説明

レーザシステム

【課題】モジュールの設置及びメンテナンスをしやすくする。
【解決手段】レーザ光を発振する発振器と、発振器を支持する支持部とを含む第1のモジュールと、レーザ光を伝送するビーム伝送器と、ビーム伝送器を支持する支持部とを含む第2のモジュールと、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する支持部とを含む第3のモジュールと、のうちの少なくとも2つのモジュールと、少なくとも2つのモジュールが載置されるフレームであって、少なくとも2つのモジュールの各々につき、支持部が載置されるマウントを含むフレームと、を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、更には32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
EUV光を生成するための装置としては、一般に、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)方式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)方式の装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)方式の装置との3種類の装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009−0103575号明細書
【概要】
【0005】
本開示の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を発振する発振器と、発振器を支持する支持部とを含む第1のモジュールと、レーザ光を伝送するビーム伝送器と、ビーム伝送器を支持する支持部とを含む第2のモジュールと、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する支持部とを含む第3のモジュールと、のうちの少なくとも2つのモジュールと、少なくとも2つのモジュールが載置されるフレームであって、少なくとも2つのモジュールの各々につき、支持部が載置されるマウントを含むフレームと、を含んでいてもよい。
【0006】
本開示の他の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、モジュールが載置されるフレームであって、第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含むフレームと、を含み、モジュールは、入射光が第1の外部ユニットから入射するための入射部と、出射光が第2の外部ユニットへ出射するための出射部と、を更に含み、第1の支持部は、モジュールの重心から見て入射部側の第1の位置に有し、第2の支持部は、第1の位置から見て入射光の入射方向側の第2の位置に有し、第3の支持部は、第3の位置に有してもよい。
【0007】
本開示の他の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、モジュールが載置されるフレームであって、第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含むフレームと、を含み、モジュールは、出射光が外部ユニットへ出射するための出射部を更に含み、第1の支持部は、モジュールの重心から見て出射部側の第1の位置に有し、第2の支持部は、第1の位置から見て出射光の出射方向とは反対側の第2の位置に有し、第3の支持部は、第3の位置に有してもよい。
【0008】
本開示の他の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、モジュールが載置されるフレームであって、第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含むフレームと、を含み、モジュールは、入射光が第1の外部ユニットから入射するための入射部と、出射光が第2の外部ユニットへ出射するための出射部と、を更に含み、第1の支持部は、モジュールの重心から見て入射部側の第1の位置に有し、第2の支持部は、モジュールの重心から見て出射部側の第2の位置に有し、第3の支持部は、第3の位置に有してもよい。
【0009】
本開示の他の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、モジュールが載置されるフレームであって、第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントと、第1〜第3のマウントがそれぞれ載置される第1〜第3の設置部と、を含むフレームと、を含み、第1のマウントは、第1の支持部をフレームの所定位置に位置決めし、第2のマウントは、第2の設置部に形成された段差に沿って移動できるように第2の設置部に載置され、第2の設置部が重力方向に垂直な面に対して傾斜していることにより、第2のマウントは段差に押し付けられ、第2のマウントは、第2の支持部を第2のマウントの所定位置に位置決めすることにより、第2の支持部がフレームに対して重力方向と交差する一方向に沿った方向に移動できるように第2の支持部を支持し、第3のマウントは、第3の支持部がフレームに対して重力方向と交差する面内において移動できるように第3の支持部を支持してもよい。
【0010】
本開示の他の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、モジュールが載置されるフレームであって、第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントと、第1〜第3のマウントがそれぞれ載置される第1〜第3の設置部と、を含むフレームと、を含み、第1のマウントは、第1の支持部をフレームの所定位置に位置決めし、第2のマウントは、第2の設置部に形成された段差に沿って移動できるように第2の設置部に載置され、第2の設置部又は第2のマウントに設けられた弾性部材により、第2のマウントは段差に押し付けられ、第2のマウントは、第2の支持部を第2のマウントの所定位置に位置決めすることにより、第2の支持部がフレームに対して重力方向と交差する一方向に沿った方向に移動できるように第2の支持部を支持し、第3のマウントは、第3の支持部がフレームに対して重力方向と交差する面内において移動できるように第3の支持部を支持してもよい。
【0011】
本開示の他の1つの観点に係るレーザシステムは、レーザ光を伝送するビーム伝送器と、ビーム伝送器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、モジュールが載置されるフレームであって、第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含むフレームと、を含み、第1及び第2のマウントは、フレームの第1の面に設けられ、第3のマウントは、フレームの第2の面であって第1の面と交差する面に設けられ、第1のマウントは、第1の支持部を所定位置に位置決めし、第2のマウントは、第2の支持部が第1のマウントに近づく方向に沿った方向に移動できるように第2の支持部を支持し、第3のマウントは、第3の支持部が第2の面に沿った方向に移動できるように第3の支持部を支持してもよい。
【0012】
本開示の1つの観点に係るフレームは、レーザ光を発振する発振器と、発振器を支持する支持部とを含む第1のモジュールと、レーザ光を伝送するビーム伝送器と、ビーム伝送器を支持する支持部とを含む第2のモジュールと、レーザ光を増幅する増幅器と、増幅器を支持する支持部とを含む第3のモジュールと、のうちの少なくとも2つのモジュールが載置されるフレームであって、少なくとも2つのモジュールの各々につき、支持部が載置されるマウントを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、LPP方式のEUV光生成装置の構成を概略的に示す。
【図2】図2は、本開示の第1の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示すブロック図である。
【図3A】図3Aは、第1の実施形態に係るレーザシステムを構成するモジュールの具体的な配置を示す斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aにおける下層部のモジュールの配置を示す斜視図である。
【図3C】図3Cは、図3Aにおけるフレームを示す斜視図である。
【図4】図4は、レーザシステムを構成するモジュールの具体的な配置を示す平面図である。
【図5】図5は、第1のメインアンプの斜視図である。
【図6】図6は、第1のメインアンプを図5の矢印VIで示す方向から見た平面図である。
【図7A】図7Aは、第1のメインアンプを図5の矢印VIIAで示す方向から見た正面図である。
【図7B】図7Bは、車輪とメインアンプとの間の距離を長くした状態を示す正面図である。
【図8】図8は、第1のメインアンプを図5の矢印VIIIで示す方向から見た側面図である。
【図9A】図9Aは、第2及び第3のプリアンプの斜視図である。
【図9B】図9Bは、第2及び第3のプリアンプを図9Aの矢印IXBで示す方向から見た平面図である。
【図10A】図10Aは、第3のビーム伝送器の斜視図である。
【図10B】図10Bは、第3のビーム伝送器を図10Aの矢印XBで示す方向から見た平面図である。
【図11A】図11Aは、マスターオシレータの正面図である。
【図11B】図11Bは、マスターオシレータを図11Aの矢印XIBで示す方向から見た平面図である。
【図12】図12は、本開示の第2の実施形態における第1のメインアンプの正面図である。
