レンズ光学系及び撮像装置
【課題】小型化を図ると共に十分な像面湾曲補正を行って高い光学性能を確保する。
【解決手段】固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する。(1)ρ×Sag>0但し、ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率、rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径、nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率、n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率、Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)とする。
【解決手段】固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する。(1)ρ×Sag>0但し、ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率、rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径、nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率、n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率、Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はレンズ光学系及び撮像装置に関する。詳しくは、小型かつ高性能で撮像手段として固体撮像素子を用いたデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ等に特に好適なレンズ光学系及び撮像装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラ等の撮像装置の市場は非常に大きなものとなっており、ユーザーのデジタルカメラ等に対する要望も多岐にわたっている。高画質化、小型化、薄型化は言うまでもなく、さらに近年では撮影レンズの明るさ、さらには低ノイズ撮影やハイダイナミックレンジの実現に効果的となることから撮像素子の大型化へのニーズも非常に大きくなってきている。
【0003】
一般に、撮像素子を大型化すると、その分レンズ光学系も同時に大型化してしまうことが知られている。特に、撮像手段として固体撮像素子を用いたデジタルカメラ用のレンズ光学系においては、撮像面への入射光線角度の許容レベルが小さく、可能な限り垂直に近い光線入射を実現するために光学系をテレセントリックに近付ける光学設計が必要であったため、結果として、光学系の十分な小型化を実現することが困難であった。
【0004】
また、撮影画像や映像の中心から周辺部に至る全画面での高解像度化を実現するためには、撮像面に結像する光学像の像面湾曲を適切に補正する必要があるが、これを実現するためには像面湾曲補正を行うための補正レンズを光学系に追加する必要があった。従って、光学系の小型化に対して大きな制約になっていた。焦点深度が浅くなるFナンバーの明るいレンズにおいては、特に、この制約が大きく、小型化が困難であった。
【0005】
上記のような像面湾曲補正を行う撮像装置として、固体撮像素子の物体側に曲面を有する像面変換素子が配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2010−109096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載されたレンズ光学系については、像面変換素子によって像面湾曲補正が行うようにされているが、曲面形状についての具体的な設計が行われておらず、十分な像面湾曲補正が行われない可能性がある。
【0008】
また、特許文献1に記載されたレンズ光学系については、固体撮像素子の物体側に像面変換素子が配置されているため、その分、光学全長が長くなり、小型化に支障を来たすと言う問題もある。
【0009】
そこで、本技術レンズ光学系及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、小型化を図ると共に十分な像面湾曲補正を行って高い光学性能を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、レンズ光学系は、上記した課題を解決するために、固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足するものである。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0011】
従って、レンズ光学系にあっては、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能になる。
【0012】
第2に、上記したレンズ光学系においては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)ρ<0
【0013】
条件式(2)を満足することにより、ペッツバール曲率がマイナス符号を持つ。
【0014】
第3に、上記したレンズ光学系においては、前記固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状であることが望ましい。
【0015】
固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状であることにより、レンズ光学系を構成する各レンズのレンズ面形状を回転対称の形状に形成することが可能になる。
【0016】
第4に、上記したレンズ光学系においては、全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の前記撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【0017】
全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の撮像面への入射角度が条件式(3)を満足することにより、固体撮像素子への入射光線角度が小さくなる。
【0018】
第5に、上記したレンズ光学系においては、前記固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状であることが望ましい。
【0019】
固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状であることにより、撮像面の形状が単純化される。
【0020】
第6に、上記したレンズ光学系においては、前記固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【0021】
固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が条件式(4)を満足することにより、撮像面の湾曲の度合いが小さくなると共にレンズ光学系の焦点距離に対して固体撮像素子の撮像面の曲率が強くなる。
【0022】
第7に、上記したレンズ光学系においては、前記レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することが望ましい。
【0023】
レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することにより、レンズ光学系を構成するレンズの枚数が少ない状態で各種の収差補正が可能になる。
【0024】
第8に、上記したレンズ光学系においては、最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズであることが望ましい。
【0025】
最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズであることにより、最も像側に位置するレンズによる拡大倍率を大きくすることが可能になる。
【0026】
第9に、上記したレンズ光学系においては、最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されていることが望ましい。
【0027】
最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されていることにより、光学系の非点収差の補正を適切に行うことが可能になる。
【0028】
撮像装置は、上記した課題を解決するために、レンズ光学系と前記レンズ光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子とを備え、前記レンズ光学系は、前記固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足するものである。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0029】
従って、撮像装置にあっては、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能になる。
【発明の効果】
【0030】
本技術レンズ光学系及び撮像装置にあっては、小型化を図ることができると共に十分な像面湾曲補正を行って高い光学性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本技術レンズ光学系及び撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。
【0032】
[レンズ光学系の構成]
本技術レンズ光学系は、図1に示すように、固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズRが配置され、固体撮像素子の撮像面IMGが、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状を有している。撮像面IMGの物体側にはカバーガラスCGが配置されている。
【0033】
尚、図1には、撮像面IMGが物体側に凹の非平面形状に形成された例を示しているが、逆に、図2に示すように、撮像面IMGが物体側に凸の非平面形状に形成されていてもよい。
【0034】
また、撮像面IMGは光軸を軸とする回転対称の形状でなくてもよく、球面形状でなくてもよい。
【0035】
レンズ光学系を上記のように構成することにより、レンズ光学系に像面湾曲収差が大きく発生している場合においても、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能であるため、画像又は映像の中心から最周辺部(最外周部)に至る全画面の良好な解像度を確保することができる。
【0036】
また、本技術レンズ光学系は、以下の条件式(1)を満足するようにされている。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0037】
条件式(1)は、レンズ光学系が有する像面湾曲収差の状態と、固体撮像素子の撮像面が有する非平面形状の最適条件を規定する式である。
【0038】
条件式(1)が下限を超えて小さくなり過ぎる場合には、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態になるため、致命的な画質の劣化を招いてしまう。
【0039】
従って、レンズ光学系が条件式(1)を満足することにより、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態にならないため、像面湾曲収差が良好に補正され、画質の向上を図ることができる。
【0040】
また、本技術レンズ光学系にあっては、撮像面IMGを光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状に形成し、上記した条件式(1)を満足することにより、撮像面IMGへの入射光線の制約が低減され、レンズの枚数を削減することが可能になる。
【0041】
従って、小型化を図ることができると共に高い光学性能を確保することができる。
【0042】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)ρ<0
但し、ρは上記した条件式(1)におけるペッツバール曲率である。
