説明

リグノセルロースバイオマスの熱化学的前処理と精砕の組合せ

本発明の一態様は、平均粒径を有する前処理リグノセルロース材料を得るための最初の蒸気前処理、次いで平均粒径を有する精砕リグノセルロース材料を得るための精砕を含む、リグノセルロース材料を処理する方法に関するものであり、この前処理リグノセルロース材料の平均粒径は、精砕リグノセルロース材料の平均粒径よりも大きい。一定の実施形態において、リグノセルロース材料は、草、スイッチ草、コード草、ライ麦草、クサヨシ、茅、糖処理残渣、サトウキビ搾り粕、農業廃棄物、稲わら、もみ殻、大麦わら、トウモロコシの穂軸、穀類わら、麦かん、アブラナわら、エンバクわら、エンバクもみ殻、トウモロコシ繊維、わら、大豆わら、トウモロコシわら、林業廃棄物、再生木材パルプ繊維、おがくず、堅木、および軟木からなる群から選択される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2007年4月19日出願の米国仮特許出願第60/925,257号に対する優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、リグノセルロースバイオマスの熱化学的前処理と精砕の組合せに関する。
【背景技術】
【0003】
リグノセルロース材料からのエタノールの製造には、木材などのリグノセルロース含有材料を、セロビオースなどの二糖類へ、そして最終的にはグルコースやキシロースなどの単糖類へと分解すること、および加水分解することが含まれる。次いで、酵母などの微生物作用剤が、数日から数週間にわたって生じ得る発酵反応において、単糖類をエタノールへと変換する。リグノセルロース含有材料の熱的、化学的および/または機械的な前処理によって、必要な加水分解時間および発酵時間を短縮し、エタノールの収率を向上させることができる。わらの消化性を向上させた1900年代初期における水酸化ナトリウムによる含浸に基づいた最初のアルカリ前処理以来、リグノセルロース材料に関して多くの前処理の方法または技法が開発されている。
【0004】
前処理の基本的な目的は、セルロースの結晶化度を減少させ、ヘミセルロース−セルロース−リグニン複合体を解離することである。セルロースの消化性は一般に前処理の強度とともに増加する。この消化性の増加は、セルロース材料の接触表面積(ASA)の増大に直接関連することが多く、セルラーゼなどの酵素による最終的な酵素攻撃を促進させる。
【0005】
中でも熱化学的前処理工程は、これらの材料の接触性(accessibility)の向上に最も効果的である。このような熱化学的工程の一例が特許文献1に記載されており、ここでは先に粉砕したリグノセルロース材料を処理するために気密密封された反応器中、200〜250℃の温度の蒸気が使用される。この工程では、リグノセルロース材料を処理したら反応器を徐々に室温まで冷却させる。蒸気爆発処理と呼ばれる反応器の急激な除圧を含む熱化学的処理は、セルロース分解酵素の最終的な作用を促進する場合に最も効果的な前処理技法の一つである。場合により、この前処理プロトコルに触媒作用剤(例えば酸)の濃度変化が組み込まれているが;高濃度の酸を特徴とする前処理技法の使用は、酸を回収しリサイクルする必要があるため費用がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】スペイン国特許出願第ES87/6829号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、発酵に必要な時間を短縮し、および/またはリグノセルロースバイオマスからのエタノールの収率を向上させる、改善された収率効率的な方法を提供することが本発明の目的である。本発明の他の目的は、以下の開示、特許請求の範囲、および図面から明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
酸または他の添加触媒を回収しリサイクルする必要性を最小限に抑えるか、またはなくすと同時に不必要な副産物の量を減少させる、緩和な前処理条件と組み合わせた精砕機を用いてリグノセルロースバイオマスを処理する方法が、本明細書に開示されている。精砕機の使用によって、酵素的加水分解の受け易さを増大させるより小さな粒子への前処理セルロース材料の分解、それによる酵素的加水分解の有効性の増大、最終的にエタノール収率の増加および/または反応速度の増加をもたらすことによって、エタノール収率および/または速度を向上させると考えられる。
【0009】
本発明の一態様は、リグノセルロース材料からのエタノール収率を向上させるために、精砕機を介してリグノセルロース材料を処理する方法に関する。一定の実施形態において、リグノセルロース材料を1つまたは複数の前処理反応器内に入れ、次いで前記1つまたは複数の前処理反応器内に、リグノセルロース材料内への蒸気の取込みを可能にする十分な温度、蒸気圧、および時間で蒸気を注入することによって前処理リグノセルロース材料を製造することができる。前処理材料を、精砕機を介して供給でき、この精砕機は前記前処理材料をより小さな断片に粉砕する。精砕されたリグノセルロース材料の断片を小さくすることで酵素的加水分解をより受け易くすることができ、その結果、収率および/または単糖類の形成速度、ひいては発酵からエタノールの形成速度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(1)連続的前処理、それに引き続く精砕;および(2)精砕なしのバッチ前処理を用いた単糖類の収率を、時間に応じて示す図である。
【図2】過剰な酵素によるグルコースおよびキシロース発酵共培養中、前処理して精砕した堅木チップを用いて実施した同時糖化発酵からの結果を示す図である。
