説明

レンズアレイの製造方法

【課題】レンズアレイの厚みが均一になるようにしつつ、樹脂の加熱時間を短縮する
【解決手段】レンズアレイ10を第1の加熱部(120,130)と第2の加熱部(220,230)を用いて製造する製造方法であって、一対の成形型(20,30)の間に熱硬化性の樹脂を挟みこみ、成形型(20,30)の間に樹脂を挟みこんだ状態で、成形型(20,30)で挟み込んでいる樹脂が硬化開始温度に到達するまで、第1の加熱速度で成形型(20,30)を加熱する第1の加熱部を用いて、成形型(20,30)を均一に加熱し、樹脂が硬化開始温度に到達したときは、成形型(20,30)を加圧しながら、第1の加熱速度よりも大きい第2の加熱速度で成形型(20,30)を加熱する第2の加熱部を用いて、成形型(20,30)を加熱し、樹脂を硬化させるレンズアレイの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。
【0003】
撮像ユニットのコストの低下を図るため、撮像ユニットに実装されるレンズを大量に且つ安価に製造できるように、レンズの製造方法を効率化することが望まれている。このようなレンズは、基板部に複数のレンズ部を一体に形成した構成であるレンズアレイを製造し、該基板部を切断して複数のレンズ部をそれぞれ分離させることで、得られ、撮像ユニットに実装される。
【0004】
そして、熱硬化性の樹脂を材料にしたレンズアレイ等の光学部材を製造するには、一対の成形型と、加熱部が用いられる。
【0005】
一対の成形型と二つ加熱部を用いたガラスレンズの製造方法としては、特許文献1に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−193626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
熱硬化性樹脂を材料にしたレンズアレイを製造するには、複数のレンズ部の厚みが均一になるように、樹脂全体を均一に加熱する。しかし、樹脂を均一に加熱するには、成形型の温度分布を小さくする必要があるために成形型の昇温速度を小さくする必要がある。結果として、樹脂の成形に非常に時間がかかるため、効率が悪い。
【0008】
加熱の効率を良くするため、ガラスを材料にしたガラスレンズを製造する特許文献1では、まず急速に加熱を行う赤外線ヒーターでガラスを加熱した後、均一に加熱するカートリッジヒーターを用いてこれを加熱する。
【0009】
そこで、この方法で熱硬化性の樹脂を材料としたレンズアレイを製造しようとすると、今度は急速な加熱によって樹脂内に加熱ムラができ、複数のレンズ部の厚みに大きなばらつきがでてしまう。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、レンズアレイを製造するときに、レンズアレイの厚みが均一になるようにしつつ、樹脂の加熱時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部と一体に形成される基板部とを有するレンズアレイを第1の加熱部と第2の加熱部を用いて製造する製造方法であって、一対の成形型の間に熱硬化性の樹脂を挟みこみ、前記成形型の間に前記樹脂を挟みこんだ状態で、前記成形型で挟み込んでいる前記樹脂が硬化開始温度に到達するまで、第1の加熱速度で前記成形型を加熱する前記第1の加熱部を用いて、前記成形型を均一に加熱し、前記樹脂が硬化開始温度に到達したときは、前記成形型を加圧しながら、第1の加熱速度よりも大きい第2の加熱速度で前記成形型を加熱する第2の加熱部を用いて、前記成形型を加熱し、前記樹脂を硬化させるレンズアレイの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、先に均一に熱硬化性の樹脂を加熱し、この樹脂の硬化が始まったところで、急速に樹脂を加熱するようにしている。これにより、レンズアレイの厚みが均一になるようにしつつ、樹脂の加熱時間を短縮してレンズアレイを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を説明するための撮像ユニットの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態を説明するためのレンズアレイの一例を示す図である。
【図3】図2のレンズアレイのIII−III線断面図である。
【図4】本発明の実施形態を説明するための成形装置を説明するための模式図である。
【図5】一対の成形型を用いた供給工程を示す模式的な断面図である。
