説明

ランナーレス金型

【課題】成形品の形状が限定されないように、凹所を備える固定型やこの凹所に勘合する圧縮コアについて、その形状や構造を工夫すること。
【解決手段】ランナーレス金型は、固定型(1)と可動型(2)との対向面間に複数個のキャビティー(18)を形成し、
前記固定型(1)内の複数個のキャビティー(18)の中央にホットノズル(10)を具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所(11b)が形成されたランナー形成部(11)を設け、このランナー形成部の凹所(11b)には、これに嵌合する進退自在のコア(12)を設けると共に、前記ランナー形成部(11)の凹所(11b)の外周端縁には、前記複数個のキャビティー(18)につながるゲート(13)を形成し、
前記可動型(2)の中央には、前記コア(12)を押圧する進退自在の押し出しロッド(21)を具備することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数個取り成形金型に関するものであり、1個のホットノズルのみでスプルーとランナーによる廃材をゼロにするランナーレス金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなランナーレス金型は、例えば、特開平8−281714号公報(「ランナーレス金型」、特許文献1)に記載されている。この公報のランナーレス金型は、図9に示されているように、固定型41と可動型42から構成されており、固定型41の中央には、ヒーター54及びノズル先端45aを有するホットノズル45と、所要深さの凹所44を設けている。また、この固定型41に対向する可動型42の中央には、スリーブ53内で進退自在の圧縮コア46を設けている。このような固定型41の凹所44と可動型42の進退自在の圧縮コア46との間にできた空所により、ランナー部51とゲート48を形成している。なお、符号49は凹所44内に残存する樹脂層であり、最初に溶融樹脂50がキャビティ43に充填された時に形成される。
成形品52を射出成形するときは溶融樹脂50をキャビティ43に充填し(図9(a)を参照)、充填完了後に、可動型42の進退自在な圧縮コア46を固定型41の凹所44に嵌合させることにより、ゲートカットを行っている(図9(b)を参照)。このような構造の金型は、光ディスク成形用金型として一般的なものであるが、上記公報の段落〔0001〕、〔0023〕、及び図8の記載をみれば、この公報には、側部にゲート48aを有し複数の成形品を同時に射出成形する金型(図9(c)を参照)についても、同様に記載されている。
【0003】
また、上記のようなランナーレス金型は、特開平7−276437号公報(「射出成形装置」、特許文献2)、及び特開平4−78515号公報(「スプルレスディスク金型」、特許文献3)にも記載されている。
【特許文献1】特開平8−281714号公報
【特許文献2】特開平7−276437号公報
【特許文献3】特開平4−78515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような複数の成形品を同時に射出成形する金型においては、固定型41の中央に設けた凹所44に対して、可動型42の中央に設けた進退自在の圧縮コア46を嵌合することによってゲートカットを行うため、固定型41の凹所44と可動型42の進退自在の圧縮コア46の形状を嵌合可能な形状にしなければならないという制約を受ける。上記特許文献1では実施例として2個取りのものについて説明しており、固定型41の凹所44と可動型42の圧縮コア46が四角形となっている(図9(c)を参照)。このように凹所44や圧縮コア46には、キャビティ43の数に対応する面が必要となるばかりでなく、キャビティ43とゲート48aの幅を同じ寸法にしなければならないため、成形品の形状が限定されてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の技術的課題は、上記従来技術の問題点を解決するために、成形品の形状が限定されないように、凹所を備える固定型やこの凹所に勘合する圧縮コア(コア)について、その形状や構造を工夫することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係るランナーレス金型(請求項1に対応)は、固定型と可動型との対向面間に複数個のキャビティーを形成し、
前記固定型の中央にホットノズルを具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所が形成されたランナー形成部を設け、このランナー形成部の凹所には、これに嵌合する進退自在のコアを設けると共に、前記ランナー形成部の凹所の外周端縁には、前記複数個のキャビティーにつながるゲートを形成し、
