説明

モータ及び電動パワーステアリング用モータ

【課題】ロータの回転位置の検出精度を向上して、トルクリップルの低減、出力向上に寄与できるモータを提供する。
【解決手段】モータMの回転軸22にはホルダ31を用いてセンサマグネット32が保持されるのに対し、そのセンサマグネット32と軸方向に対向配置された磁気センサ44が回路基板43上に設けられている。そして、センサマグネット32の各磁極部の外周面には磁気誘導部51,52が当接して設けられ、各磁気誘導部51,52は、磁気センサ44と径方向に対向する位置まで延び、センサマグネット32により生じる磁束を磁気センサ44上に誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータの回転軸に回転位置を検出するためのセンサマグネットを備えたモータ、及び電動パワーステアリング用モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動パワーステアリング装置用のモータ等では、ロータの回転位置を検出するために、ロータの回転軸に一体回転可能に固定されたセンサマグネットと、該センサマグネットと対向配置される磁気センサ(例えば、ホール素子、MRセンサ(磁気抵抗素子)等)とを備えることがある。センサマグネットは、例えば特許文献1にて示されるように、保持装置(ホルダ)を用いて回転軸に対して固定されるものがある。
【0003】
このようなモータの構成として、例えば図11に示すように、ホルダ71は、円筒部72と円板部73を貫通する貫通孔71aに回転軸74の端部部分を挿入して回転軸74に対して固定される。センサマグネット75は、ホルダ71の固定部76内に固定されることで、回転軸74に対して一体回転可能となる。軸方向においてセンサマグネット75と所定の間隔を空けて対向配置される回路基板77上には、磁気センサ78が設けられている。磁気センサ78は、センサマグネット75の回転に伴う磁界の変化を検出するとともに、その検出結果に応じた回転検出信号を出力する。そして、その回転検出信号に基づいてロータの回転位置が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2004−537048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のセンサマグネット75及び磁気センサ78において、センサマグネット75により生じる磁束は、例えば図11に示す矢印Gzのように、磁気センサ78に対して径方向線と角度をもって鎖交する。つまり、磁気センサ78との間での漏れにより単純に磁束量が減少するのに加え、鎖交する磁束が角度を有することで磁気センサ78に対する有効な磁束の量(成分)が減少してしまう。また、鎖交する磁束が角度を有することで磁気センサ78上の磁界変化に歪みも生じる。その結果、ロータの回転位置の検出精度が低下し、モータのトルクリップの増大あるいは出力低下を招くことが問題であった。
【0006】
また、上記のようなホルダ71を用いたセンサマグネット75の取り付けにおいて、例えばセンサマグネット75を装着したホルダ71を回転軸74に対して装着するような場合に、センサマグネット75及び回転軸74で閉塞されるホルダ71内の空気が圧縮されることで、ホルダ71の回転軸74への適切な装着の妨げとなったり、センサマグネット75が脱落する等の可能性がある。また、固定後において、センサマグネット75がホルダ71内の圧縮空気による応力を常に受けるような状態となり、モータを継続的に使用した場合のセンサマグネット75の脱落等の可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、ロータの回転位置の検出精度を向上して、トルクリップルの低減、出力向上に寄与できるモータ、及び電動パワーステアリング用モータを提供することにある。
【0008】
また、第2の目的は、センサマグネットを回転軸に固定するホルダ内の空気を排出してセンサマグネットが脱落する可能性を低減できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロータの回転軸に一体回転可能に固定され一対の磁極部を有するセンサマグネットと、前記センサマグネットと対向配置され前記センサマグネットの回転に伴う磁界の変化を検出する磁気センサと、を備え、前記磁気センサによる前記ロータの回転位置の検出に基づいて前記ロータの回転駆動を行うモータであって、前記センサマグネットの一対の異なる磁極部から延びて前記磁気センサを間に挟んで対向する磁性材よりなる磁気誘導部が設けられたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、ロータの回転位置の検出を行うべく、回転軸に一体回転可能に固定されたセンサマグネットには、一対の異なる磁極部から延びて磁気センサを間に挟んで対向する磁性材よりなる磁気誘導部が設けられる。センサマグネットの各磁極部に入出する磁束が磁気誘導部にて誘導され、磁気センサを間に挟んだ磁気誘導部間で磁束が発生する。これにより、磁気センサに対して磁束が鎖交する角度が小さい磁場となるように磁束の発生方向を規制できるとともに、磁気センサとの間での磁束の漏れを低減でき、磁気センサを鎖交する磁束の量を効果的に増加させることができる。また、磁気センサに鎖交する磁束の角度が小さくなるため、磁気センサ上の磁界変化の歪みも小さくなる。その結果、ロータの回転位置の検出精度を向上させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記センサマグネットと前記磁気センサとは前記回転軸の軸方向で対向配置されるものであり、前記磁気誘導部は、前記磁気センサと径方向に対向する先端面が互いに平行に構成されたことをその要旨とする。
【0012】
この発明では、センサマグネットと磁気センサとは回転軸の軸方向で対向配置され、磁気誘導部は、磁気センサと径方向に対向する先端面が互いに平行に構成される。これにより、各磁気誘導部の先端面間では径方向に平行で一様な強い磁束の流れが生じるため、ロータの回転位置の検出精度をより向上させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータにおいて、前記センサマグネットは、前記回転軸に一体回転可能に固定されたホルダを介して固定されたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、回転軸に一体回転可能に固定されたホルダを用いて、センサマグネットを回転軸に対してより確実に固定することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のモータにおいて、前記センサマグネット及び前記回転軸の装着によって閉塞される前記ホルダ内の空気の排出を可能とする排出手段が、前記センサマグネット、前記ホルダ及び前記回転軸の少なくとも一つに備えられたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、センサマグネット及び回転軸の装着によって閉塞されるホルダ内の空気の排出を可能とする排出手段が、センサマグネット、ホルダ及び回転軸の少なくとも一つに備えられる。つまり、先にセンサマグネットを装着したホルダを回転軸に対して装着するような場合に、センサマグネット及び回転軸で閉塞されるホルダ内の空気が排出手段により外部に排出される。これにより、装着時のホルダ内の空気の圧縮が防止されるため、ホルダの回転軸への適切な装着の妨げとなったり、センサマグネットが脱落する等の可能性が低減できる。また、回転軸に予め装着しておいたホルダにセンサマグネットを装着するような場合においても、装着時のホルダ内の空気の圧縮が防止されることから、センサマグネットのホルダへの適切な装着の妨げとなる可能性も低減でき、さらに、熱による空気の膨張に基づく応力も加わらない。