説明

レポート作成支援装置およびそのプログラム

【課題】経過観察におけるレポートの作成時の負担を軽減する
【解決手段】同一の被写体を撮影して得られた、現在医用画像上に現れた異常陰影の大きさを計測し、過去医用画像上で前記異常陰影の現れた位置に対応する位置に現れた異常陰影の大きさを計測する。計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列を生成して、該文字列を前記過去医用画像と前記現在医用画像の症例に関するレポート文を含むファイルを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像に関するレポートを作成を支援するレポート作成支援装置、およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医師等の医療従事者が医用画像を観察して診断を行い、所見やレポート等を作成する画像診断が行われているが、医療機関における作業の効率化や迅速化を目的として、所見やレポート等を紙に代えて、コンピュータを利用してレポートの電子化が進められている。さらに、電子化されたレポートを複数の端末からアクセスできる共有サーバに保管し、複数の医師がレポートを共有して利用できるようにしたシステムが提案されている。
【0003】
このようなレポートは通常自由文で入力されることが多いが、表示された医用画像を観察しながらレポート作成をするため、レポート作成に時間と手間がかかる。そこで、医用画像を説明する例文を医用画像の撮像装置の種類、部位、検査日時、患者識別情報等の付帯情報と対応付けて記憶しておき、これらの例文の中から、入力した付帯情報に基づいて例文を自動的に選択し、医用画像の病変部の特徴を選択した例文にあてはめて、医用画像のレポートを作成し、さらに、作成した例文やレポートを編集できるようにしたり、患者の過去のレポートを使用したりすることで、レポート作成の負担を低減する方法を提供したものがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、ある症例をどのような文字列を用いて表現するかは入力者(操作者)によって異なり、何をもって該当する症例であるかを判断することが難しい。その結果、読影レポートの質の不均一になる。また、放射線画像などの医用画像を読影できる専門医が多くいないため、その分野では読影の質と効率を上げることが必要である。このように読影医に依存せずにある程度均一なレベルのレポートを作成するために、あるいは、専門医が少ない分野での読影の質と効率向上のために、過去症例や過去の読影結果を積極的に活用することが望まれる。そこで、症例をどのような文字列を用いて表現するかによって左右されないように、レポートに含まれる各項目の属性と内容とを関連付けるためのタグ情報を用いて構造化したレポートファイルを記憶し、タグ情報に基づいて参考にする読影レポートを検索するようにして、単に文字列の一致するものを検索するだけではなく項目の属性と内容が一致するものを検索して、過去症例や過去の読影結果を積極的に活用することができるレポート作成支援システムを提供したものがある(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−160502公報
【特許文献2】特開2006−155002公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、経過観察における画像診断では、癌を疑う病変や癌病変の化学治療などの現在と過去画像間の病変サイズを正確に計測し、病変が増大傾向にあるか、縮小傾向にあるか、変化無しかを判断する必要がある。
【0006】
現状では、医師は現在画像と過去画像の病変サイズを手動で計測し、サイズ変化を算出して経過観察レポート作成している。しかし、病変サイズの計測は非常に神経を使う作業であり、読影医にとって大きな負担となっている。たとえ自分が過去に計測した結果であっても、過去の計測結果は信用せず、再計測を行って正確な診断を行うようにしている。
【0007】
上述の各手法では、過去のレポートを用いて、レポート作成の負担を低減することができるが、経過観察において重要となる病変サイズは手動で計測したものを入力するしかなく、負担を軽減することができない。
【0008】
そこで、本発明では、経過観察におけるレポートの作成時の負担を軽減することができるレポート作成支援装置およびそのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のレポート作成支援装置は、同一の被写体を撮影して得られた、過去医用画像と該過去医用画像を撮影した時より後に撮影した現在医用画像のうちいずれか一方の画像上に現れた異常陰影の大きさを計測する第1の計測手段と、
前記現在医用画像と前記過去医用画像のうちの他方の画像上で前記異常陰影の現れた位置に対応する位置に現れた異常陰影の大きさを計測する第2の計測手段と、
