説明

リン酸塩を除去する方法およびそれに使用される重合体

高リン血症および血清中の高リン酸塩濃度に関連する他の疾病を治療するための重合体およびそのような重合体を利用する組成物が開示される。リン酸塩結合重合体、または該重合体の薬学的に許容される塩は、該重合体の骨格から延びるペンダント基を含む。各ペンダント基は、リン酸塩を結合させる少なくとも二つの窒素含有官能基を含む。そのような重合体および組成物の変型例が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2005年9月2日出願の米国仮特許出願第60/713,991号および2005年11月8日出願の第60/734,462号の恩典を主張する。
【0002】
上記出願が示す内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
背景
高リン血症はしばしば腎機能の不全、副甲状腺機能低下、および他の特定病状に関連する疾患を伴う。高リン血症は一般に、約6mg/dL以上の血中リン酸塩濃度を保有すると定義される。この状態が長期間存続すると、特にカルシウムおよびリンの代謝に重度の異常を招き、関節、肺、および眼に異常な硬化を呈することがある。
【0004】
血清リン酸塩を下げるための治療法には、透析、リン酸塩の食事制限、および消化管吸収を低下させるための不溶性リン酸塩結合剤の経口投与が含まれる。一般に、透析およびリン酸塩の食事制限では高リン血症を適切に改善することはできない。さらに、これらの治療内容は、前者においては透析の侵襲的性質、後者においては食習慣の修正が困難という問題がある。
【0005】
特定のリン酸塩結合剤の経口投与も提案されている。リン酸塩結合剤は、カルシウム塩またはアルミニウム塩を含む。カルシウム塩は、腸リン酸塩を結合させて吸収を抑えるために広く使用されている。摂取されたカルシウムはリン酸塩と結合し、Ca3(PO4)2、CaHPO4、またはCa(H2PO4)2などの不溶性カルシウムリン酸塩を形成する。リン酸塩結合には、炭酸カルシウム、酢酸(PhosLo(R)酢酸カルシウム錠)、クエン酸、アルギニン酸、およびケト酸塩を含む様々なカルシウム塩が利用されている。一般にこの類の治療法は、摂取されたカルシウムが大量に吸収されて高カルシウム血症を引き起こす。高カルシウム血症は、心不整脈、腎不全、および皮膚や内蔵の硬化など多くの深刻な副作用を示している。カルシウム系リン酸塩結合剤を用いた治療中は、血中カルシウム濃度を頻繁に監視する必要がある。
【0006】
またAmphojel(R)水酸化アルミニウムゲルなどのアルミニウム系リン酸塩結合剤も高リン血症の治療に使用されている。これらの化合物は腸リン酸塩と複合して、高不溶性のアルミニウムリン酸塩を形成する。結合リン酸塩は患者による吸収には使用できない。アンモニウムゲルの長期使用はアルミニウムの蓄積につながり、しばしば脳症、骨軟化症、および筋疾患などの症状を伴うアルミニウム中毒を引き起こす。
【0007】
選択されたイオン交換樹脂をリン酸塩結合において使用することも提案されている。試験済みのイオン交換樹脂には、XF43311、XY40013、XF43254、XY40011、およびXY40012などの塩化物の形をとるDowex(R)アニオン交換樹脂が含まれる。これらの樹脂は高リン血症の治療に対して幾つかの欠点がある。例えば、結合効率が悪いこと、リン酸塩の吸収量を大幅に低下させるには高投与量を使用する必要があることなどが含まれる。
【0008】
塩酸セベラマー(米国特許第5,667,775号(特許文献1)において開示)などの特定のアニオン交換重合体は、高い血中リン酸塩濃度を下げることができるリン酸塩抑制剤としての有効性を示している。塩酸セベラマーはペンダント基を有する重合体を含む。ペンダント基は重合体から延び、単一のアミノ基を有する。このようなリン酸塩結合特性またはより好ましい特性を有する新しい重合体の開発が望まれる。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,667,775号
【発明の開示】
【0010】
概要
本明細書は新規のリン酸塩結合重合体を開示する。これらの重合体は重合体骨格から延びる複数の基を含む。このペンダント基は、リン酸塩を結合させる一つ以上(例えば、二つ、三つ、四つまたはそれ以上)の窒素含有官能基を含む。本明細書に開示される幾つかの重合体は、リン酸塩結合基の密度を高め、リン酸塩結合を促進するように配列された基を提供する。
【0011】
本発明の一態様は、リン酸塩結合重合体またはその薬学的に許容される塩である。重合体は、骨格から延びるペンダント基を含む。ペンダント基は、リン酸塩を結合させる少なくとも二つ(好ましくは少なくとも三つ)の窒素含有官能基を含む。
【0012】
本発明の好ましい態様において、リン酸塩結合重合体のペンダント基は、少なくとも三つの窒素含有官能基を含む。複数の窒素含有官能基はリン酸塩を結合させる。各ペンダント基は構造式(I)によって表される。

【0013】
構造式(I)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0014】
Rによって表される各基は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0015】
は共有結合、カルボニル、Ar、Ar‐T、T、O-T、S-T、C(O)‐T、C(O)O‐T、C(O)S‐T、またはC(O)N(R)‐Tである。
【0016】
Arは置換されていてもよいアリーレン基である。
【0017】
は水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基である。
【0018】
は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基である。
【0019】
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基である。
【0020】
NRは総合してアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香、または少なくとも二つの環アミンまたはアンモニウム基を含む架橋二環非芳香環である。
【0021】
あるいは、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、RはY‐Cyである。
【0022】
また別の代替物において、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、Rは構造式(Ia)によって表される。さらに別の代替物において、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、RはTがO‐Tである場合は構造式(Ia)によって表され、Tが共有結合、カルボニル、T、S‐T、C(O)‐T、C(O)O‐T、C(O)S‐T、またはC(O)N(R)‐Tである場合は構造式(Ib)によって表される。

【0023】
XはC‐R、NまたはN(R)である。
【0024】
は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である。
【0025】
YはXがC‐Rである場合、共有結合または置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C10アルキレン基であり、XがNまたはN(R)である場合、置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC2‐C10アルキレン基である。
【0026】
はXがC‐Rである場合はアルキル基またはアリール基であって、この基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換され、XがNまたはN(R)である場合は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である。
【0027】
10は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である。Rの唯一の値が構造式(Ia)によって表される基である場合、Tはカルボニルであり、R10はアルキルまたはアリール基であって、この基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換される。
【0028】
12およびR13はそれぞれ独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。
【0029】
は共有結合または置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基である。
【0030】
Cyはアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環である。
【0031】
本発明の別の態様は、そのような治療を必要とする対象からリン酸塩を除去する方法である。この方法は、本明細書において開示される有効量のリン酸塩結合重合体または該重合体の薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含む。
【0032】
本発明の別の態様は、薬学的に許容される担体または希釈剤、および本明細書に記載のリン酸塩結合重合体、または本明細書に記載される重合体の薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を対象とする。この薬学的組成物は、例えば高リン血症患者の治療などを含む薬物療法に使用される。
【0033】
本明細書のさらに別の態様は、開示されたリン酸塩結合重合体を高リン血症患者の治療薬製造に使用することである。
【0034】
詳細な説明
開示されたリン酸塩結合重合体は、リン酸塩アニオンと相互作用するよう調整された複数の窒素含有官能基を含む。窒素含有官能基の配置によって、リン酸塩結合剤の密度を高め、結合剤が結合力および効率を高めることができるようにする。
【0035】
開示されたリン酸塩結合重合体は、重合体の骨格から延びるペンダント基を含む。各ペンダント基は、リン酸塩を結合させる少なくとも二つの窒素含有官能基を含む。好ましくは、各ペンダント基は少なくとも三つの窒素含有官能基を含む。複数(例えば、少なくとも三つ)の窒素含有官能基はリン酸塩を結合させる。好ましくは、各ペンダント基は構造式(I)によって表される。

【0036】
構造式(I)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0037】
Rによって表される各基は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。Rによって表されるアルキル基に適した置換基は、以下に一般にアルキル基について記載されるとおりである。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシまたはC1‐C3ハロアルコキシである。好ましくは、Rは水素またはアルキル基、より好ましくは水素である。
【0038】
は共有結合、カルボニル、Ar、Ar‐T、T、O‐T、S-T、C(O)‐T、C(O)O‐T、C(O)S‐T、またはC(O)N(R)‐Tである。好ましくは、TはO‐TまたはTあるいは両方である。あるいは、TはArまたはAr‐Tあるいは両方である。また別の代替物において、Tは共有結合、Ar‐T、またはC1‐C5アルキレン基である。さらに別の代替物において、TはC(O)‐Tである。またさらに別の代替物において、TはO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tである。
【0039】
Arは置換されていてもよいアリーレン基である。好ましくは、Ar置換されていてもよいフェニレン基、置換されていてもよいピリジレン、または両方である。Arによって表されるアリーレン、フェニレン、およびピリジレン基に対する好ましい置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。さらに好ましくは、Arはフェニレン基またはピリジレン基である。
【0040】
は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基である。このアリーレン(またはフェニレン)基に対する適切な置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。Tによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシまたはC1‐C3ハロアルコキシを含む。好ましくは、Tは(CHであり、式中、jは1、2、3、4、または5であるか、あるいはjは1、2、または3である。
【0041】
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基である。Tによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。好ましくは、Tは(CHであり、式中、kは2、3、4、または5であるか、あるいはkは2または3である。
【0042】
は水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基である。Rによって表されるアルキル基に対する適切な置換基は、以下に記載されるように、一般にアルキル基に対するものである。好ましい置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。好ましくは、Rは水素またはC1‐C3アルキル基である。
【0043】
NRは総合して、アミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環、または少なくとも二つの環アミンまたはアンモニウム基を含む架橋二環非芳香環である。
【0044】
あるいは、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、RはY‐Cyである。Rによって表されるアルキルまたはアリール基に対する適切な置換基は、以下に記載されるように、一般に適切なアルキルおよびアリール基置換基を提供する。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。
【0045】
また別の代替物において、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、Rは構造式(Ia)によって表される。さらに別の代替物において、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、RはTがO‐Tである場合は構造式(Ia)によって表され、Tが共有結合、カルボニル、T、S‐T、C(O)‐T、C(O)O‐T、C(O)S‐T、またはC(O)N(R)‐Tである場合は構造式(Ib)によって表される。

【0046】
XがNまたはN(R)である場合、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、XがC‐Rである場合はアルキル基またはアリール基であって、この基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換される。Rによって表されるアルキル基およびアリール基に対する適切な置換基は、以下に記載されるように、一般にアルキルおよびアリール基に対するものである。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。好ましくは、Rはアミンまたはアンモニウム基で置換されたアルキル基である。より好ましくは、各Rは独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。
【0047】
が構造式(Ia)によって表される基でありTがカルボニルである場合、R10はアルキルまたはアリール基である。この基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換される。そうでない場合、R10は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である。R10によって表されるアルキル基およびアリール基に対する適切な置換基は、以下に記載されるように、一般にアルキルおよびアリール基に対するものである。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。好ましくは、XがNまたはN(R)である場合、R10は水素または置換されていてもよいアルキル基であり、XがC‐Rである場合はアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。さらに好ましくは、各R10は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。
【0048】
12およびR13はそれぞれ独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。
【0049】
XはC‐R、NまたはN(R)である。
【0050】
は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール(好ましくはフェニル)基である。Rで表されるアルキルまたはアリール基に対する適切な置換基は、以下に記載されるように、一般にアルキル基およびアリール基の置換基である。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。好ましくは、Rは水素、アルキル基、またはフェニル基である。より好ましくは、Rは水素である。
【0051】
XがC‐Rである場合、Yは共有結合、または置換されていてもよいアリーレン(好ましくはフェニレン)基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C10アルキレン基であり、XがNまたはN(R)である場合は置換されていてもよいアリーレン(好ましくはフェニレン)基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC2‐C10アルキレン基である。このアリーレン(またはフェニレン)基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。Yによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。好ましくは、YはXがC‐Rである場合はC1‐C5アルキレン基であり、XがNまたはN(R)である場合はC2‐C5アルキレンである。
【0052】
は共有結合または置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基である。Yによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。
【0053】
Cyはアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環である。
【0054】
本発明の第一の好ましい態様において、リン酸塩結合重合体のペンダント基は構造式(II)によって表される。

【0055】
構造式(II)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。構造式(II)の変数に対する定義および好ましい定義は、構造式(I)に対して記載のとおりである。
【0056】
好ましくは構造式(II)の場合、変数の定義は以下に記載される。
【0057】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0058】
はアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基であり、R10はXがNまたはN(R)である場合は水素または置換されていてもよいアルキル基であり、XがC‐Rである場合はアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。より好ましくは、RおよびR10はそれぞれ独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である。構造式(II)における残りの変数に関する定義および好ましい定義は、構造式(I)に対して記載のとおりである。
【0059】
本発明の第二の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体のペンダント基は構造式(IIa)によって表される。

【0060】
構造式(IIa)および(IIb)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0061】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0062】
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。R14によって表されるアルキル基に対する適切な置換基は、以下に記載のとおり、一般にアルキル基に対するものである。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。あるいは、R14は水素である。
【0063】
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である。XおよびXによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。あるいは構造式(IIa)に関して、XおよびXはそれぞれ独立してC1‐C5アルキレン基である。構造式(IIb)に関する代替物において、XおよびXはそれぞれ独立してC2‐C5アルキレン基である。さらに別の代替物において、XおよびXはそれぞれ(CHであり、式中、jは1、2、3、4、または5(構造式(IIa)の場合)、jは2、3、4、または5(構造式(IIb)の場合)、jは1、2、または3(構造式(IIa)の場合)、あるいはjは2または3(構造式(IIb)の場合)である。
【0064】
構造式(IIa)および(IIb)における残りの変数に関する定義および好ましい定義は、構造式(I)に関する記載のとおりである。
【0065】
より好ましくは、構造式(IIa)および(IIb)における各アミンは独立して水素で4級化されてもよい。さらに好ましくは、構造式(IIa)の場合はC1‐C5アルキレン基であり、構造式(IIb)の場合はC2‐C5アルキレンであって、XおよびXは独立して構造式(IIa)の場合はC1‐C5アルキレン基であり、構造式(IIb)の場合はアルキレンである。さらに好ましくは、Yは構造式(IIa)の場合はC1‐C5アルキレン基であり、構造式(IIb)の場合はC2‐C5アルキレンであって、Rは水素、R14は水素である。
【0066】
本発明の第三の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は(IIc)‐(IId)から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む。