また、固定後において、各部材がホルダ内の圧縮空気による応力を常に受けるような状態を防止し、モータを継続的に使用した場合のセンサマグネットの脱落等の可能性も低減できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記排出手段は、前記センサマグネット、前記ホルダの前記回転軸との装着部及び前記回転軸の少なくとも一つに形成された貫通孔にて構成されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、センサマグネット、ホルダの装着部及び回転軸の少なくとも一つに形成した貫通孔を通じてホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記排出手段は、前記ホルダの装着部に形成され前記ホルダ内と外部とを連通する凹部にて構成されたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、ホルダの装着部に形成したホルダ内と外部とを連通する凹部を通じてホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記回転軸に端部に向かって縮径するテーパ部が形成されるものであり、前記排出手段は、前記テーパ部としたことで前記回転軸と前記ホルダの装着部との間に形成される空間と連通するように前記装着部に形成された貫通孔及び凹部の少なくとも一方にて構成されたことをその要旨とする。
【0020】
この発明では、ホルダの装着部に形成した貫通孔や凹部が回転軸のテーパ部とで形成される空間と連通しホルダ内と外部とが連通することで、ホルダ内の空気の排出ができる。また、回転軸のテーパ部としたことで形成される空間を利用することで、ホルダの装着部に形成する貫通孔や凹部を設ける位置の自由度向上等に寄与できる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のモータにおいて、前記回転軸は、前記テーパ部における前記回転軸の外周面から斜面に変化する角部がR形状に形成されたことをその要旨とする。
【0022】
この発明では、回転軸のテーパ部における回転軸の外周面から斜面に変化する角部がR形状に形成されることで、回転軸に対するホルダの取り付けが容易となる。
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記排出手段は、前記ホルダの前記センサマグネットを保持する部分に形成された貫通孔と、前記貫通孔と前記ホルダ内とを接続するように前記センサマグネットに形成された凹部とで構成されたことをその要旨とする。
【0023】
この発明では、ホルダのセンサマグネットを保持する部分に形成された貫通孔がセンサマグネットに形成された凹部と接続されホルダ内と外部とが連通することで、ホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項4に記載のモータにおいて、前記排出手段は、前記回転軸の外周面に形成され前記ホルダ内と外部とを連通する凹部にて構成されたことをその要旨とする。
【0025】
この発明では、回転軸の外周面に形成したホルダ内と外部とを連通する凹部を通じてホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項3〜10のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記ホルダは、前記回転軸との装着部が少なくとも非磁性材により形成されたことをその要旨とする。
【0026】
この発明では、ホルダは、回転軸との装着部が少なくとも非磁性体により形成される。ここで、回転軸の材質等によっては、センサマグネットから発生する磁束が回転軸の内部に漏れ、センサマグネットによる磁界が弱くなる虞がある。センサマグネットによる磁界が弱くなると、磁気センサにおいて当該磁界を検出し難くなるため、検出されるロータの回転位置に誤差が生じ、ひいては当該回転位置に基づいて制御されるモータの回転性能が低下する。本発明では、ホルダの装着部が非磁性材により形成されホルダに固定されたセンサマグネットと回転軸との間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネットから回転軸への磁束の漏れを低減することができる。
【0027】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記センサマグネットと前記回転軸の端面との間には、隙間又は非磁性材からなる磁気抵抗部が介在されたことをその要旨とする。
【0028】
この発明では、センサマグネットと回転軸の端面との間には、隙間、又は非磁性材からなる磁気抵抗部が介在される。これにより、磁気抵抗部を設けてセンサマグネットと回転軸との間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネットから回転軸への磁束の漏れを低減することができる。
【0029】
請求項13に記載の発明は、請求項3〜11のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記センサマグネットと前記ホルダとが一体成形されたことをその要旨とする。
この発明では、センサマグネットとホルダとが一体成形されるため、それぞれ独立した別部材とする構成に対して部品点数の増加を抑えることができる。
【0030】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のモータにおいて、前記センサマグネットは、プラスチックマグネットであり、金属部材とした前記ホルダに一体成形されたことをその要旨とする。
【0031】
この発明では、プラスチックマグネットで構成されたセンサマグネットが金属部材のホルダに一体成形されることで、部品点数の増加を抑えるとともに、センサマグネットに対する保持力及び回転軸との固定力を向上させることができる。
【0032】
請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記センサマグネットの着磁態様を示す判別手段が備えられたことをその要旨とする。
この発明では、センサマグネットの着磁態様を示す判別手段が備えられるため、ロータに対して位置決めを行う必要のあるセンサマグネットを容易に適正位置に取り付けることができる。
【0033】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜15のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記ロータは、一方の磁極として機能する界磁マグネットがロータコアの周方向に複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された擬似磁極が前記マグネット間にそれぞれ配置され、前記擬似磁極が他方の磁極として機能するように構成されるものであることをその要旨とする。
【0034】
この発明では、センサマグネットの磁界に歪みが生じるケースが多い、コンシクエントポール型(ハーフマグネット型)のロータを備えたモータにおいて、格別に、上記請求項1〜15に記載のモータの効果を得ることができる。特に請求項11及び請求項12の発明に適用した場合には、センサマグネットと回転軸との間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネットの磁界が歪むことが抑制される。
【0035】
請求項17に記載の発明は、請求項1〜16のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記ロータと径方向に対向する環状のステータが強磁性材のケース部材内に収容され、前記センサマグネットは、前記ケース部材の外部において前記回転軸に固定されたことをその要旨とする。
