説明

モータ制御装置

【課題】 脱調を回避しつつモータを制御可能なモータ制御装置を提供すること。
【解決手段】 ブラシレスモータに所定の通電パターンにより通電することで駆動するモータ制御手段を備えたモータ制御装置において、前記モータの実トルクを検出するトルク検出手段と、前記モータの電流値に基づいて推定トルクを検出するトルク推定手段と、前記実トルクと前記推定トルクとの差分に基づいて脱調傾向か否かを判断し、脱調傾向と判断したときは、脱調防止対策制御を実行する脱調防止対策制御手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転角センサを用いることなくモータを制御する技術として特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、複数の通電パターンを供給し、誘起電圧に基づいて励磁タイミングを切り換えることでモータを駆動している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−92784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、モータに負荷が作用したときにモータ回転位置がずれてしまい、通電パターンと実際のロータ回転位置とステータとの位置との関係がずれることでトルクが十分に出ない所謂脱調を引き起こすおそれがあった。
本発明の目的とするところは、脱調を回避しつつモータを制御可能なモータ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のモータ制御装置では、ブラシレスモータに所定の通電パターンにより通電することで駆動するモータ制御手段を備えたモータ制御装置において、前記モータの実トルクを検出するトルク検出手段と、前記モータの電流値に基づいて推定トルクを検出するトルク推定手段と、前記実トルクと前記推定トルクとの差分に基づいて脱調傾向か否かを判断し、脱調傾向と判断したときは、脱調防止対策制御を実行する脱調防止対策制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、検出された実トルクに基づいて脱調傾向を素早く検出することができ、脱調を事前に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1のモータ制御装置の構成を表すブロック図である。
【図2】実施例1のトルクセンサの構成を表す概略図である。
【図3】実施例1のホイートストンブリッジ回路を表す回路図である。
【図4】実施例1のひずみセンサとダミー抵抗の形状とシリコン基板の結晶方位との関係を示す図である。
【図5】実施例1のモータ制御部における脱調検知処理を表すフローチャートである。
【図6】実施例1の脱調防止対策制御処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施例1]
【0009】
図1は実施例1のモータ制御装置の構成を表すブロック図である。実施例1のモータ1はブラシレスモータであり、UVWの各相の電流値を検出する電流センサ13と、モータ1の出力トルクをステータの歪に基づいて検出するトルクセンサ14とを有する。コントローラ10はモータ制御部11と、比較部12とを有する。モータ制御部11は、インバータ20からモータ情報を受信し、モータ1の駆動状態に応じたインバータ制御信号を出力する。具体的には、U,V,Wの各相に流れる電流値に基づいてインバータ20内に設けられたスイッチング素子に対し所定のパターンでオン・オフを行なう指令信号を出力する。尚、詳細なモータ制御内容については、公知のブラシレスモータのセンサレス制御を適宜適用すればよいため、特に言及しない。比較部12では、電流センサ13によりU,V,Wの各相の電流値を検出すると共に、トルクセンサ14からモータトルクを検出し、比較結果をモータ制御部11に出力する。
【0010】
〔トルクセンサの構成について〕
