モータ付属の仕切り構造、真空用モータ
【課題】真空側空間に不純物ガスを放出しないモータ付属の仕切り構造を提供する。
【解決手段】前記開口部と前記透過板との間において、高圧側から低圧側に向かって前記固着部材、前記密閉部材の順に設けられてなる。
【解決手段】前記開口部と前記透過板との間において、高圧側から低圧側に向かって前記固着部材、前記密閉部材の順に設けられてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに付属する仕切り構造、真空モータに係り、真空下で構成部材から発生したガスの漏洩を防止できる真空用モータと真空用ロボットに用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、マルチチャンバ型のCVD装置などの真空装置には、仕込・取出室や処理室などの間で被成膜物を搬送するための搬送装置が備えられている。こうした搬送装置は、例えば基板を支持して動かすローラや、このローラを回転させるモータなどから構成されている(例えば、特許文献1参照)。従来、搬送装置に用いられるモータは、真空環境となるチャンバの外側、即ち外気に接するところに配置され、モータシャフト(回転軸)をチャンバの中に配されたローラに接続することによって、チャンバ内のローラを回転させていた。このため、モータシャフトがチャンバの壁面を突き抜ける部分には、チャンバ内の気密を保つための気密シールが設けられた構造が知られている。
【0003】
しかし、搬送装置のモータをチャンバ外に設置して、気密シールを介してモータシャフトをチャンバ内のローラに接続する構造では、搬送装置全体が大型化してしまい、真空装置の小型化の障害となっていた。また、モータシャフトとチャンバ壁面との間に気密シールが必要になるなど構造が複雑化するといった課題もあった。さらに、こうした気密シールはモータシャフトの回転数が500rpm程度までしかチャンバ内の気密を保つことができず、モータの回転数を例えば2000〜3000rpm程度まで高めて被成膜物を高速搬送する際の障害となっていた。また、チャンバ壁面に対して、モータの設置位置が制限され、真空装置内におけるモータ等のレイアウトの自由度が制限されてしまうので、これを改善したいという要求がある。
【0004】
このため、真空装置において搬送装置の真空モータをチャンバの内部に配置する真空モータも知られている(例えば、特許文献2参照)。モータをチャンバの内部に配置することによって、モータシャフトとチャンバ壁面との間の気密シールが不要になり、構成を簡単にして真空装置の小型化が可能になるとともに、チャンバ内部の気密を保ちつつモータの回転数を高めて被成膜物の高速搬送が可能になる。
【0005】
しかし、モータ回転軸の回転位置を検出するサーボモータなどにおいて、位置検出をおこなうセンサは真空側からの信号を読み取る必要があり、このため、センサが真空に曝される。
【0006】
特許文献3では、センサのモールド樹脂に発ガスの低いエポキシ樹脂を用いる技術が開示されているが、モールド樹脂からの発ガスをゼロにすることは困難であり、真空排気装置に接続された空間には不純物ガスが放出されていた。
放出されたガスは基板が移動・載置される真空槽内に拡散し、基板に付着したり、真空槽の内壁面に付着するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−339920号公報
【特許文献2】特開2007−277617号公報
【特許文献3】特開2002−281725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、真空排気装置に接続された減圧側空間に不純物ガスを放出しないモータ付属の仕切り構造、真空用モータさらに、真空用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のモータに付属する仕切り構造は、モータ回転軸および該回転軸の回転を検知するための回転検知板が配置される低圧側の駆動空間と、
前記回転検知板の回転状態を検知するセンサが配置される高圧側のセンサ空間と、
前記センサによる前記回転検知板の回転状態を検知可能とするように前記駆動空間と前記センサ空間との境界部材に設けられる開口部(開口)とが設けられ、
これら駆動空間と前記センサ空間とを密閉するためモータに付属する仕切り構造であって、
前記仕切り構造が、前記開口部に嵌め込まれる非磁性体からなる透過板と、該透過板を前記境界部材に固着する固着部材と、前記透過板と前記境界部材との間を密閉する密閉部材と、を有し、
前記開口部と前記透過板との間において、高圧側から低圧側に向かって前記固着部材、前記密閉部材の順に設けられてなることを特徴とする。
本発明は、前記透過板が高圧側から低圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることができる。
本発明は、前記境界部材における前記開口部の周囲には高圧側に凹部が周設され、この凹部内に前記透過板が設けられて、この凹部内の低圧側に密閉部材が前記透過板と密着するように設けられ、凹部内の高圧側に前記固着部材が配されて前記透過板を固定してなることができる。
本発明は、前記透過板が低圧側から高圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることができる。
本発明は、前記境界部材が、前記センサのケース部材とされてなる部分を有することが可能である。
本発明は、前記固着部材が接着剤とされ、前記密閉部材がOリングとされることができる。
本発明は、前記センサが光学式センサとされ、前記透過板がガラス板とされることができる。
本発明は、前記センサが磁気式センサとされ、前記透過板が非磁性金属板とされることを特徴とすることができる。
【0010】
本発明の真空用モータは、また、円筒形状の筒部材と、前記筒部材の内側に前記筒部材と同軸状に配置された回転軸と、前記回転軸の外周側面に設けられた磁石と、前記磁石の外側に前記磁石と対向して配置されたコイルと、リング形状の板であり、リングの穴には前記回転軸が挿通され、表面には信号を生成する符号が前記回転軸の中心軸線を中心とする円周に沿って配置された回転検知板(回転板)と、前記回転検知板の前記表面と対向して配置され、前記信号を検出できるセンサと、を有し、前記回転板が配置された空間は真空排気装置に接続されて真空排気される真空用モータであって、
内部に前記センサが配置され、前記センサと対向する部分には開口が設けられたセンサ室(センサ空間)と、前記開口に配置され、前記信号を透過する透過窓と、を有し、
前記透過窓は前記開口を塞ぐように設けられ、前記センサ室の内部空間は前記回転板が配置された空間から分離された上記のいずれか記載のモータ付属の仕切り構造を有することができる。
本発明は真空用モータであって、前記符号は、第一信号を生成する第一領域と、第二信号を生成する第二領域とで構成され、前記センサは前記第一、第二信号を検出できることもある。
本発明は真空用モータであって、前記センサは磁気抵抗累子牽有し、前記第一、第二信号は互いに向きが異なる磁気信号であり、前記透過窓は非磁性体からなることができる。
本発明は真空用モータであって、前記回転軸の中心軸線は、前記回転板の前記表面が位置する平面に対して直角に向けられたことができる。
本発明は真空用モータであって、前記符号は第一、第二の値を有し、前記第一、第二の値は前記円周に沿って交互に等間隔に配置されたことができる。
本発明は真空用モータであって、前記符号は前記円周に沿った位置毎に互いに異なる値にされたことができる。
【0011】
本発明の真空処理装置は、上記のいずれか記載の真空用モータと、
真空槽と、該真空槽内で被処理基板を搬送する搬送ローラとを有し、前記真空用モータが前記搬送ローラに駆動することができる。
本発明の真空用ロボットは、上記のいずれか記載の真空用モータと、真空槽と、真空槽内を真空排気する真空排気装置と、基板を保持する腕部と、を有し、前記真空用モータの前記筒部材の一端は前記真空槽に設けられた挿入口に接続され。前記回転軸の一端は前配挿入口を通って前記真空槽内に挿入され、前記腕部は前記真空槽内に配置され、前記回転軸の前記一端に取り付けられたことができる。
【発明の効果】
【0012】
真空処理装置等において、真空排気装置に接続された空間と、センサが配置される空間とが分離されるので、真空排気装置に接続された空間に不純物ガスは放出されず、真空排気装置に後続された空間を清浄に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第3実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第4実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第5実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の第一例の真空用モータの内部構成図である。
【図7】第一例の真空用モータの回転板の平面図である。
【図8】本発明の真空用ロボットの内部構威図である。
【図9】本発明の第二例の真空用モータの内部構成図である。
【図10】第二例の真空用モータの回転板の平面図である。
【図11】本発明の第三例の真空用モータの内部構成図である。
【図12】本発明の第四例の真空用モータの内部構成図である。
【図13】本発明の真空装置内のモータ配置例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図であり、図において、符号12は、モータの回転軸である。
【0015】
本実施形態のモータに付属する仕切り構造は、後述するようにモータに設けられ、図1に示すように、モータ回転軸(回転軸)12および該回転軸12の回転を検知するための回転検知板M21が配置される低圧(真空)側の駆動空間M01と、回転検知板M21の回転状態を検知するセンサM22が配置される高圧側のセンサ空間M24とを有するモータにおいて、センサM22による回転検知板M21の回転状態を検知可能とするように駆動空間M01と前記センサ空間M22との境界部材M11に設けられる開口部M02とが設けられている。
【0016】
本実施形態のモータに付属する仕切り構造において、開口部M02には、透過板M23が嵌め込まれて、駆動空間M01とセンサ空間M24とを密閉している。
この仕切り構造は、前記開口部に嵌め込まれる非磁性体からなる透過板M23と、透過板M23を境界部材M11に固着する固着部材M03と、透過板M23と境界部材M11との間を密閉する密閉部材M04とを有する。
【0017】
開口部M02には、段差面M021を有する段差が設けられ、開口部M02は駆動空間M01側に比べセンサ空間M24側が拡径するように凹部を形成している。
透過板M23開口部M02はセンサ空間M24側に比べ駆動空間M01側が縮径するように段差を有し、この段差面M021に接着剤とされる固着部材M03が密着するように設けられ、段差面M021の駆動空間M01側にOリングとされる密閉部材M04が配されて該透過板M23を固定している。なお、Oリングとされる密閉部材M04を収納するための溝は境界部材M11に図示していない。
【0018】
つまり、開口部M02に嵌め込まれた透過板M23には、高圧側であるセンサ空間M24から低圧側である駆動空間M01に向かって固着部材M03、密閉部材M04の順に設けられている。
【0019】
透過板M23は、センサM22が検知する回転検知板M21からの信号を透過可能であればよく、センサM22が磁気式とされる場合には非磁性金属、センサM22が光学式である場合にはガラス等の光透過性を有するものとされる。
なお、本実施形態において、駆動空間M01とセンサ空間M24とは、圧力差を有する状態であればよく、真空状態と、大気圧状態であるとは限らない。特に、駆動空間M01とセンサ空間M24とのどちらかが、少なくとも発ガス性に影響のある減圧側とされ、かつ、駆動空間M01とセンサ空間M24とにおいてにおける圧力差があるものとされる。
【0020】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、固着部材に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
本実施形態においては、第1実施形態における接着剤の代わりに、固着部材としてネジM031が採用されている。このネジM031は透過板M23の段差面M021よりもセンサ空間M24側の位置で、かつ、低圧側であるセンサ空間M24側に透過板M23を貫通するように設けられ、対応する境界部材に設けられた雌ネジに螺合することで透過板M23を固着している。これにより、センサM22が透過板M23に接触するように配置でき、センサM22が回転検知板M21から遠くなり検知感度が低下することあるいは検知が不正確になることを防止できる。
【0022】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、開口形状に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0023】