【図3】CAFI2標準ポプラの成分および組成(重量%)を示す表である。
【図4】CAFI前処理の重要な特徴の一覧を示す表である。
【図5】CAFI1からの公表された結果を示す表である。
【図6】Metso Paper製のPeriFeeder(商標)機械的蒸気分別機を示す斜視図である。
【図7】Andritz製の機械的蒸気分別機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一態様は、発酵におけるエタノール収率を増加させるために、精砕機を介して蒸気前処理リグノセルロース材料を処理する方法に関する。リグノセルロース材料を蒸気加水分解に供し、前処理材料の粒径を減少させるために精砕機を介して供給することができる。
【0012】
用語「リグノセルロース材料」および「リグノセルロース基質」とは、限定はしないが、非木本植物リグノセルロース材料、農業廃棄物、林業廃棄物、製紙スラッジ、廃水処理スラッジ、湿式ならびに乾式粉砕トウモロコシエタノール植物からのトウモロコシ繊維および糖処理残渣などのセルロースを含む任意のタイプのリグノセルロース材料を意味する。
【0013】
非限定例において、リグノセルロース材料としては、限定はしないが、スイッチ草、コード草、ライ麦草、クサヨシ、茅、またはそれらの組合せなどの草類;限定はしないが、サトウキビ搾り粕などの糖処理残渣;限定はしないが、稲わら、もみ殻、大麦わら、トウモロコシの穂軸、麦かん、アブラナわら、エンバクわら、エンバクもみ殻、およびトウモロコシ繊維などの農業廃棄物;大豆わら、トウモロコシわらなどのわら類;限定はしないが、再生木材パルプ繊維、おがくず、堅木、軟木、またはそれらの任意の組合せなどの林業廃棄物を挙げることができる。
【0014】
リグノセルロース材料は主に、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンから構成される。一般に、リグノセルロース材料は、乾燥基準で、約50重量%のセルロース、約30重量%のヘミセルロース、および約20重量%のリグニンを含有し得る。リグノセルロース材料はセルロースが低含量、例えば、少なくとも約20重量%、30重量%、35重量%、または40重量%であり得る。
【0015】
精砕セルロースは、ベータ−D−グルコース単位の線状、結晶性ポリマーである。その構造は堅固であり、セルロースの分解には通常厳しい処理が必要である。ヘミセルロースは通常、主要成分として、L−アラビノース、D−ガラクトース、D−グルコース、D−マンノース、D−キシロースおよびL−ラムノースの線状および分枝状のヘテロポリマーを有する。ヘミセルロースの組成は、リグノセルロース材料の供給源によって変わる。その構造は完全に結晶性ではなく、したがって通常、セルロースよりも加水分解し易い。エタノール製造のために考えられるリグノセルロース材料の例は、堅木、軟木、森林残渣、農業残渣、および都市固形廃棄物(MSW)である。エタノール製造のために考えられる堅木の例としては、限定はしないが、ヤナギ、カエデ、ナラ、クルミ、ユーカリ、ニレ、カバ、トチノキ、ブナ、および灰を挙げることができる。エタノール製造のために考えられる軟木の例としては、限定はしないが、南部イエローパイン、モミ、スギ、ヒノキ、ツガ、カラマツ、マツ、およびエゾマツを挙げることができる。
【0016】
セルロースとヘミセルロースの双方をエタノール製造に用いることができる。ペントースは多くの場合エタノールへと発酵しにくいため、原料中のペントース含量は重要である。最高のエタノール収率を達成するためにはすべての単糖類を発酵させる必要がある。軟木のヘミセルロースは、堅木ヘミセルロースよりも高比率のマンノースならびにより多くのガラクトースおよびグルコースを含有するが、堅木ヘミセルロースは通常、D−キシロースおよびL−アラビノースのようなペントース類を高比率で含有する。
【0017】
用語「反応器」は、本発明の方法を実施するのに好適な任意の容器を意味し得る。前処理反応器の大きさは、反応器の内へ、および外へ輸送されるリグノセルロース材料の収容、ならびに材料周囲の追加ヘッドスペースに十分であると考えられる大きさであり得る。非限定例において、ヘッドスペースは材料によって占められたスペース周囲に約1フィート延在し得る。さらに前処理反応器は、前処理条件に耐えることのできる材料から構成され得る。具体的に言うと、反応器の構成は、pH、温度および圧力がその容器の完全性に影響を及ぼさないようなものである必要がある。
【0018】
基質材料のサイズ範囲は広範囲に変わり、用いられる基質材料のタイプならびに所与の工程の用件および必要性に依存する。本発明の好ましい実施形態において、リグノセルロース原料は、コンベアー、ホッパーなどにおける扱いが容易になるような方法で調製できる。木材の場合、市販のチッパーから得られたチップが好適であり得;わらの場合、その茎を約1インチから約3インチの長さの均一な小さな断片に細断するのが望ましい場合がある。前処理の意図された程度に依って、前処理の前の基質粒子のサイズは1ミリメートル未満から数インチの長さの範囲であり得る。これらの粒子は反応性のサイズであることのみを必要とする。
【0019】
前処理