【0067】
上記構造式(IIc)および(IId)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0068】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0069】
18は水素またはC1‐C5アルキル基である。あるいは、R18は水素またはメチル基である。また別の代替物において、R18はメチル基である。
【0070】
前記構造式における変数に関する定義および好ましい定義は、構造式(IIa)および(IIb)に関する記載のとおりである。
【0071】
好ましくは、R14は水素であり、構造式(IIc)および(IId)の各アミンは独立して水素で4級化されてもよい。
【0072】
より好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は、(IIe)‐(IIl)から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む。



【0073】
前記構造式における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0074】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0075】
各Vは独立してNまたはCHである。
【0076】
上記構造式における残りの変数に関する定義および好ましい定義は、構造式(IIc)および(IId)に関して記載のとおりである。好ましくは、R14は水素であり、上記構造式の各アミンは独立して水素で4級化されてもよい。
【0077】
さらに一層好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は、構造式(IIm)‐(IIt)から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む。


【0078】
構造式(IIm)‐(IIt)における変数は以下のように説明される。
【0079】
18は水素またはメチル基である。
【0080】
各VはNまたはCHである。
【0081】
各アミンは独立して水素で4級化されてもよい。
【0082】
各jは独立して1、2、3、4、または5である。
【0083】
各kは独立して2、3、または4である。
【0084】
環A‐Cは置換されていてもよい任意の置換可能環炭素原子である。各環の置換基はそれぞれ他の置換基から個別に選択される。適切な置換基は、以下に記載されるとおり、一般に適切なアリール環置換基を提供する。
【0085】
本発明の第四の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は構造式(III)によって表されるペンダント基を含む。

【0086】
構造式(III)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0087】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0088】
10は水素またはX‐N(R14あるいはX‐N(R14である。
【0089】
は置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基である。Xによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。
【0090】
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。R14で表されるアルキル基に対する適切な置換基は、以下に記載されるとおり、一般にアルキル基に対するものである。好ましい置換基はC1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。好ましくは、各R14は独立して水素またはアルキル基である。
【0091】
構造式(III)における変数に関する残りの好ましい定義は、構造式(II)に関して記載されるとおりである。
【0092】
より好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は構造式(IV)によって表されるペンダント基を含む。

【0093】
構造式(IV)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0094】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0095】
YおよびXは独立して(CHであり、jは2、3、または4である。またTおよび残りの変数に関する定義および好ましい定義は、構造式(III)において記載されるとおりである。Tは好ましくは‐C(O)N(R)‐T‐以外であり、例えば、構造式(IV)によって表されるペンダント基は重合アクリルアミド以外の重合モノマーの一部である。
【0096】
さらに好ましくは、重合体は以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む。

式中、kは1、2、3、4、または5であり、mは2または3である。前記構造式における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、Rは好ましくは水素である。
【0097】
本発明の第五の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は構造式(V)によって表されたペンダント基を含む。

【0098】
構造式(V)の各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0099】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0100】
Cy1は3〜7炭素原子を有する窒素含有非芳香環である。
【0101】
各R16は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である。
【0102】
は構造式(I)に関する記載のとおりである。
【0103】
より好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は、以下の構造式のいずれかによって表される繰り返し単位を含む。

式中、jは1、2、3、または4である。前記構造式における各アミンはRで4級化されてもよい。各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、好ましくは、水素またはアルキルであり、より好ましくは水素である。
【0104】
本発明の第六の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は、構造式(VI)によって表されたペンダント基を含む。

【0105】
構造式(VI)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0106】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0107】
およびZはそれぞれ独立してアミン基またはアンモニウム基である。
【0108】
Cy2およびCy3はそれぞれ独立して二つの環窒素原子を有する5、6、または7員非芳香環である。
【0109】
は構造式(I)に関して記載のとおりである。
【0110】
好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は、以下の構造式によって表される繰り返し単位を含み、

式中、前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である。
【0111】
本発明の第七の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は構造式(VIa)によって表されるペンダント基を含む。

【0112】
構造式(VIa)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0113】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0114】
構造式(VIa)におけるCy4は、3〜7個の炭素原子を有する非芳香環である。
【0115】
各R18は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である。
【0116】
およびRは構造式(I)に関する記載のとおりである。
【0117】
好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は、以下の構造式のいずれかによって表される繰り返し単位を含む。

【0118】
前記構造式における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0119】
各Rおよび各Rは独立してC1‐C3アルキルまたは水素である。
【0120】
本発明の第八の好ましい態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は、構造式(VII)および(VIII)のいずれかによって表される。


【0121】
構造式(VII)および(VIII)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0122】
Rによって表される各基は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。好ましくは、Rは水素またはアルキル基であり、より好ましくは水素である。
【0123】
は水素またはメチル基である。
【0124】
各R17は独立して水素または置換されていてもよいC1‐C5アルキル基である。R17によって表されるアルキル基に対する適切な置換基は、以下に記載されるとおり、一般にアルキル基に対するものである。好ましい置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミン、アンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシである。好ましくは、各R17は独立して水素またはC1‐C5アルキル基である。
【0125】
は共有結合、カルボニル、Ar、Ar‐T、T、O‐T、S-T、C(O)‐T、C(O)O‐T、C(O)S‐T、またはC(O)N(R)‐Tである。好ましくは、TはO‐TまたはTあるいは両方である。あるいは、TはArまたはAr‐Tあるいは両方である。また別の代替法において、Tは共有結合、Ar‐T、またはC1‐C5アルキレン基である。好ましくは、各Tは同一である。
【0126】
は、置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基である。このアリーレン(またはフェニレン)基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。Tによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。好ましくは、Tは(CHであり、式中、jは1、2、3、4、または5であるか、あるいはjは1、2または3である。
【0127】
XはC‐R、NまたはN(R)である。
【0128】
は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール(好ましいフェニル)基である。Rによって表されるアルキルまたはアリール基に対する適切な置換基は、一般にアルキルおよびアリール基置換基に関する記載において提供される。好ましくは、Rは水素、アルキル基、またはフェニル基である。より好ましくは、Rは水素である。
【0129】
各YはXが窒素である場合は独立して置換されていてもよいC2‐C5アルキレンであり、XがC‐Rである場合は置換されていてもよいC1‐C5アルキレンである。Yによって表されるアルキレン基に対する適切な置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。別の代替法において、各Yは独立して(CHであり、式中、kは1、2、3、4、または5であるか、あるいはkは2、3、4、または5である。また別の代替法において、各Yは同一である。
【0130】
第九の態様において、開示されたリン酸塩結合重合体のペンダント基は構造式(IX)によって表される。

ペンダント基における各アミンは、水素またはアルキル基で4級化されてもよい。構造式(IX)における変数は、構造式(II)において定義されるとおりである。より好ましくは、リン酸塩結合重合体は構造式(X)によって表されるペンダント基を含む。

【0131】
構造式(X)における各アミンは独立してRで4級化されてもよい。
【0132】
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である。
【0133】
各jは独立して2または3である。
【0134】
はAr、Ar‐T、O‐T、S-T、C(O)‐T、C(O)O‐T、C(O)S‐T、またはC(O)N(R)‐Tである。残りの変数は、構造式(II)に関して定義されるとおりである。構造式(IX)または(X)によって表されるペンダント基を有するリン酸塩結合重合体は、例えば、重合スチレン(Tはフェニレン)、重合ビニルアルコール(TはO)、または重合エピクロロヒドリン(TはCH)であってよい。好ましくは、重合体は均一な共重合体または単独重合体である。
【0135】
さらに好ましくは、リン酸塩結合重合体は構造式(Xb)‐(Xe)から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む。

【0136】
構造式Xb‐Xeにおける各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、各jは独立して2または3である。
【0137】
第十の好ましい態様において、リン酸塩結合重合体は(XI)‐(XIII)から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む。

各R**は、Tが構造式(XI)および(XII)の場合アルキレン基であるか、構造式(XIII)の場合共有結合またはアルキレン基である場合、独立して構造式(III)、(IV)、(IX)、または(X)によって表される。好ましくは、R**は以下の構造式によって表される。

各jは独立して2または3である。
各kは独立して1、2、3、4、または5である。
繰り返し単位における各窒素原子は、水素またはアルキル基で4級化されてもよい。
【0138】
別の態様において、開示されたリン酸塩結合重合体は、構造式(XIV)によって表される繰り返し単位を含む。

【0139】
WはO、CHまたはNHである。
【0140】
30およびR31は、Tがアルキレン基である場合、構造式(III)、(IV)、(IX)、または(X)によって表される。R30およびR31は独立して選択される。
【0141】
開示されたリン酸塩結合重合体は、構造式(A)‐(G)のいずれか一つによって表される繰り返し単位を含み、次に重合体は共重合体であって第二繰り返し単位を含む。この第二繰り返し単位は、多官能リン酸塩結合ペンダント基を含み、リン酸塩を結合させる少なくとも二つおよび好ましくは三つの窒素含有官能基を含むペンダント基であると以下に定義される。この第二繰り返し単位は、構造式(A)‐(G)によって表されるものとは異なる。結果として、この第二繰り返し単位における多官能リン酸塩結合ペンダント基は、構造式(A)‐(G)のいずれか一つで描写される多官能リン酸塩結合ペンダント基に包含されない。この種の重合体は、二つの異なる多官能リン酸塩結合ペンダント基を含み、一つは構造式(A)‐(G)のいずれか一つで描写される多官能リン酸塩結合ペンダント基に包含され、もう一つは構造式(A)‐(G)のいずれか一つで描写される多官能リン酸塩結合ペンダント基に包含されない。より好ましくは、開示されたリン酸塩結合重合体は構造式(A)‐(G)のいずれか一つによって表される繰り返し単位を含まない。

式中、Aは共有結合、CHまたはC(O)のいずれかであり、Rはアルキルアミンまたはアルキルアンモニウム基である。R1Aはポリアルキレンイミンである。RおよびRはそれぞれ独立して水素、アルキル基、アルキルアミノ基、またはアリール基である。Rはアルキルアンモニウム基であり、Rは水素、または置換されていてもよいアルキル基,、あるいは置換されていてもよいアリール基である。代替的に、あるいは追加で、開示されたリン酸塩結合重合体は、ポリ(トリス(2‐アミノエチル)アミン‐アクリルアミド)およびポリエピクロロヒドリン/トリス(2‐アミノエチル)アミンのいずれかではない。さらに、開示された発明は骨格に炭素、水素、および酸素のみを有する重合体を提供する(窒素は骨格に含まれない)。加えて、前記重合体の骨格は、Changらの米国出願2005/0096438において開示される基のような近接ジアミン基、近接ジアンモニウム、近接ジアミノアルキル基(‐アルキル‐アミン)、または近接ジアンモニウムアルキル基(‐アルキル‐アンモニウム)を含まない。この米国出願の全ての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。「近接ジアミンまたはジアンモニウム」は、重合体の骨格において隣接する炭素原子に結合された二つのアミンまたはアンモニウム基を示す。「近接ジアミノアルキルまたはジアンモニウムアルキル」は、重合体において隣接する炭素原子上の二つのアミノアルキルまたはアンモニウムアルキル基を示す。
【0142】
本出願を通して使用される「重合体」という用語は、繰り返し単位または重合モノマー単位を含む分子構造を含む化合物を示す。「骨格」という用語は、重合の際にモノマー間に形成される結合を含む連続した鎖である重合体の一部を示す。重合体の骨格の構成は、重合体の骨格から離れた分岐または側鎖の構成とは関係なく記載される。そのため、ポリ(アクリルアミド)重合体は、重合体側鎖の構成要素であるアクリルアミド基に関係なく、ポリエチレン骨格を有すると言われている。ポリ(ジアリルアミン)の構造は以下のように示される。

