説明

リン脂質リポソームおよびヒアルロン酸及び/又はその誘導体により構成された生体再吸収性充填剤

本発明は、現場で出発ポリマーの滞留時間を増加させる、リン脂質リポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体により構成された新規な生体再吸収性充填剤を記載する。本明細書に記載された前記充填剤は、軽度から中等度の欠損の矯正のための美容外科手術および皮膚美容術において、軟組織を増加させることが実質的に意図されているが、それらの独特な特徴により、他の適用分野にも使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、現場(in situ)で出発ポリマーの滞留時間を増加させる、リン脂質リポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体により構成された新規な生体再吸収性充填剤を記載し特許請求する。本明細書に記載された充填剤は、軽度から中等度の欠損の矯正のための美容外科手術および皮膚美容術において、軟組織を増加させることが意図されているが、それらの独特な特徴により、他の適用分野にも使用できる。
【0002】
(本発明の背景)
軟組織の充填は、皺、顔面の溝および毛孔などの皮膚欠損を矯正するために、形成外科において実施される。また、軟組織の充填により、深部の瘢痕、口唇および頬骨などの特定の領域の容量を増加させ、顔面の特徴および形状をより良く規定することができる。表面または深部の真皮内に充填剤を注入し、治療領域を膨張させ、それをより引き締めることによって、これらの成果が得られる。窪みを充填する以外に、その注入が、皮膚細胞の生体刺激の時期を起動する結果、皮膚自体がより健康に、より引き締め、およびより血色良く見える。
【0003】
使用される物質は充填剤と呼ばれ、種々多数のものが存在する。それらは実質的に以下の3つの異なるタイプに区別することができる:
生体再吸収性充填剤 生体による、漸次的な、究極的には完全な再吸収に供される生体適合性物質。最も一般的に使用されるのは、コラーゲン(Zyderm(登録商標)、Zyplast(登録商標))およびヒアルロン酸(Hylaform(登録商標)、Ial System(登録商標)、Restylane(登録商標))である。これらは、最も一般的に処置される軽度から中等度の欠損に対して特に良好な結果を与える。しかし、これらの物質(特にコラーゲン)は、抽出処理により混入する生物学的物質(ウィルスまたはタンパク質残基など)の存在下でアレルギー性と判明することがあり得、また、より重要なことには、それらの効果を維持する目的で頻回投与が必要であるため、制限がある。実際、これら、特にヒアルロン酸は、真皮内に生理学的に存在する酵素およびフリーラジカル双方によって急速に分解される物質である。得られた膨圧は、該製品の頻繁なブースター注入によってのみ維持することができ、その結果、副作用の危険性および患者の不快感を増加させる。
半永久的充填剤 ポリメタクリレートまたはアクリルヒドロゲルまたはデキストラン(この種の市販製品の中でも、Artecoll(登録商標)、Dermalive(登録商標)、およびReviderm(登録商標)イントラ)などの粒子を組み込んでいる生体再吸収性マトリックスによって構成されているため、一旦組織内に移植されると、より長期間持ちこたえる。該マトリックスの再吸収後、非生体分解性粒子は、確かに一定程度の膨圧を維持するが、それらもまた、炎症性現象および著しいアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
永久的充填剤 これは、生体によって再吸収されない。該製品は、移植後にそれらをその場にしっかりと固定する結合組織の被膜によって漸進的に包囲される、ポリアクリルアミドのヒドロゲル、Gore−Tex(登録商標)または他の完全に合成的な材料に基づいている。それは、一方では、移植物を永久的にするため、有利であるが、他方では、所望の効果が得られない場合に効果を変更または該移植物を除去することを、理論的には不可能ではないとしても、困難にする。永久的充填剤の移植は外科手術的操作であるため、危険性と利益を比較考量しなければならず、さらに制限が生じる。
【0004】
充填剤の選択は、所望の効果とその持続時間、生体適合性、有痛性、前もってのアレルギー試験必要の可能性および費用などの一連のパラメータに基づいている。生体再吸収性充填剤の分野で、選択の際の重要な要因の1つが、移植物の持続時間であることは確かである。実際、前記の全ての性質を有するのみならず、該効果を維持するのに必要な投与数を減少させるために、長時間注入部位にとどまる製品を選択することが重要である。これは、注入操作による副作用(例えば、膨潤、膨張、炎症)の危険性を低下させ、その結果、患者の不快をより減少させることにつながる。当業界の現状の限界は、本発明が、滞留時間を増加させ、全体的性能を改善する、リン脂質リポソームと共に/その中に構築したヒアルロン酸及び/又はその誘導体に基づいた生体再吸収性充填剤を記載し特許請求することによって、克服された。