【図13】図13は、本開示の第3の実施形態における第1のメインアンプの正面図である。
【図14】図14は、本開示の第4の実施形態における第1のメインアンプの斜視図である。
【図15】図15は、本開示の第5の実施形態における第1のメインアンプの正面図である。
【図16】図16は、本開示の第6の実施形態における第1のメインアンプの側面図である。
【図17】図17は、本開示の第7の実施形態における第1のメインアンプの側面図である。
【図18A】図18Aは、本開示の第8の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す分解斜視図である。
【図18B】図18Bは、第8の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す斜視図である。
【図19】図19は、本開示の第9の実施形態においてモジュールを支持するための第2のマウントを示す断面図である。
【図20A】図20Aは、本開示の第10の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す分解斜視図である。
【図20B】図20Bは、本開示の第10の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す斜視図である。
【図20C】図20Cは、図20Bの矢印XXCで示す方向から見た一部断面図である。
【図21】図21は、本開示の第11の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示すブロック図である。
【図22A】図22Aは、第11の実施形態に係るレーザシステムを構成するモジュールの具体的な配置を示す斜視図である。
【図22B】図22Bは、図22Aにおける下層部のモジュールの配置を示す斜視図である。
【図22C】図22Cは、図22Aにおけるフレームを示す斜視図である。
【実施形態】
【0014】
内容
1.概要
2.用語の説明
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.第1の実施形態
4.1 レーザシステムの構成
4.2 モジュールの配置
4.3 メインアンプの支持機構
4.4 プリアンプの支持機構
4.5 ビーム伝送器の支持機構
4.6 マスターオシレータの支持機構
5.第2の実施形態
6.第3の実施形態
7.第4の実施形態
8.第5の実施形態
9.第6の実施形態
10.第7の実施形態
11.第8の実施形態
12.第9の実施形態
13.第10の実施形態
14.第11の実施形態
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0016】
1.概要
本開示の各実施形態においては、レーザ光を増幅するメインアンプ等のモジュールが、脚部を含み、脚部がフレームの所定位置に載置されることによってモジュールが位置決めされ得る。更に、このモジュールには車輪が取り付けられ、車輪は、モジュールとの間の距離を伸縮し得る。車輪とモジュールとの間の距離を離すことにより、脚部をフレームから離れさせれば、モジュールをフレームに対して移動させ得る。反対に、車輪とモジュールとの間の距離を近づけることにより、脚部をフレームの所定位置に載置すれば、モジュールをフレームの所定位置に位置決めし得る。
【0017】
2.用語の説明
本開示において使用する用語を説明する。「チャンバ」は、EUV光の生成が行われる空間を大気から隔絶するためのチャンバである。「ドロップレット生成器」は、EUV光を生成するために用いられるスズ等のターゲット物質を液滴の状態でチャンバ内に供給する装置である。「レーザシステム」は、ターゲット物質を励起してプラズマ化するためのレーザ光を出力するシステムである。「プラズマ生成領域」とは、プラズマが生成される空間として予め設定された3次元空間である。レーザ光のエネルギーによってターゲット物質が励起されて放射される光には特定波長の光(EUV光)が含まれている。「EUV集光ミラー」は、プラズマ化されたターゲット物質から放射されるEUV光を高い反射率で反射して、チャンバ外に出力するミラーである。レーザ光の光軸または光路における「上流」とは、レーザ光の起源となるマスターオシレータに近い側を指す。一方、光軸または光路における「下流」とは、プラズマ生成領域に近い側を指す。
【0018】
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
図1に、例示的なLPP方式のEUV光生成装置1の構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザシステム3と共に用いられてもよい(EUV光生成装置1及びレーザシステム3を含むシステムを、以下、EUV光生成システム11と称する)。図1に示し、かつ以下に詳細に説明されるように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、ターゲット供給装置(例えばドロップレット生成器26)等を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。ターゲット供給装置は、例えばチャンバ2に取り付けられていてもよい。ターゲット供給装置から供給されるターゲットの材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノンそれらのうちのいずれか2つ以上の組合せ等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0019】
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよく、その貫通孔をレーザシステム3から出力されたパルスレーザ光32が通過してもよい。或いは、チャンバ2には、レーザシステム3から出力されたパルスレーザ光32が透過する少なくとも1つのウィンドウ21が設けられてもよい。チャンバ2の内部には例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有し得る。EUV集光ミラー23の表面には例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、第2の焦点が露光装置の仕様によって規定される所望の集光位置(中間焦点(IF)292)に位置するように配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には、貫通孔24が設けられてもよい。
【0020】
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御システム5、ターゲットセンサ4等をさらに含んでもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよく、ターゲットの存在、軌道、位置等を検出してもよい。
【0021】
更に、EUV光生成装置1は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通させる接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
【0022】
更に、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光光学系22、ドロップレットターゲット27を回収するためのターゲット回収部28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置や姿勢等を制御するためのアクチュエータとを備えてもよい。
【0023】
3.2 動作
図1を参照に、レーザシステム3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウィンドウ21を透過して、チャンバ2に入射してもよい。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光光学系22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのドロップレットターゲット27に照射されてもよい。
【0024】
ドロップレット生成器26からは、ドロップレットターゲット27がチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力されてもよい。ドロップレットターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスレーザ光が照射され得る。パルスレーザ光が照射されたドロップレットターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマからEUV光251が放射され得る。EUV光251は、EUV集光ミラー23によって集光されるとともに反射されてもよい。EUV集光ミラー23で反射されたEUV光252は、中間焦点292を通って露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのドロップレットターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。
【0025】
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括してもよい。EUV光生成制御システム5はターゲットセンサ4によって撮像されたドロップレットターゲット27のイメージデータ等を処理してもよい。EUV光生成制御システム5は、例えば、ドロップレットターゲット27を出力するタイミングやドロップレットターゲット27の出力方向等を制御してもよい。また、EUV光生成制御システム5は、例えば、レーザシステム3のレーザ発振タイミングやパルスレーザ光32の進行方向やパルスレーザ光33の集光位置等を制御してもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加してもよい。