前記計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列を生成して、該文字列を前記過去医用画像と前記現在医用画像の症例に関するレポート文を含むファイルを出力するレポート出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本願発明のプログラムは、コンピュータを、
同一の被写体を撮影して得られた、過去医用画像と該過去医用画像を撮影した時より後に撮影した現在医用画像のうちいずれか一方の画像上に現れた異常陰影の大きさを計測する第1の計測手段と、
前記現在医用画像と前記過去医用画像のうちの他方の画像上で前記異常陰影の現れた位置に対応する位置に現れた異常陰影の大きさを計測する第2の計測手段と、
前記計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列を生成して、該文字列を前記過去医用画像と前記現在医用画像の症例に関するレポート文を含むファイルを出力するレポート出力手段として機能させることを特徴とするものである。
【0011】
「異常陰影」とは、腫瘍などの異常部位を撮影した際に現れる陰影を意味するが、異常部位を撮影した陰影に限られるものではなく、異常部位を撮影した陰影に類似した陰影も含む。
【0012】
「異常陰影の大きさ」とは、異常陰影の形・面積・容積などの程度を意味し、「異常陰影の大きさの変化を表す文字列」とは、異常陰影の形・面積・容積などの程度を表すように文字を並べたものをいう。
【0013】
「症例に関するレポート文」とは、文字列を組み合わせた症例に関するレポートを表わす文をいうが、文字データのみでなく画像データと組み合わせたものであってもよい。
【0014】
また、前記一方の画像上の異常陰影の位置を入力する入力手段をさらに備えるようにして、
前記第1の計測手段が、前記入力された位置に現れた異常陰影の大きさを計測するものであることを特徴とするものであってもよい。
【0015】
さらに、前記過去医用画像および前記現在医用画像が前記被写体を所定のスライス間隔で撮影して得られた複数の断層画像からなるものである場合には、
前記過去医用画像と前記現在医用画像の間で、前記断層画像のスライス位置を位置合わせする位置合わせ手段とをさらに備えるようにして、
前記第1の計測手段および前記第2の計測手段が、前記位置合わせ手段により位置合わせされた断層画像のうち対応する前記過去医用画像の断層画像と前記現在医用画像の断層画像から前記異常陰影の大きさを計測するものであってもよい。
【0016】
「対応する前記過去医用画像の断層画像と前記現在医用画像の断層画像」とは、人体などの被写体を撮影した断層画像の解剖学的な位置が略一致する過去医用画像と現在医用画像の断層画像をいう。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、過去医用画像と現在医用画像上の対応する位置に存在する異常陰影の大きさを自動的に計測して、計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列を生成してレポート文を含むファイルを出力することによって、医師が毎回計測を行なわずとも異常陰影の変化を表す読影レポートを作成することができる。
【0018】
また、異常陰影の位置を入力するようにすれば、注目している異常陰影を指定するだけで注目している異常陰影の大きさの変化をあらわす読影レポートを作成することができる。
【0019】
さらに、過去医用画像および現在医用画像がスライス間隔で撮影して得られた複数の断層画像である場合には、断層画像のスライス位置を自動的に位置合わせすることで、対応した位置の異常陰影の変化を表す読影レポートを作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施形態によるレポート作成支援装置を備えた医用システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態による医用システム1は、医用画像を撮影するモダリティ2と、被写体の患部を撮影した医用画像を保存する画像サーバ3と、医師が読影を行うワークステーション4と、ワークステーション4の画面上に表示された医用画像を読影医が読影して作成したレポートを保存するレポートサーバ5と、ネットワーク8とを備える。
【0021】
モダリティ2は、CR(Computed Radiography:コンピュータ放射線画像)、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴映像)、PET(positron emission tomography)、US(Ultrasound imaging:超音波画像)など、患者の医用画像をデジタルデータとして収録するための装置あるいはシステムである。
【0022】
画像サーバ3は、放射線科などに設置された各モダリティ2で撮影された大量の医用画像をネットワーク8を介して受信し、医用画像を被写体の患者情報、撮影日、撮影したモダリティの情報などとともにDICOMに準拠した形式で保存する。また、画像サーバ3には、データベースの管理用ソフトウェアがインストールされ、医用画像に付帯された種々の情報を用いて、保存している医用画像を検索する機能を備える。