【0005】
ヒアルロン酸(HA)はよく知られた分子である:それは、D−グルクロン酸およびN−アセチル−グルコサミンにより構成されたヘテロ多糖であり、実際、我々の生体のあらゆるコンパートメントに存在する。多くの組織の細胞に対する機械的支持から、関節の潤滑化、多くの生物学的および生理学的過程の調節(その膜受容体、CD44との相互作用に媒介された細胞の増殖、移動および分化など)まで、HAは多数の生理学的役割を演じている。疾患または外傷によって損傷された軟骨の減退に対するHAの防止作用はよく知られている。このような場面において、関節腔において、軟骨の減退を促進し、軟骨細胞の増殖を阻害する前炎症性サイトカイン、特にインターロイキン−1(IL−1)の強い集中が存在する(Van Beuningen H.Mら、Arthritis Rheum、1991年、34:606−615頁)。ヒアルロン酸が、IL−1の作用に対抗して、その負の作用を劇的に減少させ、次いで、注入された関節内の軟骨組織に対して修復的作用を及ぼす能力があることが、種々の科学的実験により実証されている(Stove J.ら、J Orthop Res、2002年、551−555頁)。関節内で、滑液中のヒアルロン酸内容物は、緩やかな動きの間は粘稠な潤滑剤のように作用し、一方、活発な動きの間はその弾性によって、該関節に影響を及ぼし得る損傷または微小な損傷が吸収される。病的状態では、HAの濃度および平均分子量の双方が(Balazs EA.ら、J Rheumatol Suppl、1993年、12:75−82、Belcher Cら、Annals of the Rheumatic Disease、1997年、56:299−307頁)かなり低下し、滑液の生理学的特性を変化させる。その組織水和特性および創傷治癒特性はまた、広く知られており、種々の出所の創傷、潰瘍および皮膚損傷の治療のための薬剤に、長い間使用されている(例えば、バラツ A.(Balazs A.)ら、Cosmetics & Toiletries、1984年、5:8−17頁)。
【0006】
HA分子に実施できる以下の多数の化学的修飾もまた、当業界に知られている:
有機及び/又は無機塩基による塩化(欧州特許第138572B1号明細書);
脂肪族、芳香族脂肪族(araliphatic)、脂環式、芳香族、環式およびヘテロ環式系のアルコール(HYAFF(登録商標))によるHAのエステル化。エステル化の割合は、使用されるアルコールのタイプおよび長さによって変化し得る(欧州特許216453B1);
脂肪族、芳香族脂肪族、脂環式、芳香族、環式およびヘテロ環式系のアミン(HYADD(登録商標))によるHAのアミド化。アミド化の割合は、0.1%と50%との間の範囲である(欧州特許1095064B1);
硫酸化(sulphatation)の第4の程度へのHAのO−硫酸化(欧州特許702699B1);
HAの分子内エステル化。エステル化の割合は、20%を超えない(ACP(登録商標);欧州特許341745B1);
HAの脱アセチル化:N−アセチル−グルコサミンの部分が好ましくは、0.1%と30%との間の割合まで脱アセチル化される(欧州特許1313772B1);
HAのペルカルボキシル化:N−アセチル−グルコサミンの部分の第一級ヒドロキシルを、0.1%と100%との間のペルカルボキシル化の程度まで酸化することによって達成するHAのペルカルボキシル化(HYOXX(商標);欧州特許出願第1339753号明細書)。
【0007】
これらの処理によって得られたポリマーは、生体分解性、生体適合性、ならびに出発多糖の操作および使用のし易さという特徴を保持するが、より良好な機械的性能を提供する。
【0008】
本発明に用いられるヒアルロン酸は、任意の源に由来し得る。例えば、それは、雄鶏のとさかから抽出できる(欧州特許明細書138572B1)か、または発酵(欧州特許明細書716688B1)または技術的手段により得られ、その分子量は、50,000Daと3,000,000Daとの間の範囲であり得る。
【0009】
しかし、本発明に記載され特許請求されている典型的な技術的解決は全く革新的であり、したがって、HA及び/又はその誘導体の充填剤は、長時間、適用部位にとどまり、頻回投与の必要性を著しく減少させる一方で、生体適合性、安全性および出発多糖の操作および使用の容易さの特徴を保持する。この特徴は、以下に例示されるとおり、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体をリン脂質と共に/その中に構築することによって得られる。リポソームは、50nmと1000nmとの間の範囲の可変サイズで、親水性コアを封入する1つ以上の脂質二重層により形成された中空のミクロスフェアである。この構造は、疎水性の尾部と親水性の頭部を有するリン脂質の特殊な性質によって得ることができ:水性媒体中では、疎水性尾部が互いに引き合う一方、親水性頭部は水に向き合う傾向がある。その結果は、閉鎖して多様な親水性環境が存在する小胞を内部に形成する脂質二重層である。