【0043】
条件式(2)は、レンズ光学系が有する像面湾曲収差の状態を規定する式である。
【0044】
一般に、レンズ光学系の小型化を実現するためには、レンズ光学系の射出瞳位置をマイナス符号に設計する方が有利であることが良く知られているが、条件式(2)の上限を超えて大きくなり過ぎる場合には、ペッツバール曲率がプラス符号を持つことを意味する。
【0045】
ペッツバール曲率がプラス符号を持つと、光学像面が物体側に向かって凸の像面湾曲収差を持ってしまうため、レンズ光学系の射出瞳位置もプラス符号であることが必至となってしまい、結果として、レンズ光学系の小型化と高画質化を図ることが困難になる。
【0046】
従って、レンズ光学系が条件式(2)を満足することにより、小型化と高画質化を図ることができる。
【0047】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状であることが望ましい。
【0048】
固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状にされることにより、レンズ光学系を構成する各レンズのレンズ面形状を回転対称の形状に形成することができるため、光学設計及びレンズの製造の観点において容易化を図ることができる。
【0049】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【0050】
条件式(3)は、最大画角主光線の撮像面への入射角度を規定する式である。
【0051】
条件式(3)を超えて大きくなり過ぎると、固体撮像素子への入射光線角度が斜め方向へ傾き過ぎるため、特に、画面周辺部の周辺光量比が著しく低下してしまう。また、固体撮像素子上に配置されているオンチップレンズの機能が十分に機能しなくなる上、各画素間で隣りあったダイオード素子に入射光が迷光として入り込んでしまうため、特に、カラー画像の出力が可能な撮像素子においては混色が発生して画質の劣化を来たしてしまう。
【0052】
尚、レンズ光学系の実施形態としては、以下の条件式(3)′を満足するように構成することが好ましい。
(3)′5°<θmax<35°
【0053】
レンズ光学系が条件式(3)′を満足することにより、上記した長所をさらに引き出すことが可能になる。
【0054】
また、レンズ光学系の実施形態としては、以下の条件式(3)′′を満足するように構成することがより好ましい。
(3)′′7.5°<θmax<25°
【0055】
レンズ光学系が条件式(3)′′を満足することにより、上記した長所を最大限に引き出すことが可能になる。
【0056】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状であることが望ましい。
【0057】
固体撮像素子の撮像面の全体を同一曲率の球面形状に形成することにより、撮像面が非平面形状の固体撮像素子を製造及び量産管理するときにおいて撮像面の形状の測定及び管理を容易に行うことができる。
【0058】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【0059】
条件式(4)は、固体撮像素子の撮像面の曲率半径とレンズ光学系の全系の焦点距離との比を規定する式である。
【0060】
条件式(4)の上限を超えて大きくなり過ぎると、レンズ光学系の焦点距離に対して固体撮像素子の撮像面の曲率が強くなり過ぎるため、像面湾曲収差に対して必要以上に撮像面を湾曲させてしまう設計となり、特に、光軸方向に関するレンズ鏡筒の厚みが大型化してしまう。
【0061】
一方、条件式(4)の下限を超えて小さくなり過ぎると、レンズ光学系の焦点距離に対して固体撮像素子の撮像面の曲率が緩くなり過ぎるため、像面湾曲収差をレンズ光学系側で補正する必要が発生してしまう。
【0062】
尚、レンズ光学系の実施形態としては、以下の条件式(4)′を満足するように構成することが好ましい。
(4)′−4.75<Rimg/finf <−1.5
【0063】
レンズ光学系が条件式(4)′を満足することにより、上記した長所を最大限に引き出すことが可能になる。
【0064】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することが望ましい。
【0065】
2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することにより、レンズ光学系を構成するレンズの枚数を必要最小限の数とした上で各種の収差補正を適切に行うことが可能であり、高い解像性を確保することが可能になる。
【0066】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズであることが望ましい。
【0067】
最も像側に位置するレンズを像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズにすることにより、最も像側に位置するレンズによる拡大倍率を大きくすることができるため、光学系全体の小型化を図ることができると共に最も像側に位置するレンズ面による非点収差の発生を抑制することができる。
【0068】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されていることが望ましい。
【0069】
最も像側に位置するレンズ面に非球面を形成することにより、光学系の非点収差の補正を適切に行うことが可能になり画質の向上を図ることができる。
【0070】
尚、レンズ光学系は、光学系の全系又は一部を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行い、また、光軸と垂直方向にシフトさせることにより手ぶれ補正を行うことも可能である。
【0071】
また、上記した実施の形態において示した固体撮像素子の撮像面の非平面形状は、レンズ光学系のフォーカシングやズーミングに応じて変調させるのも効果的であるため、そのような形態についても本技術の技術的範囲に含まれる。
【0072】
[レンズ光学系の数値実施例]
以下に、本技術レンズ光学系の具体的な実施の形態及び実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例について、図面及び表を参照して説明する。
【0073】
尚、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。
【0074】
「si」は物体側から像側へ数えた第i番目の面の面番号、「ri」は第i番目の面の近軸曲率半径、「di」は第i番目の面と第i+1番目の面の間の軸上面間隔(レンズの中心の厚み又は空気間隔)、「ni」は第i番目の面から始まるレンズ等のd線(λ=587.6nm)における屈折率、「νi」は第i番目の面から始まるレンズ等のd線におけるアッベ数を示す。
【0075】
「si」に関しそれぞれ「ASP」は当該面が非球面であり「STO」は当該面が開口絞りであり「IMG」は当該面が固体撮像素子の撮像面であることを示し、「ri」に関し「INFINITY」は当該面が平面であることを示す。
【0076】
「f」は焦点距離、「Fno」はFナンバー、「ω」は半画角を示す。
【0077】
「κ」は円錐定数(コーニック定数)、「A」、「B」、「C」、「D」はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数を示す。
【0078】
尚、以下の非球面係数を示す各表において、「E−n」は10を底とする指数表現、即ち、「10のマイナスn乗」を表しており、例えば、「0.12345E−05」は「0.12345×(10のマイナス五乗)」を表している。
【0079】
各実施の形態において用いられたレンズ光学系には、レンズ面が非球面に形成されたものがある。非球面形状は、「x」をレンズ面の頂点からの光軸方向における距離(サグ量)、「y」を光軸方向に垂直な方向における高さ(像高)、「c」をレンズの頂点における近軸曲率(曲率半径の逆数)、「κ」を円錐定数(コーニック定数)、「A」、「B」、「C」、「D」、・・・をそれぞれ4次、6次、8次、10次、・・・の非球面係数とすると、以下の数式1によって定義される。
【0080】
【数1】
【0081】
<第1の実施の形態>
図3は、本技術の第1の実施の形態におけるレンズ光学系1のレンズ構成を示している。
【0082】
レンズ光学系1は、物体側から像側へ順に配置された第1正レンズG1と第1負レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0083】
第1正レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成され、第1負レンズG2は物体側に凸のメニスカス形状に形成され、第1正レンズG1と第1負レンズG2によって接合レンズが構成されている。
【0084】
第2負レンズG3は物体側に凹のメニスカス形状に形成されている。
【0085】
第2正レンズG4は物体側に凹のメニスカス形状に形成されている。
【0086】
第1負レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0087】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0088】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0089】
表1に、第1の実施の形態におけるレンズ光学系1に具体的な数値を適用した数値実施例1のレンズデータを示す。
【0090】
【表1】
【0091】
数値実施例1における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
レンズ光学系1において、第1正レンズG1の物体側の面(第1面)と、第2負レンズG3の両面(第5面、第6面)と、第2正レンズG4の両面(第7面、第8面)とは非球面に形成されている。数値実施例1における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
図4は数値実施例1の無限遠合焦状態における諸収差図である。図4には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0096】
各収差図から、数値実施例1は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0097】
<第2の実施の形態>
図5は、本技術の第2の実施の形態におけるレンズ光学系2のレンズ構成を示している。
【0098】
レンズ光学系2は、物体側から像側へ順に配置された第1正レンズG1と第1負レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0099】
第1正レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0100】
第1負レンズG2は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0101】
第2負レンズG3は両凹形状に形成され、第2正レンズG4は両凸形状に形成され、第2負レンズG3と第2正レンズG4によって接合レンズが構成されている。
【0102】
第1負レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0103】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0104】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0105】
表4に、第2の実施の形態におけるレンズ光学系2に具体的な数値を適用した数値実施例2のレンズデータを示す。
【0106】
【表4】
【0107】
数値実施例2における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】
レンズ光学系2において、第1正レンズG1の両面(第1面、第2面)と、第1負レンズG2の両面(第3面、第4面)と、第2正レンズG4の像側の面(第8面)とは非球面に形成されている。数値実施例2における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表6に示す。
【0110】
【表6】
【0111】
図6は数値実施例2の無限遠合焦状態における諸収差図である。図6には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0112】