【0023】
ワークステーション4は、ネットワーク8を介して画像サーバ3に記憶されている医用画像の中から読影する医用画像を読み出して画像表示装置の画面上に表示する機能を備える。また、医師などの読影者が医用画像の読影をするために、ワークステーション4は高精細なCRTなど表示装置を設けたものが好ましい。
【0024】
また、ワークステーション4には、レポート作成支援プログラムがインストールされレポート作成支援装置40としても機能するように構成される。
【0025】
レポートサーバ5は、読影医がワークステーション4で読影した医用画像の結果を、読影レポートとして保存する。また、読影レポートは読影した画像サーバ3に記憶されている症例画像と対応させて記憶される。
【0026】
レポート作成支援装置40は、CRによって撮影された単純X線撮影画像、CTやMRIで撮影された断層画像など、種々の画像を読影したレポートの作成を支援するが、本実施の形態では、読影を行う診断対象画像(現在医用画像)がCRやMRIなどによって撮影された断層画像で、断層画像を読影したレポートを作成する場合について以下説明する。
【0027】
図2に示すように、レポート作成支援装置40は、現在医用画像上の異常陰影の位置を入力する入力手段41と、現在医用画像と同じ被写体の同じ部位を過去に撮影した過去医用画像を検索する過去画像検索手段42と、過去医用画像と現在医用画像の間で断層画像のスライス位置を位置合わせする位置合わせ手段43と、過去医用画像あるいは現在医用画像より異常陰影を抽出する抽出手段44と、現在医用画像のレポートを作成するレポート作成手段45とを備える。以下、本実施の形態では、現在医用画像を単に現在画像といい、過去医用画像を単に過去画像という。
【0028】
入力手段41は、マウスなどの入力装置を用いて指示された画像表示装置の画面上に表示された現在画像に表れた異常陰影の位置を入力する。具体的には、例えば、マウスなど入力装置を用いて異常陰影らしい陰影内の1点を指定し、その位置を異常陰影の位置として入力する。
【0029】
過去画像検索手段42は、現在画像と同じ被写体の同じ部位を過去に撮影した過去画像の検索要求を画像サーバ3に送信して、画像サーバ3より過去画像を受信する。
【0030】
位置合わせ手段43は、CTやMRIで撮影された断層画像は、頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部の順番で並んでいることに基づいて各部位を認識する。
【0031】
図3に示すように、位置合わせ手段43は、部位認識手段431を備えており、部位認識手段431によって認識された各部位に応じて、過去画像と現在画像の体軸方向の位置を大まかに位置合わせした後に、各断層画像のスライス位置を詳細に位置合わせする詳細位置合せ手段436とを備える。
【0032】
部位認識手段431は、被写体である人体の体部の複数の部位を表すCTによる複数の断層画像に対して部位認識処理を行い、各断層画像に表された部位を決定し、決定された部位を表す情報(例えば、部位名のテキストまたは各部位を識別するコード)を、対応する断層画像にDICOM規格に基づく付帯情報として付加して出力する。この部位認識処理では、各断層画像を人体の体部の上から下に向かって並べた場合に、頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部という体部の並び順が保たれるように、各断層画像に表された部位が決定される。
【0033】
部位認識手段431は、図3に示すように、入力された断層画像SLn(n=1,2,・・・)の正規化を行う正規化処理手段432と、正規化された断層画像SNnから多数の特徴量cnm(m=1,2,・・・)を算出する特徴量算出手段433と、正規化断層画像SNn毎に算出された特徴量cnmを、AdaBoost手法によって得られた判別器に入力して、部位らしさを表す部位毎のスコアscnp(p=頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部)を算出する部位スコア算出手段434と、算出された部位スコアscnpを入力として、動的計画法を用いて、上記体部の並び順が保たれるように各入力断層画像SLnに表された部位Pnを決定する部位決定手段435とから構成される。
【0034】
正規化処理手段432は、入力画像SLnから人体領域を抽出し、抽出された人体領域の情報からランドマーク(基準点)を算出し、算出されたランドマークを基準としてアフィン変換を行って入力画像を拡大・縮小、平行移動、回転させて正規化画像SNnを生成する処理を行う。この正規化処理の目的は、入力される断層画像SLnにおける、個体差や撮影条件等による画像中の人体領域の大きさや傾きのばらつきを排除し、人体領域中の構造物(例えば骨領域や空気領域)の位置を合わせておくことにより、後続の部位認識処理の効率や精度を上げることにある。
【0035】
