説明

ルアーロック型流体コネクタの栓体および医療用具

【課題】ルアーロック型流体コネクタのノズルおよび凹ねじを備えた周壁部を清潔に保ち、かつ、打栓時および抜き栓時にノズルとルアーロック型流体コネクタの周壁部に触れることをなくし、さらに輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃によってねじが緩むことなく、かつ、安価で製作可能なルアーロック型流体コネクタの栓体と、該栓体を具備する医療用具を提供する。
【解決手段】医療用具用ルアーロック型流体コネクタに具備される栓体10であって、該栓体は、頭部11、カバー部12、ねじの機能を有するねじリブ14を備えた円筒部13、およびシール筒部15、とを有して構成されており、該頭部には、前記ねじリブを上面から見たときの該ねじリブの形状と位置に対応して形成されているとともに該頭部を貫通した孔が設けられてなるルアーロック型流体コネクタの栓体と、該栓体を具備してなる医療用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルとそのノズルを同軸上に囲む凹ねじを備えた周壁部からなるルアーロック型流体コネクタに具備される栓体および該栓体を具備する医療用具に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に気体や水、水溶液等の流体が充填された容器、たとえば医療用具、さらにたとえば、白血球除去器、血液成分吸着材、プラズマセパレータ、人工腎臓等は、一般に、体液の循環や水、水溶液等の通液のための一個以上の流体コネクタを備える。
【0003】
各種の流体コネクタには、滅菌時や輸送時に、内部流体が漏出するのを防止する等の目的で栓体が具備される。
【0004】
また、流体コネクタは安全性が高いためルアーロック型が広く利用されており、その場合は、一般的に、ルアーロック型流体コネクタの凹ねじに対応するねじ部を有する栓体が、該流体コネクタに具備される。
【0005】
図6は、その従来知られた代表的な流体コネクタの構造を示す一例であり、ノズル61と凹ねじ部63を備えた周壁部62とからなるルアーロック型流体コネクタ60に具備される栓体50であって、栓体50は先端キャップ部51とつまみ部52からなるものである(特許文献1)。
【0006】
この栓体50を回動させることにより両者(コネクタ本体と栓体)間の封止状態が形成される。また、つまみ部52を持つことでノズルに触れる可能性も低減される。
【0007】
しかしながら、ルアーロック型流体コネクタは、周壁部62に備えられた凹ねじ終端部に、生産工程において水溜まりが発生し、そのまま放置すると衛生上問題になるという欠点がある。図6に示した構造の場合、栓体50を打栓したときに凹ねじ部の通気性が悪化し溜まった水の除去が困難になり、水溜まりがそのまま残ることによって菌が発生し、衛生上問題になるという不都合点を有していた。
【0008】
さらに、つまみ部52を持つことでノズルに触れる可能性を低減させることは可能ではあるが、実質的な解決策とはなっておらず、ルアーロック型流体コネクタの周壁部に触れる可能性はもちろんのこと、ノズルに触れる可能性があることも否めない。また、輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃によってねじが緩み、封止状態が不完全になるといった問題点も有していた。
【特許文献1】特開2002−153539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の技術における上述した問題点を解決せんとするものであり、栓体を打栓した後でノズルのシール状態が確保されている状態において、ルアーロック型流体コネクタのノズルおよび凹ねじを備えた周壁部を清潔に保ち、かつ、打栓時および抜き栓時にノズルとルアーロック型流体コネクタの周壁部に触れることをなくし、さらに輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃によってねじが緩むことなく、かつ、安価で製作可能なルアーロック型流体コネクタの栓体と、該栓体を具備する医療用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のルアーロック型流体コネクタの栓体は、下記の(1) の構成からなる。
(1) 医療用具用ルアーロック型流体コネクタに具備される栓体であって、該栓体は、(a)頭部、(b)カバー部、(c)ねじの機能を有するねじリブを備えた円筒部、および(d)シール筒部、とを有して構成されており、該頭部には、前記ねじリブを上面から見たときの該ねじリブの形状と位置に対応して形成されているとともに該頭部を貫通した孔が設けられてなることを特徴とするルアーロック型流体コネクタの栓体。