原子およびそれが結合される炭素原子は骨格の一部であると考えられない。
【0143】
「ペンダント基」は、重合体の骨格から延びる基である。ペンダント基は、一つまたは複数の位置において重合体の骨格と結合してよい(例えば、置換ポリジアリルアミン)。同様に、重合体の特定繰り返し単位は、一つまたは複数のペンダント基を含んでよい。
【0144】
本明細書において使用されるリン酸塩結合重合体を選択して、毒性および望ましくない副作用を最小限に抑え、効果的なリン酸塩結合を提供する。適切なリン酸塩結合重合体は、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリアクリルアミド、またはポリアクリレートなどの追加の重合体を含む。他の適切なポリオレフィンは、そこに結合された開示のペンダント基の一つを有する繰り返し単位を含む。また本発明は、水などの小分子が放出される反応から形成される縮合重合体を含む。例えば、ポリエーテル、ポリサルフォン、ポリアミド、ポリアルキレンイミン、またはポリエステルが含まれる。本発明のリン酸塩結合重合体は、一般にポリエーテルであり、エピクロロヒドリンを重合した後、‐CHCl側鎖を機能させて多官能リン酸塩結合ペンダント基を生成することによって便利に調製される。
【0145】
開示されたリン酸塩結合重合体は、単独重合体および共重合体であってよい(例えば、ブロック共重合体またはランダム共重合体)。当然のことながら、「共重合体」という用語は、二つ以上の異なる繰り返し単位を有する重合体を意味する。一般に、共重合体は二つまたは三つの異なる繰り返し単位を含み、さらに一般的には二つの異なる繰り返し単位を含む。そのため、開示されたリン酸塩結合重合体は、一つの特定繰り返し単位、または複数の特定繰り返し単位からなってよい。さらに、重合体は直線であっても分岐してもよい。
【0146】
開示されたリン酸塩結合単独重合体および共重合体は、リン酸塩を結合させる少なくとも二つ(好ましくは少なくとも三つ)の窒素含有官能基を含むペンダント基を特徴とする(以下、「多官能リン酸塩結合ぺンダント基」とする)。一態様において、開示されたリン酸塩結合共重合体の各繰り返し単位は、多官能リン酸塩結合ぺンダント基を有し、共重合体は少なくとも二つの異なる多官能リン酸塩結合ぺンダント基を含む。あるいは、開示されたリン酸塩結合共重合体は、多官能リン酸塩結合ぺンダント基を有する少なくとも一つの繰り返し単位および多官能リン酸塩結合ぺンダント基を有さない少なくとも一つの繰り返し単位を含む。
【0147】
開示されたリン酸塩結合共重合体は「混合」してよく、これは共重合体が二つの異なるクラスの重合モノマー(例えば、アクリルアミド/アクリレート、アクリルアミド/オレフィン/スチレン/アクリレートなど)を含む/から構成されることを意味する。あるいは、開示されたリン酸塩結合共重合体は「均一」であり、これは繰り返し単位の同一のクラスの異なる種二つで構成されることを意味する。例えば、二つの異なる重合アクリルアミドモノマーからなるポリアクリルアミドは、均一であると考えられる。本発明の「均一な」リン酸塩結合共重合体は、少なくとも二つの異なる重合ビニルアミン、少なくとも二つの異なる重合アリルアミン、少なくとも二つの異なる重合スチレン、少なくとも二つの異なる重合アクリレート、少なくとも二つの異なる重合アクリルアミドまたは少なくとも二つの異なるアルキレン酸化物からなる共重合体を含む。「混合」リン酸塩結合共重合体の一例において、繰り返し単位はすべて多官能リン酸塩結合基を含み、共重合体は少なくとも二つの異なるタイプの多官能リン酸塩結合ペンダント基を有する。より一般的には、開示されたリン酸塩結合共重合体は、多官能リン酸塩結合ぺンダント基を有する繰り返し単位、および多官能リン酸塩結合ぺンダント基を有さない繰り返し単位を含む(以下「非多官能ペンダント基」とする)。幾つかの例において、非多官能ペンダント基はリン酸塩を結合させる官能基を含むが、多官能ではない。例えば、アミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基を含む。このタイプの重合モノマー単位は、重合ビニルアミン、重合アリルアミン、他のアルキルアミン置換重合オレフィン、アミノ置換重合スチレン、重合アミノアルキルアクリレート、重合N‐アミノアルキルアクリルアミドを含む。また前述の重合モノマーも含まれ、ここでアンモニウム基はアミン基を置換する。他の例において、非多官能ペンダント基はリン酸塩を大量に結合させる基を有さない。例えば、Rで置換されたポリアルキレン酸化物、エステル部分が‐ORである重合アクリレート、アミド部分が‐CONH、‐CONHR、‐CON(Rである重合アクリルアミド、Rで置換された重合オレフィン、アミン、アンモニウム、またはRで置換された重合スチレンを含み、式中、RはC1‐C3アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル、C1‐C4アルコキシルまたはC1‐C3ハロアルコキシルと置換されていてもよいアルキルである。このタイプのモノマーの例は、スチレン、置換スチレン、アルキルアクリレート、置換アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、置換アルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐アルキルアクリルアミド、N‐アルキルメタクリルアミド、N,N‐ジアルキルアクリルアミド、N,N‐ジアルキルメタクリルアミド、イソプレン、ブタジエン、エチレン、ビニルアセテート、N‐ビニルアミド、マレイン酸派生物、ビニルエーテル、アリル、メタリルモノマー、およびその組み合わせを含む。これらのモノマーを官能化したものを使用してもよい。本発明において使用できる特定のモノマーまたはコモノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート(すべて異性体)、ブチルメタクリレート(すべて異性体)、2‐エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メタクリル酸、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、メタクリロニトリル、‐メチルスチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート(すべて異性体)、ブチルアクリレート(すべて異性体)、2‐エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、アクリル酸、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、アクリロニトリル、スチレン、グリシジルメタクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(すべて異性体)、ヒドロキシブチルメタクリレート(すべて異性体)、トリエチレングリコールメタクリレート、イタコン酸無水物、イタコン酸、グリシジルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート(すべて異性体)、ヒドロキシブチルアクリレート(すべて異性体)、トリエチレングリコールアクリレート、メタクリルアミド、N‐メチルアクリルアミド、N,N‐ジメチルアクリルアミド、N‐tert‐ブチルメタクリルアミド、N‐n‐ブチルメタクリルアミド、N‐メチロールメタクリルアミド、N‐エチロールメタクリルアミド、N‐tert‐ブチルアクリルアミド、N‐n‐ブチルアクリルアミド、N‐メチロールアクリルアミド、N‐エチロールアクリルアミド、4‐アクリロイルモルホリン、ビニル安息香酸(すべて異性体)、ジエチルアミノスチレン(すべて異性体)、α‐メチルビニル安息香酸(すべて異性体)、ジエチルアミノα‐メチルスチレン(すべて異性体)、p‐ビニルベンゼンスルホン酸、p‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、トリエトキシシリルプロピルメタクリレート、トリブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジメトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジブトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジメトキシシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシシリルプロピルメタクリレート、ジブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシシリルプロピルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、トリエトキシシリルプロピルアクリレート、トリブトキシシリルプロピルアクリレート、ジメトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジブトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジメトキシシリルプロピルアクリレート、ジエトキシシリルプロピルアクリレート、ジブトキシシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシシリルプロピルアクリレート、無水マレイン酸、N‐フェニルマレイミド、N‐ブチルマレイミド、N‐ビニルホルムアミド、N‐ビニルアセトアミド、アリルアルコール、メチル‐ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、エチレン、ビニルアセテート、およびその組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0148】
「均一な」リン酸塩結合共重合体の一例において、重合体の各繰り返し単位は多官能リン酸塩結合ペンダント基を有し、このリン酸塩結合共重合体は、少なくとも二つの異なる多官能窒素含有ペンダント基を含む。あるいは、繰り返し単位の幾つかは多官能リン酸塩結合ペンダント基を含み、幾つかは多官能リン酸塩結合ペンダント基を含まない場合もある。上述のように、多官能リン酸塩結合ペンダント基を有さない繰り返し単位は、リン酸塩を結合させるペンダント基を有することができるが多官能ではないか、あるいは大量のリン酸塩を結合させない。例は上述のとおりである。
【0149】
開示されたリン酸塩結合重合体は一般に架橋される。十分なレベルの架橋によって、前記重合体に対して十分な不溶性と吸収分解耐性を付与する。そのようにして、重合体は排泄されるまで消化管内に十分残留し、それによって対象において起こり得る副作用を削減する。
【0150】
一般に、開示されたリン酸塩結合重合体は重合の後に架橋される。そのような架橋を取得する一方法は、エピクロロヒドリン、二塩化スクシニル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ピロメリト酸二無水物、トルエンスジイソシアネート、およびエチレンジアミンなどの二官能性架橋剤を有する重合体の反応が関与する。エピクロロヒドリンと架橋された様々な重合体の例は、本明細書において提供される(調製2、4、6、8、10、および12を参照)。架橋は、二官能性架橋以外のタイプの多官能架橋剤を使用して行ってもよい。重合材料の架橋を誘発する他の方法は、電離放射線の曝露、紫外線放射、電子ビーム、ラジカル、および熱分解を含むがそれらに制限されない。
【0151】
好ましい架橋剤の例は、エピクロロヒドリン、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2エタンジオールグリシジルエーテル、1,3‐ジクロロプロパン、1,2‐ジクロロエタン、1,3‐ジブロモプロパン、1,2‐ジブロモエタン、スクシニルジクロリド、コハク酸ジメチル、トルエンジイソシアネート、塩化アクリロイル、およびピロメリト酸二無水物を含む。エピクロロヒドリンは有効性が高く低コストであることから、好ましい架橋剤である。エピクロロヒドリンは、その分子量が低く、水膨潤性を高める親水性とポリアミンのゲル特性からも有効である。エピクロロヒドリンは2−ヒドロキシプロピル架橋基を形成する。好ましい態様において、本発明は、エピクロロヒドリンと架橋された本明細書に記載の重合体の一つである。
【0152】
開示されたリン酸塩結合重合体の架橋は、存在する場合、一般にペンダント基における一次、二次、または三次アミンの間に存在する。一般に、ペンダント基の0%〜50%、好ましくは3%〜50%、さらに好ましくは一般に5%〜30%に含まれる窒素原子が架橋基と結合される。
【0153】
本発明の重合体の分子量は、重合体が容易に消化管に吸収されないよう十分な量であれば、重要であるとは考えられない。一般に、分子量は少なくとも1000である。例えば、分子量は約1000〜約5,000,000、約1000〜約3,000,000、約1000〜約2,000,000、あるいは約1000〜約1,000,000である。しかし、架橋された重合体は一般に分子量を特徴としない。
【0154】
開示されたリン酸塩結合重合体の薬学的に許容される塩は、本発明に包含される。「薬学的に許容される」とは、薬学的使用に適していることを意味する。本明細書に記載される任意の重合体を参照して使用される「塩」という用語は、重合体を塩の形式にプロトン化したものを示す。例えば、重合体における幾つかまたはすべての窒素含有官能基をプロトン化して、負に帯電した対イオンに関連する正に帯電した窒素を生成する。「薬学的に許容される塩」とは、無機酸、有機酸、溶媒和物、水和物、またはそのクラスレートを含む、薬学的に許容される酸から調合される対象に投与される化合物の塩を示す。
【0155】
負に帯電した対イオンは、有機イオン、無機イオン、またはその組み合わせであってよい。本発明の態様による使用に適した無機イオンは、ハロゲン化物(特に塩化物)、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、水酸化物、硝酸塩、過硫酸塩、および亜硫酸塩を含む。適切な有機イオンは、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、クエン酸二水素、クエン酸水素、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、およびコール酸塩を含む。
【0156】
本明細書で使用されているように、「Rで4級化されてもよい」という用語は、一つまたは複数の特定されたアミン基を四つの他の基と結合してよいことを示し、そのうち一つは対応する正に帯電したアンモニウム基を精製する「R」基である。この「R」基は、構造式(I)に記載のとおりである。幾つかの例において、本明細書に記載の重合体は、本明細書に記載の構造式を一つまたは複数含み、ここで、構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよい。当然のことながら、Rを用いて4級化された窒素原子は「塩」の形をとる。
【0157】
「アミン」または「アミン基」という用語は、一次、二次、および三次アミンを含む。「アンモニウム」または「アンモニウム基」という用語は、窒素原子に対する追加の置換基を含む任意のアミンを示し、正味の正の帯電を基に対して生成することによって窒素原子を4級化する。
【0158】
「リン酸リンを結合させる窒素含有官能基」は、リン酸塩を結合できる少なくとも一つの窒素原子を含む官能基の範囲を含む。例として、アミン、アンモニウム、グアニジン、ヒドラジン、イミン、およびアミジンが含まれるがそれらに限定されない。しかし、特にアミドは「リン酸塩を結合させる窒素含有官能基」の定義から除外される(アミドは「窒素含有官能基」であるが)ことに注意する。本発明の好ましい態様において、リン酸塩を結合させる窒素含有官能基はアミンまたはアンモニウム基である。「窒素含有官能基」は、少なくとも一つの窒素原子を含む官能基を意味し、リン酸塩を結合させる窒素含有官能基およびリン酸塩を大量に結合させない窒素含有官能基を含む。リン酸塩を結合させない窒素含有官能基は、アミド、カルバメート、および尿素を含む。
【0159】
本明細書で使用されるように「アルキル基」または「アルキル」は飽和直鎖状、分岐、または環状炭化水素である。一般に、そのような基は1〜20、または2〜20の炭素を有する。好ましくは、基は1〜10または2〜10の炭素を有する。他の例において、基は1〜5または2〜5の炭素を有する。別の例において、基は1〜3の炭素を有する。適切なアルキル基は、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、sec‐ブチル、tert‐ブチル、ペンチル、iso‐ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどを含むがそれらに限定されない。アルキル基は、それぞれの位置に対して独立して選択される一つまたは複数の置換基で置換されてよい。
【0160】
「アミノアルキル」という用語は、一つまたは複数のアミン基を含む直鎖または分岐炭化水素を示す。同様に、「アンモニウムアルキル」および「アンモニオアルキル」という用語は、一つまたは複数のアンモニウム基を含む直鎖または分岐炭化水素を示す。アミンまたはアンモニウム基は、アルキレンまたはアルキル基を中断するか、または基の末端を含む基の端部に配置されてよい。アルキルまたはアルキレン基の「端部」は、アルキル鎖のいずれかの端における炭素原子を示す。「末端」とは残りの分子と結合されないアルキル鎖の炭素原子を示す。「末端で置換した」アルキル基は、その末端位置に置換基または炭素原子を有する。
【0161】
「アリール基」(R、R、R10およびRによって表されるアリール基を含む)という用語は、「アリール」、「アリール環」、「芳香基」、および「芳香環」と同義的に使用してよい。アリール基は、一般に6〜14の環状炭素原子(例えば、フェニル、ナフチル、およびアントラシル基)を有する炭素環芳香基を含む。またアリール基は、一般に窒素、酸素、および硫黄から選択される一つまたは複数のヘテロ原子を含む5〜14の環状原子を有するヘテロアリール基も含む。ヘテロアリール基は、単環または、炭素環芳香環またはヘテロアリール環が一つまたは複数の他のヘテロアリール環と溶解された溶解多環芳香環系であってよい。ヘテロアリール基の例は、フラニル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、ベンジミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンジミダゾリル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、またはベンジソキサゾリルを含む。好ましくは、アリール基はフェニル基である。
【0162】
「アルキレン基」(T、T、T、Y、Y、X1、XおよびXによって表されるアルキレン基を含む)は、‐[CH‐で表され、式中、zは、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6の正の整数である。「置換アルキレン基」は一つまたは複数の置換基を有する。適切な置換基は一般に、アルキル基に関して以下に記載のとおりである。好ましい置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。
【0163】
「アリーレン」(Arによって表されるアリーレン基およびT、Yなどのアルキレン基を中断するアリーレン基を含む)という用語は、その環原子の二つから単一の共有結合を通じて分子中の他の二つの基に結合された分子におけるアリール環を示す。例として、フェニレン[‐(C)‐]、ピリジレン[‐(CN)‐]およびフラニレン[‐(CO)‐]が含まれる。例示の目的で、1,4‐フェニレンおよび2,5‐ピリジレンの構造を以下に示す。

