説明

リチウムイオン伝導性無機粒子およびその製造方法

【課題】ポリマー電解質に添加する場合においてポリマー電解質との密着性が高く、焼結によって固体電解質を作製する場合においても、充填率が高くなり、焼成後も緻密となるリチウムイオン伝導性の無機粉体とその製造方法を提供する。
高出力・高容量のリチウム二次電池、およびリチウム一次電池を提供することを課題とする。
【解決手段】個々の粒子投影像の面積とそれぞれ同じ面積の円の周長をl、粒子投影像の周長をLとしてl/Lを円形度とした場合に、円形度が0.8以上の粒子が75%以上であることを特徴としたリチウムイオン伝導性無機粒子。
平均粒径5μm以下の一次粒子に溶媒を加えてスラリーとする工程と、前記スラリーを造粒し二次粒子を得る工程と、前記二次粒子を熱処理する工程とを含み、熱処理後の二次粒子の平均粒径が30μm以下のリチウムイオン伝導性の無機物球状粒子を得ることを特徴としたリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム一次電池、又はリチウム二次電池用のリチウムイオン伝導性固体電解質の製造に好適なリチウムイオン伝導性無機粒子とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液体が中心の電解質に替わり、高分子で構成されたポリマー電解質を用いたリチウムイオン二次電池(ゲルポリマー電池)が注目されるようになってきた。
このゲルポリマー電池は、ポリマー中に液体の電解液を含浸させたゲル状の電解質を使用しており、ポリマー中に電解液が保持されるため、漏液がしにくく、電池の安全性が向上し、また電池形状の自由度も高いこと等の利点があった。
【0003】
しかし、このゲルポリマー電解質は依然として電解液を用いているため、危険性を完全に排除したものとは言えない。従ってより高い安全性の為には電解液を全く使用しない電池が望まれている。
【0004】
この電解液を全く使用しない全固体電池に用いられる固体電解質は、電解液を用いた電解質よりもリチウムイオンの伝導度が低いため、電解質の厚みを薄くすることが試みられている。しかし、厚みを薄くすることによって、電解質の機械的強度は低下してしまう事となる。
そこでポリマー電解質にイオン伝導性の無機粉体を添加することやイオン伝導性の無機粉体を焼結することにより機械的強度とイオン伝導度を補うことが提案されている。
【特許文献1】特開2000−173654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなポリマー電解質にリチウムイオン伝導性の無機粉体を添加する場合、一般的な粉体作製法であるブレークダウン法で得られた無機粉体は形状が不規則であるため、ポリマー電解質との密着性が低いことに起因する界面抵抗の増大がみられ、結果として得られた固体電解質は高いイオン伝導度が得られなかった。
【0006】
また、無機粉体を焼結することによって固体電解質とする場合でも、ブレークダウン法で得られた無機粉体を使用する場合、その形状や粒度分布による影響で充填率が低くなるため、焼成後の状態に空孔がみられ、得られた固体電解質は機械的強度とイオン伝導度が低いという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑み、リチウムイオン伝導性固体電解質粒子をポリマー電解質に添加する場合において、ポリマー電解質との密着性が高く、また、焼結によって固体電解質を作製する場合においても、焼結前の成形体の充填率が高くなるリチウムイオン伝導性の無機粒子とその製造方法を提供する事を課題とする。
また本発明は、高出力・高容量のリチウム二次電池、およびリチウム一次電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、不定形のリチウムイオン伝導性の無機粉体を一定以上の円形度を有する粒子とすることで、ポリマー電解質との密着性が高くなることを見いだした。また、固体電解質を焼結によって作製する場合においても、焼結前の成形体の充填率が高くなることを見いだした。
また、この粒子をポリマー電解質に添加した固体電解質、またはこの粒子を焼結することで得られる固体電解質を備えるリチウム一次電池、リチウム二次電池は短絡がなく、高出力・高容量であり、リチウム二次電池においては充放電特性にも優れることを見いだした。
【0009】
具体的には本発明の好適な態様は以下の構成で表わすことができる。
(構成1)
個々の粒子投影像の面積とそれぞれ同じ面積の円の周長をl、粒子投影像の周長をLとしてl/Lを円形度とした場合に、円形度が0.8以上の粒子が75%以上であることを特徴としたリチウムイオン伝導性無機粒子。
(構成2)
平均粒径5μm以下の一次粒子を造粒して二次粒子とし、その後二次粒子を熱処理することで得られるリチウムイオン伝導性無機粒子であって、二次粒子の熱処理後の平均粒径が30μm以下であることを特徴とした構成1に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
(構成3)
