ラジオ受信機及び搬送波検出方法
【課題】確実にIBOC方式等のハイブリッド放送搬送波を検出することを可能とするラジオ受信機及び搬送波検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】放送周波数に同調可能な同調部(21)と、同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部(23)と、ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部、PLL(26)およびIFP(45)を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部(60)を有することを特徴とするラジオ受信機(1)。
【解決手段】放送周波数に同調可能な同調部(21)と、同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部(23)と、ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部、PLL(26)およびIFP(45)を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部(60)を有することを特徴とするラジオ受信機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジオ受信機及びラジオ受信機における搬送波検出方法に関し、特に米国の地上波デジタル音声放送であるIBOC(In Band on Channel)方式等のハイブリッド方式のHD(High Definition)ラジオ放送搬送波を受信するラジオ受信機及び搬送波検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IBOC方式のHDラジオ放送搬送波を採用した場合、アナログ放送搬送波にデジタル放送搬送波を追加することができるため、HDラジオ受信機ではデジタル放送搬送波を利用して音質を向上させることが可能となる。なお、このようなIBOC方式のHDラジオ放送搬送波におけるデジタル放送搬送波は、周波数帯域上でアナログ放送搬送波に隣接した両側に位置するよう配置されており(例えば、特許文献1、参照)、このような放送波はハイブリッド方式とも言われている。
【0003】
しかしながら、全ての放送局がIBOC方式のHDラジオ放送搬送波を同時に放送するとは限らないことから、特定のアナログ放送搬送波の両側にデジタル放送搬送波が追加されて放送されている場合と、アナログ放送搬送波のみが放送されている場合とが混在する状況が考えられる。このような状況で、HDラジオ受信機がシーク(検索)動作を行うと、2種類のスペクトラムが混在していることから、シーク動作の誤停止及び/又は誤受信を発生するという不具合があった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−4174号公報(図6、3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IBOC方式のHDラジオ放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、アナログ放送搬送波を検出するシーク動作では、アナログ放送搬送波の両側のデジタル放送搬送波が最初に検出されてしまい、シーク動作が一旦停止されてしまう場合がある。しかしながら、その部分にはアナログ放送搬送波が存在しないため、ノイズが受信機のスピーカから出力されることとなる。なお、検出感度を落として、デジタル放送搬送波を検出しないようにしてシーク動作を行うと、逆に弱電界のチャンネルのアナログ放送搬送波を検出できないという不具合が生じる。
【0006】
図11を用いて、上記シーク動作における不具合の発生について説明する。図に示すように、例えば、FM放送局は、200kHz毎に設定された周波数(以下「割当周波数」と言う)の何れかを中心周波数とする周波数帯を有している。図において、矢印1100は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、1101〜1106は、割当周波数と一致した中心周波数を有する帯域フィルタの帯域幅(約100kHz)を示している。また、放送搬送波1110は中心周波数が99.7MHzのFMアナログ放送搬送波であり、放送搬送波1120は中心周波数が100.1MHzのIBOC方式のFM用HDラジオ放送搬送波である。放送搬送波1120は、アナログ放送搬送波1121とその両側に配置されたデジタル放送搬送波1122及び1123を有している。
【0007】
ユーザが上向きシーク動作を指示すると、受信機は、1101から1106へ向けて帯域フィルタの中心周波数を200kHzずつUPさせていき、各周波数において同調動作を行い、その周波数において放送搬送波が存在するか否かの判別を行う。図11において、帯域フィルタが1102及び1104に設定された場合には、その部分にはアナログ放送搬送波が存在するため、放送搬送波の検出を行うことが可能である。しかしながら、帯域フィルタが1103及び1105に設定された場合には、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波1120のデジタル放送搬送波1122及び1123を検出して、シーク動作が停止されてしまうという不具合が生じる。さらに、その部分にはアナログ放送搬送波が存在しないため、ノイズが受信機のスピーカから出力されてしまうという不具合が生じる。
【0008】
また、IBOC方式のHDラジオ放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、デジタル放送搬送波を重視するシーク動作では、チャンネル毎にデコード処理してデジタル放送搬送波かアナログ放送搬送波かを判別する必要が生じ、シーク動作に時間がかかるという不具合がある。
【0009】
そこで、本発明は、IBOC方式のようなデジタル放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、短時間で確実にシーク動作を行うことが可能なラジオ受信機及び搬送波検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、IBOC方式のようなデジタル放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、シーク時の検出感度を低下させることなく、確実にシーク動作を行うことが可能なラジオ受信機及び搬送波検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るラジオ受信機は、放送周波数に同調可能な同調部と、同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るラジオ受信機は、放送周波数に同調可能な同調部と、同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、割当周波数から所定周波数だけずらしてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部を有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、シフト周波数を割当周波数からずらす方向を、選局方向に応じて変更することが好ましく、選局方向及び放送周波数の変調方式に応じて変更することがさらに好ましい。例えば、FM放送の場合、上向きシーク動作時には下側に50kHzだけシフト周波数をずらし、下向きシーク動作時には上側に50kHzだけシフト周波数をずらすように構成した。
【0014】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、シフト周波数を割当周波数からずらす周波数値を、放送周波数の変調方式に応じて変更することが好ましい。例えば、FM放送とAM放送に応じて、シフト周波数を割当周波数からずらす所定周波数値を変更するように構成した。
【0015】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数のステップ値を変更することが好ましい。ハイブリッド放送搬送波のアナログ放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数が同じハイブリッド放送搬送波のデジタル放送搬送波部分に対応することから、次回のシフト周波数を1回飛ばして、同じハイブリッド放送搬送波のデジタル放送搬送波部分を検出しないように構成した。
【0016】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回の放送搬送波検出信号に基づく検出レベルを変更することが好ましい。ハイブリッド放送搬送波のアナログ放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数が同じハイブリッド放送搬送波のデジタル放送搬送波部分に対応することから、検出レベルを低下させて、同じHDラジオ放送搬送波のデジタル放送搬送波部分を検出しないように構成した。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る放送搬送波の検出方法は、ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出するステップを有することを特徴とする。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る放送搬送波の検出方法は割当周波数から所定周波数だけずらしてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るラジオ受信機及び放送搬送波検出方法によれば、例えばIBOC方式のような放送方式におけるデジタル放送搬送波の特徴的構成を認識してその検出を行うので、シーク動作時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下図面を参照して、本発明に係るラジオ受信機及び搬送波検出方法について説明する。なお、以下では、ハイブリッド放送搬送波の代表的な例として、米国の地上波デジタル音声放送であるHDラジオ放送搬送波を例にして説明を行う。また、ハイブリッド放送搬送波とは、HDラジオ放送搬送波のように、アナログ放送搬送波とデジタル放送搬送波とを合体させたような放送搬送波のことを言う。
【0021】
図1は、本発明に係わるラジオ受信機の一例(FM放送用)の概要を示す図である。
【0022】
ラジオ受信機1は、前処理部20、IF(Intermediate Frequency)フィルタ回路30、デジタル信号処理部40、IBOC処理部50、CPU等から構成される制御部60、RAM、ROM及び/または各種メモリ等から構成される記憶部70、及び操作部80等から構成され、アンテナ10及びスピーカ等から構成される音声出力部90と接続されている。
【0023】
前処理部20は、アンテナ10からの信号を受信する電子同調方式の同調回路21、RF(Radio Frequency)増幅回路22、RF−AGC(Auto Gain Control)回路23、第1混合回路24、第1局所発振回路25及びPLL選局回路26等から構成され、制御部60によって制御される。RF増幅回路22は、RF−AGC回路23によってゲイン調整がなされるように構成され、RF−AGC回路23からのS1レベル信号(電界状態を示す信号)が後述するIBOC方式のデジタル放送搬送波の検出に利用される。第1局所発振回路25は、PLLシンセサイザ方式で、制御部60からの制御信号に応じてPLL選局回路26から供給されるPLL制御信号に従い、所定の周波数ステップで第1局所発振信号を生成する。RF増幅回路22で増幅された高周波の受信信号は第1混合回路24で第1局所発振信号と混合されて中間周波数信号に変換され、IFフィルタ回路30に入力される。
【0024】
IFフィルタ回路30は、約200KHzの帯域幅を有するBPF(band Pass Filter)であるNF31と、約400KHzの帯域幅を有するBPFであるWF32を含み、制御部60からの制御信号によって切換制御される。NF31及びWF32では、入力された中間周波数信号の中心周波数に対して所定の帯域に含まれる成分を抽出するアナログフィルタである。
【0025】
デジタル信号処理部40は、IF増幅回路41、A/D変換回路42、第2局所発振回路43、第2混合回路44、IFプロセッサ回路45、IF−AGC回路46、切換回路47及びD/A変換回路48等から構成され、制御部60によって制御される。IF増幅回路41は、IF−AGC回路46によってゲイン調整がなされるように構成されている。
【0026】
IFフィルタ回路30を通過したIF周波数信号は、IF増幅回路41で増幅され、A/D変換回路42においてデジタル信号に変換されて、第2局所発振回路43から出力される第2局所発振信号と第2混合回路44において混合され、IFプロセッサ回路45に入力される。IFプロセッサ回路45は、アナログ放送搬送波の音声信号を切換回路47に出力し、デジタル放送搬送波の信号をIBOC処理部50に出力する。IFプロセッサ回路45については、後述する。
【0027】