【図6】図5の成形型を用いた成形工程を示す模式的な断面図である。
【図7】図5の成形型を用いた第1の加熱工程を示す模式的な断面図である。
【図8】図6の成形型を用いた第2の加熱工程を示す模式的な断面図である。
【図9】図7と図8の第1の加熱工程と第2の加熱工程の切り替えを説明するための図である。
【図10】図5の成形型から成形体を離型する離型工程を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態を説明するための撮像ユニットの一例を示す断面図である。
【0015】
図1に示す撮像ユニット1は、センサモジュール2と、レンズモジュール3と、を備えている。
【0016】
センサモジュール2は、固体撮像素子4と、センサ基板部5とを備えている。センサ基板部5は、例えばシリコンなどの半導体材料で形成されている。固体撮像素子4は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどであり、センサ基板部5に対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程、不純物添加工程、等を繰り返し、センサ基板部5上に受光領域、絶縁膜、電極、配線、等を形成して構成されている。
【0017】
レンズモジュール3は、レンズ部6と、フランジ部7とを備えている。レンズ部6は、その表裏に所定のレンズ面6a、6bを有している。両レンズ面6a、6bは、図示の例ではいずれも凸形状の球面とされているが、用途に応じて、凸形状の球面、凹形状の球面、非球面、又は平面の種々の組み合わせを採り得る。フランジ部7は、レンズ部6の外周から鍔状に張り出して、レンズ部6の外周を取り囲んでいる。レンズ部6、及びフランジ部7は、透光性の材料で一体に形成されている。
【0018】
レンズモジュール3は、そのフランジ部7とセンサ基板部5との間にスペーサ9を介してセンサモジュール2に積層され、センサモジュール2に組み付けられている。スペーサ9は、レンズモジュール3のレンズ部6がセンサモジュール2の固体撮像素子4の受光面に結像するように、センサモジュール2のセンサ基板部5とレンズモジュール3のフランジ部7との間に所定の距離を置く厚みとなっている。スペーサ9と両モジュール2、3とは、例えば接着剤などを用いて接合される。
【0019】
スペーサ9は、センサモジュール2のセンサ基板部5とレンズモジュール3のフランジ部7との間に所定の距離を置くことができる限り、その形状は特に限定されないが、固体撮像素子4の周囲を取り囲んで両モジュール2、3の間を外より隔絶する枠状の部材であることが好ましい。これによれば、両モジュール2、3の間から塵等の異物が入り、それが固体撮像素子4の受光面に付着することを防止することができる。さらに、スペーサ9を遮光性の材料で形成すれば、両モジュール2、3の間から固体撮像素子4に入射する不要な光を遮ることができる。
【0020】
なお、図示の例では、センサモジュール2に組み付けられるレンズモジュール3が1つとなっているが、複数のレンズモジュール3が組み付けられる場合もある。その場合に、複数のレンズモジュール3は、スペーサ9と同等のスペーサを介して順次積層され、センサモジュール2に組み付けられる。また、それらのレンズ部6のレンズ面6a、6bは、レンズモジュール3毎に異なっていてもよい。
【0021】
以上のように構成された撮像ユニット1は、例えば携帯端末等の回路基板にリフロー実装される。回路基板には撮像ユニット1が実装される位置に予めペースト状の半田が印刷されており、そこに撮像ユニット1が載置される。そして、撮像ユニット1を含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施される。それにより半田が溶け、撮像ユニット1は回路基板に実装される。
【0022】
上述のレンズモジュール3は、複数のレンズ部6が1次元又は2次元に配列されたレンズアレイを、個々にレンズ部6を含むように分断して得られる。また、上述のセンサモジュール2も同様に、複数の固体撮像素子が1次元又は2次元に配列されたセンサアレイを、個々に固体撮像素子を含むように分断して得られる。以下に、レンズモジュール3を得るレンズアレイについて説明する。
【0023】
図2は、本発明の実施形態を説明するためのレンズアレイの一例を示す図であり、図3は、図2のレンズアレイのIII−III線断面図である。
【0024】