【0026】
4.第1の実施形態
4.1 レーザシステムの構成
図2は、本開示の第1の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示すブロック図である。EUV光生成システム11に含まれるレーザシステム3は、マスターオシレータ300と、第1〜第3のプリアンプ301〜303と、第1及び第2のメインアンプ304及び305と、プリパルスレーザ部306と、光路調整部307とを含んでもよい。
【0027】
マスターオシレータ300(発振器)は、例えばCOレーザ装置によって構成されてもよい。マスターオシレータ300は、メインパルスレーザ光の種光を生成するよう構成されてもよい。メインパルスレーザ光は、ターゲットに照射されることによってターゲットをプラズマ化し得る。
【0028】
マスターオシレータ300の下流側には、第1のプリアンプ301、第2のプリアンプ302、第3のプリアンプ303、第1のメインアンプ304及び第2のメインアンプ305が、この順で配置されてもよい。第1のプリアンプ301、第2のプリアンプ302、第3のプリアンプ303、第1のメインアンプ304及び第2のメインアンプ305は、マスターオシレータ300によって生成されたメインパルスレーザ光の種光を順次増幅して、光路調整部307に出力するよう構成されてもよい。第1のプリアンプ301、第2のプリアンプ302及び第3のプリアンプ303は、それぞれ例えばスラブ型増幅器で構成されてもよい。第1のメインアンプ304及び第2のメインアンプ305は、それぞれ例えば高速軸流型増幅器で構成されてもよい。
【0029】
第2のプリアンプ302の上流側及び下流側には、それぞれ、第1及び第2のビーム調節器(BF)311及び312が配置されてもよい。第3のプリアンプ303の上流側及び下流側には、それぞれ、第3及び第4のビーム調節器313及び314が配置されてもよい。
【0030】
第1のプリアンプ301と第1のビーム調節器311との間には、第1のビーム伝送器(BD)321が配置されてもよい。第1のビーム伝送器321は、第1のプリアンプ301からの出射光を第1のビーム調節器311への入射位置へ伝送してもよい。
【0031】
第4のビーム調節器314と第1のメインアンプ304との間には、第2及び第3のビーム伝送器322及び323が配置されてもよい。第2及び第3のビーム伝送器322及び323は、第4のビーム調節器314からの出射光を第1のメインアンプ304への入射位置へ伝送してもよい。
【0032】
第1のメインアンプ304と第2のメインアンプ305との間には、第3及び第4のビーム伝送器323及び324が配置されてもよい。第3及び第4のビーム伝送器323及び324は、第1のメインアンプ304からの出射光を第2のメインアンプ305への入射位置へ伝送してもよい。
【0033】
第2のメインアンプ305と光路調整部307との間には、第4及び第5のビーム伝送器324及び325が配置されてもよい。第4及び第5のビーム伝送器324及び325は、第2のメインアンプ305からの出射光を光路調整部307への入射位置へ伝送してもよい。
【0034】
プリパルスレーザ部306は、プリパルスレーザ光を出力し得る。プリパルスレーザ光は、ドロップレットターゲット27(図1参照)に照射されることにより、ドロップレットターゲット27を拡散させ、拡散したターゲットに対するメインパルスレーザ光の吸収率を向上させ得る。プリパルスレーザ部306から出力されたプリパルスレーザ光は、光路調整部307に入射してもよい。光路調整部307に入射したメインパルスレーザ光及びプリパルスレーザ光は、第6のビーム伝送器326を介してEUV光生成装置1に入射してもよい。
【0035】
4.2 モジュールの配置
図3Aは、第1の実施形態に係るレーザシステムを構成するモジュールの具体的な配置を示す斜視図である。図3Bは、図3Aにおける下層部のモジュールの配置を示す斜視図である。図3Cは、図3Aにおけるフレームを示す斜視図である。図3Cに示すように、このフレームは複数の梁を組合わせた構造物であってもよい。上述のマスターオシレータ300、第1〜第3のプリアンプ301〜303、第1及び第2のメインアンプ304及び305、プリパルスレーザ部306、光路調整部307、第1〜第4のビーム調節器311〜314、第1〜第4のビーム伝送器321〜324は、フレーム330によって支持されてもよい。なお、第6のビーム伝送器326及びEUV光生成装置1(図2参照)は、図3Aに示す構成要素とは遠隔に配置されてもよいため、図3Aには第6のビーム伝送器326を記載していない。図3Aにおいて、XYZの3次元直交軸を規定し、以降の図においても共通の座標軸を用いる。XY平面は重力方向に直行する面、Z方向は重力の逆方向である。
【0036】
フレーム330は、少なくとも3つのフレーム支持部331〜333によって床面上に支持されてもよい。フレーム支持部331〜333は、例えば、エアーサスペンション装置によって構成されてもよい。
【0037】
図3Aに示すように、第1のプリアンプ301と第1のビーム伝送器321とは、1つの筐体に収容されてもよい。また、第5のビーム伝送器325と、プリパルスレーザ部306と、光路調整部307とは、それぞれ別の1つの筐体に収容されてもよい。
【0038】
マスターオシレータ300、第1のプリアンプ301、第1のビーム伝送器321、第2のビーム伝送器322、第5のビーム伝送器325、プリパルスレーザ部306及び光路調整部307は、レーザシステム3の上層部に配置されてもよい。図3Bに示すように、第2及び第3のプリアンプ302及び303、第1及び第2のメインアンプ304及び305、第1〜第4のビーム調節器311〜314は、レーザシステム3の下層部に配置されてもよい。
【0039】
マスターオシレータ300に隣接して、第1のプリアンプ301と第1のビーム伝送器321とを収容した筐体が配置されてもよい。第1のプリアンプ301と第1のビーム伝送器321とが収容された筐体の下方に、図3Bに示す第1のビーム調節器311が配置されてもよい。
【0040】
図3Bに示すように、第1のビーム調節器311に隣接して、第2のプリアンプ302が配置されてもよい。第2のプリアンプ302に隣接して、第2のビーム調節器312が配置されてもよい。第2のビーム調節器312に隣接して、第3のビーム調節器313が配置されてもよい。第3のビーム調節器313に隣接して、第3のプリアンプ303が配置されてもよい。第3のプリアンプ303に隣接して、第4のビーム調節器314が配置されてもよい。第4のビーム調節器314の上方に、図3Aに示す第2のビーム伝送器322が配置されてもよい。
【0041】
図3Aに示すように、第2のビーム伝送器322に隣接して、第3のビーム伝送器323が配置されてもよい。第3のビーム伝送器323に隣接していて、かつ第2のビーム伝送器322の下方の位置に、第1のメインアンプ304が配置されてもよい。また、第3のビーム伝送器323に隣接して、第4のビーム伝送器324が配置されてもよい。第4のビーム伝送器324に隣接して、第2のメインアンプ305が配置されてもよい。また、第4のビーム伝送器324に隣接していて、かつ第2のメインアンプ305の上方には、第5のビーム伝送器325、プリパルスレーザ部306及び光路調整部307が収容された筐体が配置されてもよい。
【0042】
図3Bに示すように、第2のプリアンプ302及び第3のプリアンプ303は、それぞれ、水平面(X−Y平面)に対して所定角度θ(例えばθ=45°)傾いた状態で配置されてもよい。このように傾いて配置されるプリアンプに入射するメインパルスレーザ光は、プリアンプの傾斜方向に対し、ビーム断面形状の長手方向が略一致するようなたとえば楕円形状のレーザ光であってもよい。そこで、第1の実施形態では、第1のビーム調節器311によって、ビーム断面形状が略円形のメインパルスレーザ光を、ビーム断面形状が一方向に長いレーザ光に変換してもよい。そして、第1のビーム調節器311は、メインパルスレーザ光のビーム断面形状の長手方向と第2のプリアンプ302の傾斜方向とが略一致するように、メインパルスレーザ光を第2のプリアンプ302に入射させてもよい。
【0043】
第2のビーム調節器312は、第2のプリアンプ302から出力されたメインパルスレーザ光を、ビーム断面形状が略円形のレーザ光に戻してもよい。第3のビーム調節器313は、ビーム断面形状が略円形のメインパルスレーザ光を、ビーム断面形状が一方向に長いレーザ光に変換してもよい。あるいは、第2のビーム調節器312は、第2のプリアンプ302から出力されたメインパルスレーザ光を、ビーム断面形状が一方向に長いレーザ光で第3のビーム調節器313に入射してもよい。この際、メインパルスレーザ光のダイバージェンスやビーム断面積が調整されてもよい。そして、第3のビーム調節器313は、メインパルスレーザ光のビーム断面の長手方向と第3のプリアンプ303の傾斜方向とが一致するように、メインパルスレーザ光を第3のプリアンプ303に入射させてもよい。第4のビーム調節器314は、第3のプリアンプ303から出力されたメインパルスレーザ光を、ビーム断面形状が略円形のレーザ光に戻してもよい。
【0044】