IBOC処理部50は、復調部51及びチャンネルデコーダ52等から構成され、制御部60によって制御される。復調部51は、デジタル放送搬送波に含まれるOFDM(直交周波数分割変調)副搬送波を復調する機能を有している。復調された信号が音声信号の場合には、チャンネルデコーダ52によって音声信号が生成され、切換回路47に出力される。また、復調された信号にテキストデータや映像データが含まれる場合には、不図示の専用デコーダによってテキストデータや映像データが生成され、記憶部70に記憶される。記憶されたテキストデータや映像データは、表示部(不図示)に所定のタイミングで表示等される。なお、テキストデータや映像データが生成されている場合には、現在復調されている放送波がデジタル放送搬送波であると判別することもできる。
【0028】
制御部60は、アナログ放送搬送波の音声信号又はデジタル放送搬送波からデコードされた音声信号の何れか一方を選択するように切換回路47を制御する。切換回路47によって選択された音声信号は、D/A変換回路48によってアナログ信号に変換されて、車載スピーカ等の出力手段90に出力される。
【0029】
操作部80は、チューニング用、ボリューム設定用等の各種ボタンやつまみを含む。また、操作部80には、少なくとも上向き(周波数が増加する方向)シーク用ボタン及び下向き(周波数が減少する方向)シーク用ボタンを含むものとする。
【0030】
図2は、IFプロセッサ回路45のフィルタ切換構成の概略を示す図である。
【0031】
図2に示すように、IFプロセッサ回路45は、第1切換スイッチ101、第2切換スイッチ102及び第3切換スイッチ103、FMシーク用BPF110、第1レベル検知部111、AMシーク用BPF120、第2レベル検知部121、FM放送搬送波の信号経路130、AMアナログ用BPF140及びAMデジタル用BPF150等から構成される。
【0032】
第1〜第3切換スイッチ101〜103は、制御部60によって切換られる。FMシーク用BPF110は、帯域幅約100kHzのデジタルフィルターであって、後述するFM放送のシーク動作時に利用される。また、AMシーク用BPF120は、帯域幅約4kHzのデジタルフィルターであって、後述するAM放送のシーク動作時に利用される。第1レベル検知部111からの第1検知信号及び第2レベル検知部121からの第2検知信号は、制御部60へ送信されるように構成されている。
【0033】
FM放送搬送波の信号経路130は、FMデジタル放送及びFMアナログ放送受信時に、FM放送搬送波の信号用の経路として利用される。また、AMアナログ用BPF140は、AMアナログ放送搬送波が包含されるような帯域幅約9kHzのデジタルフィルターであって、後述するAMアナログ放送受信時に利用される。さらに、AMデジタル用BPF150は、AMデジタル放送搬送波が包含されるような帯域幅約35kHzのデジタルフィルターであって、後述するAMデジタル放送受信時に利用される。
【0034】
図3は、IBOC方式のHDラジオ放送搬送波のプロファイルを示した図である。図3(a)はFM波の例を示し、図3(b)はAM波の例を示している。
【0035】
図3(a)に示すように、アナログ放送搬送波(FMアナログ信号)301の周波数帯域上の上側帯及び下側帯に隣接して、それぞれデジタル放送搬送波302及び303が配置されている。デジタル放送搬送波302及び303は、例えば、OFDM変調された複数の副搬送波から構成され、図示されるように、FMアナログ信号の中心周波数から130kHz〜199kHz及び−130kHz〜−199kHz離れたスペクトルを占領している。さらに、デジタル放送搬送波302及び303のピーク値は、FMアナログ信号のピーク値に対して−25dB/kHzに設定されている。
【0036】
図3(b)に示すように、アナログ放送搬送波(AMアナログ信号)311の周波数帯域上の上側帯及び下側帯に隣接して、それぞれ第1のデジタル放送搬送波312及び313が配置されている。デジタル放送搬送波312及び313は、例えば、OFDM変調された複数の副搬送波から構成され、図示されるように、AMアナログ信号の中心周波数から5kHz〜15kHz及び−15kHz〜−15kHz離れたスペクトルを占領している。さらに、IBOCデジタル放送搬送波312及び313のピーク値は、AMアナログ信号のピーク値に対して−25dB/kHzに設定されている。さらに、アナログ放送搬送波311と第1のデジタル放送搬送波312及び213との間には、それぞれ第2のデジタル放送搬送波314及び315が配置されている。
【0037】
図4は、本発明に係る受信方法のフローの一例(FM放送用)を示した図である。
【0038】
受信フローは、予め図1に示すラジオ受信機1の制御部60等に記憶されたプログラムに従って、主に制御部60が各構成要素を共同して実行されるものとする。図4に示すフローが実行される時点において、ラジオ受信機1の電源はONされ、各構成要素は動作可能な状態に維持されているものとする。
【0039】
この処理は、ユーザによる操作部80の所定ボタン(上向きシーク用ボタン又は下向きシーク用ボタン)の操作によって開始される(S1)。
【0040】
制御部60は、シーク動作の開始指示を受けて、現在の選局周波数の情報を取得し(S2)、IFフィルタ回路30を制御して、帯域幅約200kHzのNF31を利用できるように切換えを行う(S3)。また、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第2切換スイッチ101及び102を切換えて、FMシーク用BPF110が利用できるように制御し、第1レベル検知部111からの第1検知信号を受信する。
【0041】
ユーザにより操作されたボタンが上向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を下方へ50kHzずらし(S4、S5)、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をUPさせる(S6)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、FMシーク用BPF110の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0042】
次に、制御部60は、第1レベル検知部111からの第1検知信号を取得して、FMシーク用BPF110の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S7)。放送搬送波が存在するか否かは第1検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S6に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。
【0043】
ユーザにより操作されたボタンが下向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を上方へ50kHzずらし(S4、S15)、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をDOWNさせる(S16)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、FMシーク用BPF110の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0044】
次に、制御部60は、第1レベル検知部111からの第1検知信号を取得して、FMシーク用BPF110の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S17)。放送搬送波が存在するか否かは第1検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S16に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をDOWNさせて、以後の動作を繰り返す。
【0045】
S7又はS17で、放送搬送波が存在する(ヒット)と判断された場合、次に、制御部60は、IFフィルタ回路30を制御して、WF32を利用できるように切換えを行う(S20)。
【0046】
制御部60は、S6又はS16で選択された周波数からS5又はS15でシフトされた分を修正された中心周波数を中心とするように、WF32の中心周波数を調整する(S21)。次に、WF32の帯域幅(約400kHz)内の放送搬送波全体に対応して出力されるIBOC処理部50からの出力に基づいて、制御部60は、同調された放送搬送波が、FM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それとも単なるFMアナログ放送搬送波なのかの判別を行う(S22)。
【0047】
S22での判別は、例えば、デジタル放送搬送波が検出されるか否かによって行うことができる。この場合、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、FM放送搬送波経路130を利用できるようにし、WF32を通過したFM放送搬送波の信号がそのままIBOC処理部50へ入力されるように制御する。さらに、制御部60は、IBOC処理部50からの検出信号に基づいて、FM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それとも単なるFMアナログ放送搬送波なのかの判別を行うことができる。
【0048】
S23の判別の結果、FM用のHDラジオ放送搬送波であると判別した場合には、シーク動作の次回ステップ設定を行って(S23)、一連のシーク動作を終了する。次回ステップ設定とは、次回のシーク動作時に移動させるNF31のシフト周波数を一時的に変更するように設定することをいい、詳細は後述する。
【0049】
図5は、FM放送の場合の上向きシーク動作を説明するための図である。
【0050】
図5において、矢印500は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、501〜506は、50kHz下方にシフトされた(図4のS5参照)中心周波数を有するFMシーク用のBPF110の帯域幅(約100kHz)を示している。
【0051】
FM放送局は、200kHz毎に配置された割当周波数の内の何れか1つを中心周波数とする周波数帯を有している。図5の場合、中心周波数99.7MHzを有するFMアナログ放送搬送波510と、中心周波数100.1MHzを有するIBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520(図3(a)参照)が99.5〜100.5MHzの範囲に存在するものとしている。
【0052】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図4のS2参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を取得した周波数から50kHz下側にシフトするように調整し(図4のS5参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を200kHz毎にUPさせて(図4のS6参照)、FMシーク用BPF110の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0053】
図5の場合では、FMシーク用BPF110の帯域幅を502とUPさせた時点で、アナログ放送搬送波510を検出して、一旦シーク動作が停止する。その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、FMシーク用BPF110の帯域幅を504とUPした時点で、HDラジオ放送搬送波520のアナログ放送波部分を検出して、一旦シーク動作が停止する。HDラジオ放送搬送波520のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波520がHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。検出した放送搬送波が、HDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図4のS24参照)。したがって、その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、FMシーク用BPF110の帯域幅を505とUPさせずに、一回飛ばして506となるようにUPさせる。
【0054】
このように、上向きシーク動作の場合に、シフト周波数(FMシーク用BPF110の中心周波数)を割当周波数より50kHz下方に設定することによって、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側デジタル搬送波(図3(a)の302参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0055】
さらに、一旦IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを200kHzUPではなく、一つ飛ばしの400kHzUPとすることによって(505へ設定を飛ばす)、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側デジタル搬送波(図3(a)の303参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0056】