一定の実施形態において、前処理は、リグノセルロース材料がゲージ圧で100psi〜700psi(約690kPa〜4.83MPa)の蒸気圧に供される蒸気加水分解を含み得る。空気を除去するために、例えば約50mbar〜約300mbarの圧力の減圧を反応器に引きこむことができる。リグノセルロース材料を含有する反応器に、ゲージ圧で約100psi〜約700psi(約690kPa〜約4.83MPa)、またはその間の任意の量の飽和蒸気圧で蒸気を加えることができ;例えば、飽和蒸気圧は、ゲージ圧で約100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、650、または700psi(約0.69、1.03、1.38、1.72、2.07、2.41、2.76、3.10、3.45、4.14、4.48、または4.83MPa)であり得る。ゲージ圧で約140psi〜約300psi(約0.97〜2.07MPa)の飽和蒸気圧を使用し得ることがより好ましい。前処理工程の間に蒸気に他の化学物質が添加されない場合、従来の方法のいくつかにおいて生成した望ましくない副産物および/または屑材料はなくなる。
【0020】
しかしながら、一定の実施形態において、前処理工程の間または前処理工程前に、触媒を添加することが望ましい場合がある。本発明の方法において酸触媒が用いられる場合、それは当該技術分野において知られた任意の好適な酸であり得る。例えば、限定は決して望まないが、酸は、硫酸、亜硫酸、および/または二酸化イオウ、またはそれらの組合せであり得る。添加される酸の量は、選ばれた前処理温度でリグノセルロース材料の前処理を提供するのに十分な任意の量であり得る。例えば、酸の添加は、材料の約0重量%〜約12重量%、またはその間の任意の量であり得る。例えば酸は、リグノセルロース材料の約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12重量%で添加できる。非限定例において、酸は二酸化イオウであり、これをリグノセルロース材料に、リグノセルロース材料の約0.5重量%〜約4.0重量%の濃度まで酸を蒸気として注入することにより添加する。
【0021】
酸および蒸気は、本発明に好適な任意の順序で添加できる。例えば、蒸気の添加または注入の前に、同時に、または後に、酸を前処理反応器内に添加できる。
【0022】
反応器は、リグノセルロース材料に加水分解を受け入れさせるのに十分な長さの時間、ある温度およびpHで維持する。時間、温度、およびpHの組合せは、当該技術分野において知られた任意の好適な条件であり得る。非限定例において、温度、時間およびpHは、参照として本明細書に援用されている米国特許第4,461,648号明細書に記載されているとおりであり得る。
【0023】
この温度は、約165℃〜約220℃、またはその間の温度であり得る。より具体的には、温度は、約175℃〜約210℃、または約180℃〜約200℃、またはその間の任意の温度であり得る。例えば、この温度は、約165℃、175℃、185℃、195℃、205℃、215℃、または220℃であり得る。この温度が前処理の間、この範囲内で変わり得ることを当業者は理解するであろう。この温度は工程材料反応器のおおよその温度を表しており、特定の場所では平均温度よりも高いことも低いこともあり得ることは認められている。
【0024】
いくつかの実施形態において、前処理温度はリグニンのガラス転移点よりも高い場合がある。リグノセルロース材料がガラス転移点を超える温度に晒されると、リグニンは塑性相に入り、冷却されると、リグニンはセルロース内に包まれずに、それ自体とボール状に接着し得る。その結果、より多くのセルロースが酵素的加水分解に晒され得る。
【0025】
(1)セルロースは高抵抗性の結晶構造を有し、(2)セルロースの周囲のリグニンは物理的バリアを形成し、(3)酵素攻撃に利用できる部位が限られているため、リグノセルロース材料の不均一な酵素的分解は、主にその構造的特徴によって制御されている。したがって、理想的な前処理は、リグニン含量を減少させると同時に、結晶性を減少させ、表面積を増大させるものとなろう。
【0026】
前処理の時間は、約5秒〜約15分の範囲内、またはその間の任意の時間量であり得る。例えば前処理の時間は、約5秒、30秒、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15分であり得る。前処理の時間は5分未満であり得る。前処理の時間とは、材料が高温にある長さの時間のことであり、いくつかの実施形態において、165℃〜220℃である。
【0027】
前処理工程中に酸または他の触媒を添加しない蒸気加水分解などの緩和な前処理は、触媒を添加する前処理に比較して、より経済的であり得る。酸が用いられなければ、酸の回収およびリサイクルに関連した高いコストと時間がなくなる。伝統的に、酸/蒸気混合物を濃縮に供し、引き続いて蒸留により酸を精製することによって、酸が回収される。酸/蒸気混合物を有する前処理工程は、非触媒的蒸気前処理に比較して、工程の数、時間、および費用が増す。また、非触媒的蒸気加水分解により、酵素的加水分解をより受けやすいリグノセルロース材料を製造することができる。
【0028】
本発明の方法は、連続的、半連続的またはバッチ様式で行うことができ、所望の場合は、固体リサイクル、液体リサイクルおよび/または蒸気リサイクルの操作を含むことができる。本発明の方法は、連続様式で行われることが好ましい。
【0029】
これらの方法は、連続した、または並行した、単一の前処理領域で、または複数の前処理領域で行うことができるか;またはそれらを、細長い管状領域または一連のこのような領域において、バッチ式で、または連続的に行うことができる。構成の材料および装置の設計は、前記温度および圧力に耐えることができなければならない。方法の過程の間に前処理領域内にバッチ式で、または連続的に導入されたバイオマスまたは蒸気の量を導入および/または調整する手段を、特にこれらの成分の所望の比率を維持するために、これらの方法において簡便に利用することができる。これらの工程は、1つの成分を他の成分に逐次添加することによって達成できる。またこれらの工程に成分の共添加を組み合わせることができる。