第2及び第3のプリアンプ302及び303、並びに第1及び第2のメインアンプ304及び305は、メインパルスレーザ光のエネルギー増幅量が多い場合がある。そのため、これらの装置は、上流側のマスターオシレータ300及び第1のプリアンプ301に比べて、大きく且つ重い装置であり得る。そこで、第2及び第3のプリアンプ302及び303、並びに第1及び第2のメインアンプ304及び305のメンテナンスを容易にするため、これらの装置をレーザシステム3の下層部に配置してもよい。
【0045】
図4は、レーザシステムを構成するモジュールの具体的な配置を示す平面図である。マスターオシレータ300、第1〜第3のプリアンプ301〜303、第1及び第2のメインアンプ304、305、プリパルスレーザ部306、光路調整部307、第1〜第4のビーム調節器311〜314、第1〜第4のビーム伝送器321〜324等のモジュールは、フレーム330から取り外してメンテナンスできるようにしてもよい。例えば、マスターオシレータ300、第2及び第3のプリアンプ302及び303、第1及び第2のメインアンプ304及び305は、設置面に対して平行に(たとえば図4におけるXY方向に)移動してメンテナンスできるようにしてもよい。以下に、これらのモジュールをフレーム330に対して位置決めしたり、フレーム330から取り外したりするための構成について説明する。
【0046】
4.3 メインアンプの支持機構
図5は、第1のメインアンプの透視斜視図である。図6は、第1のメインアンプを図5の矢印VIで示す方向から見た透視平面図である。図7Aは、第1のメインアンプを図5の矢印VIIAで示す方向から見た透視正面図である。図8は、第1のメインアンプを図5の矢印VIIIで示す方向から見た透視側面図である。
【0047】
1つのモジュールを構成し得る第1のメインアンプ304は、例えば高速軸流型増幅器を含んでもよい。高速軸流型増幅器は、入射窓401と、複数の放電管411〜418と、ミラー421〜428と、出射窓402とを含んでもよい。入射窓401は、X軸に沿って第3のビーム伝送器323(図3A参照)からのレーザ光が入射するための透明な窓であってもよい。出射窓402は、X軸に沿って第3のビーム伝送器323へレーザ光が出射するための透明な窓であってもよい。
【0048】
図6に示すように、放電管411〜418各々の外周に一対の電極433及び434を含んでもよい。また、放電管411〜418の各々の内部には、レーザ媒質としてCOガスを含む混合ガスが供給されてもよい。
【0049】
放電管411〜418の各々において、図示しない外部のRF電源装置から電極433と電極434との間に高周波電圧が印加されてもよい、これにより、COガスを含む混合ガスが励起され、励起された領域を通過するレーザ光が増幅され得る。レーザ光は、入射窓401から放電管411へ入射され、ミラー421〜428(図5参照)によって反射されて放電管412〜418内を通過することで順次増幅されて、X軸に沿って出射窓402から出力され得る。
【0050】
第1のメインアンプ304は、脚部(支持部)441〜443を更に含んでもよい。脚部(支持部)は少なくとも3箇所にもうけられ、3点でメインアンプを支持してもよい。望ましくは、脚部441は、第1のメインアンプ304の入射窓401及び出射窓402側の位置に設けられてもよい。また、脚部442は、脚部441から見て、入射窓401からの入射光の入射方向側の位置に設けられてもよい。また、脚部443は、脚部441及び442が設けられる側とは反対側に設けられてもよい。
【0051】
図7Aに示すように、フレーム330は、脚部441〜443が載置されるマウント341〜343を含んでもよい。脚部441〜443がマウント341〜343にそれぞれ載置されることにより、第1のメインアンプ304がフレーム330に支持されてもよい。
【0052】
マウント341の上面には、円錐状の窪み341aが形成されてもよい。マウント342の上面には、断面がV字状の溝342aが形成されてもよい。溝342aは、入射窓401からの入射光の入射方向(X軸方向)と平行で、且つ出射窓402からの出射光の出射方向と平行な方向(X軸方向)に形成されてもよい。マウント343の上面は、平面状になっていてもよい。
【0053】
脚部441がマウント341に載置されることにより、脚部441がXY方向には動き難い。脚部442がマウント342に載置されることにより、脚部442は、溝342aに沿った方向に移動できるように支持され得る。すなわち、脚部442は、入射窓401からの入射光の入射方向(X軸方向)と平行で、且つ出射窓402からの出射光の出射方向(X軸方向)と平行な方向に移動できるように支持され得る。脚部443は、マウント343に載置されることにより、マウント343の上面に沿って移動できるように支持され得る。すなわち、脚部443は、重力方向と交差する面内において移動できるように支持され得る。
【0054】
図6に示すように、脚部441及び442は、入射窓401からの入射光の軸(出射窓402からの出射光の軸)を第1のメインアンプ304内に延長した線の直下に設けられてもよい。そして、脚部441は、入射窓401側(出射窓402側)に設けられ、第1のメインアンプ304をフレーム330に対して位置決めしてもよい。
【0055】
以上の構成により、第1のメインアンプ304が熱により膨張または変形した場合でも、入射窓401及び出射窓402の空間的な位置が変動することが抑制される。さらに、出射光の出射方向が入射光の入射方向に対して相対的に変位することが抑制される。
【0056】
図6,図7Aに示すように第1のメインアンプ304には、複数の伸縮機構(昇降機構)461、462、463、464が取り付けられ、これらの伸縮機構には、車輪(ガイドフォロア)451、452、453、454が取り付けられてもよい。なお、伸縮機構463および464に取り付けられた車輪453および454は図7Aにおいてそれぞれ車輪451および452の奥に隠れてあり、その図示は省略した。また、フレーム330には、平行に配置される2本のレール(ガイド)351及び352が設けられてもよい。この構成において、伸縮機構461、462、463、464を伸張することで図7B、図8に示す状態としてもよい。
【0057】
図7Bは、伸縮機構461、462、463、464を伸張することで車輪とメインアンプとの間の距離を長くした状態を示す正面図である。伸縮機構461〜464によって、車輪451〜454と第1のメインアンプ304との間の距離を離すことにより、メインアンプに固定された脚部441〜443がフレーム330に固定されたマウント341〜343から離れ得る。これにより、車輪451〜454がレール351及び352上を走行することができ、第1のメインアンプ304をフレーム330に対して移動させることができる。
【0058】
更に、図8に示すように、フレーム330の近くに、台車7を用意してもよい。台車7には、例えば、平行に配置される2本のレール751及び752が設けられてもよい。これにより、フレーム330上の位置から台車7上の位置に第1のメインアンプ304を移動させ、所望のメンテナンスエリアに運搬してもよい。
【0059】
また、台車7には、マウント341〜343と同様に配置されるマウント761〜763を設けてもよい。マウント761〜763は、第1のメインアンプ304が台車7に対して固定され得る形状に形成されてもよい。メインアンプ304はレール751及び752によって、メインアンプ304の脚部441〜443がそれぞれ対応する、台車7上のマウント761〜763の直上位置に移動してもよい。この状態で、伸縮機構461〜464を短縮することで、車輪451〜454と第1のメインアンプ304との間の距離を近づけてもよい。これにより、脚部441〜443を台車7上のマウント761〜763にそれぞれ載置し、第1のメインアンプ304を台車7上に安定的に載置することができる。
【0060】
4.4 プリアンプの支持機構
図9Aは、第2及び第3のプリアンプの透視斜視図である。図9Bは、第2及び第3のプリアンプを図9Aの矢印IXBで示す方向から見た透視平面図である。図9A及び図9Bにおいて、第3のプリアンプ303についてはその内部を透視図として示し、第2のプリアンプ302については内部の図示を省略しているが、これらの構成は同様としてもよい。
【0061】
1つのモジュールを構成し得る第3のプリアンプ303は、例えばスラブ型増幅器を含んでもよい。スラブ型増幅器は、入射窓501と、出射窓502と、一対の凹面ミラー503及び504と、一対の放電電極505及び506と、を含んでもよい。
【0062】
入射窓501は、第3のビーム調節器313(図3B参照)からのレーザ光が入射するための透明な窓であってもよい。出射窓502は、第4のビーム調節器314へレーザ光が出射するための透明な窓であってもよい。一対の放電電極505と506との間には、図示しない電源装置によって、高電圧を印加してもよい。放電電極505と放電電極506との間には、図示しないレーザチャンバによって、ガス状のレーザ媒質が大気から隔絶された状態で保持されてもよい。
【0063】
一対の凹面ミラー503及び504は、レーザ光を反射することにより、放電電極505と放電電極506との間においてレーザ光を所定回数ジグザグに進行させ、マルチパス増幅光路を形成させ得る。放電電極505と506との間に高電圧を印加することでガス状のレーザ媒質を励起状態としてもよい。入射窓501から入射したメインパルスレーザ光は、一対の凹面ミラー503及び504によって反射されて励起状態のレーザ媒質内をジグザグに進行する際に増幅され、出射窓502から出力され得る。入射窓501からの入射光の入射方向と、出射窓502からの出射光の出射方向とは、同一方向ではないが、ほぼ一致した方向となり得る。
【0064】
