ラミネートセル電池構造体
【課題】各ラミネートセル電池におけるプラス電極及びマイナス電極のシール部分が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池の耐久性を向上させることができるラミネートセル電池構造体を提供すること。
【解決手段】ラミネートセル電池構造体1は、可撓性のシート状容器31内に電池本体32が収容されたラミネートセル電池3を、複数枚積層してなる。各ラミネートセル電池3は、その四方の側部を保持する保持枠2内に接続セル組11として保持されている。プラス電極33Aのすべてとマイナス電極33Bのすべてとは、いずれもラミネートセル電池3の面方向に平行に引き出されている。面方向に平行に引き出されたすべてのプラス電極33A同士は、プラス側連結部材4Aによって挟み込まれて結合され、面方向に平行に引き出されたすべてのマイナス電極33B同士は、マイナス側連結部材4Bによって挟み込まれて結合されている。
【解決手段】ラミネートセル電池構造体1は、可撓性のシート状容器31内に電池本体32が収容されたラミネートセル電池3を、複数枚積層してなる。各ラミネートセル電池3は、その四方の側部を保持する保持枠2内に接続セル組11として保持されている。プラス電極33Aのすべてとマイナス電極33Bのすべてとは、いずれもラミネートセル電池3の面方向に平行に引き出されている。面方向に平行に引き出されたすべてのプラス電極33A同士は、プラス側連結部材4Aによって挟み込まれて結合され、面方向に平行に引き出されたすべてのマイナス電極33B同士は、マイナス側連結部材4Bによって挟み込まれて結合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネートセル電池を複数枚積層してなるラミネートセル電池構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より種々の形式の電池があるが、その中でも、アルミニウム基材の表面を絶縁性の樹脂で被覆してなる可撓性のシート状容器内に電池本体を収容してなるラミネートセル電池は、製造が容易で取り扱いも容易であり、かつ安価であることから多くの需要が期待されている。
ラミネートセル電池は、複数枚を積層し、各電池の電極間を並列接続又は直列接続のいずれの接続方法によっても柔軟に接続して用いることができる。
電池同士の電極間を接続する方法としては、例えば特許文献1に開示された方法がある。この特許文献1の電池及び組電池の製造方法においては、単電池の負極電極端子を、凸部を有する折曲形状に形成し、単電池の正極電極端子を、切り欠きからなる受入部を有する折曲形状に形成している。そして、これらの単電池同士を隣り合わせに配置したときに、単電池の負極電極端子における折曲部分と、隣接する単電池の正極電極端子における折曲部分とが重なり、凸部と受入部とを嵌合させて接合することができる。これにより、電極端子同士を接合する際に、これらの位置決めを容易にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−26907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電池においては、負極電極端子における折曲部分と正極電極端子における折曲部分とを接合する際に、各単電池に応力が加わり、各単電池における電極端子のシール部分が破壊され易くなってしまう。
そのため、単電池の耐久性を考慮すると、電極端子同士を接合する構造に更なる工夫が必要となる。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、各ラミネートセル電池における電極のシール部分が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池の耐久性を向上させることができるラミネートセル電池構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可撓性のシート状容器内に電池本体が収容され、該電池本体から一対のシート状の電極が外部に引き出されてなるラミネートセル電池を、複数枚積層してなるラミネートセル電池構造体であって、
上記複数枚積層したラミネートセル電池は、その四方の側部を保持する保持枠内に接続セル組として保持されており、
上記電極のすべては、いずれも上記ラミネートセル電池の面方向に平行に引き出されており、
該面方向に平行に引き出された電極同士は、連結部材によって挟み込まれた状態で結合されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
本発明のラミネートセル電池構造体は、複数枚積層したラミネートセル電池を、その四方の側部を保持する保持枠内に接続セル組として保持してなる。そして、接続セル組においては、複数枚のラミネートセル電池における電極同士が連結部材によって挟み込まれた状態で結合されている。
これにより、連結部材に対して、各ラミネートセル電池における電極を対面させて、レーザ溶接、抵抗溶接、ボルト接合等の種々の接合を行うことができる。そのため、この接合を行う際に、各ラミネートセル電池における電極のシール部分に不要な応力が加わることを防止することができる。
【0008】
それ故、本発明のラミネートセル電池構造体によれば、各ラミネートセル電池における電極のシール部分が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1における、ラミネートセル電池構造体を分解した状態で示す斜視図。
【図2】実施例1における、接続セル組を構成する保持枠を複数積層して積層保持枠組を形成したラミネートセル電池構造体を示す平面図。
【図3】実施例1における、積層保持枠組同士を隣り合わせて配設したラミネートセル電池構造体を示す平面図。
【図4】実施例1における、ラミネートセル電池の電極の周辺を示す断面説明図。
【図5】実施例1における、プラス側連結部材(マイナス側連結部材)を、各電極に結合した状態を示す説明図。
【図6】実施例1における、他のプラス側連結部材(マイナス側連結部材)を、各電極に結合した状態を示す説明図。