各収差図から、数値実施例2は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0113】
<第3の実施の形態>
図7は、本技術の第3の実施の形態におけるレンズ光学系3のレンズ構成を示している。
【0114】
レンズ光学系3は、物体側から像側へ順に配置された第1正レンズG1と第1負レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0115】
第1正レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0116】
第1負レンズG2は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0117】
第2負レンズG3は両凹形状に形成され、第2正レンズG4は両凸形状に形成され、第2負レンズG3と第2正レンズG4によって接合レンズが構成されている。
【0118】
第1負レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0119】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0120】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0121】
表7に、第3の実施の形態におけるレンズ光学系3に具体的な数値を適用した数値実施例3のレンズデータを示す。
【0122】
【表7】
【0123】
数値実施例3における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表8に示す。
【0124】
【表8】
【0125】
レンズ光学系3において、第1正レンズG1の両面(第1面、第2面)と、第1負レンズG2の両面(第3面、第4面)と、第2正レンズG4の像側の面(第8面)とは非球面に形成されている。数値実施例3における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表9に示す。
【0126】
【表9】
【0127】
図8は数値実施例3の無限遠合焦状態における諸収差図である。図8には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0128】
各収差図から、数値実施例3は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0129】
<第4の実施の形態>
図9は、本技術の第4の実施の形態におけるレンズ光学系4のレンズ構成を示している。
【0130】
レンズ光学系4は、物体側から像側へ順に配置された第1負レンズG1と第1正レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0131】
第1負レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0132】
第1正レンズG2は両凸形状に形成されている。
【0133】
第2負レンズG3は両凹形状に形成されている。
【0134】
第2正レンズG4は両凸形状に形成されている。
【0135】
第1正レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0136】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0137】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0138】
表10に、第4の実施の形態におけるレンズ光学系4に具体的な数値を適用した数値実施例4のレンズデータを示す。
【0139】
【表10】
【0140】
数値実施例4における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表11に示す。
【0141】
【表11】
【0142】
レンズ光学系4において、第1負レンズG1の両面(第1面、第2面)と、第1正レンズG2の両面(第3面、第4面)と、第2正レンズG4の像側の面(第9面)は非球面に形成されている。数値実施例4における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表12に示す。
【0143】
【表12】
【0144】
図10は数値実施例4の無限遠合焦状態における諸収差図である。図10には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0145】
各収差図から、数値実施例4は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0146】
<第5の実施の形態>
図11は、本技術の第5の実施の形態におけるレンズ光学系5のレンズ構成を示している。
【0147】
レンズ光学系5は、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4が物体側から像側へ順に配置されて成る。
【0148】
レンズ光学系5はズーム倍率が2.3倍にされている。
【0149】
第1レンズ群GR1は、物体側に凸のメニスカス形状の負レンズG1と両凸形状の正レンズG2とが物体側から像側へ順に配置されて成り、負レンズG1と正レンズG2によって接合レンズが構成されている。
【0150】
第2レンズ群GR2は、両凹形状の負レンズG3と両凸形状の正レンズG4とが物体側から像側へ順に配置されて成る。
【0151】
第3レンズ群GR3は像側に凸のメニスカス形状の正レンズG5によって構成されている。
【0152】
第4レンズ群GR4は、物体側に凹のメニスカス形状の正レンズG6と両凹形状の負レンズG7と物体側に凹のメニスカス形状の負レンズG8とが物体側から像側へ順に配置されて成る。
【0153】
第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0154】
第4レンズ群GR4と撮像面IMGの間にはカバーガラスCGが配置されている。
【0155】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0156】
表13に、第5の実施の形態におけるレンズ光学系5に具体的な数値を適用した数値実施例5のレンズデータを示す。
【0157】
【表13】
【0158】
レンズ光学系5において、広角端状態と望遠端状態の間の変倍に際して、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間の面間隔d3、開口絞りSTOと第3レンズ群GR3の間の面間隔d8、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4の間の面間隔d10及び第4レンズ群GR4とカバーガラスCGの間の面間隔d16が変化する。数値実施例5における各面間隔の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における可変間隔を焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωとともに表14に示す。
【0159】
【表14】
【0160】
レンズ光学系5において、第2レンズ群GR2の負レンズG3の両面(第4面、第5面)と、第3レンズ群GR3の正レンズG5の両面(第9面、第10面)と、第4レンズ群GR4の負レンズG8の両面(第15面、第16面)とは非球面に形成されている。数値実施例1における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表15に示す。
【0161】
【表15】
【0162】
図12及び図13は数値実施例5の無限遠合焦状態における諸収差図を示し、図12は広角端状態、図13は望遠端状態における諸収差図を示す。
【0163】
図12及び図13には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル撮像面における値を示し破線でメリディオナル撮像面における値を示す。
【0164】
各収差図から、数値実施例5は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0165】
[レンズ光学系の条件式の各値]
以下に、本技術レンズ光学系の条件式の各値について説明する。
【0166】
表16にレンズ光学系1乃至レンズ光学系4における条件式(1)乃至条件式(4)の各値を示す。
【0167】
【表16】
【0168】
また、表17にレンズ光学系5における条件式(1)乃至条件式(4)の各値を示す。
【0169】
【表17】
【0170】
表16及び表17から明らかなように、レンズ光学系1乃至レンズ光学系5は条件式(1)乃至条件式(4)を満足するようにされている。
【0171】
[撮像装置の構成]
本技術撮像装置は、レンズ光学系において、図1に示すように、固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズRが配置され、固体撮像素子の撮像面IMGが、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状を有している。撮像面IMGの物体側にはカバーガラスCGが配置されている。
【0172】
尚、図1には、撮像面IMGが物体側に凹の非平面形状に形成された例を示しているが、逆に、図2に示すように、撮像面IMGが物体側に凸の非平面形状に形成されていてもよい。
【0173】
また、撮像面IMGは光軸を軸とする回転対称の形状でなくてもよく、球面形状でなくてもよい。
【0174】
レンズ光学系を上記のように構成することにより、レンズ光学系に像面湾曲収差が大きく発生している場合においても、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能であるため、画像又は映像の中心から最周辺部(最外周部)に至る全画面の良好な解像度を確保することができる。
【0175】
また、本技術撮像装置は、レンズ光学系が、以下の条件式(1)を満足するようにされている。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0176】
条件式(1)は、レンズ光学系が有する像面湾曲収差の状態と、固体撮像素子の撮像面が有する非平面形状の最適条件を規定する式である。
【0177】
条件式(1)が下限を超えて小さくなり過ぎる場合には、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態になるため、致命的な画質の劣化を招いてしまう。
【0178】
従って、レンズ光学系が条件式(1)を満足することにより、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態にならないため、像面湾曲収差が良好に補正され、画質の向上を図ることができる。
【0179】
また、本技術撮像装置にあっては、レンズ光学系において、撮像面IMGを光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状に形成し、上記した条件式(1)を満足することにより、撮像面IMGへの入射光線の制約が低減され、レンズの枚数を削減することが可能になる。
【0180】
従って、小型化を図ることができると共に高い光学性能を確保することができる。
【0181】
[撮像装置の一実施形態]
図14に、本技術撮像装置の一実施形態によるデジタルスチルカメラのブロック図を示す。
【0182】
撮像装置(デジタルスチルカメラ)100は、撮像機能を担うカメラブロック10と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部20と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部30とを有している。また、撮像装置100は、撮影された画像等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)40と、メモリーカード1000への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)50と、撮像装置の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)60と、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等から成る入力部70と、カメラブロック10に配置されたレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部80とを備えている。