ここで、入力画像SLnから人体領域を抽出する方法は本発明の実施時点における公知の方法でよく、例えば、入力画像SLnに対して2値化処理とノイズ除去処理を行った後、輪郭抽出処理により人体領域候補となる輪郭を抽出し、抽出された各輪郭の内部の面積が所定の閾値未満の輪郭を除去し、残った輪郭の内部を人体領域と判定する方法(特開平9−187444号公報参照)等が挙げられる。
【0036】
また、ランドマークは、例えば、輪郭線と正中面との交点となる2点とすることができる。具体的には、抽出された人体領域に対するラベリング処理によって得られるラベリング数に応じて、図4のようにランドマークを求めることができる。図4(a)(b)のようにラベリング数が1の場合には、ラベリング領域(人体領域)RLの重心Gを求め、その重心Gを通る長軸ALおよび短軸AS、ならびに、その重心Gを通る、断層画像SLnの上下方向の直線LVを設定し、長軸ALと短軸ASのうち直線LVとなす角が小さい方の軸と人体領域RLの輪郭線との交点をランドマークLM1、LM2とする。図4(a)は、短軸ASと直線LVのなす角の方が長軸ALと直線LVのなす角よりも小さい場合を模式的に表したものであり、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部が表された画像に相当する。図4(a)は、長軸ALと直線LVのなす角の方が短軸ASと直線LVのなす角よりも小さい場合を模式的に表したものであり、頭部、頭頸部、頸部が表された画像に相当する。また、図4(c)はラベリング数が2の場合であり、脚部が表された画像に相当する。この場合には、各ラベリング領域RL1、RL2について、重心G1、G2を求め、各重心G1、G2を通る長軸AL1、AL2および短軸AS1、AS2、ならびに、その各重心G1、G2を通る、断層画像SLnの上下方向の直線LV1、LV2を設定し、各ラベリング領域について、長軸AL1、AL2と短軸AS1、AS2のうち直線LV1、LV2となす角が小さい方の軸と人体領域RL1、RL2の輪郭線との交点をIS11、IS12、IS21、IS22とし、互いに交差しない線分IS11 IS21、線分IS12 IS22の中点を各々ランドマークLM1、LM2とする。なお、2つのラベリング領域の面積比が所定の範囲にない場合、すわなち、2つのラベリング領域の面積の差が所定の閾値よりも大きい場合には、面積の小さい方のラベリング領域は医療器具等であると判断し、面積が大きい方のラベリング領域について上記のラベリング数が1の場合と同様の処理を行う。図4(d)はラベリング数が3の場合であり、頸部と両腕が表された画像に相当する。この場合には、各ラベリング領域RL1、RL2、RL3のうち面積が最大の領域(ここではRL2)に対して上記のラベリング数が1の場合と同様にしてランドマーク
LM1、LM2を求める。なお、図4(a)(b)(d)において、ランドマークLM1、LM2の直線LVからの距離が所定の閾値よりも大きい場合、ランドマークLM1、LM2の位置を直線LVに近づくようにラベリング領域RLの輪郭に沿って移動させる補正処理を行うようにしてもよい。同様に、図4(c)において、ランドマークLM1、LM2の、線分LM1LM2の中点G3を通る、断層画像SLnの上下方向の直線LV3からの距離が所定の閾値よりも大きい場合には、ランドマークLM1、LM2の位置を直線LV3に近づくように線分IS11IS21、線分IS12IS22に沿って移動させる補正処理を行うようにしてもよい。移動量の具体例としては、ランドマークLM1、LM2と直線LVまたはLV3との距離が20%短くなるように移動させることが考えられる。
【0037】
このようにして求めたランドマークLM1、LM2を基準に、2つのランドマークLM1、LM2が断層画像SLnの水平方向における中心に位置し、かつ、2つのランドマーク間の距離が所定の値になるように、アフィン変換等を行って画像を正規化する。
【0038】
特徴量算出手段433は、正規化画像SNnの各々から、多数の種類の特徴量cnmを算出する処理を行う。特徴量cnmの具体例としては、正規化画像SNn中に設定されたブロック(例えば3×3画素等)内の画素値や画素値の平均値、最大値、最小値、中間値、CT値に基づく閾値処理によって抽出された人体領域中の空気領域や骨領域の人体領域に対する割合、その人体領域の周長と同じ周長を有する円の面積に対する人体領域の面積の割合(円形度)等が挙げられる。なお、特徴量cnmは、算出された値そのものであってもよいし、算出された値を多値化したものであってもよい。
【0039】