【図7】実施例1における、他のプラス側連結部材(マイナス側連結部材)を、各電極に結合した状態を示す説明図。
【図8】実施例2における、接続セル組を構成する保持枠を複数積層して積層保持枠組を形成したラミネートセル電池構造体を示す平面図。
【図9】実施例2における、接続セル組を構成するラミネートセル電池構造体を示す断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した本発明のラミネートセル電池構造体における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り曲げて形成することができる(請求項2)。
この場合には、簡単な構造の連結部材によって電極を挟持することができる。
【0011】
また、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り返して形成された折返し挟持部と、互いに隣接する該折返し挟持部の折返し先端部とは反対側の基端部同士を連結する連結部とによって波形状に形成することもできる(請求項3)。
この場合には、波形状の連結部材を、電極に対して安定して接触させることができる。
【0012】
また、上記連結部材においては、互いに隣接する上記折返し挟持部同士の間にスペーサを配置し、該折返し挟持部、該スペーサ及び上記電極にそれぞれ設けた貫通穴内にボルトを通して締め付けることによって、上記折返し挟持部と上記電極とを密着させることが好ましい(請求項4)。
この場合には、連結部材における折返し挟持部と電極とを安定して密着させることができる。
なお、連結部材とスペーサとは、別々の部品とすることができ、一体化した部品とすることもできる。
【0013】
また、上記接続セル組は、同極の上記電極同士を電気的に並列接続してなり、上記連結部材同士をバスバーで接続して、2つの上記接続セル組を電気的に直列接続することができる(請求項5)。
この場合には、各ラミネートセル電池における電極のシール部分に不要な応力が加わることを防止して、電気的に並列接続した2つの接続セル組を、バスバーによって電気的に直列接続することができる。
【0014】
また、上記接続セル組を構成する上記保持枠が複数個積層されており、該複数個積層された保持枠に対する積層方向の両側から、導通性のプレート端子部を設けた絶縁性エンドプレートがそれぞれ積層され、該絶縁性エンドプレート同士に締付部材を掛け渡して、上記複数個の保持枠が積層保持枠組として組み付けられており、該積層保持枠組は、上記バスバーを接続した上記プレート端子部から外部と電気的に接続されていることができる(請求項6)。
この場合には、上記積層保持枠組を外部と電気的に接続する際に、この接続に用いるワイヤーハーネス等から、端部保持枠を構成する接続セル組における各ラミネートセル電池における電極のシール部分に不要な応力が加わることを防止することができる。
【実施例】
【0015】
以下に、本発明のラミネートセル電池構造体にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例のラミネートセル電池構造体1は、図1に示すごとく、可撓性のシート状容器31内に電池本体32が収容されたラミネートセル電池3を、複数枚積層してなる。ラミネートセル電池3は、電池本体32からシート状のプラス電極33Aとシート状のマイナス電極33Bとを外部に引き出してなる。複数枚積層したラミネートセル電池3は、その四方の側部を保持する保持枠2内に接続セル組11として保持されている。
プラス電極33Aのすべてとマイナス電極33Bのすべてとは、いずれもラミネートセル電池3の面方向に平行に引き出されている。面方向に平行に引き出されたすべてのプラス電極33A同士は、プラス側連結部材4Aによって挟み込まれた状態で結合され、面方向に平行に引き出されたすべてのマイナス電極33B同士は、マイナス側連結部材4Bによって挟み込まれた状態で結合されている。
【0016】
以下に、本例のラミネートセル電池構造体1につき、図1〜図7を参照して詳説する。
図4に示すごとく、本例のシート状容器31は、内周側が絶縁樹脂312によって被覆された一対のアルミニウムシート311を用いて形成されている。すなわち、シート状容器31は、左右方向(電極引出方向に直交する横方向)の側部においては、一対のアルミニウムシート311の互いに対面する絶縁樹脂312同士を溶着させ、上下方向(電極引出方向)の側部においては、一対のアルミニウムシート311の各絶縁樹脂312と、プラス電極33A及びマイナス電極33Bの表面に施工した各絶縁樹脂331とを溶着させて、袋形状に形成されている。また、ラミネートセル電池3の内部においては、電池本体32を配置した隙間30に電解液が入れられている。
【0017】
本例のラミネートセル電池3は、板形状の電池本体32を、一対のアルミニウムシート311によって両面から包み込み、電池本体32における一方の側部に設けたシート状のプラス電極33Aと、電池本体32における他方の側部に設けたシート状のマイナス電極33Bとを、一対のアルミニウムシート311の端部同士の間から引き出して形成されている。各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A及びマイナス電極33Bのシール部分313は、これらの電極33A、33Bを引き出したシート状容器31の端部として形成されている。また、プラス電極33A及びマイナス電極33Bは、銅材料からなる導体によって形成されている。
【0018】
図1に示すごとく、本例の保持枠2は、ラミネートセル電池3においてプラス電極33Aを引き出した一方の側部と、ラミネートセル電池3においてマイナス電極33Bを引き出した他方の側部とにそれぞれ配置する上下一対の保持枠片21、一方の側部及び他方の側部に直交する左右の側部に配置する左右一対の保持枠片22との4つの保持枠片を組み合わせて四角枠形状に形成されている。
上下一対の保持枠片21には、各ラミネートセル電池3のプラス電極33A又はマイナス電極33Bを差し込んで配置する差込穴211が複数並んで形成されている。左右一対の保持枠片22における内側面には、各ラミネートセル電池3における左右の側部を差し込んで保持する差込保持凹部221が複数並んで形成されている。また、左右一対の保持枠片22における外側面には、保持枠2の積層状態を保持するための締付部材を配置する凹部222が形成されている。