図5〜図8を参照しながら説明した第1のメインアンプ304と同様に、第3のプリアンプ303は、脚部541〜543を更に含んでもよい。脚部541は、第3のプリアンプ303の出射窓502側の位置に設けられてもよい。脚部542は、第3のプリアンプ303の入射窓501側の位置に設けられてもよい。脚部543は、脚部541及び542が設けられる側とは反対側に設けられてもよい。
【0065】
フレーム330は、脚部541〜543が載置されるマウント341〜343を含んでもよい。マウント341〜343の構成は、図5〜図8を参照しながら説明した構成と同様でもよい。但し、マウント342の溝342aは、入射窓501からの入射光の入射方向と、出射窓502からの出射光の出射方向とにほぼ一致した方向に形成されてもよい。なお、マウント341,342の位置は入れ替えてもよく、V字型溝と円錐状の窪みはそれぞれどちらに設置されても良い。
【0066】
図9Bに示すように、脚部541及び542は、それぞれ、出射窓502からの出射光の軸及び入射窓501からの入射光の軸を第3のプリアンプ303内に延長した線の直下に設けられてもよい。以上の構成により、第3のプリアンプ303が熱により膨張または変形した場合でも、入射窓501及び出射窓502の空間的な位置が変動することが抑制される。さらに、出射光の出射方向が入射光の入射方向に対して相対的に変位することが抑制される。
【0067】
図9Aに示すように第3のプリアンプ303には、複数の伸縮機構461、462、463、464が取り付けられ、これらの伸縮機構には、車輪451、452、453、454が取り付けられてもよい。また、フレーム330には、平行に配置される2本のレール351及び352が設けられてもよい。これらの構成要素の構成は、図5〜図8を参照しながら説明した構成と同様でもよい。さらに、図8を参照しながら説明したのと同様に、第3のプリアンプ303を台車に載せて運搬できるように構成してもよい。
【0068】
4.5 ビーム伝送器の支持機構
図10Aは、第3のビーム伝送器の透視斜視図である。図10Bは、第3のビーム伝送器を図10Aの矢印XBで示す方向から見た平面図である。
【0069】
1つのモジュールを構成し得る第3のビーム伝送器323は、第1の入射窓601と、第1の出射窓602と、第2の入射窓603と、第2の出射窓604と、第1〜第3の高反射ミラー605〜607と、を含んでもよい。
【0070】
第1の入射窓601は、第2のビーム伝送器322(図3A参照)からのレーザ光が入射するための透明な窓でもよい。第1の出射窓602は、第1のメインアンプ304へレーザ光が出射するための透明な窓でもよい。第2の入射窓603は、第1のメインアンプ304からのレーザ光が入射するための透明な窓でもよい。第2の出射窓604は、第4のビーム伝送器324へレーザ光が出射するための透明な窓でもよい。
【0071】
第1の入射窓601から入射したメインパルスレーザ光を反射して、第1の出射窓602から出力されるように、第1及び第2の高反射ミラー605及び606が配置されていてもよい。第2の入射窓603から入射したメインパルスレーザ光を反射して、第2の出射窓604から出力されるように、第3の高反射ミラー607が配置されていてもよい。このように、第1の高反射ミラー605、第2の高反射ミラー606、および第3の高反射ミラー607は入射したビームの方向を規定して反射するようにしてもよい。
【0072】
第1の入射窓601からの入射光の入射方向と、第1の出射窓602からの出射光の出射方向と、第2の入射窓603からの入射光の入射方向とは、ほぼ平行でもよい。第2の入射窓603からの入射光の入射方向と、第2の出射窓604からの出射光の出射方向とは、ほぼ直交してもよい。このように、第1の高反射ミラー605、第2の高反射ミラー606、および第3の高反射ミラー607に対する入射角と反射角は約45度であってもよい。
【0073】
図5〜図8を参照しながら説明した第1のメインアンプ304と同様に、第3のビーム伝送器323は、脚部641〜643を更に含んでもよい。脚部641は、第2の入射窓603からの入射光の軸と、第2の出射窓604からの出射光の軸を第3のビーム伝送器323内に延長した線の直下に設けられてもよい。たとえば高反射ミラー607の直下に設けられてもよい。脚部642は、脚部641から見て、第2の出射窓604からの出射光の出射方向とは反対側の位置に設けられてもよい。脚部643は、脚部641及び642が設けられる側とは反対側に設けられてもよい。
【0074】
フレーム330(図3A参照)は、脚部641〜643が載置されるマウント341〜343を含んでもよい。マウント341〜343の構成は、図5〜図8を参照しながら説明した構成と同様でもよい。また、マウント342の溝342aは、第2の出射窓604からの出射光の出射方向と平行な方向に形成されてもよい。
【0075】
図5〜図8を参照しながら説明したのと同様に、第3のビーム伝送器323には、複数の伸縮機構及び車輪を取り付けてもよい。また、図8を参照しながら説明したのと同様に、第3のビーム伝送器323を台車に載せて運搬できるように構成してもよい。これらの運搬機構は、第3のビーム伝送器323の重量が大きくない場合には、設けられなくてもよい。ビーム伝送器にレーザ光が入射又は出射するための窓601〜604が設けられた実施形態を示した。しかし、この実施形態に限定されることなく、レーザシステム3の設置空間が十分なクリーン度に保たれている場合、各窓を備えず各窓に対応する位置にレーザ光が通過する貫通孔が設けられてもよい。また、窓の有無にかかわらず、安全のためにビーム伝送器と他のモジュールとの間にレーザ光が通過するための配管が設けられてもよい。
【0076】
4.6 マスターオシレータの支持機構
図11Aは、マスターオシレータの透視正面図である。図11Bは、マスターオシレータを図11Aの矢印XIBに示す方向から見た透視平面図である。
【0077】
1つのモジュールを構成し得るマスターオシレータ300は、出力結合ミラー701と、高反射ミラー702と、一対の放電電極703及び704と、Qスイッチ705と、出射窓706とを含んでもよい。
【0078】
出射窓706は、第1のプリアンプ301(図3A参照)へレーザ光が出射するための透明な窓でもよい。一対の放電電極703と704との間には、図示しない電源装置によって、高電圧が印加されてもよい。放電電極703と放電電極704との間には、図示しないレーザチャンバにより、レーザ媒質としてCOガスを含む混合ガスが保持されてもよい。
【0079】
放電電極703と704との間に電源装置から高電圧が印加されると、放電電極703と704との間に放電が起こり得る。この放電のエネルギーにより、レーザ媒質が励起されて高エネルギー準位に移行し得る。励起されたレーザ媒質が、その後低エネルギー準位に移行するとき、そのエネルギー準位差に応じた光が放出され得る。
【0080】
励起されたレーザ媒質から放出された光は、光共振器を構成する出力結合ミラー701と高反射ミラー702との間で往復し、放電電極703と704との間(レーザゲイン空間)を通過する度に増幅され得る。Qスイッチ705は、レーザ媒質を構成する原子の多くが励起状態になるまで光損失を大きい状態に保って発振を抑え、レーザ媒質を構成する原子の多くが励起状態になったときに光損失を低下させ得る。Qスイッチ705が備えられることにより、パルス状のレーザ光が生成され得る。高いエネルギーに増幅されたパルスレーザ光の一部が、出力結合ミラー701を介して出力され得る。出力結合ミラー701を通過したパルスレーザ光は、出射窓706を介して第1のプリアンプ301に出力され得る。
【0081】
図5〜図8を参照しながら説明した第1のメインアンプ304と同様に、マスターオシレータ300は、脚部741〜743を更に含んでもよい。脚部741は、マスターオシレータ300の出射窓706側の位置に設けられてもよい。脚部742は、脚部741に対して、出射窓706からの出射光の出射方向とは反対側の位置に設けられてもよい。または、脚部741は出力結合ミラー701の直下に、脚部742は高反射ミラー702の直下に配置されるようにしてもよい。脚部743は、脚部741及び742が設けられる側とは反対側に設けられてもよい。または、脚部741は出力結合ミラー701の直下に、脚部742は高反射ミラー702の直下に配置されるようにしてもよい。
【0082】
フレーム330は、脚部741〜743が載置されるマウント341〜343を含んでもよい。マウント341〜343の構成は、図5〜図8を参照しながら説明した構成と同様でもよい。但し、マウント342の溝342aは、出射窓706からの出射光の出射方向と平行な方向に形成されてもよい。
【0083】
図11Bに示すように、脚部741及び742は、出射窓706からの出射光の軸をマスターオシレータ300内に延長した線の直下に設けられてもよい。そして、脚部741は、出射窓706側に設けられ、マスターオシレータ300をフレーム330に対して位置決めしてもよい。
【0084】
以上の構成により、マスターオシレータ300が熱により膨張または変形した場合でも、出射窓706から出力される出射光の軸からずれることが抑制され得る。
【0085】
マスターオシレータ300には、複数の伸縮機構461、462、463、464が取り付けられ、これらの伸縮機構には、車輪451、452、453、454が取り付けられてもよい。また、フレーム330には、2本の平行に配置されるレール351及び352が設けられてもよい。これらの構成要素の構成は、図5〜図8を参照しながら説明した構成と同様でもよい。
【0086】
5.第2の実施形態
図12は、本開示の第2の実施形態における第1のメインアンプの透視正面図である。第2の実施形態において、第1のメインアンプ304は、支持部344〜346を含んでもよい。支持部344の下面には、円錐状の窪み341aが形成されてもよい。支持部345の下面には、断面がV字状の溝342aが形成されてもよい。溝342aは、入射窓401からの入射光の入射方向と平行で、且つ出射窓402からの出射光の出射方向と平行な方向に形成されてもよい。支持部346の下面は、平面状になっていてもよい。