本実施形態においては、第1実施形態における段差の代わりに、開口部M02が球面状となっており、透過板M23の外面形状も球面とされている。つまり、開口M02そのものが凹部を形成している。また、センサM22と透過板M23とが一体とされており、透過板M23のセンサ空間M24側の位置に接着剤とされる固着部材M03が設けられてセンサM22および透過板M23が固着されており、これよりも駆動空間M01側にOリングとされる密閉部材M04が設けられる。これにより、センサM22と回転検知板M21とをより一層近づけて、検知感度が低下することあるいは検知が不正確になることを防止できる。
【0024】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、境界部材に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】
本実施形態においては、第1実施形態における境界部材M11が、センサM22のケース部材を兼ねており、また、センサM22と透過板M23とケースM11Cとが一体とされている。
センサM22は、ケースM11C内部に収納されており、その一端には開口M02が設けられ、透過板M23が嵌合されている。また、ケースM11Cの他端には、拡径するフランジM11Bが設けられ、これが貫通孔M11A周縁の境界部材に当接することで、境界部材M11に設けられた貫通孔M11Aに嵌め込まれたケースM11Cを境界部材M11に固定している。境界部材M11のフランジM11Bに接触する位置には、OリングM11Dが設けられ、ケースM11Cと境界部材M11との間のシールを維持している。また、ケースM11Cの他端は、封止部材M11Eによって閉塞されている。これにより、センサM22と回転検知板M21とをより一層近づけて、検知感度が低下することあるいは検知が不正確になることを防止できる。
【0026】
第4実施形態において、センサM22の発ガス性が充分低い場合、またはケースM11Cの防ガス性能が充分高い場合、には、センサM22を低圧側である駆動空間M01に連通する位置に配置することもできる。
【0027】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、開口形状に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0028】
本実施形態においては、第1実施形態における段差が、高圧側と低圧側とが逆になるように開口部M02が形成されている。
【0029】
開口部M02には、段差面M022を有する段差が設けられ、開口部M02はセンサ空間M24側に比べ駆動空間M01側が拡径するように凹部を形成している。
透過板M23および開口部M02は駆動空間M01側に比べセンサ空間M24側が縮径するように段差を有し、この段差面M022に接着剤とされる固着部材M03が密着するように設けられ、段差面M022の駆動空間M01側にOリングとされる密閉部材M04が配されて該透過板M23を固定している。開口部M02に嵌め込まれた透過板M23には、高圧側であるセンサ空間M24から低圧側である駆動空間M01に向かって固着部材M03、密閉部材M04の順に設けられている。
【0030】
本実施形態によれば、センサ空間M24側に比べ駆動空間M01側が拡径するように凹部を形成しているので、組み立て時に透過板M23を駆動空間M01側から開口部M02に組み付けて勘合することができるので、センサ空間M24をセンサM22と同程度の大きさに設定して、センサ空間M24のみを真空雰囲気内に設置して密閉することが容易となる。
【0031】
これらの各実施形態によれば、センサM22からのガス放出量を低減でき、また、ガスの中に含まれる不純ガスを低減できる。これにより、モータの設けられる空間の真空雰囲気を清浄に保つことができ、例えば、真空装置とされる空間内で搬送されるガラス基板やウエハの表面を汚染することがない。
加えて、センサM22と回転検知板M21の間隔を小さくできるので、センサM22の位置検出感度が向上し、真空装置内でガラス基板やウエハを位置精度良く搬送することが可能となる。
【0032】
透過板M23を接着剤のみで固定した場合は、接着不良により、真空の気密が保てない場合や、接着剤から発ガスするおそれがあるが、本発明の各実施形態では、透過板M23固定力は接着剤とされる固着部材M03で維持し、シール性は弾性体シールである密閉部材M04で維持しているので、開口部M02付近の構造が単純となり、安定したシール性能のセンサユニット、真空モータとすることができる。
【0033】
以下に、本発明におけるモータ付属の仕切り構造の設けられるモータの例を詳細に説明する。
【0034】
<第一例の真空用モータの構造>
本発明の第一例の真空用モータ10aの構造を説明する。
図6は第一例の真空用モータ10aの内部構成図であり、図7は回転板21aの一例の平面図である。
第一例の真空用モータ10aは、図6,図7に示すように、円筒形状の筒部材11と、筒部材11の内側に筒部材11と同軸状に配置された回転軸12と、回転軸12の外周側面に設けられた磁石14と、磁石14の外側に磁石14と対向して配置されたコイル15とを有している。
【0035】
本実施例では、筒部材11の内周側面には回転軸12側に突出する接触部111、112が設けられ、接触部111、112と回転軸12との間には球状部材191、192が配置されている。回転軸12は球状部材191、192を介して接触部111、112に支持されておリ、回転軸12の中心軸線は筒部材11の中心軸線からずれないようになっている。
回転軸12に中心軸線を中心とする回転力が加わると、回転軸12は中心軸線を中心に回転できるようになっている。各球状部材191、192は接触部111、112と回転軸12とにそれぞれ点で接触されており、回転軸12が中心軸線を中心に回転すると、各球状部材191、192は回転軸12の中心軸線を中心に回転しながらそれぞれ自転して、接触部接触部111、112と回転軸12との間に摩擬がかからないようになっている。そのため、接触部111、112の表面と回転軸12の表面とが麿耗して不純物(ダスト)が発生することが防止される。
【0036】
磁石14にはここでは表面がNiメッキされたものが用いられる、Niメッキにより磁石14の表面が酸化又は腐食することが防止され、磁石14の表面から不純物(ダスト)が発生しないようになっている。
磁石14は回転軸12の外周側面に固定されている。
磁石14の外側にはコイル室16が配置され、コイル15はコイル室16内に配置されている。
【0037】
ここではコイル室16は、椀状のコイル室蓋部材17を有している。コイル室蓋部材17の緑部は筒部材11の内側側面に環状に密着して固定され、コイル室16の内部空間は磁石14が配覆された空間から分離されている。
そのため、コイル15が発熱して、コイル15の導線の被覆や、コイル15の導線を固定しているワニスやモールド材からガスが放出されても、放出されたガスは磁石14が配置された空間に拡散しないようになっている。
【0038】
コイル室蓋部材17は非磁性体であり、ここではアルミニウムが用いられ、コイル15と磁石14との間の部分の厚みは1mm以下にされている。コイル15と磁石14との間の部分の厚みは薄い方が、コイル15と磁石14との間の聞隔が狭くなり、相互の磁気結合力を大きくできるため好ましい。
コイル15にはコイル用電源18が電気的に接続されている。
コイル用電源18からコイル15に電流を流すと、コイル15が形成する磁力線が磁石14を貫通して、磁石14は回転力を受け、回転軸12と一緒に回転軸12の中心軸線を中心として回転するようになっている。
【0039】
第一例の真空用モータ10aは、回転舳12の回転角度を検知する回転検知部30aを有している。
回転検知部30aは、回転検知板21aとセンサ22aとを有している。
なお、センサM22はセンサ22a、回転検知板M21は回転板21a、センサ空間M24はセンサ室24a、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23aにそれぞれ対応する。
【0040】
回転板21aは、図7に示すように、リング形状の板であり、表面には信号を生成する符号が回転板21aの中心を中心とする円周に沿って配置されている。
本実施例では、符号は第一信号を生成する第一領域51と第二信号を生成する第二領域52とで構成されているが、第一〜第N信号を生成する第一〜第N領域(Nは3以上の自然数)で構成されている場合も本発明に含まれる。
【0041】
ここでは回転板21aは厚み方向に磁化された磁性体の板であり、第一領域51には開口が設けられ、第二領域52は開口以外の遮蔽部分で構成されている。
従って、第一領域51はゼロの磁場(磁気信号)である第一信号を生成し、第二領域52は厚み方向の磁場(磁気信号)である第二信号を生成する。
なお、第一、第二領域51、52の個々の構造は上記構成に限定されず、互いに異なる二方向にそれぞれ磁化された部分であり、第一、第二信号は互いに向きが異なる磁場(磁気信号)であってもよい。
【0042】
ここでは、第一領域51と第二領域52は、回転板21aの中心を中心とする円周に沿って交互に等間隔に配置されており、第一信号を第一の値とし、第二信号を第二の値とすると、第一、第二領域51、52で構成された符号は第一、第二、の値を有し、第一の値と第二の値は前記円周に沿って交互に等間隔に配置されている。
【0043】
図6を参照し、回転板(回転検知板)21aのリングの穴には回転軸12が挿通され、回転軸12の中心軸線が回転板21aの表面が位置する平面に対して直角に向けられた状態で、回転板21aは回転柚12に対して固定されている。回転板21aは回転軸12と同軸状に配置されている。
筒部材11のうち回転板21aが配置された空間(駆動空間)は磁石14が配置された空間と連通されている。
【0044】
センサ22aは、同転板21aの表面と対向して配置され、第一、第二領域51、52が生成する第一、第二信号を検出できるようになっている。
ここではセンサ22aは磁気抵抗素子31を有している。磁気抵抗素子31は、磁気信号を受けると抵抗値が磁気信号の強さや向きに応じた値に変化する素子である。
磁気抵抗素子31はモールド樹脂32で覆われて封止されており、磁気抵抗素子31にゴミや水分が付着して劣化しないようになっている。
センサ22aにはセンサ用電源27が電気的に接続されており、センサ22aは、第一、第二信号を受け取ると、第一、第二信号に応じて異なる電圧値の電気信号を出力するように構成されている。
センサ22aには制御装置28が接続されている。
制御装置28は、センサ22aが出力する電気信号を受け取ると、受け取った電気信号から回転板21aの回転角度を求めることできるように構成されている。
【0045】
ここでは制御装置28は、受け取った電気信号の電圧値の変化の立ち上がり又は立ち下がりの数を数え、隣合う二つの第一領域51の中心間の中心角又は隣り合う二つの第二領域52の中心間の中心角に数えたカウント値を積算することにより、回転板21aの回転角度を算出するように構成されている。
また制御装置28は、回転板21aの回転角度が所定角度になると、コイル用電源18に制御信号を送信してコイル15への電流供給を停止させ、回転軸12の回転を停止させるように構成されている。
回転検知部30aは、内部にセンサ22aが配置され、センサ22aの検知面と対向する部分には開口(開口部)が設けられたセンサ室(センサ空間)24aと、センサ室24aの開ロに配置され、第一、第二信号を透過する透過窓(透過板)23aとを有している。
センサ室24aはここでは椀状のセンサ室蓋部材26を有している。センサ室蓋部材26の緑部は筒部材11の内側側面と接触部111とに亘って環状に密着して固定されており、センサ室24aの開口はここでは接触部111に設けられている。
【0046】
透過窓(透過板)23aは加熱されてもガスを放出しない非磁性体からなり、第一、第二信号を透過できるようになっている。ここでは透過窓23aにはガラスが用いられるが、加熱されてもガスを放出しない非磁性体であればガラスに限定されず、例えばアルミニウムを用いることもできる。
透過窓23aはセンサ室24aの開口を塞ぐように設けられ、センサ室24aの内部空間は回転板21aが配置された空間から分離されている。
そのため、コイル15や磁石14の発熱により。センサ22aが加熱されて、モールド樹脂32からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21aが配置された空間(駆動空間)に拡散しないようになっている。
【0047】
<真空用ロボットの構造>
第一例の真空用モータ10aを用いた真空用ロボットの構造を説明する。
【0048】
図8は真空用ロボット40の内部構成図である。
真空用ロボット40は、図5、図6に示した第一例の真空用モータ10aと、真空槽41と、真空槽41内部に連通した真空排気装置42と、基板を保持する腕部43とを有している。
【0049】
真空槽41の壁面には挿入ロ45が設けられている。
真空用モータ10aの筒部材11の一端は、挿入口45の外周を取り囲んで真空槽41の壁面に環状に密着して固定され、筒部材11のうち回転板21aと磁石14とが配置される空間は挿入ロ45を介して真空槽41の内部空間と連通されている。
真空排気装置42により真空槽41内を真空排気すると、筒部材11のうち回転板21aと磁石14とが配置された空間も一緒に真空排気されるようになっている。
【0050】
回転軸12の一端は挿入口45を通って真空槽41内に揮入されており、腕部43は真空槽41内に配置され、回転軸12の前記一端に取り付けられている。回転軸12を回転軸12の中心軸線を中心に回転させると、腕部43も回転軸12と一緒に回転するようになっている。