【0019】
図5に示すごとく、本例の各連結部材4A、4Bは、各電極33A、33Bを挟持するよう折り曲げて形成されている。プラス側連結部材4Aは、プラス電極33Aを両側から挟持するようプラス電極33Aの数に対応する数を折り返して形成された折返し挟持部41と、互いに隣接する折返し挟持部41の折返し先端部411とは反対側の基端部413同士を連結する連結部42とによって波形状に形成されている。また、マイナス側連結部材4Bは、マイナス電極33Bを両側から挟持するようマイナス電極33Bの数に対応する数を折り返して形成された折返し挟持部41と、互いに隣接する折返し挟持部41の折返し先端部411とは反対側の基端部413同士を連結する連結部42とによって波形状に形成されている。
本例のプラス側連結部材4A及びマイナス側連結部材4Bは、一枚の金属板を波形状に折り曲げて形成されている。各連結部材4A、4Bにおける各折返し挟持部41は、各電極33A、33Bを挟み込む隙間410を設けて金属板の部分が互いに向き合う状態に形成されている。
【0020】
プラス側連結部材4Aは、上側の保持枠片21の外側面に配置して、各折返し挟持部41の隙間410に各プラス電極33Aを差し込み、レーザ溶接、抵抗溶接等の溶接を行って、各プラス電極33Aと結合される。マイナス側連結部材4Bは、下側の保持枠片21の外側面に配置して、各折返し挟持部41の隙間410に各マイナス電極33Bを差し込み、レーザ溶接、抵抗溶接等の溶接を行って、各マイナス電極33Bと結合される。
【0021】
各連結部材4A、4Bにおける折返し挟持部41の折返し先端部411には、図5に示すごとく、差込配置穴412を形成しておくことができる。この場合、各ラミネートセル電池3の電極33A、33Bを差込配置穴412に差し込むことができる。これにより、各電極33A、33Bの突出長さの寸法公差を大きくとることができ、各電極33A、33Bの先端位置が揃っていなくても、安定して各連結部材4A、4Bを配置、結合することができる。
また、各連結部材4A、4Bにおける折返し挟持部41は、図6に示すごとく、各電極33A、33Bの突出長さを見込んだ長さに形成しておくこともできる。これによっても、各電極33A、33Bの突出長さの寸法公差を大きくとることができ、各電極33A、33Bの先端位置が揃っていなくても、安定して各連結部材4A、4Bを配置、結合することができる。
【0022】
また、各連結部材4A、4Bにおける折返し挟持部41は、図7に示すごとく、ボルト締めを行って、各電極33A、33Bに密着させて結合することができる。具体的には、プラス側連結部材4Aにおいては、互いに隣接する折返し挟持部41同士の間にスペーサ51を配置し、折返し挟持部41、スペーサ51及びプラス電極33Aにそれぞれ設けた貫通穴内にボルト52を通す。そして、ボルト52とナット53とを締め付けることによって、これらの間に折返し挟持部41、スペーサ51及びプラス電極33Aを挟み込んで、折返し挟持部41とプラス電極33Aとを密着させることができる。マイナス側連結部材4Bにおいても同様に、互いに隣接する折返し挟持部41同士の間にスペーサ51を配置し、折返し挟持部41、スペーサ51及びマイナス電極33Bにそれぞれ設けた貫通穴内にボルト52を通す。そして、ボルト52とナット53とを締め付けることによって、これらとの間に折返し挟持部41、スペーサ51及びマイナス電極33Bを挟み込んで、折返し挟持部41とマイナス電極33Bとを密着させることができる。
【0023】
図2、図3に示すごとく、本例のラミネートセル電池構造体1は、接続セル組11を構成する保持枠2を複数積層配置し、接続セル組11を構成する複数枚のラミネートセル電池3同士を、電気的に直列接続するよう構成されている。各接続セル組11を構成する複数枚のラミネートセル電池3は並列に接続され、各接続セル組11同士は直列に接続される。
【0024】
より具体的には、各接続セル組11同士の直列接続は、一方の接続セル組11におけるプラス側連結部材4Aと、他方の接続セル組11におけるマイナス側連結部材4Bとが同じ側に並ぶ状態で、2つの接続セル組11を構成する保持枠2同士を積層する。そして、一方の接続セル組11におけるプラス側連結部材4Aと、他方の接続セル組11におけるマイナス側連結部材4Bとをバスバー61Aで接続して、2つの接続セル組11を電気的に直列接続する。接続セル組11は、任意の数だけ積層し、各保持枠2における左右一対の保持枠片22に設けた凹部222に締付部材を配置して、この締付部材によって一体化することができる。
バスバー61Aは、各電極33A、33Bを配置したラミネートセル構造体1の一方側と他方側とにおいて互いに隣接する接続セル組11を交互に接続している。バスバー61Aが表側に現れていない接続セル組11同士の間は、裏側においてバスバー61Aによって接続されている。
【0025】
また、図2、図3に示すごとく、本例のラミネートセル電池構造体1は、接続セル組11を構成する保持枠2を複数個積層し、複数個積層された保持枠2に対する積層方向の両側から、導通性のプレート端子部251を設けた絶縁性エンドプレート25をそれぞれ積層して構成されている。複数個の保持枠2は、絶縁性エンドプレート25同士に締付部材を掛け渡して、積層保持枠組12として組み付けられている。積層保持枠組12において一方の端部に積層された保持枠2である端部保持枠2Aにおけるプラス側連結部材4A又はマイナス側連結部材4Bと、端部保持枠2Aに隣接する絶縁性エンドプレート25におけるプレート端子部251とはバスバー61Bによって接続されている。積層保持枠組12は、バスバー61Bを接続したプレート端子部251からワイヤーハーネス62によって外部と電気的に接続される。
【0026】
本例のラミネートセル電池構造体1は、上記のごとく、複数枚積層したラミネートセル電池3を、その四方の側部を保持する保持枠2内に接続セル組11として保持してなる。そして、接続セル組11においては、複数枚のラミネートセル電池3におけるプラス電極33A同士がプラス側連結部材4Aによって挟み込まれた状態で結合され、複数枚のラミネートセル電池3におけるマイナス電極33B同士がマイナス側連結部材4Bによって挟み込まれた状態で結合されている。
