説明

リズムゲーム装置

【課題】リズムキープ能力を評価することが可能なリズムゲーム装置を提供する。
【解決手段】プレイヤーは、BGMのテンポに合わせ、若しくはBGMのテンポと無関係に、一定のテンポでゲームパルス発信器を操作してゲームパルスを発信させ、リズムゲーム機はそのテンポの正確さを評価する。
一実施例においては、プレイヤーはテンポの一定なBGMの演奏に対し、音を外しながらBGMと同じテンポで拍子をとる。
他の実施例では、BGMのテンポは一定ではなく、プレイヤーは、BGMのリズムと無関係に常に一定のテンポで、ゲームパルス発信器を操作してゲームパルスを発信させ、リズムゲーム機はそのテンポの正確さを評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リズムゲーム装置に関し、特に、リズム保持能力の良否についての評価手段を備えたリズムゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に「音ゲーム」と称されるものは、あらかじめ決められた絶対的なタイミング情報を持ち、これを映像表示して遊技操作支援を行うことで、演出の変化を行うようになっている。
従来の遊技機における音ゲームは、映像情報を基に視覚的に操作タイミングを計るものが殆どで、純粋には「音ゲーム」とは言えないものであった。
一方、下記の特許文献1には、効果音に合わせた所定のタイミングでストップボタンが操作されたか否かを判別して補助遊技演出手段を作動させるようにした音ゲーム機能を有するスロットマシンが開示されている。
しかしながら、この特許文献1に記載の音ゲームでは、ストップボタンを押すタイミングを合わせる対象(音の繰返し位置)が、あらかじめ1対1で決められている絶対的なもの(1度逃したら終わり)であったので、1回の操作だけで補助遊技の演出が行われるか否かが定まり、リズムのキープ能力というものは評価されることがなく、運不運に左右されがちで、興趣に欠けるという問題点があった。
【0003】
【特許文献1】特開2001−340513号公報(特許第3723050号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、従来の如く映像によるタイミングのアシストに合わせて操作するのではなく、楽曲のテンポを保って遊技を行えるか否かというリズムキープ能力(「手拍子」を正確に行う能力に近いイメージ)を評価することにより、興趣ある音ゲームが可能となるリズムゲーム装置を提供することにある。
【0005】
又、本発明の他の目的は、BGMのリズムとは無関係に、リズム入力装置を操作し、所望のテンポでリズムを刻むことができるか否かをチェックして、プレイヤーのリズムキープ能力を評価することにより、興趣ある音ゲームが可能なリズムゲーム装置を提供することにある。
この後者の構成では、BGMはゲーム中、リズムが緩急自在に変化する曲であってもよく、又、特にリズムの弱いメロディだけの曲であっても良い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、
一定のテンポN(1分間に演奏される四分音符の数)でリズムパルスR、R、R、・・・Rm〔以下、一連のリズムパルス列をR、特定のリズムパルスをRj(但し、jは、1以上、m以下の正の整数。)とする。〕を発生するリズムパルス発信器と、
予め記録された一連の楽音をリズムパルス列Rに合わせて再生する楽音再生装置と、
プレイヤーにより操作され、上記リズムパルス列Rの中から順次任意に選ばれるリズムパルスRjからそれぞれ所望の一定時間Δt 遅延するように行われるプレイヤーの操作に対応してゲームパルスP、P、P、・・・N〔以下、一連のゲームパルス列をP、特定のリズムパルスをPk(但し、kは、1以上、n以下の正の整数、n≦m)とする。〕を発生するゲームパルス発生装置と、
ゲームパルス発生装置から、ゲームパルスPが発信される都度、そのゲームパルスPの発生時刻Gと、その発生時刻Gに最も近いリズムパルス発信時刻Tとの間の、時間差Δtk(Δtk=G−T)を計測し記録する装置と、
予め定められた時間内における上記時間差Δtの度数分布に基いてプレイヤーの技量を評価する評価回路と、
を具備することを特徴とするリズムゲーム装置によって達成される。