【0030】
所望の前処理反応時間が経過したら、蒸気圧を解放し内容物を急速に冷却させる反応器の開放によって、前処理反応を終えることができる。次いで前処理材料を、当業界に知られた任意の適切な手段により、反応器から取り出すことができる。例えば内容物を、輸送、破裂、滴下、洗浄、またはスラリー化によって取り出すことができる。あるいは、前処理材料を、さらなる処理の前に、大気圧を超える圧力に維持することができる。
【0031】
精砕
「精砕機」とは、粒径を減少させることのできる装置を意味し得る。市販の精砕機を用いて、本明細書に記載されたリグノセルロース材料を精砕することができる。この目的のために、例えば、図6および7に示された、Metso and Andritzによって製造されたディスク精砕機が適切であり得る。このような装置は単一の、または複数の回転ディスクを含むことができるか、または別の設計で、設定された圧力下または大気圧で操作され得る。精砕機は、プレートグラインダー、ウッドグラインダー、またはジスインテグレーターであり得る。Hosokawaによって製造されたジスインテグレーターを用いて、リグノセルロース材料を精砕することができる。
【0032】
供給器−加水分解器−精砕機システムの実施形態は、繊維を精砕機に供給する前に、繊維から蒸気を分別することができ得る。蒸気およびパルプまたは堅木チップが分別されるこのようなデバイスの導入口にパルプまたは堅木チップおよび蒸気を吹き込むことができる。蒸気を蒸気導出口に送り、パルプ/堅木チップを、精砕機を通して供給することができる。機械は、導入口、蒸気導出口、精砕機、および供給器スクリューを有し得る。供給器スクリューは、パルプ/堅木チップと蒸気の分別を補助し得る。
【0033】
一定の実施形態において、リグノセルロース材料を反応器中、蒸気加水分解または他の緩和な自己加水分解に供することができる。次いで、前処理したリグノセルロース材料を分別反応器へと輸送し、ここで前処理したリグノセルロース材料をより小さな断片へと分解し、リグノセルロース材料の表面積を増大させることができる。
【0034】
一定の実施形態において、前処理反応器および精砕機を高圧で操作することが望ましいと考えられる。このような構成では、リグニンが冷却して繊維を被覆するという機会があり得ない。リグニンが繊維を被覆しなければリグニンが繊維に付着しないので、リグニンの除去がより容易である。高品質の繊維を製造できる。また、リグニンが繊維を被覆しない結果として繊維の表面積の増大、および/または精砕工程からのリグノセルロース材料のサイズ減少、および/または繊維上のリグニン沈着の阻害によって、精砕リグノセルロース材料と酵素との間の反応性が増加し得る。
【0035】
参照として本明細書に援用されている米国特許第4,427,453号明細書に記載されているような一定の実施形態において、圧密封を形成し連続的に作動するウォームフィーダ(リグノセルロース材料中に含有された空気と過剰な液体がここでほとんど除去される)によって、未処理のリグノセルロース材料を高圧反応容器内に供給することができる。反応容器として役立つ連続水平管蒸解釜中の蒸気相において加水分解が生じる。蒸解釜の導出口で、前処理リグノセルロース材料のサイズを減少させることができる。
【0036】
用語「連続水平管蒸解釜」は、限定はしないが、セルロース製造用にAndritz and Metso、ならびにBlack−Clawson Coによって製造されている蒸解釜を含み得る。このような蒸解釜は、W. HerbertによるTAPPI、45巻(1962)第7号S207A−210頁およびU. LowgrenによるTAPPI、45巻(1962)7号、S. 210A−215A頁に記載されている。このような蒸解釜は当業者によく知られている。
【0037】
用語「ウォームフィーダ」は、ウォームプレッサー、プラグスクリューフィーダ、またはプラグフィーダとして一般に知られているデバイスを含む。このデバイスは、回転駆動装置を有する円錐状ウォームが取り付けられている円錐状の耐圧ハウジングからなる。このハウジングは、その大径の端部に、ほぼ放射状の充填用開口部を有し、ほぼ円筒状の軸方向の出口スリーブを有する小径で終端している。
【0038】
連続前処理デバイスと関連させて精砕器を用いる利点になる可能性のあるいくつかは、1)線維上のリグニン沈着阻害、および/または2)精砕リグノセルロース材料の機械的せん断による表面積の増大、および/または3)リグノセルロース材料の「爆発的」除圧の前にリグノセルロース材料のサイズを減少させることによる表面積の増大によって反応性が増大することである。さらに、精砕器は、リグノセルロース材料を前処理デバイスから輸送するコスト効率のよい方法を提供し、加圧蒸解釜の出口における密封形成を助けることができる。
【0039】
糖化
前処理リグノセルロース材料の精砕後、精砕混合物を、糖化酵素の存在下で加水分解して単糖類を製造することができる。糖化酵素は、以下の酵素のクラスから選択できる:セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、β−グルコシダーゼ類、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、グルクロニダーゼ類、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、イソアミラーゼ類。
【0040】
糖化酵素は、合成的に、半合成的に、または組み換え微生物の使用を含めて生物学的に製造できる。
【0041】
一定の実施形態において、糖化と発酵を同時に実施することができる。このような場合、1つまたは複数の前述の糖化酵素を、細菌、真菌、および/または酵母から選択される1つまたは複数の生体触媒を含有する溶液に含ませることができる。