部位スコア算出手段434は、特徴量cnmを、AdaBoost手法に基づく学習によって得られた部位毎の判別器群に入力して、断層画像SLn毎に、各部位らしさを表す部位スコアscnpを算出する処理を行う。ここで、部位毎の判別器群は、学習用サンプルとなるその部位が表されていることがわかっている複数の画像とその部位が表されていないことがわかっている複数の画像の各々について上記と同様にして算出された多数の種類の特徴量を用いてAdaBoost手法に基づく学習を行うことによって得られたものである。1つの部位を判別する判別器群には1以上の判別器が含まれるが、2以上の判別器が含まれる場合、各判別器は判別能力について相補的な関係を有したものとなっている。また、判別器群は判別すべき部位の種類と同数生成され、判別器群毎に使用される特徴量の種類が決定される。なお、この学習および部位スコア算出方法の詳細については特開2005-108195号公報等に開示されている。部位スコアの算出は、上記の方法の他、人工ニューラルネットワーク(ANN)、サポートベクターマシン(SVM)、適合ベクターマシン(Relevance Vector Machine; RVM)等の他の学習手法によって生成された判別器を用いた方法や、1つの特徴量または複数の特徴量の組合せに対して部位スコアを決定する参照テーブルを用いた方法等であってもよい。また、特徴量算出手段433と部位スコア算出手段434の処理を、特許文献1記載の部位毎のテンプレートマッチングや特許文献2記載の部位毎の固有画像との比較処理によって得られる類似度を部位スコアとする処理に置換してもよい。
【0040】
上記の処理により、断層画像SLn毎に、部位毎のスコアscnpが算出される。図5(a)は、断層画像(スライス)SLn毎に算出された部位毎のスコアscnpの一例を示した表であり、部位スコアscnpの値が大きいほどその部位である確率が高いことを表している。この表において、スライスSLn毎に部位スコアscnpが最大となる部位を辿ると、スライス1−頭頸部、スライス2−頭頸部、スライス3−頸部、スライス4−胸部、スライス5−頸部、スライス6−胸部となり、スライス4から6の間で、人体の体部の並び順との不整合がある。そこで、次の部位決定手段435の処理でその修正が行われる。
【0041】
部位決定手段435は、予め作成された、人体の体部の配置順、すなわち、頭部、頭頸部、頸部、胸部、胸腹部、腹部、骨盤部、脚部の順で配置された参照部位と、各断層画像SLnにおける部位スコアscnpの最大値との間の不一致が生じないように、各断層画像SLnに表された部位Pnを最終的に決定する処理を行う。ここでは、参照部位と各断層画像SLnにおける部位スコアscnpの最大値との間に不一致がある場合にコストがかかるようにして、コストが最小かつ最短となる経路を求めることによって、部位Pnを最終決定する。具体的には、最適化問題を解くための手法を用いればよく、本実施形態では、その具体例として、動的計画法(DPマッチング;Dynamic Programming)を用いた手法を説明する。
【0042】
まず、図5(a)の部位スコアscnpについて、各スライスにおける部位スコアscnpの最大値から各スコア値を減算する。これにより、図5(b)に示したように、各部位スコアscnpの大小関係が逆転した、すなわち、各部位スコアscnpが0以上の値に変換され、部位スコアscnpが最も高かった部位のスコア値が0に変換された重みマップが生成される。ここで、重みマップの生成の際には、上記の減算ではなく、参照テーブルを用いた変換を行うようにしてもよい。
【0043】
次に、図5(b)の重みマップを入力として、DPマッチングによりコストが最小となる経路を算出する。以下、本出願人が特願2006-140041号にて提案している手法についての記載を引用する。まず、図5(b)の重みマップを入力として、図5(c)に示すようなコストマップを生成する。図5(c)において、各セル(n,p)のコストは次のように設定される。ここで、nはスライスの番号を示しており、pは部位を表す番号(1:頭頸部、2:頸部、3:胸部)となっている。
【0044】
(1,1):重みマップにおける(1,1)の値(図5(b)参照)
(n,1):重みマップにおける(n−1,1)の値+所定の値(ここでは0)
(1,m):重みマップにおける(1,m−1)の値+所定の値(ここでは0)
(n,m):次の(i)〜(iii)の内の最小値
(i)コストマップにおける(n−1,m−1)の値
+重みマップにおける(n,m)の値
(ii)コストマップにおける(n,m−1)の値
+重みマップにおける(n,m)の値+所定の値(ここでは1.0)
(iii)コストマップにおける(n−1,m)の値
+重みマップにおける(n,m)の値+(ここでは1.0)
次に、コストマップを、右側から左側に向かって、周辺の最小値を順次辿って行く。それにより、スライス番号と部位との対応マップが作成される。
【0045】
これにより、図6に示した、人体の体部の並び順(参照部位)を縦軸とし、各スライスSLnにおける部位スコアscnpの最大値による仮認識結果を横軸とするマッチングカーブに基づいて、仮認識結果を、対応する参照部位に置き換えることにより、各スライスSLnの部位を最終決定する処理が行われたことになる。
【0046】