前記可動型の中央には、前記コアを押圧する進退自在の押し出しロッドを具備することである。
【0007】
複数個のキャビティーを持った金型において、ランナーを無くすにはホットランナー方式が用いられるが、この場合は、通常キャビティーの数だけホットノズルが必要になってくる。
本発明は、上記のように構成することによって、固定型の中央にホットノズルを設けて、その周囲に加熱手段をもったランナー形成部を具備し、前記ランナー形成部の先端に凹所を形成し、この凹所の外周端縁にはキャビティーとつながる溝が形成されている。前記ランナー形成部の凹所には予め進退自在のコアが嵌合され、ランナー形成部の凹所とコア間にできる円盤状の空所がランナーとなることにより、各キャビティー毎にホットノズルを設ける必要がなくなる。前記円盤状の空所が形成されることにより、前記ランナー形成部の外周端縁に形成された溝とキャビティーがホットノズルへつながりゲートの役目を果たす。また、可動型の中央には進退自在の押し出しロッドが設けられ、前記コアを押圧することができる。
【0008】
(2) また、本発明に係るランナーレス金型(請求項2に対応)は、固定型と可動型との対向面間に複数個のキャビティーを形成し、
前記固定型の中央にホットノズルを具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所が形成されたランナー形成部を設け、このランナー形成部の凹所には、これに嵌合する進退自在のコアを設けると共に、前記ランナー形成部の凹所の外周端縁には前記複数個のキャビティーにつながるゲートを形成し、
前記ランナー形成部の凹所に嵌合され進退自在のコアが充填樹脂圧により後退させられ、溶融樹脂が前記複数個のキャビティーに充填されることである。
【0009】
このように構成することによって、ランナー形成部の先端の凹所に嵌合された進退自在のコアは、充填された溶融樹脂の圧力により押し戻されて、円盤状の空所を形成する。この円盤状の空所が形成されることにより、前記ランナー形成部の先端凹所の外周端縁に形成された溝とキャビティーがホットノズルへつながるので、キャビティーに溶融樹脂を充填することが可能となる。
【0010】
(3) また、本発明に係るランナーレス金型(請求項3に対応)は、固定型と可動型との対向面間に複数個のキャビティーを形成し、
前記固定型の中央にホットノズルを具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所が形成されたランナー形成部を設け、このランナー形成部の凹所には、これに嵌合する進退自在のコアを設けると共に、前記ランナー形成部の凹所の外周端縁には、前記複数個のキャビティーにつながるゲートを形成し、
前記ランナー形成部の凹所に嵌合され進退自在のコアが充填樹脂圧により後退させられ、溶融樹脂が前記複数個のキャビティーに充填され充填完了後に、可動型の中央に設けた押し出しロッドにより前記コアを押圧し、前記凹所と前記コア間にある溶融樹脂をホットノズル内に押し戻すと同時に、前記ゲートを切断することである。
【0011】
このように構成することによって、充填樹脂圧により押し戻された進退自在のコアは、可動型の中央に設けられた進退自在の押し出しロッドにぶつかって停止することにより、円盤状の空所を形成すると共に、ランナー形成部の先端凹所の外周端縁に形成された溝とキャビティーをホットノズルへつなぎ、溶融樹脂がキャビティーに充填される。充填完了後に、直ちに可動型の中央に設けられた進退自在の押し出しロッドは、進退自在のコアを押圧して溶融状態にあるランナーの樹脂をホットノズル側へ押し戻すと共に、ランナー形成部の先端凹所の外周端縁に形成された溝を塞ぐことにより、ゲートを切断することができる。
【0012】
(4) また、上記(1)〜(3)のいずれかのランナーレス金型において、固定型の中央に設けたホットノズルと、前記ホットノズルの外側に設けたランナー形成部に、それぞれ独立の加熱手段を設けることができる。(請求項4に対応)
このような構成によれば、固定型の中央に設けたホットノズルと、このホットノズルの外側にランナー形成部を設けて、これらにそれぞれ独立の加熱手段を設けたことにより、ランナーの樹脂を固化することなく溶融状態に保つことができる。
【0013】
(5) また、上記(1)〜(4)のいずれかのランナーレス金型において、固定型と可動型との対向面間に形成された複数個のキャビティーは、円周上に配置され金型中央部からの距離が同一であってもよい。(請求項5対応)
このような構成によれば、固定型の中央に設置されたホットノズルの外側に設けたランナー形成部の凹所は円盤状であり、その周囲に等間隔にキャビティーを形成することが可能である。
【0014】
