前記判定手段は、前記アドレス帳にアクセスし、前記メール送信手段がメール送信する宛先に対応する前記受信制限容量を前記所定の設定値として判定することを特徴とするメール送信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のメール送信装置において、
自装置の制限として前記添付ファイルの送信制限値を有し、
前記判定手段は、前記宛先に対応する前記受信制限容量と、前記送信制限値を比較して、小さい方を前記所定の設定値として使用することを特徴とするメール送信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載のメール送信装置において、
前記記憶装置は、前記メール送信装置とネットワークを介して接続された外部の記憶装置を含み、
前記第1の取得手段は、前記ネットワークを介して前記外部の記憶装置の前記共有フォルダから前記添付ファイルを取得することを特徴とするメール送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−154894(P2006−154894A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340066(P2004−340066)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】