【0036】
この発明では、ロータ及びステータが強磁性材のケース部材内に収容されるとともに、センサマグネットは、ケース部材の外部において回転軸に固定される。これにより、ロータの界磁マグネット等から出た磁束のうち、例えば回転軸を通って流れようとする磁束は、強磁性材料のケース部材を通ってマグネットに戻り易くなる。つまり、センサマグネットは、ロータ及びステータとの間に強磁性材のケース部材が介在することで、ロータ及びステータからの磁束の影響が低減され、磁界が歪むことが抑制される。
【0037】
請求項18に記載の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載のモータの構造を用いた電動パワーステアリング用モータである。
この発明では、センサマグネットの磁束を磁気誘導部内に誘導して磁気センサを鎖交する磁束の量を効果的に増加させる構造としてロータの回転位置の検出精度を向上させることで、回転駆動が高精度で且つトルクリップを低減して低騒音化が望まれるパワーステアリング用モータへの適用性が高い。
【発明の効果】
【0038】
請求項1〜18に記載の発明によれば、ロータの回転位置の検出精度を向上して、トルクリップルの低減、出力向上に寄与できるモータ、及び電動パワーステアリング用モータを提供することができる。
【0039】
また、請求項4〜10に記載の発明によれば、センサマグネットを回転軸に固定するホルダ内の空気を排出してセンサマグネットが脱落する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(a)はモータの軸方向断面図、(b)は(a)のホルダ及びセンサマグネットの拡大図。
【図2】モータの径方向断面図。
【図3】ホルダ及びセンサマグネットの分解斜視図。
【図4】別の形態のホルダ及びセンサマグネットの拡大図。
【図5】別の形態のホルダ及びセンサマグネットの拡大図。
【図6】(a)は別の形態のホルダの斜視図、(b)はホルダ及びセンサマグネットの上面図、(c)は(b)におけるA−A断面図。
【図7】(a)は別の形態のホルダの斜視図、(b)はホルダ及びセンサマグネットの上面図、(c)は(b)におけるB−B断面図。
【図8】(a)(b)は別の形態のホルダ及びセンサマグネットの断面図。
【図9】別の形態のホルダ及びセンサマグネットの断面図。
【図10】別の形態のホルダ及びセンサマグネットの断面図。
【図11】従来のホルダ及びセンサマグネットの拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態のモータMは、電動パワーステアリング装置(EPS)に用いられるものであり、インナロータ型のブラシレスモータである。モータケース1は、強磁性材料から形成され、ケース本体部2と、該ケース本体部2に組付けられたエンドフレーム3とから構成されている。ケース本体部2は、円筒状の筒状部2aと、該筒状部2aの軸方向の基端側を略閉塞する底部2bとが一体に形成され有底円筒状をなしている。ケース本体部2の先端側の開口部は、略円板状の前記エンドフレーム3にて閉塞される。
【0042】
底部2bは、径方向の中央部に基端側に向けて凹設された軸受収容部2cが形成されている。軸受収容部2cは、底部中央に軸方向に貫通する貫通孔2dが形成されている。軸受収容部2cの内部には、円環状の軸受4が収容されている。エンドフレーム3は、径方向の中央部に先端側に向けて凹設された軸受収容部3aが形成されている。軸受収容部3aは、底部中央に軸方向に貫通する貫通孔3bが形成されている。軸受収容部3aの内部には、円環状の軸受5が収容されている。そして、各軸受4,5は、後述のロータ21の回転軸22を回転可能に支持する。
【0043】
モータケース1の内部には、筒状部2aの内周面に円筒状のステータ11が固定されている。図1(a)及び図2に示すように、ステータ11は、磁性金属板材を複数枚積層してなる略円筒状のステータコア12を備える。ステータコア12は、円筒状の内嵌部12aと、該内嵌部12aの内周面から径方向内側に延びるティース12bとから構成されている。ティース12bは、ステータコア12の周方向に等角度間隔(本実施形態では6°間隔)に60個形成され、各ティース12b間にスロットSが形成されている。本実施形態のステータ11は、各スロットSに軸方向の基端側から先端側に向かって細長の導体板からなるセグメントSGを挿入して各セグメントSG同士が所定の規則で接合された、所謂SC巻線13が構成されている。SC巻線13は、U相、V相、W相の3相の巻線から構成されている。ステータ11は、内嵌部12aが筒状部2aの内周面に固定されている。このようなステータ11の径方向内側には、ロータ21が配置されている。
【0044】
ロータ21は、非磁性材金属(例えばステンレス鋼(SUS))にて形成された円柱状の回転軸22と、回転軸22に固定されたロータコア23と、ロータコア23に対して配置された界磁マグネット24とから構成されている。尚、回転軸22は、ロータコア23よりも磁気抵抗の大きい非磁性材金属にて形成されている。
【0045】
ロータコア23は、磁性金属板材を複数枚積層してなる略円筒状のコア固定部23aと、該コア固定部23aの外周面から径方向外側に突出した5個の擬似磁極23bとから構成されている。ロータコア23は、コア固定部23aの径方向中央部に形成された固定孔23c内に回転軸22が圧入されることにより、該回転軸22に対して一体回転可能に固定されステータ11と径方向に対向する。
【0046】
擬似磁極23bは、コア固定部23aと一体に形成され、コア固定部23aの外周で周方向に間隔を空けて等角度間隔(本実施形態では72°間隔)に形成されている。ロータコア23の外周には、擬似磁極23b間にそれぞれマグネット24が設けられ、合計で5個配置されている。各マグネット24は、軸方向に沿って延びる略長方形状をなすとともに、その軸方向の長さがロータコア23の軸方向の長さとほぼ等しく形成されている。ロータコア23の各擬似磁極23bの径方向内側には、その内側が短辺となる略台形の貫通孔25が形成され、擬似磁極23bと同様に周方向に5つ形成されている。
【0047】
マグネット24の径方向内側の内周側面24aは、コア固定部23aの外周面に固着されている。マグネット24の周方向の幅は、ロータコア23の外周面における擬似磁極23b間の部位の周方向の幅よりも短く形成され、各マグネット24が周方向の両側の擬似磁極23bと離間している。各マグネット24は、外周側面24b側がN極、内周側面24a側がS極となるように着磁される。そして、擬似磁極23bは、N極のマグネット24に対して擬似的にS極として機能する。即ち、本実施形態のロータ21は、コンシクエントポール型(ハーフマグネット型)のロータである。
【0048】
図1(a)(b)に示すように、ロータ21の回転軸22は、先端側において、軸受収容部3a内の軸受5にて軸支されるとともに、貫通孔3bからエンドフレーム3の外部に突出している。回転軸22の突出した先端部分(出力側端部部分)には、減速機等の外部機構と連結するための連結部6が固定されている。また、回転軸22は、基端側において、軸受収容部2c内に収容された軸受4にて軸支されるとともに、貫通孔2dからケース本体部2の外部に突出している。回転軸22の突出した基端部分には、ホルダ31が固定され、該ホルダ31内には回転軸22(ロータ21)の回転位置を検出するためのセンサマグネット32が保持されている。尚、回転軸22は、基端側の端部部分が先端に向かって縮径する円錐台形状となっている。
【0049】