(6) また、上記(1)〜(5)のいずれかのランナーレス金型において、ランナー形成部の先端に設けられた所要深さの凹所の形状が、円錐形状であってもよい。(請求項6に対応)
このような構成によれば、ランナー形成部の先端に設けられた所要深さの凹所を円錐形状にすることにより、可動型に形成されたキャビティーに対してゲートをつなぐことが容易になる。
【0015】
(7) 上記(6)のランナーレス金型において、ランナー形成部の凹所に嵌合する進退自在のコアの先端形状が、前記ランナー形成部の先端に設けられた円錐形状の凹所と同じ角度であってもよい。(請求項7に対応)
このような構成によれば、ランナー形成部の凹所に嵌合する進退自在のコアの先端形状が、前記ランナー形成部の先端に設けられた円錐形状の凹所と同じ角度にされることにより、コア押圧時の樹脂の滞留を最小にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果を請求項にしたがって整理すると、次のとおりである。
(1) 請求項1及び請求項2に係る発明
請求項1及び請求項2に係る発明においては、固定型の中央と可動型の中央との間に進退自在なコアを配置し、ランナーの形状を円盤状とすることにより、ランナー形成部の凹所の外周端縁に形成するゲート数に合わせてキャビティーを形成することができるので、1個のホットノズルのみによって、多数個取りの成形が可能となる。
また、固定型の凹所やコアの形状又は大きさによって制限を受けることはなく、成形品の形状を自由に選択することが可能となる。
【0017】
(2) 請求項3に係る発明
請求項3に係る発明においては、固定型の中央と可動型の中央の間に設けた進退自在のコアが、充填時の樹脂圧により所定の位置まで押し戻されてランナーを形成し、キャビティーとランナーをつなぐゲートを開くことによってキャビティーに樹脂が充填される。樹脂の充填完了後は、押し出しロッドによりコアが押圧されるので、ゲートが切断されると共に、溶融状態のランナーはホットノズル内に押し戻される。これによって、スプルー・ランナーレス成形が可能となる。
【0018】
(3) 請求項4に係る発明
請求項4に係る発明においては、固定型の中央に設けたホットノズルと、その外側に設けたランナー形成部にそれぞれ独立の加熱手段を設けたことにより、ランナーを溶融状態に保つ最適条件を設定することが可能となる。
(4) 請求項5に係る発明
請求項5に係る発明においては、固定型の中央に設けたホットノズルの樹脂流出口と各キャビティーとの距離が等しくなるので、充填バランスが良く各キャビティー間での製品のバラツキが非常に小さくなる。
【0019】
(5) 請求項6に係る発明
請求項6に係る発明においては、ランナー形成部の先端に設けた凹所を円錐形にすることによって、可動型に設けたキャビティーの適正位置にゲートを設けることが容易となった。
(6) 請求項7に係る発明
請求項7に係る発明においては、進退自在のコアの先端をランナー形成部の先端に設けられた凹所の形状と同じ形状とすることにより、コア押圧時の樹脂の滞留を最小にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例によるランナーレス金型について、図面を参照しながら説明する。
〔金型の構成〕
本実施例のランナーレス金型の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は金型の固定型と可動型が閉じた状態での断面図であり、図2は金型の固定型と可動型をそれぞれの対向面側からみた正面図である。
ランナーレス金型は、図1及び図2に示されているように、固定型1と可動型2とから成り、型閉じ状態でキャビティー18を形成する。固定型1の中央にはホットノズル10を具備し、その外側にランナー形成部11が設けられている。このランナー形成部11の先端には、所要深さの円錐形の凹所11bが形成されており、この円錐形の凹所11bには先端が円錐形のコア12が進退自在に嵌合されている。前記ホットノズル10とランナー形成部11には、それぞれ独立した温度制御ができるように、ホットノズルヒーター10aとランナー形成部ヒーター11aが設けられている。
【0021】
前記可動型2の中央には、進退自在のコア12を押圧するための押し出しロッド21が、進退自在に設けられており、スプリング21aによって引き込み方向(図1の左方向)へ付勢されている。また、前記可動型2には、前記押し出しロッド21により押し出し方向(図1の右方向)へ移動される押し出しプレート22が設けられると共に、この押し出しプレート22の移動に連動して、各キャビティー18内に突出される複数本の押し出しピン23が設けられている。