【0042】
組換え生物もまた、糖化と発酵を同時に実施することができる。例えば、組換え生物は、大腸菌(Escherichia coli)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、酵母(Saccharomyces cerevisiae)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridia thermocellum)、サーモアナエロバクテリウム・サッカロリティカム(Thermoanaerobacterium saccharolyticum)、ピチア・スチピチス(Pichia stipitis)、エシェリキア属(Escherichia)、ザイモモナス属(Zymomonas)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属(Candida)、ピチア属(Pichia)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、バチルス属(Bacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、およびクロストリジウム属(Clostridium) からなる群から選択することができる。
【0043】
SSFはまた、酵母と過剰の糖化酵素との同時培養を用いて実施することができる。
【実施例】
【0044】
蒸気加水分解を用いて前処理し、精砕機を通過させたリグノセルロース材料を用いて単糖の理論的な最高収率を判定するために、過剰の酵素により酵素的加水分解を実施した。表1に報告されたパーセンテージは、放出されたグルコースとキシロースとを合わせたものである。
【0045】
堅木チップは、Andritzからの2つの外径基準の機械的パルプ化システムにおいて5分〜10分の滞留時間で、ゲージ圧で160psi(約1.10MPa)での蒸気加水分解に供した。前処理リグノセルロース材料は、ゲージ圧で160psi(約1.10MPa)、約188℃の高温でシステムの出口においてサイズが減少した。次に精砕されたリグノセルロース材料を分別収集容器内に放出させて除圧した。引き続きこの材料を、セルラーゼおよびキシラナーゼ酵素を用いた酵素的加水分解に供した。試験(方法1)の理論的な最高糖収率を、表1に挙げた種々の前処理方法と比較する。
【表1】

【0046】
これらの結果は、連続蒸気加水分解に次いで精砕工程(方法1)を用いた前処理リグノセルロースは、精砕工程無しのバッチ式前処理(方法2)と比較してグルコースおよびキシロースをより多く産出することを示している。このデータは、連続的に前処理し、精砕工程に供するリグノセルロース材料からの理論的な糖収率の著しい向上を示している。図1は、方法1および方法2を用いて得られた糖収率をグラフとして示している。
【0047】
方法3を用いて得られた結果もまた、SSF(方法1)の48時間後に約92%の収率を有する前処理して精砕したリグノセルロース材料と比較して、より低い理論的最高収率、約80%〜約85%を有する。
【0048】
さらに、これらの結果は、SSF(方法4)の72時間後の希酸で加水分解された堅木と比較して、前処理して精砕したリグノセルロース材料(方法1)の単糖の理論的収率が殆ど等しく、双方の場合とも約95%の糖収率であることを示している。方法4の前処理の詳細は、図4に見ることができる。図3は、CAFI2のポプラの成分および重量パーセンテージでの組成を掲げている。
【0049】
AFEX前処理に供されたCAFI2ポプラは、約95%の最高糖収率を有する方法1を用いて得られた結果と比較して、72時間の反応時間ではるかに低い最高糖収率、約60%をもたらす結果となった。
【0050】
図2は、過剰酵素によるグルコース発酵酵母とキシロース発酵酵母との同時培養を用いて実施された糖化発酵同時試験の結果を示している。これに示されるように、グルコースは、キシロースと比較してより速い速度でエタノールに変換される。48時間の発酵時間後、殆ど全てのグルコースおよびキシロースがエタノールに変換されることは明白である。
【0051】
本発明の代表的な方法
本発明の一実施形態によれば、リグノセルロース材料を1つまたは複数の前処理反応器内に入れ、次いで1つまたは複数の前処理反応器内に、ある温度、ある蒸気圧、およびある時間で蒸気を注入し、それによって前処理リグノセルロース材料を製造するステップと、前記前処理リグノセルロース材料を精砕機に供し、この精砕機が、前記前処理材料をより小さな断片に粉砕するステップとを含む、精砕機を介してリグノセルロース材料を処理する方法が提供される。
【0052】
一定の実施形態において、本発明は、前記リグノセルロース材料は、乾燥基準で少なくとも約20重量%のセルロース、少なくとも約10重量%のヘミセルロース、および少なくとも約10重量%のリグニンを含有する、前述の方法に関するものである。
【0053】
一定の実施形態において、本発明は、前記リグノセルロース材料が、草、スイッチ草、コード草、ライ麦草、クサヨシ、茅、糖処理残渣、サトウキビ搾り粕、農業廃棄物、稲わら、もみ殻、大麦わら、トウモロコシの穂軸、穀類わら、麦かん、アブラナわら、エンバクわら、エンバクもみ殻、トウモロコシ繊維、わら、大豆わら、トウモロコシわら、林業廃棄物、再生木材パルプ繊維、おがくず、堅木、ならびに軟木、およびそれらの組合せからなる群から選択される、前述の方法に関するものである。
【0054】
一定の実施形態において、本発明は、前記堅木が、ヤナギ、カエデ、ナラ、クルミ、ユーカリ、ニレ、カバ、トチノキ、ブナ、および灰からなる群から選択される、前述の方法に関するものである。