図6は、FM放送の場合のフィルタの切換動作を説明するための図である。
【0057】
図6において、矢印500は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、504は50kHz下方にシフトされた(図4のS5参照)中心周波数を有するFMシーク用BPF110の帯域幅(約100kHz)を示し、601は中心周波数調整後(図4のS21参照)のWF32の帯域幅(約400kHz)を示している。
【0058】
図5の504において、放送搬送波520の存在が確認された場合には(図4のS7参照)、NF31からWF32へのフィルタの切換えを行う(図4のS20参照)。WF32によって、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520全体をカバーすることができ、存在が確認された放送搬送波520が、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波であることを判別することが可能となる。
【0059】
図7は、FM放送の場合の下向きシーク動作を説明するための図である。
【0060】
図7において、矢印700は下向きシーク動作の方向(周波数を減少させる方向)を示し、701〜706は、50kHz上方にシフトされた(図4のS15参照)中心周波数を有するFMシーク用BPF110の帯域幅(約100kHz)を示している。
【0061】
図5の場合同様、図7でも、中心周波数99.7MHzを有するFMアナログ放送搬送波510と、中心周波数100.1MHzを有するIBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520(図3(a)参照)が99.5〜100.5MHzの範囲に存在するものとしている。
【0062】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図4のS2参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を取得した周波数から50kHz上側にシフトするように調整し(図4のS15参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を200kHz毎にDOWNさせて(図4のS16参照)、FMシーク用BPF110の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0063】
図7の場合では、FMシーク用BPF110の帯域幅を703とDOWNさせた時点で、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520を検出して、一旦シーク動作が停止する。放送搬送波520のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波520がFM用のHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。検出した放送搬送波が、FM用のHDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図4のS24参照)。したがって、その後、再度、下向きシーク動作が再開された場合には、FMシーク用BPF110の帯域幅を704とDOWNさせずに、一回飛ばして705となるようにDOWNさせる。
【0064】
このように、下向きシーク動作の場合に、シフト周波数(FMシーク用BPF110の中心周波数)を割当周波数より50kHz上方に設定することによって、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側デジタル搬送波(図3(a)の303参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0065】
さらに、一旦IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを200kHzDOWNではなく、一つ飛ばしの400kHzDOWNとすることによって(704への設定を飛ばす)、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側デジタル搬送波(図3(a)の302参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0066】
なお、上記のFM受信方法の例におけるFMシーク用BPF110の中心周波数のシフト量(50kHz)及びFMシーク用BPF110の帯域幅は、一例であって、FM用のHDラジオ放送搬送波のプロファイルとの関係で適切な他の値を選択することが可能である。例えば、FMシーク用BPF110の中心周波数のシフト量及び帯域幅は、シーク方向に向かって手前側に存在するFM用のHDラジオ放送搬送波のデジタル放送搬送波を避けるように設定すれば良い。
【0067】
図8は、本発明に係る受信方法のフローの他の例(AM放送用)を示した図である。
【0068】
受信フローは、予め図1に示すラジオ受信機1の制御部60等に記憶されたプログラムに従って、主に制御部60が各構成要素を共同して実行されるものとする。図8に示すフローが実行される時点において、ラジオ受信機1の電源はONされ、各構成要素は動作可能な状態に維持されているものとする。
【0069】
この処理は、ユーザによる操作部80の所定ボタン(上向きシーク用ボタン又は下向きシーク用ボタン)の操作によって開始される(S31)。
【0070】
制御部60は、シーク動作の開始指示を受けて、現在の選局周波数の情報を取得し(S32)、IFフィルタ回路30を制御して、NF31を利用できるように切換えを行う(S33)。また、AM放送用のシーク動作では、IFフィルタ回路30は、常に帯域幅200kHzのNF31を選択するように制御される。さらに、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第2切換スイッチ101及び102を切換えて、AMシーク用BPF120が利用できるように制御し、第2レベル検知部121からの第2検知信号を受信する。
【0071】
ユーザにより操作されたボタンが上向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を上方へ3kHzずらし(S35)、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせる(S36)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、AMシーク用BPF120の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0072】
次に、制御部60は、第2レベル検知部121からの第2検知信号を取得して、AMシーク用BPF120の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S37)。放送搬送波が存在するか否かは第2検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S36に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。
【0073】
S37において、放送搬送波が存在する(ヒット)と判断された場合には、制御部60は、その時点のS1レベル信号の信号レベルをRF−AGC回路23から取得して(S38)、予め設定した閾値レベル以上であるか否かの判断を行う(S39)。予め設定した閾値レベル未満の場合には、S36に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。S39における閾値レベルの設定については後述する。
【0074】
ユーザにより操作されたボタンが下向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を下方へ3kHzずらし(S45)、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をDOWNさせる(S46)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、AMシーク用BPF120の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0075】
次に、制御部60は、第2レベル検知部121からの第2検知信号を取得して、AMシーク用BPF120の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S47)。放送搬送波が存在するか否かは第2検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S46に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をDOWNさせて、以後の動作を繰り返す。
【0076】
S47において、放送搬送波が存在する(ヒット)と判断された場合には、制御部60は、その時点のS1レベル信号の信号レベルをRF−AGC回路23から取得して(S48)、予め設定した閾値レベル以上であるか否かの判断を行う(S49)。予め設定した閾値レベル未満の場合には、S46に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。S49における閾値レベルの設定については後述する。
【0077】
S37又はS47で、S1レベル信号の信号レベルの閾値レベル以上と判断された場合には、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMデジタル用BPF150を利用できるようにし、NF31及びAMデジタル用BPF150を通過したAM放送搬送波がIBOC処理部50へ入力されるように制御を行う(S50)。
【0078】
制御部60は、S36又はS46で選択された周波数からS35又はS45でシフトされた分を修正された中心周波数を中心とするように、AMデジタル用BPF150の中心周波数を調整する(S51)。
【0079】
制御部60は、IBOC処理部50からの出力に基づいて、同調された放送搬送波が、AM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それともAMアナログ放送搬送波なのかの判別を行う(S52)。
【0080】
S52での判別は、例えば、デジタル放送搬送波が検出されるか否かによって行うことができる。この場合、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMデジタル用BPF150を利用できるようにし、NF31及びAMデジタル用BPF150を通過したAM放送搬送波の信号がそのままIBOC処理部50へ入力されるように制御する。さらに、制御部60は、IBOC処理部50からの検出信号に基づいて、AM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それとも単なるAMアナログ放送搬送波なのかの判別を行うことができる。
【0081】
S52の判別の結果、AM用のHDラジオ放送搬送波であると判別した場合には、後述するシーク動作の次回ステップ設定を行って(S53)、一連のシーク動作を終了する。次回ステップ設定とは、次回のシーク動作時に移動させるAMシーク用BPF120のシフト周波数を一時的に変更するように設定することをいい、詳細は後述する。
【0082】
図9は、AM放送の場合の上向きシーク動作を説明するための図である。
【0083】
図9において、矢印900は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、901〜906は、3kHz上方にシフトされた(図8のS35参照)中心周波数を有するAMシーク用BPF120(帯域幅約4kHz)を示している。
【0084】
AM放送局は、10kHz毎に配置された割当周波数の何れか1つ付近を中心周波数とする周波数帯を有している。図9の場合、中心周波数930kHzを有するAMアナログ放送搬送波910と、中心周波数950kHzを有するIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920(図3(b)参照)が920〜970kHzの範囲に存在するものとしている。
【0085】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図8のS32参照)、AMシーク用BPF120の中心周波数を取得した周波数から3kHz上側にシフトするように調整し(図8のS35参照)、10kHz毎にAMシーク用BPF120の中心周波数をUPさせて(図8のS36参照)、AMシーク用BPF120の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0086】