【0007】
上記プレイヤーの技量評価回路には、標準偏差、平均偏差又は四分偏差のうちから選ばれたいずれか一つの偏差に基づいてプレイヤーの技量を評価するプログラムをインストールしておき、上記何れか一つの偏差により、プレイヤーのリズム保持技量を評価することが推奨される。
【0008】
更に上記の本発明の他の目的は、
BGM再生装置と、
クロックパルス発信器と、
プレイヤーにより、所定のリズムで、それぞれ時刻S、S、S・・・・Sm(以下、時刻Sj(但し、jは、1以上、m以下の正の整数とする。)で繰り返し入力操作され、それぞれの時刻においてゲームパルスQ1、Q2、Q3・・・Q(但し、mは1以上、m以下の正の整数。以下、一連のゲームパルス列をQ、特定のゲームパルスをQjで表わすものとする。)を発信するリズム入力装置と、
リズム入力装置からゲームパルスQjが発信される都度リセットされ、後続のゲームパルスQj+1が発信されるまでの時間内に発信されるクロックパルスの数Nを計数するクロックパルスカウンタと、
クロックパルスカウンタの計数値Njとその基準値Nの間の誤差ΔNi、又はその誤差ΔNiの分散を算出し、プレイヤーの技量を評価する技量評価回路と、
を具備することを特徴とするリズムゲーム装置によって達成される。
この第2の実施態様においては、プレイヤーのリズム入力とその評価は、BGMのリズムとは無関係に入力され、評価されるものである。従って、ここで用いられるBGMは一定のリズムを持つ必要は無い。
【0009】
この第2の実施態様における、基準値Nは、BGM毎に予め定められた値とすることもできるが、ゲーム開始後にプレイヤーのリズム入力装置の操作タイミングに基いて決定するようにしても良い。
この実施態様においても、プレイヤーの技量は、誤差ΔNiの標準偏差、平均偏差又は四分偏差のうちの何れかに基いて評価される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記の如く、再生されるBGMのリズムから一定時間遅れたリズム、又は、BGMとは無関係にプレイヤー自身が決めるリズムに従ってプレイヤーがゲーム機のリズムパルス発信器を繰り返し操作し、当該複数回の操作時間の誤差が一定の許容範囲内であるか否かを、誤差の度数分布等によってチェックし、プレイヤーのリズムキープ能力(手拍子を一定のリズムを保って打ち続けるような能力)を評価するように構成したので、次のような効果を得ることができる。
(1)プレイヤーのリズムキープ能力の良否が評価され、それがBGM自体や映像等の表現に変化を及ぼしたり、獲得ポイント等に反映されるので、単に1回の操作タイミングの適否のみで評価していた従来の音ゲームに比べて、ゲームの奥行き及び興趣が増大する。
(2)遊技機に新しい性格のインタラクティブ性を盛り込めるので、演出の興趣が増す。
(3)音の情報のみから操作タイミングを計るので、映像装置を有さない低コストの音ゲーム搭載遊技機が実現可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るリズムゲーム装置の第一実施例の回路構成を示すブロック図、
図2は、図1に示したリズムゲーム装置の作動の流れを示すフローチャート、
図3は、本発明の第二実施例における作動の流れを示すフローチャートである。
尚、以下の説明においては、パチスロ機としての構成については説明を省略し、専ら、リズムゲーム機の部分の構成及び作用についてのみ説明する。
【0012】
図1中、1は、プレイヤーがゲーム実行のために必要な各種操作を行うゲーム操作部、2Aはスピーカー、2Bはディスプレイ装置、3は中央制御装置、4はゲーム料金徴収装置である。
ゲーム操作部1は、本発明に係るリズムゲーム装置が備えられるメインとなる遊技機(例えばパチスロ機)の操作部を、本発明のリズムゲーム装置の操作部としても兼用するようにしたものであり、メインとなる遊技機がパチスロ機の場合(以下に述べる実施例ではパチスロ機とする。)においては、1aはベットボタン、1bはスタートレバー、1c,1cはディスプレイ装置に表示される3個の回転リールの回転をそれぞれ個別に停止させるためのストップボタンであり、1dはプレイヤーの操作に応じてゲームパルスP、P、P、・・・Pnを発信し、中央制御装置3へ送出するゲームパルス発生装置である。