アリーレンに対する適切な置換基は、一般にアリール基に関して以下に記載のとおりである。好ましい置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、ハロ、C1‐C3アルコキシまたはC1‐C3ハロアルコキシを含む。フェニレンおよびピリジレンは好ましいアリーレン基である。
【0164】
「単環非芳香環」という用語は、C3‐C9シクロアルキル基および一般に3〜9員を有し、一つまたは複数、好ましくは1〜4の環状炭素がそれぞれN、O、またはSなどのヘテロ原子と置換される、単環非芳香環系を示す。例として、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオフェニル、アゼチジニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、およびジアゾロニルが含まれる。
【0165】
架橋された二環非芳香環は、三つまたは四つの隣接する環原子を共有する二つの非芳香環を含む。例として、ビシクロデシル、ビシクロノリル、ビシクロオクチル、ビシクロヘプタニル、ビシクロヘキサニル、ビシクロペンチル、アザビシクロペンチル、アザビシクロヘキシル、アザビシクロヘプチル、アザビシクロオクチル、アザビシクロノニル、アザビシクロデシル、ジアザビシクロヘキシル、ジアザビシクロヘプチル、ジアザビシクロオクチル、ジアザビシクロノニル、およびジアザビシクロデシルが含まれる。
【0166】
置換されていてもよいアルキル(R、R、R、R、R10、R14、RおよびR17によって表されるアルキル基を含む)またはアリール基(R、R、R10、およびRによって表されるアリール基を含む)は、重合体のリン酸塩結合能力に対する有害な影響を有意に有さない一つまたは複数の置換基を担持してよい。適切な置換基は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルを含む。好ましい置換基は、C1‐C3アルキル基、C1‐C3ハロアルキル基、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、ハロ、C1‐C3アルコキシ、またはC1‐C3ハロアルコキシを含む。
【0167】
ポリアルキレンイミンという用語は、‐[(CH‐NH]Hを示し、xは2〜10の整数であり、yは2〜20の整数である。xはそれぞれ独立して選択される。
【0168】
本発明の別の態様は、それを必要とする対象からリン酸塩を除去する方法に関する。この方法は、有効量の開示されたリン酸塩結合重合体、または重合体の薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含む。
【0169】
本明細書において使用されるように、「対象」は哺乳類、好ましくはヒトであるが、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコなど)、農場動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)、または実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)の獣医治療を必要とする動物であってもよい。
【0170】
開示されたリン酸塩結合重合体の「有効量」とは、疾患、病気、または状態を患う対象の血中リン酸塩濃度を低下させる量である。そのような疾患、病気、または状態の例は、高リン血症、腎機能不全、副甲状腺機能低下症、偽副甲状腺機能低下症、急性未治療の末端肥大症、リン酸塩塩の過剰投薬、および横紋筋融解および悪性腫瘍の治療中に生じる急性組織破壊を含む。あるいは、開示されたリン酸塩結合重合体の「有効量」とは、治療される特定の状態に関する治療および/または予防効果を得るために十分な量、例えば、高リン血症に関連する疾患の症状を回避または低減する量である。リン酸塩結合重合体の一般的な用量は、約5mg/日〜約10g/日の範囲であり、好ましくは約50mg/日〜約9g/日であり、さらに好ましくは約1g/日〜約8g/日、一層好ましくは約2g〜約7g、最も好ましくは約4g/日〜約6g/日である。
【0171】
個人に投与される開示されたリン酸塩結合重合体の量は、疾患の種類および重篤度、および総体的な健康、年齢、性別、体重、および薬物耐性などの個人の特徴によって異なる。また疾患の度合い、重篤度、および種類によっても異なる。当業者であれば、これらおよび他の要素に基づいて適切な用量を特定することができる。
【0172】
開示されたリン酸塩結合重合体は、任意の適切な経路で投与することができるが、一般にはカプセル、懸濁液、または錠剤で経口投与される。
【0173】
本発明のさらに別の態様は、開示されたリン酸塩結合重合体または重合体の薬学的に許容される塩、および希釈剤または薬学的に許容される担体のうち少なくとも一つを含む薬学的組成物を対象とする。リン酸塩結合重合体は一般に、製剤に先立って凍結乾燥される。任意で、他のリン酸塩結合剤を含む、一つまたは複数の他の治療成分がそのような薬学的組成物に含められる。重合体は本発明の態様によって説明される重合体のいずれかであってよい。
【0174】
担体または希釈剤は、他の製剤材料と適合し、そのレシピエントにとって有害でないという意味で「許容できる」。剤形は便利に単位用量形式で現れてよく、当業者に知られている任意の適切な方法によって調製することができる。すべての方法は、薬剤を一つまたは複数の副成分からなる担体または希釈剤と会合させる工程を含む。一般に、剤形はリン酸塩結合重合体を担体と一様かつ密接に会合させ、必要に応じて生成物をその単位用量に分割することによって生成される。
【0175】
当業者であれば、本発明の方法に従って対象に投与される本発明の組成物の様々な構成要素の量は、上記の要素に依存することに気づくであろう。そのような量は、特定の期間対象に投与される量に対応してよい(例えば、単一用量、または単一用量を含むサシェ剤、スラリー、食品処方、懸濁液、またはシロップ、含む一つまたは複数の錠剤)。
【0176】
本発明の組成物は、錠剤、サシェ剤、スラリー、食品処方、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハ、チューインガム、または薬用キャンディーとして生成できる。シロップ剤は一般に、懸濁液またはリン酸塩結合重合体の溶液、あるいはエタノール、グリセリン、または水などの液体担体中の塩からなり、香味料または着色剤を含む。本組成物が錠剤の形をとる場合、一般に固形製剤の調製に使用される一つまたは複数の薬剤担体を採用することができる。そのような担体の例は、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、ラクトースおよびスクロースを含む。本組成物がカプセルの形をとる場合、所定のカプセル化を使用することが一般に適している。例えば、前述の担体を固いゼラチンカプセル殻を使用する。本組成物が柔らかいゼラチン殻カプセルの形をとる場合、一般に分散または懸濁液の調製に使用される薬剤担体は、例えば水性のガム、セルロース、ケイ酸塩、またはオイルであってよく、柔らかいゼラチンカプセル殻に封入される。
【0177】
上記の説明は、本発明の態様に基づく薬学的組成物の経口投与経路を対象としているが、当然のことながら、従来用いられる任意の投与形態、およびリン酸塩結合重合体に関して不活性である媒体または担体を利用して化合物を調製および投与してよいことは、当業者には明らかである。そのような方法、媒体、および担体の実例は、例えばRemington’s Pharmaceutical Science、第18版(1990)に記載されているようなものであり、この開示は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0178】
本明細書に開示されるリン酸塩結合重合体を、マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物とともに、同時投与するかまたは薬学的組成物として製剤化することができる。
【0179】
本明細書で使用される「薬学的に許容されるマグネシウム化合物」とは、投与される用量で容認し難い副作用を生じないカチオンマグネシウムを含む化合物を意味する。薬学的に許容されるマグネシウム化合物は水に溶性または不溶性であってよい。
【0180】
当然のことながら、「薬学的に許容されるマグネシウム化合物」は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物の異なる多形体を包含してよい。「多形体」という用語は、異なる物理的、化学的、または分光特性を呈示する固体結晶状の化合物を示す。
【0181】
「薬学的に許容されるマグネシウム化合物」は、化学量論または非化学量論による量の溶媒、例えば水または非共有分子間力によって結合された有機溶媒を含む、薬学的に許容されるマグネシウム化合物の様々な溶媒和物を含んでもよい。
【0182】
好ましい薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、高いマグネシウム重量パーセント、および/または高い密度を有する。これらのマグネシウム化合物は、日用量を最小限に抑えることができる。本発明に適したマグネシウム化合物の例は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、およびヨウ化マグネシウム)、マグネシウムアルコキシド(例えばマグネシウムエトキシド、およびマグネシウムイソプロプキシド)、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、およびスチレンスルホン酸などの有機酸のマグネシウム塩、およびその組み合わせを含む。これらの化合物のいずれかを参照する場合、当然のことながらその混合物、多形体、および溶媒和物も含まれる。
【0183】
本発明における好ましい薬学的に許容されるマグネシウム化合物の例は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組み合わせを含む。好ましいマグネシウム化合物の他の例は、重炭酸マグネシウム、マグネシウムエトキシド、および三ケイ酸マグネシウムを含む。本発明では、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、またはそれらの混合物がより好ましい。
【0184】
本発明のリン酸塩結合重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、単一の薬学的組成物として共に生成されるか、代わりに個別の薬学的組成物として同時投与される。
【0185】
本発明のリン酸塩結合重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物が単一の薬学的組成物の形をとって共に生成される場合、一般に薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンは、薬学的組成物の無水重量で5‐35%、例えば10‐30%、10‐25%、13‐25%、15‐22%、および16‐20%含まれる。
【0186】
あるいは、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンは、マグネシウム化合物およびリン酸塩結合重合体の遊離塩基を合わせた重量の無水重量で5‐35%、例えば10‐30%、10‐25%、13‐25%、15‐22%、および16‐20%含まれる。ここで「リン酸塩結合重合体の遊離塩基」は、対イオンを含まないリン酸塩結合重合体を意味する。薬学的組成物におけるマグネシウム化合物の量がこの様式で表される場合、当然のことながら、薬学的組成物中のリン酸塩結合重合体は、非プロトン化、一部プロトン化、または完全にプロトン化することができる。しかしながら、リン酸塩結合重合体の重量は、それが対応する遊離塩基リン酸塩結合重合体であり、リン酸塩結合重合体中の窒素原子は遊離しており、いずれの対イオンにも結合されていないと仮定して計算される。
【0187】
あるいは、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は本発明の薬学的組成物の形をとり、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンと、リン酸塩結合重合体の総アミン窒素原子(プロトン化されたおよび非プロトン化された)とのモル比が0.4‐3.0、例えば0.4‐2.5、0.8‐2.0、0.8‐1.5、および0.8‐1.3となるような量で存在する。好ましくは、モル比は1である。この比率は、リン酸塩結合重合体中の窒素原子のモルに対する薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンのモルの商である。存在する場合、対イオンまたは架橋剤からの窒素はリン酸塩結合重合体のモルに含まれる。
【0188】
あるいは、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、本発明の薬学的組成物の形をとり、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンと、リン酸塩結合重合体の総窒素原子との重量比が0.7‐2.5、例えば0.7‐2.0、1.0‐2.0、および1.2‐1.8となるような量で存在する。好ましくは、重量比は1.57である。この重量比は、リン酸塩結合重合体(全組成ではない)に含まれる窒素原子のグラムに対するマグネシウムイオンのグラムの比率である。従って、対イオンまたは架橋剤からの窒素は、存在する場合、リン酸塩結合重合体中の窒素原子のグラムに含まれる。
【0189】
あるいは、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、本発明の薬学的組成物の形をとり、薬学的に許容されるマグネシウム化合物とリン酸塩結合重合体の遊離塩基との重量比が0.2‐1.2、例えば0.2‐1.0、0.3‐1.0、0.3‐0.8、および0.3‐0.5となるような量で存在する。好ましくは、重量比は0.42である。「リン酸塩結合重合体の遊離塩基」という用語は上述のとおりである。そのため、この比率はリン酸塩結合重合体のグラム(リン酸塩結合重合体に含まれる任意の対イオンの重量を含まない)に対するマグネシウムイオンのグラムの比率である。
【0190】
本発明のリン酸塩結合重合体および上述の薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含む薬学的組成物において、リン酸塩結合重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は混合された状態で存在する。あるいは、薬学的に許容されるマグネシウム化合物をリン酸塩結合重合体に含めることができる。本明細書に使用されているように、リン酸塩結合重合体に「含まれる」とは、リン酸塩結合重合体が薬学的に許容されるマグネシウム化合物を、例えば架橋によって、あるいはリン酸塩結合重合体の少なくとも二つ(好ましくは、少なくとも三つ)の窒素含有官能基によって生成された、一つ(または複数)のポケットに包含することを意味する。
【0191】
上述の薬学的に許容されるマグネシウム化合物が本発明のリン酸塩結合重合体に含まれる場合、好ましくは、リン酸塩結合重合体は架橋される。薬学的に許容されるマグネシウム化合物に含まれる架橋されたリン酸塩結合重合体は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物の存在下で、リン酸塩結合重合体を上述のように架橋することによって調製される。架橋剤に関する様々な例および好ましい値は上述のとおりである。一般に、薬学的に許容されるマグネシウム化合物に含まれる架橋されたリン酸塩結合重合体が採用される場合、架橋剤は、リン酸塩結合重合体モノマーと架橋剤の総重量に基づいて、重量ごとに0.5‐35%(例えば、0.5‐30%、2.5−30%、5‐25%、5‐20%または5‐15%)の量で存在する。
【0192】
幾つかの態様において、リン酸塩結合重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、唯一の薬剤活性成分、例えば唯一のリン酸塩結合剤であり、製剤処方の形をとる。好ましくは、カルシウム系およびアルミニウム系リン酸塩結合剤は、製剤処方から除外される。同様に、開示された方法に関して、リン酸塩結合重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、対象に投与される唯一のリン酸塩結合剤である。
【0193】
本明細書に記載の開示されたリン酸塩結合重合体は、酢酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、クエン酸塩、アルギン酸塩、およびケト酸などの薬学的に許容されるランタン、カルシウム、アルミニウム、および鉄塩を含む他のリン酸塩結合剤とともに投与するか、または薬学的組成物として形成してもよい。炭酸カルシウム、酢酸塩(PhosLo(R)酢酸カルシウム錠)、クエン酸塩、アルギン酸塩、およびケト酸を含むカルシウム塩は、リン酸塩結合に利用されている。摂取されたカルシウムはリン酸塩と結合して、Ca3(PO4)2、CaHPO4、またはCa(H2PO4)2などの不溶性カルシウムリン酸塩塩を形成する。Amphojel(R)水酸化アルミニウムゲルなどのアルミニウム系リン酸塩結合剤、を高リン血症の治療に使用することもできる。これらの複合化合物は腸リン酸塩とともに高不溶性のアルミニウムリン酸塩を形成する。結合リン酸塩は、患者による吸収に使用できない。最近では、鉄およびランタニド塩が使用されている。最も一般に使用されるランタニド塩である炭酸ランタン(Fosrenol(R))は炭酸カルシウムと同様に作用する。本発明のリン酸塩結合重合体とともに使用される他の組成物は、他のタイプのリン酸塩結合重合体を含む(例えば、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第5,667,775号に記載の塩酸セベラマー)。
【0194】
本発明は特にその好ましい態様を参照して図示および説明されているが、当然のことながら、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく、形式および詳細における様々な変更を行ってよいことは、当業者には明らかである。
【0195】
実施例
以下の実施例は、本発明の幾つかの態様を説明するために提供される。これらの実施例は、利用される任意の特定の態様の範囲を制限することを意図しない。