イオン伝導度が1×10−4S/cm以上の一次粒子からなることを特徴とした構成1または2に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
(構成4)
二次粒子を造粒後、700〜1300℃で熱処理して得られることを特徴とした構成1から3のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
(構成5)
Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)2−xSi3−y12ただし、0≦x≦1、0≦y≦1である結晶を含むことを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
(構成6)
前記リチウムイオン伝導性の無機粒子はガラス、セラミックス、ガラスセラミックスのいずれか1種以上を含むことを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
(構成7)
平均粒径5μm以下の一次粒子に溶媒を加えてスラリーとする工程と、
前記スラリーを造粒し二次粒子を得る工程と、
前記二次粒子を熱処理する工程とを含み、
熱処理後の二次粒子の平均粒径が30μm以下であるリチウムイオン伝導性無機物球状粒子を得ることを特徴としたリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。
(構成8)
スラリーが更に有機バインダーを含むことを特徴とした構成7に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。
(構成9)
前記二次粒子を得る工程は、スプレー焙焼法、スプレードライ法、ミストドライ法、転動流動コーティング法、回転流動コーティング法、回転流動プラズマコーティング法のいずれかを用いる事を特徴とする構成7または8に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。
(構成10)
構成1から6に記載のリチウムイオン伝導性の無機粒子と有機物の混合物である固体電解質。
(構成11)
構成1から6に記載のリチウムイオン伝導性の無機粒子を成形し焼結することで得られる固体電解質。
(構成12)
構成1から6に記載のリチウムイオン伝導性の無機粒子を含むグリーンシートを焼成することで得られる固体電解質。
(構成13)
構成10から12の固体電解質を有するリチウム一次電池。
(構成14)
構成10から12の固体電解質を有するリチウム二次電池。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリチウムイオン伝導性粒子は、非常に分散性が良好で溶液中に均一分散することが可能なため、有機物と複合化した場合に、凝集の少ないペーストを作製することができる。
そのため、本発明のリチウムイオン伝導性粒子は、ポリマー電解質に添加した場合、粒子とポリマーの密着性が高くなる。従って、本発明のリチウムイオン伝導性粒子を使用することで、イオン伝導性に優れた固体電解質が得られる。
また、焼結法によって固体電解質を作製する場合においては、粉体の充填率が高くなることにより、焼成前に緻密で均一な成形が可能となる。従って、本発明のリチウムイオン伝導性粒子を使用することで、焼成後も緻密で空孔が少ない、機械的強度とイオン伝導性に優れた固体電解質が得られる。
さらに、本発明のリチウムイオン伝導性粒子を使用した固体電解質を備えたリチウムイオン二次電池またはリチウム一次電池は、電解液を用いなくとも電池容量も高く、長期的に安定して使用することができ、リチウム二次電池においては充放電サイクル特性も良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において、粒子とは個々の粒子を意味する以外にも、ある一定のプロセスを経て作製された粒子群をも意味する。
本発明において、円形度とは個々の粒子投影像の面積とそれぞれ同じ面積の円の周長をl、粒子投影像の周長をLとした時にl/Lで求められる値である。個々の粒子の円形度、および粒子群の円形度分布はフロー式粒子像分析装置を用いて測定する。具体的には例えばシスメックス社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定した値を使用することができる。尚、測定する粒子の個数は1万個以上とし、体積基準で測定するものする。
【0012】
本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子は、円形度0.8以上の粒子が75%以上存在することを特徴とする。粒子の形状と分布を前記の値とし、略球状に近い粒子とする事で、溶液中に均一に分散し易く、ポリマーとの密着性が高くなる。また、この無機粒子を成形する場合においても高い充填率で成形することが可能となる。
【0013】
前記効果を容易に得るためには、粒子の円形度は0.8以上が好ましく、0.85以上がより好ましく、0.95以上が最も好ましい。