【0087】
一方、フレーム330は、支持部344〜346が載置される脚部(マウント)444〜446を含んでもよい。脚部444〜446は、フレーム330の下方から上方に向けて突出していてもよい。
【0088】
このように、第2の実施形態は、支持部とマウントとの関係が逆になっている点で、図7Aを参照しながら説明した第1の実施形態と異なる。他の点については、図7Aを参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0089】
6.第3の実施形態
図13は、本開示の第3の実施形態における第1のメインアンプの透視正面図である。図13は、車輪と第1のメインアンプ304との間の距離を長くした状態を示している。第3の実施形態において、伸縮機構461、462および図示を省略した伸縮機構463、464に固定されたプレート465は、伸縮機構461、462、463および464によって、車輪451及び452と一緒に押し下げられてもよい。プレート465にはマウント441〜443が貫通することのできる貫通孔が形成されていてもよい。伸縮機構を伸張することにより、車輪451、452および図示を省略した車輪453、454と第1のメインアンプ304との間の距離を離すようにしてもよい。プレート465に伸縮機構461〜464が固定されているため、各伸縮機構の伸縮速度が異なっていてもメインアンプ304を略水平に保持するようにしてもよい。他の点については、図7Bを参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0090】
7.第4の実施形態
図14は、本開示の第4の実施形態における第1のメインアンプの透視斜視図である。第4の実施形態において、レール351及び352上を走行する車輪が設けられなくてもよい。伸縮機構461、462、463および図示を省略した伸縮機構464には、ガイドフォロア455、456、457および図示を省略したガイドフォロア458が取り付けられていてもよい。これらのガイドフォロア455、456、457、458が、レール351及び352上を滑ることにより走行するように構成してもよい。他の点については、図5を参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0091】
8.第5の実施形態
図15は、本開示の第5の実施形態における第1のメインアンプの正面図である。第5の実施形態において、レールを備えず、車輪451及び452が、フレーム330の任意の面上を走行するよう構成されてもよい。
【0092】
図15に示すように、フレーム330には、一本のガイド359が設けられてもよい。一方、第1のメインアンプ304には、ガイド359に沿って動くガイドフォロア459が設けられていてもよい。ガイド359は断面がU字状でもよく、ガイドフォロア459は、このガイド359に挟まれた状態でガイド359に沿って動くように構成されてもよい。他の点については、図7Aを参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0093】
9.第6の実施形態
図16は、本開示の第6の実施形態における第1のメインアンプの側面図である。第6の実施形態において、フレーム330には、レールではなく複数の車輪371〜373が設けられていてもよい。車輪371〜373は、フレーム330上の所定の位置で回転できるように構成されてもよい。一方、第1のメインアンプ304の伸縮機構461及び463には、レール471が固定されていてもよい。レール471は、車輪371〜373の上に配置されてもよい。車輪371〜373の回転に伴って、第1のメインアンプ304がレール471と共に移動するように構成されてもよい。
【0094】
さらに、台車7にも複数の車輪771〜773が設けられていてもよい。これにより、フレーム330上の位置から台車7上の位置へ第1のメインアンプ304を移動させ、所望のメンテナンスエリアに運搬してもよい。
【0095】
このように、第6の実施形態は、レールと車輪との関係が逆になっている点で、図8を参照しながら説明した第1の実施形態と異なる。他の点については、図8を参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0096】
10.第7の実施形態
図17は、本開示の第7の実施形態における第1のメインアンプの側面図である。第7の実施形態においては、レール(ガイド)及び車輪(ガイドフォロア)がなくてもよい。図17に示すように、第1のメインアンプ304の下面には、エア吹出し装置(昇降機構)475が設けられていてもよい。エア吹出し装置475の周囲には、スカート476が設けられていてもよい。エア吹出し装置475から高圧ガスを噴出することにより、スカート476の内側のガス圧が大気圧よりも上昇し、第1のメインアンプ304を上昇させてもよい。これにより、僅かな力で第1のメインアンプ304をフレーム330上の位置から台車7上の位置へ移動させてもよい。他の点については、図8を参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0097】
11.第8の実施形態
図18Aは、本開示の第8の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す分解斜視図である。図18Bは、第8の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す斜視図である。図18A及び図18Bにおいて、モジュールはその脚部441〜443のみが図示されている。
【0098】
第8の実施形態において、マウント361〜363の上面には、それぞれ円錐状の窪み361a〜363aが形成されていてもよい。なお、窪みの形状は円錐以外の形状でもよく、たとえば半球状の窪みでもよい。マウント361は、フレーム330の設置部361b上に、ピン361c又はボルトにより固定されていてもよい。これにより、脚部441が水平方向に動き難いように位置決めされてもよい。
【0099】
フレーム330には、載置台362dがピン362c又はボルトにより固定されていてもよい。マウント362が、載置台362dの上に載置されてもよい。載置台362dの上面には、段差362eと傾斜とを有する設置部362bが形成されていてもよい。マウント362の下面には、段差362eに対応する段差362fが形成されていてもよい。これらの段差362eと段差362fとは、例えば、直方体状のキーと、これに対応する形状のキー溝とによって形成されてもよい。マウント362は、載置台362dに固定されなくてもよい。
【0100】
マウント362が載置台362dの設置部362b上に載置されたとき、重力によって、マウント362が設置部362bの傾斜に従って滑ることにより、段差362eに段差362fが押し付けられてもよい。設置部362bは、水平面に対して摩擦角以上の傾斜角を有することが望ましい。マウント362は、段差362eに押し付けられた状態で、段差362eに沿って移動可能であってもよい。これにより、モジュールの脚部442は、段差362eに沿って移動できてもよい。
【0101】
マウント363は、フレーム330の設置部363b上に載置されてもよく、設置部363bに固定されなくてもよい。マウント363が設置部363bに載置されたとき、マウント363は、設置部363bの面に沿って移動可能であってもよい。これにより、脚部443は、マウント363と共に重力方向と交差する面内において移動できるように支持され得る。
【0102】
第8の実施形態によれば、マウント361〜363に形成された円錐状の窪み361a〜363aによって、脚部441〜443を支持するので、マウント361〜363と脚部441〜443との接触箇所が点状ではなく線状となり荷重が分散し得る。従って、マウント361〜363と脚部441〜443とがモジュールの大きな荷重にも耐え得る。なお、脚部441〜443の先端は丸い必要は無く、前記窪み内に接する大きさと形状を有すればよい。
【0103】
また、第8の実施形態によれば、マウント362を載置するための載置台362dの上面が傾斜し、且つ段差362eが形成されているので、マウント362が段差362eに押し付けられ得る。そのため、マウント362が段差362eに沿って精度よく位置決めされ得る。他の点については、図8を参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0104】
12.第9の実施形態
図19は、本開示の第9の実施形態においてモジュールを支持するためのマウントを示す断面図である。第9の実施形態においては、第8の実施形態におけるマウント362及び載置台362d(図18A参照)の代わりに、傾斜を有しない設置部382b上に載置されたマウント382が用いられてもよい。
【0105】
設置部382bには、段差382eが形成されていてもよい。マウント382の下面には、段差382eに対応する段差382fが形成されていてもよい。これらの段差は、例えば、設置部382bにピン382c又はボルトにより固定されたキー382gと、キー382gに対応する形状のキー溝382hとによって形成されてもよい。
【0106】