【0196】
化合物9〜22は、本明細書の記載に従って調製され、リン酸塩結合に関して試験された。
【0197】
調製1:ポリ[トリス(2‐アミノエチル)アミノ]メチルオキシランの合成
(化合物9)
10.2gのポリ(エピクロロヒドリン)を含む250mLの1‐メチル‐3ピロリジノン溶液に、200mLのトリス(2‐アミノエチル)アミンを添加した。反応混合液を180℃に加熱し、この温度で48時間、窒素雰囲気化で攪拌した。室温に冷却した後、反応混合液を2Lのジエチルエーテルに注いだ。沈殿した重合体をろ過し、200mLのメタノールに溶解して、2Lのジエチルエーテルから再沈殿させた。ろ過によって残渣を収集し、減圧下で乾燥して、200mLの脱イオン水に溶解し、3500分子量遮断膜を使用して脱イオン水に対して透析した。透析した溶液を凍結乾燥して、16gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0198】
調製2:エピクロロヒドリン架橋ポリ[トリス(2‐アミノエチル)アミノ]メチルオキシラン]の合成(架橋された化合物9)
11gのポリ[トリス(2‐アミノエチル)アミノ]メチルオキシラン]を44mLの脱イオン水(重合体溶液のpH=10.3)に溶解した攪拌溶液を390μLのエピクロロヒドリンに添加する。反応混合液を室温で攪拌した。溶液は60分後にゲル化した。結果として生じるゲルを室温で18時間放置する。次にゲルを小片に分割し、600mLの脱イオン水に懸濁して、1時間攪拌した後ろ過した。ろ過された残渣を500mLの脱イオン水に懸濁し、濃縮HClをこの懸濁液に添加してpHを7.1にした。30分間攪拌した後、懸濁液をろ過した。残渣を1Lの脱イオン水に懸濁し、40分間攪拌してろ過した。残渣を60℃で乾燥して、10.6gの灰白色の固形物を得た。
【0199】
調製3:ポリ{2‐[トリス(2‐アミノエチル)アミノエチル]ビニルエーテル}の合成(化合物10)
a.ポリ[(2‐クロロエチル)ビニルエーテル]の合成
オーブンで乾燥した250mLの三つ首丸底フラスコに、100mLの無水ジクロロメタンおよび25gの新たに蒸留した2‐クロロエチルビニルエーテルを添加した。反応混合液を攪拌し、窒素を30分間室温でゆっくり流して泡立てた。窒素雰囲気化で攪拌しながら、‐70℃に冷却した。‐70℃で、0.5mLの三フッ化ホウ素ジエチルエーテルを反応混合液に添加した。‐70℃で1時間攪拌した後、反応混合液を室温に戻した。反応混合液を500mLのMeOHに注いで、30分間攪拌した。溶媒を除去して、残渣を150mLのTHFに再度溶解した。結果として得られた溶液を500mLのMeOHに注いだ。溶媒を除去し、沈殿物を50℃で真空下、24時間乾燥して、20gの重合体を灰白色のゴム状固形物として得た。
【0200】
b.ポリ{2‐[トリス(2‐アミノエチル)アミノエチル]ビニルエーテル}の合成
18gのポリ[(2‐クロロエチル)ビニルエーテル]を350mLの1‐メチル‐2‐ピロリジオンに溶解した溶液に、300mLのトリス(2‐アミノエチル)アミンを添加した。反応混合液を180℃で窒素雰囲気下、40時間攪拌した。室温に冷却した後、反応混合液を3Lのジエチルエーテルに注いだ。懸濁液を10分間攪拌してろ過した。残渣を200mLのメタノールに溶解して、2Lのジエチルエーテルから再度沈殿させた。残渣をろ過、乾燥して、200mLの脱イオン水に溶解した。水性重合体溶液を脱イオン水に対して透析し、透析された重合体溶液を凍結乾燥して、26gの灰白色の固形物を得た。
【0201】
調製4:エピクロロヒドリン架橋ポリ{2‐[トリス(2‐アミノエチル)アミノエチル]ビニルエーテル(架橋された化合物10)
11.5gのポリ{2‐[トリス(2‐アミノエチル)アミノエチル]ビニルエーテル}を50mLの脱イオン水(重合体溶液のpH=10.6)の攪拌溶液に、375μLのエピクロロヒドリンを添加した。反応混合液を室温で攪拌した。溶液は20分後にゲル化した。結果として得られたゲルを室温で18時間放置した。次にゲルを小片に分割し、600mLの脱イオン水に懸濁して、1時間攪拌した後ろ過した。ろ過された残渣を500mLの脱イオン水に懸濁し、この懸濁液に濃縮HClを添加してpHを7.1にした。30分間攪拌した後、懸濁液をろ過した。残渣を1Lの脱イオン水に懸濁し、40分間攪拌した後ろ過した。残渣を60℃で乾燥して、10.4gの灰白色の固形物を得た。
【0202】
調製5:ポリ{N‐[2‐[ビス(2‐アミノエチル)エチル]メタクリルアミド](化合物11)
a.10‐Oxa‐2,5,8‐トリアザドデカン酸,5‐(2‐アミノエチル)11,11‐ジメチル‐9‐オキソ,1,1‐ジメチルエチルエステルの合成
500mLの三つ首丸底フラスコに、75mLの無水THF、7.6mLのトリス(2‐アミノエチル)アミン、および11mLのトリエチルアミンを入れた。反応混合液を‐4℃に冷却した。攪拌しながら、25gの2(tert‐ブトキシカルボニルオキシイミノ)‐2‐フェニルアセトニトリル(BOC‐ON試薬)を150mLの無水THFに溶解した溶液を反応混合液にゆっくり添加した。反応混合液を徐々に室温に戻し、室温で14時間攪拌した。反応液は100mLのジクロロメタンで希釈し、100mLのブリンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過して、溶媒を減圧下で除去した。メタノール/クロロホルムを移動相として使用し、シリカゲルコラム上で残渣をクロマトグラフにかけた。溶媒を除去した後、9.5gの生成物を薄い黄色の粘性油として得た。
【0203】
b.N‐[2‐[ビス(2‐アミノエチル)]エチル]メタクリルアミドの合成
500mLの三つ首丸底フラスコに、9.1gの10‐oxa‐2,5,8‐トリアザドデカノン酸、5‐(2‐アミノエチル)‐11,11‐ジメチル‐9‐オキソ‐、1,1‐ジメチルエチルエステル、90mLの無水THF、および18.6mLのトリエチルアミンを入れる。溶液を‐5℃に冷却した。攪拌しながら、2.6mLの塩化メタクリロールを10mLの無水THFに溶解した溶液を上記の反応混合物にゆっくり添加した。添加が完了した後、温度を徐々に上げて室温にし、反応混合液を室温で16時間攪拌した。塩酸トリエチルアミンをろ過によって除去した後、減圧下で溶媒をろ過液から除去した。残渣を100mLのジクロロメタンに溶解し、200mLの脱イオン水で洗浄した。次に、有機層を100mLのブリンで洗浄した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、メタノール/クロロホルムを移動層として使用し、シリカゲルコラム上で残渣をクロマトグラフにかけた。減圧下で溶媒を除去し、7.4gの薄い黄色の粘性油を得た。前記油を15mLの無水ジオキサンに溶解し、‐4℃に冷却した。この冷却溶液を30mLの4NHCl溶液(ジオキサン)に添加した。反応混合液を室温に戻し、さらに2時間攪拌した。形成された沈殿物をろ過により分離した。減圧下で残渣を乾燥し、5gの化合物をオフホワイトの固形物として得た。
【0204】
c.ポリ{N‐[2‐[ビス(2‐アミノエチル)]エチル]メタクリルアミド}の合成
4.8gのN‐[2‐[ビス(2‐アミノエチル)]エチル]メタクリルアミドを6mLの脱イオン水を溶解した溶液に、26mgのプロパンイミダミド、2,2’‐アゾビス[2‐メチル‐,ジヒドロクロリド(以下「V‐50」とする)をフリーラジカル重合開始剤として添加した。窒素を45分間ゆっくり流して反応混合液を洗浄した後、60℃に加熱した。反応混合液を60℃で24時間攪拌した。溶液を室温に戻し、脱イオン水に対して透析した。透析された溶液を凍結乾燥して、3.2gの重合体をオフホワイトの固形物として得た。
【0205】
調製6:エピクロロヒドリン架橋ポリ{N‐[2‐[ビス(2‐アミノエチル)]エチル]メタクリルアミド}の合成(架橋された化合物11)
50mLの丸底フラスコに、3gのポリ{N‐[2‐[ビス(2‐アミノエチル)]エチル]メタクリルアミド}および12mLの脱イオン水を入れた。重合体を完全に水に溶解した後、50%の水性NaOH溶液を使用して重合体溶液のpHを10.1にした。この重合体溶液を15分間攪拌し、112mLのエピクロロヒドリンを重合体溶液に添加した。結果として生じた溶液を攪拌し、50分後にゲル化した。反応混合物を室温で14時間放置した。重合体ゲルを小片に分割し、250mLの脱イオン水中で45分間攪拌した。ろ過した後、ゲルを250mLの脱イオン水に分散して、濃縮HClを添加することによって、溶液のpHを7.5に調整した。この混合液を30分間攪拌し、ろ過した。残渣を500mLの脱イオン水に分散して、45分間攪拌した後ろ過した。残渣を強制空気オーブン中60℃で乾燥して、1.8gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0206】
調製7:ポリ[(2‐アミノエチル)アミノ)メチルオキシラン]の合成(化合物12)
10.0gのポリ(エピクロロヒドリン)を300mLの1‐メチル‐3‐ピロリジノンに溶解した溶液に、60mLのエチレンジアミンを添加した。反応混合物を165℃に加熱し、この温度で48時間、窒素雰囲気化で攪拌した。室温に戻した後、反応混合液を4Lのジエチルエーテルに注いだ。沈殿した重合体をろ過し、減圧下で乾燥して、200mLの脱イオン水に溶解した後、3500分子量遮断膜を使用し、脱イオン水に対して透析した。透析された溶液を凍結乾燥して、8.3gの重合体をオフホワイトの固形物として得た。
【0207】
調製8:エピクロロヒドリン架橋ポリ[(2‐アミノエチル)アミノ)メチルオキラン]の合成(架橋された化合物12)
8.0gのポリ[(2‐アミノエチル)アミノ)メチルオキシラン](化合物12)を32mLの脱イオン水に溶解して攪拌した溶液に、485μLのエピクロロヒドリンを添加した。反応混合液を室温で攪拌した。溶液は20分後にゲル化した。結果として生じたゲルを室温で18時間放置した。次にゲルを小片に分割し、1Lの脱イオン水に懸濁して、1時間攪拌した後ろ過した。ろ過された残渣を2Lの脱イオン水に懸濁し、この懸濁液に濃縮HClを添加してpHを7.1とした。30分間攪拌した後、懸濁液をろ過した。残渣を1Lの脱イオン水に懸濁し、40分間攪拌した後ろ過した。残渣を60℃で乾燥して、7.8gの灰白色の固形物を得た。
【0208】
調製9:ポリ[(1,3‐プロパンジアミン),N‐(3‐アミノプロピル)N’‐メチルオキシラン](化合物13)および化合物26の合成
9.5gのポリ(エピクロロヒドリン)を200mLの1‐メチル‐3‐ピロリジノンに溶解した液体に、100gのN‐(3‐アミノプロピル)1,3‐プロパンジアミンを添加した。反応混合液を120℃に加熱し、室温で72時間、窒素雰囲気化で攪拌した。室温に冷却した後、反応混合液を2Lのジエチルエーテルに注いだ。沈殿した重合体をろ過し、1Lのジエチルエーテルで洗浄して、減圧下で乾燥した。結果として生じた化合物を300mLの脱イオン水に溶解し、3500分子量遮断膜を使用して、脱イオン水に対して透析した。透析した溶液を凍結乾燥して、11.4gの重合体を灰白色の固形物として得た。化合物26は副産物として形成された。
【0209】
調製10:エピクロロヒドリン架橋ポリ[(1,3‐プロパンジアミン),N‐(3‐アミノプロピル)N’‐メチルオキシラン](架橋された化合物13)の合成
11.0gのポリ[(1,3‐プロパンジアミン),N(3‐アミノプロピル)N’‐メチルオキシラン](調製9)を50mLの脱イオン水に溶解して攪拌した液体に、270μLのエピクロロヒドリンを添加した。反応混合液を室温で攪拌した。溶液は45分後にゲル化した。結果として生じたゲルを室温で18時間放置した。次にゲルを小片に分割し、1Lの脱イオン水に懸濁してろ過した。ろ過された残渣を2Lの脱イオン水に懸濁し、この懸濁液に濃縮HClを添加してpHを7.1とした。30分間攪拌した後、懸濁液をろ過した。残渣を1Lの脱イオン水に懸濁し、40分間攪拌してろ過した。残渣を60℃で乾燥して、9gの灰白色の固形物を得た。
【0210】
調製11:ポリ[(1,2‐エタンジアミン),N‐(2‐アミノエチル)N’‐メチルオキシラン](化合物14)の合成
9.5gのポリ(エピクロロヒドリン)を200mLの1‐メチル‐3‐ピロリジノンに溶解した液体に、95gのジエチレントリアミンを添加した。反応混合液を120℃に加熱し、この温度で72時間、窒素雰囲気化で攪拌した。室温に冷却した後、反応混合液を2Lのジエチルエーテルに注いだ。沈殿した重合体をろ過し、1Lのジエチルエーテルで洗浄して、減圧下で乾燥した。結果として生じた化合物を300mLの脱イオン水に溶解し、3500分子量遮断膜を使用して、脱イオン水に対して透析した。透析した溶液を凍結乾燥して、12gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0211】
調製12:エピクロロヒドリン架橋ポリ[(1,2‐エタンジアミン),N‐(3‐アミノプロピル)N’‐メチルオキシラン](架橋された化合物14)の合成
12.0gのポリ[(1,3‐プロパンジアミン),N(3‐アミノプロピル)N’‐メチルオキシラン](調製11)を48mLの脱イオン水に溶解した液体に、354μLのエピクロロヒドリンを添加した。反応混合液を室温で攪拌したところ、溶液は45分後にゲル化した。結果として生じたゲルを室温で18時間放置した。次にゲルを小片に分割し、1Lの脱イオン水に懸濁して、1時間攪拌した後ろ過した。ろ過された残渣を2Lの脱イオン水に懸濁し、この懸濁液に濃縮HClを添加して、pHを7.1とした。30分間攪拌した後、懸濁液をろ過した。残渣を1Lの脱イオン水に懸濁し、40分間で攪拌してろ過した。残渣を60℃で乾燥して、10gの灰白色の固形物を得た。
【0212】
調製13:ポリ[4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン](化合物15)の合成
この重合体の合成は、モノマーの合成およびその後の遊離基重合という二つの工程を含む。
【0213】
13a.4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレンの合成
500mLの三つ首丸底フラスコに、191.5gのトリス(2‐アミノエチル)アミンおよび48.16gの無水炭酸カリウムを入れた。この懸濁液に、44.2gの4‐塩化ビニルベンジルを30mLのクロロホルムに溶解した液体を添加した。結果として生じた反応混合液を25℃で18時間攪拌した。次に、反応混合液をろ過した。pH9.5(2x400mL)のホウ酸塩緩衝剤を用いてろ液を抽出した。水性抽出物を結合させ、40%(w/w)水性水酸化ナトリウム溶液を使用することによって、この水溶液のpHを12.5とした。クロロホルム(3x1L)を用いて、結果として生じた溶液を抽出した。結合された有機相を無水炭酸カリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧下で除去して25.6gの生成物を薄い黄色の油として得た。
【0214】
13b.4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレンの重合
500mLの三つ首丸底フラスコに、25.15gの{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン(実施例13a)および226mLの脱イオン水を入れた。この溶液に、37%の水性HClをゆっくり添加し(氷浴を使用して温度を15℃以下に維持しながら)、溶液のpHを1.4とした。次に250mgのV‐50を添加した。攪拌しながら、Nを30分間ゆっくり流すことによって、結果として生じた溶液を泡立てた。次に、反応混合液を55℃に加熱し、室温で6時間、N雰囲気下で攪拌した。この期間の最後に反応混合液を冷ました。3500分子量遮断透析膜を使用して、結果として生じた粘性重合体溶液を脱イオン水に対して透析した。透析した溶液を凍結乾燥して、24.6gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0215】
調製14:エピクロロヒドリン架橋ポリ[4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン](架橋された化合物15)の合成
300mLのビーカーに、13gのポリ[4‐{トリス(2‐アミノエチル)アミノ}メチル]スチレン](調製13b)と70mLの脱イオン水を入れた。混合液を攪拌して、重合体の均一溶液を得た。50%(w/w)水性炭酸カリウムをゆっくり添加することによって、重合体溶液のpHを11.0とした。攪拌された重合体溶液に、0.225mLのエピクロロヒドリンを添加し、反応混合液を攪拌してゲル化した。攪拌をやめ、ゲルを30℃で18時間放置した。次に重合体ゲルを小片に分割し、2Lの脱イオン水に分散して、40分間攪拌した後ろ過した。重合体をろ過して2Lの脱イオン水に分散させ、この分散液に、37%のHClを添加してpHを7.7とし、40分間攪拌してろ過した。最後に、重合体の小片を2Lの脱イオン水に分散し、40分間攪拌した後ろ過した。ろ過された重合体を60℃で乾燥して、6.5gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0216】
調製15:N,N’‐ビス(4‐ビニルベンジル)エチレンジアミンの合成
500mLの三つ首丸底フラスコに、5.31gの1,2‐エチレンジアミン、32.48gの無水炭酸カリウム、および300mLのクロロホルムを入れた。この懸濁液に、30gの塩化4‐ビニルベンジルを添加した。結果として生じた反応混合液を25℃で18時間攪拌した。次に、反応混合液をろ過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣に300mLの脱イオン水を添加し、次に37%の水性HClを添加して、溶液のpHを2.0とした。tert‐ブチルメチルエーテル(2x250mL)を用いて、結果として生じた水溶液を抽出した。水層を収集し、40%(w/w)NaOHで処理して、溶液のpHを11.4とした。tert‐ブチルメチルエーテル(2x250mL)を用いて、結果として生じた水溶液を抽出した。有機層を結合させ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下で除去して、3gの生成物を薄い黄色の油として得た。
【0217】
調製16:ポリ[4‐{(トリス(3‐アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン](化合物16)の合成
この重合体の合成は、モノマーの合成およびその後の遊離基重合という二つの工程を含む。
【0218】
調製16a:[4‐{(トリス(3‐アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン]の合成
500mLの三つ首丸底フラスコに、102gのトリス(3‐アミノエチル)アミンおよび19.8gの無水炭酸カリウムを入れた。この懸濁液に、18.4gの塩化4‐ビニルベンジルを30mLのクロロホルムに溶解した液体をゆっくり添加した。結果として生じた反応混合液を25℃で18時間攪拌した。次に、反応混合液をろ過した。pH9.5(2x400mL)のホウ酸塩緩衝剤を用いて、ろ過液を抽出した。
【0219】
調製16b:[4‐{(トリス(3‐アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン]の重合
500mLの三つ首丸底フラスコに、14gの{(トリス(3‐アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン(実施例4a)および125mLの脱イオン水を入れた。この溶液に、37%の水性HClをゆっくり添加して(氷浴を使用して温度を15℃以下に維持しながら)、溶液のpHを1.1とした。次に500mgのV‐50を添加した。攪拌しながら、Nを30分間ゆっくり流すことによって、結果として生じた液体を泡立てた。次に、反応混合液を55℃に加熱し、この温度で12時間、N雰囲気下で攪拌した。この期間の最後に、反応混合液を冷ました。3500分子量遮断透析膜を使用して、結果として生じた粘性重合体溶液を脱イオン水に対して透析した。透析した溶液を凍結乾燥して、15.8gの重合体をオフホワイトの固形物として得た。
【0220】
調製17:エピクロロヒドリン架橋ポリ[4‐{(トリス(3‐アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン](架橋された化合物16)の合成
300mLのビーカーに、15gのポリ[4‐{トリス(3‐アミノプロピル)アミノ}メチル]スチレン](調製16b)および60mLの脱イオン水を入れた。混合液を攪拌して重合体の均一溶液を得た。50%(w/w)水性水酸化ナトリウムをゆっくり添加することによって、重合体溶液のpHを11.0とした。攪拌した重合体溶液に、0.24mLのエピクロロヒドリンを添加し、反応混合液を攪拌してゲル化した。攪拌をやめ、ゲルを30℃で18時間放置した。次に、重合体ゲルを小片に分割し、2Lの脱イオン水に分散して、40分間攪拌した後ろ過した。重合体をろ過し、2Lの脱イオン水に分散した。この分散液に、37%HCl溶液を添加してpHを7.8とし、40分間攪拌してろ過した。最後に、重合体の小片を2Lの脱イオン水に分散し、40分間攪拌して、ろ過した。ろ過した重合体を60℃で乾燥し、9gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0221】
調製18:ポリ[N‐{3‐[4‐ビニル]ベンジルアミノプロピル}‐1,3‐ジアミノプロパン]の合成(化合物24)
この重合体の合成は、モノマーの合成およびその後の遊離基重合という二つの工程を含む。
【0222】
調製18a:N‐{3‐[4‐ビニル]ベンジルアミノプロピル}‐1,3‐ジアミノプロパンの合成
2Lの三つ首丸底フラスコに、167mLのビス(3‐アミノプロピル)アミン、1370mLの無水クロロホルム、および43.4gの無水炭酸カリウムを入れた。追加のじょうごを使用して、この懸濁液に、37gの塩化4‐ビニルベンジルを25mLのクロロホルムに溶解した液体を添加した。結果として生じた反応混合液を25℃で18時間攪拌した後ろ過した。pH9.5(2x1300mL)のホウ酸塩緩衝剤を用いて、ろ過液を抽出した。40%(w/w)水性水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、結合された水性抽出物のpHを12.1とした。クロロホルム(3x1L)を用いて、結果として生じた溶液を抽出した。結合された有機相を無水炭酸カリウム上で乾燥、ろ過し、減圧下で溶媒を除去して、42.5gの生成物を薄い黄色の油として得た。
【0223】
調製18b:N‐{3‐[4‐ビニル]ベンジルアミノプロピル}‐1,3‐ジアミノプロパンの重合
250mLの三つ首丸底フラスコに、10gの{3‐(4‐ビニル)ベンジルアミノプロピル}‐1,3ジアミノプロパン(調製18b)および90mLの脱イオン水を入れた。この溶液に、37%の水性HClをゆっくり添加して(氷浴を使用して温度を15℃に維持しながら)、溶液のpHを1.2とした。次に、100mgのV‐50を添加した。攪拌しながら、Nを30分間ゆっくり流すことによって、結果として生じた溶液を泡立てた。次に、反応混合液を55℃に加熱し、この温度で6時間、N雰囲気下で攪拌した。この期間の最後に、反応混合液を冷ました。3500分子量遮断透析膜を使用して、結果として生じた粘性重合体溶液を脱イオン水に対して透析した。透析した溶液を凍結乾燥して、11.2gの重合体をオフホワイトの固形物として得た。
【0224】
調製19:エピクロロヒドリン架橋ポリ[N‐{3‐(4‐ビニル)ベンジルアミノプロピル}‐1,3‐ジアミノプロパン](架橋された化合物24)の合成
100mLのビーカーに、7gのポリ[N‐{3‐(4‐ビニル)ベンジルアミノプロピル}‐1,3‐ジアミノプロパン](実施例5b)および26mLの脱イオン水を入れた。混合液を攪拌して、重合体の均一溶液を得た。50%(w/w)水性水酸化ナトリウムをゆっくり添加することによって、重合体溶液のpHを11.0とした。攪拌した重合体溶液に、0.14mLのエピクロロヒドリンを添加し、反応混合液を攪拌してゲル化した。攪拌をやめ、ゲルを30℃で18時間放置した。次に、重合体ゲルを小片に分割し、1Lの脱イオン水に分散して、40分間攪拌した後ろ過した。重合体をろ過し、1Lの脱イオン水に分散した。この分散液に、37%HCl溶液を添加してpHを7.7とし、40分間攪拌した後ろ過した。最後に、重合体の小片を2Lの脱イオン水に分散し、40分間攪拌した後ろ過した。ろ過された重合体を60℃で乾燥して、4.3gの重合体を灰白色の固形物として得た。
【0225】
調製20:ポリ[4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン‐コエチレンビスアクリルアミド(化合物18)の合成
250mLの三つ首丸底フラスコに、15.0gの{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン、0.5gのN,N‐エチレンビスアクリルアミド、および35mLの脱イオン水を入れた。この溶液に、0.75gの新たに調製した20%V‐50を脱イオン水に溶解した液体を添加した。攪拌しながら、窒素を30分間ゆっくり泡立てることによって、結果として生じた溶液をガス抜きした。次に反応混合液を60℃に加熱し、この温度で18時間、窒素雰囲気下で加熱した。30分間60℃で加熱した後、ゲルが形成された。攪拌せずに加熱を続けた。この期間の最後に、反応混合液を冷ました。結果として生じたゲルを小片に分割し、メタノール(3X1L)で洗浄した。次に重合体ゲルを脱イオン水(2X1L)で洗浄した。洗浄した膨張重合体ゲルを脱イオン水(1L)で攪拌し、濃縮HClを添加してpH7とした。スラリーをろ過し、膨張重合体を60℃の強制空気オーブンで乾燥して、12.6gの重合体を得た。
【0226】
調製21:ポリ[4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン‐コエチレンビスアクリルアミド](化合物19)
250mLの三つ首丸底フラスコに、15.0gの{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン、1.0gN,N‐エチレンビスアクリルアミド、および35mLの脱イオン水を入れた。この溶液に、0.75gの新たに調製した20%V‐50を脱イオン水に溶解した液体を添加した。攪拌しながら、窒素を30分間ゆっくり流して泡立てることによって、結果として生じた液体をガス抜きした。次に、反応混合液を60℃に加熱し、この温度で18時間、窒素雰囲気下で加熱した。30分間60℃で加熱した後、ゲルが形成された。攪拌せずに加熱を続けた。この期間の最後に、反応混合液を冷ました。結果として生じたゲルを小片に分割し、メタノール(3X1L)で洗浄した。次に重合体ゲルを脱イオン水(2X1L)で洗浄した。洗浄した膨張重合体ゲルを脱イオン水(1L)中で攪拌し、濃縮HClを添加してpH7とした。スラリーをろ過し、膨張重合体を60℃の強制空気オーブンで乾燥して、14.0gの重合体を得た。
【0227】
調製22:ポリ[4‐{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン‐co‐N,N’‐ビス[(4‐ビニル)ベンジル]エチレンジアミン](化合物19)の合成
250mLの三つ首丸底フラスコに、15.0gの{(トリス(2‐アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン、0.83gのN,N’ビス‐(4‐ビニル)ベンジル)エチレンビスアミン、および35mLの脱イオン水を入れた。この溶液に、0.75gの新たに調製した20%V‐50を脱イオン水に溶解した液体に添加した。攪拌しながら、窒素を30分間ゆっくり流して泡立てながら、結果として生じた溶液をガス抜きした。次に、反応混合液を60℃に加熱し、この温度で18時間、窒素雰囲気下で加熱した。60℃で4時間加熱した後、ゲルが形成された。攪拌せずに過熱を続けた。この期間の最後に、反応混合液を冷ました。結果として生じたゲルを小片に分割し、メタノール(3X1L)で洗浄した。次に重合体ゲルを脱イオン水(2X1L)で洗浄した。洗浄した膨張重合体ゲルを脱イオン水(1L)中で攪拌し、濃縮HClを添加したpH7とした。スラリーをろ過し、膨張重合体を60℃の強制空気オーブンで乾燥して13.0gの重合体を得た。
【0228】
調製23:ポリ[N‐{3‐(2(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチルアミノ)プロピル}アクリルアミド)(化合物21)の合成
以下のスキーム1に示されるように、6つの工程を通じて化合物21を合成した。望ましい重合体21を得るためのすべての中間物の合成について以下に記載する。