【0051】
<真空用ロボットの使用方法>
上述の真里用ロボット40の使用方法を説明する。
真空排気装置42により真空槽41内を真空排気し、真空雰囲気を形成する。
このとき、筒部材11のうち回転板21aと磁石14とが配置された空間も真空排気され、真空雰囲気が形成される。以後、真空排気装置42による真空排気を継続して、真空槽41内の真空雰囲気と、回転板21aと磁石14とが配置された空間の真空雰囲気とを維持する。
【0052】
真空槽41内の真空雰囲気を維持しながら、真空槽41内に基板を搬入し、腕部43上に配置する。
基板を回転移動させる回転角度をあらかじめ定めておく。
制御装置28が受け取る電気信号のカウント値を初期化する(ここではゼロにする)。
コイル用電源18からコイル15に電流を流し磁力線を発生させ、発生させた磁力線を貫通させて磁石14に回転力を与え、回転軸12を回転板21aと腕部43と一緒に回転軸12の中心軸線を中心として回転させる。腕部43上の基板も回転軸12の中心軸線を中心として回転移動する。
【0053】
電流が流れたコイル15と、磁力線が貫通した磁石14はそれぞれ発熱し、コイル15と磁石14からの熱により回転板21aとセンサ22aとがそれぞれ加熱される。
磁石14と回転板21aはガスを放出する部材を有しておらず、加熱されても磁石14と回転板21aからガスは放出されない。
【0054】
一方、コイル15が加熱されると導線の被膜や導線を固定しているワニスやモールド材からガスが放出され、センサ22aが加熱されるとモールド樹脂32からガスが放出されるが、コイル室16とセンサ室24aは回転板21aと磁石14とが配置された空間から分離されており、回転板21aと磁石14とが配置された空間内にガスは拡敬しない。
そのため、挿入口45を通って真空槽41内に不純物であるガスが拡散することは起こらず、ガスが基板に付着したり、真空槽41の内壁面に付着する問題は起こらない。
【0055】
回転板2Iaが回転すると、回転板21a表面の第一、第二領域51、52はセンサ22aと対面する位置を交互に通過する。
センサ22aは回転板21aの第一、第二領域51、52と対面すると、第一、第二信号に応じた電圧値の電気信号を出力し、制御装置28は電気信号の電圧値の変化の立ち上がり又は立ち下がりの数を数えて、数えたカウント値から回転板21aの回転角度を求める。
【0056】
求めた回転板21aの回転角度が所定角度になったら、制御装置28はコイル用電源18に制御信号を送って、コイル15への電力供給を停止させ、回転軸12の回転を停止させる。
このようにして、腕部43に保持された基板は、回転軸12の中心軸線を中心に所定角度回転移動した後、静止される。
真空槽41内の真空雰囲気を維持しながら基板を真空槽41の外側に搬出し、後工程に送る。
【0057】
<第二例の真空用モータの構造>
第二例の真空用モータの構造を説明する。
【0058】
図9は第二例の真空用モータ10bの内部構成図であり、図10は回転板21bの一例の平面図である。第二例の真空用モータ10bの構造のうち、図6,図7に示す第一例の真空用モータ10aの構造と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
第二例の真空用モータ10bは、図9,図10に示すように、第一例の真空用モータ10aの回転検知部30aとは異なる構造の回転検知部30bを有している。
なお、センサM22はセンサ22b、回転検知板M21は回転板21b、センサ空間M24はセンサ室24b、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23bにそれぞれ対応する。
【0059】
第二例の真空用モータ10bの回転検知部30bの構造を脱明する。
回転検知部30bは、回転板21bとセンサ22bとを有している。
回転板21bの材質と、第一、第二領域51、52の個々の構造は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aにおける前記材質、前記構造と同様であり、説明を省略する。
【0060】
回転板21b表面での第一、第二領域51、52の配置を脱明する。
回転板21bの表面には互いに直径が異なる複数の円周R1〜R4が同心状に配置され、第一第二領域51、52は各円周R1〜R4上に円周に沿って交互に配置されている。
【0061】
回転板21bの半径方向に沿った一組の第一、第二領域51、52で一の符号が構成されている。符号53は一の符号を構成する第一、第二領域51、52の組を示している。
各符号は円周に沿った位置毎に互いに異なる値にされている。
従って、回転板21bの中心を始点とする一の半直線を基準線と呼び、基準線からの回転角度を絶対角度と呼ぶと、各符号から一の絶対角度が分かるようになっている。
【0062】
図9を参照し、回転板21bの筒部袴11内での配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの筒部材11内での配置と同様であり、説明を省略する。
センサ22bは複数の磁気抵抗素子311〜314を有している。
各磁気抵抗素子311〜314はモールド樹脂32で覆われて封止されており、磁気抵抗素子311〜314にゴミや水分が付着して劣化しないようになっている。
センサ22bは、回転板21bの表面と対向して配置され、各磁気抵抗素子311〜314は回転板21bのうち互いに異なる円周R1〜R4上に配置されている。
従って、各磁気抵抗索子311〜314は、互いに異なる円周R1〜R4上の第一、第二領域51、52からの第一、第二信号を検出できるようになっている。
【0063】
制御装置28には、符号と絶対角度との対応関孫があらかじめ記憶されている。
制御装置28は、各磁気抵抗素子311〜314が出力する電気信号を受け取ると、受け取った一組の電気信号から一の符号を構成し、あらかじめ記憶された対応関係に基づいて、回転板21bの基準線からの回転角度(絶対角度)を求めるように構成されている。
回転板21bを回転させる前後で第一、第二の絶対角度をそれぞれ求め、第二の絶対角度から第一の絶対角度を減算ずると、回転板21bの回転角度が算出される。
【0064】
回転検知部30bは、内部にセンサ22bが配置され。センサ22bの検知面と対向する部分には開口が設けられたセンサ室24bと、センサ室24bの開ロに配置され、第一、第二信号を透過する透過窓23bとを有している。
センサ室24bと透過窓23bの構遣は、第一例の真空用モータ10aのセンサ室24aと透過窓23aの構造と同様であり、説明を省略する。
センサ室24bの内部空間は回転板21bが配置された空間から分離されており、センサ22bが加熱されて、モールド樹脂32からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21bが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0065】
第二例の真空用モータ10bは上述の真空用ロボット40において第一例の真空用モータ10aの代わりに用いることができる。第二例の真空用モータ10bを有する真空用ロボットの使用方法は、上述の回転板21bの角度算出方法以外は第一例の真空用モータ10aを有する真空用ロボット40の使用方法と同様であり、説明を省陥する。
第二例の真空用モータ10bでは、第一例の真空用モータ10aと比較して、制御装置28のカウンタ値を初期化する手間が不要になるという利点がある。
また、算出した回転角度の正負の符号から回転板21bの回転方向が分かるという利点がある。
【0066】
<第三例の真空用モータの構造>
第三例の真空用モータの構造を説明する。
【0067】
図11は第三例の真空用モータ10cの内部構成図である。第三例の真空用モータ10cの構造のうち、図6,図7に示す第一例の真空用モータ10aの構造と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
第三例の真空用モータ10cは、第一例の真空用モータ10aの回転検知部30aとは異なる構造の回転検知部30cを有している。
なお、センサM22はセンサ22cおよび投光器25c、回転検知板M21は回転板21c、センサ空間M24はセンサ室24c、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23cにそれぞれ対応する。
【0068】
第三例の真空用モータ10cの回転検知部30cの構造を説明する。
回転検知部30cは、回転板21cとセンサ22cと投光部25cとを有している。
回転板21cはリング形状の板であり、表面には、第一信号を生成する第一領域と第二信号を生成する第二領域とで構成された符号が、回転板21cの中心を中心とする円周に沿って配置されている。
【0069】
本実施例では、回転板21cは表面が光を反射できるようにされた板であり、第一領域には開ロが設けられ、第二領域は開ロ以外の反射部分で構成されている。従って、第一、第二領域に光が照射されると、第一領域は光を反射せずに強度がゼロの光信号である第一信号を生成し、第二領域は光を反射して強度がゼロより大きい光信号である第二信号を生成するようになっている。
なお、第一、第二領域の個々の構造は上記構成に限定されず、互いに異なる反射率の部分であり、第一、第二信号は互いに強度が異なる光信号であってもよい。第一、第二領域は例えば反射率の異なるインクを塗布されて形成される。
【0070】
ここでは回転板21cの表面内での第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aにおける第一、第二領域51、52の配置(図7参照)と同様であり、説明を省略する。
また回転板21cの筒部材11内での配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの筒部材11内での配置と同様であり、説明を省略する。
【0071】
投光部25cとセンサ22cは、回転板21cの表面と対向して配置され、投光部25cは第一、第二領域に光を照射し、センサ22cは第一、第二領域が生成する第一、第二信号を検出できるようになっている。
投光部25cは発光素子35を有し、センサ22cは受光素子33を有している。発光素子35は電圧を印加されると発光する素子であり、受光素子33は光信号を受けると光信号の強度に応じた電圧値の電気信号を出力する素子である。
発光素子35と受光素子33はそれぞれ透明なモールド樹脂36、34で覆われて封止されており、発光素子35と受光素子33にゴミや水分が付着して劣化しないようになっている。
【0072】
投光部25cとセンサ22cにはセンサ用電源27がそれぞれ電気的に接続されている。投光部25cは電圧を印加されると第一、第二領域51、52に光を照射し、センサ22cは第一、第二信号を受け取ると第一、第二信号に応じた電圧値の電気信号を出力するようになっている。
回転検知部30cは、内部に投光部25cとセンサ22cとが配置され、投光部25cの投光面とセンサ22cの検知面とそれぞれ対向する部分に開口が設けられたセンサ室24cと、センサ室24cの開口に配置され、第一、第二信号を透過する透過窓23cとを有している。
【0073】
センサ室24cの構造は第一例の真空用モータ10aのセンサ室24aの構造と同様であり、説明を省略する。
透過窓23cは加熱されてもガスを放出しない光透過性部材からなり、第一、第二信号を透過できるようになっている。ここでは透過窓23cにはガラスが用いられるが、加熱されてもガスを放出しない光透過性部材であればガラスに限定されない。
透過窓23cはセンサ室24cの開ロを塞ぐように設けられ、センサ室24cの内部空間は回転板21cが配置された空間から分離されている。
そのため、コイル15や磁石14の発熱により、投光部25cとセンサ22cとが加熱されて、モールド樹脂36、34からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21cが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0074】
第三例の真空用モータ10cは上述の真空用ロボット40において第一例の真空用モータ10aの代わりに用いることができる。第三例の真空用モータ10cを有する真空用ロボットの使用方法は第一例の真空用モータ10aを有する真空用ロボット40の使用方法と同様であり、説明を省略する。
【0075】
上述の説明では、回転板21cの第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの第一、第二領域51、52の配置(図7参照)と同様に構成されていたが、第二例の真空用モータ10bの回転板21bの第一、第二領域51、52の配置(図10参照)と同様に構成されていてもよい。この場合には、センサ22cに複数の受光素子を設け、各受光素子を回転板21cのうち互いに異なる円周上に配置すればよい。
また、投光部25cに複数の発光素子を設け、センサ22cに発光素子と同数の複数の受光素子を設け、各発光素子と受光素子の一対ずつを回転板21cのうち互いに異なる円周上に配置してもよい。
【0076】
<第四例の真空用モータの構造>
第四例の真空用モータの構造を説明する。
【0077】