なお、図2(a)における符号15は固定型1に設けられた「ガイドピン用孔」であり、図2(b)における符号25は可動型2に設けられた「ガイドピン」である。この可動型2のガイドピン25は固定型1のガイドピン用孔15に勘合し、固定型と可動型のセンター合わせを行っている。また、図2(b)における符号26は「リターンピン」であり、このリターンピン26は、金型を閉じる時に押し出しピン23より先に固定型1の面に当たり、押し出しプレート22を押し戻すことで、押し出しプレート22に組み込まれている押し出しピン23が戻され、この押し出しピン23の破損を防止するものである。
【0022】
〔金型の動作〕
次に、上述の構成を備えるランナーレス金型の動作について、図3〜図6を参照しながら説明する。図3は固定型と可動型が閉じる前の状態での金型の断面図、図4は樹脂の充填過程での金型の断面図、図5は樹脂の充填完了後のゲートカット状態での金型の断面図、図6はキャビティーから製品を取り出している状態での金型の断面図である。
図3に示されているように、金型の固定型1と可動型2が閉じる前の状態では、先端が円錐形で進退自在のコア12は、ランナー形成部11の円錐形の凹所11bに嵌合し互いの面が密着することにより、独自の加熱手段を持たなくても、ランナー形成部ヒーター11aによって加熱される。ランナー形成部11の凹所11bの外周端縁に形成されたゲート13は、この凹所11bに嵌合した進退自在のコア12により塞がれた状態にある。
【0023】
図4に示されている樹脂の充填過程では、ランナー形成部11の凹所11bに嵌合していた進退自在のコア12が、充填された樹脂31によって押し戻されランナー30を形成すると同時に、ゲート13を開きキャビティー18に樹脂が充填される。進退自在のコア12は、樹脂の充填時には熱源であるランナー形成部11から離れるが、充填された樹脂31によってさらに加熱されるので、ランナー形成部11とコア12の間に形成されたランナー30は固化することはない。
【0024】
図5に示されている樹脂の充填完了後のゲートカット状態では、キャビティー18が樹脂で充填された後、押し出しロッド21により第一の押し出し位置まで進退自在のコア12が押圧され、ランナー形成部11の凹所11bに嵌合密着してゲート13が切断される。この時、ランナー形成部11とコア12により形成された溶融状態にあるランナー30(図4を参照)は、ホットノズル10の中に押し戻される。また、ホットノズル10内へ押し戻される溶融樹脂は、進退自在のコア12がランナー形成部11に嵌合密着することによって、ホットノズル10外への流出を防止することができる。
【0025】
図6に示されているキャビティーから製品(成形品)を取り出している状態(製品突き出し状態)では、金型の固定型1と可動型2を開くと共に、押し出しロッド21を第一の押し出し位置(図5に示す位置)からさらに前進させて、押し出しプレート22を押し出すことにより、押し出しピン23を可動型2のキャビティー18内へ突出させて、製品32をキャビティー18から離脱させる。
【0026】
〔コアの変形例〕
次に、上記実施例におけるランナー形成部11に嵌合したコア12の変形例について、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7に示されているコアの第1変形例は、先端が円錐形のコア12aの外周端縁の形状を鋭角に形成したことである。このようにコア12aの外周端縁を鋭角にすることにより、打ち抜き荷重の低減や打ち抜き抜きカスの低減に効果があり、ゲート切断面をよりきれいに仕上げることができる。
【0027】
図8に示されているコアの第2変形例は、先端が円錐形のコア12bの頂点部に樹脂溜まり12hを設けたことである。このようにコア12bに樹脂溜まり12hを設けることにより、ホットノズル先端部の固化した樹脂をキャビティ18に流さないという効果があり、また溶融樹脂を溜めておくことで樹脂冷却を遅延させるので、次の射出成形までに樹脂が固化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】は、本発明の実施例による金型の基本的な断面図であり、固定型と可動型が閉じた状態を示す。
【図2】は、同じく実施例による金型の説明図であり、(a)は固定型の可動型に対する対向面側からみた正面図、(b)は可動型の固定型に対する対向面側からみた正面図である。
【図3】は、同じく実施例による金型の断面図であり、固定型と可動型が閉じる前の状態を示す。
【図4】は、同じく実施例による金型の断面図であり、キャビティーへの樹脂の充填過程を示す。
【図5】は、同じく実施例による金型の断面図であり、キャビティーへの樹脂の充填完了後のゲートカット状態を示す。
【図6】は、同じく実施例による金型の断面図であり、固定型と可動型を開いてキャビティーから製品を取り出している状態を示す。