図2及び図3に示すレンズアレイ10は、複数のレンズ部6と、これらのレンズ部6を一体に繋ぐ基板部11とを備えている。このレンズアレイ10は、全体として所定のサイズのウエハ状をなし、そこに複数のレンズ部6が配列された、ウエハレベルレンズアレイとも称され、図示の例では、複数のレンズ部6は2次元に配列されている。これらのレンズ部6、及び基板部11は、透光性の材料で一体に形成されている。
【0025】
上述のレンズモジュール3(図1参照)は、レンズアレイ10において、隣り合うレンズ部6の間で基板部11を切断して得られる。切断されて個々のレンズ部6に付属する基板部11が、レンズモジュール3のフランジ部7となる。
【0026】
図4は、本発明の実施形態を説明するための成形装置を説明するための模式図である。
【0027】
成形装置70は、レンズアレイの成形上型である型20と、レンズアレイの成形下型である型30と、急速加熱制御部40と、均一加熱制御部50とを含んで構成される。また、成形装置は、型20を加熱する均一加熱ヒーター120と急速加熱ヒーター220を含み、型30を加熱する均一加熱ヒーター130と急速加熱ヒーター230を含んで構成される。
【0028】
型20と型30は上下に配置されているおり、型20,30に設けられた転写面21,31(図5参照)が対向するように同軸上に配置されている。
【0029】
型20は上軸320に支持されており、型30は下軸330に支持されている。上軸320が上下方向に動作することによって、型20が型30に近づいたり離れたりする。なお、上軸320と下軸330がともに上下方向に動作してもよく、下軸330のみが上下方向に動作するようにしてもよい。
【0030】
また、上軸320には、上軸320の方から型20にかかる力を検出するロードセル60が設けられている。ロードセル60は、力が加わると変形する起歪体と、起歪体の変形量を検出するひずみゲージを備えており、この起歪体の変形を電気信号に変換してロードセル60に加わる力を検出するようになっている。なお、上述のように動作する軸の違いによってロードセル60が設けられる場所を変更してもよい。
【0031】
均一加熱ヒーター120は、型20に密接配置されており、均一加熱ヒーター130は、型30に密接配置されている。均一加熱ヒーター120は、型20の転写面21(図5参照)全面に均一に熱を供給するようになっており、均一加熱ヒーター130は、型30の転写面31(図5参照)全面に均一に熱を供給するようになっている。均一加熱ヒーター120,130としては、均一に熱を供給するものであればよく、例えば、カートリッジヒーターや、ペルチェ素子等が用いられる。
【0032】
また、均一加熱制御部50は、型20の温度を検出する熱伝対520から得られる型20の温度情報に基づいて、均一加熱ヒーター120を制御し、型30の温度を検出する熱伝対530から得られる型30の温度情報に基づいて、均一加熱ヒーター130を制御する。なお、同図では、均一加熱制御部50は、1つのユニットとして記載されているが、型20用と型30用の別々の複数のユニットで構成されてもよい。
【0033】
急速加熱ヒーター220は、型20の外周を囲むように配置されており、急速加熱ヒーター230は、型30の外周を囲むように配置されている。急速加熱ヒーター220は均一加熱ヒーター120よりも大きな加熱速度で型20を加熱する。急速加熱ヒーター230は均一加熱ヒーター130よりも大きな加熱速度で型30を加熱する。急速加熱ヒーター220,230としては、急速に熱を供給するものであればよく、例えば、赤外線ヒーター(IRヒーター)や誘導加熱ヒーター等が用いられる。
【0034】
また、急速加熱制御部40は、型20の温度を検出する熱伝対420から得られる型20の温度情報に基づいて、急速加熱ヒーター220を制御し、型30の温度を検出する熱伝対430から得られる型30の温度情報に基づいて、急速加熱ヒーター230を制御する。なお、同図では、急速加熱制御部40は、1つのユニットとして記載されているが、型20用と型30用の別々の複数のユニットで構成されてもよい。
【0035】
さらに、急速加熱制御部40は、ロードセル60によって検出された力を所定の時間間隔で取得する。
【0036】
次に、上述の成形型を用いた製造方法の手順を図5から図10を用いて説明する。
【0037】
図5は、一対の成形型を用いた供給工程を示す模式的な断面図である。図6は、図5の成形型を用いた成形工程を示す模式的な断面図である。図7は、図5の成形型を用いた第1の加熱工程を示す模式的な断面図である。図8は、図6の成形型を用いた第2の加熱工程を示す模式的な断面図である。図9は、図7と図8の第1の加熱工程と第2の加熱工程の切り替えを説明するための図である。図10は、図5の成形型から成形体を離型する離型工程を示す模式的な断面図である。