詳細位置合せ手段436は、部位認識手段431で行なった大雑把な部位認識に従って、さらに、各断面画像のスライス位置の位置合わせを行なう。例えば、部位認識手段431で現在画像のスライス番号1〜100は胸部、101〜150は腹部であると認識し、過去画像のスライス番号1〜120は胸部、121〜180は腹部であると認識された場合、現在画像のスライス番号1〜100 と過去画像のスライス番号1〜120 が対応すると判定する。さらに、“William他、Automated matching of temporally sequential CT sections、Med.Phys.31、3414-3424,2004.12”などに開示されている手法を用い、現在画像と過去画像のスライス間の詳細な位置合わせを行い、現在画像のスライス番号1〜100 と過去画像のスライス番号1〜120のうち、現在画像のスライス番号10に対応する過去画像のスライス番号20であるというようにスライス位置それぞれの位置合わせを行う。
【0047】
抽出手段44は、異常陰影の検出対象となる画像上で、指定あるいは設定された1点の周囲の領域を探索して腫瘍領域などの異常陰影を抽出する。この点は腫瘍領域の中心に近い点であるのが望ましい。
【0048】
まず、図7の(a)に示すように、指示あるいは設定された点Cを中心とした、腫瘍領域を充分に含む一定半径の領域を判別領域TTとして決定する。次に、図7(a)に示すような判別領域TTの画像を、点Cからの距離と、点Cを通る所定の直線とのなす角度θで表す極座標平面上に展開した判別画像PPに変換する。たとえば、図7(a)画像の半径方向の線分CDを基準とし、時計回りの方向の角度θとして極座標変換して得られた図7(b)の極座標画像を用いて判別領域内の各画素に対して腫瘍領域の輪郭であるか否かの判定を行なう。
【0049】
判別領域内の各画素(x、y)と点Cを通る直線上の1次元輝度プロファイル内の輝度情報から抽出される特徴量Lに基づいて、判別領域内の各画素(x、y)が輪郭を表す画素であるかどうかの評価値Sを算出する。
【0050】
各画素(x、y)と点Cを通る直線上の1次元輝度プロファイルは、腫瘍領域の輪郭であるところの前後で輝度値が急激に変化する。そこで、輝度値から特徴量を算出して、この特徴量を用いた判別器を生成する。判別器から得られた結果に基づいて、図7(c)の太線Bで示すような輪郭を構成する画像(x、y)を求める。そこで、極座標系で表されている判別領域TTを通常の座標系に逆変換して図7(d)に示すように判別領域TTの画像上の輪郭を決定する。この輪郭に囲まれた領域を腫瘍領域(つまり、異常陰影)として抽出する。
【0051】
あるいは、“Wormanns D, Kohl G, Klotz E, et al. Volu- metric measurements of pulmonary nodules at multi-row detector CT: in vivo reproducibility. Eur Radiol 2004;14(1):86-92.”などに示されている領域分離技術を用いて、異常陰影を抽出してもよい。
【0052】
レポート作成手段45は、現在医用画像上に現れた異常陰影の大きさを計測する第1の計測手段451と、過去医用画像上で現在医用画像の異常陰影の現れた位置に対応する位置に現れた異常陰影の大きさを計測する第2の計測手段452と、現在画像上の異常陰影の解剖学的な位置を解析する位置解析手段453と、過去医用画像と現在医用画像の症例に関するレポート文のファイルを出力するレポート出力手段454とを備える。
【0053】
第1、2の計測手段451、452は、抽出手段44によって抽出された異常陰影の大きさを計測する。異常陰影の大きさは、面積、体積、長軸および短軸径などによって表され、これらを自動的に計測する。
【0054】
位置解析手段453は、抽出手段44で抽出された異常陰影の解剖学的な位置を解析する。例えば、胸部画像では、図9に示すように、まず、入力された胸部画像(同図(a)参照)より自動的に肺野の抽出(同図(b)参照)と気管支の抽出(同図(d))を行う。さらに、気管支の形状から葉間裂を抽出して(同図(c)(e)参照)、肺野を分けた肺葉分類(右上、中、下葉、左上、下葉)を行う(詳細は、文献1“林 達郎,周 向栄,原 武史,藤田広志,横山龍二郎,桐生拓司,星 博昭:胸部マルチスライスCT画像における葉間裂の自動抽出手順の開発と性能評価,電子情報通信学会技術研究報告, MI2003-53, 39-44 (2003)”、文献2“中田他、3次元胸部CT像から抽出された気管支の葉分類に関する検討、第15回コンピュータ支援画像学会、pp275-276、2005.11”、文献3“田中他、血管と気管支の空間的配置特徴に基づく胸部X線CT像からの肺動脈・肺静脈自動分類、電子情報通信学会論文誌、DII、Vol.J88、PP1421-1431、2005.4”、文献4“:Shyu C, Brodley CE, Kak A, Kosaka A,Aisen A, Broderick L. ASSERT, a physician-in-the-loop content-based image retrieval system for HRCT image databases.Computer Vision and Image Understanding,1999;74: 111-132”などを参照)。例えば、図9(a)に示す、異常陰影(黒矢印が指す部分)の解剖学的位置は、「左肺・上葉・S2」として認識される。