リポソームは1965年に初めて記載され(Standish MMら、J Mol Biol、1965年、13:238−252頁)、薬剤及び/又は活性成分の担体として研究されてきた(例えば、Liposomes as drug carriers、Gregoriadis G編、ニューヨーク:John Wiley & Sons、1985年:3−18頁;Banerjee R.、J Biomater Appl、2001年、16:3−21頁)。それらは通常、それらのサイズおよび脂質二重層の数に基づいて分類される。例えば、Callow RAら、(Cryobiology、1985年:251−267頁)に記載されているように、一般に言うと、以下が述べられている。
多層小胞:多数の脂質二重層が親水層と共に分散している玉ねぎ様の構造を有する。;
単層小胞、大型(1μm超の直径)および小型(1μm未満の直径):それらは、単一の脂質二重層により形成され、強い親水性の核を封入する;
オリゴ層小胞、著しく疎水性の環境を封入するいくつかの脂質二重層により構成される。
【0010】
リポソームを得ることができる多くの処理法に基づいてさらなる分類が可能であり、それらは該分野の専門家によく知られている。HAとリン脂質との組み合わせは、関節内使用のための抗リウマチ薬としての使用を意図した単純な物理的混合物として(国際公開第91/12026号パンフレット)および適切な化学的結合体として(欧州特許第581282B1号明細書)の双方ですでに記載されており、それらに関して、問題のリポソームと多糖双方の潤滑性が特許請求されている。また、骨関節症の関節内処置のためのリン脂質リポソーム内に封入したグリコサミノグリカンの使用を記載し特許請求している欧州特許出願第1406571号明細書も知られている。
【0011】
本出願者は、本発明が、使用される多糖のタイプにおいて、およびそれが構造化される方法において、すでに知られているものとは実質的に異なることを、以下に示すことを意図している。
【0012】
本発明は、美観及び/又は皮膚美容を目的に、軟組織の充填に実質的に使用される、リン脂質リポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体により構成された新規な生体再吸収性充填剤を記載し特許請求する。このタイプの溶液は、注入部位における充填剤の滞留時間を増加させ、したがって、反復的頻回投与の必要性を減少させ、その結果、望ましくない副作用の危険性および患者にとっての不快感を著しく減少させることを可能にする。HA−リポソームの結合は、以下に記載されるように、リン脂質リポソームの薄膜をHA及び/又はその誘導体の溶液によって処理し、その結果、多糖の一部がリポソーム内に組み込まれ、一部が外部にとどまって、リン脂質構造を封入することによって達成される。したがって、処理領域に対する即時的な引き締めを確実にし、また、投与後に多糖が受ける酵素的および化学的分解に対してより抵抗性であることを実証する一種のマクロ構造が作り出される。簡便さのため、上記のことを本発明において、「リポソームと共に/その中にHA及び/又はその誘導体を構築する」として定義する。
【0013】
したがって、軟組織充填剤としての、及び/又は皮膚欠損の矯正のための、リポソームと共に/その中に構築したヒアルロン酸及び/又はその誘導体が本発明の目的である。
【0014】
該ヒアルロン酸の分子量は、50,000Daと3×106Daとの間の範囲であることが好ましい。
【0015】
本発明による、リポソームと共に/その中に構築したヒアルロン酸及び/又はその誘導体は、塩、エステル、分子内エステル、アミド、O−硫酸化誘導体、ペルカルボキシル化誘導体からなる群から選択されるヒアルロン酸誘導体であり得る。該ヒアルロン酸誘導体はヘキサデシルアミドであることが好ましい。
【0016】
特に、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体の濃度は、0.1mg/mlと50mg/mlとの間の範囲である。
【0017】
リポソームと共に/その中に構築したヒアルロン酸及び/又はその誘導体は、リン脂質によって構成される。該リン脂質はジパルミトイルホスファチジルコリンであることが好ましい。リン脂質の濃度は、好ましくは、0.1mg/mlと50mg/mlとの間の範囲であり、より好ましくは、リン脂質の濃度は5mg/mlに等しい。
【0018】
軟組織充填剤として、及び/又は皮膚欠損の矯正のため、及び/又は骨関節症の関節内治療における滑液の組込み/代替のための、リポソームと共に/その中に構築したヒアルロン酸及び/又はその誘導体を含有する医薬組成物が、本発明のさらなる目的である。
【0019】
特に、本発明による前記医薬組成物は、薬理学的及び/又は生物学的に活性な物質を含有する。
【0020】
骨関節症の関節内治療における滑液の組込み/代替のための医薬組成物において、該ヒアルロン酸誘導体はメチルプレドニゾロンエステルであることが好ましい。該ヒアルロン酸は、6α−メチルプレドニゾロンにより45%程度エステル化されることがより好ましい。