【0038】
先に、図5に基づいて、成形工程に用いる成形型の構成を説明する。
【0039】
成形型は、上下一対の型20,30を備える。型20は、転写面21がレンズアレイ10の一方の面の形状を成形するものであり、型30は、レンズアレイ10の他方の面の形状を成形するものである。
【0040】
型20は、転写面21を含む。型30は、転写面31を含む。転写面21は、レンズアレイ10の一方の面を反転させた形状であり、転写面31は、レンズアレイ10の他方の面を反転させた形状である。
【0041】
型20の転写面21には、レンズアレイ10のレンズ部6の配列に対応してレンズ成形面22が2次元に配列されている。レンズ成形面22は、凸形状の球面であるレンズ面6aに対応して凹形状の球面に成形されている。
【0042】
型30の転写面31には、レンズアレイ10のレンズ部6の配列に対応してレンズ成形面32が2次元に配列されている。レンズ成形面32は、凸形状の球面であるレンズ面6aに対応して凹形状の球面に成形されている。
【0043】
次に、上述の成形型を用いた製造方法の手順を説明する。なお、図9では、実線はロードセル60が検出する力の変化を、破線は型20(型30)の温度の変化を模式的に示している。
【0044】
図5に示すように、型30の転写面31上にレンズアレイの材料である樹脂Mを供給する。このとき、樹脂Mは、レンズアレイ10を成形するために必要な量以上の量が供給される。また、樹脂Mは、図示しないディスペンサなどの供給装置を用いて制御可能に供給される。
【0045】
樹脂Mの材料は、エネルギー硬化性の樹脂組成物が用いられる。特に、熱による硬化する樹脂組成物が用いられる。
【0046】
次に、図6に示すように、型20と型30で樹脂Mを挟み込む。これにより、転写面21,31の形状に倣って樹脂Mが変形される。
【0047】
次に、図7に示すように、型20に密接配置された均一加熱ヒーター120と型30に密接配置された130を用いて、型20と型30を加熱する(第1の加熱工程)。このとき、均一加熱ヒーター120,130から、それぞれ型20,30の転写面21,31の全面に向けて熱H1が均一に供給される。
【0048】
この第1の加熱工程の間、樹脂Mを加圧しない。これにより、型20と型30の温度に合わせて樹脂Mの温度は上昇する一方、ロードセル60が検出する力は一定となる(図9参照)。
【0049】
そして、均一加熱ヒーター120,130によって、樹脂Mの熱硬化が開始する温度まで型20と型30を加熱すると、樹脂Mの収縮が開始する。
【0050】
このとき、この樹脂Mの収縮に伴って型20が引っ張られるために、ロードセル60が検出する力(上軸320の方から型20にかかる力)が小さくなる。
【0051】
この力の変化に基づいて、急速加熱制御部40は、樹脂Mの硬化が開始したと判断する。
【0052】
これにより、図8に示すように、型20側から型20,30を所定の値になるまで加圧するとともに、型20の外周を囲むように配置された急速加熱ヒーター220と型30の外周を囲むように配置された急速加熱ヒーター230を用いて、型20と型30を所定の温度になるまで加熱する(第2の加熱工程)。このとき、急速加熱ヒーター220,230から供給される熱H2による型20,30の昇温速度(加熱速度)は、均一加熱ヒーター120,130から供給される熱H1による型20,30の昇温速度(加熱速度)よりも大きい。
【0053】
なお、第2の加熱工程において、均一加熱ヒーター120,130により型20と型30を加熱し続けてもよい。また、熱伝対520,530それぞれから得られる型20と型30の温度変化の速度に基づいて、均一加熱制御部50が急速加熱ヒーター220,230による加熱が始まったと判断し、均一加熱ヒーター120,130による加熱を停止してもよい。
【0054】
樹脂Mが完全に硬化するまで、急速加熱ヒーター220及び230により樹脂Mを加熱する。
【0055】
そして、図10に示すように、硬化された樹脂Mからなるレンズアレイ10を、型20と型30から離型する。
【0056】
以上、このレンズアレイの製造方法によれば、先に均一に熱硬化性の樹脂Mを加熱し、この樹脂の硬化が始まったところで、急速に樹脂Mを加熱するようにしている。これにより、レンズアレイの厚みが均一になるようにしつつ、樹脂の加熱時間を短縮してレンズアレイを製造することができる。また、熱硬化性の樹脂Mの収縮を検出するようにしたため、任意の製造条件下において、適切に急速加熱ヒーター220,230による加熱のタイミングを逃すことがなくレンズアレイを製造することができる。