ケース本体部2における基端部分には、駆動回路装置41が固定されている。駆動回路装置41は、有底円筒状の収容ケース42と、該収容ケース42内に収容された回路基板43とを備えている。収容ケース42は、その開口部が前記底部2bによって閉塞されるようにケース本体部2に対して組付けられることにより、回転軸22の基端部、ホルダ31及びセンサマグネット32が収容ケース42内に収容されている。回路基板43は、センサマグネット32と径方向で平行となるように配置されている。回路基板43の径方向中央部の基板上には、センサマグネット32と軸方向において所定の間隔を空けて対向配置された磁気センサ44が設けられている。磁気センサ44は、例えばMRセンサ(磁気抵抗素子)である。回路基板43上には、磁気センサ44と電気的に接続された検出回路(図示略)と、ステータ11のSC巻線13への電流の供給を制御する駆動制御回路(図示略)が設けられている。駆動制御回路は、検出回路と接続され、外部の電源装置に接続されている。
【0050】
また、回路基板43の径方向外側の基板上には、SC巻線13の各相に電力を供給するための出力端子46がそれぞれ形成されている。各出力端子46は、各相毎のSC巻線13に設けられた電力受電用端子(図示略)と軸方向で対向する位置に設けられている。各相の電力受電用端子から引き出される引出線47は、ケース本体部2の底部2bに形成された貫通孔2eを貫通して回路基板43上の各相の出力端子46とそれぞれ接続されている。
【0051】
図3及び図1(b)に示すように、回転軸22の基端部分に固定されたホルダ31は、非磁性金属(ステンレス(SUS)やアルミ等)から形成され、回転軸22が固定される装着部としての円筒部33と、円筒部33の基端端部から径方向外側に延出形成された円板部34と、円板部34の外周に形成された固定部35とから構成されている。円筒部33及び円板部34の中央部には、軸方向に貫通する圧入孔31aが形成されている。
【0052】
固定部35は、円板部34の外周面34aから円筒部33とは反対側に延び、180°対向位置で一対設けられている。各固定部35はそれぞれ円弧状をなし、各固定部35間には切り欠き部35aが構成されている。各固定部35の径方向内側には、円板状のセンサマグネット32が配置され、該センサマグネット32の中心部にはその表裏を軸方向に貫通する貫通孔32aが形成されている。センサマグネット32は、固定部35の内周面35bにセンサマグネット32の外周面32bを内嵌させるとともに、端面32cが円板部34と当接するように配置され、例えば非磁性材からなる接着剤にてその外周面32bと固定部35の内周面35bとが、端面32cと円板部34とがそれぞれ接着固定される。固定部35に固定されたセンサマグネット32は、端面32dが固定部35の端面35cと略同じ高さとなるように配置される。そして、ホルダ31及びセンサマグネット32は、ホルダ31の圧入孔31a内に回転軸22の基端部分が圧入されることにより、該回転軸22に対して一体回転可能に固定される。このとき、センサマグネット32の端面32cと回転軸22の端面22aとは、ホルダ31の圧入孔31a内において隙間37が生じる状態で固定される。
【0053】
センサマグネット32は、周方向(回転方向)において磁極が切り替わるように一対のN極着磁部38及びS極着磁部39が着磁されている。センサマグネット32の各着磁部38,39には、外周面32bに磁気誘導部51,52が固定されている。磁気誘導部51,52は、強磁性材(鉄板等)からなり、軸方向に形成された壁部51a,52aと、壁部51a,52aの端部に形成された平坦部51b,52bとから構成されている。壁部51a,52aは、センサマグネット32の外周面32b(固定部35)と同じ曲率の円弧状に形成されている。平坦部51b,52bは、壁部51a,52aの突出先端の略半円形状を閉塞するとともに、径方向内側に矩形状に延出する平坦面で形成されている。平坦部51b,52bの先端面51d,52dは、平坦部51b,52bの突出方向の直交方向に沿って形成されている。
【0054】
このような磁気誘導部51,52は、壁部51a,52aを前記固定部35の切り欠き部35aに嵌挿させ、壁部51a,52aの内周面51c,52cがセンサマグネット32の外周面32bに接着剤(好ましくは磁性を有する接着剤)にて固定される。従って、磁気誘導部51,52は、ホルダ31が回転軸22に固定されることにより、センサマグネット32とともに一体回転する。尚、磁気誘導部51,52は、平坦部51b,52bが磁気センサ44を径方向間に挟んで対向する位置となるように壁部51a,52aの軸方向の長さLが設定されている。
【0055】
このように構成されたモータMは、図1(a)に示す磁気センサ44が回転軸22の回転に伴うセンサマグネット32の磁界の変化を検出し検出結果に応じた回転検出信号を上記した検出回路に出力する。検出回路は、回転検出信号に基づいてロータ21の回転位置等を検出して駆動制御回路に出力する。そして、駆動制御回路は、検出された回転位置等に基づいて、その時々に適切な駆動電流を生成して出力端子46から引出線47を介してステータ11のSC巻線13に供給し、ロータ21の回転駆動を行う。
【0056】
次に、本実施形態の作用について記載する。
図1(b)に示すように、センサマグネット32に当接配置された強磁性材よりなる磁気誘導部51,52は、壁部51a,52aの突出先端側に設けた平坦部51b,52bの先端面51d,52dが磁気センサ44と径方向に対向するように設けられている。また、先端面51d,52dは、平坦部51b,52bの突出方向の直交方向に平行(即ち先端面間の距離が同一)となるように設けられている。そのため、センサマグネット32により生じる磁束は、各着磁部38,39に対応する各磁気誘導部51,52にて誘導されその突出先端(平坦部51b,52bの先端面51d,52d)から磁気センサ44上に効率よく(漏れが少なく)生じるようになる。また、各磁気誘導部51,52の先端面51d,52dは、磁気センサ44を間に挟んで互いに平行に形成されていることから、図1(b)の矢印Gaにて示すように、各先端面51d,52d間で磁気センサ44を径方向に挟むような平行で一様な強い磁束が流れる。そのため、磁気センサ44に対して磁束が鎖交する角度が極めて小さくなる。これらから、磁気センサ44を鎖交する磁束の量を効果的に増加でき、また磁気センサ44上の磁界変化の歪みも極めて小さくなることから、磁気センサ44の検出精度が向上するようになっている。
【0057】
また、センサマグネット32部分の取り付けに関しては、その中心部に形成された貫通孔32aにより、例えば、先にセンサマグネット32を装着したホルダ31を回転軸22に対して装着するような場合に、センサマグネット32及び回転軸22で閉塞される圧入孔31a内の空気がセンサマグネット32の貫通孔32aを通って外部に排出される。つまり、装着時の圧入孔31a内の空気の圧縮が防止されるため、ホルダ31の回転軸22への適切な装着の妨げとなったり、センサマグネット32が脱落する等の可能性が低減される。また、回転軸22に予め装着しておいたホルダ31にセンサマグネット32を装着するような場合においても、装着時の圧入孔31a内の空気の圧縮が防止されることから、センサマグネット32のホルダ31への適切な装着の妨げとなる可能性も低減でき、さらに、熱による空気の膨張に基づく応力も加わらない。また、固定後において、センサマグネット32がホルダ31内(圧入孔31a内)の圧縮空気による応力を常に受けるような状態が防止されることから、モータMを継続的に使用した場合のセンサマグネット32の脱落等の可能性も低減される。
【0058】
また、ホルダ31部分の磁気的な改善については、回転軸22に装着するための円筒部33を含め全体が非磁性材により形成され、またセンサマグネット32の端面32dと回転軸22の端面22aとの間に隙間37が設けられる。ここで、回転軸22の材質等によっては、センサマグネット32から発生する磁束が回転軸22の内部に漏れ、センサマグネット32による磁界が弱くなる虞がある。センサマグネット32による磁界が弱くなると、磁気センサ44において当該磁界を検出し難くなるため、検出されるロータ21の回転位置に誤差が生じ、ひいては当該回転位置に基づいて制御されるモータMの回転性能が低下する。これに対し本実施形態では、ホルダ31を非磁性材で形成するとともに、センサマグネット32と回転軸22との間に隙間37を設けて相互間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネット32から回転軸22への磁束の漏れが低減され、このことによっても磁気センサ44の検出精度が向上するようになっている。