【0021】
また、皮膚欠損の矯正のために、及び/又は軟組織充填剤として、及び/又は骨関節症の症状の関節内治療における滑液に対する組込み物/代替物として、リポソームと共に/その中に構築したヒアルロン酸及び/又はその誘導体を含有する医薬組成物の使用も本発明の目的である。
【0022】
したがって、ヒアルロン酸自体の他に、塩化、部分的及び/又は全体的エステル化、分子内エステル化、脱アセチル化、O−硫酸化、ペルカルボキシル化およびアミド化による化学的修飾から得られたヒアルロン酸の誘導体もまた使用されている。本明細書に明記された目的に特に好適なのは、ヒアルロン酸が、0.1%と50%との間のアミド化割合で、脂肪族、芳香族脂肪族、脂環式、芳香族、環式およびヘテロ環式系のアミンと結合している一方、アミド化していない残りの割合のHAが、有機及び/又は無機塩基により塩化している可能性があり得る、HAのアミド誘導体であることが実証されている。このように得られた誘導体(HYADD(商標))は、出発分子の生体適合性および生分解性の特徴を維持するが、それらは、より良好な力学的性能を付与する。リポソームに関して、当業界に公知の種々の調製法の中で、我々は、単層リポソームの製造に関する古典的脂質薄膜技法を使用するために選択し:二重層を構成する選択された脂質は有機溶媒と混合し、次いで溶媒を蒸発させ、乾燥脂質薄膜を形成させるように、環境条件を設定して(例えば、圧力および温度のパラメータを設定)露出させる。次いで脂質薄膜を、水性媒体及び/又はリポソームと会合するポリマーを含有する溶液により水和する。混合物の一部は、凍結、凍結乾燥し、次いで好適な媒体を添加することによりその最初の容量に再構成する。凍結、凍結乾燥および再構成のステップは、実験的知見に基づいて(ピール(Peer)ら、Biochim Biophys Acta、2003年、1612:76−82頁)考案され、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体は、単層リポソームミクロ構造用の寒冷保護物として作用できることを立証した。一般に単純に、構築されたリン脂質懸濁液を凍結乾燥し、次いで再構成する場合、リポソームは、それらの元の特徴を喪失し、本発明の目的に不適切なはるかに大きな多層媒体に組織化される。というのは、それらの構造およびそれらが担持している物質の制御放出が無効であるからである。かなりの量の多糖類が凍結乾燥される混合物の存在により、安定な水素結合の形成によりリポソームの元の構造的性質を保存し、それらの再構成後の制御放出系としてそれらの有効性を維持する。ヒアルロン酸及び/又は部分的に置換されたその誘導体、特にその高分子量フラクションの場合、その安定化効果により、全般的な構造的組織化を伴うように思われ、製剤に含まれた多糖類のかなりの部分は、二重のリン脂質層の親水性外面を覆い、2つ以上のリポソーム間に架橋を形成する。ヒアルロン酸が1つのリポソームから別のリポソームに拡がる場所では、管状構造を顕微鏡下で見ることができる。この状況で、多糖類鎖は、水素結合によりそれに留められた二重リン脂質層により形成された鞘膜に包まれる。
【0023】
したがって、リポソームと共に/その中に多糖類を構築するこの種の方法は、当業界に記載されたものとは実質的に異なり、特に多糖類鎖に対してリポソームにより発揮される持続性保護のために、長期間続く治療領域に対して即時に鎮圧効果を有する製品をもたらす。このような長期間の現場での調製の存在もまた、HAが、早くに検討されたCD44受容体に対する作用により媒介された細胞刺激および増殖の有利な効果を生じ続けることができ、それによって充填効果ばかりでなく、真皮の刺激および再活力化の生物学的効果が保証される。使用されるヒアルロン酸は、我々の生体に生理的に存在するものと極めて類似しており、使用される前に実施されるアレルギー試験さえも必要としない。
【0024】
リポソーム類は、天然または合成起源の1本または複数本で飽和または不飽和の直鎖または分枝鎖を有し得る親水性部分および親油性部分により構成された脂質により形成される。
【0025】
生体液中のリポソーム、または所望の効果を有する分野の専門家に知られているいずれの他の要素をも安定化させるコレステロールなど他の要素が添加できる。
【0026】
適切な例において、最も一般に使用される物質は、2本以上の親油性側鎖を有するものである。純粋に例示的目的で、前記のものに限定されることなく、10個から30個の間の炭素原子を有する2つの飽和及び/又は不飽和脂肪酸を含有する親油性カチオン鎖、四級アミン類、アシル基が8個から30個の間の炭素原子を含有する四級ジメチルジアシルアミン類を有する脂肪酸類の塩類を、我々は述べることができる。さらなる例としては、文献Fasbenderら、Am J Physiol、1995年、269:L45−L51頁;Solodinら、Biochemistry、1995年、34:13537−13544頁;Felgnerら、J Biol Chem、1994年、269:2550−2561頁;Stamatatosら、Biochemistry、1988年、27:3917−3925頁)に詳細に記載されている。