尚、一連のゲームパルスをP、特定のゲームパルスをP(但し、kは1以上、n以下の正の整数。)で表わすものとする。
プレイヤーは、これらのボタンやレバーをパチスロ機の入力に用い得ると共に、リズムゲームを行うときには、ゲームパルス発生装置3の操作のため、上記のボタンもしくはレバーの何れか一つを用いることができる。
【0013】
中央制御装置3中、31は演算装置、31aは評価回路、32はクロック回路、33はリズムパルス発信器、34は楽音再生装置、35は時間差計測記録装置(カウンタ)、36はROM、37はRAM、38は画像処理装置、39はデータバスである。
これらの回路要素のうち、演算装置31は、パチスロ機の作動ために必要なプログラムのほか、本発明の実施に必要なゲームプログラムを実行するCPUにより構成され、プレイヤーの技量を評価する評価回路31aもこれに含まれる。
クロック回路32は、中央制御装置3中の各種デジタル演算処理のためのベースとなる数100KHz〜数GHzのクロックパルスを発生する発振回路である。
リズムパルス発信器33は、クロック回路32の出力パルスを分周して本発明のリズムゲーム装置に必要な一定のテンポN(1分間に演奏される四分音符の数)のリズムパルスR、R、R、・・・Rmを発生する回路である。尚、以下の説明では、一連のリズムパルス列をR、特定のリズムパルスをRj、(但しjは1以上m以下の正の整数。)で表わすものとする。
楽音再生装置34は、各種効果音をアナログ変換し、増幅して、スピーカー2Aに供給する回路である。
時間差計測記録装置35は、通常はクロックパルスカウンタにより構成され、後述する如く、リズムパルス発信器33から発信されるリズムパルスRjの発信時刻と、その直前又は直後に、ゲームパルス発生装置1dから発信されるゲームパルスPkの発生時刻との間の時間差を計測し記録する機能を有する。
【0014】
ROM36には、パチスロ機の作動ために必要な各種プログラムのほか、本発明のリズムゲーム装置の作動に必要なゲームプログラムの外、ゲームで使用される各種キャラクター画像や背景画像等の画像データや、効果音等の音声データ、ゲーム機の管理データ、ゲーム機内の各機器の初期設定データ、等々が記録されている。
RAM37は、演算装置31の演算動作に必要なデータの授受を演算装置31との間で随時行なうメモリである。
画像処理装置38は、ROM36に記録された画像データをもとに演算装置31により指定されたゲーム画面の映像を編成し、その映像データをディスプレイ装置2Bへ送って所定の映像表示を行う回路である。
データバス39は、上記各種回路間のデータ伝送線路である。
【0015】
以下、本発明に係るリズムゲーム装置の作動について説明する。
本発明に係るリズムゲーム装置を備えたパチスロ遊技機によるパチスロゲームの進行中、ディスプレイ装置2Bには、3個の回転リールや得点その他の必要な映像が表示され、プレイヤーはゲーム操作部1のベットボタン1a、スタートレバー1b、ストップボタン1c,1c等を操作して当該パチスロゲームを行うようになっている。
ゲームの過程で、3個の回転リールの図柄が所定の組合せとなったときには、サブゲーム若しくはボーナスゲームとしての本発明のリズムゲーム装置によるリズムゲームが開始される。
尚、場合によっては、パチスロ遊技機に最初のメダルを投入し、パチスロゲームを開始するのと同時に本発明のリズムゲーム装置によるリズムゲームも開始し、パチスロゲームとリズムゲームを同時並行的に実行するようにしてもよい。即ち、パチスロゲームのためのボタン操作を、リズムゲームを行うときの裏リズムに合わせて行うようにしてもよい。
【0016】
リズムゲームが開始されると、リズムパルス発信器33は、クロック回路32からのクロックパルスを利用して、これを分周することにより、一定のテンポN(1分間に演奏される四分音符の数)のリズムパルス列Rを発生する。
一方、楽音再生装置34は、演算装置31からの指令信号に基づき、ROM36に予め記録された一連の楽音データを上記リズムパルス列Rに合わせて再生する。
プレイヤーは、この楽音を聴きながら、上記リズムパルスRの中から順次任意に選ばれるリズムパルスRjからそれぞれ所望の一定時間Δt 遅延するように、ゲーム操作部1のベットボタン1a、スタートレバー1b若しくはストップボタン1c,1cを操作する。ゲームパルス発生装置1dは、順次行われるこれらの操作に対応してゲームパルス列Pを発生する。