【0011】
該頭部を貫通して形成されている孔は、ルアーロック型流体コネクタの凹ねじ部分に生産工程にて溜まった水を打栓後においても除去を可能とし、ルアーロック型流体コネクタを清潔に保つための孔であり、この孔は、ねじリブを上面から見たときの形状、および位置に対応して形成されているものである。
【0012】
また、上記目的を達成する本発明のルアーロック型流体コネクタの栓体は、以下の(2) の構成からなる。
(2)ルアーロック型流体コネクタの栓体を具備した医療用具であり、該栓体は、(a)頭部、(b)カバー部、(c)ねじの機能を有するねじリブを備えた円筒部、および(d)シール筒部、とを有して構成されており、該頭部には、前記ねじリブを上面から見たときの該ねじリブの形状と位置に対応して形成されているとともに該頭部を貫通した孔が設けられてなる栓体を具備することを特徴とする医療用具。
【0013】
さらに、かかる本発明の医療用具において、より具体的に好ましくは、以下の(3) 、(4) の構成からなるものである。
(3)栓体のカバー部の内周面に、軸方向に延在する内周リブを複数備えており、かつ、該栓体が具備されるルアーロック型流体コネクタの周壁部の外周面には、前記内周リブと噛み合う外周リブまたは外周溝が複数設けられてなることを特徴とする上記(2) 記載の医療用具。
(4)医療用具が人工腎臓であることを特徴とする上記(2) または(3) 記載の医療用具。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、栓体を打栓した後でノズルのシール状態が確保されている状態において、ルアーロック型流体コネクタのノズルおよび凹ねじを備えた周壁部を清潔に保ち、かつ、打栓時および抜き栓時にノズルとルアーロック型流体コネクタの周壁部に触れることをなくし、さらに輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃によってねじが緩むことなく、かつ、安価で製作可能なルアーロック型流体コネクタの栓体と、該栓体を具備する医療用具が提供されるものである。
【0015】
すなわち、ルアーロック型流体コネクタの周壁部を栓体のカバー部で完全に覆うことでノズルへの接触はもちろん、ルアーロック型流体コネクタの周壁部への接触をも完全に無くすことが可能であり、さらに、輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃にてねじが緩むことによってシール状態が不完全になることを防ぐことができるルアーロック型流体コネクタの栓体と、該栓体を具備する医療用具が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるルアーロック型流体コネクタの栓体およびそれを具備する医療用具の好ましい実施の形態を説明するが、本発明の栓体および医療用具は、これら実施形態のみに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明にかかる栓体およびルアーロック型流体コネクタを一部断面概略図として示すものであり、栓体を挿入する前の状態を示している。
【0018】
図1に示すルアーロック型流体コネクタの栓体10は、上記(a)の頭部11、上記(b)のカバー部12、上記(c)のねじの機能を有するねじリブ14を備えた円筒部13、および上記(d)のシール筒部15とで構成されており、頭部には孔16を備えており、この孔16は、ねじリブ14を上面から見たときの該ねじリブ14の形状および位置に対応して形成されている。ここで、「形状および位置に対応して形成される」とは、後述する図3に示したごとき関係状態で、孔16とねじリブ14が形成されていることをいう。さらに、栓体10のカバー部12の内周面上には軸方向に延在する内周リブ17を複数備えている。また、栓体10が具備されるルアーロック型流体コネクタ20はノズル21と周壁部22を備えており、従来の医療用具等でも既に知られている如くに、ルアーロック型流体コネクタ20の周壁部外周には、栓体10のカバー部内周面に備えられている上述した内周リブ17に噛み合う外周リブ23が形成されているものである。周壁部22の内周壁には、凹ねじが刻まれており、該凹ねじに栓体10のねじリブ14が螺合して両者(コネクタ本体と栓体)が一体化されるものである。
【0019】
図2は、図1に示した栓体およびルアーロック型流体コネクタの打栓後の状態を示している一部断面概略図であり、打栓後、ルアーロック型流体コネクタが完全に封止されている状態を示しており、この状態において、ノズル21と、シール筒部15、円筒部13との係合によりルアーロック型流体コネクタのシール状態が確保されているものである。
【0020】