【0014】
同様に、前記効果を容易に得るためには、上記の円形度を満たす粒子の存在比は75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上が最も好ましい。
【0015】
本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子はリチウムイオン伝導性の無機物を粉砕し粉体としたものを一次粒子とし、それらを造粒して二次粒子とし、その後熱処理をして得られたものが好ましい。
【0016】
造粒して得られる二次粒子の円形度を大きくし易く、また所望の円形度を有する粒子の存在比を大きくし易くするためには、一次粒子の平均粒径は、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、200nm以下が最も好ましい。一方、一次粒子の平均粒径が50nm未満では溶媒を加えてスラリーを作製した場合に凝集が生じる傾向が大きくなりやすいため、円形度の高い球状粒子を容易に得るためには、一次粒子の平均粒径は50nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましく、75nm以上が最も好ましい。
【0017】
ここで、平均粒径とは粒子のブラウン運動による動的光散乱法に基づく光子相関法(PCS)で測定した時のD50の値であり、具体的にはベックマンコールター社のナノ粒子アナライザーN5を用いて測定した値を用いることが出来る。平均粒径は体積基準で表わした値である。
【0018】
リチウムイオン二次電池の充放電時およびリチウム一次電池の放電時におけるリチウムイオンの移動性は、電解質のリチウムイオン伝導度およびリチウムイオン輸率に依存する。
従って、前記一次粒子においてもリチウムイオン伝導性が高く且つリチウムイオン輸率が高い物質を用いることが好ましい。一次粒子のリチウムイオン伝導度が1×10−4S/cm以上であると、作製されたリチウムイオン伝導性無機粒子をリチウム二次電池またはリチウム一次電池用途に適用した場合、これらの電池の充放電時の特性が良好なものとなりやすい。前記の効果をより得やすくするためには、一次粒子のリチウムイオン伝導度3×10−4S/cm以上であることがより好ましく、5×10−4S/cm以上であることが最も好ましい。
【0019】
前記リチウムイオン伝導性の無機物としては、リチウムイオン伝導性のガラス、セラミックス、ガラスセラミックス等を使用することが好ましい。これらの無機物は化学的耐久性が高く、大気中において安定だからである。
より具体的には、リチウムイオン伝導性の結晶であるLiN、LISICON類、La0.55Li0.35TiOなどのリチウムイオン伝導性を有するペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12等を含む無機物が例示される。その中でも特に好ましいリチウムイオン伝導性の結晶として、Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)2−xSi3−y12を含む無機物があげられる。(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1であり、より好ましくは0≦x≦0.4、0<y≦0.6、最も好ましくは0.1≦x≦0.3、0.1<y≦0.4である。)
【0020】
前記リチウムイオン伝導性の無機物としては、mol%表示で、
LiO 12〜18%、および
Al+Ga 5〜10%、および
TiO+GeO 35〜45%、および
SiO 1〜10%、および
30〜40%
の各成分を含有する組成であることが特に好ましい。
この組成を有する無機物は溶融、急冷することでリチウムイオン伝導性を有するガラスを得る事ができ、そのガラスを熱処理し、結晶を析出させることによってより高いリチウムイオン伝導性を有するガラスセラミックスとする事ができる。
このガラスセラミックスは上記Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)2−xSi3−y12(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)の結晶相を有している。
【0021】
以下、前記組成の好ましい態様について、各々の成分のmol%で表わされる組成比と効果について具体的に説明する。
LiO成分はLiイオンキャリアを提供し、リチウムイオン伝導性をもたらすのに有用な成分である。良好なイオン伝導率をより容易に得るためには含有量の下限は12%であることが好ましく、13%であることがより好ましく、14%であることが最も好ましい。また、LiO成分が多すぎるとガラスの熱的な安定性が悪くなり易く、ガラスセラミックスの伝導率も低下し易いため、含有量の上限は18%であることが好ましく、17%であることがより好ましく、16%であることが最も好ましい。
【0022】