【0027】
非イオン性鎖の中で、例えば、10個から30個の間の炭素原子、およびアルコキシル化アミン類を有するグリセルジエステル類、ホスファチジン酸およびジパルミトイルホスファチジルグリセロールなどの負電荷リン脂質など、アニオン性側鎖の例を、我々は述べることができる。
【0028】
1本の非イオン性鎖を有する物質の例は、カプリン酸グリセリル、カプリレート、ヒドロキシステアレート、リソステアレート、ラノレート、ラウレート、リノレートなどの、鎖内に10個から30個の間の炭素原子を有するモノグリセリン酸エステル(monoglyceric ester)である。
【0029】
リポソーム類はまた、親油性鎖が、エーテル結合及び/又はエステル結合により結合されるポリオキシエチレン誘導体により構成できる。例示目的のために、セチルエーテルおよびステアリルエーテル、および3つから10の間のオキシエチレン単位を有するもの全て、ならびにそれらの誘導体を、我々は述べることができる。
【0030】
1本のアニオン鎖を有する物質としては、限定はしないが、オレイン酸などの脂肪酸およびホスファチジルセリンならびにホスファチジルグリセロールなどの1本鎖を有する負電荷リン脂質が挙げられる。
【0031】
最後に、リポソームは、天然かまたは合成起源のリン脂質により構成できる。天然リン脂質としては、卵ホスファチジルコリンのそれ自体、または水素化されたもの、ならびに大豆または他の植物源由来のリン脂質が挙げられる。
【0032】
合成リン脂質としては、ジラウロイルグリセロホスホコリン(DLPC)、ジミリストイルグリセロホスホコリン(DSPC)、パルミトイルオレオイルグリセロホスホ−コリン(POPC)、ホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ホスファチジルセリン、およびそれらの任意の可能な誘導体が挙げられる。既に文献に詳細に報告されており、本分野の技術専門家は、最も好適なものを選択できることから、目的のために好適であるリポソームを得るために作製できる可能な組合わせが多数あることは明瞭である。
【0033】
本明細書および特許請求の範囲によれば、リポソームと共に/その中にヒアルロン酸及び/又はその誘導体を構築することにより、多糖類はフリーラジカルによる攻撃に対する開放を少なくさせ、またヒアルロニダーゼの酵素的異化作用の傾向を少なくさせる。この結論は、リポソームと共に/その中に構築されたHA及び/又はその誘導体の種々の製剤の特定の試験後に到達した。それぞれの場合に調製された種々の製剤は、種々の力学的および生物学的挙動に対する貴重な構造的情報を得るために、最新式分光学的および顕微鏡技法により特性化される。流体力学的および分光学的測定は、種々の製剤に対して実施され、該脂質成分は、得られたリポソームの物理化学的特徴を調節するために変えられた。選択されたリン脂質の濃度は、0.1mg/mlと50mg/mlとの間、好ましくは0.5mg/mlと10mg/mlとの間、最も好ましくは5mg/mlに変えられた。多糖類に関して、0.1mg/mlと50mg/mlとの間、好ましくは5mg/mlと15mg/mlとの間、さらにより好ましくは約10mg/mlの範囲にあるHA及び/又はその誘導体の濃度を、我々は用いた。
【0034】
試験は、インビトロでのフリーラジカルおよび酵素による耐分解性および耐性時間を評価した。
【0035】
酵素耐性試験において、種々の製剤は、OHラジカル発生できるCu2+/アスコルベート系(炎症性組織の病態を模倣する)の作用に曝露させ、粘度測定は時間に関して成された。一般的に言うと、ヒアルロン酸及び/又はその誘導体の、同様の基礎的粘度を有するリポソームと共に/その中に構築されたか、または溶液中に遊離する製剤を出発すると、前者は、有意により一貫した粘度維持を呈した。ウシヒアルロニダーゼによる酵素的攻撃に曝された場合、同じ製剤は、一般的に上記のものを確認した。リポソームと共に/またはその中に構築されたHA及び/又は誘導体の製剤は、実際、対応するHA及び/又は溶液中の遊離の誘導体の製剤と比較すると、動的粘度において軽微な減少を受けた。
【0036】
全てこれは、現場で滞留時間の増加を説明し、したがって本明細書に記載され、特許請求された皮下移植により観察された引き締め効果の持続性を説明する。
【0037】
滞留時間に関する試験はまた、インビボモデルに対して実施された:本発明に従って調製されたHA及び/又は誘導体の好適な製剤および溶液中に遊離の製剤を、ウサギの関節に投与した。この部位は、滑液中のヒアルロニダーゼの濃度が豊富なため選択された。したがって、製剤は多糖類部分の分解に関して、極度の状況に曝された。リポソーム製剤の場合、この結果は、投与1日後に外因性HA濃度のピークを示し、3日後にベースライン値に戻り、7日目と14日目に値が増加し、放出系に典型的な一定傾向を示した。それとは逆に、溶液中にHA及び/又は遊離誘導体を含有する製剤は、進行的かつ急速に酵素により消費され、短時間で外因性の過剰物の消失に至った。