ここで、トルクセンサ14の詳細について説明する。図2は実施例1のトルクセンサの構成を表す概略図である。このトルクセンサ14は、同一の単結晶シリコン基板141上に、少なくともピエゾ抵抗効果を利用したひずみセンサ142とダミー抵抗142aを有するホイートストンブリッジ回路144、ひずみセンサアンプ群143、アナログ/デジタルコンバータ145、整流・検波・変復調回路部146、通信制御部147、接着部148、アンテナ149を備えている。尚、以下ではシリコン基板141と、シリコン基板141上に構成した薄膜群を総称してチップ140と記載する。アンテナ149は、電力を稼ぐために外部に大きなアンテナを形成しても良いが、ここではチップ140内に内蔵する場合を例に説明する。
【0011】
アンテナ149を内蔵している場合には、トルクセンサ14がチップ140に相当し、アンテナを外付けとした場合にはチップ140とアンテナ149を併せてトルクセンサ14とする。チップ140内にアンテナを内蔵しているため、外部接続用の電極パッドが不要となり、電極がチップ表面に露出することがなく、劣悪な環境下で用いる場合にも、電極パッドの腐食等が起こらず、信頼性が高い。トルクセンサ14は接着部148によりステータに接着され、シリコン基板141にひずみが伝達される。シリコン基板141全体にひずみが付加されると、シリコン基板141中のひずみセンサ142の抵抗が変化し、ひずみセンサアンプ群143、アナログ/デジタルコンバータ145を通してデジタル信号に変換され、アンテナ149からリーダに送信される。一方、リーダから送られた電力用高周波信号をアンテナ149で受信し、整流・検波・変復調回路部146で平滑化し、一定電圧の直流電力にしてチップ140内の各回路に電源として供給する。尚、実施例1ではアンテナに誘導電磁界を形成する電磁誘導を用いたもの、もしくはマイクロ波を受信、復調して用いたもの、光を用いてエネルギ供給及び交信を行なってもよい。尚、シリコン基板裏面をステータとの接着面とする。尚、実施例1では、トルクセンサ14に対する電力供給やセンサ信号の送受信を無線により行なうこととしたが、有線により行なってもよい。この場合は配線等の制約が生じるものの、無線関係機器等を削減することができるため、外乱ノイズへの耐性を確保しやすくなる。
【0012】
トルクセンサ14は素子形成面に対向したシリコン基板裏面に接着部148が配されている。そして、ステータのひずみがシリコン基板全体に接着部148を通してひずみを与えることによってひずみを計測する。すなわち、ひずみセンサ142とその処理回路が同一のシリコン基板中に高集積されるため、コンパクトな構成を達成している。このとき、シリコン基板の厚さを100μm以下にすることが望ましく、その場合にはステータのひずみの値とひずみセンサ142の位置でのひずみの値をほぼ一致させることができる。すなわち、シリコン基板141の厚さを100μm以下にすることによって測定精度を向上している。また、シリコン基板141の厚さを100μm以下にすると、ステータのように接着面が曲面を持っていたとしても、破壊することなく該曲面に沿って貼り付けることができる。さらに、シリコン基板141は絶縁膜に比べて熱伝導率が高いため、シリコン基板141の裏面に接着部148を配したことによってステータの温度がシリコン基板141の表面のひずみセンサ142に伝わりやすく、温度補正を行なった際にも温度不均一による精度の低下が発生しないという利点もある。また、ステータに接着した状態で温度が上昇すると、チップ140とステータの間に大きな熱応力が発生する場合がある。しかしながら、このトルクセンサ14は、シリコン基板裏面に接着部148を配しており、シリコン基板裏面のほうがガラス等で構成されているチップ表面よりも接着強度や破壊強度が大きいため、ステータの温度が上昇した場合でも、接着部148での破壊や剥離が起きず、信頼性ある測定ができる。接着部148はシリコンの裏面を荒らした構造を有しており、凹凸の大きさは粗さで1ミクロン以上と、チップ表面の凹凸に比べて大きくする。これにより凹凸によるアンカー効果が発生し、ステータとの接着性が更に向上する。
【0013】
また、同一のシリコン基板中にひずみセンサ142と、ひずみセンサアンプ群143及びアナログ/デジタルコンバータ145を形成し、更にこれらの回路をチップ内で配線した構造を持つため、ひずみセンサ142と他の部分をつなぐ配線の長さを非常に短くすることができ、これにより電磁誘導もしくはマイクロ波で供給された電力を用いて動作させた場合でも、ノイズの混入が非常に小さく出来る。誘導電流を電源に用いて回路の動作をさせる際にはセンサの消費電力の低減が必須であるが、この場合においてもセンサのデータがノイズに埋もれることなく正しい測定が可能となる。