【図7】は、同じく実施例による金型の要部断面図であり、コアの外周端縁の形状を鋭角にした第1変形例のコアを用いた場合を示す。
【図8】は、同じく実施例による金型の要部断面図であり、コアの頂点部に樹脂溜まりを設けた第2変形例のコアを用いた場合を示す。
【図9】は、従来のランナーレス金型の説明図であり、(a)はキャビティに溶融樹脂を充填したときの要部縦断面図、(b)はランナー部を閉鎖した状態の要部縦断面図、(c)は複数のキャビティを備える金型の可動型を対向面側からみた平面図である。
【符号の説明】
【0029】
1…固定型 2…可動型
10…ホットノズル
10a…ホットノズルヒーター(加熱手段)
11…ランナー形成部
11a…ランナー形成部ヒーター(加熱手段)
11b…(ランナー形成部の)凹所
12,12a,12b…コア 12h…(コアの)樹脂溜まり
13…ゲート 15…ガイドピン用孔
18…キャビティー 21…押し出しロッド
22…押し出しプレート 23…(製品)押し出しピン
25…ガイドピン 26…リターンピン
30…ランナー 31…充填樹脂(充填された樹脂)
32…製品(成形品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型と可動型との対向面間に複数個のキャビティーを形成し、
前記固定型の中央にホットノズルを具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所が形成されたランナー形成部を設け、このランナー形成部の凹所には、これに嵌合する進退自在のコアを設けると共に、前記ランナー形成部の凹所の外周端縁には、前記複数個のキャビティーにつながるゲートを形成し、
前記可動型の中央には、前記コアを押圧する進退自在の押し出しロッドを具備することを特徴とするランナーレス金型。
【請求項2】
固定型と可動型との対向面間に複数個のキャビティーを形成し、
前記固定型の中央にホットノズルを具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所が形成されたランナー形成部を設け、このランナー形成部の凹所には、これに嵌合する進退自在のコアを設けると共に、前記ランナー形成部の凹所の外周端縁には、前記複数個のキャビティーにつながるゲートを形成し、
前記ランナー形成部の凹所に嵌合され進退自在のコアが充填樹脂圧により後退させられ、溶融樹脂が前記複数個のキャビティーに充填されること特徴とするランナーレス金型。
【請求項3】
固定型と可動型との対向面間に複数個のキャビティーを形成し、
前記固定型の中央にホットノズルを具備し、前記ホットノズルの外側には所要深さの凹所が形成されたランナー形成部を設け、このランナー形成部の凹所には、これに嵌合する進退自在のコアを設けると共に、前記ランナー形成部の凹所の外周端縁には、前記複数個のキャビティーにつながるゲートを形成し、
前記ランナー形成部の凹所に嵌合され進退自在のコアが充填樹脂圧により後退させられ、溶融樹脂が前記複数個のキャビティーに充填され充填完了後に、可動型の中央に設けた押し出しロッドにより前記コアを押圧し、前記凹所と前記コア間にある溶融樹脂をホットノズル内に押し戻すと同時に、前記ゲートを切断することを特徴とするランナーレス金型。
【請求項4】
前記固定型の中央に設けたホットノズルと、前記ホットノズルの外側に設けたランナー形成部に、それぞれ独立の加熱手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のランナーレス金型。
【請求項5】
前記固定型と可動型との対向面間に形成された複数個のキャビティーは、円周上に配置され金型中央部からの距離が同一であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のランナーレス金型。
【請求項6】
前記ランナー形成部の先端に設けられた所要深さの凹所の形状が、円錐形状であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のランナーレス金型。
【請求項7】
前記ランナー形成部の凹所に嵌合する進退自在のコアの先端形状が、前記ランナー形成部の先端に設けられた円錐形状の凹所と同じ角度であることを特徴とする請求項6に記載のランナーレス金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−17882(P2010−17882A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178160(P2008−178160)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】