【0059】
また、本実施形態のモータMは、所謂コンシクエントポール型のロータ21を備える。ここで、コンシクエントポール型構造のロータ21においては、擬似磁極23bはマグネット24と異なる磁極として機能するものの、実際にはマグネットではない。このように磁束の強制力(誘導)が無い擬似磁極23bを磁極として機能させた影響により、マグネット24の磁束が回転軸22に流れ込み、センサマグネット32を保持するホルダ31の円筒部33が固定される回転軸22の部位が磁化される虞がある。その結果、センサマグネット32の磁界が歪んでしまい、磁気センサ44によるロータ21の回転位置の検出精度が低下する虞がある。これに対し本実施形態では、ホルダ31を非磁性材で形成するとともに、センサマグネット32と回転軸22との間に隙間37(磁気抵抗部)を設けることで、磁化された回転軸22によりセンサマグネット32の磁界が歪むことが抑制され、このことでも磁気センサ44の検出精度が向上するようになっている。
【0060】
また、図1(a)に示すように、強磁性材料からなるモータケース1の内部にロータ21及びステータ11が収容され、センサマグネット32がそのモータケース1の外部において回転軸22に固定されている。これにより、例えば、ロータコア23から回転軸22に流れ込んだマグネット24の磁束が回転軸22と近接するモータケース1の軸受収容部2c(貫通孔2d部分)から吸収され、またマグネット24及びロータコア23から空気中に発生した磁束(漏れ磁束)もモータケース1の底部2b等に吸収される。つまり、マグネット24により生じる磁束がセンサマグネット32と無関係な箇所に形成される磁気回路にその多くが流れるようになるため、このことでも磁気センサ44の検出精度が向上するようになっている。
【0061】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)本実施形態のモータMは、回転軸22の基端部分にホルダ31が固定され、該ホルダ31の固定部35にはセンサマグネット32が固定されている。モータMの駆動回路装置41内の回路基板43上には、センサマグネット32と軸方向において所定の間隔を空けて対向配置された磁気センサ44が設けられている。そして、センサマグネット32には、各着磁部38,39の外周面32bに強磁性材よりなる磁気誘導部51,52が設けられ、各磁気誘導部51,52は、磁気センサ44と径方向に対向するように設けられている。そのため、センサマグネット32により生じる磁束は、各着磁部38,39に対応する各磁気誘導部51,52にて誘導され、磁気センサ44を間に挟んだ各磁気誘導部51,52間(平坦部51b,52bの先端面51d,52d間)で磁束が発生する(図1(b)参照)。これにより、磁気センサ44に対して磁束が鎖交する角度が小さい磁場となるように磁束の発生方向を規制できるとともに、磁気センサ44との間での磁束の漏れを低減でき、磁気センサ44を鎖交する磁束の量を効果的に増加させることができる。また、磁気センサ44に鎖交する磁束の角度が小さくなるため、磁気センサ44上の磁界変化の歪みも小さくすることができる。その結果、ロータ21の回転位置の検出精度を向上させることができ、モータMのトルクリップルの低減、出力向上に寄与することができる。また、このようなモータMは、回転駆動が高精度で且つトルクリップを低減して低騒音化が望まれるパワーステアリング用モータへの適用性が高い。
【0062】
また、センサマグネット32は、ホルダ31により回転軸22の端面22aに対向して固定されている。ここで、上記した特許文献1に示された構成では、センサマグネット32が環状に形成されており、センサマグネット32が回転軸22の端面22aと対向していない。このような構成では、センサマグネット32の各着磁部38,39の回転に伴う位置に対応するように磁気センサ44を配置する必要があり、高精度な位置調整が要求される。これに対し本実施形態では、回転軸22の端面22aに対向して固定したセンサマグネット32に対して、磁気センサ44を回転軸22の軸線上に配置することで位置調整が容易となる。
【0063】
(2)各磁気誘導部51,52は、磁気センサ44と径方向に対向する先端面51d,52dが、互いに平行に形成されている。これにより、各磁気誘導部51,52の平坦部51b,52bの先端面51d,52d間では径方向に平行で一様な強い磁束の流れが生じるため、ロータ21の回転位置の検出精度をより向上させることができる。
【0064】
(3)センサマグネット32は、回転軸22に一体回転可能に固定されたホルダ31を介して該回転軸22に固定されている。これにより、例えば回転軸22の端面22aにセンサマグネット32を直接固定するような構成に比べて、センサマグネット32を回転軸22に対してより確実に固定することができ、又センサマグネット32が破損する可能性を低減できる。
【0065】
(4)センサマグネット32は、センサマグネット32及び回転軸22の装着によって閉塞されるホルダ31内の空気の排出を可能とする貫通孔(排出手段)32aが形成されている。これにより、センサマグネット32の脱落等の可能性を低減でき、センサマグネット32をホルダ31に対して適切に装着することができる。
【0066】
(5)ホルダ31は、回転軸22に装着するための円筒部33を含め全体が非磁性材により形成されている。これにより、センサマグネット32と回転軸22との相互間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネット32から回転軸22への磁束の漏れを低減することができる。このことによっても、磁気センサ44の検出精度を向上できる。
【0067】
(6)ホルダ31は、圧入孔31a内において、圧入された回転軸22と、固定部35に固定されたセンサマグネット32との間に磁気抵抗部となる隙間37が設けられている。これにより、センサマグネット32と回転軸22との相互間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネット32から回転軸22への磁束の漏れを低減することができる。このことによっても、磁気センサ44の検出精度を向上できる。
【0068】
(7)本実施形態では、センサマグネット32の磁界に歪みが生じるケースが多い、コンシクエントポール型のロータ21を備えたモータMにおいて、ホルダ31を非磁性材で形成するとともに、センサマグネット32と回転軸22との間に隙間37(磁気抵抗部)を設けることで、磁化された回転軸22によりセンサマグネット32の磁界が歪むことが抑制される。このことによっても、磁気センサ44の検出精度を向上できる。
【0069】
(8)ロータ21及びステータ11は強磁性材のモータケース1(ケース部材)に収容され、センサマグネット32はモータケース1の外部において回転軸22に固定されている。これにより、センサマグネット32は、ロータ21及びステータ11との間に強磁性材のモータケース1が介在することで、ロータ21及びステータ11からの磁束の影響が低減され、磁界が歪むことが抑制される。回転軸22においてセンサマグネット32(ホルダ31)が固定された部位が磁化されることが抑制されるため、磁化された回転軸22の影響によってセンサマグネット32の磁界が歪むことが抑制され、このことによっても、磁気センサ44の検出精度を向上できる。