Al成分は、母ガラスの熱的な安定を高めることができると同時に、Al3+イオンが前記結晶相に固溶し、リチウムイオン伝導率向上にも効果がある。この効果をより容易に得るためには、含有量の下限が5%であることが好ましく、5.5%であることがより好ましく、6%であることが最も好ましい。
しかし含有量が10%を超えると、かえってガラスの熱的な安定性が悪くなり易くガラスセラミックスの伝導率も低下し易いため、含有量の上限は10%とするのが好ましい。尚、前記効果をより得やすくするためにより好ましい含有量の上限は9.5%であり、最も好ましい含有量の上限は9%である。
【0023】
TiO成分はガラスの形成に寄与し,また前記結晶相の構成成分でもあり,ガラスにおいても前記結晶においても有用な成分である。ガラス化するため、及び前記の結晶相が主相としてガラスから析出し、高いイオン伝導率をより容易に得るためには、含有量の下限が35%であることが好ましく、36%であることがより好ましく、37%であることが最も好ましい。また、TiO成分が多すぎるとガラスの熱的な安定性が悪くなり易く、ガラスセラミックスの伝導率も低下し易いため、含有量の上限は45%であることが好ましく、43%であることがより好ましく、42%であることが最も好ましい。
【0024】
SiO成分は、母ガラスの溶融性および熱的な安定性を高めることができると同時に、Si4+イオンが前記結晶相に固溶し、リチウムイオン伝導率の向上にも寄与する。この効果をより十分に得るためには含有量の下限は1%であることが好ましく、2%であることがより好ましく、3%であることが最も好ましい。しかしその含有量が10%を超えると、かえって伝導率が低下し易くなってしまうため、含有量の上限は10%とすることが好ましく、8%とすることがより好ましく、7%とすることが最も好ましい。
【0025】
成分はガラスの形成に有用な成分であり,また前記結晶相の構成成分でもある。含有量が30%未満であるとガラス化しにくくなるので、含有量の下限は30%であることが好ましく、32%であることがより好ましく、33%であることが最も好ましい。また含有量が40%を越えると前記結晶相がガラスから析出しにくく、所望の特性が得られにくくなるため、含有量の上限は40%とすることが好ましく、39%とすることがより好ましく、38%とすることが最も好ましい。
【0026】
上述の組成の場合、溶融ガラスをキャストして容易にガラスを得ることができ、このガラスを熱処理して得られた上記結晶相をもつガラスセラミックスは1×10−3S/cmの高いリチウムイオン伝導性を有する。
【0027】
また、上記の組成以外にも、Al成分をGa成分に、TiO成分をGeO成分に一部または全部置換することも可能である。さらに、融点を下げるかまたはガラスの安定性を上げるために、イオン伝導性を大きく悪化させない範囲で他の原料を微量添加することも可能である。
【0028】
前記の組成には、LiO以外のNaOやKOなどのアルカリ金属は、出来る限り含まないことが望ましい。これら成分がガラスセラミックス中に存在するとアルカリイオンの混合効果により、リチウムイオンの伝導を阻害して伝導度を下げることになる。
また、ガラスセラミックスの組成に硫黄を添加すると、リチウムイオン伝導性は少し向上するが、化学的耐久性や安定性が悪くなるため、出来る限り含有しない方が望ましい。
ガラスセラミックスの組成には、環境や人体に対して害を与える可能性のあるPb、As、Cd、Hgなどの成分もできる限り含有しないほうが望ましい。
【0029】
前記二次粒子は高いイオン伝導度を得るために、造粒後に熱処理を行うことで一次粒子同士を物理的および化学的に結合させることが好ましい。
この熱処理温度は700℃〜1300℃の範囲であると、二次粒子が緻密な結晶化ガラスや焼結体となり、高いイオン伝導度が得られる。前記の効果を容易に得るためには熱処理温度の下限は850℃がより好ましく、950℃が最も好ましい。同様に前記の効果を容易に得るためには熱処理温度の上限は1250℃がより好ましく、1150℃が最も好ましい。
【0030】
高い化学的耐久性を得るため、前記熱処理を行った後においても、本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子はガラス、セラミックス、ガラスセラミックスのいずれか1種以上を含んだものであることが好ましい。
【0031】
本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子は前述したポリマーへの添加以外にも、グリーンシートの作製にも好適である。グリーンシートは焼結体を作製する前の未焼成の成形体であり、有機結合剤、可塑剤、溶剤などの混合スラリーをドクターブレード法等により薄板状に成形したものである。
前記二次粒子は、ポリマーへの添加やグリーンシートへの使用を考えた場合、前記二次粒子の熱処理後の平均粒径は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がもっとも好ましい。
二次粒子の熱処理後の平均粒径が前記の範囲内であると、ポリマーや溶剤中において、分散性が高いために均一な複合材料およびスラリーが得られるため、空孔や凝集のない良好な成形ができるからである。