図9の場合では、AMシーク用BPF120の帯域幅を902とUPさせた時点で、アナログ放送搬送波910を検出して、一旦シーク動作が停止する。アナログ放送搬送波910に基づいて音声出力する場合には、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMアナログ用BPF140を通過した信号を切換回路47へ出力するように制御する。
【0087】
その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、AMシーク用BPF120の帯域幅を903とUPした時点で、HDラジオ放送搬送波920の第2のデジタル放送波部分を検出するが、閾値レベルを第2のデジタル放送搬送波より大きく設定することによって、シーク動作を一旦停止しないようにしている(図8のS39参照)。しかしながら、その後、AMシーク用BPF120の帯域幅を904とUPした時点で、HDラジオ放送搬送波920のアナログ放送波部分を検出して、一旦シーク動作が停止する。HDラジオ放送搬送波920のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波920がHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。デジタル放送搬送波920に基づいて音声出力する場合には、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMデジタル用BPF150を通過した信号をIBOC処理部50へ出力し、IBOC処理部50でデコードされた信号を出力するように切換回路47を制御する。
【0088】
検出した放送搬送波が、HDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図8のS53参照)。したがって、その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、AMシーク用BPF120の帯域幅を905とUPさせずに、一回飛ばして906となるようにUPさせる。
【0089】
このように、上向きシーク動作の場合に、シフト周波数より3kHz上方にAMシーク用BPF120の中心周波数を設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側の第1のデジタル搬送波(図3(b)の312参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)の第1のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0090】
また、上向きシーク動作の場合に、S1レベルの閾値をIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波(図3(b)の314及び315参照)のレベルより高く設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル搬送波の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0091】
さらに、一旦IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを10kHzUPではなく、一つ飛ばしの20kHzUPとすることによって(905への設定を飛ばす)、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側の第1デジタル搬送波(図3(b)の313参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)の第1デジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0092】
図10は、AM放送の場合の下向きシーク動作を説明するための図である。
【0093】
図10において、矢印1000は下向きシーク動作の方向(周波数を減少させる方向)を示し、1001〜1006は、3kHz下方にシフトされた(図8のS45参照)中心周波数を有するAMシーク用BPF120(帯域幅約4kHz)を示している。
【0094】
図9の場合同様、図10でも、中心周波数930kHzを有するAMアナログ放送搬送波910と、中心周波数950kHzを有するIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920(図3(b)参照)が920〜970kHzの範囲に存在するものとしている。
【0095】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図8のS32参照)、AMシーク用BPF120の中心周波数を取得した周波数から3kHz下側にシフトするように調整し(図8のS45参照)、10kHz毎にAMシーク用BPF120の中心周波数をDOWNさせて(図8のS46参照)、AMシーク用BPF120の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0096】
図10の場合では、AMシーク用BPF120の帯域幅を1002とDOWNさせた時点で、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920の第2のデジタル放送搬送波を検出するが、閾値レベルを第2のデジタル放送搬送波より大きく設定することによって、シーク動作を一旦停止しないようにしている(図8のS49参照)。しかしながら、その後、NF31の帯域幅を1003とDOWNさせた時点で、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920のアナログ放送搬送波を検出して、一旦シーク動作が停止する。HDラジオ放送搬送波920のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波920がHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。検出した放送搬送波が、HDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図8のS54参照)。したがって、その後、再度、下向きシーク動作が再開された場合には、AMシーク用BPF120の帯域幅を1004とDOWNさせずに、一回飛ばして1005となるようにDOWNさせる。
【0097】
このように、下向きシーク動作の場合に、シフト周波数より3kHz下方にAMシーク用BPF120の中心周波数を設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側の第1デジタル搬送波(図3(b)の313参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)の第1デジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0098】
また、下向きシーク動作の場合に、S1レベルの閾値をIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波(図3(b)の314及び315参照)のレベルより高く設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル搬送波の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0099】
さらに、一旦IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを10kHzDOWNではなく、一つ飛ばしの20kHzDOWNとすることによって(1004への設定を飛ばす)、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側の第1デジタル搬送波(図3(b)の312参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)の第1デジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0100】
なお、上記のAM受信方法の例におけるAMシーク用BPF120の中心周波数のシフト量(3kHz)及びAMシーク用BPF120の帯域幅は、一例であって、AM用のHDラジオ放送搬送波のプロファイルとの関係で適切な他の値を選択することが可能である。例えば、AMシーク用BPF120の中心周波数のシフト量及び帯域幅は、シーク方向に向かって手前側に存在するAM用のHDラジオ放送搬送波の第1デジタル放送搬送波を避けるように設定すれば良い。
【0101】
上記では、変調方法の異なる2つの放送(FM放送とAM放送)の両方に適応する受信機について説明したが、一台の受信機が、何れか一方のみに対応するように構成することも可能である。
【0102】
上記では、変調方法の異なる2つの放送(FM放送とAM放送)の場合において、IBOC方式のハイブリッド方式の放送搬送波のアナログ放送搬送波を検出した場合には、次回を1回飛ばすように制御するように説明した(図4のS23、図8のS53)。しかしながら、1回飛ばすように制御する代わりに、次回の検出時のみ第2検知信号の検知レベルを上げて、同じIBOC方式のハイブリッド方式の放送搬送波のデジタル放送搬送波を検出しないように制御することも可能である。なお、本明細書の実施例では、IBOC方式の放送搬送波を例にあげて説明したが、同様のハイブリッド方式の放送搬送波についても、同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明に係るラジオ受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】IFプロセッサ回路の概略構成を示す図である。
【図3】IBOC方式のHDラジオ放送搬送波を示す図である。
【図4】本発明に係るFM受信方法を示すフロー図である。
【図5】シーク動作を説明するための図(1)である。
【図6】フィルタの切換動作を説明するための図である。
【図7】シーク動作を説明するための図(2)である。
【図8】本発明に係るAM受信方法を示すフロー図である。
【図9】シーク動作を説明するための図(3)である。
【図10】シーク動作を説明するための図(4)である。
【図11】シーク動作の不具合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ラジオ受信機
10 アンテナ
20 前処理部
30 IFフィルタ回路
40 デジタル処理部
50 IBOC処理部
60 制御部
70 記憶部
80 操作部
90 音声出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジオ受信機及びラジオ受信機における搬送波検出方法に関し、特に米国の地上波デジタル音声放送であるIBOC(In Band on Channel)方式等のハイブリッド方式のHD(High Definition)ラジオ放送搬送波を受信するラジオ受信機及び搬送波検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IBOC方式のHDラジオ放送搬送波を採用した場合、アナログ放送搬送波にデジタル放送搬送波を追加することができるため、HDラジオ受信機ではデジタル放送搬送波を利用して音質を向上させることが可能となる。なお、このようなIBOC方式のHDラジオ放送搬送波におけるデジタル放送搬送波は、周波数帯域上でアナログ放送搬送波に隣接した両側に位置するよう配置されており(例えば、特許文献1、参照)、このような放送波はハイブリッド方式とも言われている。
【0003】
しかしながら、全ての放送局がIBOC方式のHDラジオ放送搬送波を同時に放送するとは限らないことから、特定のアナログ放送搬送波の両側にデジタル放送搬送波が追加されて放送されている場合と、アナログ放送搬送波のみが放送されている場合とが混在する状況が考えられる。このような状況で、HDラジオ受信機がシーク(検索)動作を行うと、2種類のスペクトラムが混在していることから、シーク動作の誤停止及び/又は誤受信を発生するという不具合があった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−4174号公報(図6、3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IBOC方式のHDラジオ放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、アナログ放送搬送波を検出するシーク動作では、アナログ放送搬送波の両側のデジタル放送搬送波が最初に検出されてしまい、シーク動作が一旦停止されてしまう場合がある。しかしながら、その部分にはアナログ放送搬送波が存在しないため、ノイズが受信機のスピーカから出力されることとなる。なお、検出感度を落として、デジタル放送搬送波を検出しないようにしてシーク動作を行うと、逆に弱電界のチャンネルのアナログ放送搬送波を検出できないという不具合が生じる。
【0006】