【0070】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、センサマグネット32をホルダ31を用いて回転軸22に固定したが、図4に示すように、センサマグネット32を回転軸22の端面22aに直接固定してもよい。例えば、センサマグネット32は、回転軸22の端面22aに対して非磁性材からなる接着剤61にて固定すれば、接着剤61を回転軸22とセンサマグネット32との間の磁気抵抗部として機能させることもできる。
【0071】
・上記実施形態において、ホルダ31の形状は一例であり、適宜変更してもよい。例えば図5に示すように、固定部35を環状に形成し、その内側に磁気誘導部51,52とともにセンサマグネット32を装着する構成としてもよい。また、ホルダ31の全体を非磁性材にて形成したが、その一部、例えば円筒部33(装着部)のみを非磁性材で形成してもよい。
【0072】
・上記実施形態において、磁気誘導部51,52の形状は一例であり、適宜変更してもよい。例えば、壁部51a,52a及び平坦部51b,52bは板状をなしているが、柱状等の他の形状に変更してもよい。
【0073】
・上記実施形態において、先端面51d,52dは、平坦部51b,52bの突出方向の直交方向で平行となるように設けられていたが、例えば、他の径方向で互いに平行となるように設けてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、磁気誘導部51,52、センサマグネット32及びホルダ31を別体で構成して接着固定したが、圧入、係止等、接着以外の固定手法を用いて互いに固定させてもよい。また、磁気誘導部51,52とセンサマグネット32とを当接させた状態でホルダ31を成形して一体化させてもよい。また、磁気誘導部51,52やホルダ31を磁性樹脂とし、センサマグネット32と一体的に成形してもよい。この場合、それぞれ独立した別部材とする構成に対して部品点数の増加を抑えることができる。また、センサマグネット32を、例えば磁性体を樹脂材に含ませて形成された所謂プラスチックマグネットで構成し、金属部材等のホルダ31に一体成形により装着してもよい。これにより、部品点数の増加を抑えるとともに、センサマグネット32に対する保持力及び回転軸22との固定力を向上させることができる。
【0075】
・上記実施形態において、磁気誘導部51,52をセンサマグネット32の外周面32bに固定したが、これに限らず、例えばセンサマグネット32の各着磁部38,39の端面32d上に固定してもよい。
【0076】
・上記実施形態では、ホルダ31(圧入孔31a)内の空気を排出する排出手段として、センサマグネット32に貫通孔32aを設けたが、これに限定されない。
例えば図6(a)に示すように、ホルダ31の円筒部(装着部)33に凹部62を設けてもよい。円筒部33は、内側面63が凹設された凹部62が周方向に等間隔に複数(図6(a)において3つ)形成されている。各凹部62は、周方向の幅を一定として軸方向に沿って形成されるとともに、軸方向の基端側(センサマグネット32側)部分が円弧状をなしている。図6(c)の拡大図に示すように、回転軸22の外周面22bと凹部62の内側面63との間には、隙間64が形成され、ホルダ31内と外部とが連通されている。この場合、回転軸22の端部には、先端に向かって縮径する円錐台形状のテーパ部65が形成され、その凹部62は、テーパ部65としたことで形成される空間66と連通するように設けられている。これにより、円筒部33に形成したホルダ31内と外部とを連通する凹部62を通じてホルダ31内の空気の排出ができる。また、回転軸22のテーパ部65としたことで形成される空間66を利用することで、ホルダ31の円筒部33に形成する凹部62を設ける位置の自由度向上等に寄与できる。また、回転軸22は、テーパ部65における回転軸22の外周面22bから斜面に変化する角部67がR形状に形成されている(図6(c)拡大図参照)。これにより、回転軸22に対するホルダ31の取り付けが容易となる。因みに、上記した構成では、センサマグネット32の貫通孔32aを省略することができる。
【0077】
尚、上記した構成では、円筒部33には、軸方向の基端側(センサマグネット32側)部分にまで凹部62が形成されていない。このような構成としたことで、回転軸22との固定力を十分に確保できるとともに、例えばセンサマグネット32をプラスチックマグネットで構成して金属部材のホルダ31に一体成形により装着するような場合に、この成形時における溶融したプラスチック部材が凹部62を通じて漏れ出る事を防止することができる。従って、回転軸22のテーパ部65と協同してホルダ31内と凹部62とを連通させている。
【0078】
また、例えば図7(a)〜(c)に示すように、ホルダ31の円筒部33に貫通孔33aを形成しても、排出手段を簡易に構成してホルダ31内の空気の排出ができる。尚、この場合、貫通孔33aは、テーパ部65を設けたことで形成された空間66と連通するように形成されている。
【0079】
また、例えば図8(a)に示すように、回転軸22に貫通孔22cを形成してもよい。図8(a)に示す回転軸22の貫通孔22cは、回転軸22の略中央部分を軸方向に沿って形成され、所定位置で直交方向に曲がって外周面22bまで貫通しており、ホルダ31内と外部とが連通している。このような構成においても、上記した効果と同様の効果を得ることができる。また、例えば図8(b)に示すように、貫通孔22cを回転軸22の基端側の端面22aと先端側の端面22dとを貫通させて形成しても上記した効果と同様の効果を得ることができる。
【0080】
また、例えば図9に示すように、ホルダ31の固定部35の基端部分に貫通孔35dを形成し、これと連通するようにセンサマグネット32の端面32cに凹部32eを形成して、ホルダ31内の空気の排出を行ってもよい。尚、図9に示すように磁気誘導部51が凹部32eと貫通孔35dとの間に介在する場合は、自身に貫通孔51eを形成して対応する。このような構成においても、上記した効果と同様の効果を得ることができる。尚、磁気誘導部51に設けた貫通孔51eは、凹部32e及び貫通孔35dを磁気誘導部51とずらして設けることで省略できる。また、貫通孔35dを設ける位置は固定部35に限らず、センサマグネット32を保持する他の部分(例えば円板部34)に形成してもよい。
【0081】
また、例えば図10に示すように、回転軸22の外周面22bにホルダ31内と外部とを連通する凹部22eを形成してもよい。このような構成においても、上記した効果と同様の効果を得ることができる。
【0082】
尚、上記実施形態及び図5〜図10に示した排出手段を備える構成では、磁気誘導部51,52を省略しても上記した効果(ホルダ31内の空気を排出可能)を得ることができる。また、上記した排出手段の数・形状・構成等は一例であり、これらやこれらの組み合わせは適宜変更してもよい。例えばセンサマグネット32の貫通孔32aと、円筒部33の貫通孔33aとの両方を備えてもよい。
【0083】
・上記実施形態において、センサマグネット32の着磁態様を示す判別手段を設けてもよい。例えば図6(a)〜(c)に示すホルダ31には、固定部35の先端部から径方向外側に延出形成された環状のフランジ部68が設けられ、該フランジ部68の外周面は、径方向の直交方向に直線状に切断された形状(Dカット形状)をなす。これにより生じる平坦面68aは、センサマグネット32のN極着磁部38の位置に合わせて設けられている。ここで、センサマグネット32を取り付けた後のセンサマグネット32及びロータ21の各磁極位置の補正処理では、相互の磁極位置が大きくずれているとモータロックや逆回転といった不具合が生じる虞がある。従って、この補正処理では、センサマグネット32及びロータ21の相互の磁極位置を所定範囲内とする必要がある。そのため、センサマグネット32の回転方向の取付位置を判別する判別手段として平坦面68aが機能するため、ロータ21に対して位置決めを行う必要のあるセンサマグネット32を容易に適正位置に取り付けることができる。結果、不具合が生じることなく補正処理を行うことができる。尚、判別手段の形状・構成等は一例であり、適宜変更してもよい。