図12は第四例の真空用モータ10dの内部構成図である。第四例の真空用モータ10dの構遺のうち図6,図7に示す第一例の真空用モータ10aの構造と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
第四例の真空用モータ10dは、第一例の真空用モータ10aの回転検知部30aとは異なる構造の回転検知部30dを有している、
なお、センサM22はセンサ22dおよび投光器25d、回転検知板M21は回転板21d、センサ空間M24はセンサ室24dおよび投光室29、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23dおよび副透過窓27にそれぞれ対応する。
【0078】
第四例の真空用モータ10dの回転検知部30dの構造を説明する。
回転検知部30dは、回転板21dとセンサ22dと投光部25dとを有している。
回転板21dはリング形状の板であり、表面には、第一信号を生成ずる第一領域と第二信号を生成する第二領域とで構成された符号が、回転軸12の中心軸線を中心とする円周に沿って配置されている。
【0079】
本実施例では、回転板21dは光を遮断する板であり、第一領域には開ロが設けられ、第二領域は開ロ以外の遮蔽部分で構成されている。従って、第一、第二領域の裏面側から光が照射されると、第一領域は光を透過して強度がゼロより大きい光信号である第一信号を生成し、第二領域は光を遮断して強度がゼロの光信号である第二信号を生成する。
【0080】
なお、第一、第二領域は上記構成に限定されず、互いに異なる光透過率の部分であり、第一、第二信号は互いに強度が異なる光信号であってもよい。例えば、回転板21dは光を透過する板であり、第一領域又は第二領域には回転板21dよりも光透過率の小さいインクが塗布されて形成される。
【0081】
ここでは、回転板21dの表面内での第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aにおける第一、第二領域51、52の配置と同様であり、説明を省略する。
また回転板21dの筒部材11内での配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの筒部材11内での配置と同様であり、説明を省略する。
投光部25dとセンサ22dの構造は第三例の真空用モータ10cの投光部25cとセンサ22cの構造とそれぞれ同様であリ、説明を省略する。
【0082】
センサ22dは回転板21dの表面と対向して配置され、投光部25dは回転板21dから見てセンサ22dとは逆側に、回転板21dの裏面と対向して配置されている。投光部25dは第一、第二領域51、52の裏面側に光を照射し、センサ22dは第一、第二領域51、52が生成する第一、第二信号を検出できるようになっている。
【0083】
回転検知部30dは、内部にセンサ22dが配置され、センサ22dの検知面と対向する部分には開口が設けられたセンサ室24dと、センサ室24dの開ロに配置され、第一、第二信号を透過する透過窓23dとを有している。
【0084】
センサ室24dと透過窓23dの構造は、第三例の真空用モータ10cのセンサ室24cと透過窓23cの構造と同様であリ、説明を省略する。
コイル15や磁石14の発熱により、センサ22dが加熱されて、モールド樹脂からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21dが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0085】
また、回転検知部30dは、内部に投光部25dが配置され、投光部25dの投光面と対向する部分には開ロが設けられた投光室28と、投光室28の開口に配置され、光を透過する副透過窓27とを有している。
投光室28はここでは椀状の投光室蓋部材29を有している。投光室蓋部材29の縁部は筒部材11の内側面と環状に密着して固定されており、投光室28の開口はここでは投光室蓋部材29に設けられている。
【0086】
副透過窓27は加熱されてもガスを放出しない光透過性部材からなり、ここではガラスが用いられるが、加熱されてもガスを放出しない光透過性部材であればガラスに限定されない。
副透過窓27は投光室28の開口を塞ぐように設けられ、投光室28の内部空間は回転板21dが配置された空間から分離されている。
そのため、コイル15や磁石14の発熱により、投光部25dが加熱されて、モールド樹脂からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21dが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0087】
第四例の真空用モータ10dは上述の真空用ロボット40において第一例の真空用モータ10aの代わりに用いることができる。第四例の真空用モータ10dを有する真空用ロボットの使用方法は第一例の真空用モータ10aを有する真空用ロボット40の使用方法と同様であり、説明を省略する。
【0088】
上述の説明では、回転板21dの第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの第一、第二領域51、52の配置(図7参照)と同様に構成されていたが、第二例の真空用モータ10bの回転板21bの第一、第二領域51、52の配置(図10参照)と同様に構成されていてもよい。この場合には、センサ22dに複数の受光素子を設け、各受光素子を回転板21dのうち互いに異なる円周上に配置すればよい。
【0089】
また、投光部25dに複数の発光素子を設け、センサ22dに発光素子と同数の複数の受光素子を設け、各発光素子と受光素子の一対ずつを回転板21dのうち互いに異なる円周上に配置してもよい。
【0090】
上述の第一〜第四例の真空用モータ10a〜10dにおいて、回転軸12を中心軸線に平行な方向に移動できるように構成してもよい。光信号は磁気信号に比べて到達距離が長いため、第三、第四例の真空用モータ10c、10dでは、第一、第二例の真空用モータ10a、10bに比べて、同転軸12の中心軸線に平行な方向の移動範囲を広くすることができる。
【0091】
<真空処理装置の構造>
第一例の真空用モータ10aを用いた真空処理装置の構造を説明する。
【0092】
図13は真空処理装置C00の内部構成を示す模式図である。
真空処理装置C00は、図6、図7に示した第一例の真空用モータかこれに準じる真空モータM10と、真空モータM10が内部に配された真空槽C01と、真空槽C01内でガラス基板Gを搬送する搬送ローラM67とを有している。
真空用モータM10は、ガラス基板Gを立てた状態で搬送する搬送ローラM67を駆動するものとされ、図1に示したモータ付属の仕切り構造と同様に、真空槽C01の隔壁CCに対して回転自在に支持された回転軸12には回転検知板M21が取り付けられ、この回転を検知するセンサM22が設けられたセンサ室M24を有する。
センサ室M24内のセンサ配線は、配線密閉パイプMPによって隔壁CC外部の大気圧となる空間C00に接続されている。
【0093】
本実施形態によれば、真空処理装置C00においてセンサM24からのガス放出量を低減でき、また、ガスの中に含まれる不純ガスを低減できる。これにより、真空処理装置C00において、モータM10の設けられる内部空間C01の真空雰囲気を清浄に保つことができ、処理空間C01内で搬送されるガラス基板Gの表面を汚染することがない。
加えて、センサM22と回転検知板M21の間隔を小さくできるので、センサM22の位置検出感度が向上し、真空装置内C00でガラス基板Gを精度良く搬送することが可能となる。
【符号の説明】
【0094】
M11……境界部材
12……回転軸
M01……駆動空間
M02……開口部
M021……段差面
M022……段差面
M21……回転板
M22……センサ
M23……透過板
M24……センサ室
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに付属する仕切り構造、真空モータに係り、真空下で構成部材から発生したガスの漏洩を防止できる真空用モータと真空用ロボットに用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、マルチチャンバ型のCVD装置などの真空装置には、仕込・取出室や処理室などの間で被成膜物を搬送するための搬送装置が備えられている。こうした搬送装置は、例えば基板を支持して動かすローラや、このローラを回転させるモータなどから構成されている(例えば、特許文献1参照)。従来、搬送装置に用いられるモータは、真空環境となるチャンバの外側、即ち外気に接するところに配置され、モータシャフト(回転軸)をチャンバの中に配されたローラに接続することによって、チャンバ内のローラを回転させていた。このため、モータシャフトがチャンバの壁面を突き抜ける部分には、チャンバ内の気密を保つための気密シールが設けられた構造が知られている。
【0003】
しかし、搬送装置のモータをチャンバ外に設置して、気密シールを介してモータシャフトをチャンバ内のローラに接続する構造では、搬送装置全体が大型化してしまい、真空装置の小型化の障害となっていた。また、モータシャフトとチャンバ壁面との間に気密シールが必要になるなど構造が複雑化するといった課題もあった。さらに、こうした気密シールはモータシャフトの回転数が500rpm程度までしかチャンバ内の気密を保つことができず、モータの回転数を例えば2000〜3000rpm程度まで高めて被成膜物を高速搬送する際の障害となっていた。また、チャンバ壁面に対して、モータの設置位置が制限され、真空装置内におけるモータ等のレイアウトの自由度が制限されてしまうので、これを改善したいという要求がある。
【0004】
このため、真空装置において搬送装置の真空モータをチャンバの内部に配置する真空モータも知られている(例えば、特許文献2参照)。モータをチャンバの内部に配置することによって、モータシャフトとチャンバ壁面との間の気密シールが不要になり、構成を簡単にして真空装置の小型化が可能になるとともに、チャンバ内部の気密を保ちつつモータの回転数を高めて被成膜物の高速搬送が可能になる。
【0005】
しかし、モータ回転軸の回転位置を検出するサーボモータなどにおいて、位置検出をおこなうセンサは真空側からの信号を読み取る必要があり、このため、センサが真空に曝される。
【0006】
特許文献3では、センサのモールド樹脂に発ガスの低いエポキシ樹脂を用いる技術が開示されているが、モールド樹脂からの発ガスをゼロにすることは困難であり、真空排気装置に接続された空間には不純物ガスが放出されていた。
放出されたガスは基板が移動・載置される真空槽内に拡散し、基板に付着したり、真空槽の内壁面に付着するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−339920号公報
【特許文献2】特開2007−277617号公報
【特許文献3】特開2002−281725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、真空排気装置に接続された減圧側空間に不純物ガスを放出しないモータ付属の仕切り構造、真空用モータさらに、真空用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のモータに付属する仕切り構造は、モータ回転軸および該回転軸の回転を検知するための回転検知板が配置される低圧側の駆動空間と、
前記回転検知板の回転状態を検知するセンサが配置される高圧側のセンサ空間と、
前記センサによる前記回転検知板の回転状態を検知可能とするように前記駆動空間と前記センサ空間との境界部材に設けられる開口部(開口)とが設けられ、
これら駆動空間と前記センサ空間とを密閉するためモータに付属する仕切り構造であって、
前記仕切り構造が、前記開口部に嵌め込まれる非磁性体からなる透過板と、該透過板を前記境界部材に固着する固着部材と、前記透過板と前記境界部材との間を密閉する密閉部材と、を有し、
前記開口部と前記透過板との間において、高圧側から低圧側に向かって前記固着部材、前記密閉部材の順に設けられてなることを特徴とする。
本発明は、前記透過板が高圧側から低圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることができる。
本発明は、前記境界部材における前記開口部の周囲には高圧側に凹部が周設され、この凹部内に前記透過板が設けられて、この凹部内の低圧側に密閉部材が前記透過板と密着するように設けられ、凹部内の高圧側に前記固着部材が配されて前記透過板を固定してなることができる。
本発明は、前記透過板が低圧側から高圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることができる。
本発明は、前記境界部材が、前記センサのケース部材とされてなる部分を有することが可能である。
本発明は、前記固着部材が接着剤とされ、前記密閉部材がOリングとされることができる。
本発明は、前記センサが光学式センサとされ、前記透過板がガラス板とされることができる。
本発明は、前記センサが磁気式センサとされ、前記透過板が非磁性金属板とされることを特徴とすることができる。
【0010】