【0183】
カメラブロック10は、レンズ光学系11(本技術が適用されるレンズ光学系1乃至レンズ光学系5)を含む光学系や、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子12等とによって構成されている。
【0184】
カメラ信号処理部20は、撮像素子12からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
【0185】
画像処理部30は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。
【0186】
LCD40はユーザーの入力部70に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。
【0187】
R/W50は、画像処理部30によって符号化された画像データのメモリーカード1000への書込及びメモリーカード1000に記録された画像データの読出を行う。
【0188】
CPU60は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0189】
入力部70は、例えば、シャッター操作を行うためのシャッターレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等によって構成され、ユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力する。
【0190】
レンズ駆動制御部80は、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ光学系11の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御する。
【0191】
メモリーカード1000は、例えば、R/W50に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
【0192】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
【0193】
撮影の待機状態では、CPU60による制御の下で、カメラブロック10において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部20を介してLCD40に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、入力部70からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいてレンズ光学系11の所定のレンズが移動される。
【0194】
入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック10の図示しないシャッターが動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W50に出力され、メモリーカード1000に書き込まれる。
【0195】
フォーカシングは、例えば、入力部70のシャッターレリーズボタンが半押しされた場合や記録(撮影)のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80がレンズ光学系11の所定のレンズを移動させることにより行われる。
【0196】
メモリーカード1000に記録された画像データを再生する場合には、入力部70に対する操作に応じて、R/W50によってメモリーカード1000から所定の画像データが読み出され、画像処理部30によって伸張復号化処理が行われた後、再生画像信号がLCD40に出力されて再生画像が表示される。
【0197】
尚、上記した実施の形態においては、撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した例を示したが、撮像装置の適用範囲はデジタルスチルカメラに限られることはなく、デジタルビデオカメラ、カメラが組み込まれた携帯電話、カメラが組み込まれたPDA(Personal Digital Assistant)等のデジタル入出力機器のカメラ部等として広く適用することができる。
【0198】
[その他]
本技術撮像装置及び本技術レンズ光学系においては、実質的にレンズパワーを有さないレンズが加えて配置されていてもよく、このようなレンズを含むレンズ群が加えて配置されていてもよい。この場合には、本技術撮像装置及び本技術レンズ光学系が、加えて配置されたレンズ群を含めて実質的にその加えた数のレンズ群によって構成されていてもよい。
【0199】
[本技術]
本技術は、以下の構成にすることもできる。
【0200】
<1>固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足するレンズ光学系。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0201】
<2>以下の条件式(2)を満足する前記<1>に記載のレンズ光学系。
(2)ρ<0
【0202】
<3>前記固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状である前記<1>又は前記<2>に記載のレンズ光学系。
【0203】
<4>全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の前記撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足する前記<1>から前記<3>の何れかに記載のレンズ光学系。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【0204】
<5>前記固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状である前記<3>又は前記<4>に記載のレンズ光学系。
【0205】
<6>前記固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足する前記<1>から前記<5>の何れかに記載のレンズ光学系。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【0206】
<7>前記レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置した前記<1>から前記<6>の何れかに記載のレンズ光学系。
【0207】
<8>最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズである前記<1>から前記<7>の何れかに記載のレンズ光学系。
【0208】
<9>最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されている前記<1>から前記<8>の何れかに記載のレンズ光学系。
【0209】
<10>レンズ光学系と前記レンズ光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子とを備え、前記レンズ光学系は、前記固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する撮像装置。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0210】
<11>実質的にレンズパワーを有さないレンズがさらに配置されている前記<1>から前記<9>の何れかに記載のレンズ光学系又は前記<10>に記載の撮像装置。
【0211】
上記した各実施の形態において示した各部の形状及び数値は、何れも本技術を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】図2乃至図14と共に本技術レンズ光学系及び撮像装置を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は、構成と光路を示す概念図である。
【図2】撮像面の形状が異なる例を示す概念図である。
【図3】レンズ光学系の第1の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図5】レンズ光学系の第2の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図7】レンズ光学系の第3の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図8】第3の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図9】レンズ光学系の第4の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図11】レンズ光学系の第5の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図12】図13と共に第5の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の収差図を示し、本図は、広角端状態における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図13】望遠端状態における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図14】撮像装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0213】
1…レンズ光学系、2…レンズ光学系、3…レンズ光学系、4…レンズ光学系、5…レンズ光学系、IMG…撮像面、100…撮像装置、11…レンズ光学系、12…撮像素子
【技術分野】
【0001】
本技術はレンズ光学系及び撮像装置に関する。詳しくは、小型かつ高性能で撮像手段として固体撮像素子を用いたデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ等に特に好適なレンズ光学系及び撮像装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラ等の撮像装置の市場は非常に大きなものとなっており、ユーザーのデジタルカメラ等に対する要望も多岐にわたっている。高画質化、小型化、薄型化は言うまでもなく、さらに近年では撮影レンズの明るさ、さらには低ノイズ撮影やハイダイナミックレンジの実現に効果的となることから撮像素子の大型化へのニーズも非常に大きくなってきている。
【0003】
一般に、撮像素子を大型化すると、その分レンズ光学系も同時に大型化してしまうことが知られている。特に、撮像手段として固体撮像素子を用いたデジタルカメラ用のレンズ光学系においては、撮像面への入射光線角度の許容レベルが小さく、可能な限り垂直に近い光線入射を実現するために光学系をテレセントリックに近付ける光学設計が必要であったため、結果として、光学系の十分な小型化を実現することが困難であった。
【0004】
また、撮影画像や映像の中心から周辺部に至る全画面での高解像度化を実現するためには、撮像面に結像する光学像の像面湾曲を適切に補正する必要があるが、これを実現するためには像面湾曲補正を行うための補正レンズを光学系に追加する必要があった。従って、光学系の小型化に対して大きな制約になっていた。焦点深度が浅くなるFナンバーの明るいレンズにおいては、特に、この制約が大きく、小型化が困難であった。
【0005】
上記のような像面湾曲補正を行う撮像装置として、固体撮像素子の物体側に曲面を有する像面変換素子が配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2010−109096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載されたレンズ光学系については、像面変換素子によって像面湾曲補正が行うようにされているが、曲面形状についての具体的な設計が行われておらず、十分な像面湾曲補正が行われない可能性がある。
【0008】