図3は、栓体10を上面から見た状態を示しており、頭部11に備えられた孔16と、円筒部13に備えられたねじリブ14とが、両者の形状と位置が合わせられて対応して形成されている状態を例示したものである。すなわち、この例では、頭部11に備えられた孔16を透かして、ねじリブ14が見えているものである。このような関係で栓体10の全体形状を構成することにより、このような関係にしない場合と比較して、栓体10を射出成形機で成形する際に、金型構造の簡易化が可能となり、大幅なコストダウンが達成できる。したがって、本発明において、孔16が、ねじリブ14と形状と位置が対応して形成されているとは、上述した金型構造の簡易化が実現できるほどに位置的にも形状的にも両者が対応して設けられていることを言い、両者の形状が厳密に相似形であること、孔16の中心線位置とねじリブ14の中心線位置が厳密に一致していることなどは、必ずしも必要でないものである。
【0021】
また、図4は、栓体10を下面から見た状態を示している。この図では、ねじリブ14を手前にしてその向こうに孔16が見えているものである。
【0022】
また、図5は、栓体10が具備されるルアーロック型流体コネクタ20を上面から見た状態を示している。
【0023】
図4に示したように、カバー部12の内周面には、内周リブ17が複数形成されている。該内周リブ17は、図5に示されるルアーロック型流体コネクタ20の周壁部22の外周面に複数備えられた外周リブまたは外周溝23と噛み合うものであり、両者の噛み合いによって輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃によってねじが緩む危険性を解消しているものである。
【0024】
上述した本発明のルアーロック型流体コネクタの栓体10は、頭部11に備えられた孔16によってルアーロック型流体コネクタ20の周壁部22の内周面に備えられた凹ねじ部において生産工程にて溜まった水を除去させることが可能であり、これにより、凹ねじ部における菌の発生源を絶つことで衛生かつ清潔な流体コネクタの状態を維持することが可能となる。
【0025】
また、ねじリブ14を備えた円筒部によってノズル21を完全に覆い、さらに頭部11にカバー部12を取り付けることによって、栓体10が具備される医療用具のルアーロック型流体コネクタ20の周壁部22をも完全に覆い、打栓時および抜き栓時にルアーロック型流体コネクタ20のノズル21および周壁部22への接触をなくすことが可能になる。
【0026】
本発明にかかる栓体10は、射出成形機で容易に成形することができる。そのため、好ましい材質としては、ポリオレフィン樹脂が挙げられ、その中でも密封性や成形しやすさおよび低コストであることから、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などが好ましく用いられる。
【0027】
しかし、一般に、カバー部12と頭部11に孔16を有した栓体10を一体成形しようとする場合、金型構造が複雑で射出成形の金型コストおよびランニングコストが増大することは避けられない。その解決策として頭部11に備えられた孔16とねじリブ14の位置を合わせ、両者を形状的にも対応させて形成することにより、金型構造が大幅に簡易化され、そうしない場合と比べて多大なコストダウンの達成が可能になる。
【0028】
頭部11に備えられた孔16の形状は、孔16が円筒部に備えられたねじリブ14より小さい場合、前記した金型構造の簡易化が達成不可能となるため、ねじリブの形状と同等あるいはそれより大なることを条件に任意なものであるが、孔が大きすぎると頭部と円筒部との接着部が強度不足となり打栓時および抜き栓時にて栓体を回動させる際に両者の接触部分が破損する恐れがあるため好ましくない。よって、該孔の大きさは、頭部を上面から見たときに、ねじリブ14全体が臨めること(ねじリブ14全体が見えること)が可能である最小限の大きさであることが好ましい。
【0029】
ねじリブ14を備えた円筒部13の内径は、ルアーロック型流体コネクタ20のノズル21の外径よりも大なることを条件に任意であり、また、円筒部13の外径も、ルアーロック型流体コネクタ20の周壁部22にある凹ねじ山部の径より小なることを条件に任意である。
【0030】
円筒部13に備えられたねじリブ14の構造は、栓体10が具備されるルアーロック型流体コネクタの周壁部22の内周面に形成された凹ねじに係合することができ、かつ頭部に備えられた孔の形状に対応しており、栓体を回動させることにより両者の係合によって栓体が下方に誘導されることを条件に任意であるが、ねじの機能を有する周方向に断続的に形成したリブであることが好ましい。これによってルアーロック型流体コネクタの周壁部内周面に形成されたねじとの密着面が大きくなり、その密着面に生じる摩擦力を大きく発生させることが可能とある。