【0014】
また、通常考えられるように、ひずみセンサのみを被測定物に接着し、他の回路はひずみを受けないように、センサとは別に形成した場合には、電磁誘導もしくはマイクロ波用の電波を受けた際にリード線からノイズが乗りやすく、特別な考慮なしでは実質はノイズに埋もれて測定は不可能となる。これはセンサとその他の回路が離れた場所に存在するために、電波照射時にセンサと他の回路で位相差が生じ、異なった電位となるためである。一方、実施例1では、ひずみ測定に関与する箇所は電波の広がりに対してほぼ点であるとみなせることから、位相のずれがなく、ノイズの混入が非常に小さく出来るため、正しい測定が可能となる。
【0015】
更に、実施例1では、ひずみセンサ142とひずみセンサアンプ群143が隣に形成され、さらにひずみセンサアンプ群143とアナログ/デジタルコンバータ145が隣に形成されている。ひずみセンサ142とひずみセンサアンプ群143、及びひずみセンサアンプ群143とアナログ・デジタルコンバータ145が整流・検波・変復調回路部146、通信制御部147に比べて近距離に配置されているため、配線長さが短く、電波照射時にもノイズが混入しにくいという利点がある。
【0016】
図3はホイートストンブリッジ回路を表す回路図である。ホイートストンブリッジ回路144において、ひずみセンサ142はシリコン基板141中に局所的にP型の不純物層を拡散して形成され、その長手方向は<110>方向とする。またダミー抵抗142aは同様にシリコン基板中に局所的にP型の不純物層を拡散して形成され、図2に示すようにV字型とし、そのV字型を形成する直線部分の長手方向は<100>となるようにする。さらにひずみセンサ142とダミー抵抗142aの抵抗値はほぼ同じ値となるように形成する。また、ダミー抵抗142aはV字型をしているが、V字を形成する二つの直線部分の長さが等しくなるように折れ曲がるようにする。
【0017】
図4はひずみセンサとダミー抵抗の形状とシリコン基板の結晶方位との関係を示す図である。ひずみセンサ142をP型不純物拡散層で形成し、<110>方向を長手とすることで、長手方向の応力感度が大きく出来る。また、ダミー抵抗142aをP型不純物拡散層で形成し、長手方向を<100>とすることで垂直応力に対する感度を打ち消すことができるので、更にダミー抵抗142aの感度を低下させることができる。
【0018】
このように、単結晶シリコン基板の(001)面に、互いに対向する2辺に設けられた二つのひずみセンサ142及び他の互いに対向2辺に設けられた二つのダミー抵抗142aからなる4辺のホイートストンブリッジ回路144を有し、ひずみセンサ142及びダミー抵抗142aをP型不純物拡散層で形成し、ひずみセンサ142の長手方向は<110>方向とし、ダミー抵抗142aはV字状をなし且つ当該V字を形成する直線部分の長手方向が<100>方向となるように形成したことで、ノイズの混入が非常に小さく、正しい測定ができる。
【0019】
尚、このセンサのひずみセンサ142とダミー抵抗142aの組み合わせと、各センサ及び抵抗の長手方向の関係は以下のように、
1)ひずみセンサをN型不純物拡散層で<100>方向を長手とし、ダミー抵抗をP型不純物拡散層で<100>方向を長手とし、二つのひずみセンサ及び二つのダミー抵抗が平行配置されているもの
2)ひずみセンサをN型不純物拡散層で<100>方向を長手とし、ダミー抵抗をN型不純物拡散層で、ダミー抵抗はV字形状でV字を形成する直線部分の長手方向が<110>方向とされているもの
3)ひずみセンサをP型不純物拡散層で、ダミー抵抗をN型不純物拡散層で形成し、ひずみセンサ及びダミー抵抗をともに<110>方向を長手とするように形成し、かつ、二つのひずみセンサ及び二つのダミー抵抗が平行配置されているもの
の組み合わせのいずれかであってもよい。
【0020】
図5は実施例1のモータ制御部における脱調検知処理を表すフローチャートである。実施例1のモータ制御装置は、レゾルバ等の回転角センサを備えておらず、所定の通電パターンによりU,V,W相に電流を供給することでモータ1を駆動する。このとき、ロータ2に急激な負荷が作用した場合など、負荷の急変があると、ロータ2の回転が阻害されるため、ロータ2とステータとの位置関係がずれ、通電により得られるはずのトルクを確保できなくなる(脱調)。そこで、実施例1では、ステータの歪からモータ1の実トルク相当値を直接的に検出し、この実トルク相当値と通電パターンから想定される推定トルクとの差分に基づいて脱調の可能性を事前に察知し、脱調の可能性がある場合には、所定の対策を施すことで脱調を回避することとした。以下、その制御フローを説明する。