【0084】
・上記実施形態において、円板状としたセンサマグネット32の形状は一例であり、適宜変更してもよく、例えば直方体で形成してもよい。
・上記実施形態において、隙間37に非磁性樹脂等を充填して磁気抵抗部を構成してもよい。
【0085】
・上記実施形態では、磁気センサ44としてMRセンサを用いたが、例えばホール素子等の他のセンサを用いてもよい。
・上記実施形態において、センサマグネット32、ステータ11の磁極数は一例であり、適宜変更してもよい。
【0086】
・上記実施形態では、所謂コンシクエントポール型(ハーフマグネット型)のロータ21に適用したが、全磁極をマグネットで構成したフルマグネット型のロータに適用してもよい。
【0087】
・上記実施形態において、ステータ11のスロットSには、細長の導体板を適宜接合したSC巻線でコイルが構成されていたが、これに限定されず、例えば、可撓性の導体線を巻回(集中巻きや分布巻き等)してコイルを構成してもよい。また、巻回されるコイルは、3相に限らず単層や他の複数相に適宜変更してもよい。
【0088】
・上記実施形態では、電動パワーステアリング装置(EPS)用のモータMに適用したが、その他の用途に用いるモータに適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0089】
(イ) ロータの回転軸にホルダを介して一体回転可能に固定されたセンサマグネットと、
前記センサマグネットと対向配置され前記センサマグネットの回転に伴う磁界の変化を検出する磁気センサと、を備え、
前記磁気センサによる前記ロータの回転位置の検出に基づいて前記ロータの回転駆動を行うモータであって、
前記センサマグネット及び前記回転軸の装着によって閉塞される前記ホルダ内の空気の排出を可能とする排出手段が、前記センサマグネット、前記ホルダ及び前記回転軸の少なくとも一つに備えられたことを特徴とするモータ。
【0090】
この構成によれば、センサマグネット及び回転軸の装着によって閉塞されるホルダ内の空気の排出を可能とする排出手段が、センサマグネット、ホルダ及び回転軸の少なくとも一つに備えられる。つまり、先にセンサマグネットを装着したホルダを回転軸に対して装着するような場合に、センサマグネット及び回転軸で閉塞されるホルダ内の空気が排出手段により外部に排出される。これにより、装着時のホルダ内の空気の圧縮が防止されるため、ホルダの回転軸への適切な装着の妨げとなったり、センサマグネットが脱落する等の可能性が低減できる。また、回転軸に予め装着しておいたホルダにセンサマグネットを装着するような場合においても、装着時のホルダ内の空気の圧縮が防止されることから、センサマグネットのホルダへの適切な装着の妨げとなる可能性も低減でき、さらに、熱による空気の膨張に基づく応力も加わらない。また、固定後において、各部材がホルダ内の圧縮空気による応力を常に受けるような状態を防止し、モータを継続的に使用した場合のセンサマグネットの脱落等の可能性も低減できる。
【0091】
(ロ) 上記イに記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記センサマグネット、前記ホルダの前記回転軸との装着部及び前記回転軸の少なくとも一つに形成された貫通孔にて構成されたことを特徴とするモータ。
【0092】
この構成によれば、センサマグネット、ホルダの装着部及び回転軸の少なくとも一つに形成した貫通孔を通じてホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
【0093】
(ハ) 上記イに記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記ホルダの装着部に形成され前記ホルダ内と外部とを連通する凹部にて構成されたことを特徴とするモータ。
【0094】
この構成によれば、ホルダの装着部に形成したホルダ内と外部とを連通する凹部を通じてホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
(二) 上記イに記載のモータにおいて、
前記回転軸に端部に向かって縮径するテーパ部が形成されるものであり、
前記排出手段は、前記テーパ部としたことで前記回転軸と前記ホルダの装着部との間に形成される空間と連通するように前記装着部に形成された貫通孔及び凹部の少なくとも一方にて構成されたことを特徴とするモータ。
【0095】
この構成によれば、ホルダの装着部に形成した貫通孔や凹部が回転軸のテーパ部とで形成される空間と連通しホルダ内と外部とが連通することで、ホルダ内の空気の排出ができる。また、回転軸のテーパ部としたことで形成される空間を利用することで、ホルダの装着部に形成する貫通孔や凹部を設ける位置の自由度向上等に寄与できる。
【0096】
(ホ) 上記ニに記載のモータにおいて、
前記回転軸は、前記テーパ部における前記回転軸の外周面から斜面に変化する角部がR形状に形成されたことを特徴とするモータ。
【0097】
この構成によれば、回転軸のテーパ部における回転軸の外周面から斜面に変化する角部がR形状に形成されることで、回転軸に対するホルダの取り付けが容易となる。
(ヘ) 上記イに記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記ホルダの前記センサマグネットを保持する部分に形成された貫通孔と、前記貫通孔と前記ホルダ内とを接続するように前記センサマグネットに形成された凹部とで構成されたことを特徴とするモータ。
【0098】
この構成によれば、ホルダのセンサマグネットを保持する部分に形成された貫通孔がセンサマグネットに形成された凹部と接続されホルダ内と外部とが連通することで、ホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
【0099】
(ト) 上記イに記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記回転軸の外周面に形成され前記ホルダ内と外部とを連通する凹部にて構成されたことを特徴とするモータ。
【0100】
この構成によれば、回転軸の外周面に形成したホルダ内と外部とを連通する凹部を通じてホルダ内の空気の排出ができる。また、排出手段を簡易に構成することができる。
(チ) 上記イ〜トのいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記ホルダは、前記回転軸との装着部が少なくとも非磁性材により形成されたことを特徴とするモータ。
【0101】
この構成によれば、ホルダは、回転軸との装着部が少なくとも非磁性体により形成される。ここで、回転軸の材質等によっては、センサマグネットから発生する磁束が回転軸の内部に漏れ、センサマグネットによる磁界が弱くなる虞がある。センサマグネットによる磁界が弱くなると、磁気センサにおいて当該磁界を検出し難くなるため、検出されるロータの回転位置に誤差が生じ、ひいては当該回転位置に基づいて制御されるモータの回転性能が低下する。本発明では、ホルダの装着部が非磁性材により形成されホルダに固定されたセンサマグネットと回転軸との間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネットから回転軸への磁束の漏れを低減することができる。
【0102】
(リ) 上記イ〜チのいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットと前記回転軸の端面との間には、隙間又は非磁性材からなる磁気抵抗部が介在されたことを特徴とするモータ。
【0103】
この構成によれば、センサマグネットと回転軸の端面との間には、隙間、又は非磁性材からなる磁気抵抗部が介在される。これにより、磁気抵抗部を設けてセンサマグネットと回転軸との間の磁気抵抗を高めることで、センサマグネットから回転軸への磁束の漏れを低減することができる。