【0031】
また、打栓後の把持力のバランスを考えると、ねじリブ14の数は等分配で2個以上が好ましく、打栓後、具備した医療用具の内圧上昇によって栓体に圧力がかかった場合においても均等に圧力を分散することができ、栓体10のゆがみ等を回避することが可能になる。ねじリブ14の数は、等分配で、好ましくは2〜4個である。
【0032】
これらによって打栓後の高い機密性と、安定性の両方を得ることが達成される。
【0033】
カバー部12の内径はルアーロック型流体コネクタ20の周壁部22の外径より大なることを条件に任意である。
【0034】
また、厚みは、極端に薄いと打栓および抜き栓時に破損するおそれがあり、極端に厚いと材料となる樹脂を無駄に消費しコストアップに繋がるため好ましくない。好ましくは1mm以上2mm未満である。
【0035】
また、カバー部12の長さは、打栓および抜き栓時にルアーロック型流体コネクタ20の周壁部に接触しない程度の長さが必要である。ただし、長すぎると包装、梱包する際に嵩張るため10mm以上15mm未満であることが好ましい。これによって打栓時および抜き栓時にルアーロック型流体コネクタ23の周壁部22に直接接触することを完全に回避することが可能になる。さらに、より良い操作性を得るために、カバー部12の外周面には軸方向に小さな溝を幾重にも備えていることが好ましい。
【0036】
カバー部12の内周面に備えられた内周リブ17、およびルアーロック型流体コネクタの周壁部22の外周面に備えられる外周リブまたは外周溝23は、輸送時や保管時の振動、および不用意な衝撃によるねじ緩みによってシール状態が不完全になることを解消するため、形状は打栓完了時にお互いが噛み合うことを条件に任意であるが、より良い操作性、およびより良いねじ緩み防止効果を得るためにはラチェット作動を可能とするための片側に適度な傾斜を備えていることが好ましい。
【0037】
なお、ラチェットとは、逆転止めの爪と組み合わせて作られている歯車のことで、一方向だけに回転するように仕掛けられた機構であり、締め付け用工具等で一般的に広く利用されている構造である。本発明においては、打栓方向つまりねじ締め付け方向には容易に回転し、抜き栓方向つまりねじ緩み方向には噛み合うリブの弾性変形が必要となり、回転が通常よりも困難になるような形状を指す。
【0038】
前記内周リブ17、外周リブまたは外周溝23の幅、高さ、および長さは所望する緩み止め機能および良好な操作性を持っていることを条件に任意である。また、内周リブ17、および外周リブまたは外周溝23は全周にわたって備えられていてもよいが、所望する緩み止め機能が得られれば、打栓完了時時に両者が少なくとも一箇所は接触していることを条件に適宜分配してあってもよい。
【0039】
カバー部12の内周面に備えられる内周リブ17とルアーロック型流体コネクタ20の周壁部の外周に備えられる外周リブまたは外周溝23との噛み合い量は、栓体10およびルアーロック型流体コネクタ20を構成する材料の性質、所望する緩み止め機能等によって適宜設定されるが、前記噛み合い量が多すぎると抜き栓時において両者が弾性変形限度を超えてしまい、著しく操作性を失う恐れがある。さらに、少なすぎると緩み止めの機能を得られなくなるため、噛み合い量は0.2mm以上0.5mm未満が好ましい。これによって輸送時や保管時の振動および不用意な衝撃にてねじが緩むことを防止することが可能になる。
【0040】
シール筒部15は、打栓時にルアーロック型流体コネクタ20のノズル21内にねじ込められてシール筒部15の外周面が弾性変形することにより、シール状態をより強く維持することが可能であるため、外径は流体コネクタのノズル21の内径より若干大きめであることが好ましい。材料の曲げ弾性率等にもよるが、さらに好ましくは流体コネクタのノズル内径よりも0.1mm以上0.2mm未満である。
【0041】
打栓時の栓体の挿入は、栓体10のカバー部12を掴んで栓体10をねじの締め付け方向に回動させればよく、抜き栓時は、栓体のカバー部12を掴んで栓体10をねじの緩め方向に回動させ流体コネクタの軸方向に引き上げるだけで、抜き栓作業は終了する。その作業は容易であり、かつルアーロック型流体コネクタのノズルおよび周壁部に直接接触することも回避できる。
【0042】
従って、本発明による栓体10は、特に、ルアーロック型流体コネクタのノズル21および周壁部22に接触することを避けたい医療用具のルアーロック型流体コネクタの栓体として、有効に用いることができる。
【0043】