【0021】
ステップS1では、ステータの歪をトルクセンサ14により検知し、計測トルクを検出する。
ステップS2では、モータ電流に基づいて推定トルクを演算する。具体的には計測電流にトルク定数設計値を乗算して推定トルクを算出する。尚、このステップでは電流センサ13により検出された電流値を用いているが、指令電流値を用いて推定トルクを算出してもよい。
ステップS3では、計測トルクと推定トルクとの差分を計算し、前回の制御周期における差分と今回の制御周期における差分との変化量を演算する。
【0022】
ステップS4では、差分変化量が所定値以上か否かを判断し、所定値以上のときはステップS5に進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。すなわち、差分に基づいて判断することでも、ある程度の脱調の察知は可能であるが、脱調以外の要因、具体的には温度特性や設計ばらつきによっても差分自体は発生してしまうため、十分な精度を得難い。ここで、脱調気味の場合には、通電角度がずれることによりトルク段差が発生することから、差分変化量に着目することで、より精度の高い脱調の察知を達成している。
図5の下方には、脱調気味となった場合の計測トルクと推定トルクのタイムチャートを示す。当初は小さな差分であったものの、脱調気味となることで計測トルクが小さくなり、差分が大きくなる。この差分の変化が所定値以上の場合には脱調傾向と判断する。
ステップS5では、脱調防止対策制御を実施する。具体的には、通電角度がずれていると考えられることから、通電パターンを通電角度の異なるパターンに切り換えることで脱調を回避する。
【0023】
図6は実施例1の脱調防止対策制御処理を表すフローチャートである。図6(a)は回転数目標値に更新制限を設けてモータを制御する例である。通電パターンによりモータ1の目標回転数は決定されるが、この目標回転数を徐々に変更することで、モータ1の制御状態が急変する際の過渡的な状態を排除し、適切なタイミングで通電パターンを切り換えることができる。この場合、ゆっくりではあるが目標回転数に追従しながらモータ1の状態を切り換えることができるため、フェールセーフ性は良好である。
【0024】
図6(b)は回転数を低速域まで低下させる処理である。まず、モータ回転数が低速回転数を表す所定回転数に到達したか否かを判断し、到達していないときはモータ回転数を所定割合で低下させる。モータ回転数が低いほうがより適切なタイミングで通電パターンを切り換えられるからである。また、モータ1は回転を継続していることから、ある程度の仕事は確保されるためフェールセーフ性も良好である。
【0025】
以上説明したように、実施例1にあっては下記の作用効果を得ることができる。
(1)ブラシレスモータ1に所定の通電パターンにより通電することで駆動するモータ制御部11(モータ制御手段)を備えたモータ制御装置において、モータ1の計測トルク(実トルク)を検出するトルクセンサ14(トルク検出手段)と、モータ1の電流値に基づいて推定トルクを検出するステップS2(トルク推定手段)と、実トルクと推定トルクとの差分に基づいて脱調傾向か否かを判断し(ステップS3)、脱調傾向と判断したときは、脱調防止対策制御を実行するステップS5(脱調防止対策制御手段)と、を備えた。
よって、検出された実トルクに基づいて脱調傾向を素早く検出することができ、脱調を事前に防止することができる。
【0026】
(2)ステップS3(脱調防止対策制御手段)は、計測トルクと推定トルクとの差分の変化量が所定値以上のときに脱調傾向と判断する。
よって、温度特性や製造ばらつきによる差分を排除することができ、脱調に基づくトルク変動を精度良く検出できる。
【0027】
(3)ステップS5(脱調防止対策制御)は、モータ回転数を徐々に低下させる制御である。
よって、モータの制御状態が急変するような過渡的な状態を排除し、適切なタイミングで通電パターンを切り換えることができる。