本発明の真空用モータは、また、円筒形状の筒部材と、前記筒部材の内側に前記筒部材と同軸状に配置された回転軸と、前記回転軸の外周側面に設けられた磁石と、前記磁石の外側に前記磁石と対向して配置されたコイルと、リング形状の板であり、リングの穴には前記回転軸が挿通され、表面には信号を生成する符号が前記回転軸の中心軸線を中心とする円周に沿って配置された回転検知板(回転板)と、前記回転検知板の前記表面と対向して配置され、前記信号を検出できるセンサと、を有し、前記回転板が配置された空間は真空排気装置に接続されて真空排気される真空用モータであって、
内部に前記センサが配置され、前記センサと対向する部分には開口が設けられたセンサ室(センサ空間)と、前記開口に配置され、前記信号を透過する透過窓と、を有し、
前記透過窓は前記開口を塞ぐように設けられ、前記センサ室の内部空間は前記回転板が配置された空間から分離された上記のいずれか記載のモータ付属の仕切り構造を有することができる。
本発明は真空用モータであって、前記符号は、第一信号を生成する第一領域と、第二信号を生成する第二領域とで構成され、前記センサは前記第一、第二信号を検出できることもある。
本発明は真空用モータであって、前記センサは磁気抵抗累子牽有し、前記第一、第二信号は互いに向きが異なる磁気信号であり、前記透過窓は非磁性体からなることができる。
本発明は真空用モータであって、前記回転軸の中心軸線は、前記回転板の前記表面が位置する平面に対して直角に向けられたことができる。
本発明は真空用モータであって、前記符号は第一、第二の値を有し、前記第一、第二の値は前記円周に沿って交互に等間隔に配置されたことができる。
本発明は真空用モータであって、前記符号は前記円周に沿った位置毎に互いに異なる値にされたことができる。
【0011】
本発明の真空処理装置は、上記のいずれか記載の真空用モータと、
真空槽と、該真空槽内で被処理基板を搬送する搬送ローラとを有し、前記真空用モータが前記搬送ローラに駆動することができる。
本発明の真空用ロボットは、上記のいずれか記載の真空用モータと、真空槽と、真空槽内を真空排気する真空排気装置と、基板を保持する腕部と、を有し、前記真空用モータの前記筒部材の一端は前記真空槽に設けられた挿入口に接続され。前記回転軸の一端は前配挿入口を通って前記真空槽内に挿入され、前記腕部は前記真空槽内に配置され、前記回転軸の前記一端に取り付けられたことができる。
【発明の効果】
【0012】
真空処理装置等において、真空排気装置に接続された空間と、センサが配置される空間とが分離されるので、真空排気装置に接続された空間に不純物ガスは放出されず、真空排気装置に後続された空間を清浄に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第3実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第4実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第5実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の第一例の真空用モータの内部構成図である。
【図7】第一例の真空用モータの回転板の平面図である。
【図8】本発明の真空用ロボットの内部構威図である。
【図9】本発明の第二例の真空用モータの内部構成図である。
【図10】第二例の真空用モータの回転板の平面図である。
【図11】本発明の第三例の真空用モータの内部構成図である。
【図12】本発明の第四例の真空用モータの内部構成図である。
【図13】本発明の真空装置内のモータ配置例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図であり、図において、符号12は、モータの回転軸である。
【0015】
本実施形態のモータに付属する仕切り構造は、後述するようにモータに設けられ、図1に示すように、モータ回転軸(回転軸)12および該回転軸12の回転を検知するための回転検知板M21が配置される低圧(真空)側の駆動空間M01と、回転検知板M21の回転状態を検知するセンサM22が配置される高圧側のセンサ空間M24とを有するモータにおいて、センサM22による回転検知板M21の回転状態を検知可能とするように駆動空間M01と前記センサ空間M22との境界部材M11に設けられる開口部M02とが設けられている。
【0016】
本実施形態のモータに付属する仕切り構造において、開口部M02には、透過板M23が嵌め込まれて、駆動空間M01とセンサ空間M24とを密閉している。
この仕切り構造は、前記開口部に嵌め込まれる非磁性体からなる透過板M23と、透過板M23を境界部材M11に固着する固着部材M03と、透過板M23と境界部材M11との間を密閉する密閉部材M04とを有する。
【0017】
開口部M02には、段差面M021を有する段差が設けられ、開口部M02は駆動空間M01側に比べセンサ空間M24側が拡径するように凹部を形成している。
透過板M23開口部M02はセンサ空間M24側に比べ駆動空間M01側が縮径するように段差を有し、この段差面M021に接着剤とされる固着部材M03が密着するように設けられ、段差面M021の駆動空間M01側にOリングとされる密閉部材M04が配されて該透過板M23を固定している。なお、Oリングとされる密閉部材M04を収納するための溝は境界部材M11に図示していない。
【0018】
つまり、開口部M02に嵌め込まれた透過板M23には、高圧側であるセンサ空間M24から低圧側である駆動空間M01に向かって固着部材M03、密閉部材M04の順に設けられている。
【0019】
透過板M23は、センサM22が検知する回転検知板M21からの信号を透過可能であればよく、センサM22が磁気式とされる場合には非磁性金属、センサM22が光学式である場合にはガラス等の光透過性を有するものとされる。
なお、本実施形態において、駆動空間M01とセンサ空間M24とは、圧力差を有する状態であればよく、真空状態と、大気圧状態であるとは限らない。特に、駆動空間M01とセンサ空間M24とのどちらかが、少なくとも発ガス性に影響のある減圧側とされ、かつ、駆動空間M01とセンサ空間M24とにおいてにおける圧力差があるものとされる。
【0020】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、固着部材に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
本実施形態においては、第1実施形態における接着剤の代わりに、固着部材としてネジM031が採用されている。このネジM031は透過板M23の段差面M021よりもセンサ空間M24側の位置で、かつ、低圧側であるセンサ空間M24側に透過板M23を貫通するように設けられ、対応する境界部材に設けられた雌ネジに螺合することで透過板M23を固着している。これにより、センサM22が透過板M23に接触するように配置でき、センサM22が回転検知板M21から遠くなり検知感度が低下することあるいは検知が不正確になることを防止できる。
【0022】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、開口形状に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0023】
本実施形態においては、第1実施形態における段差の代わりに、開口部M02が球面状となっており、透過板M23の外面形状も球面とされている。つまり、開口M02そのものが凹部を形成している。また、センサM22と透過板M23とが一体とされており、透過板M23のセンサ空間M24側の位置に接着剤とされる固着部材M03が設けられてセンサM22および透過板M23が固着されており、これよりも駆動空間M01側にOリングとされる密閉部材M04が設けられる。これにより、センサM22と回転検知板M21とをより一層近づけて、検知感度が低下することあるいは検知が不正確になることを防止できる。
【0024】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、境界部材に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】
本実施形態においては、第1実施形態における境界部材M11が、センサM22のケース部材を兼ねており、また、センサM22と透過板M23とケースM11Cとが一体とされている。
センサM22は、ケースM11C内部に収納されており、その一端には開口M02が設けられ、透過板M23が嵌合されている。また、ケースM11Cの他端には、拡径するフランジM11Bが設けられ、これが貫通孔M11A周縁の境界部材に当接することで、境界部材M11に設けられた貫通孔M11Aに嵌め込まれたケースM11Cを境界部材M11に固定している。境界部材M11のフランジM11Bに接触する位置には、OリングM11Dが設けられ、ケースM11Cと境界部材M11との間のシールを維持している。また、ケースM11Cの他端は、封止部材M11Eによって閉塞されている。これにより、センサM22と回転検知板M21とをより一層近づけて、検知感度が低下することあるいは検知が不正確になることを防止できる。
【0026】
第4実施形態において、センサM22の発ガス性が充分低い場合、またはケースM11Cの防ガス性能が充分高い場合、には、センサM22を低圧側である駆動空間M01に連通する位置に配置することもできる。
【0027】
以下、本発明に係るモータ付属の仕切り構造の第5実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態におけるモータ付属の仕切り構造の一部を示す断面図である。
本実施形態において、図1に示した第1実施形態と異なるのは、開口形状に関する点であり、これ以外の対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0028】
本実施形態においては、第1実施形態における段差が、高圧側と低圧側とが逆になるように開口部M02が形成されている。
【0029】
開口部M02には、段差面M022を有する段差が設けられ、開口部M02はセンサ空間M24側に比べ駆動空間M01側が拡径するように凹部を形成している。
透過板M23および開口部M02は駆動空間M01側に比べセンサ空間M24側が縮径するように段差を有し、この段差面M022に接着剤とされる固着部材M03が密着するように設けられ、段差面M022の駆動空間M01側にOリングとされる密閉部材M04が配されて該透過板M23を固定している。開口部M02に嵌め込まれた透過板M23には、高圧側であるセンサ空間M24から低圧側である駆動空間M01に向かって固着部材M03、密閉部材M04の順に設けられている。
【0030】
本実施形態によれば、センサ空間M24側に比べ駆動空間M01側が拡径するように凹部を形成しているので、組み立て時に透過板M23を駆動空間M01側から開口部M02に組み付けて勘合することができるので、センサ空間M24をセンサM22と同程度の大きさに設定して、センサ空間M24のみを真空雰囲気内に設置して密閉することが容易となる。
【0031】
これらの各実施形態によれば、センサM22からのガス放出量を低減でき、また、ガスの中に含まれる不純ガスを低減できる。これにより、モータの設けられる空間の真空雰囲気を清浄に保つことができ、例えば、真空装置とされる空間内で搬送されるガラス基板やウエハの表面を汚染することがない。
加えて、センサM22と回転検知板M21の間隔を小さくできるので、センサM22の位置検出感度が向上し、真空装置内でガラス基板やウエハを位置精度良く搬送することが可能となる。
【0032】
透過板M23を接着剤のみで固定した場合は、接着不良により、真空の気密が保てない場合や、接着剤から発ガスするおそれがあるが、本発明の各実施形態では、透過板M23固定力は接着剤とされる固着部材M03で維持し、シール性は弾性体シールである密閉部材M04で維持しているので、開口部M02付近の構造が単純となり、安定したシール性能のセンサユニット、真空モータとすることができる。
【0033】
以下に、本発明におけるモータ付属の仕切り構造の設けられるモータの例を詳細に説明する。
【0034】
<第一例の真空用モータの構造>
本発明の第一例の真空用モータ10aの構造を説明する。
図6は第一例の真空用モータ10aの内部構成図であり、図7は回転板21aの一例の平面図である。
第一例の真空用モータ10aは、図6,図7に示すように、円筒形状の筒部材11と、筒部材11の内側に筒部材11と同軸状に配置された回転軸12と、回転軸12の外周側面に設けられた磁石14と、磁石14の外側に磁石14と対向して配置されたコイル15とを有している。
【0035】
本実施例では、筒部材11の内周側面には回転軸12側に突出する接触部111、112が設けられ、接触部111、112と回転軸12との間には球状部材191、192が配置されている。回転軸12は球状部材191、192を介して接触部111、112に支持されておリ、回転軸12の中心軸線は筒部材11の中心軸線からずれないようになっている。
回転軸12に中心軸線を中心とする回転力が加わると、回転軸12は中心軸線を中心に回転できるようになっている。各球状部材191、192は接触部111、112と回転軸12とにそれぞれ点で接触されており、回転軸12が中心軸線を中心に回転すると、各球状部材191、192は回転軸12の中心軸線を中心に回転しながらそれぞれ自転して、接触部接触部111、112と回転軸12との間に摩擬がかからないようになっている。そのため、接触部111、112の表面と回転軸12の表面とが麿耗して不純物(ダスト)が発生することが防止される。