【0027】
これにより、プラス側連結部材4Aにおける各折返し挟持部41に対して、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33Aを差し込んで、レーザ溶接、抵抗溶接、ボルト接合等の種々の接合を行うことができる。そのため、この接合を行う際に、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33Aのシール部分313に不要な応力が加わることを防止することができる。また、同様に、マイナス側連結部材4Bにおける各折返し挟持部41に対して、各ラミネートセル電池3におけるマイナス電極33Bを差し込んで、レーザ溶接、抵抗溶接、ボルト接合等の種々の接合を行うことができる。そのため、この接合を行う際に、各ラミネートセル電池3におけるマイナス電極33Bのシール部分313に不要な応力が加わることを防止することができる。
【0028】
また、接続セル組11を構成する保持枠2同士を積層した上記構成により、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A及びマイナス電極33Bのシール部分313に不要な応力が加わることを防止して、接続セル組11を電気的に直列接続することができる。
また、積層保持枠組12における各接続セル組11を外部と電気的に接続する際に、プレート端子部251を設けた絶縁性エンドプレート25を用いることにより、ワイヤーハーネス62等から、端部保持枠2Aを構成する接続セル組11における各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A又はマイナス電極33Bのシール部分313に不要な応力が加わることを防止することができる。
【0029】
それ故、本例のラミネートセル電池構造体1によれば、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A及びマイナス電極33Bのシール部分313が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池3の耐久性を向上させることができる。
【0030】
(実施例2)
本例は、図8、図9に示すごとく、各連結部材4A、4Bを、各電極33A、33Bと対面する対面部451を形成する板金部45と、互いに隣接する電極33A同士の隙間に配置するスペーサ452とから構成した例である。
各対面部451は、各板金部45から切り開いて立設させて形成することができる。スペーサ452は、板金部45と一体化して形成することができ、板金部45と別体に形成することもできる。
【0031】
また、各連結部材4A、4Bを構成する板金部45及び各電極33A、33Bにそれぞれ設けた貫通穴内にボルト52を通し、ボルト52とナット53とを締め付けることによって、これらの間に複数の対面部451及び複数の電極33A、33Bを挟み込んで、各対面部451と各電極33A、33Bとを密着させることができる。
各板金部45における対面部451は、各電極33A、33Bの横幅と略同じ横幅に形成されており、各スペーサ452は、ボルト52とナット53とを締め付ける際の台座となる円筒形状に形成されている。
本例においても、ラミネートセル電池構造体1のその他の構成は上記実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ラミネートセル電池構造体
11 接続セル組
12 積層保持枠組
2 保持枠
25 絶縁性エンドプレート
3 ラミネートセル電池
31 シート状容器
32 電池本体
33A プラス電極
33B マイナス電極
4A プラス側連結部材
4B マイナス側連結部材
41 折返し挟持部
411 折返し先端部
42 連結部
51 スペーサ
52 ボルト
53 ナット
61 バスバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネートセル電池を複数枚積層してなるラミネートセル電池構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より種々の形式の電池があるが、その中でも、アルミニウム基材の表面を絶縁性の樹脂で被覆してなる可撓性のシート状容器内に電池本体を収容してなるラミネートセル電池は、製造が容易で取り扱いも容易であり、かつ安価であることから多くの需要が期待されている。
ラミネートセル電池は、複数枚を積層し、各電池の電極間を並列接続又は直列接続のいずれの接続方法によっても柔軟に接続して用いることができる。
電池同士の電極間を接続する方法としては、例えば特許文献1に開示された方法がある。この特許文献1の電池及び組電池の製造方法においては、単電池の負極電極端子を、凸部を有する折曲形状に形成し、単電池の正極電極端子を、切り欠きからなる受入部を有する折曲形状に形成している。そして、これらの単電池同士を隣り合わせに配置したときに、単電池の負極電極端子における折曲部分と、隣接する単電池の正極電極端子における折曲部分とが重なり、凸部と受入部とを嵌合させて接合することができる。これにより、電極端子同士を接合する際に、これらの位置決めを容易にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−26907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電池においては、負極電極端子における折曲部分と正極電極端子における折曲部分とを接合する際に、各単電池に応力が加わり、各単電池における電極端子のシール部分が破壊され易くなってしまう。