【0028】
(4)トルクセンサ14は、モータ1の構成部材であるステータの歪を検出するセンサである。
よって、モータ1が出力しているトルクと直接的に関係する値に基づいて計測することができ、検出精度を高めることができる。また、静的な構造物にトルクセンサを設けたことで安定したセンシングを実現できる。
【0029】
(5)トルクセンサ14は、単結晶シリコン基板の(001)面に、互いに対向する2辺に設けられた二つのひずみセンサ14及び他の互いに対向2辺に設けられた二つのダミー抵抗からなる4辺のホイートストンブリッジ回路144と、該ホイートストンブリッジ回路144からの信号を増幅してデジタル信号に変換するアナログ/デジタルコンバータ145(変換回路)と、該デジタル信号と前記シリコン基板の外部に電送するための通信制御部147(電送回路)と、前記シリコン基板の外部から受けた振動等に基づいて各回路に電源を供給するアンテナ149及び整流・検波・変復調回路部146(電源回路)と、を有するセンサである。
よって、非常にコンパクトな構成でありながら、極めて高精度な歪量を検出することができ、モータトルクを精度良く検出することができる。尚、実施例1ではステータにトルクセンサ14を設けた例を示したが、ロータ等、トルクの影響によって変形が考えられる場所であれば適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 モータ
2 ロータ
10 コントローラ
11 モータ制御部
12 比較部
13 電流センサ
14 トルクセンサ
20 インバータ
140 チップ
141 シリコン基板
142 ひずみセンサ
142a ダミー抵抗
143 センサアンプ群
144 ホイートストンブリッジ回路
145 アナログ・デジタルコンバータ
146 整流・検波・変復調回路部
147 通信制御部
148 接着部
149 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレスモータに所定の通電パターンにより通電することで駆動するモータ制御手段を備えたモータ制御装置において、
前記モータの実トルクを検出するトルク検出手段と、
前記モータの電流値に基づいて推定トルクを検出するトルク推定手段と、
前記実トルクと前記推定トルクとの差分に基づいて脱調傾向か否かを判断し、脱調傾向と判断したときは、脱調防止対策制御を実行する脱調防止対策制御手段と、
を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモータ制御装置において、
前記脱調防止対策制御手段は、前記差分の変化量が所定値以上のときに脱調傾向と判断することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のモータ制御装置において、
前記脱調防止対策制御は、モータ回転数を徐々に低下させる制御であることを特徴とするモータ制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1つに記載のモータ制御装置において、
前記トルク検出手段は、前記モータの構成部材の歪を検出するセンサであることを特徴とするモータ制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載のモータ制御装置において、
前記センサは、単結晶シリコン基板の(001)面に、互いに対向する2辺に設けられた二つのひずみセンサ及び他の互いに対向2辺に設けられた二つのダミー抵抗からなる4辺のホイートストンブリッジ回路と、該ホイートストンブリッジ回路からの信号を増幅してデジタル信号に変換する変換回路と、該デジタル信号と前記シリコン基板の外部に電送するための電送回路と、前記シリコン基板の外部から受けた振動等に基づいて各回路に電源を供給する電源回路と、を有するセンサであることを特徴とするモータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−70496(P2013−70496A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206719(P2011−206719)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】