【0036】
磁石14にはここでは表面がNiメッキされたものが用いられる、Niメッキにより磁石14の表面が酸化又は腐食することが防止され、磁石14の表面から不純物(ダスト)が発生しないようになっている。
磁石14は回転軸12の外周側面に固定されている。
磁石14の外側にはコイル室16が配置され、コイル15はコイル室16内に配置されている。
【0037】
ここではコイル室16は、椀状のコイル室蓋部材17を有している。コイル室蓋部材17の緑部は筒部材11の内側側面に環状に密着して固定され、コイル室16の内部空間は磁石14が配覆された空間から分離されている。
そのため、コイル15が発熱して、コイル15の導線の被覆や、コイル15の導線を固定しているワニスやモールド材からガスが放出されても、放出されたガスは磁石14が配置された空間に拡散しないようになっている。
【0038】
コイル室蓋部材17は非磁性体であり、ここではアルミニウムが用いられ、コイル15と磁石14との間の部分の厚みは1mm以下にされている。コイル15と磁石14との間の部分の厚みは薄い方が、コイル15と磁石14との間の聞隔が狭くなり、相互の磁気結合力を大きくできるため好ましい。
コイル15にはコイル用電源18が電気的に接続されている。
コイル用電源18からコイル15に電流を流すと、コイル15が形成する磁力線が磁石14を貫通して、磁石14は回転力を受け、回転軸12と一緒に回転軸12の中心軸線を中心として回転するようになっている。
【0039】
第一例の真空用モータ10aは、回転舳12の回転角度を検知する回転検知部30aを有している。
回転検知部30aは、回転検知板21aとセンサ22aとを有している。
なお、センサM22はセンサ22a、回転検知板M21は回転板21a、センサ空間M24はセンサ室24a、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23aにそれぞれ対応する。
【0040】
回転板21aは、図7に示すように、リング形状の板であり、表面には信号を生成する符号が回転板21aの中心を中心とする円周に沿って配置されている。
本実施例では、符号は第一信号を生成する第一領域51と第二信号を生成する第二領域52とで構成されているが、第一〜第N信号を生成する第一〜第N領域(Nは3以上の自然数)で構成されている場合も本発明に含まれる。
【0041】
ここでは回転板21aは厚み方向に磁化された磁性体の板であり、第一領域51には開口が設けられ、第二領域52は開口以外の遮蔽部分で構成されている。
従って、第一領域51はゼロの磁場(磁気信号)である第一信号を生成し、第二領域52は厚み方向の磁場(磁気信号)である第二信号を生成する。
なお、第一、第二領域51、52の個々の構造は上記構成に限定されず、互いに異なる二方向にそれぞれ磁化された部分であり、第一、第二信号は互いに向きが異なる磁場(磁気信号)であってもよい。
【0042】
ここでは、第一領域51と第二領域52は、回転板21aの中心を中心とする円周に沿って交互に等間隔に配置されており、第一信号を第一の値とし、第二信号を第二の値とすると、第一、第二領域51、52で構成された符号は第一、第二、の値を有し、第一の値と第二の値は前記円周に沿って交互に等間隔に配置されている。
【0043】
図6を参照し、回転板(回転検知板)21aのリングの穴には回転軸12が挿通され、回転軸12の中心軸線が回転板21aの表面が位置する平面に対して直角に向けられた状態で、回転板21aは回転柚12に対して固定されている。回転板21aは回転軸12と同軸状に配置されている。
筒部材11のうち回転板21aが配置された空間(駆動空間)は磁石14が配置された空間と連通されている。
【0044】
センサ22aは、同転板21aの表面と対向して配置され、第一、第二領域51、52が生成する第一、第二信号を検出できるようになっている。
ここではセンサ22aは磁気抵抗素子31を有している。磁気抵抗素子31は、磁気信号を受けると抵抗値が磁気信号の強さや向きに応じた値に変化する素子である。
磁気抵抗素子31はモールド樹脂32で覆われて封止されており、磁気抵抗素子31にゴミや水分が付着して劣化しないようになっている。
センサ22aにはセンサ用電源27が電気的に接続されており、センサ22aは、第一、第二信号を受け取ると、第一、第二信号に応じて異なる電圧値の電気信号を出力するように構成されている。
センサ22aには制御装置28が接続されている。
制御装置28は、センサ22aが出力する電気信号を受け取ると、受け取った電気信号から回転板21aの回転角度を求めることできるように構成されている。
【0045】
ここでは制御装置28は、受け取った電気信号の電圧値の変化の立ち上がり又は立ち下がりの数を数え、隣合う二つの第一領域51の中心間の中心角又は隣り合う二つの第二領域52の中心間の中心角に数えたカウント値を積算することにより、回転板21aの回転角度を算出するように構成されている。
また制御装置28は、回転板21aの回転角度が所定角度になると、コイル用電源18に制御信号を送信してコイル15への電流供給を停止させ、回転軸12の回転を停止させるように構成されている。
回転検知部30aは、内部にセンサ22aが配置され、センサ22aの検知面と対向する部分には開口(開口部)が設けられたセンサ室(センサ空間)24aと、センサ室24aの開ロに配置され、第一、第二信号を透過する透過窓(透過板)23aとを有している。
センサ室24aはここでは椀状のセンサ室蓋部材26を有している。センサ室蓋部材26の緑部は筒部材11の内側側面と接触部111とに亘って環状に密着して固定されており、センサ室24aの開口はここでは接触部111に設けられている。
【0046】
透過窓(透過板)23aは加熱されてもガスを放出しない非磁性体からなり、第一、第二信号を透過できるようになっている。ここでは透過窓23aにはガラスが用いられるが、加熱されてもガスを放出しない非磁性体であればガラスに限定されず、例えばアルミニウムを用いることもできる。
透過窓23aはセンサ室24aの開口を塞ぐように設けられ、センサ室24aの内部空間は回転板21aが配置された空間から分離されている。
そのため、コイル15や磁石14の発熱により。センサ22aが加熱されて、モールド樹脂32からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21aが配置された空間(駆動空間)に拡散しないようになっている。
【0047】
<真空用ロボットの構造>
第一例の真空用モータ10aを用いた真空用ロボットの構造を説明する。
【0048】
図8は真空用ロボット40の内部構成図である。
真空用ロボット40は、図5、図6に示した第一例の真空用モータ10aと、真空槽41と、真空槽41内部に連通した真空排気装置42と、基板を保持する腕部43とを有している。
【0049】
真空槽41の壁面には挿入ロ45が設けられている。
真空用モータ10aの筒部材11の一端は、挿入口45の外周を取り囲んで真空槽41の壁面に環状に密着して固定され、筒部材11のうち回転板21aと磁石14とが配置される空間は挿入ロ45を介して真空槽41の内部空間と連通されている。
真空排気装置42により真空槽41内を真空排気すると、筒部材11のうち回転板21aと磁石14とが配置された空間も一緒に真空排気されるようになっている。
【0050】
回転軸12の一端は挿入口45を通って真空槽41内に揮入されており、腕部43は真空槽41内に配置され、回転軸12の前記一端に取り付けられている。回転軸12を回転軸12の中心軸線を中心に回転させると、腕部43も回転軸12と一緒に回転するようになっている。
【0051】
<真空用ロボットの使用方法>
上述の真里用ロボット40の使用方法を説明する。
真空排気装置42により真空槽41内を真空排気し、真空雰囲気を形成する。
このとき、筒部材11のうち回転板21aと磁石14とが配置された空間も真空排気され、真空雰囲気が形成される。以後、真空排気装置42による真空排気を継続して、真空槽41内の真空雰囲気と、回転板21aと磁石14とが配置された空間の真空雰囲気とを維持する。
【0052】
真空槽41内の真空雰囲気を維持しながら、真空槽41内に基板を搬入し、腕部43上に配置する。
基板を回転移動させる回転角度をあらかじめ定めておく。
制御装置28が受け取る電気信号のカウント値を初期化する(ここではゼロにする)。
コイル用電源18からコイル15に電流を流し磁力線を発生させ、発生させた磁力線を貫通させて磁石14に回転力を与え、回転軸12を回転板21aと腕部43と一緒に回転軸12の中心軸線を中心として回転させる。腕部43上の基板も回転軸12の中心軸線を中心として回転移動する。
【0053】
電流が流れたコイル15と、磁力線が貫通した磁石14はそれぞれ発熱し、コイル15と磁石14からの熱により回転板21aとセンサ22aとがそれぞれ加熱される。
磁石14と回転板21aはガスを放出する部材を有しておらず、加熱されても磁石14と回転板21aからガスは放出されない。
【0054】
一方、コイル15が加熱されると導線の被膜や導線を固定しているワニスやモールド材からガスが放出され、センサ22aが加熱されるとモールド樹脂32からガスが放出されるが、コイル室16とセンサ室24aは回転板21aと磁石14とが配置された空間から分離されており、回転板21aと磁石14とが配置された空間内にガスは拡敬しない。
そのため、挿入口45を通って真空槽41内に不純物であるガスが拡散することは起こらず、ガスが基板に付着したり、真空槽41の内壁面に付着する問題は起こらない。
【0055】
回転板2Iaが回転すると、回転板21a表面の第一、第二領域51、52はセンサ22aと対面する位置を交互に通過する。
センサ22aは回転板21aの第一、第二領域51、52と対面すると、第一、第二信号に応じた電圧値の電気信号を出力し、制御装置28は電気信号の電圧値の変化の立ち上がり又は立ち下がりの数を数えて、数えたカウント値から回転板21aの回転角度を求める。
【0056】
求めた回転板21aの回転角度が所定角度になったら、制御装置28はコイル用電源18に制御信号を送って、コイル15への電力供給を停止させ、回転軸12の回転を停止させる。
このようにして、腕部43に保持された基板は、回転軸12の中心軸線を中心に所定角度回転移動した後、静止される。
真空槽41内の真空雰囲気を維持しながら基板を真空槽41の外側に搬出し、後工程に送る。
【0057】
<第二例の真空用モータの構造>
第二例の真空用モータの構造を説明する。
【0058】
図9は第二例の真空用モータ10bの内部構成図であり、図10は回転板21bの一例の平面図である。第二例の真空用モータ10bの構造のうち、図6,図7に示す第一例の真空用モータ10aの構造と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
第二例の真空用モータ10bは、図9,図10に示すように、第一例の真空用モータ10aの回転検知部30aとは異なる構造の回転検知部30bを有している。
なお、センサM22はセンサ22b、回転検知板M21は回転板21b、センサ空間M24はセンサ室24b、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23bにそれぞれ対応する。
【0059】
第二例の真空用モータ10bの回転検知部30bの構造を脱明する。
回転検知部30bは、回転板21bとセンサ22bとを有している。
回転板21bの材質と、第一、第二領域51、52の個々の構造は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aにおける前記材質、前記構造と同様であり、説明を省略する。
【0060】
回転板21b表面での第一、第二領域51、52の配置を脱明する。
回転板21bの表面には互いに直径が異なる複数の円周R1〜R4が同心状に配置され、第一第二領域51、52は各円周R1〜R4上に円周に沿って交互に配置されている。
【0061】
回転板21bの半径方向に沿った一組の第一、第二領域51、52で一の符号が構成されている。符号53は一の符号を構成する第一、第二領域51、52の組を示している。
各符号は円周に沿った位置毎に互いに異なる値にされている。
従って、回転板21bの中心を始点とする一の半直線を基準線と呼び、基準線からの回転角度を絶対角度と呼ぶと、各符号から一の絶対角度が分かるようになっている。
【0062】
図9を参照し、回転板21bの筒部袴11内での配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの筒部材11内での配置と同様であり、説明を省略する。
センサ22bは複数の磁気抵抗素子311〜314を有している。
各磁気抵抗素子311〜314はモールド樹脂32で覆われて封止されており、磁気抵抗素子311〜314にゴミや水分が付着して劣化しないようになっている。
センサ22bは、回転板21bの表面と対向して配置され、各磁気抵抗素子311〜314は回転板21bのうち互いに異なる円周R1〜R4上に配置されている。
従って、各磁気抵抗索子311〜314は、互いに異なる円周R1〜R4上の第一、第二領域51、52からの第一、第二信号を検出できるようになっている。