そのため、単電池の耐久性を考慮すると、電極端子同士を接合する構造に更なる工夫が必要となる。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、各ラミネートセル電池における電極のシール部分が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池の耐久性を向上させることができるラミネートセル電池構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可撓性のシート状容器内に電池本体が収容され、該電池本体から一対のシート状の電極が外部に引き出されてなるラミネートセル電池を、複数枚積層してなるラミネートセル電池構造体であって、
上記複数枚積層したラミネートセル電池は、その四方の側部を保持する保持枠内に接続セル組として保持されており、
上記電極のすべては、いずれも上記ラミネートセル電池の面方向に平行に引き出されており、
該面方向に平行に引き出された電極同士は、連結部材によって挟み込まれた状態で結合されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
本発明のラミネートセル電池構造体は、複数枚積層したラミネートセル電池を、その四方の側部を保持する保持枠内に接続セル組として保持してなる。そして、接続セル組においては、複数枚のラミネートセル電池における電極同士が連結部材によって挟み込まれた状態で結合されている。
これにより、連結部材に対して、各ラミネートセル電池における電極を対面させて、レーザ溶接、抵抗溶接、ボルト接合等の種々の接合を行うことができる。そのため、この接合を行う際に、各ラミネートセル電池における電極のシール部分に不要な応力が加わることを防止することができる。
【0008】
それ故、本発明のラミネートセル電池構造体によれば、各ラミネートセル電池における電極のシール部分が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1における、ラミネートセル電池構造体を分解した状態で示す斜視図。
【図2】実施例1における、接続セル組を構成する保持枠を複数積層して積層保持枠組を形成したラミネートセル電池構造体を示す平面図。
【図3】実施例1における、積層保持枠組同士を隣り合わせて配設したラミネートセル電池構造体を示す平面図。
【図4】実施例1における、ラミネートセル電池の電極の周辺を示す断面説明図。
【図5】実施例1における、プラス側連結部材(マイナス側連結部材)を、各電極に結合した状態を示す説明図。
【図6】実施例1における、他のプラス側連結部材(マイナス側連結部材)を、各電極に結合した状態を示す説明図。
【図7】実施例1における、他のプラス側連結部材(マイナス側連結部材)を、各電極に結合した状態を示す説明図。
【図8】実施例2における、接続セル組を構成する保持枠を複数積層して積層保持枠組を形成したラミネートセル電池構造体を示す平面図。
【図9】実施例2における、接続セル組を構成するラミネートセル電池構造体を示す断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した本発明のラミネートセル電池構造体における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り曲げて形成することができる(請求項2)。
この場合には、簡単な構造の連結部材によって電極を挟持することができる。
【0011】
また、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り返して形成された折返し挟持部と、互いに隣接する該折返し挟持部の折返し先端部とは反対側の基端部同士を連結する連結部とによって波形状に形成することもできる(請求項3)。
この場合には、波形状の連結部材を、電極に対して安定して接触させることができる。
【0012】
また、上記連結部材においては、互いに隣接する上記折返し挟持部同士の間にスペーサを配置し、該折返し挟持部、該スペーサ及び上記電極にそれぞれ設けた貫通穴内にボルトを通して締め付けることによって、上記折返し挟持部と上記電極とを密着させることが好ましい(請求項4)。
この場合には、連結部材における折返し挟持部と電極とを安定して密着させることができる。
なお、連結部材とスペーサとは、別々の部品とすることができ、一体化した部品とすることもできる。
【0013】
また、上記接続セル組は、同極の上記電極同士を電気的に並列接続してなり、上記連結部材同士をバスバーで接続して、2つの上記接続セル組を電気的に直列接続することができる(請求項5)。
この場合には、各ラミネートセル電池における電極のシール部分に不要な応力が加わることを防止して、電気的に並列接続した2つの接続セル組を、バスバーによって電気的に直列接続することができる。
【0014】
また、上記接続セル組を構成する上記保持枠が複数個積層されており、該複数個積層された保持枠に対する積層方向の両側から、導通性のプレート端子部を設けた絶縁性エンドプレートがそれぞれ積層され、該絶縁性エンドプレート同士に締付部材を掛け渡して、上記複数個の保持枠が積層保持枠組として組み付けられており、該積層保持枠組は、上記バスバーを接続した上記プレート端子部から外部と電気的に接続されていることができる(請求項6)。
この場合には、上記積層保持枠組を外部と電気的に接続する際に、この接続に用いるワイヤーハーネス等から、端部保持枠を構成する接続セル組における各ラミネートセル電池における電極のシール部分に不要な応力が加わることを防止することができる。
【実施例】
【0015】
以下に、本発明のラミネートセル電池構造体にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例のラミネートセル電池構造体1は、図1に示すごとく、可撓性のシート状容器31内に電池本体32が収容されたラミネートセル電池3を、複数枚積層してなる。ラミネートセル電池3は、電池本体32からシート状のプラス電極33Aとシート状のマイナス電極33Bとを外部に引き出してなる。複数枚積層したラミネートセル電池3は、その四方の側部を保持する保持枠2内に接続セル組11として保持されている。
プラス電極33Aのすべてとマイナス電極33Bのすべてとは、いずれもラミネートセル電池3の面方向に平行に引き出されている。面方向に平行に引き出されたすべてのプラス電極33A同士は、プラス側連結部材4Aによって挟み込まれた状態で結合され、面方向に平行に引き出されたすべてのマイナス電極33B同士は、マイナス側連結部材4Bによって挟み込まれた状態で結合されている。