マウント382には、弾性部材によってキー溝382h内部に向かって付勢されたプランジャ382iが設けられていてもよい。マウント382が設置部382bに載置されたとき、プランジャ382iは、キー382gを押圧してもよい。これにより、段差382eに段差382fが押し付けられてもよい。マウント382は、段差382eに押し付けられた状態で、段差382eに沿って(図19の奥行方向に)移動可能であってもよい。これにより、モジュールの脚部442は、段差382eに沿って移動できるように支持され得る。他の点については、図18A及び図18Bを参照しながら説明した第8の実施形態と同様でよい。
【0107】
13.第10の実施形態
図20Aは、本開示の第10の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す分解斜視図である。図20Bは、本開示の第10の実施形態においてモジュールを支持するための構造を示す斜視図である。図20Cは、図20Bの矢印XXCで示す方向から見た一部断面図である。図20A〜図20Cにおいて、モジュール内の光学素子及びレーザ光が通過する窓又は配管は、図示を省略している。
【0108】
第10の実施形態において、フレーム330はフレーム形状の他にプレート形状の部分を有してもよい。フレーム330のプレート形状部側面には、第3のビーム伝送器323などのモジュールが設置されてもよい。第3のビーム伝送器323は、その伝送器の長い方向が重力方向に向くようにして設置されても良い。図10A及び図10Bを参照しながら説明した如く第3のビーム伝送器323の下面を支持する代わりに、第10の実施形態においては、第3のビーム伝送器323をフレーム330の側面で支持してもよい。
【0109】
フレーム330のプレート形状部上面には、第3のビーム伝送器323の脚部641及び642が載置されるマウント391及び392が配置されていてもよい。脚部641がマウント391に載置されることにより、脚部641が水平方向に動き難いように位置決めされてもよい。脚部642がマウント392に載置されることにより、脚部642は、Y方向に移動できるように支持されてもよい。
【0110】
フレーム330のプレート形状部側面に、マウント393が形成されていてもよい。マウント393は、フレーム330に形成された凹部であってもよい。第3のビーム伝送器323の脚部643は、第3のビーム伝送器323がフレーム330のプレート形状部に対向する面に配置されていてもよく、マウント393に対して押し付けられるとともに、フレーム330の側面に沿った方向に移動できるようになっていてもよい。脚部643が押し付けられるマウント393の平坦面393bは、図20Cに示すように、マウント391及び392の中心を通過する面であることが望ましい。
【0111】
脚部643をマウント393に対して押し付けるために、ボルト643aが、第3のビーム伝送器323の壁面の貫通孔(大径部643b及び小径部643c)を貫通し、フレーム330に対してねじ込まれていてもよい。ボルト643aの頭部643dと貫通孔の大径部643bの底面との間には、ばね等の弾性部材643eが配置され、第3のビーム伝送器323をマウント393に対して押し付けてもよい。第3のビーム伝送器323をマウント393に対して押し付けるために、ボルト643a等の代わりに、磁石等を用いてもよい。第3のビーム転送器323がフレーム330の側面に沿って移動しやすいように、ボルト643aと小径部643cとの間に間隙を設けてもよい。
【0112】
第10の実施形態によれば、モジュールの底面の大きさに対してモジュールの高さが高く、下面で支持するだけでは倒れる可能性のあるモジュールであっても、安定的に支持することができる。他の点については、図8を参照しながら説明した第1の実施形態と同様でよい。
【0113】
14.第11の実施形態
図21は、本開示の第11の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示すブロック図である。EUV光生成システム11aに含まれるレーザシステム3aは、マスターオシレータ300aと、第1、第2及び第3のプリアンプ301a、302a及び303aと、第1及び第2のメインアンプ304及び305と、プリパルスレーザ部306と、光路調整部307とを含んでもよい。
【0114】
図22Aは、第11の実施形態に係るレーザシステムを構成するモジュールの具体的な配置を示す斜視図である。図22Bは、図22Aにおける下層部のモジュールの配置を示す斜視図である。図22Cは、図22Aにおけるフレームを示す斜視図である。
【0115】
マスターオシレータ300aと第1のプリアンプ301aとは、1つの筐体に収容されてもよい。第11の実施形態において、第2及び第3のプリアンプ302a及び303aが、いずれも第1及び第2のメインアンプ304及び305と同様の高速軸流型増幅器で構成されてもよい。従って、第1の実施形態における第1〜第4のビーム調節器311〜314が設けられなくてもよい。
【0116】
第11の実施形態においては、第1及び第2のプリアンプ301aと302aとの間に、第7のビーム伝送器327が配置されてもよい。第2及び第3のプリアンプ302aと303aとの間には、第7及び第8のビーム伝送器327及び328が配置されてもよい。第3のプリアンプ303aと第1のメインアンプ304との間には、第8、第2及び第3のビーム伝送器328、322及び323が配置されてもよい。
【0117】
第11の実施形態によれば、レーザシステム3をコンパクトに構成することができる。第11の実施形態における各種モジュールの支持機構は、第1の実施形態における支持機構と同様でもよい。
【0118】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0119】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0120】
1…EUV光生成装置、2…チャンバ、3、3a…レーザシステム、4…ターゲットセンサ、5…EUV光生成制御システム、6…露光装置、7…台車、11、11a…EUV光生成システム、21…ウィンドウ、22…レーザ光集光光学系、23…EUV集光ミラー、24…貫通孔、25…プラズマ生成領域、26…ドロップレット生成器、27…ドロップレットターゲット、28…ターゲット回収部、29…接続部、31、32、33…パルスレーザ光、34…レーザ光進行方向制御部、251、252…EUV光、291…壁、292…中間焦点、300、300a…マスターオシレータ、301、301a…第1のプリアンプ、302、302a…第2のプリアンプ、303、303a…第3のプリアンプ、304…第1のメインアンプ、305…第2のメインアンプ、306…プリパルスレーザ部、307…光路調整部、311…第1のビーム調節器、312…第2のビーム調節器、313…第3のビーム調節器、314…第4のビーム調節器、321…第1のビーム伝送器、322…第2のビーム伝送器、323…第3のビーム伝送器、324…第4のビーム伝送器、325…第5のビーム伝送器、326…第6のビーム伝送器、327…第7のビーム伝送器、328…第8のビーム伝送器、330…フレーム、331〜333…フレーム支持部、341〜343…マウント、341a…窪み、342a…溝、344〜346…支持部、351、352…レール(ガイド)、359…ガイド、361〜363…マウント、361a〜363a…窪み、361b〜363b…設置部、361c、362c…ピン、362d…載置台、362e…段差、362f…段差、371〜373…車輪(ガイドフォロア)、382…マウント、382b…設置部、382c…ピン、382e…段差、382f…段差、382g…キー、382h…キー溝、382i…プランジャ、391〜393…マウント、393b…平坦面、401…入射窓、402…出射窓、411〜418…放電管、421〜428…ミラー、433、434…電極、441〜433…脚部(支持部)、444〜446…脚部(マウント)、451〜453…車輪(ガイドフォロア)、455〜459…ガイドフォロア、461〜464…伸縮機構、465…プレート、471…レール、475…エア吹出し装置、476…スカート、501…入射窓、502…出射窓、503…凹面ミラー、505、506…放電電極、541〜543…脚部(支持部)、601…第1の入射窓、602…第1の出射窓、603…第2の入射窓、604…第2の出射窓、605…第1の高反射ミラー、606…第2の高反射ミラー、607…第3の高反射ミラー、641〜643…脚部(支持部)、643a…ボルト、643b…大径部、643c…小径部、643d…頭部、643e…弾性部材、701…出力結合ミラー、702…高反射ミラー、703、704…放電電極、705…Qスイッチ、706…出射窓、741〜743…脚部(支持部)、751、752…レール、761〜763…マウント、771〜773…車輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発振する発振器と、前記発振器を支持する支持部とを含む第1のモジュールと、
レーザ光を伝送するビーム伝送器と、前記ビーム伝送器を支持する支持部とを含む第2のモジュールと、
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する支持部とを含む第3のモジュールと、
のうちの少なくとも2つのモジュールと、
前記少なくとも2つのモジュールが載置されるフレームであって、前記少なくとも2つのモジュールの各々につき、前記支持部が載置されるマウントを含む前記フレームと、
を含むレーザシステム。
【請求項2】
前記少なくとも2つのモジュールの各々につき、前記少なくとも2つのモジュールを前記マウントに対して昇降する昇降機構をさらに含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
前記フレームに設置された少なくとも2つのガイドと、