また、特許文献1に記載されたレンズ光学系については、固体撮像素子の物体側に像面変換素子が配置されているため、その分、光学全長が長くなり、小型化に支障を来たすと言う問題もある。
【0009】
そこで、本技術レンズ光学系及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、小型化を図ると共に十分な像面湾曲補正を行って高い光学性能を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、レンズ光学系は、上記した課題を解決するために、固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足するものである。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0011】
従って、レンズ光学系にあっては、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能になる。
【0012】
第2に、上記したレンズ光学系においては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)ρ<0
【0013】
条件式(2)を満足することにより、ペッツバール曲率がマイナス符号を持つ。
【0014】
第3に、上記したレンズ光学系においては、前記固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状であることが望ましい。
【0015】
固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状であることにより、レンズ光学系を構成する各レンズのレンズ面形状を回転対称の形状に形成することが可能になる。
【0016】
第4に、上記したレンズ光学系においては、全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の前記撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【0017】
全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の撮像面への入射角度が条件式(3)を満足することにより、固体撮像素子への入射光線角度が小さくなる。
【0018】
第5に、上記したレンズ光学系においては、前記固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状であることが望ましい。
【0019】
固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状であることにより、撮像面の形状が単純化される。
【0020】
第6に、上記したレンズ光学系においては、前記固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【0021】
固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が条件式(4)を満足することにより、撮像面の湾曲の度合いが小さくなると共にレンズ光学系の焦点距離に対して固体撮像素子の撮像面の曲率が強くなる。
【0022】
第7に、上記したレンズ光学系においては、前記レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することが望ましい。
【0023】
レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することにより、レンズ光学系を構成するレンズの枚数が少ない状態で各種の収差補正が可能になる。
【0024】
第8に、上記したレンズ光学系においては、最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズであることが望ましい。
【0025】
最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズであることにより、最も像側に位置するレンズによる拡大倍率を大きくすることが可能になる。
【0026】
第9に、上記したレンズ光学系においては、最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されていることが望ましい。
【0027】
最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されていることにより、光学系の非点収差の補正を適切に行うことが可能になる。
【0028】
撮像装置は、上記した課題を解決するために、レンズ光学系と前記レンズ光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子とを備え、前記レンズ光学系は、前記固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足するものである。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0029】
従って、撮像装置にあっては、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能になる。
【発明の効果】
【0030】
本技術レンズ光学系及び撮像装置にあっては、小型化を図ることができると共に十分な像面湾曲補正を行って高い光学性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本技術レンズ光学系及び撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。
【0032】
[レンズ光学系の構成]
本技術レンズ光学系は、図1に示すように、固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズRが配置され、固体撮像素子の撮像面IMGが、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状を有している。撮像面IMGの物体側にはカバーガラスCGが配置されている。
【0033】
尚、図1には、撮像面IMGが物体側に凹の非平面形状に形成された例を示しているが、逆に、図2に示すように、撮像面IMGが物体側に凸の非平面形状に形成されていてもよい。
【0034】
また、撮像面IMGは光軸を軸とする回転対称の形状でなくてもよく、球面形状でなくてもよい。
【0035】
レンズ光学系を上記のように構成することにより、レンズ光学系に像面湾曲収差が大きく発生している場合においても、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能であるため、画像又は映像の中心から最周辺部(最外周部)に至る全画面の良好な解像度を確保することができる。
【0036】
また、本技術レンズ光学系は、以下の条件式(1)を満足するようにされている。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0037】
条件式(1)は、レンズ光学系が有する像面湾曲収差の状態と、固体撮像素子の撮像面が有する非平面形状の最適条件を規定する式である。
【0038】
条件式(1)が下限を超えて小さくなり過ぎる場合には、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態になるため、致命的な画質の劣化を招いてしまう。
【0039】
従って、レンズ光学系が条件式(1)を満足することにより、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態にならないため、像面湾曲収差が良好に補正され、画質の向上を図ることができる。
【0040】
また、本技術レンズ光学系にあっては、撮像面IMGを光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状に形成し、上記した条件式(1)を満足することにより、撮像面IMGへの入射光線の制約が低減され、レンズの枚数を削減することが可能になる。
【0041】
従って、小型化を図ることができると共に高い光学性能を確保することができる。
【0042】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)ρ<0
但し、ρは上記した条件式(1)におけるペッツバール曲率である。
【0043】
条件式(2)は、レンズ光学系が有する像面湾曲収差の状態を規定する式である。
【0044】
一般に、レンズ光学系の小型化を実現するためには、レンズ光学系の射出瞳位置をマイナス符号に設計する方が有利であることが良く知られているが、条件式(2)の上限を超えて大きくなり過ぎる場合には、ペッツバール曲率がプラス符号を持つことを意味する。
【0045】
ペッツバール曲率がプラス符号を持つと、光学像面が物体側に向かって凸の像面湾曲収差を持ってしまうため、レンズ光学系の射出瞳位置もプラス符号であることが必至となってしまい、結果として、レンズ光学系の小型化と高画質化を図ることが困難になる。
【0046】
従って、レンズ光学系が条件式(2)を満足することにより、小型化と高画質化を図ることができる。
【0047】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状であることが望ましい。
【0048】
固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状にされることにより、レンズ光学系を構成する各レンズのレンズ面形状を回転対称の形状に形成することができるため、光学設計及びレンズの製造の観点において容易化を図ることができる。
【0049】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【0050】
条件式(3)は、最大画角主光線の撮像面への入射角度を規定する式である。
【0051】
条件式(3)を超えて大きくなり過ぎると、固体撮像素子への入射光線角度が斜め方向へ傾き過ぎるため、特に、画面周辺部の周辺光量比が著しく低下してしまう。また、固体撮像素子上に配置されているオンチップレンズの機能が十分に機能しなくなる上、各画素間で隣りあったダイオード素子に入射光が迷光として入り込んでしまうため、特に、カラー画像の出力が可能な撮像素子においては混色が発生して画質の劣化を来たしてしまう。
【0052】
尚、レンズ光学系の実施形態としては、以下の条件式(3)′を満足するように構成することが好ましい。
(3)′5°<θmax<35°
【0053】
レンズ光学系が条件式(3)′を満足することにより、上記した長所をさらに引き出すことが可能になる。
【0054】
また、レンズ光学系の実施形態としては、以下の条件式(3)′′を満足するように構成することがより好ましい。
(3)′′7.5°<θmax<25°
【0055】
レンズ光学系が条件式(3)′′を満足することにより、上記した長所を最大限に引き出すことが可能になる。
【0056】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状であることが望ましい。
【0057】
固体撮像素子の撮像面の全体を同一曲率の球面形状に形成することにより、撮像面が非平面形状の固体撮像素子を製造及び量産管理するときにおいて撮像面の形状の測定及び管理を容易に行うことができる。
【0058】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【0059】
条件式(4)は、固体撮像素子の撮像面の曲率半径とレンズ光学系の全系の焦点距離との比を規定する式である。
【0060】
条件式(4)の上限を超えて大きくなり過ぎると、レンズ光学系の焦点距離に対して固体撮像素子の撮像面の曲率が強くなり過ぎるため、像面湾曲収差に対して必要以上に撮像面を湾曲させてしまう設計となり、特に、光軸方向に関するレンズ鏡筒の厚みが大型化してしまう。
【0061】
一方、条件式(4)の下限を超えて小さくなり過ぎると、レンズ光学系の焦点距離に対して固体撮像素子の撮像面の曲率が緩くなり過ぎるため、像面湾曲収差をレンズ光学系側で補正する必要が発生してしまう。
【0062】
尚、レンズ光学系の実施形態としては、以下の条件式(4)′を満足するように構成することが好ましい。
(4)′−4.75<Rimg/finf <−1.5
【0063】
レンズ光学系が条件式(4)′を満足することにより、上記した長所を最大限に引き出すことが可能になる。
【0064】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することが望ましい。
【0065】
2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置することにより、レンズ光学系を構成するレンズの枚数を必要最小限の数とした上で各種の収差補正を適切に行うことが可能であり、高い解像性を確保することが可能になる。
【0066】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズであることが望ましい。
【0067】
最も像側に位置するレンズを像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズにすることにより、最も像側に位置するレンズによる拡大倍率を大きくすることができるため、光学系全体の小型化を図ることができると共に最も像側に位置するレンズ面による非点収差の発生を抑制することができる。
【0068】
本技術の一実施形態によるレンズ光学系にあっては、最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されていることが望ましい。
【0069】
最も像側に位置するレンズ面に非球面を形成することにより、光学系の非点収差の補正を適切に行うことが可能になり画質の向上を図ることができる。
【0070】
尚、レンズ光学系は、光学系の全系又は一部を光軸方向へ移動させることによりフォーカシングを行い、また、光軸と垂直方向にシフトさせることにより手ぶれ補正を行うことも可能である。
【0071】
また、上記した実施の形態において示した固体撮像素子の撮像面の非平面形状は、レンズ光学系のフォーカシングやズーミングに応じて変調させるのも効果的であるため、そのような形態についても本技術の技術的範囲に含まれる。
【0072】
[レンズ光学系の数値実施例]
以下に、本技術レンズ光学系の具体的な実施の形態及び実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例について、図面及び表を参照して説明する。
【0073】
尚、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。
【0074】
「si」は物体側から像側へ数えた第i番目の面の面番号、「ri」は第i番目の面の近軸曲率半径、「di」は第i番目の面と第i+1番目の面の間の軸上面間隔(レンズの中心の厚み又は空気間隔)、「ni」は第i番目の面から始まるレンズ等のd線(λ=587.6nm)における屈折率、「νi」は第i番目の面から始まるレンズ等のd線におけるアッベ数を示す。
【0075】
「si」に関しそれぞれ「ASP」は当該面が非球面であり「STO」は当該面が開口絞りであり「IMG」は当該面が固体撮像素子の撮像面であることを示し、「ri」に関し「INFINITY」は当該面が平面であることを示す。
【0076】
「f」は焦点距離、「Fno」はFナンバー、「ω」は半画角を示す。
【0077】
「κ」は円錐定数(コーニック定数)、「A」、「B」、「C」、「D」はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数を示す。
【0078】
尚、以下の非球面係数を示す各表において、「E−n」は10を底とする指数表現、即ち、「10のマイナスn乗」を表しており、例えば、「0.12345E−05」は「0.12345×(10のマイナス五乗)」を表している。
【0079】
各実施の形態において用いられたレンズ光学系には、レンズ面が非球面に形成されたものがある。非球面形状は、「x」をレンズ面の頂点からの光軸方向における距離(サグ量)、「y」を光軸方向に垂直な方向における高さ(像高)、「c」をレンズの頂点における近軸曲率(曲率半径の逆数)、「κ」を円錐定数(コーニック定数)、「A」、「B」、「C」、「D」、・・・をそれぞれ4次、6次、8次、10次、・・・の非球面係数とすると、以下の数式1によって定義される。
【0080】
【数1】
【0081】
<第1の実施の形態>
図3は、本技術の第1の実施の形態におけるレンズ光学系1のレンズ構成を示している。
【0082】
レンズ光学系1は、物体側から像側へ順に配置された第1正レンズG1と第1負レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0083】
第1正レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成され、第1負レンズG2は物体側に凸のメニスカス形状に形成され、第1正レンズG1と第1負レンズG2によって接合レンズが構成されている。
【0084】
第2負レンズG3は物体側に凹のメニスカス形状に形成されている。
【0085】
第2正レンズG4は物体側に凹のメニスカス形状に形成されている。
【0086】
第1負レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0087】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0088】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0089】
表1に、第1の実施の形態におけるレンズ光学系1に具体的な数値を適用した数値実施例1のレンズデータを示す。
【0090】
【表1】
【0091】
数値実施例1における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
レンズ光学系1において、第1正レンズG1の物体側の面(第1面)と、第2負レンズG3の両面(第5面、第6面)と、第2正レンズG4の両面(第7面、第8面)とは非球面に形成されている。数値実施例1における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
図4は数値実施例1の無限遠合焦状態における諸収差図である。図4には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0096】
各収差図から、数値実施例1は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0097】
<第2の実施の形態>
図5は、本技術の第2の実施の形態におけるレンズ光学系2のレンズ構成を示している。
【0098】
レンズ光学系2は、物体側から像側へ順に配置された第1正レンズG1と第1負レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0099】
第1正レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0100】
第1負レンズG2は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0101】
第2負レンズG3は両凹形状に形成され、第2正レンズG4は両凸形状に形成され、第2負レンズG3と第2正レンズG4によって接合レンズが構成されている。
【0102】
第1負レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0103】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0104】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0105】
表4に、第2の実施の形態におけるレンズ光学系2に具体的な数値を適用した数値実施例2のレンズデータを示す。
【0106】
【表4】
【0107】
数値実施例2における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】
レンズ光学系2において、第1正レンズG1の両面(第1面、第2面)と、第1負レンズG2の両面(第3面、第4面)と、第2正レンズG4の像側の面(第8面)とは非球面に形成されている。数値実施例2における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表6に示す。
【0110】
【表6】
【0111】
図6は数値実施例2の無限遠合焦状態における諸収差図である。図6には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0112】
各収差図から、数値実施例2は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0113】
<第3の実施の形態>
図7は、本技術の第3の実施の形態におけるレンズ光学系3のレンズ構成を示している。
【0114】
レンズ光学系3は、物体側から像側へ順に配置された第1正レンズG1と第1負レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0115】
第1正レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0116】
第1負レンズG2は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0117】
第2負レンズG3は両凹形状に形成され、第2正レンズG4は両凸形状に形成され、第2負レンズG3と第2正レンズG4によって接合レンズが構成されている。
【0118】
第1負レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0119】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0120】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0121】
表7に、第3の実施の形態におけるレンズ光学系3に具体的な数値を適用した数値実施例3のレンズデータを示す。
【0122】
【表7】
【0123】
数値実施例3における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表8に示す。
【0124】
【表8】
【0125】
レンズ光学系3において、第1正レンズG1の両面(第1面、第2面)と、第1負レンズG2の両面(第3面、第4面)と、第2正レンズG4の像側の面(第8面)とは非球面に形成されている。数値実施例3における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表9に示す。
【0126】
【表9】
【0127】
図8は数値実施例3の無限遠合焦状態における諸収差図である。図8には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0128】
各収差図から、数値実施例3は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0129】
<第4の実施の形態>
図9は、本技術の第4の実施の形態におけるレンズ光学系4のレンズ構成を示している。
【0130】
レンズ光学系4は、物体側から像側へ順に配置された第1負レンズG1と第1正レンズG2と第2負レンズG3と第2正レンズG4を有している。
【0131】
第1負レンズG1は物体側に凸のメニスカス形状に形成されている。
【0132】
第1正レンズG2は両凸形状に形成されている。
【0133】
第2負レンズG3は両凹形状に形成されている。
【0134】
第2正レンズG4は両凸形状に形成されている。
【0135】
第1正レンズG2と第2負レンズG3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0136】
撮像面IMGの物体側における近傍にはカバーガラスCGが配置されている。
【0137】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0138】
表10に、第4の実施の形態におけるレンズ光学系4に具体的な数値を適用した数値実施例4のレンズデータを示す。
【0139】
【表10】
【0140】
数値実施例4における焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωを表11に示す。
【0141】
【表11】
【0142】