【0032】
本発明のリチウムイオン伝導性の無機粒子はリチウムイオン伝導性の結晶を含むことにより高いイオン伝導度を得やすくなるので、リチウムイオン伝導性の結晶を含むことが好ましい。
ここで、リチウムイオン伝導性の結晶としては、LiN、LISICON類、La0.55Li0.35TiOなどのリチウムイオン伝導性を有するペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12等が例示される。
【0033】
その中でも特に好ましいリチウムイオン伝導性の結晶としては、Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)2−xSi3−y12である。(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1であり、より好ましくは0≦x≦0.4、0<y≦0.6、最も好ましくは0.1≦x≦0.3、0.1<y≦0.4である。)前記結晶はリチウムイオン伝導度が高く、化学的に安定しているため扱いが容易であるという利点がある。また、上述の特定組成のガラスを熱処理することにより、ガラスセラミックス中の結晶として析出させる事が可能である。
一般的に粒子(群)は単位重量あたりの表面積が大きいため、大気との接触によって、当初の性能が低下する物質は好ましくない。従って粒子群として市場に流通する点を考慮すると、化学的に安定している上記の結晶を含むことが好ましい。
【0034】
また、前記結晶は、イオン伝導を阻害する結晶粒界を含まない結晶であるとイオン伝導の点で有利である。特にガラスセラミックスは、イオン伝導を妨げる空孔や結晶粒界をほとんど有しないため、イオン伝導性が高くかつ化学的な安定性に優れるため、より好ましい。 また、ガラスセラミックス以外で、イオン伝導を妨げる空孔や結晶粒界をほとんど有しない材料として、上記結晶の単結晶が挙げられるが、これは製造が難しくコストが高い。製造の容易性やコストの観点でもリチウムイオン伝導性のガラスセラミックスは有利である。
【0035】
ここで、ガラスセラミックスとは、ガラスを熱処理することによりガラス相中に結晶相を析出させて得られる材料であり、非晶質固体と結晶からなる材料をいい、更に、ガラス相すべてを結晶相に相転移させた材料、すなわち、材料中の結晶量(結晶化度)が100質量%のものを含む。尚、100%結晶化させた材料であってもガラスセラミックスの場合は結晶の粒子間や結晶中に空孔がほとんどない。これに対し、一般にいわれるセラミックスや焼結体はその製造工程上、結晶の粒子間や結晶中の空孔や結晶粒界の存在が避けられず、本発明のガラスセラミックスとは区別することができる。特にイオン伝導に関しては、セラミックスの場合は空孔や結晶粒界の存在により、結晶粒子自体が有する伝導度よりもかなり低い値となってしまう。ガラスセラミックスは結晶化工程の制御により結晶間の伝導度の低下を抑えることができ、結晶粒子自体が本質的に有する伝導度と同程度の伝導度を得ることが容易となる。
【0036】
本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法は、平均粒径5μm以下の一次粒子に溶媒を加えてスラリーとする工程と、前記スラリーを造粒し二次粒子を得る工程と、前記二次粒子を熱処理する工程とを含み、熱処理後の二次粒子の平均粒径が30μm以下のリチウムイオン伝導性の無機物球状粒子を得ることを特徴とする。
この方法によれば円形度が大きい粒子が高い割合で含まれるリチウムイオン伝導性無機粒子を得ることができる。
【0037】
本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法は、まずリチウムイオン伝導性の無機物をボールミルやジェットミルなどによって粉砕し平均粒径5μm以下の一次粒子とする。
【0038】
次に、得られた一次粒子に溶媒を加えボールミルなどで撹拌し、スラリーとする。粒子が溶媒中に均一に分散するようにするために攪拌時間は1時間以上が好ましく、2.5時間以上がより好ましく、5時間以上がもっとも好ましい。ただし、長時間の攪拌は粒子が粉砕され微粒化することに起因する凝集を発生させる可能性があるため、攪拌時間は72時間以下が好ましく、60時間以下がより好ましく、48時間以下がもっとも好ましい。
【0039】
前記溶媒は低沸点である水またはエタノールもしくはTHF(テトラヒドロフラン)などの有機溶媒を用いるのが、造粒工程での乾燥が速いために生産効率が高くなるので好ましく、環境負荷に対する影響が少ない点で好ましい。
【0040】
スラリーには乾燥後の一次粒子同士の結着性を高めるため、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチルメタアクリレート、ビニル系の共重合物等の有機バインダーを添加することが好ましい。
【0041】