【0055】
レポート出力手段454は、過去医用画像と現在医用画像の症例に関するレポート文に計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列と、異常陰影の解剖学的な位置を表した文字列を含むファイルを出力する(図11,12を参照)。
【0056】
以下、本発明のレポート作成支援装置を用いて過去画像と現在画像の経過観察のレポートを生成する流れについて、図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0057】
まず、読影医は、診断対象の被写体を撮影した現在画像を画像サーバ3から読み出してワークステーション4の表示装置上に表示する(S100)。表示された現在画像の各断面画像を順に表示し、異常陰影らしい陰影の存在が確認されると、マウスなどのポインティングデバイスを用いて断面画像上に表れている異常陰影の中心付近の1点を指示してクリックする(S101)。この指示された異常陰影の過去の状態と比較して、病変部の進行状態を診断するために、まず、レポート作成支援装置40の過去画像検索手段42で、現在画像と同じ被写体の同じ部位を同じモダリティ2を用いて過去に撮影した過去画像の検索要求を画像サーバ3に送信して(S102)、画像サーバ3より過去画像を受信する(S103)。
【0058】
現在観察を行なっている断面画像と同じスライス位置の断面画像とを比較するために、受信した過去画像と現在画像の間で断層画像を位置合わせ行なう。はじめに、部位認識手段431で過去画像と現在画像の対軸方向の部位を大雑把に認識して、過去画像と現在画像の体軸方向の位置を大まかに位置合わせした後に(S104)、詳細位置合せ手段436で各断層画像のスライス位置を詳細に位置合わせする(S105)。この位置合わせされたスライス位置に基づいて、表示されている現在画像の断層画像に対応する過去画像の断層画像を図10に示すように2つ並べて表示する(S106)。
【0059】
第1の計測手段451で、現在画像の断面画像上でクリックされた1点を基準にして、抽出手段44で指定された1点の周囲の領域を探索して異常陰影を現在の断層画像から抽出する。さらに、抽出された異常陰影の大きさを自動計測する(S107)。例えば、図10に示すような現在画像では、
面積 Area = 55.2 mm2
長軸 Axis major=9.5mm 短軸 Axis minor=6.8mm
となる。
【0060】
さらに、第2の計測手段452で、現在と過去の断面画像の肺野領域の位置合わせを行なって現在の断面画像上で指示された1点に対応する過去の断面画像上の位置に点を設定して、抽出手段44で設定された1点の周囲の領域を探索して異常陰影を過去の断層画像から抽出して、抽出された異常陰影の大きさを自動計測する(S108)。例えば、図10に示すような過去画像では、
面積 Area = 70.119 mm2
長軸 Axis major=10.8mm 短軸 Axis minor=6.8mm
となる。
【0061】
第1、2の計測手段451、452によって得られた現在と過去画像間の自動計測結果を比較すると、
長軸比:0.78%
面積比:0.87%
となる(S109)。
【0062】
レポート出力手段454は、第1、2の計測手段451、452によって得られた現在と過去画像間の自動計測結果から、診断を行い過去画像に表れていた異常陰影が現在画像では消失している、縮小している、増大しているかに応じて、下記のように分類する。
【0063】
CR(著功):腫瘍消失
PR(有効):50%以上の縮小率
NC(不変):50%未満の縮小率または25%以内の増大
PD(進行):25%以上の増大
さらに、抽出手段44で抽出された異常陰影の解剖学的な位置を位置解析手段453を用いて解析すると、解剖学的位置は、「左肺・上葉・S2」として認識される(S110)。レポート出力手段454では、これらの解析結果を文字列に変換して、図11に示すような異常陰影の大きさの変化を表す文字列と、異常陰影の解剖学的な位置を表した文字列を含むレポート文のファイルを出力する(S111)。このファイルは読影レポートとしてレポートサーバ5に記憶される。
【0064】
あるいは、これらの文字列予め用意されたレポート文の雛形に当てはめて、図12に示すような出力にしてもよい。図12は「<」と「>」で囲まれた部分が文字列で置き換えることができるようなテンプレートの例を示している。
【0065】
以上詳細に説明したように、現在画像上の1点を指定すれば、対応する過去画像を自動的に検索して、過去画像と現在画像の経過観察のレポートを自動的に生成することが可能になる。また、自動的に大きさの変化などを算出することで、常に同じ精度で計測を行うことができる。
【0066】
上述の実施の形態では、現在医用画像の異常陰影の大きさを計測した後に、過去医用画像上の対応する位置に表れた異常陰影の大きさを計測する場合について説明したが、過去医用画像の異常陰影の大きさを計測した後に、現在医用画像上の対応する位置に表れた異常陰影の大きさを計測するようにしてもよい。