【0038】
この結果の解析から、リポソーム構造は、以下の効果の組合せにより現場で該生成物が残留できることを見ることができる、すなわち
−力学的タイプの作用:一貫して形成されるマクロ構造は、該生成物が投与された直後に活性し始める酵素およびフリーラジカルの異化作用を遅らせる。
−遮蔽作用:リポソームは、循環フリーラジカルの標的となり、リポソーム内の多糖類がまた、ヒアルロニダーゼにより分解され得る前に、リポソーム自体が破壊されなければならない。
−移植部位におけるHA及び/又はその誘導体の存在持続性;リポソーム内外のHA及び/又はその誘導体の存在は、CD44受容体との遅延相互作用を可能にし、したがって、真皮を構成する線維芽細胞の移送および増殖に対する活性を、より一貫して刺激する。これは、治療領域の有意に改善された外観に対して寄与し、より赤味があり、より円滑な再活力を賦与する。
【0039】
したがって、前述のことにより、多糖類がリポソームの内外双方に見ることができるように、リン脂質リポソームと共に/その中に構築されるHA及び/又はその誘導体により構成される生体再吸収充填剤は、
−リポソームの外側の多糖類により、引き締めおよび細胞刺激の効果の即時発現
−該生成物の皮下注入後の現場残留の持続性、
を可能にすることを立証し、したがって、矯正手術および軟組織用の充填剤による皮膚欠損のための皮膚化粧品分野における当業界の現状の限界を克服する。
【0040】
ウサギの関節で得られた結果により、さらに、本発明の主題である生成物のさらなる重要な適用を示唆する。実際、多糖類が中等度分子量(500,000Daと750,000Daとの間)または高分子量(1,500,000Da超)のヒアルロン酸またはその誘導体、好ましくは、中等度分子量のヒアルロン酸の部分的メチルプレドニゾロンエステル(簡単にするため、HYC141)である場合、生じた製剤は、関節炎の関節内への注入により投与される場合、
−リポソームの潤滑効果
−コルチゾン誘導体の薬理作用による坑炎症性効果
−HA及び/又はその誘導体の粘度補足効果
−上記のIL−1の阻害作用により媒介される関節軟骨の完全性に対するHA及び/又はその誘導体の保護効果
−関節疾患の結果変えられる滑液の組込み及び/又は代替効果、
を有効に開発するであろう。
【0041】
コルチゾン誘導体により修飾された多糖類は、リポソーム構造の外側のその濃度により即時作用を有し、一旦分解されたらリポソームからその進行性の放出による遅延効果を有する。したがって、本明細書に特許請求された製剤の力学的および薬理学的効果は、上記の試験により立証された関節腔内の製剤の長い残留時間により増幅される。
【0042】
したがって、この適用に関してもまた、既に公知のものと著しく異なる生成物が得られ、関節症タイプの疾患の使用に特に好適である。
【0043】
リポソームの特殊な機能に鑑みて、本明細書に記載された製剤と、生物学的及び/又は薬理学的に活性な物質とを会合させることは可能である。
【0044】
前述のことを支持するために、また純粋に説明目的のために、我々は、以後にリン脂質リポソームと共に/その中に構築されたHA及び/又はその誘導体に基づき、製剤調製の幾つかの実施例を報告する。
【実施例】
【0045】
1.リン脂質リポソームおよび中等度分子量のヒアルロン酸ナトリウム塩を含有する製剤の調製
1.1 リポソームの調製
この製剤を、古典的脂質薄膜法により調製する。
【0046】
150mgのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を、100mlのガラスフラスコに入れ、10mlのクロロホルムに溶解し、短時間振とうする。次に、薄いリン脂質膜がフラスコの内面上に得られるまで、有機溶媒を、20℃から30℃の間の範囲の温度の低圧に設定された回転式エバポレーターを用いて除去する。クロロホルムの残渣は、室温で約12時間真空蒸発することにより除去する。次いでDPPCの薄膜を、激しく振とうしながら、10mlのpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)0.2Mを加えることによって再水和する。得られた懸濁液は、6回の凍結−解凍サイクルを受けて、最初に液体窒素中フラスコを浸し、次いで50℃に設定された恒温槽に浸す。次に生じた製剤は、200nmのポアサイズを有するポリカーボネートフィルターを通して10回押出す。
【0047】
1.2 HA(MW 720,000Da)の構築
発酵源の300mgのヒアルロン酸ナトリウム塩を、室温で15mlのpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)0.2Mに2〜4時間溶解する。次にこのヒアルロン酸溶液とリン脂質の懸濁液とを混合し、生じた溶液に、5mlのpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)0.2Mを添加し、DPPC中の最終濃度が5mg/ml、およびヒアルロン酸ナトリウム塩を10mg/mlにする。この混合物を約30分間緩やかに攪拌し、最後に50℃に設定されたオーブン中で48時間インキュベートする。