図11を用いて、上記シーク動作における不具合の発生について説明する。図に示すように、例えば、FM放送局は、200kHz毎に設定された周波数(以下「割当周波数」と言う)の何れかを中心周波数とする周波数帯を有している。図において、矢印1100は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、1101〜1106は、割当周波数と一致した中心周波数を有する帯域フィルタの帯域幅(約100kHz)を示している。また、放送搬送波1110は中心周波数が99.7MHzのFMアナログ放送搬送波であり、放送搬送波1120は中心周波数が100.1MHzのIBOC方式のFM用HDラジオ放送搬送波である。放送搬送波1120は、アナログ放送搬送波1121とその両側に配置されたデジタル放送搬送波1122及び1123を有している。
【0007】
ユーザが上向きシーク動作を指示すると、受信機は、1101から1106へ向けて帯域フィルタの中心周波数を200kHzずつUPさせていき、各周波数において同調動作を行い、その周波数において放送搬送波が存在するか否かの判別を行う。図11において、帯域フィルタが1102及び1104に設定された場合には、その部分にはアナログ放送搬送波が存在するため、放送搬送波の検出を行うことが可能である。しかしながら、帯域フィルタが1103及び1105に設定された場合には、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波1120のデジタル放送搬送波1122及び1123を検出して、シーク動作が停止されてしまうという不具合が生じる。さらに、その部分にはアナログ放送搬送波が存在しないため、ノイズが受信機のスピーカから出力されてしまうという不具合が生じる。
【0008】
また、IBOC方式のHDラジオ放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、デジタル放送搬送波を重視するシーク動作では、チャンネル毎にデコード処理してデジタル放送搬送波かアナログ放送搬送波かを判別する必要が生じ、シーク動作に時間がかかるという不具合がある。
【0009】
そこで、本発明は、IBOC方式のようなデジタル放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、短時間で確実にシーク動作を行うことが可能なラジオ受信機及び搬送波検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、IBOC方式のようなデジタル放送搬送波とアナログ放送搬送波が混在する場合に、シーク時の検出感度を低下させることなく、確実にシーク動作を行うことが可能なラジオ受信機及び搬送波検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るラジオ受信機は、放送周波数に同調可能な同調部と、同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るラジオ受信機は、放送周波数に同調可能な同調部と、同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、割当周波数から所定周波数だけずらしてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部を有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、シフト周波数を割当周波数からずらす方向を、選局方向に応じて変更することが好ましく、選局方向及び放送周波数の変調方式に応じて変更することがさらに好ましい。例えば、FM放送の場合、上向きシーク動作時には下側に50kHzだけシフト周波数をずらし、下向きシーク動作時には上側に50kHzだけシフト周波数をずらすように構成した。
【0014】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、シフト周波数を割当周波数からずらす周波数値を、放送周波数の変調方式に応じて変更することが好ましい。例えば、FM放送とAM放送に応じて、シフト周波数を割当周波数からずらす所定周波数値を変更するように構成した。
【0015】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数のステップ値を変更することが好ましい。ハイブリッド放送搬送波のアナログ放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数が同じハイブリッド放送搬送波のデジタル放送搬送波部分に対応することから、次回のシフト周波数を1回飛ばして、同じハイブリッド放送搬送波のデジタル放送搬送波部分を検出しないように構成した。
【0016】
さらに、本発明に係るラジオ受信機では、制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回の放送搬送波検出信号に基づく検出レベルを変更することが好ましい。ハイブリッド放送搬送波のアナログ放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数が同じハイブリッド放送搬送波のデジタル放送搬送波部分に対応することから、検出レベルを低下させて、同じHDラジオ放送搬送波のデジタル放送搬送波部分を検出しないように構成した。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る放送搬送波の検出方法は、ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出するステップを有することを特徴とする。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る放送搬送波の検出方法は割当周波数から所定周波数だけずらしてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に同調部を同調させて信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るラジオ受信機及び放送搬送波検出方法によれば、例えばIBOC方式のような放送方式におけるデジタル放送搬送波の特徴的構成を認識してその検出を行うので、シーク動作時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下図面を参照して、本発明に係るラジオ受信機及び搬送波検出方法について説明する。なお、以下では、ハイブリッド放送搬送波の代表的な例として、米国の地上波デジタル音声放送であるHDラジオ放送搬送波を例にして説明を行う。また、ハイブリッド放送搬送波とは、HDラジオ放送搬送波のように、アナログ放送搬送波とデジタル放送搬送波とを合体させたような放送搬送波のことを言う。
【0021】
図1は、本発明に係わるラジオ受信機の一例(FM放送用)の概要を示す図である。
【0022】
ラジオ受信機1は、前処理部20、IF(Intermediate Frequency)フィルタ回路30、デジタル信号処理部40、IBOC処理部50、CPU等から構成される制御部60、RAM、ROM及び/または各種メモリ等から構成される記憶部70、及び操作部80等から構成され、アンテナ10及びスピーカ等から構成される音声出力部90と接続されている。
【0023】
前処理部20は、アンテナ10からの信号を受信する電子同調方式の同調回路21、RF(Radio Frequency)増幅回路22、RF−AGC(Auto Gain Control)回路23、第1混合回路24、第1局所発振回路25及びPLL選局回路26等から構成され、制御部60によって制御される。RF増幅回路22は、RF−AGC回路23によってゲイン調整がなされるように構成され、RF−AGC回路23からのS1レベル信号(電界状態を示す信号)が後述するIBOC方式のデジタル放送搬送波の検出に利用される。第1局所発振回路25は、PLLシンセサイザ方式で、制御部60からの制御信号に応じてPLL選局回路26から供給されるPLL制御信号に従い、所定の周波数ステップで第1局所発振信号を生成する。RF増幅回路22で増幅された高周波の受信信号は第1混合回路24で第1局所発振信号と混合されて中間周波数信号に変換され、IFフィルタ回路30に入力される。
【0024】
IFフィルタ回路30は、約200KHzの帯域幅を有するBPF(band Pass Filter)であるNF31と、約400KHzの帯域幅を有するBPFであるWF32を含み、制御部60からの制御信号によって切換制御される。NF31及びWF32では、入力された中間周波数信号の中心周波数に対して所定の帯域に含まれる成分を抽出するアナログフィルタである。
【0025】
デジタル信号処理部40は、IF増幅回路41、A/D変換回路42、第2局所発振回路43、第2混合回路44、IFプロセッサ回路45、IF−AGC回路46、切換回路47及びD/A変換回路48等から構成され、制御部60によって制御される。IF増幅回路41は、IF−AGC回路46によってゲイン調整がなされるように構成されている。
【0026】
IFフィルタ回路30を通過したIF周波数信号は、IF増幅回路41で増幅され、A/D変換回路42においてデジタル信号に変換されて、第2局所発振回路43から出力される第2局所発振信号と第2混合回路44において混合され、IFプロセッサ回路45に入力される。IFプロセッサ回路45は、アナログ放送搬送波の音声信号を切換回路47に出力し、デジタル放送搬送波の信号をIBOC処理部50に出力する。IFプロセッサ回路45については、後述する。
【0027】
IBOC処理部50は、復調部51及びチャンネルデコーダ52等から構成され、制御部60によって制御される。復調部51は、デジタル放送搬送波に含まれるOFDM(直交周波数分割変調)副搬送波を復調する機能を有している。復調された信号が音声信号の場合には、チャンネルデコーダ52によって音声信号が生成され、切換回路47に出力される。また、復調された信号にテキストデータや映像データが含まれる場合には、不図示の専用デコーダによってテキストデータや映像データが生成され、記憶部70に記憶される。記憶されたテキストデータや映像データは、表示部(不図示)に所定のタイミングで表示等される。なお、テキストデータや映像データが生成されている場合には、現在復調されている放送波がデジタル放送搬送波であると判別することもできる。
【0028】
制御部60は、アナログ放送搬送波の音声信号又はデジタル放送搬送波からデコードされた音声信号の何れか一方を選択するように切換回路47を制御する。切換回路47によって選択された音声信号は、D/A変換回路48によってアナログ信号に変換されて、車載スピーカ等の出力手段90に出力される。
【0029】
操作部80は、チューニング用、ボリューム設定用等の各種ボタンやつまみを含む。また、操作部80には、少なくとも上向き(周波数が増加する方向)シーク用ボタン及び下向き(周波数が減少する方向)シーク用ボタンを含むものとする。
【0030】
図2は、IFプロセッサ回路45のフィルタ切換構成の概略を示す図である。
【0031】
図2に示すように、IFプロセッサ回路45は、第1切換スイッチ101、第2切換スイッチ102及び第3切換スイッチ103、FMシーク用BPF110、第1レベル検知部111、AMシーク用BPF120、第2レベル検知部121、FM放送搬送波の信号経路130、AMアナログ用BPF140及びAMデジタル用BPF150等から構成される。
【0032】
第1〜第3切換スイッチ101〜103は、制御部60によって切換られる。FMシーク用BPF110は、帯域幅約100kHzのデジタルフィルターであって、後述するFM放送のシーク動作時に利用される。また、AMシーク用BPF120は、帯域幅約4kHzのデジタルフィルターであって、後述するAM放送のシーク動作時に利用される。第1レベル検知部111からの第1検知信号及び第2レベル検知部121からの第2検知信号は、制御部60へ送信されるように構成されている。
【0033】
FM放送搬送波の信号経路130は、FMデジタル放送及びFMアナログ放送受信時に、FM放送搬送波の信号用の経路として利用される。また、AMアナログ用BPF140は、AMアナログ放送搬送波が包含されるような帯域幅約9kHzのデジタルフィルターであって、後述するAMアナログ放送受信時に利用される。さらに、AMデジタル用BPF150は、AMデジタル放送搬送波が包含されるような帯域幅約35kHzのデジタルフィルターであって、後述するAMデジタル放送受信時に利用される。
【0034】
図3は、IBOC方式のHDラジオ放送搬送波のプロファイルを示した図である。図3(a)はFM波の例を示し、図3(b)はAM波の例を示している。
【0035】
図3(a)に示すように、アナログ放送搬送波(FMアナログ信号)301の周波数帯域上の上側帯及び下側帯に隣接して、それぞれデジタル放送搬送波302及び303が配置されている。デジタル放送搬送波302及び303は、例えば、OFDM変調された複数の副搬送波から構成され、図示されるように、FMアナログ信号の中心周波数から130kHz〜199kHz及び−130kHz〜−199kHz離れたスペクトルを占領している。さらに、デジタル放送搬送波302及び303のピーク値は、FMアナログ信号のピーク値に対して−25dB/kHzに設定されている。
【0036】