上記で得られたスラリーを噴霧および乾燥させることで造粒を行い、平均粒径30μm以下の二次粒子を得る。造粒方法としては、スプレー焙焼法、スプレードライ法、ミストドライ法、転動流動コーティング法、回転流動コーティング法、回転流動プラズマコーティング法などがあげられる。ここで、より円形度の高い粒子を得るためには転動流動コーティング法が好ましく、スプレードライ法がより好ましく、ミストドライ法がもっとも好ましい。ミストドライ法では、液滴の体積が小さく、なおかつ、噴霧の際に表面張力によって球状となるので、乾燥後の造粒体も球状で、スプレードライ法で得られなかった平均粒径がシングルミクロンオーダーの粒子も得ることができる。また、スプレー焙焼法は乾燥から焼結までを一工程で行うため効率的であるが、焼結時間を長時間とするのは難しい。従ってこれは予備焼結工程として用いるのが好ましい。
【0042】
さらに得られた二次粒子を熱処理する。700℃〜1300℃の温度範囲で熱処理をする場合、電気炉やガス炉を用いることができ、熱処理時間は二次粒子が結晶化ガラスや焼結体となり、高いイオン伝導度を得るために30分〜24時間が好ましい。前記効果をより得やすくするためには熱処理時間の下限は40分がより好ましく、50分が最も好ましい。また、24時間以上では粒子同士が焼結してしまう可能性があるためには熱処理時間の上限は20時間がより好ましく、15時間が最も好ましい。
【0043】
本発明のリチウムイオン伝導性の無機粒子を使用して固体電解質を作製し、該固体電解質の両側に正極材料及び負極材料を配置し、さらに公知の集電体を配置し、公知の方法でパッケージングすることにより、リチウム一次電池またはリチウムイオン二次電池を得る事ができる。
【0044】
本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子を使用した固体電解質は、公知のリチウムイオン伝導性のポリマー等の有機物への本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子の添加し混合物とすること、本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子を用いてグリーンシートを作製しその後焼成すること、または本発明のリチウムイオン伝導性無機粒子を成形又は加圧成形後に焼結することなどの方法により得ることができる。
【0045】
本発明のリチウム一次電池の正極材料には、リチウムの吸蔵が可能な遷移金属化合物や炭素材料を用いることができる。例えば、マンガン,コバルト,ニッケル,バナジウム,ニオブ、モリブデン、チタンから選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属酸化物等や、グラファイトやカーボン等を使用することができる。
【0046】
また、このリチウム一次電池の負極材料には、金属リチウムや、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−インジウム合金などリチウムの放出が可能な合金等を使用することができる。
【0047】
本発明のリチウム二次電池の正極材料に使用する活物質としては、リチウムの吸蔵,放出が可能な遷移金属化合物を用いることができ、例えば、マンガン,コバルト,ニッケル,バナジウム,ニオブ、モリブデン、チタンから選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属酸化物等を使用することができる。
【0048】
また、このリチウム二次電池において、その負極材料に使用する活物質としては、金属リチウムやリチウム−アルミニウム合金、リチウム−インジウム合金などリチウムの吸蔵、放出が可能な合金、チタンやバナジウムなどの遷移金属酸化物及び黒鉛などのカーボン系の材料を使用することが好ましい。
【実施例】
【0049】
以下、本発明に係るリチウムイオン伝導性無機粒子ならびにこれを用いたリチウム二次電池およびリチウム一次電池について、具体的な実施例を挙げて説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0050】
[実施例1]
原料としてHPO、Al(PO、LiCO、SiO、TiOを使用し、これらを酸化物換算のmol%でPを31.5%、Alを8.5%、LiOを15.0%、TiOを41.0%、SiOを4.0%といった組成になるように秤量して均一に混合した後に、白金ポットに入れ、電気炉中1500℃でガラス融液を撹拌しながら3時間加熱熔解した。その後、ガラス融液を流水中に滴下させることにより、フレーク状のガラスを得、このガラスを970℃で10時間の熱処理により結晶化を行うことにより、目的のガラスセラミックスを得た。析出した結晶相は粉末X線回折法により、Li1+x+yAlTi2−xSi3−y12(0≦x≦0.4、0<y≦0.6)が主結晶相であることが確認された。ここで得られたガラスセラミックスをフレークAとして、ジェットミルにより粉砕し分級することで平均粒径14.5μm、最大粒径33.3μmのガラスセラミックスの粉末を得た。この粉末のイオン伝導度は1.3×10−3S/cmであった。