【0048】
この混合物のアリコート1セットを、−80℃の温度で2〜4時間凍結し、次いで48〜72時間凍結乾燥する。脱イオン水を添加し、短時間緩やかに攪拌した後、溶解させて、固体検体をその最初の容量に再構成する。
【0049】
2.リン脂質リポソームおよび高分子量のヒアルロン酸ナトリウム塩を含有する製剤の調製
2.1 リポソームの調製
このリポソームを、項目1.1に記載されたとおり調製する。
【0050】
2.2 HA(MW 1,800,000Da)の構築
発酵源の300mgのヒアルロン酸ナトリウム塩を、室温で15mlのpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)0.2Mに2〜4時間溶解する。次にこのヒアルロン酸溶液とリン脂質の懸濁液とを混合し、生じた溶液に、5mlのpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)0.2Mを添加し、DPPC中の最終濃度が5mg/ml、およびヒアルロン酸ナトリウム塩を10mg/mlにする。この混合物を約30分間緩やかに攪拌し、最後に50℃に設定されたオーブン中で48時間インキュベートする。
【0051】
この混合物のアリコート1セットを、−80℃の温度で2〜4時間凍結し、次いで48〜72時間凍結乾燥する。脱イオン水を添加し、短時間緩やかに攪拌した後、溶解させて、固体検体をその最初の容量に再構成する。
【0052】
3.リン脂質リポソームおよび中等度分子量のヒアルロン酸ナトリウム塩の部分的メチルプレドニゾロンエステルを含有する製剤の調製
3.1 リポソームの調製
このリポソームを、項目1.1に記載されたとおり調製する。
【0053】
3.2 HAのメチルプレドニゾロンエステルの構築
約45%のカルボキシ基が6α−メチルプレドニゾロンによりエステル化されている一方、残りの55%がナトリウム塩の形態にあるヒアルロン酸ナトリウム塩のメチルプレドニゾロンエステル(ヒアルロン酸の分子量、720,000Da)150mgを、リン酸緩衝液(PBS)0.2M、pH7.4の15ml中に室温で2〜4時間溶解させる。次いで、ヒアルロン酸エステル溶液とリン脂質の懸濁液を混合し、得られた溶液に、最終濃度が16mMのDPPCおよび5mg/mlのヒアルロン酸ナトリウム塩エステルになるように、5mlのリン酸緩衝液(PBS)0.2M、pH7.4を添加する。この混合物を、約30分間静かに攪拌し、最後に、50℃で2時間、オーブンセット内でインキュベートする。この混合物のアリコート1セットを−80℃の温度で2〜4時間凍結してから、48〜72時間凍結乾燥する。脱イオン水を添加し、短時間緩やかに攪拌した後、溶解させて、固体検体をその最初の容量に再構成する。
【0054】
4.リン脂質リポソームおよび中等度分子量ヒアルロン酸のナトリウム塩部分的ヘキサデシルアミドを含有する製剤の調製
4.1 リポソームの調製
リポソームは項目1.1に記載されたとおりに調製する。
【0055】
4.2 HAのアミド誘導体の構築
約3%のカルボキシ基がヘキサデシルアミンによってアミド化されており、残りの97%がナトリウム塩の形態にある、発酵によって得られたヒアルロン酸ナトリウム塩のアミド(ヒアルロン酸の分子量、720,000Da)120mgを、リン酸緩衝液(PBS)0.2M、pH7.4の15ml中、室温で2〜4時間、水和させ、このようにして得られた懸濁液をT=121℃で10分間、オートクレーブした。次いで、ヒアルロン酸アミドの溶液とリン脂質の懸濁液を混合し、得られた溶液に、最終濃度が16mMのDPPCおよび4mg/mlのヒアルロン酸ナトリウム塩アミドになるように、5mlのリン酸緩衝液(PBS)0.2M、pH7.4を添加する。
【0056】
この混合物を、約30分間緩やかに攪拌し、最後に、50℃で48時間、オーブンセット内でインキュベートする。
【0057】
この混合物のアリコート1セットを−80℃の温度で2〜4時間凍結してから、48〜72時間凍結乾燥する。脱イオン水を添加し、短時間緩やかに攪拌した後、溶解させて、固体検体をその最初の容量に再構成する。
【0058】
5.リン脂質リポソームおよび低分子量のO−硫酸化ヒアルロン酸ナトリウム塩を含有する製剤の調製
5.1 リポソームの調製
リポソームは項目1.1に記載されたとおり調製する。
【0059】
5.2 HAのO−硫酸化誘導体の構築
約75%のヒドロキシル基が硫酸化されており、残りの25%が変わらずにヒドロキシル基の形態にある、300mgの硫酸化ヒアルロン酸ナトリウム塩(ヒアルロン酸の分子量、170,000Da)を、リン酸緩衝液(PBS)0.2M、pH7.4の15ml中、室温で2〜4時間、溶解させる。引き続き、硫酸化ヒアルロン酸溶液とリン脂質の懸濁液を混合し、得られた懸濁液に、最終濃度が16mMのDPPCおよび10mg/mlの硫酸ヒアルロン酸ナトリウムになるように、5mlのPBS 0.2M、pH7.4を添加する。