図3(b)に示すように、アナログ放送搬送波(AMアナログ信号)311の周波数帯域上の上側帯及び下側帯に隣接して、それぞれ第1のデジタル放送搬送波312及び313が配置されている。デジタル放送搬送波312及び313は、例えば、OFDM変調された複数の副搬送波から構成され、図示されるように、AMアナログ信号の中心周波数から5kHz〜15kHz及び−15kHz〜−15kHz離れたスペクトルを占領している。さらに、IBOCデジタル放送搬送波312及び313のピーク値は、AMアナログ信号のピーク値に対して−25dB/kHzに設定されている。さらに、アナログ放送搬送波311と第1のデジタル放送搬送波312及び213との間には、それぞれ第2のデジタル放送搬送波314及び315が配置されている。
【0037】
図4は、本発明に係る受信方法のフローの一例(FM放送用)を示した図である。
【0038】
受信フローは、予め図1に示すラジオ受信機1の制御部60等に記憶されたプログラムに従って、主に制御部60が各構成要素を共同して実行されるものとする。図4に示すフローが実行される時点において、ラジオ受信機1の電源はONされ、各構成要素は動作可能な状態に維持されているものとする。
【0039】
この処理は、ユーザによる操作部80の所定ボタン(上向きシーク用ボタン又は下向きシーク用ボタン)の操作によって開始される(S1)。
【0040】
制御部60は、シーク動作の開始指示を受けて、現在の選局周波数の情報を取得し(S2)、IFフィルタ回路30を制御して、帯域幅約200kHzのNF31を利用できるように切換えを行う(S3)。また、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第2切換スイッチ101及び102を切換えて、FMシーク用BPF110が利用できるように制御し、第1レベル検知部111からの第1検知信号を受信する。
【0041】
ユーザにより操作されたボタンが上向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を下方へ50kHzずらし(S4、S5)、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をUPさせる(S6)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、FMシーク用BPF110の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0042】
次に、制御部60は、第1レベル検知部111からの第1検知信号を取得して、FMシーク用BPF110の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S7)。放送搬送波が存在するか否かは第1検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S6に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。
【0043】
ユーザにより操作されたボタンが下向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を上方へ50kHzずらし(S4、S15)、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をDOWNさせる(S16)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、FMシーク用BPF110の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0044】
次に、制御部60は、第1レベル検知部111からの第1検知信号を取得して、FMシーク用BPF110の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S17)。放送搬送波が存在するか否かは第1検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S16に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(200KHz)だけ同調周波数をDOWNさせて、以後の動作を繰り返す。
【0045】
S7又はS17で、放送搬送波が存在する(ヒット)と判断された場合、次に、制御部60は、IFフィルタ回路30を制御して、WF32を利用できるように切換えを行う(S20)。
【0046】
制御部60は、S6又はS16で選択された周波数からS5又はS15でシフトされた分を修正された中心周波数を中心とするように、WF32の中心周波数を調整する(S21)。次に、WF32の帯域幅(約400kHz)内の放送搬送波全体に対応して出力されるIBOC処理部50からの出力に基づいて、制御部60は、同調された放送搬送波が、FM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それとも単なるFMアナログ放送搬送波なのかの判別を行う(S22)。
【0047】
S22での判別は、例えば、デジタル放送搬送波が検出されるか否かによって行うことができる。この場合、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、FM放送搬送波経路130を利用できるようにし、WF32を通過したFM放送搬送波の信号がそのままIBOC処理部50へ入力されるように制御する。さらに、制御部60は、IBOC処理部50からの検出信号に基づいて、FM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それとも単なるFMアナログ放送搬送波なのかの判別を行うことができる。
【0048】
S23の判別の結果、FM用のHDラジオ放送搬送波であると判別した場合には、シーク動作の次回ステップ設定を行って(S23)、一連のシーク動作を終了する。次回ステップ設定とは、次回のシーク動作時に移動させるNF31のシフト周波数を一時的に変更するように設定することをいい、詳細は後述する。
【0049】
図5は、FM放送の場合の上向きシーク動作を説明するための図である。
【0050】
図5において、矢印500は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、501〜506は、50kHz下方にシフトされた(図4のS5参照)中心周波数を有するFMシーク用のBPF110の帯域幅(約100kHz)を示している。
【0051】
FM放送局は、200kHz毎に配置された割当周波数の内の何れか1つを中心周波数とする周波数帯を有している。図5の場合、中心周波数99.7MHzを有するFMアナログ放送搬送波510と、中心周波数100.1MHzを有するIBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520(図3(a)参照)が99.5〜100.5MHzの範囲に存在するものとしている。
【0052】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図4のS2参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を取得した周波数から50kHz下側にシフトするように調整し(図4のS5参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を200kHz毎にUPさせて(図4のS6参照)、FMシーク用BPF110の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0053】
図5の場合では、FMシーク用BPF110の帯域幅を502とUPさせた時点で、アナログ放送搬送波510を検出して、一旦シーク動作が停止する。その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、FMシーク用BPF110の帯域幅を504とUPした時点で、HDラジオ放送搬送波520のアナログ放送波部分を検出して、一旦シーク動作が停止する。HDラジオ放送搬送波520のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波520がHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。検出した放送搬送波が、HDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図4のS24参照)。したがって、その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、FMシーク用BPF110の帯域幅を505とUPさせずに、一回飛ばして506となるようにUPさせる。
【0054】
このように、上向きシーク動作の場合に、シフト周波数(FMシーク用BPF110の中心周波数)を割当周波数より50kHz下方に設定することによって、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側デジタル搬送波(図3(a)の302参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0055】
さらに、一旦IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを200kHzUPではなく、一つ飛ばしの400kHzUPとすることによって(505へ設定を飛ばす)、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側デジタル搬送波(図3(a)の303参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0056】
図6は、FM放送の場合のフィルタの切換動作を説明するための図である。
【0057】
図6において、矢印500は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、504は50kHz下方にシフトされた(図4のS5参照)中心周波数を有するFMシーク用BPF110の帯域幅(約100kHz)を示し、601は中心周波数調整後(図4のS21参照)のWF32の帯域幅(約400kHz)を示している。
【0058】
図5の504において、放送搬送波520の存在が確認された場合には(図4のS7参照)、NF31からWF32へのフィルタの切換えを行う(図4のS20参照)。WF32によって、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520全体をカバーすることができ、存在が確認された放送搬送波520が、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波であることを判別することが可能となる。
【0059】
図7は、FM放送の場合の下向きシーク動作を説明するための図である。
【0060】
図7において、矢印700は下向きシーク動作の方向(周波数を減少させる方向)を示し、701〜706は、50kHz上方にシフトされた(図4のS15参照)中心周波数を有するFMシーク用BPF110の帯域幅(約100kHz)を示している。
【0061】
図5の場合同様、図7でも、中心周波数99.7MHzを有するFMアナログ放送搬送波510と、中心周波数100.1MHzを有するIBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520(図3(a)参照)が99.5〜100.5MHzの範囲に存在するものとしている。
【0062】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図4のS2参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を取得した周波数から50kHz上側にシフトするように調整し(図4のS15参照)、FMシーク用BPF110の中心周波数を200kHz毎にDOWNさせて(図4のS16参照)、FMシーク用BPF110の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0063】
図7の場合では、FMシーク用BPF110の帯域幅を703とDOWNさせた時点で、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波520を検出して、一旦シーク動作が停止する。放送搬送波520のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波520がFM用のHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。検出した放送搬送波が、FM用のHDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図4のS24参照)。したがって、その後、再度、下向きシーク動作が再開された場合には、FMシーク用BPF110の帯域幅を704とDOWNさせずに、一回飛ばして705となるようにDOWNさせる。
【0064】
このように、下向きシーク動作の場合に、シフト周波数(FMシーク用BPF110の中心周波数)を割当周波数より50kHz上方に設定することによって、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側デジタル搬送波(図3(a)の303参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0065】