【0229】
調製23a:4‐(2‐アミノエチル)‐1,7‐ジ‐(tert‐ブトキシカルボニル)‐1,4,7‐トリアザヘプタンの合成(工程1)
102.5gの2‐(tert‐ブトキシカルボニル‐オキシミノ)‐2‐フェニルアセトニトリル(0.416モル)を300mLのTHFに溶解した液体に、30.3gのトリス(2‐アミノエチル)アミン(0.207モル)を0〜5℃で2時間以上添加した。反応溶液を室温で攪拌した後、溶媒を回転蒸発器上で濃縮した。ジエチルエーテル(600mL)および375mLの水を添加し、25mLの濃縮HClを加えることによって、結果として生じた懸濁液をpH3.0に調整した。相を分離して、水性相を600mLのジエチルエーテルで三回洗浄し、エーテル層をすべて結合させた。結合されたエーテル層を375mLの水で二回洗浄した。水性層を結合させ、60mLの4N水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、溶液のpHを10に調整した。塩基性化した水性溶液を400mLのジエチルエーテルで三回抽出した。エーテル抽出物を結合させ、160mLの水で二回洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下、回転蒸発器上で溶液を濃縮して、31gの粗化合物を油として得た。塩化メチレンおよびメタノール(80:20)を溶離剤として使用し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、13gの表題化合物を油として得た。
【0230】
調製23b:ジt‐boc保護3‐(2(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチル‐アミノ)プロパンニトリルの合成(工程2)
4‐(2‐アミノエチル)‐1,7‐ジ‐(tert‐ブトキシカルボニル)‐1,4,7‐トリアザヘプタン(12g)をメタノール(400mL)に溶解した液体に、アクリロニトリル(2.4mL)を添加した。室温で18時間攪拌した後、反応液を回転蒸発器上で濃縮した。粗残渣を塩化メチレン(200mL)に溶解して、回転蒸発器上で濃縮した。この工程を二回以上繰り返し、結果として生じた油を真空下で乾燥して、14gの表題の化合物を得た。
【0231】
調製23c:トリt‐boc保護3‐(2(ビス(2(2‐アミノエチル)アミノ)エチル‐アミノ)プロパンニトリルの合成(工程3)
ニトリル化合物(調製23b)(13.8g)を塩化メチレン(500mL)に溶解した液体に、窒素雰囲気化でジ‐tert‐ブチル重炭酸塩(8.3g)を添加した。3時間攪拌した後、混合液を回転蒸発器上で濃縮した。
塩化メチレンおよびメタノール(50:50、次に(60:40)を溶離剤として使用し、自動フラッシュクロマトグラフィーシリカゲルコラムで精製して、17gの望ましい生成物を油として得た。
【0232】
調製23d:トリt‐boc保護N’‐(2(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチル)プロパン‐1,3‐ジアミンの合成(工程4)
保護ニトリル(調製23c)(4g)を140mLのエタノールおよび35mLのテトラヒドロフランを含む溶媒混合液に懸濁した液体に、2NNaOH(18mL)およびラネーニッケル(水中4gの50%(w/w/))を添加し、結果として生じた混合液を水素雰囲気下で72時間攪拌した。沈殿した材料から溶液を遠心分離し、上澄みを移すことによってラネーニッケルを除去した。溶液を回転蒸発器上で濃縮し、水(250mL)で希釈した。次にこの溶液を塩化メチレン(1X100mL、次に3X90mL)で抽出した。結合された抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、回転蒸発器上で濃縮して、4.4gの還元化合物を油として得た。
【0233】
調製23e:トリt‐boc保護ポリ[N‐3‐(2‐(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチルアミノ)プロピル}アクリルアミド]の合成(工程5)
2.3gのポリ(N‐アクリルオキシスクシニミド)(N‐アクリルオキシスクシニミドの重合により調製)および8.5gのトリt‐boc保護N’‐(2‐(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチル)プロパン‐1,3‐ジアミン生成物(調製23d)を90mLのN,N‐ジメチルホルムアミドに溶解した液体を50℃で18時間加熱した。室温に冷ました後、攪拌しながら反応溶液を水(1L)にゆっくり注いだ。沈殿した生成物を定着させ、上部水性層を移すことによって分離した。上部水性層をろ過した。沈殿物およびろ過液を結合させ、メタノールに溶解した後、回転蒸発器上で濃縮して、2.5gの望ましい重合体付加物を得た。
【0234】
調製23f:ポリ[N‐{3‐(2‐(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチルアミノ)プロピル}アクリルアミド]の合成(工程6)
2.5gのトリt‐boc保護ポリ[N‐{3‐(2‐(ビス(2‐アミノエチル)アミノ)エチルアミノ)プロピル}アクリルアミド](調製23e)を50mLのメタノールに溶解した液体に、5mLの濃縮HClを添加した。3時間35℃で攪拌した後、溶液を室温で18時間攪拌した。粘着性の固形物が溶液中に形成された。この粘着性の固形物からメタノール層を捨てた。粘着性の固形物を水(20mL)に溶解し、脱イオン水に対して透析した(MWCO=3500)。凍結乾燥して、1.5gの化合物21を灰白色の固形物として得た。
【0235】
調製24:ポリ{N,N‐ジアリル‐N‐ビス(2‐アミノエチル)エタン‐1,2‐ジアミン}の合成(化合物22)
この重合体はジアリルモノマーの合成およびその重合という二つの工程で合成された。
【0236】
調製24a:ポリN,N‐ジアリル‐N‐ビス(2‐アミノエチル)エタン‐1,2‐ジアミンの合成
4‐(2‐アミノエチル)‐1,7‐ジ‐(tert‐ブトキシカルボニル)‐1,4,7‐トリアザヘプタン(1.5g)、炭酸カリウム(2.97g)、およびテトラヒドロフラン(20mL)の混合液に、アリルブロミド(1.15g)を添加した。一晩室温で攪拌した後、混合液をろ過し、回転蒸発器上で濃縮した。ヘキサンおよび酢酸エチル(100:0〜30:70)を溶離剤として使用し、自動フラッシュクロマトグラフィーシリカゲルコラムで精製して、モノアルキル化生成物およびジアルキル化生成物の混合物を得た。テトラヒドロフランに含まれる余分なポリスチレン‐ベンザルデヒド樹脂を用いて一晩室温で攪拌し、ろ過、および真空下で乾燥することによって、材料をさらに生成して、0.9gの望ましい生成物を油として得た。
【0237】
この油0.5gに、5mLのテトラヒドロフランを添加し、結果として生じた溶液を氷水浴中で0度に冷却した。冷却された溶液に、4NHCl(0.02mL)を添加した。この溶液をゆっくり室温に温め、18時間攪拌した。追加で4nHCl(0.1mL)を添加し、反応液をさらに18時間攪拌した。ろ過した後、真空下P2O5上で乾燥して、望ましい生成物を白い固形物として定量的に得た。
【0238】
調製24b:ポリ{N,N‐ジアリル‐N‐ビス(2‐アミノエチル)エタン‐1,2‐ジアミンの合成
0.6gのN,N‐ジアリル‐N‐ビス(2‐アミノエチル)エタン‐1,2‐ジアミン、2HCl(調製24a)、および2,2’‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(0.006g)を1mLの脱イオン水に溶解した液体を、窒素ガスを30分間流してガス抜きした。この溶液を72時間60℃で加熱した。24時間加熱した後、追加分の2,2’‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(0.006g)を添加した。48時間加熱した後、第三の追加分の2,2’‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(0.006g)を添加した。室温に冷却した後、反応混合液を脱イオン水に対して透析した(膜MW遮断3.5K)。凍結乾燥して、望ましい生成物22を灰白色の固形物として得た。
【0239】
以下に示すいくつかの架橋モノマーを使用し、架橋共重合によって重合体ゲルが調製される。これらの合成は、上述の実施例において示される(調製15)。