【0063】
制御装置28には、符号と絶対角度との対応関孫があらかじめ記憶されている。
制御装置28は、各磁気抵抗素子311〜314が出力する電気信号を受け取ると、受け取った一組の電気信号から一の符号を構成し、あらかじめ記憶された対応関係に基づいて、回転板21bの基準線からの回転角度(絶対角度)を求めるように構成されている。
回転板21bを回転させる前後で第一、第二の絶対角度をそれぞれ求め、第二の絶対角度から第一の絶対角度を減算ずると、回転板21bの回転角度が算出される。
【0064】
回転検知部30bは、内部にセンサ22bが配置され。センサ22bの検知面と対向する部分には開口が設けられたセンサ室24bと、センサ室24bの開ロに配置され、第一、第二信号を透過する透過窓23bとを有している。
センサ室24bと透過窓23bの構遣は、第一例の真空用モータ10aのセンサ室24aと透過窓23aの構造と同様であり、説明を省略する。
センサ室24bの内部空間は回転板21bが配置された空間から分離されており、センサ22bが加熱されて、モールド樹脂32からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21bが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0065】
第二例の真空用モータ10bは上述の真空用ロボット40において第一例の真空用モータ10aの代わりに用いることができる。第二例の真空用モータ10bを有する真空用ロボットの使用方法は、上述の回転板21bの角度算出方法以外は第一例の真空用モータ10aを有する真空用ロボット40の使用方法と同様であり、説明を省陥する。
第二例の真空用モータ10bでは、第一例の真空用モータ10aと比較して、制御装置28のカウンタ値を初期化する手間が不要になるという利点がある。
また、算出した回転角度の正負の符号から回転板21bの回転方向が分かるという利点がある。
【0066】
<第三例の真空用モータの構造>
第三例の真空用モータの構造を説明する。
【0067】
図11は第三例の真空用モータ10cの内部構成図である。第三例の真空用モータ10cの構造のうち、図6,図7に示す第一例の真空用モータ10aの構造と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
第三例の真空用モータ10cは、第一例の真空用モータ10aの回転検知部30aとは異なる構造の回転検知部30cを有している。
なお、センサM22はセンサ22cおよび投光器25c、回転検知板M21は回転板21c、センサ空間M24はセンサ室24c、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23cにそれぞれ対応する。
【0068】
第三例の真空用モータ10cの回転検知部30cの構造を説明する。
回転検知部30cは、回転板21cとセンサ22cと投光部25cとを有している。
回転板21cはリング形状の板であり、表面には、第一信号を生成する第一領域と第二信号を生成する第二領域とで構成された符号が、回転板21cの中心を中心とする円周に沿って配置されている。
【0069】
本実施例では、回転板21cは表面が光を反射できるようにされた板であり、第一領域には開ロが設けられ、第二領域は開ロ以外の反射部分で構成されている。従って、第一、第二領域に光が照射されると、第一領域は光を反射せずに強度がゼロの光信号である第一信号を生成し、第二領域は光を反射して強度がゼロより大きい光信号である第二信号を生成するようになっている。
なお、第一、第二領域の個々の構造は上記構成に限定されず、互いに異なる反射率の部分であり、第一、第二信号は互いに強度が異なる光信号であってもよい。第一、第二領域は例えば反射率の異なるインクを塗布されて形成される。
【0070】
ここでは回転板21cの表面内での第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aにおける第一、第二領域51、52の配置(図7参照)と同様であり、説明を省略する。
また回転板21cの筒部材11内での配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの筒部材11内での配置と同様であり、説明を省略する。
【0071】
投光部25cとセンサ22cは、回転板21cの表面と対向して配置され、投光部25cは第一、第二領域に光を照射し、センサ22cは第一、第二領域が生成する第一、第二信号を検出できるようになっている。
投光部25cは発光素子35を有し、センサ22cは受光素子33を有している。発光素子35は電圧を印加されると発光する素子であり、受光素子33は光信号を受けると光信号の強度に応じた電圧値の電気信号を出力する素子である。
発光素子35と受光素子33はそれぞれ透明なモールド樹脂36、34で覆われて封止されており、発光素子35と受光素子33にゴミや水分が付着して劣化しないようになっている。
【0072】
投光部25cとセンサ22cにはセンサ用電源27がそれぞれ電気的に接続されている。投光部25cは電圧を印加されると第一、第二領域51、52に光を照射し、センサ22cは第一、第二信号を受け取ると第一、第二信号に応じた電圧値の電気信号を出力するようになっている。
回転検知部30cは、内部に投光部25cとセンサ22cとが配置され、投光部25cの投光面とセンサ22cの検知面とそれぞれ対向する部分に開口が設けられたセンサ室24cと、センサ室24cの開口に配置され、第一、第二信号を透過する透過窓23cとを有している。
【0073】
センサ室24cの構造は第一例の真空用モータ10aのセンサ室24aの構造と同様であり、説明を省略する。
透過窓23cは加熱されてもガスを放出しない光透過性部材からなり、第一、第二信号を透過できるようになっている。ここでは透過窓23cにはガラスが用いられるが、加熱されてもガスを放出しない光透過性部材であればガラスに限定されない。
透過窓23cはセンサ室24cの開ロを塞ぐように設けられ、センサ室24cの内部空間は回転板21cが配置された空間から分離されている。
そのため、コイル15や磁石14の発熱により、投光部25cとセンサ22cとが加熱されて、モールド樹脂36、34からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21cが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0074】
第三例の真空用モータ10cは上述の真空用ロボット40において第一例の真空用モータ10aの代わりに用いることができる。第三例の真空用モータ10cを有する真空用ロボットの使用方法は第一例の真空用モータ10aを有する真空用ロボット40の使用方法と同様であり、説明を省略する。
【0075】
上述の説明では、回転板21cの第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの第一、第二領域51、52の配置(図7参照)と同様に構成されていたが、第二例の真空用モータ10bの回転板21bの第一、第二領域51、52の配置(図10参照)と同様に構成されていてもよい。この場合には、センサ22cに複数の受光素子を設け、各受光素子を回転板21cのうち互いに異なる円周上に配置すればよい。
また、投光部25cに複数の発光素子を設け、センサ22cに発光素子と同数の複数の受光素子を設け、各発光素子と受光素子の一対ずつを回転板21cのうち互いに異なる円周上に配置してもよい。
【0076】
<第四例の真空用モータの構造>
第四例の真空用モータの構造を説明する。
【0077】
図12は第四例の真空用モータ10dの内部構成図である。第四例の真空用モータ10dの構遺のうち図6,図7に示す第一例の真空用モータ10aの構造と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
第四例の真空用モータ10dは、第一例の真空用モータ10aの回転検知部30aとは異なる構造の回転検知部30dを有している、
なお、センサM22はセンサ22dおよび投光器25d、回転検知板M21は回転板21d、センサ空間M24はセンサ室24dおよび投光室29、境界部材M11の一部は接触部111、透過板M23は透過窓23dおよび副透過窓27にそれぞれ対応する。
【0078】
第四例の真空用モータ10dの回転検知部30dの構造を説明する。
回転検知部30dは、回転板21dとセンサ22dと投光部25dとを有している。
回転板21dはリング形状の板であり、表面には、第一信号を生成ずる第一領域と第二信号を生成する第二領域とで構成された符号が、回転軸12の中心軸線を中心とする円周に沿って配置されている。
【0079】
本実施例では、回転板21dは光を遮断する板であり、第一領域には開ロが設けられ、第二領域は開ロ以外の遮蔽部分で構成されている。従って、第一、第二領域の裏面側から光が照射されると、第一領域は光を透過して強度がゼロより大きい光信号である第一信号を生成し、第二領域は光を遮断して強度がゼロの光信号である第二信号を生成する。
【0080】
なお、第一、第二領域は上記構成に限定されず、互いに異なる光透過率の部分であり、第一、第二信号は互いに強度が異なる光信号であってもよい。例えば、回転板21dは光を透過する板であり、第一領域又は第二領域には回転板21dよりも光透過率の小さいインクが塗布されて形成される。
【0081】
ここでは、回転板21dの表面内での第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aにおける第一、第二領域51、52の配置と同様であり、説明を省略する。
また回転板21dの筒部材11内での配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの筒部材11内での配置と同様であり、説明を省略する。
投光部25dとセンサ22dの構造は第三例の真空用モータ10cの投光部25cとセンサ22cの構造とそれぞれ同様であリ、説明を省略する。
【0082】
センサ22dは回転板21dの表面と対向して配置され、投光部25dは回転板21dから見てセンサ22dとは逆側に、回転板21dの裏面と対向して配置されている。投光部25dは第一、第二領域51、52の裏面側に光を照射し、センサ22dは第一、第二領域51、52が生成する第一、第二信号を検出できるようになっている。
【0083】
回転検知部30dは、内部にセンサ22dが配置され、センサ22dの検知面と対向する部分には開口が設けられたセンサ室24dと、センサ室24dの開ロに配置され、第一、第二信号を透過する透過窓23dとを有している。
【0084】
センサ室24dと透過窓23dの構造は、第三例の真空用モータ10cのセンサ室24cと透過窓23cの構造と同様であリ、説明を省略する。
コイル15や磁石14の発熱により、センサ22dが加熱されて、モールド樹脂からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21dが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0085】
また、回転検知部30dは、内部に投光部25dが配置され、投光部25dの投光面と対向する部分には開ロが設けられた投光室28と、投光室28の開口に配置され、光を透過する副透過窓27とを有している。
投光室28はここでは椀状の投光室蓋部材29を有している。投光室蓋部材29の縁部は筒部材11の内側面と環状に密着して固定されており、投光室28の開口はここでは投光室蓋部材29に設けられている。
【0086】
副透過窓27は加熱されてもガスを放出しない光透過性部材からなり、ここではガラスが用いられるが、加熱されてもガスを放出しない光透過性部材であればガラスに限定されない。
副透過窓27は投光室28の開口を塞ぐように設けられ、投光室28の内部空間は回転板21dが配置された空間から分離されている。
そのため、コイル15や磁石14の発熱により、投光部25dが加熱されて、モールド樹脂からガスが放出されても、放出されたガスは回転板21dが配置された空間に拡散しないようになっている。
【0087】
第四例の真空用モータ10dは上述の真空用ロボット40において第一例の真空用モータ10aの代わりに用いることができる。第四例の真空用モータ10dを有する真空用ロボットの使用方法は第一例の真空用モータ10aを有する真空用ロボット40の使用方法と同様であり、説明を省略する。
【0088】
上述の説明では、回転板21dの第一、第二領域の配置は、第一例の真空用モータ10aの回転板21aの第一、第二領域51、52の配置(図7参照)と同様に構成されていたが、第二例の真空用モータ10bの回転板21bの第一、第二領域51、52の配置(図10参照)と同様に構成されていてもよい。この場合には、センサ22dに複数の受光素子を設け、各受光素子を回転板21dのうち互いに異なる円周上に配置すればよい。
【0089】
また、投光部25dに複数の発光素子を設け、センサ22dに発光素子と同数の複数の受光素子を設け、各発光素子と受光素子の一対ずつを回転板21dのうち互いに異なる円周上に配置してもよい。
【0090】
上述の第一〜第四例の真空用モータ10a〜10dにおいて、回転軸12を中心軸線に平行な方向に移動できるように構成してもよい。光信号は磁気信号に比べて到達距離が長いため、第三、第四例の真空用モータ10c、10dでは、第一、第二例の真空用モータ10a、10bに比べて、同転軸12の中心軸線に平行な方向の移動範囲を広くすることができる。