【0016】
以下に、本例のラミネートセル電池構造体1につき、図1〜図7を参照して詳説する。
図4に示すごとく、本例のシート状容器31は、内周側が絶縁樹脂312によって被覆された一対のアルミニウムシート311を用いて形成されている。すなわち、シート状容器31は、左右方向(電極引出方向に直交する横方向)の側部においては、一対のアルミニウムシート311の互いに対面する絶縁樹脂312同士を溶着させ、上下方向(電極引出方向)の側部においては、一対のアルミニウムシート311の各絶縁樹脂312と、プラス電極33A及びマイナス電極33Bの表面に施工した各絶縁樹脂331とを溶着させて、袋形状に形成されている。また、ラミネートセル電池3の内部においては、電池本体32を配置した隙間30に電解液が入れられている。
【0017】
本例のラミネートセル電池3は、板形状の電池本体32を、一対のアルミニウムシート311によって両面から包み込み、電池本体32における一方の側部に設けたシート状のプラス電極33Aと、電池本体32における他方の側部に設けたシート状のマイナス電極33Bとを、一対のアルミニウムシート311の端部同士の間から引き出して形成されている。各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A及びマイナス電極33Bのシール部分313は、これらの電極33A、33Bを引き出したシート状容器31の端部として形成されている。また、プラス電極33A及びマイナス電極33Bは、銅材料からなる導体によって形成されている。
【0018】
図1に示すごとく、本例の保持枠2は、ラミネートセル電池3においてプラス電極33Aを引き出した一方の側部と、ラミネートセル電池3においてマイナス電極33Bを引き出した他方の側部とにそれぞれ配置する上下一対の保持枠片21、一方の側部及び他方の側部に直交する左右の側部に配置する左右一対の保持枠片22との4つの保持枠片を組み合わせて四角枠形状に形成されている。
上下一対の保持枠片21には、各ラミネートセル電池3のプラス電極33A又はマイナス電極33Bを差し込んで配置する差込穴211が複数並んで形成されている。左右一対の保持枠片22における内側面には、各ラミネートセル電池3における左右の側部を差し込んで保持する差込保持凹部221が複数並んで形成されている。また、左右一対の保持枠片22における外側面には、保持枠2の積層状態を保持するための締付部材を配置する凹部222が形成されている。
【0019】
図5に示すごとく、本例の各連結部材4A、4Bは、各電極33A、33Bを挟持するよう折り曲げて形成されている。プラス側連結部材4Aは、プラス電極33Aを両側から挟持するようプラス電極33Aの数に対応する数を折り返して形成された折返し挟持部41と、互いに隣接する折返し挟持部41の折返し先端部411とは反対側の基端部413同士を連結する連結部42とによって波形状に形成されている。また、マイナス側連結部材4Bは、マイナス電極33Bを両側から挟持するようマイナス電極33Bの数に対応する数を折り返して形成された折返し挟持部41と、互いに隣接する折返し挟持部41の折返し先端部411とは反対側の基端部413同士を連結する連結部42とによって波形状に形成されている。
本例のプラス側連結部材4A及びマイナス側連結部材4Bは、一枚の金属板を波形状に折り曲げて形成されている。各連結部材4A、4Bにおける各折返し挟持部41は、各電極33A、33Bを挟み込む隙間410を設けて金属板の部分が互いに向き合う状態に形成されている。
【0020】
プラス側連結部材4Aは、上側の保持枠片21の外側面に配置して、各折返し挟持部41の隙間410に各プラス電極33Aを差し込み、レーザ溶接、抵抗溶接等の溶接を行って、各プラス電極33Aと結合される。マイナス側連結部材4Bは、下側の保持枠片21の外側面に配置して、各折返し挟持部41の隙間410に各マイナス電極33Bを差し込み、レーザ溶接、抵抗溶接等の溶接を行って、各マイナス電極33Bと結合される。
【0021】
各連結部材4A、4Bにおける折返し挟持部41の折返し先端部411には、図5に示すごとく、差込配置穴412を形成しておくことができる。この場合、各ラミネートセル電池3の電極33A、33Bを差込配置穴412に差し込むことができる。これにより、各電極33A、33Bの突出長さの寸法公差を大きくとることができ、各電極33A、33Bの先端位置が揃っていなくても、安定して各連結部材4A、4Bを配置、結合することができる。
また、各連結部材4A、4Bにおける折返し挟持部41は、図6に示すごとく、各電極33A、33Bの突出長さを見込んだ長さに形成しておくこともできる。これによっても、各電極33A、33Bの突出長さの寸法公差を大きくとることができ、各電極33A、33Bの先端位置が揃っていなくても、安定して各連結部材4A、4Bを配置、結合することができる。
【0022】
また、各連結部材4A、4Bにおける折返し挟持部41は、図7に示すごとく、ボルト締めを行って、各電極33A、33Bに密着させて結合することができる。具体的には、プラス側連結部材4Aにおいては、互いに隣接する折返し挟持部41同士の間にスペーサ51を配置し、折返し挟持部41、スペーサ51及びプラス電極33Aにそれぞれ設けた貫通穴内にボルト52を通す。そして、ボルト52とナット53とを締め付けることによって、これらの間に折返し挟持部41、スペーサ51及びプラス電極33Aを挟み込んで、折返し挟持部41とプラス電極33Aとを密着させることができる。マイナス側連結部材4Bにおいても同様に、互いに隣接する折返し挟持部41同士の間にスペーサ51を配置し、折返し挟持部41、スペーサ51及びマイナス電極33Bにそれぞれ設けた貫通穴内にボルト52を通す。そして、ボルト52とナット53とを締め付けることによって、これらとの間に折返し挟持部41、スペーサ51及びマイナス電極33Bを挟み込んで、折返し挟持部41とマイナス電極33Bとを密着させることができる。
【0023】