リズムゲームのために用い得る操作ボタンは、上記ベットボタン1a、スタートレバー1b又はストップボタン1c,1cのいずれか一種としてもよいが、通常はこれらのすべてを利用できるようにする。
【0017】
時間差計測記録装置35は、プレイヤーの操作に基づきゲームパルス発生装置1dからゲームパルスPkが発信される都度、そのゲームパルスPkの直前又は直後のリズムパルス発信時刻Tjと、当該ゲームパルスPkの発生時刻Gkとの時間差Δtkを計測し、その計測値を評価回路31aに送出する。
【0018】
評価回路31aは、時間差計測記録装置35から送られた時間差Δtkの度数分布に基いてプレイヤーの技量の良否もしくは高低を評価する。
この度数分布の評価には、一定時間内における複数の時間差Δtkの標準偏差、平均偏差又は四分偏差を算出し、これらのいずれかに基いてプレイヤーの技量の良否を評価するようにすることが推奨される。
又、例えば、プレイヤーによる一定回の操作について時間差Δtkを計測、記録し、それらの測定値の平均値Δtから、予め定めた許容誤差範囲内のあるものの回数比によって、プレイヤーの技量を「優」、「良」、「可」又は、「不可」とする。
或いはまた、評価回路31において、
更にまた、プレイヤーによるゲームパルスの発信操作の時間が、所定時間(いわゆるテンポ、一拍の長さ)の整数倍にどれだけ近いか、に基いてプレイヤーの技量の良否を評価するようにしてもよい。
これらの判定結果により、プレイヤーの獲得ポイントを加算し、更には、BGM自体を変化させるようにする。
以上の作動の流れのフローチャートを図2に示す。
ステップS00でメインゲームが開始され、メインゲーム中、一定の条件が成就されると、ステップS10でその条件成就が検知され、リズムゲームを行うことができるようになる。
ステップS10の結果がYesであれば、ステップS11に進み、BGMの再生と、リズムパルスの発信が開始され、発信されるリズムパルスの発信時刻が総て記録される。
一方、ステップS12において、プレイヤーのゲームパルス発信機操作が行われ、S13においてゲームパルスの発信が確認されると、その発信時刻が総て記録され、S14において、ゲームパルスのリズム誤差である時間差ΔTが算出、記録される。
15では、リズムゲーム期間中であるか否かがチェックされる。このチェックは例えばBGMの演奏がされているかどうかによって、あるいは、タイムオーバーか否かによってチェックすることができる。
リズムゲームが終了するまでは、ステップS12〜S15が繰り返される。
リズムゲームが終了すると、ステップS16で、時間差ΔTの分散が算出され、これによりプレイヤーの技量が評価され、ステップS17で結果が表示され、ステップS00に戻る。
【0019】
本発明の第2実施例においては、リズムゲーム装置は、
BGM再生装置と、
クロックパルス発信器と、
プレイヤーにより、所定のリズムで、それぞれ時刻S、S、S・・・・Sm〔以下、時刻Sj(但し、jは、1以上、m以下の正の整数)とする。〕で繰り返し入力操作され、それぞれゲームパルスQ1、Q2、Q3・・・・Qm、〔以下、一連のゲームパルス列をQ、特定のゲームパルスをQj(但し、jは、1以上、m以下の正の整数)により表わすものとする。〕を発信するゲーム入力装置と、
ゲーム入力装置からゲームパルスQjが発信される都度リセットされ、後続のゲームパルスQj+1が発信されるまでの時間内に発信されるクロックパルスの数Njを計数するクロックパルスカウンタと、
クロックパルスカウンタの計数値Njとその基準値Nの間の誤差ΔNi、又はその誤差ΔNiの分散を算出し、プレイヤーの技量を評価する技量評価回路と、
が設けられる。
【0020】
而して、この第二実施例装置では、BGM再生装置が設けられているが、リズムゲームはBGMの演奏とは無関係に行われるものである。
即ち、プレイヤーは、所望の一定のリズムで、BGMとは無関係に、ゲーム入力装置を操作し、ゲームパルス列Qを発信する。
各ゲームパルスQjが発信される時刻をそれぞれS、S、S・・・・Sm(以下、時刻Sj〔但し、jは、1以上、m以下の正の整数〕とする。)で表わすものとする。
【0021】