【0240】
In Vitroリン酸塩結合
リン酸塩受容体を含有する重合ヒドロゲル(化合物9、10、および11)のIn vitroリン酸塩結合特性は、ラングミュア等温線の測定によって特定した。結合等温線の曲線は、初期濃度1.0、2.5、7.5、14.5、30.0mMのKHPOを80mMのNaClおよび100mMのN,N‐ビス(ヒドロキシエチル)‐2‐アミノエタンスルホン酸(pH7)に溶解した液体で構成された。
【0241】
リン酸塩溶液の各初期濃度に対して、53.5mg(乾燥重量)の重合体を使用し、実験を重複して行った。50mLの遠心分離機に入れた重合体サンプルに20mLの適切な溶液を添加した。次に各液体を軌道攪拌器に配置し、(37℃に維持しながら)360回転/分で3時間攪拌した。次に、孔サイズ0.8/0.2μMのポリエーテルスルホン膜フィルターでろ過して、重合体ゲルを溶液から分離した。不溶性サンプルからろ過した後残ったリン酸塩の濃度は、誘導的に結合したプラズマ発光分光法によって特定した。213.618nmの発光線をリン酸塩に使用した。様々な初期濃度のろ過液において検出されたリン酸塩の量を使用して、これらの重合体のリン酸塩結合特性を推定した。結果を表1にまとめる。
【0242】
(表1)リン酸塩受容基を含有する重合ヒドロゲルIn Vitroリン酸塩結合特性の結果

【0243】
In Vivoリン酸塩結合
雄のSDハウスラットを一匹ずつ針金のケースに入れ、Purina5002ダイエットを与えた。少なくとも5日間ラットを環境に慣れさせた後で実験を行った。この期間後、これらのラットを代謝ケージに48時間入れて、リン排出の基準値を設定した。尿を採取した後、ラットをホームケージに戻した。Hitachi分析器を用いて尿中のリン濃度を分析し、排出量mg/日を特定した。範囲外の数値を示したラットを除外し、残りのラットを厳密に適合するグループに分けた。個別の重合体サンプル(化合物9、10、12、13、および14)を0.5%(w/w)の濃度で特定食餌Purina5002に混ぜた。特定グループの各ラットに対し、200gの食餌を用意した。ラットの体重を測定し、試験食餌を与えた。この食餌を4日間与えた後、ラットを代謝ケージに移し、治療食餌を与えた。尿サンプルを24時間(+/−30分)間隔で5日目および6日目に採取し、Hitachi分析器を用いて尿中のリン濃度を分析して、排出量mg/日を特定した。ラットの体重を測定し、その増減を計算して、残りの食餌量から一日の消費食餌量を計算した。基準に対するリン排出およびセルロースの負の対照を特定して、これらの重合体のリン酸塩結合特性を評価した。尿リン酸塩%が低いほど、ヒドロゲルのリン酸塩結合特性は良好である。結果を表2にまとめる。
【0244】
(表2)リン酸塩受容基を含有する重合ヒドロゲルのIn Vivoリン酸塩結合特性の結果


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のリン酸塩結合重合体または該重合体の薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含む、それを必要とする対象からリン酸塩を除去する方法であって、該重合体が構造式(A)‐(G)のいずれか一つによって表される繰り返し単位を含むならば、該重合体が、多官能リン酸塩結合ペンダント基を有する第二の繰り返し単位を含み、該第二の繰り返し単位が構造式(A)‐(G)によって表されないという条件で、該重合体が骨格から延びるペンダント基を含み、「多官能リン酸塩結合ペンダント基」と呼ばれる各ペンダント基が、リン酸塩を結合させる少なくとも2つの窒素含有官能基を含む、方法:


式中、
Aは共有結合、C(O)、またはCHのいずれかであり、
はアルキルアミンまたはアルキルアンモニウム基であり、
1Aはポリアルキレンイミンであり、
およびRはそれぞれ独立して水素、アルキル基、アルキルアミノ基、またはアリール基であり、
はアルキルアンモニウム基であり、
は水素、または置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である。
【請求項2】
前記重合体が共重合体である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
各ペンダント基が少なくとも三つの窒素含有官能基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
各ペンダント基が構造式(I)によって表され、

式中、
構造式(I)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
Rはそれぞれ独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
は共有結合、カルボニル、‐Ar‐、‐T‐、‐Ar‐T‐、‐O-T‐、‐S-T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐であり、式中、Rは水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基であり、
Arは置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であり、
a)NRは総合して、
1)アミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環であるか、または
2)少なくとも二つの環アミンまたはアンモニウム基を含む架橋二環非芳香環であり、あるいは
b)Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
は、
1)TがカルボニルならばR10がアルキルまたはアリール基であって、前記基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換されるという条件で、構造式(Ia)によって表され、

式中、
Xは、
(A)C‐Rであって、式中、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であるか、あるいは
(B)NまたはN(R)であり、
Yは、
(A)XがC‐Rである場合は、共有結合、または置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C10アルキレン基であり、
(B)XがNまたはN(R)である場合は、置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC2‐C10アルキレン基であり、
は、
(A)XがC‐Rである場合、アルキル基またはアリール基であって、前記基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換され、
(B)XがNまたはN(R)である場合は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
10は水素、置換されていてもよいアルキル基、または、置換されていてもよいアリール基であり、あるいは
2)‐Y‐Cyであって、
は共有結合または置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、Cyは、アミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
がO‐Tである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
がTである、請求項4記載の方法。
【請求項7】
各ペンダント基が構造式(II)によって表され、

式中、
構造式(II)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
はアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基であり、
10は、
(i)XがNまたはN(R)である場合は、水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
(ii)XがC‐Rである場合は、アミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である、請求項4記載の方法。
【請求項8】
およびR10がそれぞれ独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
各ペンダント基が構造式(IIa)によって表され、

式中、
構造式(IIa)の各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
構造式(IIa)の各アミンは独立して水素で4級化されてもよい、請求項9記載の方法。
【請求項11】
YがC1‐C5アルキレン基であり、
およびXが独立してC1‐C5アルキレンである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
が水素であり、
各R14が水素である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記重合体が、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリメタクリルアミド、またはポリアクリルアミドである、請求項9記載の方法。
【請求項14】
各ペンダント基が構造式(IIb)によって表され、

式中、
構造式(IIb)の各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である、請求項8記載の方法。
【請求項15】
構造式(IIb)の各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項14記載の方法。
【請求項16】
YがC2‐C5アルキレン基であり、
およびXが独立してC2‐C5アルキレンである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
各R14が水素である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記重合体がポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリメタクリルアミド、またはポリアクリルアミドである、請求項14記載の方法。
【請求項19】
以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を前記重合体が含み、

式中、
各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
18は水素またはC1‐C5アルキル基である、請求項14記載の方法。
【請求項20】
各R14が水素であり、各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記重合体が、以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、



式中、
各Vは独立してNまたはCHであり、
各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
各R14が水素であり、各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記重合体が以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、



式中、
18は水素またはメチル基であり、
各VはNまたはCHであり、
各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、
各jは独立して1、2、3、4、または5であり、
各kは独立して2、3、または4である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
各ペンダント基が構造式(III)によって表され、

式中、
構造式(III)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
10は水素、または置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であるXを有するX‐N(R14もしくはX‐N(R14であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である、請求項7記載の方法。
【請求項25】
各ペンダント基が構造式(IV)によって表され、

式中、
構造式(IV)に示される各アミンは、Rで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
YおよびXは独立して‐(CH‐であり、式中、jは2、3、または4である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記重合体が、以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、

式中、前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、kは1、2、3、4、または5であり、各mは独立して2または3である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
各ペンダント基が構造式(X)によって表され、

式中、
構造式(X)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各jは独立して2または3である、請求項4記載の方法。
【請求項28】
前記重合体が、以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含み、

式中、
前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、
各jは独立して2または3である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
各ペンダント基が構造式(V)によって表され、

式中、
構造式(V)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
Cy1は3〜7個の炭素原子を有する窒素含有非芳香環であり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R16は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である、請求項4記載の方法。
【請求項30】
前記重合体が以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含み、

式中、各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
各ペンダント基が構造式(VI)によって表され、

式中、
構造式(VI)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびZはそれぞれ独立してアミンまたはアンモニウムであり、
Cy2およびCy3はそれぞれ独立して2つの環窒素原子を有する5、6、または7員非芳香環である、請求項4記載の方法。
【請求項32】
各ペンダント基が以下の構造式によって表され、

式中、前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
各ペンダント基が構造式(IX)によって表され、

式中、
構造式(IX)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
CyはRで置換されていてもよい3〜7個の炭素原子を有する非芳香環であり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R18は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である、請求項4記載の方法。
【請求項34】
前記重合体が以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含み、

式中、
前記構造式における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rおよび各Rは独立してC1‐C3アルキルまたは水素である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記重合体が構造式(VII)および(VIII)のいずれかによって表される繰り返し単位を含み、

式中、
構造式(VII)および(VIII)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
は水素またはメチルであり、
各R17は独立して水素または置換されていてもよいC1‐C5アルキル基であり、
Arは置換されていてもよいアリーレン基であり、
各Tは独立して共有結合、カルボニル、‐Ar‐、‐Ar‐T‐、‐T‐、‐O-T‐、‐S-T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐であって、Rは水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基であり、
は、置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であり、
XはC‐R、N、またはN(R)であって、Rは水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各Yは独立して
(i)XがNまたはN(R)である場合、置換されていてもよいC2‐C5アルキレンであり、
(ii)XがC‐Rである場合、置換されていてもよいC1‐C5アルキレンである、請求項1記載の方法。
【請求項36】
ポリ(トリス(2‐アミノエチル)アミン‐アクリルアミド)およびポリエピクロルヒドリン/トリス(2‐アミノエチル)アミンのいずれかではなく、
その骨格に窒素を含まず、
近接ジアミン、近接ジアンモニウム、近接ジアミノアルキル、または近接ジアンモニウムアルキル基を含まず、かつ、
骨格から延びるペンダント基を含む、重合体であって、各ペンダント基が少なくとも三つの窒素含有官能基を含み、前記窒素含有官能基のうち少なくとも二つがリン酸塩を結合させ、各ペンダント基が構造式(I)によって表され、