さらに、一旦IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを200kHzDOWNではなく、一つ飛ばしの400kHzDOWNとすることによって(704への設定を飛ばす)、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側デジタル搬送波(図3(a)の302参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のFM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0066】
なお、上記のFM受信方法の例におけるFMシーク用BPF110の中心周波数のシフト量(50kHz)及びFMシーク用BPF110の帯域幅は、一例であって、FM用のHDラジオ放送搬送波のプロファイルとの関係で適切な他の値を選択することが可能である。例えば、FMシーク用BPF110の中心周波数のシフト量及び帯域幅は、シーク方向に向かって手前側に存在するFM用のHDラジオ放送搬送波のデジタル放送搬送波を避けるように設定すれば良い。
【0067】
図8は、本発明に係る受信方法のフローの他の例(AM放送用)を示した図である。
【0068】
受信フローは、予め図1に示すラジオ受信機1の制御部60等に記憶されたプログラムに従って、主に制御部60が各構成要素を共同して実行されるものとする。図8に示すフローが実行される時点において、ラジオ受信機1の電源はONされ、各構成要素は動作可能な状態に維持されているものとする。
【0069】
この処理は、ユーザによる操作部80の所定ボタン(上向きシーク用ボタン又は下向きシーク用ボタン)の操作によって開始される(S31)。
【0070】
制御部60は、シーク動作の開始指示を受けて、現在の選局周波数の情報を取得し(S32)、IFフィルタ回路30を制御して、NF31を利用できるように切換えを行う(S33)。また、AM放送用のシーク動作では、IFフィルタ回路30は、常に帯域幅200kHzのNF31を選択するように制御される。さらに、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第2切換スイッチ101及び102を切換えて、AMシーク用BPF120が利用できるように制御し、第2レベル検知部121からの第2検知信号を受信する。
【0071】
ユーザにより操作されたボタンが上向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を上方へ3kHzずらし(S35)、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせる(S36)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、AMシーク用BPF120の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0072】
次に、制御部60は、第2レベル検知部121からの第2検知信号を取得して、AMシーク用BPF120の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S37)。放送搬送波が存在するか否かは第2検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S36に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。
【0073】
S37において、放送搬送波が存在する(ヒット)と判断された場合には、制御部60は、その時点のS1レベル信号の信号レベルをRF−AGC回路23から取得して(S38)、予め設定した閾値レベル以上であるか否かの判断を行う(S39)。予め設定した閾値レベル未満の場合には、S36に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。S39における閾値レベルの設定については後述する。
【0074】
ユーザにより操作されたボタンが下向きシークボタンの場合、制御部60は、前処理部20を制御して、割当周波数からシーク用のシフト周波数を下方へ3kHzずらし(S45)、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をDOWNさせる(S46)。即ち、制御部60は、PLL選局回路26を制御してシフト周波数で同調回路21を同調させ、AMシーク用BPF120の中心周波数をシフト周波数に一致させるように制御する。
【0075】
次に、制御部60は、第2レベル検知部121からの第2検知信号を取得して、AMシーク用BPF120の帯域幅内に放送搬送波が存在するか否かの判断を行う(S47)。放送搬送波が存在するか否かは第2検知信号の信号レベル等によって判断する。放送搬送波が存在しない(ヒットしない)と判断した場合には、S46に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をDOWNさせて、以後の動作を繰り返す。
【0076】
S47において、放送搬送波が存在する(ヒット)と判断された場合には、制御部60は、その時点のS1レベル信号の信号レベルをRF−AGC回路23から取得して(S48)、予め設定した閾値レベル以上であるか否かの判断を行う(S49)。予め設定した閾値レベル未満の場合には、S46に戻り、割当周波数の1ステップ周波数分(10kHz)だけ同調周波数をUPさせて、以後の動作を繰り返す。S49における閾値レベルの設定については後述する。
【0077】
S37又はS47で、S1レベル信号の信号レベルの閾値レベル以上と判断された場合には、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMデジタル用BPF150を利用できるようにし、NF31及びAMデジタル用BPF150を通過したAM放送搬送波がIBOC処理部50へ入力されるように制御を行う(S50)。
【0078】
制御部60は、S36又はS46で選択された周波数からS35又はS45でシフトされた分を修正された中心周波数を中心とするように、AMデジタル用BPF150の中心周波数を調整する(S51)。
【0079】
制御部60は、IBOC処理部50からの出力に基づいて、同調された放送搬送波が、AM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それともAMアナログ放送搬送波なのかの判別を行う(S52)。
【0080】
S52での判別は、例えば、デジタル放送搬送波が検出されるか否かによって行うことができる。この場合、制御部60は、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMデジタル用BPF150を利用できるようにし、NF31及びAMデジタル用BPF150を通過したAM放送搬送波の信号がそのままIBOC処理部50へ入力されるように制御する。さらに、制御部60は、IBOC処理部50からの検出信号に基づいて、AM用のHDラジオ放送搬送波なのか、それとも単なるAMアナログ放送搬送波なのかの判別を行うことができる。
【0081】
S52の判別の結果、AM用のHDラジオ放送搬送波であると判別した場合には、後述するシーク動作の次回ステップ設定を行って(S53)、一連のシーク動作を終了する。次回ステップ設定とは、次回のシーク動作時に移動させるAMシーク用BPF120のシフト周波数を一時的に変更するように設定することをいい、詳細は後述する。
【0082】
図9は、AM放送の場合の上向きシーク動作を説明するための図である。
【0083】
図9において、矢印900は上向きシーク動作の方向(周波数を増加させる方向)を示し、901〜906は、3kHz上方にシフトされた(図8のS35参照)中心周波数を有するAMシーク用BPF120(帯域幅約4kHz)を示している。
【0084】
AM放送局は、10kHz毎に配置された割当周波数の何れか1つ付近を中心周波数とする周波数帯を有している。図9の場合、中心周波数930kHzを有するAMアナログ放送搬送波910と、中心周波数950kHzを有するIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920(図3(b)参照)が920〜970kHzの範囲に存在するものとしている。
【0085】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図8のS32参照)、AMシーク用BPF120の中心周波数を取得した周波数から3kHz上側にシフトするように調整し(図8のS35参照)、10kHz毎にAMシーク用BPF120の中心周波数をUPさせて(図8のS36参照)、AMシーク用BPF120の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0086】
図9の場合では、AMシーク用BPF120の帯域幅を902とUPさせた時点で、アナログ放送搬送波910を検出して、一旦シーク動作が停止する。アナログ放送搬送波910に基づいて音声出力する場合には、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMアナログ用BPF140を通過した信号を切換回路47へ出力するように制御する。
【0087】
その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、AMシーク用BPF120の帯域幅を903とUPした時点で、HDラジオ放送搬送波920の第2のデジタル放送波部分を検出するが、閾値レベルを第2のデジタル放送搬送波より大きく設定することによって、シーク動作を一旦停止しないようにしている(図8のS39参照)。しかしながら、その後、AMシーク用BPF120の帯域幅を904とUPした時点で、HDラジオ放送搬送波920のアナログ放送波部分を検出して、一旦シーク動作が停止する。HDラジオ放送搬送波920のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波920がHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。デジタル放送搬送波920に基づいて音声出力する場合には、IFプロセッサ回路45の第1及び第3切換スイッチ101及び103を切換えて、AMデジタル用BPF150を通過した信号をIBOC処理部50へ出力し、IBOC処理部50でデコードされた信号を出力するように切換回路47を制御する。
【0088】
検出した放送搬送波が、HDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図8のS53参照)。したがって、その後、再度、上向きシーク動作が再開された場合には、AMシーク用BPF120の帯域幅を905とUPさせずに、一回飛ばして906となるようにUPさせる。
【0089】
このように、上向きシーク動作の場合に、シフト周波数より3kHz上方にAMシーク用BPF120の中心周波数を設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側の第1のデジタル搬送波(図3(b)の312参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)の第1のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0090】
また、上向きシーク動作の場合に、S1レベルの閾値をIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波(図3(b)の314及び315参照)のレベルより高く設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル搬送波の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0091】
さらに、一旦IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを10kHzUPではなく、一つ飛ばしの20kHzUPとすることによって(905への設定を飛ばす)、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側の第1デジタル搬送波(図3(b)の313参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)の第1デジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0092】
図10は、AM放送の場合の下向きシーク動作を説明するための図である。
【0093】
図10において、矢印1000は下向きシーク動作の方向(周波数を減少させる方向)を示し、1001〜1006は、3kHz下方にシフトされた(図8のS45参照)中心周波数を有するAMシーク用BPF120(帯域幅約4kHz)を示している。
【0094】