クロックパルスカウンタは、ゲーム入力装置からゲームパルスQjが発信される都度リセットされ、後続のゲームパルスQj+1が発信されるまでの時間内に発信されるクロックパルスの数Njを計数する。
即ち、クロックパルスカウンタは、ゲームパルス列Qのパルス間間隔を計測する。
【0022】
1実施例においては、クロックパルスカウンタの計数値Njの基準値Nが予め定められており、技量評価回路によって、基準値Nと、計数値Njの間の誤差ΔNi、又はその誤差ΔNiの分散が算出され、これによりプレイヤーの技量が評価される。
【0023】
他の実施例においては、基準値Nはゲーム開始時においては定められておらず、ゲーム開始直後のプレイヤーのゲーム入力装置の操作間隔の応じて決定される。
例えば、基準値Nは、時刻Sにおいて最初のゲームパルスQが発信された後、引き続いて時刻SにおいてゲームパルスQが発信されるまでの間に発信されるクロックパルスの数Nに等しく設定される。
【0024】
更に他の実施例においては、基準値Nは、ゲーム開始後、一定時間内に得られたクロックパルスカウンタの計数値N1、N2、N3・・・Nd、即ちNjの集合から算出される。
ここで、基準値Nは、例えば、計数値N1、N2、N3・・・Ndの算術平均値に等しい値の設定される。
【0025】
プレイヤーの技量は、技量判定回路により算出される、基準値Nと計数値Njの間の誤差ΔNiの度数分布、又はその誤差ΔNiの分散から算出され、評価される。
1実施例によれば、誤差ΔNiの分散S2、即ち、
2=Σ(N−N)2 /n 但し、iは1〜N。
が算出され、このS2の大きさにより、プレイヤーの技量が評価される。
【0026】
他の実施例においては、誤差ΔNiの正負の許容限界値ΔN+及びΔN(但し、ΔN+>0、ΔN<0)が定められ、
ΔN+>ΔNi>ΔN
が成立すれば、プレイヤーの技量を可と判定し、
ΔN+≦ΔNi、又はΔNi≦ΔN
であれば不可と判定するよう構成される。
BGMのリズムは、ゲーム中一定であってもよく、変動するものであっても良い。
【0027】
図3には、上記第二実施例のフローチャートが示されている。
ステップS00でメインゲームが開始されると、ステップS20ではリズムゲームを行わせるための条件が成就したか否かが周期的にチェックされる。
この条件が成就すると、ステップS21でBGMの演奏が始まる。このBGMは、リズムゲームが終了するまで演奏される。
ステップS22でプレイヤーによるゲームパルス発信器の操作が行われ、ステップS23でゲームパルスの発信が検知されると、引き続いて発信されるゲームパルス間のクロックパルス数が記録される。
ステップS24では、リズムゲーム中演奏されるBGMが演奏されているか否かが、チェックされ、リズムゲーム中であると確認されるとステップS22に戻り、BGMの演奏が終っているときは、ステップS25においてプレイヤーの技術評価が行なわれ、S26でその結果が表示され、ステップS20に戻る。
【0028】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、上記の如く、プレイヤーのリズムキープ能力を評価するように構成したので、
(1)単に1回の操作タイミングの適否のみで評価していた従来の音ゲームに比べて、ゲームの奥行き及び興趣が増大する。
(2)遊技機に新しい性格のインタラクティブ性を盛り込むことが可能になる。
(3)音の情報から操作タイミングを計るので、映像装置を持たない低コストの音ゲーム搭載遊技機も実現可能になる。
等々の効果を達成でき、遊技機もしくはゲーム機産業の発達に寄与し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るリズムゲーム装置の回路構成の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るリズムゲーム装置の第一実施例の作動の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るリズムゲーム装置の第二実施例の作動の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
1 ゲーム操作部
1a ベットボタン
1b スタートレバー
1c ストップボタン
1d ゲームパルス発生装置