ここで得られたガラスセラミックスの粉末を更に、水を溶媒として湿式のボールミルで粉砕し、平均粒径0.3μm、最大粒径1.1μmのガラスセラミックスの粉末(一次粒子)が分散されたスラリー得た。このスラリーに対して、固形分濃度5%となるようにウレタン樹脂バインダーを添加し、ボールミルで12時間攪拌し、スプレードライ法により噴霧および乾燥することでガラスセラミックス造粒粒子(二次粒子)とした。更に上記で得られたセラミックス造粒粒子を焼成炉にて、1050℃で熱処理し、平均粒径3.4μm、最大粒径8.8μmのガラスセラミックス粒子を得た。ここで得られたガラスセラミックス粒子をガラスセラミックス粒子A(リチウムイオン伝導性無機粒子)とする。
ガラスセラミックス粒子Aは円形度が0.85以上の粒子が87%であった。
ガラスセラミックス粒子Aと有機物として融点41℃のポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの共重合体と、リチウム塩として過塩素酸リチウム(LiCLO)をvol%比で62:32:6に調合し、エタノールに35vol%投入し、エタノール懸濁液を調整した。この液をキャスティング法で成膜し、真空乾燥させて固体電解質を得た。この固体電解質のイオン伝導度は1.5×10−4S/cmで、真比重、嵩比重より求めた空孔率は16vol%であった。
【0051】
[比較例1]
実施例1で得られたガラスセラミックスのフレークAを、ジェットミルにより粉砕し分級することで、平均粒径2.8μm、最大粒径9.5μmのガラスセラミックスの粉末を得た。ここで得られたガラスセラミックス粉末をガラスセラミックス粉末Bとする。
ガラスセラミックス粉末Bは円形度が0.8以上の粒子が43%であった。
ガラスセラミックス粉末Bと実施例1と同じ有機物(PEO)とリチウム塩(LiCLO)をvol%比で32:62:6としてエタノールに35vol%投入し、エタノール懸濁液を調整した。この液をキャスティング法で成膜し、真空乾燥させて固体電解質を得た。この固体電解質のイオン伝導度は8.8×10−5S/cmであり、空孔率は28vol%であった。
【0052】
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1で得られたリチウムイオン伝導性無機粒子(ガラスセラミックス粒子A)を含有させた固体電解質はイオン伝導度が高く、空孔率が低いことが分かる。これは実施例1で得られたリチウムイオン伝導性無機粒子(ガラスセラミックス粒子A)は比較例1で得られたガラスセラミックス粉末Bと比較して、溶液中に均一に分散し易く、ポリマーとの密着性が高いためと考えられる。
【0053】
[実施例2]
実施例1で得られたガラスセラミックス粒子Aをアクリル樹脂、分散剤とともに水を溶剤として、分散・混合してスラリーを調製し、ロールコーターにて成形、乾燥させて厚み150μmのグリーンシートを得た。このグリーンシートをロールプレスにより加圧し緻密化し、1065℃にて焼成することにより、厚み125μmの固体電解質が得られた。このイオン伝導度は2.6×10−4S/cmであった。空孔率は5vol%であった。
【0054】
[比較例2]
比較例1で得られたガラスセラミックス粉末Bをアクリル樹脂、分散剤とともに水を溶剤として、分散・混合してスラリーを調製し、ロールコーターにて成形、乾燥させて厚み122μmのグリーンシートを得た。このグリーンシートをロールプレスにより加圧し緻密化し、1065℃にて焼成することにより、厚み106μmの固体電解質が得られた。このイオン伝導度は7.1×10−5S/cmであった。空孔率は11vol%であった。
【0055】
実施例2と比較例2を比較すると、実施例2で得られた固体電解質はイオン伝導度が高く、空孔率が低いことが分かる。これは実施例1で得られたリチウムイオン伝導性無機粒子(ガラスセラミックス粒子A)は比較例1で得られたガラスセラミックス粉末Bと比較して、グリーンシートを作製する際に、単位体積あたりの粒子の充填密度が高いためと考えられる。
【0056】
[実施例3]
実施例2において得られた固体電解質をディスク状にくり抜き、外径16mm、厚み0.15mmに研磨し、これを用いてリチウム一次電池を組み立てた。
正極活物質には、市販のMnOを用い、これに導電助剤としてアセチレンブラック、結着剤としてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)を混練し、ロールプレスにて0.3mmの厚みに成形し、外径15mmの円形に打ち抜いて正極合剤を作製した。
固体電解質の片面に、Alをスパッタし、その上に外径15mmのLi−Al合金負極を貼り合わせて負極とし、もう片面に作製した正極合剤を張り合わせて正極を取り付けた。
作製したセルを、ステンレス製のコインセルに入れ、Li塩としてLiClOを1mol%添加したプロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの混合溶媒をコインセル中に注入し、密封することでリチウム一次電池を作製した。作製した電池を室温25℃にて放電試験を行ったところ、平均駆動電圧3V、20mAh以上の容量が得られた。また、このコイン電池は、内部で固体電解質が固定され、従来の樹脂製のセパレータのように放電による電極の体積変化によるたわみが生じないため、使用時に最後まで安定した放電電位を維持することができた。