【0057】
以上、本発明のレンズ制御装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【0058】
以上、説明したように、本明細書には、以下の事項が開示されている。
(1)複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部と一体に形成される基板部とを有するレンズアレイを第1の加熱部と第2の加熱部を用いて製造する製造方法であって、一対の成形型の間に熱硬化性の樹脂を挟みこみ、前記成形型の間に前記樹脂を挟みこんだ状態で、前記成形型で挟み込んでいる前記樹脂が硬化開始温度に到達するまで、第1の加熱速度で前記成形型を加熱する前記第1の加熱部を用いて、前記成形型を均一に加熱し、前記樹脂が硬化開始温度に到達したときは、前記成形型を加圧しながら、第1の加熱速度よりも大きい第2の加熱速度で前記成形型を加熱する第2の加熱部を用いて、前記成形型を加熱し、前記樹脂を硬化させるレンズアレイの製造方法。
(2)(1)に記載のレンズアレイの製造方法であって、前記樹脂の硬化に伴う前記樹脂の収縮の開始を検出することによって、前記樹脂が硬化開始温度に到達したことを判断するレンズアレイの製造方法。
(3)(2)に記載のレンズアレイの製造方法であって、前記成形型にかかる力の変化を検出することによって、前記樹脂の収縮の開始をするレンズアレイの製造方法。
(4)(1)から(3)のいずれか一つに記載のレンズアレイの製造方法であって、前記第1の加熱部は、前記成形型に密接配置されるレンズアレイの製造方法。
(5)(1)から(4)のいずれ一つに記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記第2の加熱部は、前記成形型の外周を囲むように配置されるレンズアレイの製造方法。
【符号の説明】
【0059】
1 撮像ユニット
2 センサモジュール
3 レンズモジュール
4 固体撮像素子
5 センサ基板部
6 レンズ部
6a,6b レンズ面
7 フランジ部
8 突出部
8a 環状凸面
9 スペーサ
10 レンズアレイ
11 基板部
20,30 型
21,31 転写面
22,32 レンズ成形面
70 成形装置
120,130 均一加熱ヒーター
220,230 急速加熱ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズ部と、前記複数のレンズ部と一体に形成される基板部とを有するレンズアレイを第1の加熱部と第2の加熱部を用いて製造する製造方法であって、
一対の成形型の間に熱硬化性の樹脂を挟みこみ、
前記成形型の間に前記樹脂を挟みこんだ状態で、前記成形型で挟み込んでいる前記樹脂が硬化開始温度に到達するまで、第1の加熱速度で前記成形型を加熱する前記第1の加熱部を用いて、前記成形型を均一に加熱し、
前記樹脂が硬化開始温度に到達したときは、前記成形型を加圧しながら、第1の加熱速度よりも大きい第2の加熱速度で前記成形型を加熱する第2の加熱部を用いて、前記成形型を加熱し、前記樹脂を硬化させるレンズアレイの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記樹脂の硬化に伴う前記樹脂の収縮の開始を検出することによって、前記樹脂が硬化開始温度に到達したことを判断するレンズアレイの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記成形型にかかる力の変化を検出することによって、前記樹脂の収縮の開始をするレンズアレイの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記第1の加熱部は、前記成形型に密接配置されるレンズアレイの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズアレイの製造方法であって、
前記第2の加熱部は、前記成形型の外周を囲むように配置されるレンズアレイの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−187817(P2012−187817A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53310(P2011−53310)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】