【0055】
一定の実施形態において、本発明は、前記軟木が、南部イエローパイン、モミ、スギ、ヒノキ、ツガ、カラマツ、マツ、およびエゾマツからなる群から選択される、前述の方法に関するものである。
【0056】
一定の実施形態において、本発明は、前記蒸気圧が、ゲージ圧で約100psi〜約700psi(約690kPa〜約4.83MPa)である、前述の方法に関するものである。
【0057】
一定の実施形態において、本発明は、前記温度が、約165℃〜約210℃である、前述の方法に関するものである。
【0058】
一定の実施形態において、本発明は、前記温度は、約180℃〜約200℃である、前述の方法に関するものである。
【0059】
一定の実施形態において、本発明は、前記温度が、約185℃〜約195℃である、前述の方法に関するものである。
【0060】
一定の実施形態において、本発明は、前記時間が、約5秒〜約15分である、前述の方法に関するものである。
【0061】
一定の実施形態において、本発明は、前記時間が5分未満である、前述の方法に関するものである。
【0062】
一定の実施形態において、本発明は、精砕リグノセルロース材料を糖化酵素に供する1つまたは複数のステップをさらに含む、前述の方法に関するものである。
【0063】
一定の実施形態において、本発明は、前記糖化酵素が、セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、β−グルコシダーゼ類からなるセルロース加水分解グリコシダーゼ類から選択される、前述の方法に関するものである。
【0064】
一定の実施形態において、本発明は、前記糖化酵素が、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、グルクロニダーゼ類からなるヘミセルロース加水分解グリコシダーゼ類から選択される、前述の方法に関するものである。
【0065】
一定の実施形態において、本発明は、前記糖化酵素が、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、イソアミラーゼ類からなる澱粉加水分解グリコシダーゼ類から選択される、前述の方法に関するものである。
【0066】
一定の実施形態において、本発明は、前記糖化システムが、セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、β−グルコシダーゼ類、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、グルクロニダーゼ類、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、イソアミラーゼ類から選択される、前述の方法に関するものである。
【0067】
一定の実施形態において、本発明は、糖をエタノールに変換する糖化酵素および生体触媒に前記精砕されたリグノセルロース材料を供するステップをさらに含む、前述の方法に関するものである。
【0068】
一定の実施形態において、本発明は、前記生体触媒が、細菌、真菌、および酵母からなる群から選択される、前述の方法に関するものである。
【0069】
一定の実施形態において、本発明は、糖化酵素および酵母の特性決定を有する組換え生物に前記精砕リグノセルロース材料を供するステップをさらに含む、前述の方法に関するものである。
【0070】
一定の実施形態において、本発明は、前記組換え生物が、大腸菌(Escherichia coli)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、酵母(Saccharomyces cerevisiae)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridia thermocellum)、サーモアナエロバクテリウム・サッカロリティカム(Thermoanaerobacterium saccharolyticum)、ピチア・スチピチス(Pichia stipitis)、エシェリキア属(Escherichia)、ザイモモナス属(Zymomonas)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属(Candida)、ピチア属(Pichia)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、バチルス属(Bacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、およびクロストリジウム属(Clostridium) からなる群から選択される、前述の方法に関するものである。
【0071】
援用