レンズ光学系4において、第1負レンズG1の両面(第1面、第2面)と、第1正レンズG2の両面(第3面、第4面)と、第2正レンズG4の像側の面(第9面)は非球面に形成されている。数値実施例4における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表12に示す。
【0143】
【表12】
【0144】
図10は数値実施例4の無限遠合焦状態における諸収差図である。図10には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル像面における値を示し破線でメリディオナル像面における値を示す。
【0145】
各収差図から、数値実施例4は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0146】
<第5の実施の形態>
図11は、本技術の第5の実施の形態におけるレンズ光学系5のレンズ構成を示している。
【0147】
レンズ光学系5は、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4が物体側から像側へ順に配置されて成る。
【0148】
レンズ光学系5はズーム倍率が2.3倍にされている。
【0149】
第1レンズ群GR1は、物体側に凸のメニスカス形状の負レンズG1と両凸形状の正レンズG2とが物体側から像側へ順に配置されて成り、負レンズG1と正レンズG2によって接合レンズが構成されている。
【0150】
第2レンズ群GR2は、両凹形状の負レンズG3と両凸形状の正レンズG4とが物体側から像側へ順に配置されて成る。
【0151】
第3レンズ群GR3は像側に凸のメニスカス形状の正レンズG5によって構成されている。
【0152】
第4レンズ群GR4は、物体側に凹のメニスカス形状の正レンズG6と両凹形状の負レンズG7と物体側に凹のメニスカス形状の負レンズG8とが物体側から像側へ順に配置されて成る。
【0153】
第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間には開口絞りSTOが配置されている。
【0154】
第4レンズ群GR4と撮像面IMGの間にはカバーガラスCGが配置されている。
【0155】
撮像面IMGは物体側に凹の非平面形状、例えば、物体側に凹の曲面形状に形成されている。
【0156】
表13に、第5の実施の形態におけるレンズ光学系5に具体的な数値を適用した数値実施例5のレンズデータを示す。
【0157】
【表13】
【0158】
レンズ光学系5において、広角端状態と望遠端状態の間の変倍に際して、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間の面間隔d3、開口絞りSTOと第3レンズ群GR3の間の面間隔d8、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4の間の面間隔d10及び第4レンズ群GR4とカバーガラスCGの間の面間隔d16が変化する。数値実施例5における各面間隔の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における可変間隔を焦点距離f、FナンバーFno及び半画角ωとともに表14に示す。
【0159】
【表14】
【0160】
レンズ光学系5において、第2レンズ群GR2の負レンズG3の両面(第4面、第5面)と、第3レンズ群GR3の正レンズG5の両面(第9面、第10面)と、第4レンズ群GR4の負レンズG8の両面(第15面、第16面)とは非球面に形成されている。数値実施例1における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数κと共に表15に示す。
【0161】
【表15】
【0162】
図12及び図13は数値実施例5の無限遠合焦状態における諸収差図を示し、図12は広角端状態、図13は望遠端状態における諸収差図を示す。
【0163】
図12及び図13には、球面収差図において実線でd線(波長587.6nm)における値を示し破線でg線(波長435.8nm)における値を示し、非点収差図において実線でサジタル撮像面における値を示し破線でメリディオナル撮像面における値を示す。
【0164】
各収差図から、数値実施例5は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0165】
[レンズ光学系の条件式の各値]
以下に、本技術レンズ光学系の条件式の各値について説明する。
【0166】
表16にレンズ光学系1乃至レンズ光学系4における条件式(1)乃至条件式(4)の各値を示す。
【0167】
【表16】
【0168】
また、表17にレンズ光学系5における条件式(1)乃至条件式(4)の各値を示す。
【0169】
【表17】
【0170】
表16及び表17から明らかなように、レンズ光学系1乃至レンズ光学系5は条件式(1)乃至条件式(4)を満足するようにされている。
【0171】
[撮像装置の構成]
本技術撮像装置は、レンズ光学系において、図1に示すように、固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズRが配置され、固体撮像素子の撮像面IMGが、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状を有している。撮像面IMGの物体側にはカバーガラスCGが配置されている。
【0172】
尚、図1には、撮像面IMGが物体側に凹の非平面形状に形成された例を示しているが、逆に、図2に示すように、撮像面IMGが物体側に凸の非平面形状に形成されていてもよい。
【0173】
また、撮像面IMGは光軸を軸とする回転対称の形状でなくてもよく、球面形状でなくてもよい。
【0174】
レンズ光学系を上記のように構成することにより、レンズ光学系に像面湾曲収差が大きく発生している場合においても、光学像の解像度が最良になる像面に撮像面を適合させることが可能であるため、画像又は映像の中心から最周辺部(最外周部)に至る全画面の良好な解像度を確保することができる。
【0175】
また、本技術撮像装置は、レンズ光学系が、以下の条件式(1)を満足するようにされている。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0176】
条件式(1)は、レンズ光学系が有する像面湾曲収差の状態と、固体撮像素子の撮像面が有する非平面形状の最適条件を規定する式である。
【0177】
条件式(1)が下限を超えて小さくなり過ぎる場合には、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態になるため、致命的な画質の劣化を招いてしまう。
【0178】
従って、レンズ光学系が条件式(1)を満足することにより、レンズ光学系の像面湾曲の方向と固体撮像素子の撮像面の形状の方向とが相反する方向に変化している状態にならないため、像面湾曲収差が良好に補正され、画質の向上を図ることができる。
【0179】
また、本技術撮像装置にあっては、レンズ光学系において、撮像面IMGを光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量dが大きくなる非平面形状に形成し、上記した条件式(1)を満足することにより、撮像面IMGへの入射光線の制約が低減され、レンズの枚数を削減することが可能になる。
【0180】
従って、小型化を図ることができると共に高い光学性能を確保することができる。
【0181】
[撮像装置の一実施形態]
図14に、本技術撮像装置の一実施形態によるデジタルスチルカメラのブロック図を示す。
【0182】
撮像装置(デジタルスチルカメラ)100は、撮像機能を担うカメラブロック10と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部20と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部30とを有している。また、撮像装置100は、撮影された画像等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)40と、メモリーカード1000への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)50と、撮像装置の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)60と、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等から成る入力部70と、カメラブロック10に配置されたレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部80とを備えている。
【0183】
カメラブロック10は、レンズ光学系11(本技術が適用されるレンズ光学系1乃至レンズ光学系5)を含む光学系や、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子12等とによって構成されている。
【0184】
カメラ信号処理部20は、撮像素子12からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
【0185】
画像処理部30は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。
【0186】
LCD40はユーザーの入力部70に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。
【0187】
R/W50は、画像処理部30によって符号化された画像データのメモリーカード1000への書込及びメモリーカード1000に記録された画像データの読出を行う。
【0188】
CPU60は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0189】
入力部70は、例えば、シャッター操作を行うためのシャッターレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等によって構成され、ユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力する。
【0190】
レンズ駆動制御部80は、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ光学系11の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御する。
【0191】
メモリーカード1000は、例えば、R/W50に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
【0192】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
【0193】
撮影の待機状態では、CPU60による制御の下で、カメラブロック10において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部20を介してLCD40に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、入力部70からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいてレンズ光学系11の所定のレンズが移動される。
【0194】
入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック10の図示しないシャッターが動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W50に出力され、メモリーカード1000に書き込まれる。
【0195】
フォーカシングは、例えば、入力部70のシャッターレリーズボタンが半押しされた場合や記録(撮影)のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80がレンズ光学系11の所定のレンズを移動させることにより行われる。
【0196】
メモリーカード1000に記録された画像データを再生する場合には、入力部70に対する操作に応じて、R/W50によってメモリーカード1000から所定の画像データが読み出され、画像処理部30によって伸張復号化処理が行われた後、再生画像信号がLCD40に出力されて再生画像が表示される。