式中、
構造式(I)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
は共有結合、カルボニル、‐Ar‐、‐Ar‐T‐、‐T‐、‐O-T‐、‐S-T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐であって、Rは水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基であり、
Arは置換されていてもよいアリーレン基であり、
は、置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であって、
a)NRは総合して
1)アミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環であるか、または
2)少なくとも二つの環アミンもしくはアンモニウム基を含む架橋二環非芳香環であり、あるいは
b)Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
は、
1)TがO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tである場合は構造式(Ia)によって表され、

が共有結合、カルボニル、‐T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐である場合は構造式(Ib)によって表され、

式中、
Xは
(A)C‐Rであり、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、もしくは置換されていてもよいアリール基であるか、または
(B)NもしくはN(R)であり、
Yは
(A)XがC‐Rである場合は共有結合、または置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C10アルキレン基であり、
(B)XがNまたはN(R)である場合は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC2‐C10アルキレン基であり、

(A)XがC‐Rである場合はアルキル基またはアリール基であって、前記基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換され、
(B)XがNまたはN(R)である場合は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
10は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
各R12およびR13は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基であるか、あるいは
2)‐Y‐Cyであって、
は共有結合または置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、Cyはアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環である、重合体。
【請求項37】
架橋された、請求項36記載の重合体。
【請求項38】
共重合体である、請求項36記載の重合体。
【請求項39】
各ペンダント基が構造式(IIa)によって表され、

式中、
構造式(IIa)の各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である、請求項36記載の重合体。
【請求項40】
構造式(IIa)の各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項39記載の重合体。
【請求項41】
YがC1‐C5アルキレン基であり、
およびXが独立してC1‐C5アルキレンである、請求項40記載の重合体。
【請求項42】
が水素であり、
各R14が水素である、請求項41記載の重合体。
【請求項43】
ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリメタクリルアミド、またはポリアクリルアミドである、請求項39記載の重合体。
【請求項44】
各ペンダント基が構造式(IIb)によって表され、

式中、
構造式(IIb)の各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である、請求項36記載の重合体。
【請求項45】
構造式(IIb)の各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項44記載の重合体。
【請求項46】
YはC2‐C5アルキレン基であり、
およびXは独立してC2‐C5アルキレンである、請求項45記載の重合体。
【請求項47】
各R14が水素である、請求項46記載の重合体。
【請求項48】
ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリメタクリルアミド、またはポリアクリルアミドである、請求項44記載の重合体。
【請求項49】
以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む重合体であって、

式中、
各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
18は水素またはC1‐C5アルキル基である、請求項44記載の重合体。
【請求項50】
各R14が水素であり、各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項49記載の重合体。
【請求項51】
以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む重合体であって、



式中、
各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各VはNまたはCHであり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である、請求項49記載の重合体。
【請求項52】
各R14が水素であり、各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項51記載の重合体。
【請求項53】
以下から選択される構造式によって表された繰り返し単位を含む重合体であって、



式中、
18は水素またはメチル基であり、
各VはNまたはCHであり、
各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、
各jは独立して1、2、3、4、または5であり、
各kは独立して2、3、または4である、請求項44記載の重合体。
【請求項54】
各ペンダント基が構造式(III)によって表され、

式中、
構造式(III)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
はO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tであり、
10は水素、または置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であるXを有するX‐N(R14もしくはX‐N(R14であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である、請求項36記載の重合体。
【請求項55】
各ペンダント基が構造式(IV)によって表され、

式中、
構造式(IV)に示される各アミンはRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
YおよびXは独立して‐(CH‐であって、jは2、3、または4である、請求項54記載の重合体。
【請求項56】
以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含む重合体であって、

式中、
前記構造式における各アミンは、独立して水素で4級化されてもよく、kは1、2、3、4、または5であり、各mは独立して2または3である、請求項55記載の重合体。
【請求項57】
各ペンダント基が構造式(X)によって表され、

式中、
はO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tであり、
構造式(X)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各jは独立して2または3である、請求項36記載の重合体。
【請求項58】
以下の構造式のうち少なくとも一つによって提供される繰り返し単位を含む重合体であって、

式中、
前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、
各jは独立して2または3である、請求項57記載の重合体。
【請求項59】
各ペンダント基が構造式(V)によって表され、

式中、
構造式(V)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
Cy1は3〜7個の炭素原子を有する窒素含有非芳香環であり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R16は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である、請求項36記載の重合体。
【請求項60】
以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含む重合体であって、

式中、各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である、請求項59記載の重合体。
【請求項61】
各ペンダント基が構造式(VI)によって表され、

式中、
構造式(VI)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびZはそれぞれ独立してアミンまたはアンモニウムであり、
Cy2およびCy3はそれぞれ独立して二つの窒素原子を有する5、6、または7員非芳香環である、請求項36記載の重合体。
【請求項62】
各ペンダント基が以下の構造式によって表され、

式中、
前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である、請求項61記載の重合体。
【請求項63】
各ペンダント基が構造式(IX)によって表され、

式中、
構造式(IX)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
Cyは3〜7個の炭素原子を有する非芳香環であり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R18は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である、請求項36記載の重合体。
【請求項64】
以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含む重合体であって、

式中、
前記構造式における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rおよび各Rは独立してC1‐C3アルキルまたは水素である、請求項63記載の重合体。
【請求項65】
各Rおよび各Rが水素である、請求項64記載の重合体。
【請求項66】
構造式(VII)および(VIII)のうち一つによって表される繰り返し単位を含む重合体であって、

式中、
構造式(VII)および(VIII)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
は水素またはメチルであり、
各R17は独立して水素または置換されていてもよいC1‐C5アルキル基であり、
Arは置換されていてもよいアリーレン基であり、
各Tは独立して共有結合、カルボニル、‐Ar‐、‐Ar‐T‐、‐T‐、‐O-T‐、‐S-T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐であって、式中、Rは水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基であり、
は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であり、
XはC‐R、N、またはN(R)であり、式中、Rは水素または置換されていてもよいアルキル基であって、
各Yは独立して
(i)XがN、またはN(R)である場合は置換されていてもよいC2‐C5アルキレンであり、
(ii)XがC‐Rである場合は置換されていてもよいC1‐C5アルキレンである、重合体。
【請求項67】
薬学的に許容される担体または希釈剤;および
骨格から延びるペンダント基を含む、架橋された重合体または該重合体の薬学的に許容される塩
を含む薬学的組成物であって、各ペンダント基は少なくとも三つの窒素含有官能基を含み、該窒素含有官能基のうち少なくとも二つはリン酸塩を結合させ、各ペンダント基は構造式(I)によって表され、

式中、
構造式(I)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
は共有結合、カルボニル、‐Ar‐、‐Ar‐T‐、‐T‐、‐O-T‐、‐S-T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐であり、式中、Rは水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基であり、
Arは置換されていてもよいアリーレン基であり、
は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であり、
a)NRは総合して
1)アミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される2つ以上の基で置換された単環非芳香環であるか、または
2)少なくとも二つの環アミンまたはアンモニウム基を含む架橋二環非芳香環であり、あるいは
b)Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
は、
1)TがO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tである場合は構造式(Ia)によって表され、

が共有結合、カルボニル、‐T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐である場合は構造式(Ib)によって表され、

式中、
Xは、
(A)C‐Rであって、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であるか、または
(B)NまたはN(R)であり、
Yは、
(A)XがC‐Rである場合は共有結合、または置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C10アルキレン基であり、
(B)XがNまたはN(R)である場合は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC2‐C10アルキレン基であり、
は、
A)XがC‐Rである場合、アルキル基またはアリール基であって、該基はアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される少なくとも一つの基で置換され、
(B)XがNまたはN(R)である場合は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
10は水素、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であり、
12およびR13はそれぞれ独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたアルキル基であるか、あるいは
2)‐Y‐Cyであって、
は共有結合または置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、Cyはアミン、アンモニウム、アミノアルキル、およびアンモニウムアルキルから選択される二つ以上の基で置換された単環非芳香環であり、
該重合体は、
ポリ(トリス(2‐アミノエチル)アミン‐アクリルアミド)およびポリエピクロルヒドリン/トリス(2‐アミノエチル)アミンのいずれかではなく、
該重合体はその骨格に窒素を含まず、
該重合体は近接ジアミン、近接ジアンモニウム、近接ジアミノアルキル、または近接ジアンモニウムアルキル基を含まない、薬学的組成物。
【請求項68】
前記重合体が共重合体である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項69】
各ペンダント基が構造式(IIa)によって表され、

式中、
構造式(IIa)の各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項70】
構造式(IIa)の各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項69記載の薬学的組成物。
【請求項71】
YがC1‐C5アルキレン基であり、
およびXが独立してC1‐C5アルキレンである、
請求項70記載の薬学的組成物。
【請求項72】
が水素であり、
各R14が水素である、
請求項71記載の薬学的組成物。
【請求項73】
前記重合体がポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリメタクリルアミド、またはポリアクリルアミドである、請求項69記載の薬学的組成物。
【請求項74】
各ペンダント基が構造式(IIb)によって表され、

式中、
構造式(IIb)の各アミンが独立してRで4級化されてもよく、
各Rが独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R14が独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびXはそれぞれ独立して置換されていてもよいアルキレン基である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項75】
構造式(IIb)の各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項74記載の薬学的組成物。
【請求項76】
YがC2‐C5アルキレン基であり、
およびXが独立してC2‐C5アルキレンである、
請求項75記載の薬学的組成物。
【請求項77】
各R14が水素である、請求項76記載の薬学的組成物。
【請求項78】
前記重合体がポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリメタクリルアミド、またはポリアクリルアミドである、請求項74記載の薬学的組成物。
【請求項79】
前記重合体が以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、

式中、
各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
18は水素またはC1‐C5アルキル基である、請求項74記載の薬学的組成物。
【請求項80】
各R14が水素であり各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項79記載の薬学的組成物。
【請求項81】
前記重合体が、以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、



式中、
各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各VはNまたはCHであり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である、請求項79記載の薬学的組成物。
【請求項82】
各R14が水素であり、各アミンが独立して水素で4級化されてもよい、請求項81記載の薬学的組成物。
【請求項83】
前記重合体が、以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、



式中、
18は水素またはメチル基であり、
各VはNまたはCHであり、
各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、
各jは独立して1、2、3、4、または5であり、
各kは独立して2、3、または4である、請求項74記載の薬学的組成物。
【請求項84】
各ペンダント基が構造式(III)によって表され、

式中、
構造式(III)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
はO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tであり、
10は水素、または置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であるXを含むX‐N(R14もしくはX‐N(R14であり、
各R14は独立して水素または置換されていてもよいアルキル基である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項85】
各ペンダント基が構造式(IV)によって表され、

式中、
構造式(IV)に示される各アミンはRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
YおよびXは独立して‐(CH‐であって、jは2、3、または4である、請求項84記載の薬学的組成物。
【請求項86】
前記重合体が、以下から選択される構造式によって表される繰り返し単位を含み、

式中、前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、kは1、2、3、4、または5であり、各mは独立して2または3である、請求項85記載の薬学的組成物。
【請求項87】
各ペンダント基が構造式(X)によって表され、

式中、
はO‐T、S‐T、Ar、またはAr‐Tであり、
構造式(X)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各jは独立して2または3である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項88】
前記重合体が、以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含み、

式中、
前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、
各jは独立して2または3である、請求項87記載の薬学的組成物。
【請求項89】
各ペンダント基が構造式(V)によって表され、

式中、
構造式(V)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
Cy1は3〜7個の炭素原子を有する窒素含有非芳香環であり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R16は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項90】
前記重合体が以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含み、

式中、各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である、請求項89記載の薬学的組成物。
【請求項91】
各ペンダント基が構造式(VI)によって表され、

式中、
構造式(VI)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
およびZはそれぞれ独立してアミンまたはアンモニウムであり、
Cy2およびCy3はそれぞれ独立して2つの環窒素原子を有する5、6、または7員非芳香環である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項92】
各ペンダント基が以下の構造式によって表され、

式中、
前記構造式における各アミンは独立して水素で4級化されてもよく、jは1、2、3、または4である、請求項91記載の薬学的組成物。
【請求項93】
各ペンダント基が構造式(IX)によって表され、

式中、
構造式(IX)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
Cyは3〜7個の炭素原子を有する非芳香環であり、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各R18は独立して末端をアミンまたはアンモニウムで置換されたC1‐C3アルキル鎖である、請求項67記載の薬学的組成物。
【請求項94】
前記重合体が以下の構造式のうち少なくとも一つによって表される繰り返し単位を含み、

式中、
前記構造式における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rおよび各Rは独立してC1‐C3アルキルまたは水素である、請求項93記載の薬学的組成物。
【請求項95】
各Rおよび各Rが水素である、請求項94記載の薬学的組成物。
【請求項96】
薬学的に許容される担体および希釈剤;ならびに
構造式(VII)および(VIII)の一つによって表される繰り返し単位を含む架橋重合体または薬学的に許容されるその塩
を含む、薬学的組成物であって、

式中、
構造式(VII)および(VIII)における各アミンは独立してRで4級化されてもよく、
各Rは独立して水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
は水素またはメチルであり、
各R17は独立して水素または置換されていてもよいC1‐C5アルキル基であり、
Arは置換されていてもよいアリーレン基であり、
各Tは独立して共有結合、カルボニル、‐Ar‐、‐Ar‐T‐、‐T‐、‐O-T‐、‐S-T‐、‐C(O)‐T‐、‐C(O)O‐T‐、‐C(O)S‐T‐、または‐C(O)N(R)‐T‐であり、式中、Rは水素または置換されていてもよいC1‐C3アルキル基であり、
は置換されていてもよいアリーレン基によって中断されてもよい、置換されていてもよいC1‐C5アルキレン基であり、
は置換されていてもよいC2‐C5アルキレン基であり、
XはC‐R、N、またはN(R)であり、式中、Rは水素または置換されていてもよいアルキル基であり、
各Yは独立して
(i)XがNまたはN(R)である場合、置換されていてもよいC2‐C5アルキレンであり、
(ii)XがC‐Rである場合、置換されていてもよいC1‐C5アルキレンである、薬学的組成物。

【公表番号】特表2009−507019(P2009−507019A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529148(P2008−529148)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033437
【国際公開番号】WO2007/027566
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(500579888)ジェンザイム・コーポレーション (34)
【Fターム(参考)】