【0060】
この混合物を、約30分間静かに攪拌してから、50℃のオーブン内でインキュベートする。
【0061】
この混合物のアリコート1セットを−80℃の温度で2〜4時間凍結してから、48〜72時間凍結乾燥する。脱イオン水を添加し、短時間緩やかに攪拌することにより溶解させて、固体サンプルをその最初の容量に再構成する。
【0062】
このように本発明を記載しているが、これらの方法が種々の仕方で修飾できることは明白である。このような修飾を本発明の精神および目的からの逸脱として考えるべきではなく、該分野の専門家にとって明白と思われる任意の修飾が以下の特許請求の範囲内に入る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟組織充填剤として及び/又は皮膚欠損の矯正のために、リポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項2】
前記ヒアルロン酸の分子量が、50,000Da〜3×106Daの範囲である請求項1に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項3】
前記ヒアルロン酸誘導体が、塩類、エステル類、分子内エステル類、アミド類、O−硫酸化誘導体、ペルカルボキシル化誘導体からなる群から選択される請求項1に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項4】
前記ヒアルロン酸誘導体が、ヘキサデシルアミドである請求項3に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項5】
前記ヒアルロン酸及び/又はその誘導体の濃度が、0.1mg/ml〜50mg/mlの範囲である請求項1に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項6】
前記リポソームが、リン脂質により構成される請求項1に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項7】
前記リン脂質が、ジパルミトイルホスファチジルコリンである請求項6に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項8】
前記リン脂質の濃度が、0.1mg/ml〜50mg/mlの範囲である請求項7に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項9】
前記リン脂質の濃度が、5mg/mlに等しい請求項8に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体。
【請求項10】
軟組織充填剤として及び/又は皮膚欠損の矯正のために、請求項1〜9のいずれか一項に記載のリポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸及び/又はその誘導体を含有する医薬組成物。
【請求項11】
薬理学的に及び/又は生物学的に活性な物質を含有する請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
皮膚欠損の矯正のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
軟組織充填剤としての、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項14】
リポソームと共に/その中に構築されたヒアルロン酸またはその誘導体を含有する、骨関節症の関節内治療における滑液の組込み/代替用の医薬組成物。
【請求項15】
前記ヒアルロン酸誘導体が、メチルプレドニゾロンエステルである請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記ヒアルロン酸が、6α−メチルプレドニゾロンにより45%程度エステル化される請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
骨関節症病態の関節内治療における滑液に対する組込み物/代替物としての請求項15又は16に記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2008−540588(P2008−540588A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511584(P2008−511584)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003898
【国際公開番号】WO2006/122638
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507382979)フィディア ファルマチェウティチ ソシエタ ペル アチオニ (4)
【Fターム(参考)】