【0197】
尚、上記した実施の形態においては、撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した例を示したが、撮像装置の適用範囲はデジタルスチルカメラに限られることはなく、デジタルビデオカメラ、カメラが組み込まれた携帯電話、カメラが組み込まれたPDA(Personal Digital Assistant)等のデジタル入出力機器のカメラ部等として広く適用することができる。
【0198】
[その他]
本技術撮像装置及び本技術レンズ光学系においては、実質的にレンズパワーを有さないレンズが加えて配置されていてもよく、このようなレンズを含むレンズ群が加えて配置されていてもよい。この場合には、本技術撮像装置及び本技術レンズ光学系が、加えて配置されたレンズ群を含めて実質的にその加えた数のレンズ群によって構成されていてもよい。
【0199】
[本技術]
本技術は、以下の構成にすることもできる。
【0200】
<1>固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足するレンズ光学系。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0201】
<2>以下の条件式(2)を満足する前記<1>に記載のレンズ光学系。
(2)ρ<0
【0202】
<3>前記固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状である前記<1>又は前記<2>に記載のレンズ光学系。
【0203】
<4>全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の前記撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足する前記<1>から前記<3>の何れかに記載のレンズ光学系。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【0204】
<5>前記固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状である前記<3>又は前記<4>に記載のレンズ光学系。
【0205】
<6>前記固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足する前記<1>から前記<5>の何れかに記載のレンズ光学系。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【0206】
<7>前記レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置した前記<1>から前記<6>の何れかに記載のレンズ光学系。
【0207】
<8>最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズである前記<1>から前記<7>の何れかに記載のレンズ光学系。
【0208】
<9>最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されている前記<1>から前記<8>の何れかに記載のレンズ光学系。
【0209】
<10>レンズ光学系と前記レンズ光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子とを備え、前記レンズ光学系は、前記固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する撮像装置。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【0210】
<11>実質的にレンズパワーを有さないレンズがさらに配置されている前記<1>から前記<9>の何れかに記載のレンズ光学系又は前記<10>に記載の撮像装置。
【0211】
上記した各実施の形態において示した各部の形状及び数値は、何れも本技術を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】図2乃至図14と共に本技術レンズ光学系及び撮像装置を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は、構成と光路を示す概念図である。
【図2】撮像面の形状が異なる例を示す概念図である。
【図3】レンズ光学系の第1の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図5】レンズ光学系の第2の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図7】レンズ光学系の第3の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図8】第3の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図9】レンズ光学系の第4の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図11】レンズ光学系の第5の実施の形態のレンズ構成を示す図である。
【図12】図13と共に第5の実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例の収差図を示し、本図は、広角端状態における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図13】望遠端状態における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【図14】撮像装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0213】
1…レンズ光学系、2…レンズ光学系、3…レンズ光学系、4…レンズ光学系、5…レンズ光学系、IMG…撮像面、100…撮像装置、11…レンズ光学系、12…撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、
前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する
レンズ光学系。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【請求項2】
以下の条件式(2)を満足する
請求項1に記載のレンズ光学系。
(2)ρ<0
【請求項3】
前記固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状である
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項4】
全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の前記撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足する
請求項1に記載のレンズ光学系。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【請求項5】
前記固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状である
請求項3に記載のレンズ光学系。
【請求項6】
前記固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足する
請求項1に記載のレンズ光学系。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【請求項7】
前記レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置した
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項8】
最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズである
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項9】
最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されている
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項10】
レンズ光学系と前記レンズ光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子とを備え、
前記レンズ光学系は、
前記固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、
前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する
撮像装置。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【請求項1】
固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、
前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する
レンズ光学系。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【請求項2】
以下の条件式(2)を満足する
請求項1に記載のレンズ光学系。
(2)ρ<0
【請求項3】
前記固体撮像素子における撮像面の非平面形状が、光軸を軸とする回転対称の曲面形状である
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項4】
全ズーム領域の無限遠撮影状態において、最大画角主光線の前記撮像面への入射角度が以下の条件式(3)を満足する
請求項1に記載のレンズ光学系。
(3)θmax<45°
但し、
θmax:最大画角主光線の撮像面への入射角度(垂直入射を0°とする)
とする。
【請求項5】
前記固体撮像素子の撮像面の全体が同一曲率の球面形状である
請求項3に記載のレンズ光学系。
【請求項6】
前記固体撮像素子の撮像面と光学系の焦点距離が以下の条件式(4)を満足する
請求項1に記載のレンズ光学系。
(4)−5.0<Rimg/finf <−1.0
但し、
Rimg:固体撮像素子の撮像面の曲率半径
finf:無限遠合焦時における光学系の焦点距離
とする。
【請求項7】
前記レンズとして2枚の正レンズと2枚の負レンズの合計4枚のレンズを配置した
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項8】
最も像側に位置するレンズが像側に向かって凸形状を有する凹メニスカスレンズである
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項9】
最も像側に位置するレンズ面に非球面が形成されている
請求項1に記載のレンズ光学系。
【請求項10】
レンズ光学系と前記レンズ光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する固体撮像素子とを備え、
前記レンズ光学系は、
前記固体撮像素子の物体側に少なくとも一枚のレンズが配置され、
前記固体撮像素子の撮像面が、光軸から離れるに従って光軸方向へのサグ量が大きくなる非平面形状を有し、かつ、以下の条件式(1)を満足する
撮像装置。
(1)ρ×Sag>0
但し、
ρ:ρ=
で表わされる光学系のペッツバール曲率
rk:物体側からk番目のレンズ面の曲率半径
nk:物体側からk番目のレンズ面への入射前媒質の屈折率
n′k:物体側からk番目のレンズ面からの射出後媒質の屈折率
Sag:撮像面における、光軸上以外の任意の点に関する光軸方向のサグ量(像側方向を正)
とする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−61476(P2013−61476A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199649(P2011−199649)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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