【0104】
(ヌ) 上記イ〜リのいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットと前記ホルダとが一体成形されたことを特徴とするモータ。
この構成によれば、センサマグネットとホルダとが一体成形されるため、それぞれ独立した別部材とする構成に対して部品点数の増加を抑えることができる。
【0105】
(ル) 上記ヌに記載のモータにおいて、
前記センサマグネットは、プラスチックマグネットであり、金属部材とした前記ホルダに一体成形されたことを特徴とするモータ。
【0106】
この構成によれば、プラスチックマグネットで構成されたセンサマグネットが金属部材のホルダに一体成形されることで、部品点数の増加を抑えるとともに、センサマグネットに対する保持力及び回転軸との固定力を向上させることができる。
【0107】
(ヲ) 上記イ〜ルのいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットの着磁態様を示す判別手段が備えられたことを特徴とするモータ。
【0108】
この構成によれば、センサマグネットの着磁態様を示す判別手段が備えられるため、ロータに対して位置決めを行う必要のあるセンサマグネットを容易に適正位置に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0109】
1…モータケース(ケース部材)、22c,32a,33a,35d…貫通孔(排出手段)、11…ステータ、21…ロータ、22…回転軸、22a…端面、22b…外周面、22e、32e、62…凹部(排出手段)、23…ロータコア、23b…擬似磁極、24…界磁マグネット、31…ホルダ、32…センサマグネット、33…円筒部(装着部)、37…隙間(磁気抵抗部)、38,39…着磁部(磁極部)、44…磁気センサ、51,52…磁気誘導部、51d,52d…先端面、61…接着剤(磁気抵抗部)、65…テーパ部(排出手段)、66…空間、67…角部、68a…平坦面(判別手段)、M…モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータの回転軸に一体回転可能に固定され一対の磁極部を有するセンサマグネットと、
前記センサマグネットと対向配置され前記センサマグネットの回転に伴う磁界の変化を検出する磁気センサと、を備え、
前記磁気センサによる前記ロータの回転位置の検出に基づいて前記ロータの回転駆動を行うモータであって、
前記センサマグネットの一対の異なる磁極部から延びて前記磁気センサを間に挟んで対向する磁性材よりなる磁気誘導部が設けられたことを特徴とするモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットと前記磁気センサとは前記回転軸の軸方向で対向配置されるものであり、
前記磁気誘導部は、前記磁気センサと径方向に対向する先端面が互いに平行に構成されたことを特徴とするモータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットは、前記回転軸に一体回転可能に固定されたホルダを介して固定されたことを特徴とするモータ。
【請求項4】
請求項3に記載のモータにおいて、
前記センサマグネット及び前記回転軸の装着によって閉塞される前記ホルダ内の空気の排出を可能とする排出手段が、前記センサマグネット、前記ホルダ及び前記回転軸の少なくとも一つに備えられたことを特徴とするモータ。
【請求項5】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記センサマグネット、前記ホルダの前記回転軸との装着部及び前記回転軸の少なくとも一つに形成された貫通孔にて構成されたことを特徴とするモータ。
【請求項6】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記ホルダの装着部に形成され前記ホルダ内と外部とを連通する凹部にて構成されたことを特徴とするモータ。
【請求項7】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記回転軸に端部に向かって縮径するテーパ部が形成されるものであり、
前記排出手段は、前記テーパ部としたことで前記回転軸と前記ホルダの装着部との間に形成される空間と連通するように前記装着部に形成された貫通孔及び凹部の少なくとも一方にて構成されたことを特徴とするモータ。
【請求項8】
請求項7に記載のモータにおいて、
前記回転軸は、前記テーパ部における前記回転軸の外周面から斜面に変化する角部がR形状に形成されたことを特徴とするモータ。
【請求項9】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記ホルダの前記センサマグネットを保持する部分に形成された貫通孔と、前記貫通孔と前記ホルダ内とを接続するように前記センサマグネットに形成された凹部とで構成されたことを特徴とするモータ。
【請求項10】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記排出手段は、前記回転軸の外周面に形成され前記ホルダ内と外部とを連通する凹部にて構成されたことを特徴とするモータ。
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記ホルダは、前記回転軸との装着部が少なくとも非磁性材により形成されたことを特徴とするモータ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットと前記回転軸の端面との間には、隙間又は非磁性材からなる磁気抵抗部が介在されたことを特徴とするモータ。
【請求項13】
請求項3〜11のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットと前記ホルダとが一体成形されたことを特徴とするモータ。
【請求項14】
請求項13に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットは、プラスチックマグネットであり、金属部材とした前記ホルダに一体成形されたことを特徴とするモータ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記センサマグネットの着磁態様を示す判別手段が備えられたことを特徴とするモータ。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記ロータは、一方の磁極として機能する界磁マグネットがロータコアの周方向に複数配置されるとともに、前記ロータコアに一体形成された擬似磁極が前記マグネット間にそれぞれ配置され、前記擬似磁極が他方の磁極として機能するように構成されるものであることを特徴とするモータ。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記ロータと径方向に対向する環状のステータが強磁性材のケース部材内に収容され、
前記センサマグネットは、前記ケース部材の外部において前記回転軸に固定されたことを特徴とするモータ。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のモータの構造を用いたことを特徴とする電動パワーステアリング用モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−7731(P2013−7731A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205126(P2011−205126)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】