本発明の栓体が用いられ得る流体コネクタとは、例えば、白血球除去器、血液成分吸着材、プラズマセパレータ、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器、限外濾過器、浄水器等の流体の出入口部分などであり、かかる流体コネクタを有する機器の内部には、注射用蒸留水、イオン交換水、限外濾過水等の水、生理食塩水、緩衝液、輸液、透析液等の塩を含有する水溶液に例示される流体が充填されるものである。
【0044】
これらのうち、人工腎臓、人工肝臓、人工肺等は滅菌されるが、滅菌方法としては、高圧蒸気滅菌、加熱滅菌、放射線滅菌、電子線滅菌等の滅菌方法が用いられる。これらは、いずれも加熱を伴い、医療用具内の内圧が内容液体の膨張のため上昇することから高い耐圧気密性が要求される。
【0045】
また、現在では安全性が高いことからルアーロック型流体コネクタが一般的に広く利用されており、本発明による栓体は特に医療用具のルアーロック型流体コネクタの栓体として有効に用いることができる。
【0046】
また、本発明におけるルアーロック型流体コネクタの栓体は、ISO 8637:2004(E)、および、EN1283:1996規格のルアーロック型流体コネクタに好適に使用できる。このため、医療用具でこの規格のルアーロック型流体コネクタを有している人工腎臓に対して、本発明のルアーロック型流体コネクタの栓体を具備することが最も好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のルアーロック型流体コネクタの栓体と、該栓体を具備する医療用具は、例えば、白血球除去器、血液成分吸着材、プラズマセパレータ、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器、限外濾過器、浄水器などの医療材料分野、浄水化技術分野などで利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明によるルアーロック型流体コネクタの栓体およびルアーロック型流体コネクタの一実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した栓体およびルアーロック型流体コネクタにおいて打栓した後の状態を一部断面正面図である。
【図3】図3は、図1に示した栓体を上面から見た状態を示す概略モデル平面図である。
【図4】図4は、図1に示した栓体を下面から見た状態を示す概略モデル下面図である。
【図5】図5は、図1に示した栓体が具備されるルアーロック型流体コネクタを上面から見た状態を示す概略モデル平面図である。
【図6】図6は、従来のルアーロック式流体コネクタの栓体の一例を説明する一部断面正面図である。
【符号の説明】
【0049】
10:栓体
11:頭部
12:カバー部
13:円筒部
14:ねじリブ
15:シール筒部
16:孔
17:内周リブ
20:ルアーロック型流体コネクタ
21:ノズル
22:周壁部
23:外周リブまたは外周溝
50:栓体
51:先端キャップ部
52:つまみ部
60:ルアーロック型流体コネクタ
61:ノズル
62:周壁部
63:凹ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用具用ルアーロック型流体コネクタに具備される栓体であって、該栓体は、(a)頭部、(b)カバー部、(c)ねじの機能を有するねじリブを備えた円筒部、および(d)シール筒部、とを有して構成されており、該頭部には、前記ねじリブを上面から見たときの該ねじリブの形状と位置に対応して形成されているとともに該頭部を貫通した孔が設けられてなることを特徴とするルアーロック型流体コネクタの栓体。
【請求項2】
ルアーロック型流体コネクタの栓体を具備した医療用具であり、該栓体は、(a)頭部、(b)カバー部、(c)ねじの機能を有するねじリブを備えた円筒部、および(d)シール筒部、とを有して構成されており、該頭部には、前記ねじリブを上面から見たときの該ねじリブの形状と位置に対応して形成されているとともに該頭部を貫通した孔が設けられてなる栓体を具備することを特徴とする医療用具。
【請求項3】
栓体のカバー部の内周面に、軸方向に延在する内周リブを複数備えており、かつ、該栓体が具備されるルアーロック型流体コネクタの周壁部の外周面には、前記内周リブと噛み合う外周リブまたは外周溝が複数設けられてなることを特徴とする請求項2記載の医療用具。
【請求項4】
医療用具が人工腎臓であることを特徴とする請求項2または3記載の医療用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−230739(P2006−230739A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50445(P2005−50445)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】