図2、図3に示すごとく、本例のラミネートセル電池構造体1は、接続セル組11を構成する保持枠2を複数積層配置し、接続セル組11を構成する複数枚のラミネートセル電池3同士を、電気的に直列接続するよう構成されている。各接続セル組11を構成する複数枚のラミネートセル電池3は並列に接続され、各接続セル組11同士は直列に接続される。
【0024】
より具体的には、各接続セル組11同士の直列接続は、一方の接続セル組11におけるプラス側連結部材4Aと、他方の接続セル組11におけるマイナス側連結部材4Bとが同じ側に並ぶ状態で、2つの接続セル組11を構成する保持枠2同士を積層する。そして、一方の接続セル組11におけるプラス側連結部材4Aと、他方の接続セル組11におけるマイナス側連結部材4Bとをバスバー61Aで接続して、2つの接続セル組11を電気的に直列接続する。接続セル組11は、任意の数だけ積層し、各保持枠2における左右一対の保持枠片22に設けた凹部222に締付部材を配置して、この締付部材によって一体化することができる。
バスバー61Aは、各電極33A、33Bを配置したラミネートセル構造体1の一方側と他方側とにおいて互いに隣接する接続セル組11を交互に接続している。バスバー61Aが表側に現れていない接続セル組11同士の間は、裏側においてバスバー61Aによって接続されている。
【0025】
また、図2、図3に示すごとく、本例のラミネートセル電池構造体1は、接続セル組11を構成する保持枠2を複数個積層し、複数個積層された保持枠2に対する積層方向の両側から、導通性のプレート端子部251を設けた絶縁性エンドプレート25をそれぞれ積層して構成されている。複数個の保持枠2は、絶縁性エンドプレート25同士に締付部材を掛け渡して、積層保持枠組12として組み付けられている。積層保持枠組12において一方の端部に積層された保持枠2である端部保持枠2Aにおけるプラス側連結部材4A又はマイナス側連結部材4Bと、端部保持枠2Aに隣接する絶縁性エンドプレート25におけるプレート端子部251とはバスバー61Bによって接続されている。積層保持枠組12は、バスバー61Bを接続したプレート端子部251からワイヤーハーネス62によって外部と電気的に接続される。
【0026】
本例のラミネートセル電池構造体1は、上記のごとく、複数枚積層したラミネートセル電池3を、その四方の側部を保持する保持枠2内に接続セル組11として保持してなる。そして、接続セル組11においては、複数枚のラミネートセル電池3におけるプラス電極33A同士がプラス側連結部材4Aによって挟み込まれた状態で結合され、複数枚のラミネートセル電池3におけるマイナス電極33B同士がマイナス側連結部材4Bによって挟み込まれた状態で結合されている。
【0027】
これにより、プラス側連結部材4Aにおける各折返し挟持部41に対して、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33Aを差し込んで、レーザ溶接、抵抗溶接、ボルト接合等の種々の接合を行うことができる。そのため、この接合を行う際に、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33Aのシール部分313に不要な応力が加わることを防止することができる。また、同様に、マイナス側連結部材4Bにおける各折返し挟持部41に対して、各ラミネートセル電池3におけるマイナス電極33Bを差し込んで、レーザ溶接、抵抗溶接、ボルト接合等の種々の接合を行うことができる。そのため、この接合を行う際に、各ラミネートセル電池3におけるマイナス電極33Bのシール部分313に不要な応力が加わることを防止することができる。
【0028】
また、接続セル組11を構成する保持枠2同士を積層した上記構成により、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A及びマイナス電極33Bのシール部分313に不要な応力が加わることを防止して、接続セル組11を電気的に直列接続することができる。
また、積層保持枠組12における各接続セル組11を外部と電気的に接続する際に、プレート端子部251を設けた絶縁性エンドプレート25を用いることにより、ワイヤーハーネス62等から、端部保持枠2Aを構成する接続セル組11における各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A又はマイナス電極33Bのシール部分313に不要な応力が加わることを防止することができる。
【0029】
それ故、本例のラミネートセル電池構造体1によれば、各ラミネートセル電池3におけるプラス電極33A及びマイナス電極33Bのシール部分313が破壊され難くすることができ、各ラミネートセル電池3の耐久性を向上させることができる。
【0030】
(実施例2)
本例は、図8、図9に示すごとく、各連結部材4A、4Bを、各電極33A、33Bと対面する対面部451を形成する板金部45と、互いに隣接する電極33A同士の隙間に配置するスペーサ452とから構成した例である。
各対面部451は、各板金部45から切り開いて立設させて形成することができる。スペーサ452は、板金部45と一体化して形成することができ、板金部45と別体に形成することもできる。
【0031】
また、各連結部材4A、4Bを構成する板金部45及び各電極33A、33Bにそれぞれ設けた貫通穴内にボルト52を通し、ボルト52とナット53とを締め付けることによって、これらの間に複数の対面部451及び複数の電極33A、33Bを挟み込んで、各対面部451と各電極33A、33Bとを密着させることができる。
各板金部45における対面部451は、各電極33A、33Bの横幅と略同じ横幅に形成されており、各スペーサ452は、ボルト52とナット53とを締め付ける際の台座となる円筒形状に形成されている。
本例においても、ラミネートセル電池構造体1のその他の構成は上記実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ラミネートセル電池構造体
11 接続セル組
12 積層保持枠組
2 保持枠
25 絶縁性エンドプレート
3 ラミネートセル電池
31 シート状容器
32 電池本体
33A プラス電極
33B マイナス電極
4A プラス側連結部材
4B マイナス側連結部材
41 折返し挟持部
411 折返し先端部
42 連結部
51 スペーサ