図9の場合同様、図10でも、中心周波数930kHzを有するAMアナログ放送搬送波910と、中心周波数950kHzを有するIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920(図3(b)参照)が920〜970kHzの範囲に存在するものとしている。
【0095】
例えば、ある時点における選局周波数を取得して(図8のS32参照)、AMシーク用BPF120の中心周波数を取得した周波数から3kHz下側にシフトするように調整し(図8のS45参照)、10kHz毎にAMシーク用BPF120の中心周波数をDOWNさせて(図8のS46参照)、AMシーク用BPF120の帯域幅中に放送搬送波が存在するか否かを判断していく。
【0096】
図10の場合では、AMシーク用BPF120の帯域幅を1002とDOWNさせた時点で、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920の第2のデジタル放送搬送波を検出するが、閾値レベルを第2のデジタル放送搬送波より大きく設定することによって、シーク動作を一旦停止しないようにしている(図8のS49参照)。しかしながら、その後、NF31の帯域幅を1003とDOWNさせた時点で、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波920のアナログ放送搬送波を検出して、一旦シーク動作が停止する。HDラジオ放送搬送波920のアナログ放送波部分を検出した時点で、放送搬送波920がHDラジオ放送搬送波であることが、IBOC処理部50を通じて制御部60において判別される。検出した放送搬送波が、HDラジオ放送搬送波である場合には、次回のステップ設定を1つ飛ばしに設定する(図8のS54参照)。したがって、その後、再度、下向きシーク動作が再開された場合には、AMシーク用BPF120の帯域幅を1004とDOWNさせずに、一回飛ばして1005となるようにDOWNさせる。
【0097】
このように、下向きシーク動作の場合に、シフト周波数より3kHz下方にAMシーク用BPF120の中心周波数を設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側の第1デジタル搬送波(図3(b)の313参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の上側(高周波数側)の第1デジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0098】
また、下向きシーク動作の場合に、S1レベルの閾値をIBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波(図3(b)の314及び315参照)のレベルより高く設定することによって、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル搬送波の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の第2のデジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0099】
さらに、一旦IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波を検出した場合には、次のステップを10kHzDOWNではなく、一つ飛ばしの20kHzDOWNとすることによって(1004への設定を飛ばす)、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側の第1デジタル搬送波(図3(b)の312参照)の部分を検出することがなくなる。即ち、IBOC方式のAM用のHDラジオ放送搬送波の下側(低周波数側)の第1デジタル放送搬送波を検出して、不必要にシーク動作が一旦停止されること及びノイズが出力されることが無くなる。
【0100】
なお、上記のAM受信方法の例におけるAMシーク用BPF120の中心周波数のシフト量(3kHz)及びAMシーク用BPF120の帯域幅は、一例であって、AM用のHDラジオ放送搬送波のプロファイルとの関係で適切な他の値を選択することが可能である。例えば、AMシーク用BPF120の中心周波数のシフト量及び帯域幅は、シーク方向に向かって手前側に存在するAM用のHDラジオ放送搬送波の第1デジタル放送搬送波を避けるように設定すれば良い。
【0101】
上記では、変調方法の異なる2つの放送(FM放送とAM放送)の両方に適応する受信機について説明したが、一台の受信機が、何れか一方のみに対応するように構成することも可能である。
【0102】
上記では、変調方法の異なる2つの放送(FM放送とAM放送)の場合において、IBOC方式のハイブリッド方式の放送搬送波のアナログ放送搬送波を検出した場合には、次回を1回飛ばすように制御するように説明した(図4のS23、図8のS53)。しかしながら、1回飛ばすように制御する代わりに、次回の検出時のみ第2検知信号の検知レベルを上げて、同じIBOC方式のハイブリッド方式の放送搬送波のデジタル放送搬送波を検出しないように制御することも可能である。なお、本明細書の実施例では、IBOC方式の放送搬送波を例にあげて説明したが、同様のハイブリッド方式の放送搬送波についても、同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明に係るラジオ受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】IFプロセッサ回路の概略構成を示す図である。
【図3】IBOC方式のHDラジオ放送搬送波を示す図である。
【図4】本発明に係るFM受信方法を示すフロー図である。
【図5】シーク動作を説明するための図(1)である。
【図6】フィルタの切換動作を説明するための図である。
【図7】シーク動作を説明するための図(2)である。
【図8】本発明に係るAM受信方法を示すフロー図である。
【図9】シーク動作を説明するための図(3)である。
【図10】シーク動作を説明するための図(4)である。
【図11】シーク動作の不具合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ラジオ受信機
10 アンテナ
20 前処理部
30 IFフィルタ回路
40 デジタル処理部
50 IBOC処理部
60 制御部
70 記憶部
80 操作部
90 音声出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド放送搬送波を受信するラジオ受信機であって、
放送周波数に同調可能な同調部と、
前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、
ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部と、
を有することを特徴とするラジオ受信機。
【請求項2】
ハイブリッド放送搬送波を受信するラジオ受信機であって、
放送周波数に同調可能な同調部と、
前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、
割当周波数から所定周波数だけずらしたシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部と、
を有することを特徴とするラジオ受信機。
【請求項3】
前記制御部は、前記シフト周波数を前記割当周波数からずらす方向を、選局方向に応じて変更する、請求項2に記載のラジオ受信機。
【請求項4】
前記制御部は、前記シフト周波数を前記割当周波数からずらす方向を、選局方向及び放送周波数の変調方式に応じて変更する、請求項2に記載のラジオ受信機。
【請求項5】
前記制御部は、前記シフト周波数を前記割当周波数からずらす周波数値を、放送周波数の変調方式に応じて変更する、請求項2に記載のラジオ受信機。
【請求項6】
前記制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数のステップ値を変更する、請求項2〜5の何れか一項に記載のラジオ受信機。
【請求項7】
前記制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回の前記放送搬送波検出信号に基づくハイブリッド放送搬送波の検出レベルを変更する、請求項2〜5の何れか一項に記載のラジオ受信機。
【請求項8】
放送周波数に同調可能な同調部及び前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部を有するラジオ受信機におけるハイブリッド放送搬送波の検出方法であって、
ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、
設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、
前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する、
ステップを有することを特徴とする搬送波検出方法。
【請求項9】
放送周波数に同調可能な同調部及び前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部を有するラジオ受信機におけるハイブリッド放送搬送波の検出方法であって、
割当周波数から所定周波数だけずらしてシフト周波数を設定し、
設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、
前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する、
ステップを有することを特徴とする搬送波検出方法。
【請求項1】
ハイブリッド放送搬送波を受信するラジオ受信機であって、
放送周波数に同調可能な同調部と、
前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、
ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部と、
を有することを特徴とするラジオ受信機。
【請求項2】
ハイブリッド放送搬送波を受信するラジオ受信機であって、
放送周波数に同調可能な同調部と、
前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部と、
割当周波数から所定周波数だけずらしたシフト周波数を設定し、設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する制御部と、
を有することを特徴とするラジオ受信機。
【請求項3】
前記制御部は、前記シフト周波数を前記割当周波数からずらす方向を、選局方向に応じて変更する、請求項2に記載のラジオ受信機。
【請求項4】
前記制御部は、前記シフト周波数を前記割当周波数からずらす方向を、選局方向及び放送周波数の変調方式に応じて変更する、請求項2に記載のラジオ受信機。
【請求項5】
前記制御部は、前記シフト周波数を前記割当周波数からずらす周波数値を、放送周波数の変調方式に応じて変更する、請求項2に記載のラジオ受信機。
【請求項6】
前記制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回のシフト周波数のステップ値を変更する、請求項2〜5の何れか一項に記載のラジオ受信機。
【請求項7】
前記制御部は、ハイブリッド放送搬送波を検出した場合、次回の前記放送搬送波検出信号に基づくハイブリッド放送搬送波の検出レベルを変更する、請求項2〜5の何れか一項に記載のラジオ受信機。
【請求項8】
放送周波数に同調可能な同調部及び前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部を有するラジオ受信機におけるハイブリッド放送搬送波の検出方法であって、
ハイブリッド放送搬送波のプロファイルに応じてシフト周波数を設定し、
設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、
前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する、
ステップを有することを特徴とする搬送波検出方法。
【請求項9】
放送周波数に同調可能な同調部及び前記同調部が同調した周波数における放送搬送波検出信号を生成する信号生成部を有するラジオ受信機におけるハイブリッド放送搬送波の検出方法であって、
割当周波数から所定周波数だけずらしてシフト周波数を設定し、
設定されたシフト周波数に前記同調部を同調させて前記信号生成部から放送搬送波検出信号を取得し、
前記放送搬送波検出信号に基づいてハイブリッド放送搬送波を検出する、
ステップを有することを特徴とする搬送波検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−336050(P2007−336050A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163384(P2006−163384)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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