【0057】
[実施例4]
実施例2において得られた固体電解質をディスク状にくり抜き、外径16mm、厚み0.15mmに研磨し、これを用いてリチウム二次電池を組み立てた。
固体電解質の片面にLiCoOを活物質とし、実施例1で得られたフレークAを湿式粉砕し、平均粒径0.3μmとした微粉末をイオン伝導助剤として含むスラリーを塗布し、乾燥・焼結させて正極材を取り付けた。この正極層の上にAlをスパッタし、その上からAl箔を重ねることで正極集電体を取り付けた。
もう片面には、LiTi12を活物質、正極に使用したものと同じフレークAの微粉末をイオン伝導助剤として含むスラリーを塗布、乾燥、焼結させて負極材を取り付けた。この負極上に銅の微粒子を含むペーストを塗布し、乾燥・焼付けることにより負極集電体を取り付け、コインセルに封入することにより、電池を組み立てた。この電池は、3.5Vで充電することができ、平均放電電圧3Vで駆動することが確認できた。この電池を2.5Vまで放電させ、その後3.5Vで充電することにより、再度平均放電電圧3Vで駆動するリチウムイオン二次電池であることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の粒子投影像の面積とそれぞれ同じ面積の円の周長をl、粒子投影像の周長をLとしてl/Lを円形度とした場合に、円形度が0.8以上の粒子が75%以上であることを特徴としたリチウムイオン伝導性無機粒子。
【請求項2】
平均粒径5μm以下の一次粒子を造粒して二次粒子とし、その後二次粒子を熱処理することで得られるリチウムイオン伝導性無機粒子であって、二次粒子の熱処理後の平均粒径が30μm以下であることを特徴とした請求項1に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
【請求項3】
イオン伝導度が1×10−4S/cm以上の一次粒子からなることを特徴とした請求項1または2に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子
【請求項4】
二次粒子を造粒後、700〜1300℃で熱処理して得られることを特徴とした請求項1から3のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
【請求項5】
Li1+x+y(Al,Ga)(Ti,Ge)2−xSi3−y12ただし、0≦x≦1、0≦y≦1である結晶を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
【請求項6】
前記リチウムイオン伝導性の無機粒子はガラス、セラミックス、ガラスセラミックスのいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリチウムイオン伝導性無機粒子。
【請求項7】
平均粒径5μm以下の一次粒子に溶媒を加えてスラリーとする工程と、
前記スラリーを造粒し二次粒子を得る工程と、
前記二次粒子を熱処理する工程とを含み、
熱処理後の二次粒子の平均粒径が30μm以下である、リチウムイオン伝導性無機物球状粒子を得ることを特徴としたリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。
【請求項8】
スラリーに有機バインダーを含むことを特徴とした請求項7に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。
【請求項9】
前記二次粒子を得る工程は、スプレー焙焼法、スプレードライ法、ミストドライ法、転動流動コーティング法、回転流動コーティング法、回転流動プラズマコーティング法のいずれかを用いる事を特徴とする請求項7または8に記載のリチウムイオン伝導性無機粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項1から6に記載のリチウムイオン伝導性の無機粒子と有機物の混合物である固体電解質。
【請求項11】
請求項1から6に記載のリチウムイオン伝導性の無機粒子を成形し焼結することで得られる固体電解質。
【請求項12】
請求項1から6に記載のリチウムイオン伝導性の無機粒子を含むグリーンシートを焼成することで得られる固体電解質。
【請求項13】
請求項10から12の固体電解質を有するリチウム一次電池。
【請求項14】
請求項10から12の固体電解質を有するリチウム二次電池。

【公開番号】特開2008−110899(P2008−110899A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295594(P2006−295594)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000128784)株式会社オハラ (539)
【Fターム(参考)】