【0091】
<真空処理装置の構造>
第一例の真空用モータ10aを用いた真空処理装置の構造を説明する。
【0092】
図13は真空処理装置C00の内部構成を示す模式図である。
真空処理装置C00は、図6、図7に示した第一例の真空用モータかこれに準じる真空モータM10と、真空モータM10が内部に配された真空槽C01と、真空槽C01内でガラス基板Gを搬送する搬送ローラM67とを有している。
真空用モータM10は、ガラス基板Gを立てた状態で搬送する搬送ローラM67を駆動するものとされ、図1に示したモータ付属の仕切り構造と同様に、真空槽C01の隔壁CCに対して回転自在に支持された回転軸12には回転検知板M21が取り付けられ、この回転を検知するセンサM22が設けられたセンサ室M24を有する。
センサ室M24内のセンサ配線は、配線密閉パイプMPによって隔壁CC外部の大気圧となる空間C00に接続されている。
【0093】
本実施形態によれば、真空処理装置C00においてセンサM24からのガス放出量を低減でき、また、ガスの中に含まれる不純ガスを低減できる。これにより、真空処理装置C00において、モータM10の設けられる内部空間C01の真空雰囲気を清浄に保つことができ、処理空間C01内で搬送されるガラス基板Gの表面を汚染することがない。
加えて、センサM22と回転検知板M21の間隔を小さくできるので、センサM22の位置検出感度が向上し、真空装置内C00でガラス基板Gを精度良く搬送することが可能となる。
【符号の説明】
【0094】
M11……境界部材
12……回転軸
M01……駆動空間
M02……開口部
M021……段差面
M022……段差面
M21……回転板
M22……センサ
M23……透過板
M24……センサ室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ回転軸および該回転軸の回転を検知するための回転検知板が配置される低圧側の駆動空間と、
前記回転検知板の回転状態を検知するセンサが配置される高圧側のセンサ空間と、
前記センサによる前記回転検知板の回転状態を検知可能とするように前記駆動空間と前記センサ空間との境界部材に設けられる開口部とが設けられ、
これら駆動空間と前記センサ空間とを密閉するためモータに付属する仕切り構造であって、
前記仕切り構造が、前記開口部に嵌め込まれる非磁性体からなる透過板と、該透過板を前記境界部材に固着する固着部材と、前記透過板と前記境界部材との間を密閉する密閉部材と、を有し、
前記開口部と前記透過板との間において、高圧側から低圧側に向かって前記固着部材、前記密閉部材の順に設けられてなることを特徴とするモータ付属の仕切り構造。
【請求項2】
前記透過板が高圧側から低圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることを特徴とする請求項1記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項3】
前記境界部材における前記開口部の周囲には高圧側に凹部が周設され、この凹部内に前記透過板が設けられて、この凹部内の低圧側に密閉部材が前記透過板と密着するように設けられ、凹部内の高圧側に前記固着部材が配されて前記透過板を固定してなることを特徴とする請求項1記載のモータに付属する仕切り構造。
【請求項4】
前記透過板が低圧側から高圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることを特徴とする請求項1記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項5】
前記境界部材が、前記センサのケース部材とされてなる部分を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項6】
前記固着部材が接着剤とされ、前記密閉部材がOリングとされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項7】
前記センサが光学式センサとされ、前記透過板がガラス板とされることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項8】
前記センサが磁気式センサとされ、前記透過板が非磁性金属板とされることを特徴とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項9】
円筒形状の筒部材と、前記筒部材の内側に前記筒部材と同軸状に配置された回転軸と、前記回転軸の外周側面に設けられた磁石と、前記磁石の外側に前記磁石と対向して配置されたコイルと、リング形状の板であり、リングの穴には前記回転軸が挿通され、表面には信号を生成する符号が前記回転軸の中心軸線を中心とする円周に沿って配置された回転検知板と、前記回転検知板の前記表面と対向して配置され、前記信号を検出できるセンサと、を有し、前記回転板が配置された空間は真空排気装置に接続されて真空排気される真空用モータであって、
内部に前記センサが配置され、前記センサと対向する部分には開口が設けられたセンサ室と、前記開口に配置され、前記信号を透過する透過窓と、を有し、
前記透過窓は前記開口を塞ぐように設けられ、前記センサ室の内部空間は前記回転板が配置された空間から分離された請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載のモータ付属の仕切り構造を有することを特徴とする真空用モータ。
【請求項10】
前記符号は、第一信号を生成する第一領域と第二信号を生成する第二領域とで構成され、前記センサは前記第一、第二信号を検出できる請求項9記載の真空用モータ。
【請求項11】
前配センサは磁気抵抗素子を有し、前記第一、第二信号は互いに向きが異なる磁気信号であり、前記透過窓は非磁性体からなる請求項10記載の真空用モータ。
【請求項12】
前記回転軸の中心軸線は、前記回転板の前記表面が位置する平面に対して直角に向けられた請求項9ないし請求項11のいずれか1項記載の真空用モータ。
【請求項13】
前記符号は第一、第二の値を有し、前記第一、第二の値は前記円周に沿って交互に等間隔に配置された請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の真空用モータ。
【請求項14】
前記符号は前記円周に沿った位置毎に互いに異なる値にされた請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の真空用モータ。
【請求項15】
請求項9乃至請求項14のいずれか1項記載の真空用モータと、
真空槽と、該真空槽内で被処理基板を搬送する搬送ローラとを有し、前記真空用モータが前記搬送ローラに駆動することを特徴とする真空処理装置。
【請求項16】
請求項9乃至請求項14のいずれか1項記載の真空用モータと、
真空槽と、
真空槽内を真空排気する真空排気装置と、
基板を保持する腕部と、
を有し、
前記真空用モータの前記筒部材の一端は前記真窒槽に設けられた挿入口に接続され、
前記回転軸の一端は前記挿入ロを通って前記真空槽内に挿入され、
前記腕部は前記真空槽内に配置され、前記回転軸の前記一端に取り付けられた真空用ロボット。
【請求項1】
モータ回転軸および該回転軸の回転を検知するための回転検知板が配置される低圧側の駆動空間と、
前記回転検知板の回転状態を検知するセンサが配置される高圧側のセンサ空間と、
前記センサによる前記回転検知板の回転状態を検知可能とするように前記駆動空間と前記センサ空間との境界部材に設けられる開口部とが設けられ、
これら駆動空間と前記センサ空間とを密閉するためモータに付属する仕切り構造であって、
前記仕切り構造が、前記開口部に嵌め込まれる非磁性体からなる透過板と、該透過板を前記境界部材に固着する固着部材と、前記透過板と前記境界部材との間を密閉する密閉部材と、を有し、
前記開口部と前記透過板との間において、高圧側から低圧側に向かって前記固着部材、前記密閉部材の順に設けられてなることを特徴とするモータ付属の仕切り構造。
【請求項2】
前記透過板が高圧側から低圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることを特徴とする請求項1記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項3】
前記境界部材における前記開口部の周囲には高圧側に凹部が周設され、この凹部内に前記透過板が設けられて、この凹部内の低圧側に密閉部材が前記透過板と密着するように設けられ、凹部内の高圧側に前記固着部材が配されて前記透過板を固定してなることを特徴とする請求項1記載のモータに付属する仕切り構造。
【請求項4】
前記透過板が低圧側から高圧側に向かって縮径するように段差を有し、この段差面に前記密閉部材が密着するように設けられ、段差面の高圧側に前記固着部材が配されて該透過板を固定してなることを特徴とする請求項1記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項5】
前記境界部材が、前記センサのケース部材とされてなる部分を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項6】
前記固着部材が接着剤とされ、前記密閉部材がOリングとされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項7】
前記センサが光学式センサとされ、前記透過板がガラス板とされることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項8】
前記センサが磁気式センサとされ、前記透過板が非磁性金属板とされることを特徴とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ付属の仕切り構造。
【請求項9】
円筒形状の筒部材と、前記筒部材の内側に前記筒部材と同軸状に配置された回転軸と、前記回転軸の外周側面に設けられた磁石と、前記磁石の外側に前記磁石と対向して配置されたコイルと、リング形状の板であり、リングの穴には前記回転軸が挿通され、表面には信号を生成する符号が前記回転軸の中心軸線を中心とする円周に沿って配置された回転検知板と、前記回転検知板の前記表面と対向して配置され、前記信号を検出できるセンサと、を有し、前記回転板が配置された空間は真空排気装置に接続されて真空排気される真空用モータであって、
内部に前記センサが配置され、前記センサと対向する部分には開口が設けられたセンサ室と、前記開口に配置され、前記信号を透過する透過窓と、を有し、
前記透過窓は前記開口を塞ぐように設けられ、前記センサ室の内部空間は前記回転板が配置された空間から分離された請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載のモータ付属の仕切り構造を有することを特徴とする真空用モータ。
【請求項10】
前記符号は、第一信号を生成する第一領域と第二信号を生成する第二領域とで構成され、前記センサは前記第一、第二信号を検出できる請求項9記載の真空用モータ。
【請求項11】
前配センサは磁気抵抗素子を有し、前記第一、第二信号は互いに向きが異なる磁気信号であり、前記透過窓は非磁性体からなる請求項10記載の真空用モータ。
【請求項12】
前記回転軸の中心軸線は、前記回転板の前記表面が位置する平面に対して直角に向けられた請求項9ないし請求項11のいずれか1項記載の真空用モータ。
【請求項13】
前記符号は第一、第二の値を有し、前記第一、第二の値は前記円周に沿って交互に等間隔に配置された請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の真空用モータ。
【請求項14】
前記符号は前記円周に沿った位置毎に互いに異なる値にされた請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の真空用モータ。
【請求項15】
請求項9乃至請求項14のいずれか1項記載の真空用モータと、
真空槽と、該真空槽内で被処理基板を搬送する搬送ローラとを有し、前記真空用モータが前記搬送ローラに駆動することを特徴とする真空処理装置。
【請求項16】
請求項9乃至請求項14のいずれか1項記載の真空用モータと、
真空槽と、
真空槽内を真空排気する真空排気装置と、
基板を保持する腕部と、
を有し、
前記真空用モータの前記筒部材の一端は前記真窒槽に設けられた挿入口に接続され、
前記回転軸の一端は前記挿入ロを通って前記真空槽内に挿入され、
前記腕部は前記真空槽内に配置され、前記回転軸の前記一端に取り付けられた真空用ロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−38965(P2013−38965A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174197(P2011−174197)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
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