【0067】
上述では、断層画像について説明したが単純X線撮影画像のように1枚しかない画像であっても、肺領域などの臓器を自動的に位置合わせを行なって、自動的にレポートを作成することができる。
【0068】
また、複数結節が現れている場合は、各結節をクリックして面積の総和で比較して異常陰影の大きさの変化を表してもよい。
【0069】
さらに、異常陰影が1箇所にしか現れていないような場合であれば、異常陰影の位置を指定しなくても、CAD機能を使って異常陰影検出し、検出された異常陰影の大きさについて自動的にレポートを作成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】医用システムの概略構成を示すブロック図
【図2】レポート作成支援装置の概略構成を示すブロック図
【図3】位置合わせ手段の構成を示すブロック図
【図4】断層画像の正規化のためのランドマークの設定方法を模式的に表した図
【図5】部位認識処理で用いるスライス毎・部位毎のスコアを表した図((a)部位スコア (b)重みマップ (c)コストマップ)
【図6】部位認識処理で用いるマッチングカーブの一例を示した図
【図7】異常陰影の自動抽出の方法を説明するための図
【図8】レポート作成手段の構成を示すブロック図
【図9】解剖学的な位置を解析する方法を説明するための図
【図10】現在画像と過去画像の表示例
【図11】文字列でレポート文を作成した一例(その1)
【図12】文字列でレポート文を作成した一例(その2)
【図13】過去画像と現在画像の経過観察のレポートを生成する流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0071】
1 医用システム
2 モダリティ
3 画像サーバ
4 ワークステーション
5 レポートサーバ
8 ネットワーク
40 レポート作成支援装置
41 入力手段
42 過去画像検索手段
43 位置合わせ手段
44 抽出手段
45 レポート作成手段
431 部位認識手段
432 正規化処理手段
433 特徴量算出手段
434 部位スコア算出手段
435 部位決定手段
451 第1の計測手段
452 第2の計測手段
453 位置解析手段
454 レポート出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の被写体を撮影して得られた、過去医用画像と該過去医用画像を撮影した時より後に撮影した現在医用画像のうちいずれか一方の画像上に現れた異常陰影の大きさを計測する第1の計測手段と、
前記現在医用画像と前記過去医用画像のうちの他方の画像上で前記異常陰影の現れた位置に対応する位置に現れた異常陰影の大きさを計測する第2の計測手段と、
前記計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列を生成して、該文字列を前記過去医用画像と前記現在医用画像の症例に関するレポート文を含むファイルを出力するレポート出力手段とを備えたことを特徴とするレポート作成支援装置。
【請求項2】
前記一方の画像上の異常陰影の位置を入力する入力手段をさらに備え、
前記第1の計測手段が、前記入力された位置に現れた異常陰影の大きさを計測するものであることを特徴とする請求項1記載のレポート作成支援装置。
【請求項3】
前記過去医用画像および前記現在医用画像が前記被写体を所定のスライス間隔で撮影して得られた複数の断層画像からなるものであり、
前記過去医用画像と前記現在医用画像の間で、前記断層画像のスライス位置を位置合わせする位置合わせ手段とをさらに備え、
前記第1の計測手段および前記第2の計測手段が、前記位置合わせ手段により位置合わせされた断層画像のうち対応する前記過去医用画像の断層画像と前記現在医用画像の断層画像から前記異常陰影の大きさを計測するものであることを特徴とする請求項1または2記載のレポート作成支援装置。
【請求項4】
コンピュータを、
同一の被写体を撮影して得られた、過去医用画像と該過去医用画像を撮影した時より後に撮影した現在医用画像のうちいずれか一方の画像上に現れた異常陰影の大きさを計測する第1の計測手段と、
前記現在医用画像と前記過去医用画像のうちの他方の画像上で前記異常陰影の現れた位置に対応する位置に現れた異常陰影の大きさを計測する第2の計測手段と、
前記計測した2つの異常陰影の大きさの変化を表す文字列を生成して、該文字列を前記過去医用画像と前記現在医用画像の症例に関するレポート文を含むファイルを出力するレポート出力手段として機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−259622(P2008−259622A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103842(P2007−103842)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】