本明細書に引用されている全ての米国特許および米国特許出願公開は、参照として本明細書に援用されている。さらに、米国特許第4,136,207号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第4,427,453号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第4,600,590号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第5,037,663号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第5,171,592号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第5,473,061号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第5,865,898号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第5,939,544号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第6,106,888号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第6,176,176号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第6,348,590号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第6,392,035号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第6,416,621号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第7,109,005号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許第7,198,925号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許出願公開第号2005/0065336明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許出願公開第2006/0024801号明細書が、参照として本明細書に援用されており;米国特許出願公開第2007/0031953号明細書が、参照として本明細書に援用されている。
【0072】
等価物
当業者は、本明細書に記載された本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または慣例的な実験のみを用いて確認することができるであろう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)リグノセルロース材料のサンプルを前処理反応器内に入れるステップと;
(b)前記前処理反応器内に、ある温度、ある蒸気圧、およびある時間で蒸気を注入し、それによって平均粒径を有する前処理リグノセルロース材料を製造するステップと;
(c)前記前処理リグノセルロース材料を精砕機内で処理して精砕リグノセルロース材料を得るステップであって、該前処理リグノセルロース材料の平均粒径が、精砕リグノセルロース材料の平均粒径よりも大きいものであるステップと、
を有してなる、リグノセルロース材料を処理する方法。
【請求項2】
前記リグノセルロース材料が、乾燥基準で少なくとも約20重量%のセルロース、少なくとも約10重量%のヘミセルロース、少なくとも約10重量%のリグニンを含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リグノセルロース材料が、草、スイッチ草、コード草、ライ麦草、クサヨシ、茅、糖処理残渣、サトウキビ搾り粕、農業廃棄物、稲わら、もみ殻、大麦わら、トウモロコシの穂軸、穀類わら、麦かん、アブラナわら、エンバクわら、エンバクもみ殻、トウモロコシ繊維、わら、大豆わら、トウモロコシわら、林業廃棄物、再生木材パルプ繊維、おがくず、堅木、および軟木からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リグノセルロース材料が堅木であり;前記堅木が、ヤナギ、カエデ、ナラ、クルミ、ユーカリ、ニレ、カバ、トチノキ、ブナ、および灰からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リグノセルロース材料が堅木であり、前記堅木がヤナギであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リグノセルロース材料が軟木であり;前記軟木が、南部イエローパイン、モミ、スギ、ヒノキ、ツガ、カラマツ、マツ、およびエゾマツからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リグノセルロース材料が軟木であり;前記軟木が、南部イエローパインであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸気圧が、ゲージ圧で約100psi〜約700psi(約690kPa〜約4.83MPa)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記温度が、約165℃〜約210℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記温度が、約180℃〜約200℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記温度が、約185℃〜約195℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記時間が、約5秒〜約15分であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記時間が、5分未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記精砕リグノセルロース材料を、糖化酵素に曝露し、それによって糖化された混合産物を製造するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記糖化酵素が、セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、およびβ−グルコシダーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記糖化酵素が、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、およびグルクロニダーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記糖化酵素が、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、およびイソアミラーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記糖化酵素が、セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、β−グルコシダーゼ類、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、グルクロニダーゼ類、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、およびイソアミラーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記糖化された混合産物を、代謝物としてエタノールを産生する生物に供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記生物が、細菌、真菌、および酵母からなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記生物が酵母であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記精砕リグノセルロース材料を、代謝物としてエタノールを産生し、かつ糖化酵素を産生する組換え生物に曝露するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記組換え生物が、大腸菌(Escherichia coli)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、酵母(Saccharomyces cerevisiae)、クロストリジウム・サーモセラム(Clostridia thermocellum)、サーモアナエロバクテリウム・サッカロリティカム(Thermoanaerobacterium saccharolyticum)、ピチア・スチピチス(Pichia stipitis)、エシェリキア属(Escherichia)、ザイモモナス属(Zymomonas)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属(Candida)、ピチア属(Pichia)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、バチルス属(Bacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、およびクロストリジウム属(Clostridium) からなる群から選択されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組換え生物が酵母であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記糖化酵素が、セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、およびβ−グルコシダーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記糖化酵素が、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、およびグルクロニダーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記糖化酵素が、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、およびイソアミラーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記糖化酵素が、セルラーゼ類、エンドグルカナーゼ類、エキソグルカナーゼ類、セロビオヒドロラーゼ類、β−グルコシダーゼ類、キシラナーゼ類、エンドキシラナーゼ類、エキソキシラナーゼ類、β−キシロシダーゼ類、アラビノキシラナーゼ類、マンナーゼ類、ガラクターゼ類、ペクチナーゼ類、グルクロニダーゼ類、アミラーゼ類、α−アミラーゼ類、β−アミラーゼ類、グルコアミラーゼ類、α−グルコシダーゼ類、およびイソアミラーゼ類からなる群から選択されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−524473(P2010−524473A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504275(P2010−504275)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060835
【国際公開番号】WO2008/131229
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509287315)マスコマ コーポレイション (2)
【氏名又は名称原語表記】MASCOMA CORPORATION
【Fターム(参考)】