前記少なくとも2つのモジュールをそれぞれ支持する少なくとも2つの群のガイドフォロアであって、前記少なくとも2つのガイドにそれぞれ沿って動くことにより前記少なくとも2つのモジュールをそれぞれ移動させる前記少なくとも2つの群のガイドフォロアと、
をさらに含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記少なくとも2つのモジュールの各々につき、前記少なくとも2つの群のガイドフォロアとの間の距離をそれぞれ伸縮することにより前記少なくとも2つのモジュールをそれぞれ昇降する昇降機構をさらに含む、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記少なくとも2つのモジュールが、それぞれ第1の位置と前記第1の位置の下方の第2の位置とに配置される、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項6】
前記第2の位置に配置されるモジュールが、前記第1の位置に配置されるモジュールより質量が小さい、請求項5に記載のレーザシステム。
【請求項7】
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、
前記モジュールが載置されるフレームであって、前記第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含む前記フレームと、
を含み、
前記モジュールは、
入射光が第1の外部ユニットから入射するための入射部と、
出射光が第2の外部ユニットへ出射するための出射部と、
を更に含み、
前記第1の支持部は、前記モジュールの重心から見て前記入射部側の第1の位置に有し、
前記第2の支持部は、前記第1の位置から見て前記入射光の入射方向側の第2の位置に有し、
前記第3の支持部は、第3の位置に有する、レーザシステム。
【請求項8】
前記第1のマウントは、前記第1の支持部を所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第2の支持部が前記入射光の入射方向に沿った方向に移動できるように前記第2の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が重力方向と交差する面内において移動できるように前記第3の支持部を支持する、請求項7に記載のレーザシステム。
【請求項9】
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、
前記モジュールが載置されるフレームであって、前記第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含む前記フレームと、
を含み、
前記モジュールは、
出射光が外部ユニットへ出射するための出射部を更に含み、
前記第1の支持部は、前記モジュールの重心から見て前記出射部側の第1の位置に有し、
前記第2の支持部は、前記第1の位置から見て前記出射光の出射方向とは反対側の第2の位置に有し、
前記第3の支持部は、第3の位置に有する、レーザシステム。
【請求項10】
前記第1のマウントは、前記第1の支持部を所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第2の支持部が前記出射光の出射方向に沿った方向に移動できるように前記第2の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が重力方向と交差する面内において移動できるように前記第3の支持部を支持する、請求項9に記載のレーザシステム。
【請求項11】
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、
前記モジュールが載置されるフレームであって、前記第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含む前記フレームと、
を含み、
前記モジュールは、
入射光が第1の外部ユニットから入射するための入射部と、
出射光が第2の外部ユニットへ出射するための出射部と、
を更に含み、
前記第1の支持部は、前記モジュールの重心から見て前記入射部側の第1の位置に有し、
前記第2の支持部は、前記モジュールの重心から見て前記出射部側の第2の位置に有し、
前記第3の支持部は、第3の位置に有する、レーザシステム。
【請求項12】
前記第1のマウントは、前記第1の支持部を所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第2の支持部が前記出射光の出射方向に沿った方向に移動できるように前記第2の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が重力方向と交差する面内において移動できるように前記第3の支持部を支持する、請求項11に記載のレーザシステム。
【請求項13】
前記第1のマウントは、前記第2の支持部を所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第1の支持部が前記入射光の入射方向に沿った方向に移動できるように前記第1の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が重力方向と交差する面内において移動できるように前記第3の支持部を支持する、請求項11に記載のレーザシステム。
【請求項14】
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、
前記モジュールが載置されるフレームであって、前記第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントと、前記第1〜第3のマウントがそれぞれ載置される第1〜第3の設置部と、を含む前記フレームと、
を含み、
前記第1のマウントは、前記第1の支持部を前記フレームの所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第2の設置部に形成された段差に沿って移動できるように前記第2の設置部に載置され、前記第2の設置部が重力方向に垂直な面に対して傾斜していることにより、前記第2のマウントは前記段差に押し付けられ、前記第2のマウントは、前記第2の支持部を前記第2のマウントの所定位置に位置決めすることにより、前記第2の支持部が前記フレームに対して前記段差に沿った方向に移動できるように前記第2の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が前記フレームに対して重力方向と交差する面内において移動できるように前記第3の支持部を支持する、レーザシステム。
【請求項15】
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、
前記モジュールが載置されるフレームであって、前記第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントと、前記第1〜第3のマウントがそれぞれ載置される第1〜第3の設置部と、を含む前記フレームと、
を含み、
前記第1のマウントは、前記第1の支持部を前記フレームの所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第2の設置部に形成された段差に沿って移動できるように前記第2の設置部に載置され、前記第2の設置部又は前記第2のマウントに設けられた弾性部材により、前記第2のマウントは前記段差に押し付けられ、前記第2のマウントは、前記第2の支持部を前記第2のマウントの所定位置に位置決めすることにより、前記第2の支持部が前記フレームに対して前記段差に沿った方向に移動できるように前記第2の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が前記フレームに対して重力方向と交差する面内において移動できるように前記第3の支持部を支持する、レーザシステム。
【請求項16】
レーザ光を伝送するビーム伝送器と、前記ビーム伝送器を支持する第1〜第3の支持部とを含むモジュールと、
前記モジュールが載置されるフレームであって、前記第1〜第3の支持部がそれぞれ載置される第1〜第3のマウントを含む前記フレームと、
を含み、
前記第1及び第2のマウントは、前記フレームの第1の面に設けられ、
前記第3のマウントは、前記フレームの第2の面であって前記第1の面と交差する面に設けられ、
前記第1のマウントは、前記第1の支持部を所定位置に位置決めし、
前記第2のマウントは、前記第2の支持部が前記第1のマウントに近づく方向に沿った方向に移動できるように前記第2の支持部を支持し、
前記第3のマウントは、前記第3の支持部が前記第2の面に沿った方向に移動できるように前記第3の支持部を支持する、レーザシステム。
【請求項17】
レーザ光を発振する発振器と、前記発振器を支持する支持部とを含む第1のモジュールと、
レーザ光を伝送するビーム伝送器と、前記ビーム伝送器を支持する支持部とを含む第2のモジュールと、
レーザ光を増幅する増幅器と、前記増幅器を支持する支持部とを含む第3のモジュールと、
のうちの少なくとも2つのモジュールが載置されるフレームであって、前記少なくとも2つのモジュールの各々につき、前記支持部が載置されるマウントを含む、フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【公開番号】特開2013−48202(P2013−48202A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256489(P2011−256489)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】