2A スピーカー
2B ディスプレイ装置
3 中央制御装置
31 演算装置
31a 評価回路
32 クロック回路
33 リズムパルス発信器
34 楽音再生装置
35 時間差計測記録装置(カウンタ)
36 ROM
37 RAM
38 画像処理装置
39 データバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定のテンポN(1分間に演奏される四分音符の数)でリズムパルスR、R、R、・・・R〔以下、一連のリズムパルス列をR、特定のリズムパルスをR(但し、jは、1以上、m以下の正の整数)とする。〕を発生するリズムパルス発信器(33)と、
予め記録された一連の楽音をリズムパルス列に合わせて再生する楽音再生装置(34)と、
プレイヤーにより操作され、上記リズムパルス列Rの中から順次任意に選ばれるリズムパルスRからそれぞれ所望の一定時間Δt遅延するように行われるプレイヤーの操作に対応してゲームパルスP、P、P、・・・P〔以下、一連のゲームパルス列をP、特定のゲームパルスをP(但し、kは、1以上、n以下の正の整数、N≦m)とする。〕を発生するゲームパルス発生装置(1d)と、
ゲームパルス発生装置(1d)から、ゲームパルスPが発信される都度、そのゲームパルスPの発生時刻Gと、その発生時刻Gに最も近いリズムパルス発信時刻Tとの間の、時間差Δt(Δt=G−T)を計測し記録する装置(35)と、
予め定められた時間内における上記時間差Δtの度数分布に基いてプレイヤーの技量を評価する評価回路(31)と、
を具備することを特徴とするリズムゲーム装置。
【請求項2】
上記度数分布に基づく評価回路(31)に、標準偏差、平均偏差又は四分偏差のうちから選ばれたいずれか一つの偏差に基づいてプレイヤーの技量を評価するプログラムがインストールされた請求項1に記載のリズムゲーム装置。
【請求項3】
BGM再生装置と、
クロックパルス発信器と、
プレイヤーにより、所定のリズムで、それぞれ時刻S、S、S・・・・S(以下、時刻S〔但し、jは、1以上、m以下の正の整数〕とする。)で繰り返し入力操作され、それぞれゲームパルスQ、Q、Q・・・・Q、〔以下、一連のゲームパルス列をQ、特定のゲームパルスをQs(但し、sは、1以上、m以下の正の整数とする。〕を発信するゲーム入力装置と、
ゲーム入力装置からゲームパルスQが発信される都度リセットされ、後続のゲームパルスQj+1が発信されるまでの時間内に発信されるクロックパルスの数Nを計数するクロックパルスカウンタと、
クロックパルスカウンタの計数値Nとその基準値Nの間の誤差ΔN、又はその誤差ΔNの分散を算出し、プレイヤーの技量を評価する技量評価回路と、
を具備することを特徴とするリズムゲーム装置。
【請求項4】
基準値Nが、BGMに応じて予め定められた値である、請求項3に記載のリズムゲーム装置。
【請求項5】
基準値Nが、時刻SにおいてゲームパルスQが発信された後、時刻SにおいてゲームパルスQが発信されるまでの間に発信されるクロックパルスの数Nに等しく設定される、請求項3に記載のリズムゲーム装置。
【請求項6】
基準値Nが、ゲーム開始後、一定時間内に得られたクロックパルスカウンタの計数値Nの集合から算出される、請求項3に記載のリズムゲーム装置。
【請求項7】
誤差ΔNの正負の許容限界値ΔN及びΔN(但し、ΔN>0、ΔN<0)が定められ、技量評価回路には、
ΔN>ΔN>ΔN
が成立すれば、プレイヤーの技量を可と判定し、
ΔN≦ΔN、又はΔN≦ΔN
であれば不可と判定するプログラムがインストールされている、請求項3に記載のリズムゲーム装置。
【請求項8】
BGMのリズムが、ゲーム中一定である、請求項3ないし7の何れか一に記載のリズムゲーム装置。
【請求項9】
BGMのリズムが、ゲーム中一定でない、請求項3ないし7の何れか一に記載のリズムゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−132088(P2008−132088A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319421(P2006−319421)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】