52 ボルト
53 ナット
61 バスバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性のシート状容器内に電池本体が収容され、該電池本体から一対のシート状の電極が外部に引き出されてなるラミネートセル電池を、複数枚積層してなるラミネートセル電池構造体であって、
上記複数枚積層したラミネートセル電池は、その四方の側部を保持する保持枠内に接続セル組として保持されており、
上記電極のすべては、いずれも上記ラミネートセル電池の面方向に平行に引き出されており、
該面方向に平行に引き出された電極同士は、連結部材によって挟み込まれた状態で結合されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のラミネートセル電池構造体において、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り曲げて形成されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項3】
請求項1に記載のラミネートセル電池構造体において、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り返して形成された折返し挟持部と、互いに隣接する該折返し挟持部の折返し先端部とは反対側の基端部同士を連結する連結部とによって波形状に形成されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項4】
請求項3に記載のラミネートセル電池構造体において、上記連結部材においては、互いに隣接する上記折返し挟持部同士の間にスペーサを配置し、該折返し挟持部、該スペーサ及び上記電極にそれぞれ設けた貫通穴内にボルトを通して締め付けることによって、上記折返し挟持部と上記電極とを密着させたことを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項5】
請求項3に記載のラミネートセル電池構造体において、上記接続セル組は、同極の上記電極同士を電気的に並列接続してなり、
上記連結部材同士をバスバーで接続して、2つの上記接続セル組を電気的に直列接続したことを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のラミネートセル電池構造体において、上記接続セル組を構成する上記保持枠が複数個積層されており、
該複数個積層された保持枠に対する積層方向の両側から、導通性のプレート端子部を設けた絶縁性エンドプレートがそれぞれ積層され、該絶縁性エンドプレート同士に締付部材を掛け渡して、上記複数個の保持枠が積層保持枠組として組み付けられており、
該積層保持枠組は、上記バスバーを接続した上記プレート端子部から外部と電気的に接続されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項1】
可撓性のシート状容器内に電池本体が収容され、該電池本体から一対のシート状の電極が外部に引き出されてなるラミネートセル電池を、複数枚積層してなるラミネートセル電池構造体であって、
上記複数枚積層したラミネートセル電池は、その四方の側部を保持する保持枠内に接続セル組として保持されており、
上記電極のすべては、いずれも上記ラミネートセル電池の面方向に平行に引き出されており、
該面方向に平行に引き出された電極同士は、連結部材によって挟み込まれた状態で結合されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のラミネートセル電池構造体において、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り曲げて形成されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項3】
請求項1に記載のラミネートセル電池構造体において、上記連結部材は、上記電極を挟持するよう折り返して形成された折返し挟持部と、互いに隣接する該折返し挟持部の折返し先端部とは反対側の基端部同士を連結する連結部とによって波形状に形成されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項4】
請求項3に記載のラミネートセル電池構造体において、上記連結部材においては、互いに隣接する上記折返し挟持部同士の間にスペーサを配置し、該折返し挟持部、該スペーサ及び上記電極にそれぞれ設けた貫通穴内にボルトを通して締め付けることによって、上記折返し挟持部と上記電極とを密着させたことを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項5】
請求項3に記載のラミネートセル電池構造体において、上記接続セル組は、同極の上記電極同士を電気的に並列接続してなり、
上記連結部材同士をバスバーで接続して、2つの上記接続セル組を電気的に直列接続したことを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のラミネートセル電池構造体において、上記接続セル組を構成する上記保持枠が複数個積層されており、
該複数個積層された保持枠に対する積層方向の両側から、導通性のプレート端子部を設けた絶縁性エンドプレートがそれぞれ積層され、該絶縁性エンドプレート同士に締付部材を掛け渡して、上記複数個の保持枠が積層保持枠組として組み付けられており、
該積層保持枠組は、上記バスバーを接続した上記プレート端子部から外部と電気的に接続されていることを特徴とするラミネートセル電池構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−181369(P2011−181369A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45124(P2010−45124)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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